JP5556486B2 - 可変圧縮比内燃機関の制御システム - Google Patents

可変圧縮比内燃機関の制御システム Download PDF

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Description

本発明は、圧縮比を変更可能な内燃機関の制御技術に関する。
近年、ピストンが上死点に位置するときの筒内容積(燃焼室容積)とピストンが下死点に位置するときの筒内容積との比(機械圧縮比)、あるいは燃焼室容積と吸気バルブが閉弁するときの筒内容積との比(有効圧縮比)を変更可能な内燃機関が提案されている。
上記したような可変圧縮比内燃機関において、実際の圧縮比が目標圧縮比に収束するように吸気バルブの閉弁タイミングを変更したり、実際の吸入空気量が目標吸入空気量に収束するように吸気バルブの開弁タイミングを変更したりする技術が提案されている(たとえば、特許文献1を参照)。
特開2003−049682号公報 特開2005−226481号公報 特開2003−148177号公報 特開2005−140054号公報
ところで、上記した従来の技術における目標圧縮比と吸気バルブの閉弁タイミングとの関係は、気筒内にデポジットが堆積していない状態を想定して定められている。気筒内にデポジットが堆積した場合は、気筒内の容積が減少する。そのため、目標圧縮比と吸気バルブの閉弁タイミングとの関係が成立しなくなる可能性がある。そのような場合は、実際の吸入空気量が目標吸入空気量に収束しなくなる可能性もある。よって、デポジットなどの堆積による筒内容積の変化を検出する必要がある。
本発明は、上記した実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、圧縮比を変更可能な内燃機関の制御システムにおいて、デポジットの堆積などによる筒内容積の変化を検出することができる技術の提供にある。
本発明は、上記した課題を解決するために、圧縮比変更過渡時の連続する2サイクルにおいて、筒内圧は2つのサイクル間で相異するが、筒内ガスが受ける熱エネルギの量は2つのサイクル間で同等であると近似することができる点に着目した。
詳細には、本発明に係わる可変圧縮比内燃機関の制御システムは、
内燃機関の圧縮比を変更する可変圧縮比機構と、
気筒内の圧力を検出する筒内圧センサと、
前記可変圧縮比機構により圧縮比が変更されている過渡期において、第1サイクルで前記筒内圧センサが検出した筒内圧、及び第1サイクルの次のサイクルである第2サイクルで前記筒内圧センサが検出した筒内圧をパラメータとして、気筒内の付着物による筒内容積の変化分を演算する演算部と、
を備えるようにした。
筒内ガスが受ける熱エネルギの量と筒内圧と筒内容積との関係は、熱力学第一法則に基づく式により表すことができる。たとえば、筒内ガスが受ける熱エネルギの量は、筒内圧と筒内容積を引数とする式(以下、「第1の式」と称する)により表すことができる。
圧縮比変更過渡時の連続する2サイクル間においては、筒内ガスが受ける熱エネルギの量は同等であると近似することができる。そのため、上記した第1の式に第1サイクルで検出された筒内圧を代入した場合の解と、上記した第1の式に第2サイクルで検出された筒内圧を代入した場合の解とは等しいと仮定することができる。また、第2サイクルにおける筒内容積は、第1サイクルにおける筒内容積と圧縮比の変更量を引数とする式により表すことができる。さらに、第2サイクルにおける筒内容積は、設計値(デポジットなどの付着物が付着していないときの筒内容積)と、付着物による筒内容積の変化分と、の差として表すこともできる。
その結果、付着物による筒内容積の変化分は、第1サイクルにおける筒内圧と、第2サイクルにおける筒内圧と、第2サイクルにおける筒内容積の設計値と、を引数とする演算式(以下、「第2の式」と称する)により求めることが可能となる。
したがって、本発明に係わる可変圧縮比内燃機関の制御システムによれば、圧縮比変更過渡時の連続する2サイクルのそれぞれにおいて検出された筒内圧をパラメータとして、気筒内の付着物による筒内容積の変化分を求めることが可能になる。
