JP3934155B2 - 応力腐食割れ低減用の貴金属添加絶縁保護被膜 - Google Patents

応力腐食割れ低減用の貴金属添加絶縁保護被膜 Download PDF

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Description

発明の分野
本発明は、高温水に暴露される部品の腐食電位を低下させる技術に関するものである。すなわち、本発明は保護触媒絶縁被膜の使用によって高温水に暴露される部品の腐食電位を低下させる方法に関する。詳しく述べれば本発明は、貴金属が添加されていると共に、被膜が高温水に接触した場合に被覆金属部品の腐食電位を低下させる制限物質移動用の隙間を有するような絶縁被膜の使用に関する。
発明の背景
ここで言う「高温水」という用語は、約100℃以上の温度を有する水、蒸気、又はそれから生じた復水を意味する。高温水は、水脱気装置、原子炉及び蒸気駆動式発電所のごとき各種の公知装置において見出される。高温水は、過酸化水素や酸素のごとき酸化性化学種を高濃度で含有することがある。
原子炉は発電用途、研究用途及び推進用途のために使用されている。典型的な原子炉は原子炉圧力容器を有していて、この原子炉圧力容器内には炉心から熱を除去するための原子炉冷却材(すなわち高温水)が含まれている。それぞれの配管系統により、加熱された水又は蒸気が蒸気発生器又はタービンに運ばれ、そして再循環水又は給水が圧力容器に戻される。原子炉圧力容器の運転圧力及び温度は、沸騰水型原子炉(BWR)の場合において約7MPa及び288℃であり、また加圧水型原子炉(PWR)の場合において約15MPa及び320℃である。原子炉の大部分は、各種の材料から成る金属部品によって構成されている。BWR及びPWRのいずれにおいて使用される材料も、高温水への暴露を含め、様々な負荷条件、環境条件及び放射線条件に耐え得るものでなければならない。
高温水に暴露される材料の実例としては、炭素鋼、合金鋼、ステンレス鋼及びその他の鉄基合金、並びにニッケル基合金、コバルト基合金及びジルコニウム基合金が挙げられる。水冷型原子炉において使用されるこれらの材料は綿密に選択されかつ処理されるにもかかわらず、高温水に暴露された材料には腐食が起こる。かかる腐食は、たとえば応力腐食割れ、隙間腐食、摩耗腐食、圧力逃がし弁の固着、及びγ線を放出する60Co同位体の蓄積のごとき様々な問題の原因となる。
応力腐食割れ(SCC)は、高温水に暴露される金属製原子炉部品(たとえば、構造部材、配管、留め金具及び溶接部)において起こる公知の現象である。ここで言う「SCC」とは、静的又は動的な引張応力と亀裂の先端における腐食との組合せによって成長する割れを意味する。原子炉の金属部品は、たとえば、熱膨張率の差、原子炉冷却水の閉込めのために必要な運転圧力、並びにその他の原因(たとえば、溶接、冷間加工及びその他の非対称的な金属処理に伴う残留応力)に由来する様々な応力を受け易い。更にまた、水の化学的性質、溶接、隙間の幾何学的形状、熱処理及び放射線がSCCに対する金属部品の感受性を増大させることもある。
炉水中に酸素が約1〜5ppb若しくはそれ以上の濃度で存在する場合にSCCがより早い速度で起こることは良く知られている。また、原子炉冷却水の放射線分解によって酸素、過酸化水素および短寿命のラジカルのごとき酸化性化学種を生成させる高レベルの放射線束に暴露された部品においてはSCCが更に増加する。かかる酸化性化学種は金属の電気化学的腐食電位(ECP)を上昇させる。電気化学的腐食は、金属表面上の陽極領域から陰極領域に電子が流れることによって引起こされる。ECPは腐食現象の起こり易さを示す熱力学的傾向の尺度であって、SCC、腐食疲労、腐食被膜の肥厚、及び全体腐食のごとき各種の腐食現象の速度を決定する際の基本パラメータである。
ECPがBWR環境中におけるSCC感受性を制御する際の主要な変数であることは明確に証明されている。図1は、0.1〜0.5μS/cmの溶液導電率を有する288℃の水中に
Figure 0003934155
の定加重下で浸漬された炉内増感タイプ304ステンレス鋼の25mmCT試験片に関し、亀裂成長速度の観測値(データ点)及び予測値(曲線)を腐食電位の関数として示したものである。高い腐食電位及び亀裂成長速度におけるデータ点は、試験用又は商業用原子炉における実際の照射水化学条件に対応している。
腐食電位(又は混合電位)は電解液中に配置された金属表面上における各種の酸化及び還元反応の速度論的バランスを表すものであって、それは溶存酸素のごとき酸化剤の濃度を減少させることによって低下させることができる。図2は、白金又はパラジウムのごとき触媒活性表面上におけるH2とO2との相互作用を示すE(電位)対log|i|(電流密度の絶対値)曲線のグラフである。i0は交換電流密度を表していて、これは反応の可逆性の尺度である。i0より高いレベルでは、傾斜した直線領域において活性化分極(ターフェル挙動)が認められる。iLは金属表面への酸素拡散に関する制限された電流密度を表していて、これは物質移動速度(たとえば、酸素濃度、温度及び対流)と共に変化する。酸素及び水素を含有する高温水中における腐食電位は、O2還元曲線(O2+2H2O+4e-→4OH-)とH2酸化曲線(H2→2H++2e-)との交点によって支配されるのが通例であって、速度の小さい金属溶解は一般に小さな役割しか演じない。
