JP5549908B2 - 損傷dna修復物質のスクリーニング方法 - Google Patents

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Description

本発明は、損傷DNAの修復合成活性又はDNA損傷に起因するRNA合成の阻害を指標とした物質又は遺伝子のスクリーニング方法に関する。詳しくは、クリックケミストリー反応を利用した、損傷DNA修復箇所又はDNA損傷に起因するRNA合成阻害の検出、及びこれらを指標とする各種物質の細胞毒性試験、DNA損傷の抑制効果、DNA修復の促進効果、DNA修復に関与する新規遺伝子の探索等のスクリーニング方法並びに臨床診断技術等に関する。
生物は、様々な要因、例えば紫外線等により誘発される各種DNA損傷から遺伝情報を守り維持するために、DNA修復機構を発達させた。これは、損傷を受けたDNAを感知し、修復する働きを持つ一連の酵素の活性によりDNAが修復され、生体本体への影響が抑えられる仕組みである。ヌクレオチド除去修復機構(NER)は、最も汎用的なDNA修復システムの一つであり、主に紫外線による光DNA損傷、及び種々の化学発癌物質への曝露から生ずる付加型DNA損傷に対応する。
DNA修復に関与する遺伝子に異常及び/又は欠損があると、損傷を受けたDNAの修復が不完全となり、その結果癌をはじめとする各種疾患に罹患する。このような修復遺伝子の異常、特にNERに関係する遺伝子の異常がもたらす疾患としては、色素性乾皮症(xeroderma pigmentosum:XP)、コケイン症候群(CS)及び硫黄欠乏性毛髪発育異常症(TTD)等が挙げられる。
NERをはじめとするDNA修復機構の欠損を評価するために最も一般的に使用されるアッセイは、DNA修復活性に起因するヌクレオチド取り込みレベルの測定を必要とする。これは不定期DNA合成(UDS)あるいは修復DNA合成と呼ばれる、細胞周期に非依存的な微量のDNA合成を検出するもので、現在、UDS量を測定する種々の方法が確立されている。NER活性の評価においては一般的に、DNA損傷を誘発するために波長254nmの紫外線照射を行い、ヌクレオチド取り込みレベルの測定のために、DNA損傷を誘導した細胞を放射性チミジン又はヌクレオシドアナログのいずれかの存在下で培養する。またNER以外のDNA修復機構においても、修復経路の特徴に応じて異なるDNA損傷処理をおこなうことで、修復の際にDNA合成を伴う多様なDNA修復の活性を測定できる。
NERの欠損であるXPの臨床診断を実施している研究施設において、現在最も普及しているUDS量の測定方法は、放射性H−チミジンの取り込みに基づくものである。これは、DNA修復の過程で取り込まれた放射性チミジンをオートラジオグラフィーにより銀粒子に変換し、それを顕微鏡下で計数する技法、又は取り込まれた放射性チミジンを不溶化し、液体シンチレーションカウンターを用いて計測することでUDS活性を測定する技法である。オートラジオグラフィーは正確なUDS活性の測定を提供するが、実験過程は複雑でかつ高度な技能を要し、所要時間も2〜3週間と長期に渡るだけでなく、ラジオアイソトープ利用施設が必須である。液体シンチレーションカウンターを用いる方法は、オートラジオグラフィーと比べて所要時間が短縮されるが、本方法がバッチアッセイであるためにUDS定量の精度は低下する。さらに、細胞周期DNA合成を完全に除去する必要性から、アッセイには非分裂期にある細胞を使用し、DNA複製の阻害剤であるヒドロキシウレア(HU)を使用することで、微量に混入する細胞周期DNA合成を取り除く必要がある。これらの理由から、本技法を実施している研究施設は非常に限定的である。
H−チミジンの代わりにブロモデオキシウリジン(BrdU)を用いて、BrdU取り込みを抗BrdU抗体により検出する手法は、H−チミジンを用いる方法よりも簡便であるが、検出感度の問題(50%以下のUDS活性の低下は検出できない)からUDS測定方法への適用とXP診断方法としての実用化には至っていないのが現状である。また、既に特定されているXP原因遺伝子座のPCRによる増幅と塩基配列決定等による遺伝子検査、XPタンパク質に対する抗体等が開発されているが(特許文献1)、XPの原因遺伝子は少なくとも11以上存在し、臨床診断においては、これら全ての遺伝子産物に対する遺伝子検査及び/又は抗体が必要となり、煩雑さは解消されない。
UDSの測定と併用されるNER修復欠損の診断技術に、RNA合成回復(RRS)試験がある。これは、NERのうちRNAの転写と共役したDNA修復(TCR)の活性のみを対象とした測定方法であり、TCRを欠損するコケイン症等の診断に利用される。TCRにのみ異常がある場合には、NER活性のうちの90%程度を占める全ゲノムを対象とする修復(GGR)は正常であるため、UDSの活性はほぼ正常値を示す。ところが、RNAの転写が盛んな遺伝子の修復が効率的に行われないため、DNA損傷後のRNA合成の活性が著しく低下する。RRSの測定には、放射性ウリジン等が用いられ、DNA損傷処理後にRNA合成がどの程度回復したかを、液体シンチレーションカウンターを用いたバッチアッセイにより測定する。
一方、シャープレスらにより提唱されたクリックケミストリーと呼ばれる反応は、求核付加開環反応、縮合反応、又は付加環化反応等を経て、二つの分子を炭素−ヘテロ原子結合で結び付けることを可能にし、新規の機能性分子の創出への寄与が期待されている。特にアジドとアルキン化合物の付加環化反応は、非常に特異的であり、目的生成物を高収率に与える等の利点を持ち、クリックケミストリーの中でも中心的な位置を占めている(特許文献2、非特許文献1)。またこのクリックケミストリー反応を利用して核酸を標識し、細胞周期DNA合成を検出する方法も報告されている(特許文献3)が、DNA修復に伴うDNA合成であるUDSは細胞周期DNA合成に対して非常に微弱であるためにUDS量測定のための方法への適用は示唆されていない。また、RNA合成への適用は報告がない。
特開2006−296287号公報 特表2006−502099号公報 WO2008/101024
CHEMISTRY & CHEMICAL INDUSTRY Vol.60−10 Oct.2007
DNA修復欠損性疾患の予防及び/又は治療並びにDNAの損傷に伴う細胞老化/発癌等の生体への影響の改善において、有効に損傷DNAの修復を促進し、又は、DNA損傷の発生を抑制する物質を開発すること、あるいは各種DNA修復に関与する新規遺伝子を同定することで修復DNA合成の活性を調節する因子を対象とする新たな物質を探索することは必須である。したがって、本発明の目的は、現行のUDS又はRRS測定方法に代わる修復DNA合成又はRNA合成阻害の迅速な評価方法を提供することである。
本発明者らは、上記の目的を達成すべく鋭意検討を重ねた結果、DNA修復の際に取り込まれるヌクレオチドとそれを検出する色素との間に起こる付加環化反応により、NERをはじめとするDNA修復過程でのUDSの測定が可能であることを見出した。すなわち、本発明は、UDS測定の過程において、放射性チミジン又はBrdUの代用として、チミジンのアルキン結合ヌクレオシドアナログである、5−エチニル−2’−デオキシウリジン(EdU)を使用することにより、放射性同位体を使用せず、さらに簡便な手法を採用するため、従来技術と同程度の感度、正確性を維持したまま、UDSの測定及びXP等のDNA修復欠損性疾患の臨床診断に要する時間を約半日にまで短縮し、UDS測定に基づく損傷DNA修復物質又は修復合成に関与する遺伝子等のスクリーニングを実行できることを見出した。修復DNA合成活性の測定に使用するヌクレオシド類似化合物を構成する糖をデオキシリボースからリボースへ変更することでRNA合成阻害の測定も可能であり、これらを併せて本発明を完成するに至った。
