JP2003215289A - 中性物質注入系統を有する原子力プラント - Google Patents

中性物質注入系統を有する原子力プラント

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JP2003215289A
JP2003215289A JP2002009387A JP2002009387A JP2003215289A JP 2003215289 A JP2003215289 A JP 2003215289A JP 2002009387 A JP2002009387 A JP 2002009387A JP 2002009387 A JP2002009387 A JP 2002009387A JP 2003215289 A JP2003215289 A JP 2003215289A
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nuclear power
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JP2002009387A
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Masanori Sakai
政則 酒井
Yoshiyuki Takamori
良幸 高森
Ryuji Watanabe
隆二 渡辺
Jiro Kuniya
治郎 国谷
Kazuhiko Akamine
和彦 赤嶺
Yoichi Wada
陽一 和田
Kazunari Ishida
一成 石田
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】定期点検,運転中にかかわらず、腐食電位を低
下させ、短期注入で高い線量低減効果が得られる技術を
提供。 【解決手段】原子力プラントの圧力容器8内の冷却水に
プラント構造材料の腐食電位を低下させる成分と放射線
線量を低下させる成分の一方又は両方を中性物質に分散
させてなる中性活物質を注入する注入系統を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は原子力プラントに係
り、特にプラント構造材料の腐食電位を低下させる技術
あるいは放射線線量を低下させる技術に関する。
【0002】
【従来の技術】原子力プラント構造材料の腐食電位と応
力腐食割れに関しては、標準水素電極電位基準(mVSHE
と表記する)で−200mVレベルよりも高い酸化環境
の場合、応力腐食割れの発生,亀裂進展が観測されると
言われてきた(例えばKikuchi他7名“Intergranular S
tress Corrosion Crack Growth of Sensitized Type304
Stainless Steel in a Simulated Boiling-Water Reac
tor Environment”Corrosion, 53, p306(1997) 及びN.
Saito他4名,“Susceptibility ofSensitized Type 30
4 Stainless Steel to Intergranular Stress Corrosio
nCracking in Simulated Boiling-Water Reactor Envir
onments”,Corrosion,53, p537(1997)。
【0003】このため腐食電位を低下させ、応力腐食割
れを抑制する技術には特開平7−198893号公報
「水冷原子炉内のステンレス鋼構成部又は関連構成部の
腐食を減少させる方法」および特開平7−311296
号公報,特許第2996890 号明細書「水冷型原子炉又は関
連設備の金属構成部の表面における割れ開始又は進展を
緩和する方法及び表面に割れを有している金属構成部」
および、それらの技術の一部はS. Hettiarachchi他4
名,“Full Cycle Performance of a NoblechemTMTreate
d BWR”,Proceedings 9th International Symposium o
n EnvironmentalDegradation of Materials in Nuclear
Power System-Water Reactor, August,1999, Newport
Beach, USA, published by TMSに報告されている。
【0004】該技術は原子炉内に貴金属イオン化合物を
注入し、貴金属微細粒子を原子炉の発熱による熱分解で
構造材料上に析出させ、微細貴金属上で原子炉内に注入
した水素の反応を促進することにより腐食電位を低下さ
せる技術である。該技術は高濃度イオン化合物を用いる
ため定期点検中に注入処理が実施される。
【0005】また本発明は直接関係がないが、構造材料
組成に工夫をこらして腐食電位を低下させるもののひと
つに特開平5−148674号公報,特許番号2766422
号公報「高温水にさらされる部品の腐食を低減する方
法」あるいは、絶縁膜等を用いて腐食電位を低下させる
もののひとつに特表平10−504908号公報「応力
腐食割れ低減用の貴金属添加絶縁保護皮膜」がある。一
方、原子力プラント系を中心にした構造材料の腐食電位
に関しては特開平7−174883号公報,特許第30
53325号明細書にあるようなシミュレーション技術
がある。線量問題に関しては、原子炉内への亜鉛注入は
今日線量低下技術として有効性が確認され種々の原子力
プラントで適用されている(例えば、Klas Lundgren 他
2名、“Project NordZinkA zinc injection demonstra
tion campaign in the SwedishBWR Barseb臘k-2”、Wat
er Chemistry of Nuclear Reactor Systems 8. BNES,20
00)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】構造材料の腐食電位の
高低で代表される冷却水の酸化力を低下させ応力腐食割
れ対策を実施する代表的な従来技術は、定期点検期間中
に貴金属電解質化合物を注入し、貴金属の微粒子を構造
材料表面に析出させ、プラント運転開始後、給水系から
注入した水素の酸化反応速度を加速させ腐食電位を低下
させるものであった。線量を低下させる技術は亜鉛注入
