以下に添付図面を参照して、この端末および通信方法の好適な実施の形態を詳細に説明する。
この実施例では、アドホック通信システムにおける端末(測定端末)は、ある第1の端末とは異なる、1以上の他の端末(たとえば、第2の端末)から送信された無線信号の受信レベルを測定する測定部と、この測定部によって測定された受信レベルについての情報をこの第1の端末に送信する送信部と、を備えることとする。
これにより、測定端末は、第1の端末とは異なる他の端末(第2の端末)について測定した無線信号の受信状況の情報を第1の端末に対して提供することができることとなる。よって、第1の端末は、測定端末から取得した情報(たとえば、受信レベル)を利用することができる。たとえば、第1の端末は、取得した情報に基づいて、他の端末(第2の端末)の存在を認識し、送信電力を高めて測定端末に対する無線信号の送信を行うこともできる。たとえば、第2の端末からの受信レベルが所定の基準を上回る場合には、送信電力を所定値あげて送信することで、衝突の影響を相対的に小さくすることもできる。
なお、このようなアドホック通信システムが、無線信号の非検出に応じて無線信号の送信を許容する場合、第1の端末が直接第2の端末からの無線信号を検出しない場合に、測定端末からの情報によって、送信電力を高めて送信する等の措置を講ずることができ、無線通信を円滑に行うことができることとなる。
(実施の形態1)
図1は、実施の形態1にかかる通信システムの構成を示すブロック図である。図1に示すように、実施の形態1にかかる通信システム100は、第1通信端末110と、第2通信端末120と、第3通信端末130と、を含んでいる。第1通信端末110、第2通信端末120および第3通信端末130のそれぞれは、互いに無線通信が可能な通信端末であり、たとえば携帯端末である。携帯端末には、たとえば、無線LANなどの無線通信機能を有する情報端末や、データ通信機能を有する携帯電話などが含まれる。
なお、図1に示した第1通信端末110、第2通信端末120および第3通信端末130はアドホックネットワークを形成している。なお、各通信端末は、先に説明したCSMA/CAを用いて無線通信を行うこともできる。すなわち、キャリアセンスを行って、キャリアを検出しない場合に、無線送信を行ってもよい。
ここでは、第1通信端末110、第2通信端末120および第3通信端末130のそれぞれは、互いに通信可能な圏内に位置しているとする。第1通信端末110は、受信部111と、測定部112と、記憶部113と、算出部114と、作成部115と、送信部116と、データ受信部117と、を備えている。
受信部111は、第2通信端末120および第3通信端末130(複数の通信端末)から定期的に無線送信されるブロードキャスト信号をそれぞれ受信する。受信部111は、受信したブロードキャスト信号を測定部112へ出力する。
測定部112は、受信部111から出力されたブロードキャスト信号の強度を測定する。たとえば、測定部112は、ブロードキャスト信号の強度の一例として、ブロードキャスト信号のRSSIを測定する。測定部112は、測定した強度と、強度を測定したブロードキャスト信号の送信元を示す識別情報と、を記憶部113へ出力する。
ブロードキャスト信号の送信元を示す識別情報とは、たとえば、ブロードキャスト信号に格納された、送信元の通信端末(第2通信端末120や第3通信端末130)を識別する数値や文字列などの情報である。また、測定部112は、RSSIを測定する過程で得られる雑音電力を取得し、取得した雑音電力を算出部114へ出力してもよい。
記憶部113は、測定部112によって測定された強度を通信端末ごとに記憶する。具体的には、記憶部113は、測定部112から出力された強度と識別情報とを対応付けて記憶する。ここでは、記憶部113は、すでに強度を記憶している通信端末についてあらたな強度が測定部112から出力された場合は、すでに記憶している強度をあらたな強度に置き換えて(上書きして)記憶してもよい。
算出部114は、記憶部113に記憶された各識別信号が示す各通信端末(第2通信端末120および第3通信端末130)のそれぞれを対象端末として、対象端末の通信品質をそれぞれ算出する。具体的には、算出部114は、対象端末について記憶部113に記憶された強度と、対象端末以外の通信端末について記憶部113に記憶された強度と、に基づいて第1通信端末110(自端末)と対象端末との間の通信品質を算出する。
算出部114が算出する通信品質としては、たとえばSINR(Signal to Interference and Noise Ratio:信号対干渉雑音比)が挙げられる。SINRを算出する場合において、算出部114は、対象端末について記憶部113に記憶された強度を信号電力とし、対象端末以外の通信端末について記憶部113に記憶された強度を干渉電力としたSINRを算出する。なお、このSINRは、対象端末についての受信レベル、対象端末以外についての受信レベルの情報を含む、集約情報といえる。また、SINRにおける雑音には、たとえば測定部112から出力された雑音電力を用いることができる。
算出部114は、所定のタイミングで記憶部113に記憶された強度を読み出し、上記の通信品質の算出を行う。たとえば、算出部114は、あらかじめ定められた一定の周期で記憶部113に記憶された強度を読み出して通信品質の算出を行う。あらかじめ定められた一定の周期としては、たとえば、第2通信端末120および第3通信端末130がブロードキャスト信号を送信する周期に合わせた周期が挙げられる。
または、あらかじめ定められた一定の周期としては、第1通信端末110がブロードキャスト信号を無線送信する周期と同じ周期が挙げられる。または、算出部114は、記憶部113に記憶された強度の一部またはすべてが更新されるごとに、記憶部113に記憶された強度を読み出して通信品質の算出を行ってもよい。