したがって、本発明は以下の通りである。
〔1〕末端アルキン修飾ヌクレオシド誘導体とアジド部分を含むレポーター分子、又はアジド修飾ヌクレオシド誘導体と末端アルキンを含むレポーター分子とを組み合わせた試薬セットを用いることを特徴とする、DNAが損傷した細胞におけるDNA修復能力を賦活する物質もしくは遺伝子、DNA損傷の誘発を抑制する物質もしくは遺伝子、DNA修復に影響を与える物質もしくは遺伝子、又はDNA損傷を指標とした物質の毒性の有無のスクリーニング方法。
〔2〕下記の工程(a)、(b)、(c)及び(d)を含む、前記〔1〕記載のスクリーニング方法:
(a)細胞を紫外線又は変異原で処理し、DNA損傷を誘発する工程、
(b)被験物質、工程(a)で処理した細胞及び末端アルキン修飾ヌクレオシド誘導体を接触させる工程、
(c)上述の工程が終了した細胞における末端アルキン修飾ヌクレオシド誘導体の取り込みを、アジド部分を含むレポーター分子を用いて測定し、該取り込みを対照群と比較する工程、並びに
(d)前記(c)の比較結果に基づいて、末端アルキン修飾ヌクレオシド誘導体の取り込み率を変化させる物質を選択する工程。
〔3〕下記の工程(a)、(b’)、(c’)及び(d’)を含む、前記〔1〕記載のスクリーニング方法:
(a)細胞を紫外線又は変異原で処理し、DNA損傷を誘発する工程、
(b’)被験物質、工程(a)で処理した細胞及びアジド修飾ヌクレオシド誘導体を接触させる工程、
(c’)上述の工程が終了した細胞におけるアジド修飾ヌクレオシド誘導体の取り込みを、末端アルキンを含むレポーター分子を用いて測定し、該取り込みを対照群と比較する工程、並びに
(d’)前記(c’)の比較結果に基づいて、アジド修飾ヌクレオシド誘導体の取り込み率を変化させる物質を選択する工程。
〔4〕細胞と被験物質の接触が工程(a)の前で行われ、工程(a)で被験物質の接触が完了し、工程(b)又は(b’)で被験物質の接触が省略される、前記〔2〕又は〔3〕に記載のスクリーニング方法。
〔5〕工程(a)で用いる細胞における遺伝子の発現を制限する操作が工程(a)の前で行われ、
工程(a)で当該細胞における当該遺伝子の発現が制限されており、
工程(b)又は(b’)で被験物質の接触が省略され、かつ
工程(d)又は(d’)において取り込み率を変化させる、発現が制限された遺伝子を選択する、前記〔2〕又は〔3〕に記載のスクリーニング方法。
〔6〕DNAが損傷した細胞におけるDNA修復能力を賦活する遺伝子、DNA損傷の誘発を抑制する遺伝子又はDNA修復に影響を与える遺伝子を探索するための方法である、前記〔5〕に記載のスクリーニング方法。
〔7〕DNA修復欠損を伴う疾患あるいは正常ヒトにおいて自然発生したDNA修復欠損が原因となる疾患の治療剤の有効成分を探索するための方法である、前記〔1〕〜〔6〕のいずれかに記載のスクリーニング方法。
〔8〕DNA修復欠損を伴う疾患が、色素性乾皮症、コケイン症候群又は硫黄欠乏性毛髪発育異常症である、前記〔7〕に記載のスクリーニング方法。
〔9〕アンチエイジング効果を有する化粧品又は医薬品の成分を探索するための方法である、前記〔1〕〜〔6〕のいずれかに記載のスクリーニング方法。
〔10〕アンチエイジング効果を有する化粧品又は医薬品が紫外線防護化粧品である、前記〔9〕に記載のスクリーニング方法。
〔11〕下記の工程(b’’)、(c’’)及び(d’’)を含む、DNA損傷を指標とした物質の毒性の有無のスクリーニング方法である、前記〔1〕記載のスクリーニング方法:
(b’’)試験物質、細胞及び末端アルキン修飾ヌクレオシド誘導体を接触させる工程、
(c’’)試験物質を接触させた細胞における末端アルキン修飾ヌクレオシド誘導体の取り込みを、アジド部分を含むレポーター分子を用いて測定し、該取り込みを試験物質を接触させない対照細胞における取り込みと比較する工程、並びに
(d’’)前記(c’’)の比較結果に基づいて、末端アルキン修飾ヌクレオシド誘導体の取り込み率を有意に増加させる物質を細胞毒性を示す物質と判定する工程。
〔12〕下記の工程(b’’’)、(c’’’)及び(d’’’)を含む、DNA損傷を指標とした物質の毒性の有無のスクリーニング方法である、前記〔1〕記載のスクリーニング方法:
(b’’’)試験物質、細胞及びアジド修飾ヌクレオシド誘導体を接触させる工程、
(c’’’)試験物質を接触させた細胞におけるアジド修飾ヌクレオシド誘導体の取り込みを、末端アルキンを含むレポーター分子を用いて測定し、該取り込みを試験物質を接触させない対照細胞における取り込みと比較する工程、並びに
(d’’’)前記(c’’’)の比較結果に基づいて、アジド修飾ヌクレオシド誘導体の取り込み率を有意に増加させる物質を細胞毒性を示す物質と判定する工程。
〔13〕DNA修復欠損を伴う細胞の検出方法であって、下記の工程(A)、(B)、(C)及び(D):
(A)被験者から採取した細胞を紫外線又は変異原で処理し、DNA損傷を誘発する工程、
(B)工程(A)で処理した細胞と末端アルキン修飾ヌクレオシド誘導体とを接触させる工程、
(C)紫外線処理した細胞における末端アルキン修飾ヌクレオシド誘導体の取り込みを、アジド部分を含むレポーター分子を用いて測定し、該取り込みをDNA損傷処理した対照細胞における取り込みと比較する工程、並びに
(D)前記(C)の比較結果に基づいて、被験者におけるDNA修復欠損の有無を判定する工程、を含む方法。
〔14〕DNA修復欠損を伴う細胞の検出方法であって、下記の工程(A)、(B’)、(C’)及び(D’):
(A)被験者から採取した細胞を紫外線又は変異原で処理し、DNA損傷を誘発する工程、
(B’)工程(A)で処理した細胞とアジド修飾ヌクレオシド誘導体とを接触させる工程、
(C’)紫外線処理した細胞におけるアジド修飾ヌクレオシド誘導体の取り込みを、末端アルキンを含むレポーター分子を用いて測定し、該取り込みをDNA損傷処理した対照細胞における取り込みと比較する工程、並びに
(D’)前記(C’)の比較結果に基づいて、被験者におけるDNA修復欠損の有無を判定する工程、を含む方法。
〔15〕DNA修復欠損を伴う細胞が、色素性乾皮症、コケイン症候群又は硫黄欠乏性毛髪発育異常症の可能性がある患者に由来するものである、前記〔13〕又は〔14〕に記載の検出方法。
〔16〕末端アルキン修飾ヌクレオシド誘導体とアジド部分を含むレポーター分子とを組み合わせた試薬セット、又はアジド修飾ヌクレオシド誘導体と末端アルキンを含むレポーター分子とを組み合わせた試薬セットを含む、DNA修復欠損を伴う疾患の診断キット。
〔17〕末端アルキン修飾ヌクレオシド誘導体とアジド部分を含むレポーター分子とを組み合わせた試薬セット、又はアジド修飾ヌクレオシド誘導体と末端アルキンを含むレポーター分子とを組み合わせた試薬セットを含む、DNAが損傷した細胞における修復能力を賦活する物質もしくは遺伝子、DNA損傷の誘発を抑制する物質もしくは遺伝子、DNA修復に影響を与える物質もしくは遺伝子、又はDNA損傷を指標とした物質の毒性の有無のスクリーニング用キット。
本発明のスクリーニング方法は、末端にアルキン結合を有するヌクレオシド誘導体を、アジド部分を有する検出試薬(例、蛍光色素)により検出する手法、もしくはアジド部分を有するヌクレオシド誘導体を末端アルキン修飾の検出試薬(例、蛍光色素)により検出する手法により、従来技術と比較して、放射性同位体の使用及びDNA変性等の前処理も必要としない、操作手順が非常に簡易化されただけでなく、感受性も改善されたUDS測定方法に基づいており、目的物質又は遺伝子のスクリーニングに要する時間も劇的に減少させる効果を有する。本発明の検出方法によると、被験細胞におけるDNA修復欠損の有無/DNA修復活性を迅速に判定することができる。早期に確定診断することで、現時点で治療方法が確立されていないXP等のDNA修復欠損性疾患に対して、日光防御等により症状の軽減及び進行遅延を図ることが可能となる。
