JP5553977B2 - Led照明器具 - Google Patents

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Description

本発明は、LED(発光ダイオード)を光源に備えたLED照明器具に関する。
従来、LEDの高出力化に伴いLEDの発熱量が増大していることから、LEDの寿命を延命するためにも、LEDの熱対策が必要となっている。そこで、図7に示すように、アルミニウム等の金属板90の表面に絶縁材92を貼り合わせた金属基板94を用い、この金属基板94上にLED96を実装することで、LED96の放熱性を高めたLEDユニット98が実現されている。
また、近年では、LEDを光源としたLED照明器具として、商用電源からの電力を用いてLEDを点灯する点灯回路(電源)内蔵型のLED照明器具が知られており、この種のLED照明器具には、上記LEDユニット98を光源に用いたものも知られている。これらの点灯回路内蔵型のLED照明器具に対しては、一般に、1000V(ボルト)以上の高電圧を印加する耐電圧試験が行われている。
ここで上記LEDユニット98においては、図7に示すように、金属板90とLED96との間に絶縁材92が介在することから、これらの間に浮遊分布容量C1が生じる。したがって、このLEDユニット98を、LED照明器具の光源として用いている場合、耐電圧試験時に高電圧がLED照明器具に印加されたときには、浮遊分布容量C1により、金属板90とLED96との間にも当該LED96の耐電圧(例えば500V)を超えた過度の電圧が印加されてLED96が破損される虞がある。
そこで、LEDユニット98においては、金属板90とLED96との間に、コンデンサ(サージアブソーバ)やツェナーダイオード、バリスタ、抵抗などの電子部品を接続し、この電子部品により、LED96への過電圧或いは過電流を吸収する構成が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2008−53663号公報(14〜15頁、第17〜18図)
しかしながら、上記のような耐電圧試験を前提とすると、LED96を確実に保護するためには500V以上の耐電圧を持つ大型の電子部品が必要となるためLEDユニットが大型化し、また、このようなLEDユニットを照明器具に組み込む際に電子部品を照明の邪魔にならない場所に配置する工夫も必要となり、さらに、電子部品の絶縁対策も必要となり、コストアップも招く。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、LEDユニットの大型化を招くことなく耐電圧の向上を図ることができるLED照明器具を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、金属板の表面に絶縁層を設けたLED基板の前記表面にLEDを設けたLEDユニットを光源部に備えたLED照明器具において、商用電源の電力を変換して前記LEDユニットのLEDに供給する点灯回路と、前記点灯回路の一次側或いは二次側と、前記LEDユニットの金属板を略同電位にする配線部材と、前記LEDユニットの発熱を灯具本体に伝熱する金属材から成る伝熱体と、前記LEDユニットと前記伝熱体の間を絶縁し、前記伝熱体と前記LEDユニットの間浮遊分布容量を生じさせるート状の絶縁材と、を備え、前記伝熱体と前記LEDユニットの間の前記絶縁材による浮遊分布容量と、前記金属板と前記LEDの間の前記絶縁層による浮遊分布容量とによって分圧された電圧が、前記伝熱体と前記LEDユニットの間、及び前記金属板と前記LEDの間のそれぞれに印加され、表面の一部に前記金属板を露出させ該露出した箇所にねじ孔を設けた前記LEDユニットを列状に前記伝熱体に並べて前記光源部を構成し、それぞれの前記LEDユニットのねじ孔に亘って延在するように各金属板を同電位にする同電位用金属板を設け、該同電位用金属板を、それぞれの前記LEDユニットのねじ孔に導電性のねじでねじ止めしたことを特徴とする。
本発明によれば、点灯回路の一次側或いは二次側と、LEDユニットの金属板を略同電位にする配線部材を備えるため、高電圧が入力された場合でも、LEDユニットのLEDと金属板との間に電位差が殆ど生じることがないから、LEDの破損が防止され耐電圧を向上させることができる。また、コンデンサ(サージアブソーバ)やツェナーダイオード、バリスタ、抵抗などの電子部品を用いる必要がないため、LEDユニットの大型化を招くこともない。
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
