JP5545545B2 - 発光媒体の真偽判定システムおよび真偽判定方法 - Google Patents
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以下、図1乃至図4を参照して、本発明の第1の実施の形態について説明する。はじめに図1および図2を参照して、本発明の真偽判定システムおよび真偽判定方法により真偽判定が実施される発光媒体として偽造防止媒体10について説明する。
図1は、本実施の形態による偽造防止媒体10により構成される商品券(有価証券)の一例を示す図である。図1に示すように、偽造防止媒体10は、基材11と、基材11上に形成された発光部12と、を有している。本実施の形態においては、後述するように、発光部12が、偽造防止媒体10の真偽を判定するための真偽判定用領域として機能する。この発光部12は、不可視光により励起されて蛍光を発する蛍光体を含む蛍光インキ13を印刷することにより形成されている。
例えば0.1〜10μmの範囲内、より具体的には0.1〜3μmの範囲内の粒径を有する顔料を含む蛍光インキ13を用いることができる。この場合、蛍光インキ13に可視光が照射されると、光が顔料粒子によって散乱される。従って、可視光下で発光部12を見た場合、白色の領域として視認される。また上述のように、本実施の形態における基材11は、白色のポリエチレンテレフタレートから形成されている。このため、可視光下において、基材11および発光部12はいずれも白色のものとして視認される。従って、可視光下において発光部12が視認されることはない。このことにより、発光部12を有する偽造防止媒体10が容易に解析されるのを防ぐことができる。
また、0.1μm以下の粒径を有する顔料を含む蛍光インキ13が用いられてもよい。例えば、量子ドットを顔料として含む蛍光インキ13が用いられ得る。
次に図2を参照して、蛍光インキ13についてより詳細に説明する。図2は、蛍光インキ13の蛍光発光スペクトルを示す図である。
なおUV−A照射時には、図2に示すように約610nmの波長の光も発光される。しかしながら、約610nmの波長の光は、ピーク波長が約525nmである光に比べて強度が小さいため、UV−A照射時、蛍光インキ13からの光は緑色光として視認される。同様に、UV−C照射時、図2に示すように約525nmの波長の光も発光されるが、その強度が小さいため、蛍光インキ13からの光は赤色光として視認される。
次に図3を参照して、本発明の第1の実施の形態における真偽判定システム50について説明する。真偽判定システム50は、上述の偽造防止媒体10の真偽判定を行うためのシステムであり、偽造防止媒体10からなる有価証券が利用される様々な場所に設置されるものである。
光照射部20は、図3に示すように、判定対象の偽造防止媒体10の発光部12に対してUV−A(第1不可視光)を第1照射強度で照射する第1光源21と、判定対象の偽造防止媒体10の発光部12に対してUV−C(第2不可視光)を第2照射強度で照射する第2光源22と、を含んでいる。
次に測定部25について説明する。図3に示すように、測定部25は、第1照射強度のUV−Aにより励起されて判定対象の偽造防止媒体10の発光部12から発光する光(第1放出光)と、第2照射強度のUV−Cにより励起されて判定対象の偽造防止媒体10の発光部12から発光する光(第2放出光)とを受光する。この測定部25は、受光した第1放出光および第2放出光に基づいて、第1放出光の色度および第2放出光の色度をそれぞれ求めるよう構成されている。このような測定部25として、例えば、図3に示すように色度計26が用いられる。なお本実施の形態において、「色度を求める」とは、XYZ表色系のxy色度図における色度座標を求めることを意味している。
次にデータベース30について説明する。データベース30は、参照用の偽造防止媒体10(参照用発光媒体)に関する情報を予め格納しておくためのものである。このデータベース30には、具体的には、所定の第1参照照射強度のUV−A(第1不可視光)により励起されて参照用の偽造防止媒体10の発光部12から発光する光(第1参照放出光)の色度と、所定の第2参照照射強度のUV−C(第2不可視光)により励起されて参照用の偽造防止媒体10の発光部12から発光する光(第2参照放出光)の色度と、に関する情報がそれぞれ予め内蔵されている。このような情報は、例えば、偽造防止媒体10の発行元または真偽判定システム50の製造元などにおいて取得され、そしてデータベース30内に格納される。
