JP5555228B2 - 湿性気体環境のための遠心圧縮機および製造方法 - Google Patents

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Description

本開示は一般に、遠心圧縮機およびその製造に関する。
広範に使用されている天然ガス田は、ますます高くなっている含水量を特徴とし、湿性気体処理および技術の使用を増やすことが必要となっている。既存のデバイスは、5%より高い体積液体含量(volumetric liquid content)を有する二相混合物をポンピングすることができるが、より低い液体含量については、一般に、大きくて高価な分離器が必要である。軸流圧縮機は、圧縮機の仕事を低減するために噴霧および段間水噴射を使用するが、粒子は通常、10mm(ミリメートル)未満に微粒子化され、体積液体含量は0.1%未満であり、蒸発を非常に速くしている。従来の遠心圧縮機または軸流圧縮機は、例えば、ターボ送風機およびターボジェットの立ち上がりまたは停止の間の水(または氷さえ)の摂取などの非従来的な条件下でかなりの液体含量を有する混合物を圧縮するのにも使用される。しかし、たとえ大きい液滴中に分布していても、液体含量がかなりある条件下で連続的かつ長期に稼働させることは困難であり、その理由はインペラーブレードへの液滴の衝撃によって生じる侵食、腐食、ローターの不平衡ならびに/または水とインペラーおよび圧縮機ディフューザーとの間の摩擦の増大による効率の低下によるものである。
従来より、第1の主要な分離ステージは一般に、気体と液体の第1の分離を実施するために、圧縮機の上流で使用され、その後により微細な液滴を分離するために第2の分離ステージが続く。分離ステージは、静的で、圧縮機の外側であっても、動的で、圧縮機の外側ケース内に組み込まれていてもよい。これは、圧縮機がほとんど完全に気体媒体上で稼働することを可能にし、標準的な技法で設計することができる。分離された液体は通常、ポンプで除去される。しかし、これらの装置は一般に大きく、複雑で高価である。
産業において継続中の課題には、標準的な乾燥気体のみの圧縮機および分離器を有するシステムと比較してパワーが吸収されるのを低減すること、上流の分離器のサイズ、重量、およびコストを低減すること、段間分離機の必要性を排除すること、ならびに圧縮機内に組み込まれた回転分離機、または圧縮機の上流の大きい静的な分離器を有するシステムに代えて、多数の湿性気体遠心圧縮機ステージを使用するシステムを考案することが含まれる。
米国特許第2004/0211726号
本開示は、特に最大5%の体積液体含量について、遠心圧縮機中の湿性気体混合物をより効率的に分離する必要性に関する。
したがって、一実施形態では、遠心圧縮機は、疎水性、超疎水性、親水性、または超親水性表面層の少なくとも1つを用いて液相と気相を分離するのに適した少なくとも1つのステージを備え、疎水性および/または超疎水性表面層は、入口ガイドベーン、インペラー、戻り流路直立ハブ(straight hub)、または出口ハブベンド(exiting hub bend)の少なくとも1つの上に配置され、親水性および/または超親水性表面は、インペラーケーシング、ディフューザーケーシング、出口ケーシングベンド(exiting casing bend)、戻り流路直立ハブ、出口ハブベンド、回収箇所、またはドレーンのうちの少なくとも1つの上に配置される。
別の実施形態では、方法は、遠心圧縮機の少なくとも1つのステージの入口ガイドベーン、インペラー、戻り流路直立ハブ、もしくは出口ハブベンドの少なくとも1つの上に疎水性および/もしくは超疎水性表面層を配置するステップ、および/または少なくとも1つのステージのインペラーケーシング、ディフューザーケーシング、出口ケーシングベンド、戻り流路直立ハブ、出口ハブベンド、回収箇所、もしくはドレーンの少なくとも1つの上に親水性および/もしくは超親水性表面層を配置するステップを含み、遠心圧縮機は、湿性気体混合物から液相と気相を分離するのに適している。
開示される遠心圧縮機の他の特徴および利点は、以下の図面および詳細な説明を吟味すると当業者に明らかであり、または明らかになる。
図面において、同様の参照数字は、いくつかの図にわたって対応する部分を指定する。
4つのステージを有する代表的な従来技術による遠心圧縮機の3次元切り取り画像である。 従来技術による遠心圧縮機の第1ステージの切り取り図の3次元拡大図である。 3ステージを示す、従来技術による遠心圧縮機の概略断面図である。 湿性気体混合物に曝される選択された表面上に配置された親水性および疎水性層を有する、開示した遠心圧縮機の1つのステージの概略断面図である。より太い線は、親水性および疎水性層を含む表面を表す。 親水性または疎水性層と基板金属との間に配置されたボンドコート層を有する遠心層(centrifugal layer)の選択された表面の概略図である。
本明細書に開示するのは、一般に、気体−水混合物および2相の気体−液体混合物を処理および輸送するための遠心圧縮機デバイスである。圧縮機は、湿性気体に曝される選択された表面上に疎水性、超疎水性、親水性、および/または超親水性層を使用し、これにより、湿潤条件下で装置の性能が改善される。目的は、スクラバーまたは分離器が前にある乾燥気体用の標準的な遠心圧縮機によって構成される、より複雑なシステムに一般的な、同じ分離効率および操作性を実現することであるが、より小さく、より単純でより安価なスクラバーおよび分離器を使用することによって実現することである。これは、湿潤圧縮機ステージによって可能となり、湿潤圧縮機ステージは、フローストリーム中に限られた量の水を受け入れることによって、上流の分離器に対する負荷を緩和することができる。圧縮機は、例えば、事前に処理することなく輸送され、圧縮される水の含量が大量である混合物、または不十分なサイズの、もしくは不完全な分離手段を特徴とし、大量の液体含量を残す下流の設備を必要とする用途において有用である。より詳細には、このデバイスは、体積が約0%超〜最大約5%の液体含量を含む気体混合物の圧縮が意図されている。
図1は、4つのステージ46、48、50、および51、インペラー18、ならびに回転可能シャフト24を有する代表的な従来技術による遠心圧縮機10の3次元の切り取り図を表す。より多いまたは少ない数のステージを使用することができる。
図2は、従来技術による遠心圧縮機10の第1ステージの3次元拡大図であり、通路14、入口ガイドベーン16、インペラー18、インペラーベーン20、およびディフューザー26を示している。
図3は、3つのステージ46、48および50を示す従来技術による遠心圧縮機10の概略断面図である。様々なサイズの水滴を含む、主に気体の混合物は、入口流路12を通って圧縮機10のステージ1(46)に入り、入口ガイドベーン16を有する通路14を通って、インペラーベーン20およびインペラーケーシング22を含む第1のマルチブレードインペラー18中へと移動する。インペラー18は、回転可能シャフト24に取り付けられている。高回転速度のインペラー18により、気体は、ディフューザーケーシング28、およびディフューザー出口ケーシングベンド30を有するディフューザー26中へと遠心力で向かう。圧縮されている最中の気体ストリームは、ディフューザー出口ケーシングベンド30を通り、その後、戻り流路ケーシング34、戻り流路直立ハブ36、および渦抑制ベーン(deswirl vane)38を有する戻り流路32を通過し、気体混合物を出口ハブベンド40中、および圧縮機10の第2ステージ48を代表する別のマルチブレードインペラー42中へと向かわせる。マルチブレードインペラー44は、それぞれ、圧縮機10の第3のステージ50を代表する。回収箇所52および54も示されており、これらは、水膜を内壁から外壁に移行させ、ドレーン56および58を介して最終的に除去するのに機能を果たす。
図4は、複数のステージを使用する遠心圧縮機60の第1ステージの概略図であり、少なくとも1つのステージは、選択された表面であって、その上に配置された疎水性、超疎水性、親水性、および/または超親水性表面層を含む表面を含む。稼働中には、疎水性、超疎水性、親水性、および/または超親水性表面層は、湿性気体ストリームと直接接触する。この実施形態では、入口ガイドベーン62は、水分液滴サイズを最小にするために疎水性または超疎水性層64でコーティングされる。これは、インペラーブレードの主な損傷の主原因である、液相液滴のインペラーブレードとの衝撃によって生じる侵食を低減するのに役立つ。同様に、インペラーブレード70および/またはインペラーハブ72を含む、インペラー66の表面は、疎水性および/または超疎水性層68でコーティングされることによって、インペラーブレード70およびインペラーハブ72上に、厚い液膜層が形成するのを回避する。厚い液膜層は、摩擦を増大させ、設計速度三角形分布を変化させるため、効率的な稼働を妨害する。インペラーケーシング74およびディフューザーケーシング76は、それぞれ、壁上に液膜が形成するのを促進するために、親水性または超親水性材料78および80でコーティングされている。次いでそのような液膜は、曲率半径が、分離された水を排水システム中に回収するように適切に選択された、戻り流路84の前の出口ケーシングベンド82に進む。戻り流路ケーシング86および/または戻り流路直立ハブ88は、液滴形成をさらに最小限にするために、疎水性および/または超疎水性表面層90でコーティングされている。第1の回収箇所102および第2の回収箇所100は、液膜が内壁から外壁に移行するのを促進するために、親水性または超親水性表面層でコーティングされている。第1のドレーン92および第2のドレーン94はそれぞれ、出口ケーシングベンド82および/または出口ハブベンド96から液膜を除去する。出口ハブベンド96上の親水性または超親水性層98は、後続のインペラーの上流にある出口ハブベンド96上の適切に設計された半径と一緒に、残りの液相を回収するのに役立ち、こうしてこの液相は、次ステージの前で、第2のドレーン94を通じて抽出される。この地点で、二相混合物は、実質的により少ない液体含量を有する。水分分離が依然として必要な場合は、入口ガイドベーン62の下流の第1のステージと同一の構成を有する追加のステージを続けることができる。さもなければ、残りの遠心のステージは、乾燥気体のみに適応させることができ、それに応じて設計することができる。
疎水性、超疎水性、親水性、および/または超親水性表面層の組合せは、液相から気相を効率的に分離する手段を提供し、液滴の形成を妨げ、インペラーブレード、特に、インペラーブレードの前縁部の侵食を妨害する。分離された液相は、意図的に設計された配管系を通じて、回収および廃棄するか、または代わりに、圧縮の仕事を低減するのに十分有効な様式で中間冷却する目的で、圧縮機の連続ステージ中に、噴霧化によって再挿入することができる。
したがって、一実施形態では、遠心圧縮機は、疎水性、超疎水性、親水性、または超親水性表面層の少なくも1つを用いて液相と気相を分離するのに適した少なくとも1つのステージを備え、疎水性および/または超疎水性表面層は、入口ガイドベーン、インペラー、戻り流路直立ハブ、または出口ハブベンドの少なくとも1つの上に配置され、親水性および/または超親水性表面は、インペラーケーシング、ディフューザーケーシング、出口ケーシングベンド、戻り流路直立ハブ、出口ハブベンド、回収箇所、またはドレーンのうちの少なくとも1つの上に配置される。一実施形態では、遠心圧縮機は、1〜10のステージを備える。一実施形態では、湿性気体混合物は、約0体積%超〜最大約5体積%の水分含量を含む。
本開示では、固体表面の「液体濡れ性」または「濡れ性」は、表面と表面についた水の液滴との間で起こる相互作用の性質を観察することによって判定される。高い濡れ性を有する表面は、水滴を、表面の比較的広い範囲にわたって広げさせる傾向があり(それによって表面を「濡らしている」)、液滴の表面との静的接触角は、約5度〜約90度の範囲である。これらは親水性表面と呼ばれる。極端な場合では、液体は、表面にわたって広がって膜になり、約0度〜約5度未満の静的接触角を有する。これらは超親水性表面と呼ばれる。一方、表面が低い濡れ性を有する場合、水は、約90度超〜約175度の静的接触角を有する、しっかり形成された、ボール状の液滴を保持する傾向がある。これらの表面は疎水性表面と呼ばれる。極端な場合では、水は、約175度超〜約180度の静的接触角を有するほぼ球状の液滴を形成し、液滴は、ほんのわずかな乱れで容易に表面から転げ落ちる。これらの表面は超疎水性と呼ばれる。
