JP5546884B2 - X線ct装置 - Google Patents

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Description

本発明は、X線CT(Computed Tomography)装置に関し、詳しくは、X線管電流をX線管の回転方向に対して変調させるX線CT装置に関する。
X線CT装置による被検体の撮影において、被検体の体表面近くに存在する放射線感受性の高い組織への被曝線量を低減する手法が種々提案されている。そのうちの1つとして、放射線感受性の高い組織を含む所定の範囲をX線CTスキャン(scan)する際に、X線管電流をX線管の回転方向に対して変調させる手法が提案されている(例えば、特許文献1、要約等参照)。つまり、X線管の回転角度が、その組織へのX線透過長が相対的に短くなるような所定の回転角度範囲に属している間、X線管電流が、通常設定される管電流値より低い管電流値となるように、X線管の回転角度と管電流値との関係を設定して、X線管電流を変調制御する。
特開2004−321587号公報
しかしながら、X線管の回転角度と管電流値との関係を決定する際には、X線管電流の変調制御における時間的な応答特性、すなわち、X線管電流を変化させるのに要する時間を考慮して設定しなければならない。そして、このようなX線管電流の変調制御における時間的な応答特性、例えばX線管電流をある一定量上昇させたり下降させたりするのに要する時間は、X線管の制御系に依存し、当然であるがX線管の回転速度とは無関係である。そのため、X線管の回転角度と管電流値との関係をたとえ同じ設定にしたとしても、X線管の回転速度が異なれば、X線管の回転角度と実際に出力されるX線管電流との関係は変化してしまい、X線管の回転角度に対するX線管電流の変調を所望した通りに行うことができない。例えば、X線管の回転角度と管電流値との関係を、X線管の回転速度がある所定の回転速度であるときに適正となるよう設定したとする。X線管の回転速度がこの所定の回転速度より上がると、X線管電流の下降が意図したタイミング(timing)に間に合わず、上記所定の回転角度範囲におけるX線管電流の低減、すなわち放射線感受性の高い組織への被曝低減が不十分となる。逆に、X線管の回転速度がこの所定の回転速度より下がると、X線管電流の下降するタイミングが早すぎて、X線管電流が低減される回転角度範囲が必要以上に広くなり、再構成される断層像の画質がX線線量不足により劣化する。
このような事情により、X線管の回転速度を変更しても、X線管の回転角度に対するX線管電流の変調を所望した通りに行うことができるX線CT装置が望まれている。
第1の観点の発明は、X線管と、前記X線管を被検体の周りに回転させて前記被検体をX線CTスキャンするスキャン手段と、前記X線管の回転速度を設定する回転速度設定手段と、X線管電流を所定の管電流値より低減してX線CTスキャンすべき前記X線管の回転角度範囲を設定する回転角度範囲設定手段と、前記設定された回転速度と、前記設定された回転角度範囲とに基づいて、前記被検体をX線CTスキャンした場合に所望のX線管電流の変調が得られるような、前記X線管の回転角度と管電流値との関係を決定する関係決定手段と、前記被検体をX線CTスキャンする際に、前記決定された関係に従ってX線管電流を変調させる変調手段とを備えているX線CT装置を提供する。
第2の観点の発明は、前記関係決定手段が、前記設定される回転速度が大きくなるほど、対応する管電流値が前記所定の管電流値より小さくなり始める前記X線管の回転角度と、前記設定された回転角度範囲の始まりの回転角度との間の角度量が大きくなるよう、前記関係を決定する上記第1の観点のX線CT装置を提供する。
第3の観点の発明は、前記関係決定手段が、前記設定された回転角度範囲とは異なる回転角度範囲の少なくとも一部に対する管電流値が、前記所定の管電流値より大きくなるよう、前記関係を決定する上記第1の観点または第2の観点のX線CT装置を提供する。
第4の観点の発明は、前記回転速度設定手段により設定され得る回転速度と、前記回転角度範囲設定手段により設定され得る回転角度範囲との組合せごとに、前記X線管の回転角度と管電流値との関係を対応付けて記憶している記憶手段をさらに備えており、前記関係決定手段が、前記設定された回転速度と前記設定された回転角度範囲との組合せと対応付けて記憶されている関係を、前記被検体をX線CTスキャンする際の前記X線管の回転角度と管電流値との関係として決定する上記第1の観点から第3の観点のいずれか一つの観点のX線CT装置を提供する。
第5の観点の発明は、前記設定された回転角度範囲に対する管電流値の前記所定の管電流値からの低減度を設定する低減度設定手段をさらに備えており、前記関係決定手段が、前記設定された回転速度と、前記設定された回転角度範囲と、前記設定された低減度とに基づいて、前記関係を決定する上記第1の観点から第3の観点のいずれか一つの観点のX線CT装置を提供する。