ここで、第1サイクルの吸気バルブの閉弁タイミングにおける筒内圧をP1i、第1サイクルの点火タイミングにおける筒内圧をP1s、第2サイクルの吸気バルブの閉弁タイミングにおける筒内圧をP2i、第2サイクルの点火タイミングにおける筒内圧をP2s、第2サイクルの吸気バルブの閉弁タイミングにおける筒内容積の設計値をVmi、第2サイクルの点火タイミングにおける筒内容積の設計値をVms、定数をCとすると、上記した第2の式を以下のように表すこともできる。下記の式におけるVdは、デポジットの堆積などによる筒内容積の変化分を示す。
Figure 0005556486
上記したような式を用いることにより、筒内容積の変化分Vdを求めることができる。なお、ここでいう「筒内容積の設計値」は、気筒内にデポジットなどの付着物が堆積していないときの筒内容積であり、内燃機関が新品状態にあるときの筒内容積に相当する。
本発明に係わる可変圧縮比内燃機関の制御システムは、内燃機関の運転状態から定まる目標吸入空気量をパラメータとして吸気バルブの目標閉弁タイミングを決定する決定部と、前記演算部により算出された筒内容積変化分に応じて、前記決定部により決定された目標閉弁タイミングを補正する補正部と、をさらに備えるようにしてもよい。かかる構成によれば、デポジットなどの堆積により筒内容積が変化した場合であっても、実際の吸入空気量を目標吸入空気量に収束させることが可能となる。
なお、前記した補正部は、目標吸入空気量の空気を気筒内へ導入するために必要な筒内容積と、演算部により算出された筒内容積変化分と、を加算することにより目標筒内容積を求め、吸気バルブの閉弁タイミングにおける筒内容積が前記目標筒内容積と等しくなるように目標閉弁タイミングを補正してもよい。かかる構成によれば、吸気バルブの閉弁タイミングにおける筒内容積を目標筒内容積に一致させることができるため、実際の吸入空気量が目標吸入空気量に収束する。
本発明によれば、圧縮比を変更可能な内燃機関の制御システムにおいて、デポジットの堆積などによる筒内容積の変化を検出することができる。
本発明を適用する内燃機関の概略構成を示す図である。 筒内容積特定処理ルーチンを示すフローチャートである。 吸気バルブの目標閉弁タイミングを算出するルーチンを示すフローチャートである。
以下、本発明の具体的な実施形態について図面に基づいて説明する。本実施形態に記載される構成部品の寸法、材質、形状、相対配置等は、特に記載がない限り発明の技術的範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
図1は、本発明を適用する内燃機関の概略構成を示す図である。図1に示す内燃機関1は、複数の気筒を有する4ストローク・サイクルの火花点火式内燃機関(ガソリンエンジン)である。なお、図1においては複数の気筒のうち1気筒のみが図示されている。
内燃機関1は、シリンダブロック2と、シリンダヘッド3と、クランクケース4とを備えている。シリンダブロック2には、複数の気筒(シリンダ)5が形成されている。各気筒5には、ピストン6がシリンダ軸方向へ摺動自在に装填されている。ピストン6は、クランクケース4に回転自在に支持されたクランクシャフト7とコネクティングロッド8を介して連結されている。
シリンダヘッド3には、吸気ポート9と排気ポート10が形成されている。シリンダヘッド3には、吸気ポート9の開口端を開閉する吸気バルブ11と、排気ポート10の開口端を開閉する排気バルブ12が取り付けられている。吸気バルブ11は、シリンダヘッド3に回転自在に支持された吸気カムシャフト13により開閉駆動される。排気バルブ12は、シリンダヘッド3に回転自在に支持された排気カムシャフト14により開閉駆動される。また、シリンダヘッド3には、吸気ポート9内へ燃料を噴射する燃料噴射弁15と、気筒5内に火花を発生させる点火プラグ16とが取り付けられている。
次に、シリンダブロック2とクランクケース4との連結部には、クランクケース4に対してシリンダブロック2をシリンダ軸方向へ変位させるための可変圧縮比機構100が設けられている。可変圧縮比機構100としては、偏心カムを回転させることにより、シリンダブロック2をシリンダ軸方向へ変位させる機構を利用することができる。