一実施形態では、親水性層は、金属、プラスチック、セラミック、ガラス、および前述の充填剤の組合せからなる群から選択される充填剤を含む。これらにはチョーク、ガラス球、ガラス微小球、ケイ灰石などの鉱物繊維、ガラス繊維、炭素繊維、およびセラミック繊維、例えば窒化ケイ素またはカーバイド繊維などが含まれる。一実施形態では、親水性層は、ろう付け合金によって第1の表面に機械的または金属的に結合した、微粉化した、一般に球状の金属、セラミック、または金属/セラミック材料を含む。金属/セラミック親水性層は、金属/セラミック親水性層の全重量に基づいて、約60wt%〜約80wt%(重量パーセント)の金属/セラミック材料および約20wt%〜約40wt%のろう付け合金、より具体的には、約70wt%〜約80wt%の金属/セラミック材料および約20wt%〜約30wt%のろう付け合金を含む。金属親水性層は、金属親水性層の全重量に基づいて、約80wt%〜約99wt%の金属材料および約1wt%〜約20wt%のろう付け合金、より具体的には、約90wt%〜約99wt%の金属材料および約1wt%〜約2wt%のろう付け合金を含む。セラミック親水性層は、セラミック親水性層の全重量に基づいて、約40wt%〜約70wt%のセラミック材料および約30wt%〜約60wt%のろう付け合金、より具体的には、約50wt%〜約60wt%のセラミック材料および約40wt%〜約50wt%のろう付け合金を含む。
親水性を増大させなければならない場合、親水性層の金属基板表面への接着の減少を犠牲にして、金属、金属/セラミック、またはセラミック材料とろう付け合金の比を増加させることができる。反対に、より良好な接着が必要な場合、この比を減らすことができ、これにより親水性が減少する。
圧縮機の金属基板に親水性層が最適に接着するように、金属基板表面と親水性層の間に配置されるボンドコート層も企図されている。
親水性層のための例示的な金属には、アルミニウム、コバルト、ケイ素、マンガン、クロム、チタン、ジルコニウム、鉄、セレン、ニッケル、または前述の金属の少なくとも1つを含む組合せが含まれる。金属は、炭素、ホウ素、リン、硫黄、酸素、窒素、および前述の元素の少なくとも1つを含む組合せからなる群から選択される非金属元素とさらに組み合わせることができる。
ろう付けは、親水性層の成分を一緒に結合させ、これらの成分の様々な界面を密封する。ろう付け作業は、いずれの感知できる残留物も伴わずに、コーティング剤の一時的な有機結合剤を分解する役割を果たすこともできる。ろう付け合金は、親水性層の金属、金属セラミック、またはセラミック粉末を、選択された基板に金属的または機械的に結合する任意の金属ろう付け合金を含むことができる。例示的なろう付け化合物には、Wall Colmonoyによって、商標名COLMONOY(登録商標)およびNICROBRAZ(登録商標)で販売されている、ニッケルおよびコバルトろう付け化合物が含まれる。しかし、親水性組成物を基板に金属的または機械的に結合する任意の材料が企図されており、ただし、層の接着または望ましい親水性特性に悪影響しないという条件がある。
親水性層のための例示的なセラミック材料は、未水和アルミナ、水和アルミナ、エルビア、イットリア、カルシア、セリア、スカンジア、マグネシア、インジア、イッテルビア、ランタナ、ガドリニア、ネオジミア、サマリア、ジスプロシア、ジルコニア、ユウロピア、ネオジミア、プラセオジミア、ウラニア、ハフニア、イットリア安定化ジルコニア、セリア安定化ジルコニア、カルシア安定化ジルコニア、スカンジア安定化ジルコニア、マグネシア安定化ジルコニア、インジア安定化ジルコニア、イッテルビア安定化ジルコニア、および前述の材料の少なくとも1つを含む組合せからなる群から選択される金属酸化物材料を含む。様々なジルコニアの説明については、例えば、Kirk−Othmer’s Encyclopedia of Chemical Technology、3版、24巻、882〜883頁(1984)を参照。イットリア安定化ジルコニアは、約1wt%〜約20wt%のイットリア(イットリアおよびジルコニアの合わせた重量に基づいて)、より一般的には約3wt%〜約10wt%のイットリアを含むことができる。これらの化学的に安定化されたジルコニアは、1つまたは複数の第2の金属(例えば、ランタニドまたはアクチニド)酸化物をさらに含むことができる。2000年2月15日に発行された米国特許第6,025,078号(Rickerbyら)、および2001年12月21日に発行された米国特許第6,333,118号(Alperineら)を参照。さらに他のセラミック材料として、一般式Aのパイロクロアも挙げられ、式中、Aは、3+または2+の価数を有する金属(例えば、ガドリニウム、アルミニウム、セリウム、ランタン、またはイットリウム)であり、Bは、4+または5+の価数を有する金属(例えば、ハフニウム、チタン、セリウム、またはジルコニウム)であり、AおよびBの価数の合計は7である。この種類の代表的な材料には、ジルコン酸ガドリニウム、チタン酸ランタン、ジルコン酸ランタン、ジルコン酸イットリウム、ハフニウム酸ランタン、ジルコン酸セリウム、セリウム酸アルミニウム、ハフニウム酸セリウム、ハフニウム酸アルミニウム、およびセリウム酸ランタンが含まれる。他の例は、2000年9月12日に発行された米国特許第6,117,560号(Maloney)、2001年1月23日に発行された米国特許第6,177,200号(Maloney)、2001年9月4日に発行された米国特許第6,284,323号(Maloney)、2001年11月20日に発行された米国特許第6,319,614号(Beele)、および2002年5月14日に発行された米国特許第6,387,526号(Beele)に開示されている。
他の例示的なセラミック材料として、2005年11月1日に発行された米国特許第6,960,395号、および2008年4月29日に発行された米国特許第7,364,802号に対応する、2003年12月30日に出願された、「CERAMIC COMPOSITIONS USEFUL FOR THERMAL BARRIER COATINGS HAVING REDUCED THERMAL CONDUCTIVITY」(Spitsbergら)という表題の米国非仮出願第10/748,508号、および2003年12月30日に出願された、「CERAMIC COMPOSITIONS USEFUL IN THERMAL BARRIER COATINGS HAVING REDUCED THERMAL CONDUCTIVITY」(Spitsbergら)という表題の米国非仮出願第10/748,520号に開示されたものが挙げられる。これらの参考文献のうちの最初のものに開示されたセラミック組成物は、少なくとも約91モル%のジルコニア、ならびにイットリア、カルシア、セリア、スカンジア、マグネシア、インジア、イッテルビア、およびこれらの混合物からなる群から選択された第1の金属酸化物、ランタナ、ガドリニア、ネオジミア、サマリア、ジスプロシア、およびこれらの混合物からなる群から選択される三価金属原子の第2の金属酸化物、エルビア、イッテルビア、およびこれらの混合物からなる群から選択される三価金属原子の第3の金属酸化物を含む、最大約9モル%の安定剤成分を含む。一般的に、これらのセラミック組成物は、約91モル%〜約97モル%のジルコニア、より一般的には約92モル%〜約95モル%のジルコニア、および約3モル%〜約9モル%、より一般的には約5モル%〜約8モル%の安定化成分の組成物を含む。第1の金属酸化物(一般的にイットリア)は、約3モル%〜約6モル%、より一般的には、約3モル%〜約5モル%のセラミック組成物を含むことができる。第2の金属酸化物(一般的にランタナまたはガドリニア)は、約0.25モル%〜約2モル%、より一般的には、約0.5モル%〜約1.5モル%のセラミック組成物を含むことができる。第3の金属酸化物(一般的にイッテルビア)は、約0.5モル%〜約2モル%、より一般的には、約0.5モル%〜約1.5モル%のセラミック組成物を含むことができ、第2の金属酸化物と第3の金属酸化物の比は一般的に、約0.5モル%〜約2モル%、より一般的には、約0.75モル%〜約1.33モル%の範囲である。
さらに他のセラミック組成は、少なくとも約91モル%のジルコニア、ならびにイットリア、カルシア、セリア、スカンジア、マグネシア、インジア、およびこれらの混合物からなる群から選択される第1の金属酸化物、ならびにランタナ、ガドリニア、ネオジミア、サマリア、ジスプロシア、エルビア、イッテルビア、およびこれらの混合物からなる群から選択される三価金属原子の第2の金属酸化物を含む最大約9モル%の安定剤成分を含むことができる。一般的に、これらのセラミック組成物は、約91モル%〜約97モル%のジルコニア、より一般的には、約92モル%〜約95モル%のジルコニア、および約3モル〜約9モル%、より一般的には、約5モル%〜約8モル%の定化成分の組成物を含む。第1の金属酸化物(一般的にイットリア)は、約3モル%〜約6モル%、より一般的には、約4モル%〜約5モル%のセラミック組成物を含むことができる。第2の金属酸化物(一般的にランタナ、ガドリニアまたはイッテルビア、より一般的には、ランタナ)は、約0.5モル%〜約4モル%、より一般的には、約0.8モル%〜約2モル%のセラミック組成物を含むことができ、第2の金属酸化物(例えば、ランタナ/ガドリニア/イッテルビア)と第1の金属酸化物(例えば、イットリア)のモル%比は、約0.1〜約0.5、一般的に、約0.15〜約0.35、より一般的には、約0.2〜約0.3の範囲である。
一実施形態では、遠心圧縮機の選択された表面は、親水性層または疎水性層の間に配置されるボンドコート層をさらに含む。ボンドコート層は、親水性層または疎水性層が、圧縮機金属基板の選択された表面によりしっかりと接着することを可能にする。選択される表面には、上述した遠心圧縮機表面のいずれも含まれる。図5は、頂部の親水性/超親水性層または疎水性/超親水性層110に隣接し、接触した、基板104の選択された表面106上に配置されたボンドコート層108を概略的に例示する。
ボンドコート層は、下にある選択された表面基板を保護する金属耐酸化性材料から形成することができる。ボンドコート層のための例示的な材料として、MCrAlY合金(例えば、合金粉末)(Mは、金属、例えば、鉄、ニッケル、白金、もしくはコバルトなどを表す)などのオーバーレイボンドコーティング剤、またはNiAl(Zr)オーバーレイコーティング剤、ならびに白金アルミナイドなどの様々な貴金属拡散アルミナイド、ならびにニッケルアルミナイドなどの単純なアルミナイド(すなわち、貴金属を用いないで形成されたもの)が挙げられる。
ボンドコート層は、様々な従来の技法、例えば、無電解めっき、電子ビーム物理気相堆積(EB−PVD)を含めた物理気相堆積(PVD)、空気プラズマスプレー(APS)および真空プラズマスプレー(VPS)を含めたプラズマスプレー、イオンプラズマ、または高速オキシ燃料(HVOF)スプレー、爆発、もしくはワイヤースプレーなどの他の溶射堆積法、化学気相堆積(CVD)、パックセメンテーション、ならびに金属拡散アルミナイドの場合では気相アルミナイジングなど(例えば、1979年4月10日に発行された米国特許第4,148,275号(Bendenら)、1999年7月27日に発行された米国特許第5,928,725号(Howardら)、および2000年3月21日に発行された米国特許第6,039,810号(Mantkowskiら)、ならびにこれらの組合せを参照)のいずれかによって選択された表面上に、塗布、堆積、またはさもなければ形成することができる。一般に、ボンドコート層を堆積させるのにプラズマスプレーまたは拡散技法が使用される場合、厚さは、約25マイクロメーター〜約500マイクロメートルの範囲である。EB−PVDなどのPVD技法、または拡散アルミナイドプロセスによって堆積されるボンドコート層については、厚さは、より一般的には、約25マイクロメートル〜約75マイクロメートルの範囲内である。
親水性層を塗布する際では、基板表面および/またはボンドコート層への金属的および/または機械的結合が起こるまで、適所に金属、金属/セラミック、セラミック、およびろう付け合金成分を保持するために、コーティング組成物が、蒸発可能な有機結合剤、または一時的結合剤(fugitive binder)をさらに含むことがしばしば望ましい。揮発性有機結合剤の正確な量は、有機結合剤がアセンブリープロセスにおいて燃え尽きるか、または蒸発するするという点で特に決定的ではない。