図1は本実施形態に係るLED照明器具の一態様たるLED投光器1の正面図、図2はLED投光器1を側面からみた主要断面図である。
これらの図に示すように、LED投光器1は、LED光源部2を納めた灯具本体4と、この灯具本体4に一体に設けられた電源ケース6と、この電源ケース6を回動自在に支持するアーム8とを有する。
灯具本体4は、図2に示すように、背面側から正面側に向かって次第に拡開した有底の箱型形状に例えばアルミダイカストを成型して構成され、その正面側の略矩形の開口が投光開口10として形成され、この投光開口10にはアルミダイカストの前面枠12が取付けられている。
前面枠12は、灯具本体4の下面4A側を支軸として開閉自在に構成され、灯具本体4の上面4Bにラッチで掛止可能に構成されている。この前面枠12には、灯具本体4の投光開口10を閉塞する前面ガラス14が嵌め込まれている。
電源ケース6は、商用電力が電力線16を介して供給されて上記LED光源部2に適した電圧の直流電力に変換して供給する点灯回路(電源)25を内蔵するものである。電源ケース6は、灯具本体4と同程度の幅を有した略箱型形状に例えばアルミダイカストを成型して構成され、灯具本体4の下面4Aに一体に連結されている。電源ケース6の外面には、内蔵の点灯回路25の発熱を放熱するための多数の放熱フィン18(図2)が設けられている。アーム8は、平板状部材を略コ字状に折り曲げ形成した支持部材であり、2箇所の先端部分の間が電源ケース6に回転支軸P回りに回動自在になるようにアーム締付ねじ20により軸支されている。
LED光源部2は、図2に示すように、導電性を有する伝熱ユニット32に取付けられた複数のLEDユニット30(図示例では2×4個)と、各LEDユニット30を連結する後述する同電位用金属板34とを備えている。
伝熱ユニット32は、LEDユニット30の取付台座として機能するとともに、LEDユニット30の発熱を灯具本体4に伝熱するものであり、ユニット本体としての略ブロック状の伝熱体35と、2本のヒートパイプ36,37と、伝熱体35の上面に固定され、上記LEDユニット30が固定される皿状の取付金属板38とを備えている。
伝熱体35は、高熱伝導性を有する金属材である例えばアルミニウムを、その側周面、及び、底面が灯具本体4に接するように成形して構成されている。これにより、LEDユニット30の発熱が灯具本体4の全体に伝熱される。また、上記ヒートパイプ36,37は、伝熱体35の上面及び底面を熱的に接続するように当該伝熱体35に設けられており、伝熱体35の上面に取付けられたLEDユニット30の熱が、上面側とは反対側の底面側に効率良く伝熱される。かかる構成により、灯具本体4の全体を使って効率良くLEDユニット30の熱の放熱が行われる。
図3はLEDユニット30の構成を模式的に示す図であり、図3(A)は平面図、図3(B)は側面図である。
LEDユニット30は、例えばアルミニウムなどの放熱性の高い金属を略正方形の板状に形成した金属板40の表面に絶縁層を形成する絶縁フィルム42を設けて構成されたLED基板44を備え、この絶縁フィルム42の表面に、LED46、上記点灯回路25からLED点灯のための直流電力が供給される入力端子48、及び、入力端子48からLED46に直流電力を導く導電パターン49を形成して構成されている。また、LED基板44には、上記LED46を覆う樹脂製のレンズ50が取付けられている。このLED基板44には2箇所に取付ねじ孔52,54が形成されており、各取付用ねじ孔52、54に例えば樹脂製の絶縁材ねじを通して上記伝熱ユニット32に電気的に絶縁された状態で固定される。またLED基板44には、上記絶縁フィルム42をLED基板44にねじ止めするためのねじ孔81と、絶縁フィルム42に覆われずに金属板40が露出した部分に設けられ後述する同電位用金属板34をねじ止めするためのねじ孔82とが設けられている。ねじ孔82はLED基板44を貫通しない深さに形成され、また、その内側にタップがきられており、このねじ孔82に導電性を有する金属製のねじを螺合させることで、ねじと金属板40の導通が図られる。なお、図示を省略するが、レンズ50にはねじ孔81、82にまで延びる部位が一体に形成されており、この部位がねじ孔81、82に通すねじによりねじ止めされて固定される。
図1に示すように、かかる構成の複数のLEDユニット30が、上記伝熱ユニット32の上面に多行多列(図示例では2行4列)に配置されている。より詳細には、各LEDユニット30は、図2に示すように、伝熱ユニット32の取付金属板38の表面に設けられた例えばマイラーフィルム等の絶縁紙57の上に配置されており、LEDユニット30の各金属板40と伝熱ユニット32との間の絶縁が図られている。