たとえば溶存酸素濃度そのものに比べて腐食電位が根本的に重要であることは図3に示されている。この図によれば、ひとたび過剰水素条件が達成されれば、Pd被覆CT試験片の亀裂成長速度は比較的高い酸素濃度が存在するにもかかわらず劇的に低下するのである。図3は増感タイプ304ステンレス鋼のPd被覆CT試験片に関し亀裂の伸長量を時間に対してプロットしたグラフであって、約400ppbの酸素を含有する288℃の水中において約0.1μMのH2SO4の存在下で亀裂成長の促進が起こることを示している。CT試験片はPdで被覆されていたから、過剰水素条件への変化は腐食電位及び亀裂成長速度の低下をもたらした。
BWRにおいては、炉心内における一次冷却水の放射線分解の結果、少量の水の正味分解によってH2、H22、O2並びにその他の酸化性及び還元性ラジカルのごとき化学生成物が生じる。定常運転条件の下では、再循環する水中においてはO2、H22及びH2の濃度がほぼ平衡に達し、またタービンに送られる蒸気中においてはO2及びH2の濃度がほぼ平衡に達する。このような濃度のO2、H22及びH2は酸化性環境を生み出すのであって、その結果として感受性を有する構造材料の粒間応力腐食割れ(IGSCC)を促進する条件が生じることがある。
感受性材料のIGSCCを低減させるために使用される公知方法の1つは水素水化学(HWC)技術の使用であって、それによればBWR環境の酸化性がより還元性の状態に変化する。このような効果は、原子炉への給水に水素ガスを添加することによって達成される。かかる水素が圧力容器に到達すると、それは放射線分解によって生成された酸化性化学種と一様にかつ金属表面上で反応して水を再生し、それによって金属表面に隣接した部分の水をはじめとする炉水中に溶解した酸化性化学種の濃度を低下させる。このような再結合反応の速度は局部的な放射線の場、水の流量及びその他の変量に依存する。
HWC技術によれば、注入された水素は水中における酸化性化学種(たとえば溶存酸素)のレベルを低下させ、その結果として水中における金属のECPを低下させる。しかしながら、水の流量の変動及び中性子やγ線への照射時間や強度のごとき要因のため、上記のごとき酸化性化学種の濃度は原子炉によって異なり、また同一の原子炉内においても部位によって異なる。それ故、高温水中における金属製原子炉部品のIGSCCを防止するためECPを臨界電位未満に維持するのに十分な程度にまで酸化性化学種のレベルを低下させるために必要な水素の量は一定しなかった。ここで言う「臨界電位」という用語は、標準水素電極(she)目盛に基づいて表した場合に約−0.230〜−0.300Vの範囲内の腐食電位を意味する。ECPが臨界電位よりも高い系中においてはIGSCCが早い速度で進行し、またECPが臨界電位よりも低い系中においてはIGSCCが実質的に遅い速度で進行するか、あるいは実際上全く進行しない(図1参照)。酸素のごとき酸化性化学種を含有する水はそれに暴露される金属のECPを臨界電位以上に上昇させるのに対し、酸化性化学種をほとんど若しくは全く含有しない水はECPを臨界電位未満に低下させる。
初期におけるHWC技術の使用は、比較的多量の溶存水素を添加することに集中していた。かかる溶存水素の添加は、炉心の外側の水中における溶存酸化濃度を約200ppbから5ppb未満にまで低下させることができ、その結果として腐食電位は約+0.05VSHEから−0.25VSHE以下に変化することが判明した。このようなアプローチは国内及び海外のBWRにおいて商業的に使用されている。酸化性化学種を含有する炉水に接触するステンレス鋼及びその他の構造材料の腐食電位は、通例、原子炉給水中に水素を注入することから成るHWC技術の使用によって臨界電位未満に低下させることができる。給水への十分な水素添加速度に対しては、IGSCCを阻止するために必要な条件を原子炉内の特定の部位について求めることができる。原子炉系内の部位に応じ、必要な水素添加レベルは異なる。炉心の高レベル放射線束の存在下、あるいは酸化性の陽イオン不純物(たとえば、第二銅イオン)の存在下においては、ECPを低下させるため遥かに高い水素注入レベルが必要である。
(18〜20%のCr、8〜10.5%のNi及び2%のMnを含有する)タイプ304ステンレス鋼及びBWRにおいて使用されるその他全ての構造材料のIGSCCは、それらのECPを−0.230VSHEより低い値に低下させることによって効果的に低減させ得ることが証明されている。このような目的を達成するために有効な方法は、HWC技術を使用することである。しかしながら、ECPを臨界電位未満に低下させるために要求されることのある高レベル(たとえば、炉水中において約200ppb以上)の水素の添加は、蒸気中への短寿命の16N化学種の取込みの結果として蒸気駆動タービン区域により高い放射線レベルをもたらすことがある。多くのBWRについて述べれば、圧力容器の内部部品のIGSCCを低減させるために必要な水素添加量は主蒸気管路放射線モニターの測定値を5〜8倍に増加させる。このような主蒸気管路放射線の増加は許容し得ないほどに高い環境線量率をもたらすことがあるが、これは遮蔽及び放射線被曝管理のために多大の投資を必要とすることがある。それ故、最近の研究においては、主蒸気の放射線量率の増加を最少限に抑えながらHWC技術の利益を得るために必要な最小レベルの水素を使用することに関心が集まっている。因みに、たとえば腐食電位が僅かに0.050VSHEだけ低下した場合にIGSCCの顕著な低減が起こり得るのは、腐食電位が−0.230VSHEより高い場合であることを認識することが重要である。図1について説明すれば、腐食電位がたとえば−0.100VSHEから−0.150VSHEにまで0.050VSHEだけ低下した場合、0.1〜0.5μS/cmの溶液導電率においては亀裂成長速度が約1/2に低下するのである。