蒸発可能な有機結合剤は、任意の組成を有することができ、ただし、選択された表面、または存在する場合、ボンドコート層への親水性層の接着に悪影響せず、有機結合剤は、親水性層の水膜形成特性に悪影響せず、有機結合剤は、ろう付け温度、例えば、500℃〜700℃で完全に熱分解して残留物をほとんど残さないという条件がある。例示的な有機結合剤として、セルロース誘導体、アクリル樹脂、多価アルコール、ポリアクリルアミド、ポリエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、および他のアセテート、ならびにこれらの混合物が挙げられる。
水膜の形成を可能にすることにおける親水性層の利点は、最低限でも、親水性層を欠いている遠心圧縮機と比較して、湿性気体混合物中で気相から液相を分離することにおいて、インペラーに対する侵食が低減し、効率が改善し、したがって分離プロセスのパワーが下がり、効率が改善するという観点から認識される。
別の実施形態では、遠心圧縮機の選択された表面は、非一時的有機結合剤の架橋されたネットワーク、および上述した充填剤の少なくとも1つを含む親水性層を含み、有機結合剤は熱的分解を受けない。この実施形態では、親水性層は、約300℃超の温度に曝されない。有機結合剤は、任意の親水性熱可塑性または親水性熱硬化性物質を含むことができ、ただし、親水性層の接着特性および湿潤膜形成特性に悪影響しないという条件がある。
開示される圧縮機は、1つまたは複数の表面であって、その上に配置された疎水性または超疎水性層を含む表面も含む。一実施形態では、疎水性または超疎水性層は、金属、プラスチック、セラミック、ガラス、および前述の充填剤の組合せからなる群から選択される充填剤を含む。
疎水性層のための例示的な金属充填剤には、ベリリウム、マグネシウム、スカンジウム、チタン、バナジウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、ガリウム、イットリウム、ジルコニウム、ニオブ、モリブデン、テクネチウム、ルテニウム、レニウム、パラジウム、銀、カドミウム、インジウム、スズ、ランタン、セリウム、プラセオジム、ネオジム、サマリウム、ユウロピウム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ホルミウム、エルビウム、ツリウム、イッテルビウム、ルテチウム、ハフニウム、タンタル、タングステン、レニウム、オスミウム、イリジウム、白金、金、タリウム、鉛、ビスマス、および前述の金属の少なくとも1つを含む組合せからなる群から選択されるものが含まれる。特に、金属充填剤は、チタン、アルミニウム、マグネシウム、ニッケル、またはこれらの組合せである。さらにより具体的には、金属充填剤は、アルミニウム−マグネシウム合金、特に好ましくはAlMgである。
一実施形態では、疎水性層は、熱硬化性または熱可塑性樹脂をさらに含む。例示的な熱硬化性樹脂として、ジアリルフタレート樹脂、エポキシ樹脂、尿素−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン−フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、ポリイミド、シリコーンゴムおよび不飽和ポリエステル樹脂、または前述の熱硬化性樹脂の少なくとも1つを含む組合せが挙げられる。
例示的な熱可塑性樹脂として、熱可塑性ポリオレフィン、例えば、ポリプロピレンもしくはポリエチレン、ポリカーボネート、ポリ炭酸エステル、ポリエステル(例えば、ポリ(ブチレンテレフタレート)(PBT)、もしくはポリ(エチレンテレフタレート)(PET)、ポリスチレン、スチレンコポリマー、スチレン−アクリロニトリル(SAN)樹脂、ゴム含有スチレングラフトコポリマー、例えば、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン(ABS)ポリマー、ポリアミド、ポリウレタン、ポリフェニレンスルフィド、ポリ塩化ビニル、または前述の熱可塑性樹脂の少なくとも1つを含む組合せが挙げられる。
例示的なポリオレフィンには、高密度および低密度、すなわち、約0.91g/cm〜約0.97g/cmの密度のポリエチレン、または約10,000g/mol〜約1,000,000g/molの分子量を有するポリプロピレンが含まれる。
オレフィンのさらなるα−オレフィンとの他のコポリマー、例えば、エチレンのブテン、ヘキセンおよび/またはオクテンとのポリマー、EVA(エチレン−酢酸ビニルコポリマー)、EBA(エチレン−アクリル酸エチルコポリマー)、EEA(エチレン−ブチルアクリレートコポリマー)、EAS(アクリル酸−エチレンコポリマー)、EVK(エチレン−ビニルカルバゾールコポリマー)、EPB(エチレン−プロピレンブロックコポリマー)、EPDM(エチレン−プロピレン−ジエンコポリマー)、PB(ポリブチレン)、PMP(ポリ−メチルペンテン)、PIB(ポリイソブチレン)、NBR(アクリロニトリル−ブタジエンコポリマー)、ポリイソプレン、メチル−ブチレンコポリマー、イソプレン−イソブチレンコポリマーなども企図されている。
本明細書で使用する場合、用語「ポリカーボネート」は、式(1)の繰り返しの構造的なカーボネート単位を有する組成物を意味する:
Figure 0005555228
(式中、R基の総数の少なくとも約60パーセントは芳香族部分を含有し、その残りは、脂肪族、脂環式、または芳香族である)。一実施形態では、各RはC6〜30芳香族基であり、すなわち、少なくとも1つの芳香族部分を含有する。Rは、式HO−R−OH、特に、式(2)のジヒドロキシ化合物から得ることができる:
HO−A−Y−A−OH (2)
(式中、AおよびAのそれぞれは単環式二価の芳香族基でありは単結合、またはAとAを分離する1つまたは複数の原子を有する架橋基である)。例示的な実施形態では、1個の原子がAとAを分離する。特に、各Rは、式(3)のジヒドロキシ芳香族化合物から得ることができる
Figure 0005555228
(式中、RおよびRはそれぞれ、ハロゲンまたはC1〜12アルキル基を表し、同じであっても、異なっていてもよく、pおよびqはそれぞれ独立に0〜4の整数である)。pが0であるとき、Rは水素であり、同様にqが0であるとき、Rは水素であることが理解されよう。また式(3)において、Xは、2つのヒドロキシ置換芳香族基を結合している架橋基を表し、架橋基および各Cアリーレン基のヒドロキシ置換基は、Cアリーレン基上で互いにオルト、メタ、またはパラ(特にパラ)で配置されている。一実施形態では、架橋基Xは、単結合、−O−、−S−、−S(O)−、−S(O)−、−C(O)−、またはC1〜18有機基である。C1〜18有機架橋基は、環式または非環式、芳香族または非芳香族とすることができ、ヘテロ原子、例えば、ハロゲン、酸素、窒素、硫黄、ケイ素、またはリンなどをさらに含むことができる。C1〜18有機基は、これに結合したCアリーレン基が、共通のアルキリデン炭素、またはC1〜18有機架橋基の異なる炭素にそれぞれ結合されるように配置することができる。一実施形態では、pおよびqはそれぞれ1であり、RおよびRはそれぞれ、各アリーレン基上のヒドロキシ基に対してメタに配置されたC1〜3アルキル基、特にメチルである。
一実施形態では、Xは、置換または非置換のC3〜18シクロアルキリデン、式−C(R)(R)−のC1〜25アルキリデン(RおよびRはそれぞれ独立に水素、C1〜12アルキル、C1〜12シクロアルキル、C7〜12アリールアルキル、C1〜12ヘテロアルキル、もしくは環式のC7〜12ヘテロアリールアルキルである)、または式−C(=R)−の基(Rは、二価のC1〜12炭化水素基である)である。この種類の例示的な基として、メチレン、シクロヘキシルメチレン、エチリデン、ネオペンチリデン、およびイソプロピリデン、ならびに2−[2.2.1]−ビシクロヘプチリデン、シクロヘキシリデン、シクロペンチリデン、シクロドデシリデン、およびアダマンチリデンが挙げられる。Xが置換シクロアルキリデンである具体例は、式(4)のシクロヘキシリデン架橋、アルキル置換ビスフェノールである
Figure 0005555228
(式中、Ra’およびRb’はそれぞれ独立にC1〜12アルキルであり、RはC1〜12アルキル、またはハロゲンであり、rおよびsはそれぞれ独立に1〜4であり、tは0〜10である)。特定の実施形態では、Ra’およびRb’のそれぞれの少なくとも1つは、シクロヘキシリデン架橋基に対してメタに配置されている。置換基Ra’、Rb’、およびRは、適切な数の炭素原子を含むとき、直鎖、環式、二環式、分岐、飽和、または不飽和とすることができる。一実施形態では、Ra’およびRb’はそれぞれ独立にC1〜4アルキルであり、RはC1〜4アルキルであり、rおよびsはそれぞれ1であり、tは0〜5である。別の特定の実施形態では、Ra’、Rb’、およびRはそれぞれメチルであり、rおよびsはそれぞれ1であり、tは0ないし3である。シクロヘキシリデン架橋ビスフェノールは、2モルのo−クレゾールと1モルのシクロヘキサノンとの反応性生物である場合がある。別の例示的な実施形態では、シクロヘキシリデン架橋ビスフェノールは、2モルのクレゾールと1モルの水素化イソホロン(例えば、1,1,3−トリメチル−3−シクロヘキサン−5−オン)との反応性生物である。そのようなシクロヘキサン含有ビスフェノール、例えば、2モルのフェノールと1モルの水素化イソホロンとの反応性生物は、高ガラス転移温度および高熱変形温度を有するポリカーボネートポリマーを作製するのに有用である。シクロヘキシルビスフェノール含有ポリカーボネート、または他のビスフェノールポリカーボネートとともに前述のうちの少なくとも1つを含む組合せは、APEC(登録商標)という商標名でBayer Co.より供給されている。
別の実施形態では、XはC1〜18アルキレン基、C3〜18シクロアルキレン基、縮合C6〜18シクロアルキレン基、または式−B−W−B−(式中、BおよびBは、同じ、または異なるC1〜6アルキレン基であり、WはC3〜12シクロアルキリデン基、またはC6〜16アリーレン基である)の基である。
は式(5)の、置換C3〜18シクロアルキリデンであってもよい:
Figure 0005555228
(式中、R、R、R、およびRは独立して水素、ハロゲン、酸素、またはC1〜12有機基であり、Iは直接結合、炭素、または二価の酸素、硫黄、または−N(Z)−(Zは水素、ハロゲン、ヒドロキシ、C1〜12アルキル、C1〜12アルコキシ、もしくはC1〜12アシルである)であり、hは0〜2であり、jは1または2であり、iは0または1の整数であり、kは0〜3の整数であり、ただし、R、R、R、およびRのうちの少なくとも2つは一緒になって、縮合脂環式、芳香族、または芳香族複素環である)。縮合環が芳香族である場合、式(5)で示した環は、環が縮合している箇所で不飽和炭素間結合を有することが理解されよう。kが1であり、iが0であるとき、式(5)で示した環は4個の炭素原子を含有し、kが2であるとき、式(5)で示した環は5個の炭素原子を含有し、kが3であるとき、環は6個の炭素原子を含有する。一実施形態では、2つの隣接する基(例えば、RおよびRが一緒になって)芳香族基を形成し、別の実施形態では、RおよびRは一緒になって1つの芳香族基を形成し、RおよびRは一緒になって第2の芳香族基を形成する。RおよびRが一緒になって芳香族基を形成するとき、Rは、二重結合の酸素原子、すなわち、ケトンとなり得る。
式HO−R−OHの他の有用な芳香族ジヒドロキシ化合物には、式(6)の化合物
Figure 0005555228
(式中、各Rは独立して、ハロゲン原子、C1〜10ヒドロカルビル、例えば、C1〜10アルキル基、ハロゲン置換C1〜10アルキル基、C6〜10アリール基、またはハロゲン置換C6〜10アリール基などであり、nは0〜4である)が含まれる。ハロゲンは一般に臭素である。