等であった。該貴金属電解質化合物注入技術または線量
を低下させるための従来技術の主な課題には下記があ
る。 1.貴金属電解質化合物を原子炉内に注入するため、炉
水導電率が急に高くなり、注入はプラント運転中には実
施されておらず、プラント運転停止中に注入が実施され
ている。 2.線量低下には亜鉛イオン化合物,酸化亜鉛等が用い
られてきたが、基本的に運転期間中連続して注入するこ
とで線量低下効果が得られるため、長期にわたる注入作
業が必要であった。また、線量低下効果をあげるための
高濃度注入は炉水導電率を上昇させるため、導電率上昇
問題によって注入量に制限が生じていた。
【0007】以上より本発明の目的は、定期点検,運転
中に関わらず腐食電位を低下させ、短期注入で線量低減
効果が得られる技術を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、原子炉と、該
原子炉及び原子炉内冷却水を格納する圧力容器と、該圧
力容器内に冷却水を循環させる再循環系,冷却水を浄化
するための浄化系,給水するための給水系を具備した原
子力プラントにおいて、前記圧力容器内の冷却水にプラ
ント構造材料の腐食電位を低下させる成分と放射線線量
を低下させる成分の一方又は両方を中性物質に分散させ
てなる中性活物質を注入する注入系統を有することを特
徴とする原子力プラントにある。
【0009】また、原子炉と、該原子炉及び原子炉内冷
却水を格納する圧力容器と、該圧力容器内に冷却水を循
環させる再循環系,冷却水を浄化するための浄化系,給
水するための給水系,水素を注入する系統を具備した原
子力プラントにおいて、前記圧力容器内の冷却水にプラ
ント構造材料の腐食電位を低下させる成分又は該成分と
放射線線量を低下させる成分の両方を中性物質に分散さ
せてなる中性活物質を注入する注入系統を有することを
特徴とする原子力プラントにある。
【0010】炉水の導電率を上昇させずに構造材料の腐
食電位を低下させる手段として、空孔を有する活性炭素
粒子又はセラミックス粒子などの非電解質に原子炉内に
注入した水素の反応を活性化する周期率表の鉄,コバル
ト,ニッケルの3つの族にある9つの金属元素を腐食電
位を低下させる活物質として使用するのが良い。
【0011】これらの元素は水素に対しての吸着性が強
い。本発明においては線量に関する問題でこれらの元素
の中でコバルトは除かれる。また、鉄,ニッケルは沸騰
水型原子力環境で酸化物として熱力学的に安定領域を持
つが、これらの酸化物には沸騰水型原子力環境で腐食電
位を低下させる効果が今日まで見出されていない。この
ため候補はルテニウム,ロジウム,パラジウム,オスミ
ウム,イリジウム,白金に絞られる。これらの元素の中
で第一候補は本発明では白金である。
【0012】これらの金属または金属酸化物活物質を分
散させたセラミックス粒子(中性活物質)を原子炉周り
の再循環系等から原子炉内に注入すること及び、線量低
減技術に関しては上記中性活物質(セラミックス粒子)
に亜鉛等の配管皮膜中へのコバルト60イオンの取り込
み等を抑制する成分である活物質を分散させた中性活物
質を、同様に注入することにより前記課題を解決する事
ができる。
【0013】腐食電位を低下させる成分に腐食電位低下
機能を充分発揮させるには原子炉内への水素注入が必要
であるため、原子力プラント起動時及び運転中に水素を
注入する。
【0014】本発明における中性活物質は腐食電位を低
下させる成分と線量を低下させる成分の一方または両方
を分散させた粒子を意味する。一方活物質は前記中性活
物質中の腐食電位を低下させる成分および線量を低下さ
せるための成分である物を意味する。前記中性物質及び
中性粒子は前記成分を分散させるための元になる非電解
質物質及びセラミックスを意味する。
【0015】中性粒子は、酸化アルミニウム,酸化ジル
コニウム,二酸化珪素,活性炭素,酸化鉄(酸化第一
鉄,酸化第二鉄),酸化ニッケル及び酸化亜鉛が有効で
ある。これらの中で酸化鉄(酸化第一鉄,酸化第二
鉄),酸化ニッケル及び酸化亜鉛はそれ自身で放射線線
量低減効果に関係する物質であるため、これらの中性粒
子を用いる場合は、腐食電位低下効果を示す活物質はこ
れらの線量低下効果を有する活物質を含まなくても良
い。
【0016】本発明の技術基盤は、ミクロ電極の電気化
学現象と細孔内からの物質拡散により細孔内部に閉じ込
められた物の溶解度が抑制されるところにある。すなわ
ち、ミクロ電極としての電気化学挙動が大変大きい電気
化学反応速度を提供すること及びセラミックス等は空孔
を容易に形成できる点に着眼したものである。
【0017】ミクロ電極挙動は基本的には大きな電極面
積を有する反応に関する、いわゆる電極表面への線形拡
散の拡散層厚よりも電極の大きさが小さくなると現れる
電気化学現象である。これらに関する理論面,実験検討
両面に関しての研究報告は今日数多く、分析、生命科学
分野等において応用展開されている(例えば理論面では
Keith B. Oldham,“Edge Effects in Semiinfinite Di
ffusion”,J.Electroanal.Chem., 122, p1(1981))。
【0018】ミクロ電極挙動は上記のように電極のサイ
ズが拡散層厚よりも小さくなると実際の電極の反応面積
に対する線形拡散が崩れ、3次元拡散挙動となり、電極
の面積が小さいにもかかわらず大きな電極反応の速度が
現れる電気化学現象である。
【0019】発明者らは沸騰水型原子炉内に注入された
貴金属電解質化合物注入に関しても析出した貴金属粒子
をミクロ電極と考え、これらがランダム分散した集合体
の挙動に関する理論検討が実施した(M. Sakai,“A Mo
del of MicroelectrodeEnsembles for ECP Behavior of
NMCA Treated Materials under BWR HydrogenWater Ch
emistry Conditions”,Proceedings 10th Internation
al Conferenceon Environmental Degradation of Mater
ials in Nuclear Power System-WaterReactor, August,
2001, Lake Tahoe, Nevada, USA, published by NAC
E)。微細分散した貴金属粒子が極小面積にもかかわらず
大きな電気化学反応速度を持つ効果の理論的根拠を示す