第6の観点の発明は、前記回転速度設定手段により設定され得る回転速度と、前記回転角度範囲設定手段により設定され得る回転角度範囲と、前記低減度設定手段により設定され得る低減度との組合せごとに、前記X線管の回転角度と管電流値との関係を対応付けて記憶している記憶手段をさらに備えており、前記関係決定手段が、前記設定された回転速度と、前記設定された回転角度範囲と、前記設定された低減度の組合せと対応付けて記憶されている関係を、前記被検体をX線CTスキャンする際の前記X線管の回転角度と管電流値との関係として決定する上記第5の観点のX線CT装置を提供する。
第7の観点の発明は、前記被検体のスカウト(scout)像を取得する取得手段をさらに備えており、前記回転角度範囲設定手段が、前記取得されたスカウト像上において操作者により指定された位置に基づいて、前記X線管の回転角度範囲を設定する上記第1の観点から第6の観点のいずれか一つの観点のX線CT装置を提供する。
第8の観点の発明は、前記被検体のスカウト像を取得する取得手段をさらに備えており、前記回転角度範囲設定手段が、前記取得されたスカウト像の解析結果に基づいて、前記X線管の回転角度範囲を設定する上記第1の観点から第7の観点のいずれか一つの観点のX線CT装置を提供する。
第9の観点の発明は、撮影部位を選択する選択手段をさらに備えており、前記回転角度設定手段が、前記選択された撮影部位に基づいて前記X線管の回転角度範囲を設定する上記第1の観点から第7の観点のいずれか一つの観点のX線CT装置を提供する。
第10の観点の発明は、前記被検体の位置および大きさを推定する推定手段をさらに備えており、前記回転角度範囲設定手段が、前記選択された撮影部位と、前記推定された前記被検体の位置および大きさとに基づいて、前記X線管の回転角度範囲を設定する上記第9の観点のX線CT装置を提供する。
第11の観点の発明は、前記所定の管電流値が、前記X線管の前記被検体に対する位置に応じて定められた管電流値である上記第1の観点から第10の観点のいずれか一つの観点のX線CT装置を提供する。
第12の観点の発明は、前記所定の管電流値が、一定の管電流値である上記第1の観点から第10の観点のいずれか一つの観点のX線CT装置を提供する。
第13の観点の発明は、前記変調手段が、前記被検体の乳腺、甲状腺、または水晶体を含む所定の範囲をX線CTスキャンする際に、前記決定された関係に従ってX線管電流を変調させる上記第1の観点から第12の観点のいずれか一つの観点のX線CT装置を提供する。
ここで、「X線管の回転角度」は、X線管の回転方向における位置を規定するものであり、ビュー(view)角度あるいはガントリ(gantry)角度ともいう。
また、「所定の管電流値」とは、被検体の一部のX線被曝量を意図的に低減させるような条件を含まないスキャン条件によって定められる管電流値であり、例えば、スキャン計画時に操作者により入力される一定の管電流値や、自動露出機構により決定される、変調する管電流値などである。
また、「スカウト像」とは、スキャン計画に用いる被検体の画像であり、本スキャン前に行われるスカウトスキャンを行うことにより取得される。「スカウトスキャン」としては、例えば、X線管の回転角度を一定にして被検体または走査ガントリを体軸方向に移動させながら、本スキャンよりも低線量のX線ビーム(beam)を被検体に照射して投影データを収集するスキャンを考えることができる。また例えば、本スキャンよりも非常に低い線量のX線ビームによるヘリカルスキャン(helical
scan)を考えることができる。
上記観点の発明であるX線CT装置によれば、上記関係決定手段および変調手段を備えているので、設定された、X線管の回転速度とX線管電流を低減したい回転角度範囲とに応じて、X線管電流の変調制御における時間的な応答特性を考慮して定められた、X線管の回転角度と管電流値との関係を決定して、X線CTスキャン時にX線管電流をこの関係に従って変調させることができ、X線管の回転速度を変更しても、X線管の回転角度に対するX線管電流の変調を所望した通りに行うことができる。
発明の実施形態によるX線CT装置の構成を概略的に示す図である。 操作コンソール(console)の機能ブロック図である。 CTスキャン範囲の設定例を示す図である。 管電流低減z方向範囲および管電流低減回転角度範囲の設定例を示す図である。 管電流出力倍率変調パターン記憶部に記憶されている複数の管電流出力倍率変調パターンを概念的に示す図である。 管電流低減回転角度範囲αのみが異なる複数の管電流出力倍率変調パターン(pattern)の具体例を示す図である。 ガントリ回転周期Tのみが異なる複数の管電流出力倍率変調パターンの具体例を示す図である。 低減後管電流レベル(level)Lのみが異なる複数の管電流出力倍率変調パターンの具体例を示す図である。 被曝低減効果の表示制御例を示す図である。 発明の実施形態によるX線CT装置に係る処理の流れを示すフローチャート(flowchart)である。
以下、発明の実施形態について説明する。
図1は、本実施形態によるX線CT装置の構成を概略的に示す図である。X線CT装置100は、操作コンソール1、撮影テーブル(table)10、および走査ガントリ20を備えている。