特定の芳香族ジヒドロキシ化合物のいくつかの例示的な例には、以下のものが含まれる:4,4’−ジヒドロキシビフェニル、1,6−ジヒドロキシナフタレン、2,6−ジヒドロキシナフタレン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ジフェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−ナフチルメタン、1,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、2−(4−ヒドロキシフェニル)−2−(3−ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)フェニルメタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−ブロモフェニル)プロパン、1,1−ビス(ヒドロキシフェニル)シクロペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)イソブテン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロドデカン、trans−2,3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−2−ブテン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)アダマンタン、α,α’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)トルエン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)アセトニトリル、2,2−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−エチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−n−プロピル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−イソプロピル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−sec−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−アリル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−メトキシ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、1,1−ジクロロ−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エチレン、1,1−ジブロモ−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エチレン、1,1−ジクロロ−2,2−ビス(5−フェノキシ−4−ヒドロキシフェニル)エチレン、4,4’−ジヒドロキシベンゾフェノン、3,3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−2−ブタノン、1,6−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,6−ヘキサンジオン、エチレングリコールビス(4−ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホキシド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオリン、2,7−ジヒドロキシピレン、6,6’−ジヒドロキシ−3,3,3’,3’−テトラメチルスピロ(ビス)インダン(「スピロビインダンビスフェノール」)、3,3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フタルイミド、2,6−ジヒドロキシジベンゾ−p−ジオキシン、2,6−ジヒドロキシチアントレン、2,7−ジヒドロキシフェノキサチン、2,7−ジヒドロキシ−9,10−ジメチルフェナジン、3,6−ジヒドロキシジベンゾフラン、3,6−ジヒドロキシジベンゾチオフェン、および2,7−ジヒドロキシカルバゾール、レソルシノール、置換レソルシノール化合物、例えば5−メチルレソルシノール、5−エチルレソルシノール、5−プロピルレソルシノール、5−ブチルレソルシノール、5−t−ブチルレソルシノール、5−フェニルレソルシノール、5−クミルレソルシノール、2,4,5,6−テトラフルオロレソルシノール、2,4,5,6−テトラブロモレソルシノールなど;カテコール;ヒドロキノン;置換ヒドロキノン、例えば、2−メチルヒドロキノン、2−エチルヒドロキノン、2−プロピルヒドロキノン、2−ブチルヒドロキノン、2−t−ブチルヒドロキノン、2−フェニルヒドロキノン、2−クミルヒドロキノン、2,3,5,6−テトラメチルヒドロキノン、2,3,5,6−テトラ−t−ブチルヒドロキノン、2,3,5,6−テトラフルオロヒドロキノン、2,3,5,6−テトラブロモヒドロキノンなど、前述のジヒドロキシ化合物の少なくとも1つを含む組合せ。
式(3)のビスフェノール化合物の具体例として、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(「ビスフェノールA」または「BPA」とも呼ばれる)、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)オクタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)n−ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−1−メチルフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−t−ブチルフェニル)プロパン、3,3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フタルイミジン、2−フェニル−3,3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フタルイミジン(PPPBP)、および1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)シクロヘキサン(DMBPC)が挙げられる。前述のジヒドロキシ化合物の少なくとも1つを含む組合せも使用することができる。特定の一実施形態では、ポリカーボネートは、ビスフェノールAに由来する線状ホモポリマーであり、式(3)において、AおよびAのそれぞれはp−フェニレンであり、Yはイソプロピリデンである。
ポリカーボネートは、25℃でクロロホルム中で求めた場合、1グラム当たり約0.3〜約1.5デシリットル(dl/gm)、特に約0.45〜約1.0dl/gmの固有粘度を有することができる。ポリカーボネートは、架橋スチレン−ジビニルベンゼンカラムを使用してゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)によって測定し、ポリカーボネート参照物に対して較正した場合、約10,000〜約200,000ダルトン、特に約20,000〜約100,000ダルトンの重量平均分子量を有することができる。GPC試料は、約1mg/mlの濃度で調製され、約1.5ml/分の流速で溶出される。
「ポリカーボネート」には、本明細書で使用する場合、ホモポリカーボネート(ポリマー中の各Rが同じである)、カーボネート中に異なるR部分を含むコポリマー(「コポリカーボネート」と本明細書で呼ばれる)、カーボネート単位およびエステル単位などの他の種類のポリマー単位を含むコポリマー、ならびにホモポリカーボネートおよび/またはコポリカーボネートの少なくとも1つを含む組合せがさらに含まれる。本明細書で使用する場合、「組合せ」は、ブレンド、混合物、合金、反応生成物などを含む。
特定の種類のコポリマーは、ポリエステル−ポリカーボネートとしても知られるポリ炭酸エステルである。そのようなコポリマーは、式(1)の反復カーボネート鎖単位に加えて、式(7)の反復単位をさらに含有する:
Figure 0005555228
(式中、Jは、ジヒドロキシ化合物に由来する二価の基であり、例えば、C2〜10アルキレン基、C6〜20脂環式基、C6〜20芳香族基、またはポリオキシアルキレン基とすることができ、アルキレン基は、2〜約6個の炭素原子、特に2、3、または4個の炭素原子を含有し、Tは、ジカルボン酸に由来する二価の基であり、例えば、C2〜10アルキレン基、C6〜20脂環式基、C6〜20アルキル芳香族基、またはC6〜20芳香族基とすることができる)。異なるT基および/またはJ基の組合せを含有するコポリエステルを使用することができる。ポリエステルは、分岐であっても、線状であってもよい。
一実施形態では、Jは、直鎖、分岐鎖、または環式(多環式を含む)構造を有するC2〜30アルキレン基である。別の実施形態では、Jは、上記式(3)の芳香族ジヒドロキシ化合物に由来する。別の実施形態では、Jは、上記式(4)の芳香族ジヒドロキシ化合物に由来する。別の実施形態では、Jは、上記式(6)の芳香族ジヒドロキシ化合物に由来する。
ポリエステル単位を調製するのに使用することができる例示的な芳香族ジカルボン酸として、イソフタル酸もしくはテレフタル酸、1,2−ジ(p−カルボキシフェニル)エタン、4,4’−ジカルボキシジフェニルエーテル、4,4’−ビス安息香酸など、または前述の酸の少なくとも1つを含む組合せが挙げられる。縮合環を含有する酸、例えば、1,4−、1,5−、または2,6−ナフタレンジカルボン酸なども存在することができる。例示的なジカルボン酸には、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸など、または前述の酸の少なくとも1つを含む組合せが含まれる。特定のジカルボン酸は、イソフタル酸とテレフタル酸の重量比が約91:9〜約2:98である、イソフタル酸およびテレフタル酸の組合せを含む。別の特定の実施形態では、JはC2〜6アルキレン基であり、Tは、p−フェニレン、m−フェニレン、ナフタレン、二価の脂環式基、またはこれらの組合せである。この分類のポリエステルには、ポリ(アルキレンテレフタレート)が含まれる。
コポリマー中のエステル単位とカーボネート単位のモル比は、最終的な組成物の所望の特性に応じて非常に広くなる場合があり、例えば、1:99〜99:1、特に10:90〜90:10、より具体的には25:75〜75:25とすることができる。
特定の実施形態では、ポリエステル−ポリカーボネートのポリエステル単位は、イソフタル二酸およびテレフタル二酸(またはこれらの誘導体)とレソルシノールとの組合せの反応から得られる。別の特定の実施形態では、ポリエステル−ポリカーボネートのポリエステル単位は、イソフタル酸およびテレフタル酸とビスフェノールAとの組合せの反応から得られる。特定の実施形態では、ポリカーボネート単位は、ビスフェノールAから得られる。別の特定の実施形態では、ポリカーボネート単位は、レソルシノールおよびビスフェノールAから、1:99〜99:1のレソルシノールカーボネート単位とビスフェノールAカーボネート単位のモル比で得られる。
ポリカーボネートは、界面重合および溶融重合などの方法によって製造することができる。界面重合についての反応条件は変動し得るが、例示的なプロセスでは、一般に、制御されたpH条件、例えば、約8〜約12の下で、苛性ソーダまたは炭酸カリウムの水溶液中に二価フェノール反応物を溶解または分散させ、水不混和性溶媒媒質に得られた混合物を添加し、トリエチルアミンおよび/または相間移動触媒などの触媒の存在下で、この反応物をカーボネート前駆体と接触させる。最も一般に使用される水不混和性溶媒には、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、クロロベンゼン、トルエンなどが含まれる。
例示的なカーボネート前駆体には、臭化カルボニルもしくは塩化カルボニルなどのハロゲン化カルボニル、または二価フェノール(例えば、ビスフェノールA、ヒドロキノンなどのビスクロロホルメート)、もしくはグリコール(例えば、エチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ポリエチレングリコールなどのビスハロホルメート)のビスハロホルメートなどのハロホルメートが含まれる。前述の種類のカーボネート前駆体の少なくとも1つを含む組合せも使用することができる。例示的な実施形態では、カーボネート結合を形成するための界面重合反応には、カーボネート前駆体としてホスゲンが使用され、ホスゲン化反応と呼ばれる。