算出部114は、算出した各通信品質を示す品質情報を作成部115へ出力する。品質情報においては、第1通信端末110が受信したブロードキャスト信号の送信元の各通信端末(ここでは第2通信端末120および第3通信端末130)と、各通信端末を対象端末として算出部114が算出した各通信品質が対応付けられている。
作成部115は、算出部114から出力された品質情報を格納したブロードキャスト信号を作成する。作成部115は、作成したブロードキャスト信号を送信部116へ出力する。送信部116は、作成部115から出力されたブロードキャスト信号を、第1通信端末110の通信圏内に位置する通信端末(第2通信端末120を含む)へ無線送信する。データ受信部117は、第2通信端末120から送信されたデータを受信する。
第2通信端末120は、送信部121(第2送信部)と、受信部122(第2受信部)と、読取部123と、決定部124と、データ送信部125と、を備えている。送信部121は、第2通信端末120の通信圏内に位置する通信端末(第1通信端末110を含む)へブロードキャスト信号を定期的に無線送信する。
受信部122は、第1通信端末110から無線送信されたブロードキャスト信号を受信する。受信部122は、受信したブロードキャスト信号を読取部123へ出力する。読取部123は、受信部122から出力されたブロードキャスト信号に格納された品質情報において第2通信端末120(自端末)に対応付けられた通信品質を読み取る。読取部123は、読み取った通信品質を決定部124へ出力する。
これにより、無線環境により、第2通信端末120自身が検出できない通信端末(第3通信端末130)が存在する場合でも、第1通信端末110が、この第3通信端末130からの無線信号を受信し、その受信品質情報を第2通信端末120に提供される。
決定部124は、読取部123から出力された通信品質に応じて変調方式および符号化方式の少なくとも一方を決定し、決定した方式の指示情報をデータ送信部125へ出力する。たとえば、決定部124は、変調方式(Modulation Scheme)と符号化方式(Coding Scheme)の組み合わせであるMCSを決定する。
データ送信部125には、第1通信端末110へ送信するためのデータと、決定部124から出力された方式の指示情報と、が入力される。データ送信部125は、指示情報が示す方式によって第1通信端末110へデータを無線送信する。第3通信端末130は送信部131を備えている。送信部131は、第3通信端末130の通信圏内に位置する通信端末(第1通信端末110を含む)へブロードキャスト信号を定期的に無線送信する。
図2は、図1に示した第1通信端末の動作の一例を示すフローチャートである。ここでは、測定部112は、ブロードキャスト信号の強度としてブロードキャスト信号のRSSIを測定するものとする。また、算出部114は、通信品質としてSINRを算出するものとする。また、算出部114は、第1通信端末110が最後にブロードキャスト信号を無線送信してから一定期間が経過するごとにSINRの算出を行うものとする。
まず、受信部111は、ブロードキャスト信号を受信したか否かを判断する(ステップS201)。ブロードキャスト信号を受信していない場合(ステップS201:No)は、ステップS204へ進んで処理を続行する。ブロードキャスト信号を受信した場合(ステップS201:Yes)は、測定部112が、ステップS201によって受信されたブロードキャスト信号のRSSIを測定する(ステップS202)。
つぎに、記憶部113が、ステップS202によって測定されたRSSIを通信端末(たとえば第2通信端末120または第3通信端末130)と対応付けて記憶する(ステップS203)。つぎに、算出部114が、最後にブロードキャスト信号を無線送信してから一定期間が経過したか否かを判断する(ステップS204)。一定期間が経過していない場合(ステップS204:No)は、ステップS201に戻って処理を続行する。
ステップS204において、一定期間が経過した場合(ステップS204:Yes)は、算出部114が、ステップS203によって記憶された各通信端末(たとえば第2通信端末120および第3通信端末130)のうちのSINRを算出していない通信端末の中から対象端末iを選択する(ステップS205)。ステップS205において、対象端末iを選択する優先順位はあらかじめ定めておくとよい。たとえば、算出部114は、記憶部113に先に記憶された通信端末を優先して対象端末iとして選択する。
つぎに、算出部114が、ステップS205によって選択された対象端末iのRSSIを、対象端末iの信号電力Sとして記憶部113から読み出す(ステップS206)。つぎに、算出部114が、ステップS205によって選択された対象端末i以外の通信端末の各RSSIを読み出し、読み出した各RSSIの合計(Σ)を対象端末iの干渉電力Iとして算出する(ステップS207)。
つぎに、算出部114が、ステップS206によって読み出された信号電力Sを、ステップS207によって算出された干渉電力Iと雑音電力Nの合計で除算した値を対象端末iのSINRとして算出する(ステップS208)。つぎに、算出部114が、ステップS203によって記憶されたすべての通信端末(たとえば第2通信端末120および第3通信端末130)のSINRを算出したか否かを判断する(ステップS209)。
ステップS209において、すべての通信端末のSINRを算出していない場合(ステップS209:No)は、ステップS205へ戻って処理を続行する。すべての通信端末のSINRを算出した場合(ステップS209:Yes)は、作成部115が、ステップS205〜S209によって算出された各SINRを示す品質情報を格納したブロードキャスト信号を作成する(ステップS210)。
つぎに、送信部116が、ステップS210によって作成されたブロードキャスト信号を無線送信し(ステップS211)、一連の動作を終了する。以上のステップにより、第1通信端末110を通信対象とする通信端末(たとえば第2通信端末120)は、自端末と第1通信端末110の間のSINRが含まれる品質情報を取得することができる。