図1Aは、正常ヒト初代線維芽細胞における紫外線誘発UDS活性の測定を示す。図1Bは、EdUアッセイの典型的な写真を示す。図1C−Fは、EdU取り込み(図1C及びD)又はBrdU取り込み(図1E及びF)により示されたUDS活性の測定を示す。 図2A−Gは、NER正常細胞及びNER欠損細胞における紫外線誘発UDSレベルを示す。図2Hは、H−チミジン取り込みによるUDSアッセイを示す。図2Iは、図2A−Gに対応するEdU取り込みの典型的な写真を示す。 図3Aは、正常48BR線維芽細胞及びXPG欠損XP20BE線維芽細胞における紫外線誘発EdU取り込みの写真を示す。図3Bは、静止細胞における紫外線誘発EdU取り込みの写真を示す。 図4Aは、ラテックスビーズ存在下でのEdUアッセイの典型的な写真を示す。図4B−Dは、内部標準48BRと48BR(図4B)、XP12BR(図4C)及びXP15BR(図4D)とのUDSアッセイのヒストグラムを示す。 図5は、FdU添加での、より長期のインキュベーション及び酸抽出による感受性の改善を示す。 図6は、EdU取り込みによる物質のスクリーニング方法の一例を示す。
I 試薬セット
本発明のスクリーニング方法及び検出方法は、末端アルキン修飾ヌクレオシド誘導体とアジド部分を含むレポーター分子とを組み合わせた試薬セット(1)、又はアジド修飾ヌクレオシド誘導体と末端アルキンを含むレポーター分子とを組み合わせた試薬セット(2)を用いることを特徴とする。
試薬セット(1)
試薬セット(1)に含まれる末端アルキン修飾ヌクレオシド誘導体は、ヌクレオシドの末端にアルキニル(好ましくは、エチニル)基を有するヌクレオシドを包含し、例えばUDS測定には、エチニルデオキシアデノシン(EdA)、エチニルデオキシグアノシン(EdG)、エチニルデオキシシチジン(EdC)、エチニルチミジン(EdT)及びエチニルデオキシウリジン(EdU)が、RRS測定にはエチニルアデノシン(EA)、エチニルグアノシン(EG)、エチニルシチジン(EC)、エチニルウリジン(EU)等が挙げられるが、これに限定されるものではない。末端アルキン修飾ヌクレオシド誘導体は、アプリケーションによっては、前記したヌクレオシド部分を含むヌクレオチド、例えば、エチニルデオキシアデノシン三リン酸(E-dATP)等であってもよい。これらの化合物は、公知の方法によって製造することができる(Synlett, 2000,1: pp.86-88)。本発明においては、市販品を好適に利用することができる。
本発明においては、UDS測定においてはEdA、EdG、EdC、EdT及びEdUからなる群より選ばれる少なくとも1種の末端アルキン修飾ヌクレオシド誘導体を用いることが好ましく、EdUがより好ましい。またRRS測定においてはEA、EG、EC及びEUからなる群より選ばれる少なくとも1種の末端アルキン修飾ヌクレオチド誘導体を用いることが好ましく、EUがより好ましい。
試薬セット(1)に含まれるアジド部分を含むレポーター分子は、銅イオンが触媒するアジド−アルキンシクロ付加反応(CuAAC)によって前記末端アルキン修飾ヌクレオシド誘導体と結合し、かつ検出可能な分子を包含する。当該レポーター分子は、検出を容易ならしめるために、蛍光色素であることが好ましく、例えば、Alexa Fluor(登録商標)488アジド、Alexa Fluor(登録商標)594アジド又はAlexa Fluor(登録商標)647アジド、Oregon Green(登録商標)488アジド、テトラメチルローダミンアジド等が挙げられる。これらの化合物は、公知の方法によって製造することができる。本発明においては、市販品を好適に利用することができる。
試薬セット(2)
試薬セット(2)に含まれるアジド修飾ヌクレオシド誘導体は、アジド化されたヌクレオシドを包含し、例えばUDS測定には、アジドデオキシアデノシン、アジドデオキシグアノシン、アジドデオキシシチジン、アジドチミジン及びアジドデオキシウリジン等が、RRS測定にはアジドアデノシン、アジドグアノシン、アジドシチジン、アジドウリジン等が挙げられるが、これに限定されるものではない。アジド修飾ヌクレオシド誘導体は、前記したヌクレオシド部分を含むヌクレオチド、例えば、アジドデオキシアデノシン三リン酸(N-dATP)、等であってもよい。これらの化合物は、公知の方法によって製造することができる(Anal. Biochem., 1998, 258:pp.195-201)。本発明においては、市販品を好適に利用することができる。
本発明においては、UDS測定においてはアジドデオキシアデノシン、アジドデオキシグアノシン、アジドデオキシシチジン、アジドデオキシチミン及びアジドデオキシウリジンからなる群より選ばれる少なくとも1種のアジド修飾ヌクレオシド誘導体を用いることが好ましく、アジドデオキシウリジンがより好ましい。またRRS測定においてはアジドアデノシン、アジドグアノシン、アジドシチジン、アジドウリジンからなる群より選ばれる少なくとも1種の末端アルキン修飾ヌクレオチド誘導体を用いることが好ましく、アジドウリジンがより好ましい。
試薬セット(2)に含まれる末端アルキンを含むレポーター分子は、銅イオンが触媒するアジド−アルキンシクロ付加反応(CuAAC)によって前記アジド修飾ヌクレオシド誘導体と結合し、かつ検出可能な分子を包含する。当該レポーター分子は、検出を容易ならしめるために、蛍光色素であることが好ましく、例えば、Alexa Fluor(登録商標)488アルキン、Alexa Fluor(登録商標)594アルキン、Alexa Fluor(登録商標)647アルキン、Oregon Green(登録商標)488アルキン、テトラメチルローダミンアルキン等が挙げられる。これらの化合物は、公知の方法によって製造することができる。本発明においては、市販品を好適に利用することができる。
II 損傷DNAの修復又はRNA合成阻害を指標とした物質又は遺伝子のスクリーニング方法
一実施態様として、本スクリーニング方法は、試薬セット(1)を用いる。
(a)細胞を紫外線又は変異原で処理し、DNA損傷を誘発する工程
工程(a)で用いる細胞は、特に限定されるものではなく、あらゆる生物由来の、あらゆる組織由来の細胞であってもよい。ヒトに有用な物質の探索のためには、ヒト由来の細胞又は疾患モデルマウス等の細胞が好ましく、初代培養細胞であっても継代された細胞株であってもよい。例えば、正常1BR、48BR、142BR及び251BR等のヒト初代線維芽細胞、XP12BR、XP15BR、XP13BR及びXP20BE等のXP患者由来細胞が挙げられるが、これらに限定されない。これらの細胞は、動物の組織から常法により採取したものを用いてもよく、寄託機関から分譲される細胞株又は市販の細胞株を用いてもよい。スクリーニングの対象が遺伝子である場合には、RNA干渉法又は遺伝子破壊法、その他の手法により、スクリーニング対象遺伝子の発現を制限した被験細胞を用いる。
細胞の培養条件は、用いる細胞に応じて当業者であれば適宜設定することができ、動物細胞の場合、約5〜20%のウシ胎仔血清を含む最少必須培地(MEM)、ダルベッコ変法イーグル培地(DMEM)、RPMI1640培地、199培地等が挙げられる。培養条件も同様に適宜決定されるが、例えば、培地のpHは約6〜約8であり、培養温度は通常約30〜約40℃であり、セミコンフルエント密度で維持することが好ましい。
細胞を紫外線処理する方法は、用いる細胞に応じて当業者であれば適宜設定することができる。例えば、波長254nmの紫外線を照射する場合、ヒト線維芽細胞に対して、5〜20J/mの条件が例示され、これにより、DNA損傷が誘発される。