操作コンソール1は、操作者からの入力を受け付ける入力装置2と、被検体の撮影を行うための各部の制御や画像を生成するためのデータ(data)処理などを行う中央処理装置3と、走査ガントリ20で取得したデータを収集するデータ収集バッファ(buffer)5と、画像を表示するモニタ(monitor)6と、プログラム(program)やデータなどを記憶する記憶装置7とを備えている。
撮影テーブル10は、被検体40を載せて走査ガントリ20の開口部Bに搬送するクレードル(cradle)12を備えている。クレードル12は、撮影テーブル10に内蔵するモータ(motor)で昇降および水平直線移動される。なお、ここでは、被検体40の体軸方向すなわちクレードル12の水平直線移動方向をz方向、鉛直方向をy方向、z方向およびy方向に垂直な水平方向をx方向とする。また、被検体40は、仰向けの状態でクレードル12に載置される場合を想定する。
走査ガントリ20は、回転部15と、回転部15を回転可能に支持する本体部20aとを有する。回転部15には、X線管21と、X線管21を制御するX線コントローラ(controller)22と、X線管21から発生したX線ビーム81をコリメート(collimate)するコリメータ(collimator)23と、被検体40を透過したX線ビーム81を検出するX線検出器24と、X線検出器24の出力を投影データに変換して収集するデータ収集装置(DAS;Data
Acquisition System)25と、X線コントローラ22,コリメータ23,DAS25の制御を行う回転部コントローラ26とが搭載されている。本体部20aは、制御信号などを操作コンソール1や撮影テーブル10と通信する制御コントローラ29を備えている。回転部15と本体部20aとは、スリップリング(slip
ring)30を介して電気的に接続されている。
図2は、操作コンソールの機能ブロック(block)図である。操作コンソール1は、図2に示すように、撮影部位選択部(選択手段)101、スカウトデータ取得部(取得手段)102、CTスキャン範囲設定部103、X線出力設定部104、管電流低減範囲設定部(回転角度範囲設定手段)105、低減後管電流レベル設定部(低減度設定手段)106、ガントリ回転周期設定部(回転速度設定手段)107、管電流出力倍率変調パターン決定部(関係決定手段)108、管電流出力倍率変調パターン記憶部(記憶手段)109、被曝低減効果表示制御部110、CTスキャンデータ取得部(スキャン手段,変調手段)111、画像再構成部112、および画像表示制御部113を備えている。
撮影部位選択部101は、被検体40の撮影部位を選択する。ここでは、操作者が、頭部、首部、胸部、腹部などの選択肢の中から1つを指定し、撮影部位選択部101は、その指定された部位を撮影部位として選択する。選択された撮影部位の情報は、他の各部において、設定の最適化等に用いられる。
スカウトデータ取得部102は、被検体40のスカウトスキャン範囲RSを設定し、撮影テーブル10および走査ガントリ20を制御して、このスカウトスキャン範囲RSに対するスカウトスキャンを行い、スカウトデータPSを取得する。ここでは、撮影部位選択部101により選択された撮影部位が含まれるようなz方向の所定の範囲を、スカウトスキャン範囲RSとして設定する。
CTスキャン範囲設定部103は、本スキャンとしてのX線CTスキャンを行うz方向のCTスキャン範囲RCを設定する。ここでは、操作者が、スカウトデータPSを基にモニタ6に表示されたスカウト像上で、z方向の所望の範囲を指定する。CTスキャン範囲設定部103は、その指定された範囲をCTスキャン範囲RCとして設定する。
図3は、CTスキャン範囲の設定例を示す図である。この例では、操作者が、被検体40の胸部を表すAP方向のスカウト像41上で、ポインタ(pointer)等を用いて、図示の座標Za〜Zbとなるz方向の範囲を指定し、その範囲をCTスキャン範囲RCとして設定している。
X線出力設定部104は、本スキャン時のX線管電圧の管電圧値Vと、本スキャン時のX線管電流の管電流値Aとを設定する。ここでは、操作者が、所望の管電圧値と再構成画像における所望のノイズレベル(noise level)(SD値)とを入力する。X線出力設定部104は、その入力された管電圧値を、本スキャン時のX線管電圧の管電圧値Vとして設定する。また、X線出力設定部104は、いわゆる自動露出機構(GE製品であれば、Auto mAや、Smart mAと呼ばれる機能)により、取得されたスカウトデータPS、入力されたノイズレベルSD、および、設定されたCTスキャン範囲RCを基に、X線管21の被検体40に対する位置、すなわちX線管21のz方向の座標Zおよび回転角度θごとの管電流値A(Z,θ)を求め、これを本スキャン時のX線管電流の管電圧値Aとして設定する。
なお、X線管21のz方向の座標Zは、例えばX線管21のX線焦点fを基準とし、X線管21の回転角度θは、例えばX線管21の回転中心ICを通るy方向の直線と、回転中心ICとX線焦点fとを通る直線とで成す角度とすることができる。また、この管電流値Aは、座標Zに応じてのみ、若しくは、回転角度θに応じてのみ、変化するようにしてもよい。あるいは、自動露出機構を用いずに設定される管電流値、すなわち、座標Zおよび回転角度θとは独立しており、本スキャン時に常に一定とする1つの管電流値であってもよい。