また、以上のステップを繰り返し行うことにより、第1通信端末110を通信対象とする通信端末(たとえば第2通信端末120)は、自端末と第1通信端末110の間の最新のSINRが含まれる品質情報を定期的に取得することができる。
また、ステップS207において、対象端末i以外の通信端末の各RSSIの合計を干渉電力Iとして算出することで、対象端末i以外の各通信端末から同時に干渉を受ける場合の通信品質を得ることができる。このため、第2通信端末120は、第1通信端末110との間の通信に対して複数の通信端末から同時に干渉を受けた場合が考慮されたSINRに基づいてMCSを適切に選択することができる。
図3は、図1に示した第1通信端末の動作の他の例を示すフローチャートである。図3に示すステップS301〜S306,S308〜S311は、図2に示したステップS201〜S206,S208〜S211と同様であるため説明を省略する。図3のステップS307においては、算出部114が、ステップS305によって選択された対象端末i以外の通信端末の各RSSIを読み出し、読み出した各RSSIの最大値(MAX)を対象端末iの干渉電力Iとして算出する(ステップS307)。
ステップS307において、対象端末i以外の通信端末の各RSSIの最大値を干渉電力Iとして算出することで、対象端末i以外の各通信端末のいずれかから干渉を受ける場合の最低のSINRを得ることができる。第2通信端末120は、第1通信端末110との間の通信に対して最も大きな干渉を受けた場合が考慮されたSINRに基づいてMCSを適切に選択することができる。
図4は、図1に示した通信システムの適用例を示す図である。通信システム100(図1参照)は、たとえばアドホックネットワークに適用することができる。図4に示す通信端末A〜Cは、それぞれ図1に示した第1通信端末110、第2通信端末120、第3通信端末130に対応している。第1通信端末110は、第2通信端末120および第3通信端末130とともにアドホックネットワーク400を構築している。
通信端末A〜Cは、図4の左側に示すように、経路情報を定期的にブロードキャスト信号により送受信し、通信経路を構築する。ここでは、図4の右側に示すように、通信端末Aと通信端末Bが、通信端末Cを経由して互いに接続する経路を構築している。
このように、実施の形態1にかかる第1通信端末110によれば、第2通信端末120および第3通信端末130から定期的に送信されるブロードキャスト信号のRSSIを記憶しておく。そして、第2通信端末120および第3通信端末130のうちの対象端末以外の通信端末のRSSIを干渉電力として、対象端末のSINRを算出する。これにより、自端末と対象端末との間のSINRを精度よく高速に測定することができる。
また、測定した各SINRを示す品質情報を格納したブロードキャスト信号を第2通信端末120へ無線送信する。これにより、第1通信端末110を通信対象とする第2通信端末120は、第2通信端末120と第1通信端末110の間のSINRを高速に取得することができる。このため、第2通信端末120は、取得したSINRに基づいてMCSを適切に選択し、通信のスループットを向上させることができる。
また、対象端末以外の通信端末の各RSSIの合計を干渉電力として算出することで(図2参照)、対象端末以外の各通信端末から同時に干渉を受ける場合のSINRを得ることができる。このため、第2通信端末120は、第1通信端末110との間の通信に対して複数の通信端末から同時に干渉を受けた場合が考慮されたSINRに基づいてMCSを適切に選択することができるため、通信の安定性を向上させることができる。
また、対象端末以外の通信端末の各RSSIの最大値を干渉電力として算出することで(図3参照)、対象端末以外の各通信端末のいずれかから干渉を受ける場合の最低のSINRを得ることができる。このため、第2通信端末120は、第1通信端末110との間の通信に対して最も大きな干渉を受けた場合が考慮されたSINRに基づいてMCSを適切に選択することができるため、通信の安定性を向上させることができる。
また、複数の通信端末から同時に干渉を受ける確率は低いため、いずれかの通信端末から最も大きな干渉を受けた場合を考慮したSINRに基づいてMCSを適切に選択することで、通信効率の高いMCSを選択することが可能になる。
また、実施の形態1にかかる通信システム100によれば、第1通信端末110によって第1通信端末110と対象端末との間のSINRを精度よく高速に測定し、測定したSINRを第2通信端末120へ送信することができる。また、第1通信端末110を通信対象とする第2通信端末120は、第1通信端末110から送信されたSINRに基づいてMCSを適切に選択し、通信のスループットを向上させることができる。
また、通信システム100をアドホックネットワークに適用することで、アドホックネットワークにおいて通常送受信されるブロードキャスト信号を用いてSINRを精度よく高速に測定することができる。また、SINRを格納したブロードキャスト信号を無線送信することで、アドホックネットワークにおいて通常送受信されるブロードキャスト信号を用いて第2通信端末120へSINRを通知することができる。
また、実施の形態1にかかる第2通信端末120によれば、通信対象の第1通信端末110を含む複数の通信端末へ定期的にブロードキャスト信号を送信し、その結果として第1通信端末110から送信された品質情報から第2通信端末120と第1通信端末110の間のSINRを読み取ることができる。これにより、第2通信端末120と第1通信端末110の間のSINRを精度よく高速に取得できる。このため、MCSを適切に選択し、通信のスループットを向上させることができる。
(実施の形態2)
図5は、実施の形態2にかかる通信システムの構成を示すブロック図である。図5において、図1に示した構成と同様の構成については同一の符号を付して説明を省略する。図5に示すように、実施の形態2にかかる通信システム100の第1通信端末110は、図1に示した第1通信端末110の構成に加えて経路情報記憶部511を備えている。
