JP5552263B2 - 荷電粒子ビーム描画装置の基板位置測定方法および荷電粒子ビーム描画装置 - Google Patents

荷電粒子ビーム描画装置の基板位置測定方法および荷電粒子ビーム描画装置 Download PDF

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Description

本発明は、荷電粒子ビーム描画装置の基板位置測定方法および荷電粒子ビーム描画装置に関する。
荷電粒子ビーム描画装置のステージに基板を載置する際、基板は搬送ロボットによって載置される。もっとも、基板のステージ上の載置位置がずれると、基板に描画されるパターンの位置ずれが生ずるという問題がある。
そこで、ステージに基準ブロックを設け、この基準ブロックを用いて基板のステージ上の位置決めをする方法がある。もっとも、この方法では基準ブロックと基板との接触によるパーティクルの発生が問題となる。
また、特許文献1には、基板の上面に対し、斜めにレーザ光を照射する投光部と、基板からの反射光を受光する受光部とを備え
基板の高さを算出する機構を有する荷電粒子ビーム描画装置が記載されている。
特開2008−177256号公報
本発明は、上記事情を考慮してなされたもので、その目的とするところは、ステージ上の基板位置を高精度かつ簡易に測定可能な荷電粒子ビーム描画装置の基板位置測定方法および荷電粒子ビーム描画装置を提供することにある。
本発明の一態様の荷電粒子ビーム描画装置の基板位置測定方法は、レーザ光の反射率が他の部分と異なるマーク部を有する基板を互いに直交する水平なX方向およびY方向に移動自在なステージに載置するステップと、前記ステージをX方向に移動すると同時に、前記ステージのX方向の位置を測定し、かつ、走査軌跡が前記マーク部と交差するように前記基板の上面に対し斜めにレーザ光を照射し、前記基板からの反射光を光位置センサで受光し、第1の電気信号を検出するステップと、前記第1の電気信号より、前記ステージのX方向の移動時の前記反射光の重心位置を算出するステップと、前記ステージをY方向に移動すると同時に、前記ステージのY方向の位置を測定し、かつ、走査軌跡が前記マーク部と交差するように前記基板の上面に対し斜めにレーザ光を照射し前記基板からの反射光を光位置センサで受光し、第2の電気信号を検出するステップと、前記第2の電気信号より、前記ステージのY方向の移動時の前記反射光の重心位置を算出するステップと、測定された前記ステージのX方向およびY方向の位置と、算出された前記重心位置から、前記基板のX方向およびY方向の位置を算出するステップと、を備えることを特徴とする。
上記態様の基板位置測定方法において、前記基板のX方向およびY方向の位置を算出するステップにおいて、前記反射光の重心位置と前記重心位置の平均値の差分の積分値から前記基板のX方向およびY方向の位置を算出することが望ましい。
上記態様の基板位置測定方法において、前記マーク部は、互いに直交する方向に伸びる2本の線状マーク部を有し、前記ステージをX方向に移動する際に、前記マーク部の一方と交差するようにレーザ光を照射し、前記ステージをY方向に移動する際に、前記マーク部の他方と交差するようにレーザ光を照射することが望ましい。
本発明の一態様の荷電粒子ビーム描画装置は、レーザ光の反射率が他の部分と異なるマーク部を有する基板を載置可能で、互いに直交する水平なX方向およびY方向に移動自在なステージと、前記ステージのX方向およびY方向の位置を測定するステージ位置測定手段と、前記ステージ上の基板に荷電粒子ビームを照射するビーム照射手段と、前記ステージを前記X方向及び前記Y方向に移動する際に、走査軌跡がそれぞれ前記マーク部と交差するように前記基板の上面に対し斜めにレーザ光を照射する投光部と、基板からの反射光を受光する光位置センサを受光素子とする受光部とを有する基板位置検出手段と、前記基板位置検出手段による検出結果から基板の高さ位置を算出する高さ位置演算手段と、前記基板位置検出手段による検出結果から前記ステージが前記X方向及び前記Y方向に移動する際の前記反射光の重心位置をそれぞれ算出し、算出された前記重心位置と、前記ステージ位置測定手段により測定された前記ステージのX方向およびY方向の位置と、から基板のX方向およびY方向の位置を算出するXY位置演算手段と、
