JP5551676B2 - 複合触媒、複合触媒を作製するプロセス、および複合触媒を用いる方法 - Google Patents

複合触媒、複合触媒を作製するプロセス、および複合触媒を用いる方法 Download PDF

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Description

関連出願の相互参照
この出願は、特許発行された特許出願である2011年4月27日出願の米国特許出願第13/095417号の継続出願であり、その優先権を主張する。係属中の米国出願13/095417は、その教示のすべてについてその全体が引用によりここに援用される。
技術分野
この開示は一般的に、ルテニウムナノ粒子活性炭ナノ酸化亜鉛複合触媒を合成すること、および当該新規な複合触媒を用いてメチルイソブチルケトン(MIBK)またはイソプロピルアルコール(IPA)の生産を増加させることに関する。
背景
自己縮合プロセスによる、メチルイソブチルケトン(MIBK)、ジイソブチルケトン(DIBK)、ホロン(PH)、およびα−イソホロン(IPH)などの高価値ファインケミカルへの低価格アセトン(ジメチルケトン、DMK)の変換は、業界が現在直面している課題である。
MIBKはアセトンから誘導される重要な生成物である。たとえば、メチルイソブチルケトン(MIBK)は、液−液抽出、ビニール、エポキシ、およびアクリル樹脂生産、染料およびニトロセルロース生産における溶媒として広く用いられる生成物である。MIBKは、ゴム薬品の合成およびファインケミストリー適用例における抗生物質の生産または鉱油からのパラフィンの除去のための抽出剤としても用いられる。これは塗料および保護コーティング系における溶媒として用いられる。MIBKは3段階プロセスで商業生産される。アセトンからMIBKを合成するための主要な反応経路を図1に示す。第1の段階は、ジアセトンアルコール(DA、4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン)にアセトンをアルドール添加することである。第2の段階は、メシチルオキシド(MO、4−メチル−3−ペンテン−2−オン)へのDAのアルドール縮合である。最後の段階は、MIBKを形成するための、MOの炭素−炭素オレフィン結合の選択的水素添加である。最も一般的に観察される副反応は過剰縮合および非選択的水素添加である。
高い収率を得るため、MIBKの気相または液相生産で数多くの複合触媒が現在用いられているが、ほとんど成功していない。生産プロセスは複雑であり、作業コストは高い。均質な液体塩基および酸複合触媒の使用は腐食性の環境を作り出し、その扱いに付加的な中和プロセスが必要となり、大きな排水の流れを生成してしまう。さらに、DAおよびMOの分離は、その連続した段階を実行するには必須である。このように、MIBKの気相での生産および液相での生産で用いてもよい、より優れた複合触媒の必要性が存在する。MIBK生産はより高い収率を提供すべきであり、そして費用対効果がよくなるべきである。
概要
発明は、組成物、ルテニウムナノ粒子活性炭ナノ酸化亜鉛(n−Ru/AC/n−ZnO)複合触媒を合成する方法を開示する。本発明は、1段階の気相DMK自己縮合プロセスを介してMIBKおよび他の副生成物を生産するプロセスも開示する。
1つの実施形態では、n−Ru/AC/n−ZnO複合触媒を合成する方法を記載する。別の実施形態では、n−Ru/AC/n−ZnO複合触媒の組成物を記載する。
1つの実施形態では、(n−Ru/AC/n−ZnO)複合触媒の酸性および塩基性の、MIBKへのDMK自己縮合のための活性および選択性に対する影響を評価した。別の実施形態では、異なる重量比でn−ZnOをn−Ru/ACと混合した。
1つの実施形態では、いくつかの水素流量、DMK流量、温度をテストして、(n−Ru/AC/n−ZnO)複合触媒の性能を最適化した。1つの実施形態の複合触媒は複合物または複合触媒としても記載される。
別の実施形態では、新規な(n−Ru/AC/n−ZnO)複合触媒のいくつかの性質の特徴付けを行なった。これらの特徴付けは、新規な複合触媒の純度および効能を証明するため、ならびに現行の方法の効率および有効性を証明するために行なわれた。
別の実施形態では、表面積の変更を行なって複合触媒の効能をテストした。別の実施形態では、複合触媒の表面上のRu分散を行なって効能を算出した。
1つの実施形態では、複合触媒の最適な効能のために酸塩基の二機能性を最適化した。
別の実施形態では、(n−Ru/AC/n−ZnO)複合触媒を用いたDMKのMIBKへの高度に選択的な変換の気相プロセスの最適化を行なった。別の実施形態では、(n−Ru/AC/n−ZnO)複合触媒を用いたDMKのさまざまな副生成物への高度に選択的な変換の気相プロセスの最適化を行なった。