受信部111は、受信したブロードキャスト信号を測定部112および経路情報記憶部511のそれぞれへ出力する。経路情報記憶部511は、受信部111から出力されたブロードキャスト信号に基づいて第1通信端末110の経路情報を作成し、作成した経路情報を記憶する。また、経路情報記憶部511は、第1通信端末110の経路情報だけでなく、第2通信端末120および第3通信端末130の各経路情報も記憶する。
たとえば、第2通信端末120および第3通信端末130のそれぞれは、無線送信するブロードキャスト信号に自端末の経路情報を格納する。これにより、経路情報記憶部511は、測定部112から出力されたブロードキャスト信号から、第2通信端末120および第3通信端末130の各経路情報を取得することができる。
算出部114は、記憶部113に記憶された各通信端末を対象端末とし、対象端末について記憶部113に記憶された強度と、対象端末以外の通信端末のうちの対象端末の隠れ端末について記憶部113に記憶された強度と、に基づいて通信品質を算出する。算出部114は、対象端末以外の通信端末が対象端末の隠れ端末であるか否かを、経路情報記憶部511から読み出した経路情報に基づいて判別する(図7参照)。
図6は、図5に示した通信システムの適用例を示す図である。図5に示した通信システム100は、たとえば図6に示すアドホックネットワーク600に適用できる。アドホックネットワーク600には通信端末A〜D,Oが含まれている。通信端末Aおよび通信端末Bは、それぞれ図5に示した第1通信端末110および第2通信端末120に対応している。通信端末C,D,Oはそれぞれ図5に示した第3通信端末130に対応している。
範囲610は、通信端末Aの無線通信が可能な地域を示している。ここでは、通信端末Dおよび通信端末Oが範囲610の内側に位置し、通信端末Bおよび通信端末Cが範囲610の外側に位置している。この場合は、通信端末Bおよび通信端末Cは、通信端末Aが送信する信号が直接届かないため、通信端末Aの隠れ端末となっている。
この場合においては、通信端末Bが送信する信号は通信端末Aに届かないため、通信端末Aはキャリアセンスにより通信端末Bの通信状態を調べることができない。このため、通信端末Aが通信端末Oへデータを送信するときに、通信端末Bが通信端末Oを経由して通信端末Cと通信を行っていると、通信端末Bの送信電力が干渉となって、通信端末Oが通信端末Aからのデータを受信できない。
通信端末A〜D,Oは、定期的にブロードキャスト信号を送受信することでアドホックネットワーク600を構築する。ここでは、通信端末A〜Dが、通信端末Oを経由して互いに接続するアドホックネットワーク600を構築している。
図7は、図5に示した経路情報記憶部に記憶される経路情報の一例を示す図である。通信端末A〜D,Oが図6に示した位置関係にある場合において、図5に示した第1通信端末110(通信端末A)の経路情報記憶部511には、たとえば図7に示すテーブル700が経路情報として記憶される。
図7に示すテーブル700は、第1通信端末110の経路情報を示している。また、図示しないが、第1通信端末110の経路情報記憶部511には、通信端末B〜D,Oの各経路情報も記憶される。テーブル700においては、宛先端末710ごとに、隣接端末720および経路コスト730が対応付けられている。
宛先端末710は、通信端末B〜D,Oのうちの通信端末Aがデータを送信する宛先の通信端末である。隣接端末720は、通信端末B〜D,Oのうちの、通信端末Aが宛先端末710へデータを送信する経路において通信端末Aに隣接する通信端末である。したがって、通信端末Aは、データの宛先を宛先端末710のいずれかにする場合は、宛先端末710に対応する隣接端末720へデータを送信する。
たとえば、通信端末Aは、通信端末Dを宛先としてデータを送信する場合は通信端末Dへデータを直接送信する。また、通信端末Aが通信端末Bを宛先としてデータを送信する場合は、通信端末Aは通信端末Oへデータを送信する。この場合は、通信端末Aから送信されたデータは通信端末Oによって通信端末Bへ転送される。
経路コスト730は、通信端末Aから隣接端末720へデータを送信するときのコストを示している。たとえば、通信端末Aが通信端末Bを宛先としてデータを送信する場合は、通信端末Aはデータを通信端末Oへ送信する。このとき、通信端末Aから通信端末Oへの経路コスト730はC3である。
算出部114は、対象端末のテーブル700において宛先端末710と一致している隣接端末720は、対象端末の隠れ端末ではないと判別する。一方、算出部114は、対象端末のテーブル700において宛先端末710と一致していない隣接端末720は、対象端末の隠れ端末であると判別する。
たとえば、算出部114は、通信端末Aのテーブル700において宛先端末710の通信端末Dおよび通信端末Oが隣接端末720と一致しているため通信端末Dおよび通信端末Oは通信端末Aの隠れ端末でないと判別する。また、算出部114は、通信端末Aのテーブル700において宛先端末710の通信端末Bおよび通信端末Cが隣接端末720と一致していないため通信端末Bおよび通信端末Cは通信端末Aの隠れ端末と判別する。
図8は、図5に示した第1通信端末の動作の一例を示すフローチャートである。図8に示すステップS801〜S806,S808〜S811は、図2に示したステップS201〜S206,S208〜S211と同様であるため説明を省略する。図8のステップS807においては、算出部114が、ステップS805によって選択された対象端末iの隠れ端末の各RSSIを読み出し、読み出した各RSSIの合計(Σ)を対象端末iの干渉電力Iとして算出する(ステップS807)。