を備えることを特徴とする。
上記態様の荷電粒子ビーム描画装置において、前記XY位置演算手段が、前記反射光の重心位置と前記重心位置の平均値の差分の積分値の演算機能を有することが望ましい。
本発明によれば、ステージ上の基板位置を高精度かつ簡易に測定可能な荷電粒子ビーム描画装置の基板位置測定方法および荷電粒子ビーム描画装置を提供することが可能となる。
第1の実施の形態の基板位置検出方法のフロー図である。 第1の実施の形態の荷電粒子ビーム描画装置の構成図である。 図1の荷電粒子ビーム描画装置の上面図である。 第1の実施の形態の専用基板の構造を示す図である。 第1の実施の形態のマーク部の検出原理の説明図である。 第1の実施の形態の基板位置検出方法による測定結果を示す図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
(第1の実施の形態)
第1の実施の形態の荷電粒子ビーム描画装置は、基板を載置可能で、互いに直交する水平なX方向およびY方向に移動自在なステージと、ステージのX方向およびY方向の位置を測定するステージ位置測定手段と、ステージ上の基板に荷電粒子ビームを照射するビーム照射手段と、基板の上面に対し斜めにレーザ光を照射する投光部と、基板からの反射光を受光する光位置センサ(Position Sensing Device、以下PSDとも称する)を受光素子とする受光部とを有する基板位置検出手段と、基板位置検出手段による検出結果から基板の高さ位置を算出する高さ位置演算手段と、ステージ位置測定手段による位置測定結果と、基板位置検出手段による検出結果から基板のX方向およびY方向の位置を算出するXY位置演算手段と、を備える。
上記構成を備えることにより、本実施の形態の荷電粒子ビーム描画装置は、ステージ上の基板位置を高精度かつ簡易に測定することが可能となる。
図2は、本実施の形態の荷電粒子ビーム描画装置の構成図である。図3は、図1の荷電粒子ビーム描画装置の上面図である。ここでは、荷電粒子ビーム描画装置として電子ビーム描画装置を例に説明する。
電子ビーム描画装置10は、描画室12と、描画室12に隣接する搬送室14と、搬送室14に隣接するアライメント室16を備えている。描画室12の天井部には、ステージ上の基板に電子ビームを照射するビーム照射手段として、電子鏡筒18が備えられている。
描画室12には、互いに直交する水平なX方向およびY方向に移動自在なステージ20が設けられている。そして、アライメント室16で定位置に位置決めされた基板Wを搬送室14に配置した搬送ロボット22に受け渡し、搬送ロボット22により基板Wをステージ20上に搬送するよう構成されている。基板Wは、例えば、ガラス基板上にクロム膜等の遮光膜とレジスト膜とが積層されたマスクである。
搬送ロボット22は、X方向およびY方向に直交するZ方向の軸線回りに回転自在な回転軸22aと、回転軸22aに固定された伸縮自在なロボットアーム22bと、ロボットアーム22bの先端に取り付けられた基板Wを保持するロボットハンド22cとで構成されている。ロボットアーム22bの伸縮方向は、ステージ20上に基板Wを載置する際に、Y方向と平行になる。また、ロボットハンド22cは、ロボットアーム22bの伸縮方向に一致する姿勢に常時維持される。なお、本実施の形態においては、ロボットアーム22bを一対のアームの屈伸動作で伸縮するもので構成しているが、テレスコピック型のアームでロボットアーム22bを構成しても構わない。