本明細書中に開示される、新規な複合触媒組成物、新規な複合触媒を合成する方法、および化学反応で新規な複合触媒を用いる方法は、さまざまな局面を達成するための任意の手段で実現されてもよい。他の特徴は、添付の図および以下の詳細な説明から明らかになるであろう。
例示的な実施形態を一例として図示し、表および添付の図に限定は存在せず、同じ参照番号は同様の要素を示す。
本実施形態の他の特徴は、添付の図、表、および以下の詳細な説明から明らかになるであろう。
アセトン縮合プロセスにおける主要な反応経路の図である。 さまざまな調査された複合触媒のXRDパターンの図である。 [A]n−ZnO;[B]5%n−Ru/AC複合触媒のTEM画像の図である。 DMK変換率%および生成物選択性%[T=523K;H=20ml/分;DMK流量=0.01ml/分、タイムオンストリーム(TOS)=1時間]の観点での複合触媒の比較の図である。 DMK変換率%および生成物選択性%[T=623K;H=20ml/分;DMK流量=0.015ml/分、TOS=1時間]の観点での複合触媒の比較の図である。 DMK変換率%および生成物選択性%に対するn−Ru/AC:n−ZnO重量比の効果の図(T=623K;H=20ml/分;DMK流量=0.01ml/分、TOS=1時間)である。 酸性/塩基性特徴およびRu分散%の、複合触媒アイデンティティの重量比に対する依存性の図である。 1Ru/2Zn複合触媒についての、反応温度を上昇させた場合のDMK変換率%および生成物選択性%(H=10ml/分;DMK=0.01ml/分;TOS=1時間)の変化の図である。 1Ru/1Zn複合触媒についての、反応温度を上昇させた場合のDMK変換率%および生成物選択性%(H=15ml/分;DMK=0.015ml/分;TOS=1時間)の変化の図である。 3Ru/2Zn複合触媒についての、反応温度を上昇させた場合のDMK変換率%および生成物選択性%(H=10ml/分;DMK=0.01ml/分;TOS=1時間)の変化の図である。 1Ru/0Zn複合触媒についての、反応温度を上昇させた場合のDMK変換率%および生成物選択性%(H=20ml/分;DMK=0.02ml/分;TOS=1時間)の変化の図である。 0Ru/1Zn複合触媒についての、反応温度を上昇させた場合のDMK変換率%および生成物選択性%(H=20ml/分;DMK=0.02ml/分;TOS=1時間)の変化の図である。 1Ru/2Zn複合触媒についての、DMK流量を増大させた場合のDMK変換率%および生成物選択性%(T=523K;H=10ml/分;TOS=1時間)の変化の図である。 1Ru/1Zn複合触媒についての、DMK流量を増大させた場合のDMK変換率%および生成物選択性%(T=523K;H=5ml/分;TOS=1時間)の変化の図である。 3Ru/2Zn複合触媒についての、DMK流量を増大させた場合のDMK変換率%および生成物選択性%(T=573K;H=10ml/分;TOS=1時間)の変化の図である。 1Ru/0Zn複合触媒についての、DMK流量を増大させた場合のDMK変換率%および生成物選択性%(T=523K;H=15ml/分;TOS=1時間)の変化の図である。 0Ru/1Zn複合触媒についての、DMK流量を増大させた場合のDMK変換率%および生成物選択性%(T=648K;H=15ml/分;TOS=1時間)の変化の図である。 1Ru/2Zn複合触媒についての、H流量を増大させた場合のDMK変換率%および生成物選択性%(T=573K;DMK=0.01ml/分;TOS=1時間)の変化の図である。 1Ru/1Zn複合触媒についての、H流量を増大させた場合のDMK変換率%および生成物選択性%(T=523K;DMK=0.01ml/分;TOS=1時間)の変化の図である。 3Ru/2Zn複合触媒についての、H流量を増大させた場合のDMK変換率%および生成物選択性%(T=623K;DMK=0.01ml/分;TOS=1時間)の変化の図である。 1Ru/0Zn複合触媒についての、H流量を増大させた場合のDMK変換率%および生成物選択性%(T=523K;DMK=0.01ml/分;TOS=1時間)の変化の図である。 0Ru/1Zn複合触媒についての、H流量を増大させた場合のDMK変換率%および生成物選択性%(T=648K;DMK=0.01ml/分;TOS=1時間)の変化の図である。
詳細な説明
新規なルテニウム活性炭ナノZnO(n−Ru/AC/n−ZnO)複合触媒を合成し、新規な複合触媒を用いてMIBKおよび他の副生成物の生産を増加する方法、組成物、ならびにプロセスのためのいくつかの実施形態を開示する。本実施形態は、具体的な例示的な実施形態を参照して説明したが、さまざまな実施形態のより広い精神および範囲から逸脱することなくこれらの実施形態に対してさまざまな修正および変更をなしてもよいことが明らかになるであろう。
(n−Ru/AC/n−ZnO)複合触媒の調製:
材料− アセトン(Winlab HPLCグレード、+99.8%)、水素ガス(99.999%)、ピルビン酸ナトリウム(Sigma-Aldrich、≧99%)、ヒドロキシルアミン塩酸塩(Carlo Erba、99%)、炭酸水素ナトリウム(Fluka、≧99.5%)、硫酸亜鉛7水和物(BDH、99.5%)、および5%ルテニウム/活性炭複合触媒上ルテニウム5%(n−Ru/AC、Winlab)は市販されており、それ以上精製せずに用いた。
複合触媒の組成、合成方法、および特徴付け
ナノ−ZnO(n−ZnO)は、ZnSO・7HOの水溶液にピルビン酸ナトリウムオキシム1水和物[Na(PAO)・HO]の水溶液を添加することによって合成した。反応物の混合の結果、亜鉛(II)2−オキシイミノプロピオネート2水和物(Zn(PAO)(HO))の白色の析出物が生じた。析出物を濾去し、次に一晩真空下で乾燥した。マッフル炉中で662KでZn(PAO)(HO)を一晩加熱し、n−ZnOを得た。種々の重量比(1n−Ru/AC:0n−ZnO,1n−Ru/AC:1n−ZnO,1n−Ru/AC:2n−ZnO,3n−Ru/AC:2n−ZnO,および0n−Ru/AC:1n−ZnO)でこの酸化物をn−Ru/ACと混合し、粉末化して、(n−Ru/AC/n−ZnO)複合触媒を得た。調製した複合触媒はそれぞれ、1Ru:0Zn,1Ru:1Zn,1Ru:2Zn,3Ru:2Zn,および0Ru:1Znとした。複合触媒は、触媒テストの前に、in situで一晩50−60ml/分のHの流れで673Kで活性化した。
複合触媒のための相同定は、40kVおよび40mAで動作されるPhilips X'pert pro回折計で、サンプリング時間が1秒/段階で、0.02°ずつ2°から100°までの2シータ範囲でCuKα放射を用いて行なった。クリスタライトのサイズはシェラーの式:
D=Bλ/(β1/2cosθ) (1)
[式中、Dは調査対象の相の平均クリスタライトサイズであり、Bはシェラーの定数(0.89)であり、λは用いたX線の波長(1.54056Å)であり、β1/2は分析される回折ピークの半値幅(FWHM)であり、θは回折角である。]
を用いて算出した。
調製した複合触媒のBET表面積は、Quantachrome Autosorb-1-MP装置を用いて77KでのN物理吸着から推定した。
複合触媒の表面の酸性および塩基性は、TPD/R/O 1100 Thermo Electron装置を用いて、それぞれ純粋なアンモニア(NH)および純粋な二酸化炭素(CO)の温度プログラミング脱着(TPD)によって測定した。NH−またはCO−TPDについては、30分間の10ml/分の流量での423KでのNHまたはCO吸着の前に、423Kで10ml/分のヘリウム(He)中で〜0.1gの重量の複合触媒サンプルを2時間、前処理した。最後に、サンプルにHeを一気に流して、過剰なNHまたはCOガスを除去した。吸着/脱着は、10K/分の傾斜で773Kの温度まで、25ml/分の一定のHeの流れで行なった。
金属の表面積および分散は、Micrometrics AutoChem 2910装置を用いて、343KでHパルス化学吸着によって測定した。化学吸着プロセスを開始する前に、真空下393Kで0.2−0.5gの量の複合触媒を16時間乾燥した。複合触媒の温度プログラミング還元(TPR)は、10ml/分のガス流量で5体積%のH/Ar中で5K/分の加熱率で298Kから423Kまでサンプルを加熱することによって行なった。423Kでこれらの条件下で2時間サンプルを保持し、その後この温度で2時間脱ガスした。TPRプロセス後、343Kでパルス化学吸着を開始した。金属表面積および分散はH消費から求めた。
複合触媒を用いる方法
DMK自己縮合は、大気圧のH雰囲気下、管状ガラス固定床マイクロリアクター(ID0.9cm)中で行なった。リアクターを縦型管状炉の中に置いた。複合触媒サンプル(〜0.25g)は、パイレックス(登録商標)ガラスウールとセラミックス片との2つの層の間に、リアクター中にロードした。K型熱電対を複合触媒の中心に置き、反応温度を監視した。DMKは、複合触媒床の頂部の反応ゾーンに入る前に、5.0から20.0ml/分の範囲の連続的なHの流れに混合された蒸気としてのその圧送のために、加熱されたチューブ(338−343K)に接続された日立製作所のHPLCポンプ(モデルL−2100/2130)によって、0.01から0.025ml/分の範囲の連続的な流れでリアクターに導入された。反応液体生成物を233Kで捉え、1時間毎に収集し、フレームイオン化検出器(FID)および50m×0.32mm×1.2mmのCP-Wax 58 CBカラムを装備したVarian CP-3800ガスクロマトグラフを用いることによってオフラインで分析した。下流への気体の流れは、FIDおよび熱伝導率検出器(TCD)を装備した製油所ガス分析器(RGA)Varian CP-3800GCによってオンラインで分析した。ガスクロマトグラフィで生成物を同定した。