細胞を変異原で処理する方法は、用いる細胞及び変異原に応じて当業者であれば適宜設定することができる。ここで、変異原としては、ニトロソアミン、ニトロソグアノシン等のニトロソ化合物;エチル化剤N-エチル-N-ニトロソウレア(ENU)、メチル化剤エタンスルホン酸メチル(EMS)等のアルキル化剤;ベンツピレン、クリセン等の多環芳香族炭化水素;臭化エチジウム等のDNAインターカレーター;シスプラチン、マイトマイシンC等のDNA架橋剤;活性酸素;電離放射線が挙げられるが、これらに限定されない。また、毒性試験においては被験物質にて細胞を処理する工程のみを行い、別途の損傷誘発処理は行わない。
(b)被験物質、工程(a)で処理した細胞及び末端アルキン修飾ヌクレオシド誘導体を接触させる工程
被験物質としては、いかなる公知物質及び新規物質であってもよく、例えば、核酸、糖質、脂質、タンパク質、ペプチド、有機低分子化合物、コンビナトリアルケミストリー技術を用いて作製された化合物ライブラリー、固相合成及び/又はファージディスプレイ法により作製されたランダムペプチドライブラリー、あるいは微生物、動植物、海洋生物等由来の天然成分等が挙げられる。スクリーニング対象が遺伝子である場合には別途の被験物質との接触工程は省略され得る。また、毒性試験においては工程(a)にて被験物質との接触が既になされている。
被験物質と細胞の接触及び末端アルキン修飾ヌクレオシド誘導体と細胞の接触は、培養培地中で行われる。ヒト線維芽細胞の場合、例えば、約5〜20%のウシ胎仔血清を含むDMEM中で培養し、当該培地中に所定濃度の被験物質及び末端アルキン修飾ヌクレオシド誘導を添加し、約30〜約40℃で、約0.5〜約72時間培養を続けることにより、接触が完了する。被験物質と細胞の接触を行うタイミングは、対象となるスクリーニングの種類に応じて、例えばDNA損傷修復促進効果をUDSの活性にて測定するのであれば、工程(a)の後に、又はDNA損傷誘発の抑制効果をUDSの活性にて測定するのであれば、工程(a)の前に、あるいはDNA損傷修復促進効果をRRSの活性にて測定するのであれば、工程(a)の12〜48時間後に行う等、適宜選択する。
(c)上述の工程が終了した細胞における末端アルキン修飾ヌクレオシド誘導体の取り込みを、アジド部分を含むレポーター分子を用いて測定し、該取り込みを、対照群と比較する工程
工程(b)で接触が完了した細胞を、界面活性剤を含むホルムアルデヒド溶液等を用いて、固定又は透過処理する。その後細胞を十分洗浄し、遊離の末端アルキン修飾ヌクレオシド誘導体を除いた後、細胞内に取り込まれた末端アルキン修飾ヌクレオシド誘導体を、アジド部分を含むレポーター分子を用いて測定する。末端アルキン基とアジドの結合反応は、Cuイオンの存在下、室温でインキュベートすることにより行われる。結合したレポーター分子は、レポーターの種類に応じて常法により測定することができるが、蛍光色素であるレポーター分子を用いる場合は、励起波長と検出波長を組み合わせて、蛍光色素から発する特定の波長の蛍光を容易に測定できるので好ましい。蛍光の測定は、細胞をカバーガラス上に固定して、CCDカメラを備えた蛍光顕微鏡で細胞の写真を取り込み、取り込み画像を処理し、ソフトウェアで解析することができる。S期の細胞は測定対象から除く。浮遊細胞の場合は、フローサイトメトリーにより解析することができる。
また、細胞をマイクロタイタープレート上で培養することで、ハイスループットスクリーニングに対応し、In−Cell−Analyzer等のハイスループットイメージングシステムにより解析することもできる。
対照となる細胞も同様に測定し、被験操作を行った細胞における末端アルキン修飾ヌクレオシド誘導体の取り込みを比較する。このようにして、本工程においてUDS又はRRSを測定することができる。
(d)前記(c)の比較結果に基づいて、末端アルキン修飾ヌクレオシドの取り込み率を変化させる物質又は遺伝子を選択する工程
対照操作を行った細胞における末端アルキン修飾ヌクレオシド誘導体の取り込み量に比べて、被験操作を行った細胞における末端アルキン修飾ヌクレオシド誘導体の取り込み量が有意に変化する場合、当該被験操作に含まれるスクリーニング対象となる物質又は遺伝子は、末端アルキン修飾ヌクレオシドの取り込み率を変化させるものとして選択することができる。このようにして選択された物質又は遺伝子は、DNA損傷の修復を賦活させる、又はDNA損傷の発生を抑制する、あるいはDNA修復に関与する遺伝子の候補として、様々な用途に利用することができる。毒性試験においては、対象となる物質の毒性評価に利用できる。
別の実施態様として、本発明のスクリーニング方法は、試薬セット(2)を用いる。
(a)細胞を紫外線又は変異原で処理し、DNA損傷を誘発する工程
前記工程(a)と同様である。スクリーニングの対象が遺伝子である場合には、RNA干渉法又は遺伝子破壊法その他の手法により、スクリーニング対象遺伝子の発現を制限した被験細胞を用いる。また、毒性試験においては被験物質にて細胞を処理する工程のみを行い、別途の損傷誘発処理は行わない。
(b’)被験物質、工程(a)で処理した細胞及びアジド修飾ヌクレオシド誘導体を接触させる工程
前記工程(b)において、末端アルキン修飾ヌクレオシド誘導体の代わりに、アジド修飾ヌクレオシド誘導体を用いること以外は、工程(b)と同様である。スクリーニング対象が遺伝子である場合には別途の被験物質との接触工程は省略され得る。また、毒性試験においては工程(a)にて被験物質との接触が既になされている。
(c’)上述の工程が終了した細胞におけるアジド修飾ヌクレオシド誘導体の取り込みを、末端アルキンを含むレポーター分子を用いて測定し、該取り込みを、対照群と比較する工程
前記工程(b’)で接触が完了した細胞を、アジド修飾レポーター分子の代わりに、末端アルキンを含むレポーター分子を用いて測定すること以外は、前記工程(c)と同様である。
(d’)前記(c’)の比較結果に基づいて、アジド修飾ヌクレオシド誘導体の取り込み率を変化させる物質又は遺伝子を選択する工程
被験物質を接触させない対照の細胞におけるアジド修飾ヌクレオシド誘導体の取り込み量に比べて、被験操作を行った細胞におけるアジド修飾ヌクレオシド誘導体の取り込み量が有意に変化する場合、当該被験操作に含まれるスクリーニング対象となる物質又は遺伝子は、アジド修飾ヌクレオシドの取り込み率を変化させるものとして選択することができる。このようにして選択された物質又は遺伝子は、DNA損傷の修復を賦活させる、又はDNA損傷の発生を抑制する、あるいはDNA修復に関与する遺伝子の候補として、様々な用途に利用することができる。毒性試験においては、対象となる物質の毒性評価に利用できる。
本発明のスクリーニング方法により選択された物質及び遺伝子は、DNA修復欠損を伴う疾患の治療剤の有効成分及びアンチエイジング効果を有する化粧品及び/又は医薬品(例、紫外線防護化粧品)の成分、あるいはこれらの成分を探索するための新たなスクリーニング方法の開発等(当該遺伝子のノックアウトマウスを作成し、スクリーニングに供する等)に関して有用である。ここで言う「アンチエイジング効果」とは、紫外線照射、活性酸素等に起因する細胞老化を抑制する作用を言う。
DNA修復欠損を伴う疾患としては、ヌクレオチド除去修復欠損性疾患、例えば色素性乾皮症、コケイン症侯群又は硫黄欠乏性毛髪発育異常症等が挙げられるが、これらに限定されない。正常ヒトにおいて自然発生したヌクレオチド除去修復欠損が原因となる疾患としては、皮膚癌等が挙げられるが、これらに限定されない。
III DNA修復欠損を伴う細胞の検出方法