電子鏡筒18は、内蔵する電子銃から発せられた電子ビームを所要の断面形状に成形した後偏向させて、基板Wに照射するよう構成されている。電子鏡筒18は照射制御部24により制御される。また、ステージ20はステージ制御部26により制御される。また、搬送ロボット22はロボット制御部28により制御される。そして、これら照射制御部24、ステージ制御部26、およびロボット制御部28は全体制御部30で統括制御されるよう構成されている。
全体制御部30には、第1メモリ32と第2メモリ34が接続されている。第1メモリ32にはパターンデータが記憶されている。全体制御部30は、パターンデータに基づいて描画すべき図形の形状、位置を規定する描画データを作成、これを第2メモリ34に記憶させる。
また、電子ビーム描画装置10は、ステージ20のX方向およびY方向の位置を測定するステージ位置測定手段としてステージ位置測定器36を備えている。また、ステージ20に載置された基板の上面に対し斜めにレーザ光を照射する投光部38aと、基板Wからの反射光を受光するPSDを受光素子とする受光部38bとを有する基板位置検出手段として基板位置検出器38を備えている。
ステージ位置測定器36は、図3に示すように、ステージ20に固定したX方向の法線を持つステージミラー20aへのレーザ光の入反射でステージ20のX方向位置を測定するレーザ測長計36aと、ステージ20に固定したY方向の法線を持つステージミラー20bへのレーザ光の入反射でステージ20のY方向位置を測定するレーザ測長計36bとで構成されている。
基板位置検出器38は、受光部38bであるPSDで、基板上面にレーザ光が照射されて生ずる照射スポットSPの反射光を受光し電気信号に変換する。そして、電子ビーム描画装置10は、基板位置検出器38で得られた電気信号を演算処理する高さ位置演算部40とXY位置演算部42を備えている。高さ位置演算部40やXY位置演算部42は、ソフトウェアによって構成されるものであっても、ハードウェアによって構成されるものであっても、またその双方の組み合わせによって構成されるものであっても構わない。
高さ位置演算部40は、基板位置検出器38で得られた電気信号を処理し、基板Wの高さ位置、すなわちZ方向(X方向とY方向に垂直な方向)の位置を算出するよう構成されている。高さ位置演算部40で算出された基板Wの高さ位置のデータは、全体制御部30から高さ位置データ読み出し指令を受信した際に、全体制御部30へ応答データとして入力される。そして、全体制御部30は、基板Wの高さの正規高さからのずれ量に応じて、描画精度を維持するのに必要な電子ビームの偏向角や焦点範囲を算出し、描画データを補正する。
また、XY位置演算部42は、ステージ位置測定器36による位置測定結果と、基板位置検出器38による検出結果から基板WのX方向およびY方向の位置、すなわち、基板Wとステージ20の相対位置、を算出するよう構成されている。
このように、本実施の形態の電子ビーム描画装置10では、基板の高さ位置の測定と、基板のXY位置測定とに、共通の基板位置検出器38を用いるよう構成されているため、基板のXY位置測定のために新たに検出器を設ける必要がないという利点がある。
基板Wのパターンへの描画に際しては、全体制御部30からステージ制御部26に動作指令が出され、ステージ20が移動する。また、照射制御部24では、全体制御部30から入力される描画データに基づき、ステージ位置測定器36で測定したステージ20の位置を確認しつつ、電子鏡筒18内の電子ビームの成形制御、偏向制御を行って、基板Wの所要の位置に電子ビームを照射する。
ここで、搬送ロボット22で基板Wをステージ20に載置する際に、基板Wがステージ20の正規位置に載置されない場合がありうる。ステージ20上の正規位置に基板Wが載置されていないと、基板Wの外形に対して描画されるパターン全体の位置がずれるという問題が生ずる。
ステージ位置測定器36では、ステージ20のX方向およびY方向の位置は測定可能であるが、ステージ20に載置される基板WのX方向およびY方向の位置、すなわち、基板Wとステージ20の相対位置を測定することはできない。本実施の形態の電子ビーム描画装置10によれば、XY位置演算部42を設けることにより、ステージ20に載置される基板WのX方向およびY方向の位置を測定が可能となる。したがって、基板Wに描画されるパターンの位置ずれを防止することが出来る。