また、電源ケース6には、上記点灯回路25がLEDユニット30の列ごとに設けられている。それぞれの点灯回路25には電力線16からの商用電力が並列に入力されており、各点灯回路25からは給電ケーブル60が引き出され、それぞれの給電ケーブル60が各列の先頭のLEDユニット30の入力端子48に接続されている。各列のLEDユニット30の入力端子48が接続ケーブル58で電気的に直列に接続されており、これにより、各LEDユニット30に点灯回路25からLED点灯のための直流電力が供給される。
図4はLED投光器1におけるLEDユニット30の構成を模式的に示す図であり、図5はLED投光器1の電気的構成を模式的に示す図である。
図4に示すように、LEDユニット30は、金属板40とLED46との間に絶縁フィルム42が介在することから、これらの間に浮遊分布容量C1が生じる。同様に、このLEDユニット30が取付けられる伝熱ユニット32とLEDユニット30との間には絶縁紙57が介在することから、これらの間に浮遊分布容量C2が生じる。そして、金属板40とLED46の間、及び、伝熱ユニット32とLEDユニット30との間には、それぞれ浮遊分布容量C1と浮遊分布容量C2により分圧された電圧が印加される。
図5に示すように、LED投光器1の耐電圧試験時には、耐圧試験器により所定の高電圧VIが点灯回路25に入力される。このとき、浮遊分布容量C1と浮遊分布容量C2との分圧比によっては、LED46の耐電圧を超えた電圧が金属板40とLED46の間に印加されLED46が破損したり放電が発生する虞がある。
そこで本実施形態では、図5に示すように、各LEDユニット30の金属板40を、上記同電位用金属板34で連結するとともに、LED46の高電位側(プラス側)の点P1と同電位用金属板34とを同電位用配線33で接続する構成としている。LED46の高電位側の点P1は、点灯回路25からLED46に至る電流経路上、すなわち点灯回路25の二次側の電流経路上の任意の点とすることが可能であり、本実施形態では、図1に示すように、給電ケーブル60の高電位線(プラス側の線)に同電位用配線33を介して同電位用金属板34を接続している。
この構成により、各LEDユニット30の金属板40がLED46の入力側の電圧VC1と略同電位に維持されることになるから、例えば耐電圧試験時に高電圧VIが印加された場合でも、金属板40とLED46の間に電位差が生じることはなく、LED46が破損したり放電が生じたりすることがない。このとき、耐電圧試験時の高電圧VIにより各LEDユニット30に印加されていた高電圧は、浮遊分布容量C2により、伝熱ユニット32とLEDユニット30の間に印加されるものの、絶縁紙57が絶縁性能を有することから、当該高電圧に耐え得る構造となっている。
図1に示すように、各LEDユニット30を連結する上記同電位用金属板34は、矩形の一枚のアルミニウム板により形成されており、各LEDユニット30のねじ孔82を覆うように延びて設けられ、ねじ孔82にねじを通してLEDユニット30にねじ止めされる。このねじ孔82は、絶縁フィルム42に覆われずに金属板40が露出した部分に設けられていることから、ねじ止めされた同電位用金属板34とLEDユニット30の金属板40のそれぞれとが導通して同電位に維持される。
このように、各LEDユニット30のねじ孔82を覆うように延びて設けた同電位用金属板34を用いてLEDユニット30の金属板40を同電位にする構成としたため、複数のLEDユニット30に対して一度に簡単に同電位用金属板34を取付けることができる。また、この同電位用金属板34と、点灯回路25の二次側の電流経路上の点P1とを同電位用配線33で接続するだけで、それぞれLEDユニット30の金属板40を点灯回路25の二次側と同電位とすることができるから、各LEDユニット30を個別に点灯回路25の二次側に同電位用配線33で接続する必要がなく配線作業が容易になる。
以上説明したように、本実施形態によれば、点灯回路25の二次側に相当するLEDユニット30の高電位側の点P1と、それぞれのLEDユニット30の金属板40とを略同電位にする同電位用配線33を備える構成としたため、耐電圧試験などによりLED投光器1に高電圧が入力された場合でも、各LEDユニット30において、LED46と金属板40との間に電位差が殆ど生じることがない。これにより、LED46の破損が防止され耐電圧を向上させることができる。また、コンデンサ(サージアブソーバ)やツェナーダイオード、バリスタ、抵抗などの電子部品を用いる必要がないため、LEDユニットの大型化を招くこともない。