管電流低減範囲設定部105は、管電流低減z方向範囲RDおよび管電流低減回転角度範囲αを設定する。管電流低減z方向範囲とは、本スキャン時のX線管電流を管電流値Aから低減してスキャンする、被検体40のz方向の範囲である。また、管電流低減回転角度範囲とは、本スキャン時のX線管電流を管電流値Aから低減してX線CTスキャンする、X線管21の回転角度範囲である。ここでは、操作者が、モニタ6に表示されたスカウト像上で、CTスキャン範囲RC内に存在する放射線感受性の高い組織を含む領域を、z方向およびx方向に幅を持つ矩形領域で指定する。管電流低減範囲設定部105は、その指定された矩形領域Fのz方向の範囲を、管電流低減z方向範囲RDとして設定する。また、その指定された矩形領域Fのx方向の範囲に対応する所定の回転角度範囲を、管電流低減回転角度範囲αとして設定する。なお、放射線感受性の高い組織としては、例えば、乳腺、甲状腺、水晶体、生殖器などが考えられる。
図4は、管電流低減z方向範囲および管電流低減回転角度範囲の設定例を示す図である。なお、図4において、記号ICはX線管21の回転中心(軸)、記号bは、X線管21のX線焦点fの回転軌道を示している。この例では、操作者が、被検体40の胸部を表すAP方向のスカウト像41上で、ポインタ等を用いてx方向およびz方向に幅を持つ矩形領域Fを、放射線感受性の高い組織である乳腺を含むように指定している。そして、その矩形領域Fのz方向の範囲、すなわち図示の座標Z1〜Z2の範囲を、管電流低減z方向範囲RDとして設定している。また、スカウト像41のx方向の幅と、撮像視野SFOVを表す半径rの円の直径とを対応させ、撮像視野SFOVの円周上で矩形領域Fのx方向の範囲Rx1すなわち座標+X1〜−X1の範囲に対応する円弧VBを特定し、この円弧VBに対応する回転角度範囲を、管電流低減回転角度範囲αとして設定している。
低減後管電流レベル設定部106は、管電流低減z方向範囲RD内の管電流低減回転角度範囲αにおいて、本スキャン時のX線管電流を管電流値Aから低減する際の低減度を規定する指標として、低減後の管電流の大きさを示すレベル(以下、低減後管電流レベルという)を設定する。ここでは、例えば、操作者が、低減後管電流レベルが最小であるレベル1から、低減後管電流レベルが最大であるレベル5までの5段階のレベルの中から一つを選択する。低減後管電流レベル設定部106は、その選択されたレベルを本スキャン時の低減後管電流レベルLとして設定する。
ガントリ回転周期設定部107は、本スキャン時におけるX線管21の回転速度を規定する指標として、X線管21の1回転当りの時間(以下、ガントリ回転周期という)を設定する。ここでは、例えば、操作者が、0.2〜2.0〔sec〕の範囲で0.1〔sec〕刻みの複数の周期の中から一つを選択する。ガントリ回転周期設定部107は、その選択された周期をガントリ回転周期Tとして設定する。
管電流出力倍率変調パターン決定部108は、設定された管電流低減回転角度範囲α、ガントリ回転周期T、および低減後管電流レベルLに基づいて、管電流出力倍率変調パターンC(α,T,L)を設定する。管電流出力倍率変調パターンとは、本スキャン時に管電流低減z方向範囲RDをX線CTスキャンするときの、X線管21の回転角度θと、X線管21がこの回転角度θに位置するときの管電流出力倍率k(θ)との関係を示すパターンである。そして、X線管21の回転角度θごとに、回転角度θに対する管電流値A(θ)と、管電流出力倍率変調パターンC(α,T,L)における回転角度θに対する管電流出力倍率k(θ)とを乗算した値A(θ)・k(θ)が、その回転角度θにおいて目標とすべき最終的な管電流値として設定される。つまり、CTスキャンデータ取得部111は、X線管21の回転角度がθであるときに、管電流値をA(θ)・k(θ)にする制御信号を出力する。
したがって、管電流低減回転角度範囲α、ガントリ回転周期T、および低減後管電流レベルLの組合せに応じて、この管電流出力倍率変調パターンを適正に設定することで、X線管電流の変調制御を所望した通りに行うことができる。つまり、管電流低減回転角度範囲α、および低減後管電流レベルLの設定が変わっても、ガントリ回転周期TでCTスキャンする際に、管電流低減回転角度範囲αにおけるX線管電流を、管電流値A(θ)より低減後管電流レベルLに応じて低減するというX線管電流の変調制御を常に行うことができる。
ここでは、管電流低減回転角度範囲α、ガントリ回転周期T、および低減後管電流レベルLとして設定し得る組合せごとに、その組合せに最適な管電流出力倍率変調パターンを用意し、それらを管電流出力倍率変調パターン記憶部109に記憶させておく。そして、管電流出力倍率変調パターン決定部108は、設定された管電流低減回転角度範囲α、低減後管電流レベルL、およびガントリ回転周期Tの組合せと対応付けて記憶されている管電流出力倍率変調パターンC(α,T,L)をその中から読み出し、本スキャン時の管電流低減z方向範囲における、X線管の回転方向での管電流出力倍率変調パターンとして設定する。