一つの検討評価である。
【0020】これによれば、貴金属微粒子は単位面積あ
たりの析出量が一定の場合は出来るだけ細かく小さく分
散した方がミクロ電極としての挙動がより高効率とな
り、水素の酸化反応速度がより活性化され、構造材料の
腐食電位は水素/プロトンの酸化還元平衡電位領域まで
低下させられることが理論評価上示されている。したが
って、水素の酸化反応を活性化する活物質をできるだけ
小さくすることは電気化学反応速度を速める上で不利に
なるのではなく逆に有利になる。
【0021】そこで、炉水の導電率を高めないナノサイ
ズレベルのセラミックス等の中性粒子を用い、中性粒子
にある空孔(細孔)を介して水分子が充分通過できるた
め、中性粒子に含まれ中性粒子の内表面で水分子と接触
できる状態の含有粒子に水素の酸化反応を活性化するナ
ノサイズレベルの活物質を含有させれば従来技術の課題
を解決することができる。
【0022】上記の考え方に基づけば、中性粒子で水分
子と接触できかつミクロ電極機能を有するように出来る
だけ小さいサイズで水素等の酸化反応速度を促進する活
物質(あるいは逆に酸化剤の反応速度を低下させる負の
活物質等を含ませることにより相対比較として水素の反
応速度を上げる)を含ませれば良い。
【0023】線量低下技術に関しても従来技術の課題
は、上記中性粒子の中に線量低減効果がある活物質を含
有させることで、導電率上昇問題による制約課題,注入
効率向上を解決できる。例えば上記中性粒子(セラミッ
クス等)の中に線量低減効果がある酸化亜鉛を含有させ
ると、中性粒子内部の空孔周りの内表面から亜鉛イオン
等を長期にわたり継続して炉水中に溶解させつづけるこ
とが可能になる。これは中性粒子に含まれる酸化亜鉛等
が直接水分子と接触するのではないため、炉水中への溶
解速度が抑制させられるためである。
【0024】このため、従来、基本的に原子炉運転中連
続して注入を続けると線量低下効果が大きかった線量低
下のための注入技術が、本発明によれば1回数日の短期
注入で長期効果が得られるようになる。
【0025】一方、本中性活物質を用いる方法によれ
ば、構造材料の腐食電位低下効果と線量低下効果がある
活物質を一緒に中性粒子に含有させることによって一つ
の注入操作で2つの効果を同時に得ることができる。
【0026】中性粒子は、それ自身の大きさが腐食電位
を低下させる活物質の電気化学的ミクロ電極挙動を考え
るとある程度の微小サイズが有利である。ナノレベルオ
ーダーの中性粒子にミクロ電極挙動を示すより小さいサ
イズの活物質を含有させるのがよい。中性粒子としては
通常セラミックス等が考えられる。耐食性が高いものに
ジルコニア,アルミナ(酸化アルミニウム:Al23
があるが、原子炉内の高温高圧水環境で溶解度が高いそ
の他の酸化物等も有効である。
【0027】たとえば、アルミニウム塩と強アルカリの
混合により生成するアルミナ懸濁液中に数ナノメートル
レベルの白金粒子及び同様なナノメートルサイズの酸化
亜鉛を含有させ撹拌した後、乾燥粉砕することにより中
性ナノサイズアルミナ粒子を準備し、再循環系,原子炉
浄化系等に設置した注入系から注入することが出来る。
【0028】アルミナ粒子中の白金粒子はミクロ電極挙
動により水素の酸化反応を活性化し、腐食電位を低下さ
せる。通常アルミナは絶縁性を有するが、ナノサイズレ
ベルになるとアルミナ内表面の分散粒子表面で進行する
水素の速い酸化反応が持つ電位拘束力が強いため、構造
材料の腐食電位が水素の酸化還元反応、H2←→2H+
2e、が進行する電位領域まで低下する。いわゆるトン
ネル現象をともなった構造材料基材/酸化皮膜間との電
子の移動が高い確率で進行できるようになる。
【0029】このため、構造材料基材/酸化皮膜/アル
ミナ粒子の電子のフェルミレベルは強くかつ低い電位へ
の電位拘束力を有する水素の酸化反応電位レベルで共通
となるため、構造材料の腐食電位が低下する。一方上記
アルミナ粒子中の酸化亜鉛粒子はアルミナ空孔を経て浸
入してくる水分子と接し、徐々に炉水中に溶解し、長期
にわたりプラント配管等へのコバルト60等の取り込み
を抑制する。酸化亜鉛の替わりに金属亜鉛粒子を含有さ
せた場合においても同様の効果がある。アルミナ粒子を
使用し、絶縁性要因により腐食電位の低下効果が抑制さ
れる場合はニオブ等の金属を同時に含ませ電子伝導性を
高めることができる。
【0030】本発明によれば、運転期間,運転停止期間
中を問わず、炉水導電率等に影響を与えないで構造材料
皮膜上に貴金属微粒子を残すこともできる。ただし、こ
れは従来技術と析出メカニズムが異なる現象に基づくも
のである。すなわち中性粒子に高温高圧水中である程度
溶解度を有するセラミックスを用いた場合である。例え
ば、二酸化珪素(SiO2)は比較的溶解度があり炉水中
に徐々に溶解してゆくセラミックスである。上記の例に
おいて、アルミナのナノサイズ粒子のかわりに溶解度の
ある二酸化珪素粒子を使うと構造材料上に吸着付着した
粒子はやがてナノメートルサイズの白金を構造材料皮膜
表面及び内部に残してしまう状態となる。
【0031】セラミックスの溶解度は強電解質等から比
べると比較にならないほど小さいものである。中性粒子
の大きさ及び中性粒子に含有させる活物質の量を調整す
ることによって腐食電位の低下の度合い、線量低下効果
継続期間を調整できる。たとえば活物質に水素の酸化反
応を促進する金属を使う場合、サイズが大きい方がミク
ロ電極挙動を示す程度が確率的に弱くなるためである。
水素の反応を活性化する活物質を含有する場合、中性粒
子サイズが大きくなると給水系から注入された原子炉内
の水素が中性粒子深部の方まで拡散して行く距離が長く
なり、供給速度が低下する。
【0032】ミクロ電極挙動を抑制する効果は、とりも
なおさず腐食電位低下を抑制することになる。中性物質
及び中性粒子の粒径は10−1000ナノメートル、腐
食電位を低下させるための活物質量は中性粒子の0.1
−1 重量%あれば腐食電位低下効果が現れる。線量低
下効果活物質の量は5−10重量%あれば線量低減効果
が得られる。中世物質がセラミックスよりなる場合、そ
の空孔率は10−70%もあれば細孔内拡散効果はあ
り、水分子が通るには何の問題もない。
【0033】今日、粒子をナノサイズに粉砕するための
装置は市販されているため、中性粒子のサイズ調整は容
易である。
【0034】
【発明の実施の形態】以下、本発明に基づく実施例を示
す。
【0035】(実施例1)図1は原子力プラント原子炉
