JP5549398B2 - セタン価推定装置 - Google Patents

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Description

本発明は、ディーゼル機関の燃料のセタン価を推定するセタン価推定装置に関するものである。
ディーゼル機関では、燃料噴射弁によって燃焼室に噴射された燃料が、噴射されてから所定の時間(いわゆる着火遅れ)が経過した後に圧縮着火される。ディーゼル機関の出力性能やエミッション性能の向上を図るために、そうした着火遅れを考慮した上で、燃料噴射についての噴射時期や噴射量などといった機関制御の実行態様を制御する制御装置が広く採用されている。
ディーゼル機関では、使用される燃料のセタン価が低いときほどその着火遅れが長くなる。そのため、例えばディーゼル機関の出荷時において標準的なセタン価の燃料が用いられる状況を想定して機関制御の実行態様を設定したとしても、冬期燃料等、セタン価が相対的に低い燃料が燃料タンクに補給された場合には燃料の着火時期が遅くなるとともにその燃焼状態が悪化するようになり、場合によっては失火が発生してしまう。
こうした不都合の発生を抑えるためには、燃焼室に噴射される燃料の実際のセタン価に基づいて機関制御の実行態様を補正することが望ましい。そして、そうした補正を好適に行うためには、燃料のセタン価を正確に推定することが必要である。
そこで従来、燃料噴射弁から少量の燃料を噴射するとともに、その燃料噴射に伴い発生したディーゼル機関の出力トルクに基づいて燃料のセタン価を推定する装置が提案されている(例えば特許文献1参照)。こうした装置では、一定量の燃料を噴射したときに発生するディーゼル機関の出力トルクが噴射燃料のセタン価に応じて異なる点を利用して、燃料のセタン価が推定される。
なお、セタン価の推定のための燃料噴射の実行に際して同燃料噴射の実行時期が異なると、ディーゼル機関の出力トルクも異なったものとなるために、これがセタン価の推定における誤差要因になってしまう。そのため特許文献1に記載の装置では、燃料噴射の実行時期とディーゼル機関の出力トルクとの関係に基づいて燃料のセタン価が推定されるようになっている。
特開2009−180174号公報
ところで、上述したセタン価の推定のための燃料噴射に伴い発生するディーゼル機関の出力トルクは、燃料のセタン価や燃料噴射の実行時期に応じて変化することに加えて、例えばディーゼル機関の出力軸の回転速度(機関回転速度)などの機関パラメータによっても変化する。そのため、セタン価の推定に際して上記機関パラメータの相違が生じると、これがその推定精度を低下させる一因となってしまう。上述した特許文献1に記載の装置は、こうした点において改善の余地があると云える。
本発明は、そうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、燃料のセタン価を精度良く推定することのできるセタン価推定装置を提供することにある。
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用効果について説明する。
上記目的を達成するためのセタン価推定装置は、ディーゼル機関の燃焼に供される燃料のセタン価を推定するべく予め定めた量での燃料噴射を実行するセタン価推定装置であって、前記燃料噴射の実行に伴い発生する前記ディーゼル機関の出力トルクの指標値を算出するとともに、該算出した指標値と前記燃料噴射の実行時期と前記燃料噴射の実行時における機関回転速度との関係に基づいて前記セタン価を推定する推定手段を備えることをその要旨とする。
上記構成によれば、燃料のセタン価の推定に用いる推定パラメータとして、燃料噴射の実行に伴い発生するディーゼル機関の出力トルクの指標値と同燃料噴射の実行時期とに加えて、該燃料噴射の実行時における機関回転速度(実行時回転速度)が採用される。そのため、実行時回転速度の相違に起因する上記出力トルクの相違を見込んだかたちで燃料のセタン価の推定を実行することができ、同セタン価を精度よく推定することができる。
上記構成において、前記ディーゼル機関の燃料噴射弁の開弁時における同燃料噴射弁内部の実燃料圧力の変化に伴い変化する燃料圧力を検出する燃圧検出手段をさらに備えるように構成してもよい
燃料噴射弁からの燃料噴射を実行する場合、その実行時期や燃料噴射量に誤差が生じることがある。そうした誤差は、上述した燃料噴射において発生するディーゼル機関の出力トルクを変化させるために、燃料のセタン価の推定精度を低下させる一因となってしまう。燃料噴射弁からの燃料噴射を実行すると同燃料噴射弁の内部の燃料圧力が一時的に低下する。上記構成によれば、そうした燃料圧力の変動態様を監視することができるために、その変動態様に基づいて実際に燃料噴射が実行された時期や噴射された燃料の量を精度良く把握することが可能になる。したがって、それら実際の実行時期や燃料噴射量に基づいて燃料のセタン価を精度よく推定することができる。
また、そのようにして把握される実際の実行時期や燃料噴射量とその要求値とを比較することにより、それら実行時期や燃料噴射量の誤差を算出することも可能になる。
上記構成において、前記燃圧検出手段によって検出された燃料圧力の変動態様に基づいて前記実行時期の誤差を算出するとともに、該算出した誤差に基づいて前記指標値を補正する第1の補正手段をさらに備えるように構成してもよい
上記構成によれば、算出される実行時期の誤差に基づいてディーゼル機関の出力トルクの指標値が補正されるために、実行時期の誤差による影響分を考慮した指標値をもとに燃料のセタン価を精度よく推定することができる。
上記構成において、前記燃圧検出手段によって検出された燃料圧力の変動態様に基づいて前記燃料噴射における噴射量の誤差を算出するとともに、該算出した誤差に基づいて前記指標値を補正する第2の補正手段をさらに備えるように構成してもよい。
上記構成によれば、上記燃料噴射量の誤差に基づいてディーゼル機関の出力トルクの指標値が補正されるために、燃料噴射量の誤差による影響分を考慮した指標値をもとに燃料のセタン価を精度よく推定することができる。
上記構成において、前記推定手段は、機関回転速度に基づき前記燃料噴射の実行時期を設定するとともに同実行時期において前記燃料噴射を実行して前記指標値を算出するように構成してもよい
燃料噴射を実行した場合には、その実行時期が進角側の時期であるときほど、また実行時回転速度が低いときほど、さらには燃料のセタン価が高いときほど、燃料の燃え残りが少なくなるために、同燃料噴射に伴い発生するディーゼル機関の出力トルクが大きくなる。上記出力トルクには上限(詳しくは、燃料の燃え残りが「0」のときの出力トルク)がある。出力トルクが上限になる領域では、燃料のセタン価によることなく出力トルクが上限になってしまうために、同出力トルクをもとに燃料のセタン価を判別することができない。また、上記出力トルクには下限(出力トルク=「0」)がある。出力トルクが下限になる実行領域では、燃料のセタン価によることなく出力トルクが下限になってしまうために、同出力トルクに基づいて燃料のセタン価を判別することができない。
上記構成によれば、機関回転速度が高いときほど進角側の時期において燃料噴射を実行するなどといったように、ディーゼル機関の出力トルクが上限や下限になりにくい実行領域において燃料噴射が実行されるように、機関回転速度に応じたかたちで同燃料噴射の実行時期を設定することができる。そのため、燃料噴射の実行に伴い発生するディーゼル機関の出力トルク(詳しくは、その指標値)をもとに、燃料のセタン価を適正に推定することができる。
記推定手段は、前記実行時期として前記機関回転速度が高いときほど進角側の時期を設定する態様が好ましい
上記構成によれば、実行時回転速度が高いとき、すなわち燃焼室内の圧力や温度の低下速度が高いときには同燃料噴射が早期に実行されるために、未燃燃料が多い状態で燃焼室内の圧力や温度が過度に低い状態になることを抑えることができる。そのため、燃料のセタン価によることなく噴射燃料の燃え残り分が多くなってしまうような状況になることを抑えることができ、ディーゼル機関の出力トルクの指標値が過度に小さくなることを抑えることができる。しかも、実行時回転速度が低いとき、すなわち燃焼室内の圧力や温度の低下速度が低いときには同燃料噴射が遅い時期において実行されるために、燃焼室内の圧力や温度が必要以上に高い状態で噴射燃料が燃焼する状況になることを抑えることができる。そのため、燃料のセタン価によることなく噴射燃料の全てが燃焼してしまうような状況になることを抑えることができ、ディーゼル機関の出力トルクの指標値が過度に大きくなることを抑えることができる。
このように上記構成によれば、燃料のセタン価に応じたかたちで上記指標値が比較的広い幅をもって変化するように燃料噴射を実行することができ、同指標値をもとに燃料のセタン価を精度よく推定することができる。
また、上記構成において、前記推定手段は、実行時期が同一の状況であり且つ機関回転速度が異なる複数の状況においてそれぞれ前記燃料噴射を実行するとともに、それら燃料噴射の実行に伴い発生した前記ディーゼル機関の出力トルクの指標値を算出し、該算出した指標値と前記燃料噴射の実行時の機関回転速度との関係に基づいて前記セタン価を推定することもできる