使用することができる相間移動触媒の中では、式(RXの触媒であり、式中、各Rは、同じか、または異なっており、C1〜10アルキル基であり、Qは窒素またはリン原子であり、Xは、ハロゲン原子、またはC1〜8アルコキシ基、もしくはC6〜18アリールオキシ基である。例示的な相間移動触媒には、例えば、[CH(CHNX、[CH(CHPX、[CH(CHNX、[CH(CHNX、[CH(CHNX、CH[CH(CHNX、およびCH[CH(CHNXが含まれ、式中、XはCl、Br、C1〜8アルコキシ基、またはC6〜18アリールオキシ基である。相間移動触媒の有効量は、ホスゲン化混合物中のビスフェノールの重量に基づいて、約0.1〜約10wt%となり得る。別の実施形態では、相間移動触媒の有効量は、ホスゲン化混合物中のビスフェノールの重量に基づいて、約0.5〜約2wt%となり得る。
ポリカーボネート組成中で有用である場合、すべての種類のポリカーボネート末端基が企図され、ただしそのような末端基は、組成物の所望の疎水性特性または接着特性に著しく悪影響しないという条件がある。
分岐ポリカーボネートブロックは、重合の間に分岐剤を添加することによって調製することができる。これらの分岐剤は、ヒドロキシル、カルボキシル、カルボン酸無水物、ハロホルミル、および前述の官能基の混合物から選択される、少なくとも3つの官能基を含有する多官能性有機化合物を含む。具体例として、トリメリット酸、トリメリット酸無水物、トリメリット酸トリクロリド、トリス−p−ヒドロキシフェニルエタン、イサチン−ビスフェノール、トリスフェノールTC(1,3,5−トリス((p−ヒドロキシフェニル)イソプロピル)ベンゼン)、トリスフェノールPA(4(4(1,1−ビス(p−ヒドロキシフェニル)−エチル)α,α−ジメチルベンジル)フェノール)、4−クロロホルミル無水フタル酸、トリメシン酸、およびベンゾフェノンテトラカルボン酸が挙げられる。分岐剤は、約0.05wt%〜約2.0wt%の濃度で添加することができる。線状ポリカーボネートおよび分岐ポリカーボネートを含む混合物を使用することができる。
連鎖停止剤(chain stopper)(キャッピング剤とも呼ばれる)を重合の間に含めることができる。連鎖停止剤は分子量増加速度を制限し、したがってポリカーボネート中の分子量を制御する。例示的な連鎖停止剤には、ある特定のモノフェノール化合物、モノカルボン酸クロリド、および/またはモノクロロホルメートが含まれる。モノフェノール連鎖停止剤は、フェノールなどの単環式フェノール、ならびにC〜C22アルキル置換フェノール、例えば、p−クミル−フェノール、レソルシノールモノベンゾエート、ならびにp−および3級−ブチルフェノールなど;ならびにp−メトキシフェノールなどのジフェノールのモノエーテルによって例示される。8〜9個の炭素原子を有する分岐鎖アルキル置換基を含むアルキル置換フェノールも企図されている。ある特定のモノフェノールUV吸収剤、例えば、4−置換−2−ヒドロキシベンゾフェノンおよびその誘導体、サリチル酸アリール、レソルシノールモノベンゾエートなどのジフェノールのモノエステル、2−(2−ヒドロキシアリール)−ベンゾトリアゾールおよびその誘導体、2−(2−ヒドロキシアリール)−1,3,5−トリアジンおよびその誘導体などもキャッピング剤として使用することができる。
モノカルボン酸クロリドも連鎖停止剤として使用することができる。これらとして、単環式モノカルボン酸クロリド、例えば、塩化ベンゾイル、C〜C22アルキル置換塩化ベンゾイル、塩化トルオイル、ハロゲン置換塩化ベンゾイル、塩化ブロモベンゾイル、塩化シンナモイル、4−ナドイミドベンゾイルクロリド(nadimidobenzoyl chloride)、およびこれらの組合せなど;多環式モノカルボン酸クロリド、例えば、トリメリット酸無水物クロリド、および塩化ナフトイルなど;ならびに単環式および多環式モノカルボン酸クロリドの組合せが挙げられる。約22個以下の炭素原子を有する脂肪族モノカルボン酸の塩化物は、有用である。脂肪族モノカルボン酸の官能性塩化物、例えば塩化アクリロイルおよび塩化メタクリオイル(methacryoyl chloride)なども有用である。単環式モノクロロホルメート、例えば、フェニルクロロホルメート、アルキル置換フェニルクロロホルメート、p−クミルフェニルクロロホルメート、トルエンクロロホルメート、およびこれらの組合せなどを含めたモノクロロホルメートも有用である。
あるいは、ポリカーボネートを製造するのに溶融プロセスを使用することができる。一般に、溶融重合プロセスでは、ポリカーボネートは、均一な分散物を形成するために、BANBURY(登録商標)ミキサー、2軸押出機などにおいてエステル交換触媒の存在下で、ジヒドロキシ反応物(複数可)および炭酸ジフェニルなどの炭酸ジアリールエステルを、溶融状態で共反応させることによって調製することができる。揮発性一価フェノールは、蒸留によって溶融反応物から除去され、ポリマーが溶融残留物として単離される。ポリカーボネートを製造するための特に有用な溶融プロセスでは、アリール上に電子求引性置換基を有する炭酸ジアリールエステルが使用される。電子求引性置換基を有する特に有用な炭酸ジアリールエステルの例として、ビス(4−ニトロフェニル)カーボネート、ビス(2−クロロフェニル)カーボネート、ビス(4−クロロフェニル)カーボネート、ビス(メチルサリチル)カーボネート、ビス(4−メチルカルボキシルフェニル)カーボネート、ビス(2−アセチルフェニル)カルボキシレート、ビス(4−アセチルフェニル)カルボキシレート、または前述のエステルの少なくとも1つを含む組合せが挙げられる。さらに、有用なエステル交換触媒として、式(RXの相関移動触媒を挙げることができ、各R、Q、およびXは上記に定義した通りである。例示的なエステル交換触媒には、水酸化テトラブチルアンモニウム、水酸化メチルトリブチルアンモニウム、テトラブチルアンモニウムアセテート、水酸化テトラブチルホスホニウム、テトラブチルホスホニウムアセテート、テトラブチルホスホニウムフェノレート、または前述の少なくとも1つを含む組合せが含まれる。
ポリエステル−ポリカーボネートは、界面重合によっても調製することができる。ジカルボン酸またはジオールをそれ自体で利用するよりむしろ、酸またはジオールの反応性誘導体、例えば、対応する酸ハロゲン化物、特に、酸二塩化物および酸二臭化物などを使用することができる。したがって例えば、イソフタル酸、テレフタル酸、または前述の酸の少なくとも1つを含む組合せを使用する代わりに、二塩化イソフタロイル、二塩化テレフタロイル、または前述の二塩化物の少なくとも1つを含む組合せを使用することができる。
上述したポリカーボネートに加えて、ポリカーボネートの他の熱可塑性ポリマーとの組合せ、例えば、ホモポリカーボネートおよび/またはポリカーボネートコポリマーのポリエステルとの組合せも使用することができる。有用なポリエステルとして、例えば、式(7)の反復単位を有するポリエステルを挙げることができ、これには、ポリ(ジカルボン酸アルキレン)、液晶ポリエステル、およびポリエステルコポリマーが含まれる。本明細書に記載されるポリエステルは一般に、ブレンドされるとき、ポリカーボネートと完全に混和性である。
ポリエステルは、上述したような界面重合もしくは溶融プロセス縮合、溶液相縮合、または例えば、ジメチルテレフタレートなどのジアルキルエステルを、酸触媒作用を使用してエチレングリコールとエステル交換することによって、ポリ(エチレンテレフタレート)を生成することができるエステル交換重合によって得ることができる。分岐剤、例えば、3個以上のヒドロキシル基を有するグリコール、または三官能性もしくは多官能性カルボン酸が組み込まれた分岐ポリエステルを使用することができる。さらに、組成物の究極の最終用途に応じて、ポリエステル上に様々な濃度の酸およびヒドロキシル末端基を有することが望ましい場合がある。
例示的なポリエステルには、ポリ(アルキレンアリーレート)、およびポリ(シクロアルキレンジエステル)を含めた芳香族ポリエステル、ポリ(アルキレンエステル)が含まれる。芳香族ポリエステルは、式(7)によるポリエステル構造を有することができ、式中、JおよびTは、先に述べたようにそれぞれ芳香族基である。芳香族ポリエステルには、例えば、ポリ(イソフタレート−テレフタレート−レソルシノール)エステル、ポリ(イソフタレート−テレフタレート−ビスフェノールA)エステル、ポリ[(イソフタレート−テレフタレート−レソルシノール)エステル−コ−(イソフタレート−テレフタレート−ビスフェノールA)]エステル、またはこれらの少なくとも1つを含む組合せも含まれる。コポリエステルを製造するために、ポリエステルの全重量に基づいて、軽微な量、例えば、約0.5〜約10重量パーセントの脂肪族二酸および/または脂肪族ポリオールに由来する単位を有する芳香族ポリエステルも企図されている。ポリ(アルキレンアリーレート)は、式(7)によるポリエステル構造を有することができ、式中、Tは、芳香族ジカルボキシレート、脂環式ジカルボン酸、またはこれらの誘導体に由来する基を含む。T基の例には、1,2−、1,3−および1,4−フェニレン、1,4−および1,5−ナフチレン、cis−またはtrans−1,4−シクロヘキシレンなどが含まれる。Tが1,4−フェニレンであるとき、ポリ(アルキレンアリーレート)は、ポリ(アルキレンテレフタレート)となり得る。さらに、ポリ(アルキレンアリーレート)については、アルキレン基Jとして、例えば、エチレン、1,4−ブチレン、ならびにcis−および/またはtrans−1,4−(シクロヘキシレン)ジメチレンを含めたビス−(アルキレン−二置換シクロヘキサン)が挙げられる。ポリ(アルキレンテレフタレート)の例には、ポリ(エチレンテレフタレート)(PET)、ポリ(1,4−ブチレンテレフタレート)(PBT)、およびポリ(プロピレンテレフタレート)(PPT)が含まれる。例示的なポリ(アルキレンナフトエート(naphthoate))には、ポリ(エチレンナフタノエート(naphthanoate))(PEN)、およびポリ(ブチレンナフタノエート)(PBN)が含まれる。ポリ(シクロアルキレンジエステル)も企図されており、ポリ(シクロヘキサンジメチレンテレフタレート)(PCT)である。前述のポリエステルの少なくとも1つを含む組合せも企図されている。
他のエステル基を有するアルキレンテレフタレート反復エステル単位を含むコポリマーが企図されている。特に有用なエステル単位として、様々なアルキレンテレフタレート単位を挙げることができ、これは、個々の単位として、またはポリ(アルキレンテレフタレート)のブロックとしてポリマー鎖中に存在することができる。この種類の例示的なコポリマーには、ポリ(シクロヘキサンジメチレンテレフタレート)−co−ポリ(エチレンテレフタレート)、ポリマーが50モル%以上のポリ(エチレンテレフタレート)を含むPETGと省略されるもの、およびポリマーが50モル%超のポリ(1,4−シクロヘキサンジメチレンテレフタレート)を含むPCTGと省略されるものが含まれる。
ポリ(シクロアルキレンジエステル)として、ポリ(アルキレンシクロヘキサンジカルボキシレート)が挙げられ、これには、式(9)の反復単位を有するポリ(1,4−シクロヘキサン−ジメタノール−1,4−シクロヘキサンジカルボキシレート)(PCCD)が含まれる:
Figure 0005555228
(式中、式(7)を使用して説明したように、Jは、1,4−シクロヘキサンジメタノールに由来する1,4−シクロヘキサンジメチレン基であり、Tは、シクロヘキサンジカルボキシレートに由来するシクロヘキサン環、またはその化学的等価物であり、シス異性体、トランス異性体、または前述の異性体の少なくとも1つを含む組合せを含むことができる)。
ポリカーボネートおよびポリエステルは、望ましい機能および特性に応じて、1:99〜99:1、特に10:90〜90:10、より具体的には30:70〜70:30の重量比で使用することができる。
そのようなポリエステルとポリカーボネートのブレンドは、ASTM D1238−04に従って、300℃および1.2キログラムの荷重で測定して、約5ml/10分〜約150ml/10分、特に約7ml/10分〜約125ml/10分、より具体的には約9ml/10分〜約110ml/10分、さらにより具体的には約10ml/10分〜約100ml/10分のMVRを有することが望ましい。