ステップS807において、対象端末iの隠れ端末の各RSSIの合計を干渉電力Iとして算出することで、対象端末iの複数の隠れ端末から同時に干渉を受ける場合の通信品質を得ることができる。このため、第2通信端末120は、第1通信端末110との間の通信に対して第2通信端末120の複数の隠れ端末から同時に干渉を受けた場合が考慮されたSINRに基づいて、MCSを適切に選択することができる。
図9は、図5に示した第1通信端末の動作の他の例を示すフローチャートである。図9に示すステップS901〜S906,S908〜S911は、図2に示したステップS201〜S206,S208〜S211と同様であるため説明を省略する。図8のステップS907においては、算出部114が、ステップS905によって選択された対象端末iの隠れ端末の各RSSIを読み出し、読み出した各RSSIの最大値(MAX)を対象端末iの干渉電力Iとして算出する(ステップS907)。
ステップS907において、対象端末iの隠れ端末の各RSSIの最大値を干渉電力Iとして算出することで、対象端末iの隠れ端末のいずれかからの干渉を受ける場合の通信品質を得ることができる。このため、第2通信端末120は、第1通信端末110との間の通信に対して隠れ端末から最も大きな干渉を受けた場合が考慮されたSINRに基づいて、MCSを適切に選択することができる。
(通信システムの動作例)
図10は、図5に示した通信システムの動作例を示すシーケンス図である。図10において、測定部112は、ブロードキャスト信号の強度としてブロードキャスト信号のRSSIを測定するものとする。また、算出部114は、通信品質としてSINRを算出するものとする。図10の縦軸は時間軸を示している。
第1通信端末110の算出部114は、時間軸上の周期TでSINRの算出を行うものとする。また、第1通信端末110、第2通信端末120および第3通信端末130は、時間軸上の周期Tでブロードキャスト信号を無線送信するものとする。また、第2通信端末120の決定部124はMCSを決定するものとする。
まず、第2通信端末120が第1通信端末110へブロードキャスト信号を送信する(ステップS1001)。つぎに、第1通信端末110が、ステップS1001によって送信されたブロードキャスト信号のRSSIを測定し、測定したRSSIを記憶部113に記憶する(ステップS1002)。つぎに、第1通信端末110が、ステップS1001によって送信されたブロードキャスト信号から経路情報を読み取り、読み取った経路情報を経路情報記憶部511に記憶する(ステップS1003)。
つぎに、第3通信端末130が第1通信端末110へブロードキャスト信号を送信する(ステップS1004)。つぎに、第1通信端末110が、ステップS1004によって送信されたブロードキャスト信号のRSSIを測定し、測定したRSSIを記憶部113に記憶する(ステップS1005)。つぎに、第1通信端末110が、ステップS1004によって送信されたブロードキャスト信号から経路情報を読み取り、読み取った経路情報を経路情報記憶部511に記憶する(ステップS1006)。
つぎに、第1通信端末110が、周期Tの循環点tまで待機し、ステップS1002およびステップS1005によって記憶された各RSSIに基づいて第2通信端末120および第3通信端末130の各SINRを算出する(ステップS1007)。つぎに、第1通信端末110が、ステップS1007によって算出された各SINRと、ステップS1003によって記憶された経路情報と、を格納したブロードキャスト信号を、第2通信端末120および第3通信端末130のそれぞれへ無線送信する(ステップS1008)。
つぎに、第2通信端末120が、ステップS1008によって送信されたブロードキャスト信号のRSSIを測定し、測定したRSSIを記憶する(ステップS1009)。つぎに、第2通信端末120が、ステップS1008によって送信されたブロードキャスト信号に格納された第1通信端末110の経路情報を読み取り、読み取った経路情報を記憶する(ステップS1010)。
また、第3通信端末130が、ステップS1008によって送信されたブロードキャスト信号のRSSIを測定し、測定したRSSIを記憶する(ステップS1011)。つぎに、第3通信端末130が、ステップS1008によって送信されたブロードキャスト信号に格納された第1通信端末110の経路情報を読み取り、読み取った経路情報を記憶する(ステップS1012)。
つぎに、第2通信端末120が、ステップS1008によって送信されたブロードキャスト信号に格納された第2通信端末120と第1通信端末110の間のSINRを読み取る(ステップS1013)。つぎに、第2通信端末120が、ステップS1013によって読み取られたSINRに基づいてMCSを決定する(ステップS1014)。
つぎに、第2通信端末120が、ステップS1014によって決定されたMCSによって第1通信端末110へデータを送信し(ステップS1015)、一連の動作を終了する。以上の各ステップを、周期Tによって繰り返し行う。
図11は、図10に示した動作において記憶部に記憶されるRSSIの一例を示す図である。図10に示したステップS1002においては、たとえば、図11に示すテーブル1110が記憶部113に記憶される。テーブル1110においては、第2通信端末120から送信されたブロードキャスト信号のRSSI(RSSIb)が、第2通信端末120の識別情報(B)と対応付けられている。
また、図10に示したステップS1005においては、たとえば、図11に示すテーブル1120が記憶部113に記憶される。テーブル1120においては、テーブル1110の内容に加えて、第3通信端末130から送信されたブロードキャスト信号のRSSI(RSSIc)が、第3通信端末130の識別情報(C)と対応付けられている。
図12は、図10に示した動作において経路情報記憶部に記憶される経路情報の一例を示す図である。図10に示したステップS1003においては、たとえば、図12に示すテーブル1210が経路情報記憶部511に記憶される。テーブル1210は、第2通信端末120から送信されたブロードキャスト信号に格納された第2通信端末120の経路情報(宛先端末B、隣接端末B、経路コストCb)を示している。