物理化学的特徴付け
図2に示されるXRDパターンから複合触媒の結晶相およびクリスタライトサイズを求めた。1Ru:0Znサンプルについて非晶質構造が検出された一方で、残余の調査対象固体分についてはZnOが主要結晶相であった。対応のクリスタライトサイズの算出を表1で報告する。さらに、Ru結晶相は検出されなかったが、このことはRu金属の細かな分散を示している。複合触媒はナノサイズであり、ZnO相のクリスタライトサイズは21から29nmの間の範囲に亘った。
(n−Ru/AC/n−ZnO)複合触媒の構造についてのより詳細な情報を得るため、さまざまな倍率でTEM分析を行なった(図3)。低倍率のTEM(20nm)は、サイズが20−29nmの具体的な六角形のZnOクリスタライトを示す(図3)。一方、n−Ru/ACサンプルについての高倍率TEM(10nm)(図3)は非晶質構造を示す。活性炭の表面上に現れる黒いスポットは、分散したRuナノ粒子を表わす。これらの写真はXRD調査を補完する。
さまざまな調査対象複合触媒サンプルの窒素吸着および脱着等温線から導出されるSBET表面積を表1に与える。すべての調査対象複合触媒のSBET値は、(n−ZnO:37.4m/gについて)315−386m/gの範囲にある。市販のn−Ru/ACサンプルのテクスチャ性は製造プロセスおよび炭素の出所に依存する。n−Ru/ACとn−ZnOとの不均質な機械的混合は複合触媒のテクスチャ性に影響する。n−Ru/Acにn−ZnOを添加するとBET表面積が変化するが、これは異なる吸着特徴のn−Ru/ACとn−ZnOとの間の不均質な混合のためである可能性がある。
Ru−金属性表面積(SRu)および混合固体複合触媒に亘るその分散度は、343KでHパルス化学吸着を用いて求めた。得られた結果を表1にしている。表1に示すように、金属性表面積およびRu金属の分散度の両者の傾向は、複合触媒のすべての組合せについて同様の挙動である。金属性表面積と分散度との両者の明らかな最大値は、3重量%のRuをロードした(3Ru:2Zn)サンプルについて観察された。1つの実施形態では、1Ru:1ZnのRuローディングは2.5重量%に過ぎず、その分散度は約5.29%であり、そのような複合触媒上のRuの分散度は3Ru:2Zn複合触媒よりも高いことが観察された。しかしながら、n−ZnOを含有するサンプルは1Ru:0Znサンプルと比較してより高いSRuおよび分散度を示した。n−Ru/AC複合触媒へのn−ZnOの添加はルテニウムの分散度を高める役割を担うかもしれない。
調製されたサンプル中の活性塩基部位の数についての情報を得るため、CO−TPD測定を行なった(表2)。1Ru:0Znおよび(n−Ru/AC/n−ZnO)複合触媒上に吸着されたCOの量は0.04−0.27mmol/gcatの範囲に見られた。1Ru:0Znの塩基部位密度および高いRuローディング(3重量%)を含有するサンプルは同じ値を示す(0.07×10−2mmol/m)。Ru(重量%)ローディングを減少させ、すなわちn−ZnO含有量を増大させて1.67Ru重量%ローディングで最低値(0.01×10−2mmol/m)になると、塩基性部位密度値の顕著な低下が観察された。
酸性部位の推定は、NH−TPD測定値(表2)から導出した。異なるn−ZnO含有量の機能としての酸性部位の数および分布のばらつきは、NH−TPDによって推定した。1Ru:0Znおよび(n−Ru/AC/n−ZnO)複合触媒上に吸着されるNHの量は0.12−0.39mmol/gcatの範囲に見られた。表2は、Ru/AC複合触媒上へのn−ZnOのローディング後の酸性部位の濃度の百分率での増加を図示する。1Ru:2Znサンプルについての酸性/塩基性部位の比率は最高値(7%)を記録した。酸性部位密度の顕著な増加は、〜4.25mmol/gcatの高い酸性部位密度の、n−ZnO粉末の増大した量に主による。
触媒活性および選択性
図4は、523Kでの5つの(n−Ru/AC/n−ZnO)複合触媒についての、DMKの変換率%の機能としてのMIBKの選択性%を表示する。支配的な副生成物であるIPA、MO、およびDIBKの選択性%の値を観察した。気体相で、無視される量のプロペンおよびプロパンも検出した。そのような観察は、IPAが無視される脱水プロセスを経ていることを暗示する。これらの実験では、3%のRuロード複合触媒(3Ru:2Zn)は、46%というDMK変換率、88%というIPAに向けた高い選択性、および11%というMIBKに向けた低い選択性という結果となった。この実施形態は、RuローディングがDMK−直接水素添加に有利であることを示す。1Ru:0Zn複合触媒は最も高いIPA選択性を示した一方で、0Ru:1Znは最も低いIPA選択性という結果となった。これらの結果はH化学吸着から得た結果を補完し、DMK自己縮合の犠牲の下にDMK−直接水素添加プロセスを高めるRuの役割を確認する。1つの実施形態では、1Ru:1Zn複合触媒が最も高いMIBK選択性(〜26%)を得た。これらの結果は、その特定の酸−塩基の性質による脱水プロセスを介したDMK自己縮合に対するn−ZnOの役割の証拠であるかもしれない。