疎水性層は、ポリシロキサン−ポリカーボネートとも呼ばれるポリシロキサン−ポリカーボネートコポリマーをさらに含むことができる。コポリマーのポリジオルガノシロキサン(本明細書で「ポリシロキサン」とも呼ばれる)ブロックは、式(10)の反復ジオルガノシロキサン単位を含む:
Figure 0005555228
(式中、Rは出現するごとに独立して、同じ、または異なるC1〜13一価有機基である)。例えば、Rは、C〜C13アルキル、C〜C13アルコキシ、C〜C13アルケニル基、C〜C13アルケニルオキシ、C〜Cシクロアルキル、C〜Cシクロアルコキシ、C〜C14アリール、C〜C10アリールオキシ、C〜C13アリールアルキル、C〜C13アラルコキシ、C〜C13アルキルアリール、またはC〜C13アルキルアリールオキシとすることができる。前述の基は、フッ素、塩素、臭素、もしくはヨウ素、またはこれらの組合せで完全に、または部分的にハロゲン化することができる。一実施形態では、透明なポリシロキサン−ポリカーボネートが望ましい場合、Rはハロゲンによって置換されていない。前述のR基の組合せを、同じコポリマー中に使用することができる。
式(10)中のEの値は、熱可塑性組成物中の各成分の種類および相対量、組成物の所望の特性、ならびに同様の考慮事項に応じて広く変化し得る。一般に、Eは、約2〜約1,000、特に約2〜約500、より具体的には約5〜約100の平均値を有する。一実施形態では、Eは、約10〜約75の平均値を有し、さらに別の実施形態では、Eは、約40〜約60の平均値を有する。Eがより低い値、例えば、約40未満である場合、相対的により大量のポリカーボネート−ポリシロキサンコポリマーを使用することが望ましい場合がある。反対に、Eがより高い値、例えば、約40超である場合、相対的により少量のポリカーボネート−ポリシロキサンコポリマーを使用することができる。
第1および第2(またはそれ以上)のポリカーボネート−ポリシロキサンコポリマーの組合せを使用することができ、ここで、第1のコポリマーのEの平均値は、第2のコポリマーのEの平均値未満である。
一実施形態では、ポリジオルガノシロキサンブロックは、式(11)の反復構造単位によってもたらされる:
Figure 0005555228
(式中、Eは、上記に定義した通りであり、各Rは、同じであっても、異なっていてもよく、上記に定義した通りであり、Arは、同じであっても、異なっていてもよく、置換または非置換のC〜C30アリーレン基であり、結合は芳香族部分に直接結合している)。式(11)中のAr基は、C〜C30ジヒドロキシアリーレン化合物、例えば、上記式(3)または(6)のジヒドロキシアリーレン化合物に由来し得る。例示的なジヒドロキシアリーレン化合物は、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)オクタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)n−ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−1−メチルフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、ビス(4−ヒドロキシフェニルスルフィド)、および1,1−ビス(4−ヒドロキシ−t−ブチルフェニル)プロパンである。前述のジヒドロキシ化合物の少なくとも1つを含む組合せも使用することができる。
別の実施形態では、ポリジオルガノシロキサンブロックは、式(13)の単位を含む:
Figure 0005555228
(式中、RおよびEは、上記に定義した通りであり、Rは出現するごとに独立して、二価のC〜C30有機基であり、重合したポリシロキサン単位は、その対応するジヒドロキシ化合物の反応残留物である)。特定の実施形態では、ポリジオルガノシロキサンブロックは、式(14)の反復構造単位によってもたらされる:
Figure 0005555228
(式中、RおよびEは、上記に定義した通りである)。式(14)中のRは、二価のC〜C脂肪族基である。式(14)中の各Mは、同じであっても、異なっていてもよく、ハロゲン、シアノ、ニトロ、C〜Cアルキルチオ、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、C〜Cアルケニル、C〜Cアルケニルオキシ基、C〜Cシクロアルキル、C〜Cシクロアルコキシ、C〜C10アリール、C〜C10アリールオキシ、C〜C12アラルキル、C〜C12アラルコキシ、C〜C12アルキルアリール、またはC〜C12アルキルアリールオキシとすることができ、各nは独立して、0、1、2、3、または4である。
一実施形態では、Mは、ブロモもしくはクロロ、アルキル基、例えば、メチル、エチル、もしくはプロピルなど、アルコキシ基、例えば、メトキシ、エトキシ、もしくはプロポキシなど、またはアリール基、例えば、フェニル、クロロフェニル、もしくはトリルなどであり、Rは、ジメチレン、トリメチレン、またはテトラメチレン基であり、Rは、C1〜8アルキル、ハロアルキル、例えば、トリフルオロプロピル、シアノアルキルなど、またはアリール、例えば、フェニル、クロロフェニル、またはトリルなどである。別の実施形態では、Rはメチル、またはメチルとトリフルオロプロピルの組合せ、またはメチルとフェニルの組合せである。さらに別の実施形態では、Mはメトキシであり、nは1であり、Rは二価のC〜C脂肪族基であり、Rはメチルである。
式(14)の単位は、対応するジヒドロキシポリジオルガノシロキサン(15)に由来し得る:
Figure 0005555228
(式中、R、E、M、R、およびnは、上記に定義した通りである)。そのようなジヒドロキシポリシロキサンは、式(16)のシロキサンヒドリド:
Figure 0005555228
(式中、RおよびEは、先に定義した通りである)と、脂肪族的に不飽和の一価フェノールとの間で白金触媒付加を行うことによって製造することができる。例示的な脂肪族的に不飽和の一価フェノールとして、オイゲノール、2−アルキルフェノール、4−アリル−2−メチルフェノール、4−アリル−2−フェニルフェノール、4−アリル−2−ブロモフェノール、4−アリル−2−t−ブトキシフェノール、4−フェニル−2−フェニルフェノール、2−メチル−4−プロピルフェノール、2−アリル−4,6−ジメチルフェノール、2−アリル−4−ブロモ−6−メチルフェノール、2−アリル−6−メトキシ−4−メチルフェノール、および2−アリル−4,6−ジメチルフェノールが挙げられる。前述の少なくとも1つを含む組合せも使用することができる。
ポリオルガノシロキサン−ポリカーボネートは、約50wt%〜約99wt%のカーボネート単位、および約1wt%〜約50wt%のシロキサン単位を含むことができる。この範囲内で、ポリオルガノシロキサン−ポリカーボネートコポリマーは、約70wt%〜約98wt%、より具体的には約75wt%〜約97wt%のカーボネート単位、および約2wt%〜約30wt%、より具体的には約3wt%〜約25wt%シロキサン単位を含むことができる。
ポリオルガノシロキサン−ポリカーボネートは、1ミリリットル当たり1ミリグラムの試料濃度で、架橋スチレン−ジビニルベンゼンカラムを使用してゲル浸透クロマトグラフィーによって測定し、ポリカーボネート標準物質を用いて較正した場合、約2,000〜約100,000ダルトン、特に約5,000〜約50,000ダルトンの重量平均分子量を有することができる。
ポリオルガノシロキサン−ポリカーボネートは、約1ml/10分〜約50ml/10分、特に約2ml/10分〜約30ml/10分の、300℃/1.2kgで測定した溶融体積流速を有することができる。様々な流動特性のポリオルガノシロキサン−ポリカーボネートの混合物を使用することによって、全体として望まれる流動特性を実現することができる。
疎水性または超疎水性層は、1つまたは少なくとも2つのエチレン的不飽和単量体(ビニル単量体)のスチレンポリマーまたはコポリマー、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、環置換スチレン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、メタクリル酸メチル、無水マレイン酸、N置換マレイミド、およびアルコール成分中に1〜18個の炭素原子を有する(メト)アクリレートのものなどをさらに含むことができる。
より具体的には、スチレンコポリマーには、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、メタクリル酸メチル、無水マレイン酸および/またはN置換マレイミドの一連からの少なくとも1つの単量体とともに、スチレン、α−メチルスチレンおよび/または環置換スチレンの一連からの少なくとも1つの単量体を含むものが含まれる。一実施形態では、スチレンコポリマーは、スチレンコポリマーの全重量に基づいて、約60wt%〜約95wt%のスチレン単量体、および約40wt%〜約5wt%の他のビニル単量体を含む。
他の例示的なスチレンのコポリマーとして、アクリロニトリルおよび場合によりメタクリル酸メチルとのもの、アクリロニトリルおよび場合によりメタクリル酸メチルとのα−メチルスチレン、またはアクリロニトリルおよび場合によりメタクリル酸メチルとのスチレンおよびα−メチルスチレンのものが挙げられる。スチレン−アクリロニトリルコポリマーは、フリーラジカル重合、特に、乳化重合、懸濁重合、溶液重合、またはバルク重合によって調製することができる。コポリマーは、約15,000g/モルと約200,000g/モルの間の分子量M(重量平均、光散乱または沈降によって求められる)を有することが好ましい。
一実施形態では、スチレンコポリマーは、スチレンと無水マレイン酸から得られ、連続的なバルク重合または溶液重合によって、対応する単量体から調製される。ランダムスチレン−無水マレイン酸コポリマーの2成分の比率は、広い制限内で変化し得る。特に、スチレンコポリマーは、スチレンコポリマーの全重量に基づいて、約5wt%〜25wt%の無水マレイン酸を含む。
別の実施形態では、スチレンコポリマーは、環置換スチレン、例えば、p−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、およびα−メチルスチレンなどの他の置換スチレンなどを含む。スチレン−無水マレイン酸コポリマーの分子量(数平均M)は、広い範囲、より具体的には、約60,000g/mol〜約200,000g/molにわたって変化し得る。
熱可塑性ポリマーには、グラフトコポリマーも含まれる。グラフトコポリマーは、共役ジエン単量体(ブタジエンなど)を、それと共重合可能な単量体(スチレンなど)と最初に重合して、弾性ポリマーの主鎖を提供することによって調製することができる。ポリマー主鎖を形成した後、ポリマー主鎖の存在下で、少なくとも1種のグラフト単量体、好ましくは2種が重合されることによって、グラフトコポリマーが得られる。
グラフトコポリマーのポリマー主鎖を調製するための例示的な共役ジエン単量体は、式(17)のものである:
Figure 0005555228
(式中、Xは、水素、C〜Cアルキル、塩素、臭素などである)。使用することができる共役ジエン単量体の例は、ブタジエン、イソプレン、1,3−ヘプタジエン、メチル−1,3−ペンタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、2−エチル−1,3−ペンタジエン、1,3−および2,4−ヘキサジエン、クロロおよびブロモ置換ブタジエン、例えば、ジクロロブタジエン、ブロモブタジエン、ジブロモブタジエンなど、前述の共役ジエン単量体の少なくとも1つを含む混合物などである。
共役ジエン単量体と共重合可能な単量体、およびグラフト単量体には、ビニル芳香族単量体および/または(メト)アクリル樹脂単量体が含まれる。例示的なビニル芳香族単量体として、ビニル置換縮合芳香環構造体、例えば、ビニルナフタレン、ビニルアントラセンなど、または式(18)の単量体が挙げられる:
Figure 0005555228
(式中、各Xは独立して、水素、C〜C12アルキル(シクロアルキルを含む)、C〜C12アリール、C〜C12アラルキル、C〜C12アルカリール、C〜C12アルコキシ、C〜C12アリールオキシ、塩素、臭素、またはヒドロキシである)。モノビニル芳香族単量体の例として、スチレン、3−メチルスチレン、3,5−ジエチルスチレン、4−n−プロピルスチレン、α−メチルスチレン、α−メチルビニルトルエン、α−クロロスチレン、α−ブロモスチレン、ジクロロスチレン、ジブロモスチレン、テトラ−クロロスチレン、前述の化合物の少なくとも1つを含む組合せなどが挙げられる。スチレンおよび/またはα−メチルスチレンが、共役ジエン単量体と共重合可能な単量体として、および/またはグラフト単量体として一般に使用される。