次に真偽判定部35について説明する。真偽判定部35は、色度計26からの情報と、データベース30に予め内蔵されている参照用の偽造防止媒体10に関する情報と、に基づいて、判定対象の偽造防止媒体10の真偽判定を行うものである。この真偽判定部35は、図3に示すように、データベース30および色度計26からの情報が入力される判定部37を有している。
はじめに基材11を準備する。基材11としては、例えば、厚み188μmの白色のポリエチレンテレフタレートからなる基材が用いられる。次に、蛍光インキ13を用いて、基材11上に発光部12を形成する。
次に、図3および図4を参照して、偽造防止媒体10からなる有価証券が正規のものであるかどうかを、真偽判定システム50を用いて判定する方法について説明する。
はじめに、参照用の偽造防止媒体10に関する情報が予め内蔵されたデータベース30を準備する。以下、データベース30に内蔵される情報を取得する方法について説明する。
次に、判定対象の偽造防止媒体10を準備する。その後、真偽判定システム50の光照射部20の第1光源21を用いて、判定対象の偽造防止媒体10の発光部12に対してUV−A(第1不可視光)を第1照射強度で照射する(第1照射工程)。次に、光照射部20の第2光源22を用いて、判定対象の偽造防止媒体10の発光部12に対してUV−C(第2不可視光)を第2照射強度で照射する(第2照射工程)。なお以下において、判定対象の偽造防止媒体10に対して照射されるUV−AおよびUV−Cを、それぞれ判定用UV−Aおよび判定用UV−Cと称する。
次に、色度計26を用いて、判定用UV−Aにより励起されて判定対象の偽造防止媒体10の発光部12から発光する第1放出光と、判定用UV−Cにより励起されて判定対象の偽造防止媒体10の発光部12から発光する第2放出光とを受光して、第1放出光の色度および第2放出光の色度をそれぞれ測定する。これによって、第1放出光の色度座標(x1_M、y1_M)、および第2放出光の色度座標(x2_M、y2_M)が得られる。
その後、判定部37により、第1参照放出光の色度座標(x1_R、y1_R)と第1放出光の色度座標(x1_M、y1_M)を比較し、かつ、第2参照放出光の色度座標(x2_R、y2_R)と第2放出光の色度座標(x2_M、y2_M)を比較することにより、判定対象の偽造防止媒体10の真偽判定を行う。例えば、色度座標(x1_R、y1_R)と色度座標(x1_M、y1_M)との間の距離が0.05以下であり、かつ色度座標(x2_R、y2_R)と色度座標(x2_M、y2_M)との間の距離が0.05以下である場合、判定対象の偽造防止媒体10が正規品と判定される(〔数1〕参照)。なお、判定の際に用いられる距離の基準値が0.05に限られることはなく、求められる判定の精度に応じて適宜設定される。
次に、図5を参照して、本発明の第2の実施の形態について説明する。図5に示す第2の実施の形態においては、第1放出光の色度および輝度と第1参照放出光の色度および輝度を比較し、かつ、第2放出光の色度および輝度と第2参照放出光の色度および輝度を比較することにより、偽造防止媒体10の真偽判定が行われる。図5に示す第2の実施の形態において、図1乃至図4に示す第1の実施の形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
図5は、本実施の形態における真偽判定システム50を示す図である。図5に示すように、本実施の形態においては、測定部25として、第1放出光および第2放出光の色度および輝度を求める色彩輝度計27が用いられる。色彩輝度計27の例としては、例えば、トプコン社製の色彩輝度計BM7を挙げることができる。なお本実施の形態において、「輝度を求める」とは、XYZ表色系の三刺激値XYZのうちのY値を求めることを意味している。
次に、このような構成からなる本実施の形態の作用について説明する。ここでは、偽造防止媒体10からなる有価証券が正規のものであるかどうかを判定する方法について説明する。