なお、基板WのX方向およびY方向の位置測定の精度を上げるため、XY位置演算手段であるXY位置演算部42が、基板W上面からの反射光の各重心位置と、それらの重心位置の平均値の差分の積分値の演算機能を有することが望ましい。
次に、本実施の形態の荷電粒子ビーム描画装置の基板位置検出方法について説明する。本実施の形態の荷電粒子ビーム描画装置の基板位置検出方法は、基板を互いに直交する水平なX方向およびY方向に移動自在なステージに載置するステップと、ステージをX方向に移動すると同時に、ステージのX方向の位置を測定し、かつ、基板の上面に対し斜めにレーザ光を照射し基板からの反射光を光位置センサ(PSD)で受光するステップと、ステージのX方向の移動時の反射光の重心位置を算出するステップと、ステージをY方向に移動すると同時に、ステージのY方向の位置を測定し、かつ、基板の上面に対し斜めにレーザ光を照射し基板からの反射光を光位置センサで受光するステップと、ステージのY方向の移動時の反射光の重心位置を算出するステップと、ステージのX方向およびY方向の位置測定結果と、算出された重心位置から、基板のX方向およびY方向の位置を算出するステップと、を備える。
ここでは、特に、図2、図3の電子ビーム描画装置10を用いる方法について説明する。また、基板Wとして専用基板を用いて、電子ビーム描画装置の組み立て時や調整時に基板の搬送および載置精度を確認する場合を例に説明する。この専用基板は、基板の表面に設けられた、レーザ光の反射率が他の部分と異なる、互いに直交する方向に伸びる2本のマーク部を有するものである。
図4は、専用基板の構造を示す図である。図4(a)が上面図、図4(b)が断面図である。専用基板100は、表面に、光の反射率が他の部分とは異なる、互いに直交する方向にのびる線上の2本のマーク部101、102を形成したものである。ここで、専用基板100がステージ20の正規位置に載置されたとき、第1のマーク部101はY方向に平行になり、第2のマーク部102はX方向に平行になる。なお、本実施の形態では、専用基板100として、図4(b)に示すように、ガラス基板103の表面にクロム膜等の遮光膜104を積層して成るものを用い、遮光膜104の除去部分でマーク部101、102を構成している。そのため、マーク部101、102での光の反射率が他の部分より低くなる。
図1は、本実施の形態の基板位置検出方法のフロー図である。最初に、専用基板100の搬送とステージ20への載置を行う。まず、アライメント室16で専用基板100の位置決めを行い、搬送ロボット22により専用基板100をアライメント室16からステージ20上に搬送し載置する。(ステップS10)
次に、ステージ20をX方向に移動させる。この時、ステージ位置測定器36によりステージ20のX方向位置を測定する。また、同時に基板位置検出器38の投光部38aから専用基板100の上面に対し斜めにレーザ光を照射し、基板からの反射光を受光部38bの光位置センサ(PSD)で受光する。この時、図4に示すように投光部38aから照射されるレーザ光の専用基板100表面での照射スポットSPの走査軌跡が第1マーク部101に交差する。(ステップS11)
次に、ステップS11のステージ20のX方向の移動時の反射光のPSDの受光面における重心位置を、基板位置検出器38で得られた電気信号からXY位置演算部42で算出する。この受光面における重心位置の算出は、PSDの2つの出力端子から得られる電圧をそれぞれV1、V2とすると、(V1−V2)/(V1+V2)であらわされる。ちなみに、基板Wの高さ位置を測定する場合には、高さ位置演算部40で同様の算出式に基づき演算が行われる。(ステップS12)