また本実施形態によれば、灯具本体4に取付台座としての伝熱ユニット32を収容し、該伝熱ユニット32に絶縁紙57を挟んでLEDユニット30のそれぞれを配置する構成とした。この構成により、耐電圧試験時の高電圧VIにより各LEDユニット30に印加されていた高電圧は、LEDユニット30の金属板40と伝熱ユニット32の間の浮遊分布容量C2により、これら伝熱ユニット32とLEDユニット30の間に印加されるものの、絶縁紙57の絶縁性能により高電圧に十分に耐えることが可能となり絶縁レベルが向上する。これに加え、伝熱ユニット32により放熱性能も高められる。
また本実施形態によれば、表面の一部に金属板40を露出させた箇所にねじ孔82を設けたLEDユニット30を列状に並べ、それぞれのLEDユニット30のねじ孔82に亘って延在するように同電位用金属板34を設け、それぞれのLEDユニット30のねじ孔82に導電性のねじでねじ止めする構成とした。この構成により、複数のLEDユニット30に対して一度に簡単に同電位用金属板34を取付けることができる。
なお、上述した実施の形態は、あくまでも本発明の一態様を示すものであり、本発明の範囲内で任意に変形および応用が可能である。
例えば、上述した実施形態では、点灯回路25の二次側として、図1に示すように、点灯回路25からLEDユニット30に電力を供給する給電ケーブル60の高電位線と同電位用金属板34を同電位用配線33で接続する構成としたが、これに限らない。例えば、点灯回路25の二次側として、いずれかのLEDユニット30の導電パターン49の高電位線(プラス側の線)や入力端子48の高電位線と同電位用金属板34を同電位用配線33で接続する構成としてもよい。また例えば、点灯回路25の二次側として、いずれかのLEDユニット30の導電パターン49の低電位線(マイナス側の線)や入力端子48の低電位線と同電位用金属板34を同電位用配線33で接続する構成としてもよい。
また点灯回路25の二次側と同電位用金属板34を同電位用配線33で接続する構成に限らず、例えば図6に示すように、点灯回路25の一次側(商用電源が接続される側)と同電位用金属板34を同電位用配線33Aで接続する構成としてもよい。
また例えば、上述した実施形態では、本発明のLED照明器具を投光器に適用した場合を説明したが、これに限らず、LEDを光源に用いた照明器具であれば、任意の照明器具に本発明を適用することができる。
本発明の実施形態に係るLED照明器具の一態様たるLED投光器の正面図である。 LED投光器を側面からみた主要断面図である。 LEDユニットの構成を模式的に示す図であり、(A)は平面図、(B)は側面図である。 LED投光器におけるLEDユニットの構成を模式的に示す図である。 LED投光器の電気構成を模式的に示す図である。 本発明の他の態様に係るLED投光器の電気的構成を模式的に示す図である。 従来のLEDユニットの構成を模式的に示す図である。
符号の説明
1 LED投光器(LED照明器具)
2 LED光源部
4 灯具本体
6 電源ケース
16 電力線
25 点灯回路
30、98 LEDユニット
32 伝熱ユニット
33、33A 同電位用配線(配線部材)
34 同電位用金属板
40 金属板
42 絶縁フィルム(絶縁層)
44 LED基板
46、96 LED
48 入力端子
49 導電パターン
50 レンズ
82 ねじ孔
57 絶縁紙(絶縁材)
60 給電ケーブル
90 金属板
92 絶縁材
94 金属基板

Claims (1)

  1. 金属板の表面に絶縁層を設けたLED基板の前記表面にLEDを設けたLEDユニットを光源部に備えたLED照明器具において、
    商用電源の電力を変換して前記LEDユニットのLEDに供給する点灯回路と、
    前記点灯回路の一次側或いは二次側と、前記LEDユニットの金属板を略同電位にする配線部材と、
    前記LEDユニットの発熱を灯具本体に伝熱する金属材から成る伝熱体と、
    前記LEDユニットと前記伝熱体の間を絶縁し、前記伝熱体と前記LEDユニットの間浮遊分布容量を生じさせるート状の絶縁材と、を備え、
    前記伝熱体と前記LEDユニットの間の前記絶縁材による浮遊分布容量と、前記金属板と前記LEDの間の前記絶縁層による浮遊分布容量とによって分圧された電圧が、前記伝熱体と前記LEDユニットの間、及び前記金属板と前記LEDの間のそれぞれに印加され、
    表面の一部に前記金属板を露出させ該露出した箇所にねじ孔を設けた前記LEDユニットを列状に前記伝熱体に並べて前記光源部を構成し、
    それぞれの前記LEDユニットのねじ孔に亘って延在するように各金属板を同電位にする同電位用金属板を設け、該同電位用金属板を、それぞれの前記LEDユニットのねじ孔に導電性のねじでねじ止めしたことを特徴とするLED照明器具。
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