反応温度を623K(図5)まで上昇させた結果、DMKの変換が著しく減少して、3%Ruロード(3Ru:2Zn)複合触媒で22%となった。しかしながら、温度の上昇は、DMK−直接水素添加に対するDMK自己縮合プロセスに向けたすべての調査対象の複合触媒の選択性を向上させることになった。1Ru:1Zn複合触媒を用いることによって、MIBKに向けた最大選択性(〜71%)を達成した。さらに、この特定的な複合触媒は、すべての調査対象の複合触媒に亘ってバランスのとれた酸性/塩基性および比較的高いRu分散度を示した。
623Kでの本複合触媒の触媒性能に対する、(n−Ru/AC/n−ZnO)重量比、この比率の間の関係、DMK変換率%、および生成物選択性%の効果を図6に図示する。結果は、Ru含有量が増えるとDMK変換率%が増えることを示す。MIBKに向けた選択性%は1n−Ru/AC:1n−ZnOで最大となる火山型の曲線に従う。
図7は、(n−Ru/AC/n−ZnO)重量比に対する、酸性/塩基性部位濃度およびRu分散%の依存性の結果を図示する。図7に示すような結果は、n−ZnO含有量が減少するとRu分散%が単調に増大する一方で酸性/塩基性部位の濃度比は指数関数的に減少することを示す。これらの観察は、以下の順序、すなわち1Ru:1Zn>3Ru/2Zn>1Ru/2Zn>1Ru/0Zn>0Ru/Znにおける複合触媒アイデンティティに対する、623KでのMIBKに向けた触媒選択性%の観察された依存性と一致する。MIBK選択性%のこの傾向は、表面の酸性/塩基性の性質の効果および複合触媒の性能に対するn−ZnOの分散力に関連し得る。
複合触媒性能のための条件
複合触媒の触媒活性に対する、温度、DMK流量、およびH流量の影響はさまざまなパラメータを変更することによってなされた。523、573、623、または648Kでの反応を検討することによって温度の効果を探った。アセトン流量の効果は、0.01、0.015、0.02、または0.025ml/分で調査した一方で、H流量は、5.0、10.0、15.0、または20.0ml/分で検討した。最初の1時間のタイムオンストリーム(TOS)での主要生成物に向けた選択性%およびDMK変換率%に対する各要因の効果を実証するいくつかの代表的な例を以下に与える。
図8−図12は、温度が触媒の挙動にどのように影響を及ぼすかを表示する。図8は、H流量が10ml/分およびDMK流量が0.01ml/分で、1Ru/2Zn複合触媒について温度が上昇するとDMK変換率%およびIPAに向けた選択性が低下することを示す。一方で、MIBKおよびDIBKに向けた選択性は、温度を573Kに上昇させると上昇し、その後これは温度が上昇すると低下する。このMIBKおよびDIBK選択性の低下はMO選択性の上昇を伴う。DMK変換率%および生成物選択性%のこれらの傾向は温度の上昇に伴う複合触媒活性の低下の証拠である。しかしながら、573KをDMK自己縮合プロセスからMIBKを生産するための最良の温度としてみなしてもよい一方で、523Kは、上述の動作条件下で1Ru/2Zn複合触媒を用いることによる、DMK−直接水素添加プロセスからのIPAの生産のための最良の温度である。
図9は、H流量が15ml/分およびDMK流量が0.015ml/分での1Ru/1Zn複合触媒の性能を呈する。DMK変換率%およびIPA選択性%は温度の上昇とともに低下する一方で、MIBK選択性%は623Kまでの温度の上昇とともに上昇し、648Kに温度を上昇させると低下する。DIBKに向けたおよびMOに向けた選択性%は、523から623Kへ温度が上昇してもほぼ安定している。温度が648Kに上昇すると、DIBKの選択性%は低下し、MO選択性%は上昇する。これらの観察によると、648Kは触媒活性に関して望ましくない温度であるかもしれない。623Kはテスト対象の実施形態の中ではDMK自己縮合プロセスからMIBKを得るための最適な温度であり得るが、これに限定されるわけではない。MIBKおよびIPAの両者ともほぼ同じ選択性で生産されるので、DMK変換率%が最も高い523Kは、DMK自己縮合とDMK−直接水素添加との間のオプションの温度として考えられてもよい。