また、図10に示したステップS1006においては、たとえば、図12に示すテーブル1220が経路情報記憶部511に記憶される。テーブル1220は、第3通信端末130から送信されたブロードキャスト信号に格納された第3通信端末130の経路情報(宛先端末C、隣接端末C、経路コストCc)を示している。
図13は、図10に示した動作において第2および第3通信端末に記憶される経路情報の一例を示す図である。図10に示したステップS1010においては、たとえば、テーブル1310が第2通信端末120に記憶される。テーブル1310は、第1通信端末110から送信されたブロードキャスト信号に格納された経路情報(宛先端末A、隣接端末A、経路コストCa),(宛先端末C、隣接端末C、経路コストCc)を示している。
また、図10に示したステップS1012においては、たとえば、テーブル1320が第3通信端末130に記憶される。テーブル1320は、第1通信端末110から送信されたブロードキャスト信号に格納された経路情報(宛先端末A、隣接端末A、経路コストCa),(宛先端末B、隣接端末C、経路コストCb)を示している。
このように、第1通信端末110、第2通信端末120および第3通信端末130は、互いに経路情報をブロードキャスト信号により通知し合うことで、互いの経路情報を共有する。これにより、第1通信端末110は、対象端末以外の通信端末が対象端末の隠れ端末であるか否かを各通信端末の経路情報に基づいて判別することができる。
このように、実施の形態2にかかる第1通信端末110によれば、実施の形態1にかかる第1通信端末110と同様の効果を奏するとともに、対象端末の隠れ端末のRSSIを干渉電力として対象端末のSINRを算出する。これにより、キャリアセンスによって回避できない隠れ端末からの干渉がある場合でも、自端末と対象端末との間のSINRを精度よく高速に測定することができる。
また、対象端末の隠れ端末の各RSSIの合計を干渉電力として算出することで(図8参照)、対象端末の隠れ端末から同時に干渉を受ける場合のSINRを得ることができる。このため、第2通信端末120は、第1通信端末110との間の通信に対して第2通信端末120の複数の隠れ端末から同時に干渉を受けた場合が考慮されたSINRに基づいてMCSを適切に選択することができるため、通信の安定性を向上させることができる。
また、対象端末の隠れ端末の各RSSIの最大値を干渉電力として算出することで(図9参照)、対象端末の隠れ端末のいずれかから干渉を受ける場合の最低のSINRを得ることができる。このため、第2通信端末120は、第1通信端末110との間の通信に対して隠れ端末から最も大きな干渉を受けた場合が考慮されたSINRに基づいてMCSを適切に選択することができるため、通信の安定性を向上させることができる。
(通信端末のハードウェア構成)
図14は、各通信端末のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。図14において、第1通信端末110は、CPU1411と、RAM1412と、メモリ1413と、通信I/F1414と、ユーザI/F1415と、バス1420と、を備えている。CPU1411、RAM1412、メモリ1413、通信I/F1414およびユーザI/F1415は、バス1420によって接続されている。
ここで、CPU1411は、第1通信端末110の全体の制御を司る。RAM1412は、CPU1411のワークエリアとして使用される。メモリ1413は、ブートプログラムなどのプログラムを記憶している。また、メモリ1413は、CPU1411の制御にしたがってデータの読取および書込を行う。メモリ1413は、たとえばハードディスクやフラッシュメモリなどの記憶媒体である。
通信I/F1414は、他の通信端末との間で無線LANなどの無線通信を行うインターフェースである。ユーザI/F1415は、ユーザからの入力を受け付けるとともに、ユーザへの情報出力を行う。ユーザI/F1415は、たとえばキーボード、タッチパネル式の入力パッド、ポインティングデバイス、ディスプレイなどである。
図1に示した受信部111は、たとえば通信I/F1414によって実現することができる。通信I/F1414は、受信したブロードキャスト信号をメモリ1413に書き込む。また、図1に示した測定部112は、たとえばCPU1411によって実現することができる。CPU1411は、通信I/F1414によってメモリ1413に書き込まれたブロードキャスト信号を読み取る。CPU1411は、読み取ったブロードキャスト信号のRSSIを測定し、測定したRSSIをメモリ1413に書き込む。
また、図1に示した記憶部113は、たとえばメモリ1413によって実現することができる。メモリ1413は、CPU1411の制御にしたがってRSSIの記憶および読み出しを行う。また、図1に示した算出部114は、たとえばCPU1411によって実現することができる。CPU1411は、メモリ1413に書き込まれたRSSIを読み取り、読み取ったRSSIに基づいてSINRを算出する。CPU1411は、算出したSINRをメモリ1413に書き込む。
また、図1に示した作成部115は、たとえばCPU1411によって実現することができる。CPU1411は、メモリ1413に書き込まれたSINRを読み取り、読み取ったSINRを示す品質情報を格納したブロードキャスト信号を作成する。CPU1411は、作成したブロードキャスト信号をメモリ1413に書き込む。
また、図1に示した送信部116は、たとえば通信I/F1414によって実現することができる。通信I/F1414は、メモリ1413に書き込まれたブロードキャスト信号を読み取り、読み取ったブロードキャスト信号を無線送信する。また、図1に示したデータ受信部117は、たとえば通信I/F1414によって実現することができる。
