JP5557655B2 - バリ取り方法及びバリ取り用衝撃波発生装置 - Google Patents
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Description
前記ワークの表面に形成された前記第1穴の開口端部を薄膜により封鎖する封鎖工程と、
前記薄膜を介して封鎖した前記第1穴の前記開口端部に対向する位置に処理液を配置する待機工程と、
前記処理液に衝撃波を発生させる衝撃波発生工程と、
前記衝撃波が前記薄膜を破断して前記処理液が前記第1穴内に充満しながら高速で流入して前記バリに衝突することにより、このバリを折り取り除去する除去工程とを有していることを特徴とする。
一端側が開口しており、前記処理液を貯留するシリンダー部、及びこのシリンダー部の他端側に連続して形成されており、前記ワークに形成した前記第1穴の開口端部の開口面積にほぼ等しい吐出口を有するノズル部を具備した本体と、
前記シリンダー部の一端側の開口から挿入され、このシリンダー部内を往復移動するプランジャーと、
このプランジャーを前記シリンダー部の他端側へ向けて移動させるハンマーとを備えていることを特徴とする。
実施例1のバリ取り装置は、図1に示すように、研磨材を混入した水からなる処理液30を貯留するタンク50を有している。また、このバリ取り装置は、後述するワーク10の第1穴11の開口端部11Aの近傍に爆薬40が配置されるように、ワーク10を所定の位置に固定する図示しない固定具と、爆薬40を所定の位置に固定する固定具41とを有している。また、このバリ取り装置はワーク10の外表面全体を覆う樹脂製の薄膜20を有している。
先ず、ワーク10の外表面全体を薄膜20により覆い、第1穴11の開口端部11A等、第1穴11及び第2穴12よってワーク10に形成された開口部を封鎖する。これにより、ワーク10をタンク50に貯留された処理液30内に沈降させた際に第1穴11内及び第2穴12内に処理液30が浸水しないようにする。
次に、薄膜20によって覆われたワーク10をタンク10に貯留された処理液30内に沈降し、固定具により所定の位置に固定する。これにより、第1穴11の開口端部11Aに対向する位置に処理液30が配置されたことと同じ状態となる。さらに、処理液30内であって、ワーク10の第1穴11の開口端部11Aの近傍に爆薬40を配置するように、爆薬40を固定具41により固定する。
次に、図2に示すように、爆薬40を起爆して処理液30に衝撃波を発生させる。
衝撃波により、ワーク10を覆う薄膜20が破断し、処理液30が第1穴11の開口端部11Aから第1穴11内に充満しながら高速で流入する。この際、衝撃波が薄膜20を破断して処理液30が第1穴11内に流入するまでは第1穴11内には空気が充満している。衝撃波が液体から空気に伝播する際、液体と空気の境界面において、理論上、空気側の自由端面での粒子速度は境界面に液体側から入射する粒子速度の約2倍になる。このため、衝撃波の速度の約2倍の速さで処理液30を第1穴11内に流入させることができる。また、爆薬40を第1穴11の開口端部11Aの近傍に配置して起爆させるため、爆薬40の起爆により発生した衝撃波のエネルギーを無駄にすることなく第1穴11に処理液30を高速で流入させることができる。
実施例2のバリ取り装置は、図4に示すように、後述するワーク60の第1穴61の開口端部61Aを封鎖する樹脂製の薄膜70と、バリ取り用衝撃波発生装置80とを有している。バリ取り用衝撃波発生装置80は、本体81、プランジャー84、及びハンマー85を備えている。
先ず、第1穴61の開口端部61Aが形成されたワーク60の表面に薄膜70を貼付し、第1穴61の開口端部61Aを封鎖する。ワーク60は第1穴61が上下方向に延びるように台座65上に載置される。
次に、薄膜70を介してワーク60の第1穴61の開口端部61Aに対向する位置に吐出口83Aを配置するように衝撃波発生装置80をワーク60上に固定する。これにより、第1穴61の開口端部61Aに対向する位置に処理液30が配置される。
次に、図5に示すように、ハンマー85をプランジャー84の端面84Bに衝突させる。プランジャー84の端面84Bへのハンマー85の衝突によって、シリンダー部82内に貯留した処理液30に衝撃波が発生する。このように、バリ取り用衝撃波発生装置80は容易に衝撃波を発生することができる。