はじめに、参照用の偽造防止媒体10に関する情報が予め内蔵されたデータベース30を準備する。本実施の形態において、データベース30は、表1に示すように、第1参照放出光および第2参照放出光について、色度に関する情報だけでなく輝度に関する情報も含んでいる。またデータベース30は、表1に示すように、参照用UV−A、参照用UV−Cの強度に関する情報も含んでいる。
次に、判定対象の偽造防止媒体10を準備する。その後、真偽判定システム50の光照射部20の第1光源21を用いて、判定対象の偽造防止媒体10の発光部12に対して判定用UV−Aを第1照射強度で照射する(第1照射工程)。次に、光照射部20の第2光源22を用いて、判定対象の偽造防止媒体10の発光部12に対して判定用UV−Cを第2照射強度で照射する(第2照射工程)。
次に、色彩輝度計27を用いて、判定用UV−Aにより励起されて判定対象の偽造防止媒体10の発光部12から発光する第1放出光と、判定用UV−Cにより励起されて判定対象の偽造防止媒体10の発光部12から発光する第2放出光の色度および輝度を測定する。測定により得られる情報と、判定用UV−Aおよび判定用UV−Cに関する情報とをあわせて表2に示す。
次に、輝度補正部36により、参照用UV−Aの第1参照照射強度I1_Rおよび参照用UV−Cの第2参照照射強度I2_Rと、判定用UV−Aの第1照射強度I1_Mおよび判定用UV−Cの第2照射強度I2_Mとの相違を考慮して、データベース30内の第1参照放出光の輝度Y1_Rおよび第2参照放出光の輝度Y2_Rを補正する。具体的には、以下の〔数2〕に基づいて、第1参照放出光の補正後の輝度Y’1_R、および、第2参照放出光の補正後の輝度Y’2_Rを算出する。
次に、判定部37により、第1参照放出光の色度および補正後の輝度と第1放出光の色度および輝度を比較し、かつ、第2参照放出光の色度および補正後の輝度と第2放出光の色度および輝度を比較することにより、偽造防止媒体10の真偽判定を行う。例えば、はじめに、第1参照放出光の色度座標(x1_R、y1_R)と第1放出光の色度座標(x1_M、y1_M)との間の距離、および、第2参照放出光の色度座標(x2_R、y2_R)と第2放出光の色度座標(x2_M、y2_M)との間の距離が算出される。次に、第1参照放出光の補正後の輝度Y’1_Rと第1放出光の輝度Y1_Mとの差、および、第2参照放出光の補正後の輝度Y’2_Rと第2放出光の輝度Y2_Mとの差が算出される。そして、色度座標間の距離が0.05以下であり、かつ、第1/第2参照放出光の補正後の輝度Y’1_R/Y’2_Rと第1/第2放出光の輝度Y1_M/Y2_Mとの差を第1/第2参照放出光の補正後の輝度Y’1_R/Y’2_Rで割った値の絶対値が0.05以下(〔数3〕参照)の場合、判定対象の偽造防止媒体10が正規のものであると判定される。なお、判定の際に用いられる色度座標間の距離の基準値が0.05に限られることはなく、求められる判定の精度に応じて適宜設定される。同様に、判定の際に用いられる輝度に関する基準値が0.05に限られることはなく、求められる判定の精度に応じて適宜設定される。
なお本実施の形態において、第1参照放出光の補正後の輝度Y’1_Rと第1放出光の輝度Y1_Mとが比較され、かつ、第2参照放出光の補正後の輝度Y’2_Rと第2放出光の輝度Y2_Mとが比較される例を示した。しかしながら、これに限られることはなく、例えば、はじめに第1参照放出光の補正後の輝度Y’1_Rと第2参照放出光の補正後の輝度Y’2_Rとの輝度比(参照放出光輝度比)を算出し、次に第1放出光の輝度Y1_Mと第2放出光の輝度Y2_Mとの輝度比(放出光輝度比)を算出し、そして参照放出光輝度比と放出光輝度比とを比較してもよい。このことにより、以下に述べるように様々な要因によって第1放出光の輝度Y1_Mおよび第2放出光の輝度Y2_Mがばらつく場合であっても、偽造防止媒体10の真偽判定を正確に実施することが可能となる。
また本実施の形態において、第1放出光の色度および輝度と第1参照放出光の色度および輝度がそれぞれ比較され、かつ、第2放出光の色度および輝度と第2参照放出光の色度および輝度がそれぞれ比較される例を示した。しかしながら、これに限られることはなく、例えば、第1放出光と第1参照放出光の色差を比較し、かつ、第2放出光と第2参照放出光の色差を比較してもよい。ここで色差とは、L*a*b*表色系におけるL*、a*およびb*に基づいて算出される値であり、肉眼で観察された場合の色の相違に関する指標となる値である。なお、L*a*b*表色系におけるL*、a*およびb*や、XYZ表色系における三刺激値X、YおよびZは、光のスペクトルなどに基づいて算出される。またL*、a*およびb*と三刺激値X、Y、Zとの間には、周知の変換式に従う関係が成立している。