また、図5に示した経路情報記憶部511は、たとえばメモリ1413によって実現することができる。メモリ1413は、CPU1411の制御にしたがって経路情報の記憶および読み出しを行う。
また、第2通信端末120も、第1通信端末110と同様に、CPU1411と、RAM1412と、メモリ1413と、通信I/F1414と、バス1420と、を備えていてもよい。図1に示した送信部121は、たとえば通信I/F1414によって実現することができる。通信I/F1414は、メモリ1413に記憶されたブロードキャスト信号を読み取り、読み取ったブロードキャスト信号を無線送信する。
また、図1に示した受信部122は、たとえば通信I/F1414によって実現することができる。通信I/F1414は、受信したブロードキャスト信号をメモリ1413に書き込む。また、図1に示した読取部123は、たとえばCPU1411によって実現することができる。CPU1411は、メモリ1413に書き込まれたブロードキャスト信号からSINRを読み取り、読み取ったSINRをメモリ1413に書き込む。
また、図1に示した決定部124は、たとえばCPU1411によって実現することができる。CPU1411は、メモリ1413に書き込まれたSINRに基づいてMCSを決定し、決定したMCSの指示情報をメモリ1413に書き込む。また、図1に示したデータ送信部125は、たとえば通信I/F1414によって実現することができる。通信I/F1414は、メモリ1413に書き込まれた指示情報を読み取り、読み取った指示情報が示すMCSによってデータを無線送信する。
また、第3通信端末130も、第1通信端末110と同様に、CPU1411と、RAM1412と、メモリ1413と、通信I/F1414と、バス1420と、を備えていてもよい。図1に示した送信部131は、たとえば通信I/F1414によって実現することができる。通信I/F1414は、メモリ1413に記憶されたブロードキャスト信号を読み取り、読み取ったブロードキャスト信号を無線送信する。
以上説明したように、開示の端末および通信方法によれば、複数の通信端末から定期的に送信されるブロードキャスト信号の強度を記憶しておく。そして、複数の通信端末のうちの対象端末以外の通信端末のブロードキャスト信号の強度を干渉電力として、自端末と対象端末の通信品質を算出する。これにより、自端末と対象端末との間の通信品質を精度よく高速に測定することができる。
なお、上述した各実施の形態(図1および図5)においては、第2通信端末120が第1通信端末110を通信対象とする場合の構成について説明したが、このような構成に限らない。たとえば、第1通信端末110、第2通信端末120および第3通信端末130のそれぞれが、受信部111と、測定部112と、記憶部113と、算出部114と、作成部115と、送信部116と、データ受信部117と、送信部121と、受信部122と、読取部123と、決定部124と、データ送信部125と、を備えていてもよい。
これにより、第1通信端末110、第2通信端末120および第3通信端末130のそれぞれが、第1通信端末110、第2通信端末120および第3通信端末130のうちの自端末以外の任意の通信端末を通信対象として通信品質を測定することができる。
また、実施の形態2においては、第1通信端末110、第2通信端末120および第3通信端末130のそれぞれが経路情報記憶部511を備えていてもよい。上述した実施の形態に関し、さらに以下の付記を開示する。上述した各実施の形態においては、ブロードキャスト信号を送受信して強度を測定する構成について説明したが、ブロードキャスト信号以外の信号の強度を測定する構成にしてもよい。たとえば、ユニキャスト信号を送受信して強度を測定する構成にしてもよい。
上述した実施の形態に関し、さらに以下の付記を開示する。
(付記1)複数の通信端末から無線送信されるブロードキャスト信号をそれぞれ受信する受信部と、
前記受信部によって受信されたブロードキャスト信号の強度を測定する測定部と、
前記測定部によって測定された強度を通信端末ごとに記憶する記憶部と、
前記複数の通信端末のそれぞれを対象端末として、対象端末について前記記憶部に記憶された強度と、前記対象端末以外の通信端末について前記記憶部に記憶された強度と、に基づいて自端末と前記対象端末との間の通信品質を算出する算出部と、
前記算出部によって算出された各通信品質を前記複数の通信端末ごとに対応付けた品質情報を前記複数の通信端末へ無線送信する送信部と、
を備えることを特徴とする通信端末。
(付記2)前記算出部によって算出された各通信品質を格納したブロードキャスト信号を作成する作成部を備え、
前記送信部は、前記作成部によって作成されたブロードキャスト信号を無線送信することを特徴とする付記1に記載の通信端末。
(付記3)前記算出部は、前記対象端末について前記記憶部に記憶された強度と、前記対象端末以外の通信端末について前記記憶部に記憶された各強度の合計と、に基づいて前記通信品質を算出することを特徴とする付記1または2に記載の通信端末。
(付記4)前記算出部は、前記対象端末について前記記憶部に記憶された強度と、前記対象端末以外の通信端末について前記記憶部に記憶された各強度の最大値と、に基づいて前記通信品質を算出することを特徴とする付記1または2に記載の通信端末。
(付記5)前記算出部は、前記対象端末について前記記憶部に記憶された強度と、前記対象端末以外の通信端末のうちの前記対象端末の隠れ端末について前記記憶部に記憶された各強度の合計と、に基づいて前記通信品質を算出することを特徴とする付記1または2に記載の通信端末。
(付記6)前記算出部は、前記対象端末について前記記憶部に記憶された強度と、前記対象端末以外の通信端末のうちの前記対象端末の隠れ端末について前記記憶部に記憶された各強度の最大値と、に基づいて前記通信品質を算出することを特徴とする付記1または2に記載の通信端末。
(付記7)前記複数の通信端末の各経路情報を記憶した経路情報記憶部を備え、