ECPを低下させるために使用されるもう1つの有効なアプローチは、パラジウム又はその他の貴金属を用いてステンレス鋼の表面を被覆又は合金化することである。ステンレス鋼の表面上にパラジウムが存在すれば、−0.230VSHEという所要のIGSCC臨界電位を達成するための水素要求量が減少する。すなわち、貴金属を含有する合金又は金属被膜を使用すれば、遥かに低い水素添加速度でより低い腐食電位(たとえば、約−0.5VSHE)を達成することができるのである。たとえば、米国特許第5135709号〔アンドレセン(Andresen)等〕の明細書中には、炭素鋼、合金鋼、ステンレス鋼又はその他の鉄基合金、あるいはニッケル基合金又は又はコバルト基合金から成る部品上に貴金属の触媒層を形成することにより、高温水に暴露された該部品のECPを低下させる方法が開示されている。かかるアプローチは、触媒表面上における溶存酸素と溶存水素との極めて効率的な再結合動力学に基づいている。(図2に示されるごとく、H2の酸化に関するi0が高い結果、多くのO2還元曲線は−0.5VSHEで交わることになる。)このことは、純粋な貴金属の被膜について証明されたばかりでなく、たとえば0.1重量%未満のPt又はPdを含有する非常に希薄な合金又は金属被膜についても証明された(図3〜5参照)。図4は、純白金、タイプ304ステンレス鋼、及び超高速酸素燃料(HVOF)技術に従って0.1重量%のパラジウムを含有するタイフ308Lステンレス鋼の粉末を溶射したタイプ304ステンレス鋼に関して測定された腐食電位を示している。データは200ppbの酸素及び様々な量の水素を含有する285℃の水中において得られた。水素の量が酸素との再結合による水の生成(2H2+O2→2H2O)に関連する化学量論値付近又はそれよりも高くなると、腐食電位はそれの熱力学的限界(約−0.5VSHE)にまで劇的に低下する。図5は、最高5000ppbまでの酸素及び様々な量の水素を含有しかつ200cc/分の流量を有する288℃の水中における0.35重量%のパラジウムを添加したタイプ304ステンレス鋼の腐食電位を示している。
もし表面再結合速度が(表面付近における停滞した水の境界層を通して)金属表面に供給される酸化剤の供給速度よりも遥かに大きければ、(表面における)酸化剤の濃度は極めて低くなり、そして(たとえ炉水中における溶存酸素濃度が高いままであっても)腐食電位はそれの熱力学的限界(288℃の水中において約−0.5VSHE)にまで低下する(図3〜5)。更にまた、水の境界層を通しての溶存水素の拡散速度が溶存酸素の場合よりもやや大きい結果、炉水中における水素濃度が化学量論的レベルより多少低くても、金属表面に到達した酸化剤の完全な再結合が維持されることになる。このようなアプローチにおいてもBWRに多少の水素を添加することは必要であるが、その添加量は初期のHWC技術のために要求されていたものよりも大幅に(たとえば、前者の僅か1%以下にまで)少なくすることができる。水素の添加がなおも必要である理由は、酸化剤(主として酸素及び過酸化水素)及び還元剤(主として水素)が放射線分解によって化学量論的バランスを保ちながら生成されるのに対し、BWRにおいては水素が優先的に蒸気相に分配されるからである。また、過酸化水素は蒸気中に全く移行しない。それ故、BWRの再循環水中においては水素に比べて酸素がやや過剰に存在すると共に、かなり高い濃度(たとえば、約200ppb)の過酸化水素が存在することになる。なお、(炉心の上方における)蒸気の分離前又は分離中に過酸化水素を接触分解するように設計された技術もまた既に知られている。
貴金属を使用するアプローチは多くの条件下で極めて有効に働くが、貴金属に関する実験データ及び炉内測定値は、金属表面への酸化剤供給速度が再結合速度に接近しかつ(あるいは)それを超過することがあり得ることを示している(図6及び7参照)。図6は、アイオワ州パロに存在するデュアン・アーノルド(Duane Arnold)BWR内の幾つかの部位におけるステンレス鋼及び白金の腐食電位に対する給水水素添加量の効果を示すグラフである。約2SCFMの給水水素添加量においては、再循環管路中の腐食電位は約−0.25VSHE以下にまで低下する。しかるに、高レベル放射線束領域(炉心頂部)においては、純Ptの場合でも腐食電位は15SCFM以上の給水水素添加量において約−0.25VSHEより高いレベルに留まっている。このような高い給水水素添加量の下では、水素の費用及び揮発性16Nの増加(タービンシャイン)のため、長期の運転は極めて望ましくない。図7は、高流体流速条件を模擬する回転円筒試験体を成すような288℃の水中のPd被覆タイプ316ステンレス鋼に関し、腐食電位を水素添加量に対してプロットしたグラフである。この場合の水は1.0ppmのO2を含有していた。水素レベルが化学量論値を越えて増加するのに伴い、腐食電位は低下したが、約−0.20VSHEまでに留まった。これらの試験における酸素供給速度は水素反応の交換電流密度(i0)を越えていた(図2参照)。そして、水素反応の活性化分極(ターフェル応答)が開始する結果、非触媒表面上における正常水化学条件及び極端な水素水化学条件の下で測定される電位の中間に位置する混合電位(又は腐食電位)への移動が起こった。