図10は、H流量が10ml/分およびDMK流量が0.01ml/分での3Ru/2Zn複合触媒の触媒性能を示す。DMK変換率%は温度が523から573Kに上昇すると低下し、次に温度を623Kに上昇させると安定し、最終的に温度を648Kに上昇させると低下する。しかしながら、IPAに向けた選択性%は523から573Kへ温度を上昇させると低下し、次に温度を623Kおよび648Kに上昇させると上昇する。MIBKに向けた選択性%は、IPAに向けた選択性%に関して変化し、523から573への温度の上昇とともに上昇し、次に623から648Kへの温度の上昇とともに低下する。DIBKに向けた選択性%はMIBKについて観察されたのと同様の傾向を有する。MOに向けた選択性%は非常に低く、573Kに温度が上昇すると僅かに低下し、次に温度の上昇とともに安定化する。DMK変換率%および生成物選択性%のこれらの傾向は、573KがMIBKに向けたDMK自己縮合のための最良の温度であり、523KがIPAに向けたDMK−直接水素添加のための最良の温度であることを示す。
図11は、H流量が20ml/分およびDMK流量が0.02ml/分での1Ru/0Znの触媒性能を示す。温度が上昇すると、DMK変換率%はほぼ0に劇的に減少する。触媒としてn−Ru/ACそれ自体を用いるという触媒挙動は効果がないようである。さらに、1Ru/0Zn複合触媒は、水素を吸着するRu金属の潜在能力のために、IPAに向けた高い選択性%を与える一方で、DMK自己縮合プロセスに必要な酸性−塩基性部位の欠如により、MO、MIBK、およびDIBKに向けた非常に低い選択性%が観察された。IPAに向けた選択性は、IPAへのDMKの水素添加プロセスの発熱性(ΔH=−54.4kJ/mol(Wiberg et al., 1991))のために温度の上昇とともに大きく低下し、DMK−直接水素添加プロセスの熱力学的不利益という結果となる。
図12は、H流量が10ml/分およびDMK流量が0.01ml/分での0Ru/1Zn複合触媒についての触媒挙動を示す。複合触媒としてのn−ZnO自体の劣った触媒活性を反映して、DMK変換率%は低く、温度が上昇してもほとんど安定している。n−ZnOは酸性−塩基性部位を有するため、MOに向けた最も高い選択性が示される。一方、IPAに向けた低い選択性%はDMK−直接水素添加のためのn−ZnOの能力を反映する。n−ZnOの水素添加能力は亜鉛金属へのその還元によるかもしれない(Taylor et al., 1927, Burwell et al. 1936, Woodman et al. 1940, Taylor et al. 1946)。MIBKに向けた非常に劣った選択性%は、MOのカルボニル基と共役するC=Cを水素添加するn−ZnO中のZn金属の非常に劣った水素添加能力を意味し得る。
図13−図17は触媒性能に対するDMK流量の効果を表示する。図13は、523KおよびH流量が10ml/分で、1Ru/2Zn複合触媒についての、0.01から0.025ml/分へDMK流量を増大した場合にDMK変換率%が低下することを示す。一方で、IPA、MIBK、DIBK、およびMOに向けた選択性%は、DMK流量が増大した際、それらの各々毎にほぼ一定のままである。そのような観察は、複合触媒の表面がそれらの流量が増大した際に反応するDMK分子で飽和されることを示すかもしれない。さらに、DMK流量に拘らずIPAに向けた有利な高い選択性%は、上述の条件下でのこの複合触媒によるDMK自己縮合に対してDMK−直接水素添加が優先することも示すかもしれない。
図14は、523KおよびH流量が5ml/分での1Ru/1Zn複合触媒についてのその変換率%および生成物選択性%に対するDMK流量の増大の効果を呈する。DMK変換率%は、流れを0.01から0.025ml/分に増大させると低下する一方で、IPA、MIBK、DIBK、およびMOに向けた生成物選択性%は、DMK流量を増大させた際のそれらの各々毎にほぼ安定したままである。これらの観察は、流量が増大した場合に、複合触媒の表面の飽和がDMK分子と反応しつつ役割を果たすことを指摘するかもしれない。DMK自己縮合は、DMKの流れに拘らずMIBKに向けた選択性%を上昇させることによる、複合触媒による実験的条件下でのDMK−直接水素添加に対して有利であるように思われる。
図15は、573KおよびH流量が10ml/分で、DMK流量を増大した場合の3Ru/2Zn複合触媒の触媒性能を表わす。DMK変換率%は、その流量を0.01から0.015に増大させた結果低下し、次に流量を増大させるとともに安定化する。IPAに向けた選択性%はDMK流量の増大とともに上昇する一方で、MIBK、DIBK、およびMOに向けた選択性%はそれらの各々毎に一定のままである。しかしながら、最も高い選択性が注目されるのはMIBKに向けてである。これらの結果は、DMK自己縮合が、この複合触媒を上記反応条件下で用いた場合にDMK−直接水素添加に対して有利であることを示すかもしれない。