上記構成によれば、そうした実行時回転速度とディーゼル機関の出力トルクの指標値との関係をもとに、燃料のセタン価を精度よく推定することができるようになる。
上記構成において、前記推定手段は、前記算出した指標値と前記燃料噴射の実行時の機関回転速度との関係において同機関回転速度の変更に対する前記指標値の変化の傾向が異なる二つの領域の境界を特定し、該境界に基づいて前記セタン価を推定するように構成してもよい
上記構成によれば、実行時回転速度によることなくディーゼル機関の出力トルクの指標値が上限(あるいは下限)で一定になる領域と実行時回転速度に応じて出力トルクの指標値が変化するようになる領域との二つの領域の境界を特定するとともに、同境界に基づいて燃料のセタン価を適正に推定することができる。
上記構成において、前記推定手段は、前記燃料噴射を、前記機関回転速度が低下していることを条件に実行するように構成してもよい
上記構成によれば、機関回転速度の低下に合わせて順次燃料噴射を実行することができ、機関回転速度の異なる状況での各燃料噴射を効率よく実行することができる。
記推定手段は、前記実行時期として前記ディーゼル機関の燃焼室内のピーク温度が低いときほど進角側の時期を設定する態様が好ましい
同一の実行時期および実行時期および噴射量で燃料噴射を実行した場合であっても、燃焼室内のピーク温度やピーク圧力が低いときほど、同燃料噴射に伴い発生するディーゼル機関の出力トルクが小さくなる。そうした出力トルクの相違は、ディーゼル機関の出力トルクに基づいて燃料のセタン価を推定する装置においてはその推定精度を低下させる一因となるために好ましくない。
この点、上記構成によれば、燃焼室内のピーク温度が低いときほど、すなわち同一の実行時期および噴射量で燃料噴射を実行した場合において発生するディーゼル機関の出力トルクが小さくなるときほど、同出力トルクを大きくするべく燃料噴射を早期に実行することができる。そのため、上記燃料噴射の実行時における燃焼室内のピーク温度が異なる場合であっても、その相違に起因するディーゼル機関の出力トルクの変化を抑えることができ、同出力トルクの指標値に基づく燃料のセタン価の推定を精度よく実行することができる。
また、前記実行時期として前記ディーゼル機関の燃焼室内のピーク圧力が低いときほど進角側の時期を設定することもできる。
上記構成によれば、燃焼室内のピーク圧力が低いときほど、すなわち同一の噴射量で燃料噴射を実行した場合において発生するディーゼル機関の出力トルクが小さくなるときほど、同出力トルクを大きくするべく燃料噴射を早期に実行することができる。そのため、上記燃料噴射の実行時における燃焼室内のピーク圧力が異なる場合であっても、その相違に起因するディーゼル機関の出力トルクの変化を抑えることができ、同出力トルクの指標値に基づく燃料のセタン価の推定を精度よく実行することができる。
上記構成において、前記ディーゼル機関の燃料噴射弁の開弁時における同燃料噴射弁内部の実燃料圧力の変化に伴い変化する燃料圧力を検出する燃圧検出手段と、前記ディーゼル機関に供給される燃料が備蓄された燃料タンク内への燃料補給がなされたことを判定する判定手段と、前記燃料補給がなされたと判定されたときに、その後において前記燃料タンクと前記燃料噴射弁とを繋ぐ燃料経路内に新たに供給された燃料によって同燃料経路内の燃料が置換されたことを前記燃圧検出手段によって検出された燃料圧力の変動態様に基づき検出するとともに、その検出をもって前記燃料噴射の実行を許可する実行許可手段とをさらに備えるように構成してもよい
ディーゼル機関に供給される燃料のセタン価は燃料タンクへの燃料補給がなされたときに大きく変化する可能性がある。そのため、燃料のセタン価の推定を適切なタイミングで効率よく実行するうえでは、その推定を燃料タンクへの燃料補給がなされたときに実行することが有効であると云える。ただし、燃料タンクへの燃料補給がなされた直後においては同燃料タンクと燃料噴射弁とを繋ぐ燃料経路内に燃料補給前の燃料が残留しているために、このとき燃料噴射を実行して燃料のセタン価を推定しても、燃料補給後の燃料に見合う値をセタン価として算出することはできない。
上記構成によれば、燃料タンクへの燃料補給がなされたときに、燃料経路内の燃料が燃料補給後の燃料に置換されるのを待ったうえで、セタン価の推定のための燃料噴射を実行することができる。そのため、燃料のセタン価を推定するための燃料噴射を適切なタイミングで実行することができ、同燃料噴射を通じて燃料のセタン価を精度よく推定することができる。
上記構成において、当該装置は、前記ディーゼル機関の燃料噴射弁の開弁時における同燃料噴射弁内部の実燃料圧力の変化に伴い変化する燃料圧力を検出する燃圧検出手段として機能する圧力センサが前記燃料噴射弁に取り付けられてなるように構成してもよい
上記構成によれば、燃料噴射弁から離れた位置において燃料圧力が検出される装置と比較して燃料噴射弁の噴射孔に近い部位の燃料圧力を検出することができるため、燃料噴射弁の開弁に伴う同燃料噴射弁の内部の燃料圧力の低下を精度良く検出することができる。したがって、その燃料圧力の変動態様に基づいて実際の実行時期や燃料噴射量を精度良く検出することができ、それら実際の実行時期や燃料噴射量をもとに燃料のセタン価を精度よく推定することができるようになる。
本発明を具体化した第1の実施の形態にかかるセタン価推定装置の概略構成を示す略図。 燃料噴射弁の断面構造を示す断面図。 検出時間波形の一例を示すタイムチャート。 燃焼室内の温度と機関回転速度との関係の一例を示すタイムチャート。 回転変動量と実行時回転速度と燃料のセタン価との関係を示すグラフ。 回転変動量と実行時回転速度と燃料噴射の実行時期との関係を示すグラフ。 第1の実施の形態にかかる推定制御処理の実行手順を示すフローチャート。 回転変動量の算出方法を説明する説明図。 回転変動量と実行時回転速度と燃料のセタン価との関係を示すグラフ。 本発明を具体化した第2の実施の形態にかかる推定制御処理の実行手順を示すフローチャート。
(第1の実施の形態)
以下、本発明を具体化した第1の実施の形態にかかるセタン価推定装置について説明する。
図1に、本実施の形態にかかるセタン価推定装置の概略構成を示す。
同図1に示すように、ディーゼル機関10の気筒11には吸気通路12が接続されている。ディーゼル機関10の気筒11内には吸気通路12を介して空気が吸入される。なお、このディーゼル機関10は駆動源として車両に搭載されている。また、このディーゼル機関10としては複数(本実施の形態では四つ[♯1〜♯4])の気筒11を有するものが採用されている。ディーゼル機関10には、気筒11毎に、同気筒11内に燃料を直接噴射する直噴タイプの燃料噴射弁20が取り付けられている。この燃料噴射弁20の開弁駆動によって噴射された燃料はディーゼル機関10の気筒11内において圧縮加熱された吸入空気に触れて着火および燃焼する。そしてディーゼル機関10では、気筒11内における燃料の燃焼に伴い発生するエネルギによってピストン13が押し下げられてクランクシャフト14が強制回転されるようになる。ディーゼル機関10の気筒11において燃焼した燃焼ガスは排気としてディーゼル機関10の排気通路15に排出される。
ディーゼル機関10には排気駆動式の過給器16が設けられている。この過給器16は、ディーゼル機関10の吸気通路12に取り付けられたコンプレッサ17と排気通路15に取り付けられたタービン18とを備えている。この過給器16により、ディーゼル機関10の排気通路15を通過する排気のエネルギを利用して吸気通路12を通過する吸入空気が圧送されるようになっている。
各燃料噴射弁20は分岐通路31aを介してコモンレール34に各別に接続されており、同コモンレール34は供給通路31bを介して燃料タンク32に接続されている。この供給通路31bには、燃料を圧送する燃料ポンプ33が設けられている。本実施の形態では、燃料ポンプ33による圧送によって昇圧された燃料がコモンレール34に蓄えられるとともに各燃料噴射弁20の内部に供給される。また、各燃料噴射弁20にはリターン通路35が接続されており、同リターン通路35はそれぞれ燃料タンク32に接続されている。このリターン通路35を介して燃料噴射弁20内部の燃料の一部が燃料タンク32に戻される。
以下、燃料噴射弁20の内部構造について説明する。
図2に、燃料噴射弁20の断面構造を示す。
同図2に示すように、燃料噴射弁20のハウジング21の内部にはニードル弁22が設けられている。このニードル弁22はハウジング21内において往復移動(同図の上下方向に移動)することの可能な状態で設けられている。ハウジング21の内部には上記ニードル弁22を噴射孔23側(同図の下方側)に常時付勢するスプリング24が設けられている。またハウジング21の内部には、上記ニードル弁22を間に挟んで一方側(同図の下方側)の位置にノズル室25が形成されており、他方側(同図の上方側)の位置に圧力室26が形成されている。