なお、L*a*b*についてはJISZ8730「色の表示方法−物体色の色差」において定義されており、またXYZについてはJISZ8722「色の測定方法−反射及び透過物体色」において定義されている。
また本実施の形態において、参照用UV−Aの第1参照照射強度I1_Rおよび参照用UV−Cの第2参照照射強度I2_Rと、判定用UV−Aの第1照射強度I1_Mおよび判定用UV−Cの第2照射強度I2_Mとの相違に基づいて、データベース30内の第1参照放出光の輝度Y1_Rおよび第2参照放出光の輝度Y2_Rが補正される例を示した。しかしながら、これに限られることはなく、参照用UV−Aおよび参照用UV−Cと、判定用UV−Aおよび判定用UV−Cのスペクトル形状の相違をさらに考慮した上で、データベース30内の輝度Y1_Rおよび輝度Y2_Rを補正してもよい。例えば、スペクトルの半値幅を考慮した上で、データベース30内の第1参照放出光の輝度Y1_Rおよび第2参照放出光の輝度Y2_Rを補正してもよい。これによって、データベース30内の輝度Y1_Rおよび輝度Y2_Rをより正確に補正することができる。
次に、図6および図7を参照して、本発明の第3の実施の形態について説明する。図6および図7に示す第3の実施の形態においては、第1光源21からの判定用UV−Aと、第2光源22からの判定用UV−Cが、判定対象の偽造防止媒体10の発光部12に対して同時に照射される。図6および図7に示す第3の実施の形態において、図1乃至図4に示す第1の実施の形態および図5に示す第2の実施の形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
図6は、本実施の形態における真偽判定システム50を示す図である。本実施の形態において、判定対象の偽造防止媒体10の発光部12に対して同時に照射される判定用UV−Aと判定用UV−Cの強度の比率は、後述するように、データベース30からの情報に基づいて決定される(図6参照)。
次に、このような構成からなる本実施の形態の作用について説明する。ここでは、偽造防止媒体10からなる有価証券が正規のものであるかどうかを判定する方法について説明する。
はじめに、参照用の偽造防止媒体10に関する情報が予め内蔵されたデータベース30を準備する。なお本実施の形態においては、参照用の偽造防止媒体10に関する情報を取得する際、参照用UV−Aおよび参照用UV−Cが参照用の偽造防止媒体10の発光部12に対して同時に照射される。そして、同時照射時に得られる下記の混合参照放出光の色度に関する情報が、データベース30に格納される。なお、参照用UV−Aまたは参照用UV−Cのみを参照用の偽造防止媒体10の発光部12に対して単独で照射することにより得られる第1参照放出光または第2参照放出光の色度に関する情報が、データベース30にさらに格納されていてもよい。
次に、真偽判定の対象となる偽造防止媒体10を準備する。その後、第1光源21からの判定用UV−Aと、第2光源からの判定用UV−Cとを、判定対象の偽造防止媒体10に対して同時に照射する。この際、判定用UV−Aの第1照射強度I1_Mと判定用UV−Cの第2照射強度I2_Mとの比が、上述の参照用UV−Aの第1参照照射強度I1_Rと参照用UV−Cの第2参照照射強度I2_Rの比とほぼ等しくなるよう、第1照射強度および第2照射強度が設定される。
次に、色度計26を用いて、判定用UV−Aにより励起されて判定対象の偽造防止媒体10の発光部12から発光する光と、判定用UV−Cにより励起されて判定対象の偽造防止媒体10の発光部12から発光する光とが混合されてなる混合放出光を受光して、混合放出光の色度を測定する。これによって、混合放出光の色度座標(xM_M、yM_M)が得られる。
その後、判定部37により、混合参照放出光の色度座標(xM_R、yM_R)と混合放出光の色度座標(xM_M、yM_M)を比較することにより、判定対象の偽造防止媒体10の真偽判定を行う。