前記算出部は、前記経路情報記憶部によって記憶された経路情報に基づいて、前記対象端末以外の通信端末から前記対象端末の隠れ端末を判別することを特徴とする付記5または6に記載の通信端末。
(付記8)前記算出部は、前記対象端末について前記記憶部に記憶された強度を前記対象端末の信号電力とし、前記対象端末以外の通信端末について前記記憶部に記憶された強度を干渉電力とした信号対干渉雑音比を前記通信品質として算出することを特徴とする付記1〜7のいずれか一つに記載の通信端末。
(付記9)前記複数の通信端末とともにアドホックネットワークを構築することを特徴とする付記1〜8のいずれか一つに記載の通信端末。
(付記10)付記1〜9のいずれか一つに記載の通信端末と、
前記複数の通信端末に含まれ、前記通信端末を通信対象とし、
前記ブロードキャスト信号を無線送信する第2送信部と、
前記送信部によって送信された品質情報を受信する第2受信部と、
前記第2受信部によって受信された品質情報において自端末に対応付けられた通信品質を読み取る読取部と、
前記読取部によって読み取られた通信品質に応じて変調方式および符号化方式の少なくとも一方を決定する決定部と、
前記決定部によって決定された方式によって前記通信端末へデータを無線送信するデータ送信部と、を備える第2通信端末と、
を含むことを特徴とする通信システム。
(付記11)通信対象端末を含む複数の通信端末へブロードキャスト信号を送信する送信部と、
前記送信部によってブロードキャスト信号を送信した結果、前記通信対象端末によって送信された品質情報を受信する受信部と、
前記受信部によって受信された品質情報において自端末に対応付けられた通信品質を読み取る読取部と、
前記読取部によって読み取られた通信品質に応じて変調方式を決定する決定部と、
前記決定部によって決定した変調方式によって前記通信対象端末へデータを無線送信するデータ送信部と、
を備えることを特徴とする通信端末。
(付記12)複数の通信端末から無線送信されるブロードキャスト信号をそれぞれ受信する受信工程と、
前記受信工程によって受信されたブロードキャスト信号の強度を測定する測定工程と、
前記測定工程によって測定された強度を通信端末ごとに記憶する記憶工程と、
前記複数の通信端末のそれぞれを対象端末として、対象端末について前記記憶工程に記憶された強度と、前記対象端末以外の通信端末について前記記憶工程に記憶された強度と、に基づいて自端末と前記対象端末との間の通信品質を算出する算出工程と、
前記算出工程によって算出された各通信品質を前記複数の通信端末ごとに対応付けた品質情報を前記複数の通信端末へ無線送信する送信工程と、
を含むことを特徴とする通信方法。
(付記13)第1通信端末が付記12に記載の通信方法を実行し、
前記複数の通信端末に含まれ、前記第1通信端末を通信対象とする第2通信端末が、
前記送信工程によって送信されたブロードキャスト信号を受信する第2受信工程と、
前記第2受信工程によって受信されたブロードキャスト信号に格納された品質情報において前記第2通信端末に対応付けられた通信品質を読み取る読取工程と、
前記読取工程によって読み取られた通信品質に応じて変調方式および符号化方式の少なくとも一方を決定する決定工程と、
前記決定工程によって決定した方式によって前記第1通信端末へデータを無線送信するデータ送信工程と、
を実行することを特徴とする通信方法。
(付記14)通信対象端末を含む複数の通信端末へブロードキャスト信号を送信する送信工程と、
前記送信工程によってブロードキャスト信号を送信した結果、前記通信対象端末によって送信された品質情報を受信する受信工程と、
前記受信工程によって受信された品質情報において自端末に対応付けられた通信品質を読み取る読取工程と、
前記読取工程によって読み取られた通信品質に応じて変調方式を決定する決定工程と、
前記決定工程によって決定した変調方式によって前記通信対象端末へデータを無線送信するデータ送信工程と、
を含むことを特徴とする通信方法。
(付記15)他の端末から送信される無線信号の非検出に応じて無線信号の送信を許容するアドホック通信システムにおける端末において、
ある第1の端末とは異なる、1以上の他の端末から送信された無線信号の受信レベルを測定する測定部と、
該測定部によって測定された受信レベルについての情報を該第1の端末に送信する送信部と、
を備えたことを特徴とする端末。
(付記16)前記送信部は、前記受信レベルについての情報の送信を前記第1の端末に対するユニキャスト送信またはブロードキャスト送信により行う、
ことを特徴とする付記15に記載の端末。
(付記17)前記受信レベルについての情報は、前記第1の端末から受信した無線信号の受信レベルを希望信号とした場合に、前記1以上の他の端末から受信した無線信号の受信レベルの総和を干渉信号として算出された、受信品質情報を含む、
ことを特徴とする付記15に記載の端末。
(付記18)前記受信レベルについての情報は、前記第1の端末が該端末に対して送信する無線信号を送信する際の適応変調制御に用いられる、
ことを特徴とする付記15に記載の端末。
(付記19)他の端末から送信される無線信号の非検出に応じて無線信号の送信を許容するアドホック通信システムにおける端末の通信方法において、
ある第1の端末とは異なる、1以上の他の端末から送信された無線信号の受信レベルを測定する測定工程と、
該測定工程によって測定された受信レベルについての情報を該第1の端末に送信する送信工程と、
を含むことを特徴とする通信方法。
(付記20)他の端末から送信される無線信号の非検出に応じて無線信号の送信を許容するアドホック通信システムにおける端末において、
ある第1の端末へ無線信号を送信する送信部と、
前記送信部によって送信された無線信号と、前記第1の端末とは異なる他の端末から前記第1の端末へ送信された無線信号と、の前記第1の端末における受信レベルについての情報を前記第1の端末から受信する受信部と、
を備えたことを特徴とする端末。