本発明は、前記試薬セット(1)又は(2)を用いて、DNA修復欠損を伴う細胞の検出方法を提供する。当該検出方法により得られた結果を利用して、DNA修復欠損を伴う疾患を診断することも可能である。一実施態様として、本検出方法は、試薬セット(1)を用い、ヌクレオチド除去修復欠損を伴う細胞を検出する。
(A)被験者から採取した細胞を紫外線又は変異原で処理し、DNA損傷を誘発する工程
DNA損傷処理対象の細胞は、被験者の生体組織の一部を採取し(皮膚生検等)、酵素処理により分散化し初期培養細胞とすることによって準備する。対照として、正常皮膚由来の線維芽細胞、XPの検出のためにはXP患者由来の線維芽細胞株(例えば、XP15BR(XP−A)、XP20BE(XP−G)、XP13BR(XP−C)、XP12BR(XP−D))、CSの検出のためにはCS患者由来の線維芽細胞(CS10LO(CS−B))を準備することも好ましい。
DNA損傷処理の条件としては、例えば、波長254nmの紫外線をヒト線維芽細胞に対して、5〜20J/mの照射が例示される。
(B)工程(A)で処理した細胞と末端アルキン修飾ヌクレオシド誘導体とを接触させる工程
スクリーニング方法における工程(b)において、被験物質を添加しないこと以外は工程(b)と同様である。
(C)DNA損傷処理した細胞における末端アルキン修飾ヌクレオシド誘導体の取り込みを、アジド部分を含むレポーター分子を用いて測定し、該取り込みをDNA損傷処理した対照細胞における取り込みと比較する工程
スクリーニング方法における工程(c)と同様である。
(D)前記(C)の比較結果に基づいて、被験者におけるヌクレオチド除去修復欠損の有無を判定する工程
被験者由来の細胞における末端アルキン修飾ヌクレオシド誘導体の取り込みが、正常対照細胞における取り込みに比べて有意に低い場合、当該被験者は、ヌクレオチド除去修復能力が低下していると判定することができる。また、当該被験者由来の細胞における取り込みを、例えば、典型的なXP患者のタイプ別の細胞における取り込みとそれぞれ比較することにより、被験者がいずれかのタイプのXPに罹患しているか否かの目安とすることもできる。
別の実施態様として、本検出方法は、試薬セット(2)を用いる。
(A)被験者から採取した細胞を紫外線又は変異原で処理し、DNA損傷を誘発する工程
前記工程(A)と同様である。
(B’)工程(A)で処理した細胞とアジド修飾ヌクレオシド誘導体とを接触させる工程
前記工程(B)において、末端アルキン修飾ヌクレオシド誘導体の代わりに、アジド修飾ヌクレオシド誘導体を用いること以外は、工程(B)と同様である。
(C’)DNA損傷処理した細胞におけるアジド修飾ヌクレオシド誘導体の取り込みを、末端アルキンを含むレポーター分子を用いて測定し、該取り込みをDNA損傷処理した対照細胞における取り込みと比較する工程
前記工程(B’)で接触が完了した細胞を、アジド修飾レポーター分子の代わりに、末端アルキンを含むレポーター分子を用いて測定すること以外は、前記工程(C)と同様である。
(D’)前記(C’)の比較結果に基づいて、被験者におけるヌクレオチド除去修復欠損の有無を判定する工程
前記工程(D)において、末端アルキン修飾ヌクレオシド誘導体の代わりに、アジド修飾ヌクレオシド誘導体の取り込みを検定すること以外は、工程(D)と同様である。
本発明の検出方法は、色素性乾皮症、コケイン症候群又は硫黄欠乏性毛髪発育異常症等のDNA修復欠損に由来する細胞を対照として比較することにより、被験者がこれらのいずれかの疾患に罹患しているか否かの診断にも寄与することができる。本発明の検出方法を用いて、これらの患者由来の細胞をアッセイすることにより、診断の基準値を設定することも可能である。
本発明は、前記試薬セット(1)又は試薬セット(2)を含む、DNA修復欠損を伴う疾患の診断キットを提供する。
また、本発明は、前記試薬セット(1)又は試薬セット(2)を含む、DNAが損傷した細胞における修復能力を賦活する物質もしくは遺伝子、DNA損傷の誘発を抑制する物質もしくは遺伝子、DNA修復に影響を与える物質もしくは遺伝子、又はDNA損傷を指標とした物質の毒性の有無のスクリーニング用キットを提供する。
前記キットには、さらに、クリックケミストリー反応のための溶媒もしくは触媒(CuSO等)又は細胞周期検出用蛍光色素等の試薬、又は、当該試薬セットをDNAが損傷した細胞における不定期DNA合成の検出に使用できること、又は使用すべきであることを記載した指示書を含んでいてもよい。
次に、実施例により本発明をさらに具体的に説明する。
[試験例1]
EdU取り込みによる紫外線誘発UDSの最適化
48BR細胞をカバーガラス上で培養し、コンフルエント密度で維持した。細胞をPBSで洗浄し、続いて異なる照射量(5−20J/m)の紫外線(254nm)を照射した。紫外線照射後、直ちに10μMのEdUを含む無血清DMEMで、細胞を異なる期間(0.5、1、2及び4時間)培養した。次いで、細胞をPBSで洗浄し、2% ホルムアルデヒド、0.5% トリトンX−100及び300μM スクロース含有PBSで20分間固定・透過処理をした。PBSで徹底的に洗浄後、細胞を10% FBS加PBSで30分間処理した。取り込まれたEdUを、蛍光アジド結合反応により検出した(Click−iT、インビトロジェン)。検出の手順は以下の通りである。4mMのCuSOを添加したTBS中で、アジド結合Alexa Fluor488色素と共に、細胞を30分間インキュベートし、次いで、0.05% Tween−20(PBST)含有PBSで細胞を3回洗浄した。カバーガラスをPBSに浸漬し、3.7% ホルムアルデヒド加PBSで20分間固定し、アクアポリマウント(Polysciences)でガラススライド上に装着した。CCDカメラを備えた蛍光顕微鏡(BIOREVO9000−KEYENCE)で細胞の写真を取り込み、取り込み画像をImageJ ソフトウェア(NIH)で解析した。一つの取り込んだ視野から少なくとも50個のS期でない細胞を無作為に選択し、核の平均蛍光強度を算出した。対照として、紫外線照射の過程において正常細胞を偽処理した以外は、同一の条件でEdUアッセイを行い、画像を解析した。
(結果)
図1Aより、核の蛍光強度が紫外線照射量及びEdUインキュベーション時間の両方に比例していることが明らかになり、この評価項目が、半定量的にUDS活性へと直接転換でき、取り込まれたEdU量を示すことも分かった。また、比較的少ない紫外線照射において、紫外線照射後の短期間のEdUインキュベーションで、核蛍光シグナルを検出することができた。また、20J/mの紫外線照射の後、細胞をEdUと共に2時間インキュベーションをすることが、UDSアッセイを行うにあったって最適条件であると示された。以後、特に規定がない限り全ての実施例にはこの条件を用いた。
図1Bより、H−チミジンで標識しオートラジオグラフィーを用いた手法において見られたS期細胞における細胞周期DNA合成由来の強いシグナルは、修復合成に起因するより弱い細胞周期非依存的な不定期DNA合成によるEdU取り込みとは区別される。さらに、非特異的細胞質染色又はDNA複製非依存的核シグナルをほとんど検出しなかったことより、蛍光アジド結合反応は、取り込まれたEdUに特異的であると示された。
以上より、本技法がごく微量のUDS活性を検出するのに十分な感受性があることを示唆する。
[試験例2]
EdU取り込みアッセイとBrdU取り込みアッセイとの比較
ヒト由来の正常な初代線維芽細胞48BR細胞及びXP−A患者由来の初代線維芽細胞であるXP15BR細胞において、紫外線照射(対照は偽処理)後にEdU又はBrdUを取り込ませて、UDS活性を比較した。