なお本実施の形態において、判定用UV−Aの第1照射強度I1_Mと判定用UV−Cの第2照射強度I2_Mとの比が、参照用UV−Aの第1参照照射強度I1_Rと参照用UV−Cの第2参照照射強度I2_Rの比とほぼ等しくなるよう、第1照射強度および第2照射強度が設定される例を示した。しかしながら、これに限られることはなく、判定用UV−Aの第1照射強度I1_Mと判定用UV−Cの第2照射強度I2_Mとの比(以下、照射強度比)が、参照用UV−Aの第1参照照射強度I1_Rと参照用UV−Cの第2参照照射強度I2_Rの比(以下、参照照射強度比)と異なっていてもよい。この場合、第1照射強度I1_Mおよび第2照射強度I2_Mと第1参照照射強度I1_Rおよび第2参照照射強度I2_Rとの相違を考慮したうえで、混合放出光の色度と混合参照放出光の色度が比較される。
また本実施の形態において、上述の第2の実施の形態の場合と同様に、混合放出光の輝度がさらに求められてもよい。この場合、データベース30は、混合参照放出光の輝度に関する情報をさらに有している。また、測定器25として色彩輝度計2
7が用いられる。そして、真偽判定部35において、第1照射強度I1_Mおよび第2照射強度I2_Mと第1参照照射強度I1_Rおよび第2参照照射強度I2_Rとの相違を考慮したうえで、混合放出光の色度および輝度と混合参照放出光の色度および輝度を比較することにより、判定対象の偽造防止媒体10の真偽判定が行われる。これによって、真偽判定をより精度良く実施することができる。この際、上述の第2の実施の形態の第2の変形例の場合と同様に、混合放出光と混合参照放出光の間の色差に基づいて真偽判定が実施されてもよい。
次に、図8を参照して、本発明の第4の実施の形態について説明する。図8に示す第4の実施の形態は、光照射部20により、判定対象の偽造防止媒体10の発光部12に対して判定用UV−Aおよび判定用UV−Cが複数回照射される点が異なるのみであり、他の構成は、図6および図7に示す第3の実施の形態と略同一である。図8に示す第4の実施の形態において、図6および図7に示す第3の実施の形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
この場合、データベース30は、複数回の照射における混合放出光の色度に対応する、混合参照放出光の色度に関する複数の情報を予め含んでいてもよい。すなわち、複数回の照射における判定用UV−Aと判定用UV−Cの照射強度比に対応する参照照射強度比の下で、混合参照放出光の色度に関する情報が予め取得されていてもよい。
または、上述の第3の実施の形態の第1の変形例の場合と同様に、複数回の照射の度に、照射強度比と参照照射強度比の相違に基づいて混合参照放出光の補正後の色度が算出されてもよい。この場合、複数回の照射の度に、混合参照放出光の補正後の色度と、混合放出光の色度とが比較される。
なお上記各実施の形態において、偽造防止媒体10の発光部12に含まれる蛍光体として、波長254nmの紫外線(UV−C)により励起されて赤色光を発光し、波長365nmの紫外線(UV−A)により励起されて緑色光を発光する蛍光体DE−RGが用いられる例を示した。しかしながら、これに限られることはなく、発光部12の蛍光体として、波長254nmの紫外線(UV−C)により励起されて赤色光を発光し、波長365nmの紫外線(UV−A)により励起されて青色光を発光する蛍光体DE−RB(根本特殊化学製)など、様々な二色性蛍光体を用いることができる。
11 基材
12 発光部
13 蛍光インキ
20 光照射部
21 第1光源
22 第2光源
25 測定部
26 色度計
27 色彩輝度計
30 データベース
35 真偽判定部
36 輝度補正部
37 判定部
50 真偽判定システム
Claims (4)
- 発光媒体に対して真偽判定を行う真偽判定システムにおいて、
発光媒体は、第1波長領域内の第1不可視光が照射されたときに第1色の光を発光するとともに、第2波長領域内の第2不可視光が照射されたときに第2色の光を発光する蛍光体を含む発光部を有し、
真偽判定システムは、
判定対象の発光媒体の発光部に対して、第1照射強度を有する第1不可視光および第2照射強度を有する第2不可視光を同時に照射する光照射部と、
前記第1照射強度の第1不可視光により励起されて判定対象の発光媒体の発光部から発光する光と、前記第2照射強度の第2不可視光により励起されて判定対象の発光媒体の発光部から発光する光とが混合されてなる混合放出光を受光して、前記混合放出光の色度を求める測定部と、