このような可変圧縮比機構100によりシリンダブロック2がクランクケース4から遠ざけられる(シリンダ軸方向の上死点側へ変位させられる)と、燃焼室容積が大きくなるため、機械圧縮比が低くなる。一方、可変圧縮比機構100によりシリンダブロック2がクランクケース4に近づけられる(シリンダ軸方向の下死点側へ変位させられる)と、燃焼室容積が小さくなるため、機械圧縮比が高くなる。
また、シリンダヘッド3には、吸気バルブ11の開弁特性を変更する可変動弁機構200が取り付けられている。可変動弁機構200としては、図示しないカムプーリに連動して回転する筐体と吸気カムシャフト13に連動して回転する回転軸とを備えた電動モータを備えた機構を利用することができる。
このような可変動弁機構200によれば、電動モータの回転軸がカムプーリの回転方向へ回転すると、カムプーリ(クランクシャフト7)に対する吸気カムシャフト13の位相が進角する。その結果、吸気バルブ11の開弁タイミング及び閉弁タイミングが早くなる。一方、電動モータの回転軸がカムプーリの回転方向と逆方向へ回転すると、カムプーリ(クランクシャフト7)に対する吸気カムシャフト13の位相が遅角する。その結果、吸気バルブ11の開弁タイミング及び閉弁タイミングが遅くなる。
なお、内燃機関1には、該内燃機関1の運転状態を制御するための電子制御ユニット(ECU)20が併設されている。ECU20には、クランクポジションセンサ21、アクセルポジションセンサ22、筒内圧センサ23、水温センサ24、リフトセンサ25等の各種センサの出力信号が入力されるようになっている。
クランクポジションセンサ21は、クランクシャフト7の回転位置(回転角度)に相関する電気信号を出力するセンサである。アクセルポジションセンサ22は、図示しないアクセルペダルの操作量(アクセル開度)に相関する電気信号を出力するセンサである。筒内圧センサ23は、気筒5内の圧力に相関する電気信号を出力するセンサである。水温センサ24は、内燃機関1を循環する冷却水の温度に相関する電気信号を出力するセンサである。リフトセンサ25は、クランクケース4においてシリンダブロック2との連結部位の近傍に配置され、クランクケース4に対するシリンダブロック2のリフト量(シリンダ軸方向の上死点側への変位量)に相関する電気信号を出力するセンサである。
また、ECU20には、上記した燃料噴射弁15、点火プラグ16、可変圧縮比機構100、可変動弁機構200などの各種機器が電気的に接続されている。ECU20は、上記した各種センサの出力信号に基づいて燃料噴射弁15、点火プラグ16、可変圧縮比機構100、及び可変動弁機構200を制御する。
たとえば、ECU20は、機関回転数及び機関負荷が予め定められた低負荷・低回転運転領域にあるときは、内燃機関1の圧縮比が高くなるように可変圧縮比機構100を制御する。詳細には、ECU20は、シリンダブロック2がクランクケース4に近づくように可変圧縮比機構100を制御する。
また、機関回転数及び機関負荷が上記した低負荷・低回転運転領域から逸脱したときは、ECU20は、シリンダブロック2がクランクケース4から遠ざかるように可変圧縮比機構100を制御することにより、内燃機関1の圧縮比を低下させる。
なお、内燃機関1の圧縮比は、上記したように二段階に切り換えられてもよく、或いは機関回転数及び機関負荷に応じて無段階に切り換えられてもよい。
このように内燃機関1の圧縮比が変更されると、低負荷・低回転運転領域における燃焼効率の向上と、高負荷・高回転運転領域におけるノッキングの抑制と、を両立することができる。
また、ECU20は、各気筒5へ吸入される空気量が目標量となるように、可変動弁機構200を制御する。その際、各気筒5の吸入空気量は、吸気バルブ11の閉弁タイミングに応じて変化する。そのため、ECU20は、目標吸入空気量と吸気バルブ11の目標閉弁タイミングとの関係に基づいて可変動弁機構200を制御してもよい。なお、目標吸入空気量は、内燃機関1の圧縮比と機関回転数と機関負荷とに応じて定められることが好ましい。よって、ECU20は、圧縮比と機関回転数と機関負荷とをパラメータとして吸気バルブ11の目標閉弁タイミングを定めるようにしてもよい。