細胞のEdU処理手順は前述の通りである。BrdUの取り込み測定においては、EdUの代わりに5μMのBrdUを添加した以外は同一の条件でBrdUと共に培養し、洗浄後、固定・透過処理を行った。PBSにより徹底的に洗浄した後、DNA変性のために4M HCl加PBSで細胞を15分間処理した。中和のために細胞をPBSで徹底的に洗浄し、続いて10% FBS加PBSで30分間固定した。マウス抗BrdU抗体(BD、PBSTで1:150に希釈)と共に1時間インキュベートすることにより、取り込まれたBrdUを検出した。次いで、細胞をPBSTで3回洗浄し、続いてAlexa Fluor488結合ヤギ抗マウスIgG(インビトロジェン、PBSTで1:500に希釈)と共に1時間インキュベーションした。カバーガラスをPBSに浸漬し、3.7% ホルムアルデヒド加PBSで20分間固定し、アクアポリマウント(Polysciences)でガラススライド上に装着した。画像取り込み及び解析を、上述の通り行った。
(結果)
正常48BR(UDS陽性、図1C)及びXP欠損15BR(UDS陰性、図1D)線維芽細胞の両方に関する、EdUの取り込みに基づくUDSアッセイについての強度分散プロットは、確立されたオートラジオグラフィーに基づく実験のそれと似ているが、本試験例では、バックグラウンドUDSレベルが、オートラジオグラフィー由来のものよりも比較的高かったことを認めた。EdUアッセイは、常に小さなSD(10−15%)を提供した。
また、EdUに基づくアッセイとBrdUに基づくアッセイとの相対的感受性を比較したところ、BrdUの感受性及び解像度は、EdUと比較しても制限される(図1E及び図1F)。これは、BrdUを一般にS期標識に用いる報告がされているのに対して、UDSアッセイに用いる報告がほとんど無いことからも示唆される。正常48BR線維芽細胞及びXP欠損XP15BR線維芽細胞のヒストグラムは、BrdUに基づくアッセイによっても区別され得るが(図1E及び図1F)、解像度並びにSDは、EdU方法において両方とも顕著に改善されており、UDSアッセイにおいて、BrdUよりもEdUを用いる方が感受性が高いことを示している。
[試験例3]
NER欠損初代線維芽細胞における紫外線誘発EdU取り込み
EdUの取り込みに基づくUDS測定法のXP診断方法への適用を検討するために、数種のNER欠損初代線維芽細胞並びに正常コントロールにおける、紫外線誘発EdU取り込みレベルを検討した(対照は紫外線処理なし)。使用した細胞は、48BR、1BR、XP15BR、XP20BE、XP13BR、XP12BR、CS10LOである。EdUに基づくUDS活性の測定は前述の通りである。
(結果)
試験結果を図2A−Gのヒストグラム及び図2Iの写真に示す。XPは遺伝的な異種疾患(原因遺伝子が単一ではない疾患)であるため、異常を持つNER遺伝子及び変異の型の両方が、UDSにおける欠損の規模を決定する。XP15BR(XP−A)、XP20BE(XP−G/CS)、XP13BR(XP−C)、XP12BR(XP−D)及びCS患者由来CS10LO(CS−B)細胞におけるUDSを測定した。20J/mで紫外線照射した結果、正常線維芽細胞48BR(図2A)及び1BR(図2B)における実質的UDSを観察した。深刻なXP患者由来のXP15BR(XP−A、図2C)及びXP20BE(XP−G、図2D)線維芽細胞におけるUDSをほとんど検出しなかったが、XP−C患者由来のXP13BR(図2E)線維芽細胞において、検出限界(正常の最大20%)に近いUDS活性を検出した。また図2Iより、正常細胞においてEdU取り込みが行われているのに対し、NER欠損細胞においてはEdU取り込みが確認されないことから、S期でない細胞における紫外線誘発EdU取り込みは、NERの修復DNA合成に特異的であることが示された。
[比較例1]
H−チミジン取り込みアッセイ
H−チミジンに基づくUDSアッセイの詳細は、以下の通りである。静止細胞(XP15BR、XP13BR、XP12BR及び4つの異なる正常細胞(1BR、48BR、142BR及び251BR))を1% DMEM中で3日間培養した(3×10細胞/5cm直径プレート)。それらを10mM ヒドロキシウレア(HU)と共に1時間インキュベートした後、指示照射量で紫外線照射した。10μCi/ml H−チミジン及び10mM HU含有1% DMEMでさらに3時間インキュベートした。酸不溶性物質内に取り込まれたH−チミジンを、液体シンチレーションカウントにより測定した。
XP15BR、XP13BR、XP12BR及び4つの異なる正常細胞(1BR、48BR、142BR及び251BR)におけるUDS(正常細胞は4種のレベルの平均)を、EdU取り込みを用いて得たそれらと結果を比較した。UDSレベルを正規化し、10J/mの正常細胞におけるUDSの割合として算出した。図2Hの示すMean Normalは、4つの異なる正常細胞株(1BR、48BR、142BR及び251BR)の平均UDSレベルである。
(結果)
図2Hより、UDS活性はXP15BRにおいてはほとんど検出されなかったが、XP13BR及びXP12BRにおいてはそれぞれ正常値の最大約20%及び最大約40%であり、これはEdUの取り込みに基づくアッセイの結果である図2C、図2E及び図2Fの示す結果と十分一致する。また、この結果から中間的なUDS活性(正常UDSレベルの20から40%)を示す細胞が、EdUの取り込みに基づくアッセイにより、正常なUDS活性及び深刻なUDS欠損の両方から区別され得ることが実証された。
一方、図2Gは、正常線維芽細胞と比較してUDSレベルのわずかな(最大20%)減少を示すが、これが有意な減少であり、NER異常の範囲内まで低下する傾向にあるとはすぐには断言できない。CSは、NERのうちのTCR経路の機能が低下しただけであり、NER活性の90%程度を占めるGGRは正常であるため、NERの欠損はしばしば微弱である。
[比較例2]
免疫染色との適合性の比較
EdUの取り込みに基づくUDS測定法の臨床診断への適用を検討するために、本技法と内部標準を用いた他の標準技法によるUDSアッセイとの適合性を評価した。48BR細胞及びXP20BE細胞を1:1の比率で混合培養した(ki67染色については48BR単独)。紫外線照射、EdUインキュベーション並びに固定・透過処理工程を、前述の通り行った。抗体検出のために、PBS中10% FBSで30分間細胞を固定し、続いてマウスモノクローナル抗XPG(8H7、サンタクルーズバイオテクノロジー)抗体(PBSTで1:100に希釈)又はウサギモノクローナル抗ki67(SP6、サーモサイエンティフィック)抗体(PBSTで1:100に希釈)と共に1時間インキュベーションした。次いで、細胞をPBSTで三回洗浄し、続いて二次抗体(XPG及びki67検出のためにそれぞれ、Alexa Fluor594結合ヤギ抗マウスIgG(インビトロジェン、PBSTで1:1000に希釈)、及びAlexa Fluor594結合ヤギ抗ウサギIgG(インビトロジェン、PBSTで1:1000に希釈))と共に1時間インキュベーションした。不必要な核の蛍光を避けるために、DAPI染色を省いた。PBSTによる徹底的な洗浄の後、3.7% ホルムアルデヒド加PBSで20分間細胞を固定した。その後、EdU検出を前述の通り行った。
(結果)
図3A及び図3Bより、EdUへの蛍光アジド結合が、免疫蛍光染色と完全に適合することが分かった。指標線維芽細胞並びに本試験例中の標的を同一カバーガラス上で共培養した結果、厳密な内部コントロールを得た。図3Aにおいて、正常線維芽細胞及びXPG欠損線維芽細胞を共培養し、続いてXPG抗体による免疫染色と組み合わせてUV−UDSアッセイを行った結果、EdU陽性細胞(S期を除く)は、XPG陽性細胞と完全に一致し、2つの異なる細胞集団がUDSアッセイにおいて区別され得ることが示された。同様に、図3Bにおいて、EdUアッセイについての細胞周期選択性があるかどうかを調べた結果、増殖マーカーki67による共免疫染色は、静止線維芽細胞(ki67染色なし)並びに増殖集団においてUDSを検出し得ることを実証した。