金属表面への酸化剤供給速度が再結合速度に接近しかつ(あるいは)それを超過するような点においては、腐食電位は数百ミリボルトにわたって急激に上昇する(たとえば、−0.2VSHE以上に上昇する)。実際、(比較的僅かな)過剰水素条件下でも、BWRの炉心内における純白金電極はかなり高い腐食電位を示すのである。ただし、それでも(非触媒性の)ステンレス鋼の場合よりは多少低い(図6参照)。(当初の水素水化学技術において通例使用されていた値を十分に上回る)非常に高い水素レベルにおいては、貴金属表面上における腐食電位は−0.3VSHEよりも低いレベルにまで低下する(図6参照)。しかしながら、莫大な水素添加費用と蒸気中における揮発性の放射性窒素(すなわち、タービン建屋内の放射線レベルを上昇させることのある16N)の大幅な増加とを考え合わせると、非常に大きい水素添加速度の使用は望ましくない。
それ故、HWC技術及び触媒被膜又は合金に加えて高温水中における金属部品のECPを低下させるための他の手段、特にECPを低下させるためのそれらの方法の制約の一部又は全部を解消し得る手段を開発することが望ましいのである。
発明の概要
本発明は、ECPを低下させることにより、過酸化水素及び溶存酸素のごとき酸化剤を含有する高温水中に浸漬されたステンレス鋼及びその他の金属における亀裂の成長を低減若しくは排除するという目的を達成するための代替方法に関する。これは、貴金属を添加した電気絶縁材(たとえばジルコニア)でIGSCC感受性を有する原子炉部品の表面を被覆することによって達成される。本発明に従えば、水素の添加を行わない場合においても金属の腐食電位は負の方向に移動するのである。
本発明に従って簡単に述べれば、高温水中で使用するための金属部品であって、未被覆の状態では高温水中において応力腐食割れを生じ易い表面を有する金属部品の一表面における亀裂の成長を低減させるための方法において、貴金属を添加した電気絶縁性材料から成る被膜を前記金属部品の前記表面上に設置する工程を含んでいて、前記被膜は前記金属部品の前記表面にまで貫通しかつ前記表面への酸化剤の流れを制限する制限物質移動用の隙間を有しており、前記電気絶縁性材料中における前記貴金属の濃度は前記被膜中に前記金属部品の前記表面から前記被膜の外面にまで達する導電路が形成されるのを防止するのに十分な程度に小さいものであり、しかも前記隙間が前記酸化剤に対して前記貴金属を暴露して利用可能な還元剤による前記酸化剤の還元を促進する結果、前記金属部品の前記表面の腐食電位が前記被膜の設置によって0.050V以上低下することを特徴とする方法が提供される。
本発明は、かかる触媒絶縁被膜が高温水に暴露された金属部品の表面への酸化剤の移動を制限しかつ移動過程中において酸化剤の接触還元を行うことによってECPを低下させるという点で特に有利である。
【図面の簡単な説明】
図1は、288℃の水中に浸漬された炉内増感タイプ304ステンレス鋼に関し、亀裂成長速度の観測値及び予測値を腐食電位に対してプロットとしたグラフである。
図2は、白金又はパラジウムのごとき触媒活性表面上におけるH2とO2との相互作用を示すE(電位)対log|i|(電流密度の絶対値)曲線のグラフである。
図3は、約400ppbの酸素及び0.1μMのH2SO4を含有する288℃の水中に浸漬された増感タイプ304ステンレス鋼のPd被覆CT試験片に関し、亀裂の伸長量を時間に対してプロットしたグラフである。
図4は、純白金(□)、タイプ304ステンレス鋼(○)、及び超高速酸素燃料(HVOF)技術に従って0.1重量%のパラジウムを含有するタイプ308Lステンレス鋼の粉末を溶射したタイプ304ステンレス鋼(●)の腐食電位を示すグラフである。
図5は、様々な量の水素及び350ppb(◯)、2.5ppm(▲)又は5.0ppm(□)の酸素を含有しかつ200cc/分の流量を有する288℃の水中における0.35重量%のパラジウムを添加したタイプ304ステンレス鋼の腐食電位を示すグラフである。
図6は、炉心頂部(●)、炉心底部(■)及び再循環管路(▲)におけるタイプ304ステンレス鋼の腐食電位、並びに炉心頂部(○)及び炉心底部(□)における白金の腐食電位に対する給水水素添加量の効果を示すグラフである。
図7は、0.3m/秒(●)、1.5m/秒(□)及び3.0m/秒(▲)の高流体流速条件を模擬する回転円筒試験体を成すような288℃の水中のPd被覆タイプ316ステンレス鋼に関し、腐食電位を水素添加量に対してプロットしたグラフである。
図8は、一般に亀裂の外側(開口部)に高い腐食電位をもたらしかつ亀裂の内側(先端部)に低い腐食電位をもたらすような電気化学的過程を示す略図である。