図16は低いDMK変換率%を示し、これは523KおよびH流量15ml/分で1Ru/0Zn複合触媒について0.01から0.025ml/分へその流量を増大させると低下する。IPAに向けた選択性%は調査対象のDMK流量の全範囲に亘ってほぼ100%である一方で、他の生成物(MIBK、DIBK、およびMO)に向けた選択性%は無視できる。これらの結果は、水素の吸着、水素添加反応の実行、DMK自己縮合のために必要な酸性−塩基性部位の欠如におけるルテニウムの能力を示すかもしれない。さらに、これらの結果は、単一成分触媒の劣った触媒活性を図示し、酸性−塩基性および水素添加部位を有する複合触媒の多機能性の必要性を証明する。
図17は、648KおよびH流量が10ml/分での、低いDMK変換率%によって実証されるような0Ru/1Zn複合触媒の低い触媒活性を表示する。DMK変換率%はその流量が増大してもほぼ安定している。しかしながら、IPAに向けた選択性%は低く、流量の増大とともに低下する一方で、MOに向けた選択性%は上昇する。これらの反応条件下ではMIBKに向けた無視できる選択性%が存在する。これらの結果は、n−ZnO触媒を用いることによるDMK−直接水素添加に対するDMK自己縮合の優先および単一成分触媒の劣った活性を示すかもしれない。IPAに向けた低い選択性%は水素添加部位として働く亜鉛金属へのn−ZnOの還元によるかもしれない(Taylor et al., 1927, Burwell et al. 1936, Woodman et al. 1940, Taylor et al. 1946)。MOに向けた最も高い選択性はn−ZnO酸性−塩基性表面特徴によるものであり得る。MIBKに向けた無視される選択性%はMO中のカルボニル基を有する共役されたC=Cを水素添加するn−ZnO中のZn金属の非常に劣った水素添加能力の証拠としてとられてもよい。
図18−図22は触媒性能に対するH流量の効果の例を表わす。図18は、573KおよびDMK流量0.01ml/分での1Ru/2Zn複合触媒について、5から20ml/分へH流量が増大しても、DMK変換率%ならびにDIBKに向けたおよびMOに向けた選択性%がほぼ一定であることを示す。しかしながら、H流量の増大とともに、IPAに向けた選択性%は上昇する一方で、MIBKに向けた選択性%は低下する。これらの観察は一般的に、これらの状況下でこの複合触媒を用いることによるDMK−直接水素添加に対するDMK自己縮合の優先を表示する。しかしながら、H流量の増加に伴うMIBK選択性%の低下およびIPA選択性%の上昇は、H流量の増加がDMK自己縮合よりもDMK−直接水素添加を容易にすることを示すかもしれない。
図19は、523KおよびDMK流量0.01ml/分で、1Ru/1Zn複合触媒について、5から20ml/分へのH流量の増大とともにDMK変換率%が低下することを示す。しかしながら、H流量が増大すると、IPAに向けた選択性%が上昇する一方で、MIBKに向けたおよびDIBKに向けた選択性%は低下する。MOに向けた選択性%はH流量の検討対象範囲に亘ってほぼ一定である。これらの結果は、DMK−直接水素添加が、これらの動作条件下でこの複合触媒を用いることによりDMK自己縮合に対して好ましいことを示唆し得る。流れが増大した際のDMK変換率%の低下は、接触時間の短縮、すなわち複合触媒の表面上でのDMK分子の滞留の短縮によるかもしれない。H流量10ml/分では、DMK変換率%ならびにIPAに向けたおよびMIBKに向けた選択性%は等しく、このことは、何ら優先されず、複合触媒がDMK−直接水素添加とDMK自己縮合との両方を支配することを示すかもしれない。
図20は、623KおよびDMK流量が0.01ml/分で3Ru/2Zn複合触媒について、H流量が5から15ml/分に増大した場合にDMK変換率%がほぼ安定しており、次に、流れを20ml/分へ増加した際に低下することを表示する。一方で、H流量の増大とともにIPAに向けた選択性%が上昇する一方で、MIBKに向けた選択性%は低下する。DIBKに向けたおよびMOに向けた選択性%は流れが増大してもほぼ安定している。これらの結果は、これらの反応条件下でのこの複合触媒についてのDMK−直接水素添加に対するDMK自己縮合の優先を示す。しかしながら、MIBK選択性%の低下およびIPA選択性%の上昇は、DMK−直接水素添加優先がH流量の増加とともに増すことを示すかもしれない。
図21は、523KおよびDMK流量0.01ml/分で1Ru/0Zn複合触媒について、H流量の増加とともにDMK変換率%とIPAに向けた選択性%との両方が上昇する一方で、流れが5から10ml/分に増大するとMIBKに向けた選択性%が低下し、次に安定することを示す。MOに向けた選択性%は無視可能であり、流れの増大とともに安定する。これらの結果は、単一成分複合触媒としてのn−Ru/ACがそのルテニウム金属を通したDMK−直接水素添加に必要な水素添加の能力を有し、DMK自己縮合に必要な酸性−塩基性部位を欠いていることと整合する。低いDMK変換率%は、単一成分複合触媒の劣った活性を表示する。