周りの原子炉配管系と本発明に基づくナノサイズ中性活
物質注入系および注入効果を実際に測定するためのモニ
タリング系を示す。
【0036】原子炉周りは本図に示されるように、原子
炉7,原子炉7及び原子炉内冷却水を格納する圧力容器
8,圧力容器内に冷却水を循環させる再循環系3,原子
炉炉底部2,原子炉浄化系4,給水水素注入系5,主蒸
気系6,圧力容器8,計装管10,タービン系27,復
水系28,残留熱除去系29等からなる。
【0037】再循環系3には、原子炉内の構造材料の腐
食電位,配管系の線量を低下させるためのナノサイズ中
性活物質を注入できる注入系が設置されている。構造材
料の腐食電位の低下状態をモニタするため、原子炉炉底
部の中性子計装管の1本にはステンレス性計装管自身の
腐食電位をモニタできる腐食電位センサ11が計装管1
0内に設置されている。
【0038】ボトムドレン系1,原子炉浄化系4に設置
された線量測定部および水質モニタリング系12は、配
管の線量および炉水の導電率,水素,酸素濃度を測定す
るためのモニタリング系である。水素,酸素濃度はボト
ムドレン系1の測定値で代表することとし、炉水の導電
率は原子炉浄化系4の測定値で代表することとした。腐
食電位センサ11は電気化学電極で構成され、この電極
は炉水の酸化環境の変化に関係なく一定の電気化学電位
を維持できる電気化学電極系で構成されている。本実施
例ではいわゆる通常沸騰水型原子炉系で使用されてきた
銀塩化銀型電極および水素注入環境においてH2←→2
++2eの反応の水素電極電位をモニタできる白金電
極を用いた2種類の型の腐食電位センサを用いて注入効
果をモニタリングした。
【0039】ナノサイズの中性活物質を注入後、これら
のモニタリング系を用いて注入効果をモニタする。腐食
電位センサを設置してある計装管は炉水が炉底部から下
部プレナムを通り、炉心上部に流通できるように計装管
の上下に穴が開けられている。したがって、炉水は計装
管の下から上に流れるようになっている。腐食電位セン
サは計装管内の下部の穴近くに設置されている。これに
より原子炉炉底部領域の冷却水の酸化状態が変化すると
腐食電位センサを基準にして測定されたステンレス計装
管の腐食電位の変化を計測することができる。ステンレ
ス等の腐食電位は冷却水が過酸化水素,酸素等の酸化剤
を高濃度で含んでいるとき腐食電位は高くなる。
【0040】水素注入を実施していないいわゆる通常運
転水質の場合、炉底部領域におけるステンレス鋼等の炉
内構造材料の腐食電位は標準水素電極電位(SHE)基
準で+100mVから+200mVレベルの腐食電位を
有する。
【0041】図2は、ナノサイズ中性活物質としてアル
ミナ粒子16の中に、線量低下効果がある酸化亜鉛1
4,ミクロ電極として水素の酸化反応の活性化する触媒
効果を有する白金13ナノ粒子を分散させたものであ
る。本アルミナは沸騰水型原子炉運転環境においても安
定であり最も一般的なセラミックスの一つである。本ア
ルミナ粒子16の平均粒径は約20ナノメートルであ
る。本中性ナノ粒子である酸化亜鉛,白金ナノ粒子含有
アルミナ粒子16は、合計100グラムを図1に示され
るナノサイズ中性活物質注入系9から約2日間かけてゆ
っくり注入した。注入系はナノサイズのアルミナ粒子1
6を分散撹拌しながら貯蔵する注入タンクと注入ポンプ
が主な構成となっている。
【0042】図3は注入結果を示したものである。原子
炉内への給水水素注入系5からの注入水素濃度は0.3p
pmであり、通常このレベルの水素注入濃度ではBWR5
タイプの出力の大きいプラントでは炉底部の腐食電位は
ほとんど低下しないため応力腐食割れ感受性を低下させ
る必要があり、酸化亜鉛,白金ナノ粒子含有アルミナ粒
子16を注入した。プラント出力はほぼ100%で、定
常運転状態における注入である。図3は注入開始時を時
間ゼロとして、計装管のステンレス鋼で代表した原子炉
炉底部の腐食電位,ボトムドレン系1の水素濃度,酸素
濃度、および原子炉浄化系4の導電率を示したものであ
る。
【0043】図4はナノサイズ中性活物質である酸化亜
鉛,白金ナノ粒子含有アルミナ粒子16の注入停止後の
ボトムドレン系1,原子炉浄化系4の線量当量率変化を
示す。
【0044】原子炉炉底部2の腐食電位は注入停止後、
約1日経過後大きく低下し、標準水素電極電位(SH
E)基準で−500mVレベルまで低下した。この腐食
電位領域はステンレス鋼等の構造材料の腐食電位が低下
しきったレベルに相当する。原子炉内への給水水素注入
系5からの注入水素濃度は0.3ppmである。酸化亜鉛,
白金ナノ粒子含有アルミナ粒子16を注入する前の腐食
電位が+150mVSHEレベルであるため、アルミナ粒
子16注入による腐食電位−500mVSHE の達成は十
分な腐食環境緩和効果を示していることとなる。水素濃
度,酸素濃度は注入前後において顕著な変化が現れな
い。炉水導電率も同様である。原子炉浄化系における炉
水導電率に酸化亜鉛,白金ナノ粒子含有アルミナ粒子1
6を注入した影響は現れていない。
【0045】図5は酸化亜鉛ナノ粒子,白金ナノ粒子を
含有したアルミナ粒子16が、構造材料上の酸化皮膜内
部へ取り込まれる状況を示したものである。注入した酸
化亜鉛ナノ粒子,白金ナノ粒子含有アルミナ粒子16は
ステンレス酸化皮膜の内層側,外層側の皮膜の内、ほと
んどが皮膜外層に付着取り込まれている。
【0046】アルミナ粒子16は空孔15を有しており
水分子のアルミナ粒子内への浸入によってアルミナ粒子
内の白金ナノ粒子が水分子と接し、ミクロ電極機能を発
揮し始める。空孔15は水分子と同時に給水水素注入系
5から注入された水素を同時に拡散によって持ち込み、
白金ナノ粒子が示すミクロ電極挙動によって通常の大き
い平板白金表面よりもより活発に水素の酸化反応を活性
化する。
【0047】炉水中に存在する過酸化水素,酸素等の酸
化剤の還元反応と白金ナノ粒子上での水素の酸化反応速
度の大小関係は、直接構造材料の腐食電位の高低関係に
影響するが、ミクロ電極挙動によって白金ナノ粒子上で
の水素の酸化反応速度が急速に大きくなることにより、
腐食電位は水素の酸化反応の立ち上がり電位領域である
低電位方向に強く引っ張られる。腐食電位がこのように
電子を出す側になる水素の酸化反応と出してもらった電
子を受け取る熱力学的に高い電気化学平衡電位を有する
酸化剤の還元反応の速度がバランスするいわゆる混成電
位であるため、水素の酸化反応速度が大きくなることに
より、熱力学的に低い平衡電位を有する水素/プロトン