図9A〜9Eは各種の被覆及び未被覆部品において高レベル放射線束の下で生じる腐食電位φcを比較して示す略図である。
図10は、貴金属を添加した溶射ジルコニア粉末から成るものとして図示された絶縁保護被膜の略図である。
図11及び12は、未被覆のタイプ304ステンレス鋼(●)及び空気プラズマ溶射法によってイットリア安定化ジルコニアで被覆されたタイプ304ステンレス鋼(□)の腐食電位をそれぞれ酸素濃度及び過酸化水素濃度に対してプロットしたグラフである。
図13及び14は、未被覆のタイプ304ステンレス鋼(●)、厚さ3ミル(□)、5ミル(▲)及び10ミル(○)のイットリア安定化ジルコニアで被覆されたタイプ304ステンレス鋼、並びに純ジルコニウムに関し、純水中に2日間にわたり浸漬した後の腐食電位及び各種の水化学条件を有する水中に3ヶ月間にわたり浸漬した後の腐食電位を酸素濃度に対してそれぞれプロットしたグラフである。
発明の詳しい説明
本発明は、高レベル放射線束を有する炉内領域〔あるいは高い濃度及び(又は)高い流体流速/対流レベルに由来する非常に大きい酸化剤供給速度を有し得るその他の領域〕内において低い腐食電位を達成するという課題を解決するための技術に関する。この技術は、水冷型原子炉の金属部品のSCC感受性表面上に、貴金属を添加した電気絶縁性の保護被膜を形成することから成っている。かかる絶縁保護被膜は、(多孔質の絶縁層を通しての酸化剤の物質移動を制限することによって)供給速度を制限すると同時に、被膜中に含まれる貴金属によって層中における酸化剤の接触還元を可能にすることにより、表面への酸化剤供給速度と表面上における再結合速度とのバランスを変化させるように設計されている。なお、本発明は1994年4月11日に提出された米国特許出願第08/226153号と関連を有するものであって、その内容は引用によって本明細書中に併合されている。本発明の技術は下記のごとき基本的な考慮事項に基づいている。
第1の考慮事項は、腐食電位が金属−水界面のみにおいて生じることである。すなわち、金属被膜上においては、腐食電位は金属被膜と炉水本体との界面において生じる。しかるに、多孔質の絶縁被膜の場合には、腐食電位は基体金属とそれに接触する水(つまり、細孔内の水)との界面において生じるのである。
応力腐食割れに対する腐食電位の影響は、亀裂開口部/自由表面における一般に高い腐食電位と亀裂/隙間の先端部における常に低い腐食電位(たとえば、−0.5VSHE)との間の電位差によって生み出される。このような電位差は金属中に電子の流れを生じると共に、溶液中にイオンの流れを生じ、その結果として(古典的な隙間の場合に見られるごとく)亀裂内の陰イオン濃度の増加が誘起されることになる。
図8は、一般に亀裂の外側(開口部)に高い腐食電位をもたらしかつ亀裂の内側(先端部)に低い腐食電位をもたらすような電気化学的過程を示す略図である。電位差Δφcは陰イオンA-(たとえば、Cl-)を亀裂内に濃縮させるが、これはイオン流路及び電子流路の両方が存在する場合のみに限られる。
図9A〜9Eは、高レベル放射線束の下で生じる腐食電位φcを比較して示す略図である。詳しく述べれば、Aは未被覆の(たとえばステンレス鋼製)部品の場合(高いφc)を示し、Bは表面への反応体供給速度があまり早くないような条件下における触媒金属被膜で被覆された部品の場合(低いφc)を示し、Cは表面への反応体供給速度がH2及びO2の再結合速度に接近し若しくはそれを超過するような条件下における触媒金属被膜で被覆された部品の場合(中位のφc)を示し、Dは絶縁保護被膜で被覆された部品の場合〔酸化剤濃度があまり高くならないという条件下において低い腐食電位(図11参照)〕を示し、そしてEは貴金属を添加した絶縁保護被膜で被覆された部品の場合(常に低い腐食電位)を示している。
このように、応力腐食割れに影響を及ぼすためには、亀裂開口部の高い腐食電位が問題の部品に対して電気的に接触する表面内に生じなければならない。金属部品上に絶縁被膜(図9及び10参照)が設置され、かつ該被膜中に多少の細孔又は亀裂が存在するものと仮定すれば、腐食電位は金属部品−水界面においてのみ生じることになる。
すなわち、かかる被膜によれば隙間が形成される。しかし、被膜が電気絶縁性のものであるため、その隙間は「電気化学的」な隙間ではなく、単なる「制限された物質移動用の」幾何学的構造に過ぎない。「電気化学的」な隙間における決定的な要素は、高電位領域(たとえば、亀裂開口部)及び低電位領域(たとえば、亀裂先端部)に同時に接触する導電性物質が存在することである。それ故、部品を絶縁層で被覆すると共に、隙間又は亀裂を内部に含んだ金属層(又は相互に接続された金属粒子)でその絶縁層を被覆することは役に立たないのである。このような条件下では、外側の金属層中に攻撃的な隙間化学条件が生じることがあり、ひいてはその金属層が部品に接触することになる。それ故、添加剤として使用される貴金属の量は(たとえば、一連の相互に接続された金属粒子を形成することにより)被膜の厚さ全体を通して導電路が形成されないように制限する必要がある。貴金属の最大量は、(貴金属が粉末として添加されるような場合には)被膜を形成するために使用する貴金属の粒度、使用する絶縁材、本明細書中の別の箇所で論じられているような除去可能相の存在、被膜の形態などをはじめとする多くの因子に依存する。とは言え、Au−Cu合金に関して報告された結果に基づけば、被膜中の貴金属の量は浸透理論の概念に従って約20原子%以下とすべきである。この点に関しては、たとえば、金属の環境誘起割れに関する第1回国際会議(NACE、1989年)の議事録中に収載されたケイ・シエラズキー(K. Sieradzki)の論文「金属の環境誘起割れの原子論的及びミクロ力学的側面」を参照されたい。