図5は、管電流出力倍率変調パターン記憶部に記憶されている複数の管電流出力倍率変調パターンを概念的に示す図である。なお、図5において、互いに直交する三軸は、それぞれ、管電流低減回転角度範囲α、ガントリ回転周期T、低減後管電流レベルLを表しており、各管電流出力倍率変調パターンC(α,T,L)を、座標(α,T,L)に位置する立方体で表している。
また、図6〜図8は、管電流出力倍率変調パターンの個々の具体例を示す図である。より詳しくは、図6は、管電流低減回転角度範囲αのみが異なる複数の管電流出力倍率変調パターン、図7は、ガントリ回転周期Tのみが異なる複数の管電流出力倍率変調パターン、図8は、低減後管電流レベルLのみが異なる複数の管電流出力倍率変調パターンをそれぞれ示している。なお、これらの図において、テーブルは、管電流出力倍率変調パターンC(α,T,L)におけるX線管の回転角度θと管電流出力倍率kとの関係を示しており、管電流出力倍率kを、X線管が1回転する間に9°間隔で40回制御することを想定したものである。また、円グラフは、この回転角度θと管電流出力倍率kとの関係をグラフ化したものであり、円はX線管21のX線焦点fの回転軌道b、円の外側の数値は回転角度θ、円の内側の数値は管電流出力倍率kをそれぞれ表している。また、これらの図が示す具体例では、管電流出力倍率k(θ)に左右対称性があるが、もちろんこれに限定されず、左右非対称であってもよい。
ところで、X線管電流の変調制御に対する時間的な応答特性は、通常、ガントリ回転周期Tとは無関係である。一方、X線管21の単位時間当たりの移動角度量は、ガントリ回転周期Tが小さくなると大きくなるので、ガントリ回転周期Tが小さくなるほど、X線管電流を所定量変化させるのに要するX線管の移動角度量は大きくなる。そのため、ここでは、図7に示すように、ガントリ回転周期Tが小さくなるほど、管電流出力倍率kが小さくなり始めるX線管の回転角度と、管電流低減回転角度範囲αの始まりの回転角度との間の角度量が大きくなるように変えている。
また、管電流低減回転角度範囲αにおける管電流出力倍率kは、低減後管電流レベルLの大きさに応じて変える必要がある。さらに、X線管電流の低減に伴うX線線量不足により、再構成される断層像の画質が低下するのを抑えるため、管電流低減回転角度範囲αとは異なる回転角度において、管電流出力倍率kを1より大きくしてX線線量不足を補うことも場合よっては必要である。そこで、ここでは、図8に示すように、低減後管電流レベルLの大きさに応じて、管電流低減回転角度範囲αにおける管電流出力倍率kを変えるとともに、管電流出力倍率kの変動範囲を変えている。図8の例では、低減後管電流レベルLの1〜5段階の変化に対して、管電流出力倍率kは0.3(低減度70%)〜0.7(低減度30%)で変化する。
なお、ここでは、管電流出力倍率変調パターン記憶部109は、管電流低減回転角度範囲α、ガントリ回転周期T、および低減後管電流レベルLの組合せとして想定されるすべての組合せについて、管電流出力倍率変調パターンを記憶しているが、必ずしもその必要はない。例えば、管電流出力倍率変調パターン記憶部109に、管電流出力倍率変調パターンを幾つかに限定して記憶させておき、管電流出力倍率変調パターン決定部108が、設定された管電流低減回転角度範囲α、ガントリ回転周期T、および低減後管電流レベルLの組合せに対応した管電流出力倍率変調パターンC(α,T,L)を、その限定された管電流出力倍率変調パターンの補間により求めて設定するようにしてもよい。
被曝低減効果表示制御部110は、決定された管電流出力倍率変調パターンC(α,L,T)に基づいて、被曝低減の効果が視覚的に表現された画像を表示するようモニタ6を制御する。
図9は、被曝低減効果の表示例を示す図である。この例では、管電流低減回転角度範囲α=上向き120°、ガントリ回転周期T=0.5〔sec〕、低減後管電流レベルL=3の組合せに対応する管電流出力倍率変調パターンが設定されている場合を想定している。ここでは、被検体40のスカウト像41のx方向の幅と撮像視野SFOVを表す半径rの円の直径とを対応させ、撮像視野SFOVの上半分の円周において、管電流出力倍率変調パターンC(α,L,T)により管電流出力倍率kが最小(この例では0.5)となる回転角度範囲βに対応する円弧VCをy方向に投影した直線のx方向の範囲Rx2を特定する。また、撮像視野SFOVの上半分の円周において、管電流出力倍率変調パターンC(α,L,T)により管電流出力倍率kが1未満であり、かつ、最小でない値(この例では0.8)となる回転角度範囲γに対応する円弧VDをy方向に投影した直線のx方向の範囲Rx3を特定する。管電流低減z方向範囲RDの領域において、上記特定された範囲Rx2,Rx3をそれぞれ異なるテクスチャ(texture)TX1,TX2で画像化して、スカウト像41に重ねて表示する。