ところで、吸気バルブ11の目標閉弁タイミングと目標吸入空気量との関係は、筒内容積が設計値と等しいことを前提に定められる。なお、ここでいう「設計値」とは、気筒5内にデポジットなどの付着物が堆積していないときの筒内容積であり、内燃機関1が新品状態にあるときの筒内容積に相当する。よって、気筒5内にデポジットなどの付着物が堆積した場合には、吸気バルブ11の目標閉弁タイミングと目標吸入空気量との関係が成立しなくなる可能性がある。
たとえば、気筒5内にデポジットなどの付着物が堆積すると、筒内容積が減少する。そのため、吸気バルブ11の閉弁タイミングが目標閉弁タイミングにされても、実際の吸入空気量が目標吸入空気量に収束しない可能性がある。
そこで、本実施例においては、ECU20は、可変圧縮比機構100により圧縮比が変更されている最中(圧縮比変更過渡時)に、実際の筒内容積を特定する処理(以下、「筒内容積特定処理」と称する)を実施するようにした。以下、筒内容積特定処理の実行方法について述べる。
圧縮比変更過渡時の連続する2サイクルにおいて、各気筒5の筒内圧は2つのサイクル間で相異するが、筒内ガスがシリンダボア壁面から受ける熱量は2つのサイクル間で同等であると近似することができる。
筒内ガスがシリンダボア壁面から受ける熱量と筒内圧と筒内容積との関係は、熱力学第一法則に基づく下記の式(1)により表すことができる。
Figure 0005556486
上記した式(1)中のQは、吸気バルブ11の閉弁タイミングiから点火タイミングsまでの期間において、筒内ガスがシリンダボア壁面から受ける熱量を示す。式(1)中のPは、筒内圧を示す。式(1)中のVは、実際の筒内容積(以下、「実筒内容積」と称する)を示す。式(1)中のκは比熱比を示す。
圧縮比変更過渡時の連続する2サイクルにおいて、各サイクルの吸気バルブ11の閉弁タイミングiから点火タイミングsまでの期間に筒内ガスが受ける熱量は同等であると近似することができる。よって、下記の式(2)が成立することになる。なお、以下では、連続する2サイクルの最初のサイクルを「第1サイクル」と称し、第1サイクルの次のサイクルを「第2サイクル」と称するものとする。
Figure 0005556486
上記した式(2)中のP1,P2は、第1サイクル及び第2サイクルのそれぞれにける筒内圧を示す。式(2)中のV1,V2は、第1サイクル及び第2サイクルのそれぞれにおける実筒内容積を示す。
また、第1サイクルにおける実筒内容積V1と第2サイクルにおける実筒内容積V2と
の間には、下記の式(3)が成立する。なお、式(3)中におけるΔεは第1サイクルから第2サイクルまでの期間における圧縮比の変化量を示し、Cεは圧縮比の変化量に対する筒内容積の変化量を示す相関定数を示すものとする。
V2=V1+Cε・Δε・・・(3)
ここで、圧縮比の変化率が一定であると仮定して上記した式(3)の両辺をクランク角度で微分すると、下記の式(4)が成立する。
dV2=dV1・・・(4)
前記した式(3),(4)を式(2)へ代入すると、以下の式(5)が成立する。
Figure 0005556486
上記した式(5)において、Cε・ΔεdP1は極めて小さい値であるため、零に近似することができる。よって、上記した式(5)は、下記の式(6)に置き換えることができる。
Figure 0005556486
上記した式(5)の両辺をV2・(P1−P2)で除算して整理すると、下記の式(7)を導き出すことができる。
Figure 0005556486
さらに、上記した式(7)は対数を用いて整理すると、下記の式(8)を導き出すことができる。
Figure 0005556486
上記した式(8)は、下記の式(9)に置き換えることができる。なお、下記式(9)中のCは、予め実験などを利用した適合作業により求められた適合係数である。
Figure 0005556486
ここで、第2サイクルの吸気バルブの閉弁タイミングiにおける筒内容積の設計値をVmi、第2サイクルの点火タイミングにおける筒内容積の設計値をVms、デポジットの堆積などに起因した筒内容積の減少分をVdとすると、下記の式(10),(11)が成立する。