例示的な(メト)アクリル樹脂単量体は、式(19)のものである:
Figure 0005555228
(式中、Xは、先に定義した通りであり、Yは、シアノ、C〜C12アルコキシカルボニルなどである)。そのような単量体の例として、アクリロニトリル、エタクリロニトリル、メタクリロニトリル、α−クロロアクリロニトリル、β−クロロアクリロニトリル、α−ブロモアクリロニトリル、β−ブロモアクリロニトリル、メチルアクリレート、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、n−ブチルアクリレート、n−ブチルメタクリレート、プロピルアクリレート、イソプロピルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、前述の単量体の少なくとも1つを含む組合せなどが挙げられる。n−ブチルアクリレート、アクリル酸エチル、および2−エチルヘキシルアクリレートなどの単量体は、共役ジエン単量体と共重合可能な単量体として一般に使用される。アクリロニトリル、アクリル酸エチル、およびメタクリル酸メチルは、グラフト単量体として一般に使用される。
グラフトコポリマーを調製する際に、ポリマー主鎖は、全グラフトコポリマー組成物の約5wt%〜約60wt%を占めることができる。スチレンおよびアクリロニトリルによって例示される、ポリマー主鎖の存在下で重合される単量体は、全グラフトポリマーの約40wt%〜約95%を占めることができる。グラフトコポリマーを調製する際に、ポリマー主鎖上にグラフトされるある特定の割合の重合単量体を、遊離コポリマーとして互いに組み合わせることが通常である。スチレンがグラフト単量体の1つとして利用され、アクリロニトリルが第2のグラフト単量体として利用される場合、組成物のある一部は、遊離スチレン−アクリロニトリルコポリマーとして共重合する。スチレン−アクリロニトリルなどのコポリマーが、グラフトポリマーコポリマーブレンドに添加される場合もある。したがって、グラフトコポリマーは、グラフトコポリマーの全重量に基づいて、最大約80wt%の遊離コポリマーを場合により含むことがある。
バルクまたは乳化重合プロセスを、グラフトコポリマーを製造するのに使用することができる。一実施形態では、衝撃改質剤は、乳化重合工程を含むプロセスにおいて生成される高ゴムグラフトABSコポリマーを含む。「高ゴムグラフト」は、本明細書で使用する場合、剛性ポリマー相の少なくとも約30wt%、好ましくは少なくとも約45wt%が、弾性ポリマー主鎖に化学結合しているか、またはグラフトされているグラフトコポリマー樹脂を指す。ABS高ゴムグラフトコポリマーは、例えば、商標BLENDEXでGE Plastics,Inc.から市販されており、グレード131、336、338、360、および415を含む。
例示的なコアシェル衝撃改質剤は、架橋された、または部分的に架橋された(メト)アクリレート弾性(ゴム状)コア相、およびこの弾性コア相と互いに浸透し合う(interpenetrate)外側の樹脂シェルを有する(メト)アクリレートゴムを含む。この互いに浸透し合うネットワークは、樹脂相を形成する単量体が、以前に重合および架橋された(メト)アクリレートゴム状コア相の存在下で重合および架橋されるときもたらされる。
弾性コア相を形成するのに様々な(メト)アクリレートを使用することができる。本明細書で使用する場合、「(メト)アクリレート」は、アクリレートおよびメタクリレートの両方を含む。n−ブチルアクリレート、アクリル酸エチル、2−エチルヘキシルアクリレート、前述の少なくとも1つを含む混合物などを、ゴム状コア相を形成するのに使用することができる。アクリロニトリルまたはメタクリロニトリルなどの少量の他の(メト)アクリル樹脂単量体を、ゴム状コア相中に組み込むことができる。
上述したビニル芳香族単量体および/または(メト)アクリル樹脂単量体、特に、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、ビニルトルエン、ビニルキシレン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、および前述の単量体の少なくとも1つを含む混合物を、外側樹脂シェル相を形成するのに使用することができる。
グラフトポリマーは、部分的に架橋されており、グラフトポリマーの全重量に基づいて20wt%超、より具体的には40wt%超、最も具体的には60wt%超のゲル含量を有する。一実施形態では、グラフトコポリマーはABSポリマーである。グラフトコポリマーは、既知のプロセス、例えば、バルク、懸濁、乳化、またはバルク−懸濁プロセスなどによって調製することができる。
使用することができる熱可塑性ポリアミドは、ポリアミド66(ポリヘキサメチレンアジパミド)、または6〜12個の炭素原子を有する環式ラクタムのポリアミド、例えば、ラウロラクタムおよびε−カプロラクタム、ポリアミド6(ポリカプロラクタム)、または主成分ポリアミド6もしくはポリアミド66を有するコポリアミド、または主成分がこれらのポリアミドである混合物である。これらの材料は、活性化アニオン重合によって調製することができる。
疎水性または超疎水性層は、親水性層について上述のセラミック材料を含めた1つまたは複数の充填剤をさらに含むことができ、ただし、疎水性層の特性が悪影響を受けないという条件がある。充填剤には、微粒子充填剤および繊維性充填剤が含まれる。そのような充填剤の例は当技術分野で周知であり、「Plastic Additives Handbook,4th Edition」R.GachterおよびH.Muller(編)、P.P.Klemchuck(共編)Hanser Publishers、New York 1993、901〜948頁に記載されているものを含む。微粒子充填剤は、約5:1未満の平均アスペクト比を有する充填剤として本明細書で定義される。充填剤の非限定例として、溶融石英および結晶シリカなどのシリカ粉末;高熱伝導率、低誘電率および低誘電正接を有する硬化生成物を得るためのホウ素−窒化物粉末およびホウ素−ケイ酸塩粉末;高温伝導率のための上述した粉末ならびにアルミナ、および酸化マグネシウム(またはマグネシア);ならびに充填剤、例えば、表面処理ケイ灰石を含めたケイ灰石、硫酸カルシウム(その無水、半水化物、二水和物、または三水和物形態で)、一般に、少なくとも98wt%のCaCOを含み、残りは炭酸マグネシウム、酸化鉄、およびアルミノ−ケイ酸塩などの他の無機物であることが多い、粉砕された微粒子の形態での、チョーク、石灰石、大理石、および合成の沈殿炭酸カルシウムを含めた炭酸カルシウムなど;表面処理炭酸カルシウム;繊維性、結節状、針形状、および層状のタルクを含めたタルク;中空および固体の両方のガラス球、ならびに一般にシランカップリング剤などのカップリング剤を有し、かつ/または導電性コーティング剤を含有する表面処理ガラス球;ならびに硬質、軟質、焼成カオリン、および熱硬化性樹脂中の分散およびこの樹脂との適合性を促進するための、当技術分野で既知の様々なコーティング剤を含むカオリンを含めたカオリン;金属化雲母、および配合されたブレンドに良好な物理的性質を付与するために、アミノシランまたはアクリロイルシランコーティングで処理した雲母表面を含めた雲母;長石および霞石閃長岩;ケイ酸塩球;煙塵;セノスフェア;フィライト;シラン処理され、金属化されたアルミノケイ酸塩を含めた、アルミノケイ酸塩(アルモスフェア);天然のケイ砂;石英;珪岩;真珠岩;トリポリ石;珪藻土;様々なシランコーティング剤を含むものを含めた合成シリカなどが挙げられる。
一実施形態では、微粒子充填剤は、約1マイクロメートル〜約50マイクロメートルの平均粒径を有する溶融石英である。代表的な微粒子充填剤は、約0.03マイクロメートル〜1マイクロメートル未満の中央粒径を有する第1の溶融石英、および少なくとも1マイクロメートル〜約30マイクロメートルの中央粒径を有する第2の溶融石英を含む。溶融石英は、再溶融することによって一般に実現される、本質的に球状の粒子を有することができる。上記に指定したサイズ範囲内で、第1の溶融石英は、少なくとも約0.1マイクロメートル、特に少なくとも約0.2マイクロメートルの中央粒径を特に有することができる。また上記サイズ範囲内で、第1の溶融石英は、最大約0.9マイクロメートル、より具体的には最大約0.8マイクロメートルの中央粒径を特に有することができる。上記に指定したサイズ範囲内で、第2の溶融石英は、少なくとも約2マイクロメートル、特に少なくとも約4マイクロメートルの中央粒径を特に有することができる。また上記サイズ範囲内で、第2の溶融石英は、最大約25マイクロメートル、より具体的には最大約20マイクロメートルの中央粒径を特に有することができる。一実施形態では、組成物は、約70:30〜約99:1の範囲、特に約80:20〜約95:5の範囲の重量比で第1の溶融石英および第2の溶融石英を含む。
繊維充填剤には、ケイ酸アルミニウム、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、および硫酸カルシウム半水化物の少なくとも1つを含むブレンドから得られるものなどの加工鉱物繊維を含めた短い無機繊維が含まれる。炭化ケイ素、アルミナ、炭化ホウ素、炭素、鉄、ニッケル、または銅を含めた単結晶繊維または「ウィスカー」も繊維充填剤の中に含められる。織物ガラス繊維、例えば、E、A、C、ECR、R、S、D、およびNEガラスなど、ならびに石英などを含めたガラス繊維も繊維充填剤の中に含められる。代表的な繊維充填剤には、直径が約5マイクロメートル〜約25マイクロメートルの範囲であり、配合する前の長さが約0.5センチメートル〜約4センチメートルの範囲であるガラス繊維が含まれる。多くの他の充填剤は、Yeagerらに対する米国特許第6,627,704B2号に記載されている。
疎水性層は、熱硬化性樹脂が充填剤、または外側のコーティング剤もしくは基板に接着するのを改善するために接着促進剤をさらに含有することができる。接着を改善するために上述の無機充填剤を接着促進剤で処理することも企図されている。接着促進剤には、クロム錯体、シラン、チタネート、ジルコアルミネート、プロピレン無水マレイン酸コポリマー、反応性セルロースエステルなどが含まれる。クロム錯体には、商標名VOLAN(登録商標)でDuPontより販売されているものが含まれる。シランには、一般的な構造(RO)(4−n)SiY(式中、n=1〜3であり、Rはアルキルまたはアリール基であり、Yは反応性官能基であり、これはポリマー分子と結合を形成することを可能にすることができる)を有する分子が含まれる。カップリング剤の特に有用な例は、構造(RO)SiYを有するものである。一般的な例には、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシ)シラン、フェニルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシランなどが含まれる。シランには、反応性の官能基を欠いている分子、例えば、トリメトキシフェニルシランなどがさらに含まれる。チタン酸塩には、Ann.Chem.Tech Conf.SPI(1980)、Ann.Tech Conf.Reinforced Plastics and Composite Inst.SPI 1979、Section 16E、New OrleansにおけるS.J.Monteら;およびS.J.Monte、Mod.Plastics Int.、14巻、6号、2頁(1984)によって開発されたものが含まれる。ジルコアルミネートには、Plastics Engineering、39巻、11号、29頁(1983)においてL.B.Cohenによって記載されたものが含まれる。接着促進剤は、熱硬化性もしくは熱可塑性樹脂自体に含めるか、または上述した充填剤のいずれかの上にコーティングすることによって、充填剤と熱硬化性もしくは熱可塑性樹脂の間の接着を改善することができる。例えば、そのような促進剤は、樹脂マトリックスの接着を改善するために、ケイ酸塩繊維または充填剤をコーティングするのに使用することができる。