図22は、648KおよびDMK流量0.01ml/分での0Ru/1Zn複合触媒についての、H流量の増大に伴う低く安定したDMK変換率%を示す。流れの増大とともにIPAに向けた選択性%は上昇する一方で、MOに向けた選択性%は低下する。MIBKに向けた選択性%は無視できる程度であり、流れの増大とともに安定する。これらの結果は、亜鉛金属の存在によるn−ZnO触媒の劣った水素添加能力(Taylor et al., 1927, Burwell et al. 1936, Woodman et al. 1940, Taylor et al. 1946)およびDMK−直接水素添加に対するDMK自己縮合のその優先と整合する。しかしながら、Hの流れの増大はDMK−直接水素添加プロセスのためのZnOの能力を増す。というのも、これはIPA選択性%の上昇およびMO選択性%の低下からの証拠であるからである。
さらに、明細書および図面は、制限的な意味としてというよりはむしろ例示的とみなされるべきである。

Claims (15)

  1. ルテニウムナノ粒子および活性炭からなる触媒と、
    ナノ酸化亜鉛とを含む、1段階気相アセトン縮合用複合触媒。
  2. 水溶液中に反応物として硫酸亜鉛およびピルビン酸オキシム1水和物を添加するステップと、
    前記反応物を混合して析出物を形成させるステップと、
    前記析出物を濾過して前記析出物を真空中で一晩乾燥させるステップと、
    前記析出物を一晩加熱してナノZnOを得るステップと、
    ルテニウムナノ粒子および活性炭からなる触媒と前記ナノZnOとを混合し、粉末化して複合触媒を作製するステップとを含む、
    請求項1に記載の複合触媒を作製するプロセス。
  3. 前記複合触媒を作製する、前記ルテニウムナノ粒子および活性炭からなる触媒と前記ナノZnOと混合比は、1:1、1:2、および3:2のうち少なくとも1つである、請求項2に記載の複合触媒を作製するプロセス。
  4. 前記析出物は亜鉛(II)2−オキシイミノプロピオネート2水和物である、請求項2に記載の複合触媒を作製するプロセス。
  5. 特定の温度、特定の水素流量、および特定の時間下で前記複合触媒を活性化することをさらに備える、請求項2に記載の複合触媒を作製するプロセス。
  6. 前記特定の温度は662Kと673Kとの間である、請求項に記載の複合触媒を作製するプロセス。
  7. 前記特定の水素流量は50−60ml/分である、請求項に記載の複合触媒を作製するプロセス。
  8. 前記特定の時間は一晩である、請求項に記載の複合触媒を作製するプロセス。
  9. 前記ルテニウムナノ粒子および活性炭からなる触媒と前記ナノZnOとを混合し、粉末化して複合触媒を作製するステップは、前記ルテニウムナノ粒子および活性炭からなる触媒と前記ナノZnOとの混合比を変えることによって、ルテニウムの分散度および酸性/塩基性部位濃度比を変えることを含む、請求項2に記載の複合触媒を作製するプロセス。
  10. パイレックス(登録商標)ガラスウールとセラミック片との2つの層の間に、リアクター中に、請求項1に記載の複合触媒をロードするステップと、
    前記複合触媒の中心に熱電対を置いて反応温度を監視するステップと、
    特定の速度および特定の温度で、加熱されたチューブおよびポンプを用いてアセトンを蒸発させるステップと、
    特定の流量で連続的な流れとして蒸発させた前記アセトンを導入して水素ガスと混合するステップと、
    水素ガスと混合された前記蒸発させたアセトンを前記複合触媒と反応させてメチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン、メシチルオキシド、メシチレンおよびイソプロピルアルコールの少なくとも1つを生産するステップとを含む、
    前記複合触媒を用いる方法。
  11. 形成された液体生成物を収集し、ガスクロマトグラフィ機器を用いて毎時間前記液体生成物を分析するステップと、
    ガス分析器を用いてガス生成物を分析して前記ガス生成物を同定し定量化するステップとをさらに含む、請求項10に記載の複合触媒を用いる方法。
  12. 前記液体生成物は、メチルイソブチルケトンおよびイソプロピルアルコールのうち少なくとも1つである、請求項11に記載の複合触媒を用いる方法。
  13. 反応温度は523K−648Kの範囲である、請求項10に記載の複合触媒を用いる方法。
  14. 前記アセトンの流量は、0.01、0.015、0.02、および0.025ml/分のうち少なくとも1つである、請求項10に記載の複合触媒を用いる方法。
  15. 水素の流量は、5.0、10.0、15.0、および20.0ml/分のうち少なくとも1つである、請求項10に記載の複合触媒を用いる方法。
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