Vd=Vms−V2s ・・・(10)
Vd=Vmi−V2i ・・・(11)
これら式(10),(11)を上記した式(9)へ代入すると、以下の式(12)が成立する。
Figure 0005556486
したがって、筒内圧センサ23により測定されたP1i,P1s,P2i,P2sを上記の式(12)へ代入することにより、デポジットの堆積などに起因した筒内容積の変化分Vdを算出することができる。
ここで、本実施例における筒内容積特定処理の実行手順について図2に沿って説明する。図2は、デポジットの堆積などによる筒内容積の変化分を特定する際にECU20が実行するルーチン(筒内容積特性処理ルーチン)を示すフローチャートである。この筒内容積特性処理ルーチンは、予めECU20のROMに記憶されているルーチンであり、可変圧縮比機構100により圧縮比が変更されるときに実行されるルーチンである。
図2の筒内容積特性処理ルーチンでは、ECU20は、先ずS101において、圧縮比変更中であるか否かを判別する。S101において否定判定された場合は、ECU20は、本ルーチンの実行を終了する。一方、S101において肯定判定された場合は、ECU20は、S102へ進む。
S102では、ECU20は、現サイクル(第1サイクル)の吸気バルブ11の閉弁タイミングiにおける筒内圧センサ23の出力信号P1iと、点火タイミングsにおける筒内圧センサ23の出力信号P1sと、を読み込む。
S102では、ECU20は、次サイクル(第2サイクル)の吸気バルブ11の閉弁タイミングiにおける筒内圧センサ23の出力信号P2iと、点火タイミングsにおける筒内圧センサ23の出力信号P2sと、を読み込む。
S103では、ECU20は、リフトセンサ25の出力信号から第2サイクルにおける圧縮比εを演算する。
S104では、ECU20は、前記S104で算出された圧縮比εと、第2サイクルにおける吸気バルブ11の閉弁タイミングiおよび点火タイミングsと、をパラメータとして、第2サイクルの吸気バルブ11の閉弁タイミングiにおける筒内容積の設計値Vmiと、第2サイクルの点火タイミングsにおける筒内容積の設計値Vmsと、を演算する。
なお、前記したVmi,Vmsは、第2サイクルの吸気バルブ11の閉弁タイミングiにおけるリフトセンサ25の出力信号、および第2サイクルの点火タイミングsにおけるリフトセンサ25の出力信号をそれぞれパラメータとして演算されてもよい。
S105では、ECU20は、前記S102で読み込まれたP1i,P1sと、前記S103で読み込まれたP2i,P2sと、前記S105で算出されたVmi,Vmsと、を前述した式(12)へ代入することにより、筒内容積の変化分Vdを算出する。
このようにECU20が図2の筒内容積特性処理ルーチンを実行することにより、本発明に係わる演算部が実現される。その結果、デポジットなどの付着物の堆積による筒内容積の変化分Vdを特定することができる。
さらに、筒内容積の変化分Vdが特定されると、特定された変化分Vdに基づいて吸気バルブ11の目標閉弁タイミングitrgを補正することにより、気筒5内へ実際に吸入される空気量を目標量に近似させることができる。
その際、ECU20は、図3に示すようなルーチンにしたがって吸気バルブ11の目標閉弁タイミングitrgを補正するようにしてもよい。図3は、吸気バルブ11の目標閉弁タイミングitrgを算出する際にECU20が実行するルーチンであり、ECU20によって周期的に実行されるルーチンである。
図3のルーチンでは、ECU20は、先ずS201において、内燃機関1の圧縮比εと機関回転数と機関負荷とをパラメータとして、1気筒当たりの目標吸入空気質量Mcylを演算する。
S202では、ECU20は、前記S201で算出された目標吸入空気質量Mcylの体積(容積)Vcylを演算する。たとえば、ECU20は、前記S201で算出された目標吸入空気質量Mcylを空気密度ρにより除算することにより、目標吸入空気質量Mcylの容積(以下、「目標吸入空気容積」と称する)Vcyl(=Mcyl/ρ)を算出する。