ノズル室25には、その内部とハウジング21の外部とを連通する噴射孔23が形成されており、導入通路27を介して上記分岐通路31a(コモンレール34)から燃料が供給されている。圧力室26には連通路28を介して上記ノズル室25および分岐通路31a(コモンレール34)が接続されている。また圧力室26は排出路30を介してリターン通路35(燃料タンク32)に接続されている。
上記燃料噴射弁20としては電気駆動式のものが採用されており、そのハウジング21の内部には駆動信号の入力によって伸縮する圧電素子(例えばピエゾ素子)が積層された圧電アクチュエータ29が設けられている。この圧電アクチュエータ29には弁体29aが取り付けられており、同弁体29aは圧力室26の内部に設けられている。そして、圧電アクチュエータ29の作動による弁体29aの移動を通じて、連通路28(ノズル室25)と排出路30(リターン通路35)とのうちの一方が選択的に圧力室26に連通されるようになっている。
この燃料噴射弁20では、圧電アクチュエータ29に閉弁信号が入力されると、圧電アクチュエータ29が収縮して弁体29aが移動し、連通路28と圧力室26とが連通された状態になるとともに、リターン通路35と圧力室26との連通が遮断された状態になる。これにより、圧力室26内の燃料のリターン通路35(燃料タンク32)への排出が禁止された状態で、ノズル室25と圧力室26とが連通されるようになる。そのため、ノズル室25と圧力室26との圧力差がごく小さくなり、ニードル弁22がスプリング24の付勢力によって噴射孔23を塞ぐ位置に移動して、このとき燃料噴射弁20は燃料が噴射されない状態(閉弁状態)になる。
一方、圧電アクチュエータ29に開弁信号が入力されると、圧電アクチュエータ29が伸長して弁体29aが移動し、連通路28と圧力室26との連通が遮断された状態になるとともに、リターン通路35と圧力室26とが連通された状態になる。これにより、ノズル室25から圧力室26への燃料の流出が禁止された状態で、圧力室26内の燃料の一部がリターン通路35を介して燃料タンク32に戻されるようになる。そのため圧力室26内の燃料の圧力が低下して同圧力室26とノズル室25との圧力差が大きくなり、この圧力差によってニードル弁22がスプリング24の付勢力に抗して移動して噴射孔23から離れて、このとき燃料噴射弁20は燃料が噴射される状態(開弁状態)になる。
燃料噴射弁20には、上記導入通路27の内部の燃料圧力PQに応じた信号を出力する圧力センサ41が一体に取り付けられている。そのため、例えばコモンレール34(図1参照)内の燃料圧力などの燃料噴射弁20から離れた位置の燃料圧力が検出される装置と比較して、燃料噴射弁20の噴射孔23に近い部位の燃料圧力を検出することができ、燃料噴射弁20の開弁に伴う同燃料噴射弁20の内部の燃料圧力の変化を精度良く検出することができる。なお、上記圧力センサ41は各燃料噴射弁20に一つずつ、すなわちディーゼル機関10の気筒
11毎に設けられている。
図1に示すように、ディーゼル機関10には、その周辺機器として、運転状態を検出するための各種センサが設けられている。それらセンサとしては、上記圧力センサ41の他、例えば吸気通路12内における上記コンプレッサ17より吸気流れ方向下流側の部分の圧力(過給圧PA)を検出するための過給圧センサ42や、クランクシャフト14の回転位相(クランク角CA)および回転速度(機関回転速度NE)を検出するためのクランクセンサ43が設けられている。その他、ディーゼル機関10の冷却水の温度(THW)を検出するための温度センサ44や、燃料タンク32内の燃料の備蓄量を検出するための備蓄量センサ45、アクセル操作部材(例えばアクセルペダル)の操作量(アクセル操作量ACC)を検出するためのアクセルセンサ46、車両の走行速度を検出するための車速センサ47なども設けられている。
またディーゼル機関10の周辺機器としては、例えばマイクロコンピュータを備えて構成された電子制御ユニット40なども設けられている。この電子制御ユニット40は各種センサの出力信号を取り込むとともにそれら出力信号をもとに各種の演算を行い、その演算結果に応じて燃料噴射弁20の作動制御(燃料噴射制御)などのディーゼル機関10の運転にかかる各種制御を実行する。
本実施の形態の燃料噴射制御は、基本的には、以下のように実行される。
先ず、アクセル操作量ACCや機関回転速度NE、燃料のセタン価(詳しくは、後述する推定セタン価)などに基づいて、燃料噴射量についての制御目標値(目標燃料噴射量TQ)が算出される。その後、目標燃料噴射量TQおよび機関回転速度NEに基づいて燃料噴射時期や燃料噴射時間についての制御目標値が算出される。そして、それら制御目標値に応じたかたちで各燃料噴射弁20が各別に開弁駆動される。これにより、そのときどきのディーゼル機関10の運転状態に見合う量の燃料が各燃料噴射弁20から噴射されてディーゼル機関10の各気筒11内に供給されるようになる。
本実施の形態の装置では、そうした燃料噴射制御の実行に合わせて、圧力センサ41により検出される燃料圧力PQに基づいて燃料噴射弁20からの燃料噴射における燃料噴射率の時間波形(検出時間波形)を形成する制御(噴射率形成制御)が実行される。
具体的には、燃料圧力PQの推移に基づいて燃料噴射弁20の開弁動作(詳しくはニードル弁22の開弁側への移動)が開始される時期(開弁動作開始時期Tos)、燃料噴射率が最大になる時期(最大噴射率到達時期Toe)、燃料噴射率の降下が開始される時期(噴射率降下開始時期Tcs)、燃料噴射弁20の閉弁動作(詳しくはニードル弁22の閉弁側への移動)が完了する時期(最小リフト量到達時期Tce)がそれぞれ特定される。そして、図3に一例を示すように、それら特定した時期Tos,Toe,Tcs,Tceによって実際の燃料噴射率の時間波形(検出時間波形)が形成される。
燃料噴射弁20の内部(詳しくは、ノズル室25)の燃料圧力は、同燃料噴射弁20が開弁駆動されるとリフト量の増加に伴って低下し、その後において閉弁駆動されるとリフト量の減少に伴って上昇するようになる。本実施の形態では、こうした燃料噴射弁20内部の燃料圧力(詳しくは、燃料圧力PQ)の推移をもとに、上記開弁動作開始時期Tos、最大リフト量到達時期Toe、閉弁動作開始時期Tcs、および最小リフト量到達時期Tceが精度よく特定される。
なお本実施の形態では、燃料圧力PQの変化速度(詳しくは、燃料圧力PQの一階微分値)が算出されるとともに、同変化速度が上記開弁動作開始時期Tos、最大リフト量到達時期Toe、閉弁動作開始時期Tcs、および最小リフト量到達時期Tceの特定に用いられる。これにより、燃料噴射弁20の開弁動作の開始に伴って燃料圧力PQが急低下を開始する時期、開弁動作中に燃料圧力PQの変化速度が下降から上昇に転じる時期や、閉弁動作の開始に伴って燃料圧力PQが急上昇を開始する時期、あるいは閉弁動作中に燃料圧力PQの変化速度が上昇から下降に転じる時期などを容易に特定することが可能になる。そのため、燃料圧力PQに基づく燃料噴射弁20の動作態様の把握が適正に行われて、上記開弁動作開始時期Tos、最大リフト量到達時期Toe、閉弁動作開始時期Tcs、および最小リフト量到達時期Tceの特定が精度よく行われるようになる。
以下、燃料のセタン価を推定する制御(推定制御)について説明する。
この推定制御は基本的には次のように実行される。すなわち先ず、実行条件の成立時において、予め定められた所定量(例えば、数立方ミリメートル)での燃料噴射が実行されるとともに、その燃料噴射の実行に伴い発生するディーゼル機関10の出力トルクの指標値(後述する回転変動量ΣΔNE)が算出される。そして、この回転変動量ΣΔNEに基づいて燃料のセタン価が推定される。ディーゼル機関10に供給される燃料のセタン価が高いときほど、燃料が着火し易く同燃料の燃え残りが少なくなるために、燃料の燃焼に伴って発生する機関トルクが大きくなる。本実施の形態の推定制御では、そうした燃料のセタン価とディーゼル機関10の出力トルクとの関係をもとに同燃料のセタン価が推定される。
ここで、所定量の燃料を噴射した場合において発生するディーゼル機関10の出力トルクは、燃料のセタン価に応じて変化することに加えて、機関回転速度NEによっても変化する。これは以下のような理由による。
図4に、ディーゼル機関10の燃焼室11a内の温度(または圧力)と機関回転速度NEとの関係の一例を示す。同図4に示すように、機関回転速度NEが高くなると、燃焼室11a内が高温高圧の状態になる時間が短くなる。そのため上記推定制御において所定量での燃料噴射を実行した場合には機関回転速度NEが高いときほど、燃焼室11a内の温度や圧力が早期に低くなって燃料の燃え残りが生じやすい状況になるため、その燃料噴射に伴い発生するディーゼル機関10の出力トルクが小さくなり易い。
図5に、噴射時期および噴射量が同一の状況のもとで燃料噴射を実行した場合における回転変動量ΣΔNEと機関回転速度NEと燃料のセタン価との関係を示す。同図5から明らかなように、噴射時期および噴射量が同一の状況のもとで燃料噴射を実行した場合には、実行時回転速度が高いときほど、ディーゼル機関10の出力トルク(詳しくは、その指標値である回転変動量ΣΔNE)が小さくなる。