存在する場合、微粒子充填剤は、組成物の全重量に基づいて約5wt%〜約95wt%の量で使用することができる。この範囲内で、微粒子充填剤の量は特に、少なくとも約20wt%、より具体的には少なくとも約40wt%、さらにより具体的には少なくとも約75wt%とすることができる。やはりこの範囲内で、微粒子充填剤の量は特に、最大約93wt%、より具体的には最大約91wt%とすることができる。
存在する場合、繊維充填剤は、組成物の全重量に基づいて約2wt%〜約80wt%の量で使用することができる。この範囲内で、繊維充填剤の量は特に、少なくとも約5wt%、より具体的には少なくとも約10wt%、さらにより具体的には少なくとも約15wt%とすることができる。やはりこの範囲内で、繊維充填剤の量は特に、最大約60wt%、より具体的には最大約40wt%、さらにより具体的には最大約30wt%とすることができる。
上述の充填剤は、いずれの処理もすることなく、または表面処理後に、一般に接着促進剤とともに熱硬化性または熱可塑性樹脂に添加することができる。
疎水性または超疎水性層を形成する方法であって、熱可塑性または熱硬化性樹脂および充填剤を含むコーティング混合物を調製するステップと、選択された表面上に疎水性層を形成するために、遠心圧縮機の選択された表面をコーティングするステップと、疎水性層を硬化するステップとを含む方法も開示される。一実施形態では、コーティング混合物は、疎水性シロキサン材料を含む。一実施形態では、充填剤は、シロキサン材料で表面処理される。一実施形態では、コーティング混合物は、溶媒をさらに含み、この溶媒は、硬化する前に除去される。硬化は、当技術分野で既知の方法を使用して、加熱または光曝露によって実現することができる。用語「硬化」には、部分的硬化および完全硬化が含まれることが理解されよう。硬化性組成物の成分は、硬化の間に互いに反応し得るので、硬化した組成物は、硬化性組成物成分の反応生成物を含むと記述することができる。
コーティング混合物は、スプレーコーティング、ディップコーティング、粉末コーティングなどを含めた、任意の既知の方法によって選択された基板表面に塗布することができる。
親水性、超親水性、疎水性および/または超疎水性層の厚さは、一般に約25〜約2500マイクロメートルの範囲内であり、関与する選択された表面についての設計パラメータを含めた様々な要因に依存する。一実施形態では、親水性、超親水性、疎水性および/または超疎水性層は独立して、約700マイクロメートル〜約1800マイクロメートル、より具体的には、約1000マイクロメートル〜約1500マイクロメートルの厚さを有する。別の実施形態では、親水性、超親水性、疎水性および/または超疎水性層は独立して、約25マイクロメートル〜約700マイクロメートル、より具体的には、約80マイクロメートル〜約500マイクロメートルの範囲の厚さを有する。一実施形態では、随意のボンドコート層は、約25マイクロメートル〜約500マイクロメートル、より具体的には、約75マイクロメートル〜約300マイクロメートルの厚さを有する。別の実施形態では、ボンドコート層は、約25マイクロメートル〜約75マイクロメートルの範囲の厚さを有する。
別の実施形態では、方法は、遠心圧縮機の少なくとも1つのステージの入口ガイドベーン、インペラー、戻り流路直立ハブ、もしくは出口ハブベンドの少なくとも1つの上に疎水性または超疎水性表面層を配置するステップ、および/またはこの少なくとも1つのステージのインペラーケーシング、ディフューザーケーシング、出口ケーシングベンド、戻り流路直立ハブ、出口ハブベンド、回収箇所、もしくはドレーンの少なくとも1つの上に親水性および/または超親水性表面層を配置するステップを含み、遠心圧縮機は、湿性気体混合物から液相と気相を分離するのに適している。
単数形「a」、「an」、および「the」は、脈絡により明らかに別段の指示がない限り、複数の指示対象を含む。同じ特性または成分を対象とするすべての範囲の終点は、独立して組み合わせられ、述べられた終点を含む。
本明細書は、例を使用することによって、最良の形態を含めて本発明を開示し、任意のデバイスまたはシステムを作製および使用すること、ならびに任意の組み込まれた方法を実施することを含めて、任意の当業者が本発明を実行することも可能にする。本発明の特許性のある範囲は特許請求の範囲によって定義され、当業者に考えつく他の例を含むことができる。そのような他の例は、これらが特許請求の範囲の文言と異ならない構造要素を有する場合、またはこれらが特許請求の範囲の文言とごくわずかな差を有する等価な構造要素を含む場合、特許請求の範囲内であることが意図される。
10 代表的な従来技術による遠心圧縮機
12 入口流路
14 通路
16 入口ガイドベーン
18 インペラー
20 インペラーベーン
22 インペラーケーシング
24 回転可能シャフト
26 ディフューザー
28 ディフューザーケーシング
30 ディフューザー出口ケーシングベンド
32 戻り流路
34 戻り流路ケーシング
36 戻り流路直立ハブ
38 渦抑制ベーン
40 出口ハブベンド
42 マルチブレードインペラー
44 マルチブレードインペラー
46 ステージ1
48 第2ステージ
50 第3ステージ
51 ステージ
52 回収箇所
54 回収箇所
56 ドレーン
58 ドレーン
60 遠心圧縮機
62 入口ガイドベーン
64 疎水性または超疎水性層
66 インペラー
68 疎水性および/または超疎水性層
70 インペラーブレード
72 インペラーハブ
74 インペラーケーシング
76 ディフューザーケーシング
78 親水性材料または超親水性材料
80 親水性材料または超親水性材料
82 出口ケーシングベンド
84 戻り流路
86 戻り流路ケーシング
88 戻り流路直立ハブ
90 疎水性および/または超疎水性表面層
92 第1のドレーン
94 第2のドレーン
96 出口ハブベンド
98 親水性または超親水性層
100 第2の回収箇所
102 第1の回収箇所
104 基板
106 選択された表面
108 ボンドコート層
110 親水性/超親水性層または疎水性/超親水性層

Claims (18)

  1. 疎水性、超疎水性、親水性、または超親水性表面層の少なくとも1つを用いて、液相と気相を分離するのに適した少なくとも1つのステージを備える遠心圧縮機であって、
    前記疎水性および/または超疎水性表面層は、入口ガイドベーン、インペラー、戻り流路直立ハブ、または出口ハブベンドの少なくとも1つの上に配置され、
    前記親水性および/または超親水性表面は、インペラーケーシング、ディフューザーケーシング、出口ケーシングベンド、戻り流路直立ハブ、出口ハブベンド、回収箇所、またはドレーンの少なくとも1つの上に配置される遠心圧縮機。
  2. 前記圧縮機が1〜10のステージを有する、請求項1記載の遠心圧縮機。
  3. 湿性気体混合物が、0体積%超〜最大5体積%の水分含量を含む、請求項1または請求項2記載の遠心圧縮機。
  4. 乾燥気体を圧縮するように構成された少なくとも1つのステージを含む、前記請求項のいずれか記載の遠心圧縮機。
  5. 前記親水性および/または超親水性表面層が、金属、セラミック、または金属/セラミック材料を含み、ろう付け合金によって、前記インペラーケーシング、前記ディフューザーケーシング、前記出口ケーシングベンド、前記戻り流路直立ハブ、前記出口ハブベンド、前記回収箇所、または前記ドレーンの少なくとも1つの表面に結合している、前記請求項のいずれか記載の遠心圧縮機。
  6. 前記親水性層が、未水和アルミナ、水和アルミナ、エルビア、イットリア、カルシア、セリア、スカンジア、マグネシア、インジア、イッテルビア、ランタナ、ガドリニア、ネオジミア、サマリア、ジスプロシア、ジルコニア、ユウロピア、ネオジミア、プラセオジミア、ウラニア、ハフニア、イットリア安定化ジルコニア、セリア安定化ジルコニア、カルシア安定化ジルコニア、スカンジア安定化ジルコニア、マグネシア安定化ジルコニア、インジア安定化ジルコニア、イッテルビア安定化ジルコニア、および前述の材料の少なくとも1つを含む組合せからなる群から選択される金属酸化物材料を含む、前記請求項のいずれか記載の遠心圧縮機。
  7. 前記親水性層が、ジルコン酸ガドリニウム、チタン酸ランタン、ジルコン酸ランタン、ジルコン酸イットリウム、ハフニウム酸ランタン、ジルコン酸セリウム、セリウム酸アルミニウム、ハフニウム酸セリウム、ハフニウム酸アルミニウム、およびセリウム酸ランタンを含む、前記請求項のいずれか記載の遠心圧縮機。
  8. 前記疎水性、超疎水性、親水性および/または超親水性表面層が、それぞれの疎水性、超疎水性、親水性および/または超親水性表面層に対してボンドコート層中間物をさらに含む、前記請求項のいずれか記載の遠心圧縮機。
  9. 前記疎水性層が、ベリリウム、マグネシウム、スカンジウム、チタン、バナジウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、ガリウム、イットリウム、ジルコニウム、ニオブ、モリブデン、テクネチウム、ルテニウム、レニウム、パラジウム、銀、カドミウム、インジウム、スズ、ランタン、セリウム、プラセオジム、ネオジム、サマリウム、ユウロピウム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ホルミウム、エルビウム、ツリウム、イッテルビウム、ルテチウム、ハフニウム、タンタル、タングステン、レニウム、オスミウム、イリジウム、白金、金、タリウム、鉛、ビスマス、および前述の金属の少なくとも1つを含む組合せからなる群から選択される金属を含む、前記請求項のいずれか記載の遠心圧縮機。
  10. 前記金属が、チタン、アルミニウム、マグネシウム、ニッケル、アルミニウム−マグネシウム合金、またはこれらの組合せである、請求項9記載の遠心圧縮機。
  11. 前記疎水性層が、熱硬化性または熱可塑性ポリマーをさらに含む、前記請求項のいずれか記載の遠心圧縮機。
  12. 前記熱硬化性ポリマーが、ジアリルフタレート樹脂、エポキシ樹脂、尿素−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン−フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、ポリイミド、シリコーンゴム、不飽和ポリエステル樹脂、および前述の熱硬化性ポリマーの少なくとも1つを含む組合せからなる群から選択される樹脂を含む、請求項11記載の遠心圧縮機。
  13. 前記熱可塑性ポリマーが、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリシロキサン、ポリカーボネート、ポリオルガノシロキサン−ポリカーボネート、ポリエステル、ポリ炭酸エステル、ポリスチレン、スチレンコポリマー、スチレン−アクリロニトリル(SAN)樹脂、ゴム含有スチレングラフトコポリマー、ポリアミド、ポリウレタン、ポリフェニレンスルフィド、ポリ塩化ビニル、および前述の熱可塑性樹脂の少なくとも1つを含む組合せからなる群から選択される材料である、請求項11記載の遠心圧縮機。
  14. 前記疎水性層が表面処理した微粒子充填剤をさらに含む、前記請求項のいずれか記載の遠心圧縮機。
  15. 遠心圧縮機の少なくとも1つのステージの入口ガイドベーン、インペラー、戻り流路直立ハブ、もしくは出口ハブベンドの少なくとも1つの上に疎水性および/もしくは超疎水性表面層を配置するステップ、および/または
    前記少なくとも1つのステージのインペラーケーシング、ディフューザーケーシング、出口ケーシングベンド、戻り流路直立ハブ、出口ハブベンド、回収箇所、もしくはドレーンの少なくとも1つの上に親水性および/もしくは超親水性表面層を配置するステップ
    を含む方法であって、前記遠心圧縮機は、湿性気体混合物から液相と気相を分離するのに適している方法。
  16. 前記親水性層を配置するステップが、蒸発可能な有機結合剤を揮発させるのに有効な温度に前記親水性層を加熱するステップをさらに含む、請求項15記載の方法。
  17. 前記親水性、超親水性、疎水性、および超疎水性表面層が、ボンドコート層上に配置される、請求項15または請求項16記載の方法。
  18. 前記湿性気体混合物が、0体積%超〜最大5体積%の水分含量を有する、請求項15乃至17のいずれか1項記載の方法。
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