電気化学電極系(H2←→2H++2e)の電位側に強く
引き寄せられ、結果として腐食電位が大きく低下する。
【0048】セラミックス内部の白金13が、ミクロ電
極として機能する原因は上記のようにアルミナ粒子16
が本質的に水分子サイズに比べ大きい空孔15を有して
いるためである。水分子は容易にこの空孔15を介して
給水水素注入系5から注入した水素分子をセラミックス
内部に拡散により到達せしめる。このためアルミナ粒子
16内の白金13ナノ粒子はミクロ電極として機能す
る。これにより白金13は炉水とともに注入された水素
と接し水素の酸化反応を促進し、炉水中に存在する過酸
化水素,酸素等の酸化剤の還元反応との混成電位である
腐食電位を大きくマイナス側に引っ張ることができる。
【0049】アルミナ粒子16に含有された酸化亜鉛1
4は、沸騰水型原子炉運転温度領域である280℃レベ
ルの高温高圧水環境では溶解度がある。そのため、アル
ミナ粒子16の空孔15を介して浸入してきた炉水と酸
化亜鉛14が接触し、徐々に炉水内部へ溶解して行く。
このため、原子炉冷却水系に溶け出した酸化亜鉛が広く
分布し、配管内部の表面酸化皮膜中へのコバルトイオン
の取り込みを抑制し、線量を低下させることができてい
る。
【0050】(実施例2)図6は酸化亜鉛14,白金ナ
ノサイズ粒子を含有した活性炭素17粒子である。活性
炭素粒子中には多数の空孔15が存在する。活性炭素の
特長は、多くの空孔(細孔)を有し本発明の活物質を多
く分散できる。図1に示されるナノサイズ中性活物質注
入系9から酸化亜鉛14,白金13粒子を含有した活性
炭素17粒子合計100グラムを約2日間かけて注入し
た。
【0051】図7は注入結果を示したものである。原子
炉内への給水水素注入系5からの注入水素濃度は0.3p
pmであり、通常このレベルの水素注入濃度ではBWR5
タイプのような出力の大きいプラントでは炉底部の腐食
電位はほとんど低下しないため応力腐食割れ感受性を低
下させる必要があり、酸化亜鉛,白金ナノ粒子含有活性
炭素17粒子を注入した。プラント出力はほぼ100%
で、定常運転状態における注入である。図7は注入開始
時を時間ゼロとして、計装管のステンレス鋼で代表した
原子炉炉底部の腐食電位,ボトムドレン系1の水素濃
度,酸素濃度、および原子炉浄化系4の導電率を示した
ものである。
【0052】原子炉炉底部2の腐食電位は注入停止し、
約1日経過後大きく低下し、標準水素電極電位(SH
E)基準で−500mVレベルまで低下した。この腐食
電位領域はステンレス鋼等の構造材料の腐食電位が低下
しきったレベルに相当する。原子炉内への給水水素注入
系5からの注入水素濃度は0.3ppmである。
【0053】酸化亜鉛,白金ナノ粒子含有活性炭素17
粒子を注入する前の腐食電位が+150mVSHE レベル
であるため、酸化亜鉛,白金ナノ粒子含有活性炭素17
粒子の注入による腐食電位−500mVSHE 達成は十分
な腐食環境緩和効果が得られたことがわかる。水素濃
度,酸素濃度には注入前後において顕著な変化が現れな
い。原子炉浄化系4における炉水導電率に見られるよう
に酸化亜鉛,白金ナノ粒子含有活性炭素17粒子を注入
した際の炉水導電率は、注入後若干の上昇が見られる
が、0.1μS/cm レベルで推移しており、プラント定
格運転上まったく問題の無い状態である。
【0054】(実施例3)図8は酸化第二鉄18,酸化
ニッケル19,酸化亜鉛14,白金13粒子を含有した
ナノサイズのアルミナ20粒子である。アルミナ20粒
子中には空孔15が存在する。図1に示されるナノサイ
ズ中性活物質注入系9から酸化第二鉄18,酸化ニッケ
ル19,酸化亜鉛14,白金13粒子を含有したアルミ
ナ20粒子合計100グラムを約2日間かけて注入し
た。
【0055】図9は注入結果を示したものである。原子
炉内への給水水素注入系5からの注入水素濃度は0.3p
pmであり、通常このレベルの水素注入濃度ではBWR5
タイプの出力の大きいプラントでは炉底部の腐食電位は
ほとんど低下しないため応力腐食割れ感受性を低下させ
る必要があり、アルミナ20粒子を注入した。酸化第二
鉄18,酸化ニッケル19は酸化亜鉛14と同様に原子
炉内燃料被覆管へのコバルト60の付着性を制御し、原
子炉周りの配管へのコバルト60の移動,配管内部表面
皮膜中へのコバルト60の取り込みを押さえる役目を担
う。プラント出力はほぼ100%で、定常運転状態にお
ける注入である。図9は注入開始時を時間ゼロとして、
計装管のステンレス鋼で代表した原子炉炉底部の腐食電
位,ボトムドレン系1の水素濃度,酸素濃度、および原
子炉浄化系4の導電率を示したものである。
【0056】原子炉炉底部2の腐食電位は注入停止後、
約1日経過後大きく低下し、標準水素電極電位(SH
E)基準で−500mVレベルまで低下した。この腐食
電位領域はステンレス鋼等の構造材料の腐食電位が低下
しきったレベルに相当する。原子炉内への給水水素注入
系5からの注入水素濃度は0.3ppmである。アルミナ2
0粒子を注入する前の腐食電位が+150mVSHE レベ
ルであるため、酸化第二鉄18,酸化ニッケル19,酸
化亜鉛14,白金13粒子を含有したアルミナ20粒子
注入による腐食電位−500mVSHE 達成は十分な腐食
環境緩和効果が得られたことがわかる。水素濃度,酸素
濃度には注入前後において顕著な変化が現れない。ま
た、原子炉浄化系4における炉水導電率に見られるよう
にアルミナ20粒子を注入した際の炉水導電率は注入前
後で変化が見られない。
【0057】図10はボトムドレン系1,原子炉浄化系
4の配管線量等量率の変化を酸化第二鉄18,酸化ニッ
ケル19,酸化亜鉛14,白金13粒子を含有したアル
ミナ20粒子注入前後でモニタした結果である。注入停
止後、線量等量率が徐々に低下し、注入前に比べて十分
な線量等量率の低下効果が観測された。
【0058】(実施例4)図11は白金13粒子を含有
したナノサイズの酸化亜鉛21粒子である。サイズとし
ては大きい2000ナノメートルレベルの粒径を有す
る。酸化亜鉛の溶解度は高いため、このレベルの大きさ
においても十分な注入効果が期待できる。酸化亜鉛中に
は空孔15が存在する。図1に示されるナノサイズ中性
活物質注入系9から白金13粒子を含有したナノサイズ
の酸化亜鉛21粒子合計100グラムを約2日間かけて
注入した。
【0059】図12は注入結果を示したものである。原
子炉内への給水水素注入系5からの注入水素濃度は0.