第2の考慮事項は、絶縁被膜が水に対して不透過性を示すならば、明らかに下部の金属上に腐食電位は存在せず、また応力腐食割れの心配も存在しないことである。絶縁層中に細孔又は微細な亀裂が存在すれば、極めて制限された物質移動が起こり得るようになり、従って表面付近に極めて厚い停滞水の境界層が存在する場合と同等になる。酸化剤は金属表面において常に消費されているから、このような非常に制限された物質移動(低速の酸化剤供給)は絶縁被膜を通って基体に到達する酸化剤の供給速度をそれらの再結合速度よりも低いレベルに低下させる。このように物質移動が制限される状況の下では、炉水中に高濃度の酸化剤が存在しかつ化学量論的に過剰の水素が(又はいかなる量の水素も)存在しない場合においても、腐食電位は−0.5VSHE以下の値にまで急速に低下する。これと矛盾しない数多くの観測結果が得られている。たとえば、低い酸素レベル(たとえば、1〜10ppb)の下ではステンレス鋼表面上において低い腐食電位が認められるが、隙間/亀裂の内部(直ぐ内側)においては炉水中の酸素レベルが非常に高くても低い腐食電位が認められるのである。
このように、化学量論的に過剰の水素が存在しない場合ばかりでなく、いかなる量の水素も存在しない場合においてもまた、炉水中の高い酸化剤濃度の下で−0.5VSHE以下の腐食電位を達成することができる。これは、(費用の点又は水素添加に由来する高い16N放射線レベルの点から)プラント内のあらゆる部位において化学量論的な過剰水素条件を保証するために十分な量の水素を添加することのできないBWRプラントにとって重要な発明であると言えよう。
本発明は化学量論的に過剰の水素が(又はいかなる量の水素も)存在しない場合においてSCCの防止を可能にするものであるが、貴金属が隙間(制限物質移動領域)内において酸化剤の還元を促進するためには、(化学量論的な量である必要はないが)水素のごとき還元剤が存在しなければならないことに注意すべきである。還元剤が存在する場合には、貴金属の存在により、上記の引用文献中に開示されているような貴金属添加剤を含有しない絶縁被膜にとって高過ぎる酸化剤濃度〔すなわち、高過ぎる(たとえば、臨界電位よりも高い)腐食電位を生み出すような酸化剤濃度〕の下でも本発明の絶縁被膜を使用することができるのである。
各種の非導電性材料を使用することができるが、先ず最初に選択すべきものはジルコニア(ZrO2)である。その理由は、それが溶射可能であると共に、高温水中において構造的にも極めて安定であり(たとえば、剥落や環境促進割れを生じ難い)、かつ化学的にも極めて安定である(たとえば、溶解や反応を示さない)ことにある。ジルコニアは様々な粒度で入手することができるから、溶射パラメーターを調整する際の融通性が大きい。アルミナもまた選択可能な材料である。288℃の水中におけるアルミナの溶解速度はジルコニアの場合よりも大きいが、それでも非常に低いレベルにある。更にまた、高温水中に溶解し難くかつ原子炉運転条件下で剥落し難いことを含め、高温水環境中において機械的及び化学的に安定でありさえすれば、その他各種の酸化物、炭化物、窒化物又は炭化物が適当な場合もある。
使用可能な貴金属としては、高温水中に溶解し難いと共に、高温水中に存在する酸素や過酸化水素のごとき酸化性化学種の還元用の触媒として作用する任意の金属が挙げられる。本明細書中に記載のごとき高温水中において貴金属被膜を用いた場合の結果及び公知の触媒特性に基づけば、イリジウム、パラジウム、白金、オスミウム、ロジウム及びルテニウムのごとき金属が適当な貴金属添加剤として役立ち、また主として費用の点を考慮すればパラジウム又は白金のごとき貴金属の使用が好適であると考えられる。かかる貴金属は、絶縁材と貴金属との混合物から成る供給粉末を用いた溶射法などを含む様々な公知方法のいずれかによってジルコニア中に添加することができる。
図10は、金属部品2の表面上に溶射されたジルコニア粉末の粒子4及び貴金属粉末の粒子6から成るものとして図示された本発明の貴金属添加絶縁保護被膜の略図である。ジルコニアの絶縁性のため、(酸化剤濃度の高い)外部の水と金属部品の基体との間に電気的接触は生じない。それ故にかかる貴金属含有絶縁保護被膜は、下部の金属基体への酸化剤の物質移動速度(図2及び7参照)を十分に小さい値に制限して金属部品の腐食電位を常に低いレベル(すなわち、−0.5VSHE)に保ちながら、隙間電池の形成(図8参照)を防止するのである。それと同時に、かかる被膜は隙間内における酸化剤の還元を促進するが、これは腐食電位を更に低下させるか、あるいは炉水中におけるより高い酸化剤濃度に対する耐性を付与するために役立つ。