CTスキャンデータ取得部111は、撮影テーブル10および走査ガントリ20を制御して、CTスキャン範囲RCに対するCTスキャンを本スキャンとして行い、CTスキャンデータPCを取得する。なお、ここでは、X線CTスキャンとしてヘリカルスキャンを行うことを想定するが、コンベンショナルスキャン(conventional scan)であってもよい。また、この本スキャン時のガントリ回転周期およびX線管電圧は、それぞれ設定されたガントリ回転周期Tおよび管電圧値Vとなるように制御される。また、本スキャン時のX線管電流は、管電流低減z方向範囲RD以外の範囲をX線CTスキャンするときは、設定された管電流値Aとなるように制御され、管電流低減z方向範囲RDをX線CTスキャンするときは、X線管の回転角度θごとに、この回転角度θに対して設定された管電流値A(θ)と管電流出力倍率k(θ)とを乗算した値A(θ)・k(θ)となるように制御される。
画像再構成部112は、CTスキャンデータPCに基づいて、フィルタ(filter)逆投影処理等の画像再構成処理を行って、CTスキャン範囲RCにおける各位置での断層像を再構成する。
画像表示制御部113は、スカウトデータPSに基づくスカウト像や、再構成された断層像を表示するようモニタ6を制御する。
これより、本実施形態によるX線CT装置における処理の流れについて説明する。
図10は、本実施形態によるX線CT装置における処理の流れを示すフローチャートである。
ステップ(step)S1では、撮影部位の選択を行う。すなわち、操作者が複数の選択肢の中から所望の部位を指定する。撮影部位選択部101は、その指定された部位を撮影部位として選択する。
ステップS2では、スカウトデータの取得を行う。すなわち、スカウトデータ取得部102が、ステップS1にて選択された撮影部位が含まれるようなz方向の所定の範囲を、スカウトスキャン範囲RSとして設定し、撮影テーブル10および走査ガントリ20を制御して、このスカウトスキャン範囲RSに対するスカウトスキャンを行い、スカウトデータPSを取得する。
ステップS3では、スカウト像の表示を行う。すなわち、画像表示制御部116が、ステップS2にて取得されたスカウトデータに基づくスカウト像を、モニタ6に表示する。
ステップS4では、CTスキャン範囲の設定を行う。すなわち、操作者が、ステップS3にて表示されたスカウト像上で所望のz方向の範囲を指定する。CTスキャン範囲設定部103は、その指定された所望の範囲を、CTスキャン範囲RCとして設定する。
ステップS5およびS6では、管電流低減z方向範囲および管電流低減回転角度範囲の設定を行う。すなわち、操作者が、ステップS3にて表示されたスカウト像上で、管電流を低減したい所望の矩形領域を指定する。管電流低減範囲設定部105は、その指定された矩形領域のz方向の範囲を管電流低減z方向範囲RDとして設定し、その指定された矩形領域のx方向の範囲に対応する、X線管の所定の回転角度範囲を管電流低減回転角度範囲αとして設定する。
ステップS7では、X線出力の設定を行う。すなわち、操作者が、所望の管電圧値と再構成画像における所望のノイズレベルとを入力する。X線出力設定部104は、その入力された管電圧値を、本スキャン時のX線管電圧の管電圧値Vとして設定する。また、X線出力設定部104は、いわゆる自動露出機構により、取得されたスカウトデータPS、入力されたノイズレベルSD、および、設定されたCTスキャン範囲RCを基に、X線管21の被検体40に対する位置、すなわちX線管21のz方向の座標Zおよび回転角度θごとに適した管電流値A(Z,θ)を求め、これを本スキャン時のX線管電流の管電圧値Aとして設定する。
ステップS8では、低減後管電流レベルの設定を行う。すなわち、操作者が、最小レベル1〜最大レベル5の5段階のレベルの中から一つを選択する。低減後管電流レベル設定部106は、その選択されたレベルを本スキャン時の低減後管電流レベルLとして設定する。
ステップS9では、ガントリ回転周期の設定を行う。すなわち、操作者が、0.2〜2.0〔sec〕の範囲で0.1〔sec〕刻みの複数の周期の中から一つを選択する。ガントリ回転周期設定部107は、その選択された周期をガントリ回転周期Tとして設定する。
ステップS10では、管電流出力倍率変調パターンの設定を行う。すなわち、管電流出力倍率変調パターン決定部108が、設定された管電流低減回転角度範囲α、ガントリ回転周期T、および低減後管電流レベルLの組合せと対応付けて記憶されている変調パターンC(α,T,L)を、管電流出力倍率変調パターン記憶部109の中から読み出し、本スキャン時の管電流低減z方向範囲における、X線管の回転方向での管電流出力倍率変調パターンとして設定する。
ステップS11では、被曝低減効果の表示を行う。すなわち、被曝低減効果表示制御部110が、決定された管電流出力倍率変調パターンC(α,T,L)に基づいて、被曝低減の効果が視覚的に表現された画像をモニタ6に表示する。
ステップS12では、CTスキャンデータの取得を行う。すなわち、CTスキャンデータ取得部111が、撮影テーブル10および走査ガントリ20を制御して、CTスキャン範囲RCに対するX線CTスキャンを本スキャンとして行い、CTスキャンデータPCを取得する。