なお、ステップ11とステップ12は同時進行、すなわち基板の各点でPSDで得られる出力電流または出力電圧から即時に各点の重心位置の算出を実行するものであってもかまわない。あるいは、ステップ11ではPSDの出力電流または出力電圧だけモニタして記憶し、別途ステップ12を実行するものであってもかまわない。また、ここではXY位置演算部42で重心位置を算出するものとしたが、高さ位置演算部40で演算される重心位置を利用する方法でもかまわない。
次に、ステージ20をY方向に移動させる。この時、ステージ位置測定器36によりステージ20のY方向位置を測定する。また、同時に基板位置検出器38の投光部38aから専用基板100の上面に対し斜めにレーザ光を照射し、基板からの反射光を受光部38bの光位置センサ(PSD)で受光する。この時、図4に示すように投光部38aから照射されるレーザ光の専用基板100表面での照射スポットSPの走査軌跡が第2マーク部102に交差する。(ステップS13)
そして、ステップS12と同様に、ステージ20のY方向の移動時の反射光のPSDの受光面における重心位置を、XY位置演算部42で算出する。(ステップS14)
ステップ13とステップ14との関係については、上述のステップ11とステップ12との関係と同様である。また、高さ位置演算部40で演算される重心位置を利用する方法でもかまわない点についてもステップ11とステップ12と同様である。
さらに、XY位置演算部42は、ステージ位置測定器36によるステージ20のX方向およびY方向の位置測定結果と、XY位置演算部42で算出された反射光の受光面における重心位置を対照させることで、専用基板100のX方向およびY方向の位置(X座標およびY座標)を算出する。(ステップS15)
最後に、搬送ロボット22により専用基板100を搬送し、電子ビーム描画装置10外へ搬出する。(ステップS16)
ここで、反射光のPSDの受光面の重心位置の変化をモニタすることによって、専用基板100の第1マーク部101や第2マーク部102が検出可能となる原理について簡単に説明する。図5は、マーク部の検出原理の説明図である。上の図がマーク部の拡大上面図、下の図が、反射光のPSDの受光面での重心位置の変化を、座標位置に対して示した図である。
上図に示すように、レーザ光の専用基板100表面での照射スポットSPの全域がクロム面104、あるいはマーク部101、102のガラス面103にある場合には、照射スポットSPの照度の重心位置は照射スポットSPの外形の重心位置と一致する。これに対し、照射スポットSPが反射率の異なるクロム面104とガラス面103の両方にまたがる場合、その照射スポットSPの照度の重心位置は照射スポットSPの外形の重心位置からずれることになる。この基板表面での照度の重心位置の変化が、反射光を検出するPSDの受光面における重心位置の変化にも下図に示すように現れる。
このように、PSDの受光面における重心位置の変化をモニタしてマーク部の座標位置を検出することが可能になる。一方、PSDの受光面における反射光の受光量の変化をモニタすることによって、マーク部の座標位置を検出することも可能である。すなわち、マーク部のガラス面103は反射率が低いため、この領域を照射スポットSPが通過する際の受光面における受光量が、クロム面104のそれに比べて低下するからである。受光量あるいは受光量の総量は、PSDの2つの出力端子から得られる電圧をそれぞれV1、V2とすると、(V1+V2)であらわされる。
しかしながら、受光量をモニタする場合、レーザ光源の出力が変動した場合に測定精度が低下したり、測定エラーが生じたりする恐れがある。これに対し、重心位置はレーザ光源の出力の変動による影響を受けない。したがって、安定して高精度な基板のXY方向の位置測定が可能となる。
また、電子ビーム描画装置10のXY位置演算手段であるXY位置演算部42が、反射光の重心位置と重心位置の平均値の差分の積分値の演算機能を有することが望ましい。また、上記基板位置検出方法において、基板のX方向およびY方向の位置を算出するステップにおいて、反射光の重心位置と重心位置の平均値の差分の積分値とから基板のX方向およびY方向の位置を算出することが望ましい。