空気プラズマ溶射法によってイットリア安定化ジルコニア(YSZ)で被覆した円筒形のステンレス鋼電極に関し、288℃の純水中において(図11に示されるような)予備実験データが得られた。すなわち、Cu/Cu2O膜参照電極の使用により、ステンレス鋼オートクレーブ、白金線及びYSZ被覆ステンレス鋼試験体の腐食電位が測定された。約1ppmまでの酸素濃度〔BWRの運転時における相当酸素濃度(O2+0.5×H22)は約100〜600ppbである〕においては、ステンレス鋼オートクレーブ(+0.20VSHE)及び白金電極(+0.275VSHE)に関して高い腐食電位が記録されたにもかかわらず、YSZ被覆ステンレス鋼試験体の腐食電位は−0.5VSHE以下に保たれた。これは、低い酸素レベル(たとえば、1〜10ppb)の下ではステンレス鋼表面において低い腐食電位が認められ、また隙間/亀裂の内部においては非常に高い酸素レベルの下でも低い腐食電位が認められるという数多くの観測結果と矛盾しない。
過酸化水素中においても同様な観測結果が得られた。すなわち、1ppmを越える濃度においても、YSZ被覆ステンレス鋼試験体に関して低い腐食電位が観測された(図12参照)。それに対し、未被覆のステンレス鋼は約+0.150VSHEの高い腐食電位を示した。低い腐食電位はまた、1ppmのO2を含有する水中においてYSZ被覆ステンレス鋼試験体を(0.7m/秒の線流速に相当する)500rpmの速度で回転させた場合にも観測された。これは驚くべきことではない。なぜなら、早い流速は停滞液体の境界層の厚さを減少させるように作用するが、その厚さはジルコニア被膜に比べれば小さいものに過ぎないからである。このような条件下で低い腐食電位を維持するのに成功したことは、電気絶縁性のジルコニア層が下部の金属表面への物質移動を大幅に低減させる結果、パラジウムのごとき触媒が存在しなくても、溶存酸素含量の極めて低い溶液中における未被覆試験体の場合と全く同様に陰極反応(酸素還元反応)が物質移動によって制限されることを示している。
288℃の水中におけるジルカロイの腐食電位測定値によっても追加の確証が得られる。通気された溶液中においても、かかる測定値が常に−0.5VSHEより低いことは明らかである。ジルコニア被膜が比較的高い電気絶縁性を有する結果として腐食電位は金属表面において生じるが、そこにおいてはジルコニア被膜を通しての制限された酸化剤移動のために酸化剤濃度が極めて低いのである。
図13及び14には追加の実験データが示されている。詳しく述べれば、(直径0.25インチかつ長さ1インチの)タイプ304ステンレス鋼の新鮮な金属表面上に、イットリア活性化ジルコニア粉末から成る被膜が空気プラズマ溶射法によって3種の厚さ(3、5及び10ミル)を有するように設置された。かかるジルコニア被覆電極、純ジルコニウム電極及び未被覆のタイプ304ステンレス鋼の腐食電位が、様々な量の酸素を含有する288℃の水中において、Cu/Cu2O/ZrO2参照電極に対して測定された。腐食電位の測定後、試験体は様々な水化学条件を有する288℃の水中に浸漬され、そして開回路中において3ヵ月間にわたり維持された。
初期の試験においては、YSZ被覆ステンレス鋼電極がジルコニウム電極、未被覆のタイプ304ステンレス鋼電極及び参照電極と共にオートクレーブ内に装着された。全ての試験体が200cc/分の流量を有する288℃の純水中に2日間にわたり浸漬された。図13に示されるごとく、酸素の添加量を増加させながら腐食電位が順次に測定された。200〜300ppbまでの所定の酸素レベルにおいて、YSZ被覆電極は同じ酸素レベルで測定されたタイプ304ステンレス鋼の腐食電位に比べて低くかつ純ジルコニウム電極の腐食電位とほぼ同等な(−0.5VSHE未満の)腐食電位を示した。なお、酸素濃度を更に増加させたところ、YSZ被覆電極の腐食電位は上昇した。
様々な水化学条件を有する288℃の水中においてかかる系を3ヵ月間にわたり放置した後、酸素濃度を増加させながら腐食電位が再び測定された(図14参照)。これらのデータは、YSZ被覆電極の腐食電位挙動が長期間にわたって保持されることを示している。
上記のデータから明らかなごとく、タイプ304ステンレス鋼の表面上にYSZ被膜を設置することは、金属表面への酸素の物質移動を減少させることによって水素の不存在下においても(約300ppbまでの)高い酸素レベルの下で(−0.5VSHE未満の)低い腐食電位を維持し、それによって構造材料のSCCを低減させる点で有利であるように思われる。BWRの運転時における酸素濃度は約200ppbであるから、BWR用構造部品のSCCは構造材料の表面上にYSZ被膜又はその他任意の電気絶縁性保護被膜を設置することによって低減させ得るはずである。
本発明は、高温水を含む水冷型原子炉において使用するために特に適している。とは言え、本発明は高温水を使用するためにSCCの問題を考慮する必要があるその他任意の装置(たとえば、通常のタービンや発電機)においても利用することができる。
上記の方法は例示を目的として開示されたものである。かかる方法に様々な変更や改変を加え得ることは、水化学技術に精通した当業者にとって自明であろう。以下に記載される特許請求の範囲には、かかる変更や改変の全てを包括することが意図されている。

Claims (22)