ステップS13では、画像再構成処理を行う。すなわち、画像再構成部112が、ステップS12にて取得されたCTスキャンデータPCに基づいて、フィルタ逆投影処理等の画像再構成処理を行って、CTスキャン範囲RCにおける各位置での断層像を再構成する。
ステップS14では、断層像の表示を行う。すなわち、画像表示制御部113が、ステップS13にて再構成された断層像をモニタ6に表示する。
以上、本実施形態によれば、設定された、X線管の回転周期TとX線管電流を低減したい回転角度範囲αとに応じて、X線管電流の変調制御における時間的な応答特性を考慮して定められた、X線管の回転角度θと管電流値k×Aとの関係を決定して、X線CTスキャン時にX線管電流をこの関係に従って変調させることができ、X線管の回転速度を変更しても、X線管の回転角度に対するX線管電流の変調を所望した通りに行うことができる。
また、本実施形態によれば、X線管電流の変調制御信号の送るタイミングを、所望の変調タイミングからX線管電流の制御信号に対する応答時間(遅延時間)分だけ前にシフト(shift)して制御するのではなく、回転角度θごとに目標とする管電流出力倍率kを独立に対応させてθとkの関係を設定し、この関係に従うように制御している。そのため、例えば、X線管電流の制御信号に対する応答時間が、管電流値を所定量上昇させるときと下降させるときとで異なり、その応答時間がX線管21の回転中に変動するような場合にも対応できる。
なお、発明の実施形態は、本実施形態に限定されず、発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変形が可能である。
例えば、本実施形態では、管電流出力倍率変調パターン記憶部110が、管電流低減回転角度範囲、低減後管電流レベル、およびガントリ回転周期の設定され得る組合せごとに、管電流出力倍率変調パターンを対応付けて記憶しており、管電流出力倍率変調パターン決定部109が、設定された管電流低減回転角度範囲α、ガントリ回転周期T、および低減後管電流レベルLの組合せと対応付けて記憶されている変調パターンC(α,T,L)を読み出して設定している。しかし、管電流出力倍率変調パターン記憶部109が、管電流低減回転角度範囲およびガントリ回転周期の設定され得る組合せごとに、管電流出力倍率変調パターンを対応付けて記憶し、管電流出力倍率変調パターン決定部108が、設定された管電流低減回転角度範囲αおよびガントリ回転周期Tの組合せと対応付けて記憶されている変調パターンC(α,T)を読み出して設定するようにしてもよい。
また例えば、本実施形態では、管電流低減範囲設定部105は、スカウト像上で操作者により指定された矩形領域のz方向の範囲とx方向の範囲とに基づいて、管電流低減z方向範囲RDおよび管電流低減回転角度範囲αを設定している。しかし、管電流低減範囲設定部105は、管電流低減z方向範囲RDおよび管電流低減回転角度範囲αの少なくとも一方について、ラテラル(lateral)方向、AP方向などのスカウトデータ若しくはスカウト像を解析して、被検体40の撮影部位の位置、形状、大きさ等を検出し、その結果から上記の矩形領域RAを決定して設定するようにしてもよい。また、管電流低減範囲設定部105は、管電流低減z方向範囲RDについて、選択された撮影部位に基づいて、放射線感受性の高い部位が含まれると想定される所定のz方向の範囲となるように設定してもよい。また、管電流低減範囲設定部105は、管電流低減回転角度範囲αについて、管電流低減z方向範囲RDでのxy平面における被検体40の体軸の位置と大きさを推定して、被検体40の体表面の所定の一部の位置を推定し、その所定の一部の被曝線量が低減されるように設定してもよい。例えば、ラテラル方向、AP方向のスカウトデータ若しくはスカウト像、撮影テーブルの高さ、選択された撮影部位などから、管電流低減z方向範囲RDでのxy平面における被検体40の体軸の位置とx方向およびy方向の幅を推定する。また、xy平面における被検体40の体表面の輪郭のうち、選択された撮影部位に応じて決定される所定の一部の輪郭が含まれる範囲を推定する。例えば、選択された撮影部位が胸部なら、この所定の一部の輪郭の範囲として、被検体40の体軸を中心とする回転方向において回転角度が、回転中心ICを通るy方向の直線を中心とする上向き120°に含まれる範囲を推定する。そして、X線管21の回転方向においてこの所定の一部の輪郭の範囲を含む回転角度範囲を、管電流低減回転角度範囲αとして設定する。
1 操作コンソール
2 入力装置
3 中央処理装置
5 データ収集バッファ
6 モニタ
7 記憶装置
10 撮影テーブル
12 クレードル
15 回転部
20 走査ガントリ
21 X線管
22 X線コントローラ
23 コリメータ
24 X線検出器
25 データ収集装置
26 回転部コントローラ
29 制御コントローラ
30 スリップリング
40 被検体
41 スカウト像
81 X線ビーム
100 X線CT装置
101 撮影部位選択部(選択手段)
102 スカウトデータ取得部(取得手段)
103 CTスキャン範囲設定部