このように、各測定点における重心位置の生データではなく、各重心位置と、それらの重心位置の平均値の差分の積分値を用いることで、マーク部の中心をピークとし、かつ、ノイズの平滑化された変化曲線を得ることが可能となる。したがって、ガウス曲線とのフィッティングも容易になり、フィッティングしたガウス曲線のピークをマーク部の中央と判定することができる。よって、基板の位置検出を容易かつ高精度に行うことが可能となる。
そして、高精度に検出された基板の位置を、実際の基板(マスク)の描画の際にフィードバックすることで、基板に描画されるパターンの位置ずれを防止することが可能となる。
また、本実施の形態の基板位置検出方法は、基板の高さ位置測定に用いる基板位置検出器38を検出器として用いる。このため、あらたな検出器を基板のXY位置測定のために必要としないという利点がある。
図6は、本実施の形態の基板位置検出方法による測定結果を示す図である。測定における専用基板100は、ガラス基板にクロム膜を約70nmメッキにより形成し、マーク部はクロム膜を幅約80μmで剥離した構造である。そして、測定の際には、ステージ上の専用基板100を5μm刻みで移動させながら反射光を測定している。
図6には、受光量のデータ(実線、右縦軸参照)、受光面での重心位置変化(点線、左縦軸参照)および各重心位置と重心位置の平均値の差分の積分値(実線、以下単に重心位置の積分値と称する)をプロットしている。なお、重心位置の積分値の変化曲線は、受光量の変化曲線とピーク高さが同程度になるようグラフ目盛りを更正している。
図から明らかなように、受光量の変化曲線ではレーザ光源の出力変動に起因するノイズが顕著であるのに対し、重心位置および重心位置の積分値の変化曲線はノイズがほとんど見られない。
なお、基板位置検出方法について、図2に示すXY位置演算部42を電子ビーム描画装置10の構成要素とする装置を用いて実行する場合を例にして説明した。しかしながら、基板のXY位置の演算を、電子ビーム描画装置と独立したコンピュータ等で演算する方法を採用してもかまわない。
また、本実施の形態の基板位置検出方法においては、専用基板のマーク部のX方向、Y方向それそれぞれ1箇所ずつを測定する場合を例に説明したが、複数箇所を測定して位置を検出する方法であってもかまわない。また、複数箇所を測定して、基板の正規位置からの平行ずれ量だけでなく、回転ずれ量を含めて算出する方法であってもかまわない。
(第2の実施の形態)
本実施の形態の荷電粒子ビーム描画装置の基板位置検出方法は、専用基板を用いるのではなく、一度描画した基板(マスク)に、再度、描画する場合の基板位置検出方法である点で、第1の実施の形態と異なっている。第1の実施の形態と重複する内容については、記載を省略する。
本実施の形態においては、一度、基板に描画する所望のパターンのうちの一部を基板上に描画した後、一旦、電子ビーム描画装置外に基板を搬出する。そして、その後、再度、電子ビーム描画装置内に同一の基板を搬入しステージ上に載置し、描画する。このような再描画は、例えば、マスクのCr層と位相シフター層という異なる層を別のパターンでパターニングすることを要請されるレベンソン型位相シフトマスクを製造する場合に適用することが考えられる。
同一の基板を再度ステージ上に載置する場合に、図1に示す第1の実施の形態と同様の基板位置検出方法を適用し、得られた基板位置情報に基づき、2度目の描画を行うことで、最初に描画したパターンとの描画時の合わせずれを抑制することが可能となる。
以上、具体例を参照しつつ実施の形態について説明した。しかし、本発明は、これらの具体例に限定されるものではない。
たとえば、荷電粒子ビーム描画装置ついて電子ビーム描画装置を例に説明したが、例えば、プロトンなどのイオンビーム描画装置についても、本発明は適用可能である。また、ここでは基板として、マスクを例に説明したが、例えば、ウェハに電子ビームでパターンを直接描画する電子ビーム描画装置にも、本発明は適用可能である。