また、所定量の燃料を噴射した場合において発生するディーゼル機関10の出力トルクは、燃料のセタン価や機関回転速度NEに応じて変化することに加えて、同燃料噴射の実行時期によっても変化する。
図6に、燃料のセタン価と燃料噴射量とが同一の状況のもとで燃料噴射を実行した場合における回転変動量ΣΔNEとその実行時実行時回転速度と同燃料噴射の実行時期との関係を示す。同図6に示すように、燃料噴射の実行時期が遅角側の時期であるときほど、燃料噴射に伴い発生するディーゼル機関10の出力トルク(詳しくは、その指標値である回転変動量ΣΔNE)が小さくなる。これは燃料噴射の実行時期が遅角側の時期であるときほど、燃焼室11a内の温度や圧力が低い状況で燃料が燃焼するようになって同燃料の燃え残りが多くなるためであると考えられる。
このように本実施の形態の装置では、所定量での燃料噴射を実行した場合に、その実行時期が進角側の時期であるときほど、また実行時の機関回転速度NEが低いときほど、さらには燃料のセタン価が高いときほど、同燃料噴射に伴い発生するディーゼル機関10の出力トルクが大きくなる。
この点をふまえて本実施の形態では、上記回転変動量ΣΔNEと推定制御による燃料噴射の実行時期と実行時回転速度との関係に基づいて燃料のセタン価を推定するようにしている。これにより、実行時回転速度の相違や燃料噴射の実行時期の相違に起因するディーゼル機関10の出力トルクの相違を見込んだかたちで燃料のセタン価の推定を実行することができるために、同セタン価を精度よく推定することができるようになる。
以下、上記推定制御の実行態様について具体的に説明する。
また、所定量での燃料噴射の実行に伴い発生するディーゼル機関10の出力トルクには上限(詳しくは、燃料の燃え残りが「0」のときの出力トルク)がある。上記出力トルクが上限になる領域は、機関回転速度NEが低い状況で上記燃料噴射が実行される領域や(図5参照)、進角側の時期において上記燃料噴射が実行される領域(図6参照)である。そうした領域においては、燃料のセタン価によることなくディーゼル機関10の出力トルクが上限になってしまうために、同出力トルク(詳しくは、回転変動量ΣΔNE)をもとに燃料のセタン価を判別することができない。
さらに、所定量での燃料噴射の実行に伴い発生するディーゼル機関10の出力トルクには、そうした上限に加えて、下限(出力トルク=「0」)もある。上記出力トルクが下限になる領域は、機関回転速度NEが高い状況で上記燃料噴射が実行される領域や(図5参照)、遅角側の時期において上記燃料噴射が実行される領域(図6参照)である。この領域では、燃料のセタン価によることなく上記出力トルクが下限になってしまうために、同出力トルク(詳しくは、回転変動量ΣΔNE)に基づいて燃料のセタン価を判別することができない。
こうしたことから、燃料のセタン価を精度よく推定するためには、ディーゼル機関10の出力トルクが上限になる領域や下限になる領域が少なくなるように、推定制御における燃料噴射を実行することが望ましい。
図6から明らかなように、燃料噴射の実行時期を変更することにより、ディーゼル機関10の出力トルクが上限になる領域や下限になる領域が変化するようになる。こうした特性をふまえて本実施の形態にかかる推定制御では、機関回転速度NEに基づいて上記燃料噴射の実行時期についての制御目標値(目標噴射時期)を設定するとともに同目標噴射時期において同燃料噴射を実行するようにしている。この目標噴射時期としては詳しくは、機関回転速度NEが高いときほど進角側の時期が設定される。
このように目標噴射時期を設定することによって以下のような作用が得られる。
上記実行時回転速度が高いとき、すなわち燃焼室11a内の圧力や温度の低下速度が高いときには同燃料噴射が早期に実行されるために、未燃燃料が多い状態で燃焼室11a内の圧力や温度が過度に低い状態になることが抑えられるようになる。そのため、燃料のセタン価によることなく噴射燃料の燃え残り分が多くなってしまうような状況になることを抑えることができ、ディーゼル機関10の出力トルク(詳しくは、上記回転変動量ΣΔNE)が過度に小さくなることを抑えることができる。
しかも、上記実行時回転速度が低いとき、すなわち燃焼室11a内の圧力や温度の低下速度が低いときには同燃料噴射が遅い時期において実行されるために、燃焼室11a内の圧力や温度が必要以上に高い状態で噴射燃料が燃焼する状況になることが抑えられるようになる。そのため、燃料のセタン価によることなく噴射燃料の全てが燃焼してしまうような状況になることを抑えることができ、ディーゼル機関10の出力トルク(詳しくは、上記回転変動量ΣΔNE)が過度に大きくなることを抑えることができる。
このように本実施の形態にかかる推定制御では、ディーゼル機関10の出力トルクがその上限や下限になりにくい実行領域において燃料噴射が実行されるように、機関回転速度NEに応じたかたちで同燃料噴射の実行時期(目標噴射時期)を設定することができる。これにより、上記回転変動量ΣΔNEが燃料のセタン価に応じたかたちで比較的広い幅をもって変化するようになるために、同回転変動量ΣΔNEをもとに燃料のセタン価を精度よく推定することができるようになる。
また同一の実行時期および噴射量で燃料噴射を実行した場合であっても、ディーゼル機関10の燃焼室11a内の温度の最大値(ピーク温度)や圧力の最大値(ピーク圧力)が低いときほど同燃焼室11a内が高温高圧の状態になる時間が短くなるために、燃料噴射に伴い発生するディーゼル機関10の出力トルクが小さくなる。本実施の形態の推定制御では、ディーゼル機関10の出力トルクの指標値(具体的には、回転変動量ΣΔNE)に基づいて燃料のセタン価が推定されるために、そうした出力トルクの相違がセタン価の推定精度を低下させる一因となってしまう。
この点をふまえて本実施の形態では、上記目標噴射時期の設定に用いる設定パラメータとして、上記機関回転速度NEに加えて、冷却水温度THWと過給圧PAとを用いるようにしている。具体的には、冷却水温度THWがディーゼル機関10の燃焼室11a内の温度のピーク値の指標となる値として用いられるとともに、過給圧PAが燃焼室11a内の圧力のピーク値の指標となる値として用いられる。そして、冷却水温度THWが低いときほど燃焼室11a内のピーク温度が低いとして、また過給圧PAが低いときほど燃焼室11aのピーク圧力が低いとして、目標噴射時期が進角側の時期に設定される。
このように冷却水温度THWや過給圧PAに応じて目標噴射時期を設定することにより、ディーゼル機関10の燃焼室11a内のピーク温度やピーク圧力が低いとき、すなわち同一の噴射時期および噴射量で燃料噴射を実行した場合において発生するディーゼル機関10の出力トルクが小さくなるときほど、同出力トルクを大きくするべく燃料噴射が早期に実行されるようになる。これにより、上記燃料噴射の実行における燃焼室11a内のピーク温度やピーク圧力が異なる場合であっても、その相違に起因するディーゼル機関10の出力トルクの変化が抑えられるようになるため、同出力トルクの指標値(回転変動量ΣΔNE)に基づく燃料のセタン価の推定を精度よく実行することができる。
以下、上述した推定制御にかかる処理(推定制御処理)の実行手順について詳しく説明する。
図7は、上記推定制御処理の具体的な実行手順を示すフローチャートである。なお、このフローチャートに示される一連の処理は、推定制御処理の実行手順を概念的に示したものであり、実際の処理は所定周期毎の割り込み処理として電子制御ユニット40により実行される。本実施の形態では、この推定制御処理が推定手段として機能する。
図7に示すように、この処理では先ず、実行条件が成立しているか否かが判断される(ステップS101)。ここでは、以下の[条件イ]〜[条件ハ]の全てが満たされることをもって実行条件が成立していると判断される。
[条件イ]アクセル操作部材の操作解除による車両走行速度および機関回転速度NEの減速中においてディーゼル機関10の運転のための燃料噴射を一時的に停止させる制御(いわゆる燃料カット制御)が実行されていること。
[条件ロ]燃料タンク32への燃料補給が行われたと判定された後に、燃料のセタン価の推定値(後述する推定セタン価)を算出した履歴がないこと。なお燃料タンク32への燃料補給が行われたことは、備蓄量センサ45により検出される燃料備蓄量が所定の判定量以上増加したことをもって判定される。
[条件ハ]燃料タンク32への燃料補給が行われたと判定された後に、燃料タンク32から新たに供給された燃料によって同燃料タンク32と燃料噴射弁20とを繋ぐ燃料経路(詳しくは、分岐通路31aや供給通路31b、コモンレール34、リターン通路35により構成される経路)内の燃料が置換されたこと。