  1. 高温水中で使用するための金属部品であって、未被覆のままでは高温水中において応力腐食割れを生じ易い表面を有する金属部品の前記表面における亀裂の成長を低減させるための方法において、貴金属を添加した電気絶縁材から成る被膜を前記金属部品の前記表面上に設置する工程を含んでいて、前記被膜は前記金属部品の前記表面にまで貫通しかつ前記表面への酸化剤の流れを制限する制限物質移動用の隙間を有しており、前記電気絶縁材中における前記貴金属の濃度は前記被膜中に前記金属部品の前記表面から前記被膜の外面にまで達する導電路が形成されるのを防止するのに十分な程度に小さいものであり、しかも前記隙間が前記酸化剤に対して前記貴金属を暴露して利用可能な還元剤による前記酸化剤の還元を促進する結果、前記金属部品の前記表面の腐食電位が前記被膜の設置によって0.050V以上低下することを特徴とする方法。
  2. 前記被膜の設置により、前記金属部品の前記表面の腐食電位が応力腐食割れの起こる臨界電位よりも低いレベルにまで低下する請求の範囲第1項記載の方法。
  3. 前記電気絶縁材がジルコニアから成り、かつ前記貴金属がイリジウム、パラジウム、白金、オスミウム、ロジウム又はルテニウムから成る請求の範囲第1項記載の方法。
  4. 前記電気絶縁材が更にイットリアを含有する請求の範囲第3項記載の方法。
  5. 前記貴金属が前記絶縁材の20原子%以下を占める請求の範囲第1項記載の方法。
  6. 前記電気絶縁材がアルミナから成り、かつ前記貴金属がイリジウム、パラジウム、白金、オスミウム、ロジウム又はルテニウムから成る請求の範囲第1項記載の方法。
  7. 前記金属部品がステンレス鋼又はその他の原子炉構造材料で作られている請求の範囲第1項記載の方法。
  8. 前記電気絶縁材が前記金属部品の前記表面上に吹付けられた粒子から成る請求の範囲第1項記載の方法。
  9. 前記設置工程が前記被膜を溶射することから成る請求の範囲第1項記載の方法。
  10. 高温水中で使用するための水冷型原子炉又は水冷型原子炉の関連設備用部品において、腐食電位を示しかつ未処理のままでは高温水中において応力腐食割れを生じ易い表面を有する金属基体と、貴金属を添加した電気絶縁材から成りかつ前記金属基体の前記表面上に設置された被膜とから構成されていて、前記被膜は前記金属基体の前記表面にまで貫通しかつ前記表面への酸化剤の流れを制限する制限物質移動用の隙間を有しており、しかも前記電気絶縁材中における前記貴金属の濃度は前記被膜中に前記金属部品の前記表面から前記被膜の外面にまで達する導電路が形成されるのを防止するのに十分な程度に小さいものである結果、前記被膜は高温水中における前記金属基体の前記表面の腐食電位を未被覆の金属基体に比べて0.050V以上低下させることを特徴とする部品。
  11. 前記電気絶縁材がジルコニアから成り、かつ前記貴金属がイリジウム、パラジウム、白金、オスミウム、ロジウム又はルテニウムから成る請求の範囲第10項記載の部品。
  12. 前記電気絶縁材が更にイットリアを含有する請求の範囲第11項記載の部品。
  13. 前記電気絶縁材がアルミナから成り、かつ前記貴金属がイリジウム、パラジウム、白金、オスミウム、ロジウム又はルテニウムから成る請求の範囲第10項記載の部品。
  14. 前記金属基体が鉄基、ニッケル基、コバルト基又はジルコニウム基合金から成る請求の範囲第10項記載の部品。
  15. 前記被膜の設置により、前記金属基体の前記表面の腐食電位が応力腐食割れの起こる臨界電位よりも低いレベルにまで低下する請求の範囲第10項記載の部品。
  16. 前記電気絶縁材が前記金属基体の前記表面上に吹付けられた粒子から成る請求の範囲第10項記載の部品。
  17. 前記貴金属が前記絶縁材の20原子%以下を占める請求の範囲第10項記載の部品。
  18. 原子炉の運転に際して応力腐食割れを生じさせ易いために応力腐食割れの低減処理を施した金属部品を含む水冷型原子炉において、前記金属部品の各々が、腐食電位を示すために未処理のままでは高温水中において応力腐食割れを生じ易い表面を有する金属基体と、貴金属を添加した電気絶縁材から成りかつ前記金属基体の前記表面上に設置された被膜とから構成されていて、前記被膜は前記金属基体の前記表面にまで貫通しかつ前記表面への酸化剤の流れを制限する制限物質移動用の隙間を有しており、しかも前記電気絶縁材中における前記貴金属の濃度は前記被膜中に前記金属部品の前記表面から前記被膜の外面にまで達する導電路が形成されるのを防止するのに十分な程度に小さいものである結果、前記被膜は高温水中における前記金属基体の前記表面の腐食電位を未被覆の金属基体に比べて0.050V以上低下させることを特徴とする原子炉。
  19. 前記電気絶縁材がジルコニアから成り、かつ前記貴金属がイリジウム、パラジウム、白金、オスミウム、ロジウム又はルテニウムから成る請求の範囲第18項記載の原子炉。
  20. 前記電気絶縁材が更にイットリアを含有する請求の範囲第19項記載の原子炉。
  21. 前記電気絶縁材がアルミナから成り、かつ前記貴金属がイリジウム、パラジウム、白金、オスミウム、ロジウム又はルテニウムから成る請求の範囲第18項記載の原子炉。
  22. 前記金属部品は水冷型原子炉中の高温水中で使用される部品であって、前記原子炉の運転の際に前記原子炉の炉水に水素を添加することを特徴とする請求の範囲第1項記載の方法。
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