また、装置構成や制御手法等、本発明の説明に直接必要しない部分等については記載を省略したが、必要とされる装置構成や制御手法を適宜選択して用いることができる。その他、本発明の要素を具備し、当業者が適宜設計変更しうる全ての荷電粒子ビーム描画装置の基板位置測定方法、荷電粒子ビーム描画装置は、本発明の範囲に包含される。
10 電子ビーム描画装置
18 電子鏡筒
20 ステージ
36 ステージ位置測定器
38 基板位置検出器
38a 投光部
38b 受光部
40 高さ位置演算部
42 XY位置演算部
100 専用基板
101 第1マーク部
102 第2マーク部

Claims (5)

  1. レーザ光の反射率が他の部分と異なるマーク部を有する基板を互いに直交する水平なX方向およびY方向に移動自在なステージに載置するステップと、
    前記ステージをX方向に移動すると同時に、前記ステージのX方向の位置を測定し、かつ、走査軌跡が前記マーク部と交差するように前記基板の上面に対し斜めにレーザ光を照射し、前記基板からの反射光を光位置センサで受光し、第1の電気信号を検出するステップと、
    前記第1の電気信号より、前記ステージのX方向の移動時の前記反射光の重心位置を算出するステップと、
    前記ステージをY方向に移動すると同時に、前記ステージのY方向の位置を測定し、かつ、走査軌跡が前記マーク部と交差するように前記基板の上面に対し斜めにレーザ光を照射し前記基板からの反射光を光位置センサで受光し、第2の電気信号を検出するステップと、
    前記第2の電気信号より、前記ステージのY方向の移動時の前記反射光の重心位置を算出するステップと、
    測定された前記ステージのX方向およびY方向の位置と、算出された前記重心位置から、前記基板のX方向およびY方向の位置を算出するステップと、
    を備えることを特徴とする荷電粒子ビーム描画装置の基板位置検出方法。
  2. 前記基板のX方向およびY方向の位置を算出するステップにおいて、前記反射光の重心位置と前記重心位置の平均値の差分の積分値から前記基板のX方向およびY方向の位置を算出することを特徴とする請求項1記載の荷電粒子ビーム描画装置の基板位置検出方法。
  3. 前記マーク部は、互いに直交する方向に伸びる2本の線状マーク部を有し、前記ステージをX方向に移動する際に、前記マーク部の一方と交差するようにレーザ光を照射し、前記ステージをY方向に移動する際に、前記マーク部の他方と交差するようにレーザ光を照射することを特徴とする請求項1または請求項2記載の荷電粒子ビーム描画装置の基板位置検出方法。
  4. レーザ光の反射率が他の部分と異なるマーク部を有する基板を載置可能で、互いに直交する水平なX方向およびY方向に移動自在なステージと、
    前記ステージのX方向およびY方向の位置を測定するステージ位置測定手段と、
    前記ステージ上の基板に荷電粒子ビームを照射するビーム照射手段と、
    前記ステージを前記X方向及び前記Y方向に移動する際に、走査軌跡がそれぞれ前記マーク部と交差するように前記基板の上面に対し斜めにレーザ光を照射する投光部と、基板からの反射光を受光する光位置センサを受光素子とする受光部とを有する基板位置検出手段と、
    前記基板位置検出手段による検出結果から基板の高さ位置を算出する高さ位置演算手段と、
    前記基板位置検出手段による検出結果から前記ステージが前記X方向及び前記Y方向に移動する際の前記反射光の重心位置をそれぞれ算出し、算出された前記重心位置と、前記ステージ位置測定手段により測定された前記ステージのX方向およびY方向の位置と、から基板のX方向およびY方向の位置を算出するXY位置演算手段と、
    を備えることを特徴とする荷電粒子ビーム描画装置。
  5. 前記XY位置演算手段が、前記反射光の重心位置と前記重心位置の平均値の差分の積分値の演算機能を有することを特徴とする請求項4記載の荷電粒子ビーム描画装置。
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