この[条件ハ]が満たされることは具体的には次のように判断される。すなわち先ず、燃料タンク32への燃料補給が行われたと判定された後において各燃料噴射弁20からの燃料噴射が実行される度に、前記検出時間波形(図3参照)と燃料噴射弁20の特性とに基づいて同燃料噴射弁20の内部からリターン通路35に漏れる燃料の量が推定されるとともに、その推定した量の積算値が算出される。そして、この積算値が予め定められた判定量以上になると[条件ハ]が満たされたと判断される。本実施の形態では、燃料噴射弁20の内部からリターン通路35内に漏れる燃料量に基づいて同リターン通路35内の燃料が燃料補給後において新たに燃料タンク32から供給された燃料と入れ替わったことが検出され、この検出をもって上記燃料経路内の燃料が置換されたことが検出される。
[条件ロ]および[条件ハ]は次のような理由により設定されている。ディーゼル機関10に供給される燃料のセタン価は燃料タンク32への燃料補給がなされたときに大きく変化する可能性がある。そのため、燃料のセタン価の推定を適切なタイミングで効率よく実行するうえでは、その推定を燃料タンク32への燃料補給がなされたときに実行することが有効であると云える。ただし、燃料タンク32への燃料補給がなされた直後においては上記燃料経路内に燃料補給前の燃料が残留しているために、このとき上述した燃料噴射を実行して燃料のセタン価を推定しても、燃料補給後の燃料に見合う値をセタン価として算出することはできない。この点、本実施の形態では[条件ロ]および[条件ハ]が設定されているために、燃料タンク32への燃料補給がなされたときに上記燃料経路内の燃料が燃料補給後の燃料に置換されるのを待ったうえでセタン価の推定のための燃料噴射が実行されるようになる。そのため、燃料のセタン価の推定のための燃料噴射を適切なタイミングで実行することができ、同燃料噴射を通じて同セタン価を精度よく推定することができる。本実施の形態では、このステップS101の処理が判定手段および実行許可手段として機能する。
上記実行条件が成立していない場合には(ステップS101:NO)、以下の処理、すなわち燃料のセタン価を推定する処理を実行することなく、本処理は一旦終了される。
その後、本処理が繰り返し実行されて上記実行条件が成立すると(ステップS101:YES)、このときの機関回転速度NE、冷却水温度THW、および過給圧PAに基づいて目標噴射時期が設定されるとともに(ステップS102)、この目標噴射時期において前記所定量の燃料が燃料噴射弁20から噴射される(ステップS103)。なお、この燃料噴射は複数の燃料噴射弁20のうちの予め定めたもの(本実施の形態では、気筒11[♯1]に取り付けられた燃料噴射弁20)を用いて実行される。
そして、その後においてこの燃料噴射に伴い発生したディーゼル機関10の出力トルクの指標値(前記回転変動量ΣΔNE)が算出される(ステップS104)。この回転変動量ΣΔNEは具体的には次のように算出される。図8に示すように、本実施の形態にかかる装置では、所定時間おきに機関回転速度NEが検出されるとともに、その検出の度に同機関回転速度NEと複数回前(本実施の形態では、三回前)に検出された機関回転速度NEiとの差ΔNE(=NE−NEi)が算出される。そして、上記燃料噴射の実行に伴う上記差ΔNEの変化分についての積算値(同図8中に斜線で示す部分の面積に相当する値)が算出されるとともに、この積算値が上記回転変動量ΣΔNEとして記憶される。なお図8に示す機関回転速度NEや差ΔNEの推移は、回転変動量ΣΔNEの算出方法の理解を容易にするべく簡略化して示しているため実際の推移とは若干異なる。
その後、前記目標噴射時期と実際に燃料噴射弁20からの燃料噴射が実行された時期との差(噴射時期誤差)や、燃料噴射量についての目標値(前記所定量)と実際の燃料噴射量との差(噴射量誤差)が算出される。そして、それら噴射時期誤差および噴射量誤差に基づいて上記回転変動量ΣΔNEが補正されるとともに、補正後の値が新たな回転変動量ΣΔNEとして記憶される(ステップS105)。本実施の形態では、このステップS105の処理が第1の補正手段および第2の補正手段として機能する。
ここで燃料噴射弁20からの燃料噴射を実行する場合には、その実行時期や燃料噴射量に誤差が生じることがある。そうした誤差は、燃料噴射に伴い発生するディーゼル機関10の出力トルクを変化させるために、これが燃料のセタン価の推定精度を低下させる一因となってしまう。
本実施の形態にかかる装置では、圧力センサ41を通じて検出された燃料圧力PQの変動態様に基づいて燃料噴射率についての時間波形(前記検出時間波形[図3参照])が形成されているために、この検出時間波形に基づいて実際に燃料噴射が実行された時期や実際の燃料噴射量を精度良く把握することができる。詳しくは、上記燃料噴射の実際の実行時期は上記検出時間波形における開弁動作開始時期Tosや最小リフト量到達時期Tceをもとに検出することができ、実際の燃料噴射量は上記検出時間波形における各時期Tos,Toe,Tcs,Tceを繋いだ台形部分の面積をもとに検出することができる。しかも、上記燃料噴射の実際の実行時期とその要求値(目標噴射時期)とを比較することによって実行時期の誤差(噴射時期誤差)を算出することができ、実際の燃料噴射量とその要求値(前記所定量)とを比較することによって燃料噴射量の誤差(噴射量誤差)を算出することができる。
本処理では、そうした噴射時期誤差および噴射量誤差に基づいて回転変動量ΣΔNEが補正されるために、上記燃料噴射の実行時期の誤差による影響分や燃料噴射量の誤差による影響分を考慮した値を回転変動量ΣΔNEとして算出することができ、同回転変動量ΣΔNEをもとに燃料のセタン価を精度よく推定することができる。
具体的には、実際の実行時期が進角側の時期にずれると回転変動量ΣΔNEが不要に大きくなる一方、遅角側の時期にずれると回転変動量ΣΔNEが不要に小さくなる。そのため本処理では、目標噴射時期が実際の噴射時期より進角側の時期になっているときには回転変動量ΣΔNEが減量補正される一方、目標噴射時期が実際の噴射時期より遅角側の時期になっているときには回転変動量ΣΔNEが増量補正される。また、目標噴射時期と実際の噴射時期との差が大きいときほど回転変動量ΣΔNEの補正量も大きくなる。
また、実際の燃料噴射量が所定量より多くなると回転変動量ΣΔNEが不要に大きくなる一方、同所定量より少なくなると回転変動量ΣΔNEが不要に小さくなる。そのため本処理では、実際の燃料噴射量がその目標値より多いときには回転変動量ΣΔNEが減量補正される一方、実際の燃料噴射量がその目標値より少ないときには回転変動量ΣΔNEが増量補正される。また、実際の燃料噴射量とその目標値との差が大きいときほど回転変動量ΣΔNEの補正量も大きくなる。
このようにして回転変動量ΣΔNEが補正された後、同回転変動量ΣΔNEと実行時回転速度とに基づいて、燃料のセタン価の推定値(推定セタン価)が算出される(ステップS106)。なお本実施の形態では、実験やシミュレーションの結果をもとに燃料のセタン価を精度よく推定することの可能な同セタン価(詳しくは、上記推定セタン価)と回転変動量ΣΔNEと上記実行時回転速度との関係(図5に示すような関係)が予め求められて電子制御ユニット40に記憶されている。ステップS106の処理では、回転変動量ΣΔNEと上記実行時回転速度とに基づいて上記関係から上記推定セタン価が算出される。
そして、このようにして推定セタン価が算出された後、本処理は一旦終了される。
以上説明したように、本実施の形態によれば、以下に記載する効果が得られるようになる。
(1)回転変動量ΣΔNEと推定制御による燃料噴射の実行時期と実行時回転速度との関係に基づいて燃料のセタン価を推定するようにした。そのため、実行時回転速度の相違や燃料噴射の実行時期の相違に起因するディーゼル機関10の出力トルクの相違を見込んだかたちで燃料のセタン価の推定を実行することができ、同セタン価を精度よく推定することができる。
(2)機関回転速度NEに基づいて目標噴射時期を設定するとともに同目標噴射時期において上記燃料噴射を実行するようにした。そのため、ディーゼル機関10の出力トルクがその上限や下限になりにくい実行領域において燃料噴射が実行されるように、機関回転速度NEに応じたかたちで同燃料噴射の実行時期を設定することができる。これにより、上記回転変動量ΣΔNEが燃料のセタン価に応じたかたちで比較的広い幅をもって変化するようになるために、同回転変動量ΣΔNEをもとに燃料のセタン価を精度よく推定することができるようになる。
(3)冷却水温度THWに基づいて目標噴射時期を設定するようにした。そのため、燃料のセタン価の推定のための燃料噴射の実行における燃焼室11a内のピーク温度が異なる場合であっても、その相違に起因するディーゼル機関10の出力トルクの変化を抑えることができ、同出力トルクの指標値である回転変動量ΣΔNEに基づく燃料のセタン価の推定を精度よく実行することができる。
(4)過給圧PAに基づいて目標噴射時期を設定するようにした。そのため、燃料のセタン価の推定のための燃料噴射の実行における燃焼室11a内のピーク圧力が異なる場合であっても、その相違に起因するディーゼル機関10の出力トルクの変化を抑えることができ、同出力トルクの指標値である回転変動量ΣΔNEに基づく燃料のセタン価の推定を精度よく実行することができる。