[試験例4]
これまでの結果より、UDS活性におけるNER欠損のレベルは異なるXP患者の間で変動する。患者がNER不全であるかどうかを、患者由来の線維芽細胞の残留UDS活性と指標細胞のそれとを比較することにより評価されることが理想的である。このことを確認するために、実用的なUDSに基づくXP診断において、細胞質中にラテックスビーズを導入することで前処理した正常線維芽細胞を、患者由来の線維芽細胞と共に共培養した。「ビーズ標識細胞」は、試料から試料への染色の変動を除去する、位相差顕微鏡下で検出され得る内部標準を提供する。本技術がまた、EdUアッセイと適合するかどうかを検査した。まず、ラテックスビーズが核蛍光強度に作用しないかどうかを調べた。
ラテックスビーズ存在下でのEdUアッセイ
正常48BR細胞を0.5μm直径ラテックスビーズで前標識し、カバーガラス上で指示XP線維芽細胞(48BR、XP12BR、XP15BR:ビーズなし)と共培養した。次いで、細胞を紫外線照射(20J/m)し、続いて10μM EdUと共に2時間インキュベーションした。次いで、カバーガラスを比較例1と同様に処理した。
(結果)
図4A上段及び対応するヒストグラム(図4B)に示すように、ビーズを導入した48BR細胞における蛍光強度は、ビーズのない細胞におけるそれと事実上同一であり、ビーズはEdUの取り込みに基づくUDSアッセイを妨げないことが示された。また、わずかな(XP12BR、図4A中段及び4C)並びに深刻な(XP15BR、図4A下段及び4D)UDS欠損線維芽細胞は両方とも、それらの核蛍光レベルにより、共培養した48BR線維芽細胞とは容易に区別することができた。内部コントロールのあるUDS測定値又は内部コントロールのないUDS測定値は、ほとんど同一であり(図2A、2C及び2Fと図4B、4D及び4Cとを比較)、EdUの取り込みに基づくアッセイにおける実験毎又は個別の実験内での個々のカバーガラスからカバーガラスの間の蛍光強度の変動は小さく、これは内部標準の使用が不適切な実験(例、GE’s In−Cell−Analyzer又はフローサイトメトリーを用いた蛍光に基づく高いスループットスクリーニング)に、EdUアッセイを適用する場合、利点となり得ることを示唆する。
[試験例5]
FdU添加、より長期のインキュベーション及び酸抽出による感受性の改善
前述したEdUの取り込みに基づく実験は、通例のXPスクリーニング並びに多くのNER研究について十分であるが、UDS活性が完全にない状態と非常に低いUDS活性との間の区別のようなさらなる正確さを要求する実験には、高い感受性が必要となる。そこで、特異的なEdUの取り込みを増加すること並びに非特異的バックグラウンドを低減することを試みた。チミジンアナログのDNA内への取り込みは、ヌクレオチドプール中で内生的に合成されたチミジンヌクレオチドに関連するその(チミジンアナログの)濃度に依存する。フルオロデオキシウリジン(FdU)は、チミジル酸合成のインヒビターであり、これは外因的に添加されたチミジン又はそのアナログに由来するヌクレオチドの細胞内濃度を増加させる。そこで、FdUを用いて、紫外線照射後に、より長いインキュベーション期間(4時間)を行った。さらに、バックグラウンドを低減するために、ブアン固定液(Sigma)を用いたストリンジェントな酸抽出を試みた。具体的な手順は以下の通りである。正常48BR細胞をカバーガラス上で培養し、紫外線照射(20J/m)し、続いて10μMのEdU及び1μMのFdU(Sigma)と共に4時間インキュベーションした。次いで、細胞を試験例1に示したように固定した。ブアン固定液を用いて酸抽出を30分間行い、続いてPBSでの徹底的な洗浄を行った。蛍光色素の結合及びEdUシグナルの検出は、比較例2における実験と同様である。
(結果)
図5に示すように、劇的ではないが、バックグラウンド(白及び赤いバー並びにそれらの相当するアスタリスクを比較)及びUDS特異的EdU取り込み(黒及び青いバーを比較)の両方が改善した。バーは、指示クラスにおける蛍光レベルの頻度を示し、紫外線照射あり(黒、図2Aと同様;青、+FdU+4時間インキュベーション+酸抽出)又は紫外線照射なし(白、図2Aと同様;赤、+FdU+4時間インキュベーション+酸抽出)である。
[実施例1]
96wellマイクロタイタープレート上に単層培養した正常ヒト初代線維芽細胞をPBSで洗浄し、20J/mで紫外線照射(254nm)する。紫外線照射後、10μM EdU(インビトロジェン)を添加した無血清DMEMにおいて、被験物質と共に細胞を直ちに2時間培養する。培養後、細胞をPBSで洗浄し、2% ホルムアルデヒド、0.5% トリトンX−100及び300mM スクロース含有PBSで20分間、固定及び透過処理を行う。PBSで徹底的に洗浄後、細胞を10%FBS加PBSで30分間ブロックする。4mM CuSOを添加したTBS中において、EdUとアジド結合Alexa Fluor488色素と共に、細胞を30分間インキュベートし、次いで、0.05% Tween−20(PBST)含有PBSで、細胞を3回洗浄する。各wellにPBSを100μlずつ加え、In−Cell−Analyser(http://www.gelifesciences.co.jp/catalog/web_catalog.asp?frame5_Value=675)(GE)で細胞の写真を全自動で取り込み、取り込み画像を統計処理し、平均核蛍光強度を算出する。
本願スクリーニング方法により選択された損傷DNA修復能を有する物質について、例えば日焼け止めクリーム及び紫外線傷害による老化を防護するアンチエイジング効果を示すクリーム等にこれを添加することにより、化粧品及び/又は医薬品等への応用が期待される。

Claims (16)

  1. 末端アルキン修飾ヌクレオシド誘導体とアジド部分を含む蛍光標識されたレポーター分子とを組み合わせた試薬セットを用いることを特徴とする、DNAが損傷した細胞におけるDNA修復能力を賦活する物質もしくは遺伝子、DNA損傷の誘発を抑制する物質もしくは遺伝子、DNA修復に影響を与える物質もしくは遺伝子、又はDNA損傷を指標とした物質の毒性の有無のスクリーニング方法であって、
    下記の工程(a)、(b)、(c)及び(d):
    (a)細胞を紫外線又は変異原で処理し、DNA損傷を誘発する工程、
    (b)被験物質、工程(a)で処理した細胞及び末端アルキン修飾ヌクレオシド誘導体を接触させる工程、
    (c)上述の工程が終了した細胞における末端アルキン修飾ヌクレオシド誘導体の取り込みを、アジド部分を含む蛍光標識されたレポーター分子を用いて測定し、該取り込みを対照群と比較する工程、並びに
    (d)前記(c)の比較結果に基づいて、末端アルキン修飾ヌクレオシド誘導体の取り込み率を変化させる物質を選択する工程を含み、
    工程(a)の細胞はヌクレオシド誘導体の取り込みのイメージングにより同定された非S期細胞であり、
    該取り込みは、S期細胞では測定されず、
    該測定は、CCDカメラを備えた蛍光顕微鏡またはハイスループットイメージングシステムを用いて行われる、スクリーニング方法
  2. アジド修飾ヌクレオシド誘導体と、末端アルキンを含む蛍光標識されたレポーター分子とを組み合わせた試薬セットを用いることを特徴とする、DNAが損傷した細胞におけるDNA修復能力を賦活する物質もしくは遺伝子、DNA損傷の誘発を抑制する物質もしくは遺伝子、DNA修復に影響を与える物質もしくは遺伝子、又はDNA損傷を指標とした物質の毒性の有無のスクリーニング方法であって、
    下記の工程(a)、(b’)、(c’)及び(d’):