3ppmであり、通常このレベルの水素注入濃度ではBW
R5タイプの出力の大きいプラントでは炉底部の腐食電
位はほとんど低下しないため応力腐食割れ感受性を低下
させる必要があり、白金13粒子を含有したナノサイズ
の酸化亜鉛21粒子を注入した。
【0060】酸化亜鉛21粒子は原子炉周り配管内部表
面皮膜中へのコバルト60の取り込みを押さえる役目を
担う。プラント出力はほぼ100%で、定常運転状態に
おける注入である。図は注入開始時を時間ゼロとして、
計装管のステンレス鋼で代表した原子炉炉底部の腐食電
位,ボトムドレン系1の水素濃度,酸素濃度、および原
子炉浄化系4の導電率を示したものである。
【0061】原子炉炉底部2の腐食電位は注入停止後、
約1日経過後大きく低下し、標準水素電極電位(SH
E)基準で−500mVレベルまで低下した。この腐食
電位領域はステンレス鋼等の構造材料の腐食電位が低下
しきったレベルに相当する。原子炉内への給水水素注入
系5からの注入水素濃度は0.3ppmである。白金13粒
子を含有したナノサイズの酸化亜鉛21粒子を注入する
前の腐食電位が+150mVSHE レベルであるため、酸
化亜鉛21粒子注入による腐食電位−500mVSHE
成は十分な腐食環境緩和効果が得られたことがわかる。
水素濃度,酸素濃度には注入前後において顕著な変化が
現れない。原子炉浄化系4における炉水導電率に見られ
るように酸化亜鉛21粒子を注入した際の炉水導電率は
注入前後で変化が見られない。
【0062】図13はボトムドレン系1,原子炉浄化系
4の配管の線量等量率変化を酸化亜鉛21粒子注入前後
でモニタした結果である。注入停止後、線量等量率が徐
々に低下し、注入前に比べて十分な線量等量率の低下効
果が観測された。
【0063】(実施例5)図14は白金13粒子を含有
したナノサイズのジルコニア22粒子である。ジルコニ
ア22粒子中には空孔15が存在する。図1に示される
ナノサイズ中性活物質注入系9から白金13粒子を含有
したナノサイズのジルコニア22粒子の平均粒子径が約
20ナノメートルと約100ナノメートルのものそれぞ
れ合計100グラムを約2日間かけてAプラントに100
ナノメートルサイズ粒子を、Bプラントに20ナノメー
トルサイズ粒子を注入した。
【0064】ジルコニアは沸騰水型原子炉内の高温高圧
水環境で耐食性が高くそれ自身の溶解度が大変小さい。
このため、ジルコニアの中にある空孔15を経由して水
がジルコニア22内部の白金13ナノサイズ粒子と接
し、ミクロ電極挙動を示す程度に差が現れる。これは給
水水素注入系5から注入された原子炉内の水素がセラミ
ックス深部の方まで拡散して行く距離が長くなり、供給
速度が低下する。これにより、粒子径が大きい方のジル
コニア22粒子が平均粒径の小さいジルコニア22粒子
に比べ白金13粒子のミクロ電極挙動を抑制する効果が
高くなる。白金13粒子のミクロ電極挙動を抑制する効
果は、とりもなおさず腐食電位低下を抑制することにな
る。
【0065】図15は注入結果を示したものである。原
子炉内への給水水素注入系5からの注入水素濃度は0.
3ppmであり、通常このレベルの水素注入濃度ではBW
R5タイプの出力の大きいAプラントおよびBプラント
では炉底部の腐食電位はほとんど低下しないため応力腐
食割れ感受性を低下させる必要がある。Aプラントでは
平均粒径100ナノメートル、Bプラントでは平均粒径
20ナノメートルの白金13粒子を含有したナノサイズ
のジルコニア22粒子を注入したものであるが、注入開
始時を時間ゼロとして、計装管のステンレス鋼で代表し
た原子炉炉底部の腐食電位変化を各プラントに対して示
したものである。
【0066】注入平均粒径の大きいAプラントの原子炉
炉底部2の腐食電位は注入停止後、約1日経過後低下し
始め、標準水素電極電位(SHE)基準で−300mV
レベルまで低下した。この腐食電位領域はステンレス鋼
等の構造材料の不働態皮膜が安定な領域であり、応力腐
食割れ感受性を十分低下できる腐食電位領域にある。白
金13粒子を含有したナノサイズのジルコニア22粒子
を注入する前の腐食電位が+150mVSHE レベルであ
るため、白金13粒子を含有したナノサイズのジルコニ
ア22粒子注入により十分な応力腐食割れ感受性低下効
果が得られたことがわかる。原子炉内への給水水素注入
系5からの注入水素濃度は0.3ppmである。
【0067】注入平均粒径の小さいBプラントの原子炉
炉底部2の腐食電位は注入停止後、約1日経過後大きく
低下し始め、標準水素電極電位(SHE)基準で−500
mVレベルまで低下した。この腐食電位領域はステンレ
ス鋼等の構造材料の不働態皮膜が安定な領域ではないが
腐食電位が低下しきった腐食電位領域にある。白金13
粒子を含有したナノサイズのジルコニア22粒子を注入
する前の腐食電位が+120mVSHE レベルであるた
め、白金13粒子を含有したナノサイズのジルコニア2
2粒子注入により十分な応力腐食割れ感受性低下効果が
得られたことがわかる。原子炉内への給水水素注入系5
からの注入水素濃度は同じく0.3ppmである。
【0068】Aプラントでは腐食電位の低下レベルはB
プラントに対して小さいが、腐食電位を構造材料の不働
態皮膜が安定な領域に制御できていることに特長があ
る。
【0069】(実施例6)図16は白金13粒子,ニオ
ブ24を含有したナノサイズのジルコニア23粒子であ
る。ジルコニア23粒子中には空孔15が存在する。ジ
ルコニア23粒子中のニオブ粒子はジルコニア23粒子
の電子伝導性を高め、ジルコニア23粒子中の白金13
ナノ粒子に現れるミクロ電極挙動の効果を高める働きが
ある。したがって、ジルコニア23粒子径が大きい場合
においても十分なミクロ電極挙動により腐食電位を低下
させることができる。図1に示されるナノサイズ中性活
物質注入系9から白金13粒子,ニオブ24を含有した
粒子径が大きい平均粒径約200ナノメートルのジルコ
ニア23粒子合計100グラムを約2日間かけて注入し
た。
【0070】図17は注入結果を示したものである。原
子炉内への給水水素注入系5からの注入水素濃度は0.