(5)噴射時期誤差を算出するとともに、その噴射時期誤差に基づいて回転変動量ΣΔNEを補正するようにした。そのため、燃料噴射の実行時期の誤差による影響分を考慮した値を回転変動量ΣΔNEとして算出することができ、同回転変動量ΣΔNEをもとに燃料のセタン価を精度よく推定することができる。
(6)噴射量誤差を算出するとともに、同噴射量誤差に基づいて回転変動量ΣΔNEを補正するようにした。そのため、燃料噴射量の誤差による影響分を考慮した値を回転変動量ΣΔNEとして算出することができ、同回転変動量ΣΔNEをもとに燃料のセタン価を精度よく推定することができる。
(7)燃料タンク32への燃料補給が行われたと判定されたときに、その後において燃料タンク32から新たに供給された燃料によって同燃料タンク32と燃料噴射弁20とを繋ぐ燃料経路内の燃料が置換されたことを検出するとともに、その検出をもってセタン価の推定のための燃料噴射の実行を許可するようにした。そのため、燃料タンク32への燃料補給がなされたときに上記燃料経路内の燃料が燃料補給後の燃料に置換されるのを待ったうえで上記燃料噴射を実行することができる。したがって、燃料のセタン価の推定のための燃料噴射を適切なタイミングで実行することができ、同燃料噴射を通じて同セタン価を精度よく推定することができる。
(8)燃料噴射弁20に一体に取り付けられた圧力センサ41によって燃料圧力PQを検出するようにした。そのため、燃料噴射弁20から離れた位置の燃料圧力が検出される装置と比較して、燃料噴射弁20の噴射孔23に近い部位の燃料圧力を検出することができ、燃料噴射弁20の開弁に伴う同燃料噴射弁20の内部の燃料圧力の変化を精度良く検出することができる。したがって、燃料圧力PQの変動態様に基づいて上記燃料噴射の実際の実行時期や実際の燃料噴射量を精度よく検出することができ、それら実際の実行時期や実際の燃料噴射量をもとに燃料のセタン価を精度よく推定することができる。
(第2の実施の形態)
以下、本発明を具体化した第2の実施の形態にかかるセタン価推定装置について、第1の実施の形態との相違点を中心に説明する。なお以下では、第1の実施の形態と同様の構成については同一の符号を付し、同構成についての詳細な説明は省略する。
本実施の形態にかかるセタン価推定装置と第1の実施の形態にかかるセタン価推定装置とは、燃料のセタン価を推定する推定制御の実行態様が異なる。
以下、本実施の形態にかかる推定制御について具体的に説明する。
前述したように、噴射時期および噴射量が同一の状況のもとで燃料噴射を実行した場合には、その実行時における機関回転速度NE(実行時回転速度)と回転変動量ΣΔNEと燃料のセタン価との関係が次のような傾向を示すようになる。すなわち図9に示す関係から明らかなように、実行時回転速度が高いときほど回転変動量ΣΔNEが小さくなる。また、噴射時期および噴射量が同一の状況のもとで燃料噴射を実行した場合において発生するディーゼル機関10の出力トルクには上限(詳しくは、燃料の燃え残りが「0」のときの出力トルク)があるために、同出力トルクが上限になる実行領域において燃料噴射を実行すると、燃料のセタン価によることなく出力トルクが上限になってしまう。さらに、そうした力トルクには下限(出力トルク=「0」)もあるために、同出力トルクが下限になる実行領域において燃料噴射を実行すると、燃料のセタン価によることなく出力トルクが下限になってしまう。
そして、機関回転速度NEの異なる複数の状況において同一の実行時期でそれぞれ燃料噴射を実行するとともにその実行時回転速度と回転変動量ΣΔNEとの関係を求めた場合、その関係が燃料のセタン価に応じたかたちで次のような傾向を示すようになる。すなわち、実行時回転速度によることなく回転変動量ΣΔNEが上限でほぼ一定になる領域と実行時回転速度に応じて同回転変動量ΣΔNEが変化するようになる領域との境界(具体的には、図9中に線L1で示す実行時回転速度に相当する値)が燃料のセタン価に応じて異なる。また、実行時回転速度に応じて回転変動量ΣΔNEが変化する領域と同実行時回転速度によることなく上記回転変動量ΣΔNEが下限で一定になる領域との境界(図9中に線L2で示す実行時回転速度に相当する値)についても同様に、燃料のセタン価に応じて異なる。
こうした傾向に着目して本実施の形態では、上記実行時回転速度と回転変動量ΣΔNEとの関係において同実行時回転速度の変更に対する上記回転変動量ΣΔNEの変化の傾向が異なる二つの領域の境界(詳しくは、上記線L1,L2)を特定するとともに同境界に基づいて燃料のセタン価を推定するようにしている。これにより、燃料のセタン価に応じて異なる実行時回転速度と回転変動量ΣΔNEとの関係(具体的には、上記境界)に基づいて、燃料のセタン価を精度よく推定することができるようになる。
また本実施の形態では、上記燃料噴射の実行時期についての制御目標値(目標噴射時期)を冷却水温度THWと過給圧PAとに基づいて設定するようにしている。具体的には、冷却水温度THWが低いときほど燃焼室11a内のピーク温度が低いとして、また過給圧PAが低いときほど燃焼室11aのピーク圧力が低いとして、目標噴射時期が進角側の時期に設定される。
このように冷却水温度THWや過給圧PAに応じて目標噴射時期を設定することにより、ディーゼル機関10の燃焼室11a内のピーク温度やピーク圧力が低いとき、すなわち同一の噴射量で燃料噴射を実行した場合において発生するディーゼル機関10の出力トルクが小さくなるときほど、同出力トルクを大きくするべく燃料噴射が早期に実行されるようになる。これにより、上記燃料噴射の実行における燃焼室11a内のピーク温度やピーク圧力が異なる場合であっても、その相違に起因するディーゼル機関10の出力トルクの変化が抑えられるようになるため、同出力トルクの指標値(回転変動量ΣΔNE)に基づく燃料のセタン価の推定を精度よく実行することができる。
以下、本実施の形態にかかる推定制御処理の実行手順について詳しく説明する。
図10は、上記推定制御処理の具体的な実行手順を示すフローチャートである。なお、このフローチャートに示される一連の処理は、推定制御処理の実行手順を概念的に示したものであり、実際の処理は所定周期毎の割り込み処理として電子制御ユニット40により実行される。本実施の形態では、この推定制御処理が推定手段として機能する。
図10に示すように、この処理では先ず、実行条件が成立しているか否かが判断される(ステップS201)。ここでは、前記[条件イ]〜[条件ハ]の全てが満たされることをもって実行条件が成立していると判断される。本実施の形態では、このステップS201の処理が判定手段および実行許可手段として機能する。
本実施の形態では、上記[条件イ]が設定されているために、機関回転速度NEが低下していることを条件に、燃料のセタン価を推定するための燃料噴射が実行されるようになる。そのため、機関回転速度NEの低下に合わせて順次燃料噴射を実行するとともにその結果得られた回転変動量ΣΔNEに基づいて上記境界を特定することができるようになる。したがって、例えば機関回転速度NEが減速し始めてから同減速が終了するまでの期間においてセタン価の推定のための複数回の燃料噴射の全てを実行するなど、機関回転速度NEの異なる状況での複数回の燃料噴射を効率よく実行することができるようになる。
上記実行条件が成立していない場合には(ステップS201:NO)、以下の処理、すなわち燃料のセタン価を推定する処理を実行することなく、本処理は一旦終了される。
その後、本処理が繰り返し実行されて上記実行条件が成立すると(ステップS201:YES)、このときの冷却水温度THWおよび過給圧PAに基づいて目標噴射時期が設定される(ステップS202)。
そして、その後において機関回転速度NEが予め定められた所定速度(NE1,NE2,NE3,…NEn)になる度に、上記目標噴射時期において前記所定量の燃料が燃料噴射弁20から噴射されるとともに、同燃料噴射に伴い発生したディーゼル機関10の出力トルクの指標値(前記回転変動量ΣΔNE)が算出されて記憶される(ステップS203)。
なお、本処理における各燃料噴射は複数の燃料噴射弁20のうちの予め定めたもの(本実施の形態では、気筒11[♯1]に取り付けられた燃料噴射弁20)を用いて実行される。また、この処理では燃料噴射が実行される度に、次のように回転変動量ΣΔNEが算出されて記憶される。すなわち先ず、機関回転速度NEの変動態様に基づいて回転変動量ΣΔNEが算出される。また、上記目標噴射時期と実際に燃料噴射弁20からの燃料噴射が実行された時期との差(噴射時期誤差)や、燃料噴射量についての目標値(上記所定量)と実際の燃料噴射量との差(噴射量誤差)が算出される。そして、それら噴射時期誤差および噴射量誤差に基づいて上記回転変動量ΣΔNEが補正されるとともに、補正後の値が最終的な回転変動量ΣΔNEとして記憶される。本実施の形態では、このステップS203の処理が第1の補正手段および第2の補正手段として機能する。