衝撃波により、ワーク60に形成された第1穴61の開口端部61Aを封鎖する薄膜70が破断し、処理液30が第1穴61の開口端部61Aから第1穴61内に充満しながら高速で流入する。この際、衝撃波が薄膜70を破断して処理液30が第1穴61内に流入するまでは第1穴61内には空気が充満している。衝撃波が液体から空気に伝播する際、液体と空気の境界面において、理論上、空気側の自由端面での粒子速度は境界面に液体側から入射する粒子速度の約2倍になる。このため、衝撃波の速度の約2倍の速さで処理液30を第1穴61内に流入させることができる。これにより、第2穴62の第1穴61への開口部62Aの周囲に形成されたバリ63は、第1穴61内に充満しながら高速で流入する処理液30が衝突し、根元から確実に折り取られる。
(1)実施例1では、爆薬を起爆して処理液に衝撃波を発生させたが、処理液内に正負放電電極を配置し、この正負放電電極間に高電圧パルスを印加して処理液に衝撃波を発生させてもよい。
(2)実施例1では、一つのワークを処理液内に沈降させて衝撃波によりワークに形成されたバリを除去したが、複数のワークを処理液内に沈降させて衝撃波により同時にそれぞれのワークに形成されたバリを除去してもよい。この場合、各ワーク毎に衝撃波を発生させる爆薬を配置してもよい。
(3)実施例1では、ワークの外表面全体を薄膜により覆ったが、第1穴及び第2穴により形成された各開口端部のそれぞれを薄膜により封鎖してもよい。
(4)実施例1及び2では、研磨材を混入した水を処理液にしたが、研磨材を混入していない水であってもよい。
(5)実施例1及び2では、第1穴がワークを貫通していたが、第1穴はワークの中間位置まで穿設した止まり穴であってもよい。この場合でも、第1穴に処理液が高速で流入し、第1穴の先端側の空気を圧縮し、バリを良好に折り取り除去することができる。
11、61…第1穴
11A、61A…開口端部
12、62…第2穴
12A、62A…開口部
13、63…バリ
20、70…薄膜
30…処理液
40…爆薬
50…タンク
80…衝撃波発生装置
81…本体
82…シリンダー部
83…ノズル部
83A…吐出口
84…プランジャー
85…ハンマー
Claims (5)
- ワークに形成した第1穴に対し、第2穴を交差して連通して形成し、前記第2穴の前記第1穴への開口部の周囲に形成されたバリを除去するバリ取り方法であって、
前記ワークの表面に形成された前記第1穴の開口端部を薄膜により封鎖する封鎖工程と、
前記薄膜を介して封鎖した前記第1穴の前記開口端部に対向する位置に処理液を配置する待機工程と、
前記処理液に衝撃波を発生させる衝撃波発生工程と、
前記衝撃波が前記薄膜を破断して前記処理液が前記第1穴内に充満しながら高速で流入して前記バリに衝突することにより、このバリを折り取り除去する除去工程とを有していることを特徴とするバリ取り方法。 - 前記封鎖工程は、前記ワークの外表面全体を前記薄膜により覆い、
前記待機工程は、このワークをタンクに貯留した前記処理液内に沈降させることを特徴とする請求項1記載のバリ取り方法。 - 前記衝撃波は、前記タンクに貯留した前記処理液内であって、前記ワークの前記第1穴の前記開口端部の近傍に配置した爆薬を起爆することにより発生させることを特徴とする請求項2記載のバリ取り方法。
- 前記処理液は研磨材を混入した水であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載のバリ取り方法。
- ワークに形成した第1穴に対し、第2穴を交差して連通して形成し、前記第2穴の前記第1穴への開口部の周囲に形成されたバリを除去するために、処理液に衝撃波を発生させて前記第1穴の開口端部を封鎖した薄膜を破断して前記第1穴内に前記処理液を充満しながら高速で流入させるバリ取り用衝撃波発生装置であって、
一端側が開口しており、前記処理液を貯留するシリンダー部、及びこのシリンダー部の他端側に連続して形成されており、前記ワークに形成した前記第1穴の開口端部の開口面積にほぼ等しい吐出口を有するノズル部を具備した本体と、
前記シリンダー部の一端側の開口から挿入され、このシリンダー部内を往復移動するプランジャーと、
このプランジャーを前記シリンダー部の他端側へ向けて移動させるハンマーとを備えていることを特徴とするバリ取り用衝撃波発生装置。
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