S203では、ECU20は、前述した図2の筒内容積特性処理ルーチンにより求められた筒内容積の変化分Vdと、前記S202で求められた目標吸入空気容積Vcylと、を加算することにより、目標筒内容積Vm(=Vcyl+Vm)を算出する。なお、ここでいう「目標筒内容積Vm」は、吸気バルブ11の閉弁タイミングiにおける筒内容積の目標値である。
S204では、ECU20は、前記S203で求められた目標筒内容積Vmをパラメータとして、吸気バルブ11の目標閉弁タイミングitrgを決定する。つまり、ECU20は、吸気バルブ11の閉弁タイミングiにおける筒内容積が前記目標筒内容積Vmと等しくなるように、目標閉弁タイミングitrgを決定する。その際、目標筒内容積Vmと目標閉弁タイミングitrgとの関係は、予め実験などを用いた作業によりマップ化されていてもよく、あるいは目標筒内容積Vmを引数とする関数(=F(Vm))として求められていてもよい。
このようにECU20が図3のルーチンを実行することにより、本発明に係わる決定部および補正部が実現される。その結果、デポジットなどの付着物の堆積によって筒内容積が変化した場合であっても、実際の吸入空気量を目標吸入空気量に収束させることができる。
1 内燃機関
2 シリンダブロック
3 シリンダヘッド
4 クランクケース
5 気筒
9 吸気ポート
10 排気ポート
11 吸気バルブ
12 排気バルブ
13 吸気カムシャフト
14 排気カムシャフト
15 燃料噴射弁
16 点火プラグ
21 クランクポジションセンサ
22 アクセルポジションセンサ
23 筒内圧センサ
24 水温センサ
25 リフトセンサ
100 可変圧縮比機構
200 可変動弁機構

Claims (4)

  1. 内燃機関の圧縮比を変更する可変圧縮比機構と、
    気筒内の圧力を検出する筒内圧センサと、
    前記可変圧縮比機構により圧縮比が変更されている過渡期において、第1サイクルの吸気バルブの閉弁タイミングで前記筒内圧センサが検出した筒内圧と、前記第1サイクルの点火タイミングで前記筒内圧センサが検出した筒内圧と、前記第1サイクルの次のサイクルである第2サイクルの吸気バルブの閉弁タイミングで前記筒内圧センサが検出した筒内圧と、前記第2サイクルの点火タイミングで前記筒内圧センサが検出した筒内圧と、前記第2サイクルの吸気バルブの閉弁タイミングにおける筒内容積の設計値と、前記第2サイクルの点火タイミングにおける筒内容積の設計値と、をパラメータとして、気筒内の付着物による筒内容積の変化分を演算する演算部と、
    を備える可変圧縮比内燃機関の制御システム。
  2. 請求項1において、前記演算部は、前記第1サイクルの吸気バルブの閉弁タイミングiにおける筒内圧をP1i、前記第1サイクルの点火タイミングにおける筒内圧をP1s、前記第2サイクルの吸気バルブの閉弁タイミングにおける筒内圧をP2i、前記第2サイクルの点火タイミングにおける筒内圧をP2s、前記第2サイクルの吸気バルブの閉弁タイミングにおける筒内容積の設計値をVmi、前記第2サイクルの点火タイミングにおける筒内容積の設計値をVms、定数をCとした場合に、以下の式により筒内容積の変化分Vdを演算する可変圧縮比内燃機関の制御システム。
    Figure 0005556486
  3. 請求項1又は2において、内燃機関の運転状態から定まる目標吸入空気量をパラメータとして吸気バルブの目標閉弁タイミングを決定する決定部と、
    前記演算部により算出された筒内容積変化分に応じて、前記決定部により決定された目標閉弁タイミングを補正する補正部と、
    をさらに備える可変圧縮比内燃機関の制御システム。
  4. 請求項3において、前記補正部は、目標吸入空気量の空気を気筒内へ導入するために必要な筒内容積と、前記演算部により算出された筒内容積変化分と、を加算することにより目標筒内容積を求め、吸気バルブの閉弁タイミングにおける筒内容積が前記目標筒内容積と等しくなるように目標閉弁タイミングを補正する可変圧縮比内燃機関の制御システム。
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