その後、各回転変動量ΣΔNEに基づいて、実行時回転速度と回転変動量ΣΔNEとの関係において同実行時回転速度の変更に対する上記回転変動量ΣΔNEの変化の傾向が異なる二つの領域の境界(具体的には、図9における線L1や線L2に相当する値)が特定されて記憶されるとともに、同境界における回転変動量ΣΔNEが記憶される(ステップS204)。
そして、上記境界と同境界における回転変動量ΣΔNEとに基づいて燃料のセタン価の推定値(推定セタン価)が算出される(ステップS205)。この推定セタン価は詳しくは次のような考えのもとに算出される。上記境界における回転変動量ΣΔNEが上限に相当する値である場合には、燃料のセタン価が基準値より高いと推定される。また、この場合には上記境界が高回転側の値であるときほど燃料のセタン価が高いと推定される。一方、上記境界がない場合、すなわち回転変動量ΣΔNEが上限に相当する値になる領域や下限に相当する値になる領域がない場合には、燃料のセタン価が基準となる値であると推定される。他方、上記境界における回転変動量ΣΔNEが下限に相当する値である場合には、燃料のセタン価が基準値より低いと推定される。また、この場合には上記境界が低回転側の位置であるときほど燃料のセタン価が低いと推定される。
なお本実施の形態では、実験やシミュレーションの結果をもとに燃料のセタン価を精度よく推定することの可能な同セタン価(詳しくは、上記推定セタン価)と上記境界と同境界における回転変動量ΣΔNEとの関係が予め求められて電子制御ユニット40に記憶されている。ステップS205の処理では、上記境界と同境界における回転変動量ΣΔNEとに基づいて上記関係から上記推定セタン価が算出される。
そして、このようにして推定セタン価が算出された後、本処理は一旦終了される。
以上説明したように、本実施の形態によれば、先の(1)および(3)〜(8)に記載した効果に準じた効果に加えて、以下の(9)および(10)に記載する効果が得られるようになる。
(9)実行時回転速度と回転変動量ΣΔNEとの関係において同実行時回転速度の変更に対する上記回転変動量ΣΔNEの変化の傾向が異なる二つの領域の境界を特定するとともに同境界に基づいて燃料のセタン価を推定するようにした。そのため、燃料のセタン価に応じて異なる実行時回転速度と回転変動量ΣΔNEとの関係に基づいて、燃料のセタン価を精度よく推定することができるようになる。
(10)機関回転速度NEが低下していることを条件に、燃料のセタン価を推定するための燃料噴射を実行するようにした。そのため、機関回転速度NEの低下に合わせて順次燃料噴射を実行することができ、機関回転速度NEの異なる状況での複数回の燃料噴射を効率よく実行することができる。
(その他の実施の形態)
なお、上記各実施の形態は、以下のように変更して実施してもよい。
・第1の実施の形態において、冷却水温度THWに基づいて目標噴射時期を設定する構成および過給圧PAに基づいて目標噴射時期を設定する構成の一方あるいは両方を省略してもよい。なお、この場合には冷却水温度THWに基づいて回転変動量ΣΔNEを補正したり、過給圧PAに基づいて回転変動量ΣΔNEを補正したり、推定セタン価の算出に用いる算出パラメータに冷却水温度THWや過給圧PAを加えたりしてもよい。こうした構成によっても、前記燃料噴射の実行における燃焼室11a内のピーク温度やピーク圧力に応じたかたちで推定セタン価を算出することができ、燃料のセタン価を精度よく推定することができる。
・第1の実施の形態において、燃料のセタン価によることなくディーゼル機関10の出力トルクが上限になる領域や下限になる領域がない(あるいは狭い)のであれば、燃料のセタン価を推定するための燃料噴射を予め定められた所定時期において実行するようにしてもよい。
・第2の実施の形態において、冷却水温度THWに基づいて目標噴射時期を設定する構成および過給圧PAに基づいて目標噴射時期を設定する構成の一方あるいは両方を省略してもよい。それら構成の両方が省略される場合には、燃料のセタン価を推定するための燃料噴射を予め定められた所定時期において実行するようにすればよい。なお、上記構成においては、冷却水温度THWに基づいて回転変動量ΣΔNEを補正したり、過給圧PAに基づいて回転変動量ΣΔNEを補正したり、推定セタン価の算出に用いる算出パラメータに冷却水温度THWや過給圧PAを加えたりしてもよい。こうした構成によっても、前記燃料噴射の実行における燃焼室11a内のピーク温度やピーク圧力に応じたかたちで推定セタン価を算出することができ、燃料のセタン価を精度よく推定することができる。
・第2の実施の形態において、境界と同境界であるときの回転変動量ΣΔNEとに基づいてセタン価を推定することに代えて、境界のみに基づいてセタン価を推定するようにしてもよい。回転変動量ΣΔNEが上限になるときの実行時回転速度と同回転変動量ΣΔNEが下限になるときの実行時回転速度とが同一の値になることのない装置であれば、境界のみに基づいて推定セタン価を算出することができる。
・第2の実施の形態において、境界を算出する方法は任意に変更可能である。そうした算出方法としては例えば、回転変動量ΣΔNEが実行時回転速度に応じて変化しない領域における同回転変動量ΣΔNEと同実行時回転速度に応じて変化する領域における回転変動量ΣΔNEとをそれぞれ算出するとともに、それら回転変動量ΣΔNEに基づいて上記境界を特定する方法を採用することができる。その他、回転変動量ΣΔNEが実行時回転速度に応じて変化する領域においてそれら回転変動量ΣΔNEおよび実行時回転速度を変数とする関係式を求めるとともに、同関係式において回転変動量ΣΔNEが下限(あるいは上限)になる実行時回転速度を境界として算出する方法などを採用することもできる。
・第2の実施の形態において、燃料のセタン価の推定のための燃料噴射を機関回転速度NEが予め定められた所定速度になる度に実行することに代えて、所定時間が経過する度に実行したり、所定のクランク角だけクランクシャフト14が回転する度に実行したりしてもよい。
・各実施の形態において、回転変動量ΣΔNE以外の値をディーゼル機関10の出力トルクの指標値として算出するようにしてもよい。例えば燃料のセタン価の推定のための燃料噴射の実行時における機関回転速度NE(実行時回転速度)と同燃料噴射が実行されないときの機関回転速度NEとをそれぞれ検出するとともにそれら速度の差を算出して、同差を上記指標値として用いることができる。
・各実施の形態において、目標噴射時期の設定パラメータとして冷却水温度THWを用いることに代えて、例えばディーゼル機関10(詳しくは、そのシリンダヘッドやシリンダブロック)の温度や吸入空気の温度など、燃焼室11a内のピーク温度の指標になる値であって冷却水温度THW以外の値を用いることもできる。また、燃焼室11a内の温度を直接検出してこれを上記設定パラメータとして用いることもできる。
・各実施の形態において、目標噴射時期の設定パラメータとして過給圧PAを用いることに代えて、例えば吸入空気の圧力や大気の圧力など、燃焼室11a内のピーク圧力の指標になる値であって過給圧PA以外の値を用いることもできる。また、燃焼室11a内の圧力を直接検出してこれを上記設定パラメータとして用いることもできる。こうした構成は、過給器16が設けられないディーゼル機関にも適用することができる。なお、過給器16が設けられないディーゼル機関にあっても、ディーゼル機関の運転状態や運転環境などによって燃焼室11a内のピーク圧力は若干異なるため、同ピーク圧力(あるいはその指標値)に基づいて目標噴射時期を補正することにより、燃料のセタン価の推定精度の向上を図ることができる。
・各実施の形態において、前記噴射時期誤差に基づいて回転変動量ΣΔNEを補正する構成、および噴射量誤差に基づいて回転変動量ΣΔNEを補正する構成の一方あるいは両方を省略してもよい。なお、この場合には推定セタン価の算出に用いる算出パラメータに噴射時期誤差や噴射量誤差を加えてもよい。こうした構成によっても、燃料噴射の実行時期の誤差や燃料噴射量の誤差による影響分を考慮しつつ推定セタン価を算出することができ、燃料のセタン価を精度よく推定することができる。
・各実施の形態において、燃料タンク32への燃料補給が行われたことを判定する方法は、備蓄量センサ45の検出信号をもとに判定する方法に限らず、燃料タンク32の蓋が開閉されたことをもって判定する方法など、任意の方法を採用することができる。
・各実施の形態において、燃料経路内の燃料が置換されたことを判断する方法は、燃料噴射弁20の内部からリターン通路35に漏れる燃料の量に基づき判断する方法に限らず、例えば燃料噴射弁20に供給された燃料の量に基づき判断する方法や燃料噴射弁20から噴射された燃料の量に基づき判断する方法など、任意の方法を採用することができる。