    (a)細胞を紫外線又は変異原で処理し、DNA損傷を誘発する工程、
    (b’)被験物質、工程(a)で処理した細胞及びアジド修飾ヌクレオシド誘導体を接触させる工程、
    (c’)上述の工程が終了した細胞におけるアジド修飾ヌクレオシド誘導体の取り込みを、末端アルキンを含む蛍光標識されたレポーター分子を用いて測定し、該取り込みを対照群と比較する工程、並びに
    (d’)前記(c’)の比較結果に基づいて、アジド修飾ヌクレオシド誘導体の取り込み率を変化させる物質を選択する工程を含み、
    工程(a)の細胞はヌクレオシド誘導体の取り込みのイメージングにより同定された非S期細胞であり、
    該取り込みは、S期細胞では測定されず、
    該測定は、CCDカメラを備えた蛍光顕微鏡またはハイスループットイメージングシステムを用いて行われる、スクリーニング方法
  3. 細胞と被験物質の接触が工程(a)の前で行われ、工程(a)で被験物質の接触が完了し、工程(b)又は(b’)で被験物質の接触が省略される、請求項又はに記載のスクリーニング方法。
  4. 工程(a)で用いる細胞における遺伝子の発現を制限する操作が工程(a)の前で行われ、
    工程(a)で当該細胞における当該遺伝子の発現が制限されており、
    工程(b)又は(b’)で被験物質の接触が省略され、かつ
    工程(d)又は(d’)において取り込み率を変化させる、発現が制限された遺伝子を選択する、請求項又はに記載のスクリーニング方法。
  5. DNAが損傷した細胞におけるDNA修復能力を賦活する遺伝子、DNA損傷の誘発を抑制する遺伝子又はDNA修復に影響を与える遺伝子を探索するための方法である、請求項に記載のスクリーニング方法。
  6. DNA修復欠損を伴う疾患あるいは正常ヒトにおいて自然発生したDNA修復欠損が原因となる疾患の治療剤の有効成分を探索するための方法である、請求項1〜のいずれか1項に記載のスクリーニング方法。
  7. DNA修復欠損を伴う疾患が、色素性乾皮症、コケイン症候群又は硫黄欠乏性毛髪発育異常症である、請求項に記載のスクリーニング方法。
  8. アンチエイジング効果を有する化粧品又は医薬品の成分を探索するための方法である、請求項1〜のいずれか1項に記載のスクリーニング方法。
  9. アンチエイジング効果を有する化粧品又は医薬品が紫外線防護化粧品である、請求項に記載のスクリーニング方法。
  10. 下記の工程(b’’)、(c’’)及び(d’’)を含む、DNA損傷を指標とした物質の毒性の有無のスクリーニング方法:
    (b’’)試験物質、細胞及び末端アルキン修飾ヌクレオシド誘導体を接触させる工程、
    (c’’)試験物質を接触させた細胞における末端アルキン修飾ヌクレオシド誘導体の取り込みを、アジド部分を含む蛍光標識されたレポーター分子を用いて測定し、該取り込みを試験物質を接触させない対照細胞における取り込みと比較する工程、並びに
    (d’’)前記(c’’)の比較結果に基づいて、末端アルキン修飾ヌクレオシド誘導体の取り込み率を有意に増加させる物質を細胞毒性を示す物質と判定する工程
    ここで、工程(b’’)の細胞はヌクレオシド誘導体の取り込みのイメージングにより同定された非S期細胞であり、
    該取り込みは、S期細胞では測定されず、
    該測定は、CCDカメラを備えた蛍光顕微鏡またはハイスループットイメージングシステムを用いて行われる、スクリーニング方法
  11. 下記の工程(b’’’)、(c’’’)及び(d’’’)を含む、DNA損傷を指標とした物質の毒性の有無のスクリーニング方法:
    (b’’’)試験物質、細胞及びアジド修飾ヌクレオシド誘導体を接触させる工程、
    (c’’’)試験物質を接触させた細胞におけるアジド修飾ヌクレオシド誘導体の取り込みを、末端アルキンを含む蛍光標識されたレポーター分子を用いて測定し、該取り込みを試験物質を接触させない対照細胞における取り込みと比較する工程、並びに
    (d’’’)前記(c’’’)の比較結果に基づいて、アジド修飾ヌクレオシド誘導体の取り込み率を有意に増加させる物質を細胞毒性を示す物質と判定する工程
    ここで、工程(b’’’)の細胞はヌクレオシド誘導体の取り込みのイメージングにより同定された非S期細胞であり、
    該取り込みは、S期細胞では測定されず、
    該測定は、CCDカメラを備えた蛍光顕微鏡またはハイスループットイメージングシステムを用いて行われる、スクリーニング方法
  12. DNA修復欠損を伴う細胞の検出方法であって、下記の工程(A)、(B)、(C)及び(D):
    (A)被験者から採取した細胞を紫外線又は変異原で処理し、DNA損傷を誘発する工程、
    (B)工程(A)で処理した細胞と末端アルキン修飾ヌクレオシド誘導体とを接触させる工程、
    (C)紫外線処理した細胞における末端アルキン修飾ヌクレオシド誘導体の取り込みを、アジド部分を含む蛍光標識されたレポーター分子を用いて測定し、該取り込みをDNA損傷処理した対照細胞における取り込みと比較する工程、並びに
    (D)前記(C)の比較結果に基づいて、被験者におけるDNA修復欠損の有無を判定する工程、を含み、
    ここで、工程(A)の細胞はヌクレオシド誘導体の取り込みのイメージングにより同定された非S期細胞であり、
    該取り込みは、S期細胞では測定されず、
    該測定は、CCDカメラを備えた蛍光顕微鏡またはハイスループットイメージングシステムを用いて行われる、検出方法。
  13. DNA修復欠損を伴う細胞の検出方法であって、下記の工程(A)、(B’)、(C’)及び(D’):
    (A)被験者から採取した細胞を紫外線又は変異原で処理し、DNA損傷を誘発する工程、
    (B’)工程(A)で処理した細胞とアジド修飾ヌクレオシド誘導体とを接触させる工程、
    (C’)紫外線処理した細胞におけるアジド修飾ヌクレオシド誘導体の取り込みを、末端アルキンを含む蛍光標識されたレポーター分子を用いて測定し、該取り込みをDNA損傷処理した対照細胞における取り込みと比較する工程、並びに
    (D’)前記(C’)の比較結果に基づいて、被験者におけるDNA修復欠損の有無を判定する工程、を含み、
    ここで、工程(A)の細胞はヌクレオシド誘導体の取り込みのイメージングにより同定された非S期細胞であり、
    該取り込みは、S期細胞では測定されず、
    該測定は、CCDカメラを備えた蛍光顕微鏡またはハイスループットイメージングシステムを用いて行われる、検出方法。
  14. DNA修復欠損を伴う細胞が、色素性乾皮症、コケイン症候群又は硫黄欠乏性毛髪発育異常症の可能性がある患者に由来するものである、請求項12又は13に記載の検出方法。
  15. 末端アルキン修飾ヌクレオシド誘導体とアジド部分を含む蛍光標識されたレポーター分子とを組み合わせた試薬セット、又はアジド修飾ヌクレオシド誘導体と末端アルキンを含む蛍光標識されたレポーター分子とを組み合わせた試薬セットを含む、DNA修復欠損を伴う疾患の診断キット。
  16. 末端アルキン修飾ヌクレオシド誘導体とアジド部分を含む蛍光標識されたレポーター分子とを組み合わせた試薬セット、又はアジド修飾ヌクレオシド誘導体と末端アルキンを含む蛍光標識されたレポーター分子とを組み合わせた試薬セットを含む、DNAが損傷した細胞における修復能力を賦活する物質もしくは遺伝子、DNA損傷の誘発を抑制する物質もしくは遺伝子、DNA修復に影響を与える物質もしくは遺伝子、又はDNA損傷を指標とした物質の毒性の有無のスクリーニング用キット。
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