3ppmであり、通常このレベルの水素注入濃度ではBW
R5タイプの出力の大きいプラントでは炉底部の腐食電
位はほとんど低下しないため応力腐食割れ感受性を低下
させる必要がある。プラント出力はほぼ100%で、定
常運転状態において注入した。図は注入開始時を時間ゼ
ロとして、計装管のステンレス鋼で代表した原子炉炉底
部の腐食電位変化を示したものである。
【0071】原子炉炉底部2の腐食電位は注入停止後、
約1日経過後低下しはじめ、標準水素電極電位(SH
E)基準で−500mVレベルまで低下した。この腐食
電位領域はステンレス鋼等の構造材料の腐食電位が低下
しきったレベルに相当する。注入前の腐食電位が+15
0mVSHE レベルであるため、粒子径が大きいジルコニ
ア23粒子により腐食電位−500mVSHE が達成さ
れ、十分な腐食環境緩和効果が得られたことがわかる。
【0072】(実施例7)図18は白金13粒子を含有
したナノサイズの二酸化珪素25粒子である。二酸化珪
素25粒子中には空孔15が存在する。二酸化珪素25
粒子は比較的高い溶解度を有するため、粒子径が大きい
場合においても二酸化珪素25粒子内部の白金13粒子
は時間経過とともにミクロ電極挙動を示すことができ
る。図1に示されるナノサイズ中性活物質注入系9から
平均粒径約200ナノメートルの二酸化珪素25粒子合
計100グラムをプラント運転停止後の約2日間かけて
注入した。炉水温度は約150℃状態で再循環系3のポ
ンプは低出力状態で運転しながら注入を実施した。
【0073】図19は注入結果を示したものである。プ
ラント運転開始後、原子炉炉底部2の腐食電位の測定を
開始した。原子炉内への給水水素注入系5からの注入水
素濃度は0.3ppmである。運転開始後の腐食電位は約2
日間かけて標準水素電極電位(SHE)基準で−500
mVレベルまで低下した。この腐食電位領域はステンレ
ス鋼等の構造材料の腐食電位が低下しきったレベルに相
当する。注入前の腐食電位が+150mVSHE レベルで
ある。運転停止中に実施した二酸化珪素25粒子注入に
より腐食電位−500mVSHE が達成され、十分な腐食
環境緩和効果が得られたことがわかる。
【0074】(実施例8)図20は白金13粒子を含有
した二酸化珪素26粒子である。この二酸化珪素26粒
子は粒径が2000ナノメートルレベルと大きい。二酸
化珪素の高温高圧水環境における溶解度が高いことを利
用し、このレベルの粒子径を有する中性粒子が白金13
ナノサイズ粒子を含有することにより時間の経過ととも
に十分な腐食電位低下効果を発揮することとなる。この
レベルの粒子サイズになると二酸化珪素の溶解度が大変
小さい場合、二酸化珪素内部に含有される白金13ナノ
サイズ粒子は炉水中にある給水水素注入系5から注入さ
れた水素と十分接することができない。このため十分な
ミクロ電極挙動が現れない。
【0075】しかし、二酸化珪素が十分な溶解度を高温
高圧水環境で有するため、二酸化珪素26中の白金13
粒子は炉水に浸る時間経過とともに炉水中の水素と次第
に接するようになってゆく。最終的には二酸化珪素26
は完全に溶解し、白金13粒子のみが構造材料皮膜内外
に取り残される。図1に示されるナノサイズ中性活物質
注入系9から平均粒径約2000ナノメートルの二酸化
珪素26粒子合計100グラムをプラント運転停止後の約
2日間かけて注入した。炉水温度は約150℃状態で再
循環系3のポンプは低出力状態で運転しながら注入を実
施した。
【0076】図21は注入結果を示したものである。プ
ラント運転開始後、原子炉炉底部2の腐食電位の測定を
開始した。原子炉内への給水水素注入系5からの注入水
素濃度は0.3ppmである。定常運転開始後の腐食電位に
低下効果が見られないが、運転開始後約1ヶ月目あたり
から腐食電位が低下し始め、腐食電位低下挙動が始まっ
てから約半月かけて標準水素電極電位(SHE)基準で
−500mVレベルまで低下した。この腐食電位領域は
ステンレス鋼等の構造材料の腐食電位が低下しきったレ
ベルに相当する。
【0077】注入前の腐食電位が+150mVSHE レベ
ルであるため、運転停止中に実施した二酸化珪素26粒
子注入により腐食電位を−500mVSHE まで低下させ
ることができ十分な腐食環境緩和効果が得られたことが
わかる。
【0078】
【発明の効果】本発明によれば、原子力プラント構造材
料の信頼性を向上させ配管の線量低下を計ることができ
るため、プラント運転,保全の高信頼化,高効率化を達
成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す原子力プラントのシス
テム構成図。
【図2】本発明における中性活物質の概略図。
【図3】注入前後の炉底部腐食電位応答,ボトムドレン
系酸素,水素濃度及び原子炉浄化系導電率を示すグラ
フ。
【図4】注入前後の原子炉浄化系,ボトムドレン系の線
量等量率変化を示すグラフ。
【図5】ステンレス鋼表面皮膜中の活物質含有アルミナ
粒子の分布を示す概略図。
【図6】活性炭素中の白金粒子,酸化亜鉛粒子分布及び
活性炭素空孔分布を示す概略図。
【図7】注入前後の炉底部腐食電位応答,ボトムドレン
系酸素,水素濃度及び原子炉浄化系導電率を示すグラ
フ。
【図8】アルミナ粒子中の白金粒子,酸化亜鉛粒子,酸
化第二鉄粒子,酸化ニッケル粒子分布及びアルミナ空孔
分布を示す概略図。
【図9】注入前後の炉底部腐食電位応答,ボトムドレン
系酸素,水素濃度及び原子炉浄化系導電率を示すグラ
フ。
【図10】注入前後の原子炉浄化系,ボトムドレン系の
線量等量率変化を示すグラフ。
【図11】酸化亜鉛粒子中の白金粒子分布及び酸化亜鉛
粒子空孔分布を示す概略図。
【図12】注入前後の炉底部腐食電位応答,ボトムドレ
ン系酸素,水素濃度及び原子炉浄化系導電率を示すグラ
フ。
【図13】注入前後の原子炉浄化系,ボトムドレン系の
線量等量率変化を示すグラフ。
【図14】ジルコニア粒子中の白金粒子分布及びジルコ
ニア空孔分布を示す概略図。
【図15】注入前後の各プラント炉底部腐食電位応答を
示すグラフ。
【図16】ジルコニア粒子中の白金粒子分布及びジルコ
ニア空孔分布を示す概略図。
【図17】注入前後の炉底部腐食電位応答を示すグラ
フ。
【図18】二酸化珪素粒子中の白金粒子分布及び二酸化
珪素空孔分布を示す概略図。
【図19】プラント運転停止期間中の注入による炉底部
腐食電位応答を示すグラフ。
【図20】大粒子径二酸化珪素粒子中の白金粒子分布及
び二酸化珪素空孔分布を示す概略図。
【図21】プラント運転停止期間中の注入による炉底部
腐食電位応答を示すグラフ。
【符号の説明】
1…ボトムドレン系、2…原子炉炉底部、3…再循環
系、4…原子炉浄化系、5…給水水素注入系、6…主蒸
気系、7…原子炉、8…圧力容器、9…ナノサイズ中性
活物質注入系、10…計装管、11…腐食電位センサ、