104 X線出力設定部
105 管電流低減範囲設定部(回転角度範囲設定手段)
106 低減後管電流レベル設定部(低減度設定手段)
107 ガントリ回転周期設定部(回転速度設定手段)
108 管電流出力倍率変調パターン決定部(関係決定手段)
109 管電流出力倍率変調パターン記憶部(記憶手段)
110 被曝低減効果表示制御部
111 CTスキャンデータ取得部(スキャン手段,変調手段)
112 画像再構成部
113 画像表示制御部

Claims (12)

  1. X線管と、
    前記X線管を被検体の周りに回転させて前記被検体をX線CTスキャンするスキャン手段と、
    前記X線管の回転速度を設定する回転速度設定手段と、
    X線管電流を所定の管電流値より低減してX線CTスキャンすべき前記X線管の回転角度範囲を設定する回転角度範囲設定手段と、

    前記被検体をX線CTスキャンした場合に所望のX線管電流の変調が得られるような前記X線管の回転角度と管電流値との関係を、前記設定された回転速度と前記設定された回転角度範囲とに基づき決定する関係決定手段であって、前記関係を、前記設定される回転速度が大きくなるほど、対応する管電流値が前記所定の管電流値より小さくなり始める前記X線管の回転角度と、前記設定された回転角度範囲の始まりの回転角度との間の角度量が大きくなるように決定する関係決定手段と、

    前記被検体をX線CTスキャンする際に、前記決定された関係に従ってX線管電流を変調させる変調手段とを備えているX線CT装置。
  2. 前記関係決定手段は、前記設定された回転角度範囲とは異なる回転角度範囲の少なくとも一部に対する管電流値が、前記所定の管電流値より大きくなるよう、前記関係を決定する請求項1に記載のX線CT装置。
  3. 前記回転速度設定手段により設定され得る回転速度と、前記回転角度範囲設定手段により設定され得る回転角度範囲との組合せごとに、前記X線管の回転角度と管電流値との関係を対応付けて記憶している記憶手段をさらに備えており、

    前記関係決定手段は、前記設定された回転速度と前記設定された回転角度範囲との組合せと対応付けて記憶されている関係を、前記被検体をX線CTスキャンする際の前記X線管の回転角度と管電流値との関係として決定する請求項1または請求項2に記載のX線CT装置。
  4. 前記設定された回転角度範囲に対する管電流値の前記所定の管電流値からの低減度を設定する低減度設定手段をさらに備えており、

    前記関係決定手段は、前記設定された回転速度と、前記設定された回転角度範囲と、前記設定された低減度とに基づいて、前記関係を決定する請求項1または請求項2に記載のX線CT装置。
  5. 前記回転速度設定手段により設定され得る回転速度と、前記回転角度範囲設定手段により設定され得る回転角度範囲と、前記低減度設定手段により設定され得る低減度との組合せごとに、前記X線管の回転角度と管電流値との関係を対応付けて記憶している記憶手段をさらに備えており、

    前記関係決定手段は、前記設定された回転速度と、前記設定された回転角度範囲と、前記設定された低減度の組合せと対応付けて記憶されている関係を、前記被検体をX線CTスキャンする際の前記X線管の回転角度と管電流値との関係として決定する請求項に記載のX線CT装置。
  6. 前記被検体のスカウト像を取得する取得手段をさらに備えており、
    前記回転角度範囲設定手段は、前記取得されたスカウト像上において操作者により指定された位置に基づいて、前記X線管の回転角度範囲を設定する請求項1から請求項のいずれか一項に記載のX線CT装置。
  7. 前記被検体のスカウト像を取得する取得手段をさらに備えており、
    前記回転角度範囲設定手段は、前記取得されたスカウト像の解析結果に基づいて、前記X線管の回転角度範囲を設定する請求項1から請求項のいずれか一項に記載のX線CT装置。
  8. 撮影部位を選択する選択手段をさらに備えており、
    前記回転角度設定手段は、前記選択された撮影部位に基づいて前記X線管の回転角度範囲を設定する請求項1から請求項のいずれか一項に記載のX線CT装置。
  9. 前記被検体の位置および大きさを推定する推定手段をさらに備えており、
    前記回転角度範囲設定手段は、前記選択された撮影部位と、前記推定された前記被検体の位置および大きさとに基づいて、前記X線管の回転角度範囲を設定する請求項に記載のX線CT装置。
  10. 前記所定の管電流値は、前記X線管の前記被検体に対する位置に応じて定められた管電流値である請求項1から請求項のいずれか一項に記載のX線CT装置。
  11. 前記所定の管電流値は、一定の管電流値である請求項1から請求項のいずれか一項に記載のX線CT装置。
  12. 前記変調手段は、前記被検体の乳腺、甲状腺、または水晶体を含む所定の範囲をX線CTスキャンする際に、前記決定された関係に従ってX線管電流を変調させる請求項1から請求項11のいずれか一項に記載のX線CT装置。
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