・各実施の形態において、燃料のセタン価を推定するための処理を適正な状況で実行することができるのであれば、前記実行条件は任意に変更可能である。例えば[条件イ]〜[条件ハ]のうちのいずれか一つ、あるいはいずれか二つを実行条件として設定するようにしてもよい。また[条件ハ]に代えて、「燃料タンク32への燃料補給が行われたと判定された後において所定時間が経過したこと」との[条件ニ]を設定することなども可能である。この[条件ニ]によれば、所定時間として比較的短い時間を設定することにより、[条件ハ]と同様に、前記燃料経路内の燃料が置換されたことを判断することができる。一方、所定時間として比較的長い時間を設定することにより、[条件ニ]を通じて燃料補給後における時間経過とともに燃料タンク32内の燃料の性質が変化した可能性があることを判断することができ、その判断をもとに燃料のセタン価を推定する処理を実行することができる。その他、「ディーゼル機関10の運転を停止させる操作がなされたこと」との[条件ホ]を設定することもできる。ディーゼル機関10の運転停止時においては、その温度が十分に高くなっていることが多いために同温度が低いときと比較して運転状態が安定している可能性が高いと云え、機関回転速度NE(具体的には、回転変動量ΣΔNE)に基づく燃料のセタン価の推定を精度よく実行することのできる環境になっていると云える。上記[条件ホ]を設定することにより、そうした環境において燃料のセタン価を推定するための処理を実行することができるようになる。しかも、ディーゼル機関10の始動に際して用いられる燃料のセタン価を精度よく推定することができるようになるため、同ディーゼル機関10の始動性能の向上を図ることができるようになる。なお[条件ホ]が満たされることは、ディーゼル機関10の運転を停止させるべく乗員によって運転スイッチが操作されたことなどをもって判断することができる。
・燃料噴射弁20の内部(詳しくは、ノズル室25内)の燃料圧力の指標となる圧力、言い換えれば同燃料圧力の変化に伴って変化する燃料圧力を適正に検出することができるのであれば、圧力センサ41を燃料噴射弁20に直接取り付けることに限らず、同圧力センサ41の取り付け態様は任意に変更することができる。具体的には、圧力センサ41を分岐通路31aやコモンレール34に取り付けるようにしてもよい。
・圧電アクチュエータ29により駆動されるタイプの燃料噴射弁20に代えて、例えばソレノイドコイルなどを備えた電磁アクチュエータによって駆動されるタイプの燃料噴射弁を採用することもできる。
・四つの気筒を有するディーゼル機関に限らず、単気筒のディーゼル機関や、二つの気筒を有するディーゼル機関、三つの気筒を有するディーゼル機関、あるいは五つ以上の気筒を有するディーゼル機関にも、本発明は適用することができる。
10…ディーゼル機関、11…気筒、11a…燃焼室、12…吸気通路、13…ピストン、14…クランクシャフト、15…排気通路、16…過給器、17…コンプレッサ、18…タービン、20…燃料噴射弁、21…ハウジング、22…ニードル弁、23…噴射孔、24…スプリング、25…ノズル室、26…圧力室、27…導入通路、28…連通路、29…圧電アクチュエータ、29a…弁体、30…排出路、31a…分岐通路、31b…供給通路、32…燃料タンク、33…燃料ポンプ、34…コモンレール、35…リターン通路、40…電子制御ユニット、41…圧力センサ(燃圧検出手段)、42…過給圧センサ、43…クランクセンサ、44…温度センサ、45…備蓄量センサ、46…アクセルセンサ、47…車速センサ。

Claims (13)

  1. ディーゼル機関の燃焼に供される燃料のセタン価を推定するべく予め定めた量での燃料噴射を実行するセタン価推定装置であって、
    前記燃料噴射の実行に伴い発生する前記ディーゼル機関の出力トルクの指標値を算出するとともに、該算出した指標値と前記燃料噴射の実行時期と前記燃料噴射の実行時における機関回転速度との関係に基づいて前記セタン価を推定する推定手段を備え
    前記推定手段は、前記実行時期として前記機関回転速度が高いときほど進角側の時期を設定し、同実行時期において前記燃料噴射を実行して前記指標値を算出する
    ことを特徴とするセタン価推定装置。
  2. ディーゼル機関の燃焼に供される燃料のセタン価を推定するべく予め定めた量での燃料噴射を実行するセタン価推定装置であって、
    前記燃料噴射の実行に伴い発生する前記ディーゼル機関の出力トルクの指標値を算出するとともに、該算出した指標値と前記燃料噴射の実行時期と前記燃料噴射の実行時における機関回転速度との関係に基づいて前記セタン価を推定する推定手段を備え、
    前記推定手段は、実行時期が同一の状況であり且つ機関回転速度が異なる複数の状況においてそれぞれ前記燃料噴射を実行するとともに、それら燃料噴射の実行に伴い発生した前記ディーゼル機関の出力トルクの指標値を算出し、該算出した指標値と前記燃料噴射の実行時の機関回転速度との関係に基づいて前記セタン価を推定する
    ことを特徴とするセタン価推定装置。
  3. 請求項に記載のセタン価推定装置において、
    前記推定手段は、前記算出した指標値と前記燃料噴射の実行時の機関回転速度との関係において同機関回転速度の変更に対する前記指標値の変化の傾向が異なる二つの領域の境界を特定し、該境界に基づいて前記セタン価を推定する
    ことを特徴とするセタン価推定装置。
  4. 請求項またはに記載のセタン価推定装置において、
    前記推定手段は、前記燃料噴射を、前記機関回転速度が低下していることを条件に実行する
    ことを特徴とするセタン価推定装置。
  5. 請求項のいずれか一項に記載のセタン価推定装置において、
    前記推定手段は、前記実行時期として前記ディーゼル機関の燃焼室内のピーク温度が低いときほど進角側の時期を設定する
    ことを特徴とするセタン価推定装置。
  6. ディーゼル機関の燃焼に供される燃料のセタン価を推定するべく予め定めた量での燃料噴射を実行するセタン価推定装置であって、
    前記燃料噴射の実行に伴い発生する前記ディーゼル機関の出力トルクの指標値を算出するとともに、該算出した指標値と前記燃料噴射の実行時期と前記燃料噴射の実行時における機関回転速度との関係に基づいて前記セタン価を推定する推定手段を備え、
    前記推定手段は、前記実行時期として前記ディーゼル機関の燃焼室内のピーク温度が低いときほど進角側の時期を設定し、同実行時期において前記燃料噴射を実行して前記指標値を算出する
    ことを特徴とするセタン価推定装置。
  7. 請求項のいずれか一項に記載のセタン価推定装置において、
    前記推定手段は、前記実行時期として前記ディーゼル機関の燃焼室内のピーク圧力が低いときほど進角側の時期を設定する
    ことを特徴とするセタン価推定装置。
  8. ディーゼル機関の燃焼に供される燃料のセタン価を推定するべく予め定めた量での燃料噴射を実行するセタン価推定装置であって、
    前記燃料噴射の実行に伴い発生する前記ディーゼル機関の出力トルクの指標値を算出するとともに、該算出した指標値と前記燃料噴射の実行時期と前記燃料噴射の実行時における機関回転速度との関係に基づいて前記セタン価を推定する推定手段を備え、
    前記推定手段は、前記実行時期として前記ディーゼル機関の燃焼室内のピーク圧力が低いときほど進角側の時期を設定し、同実行時期において前記燃料噴射を実行して前記指標値を算出する
    ことを特徴とするセタン価推定装置。
  9. 前記ディーゼル機関の燃料噴射弁の開弁時における同燃料噴射弁内部の実燃料圧力の変化に伴い変化する燃料圧力を検出する燃圧検出手段をさらに備える
    請求項1〜8のいずれか一項に記載のセタン価推定装置。
  10. 前記燃圧検出手段によって検出された燃料圧力の変動態様に基づいて前記実行時期の誤差を算出するとともに、該算出した誤差に基づいて前記指標値を補正する第1の補正手段をさらに備える
    請求項に記載のセタン価推定装置。
  11. 前記燃圧検出手段によって検出された燃料圧力の変動態様に基づいて前記燃料噴射における噴射量の誤差を算出するとともに、該算出した誤差に基づいて前記指標値を補正する第2の補正手段をさらに備える
    請求項または10に記載のセタン価推定装置。
  12. 前記ディーゼル機関の燃料噴射弁の開弁時における同燃料噴射弁内部の実燃料圧力の変化に伴い変化する燃料圧力を検出する燃圧検出手段と、
    前記ディーゼル機関に供給される燃料が備蓄された燃料タンク内への燃料補給がなされたことを判定する判定手段と、
    前記燃料補給がなされたと判定されたときに、その後において前記燃料タンクと前記燃料噴射弁とを繋ぐ燃料経路内に新たに供給された燃料によって同燃料経路内の燃料が置換されたことを前記燃圧検出手段によって検出された燃料圧力の変動態様に基づき検出するとともに、その検出をもって前記燃料噴射の実行を許可する実行許可手段と
    をさらに備える請求項1〜11のいずれか一項に記載のセタン価推定装置。
  13. 請求項1〜12のいずれか一項に記載のセタン価推定装置において、
    当該装置は、前記ディーゼル機関の燃料噴射弁の開弁時における同燃料噴射弁内部の実燃料圧力の変化に伴い変化する燃料圧力を検出する燃圧検出手段として機能する圧力センサが前記燃料噴射弁に取り付けられてなる
    ことを特徴とするセタン価推定装置。
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