12…線量測定部及び水質モニタリング系、13…白
金、14…酸化亜鉛、15…空孔、16…アルミナ粒
子,酸化亜鉛ナノ粒子含有アルミナ、17…白金ナノ粒
子,酸化亜鉛ナノ粒子含有炭素、18…酸化第二鉄、1
9…酸化ニッケル、20…酸化第二鉄ナノ粒子,酸化ニ
ッケルナノ粒子,白金ナノ粒子,酸化亜鉛ナノ粒子含有
アルミナ、21…白金ナノ粒子含有酸化亜鉛、22…白
金ナノ粒子含有ジルコニア、23…白金ナノ粒子,ニオ
ブ粒子含有ジルコニア、24…ニオブ、25…白金ナノ
粒子含有二酸化珪素、26…大粒子径白金ナノ粒子含有
二酸化珪素、27…タービン系、28…復水系、29…
残留熱除去系。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 渡辺 隆二 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内 (72)発明者 国谷 治郎 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内 (72)発明者 赤嶺 和彦 茨城県日立市幸町三丁目1番1号 株式会 社日立製作所原子力事業部内 (72)発明者 和田 陽一 茨城県日立市大みか町七丁目2番1号 株 式会社日立製作所電力・電機開発研究所内 (72)発明者 石田 一成 茨城県日立市大みか町七丁目2番1号 株 式会社日立製作所電力・電機開発研究所内

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】原子炉と、該原子炉及び原子炉内冷却水を
    格納する圧力容器と、該圧力容器内に冷却水を循環させ
    る再循環系,冷却水を浄化するための浄化系,給水する
    ための給水系を具備した原子力プラントにおいて、前記
    圧力容器内の冷却水にプラント構造材料の腐食電位を低
    下させる成分と放射線線量を低下させる成分の一方又は
    両方を中性物質に分散させてなる中性活物質を注入する
    注入系統を有することを特徴とする原子力プラント。
  2. 【請求項2】原子炉と、該原子炉及び原子炉内冷却水を
    格納する圧力容器と、該圧力容器内に冷却水を循環させ
    る再循環系,冷却水を浄化するための浄化系,給水する
    ための給水系,水素を注入する系統を具備した原子力プ
    ラントにおいて、前記圧力容器内の冷却水にプラント構
    造材料の腐食電位を低下させる成分又は該成分と放射線
    線量を低下させる成分の両方を中性物質に分散させてな
    る中性活物質を注入する注入系統を有することを特徴と
    する原子力プラント。
  3. 【請求項3】請求項1または2において、前記原子炉圧
    力容器の下部プレナムから出て、原子炉圧力容器上部に
    戻り冷却水を循環させる再循環系を複数備え、該再循環
    系から選ばれた一つまたは複数の該再循環系へ前記中性
    活物質を注入するようにしたことを特徴とする原子力プ
    ラント。
  4. 【請求項4】請求項1または2において、前記原子炉圧
    力容器の下部プレナムから出て、原子炉圧力容器上部に
    戻り冷却水を浄化循環させる原子炉浄化系を備え、該浄
    化系へ前記中性活物質を注入するようにしたことを特徴
    とする原子力プラント。
  5. 【請求項5】請求項1または2において、前記原子炉圧
    力容器の下部プレナムから出て、原子炉圧力容器上部に
    戻り冷却水を循環させる再循環系からでて再循環系に戻
    る残留熱除去系を備え、該残留熱除去系へ前記中性活物
    質を注入するようにしたことを特徴とする原子力プラン
    ト。
  6. 【請求項6】請求項1または2において、前記原子炉圧
    力容器内で生じた蒸気がタービン系統を経た後冷却され
    原子炉内に戻る給水系を備え、該給水系へ前記中性活物
    質を注入するようにしたことを特徴とする原子力プラン
    ト。
  7. 【請求項7】請求項1から6のいずれかにおいて、前記
    中性活物質は平均粒径が10−1000ナノメートルで
    あることを特徴とする原子力プラント。
  8. 【請求項8】請求項7において、前記中性活物質は水分
    子が通る事ができるレベルの空孔を有し、該空孔の少な
    くとも一部にプラント構造材料の腐食電位を低下させる
    成分と放射線線量を低下させる成分の一方又は両方が分
    散していることを特徴とする原子力プラント。
  9. 【請求項9】請求項7又は8において、前記中性物質が
    非電解質から選ばれた一種又は二種以上であることを特
    徴とする原子力プラント。
  10. 【請求項10】請求項9において、前記非電解質がセラ
    ミックス及び活性炭素から選ばれた少なくとも一種であ
    ることを特徴とする原子力プラント。
  11. 【請求項11】請求項10において、前記セラミックス
    が酸化アルミニウム,酸化ジルコニウム,二酸化珪素,
    酸化鉄,酸化ニッケルおよび酸化亜鉛から選ばれた少な
    くとも一種よりなることを特徴とする原子力プラント。
  12. 【請求項12】原子炉圧力容器を有する原子力プラント
    の運転時と定期点検時の一方又は両方において、プラン
    ト構造材料の腐食電位を低下させる成分と放射線線量を
    低下させる成分の一方又は両方を中性物質に分散させて
    なる中性活物質を注入するようにしたことを特徴とする
    原子力プラント運転方法。
  13. 【請求項13】請求項1または2において、腐食電位の
    低下を促進する成分が水素の反応を活性化する成分であ
    ることを特徴とする原子力プラント。
  14. 【請求項14】請求項1又は2において、腐食電位の低
    下を促進する成分はルテニウム,オスミウム,ロジウ
    ム,イリジウム,パラジウム,白金から選ばれた一種ま
    たは二種以上の金属又は金属酸化物であることを特徴と
    する原子力プラント。
  15. 【請求項15】請求項1または2において、放射線線量
    を低下させる成分は酸化亜鉛,鉄酸化物,ニッケル酸化
    物,亜鉛から選ばれた一種または二種以上であることを
    特徴とする原子力プラント。
  16. 【請求項16】請求項12において、プラント運転中の
    構造材料の腐食電位が水素/プロトンの酸化還元電位ま
    で低下しないように腐食電位の低下を促進する成分量を
    注入することを特徴とする原子力プラントの運転方法。
  17. 【請求項17】請求項1または2において、中性物質が
    さらに電気伝導性を高めるための成分を含むことを特徴
    とする原子力プラント。
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