所定の第1参照照射強度の第1不可視光により励起されて参照用の発光媒体の発光部から発光する光と、所定の第2参照照射強度の第2不可視光により励起されて参照用の発光媒体の発光部から発光する光と、が混合されてなる混合参照放出光の色度に関する情報が予め内蔵されたデータベースと、
前記第1照射強度および前記第2照射強度と前記第1参照照射強度および前記第2参照照射強度との関係を考慮したうえで、前記混合放出光の色度と前記混合参照放出光の色度を比較することにより、判定対象の発光媒体の真偽判定を行う真偽判定部と、を備え、
前記光照射部から判定対象の発光媒体の発光部に対して照射される第1不可視光の第1照射強度および第2不可視光の第2照射強度が調整可能であり、
前記光照射部は、前記第1照射強度および前記第2照射強度を変化させながら、判定対象の発光媒体の発光部に対して第1不可視光および第2不可視光を複数回照射し、
前記測定部は、前記混合放出光の色度を光照射部による照射の度に求め、
前記真偽判定部は、光照射部による複数回の照射のそれぞれに対して、前記第1照射強度および前記第2照射強度と前記第1参照照射強度および前記第2参照照射強度との関係を考慮したうえで、前記混合放出光の色度と前記混合参照放出光の色度を比較することにより、判定対象の発光媒体の真偽判定を行う
ことを特徴とする真偽判定システム。 - 前記測定部は、前記混合放出光の輝度をさらに求め、
前記データベースは、前記混合参照放出光の輝度に関する情報をさらに有し、
前記真偽判定部は、前記第1照射強度および前記第2照射強度と前記第1参照照射強度および前記第2参照照射強度との関係を考慮したうえで、前記混合放出光の色度および輝度と前記混合参照放出光の色度および輝度を比較することにより、判定対象の発光媒体の真偽判定を行う
ことを特徴とする請求項1に記載の真偽判定システム。 - 発光媒体に対して真偽判定を行う真偽判定方法において、
発光媒体は、第1波長領域内の第1不可視光が照射されたときに第1色の光を発光するとともに、第2波長領域内の第2不可視光が照射されたときに第2色の光を発光する蛍光体を含む発光部を有し、
真偽判定方法は、
所定の第1参照照射強度の第1不可視光により励起されて参照用の発光媒体の発光部から発光する光と、所定の第2参照照射強度の第2不可視光により励起されて参照用の発光媒体の発光部から発光する光と、が混合されてなる混合参照放出光の色度に関する情報が予め内蔵されたデータベースを準備する工程と、
判定対象の発光媒体の発光部に対して、第1照射強度を有する第1不可視光および第2照射強度を有する第2不可視光を同時に照射する照射工程と、
前記第1照射強度の第1不可視光により励起されて判定対象の発光媒体の発光部から発光する光と、前記第2照射強度の第2不可視光により励起されて判定対象の発光媒体の発光部から発光する光とが混合されてなる混合放出光を受光して、前記混合放出光の色度を求める測定工程と、
前記第1照射強度および前記第2照射強度と前記第1参照照射強度および前記第2参照照射強度との関係を考慮したうえで、前記混合放出光の色度と前記混合参照放出光の色度を比較することにより、判定対象の発光媒体の真偽判定を行う真偽判定工程と、を備え、
前記照射工程において、判定対象の発光媒体の発光部に対して照射される第1不可視光の第1照射強度および第2不可視光の第2照射強度が調整可能であり、
前記照射工程において、前記第1照射強度および前記第2照射強度を変化させながら、判定対象の発光媒体の発光部に対して第1不可視光および第2不可視光が複数回照射され、
前記測定工程において、前記混合放出光の色度が、前記照射工程における第1不可視光および第2不可視光の照射の度に求められ、
前記真偽判定工程において、前記照射工程における第1不可視光および第2不可視光の複数回の照射のそれぞれに対して、前記第1照射強度および前記第2照射強度と前記第1参照照射強度および前記第2参照照射強度との関係を考慮したうえで、前記混合放出光の色度と前記混合参照放出光の色度を比較することにより、判定対象の発光媒体の真偽判定が行われる
ことを特徴とする真偽判定方法。 - 前記測定工程において、前記混合放出光の輝度がさらに求められ、
前記データベースは、前記混合参照放出光の輝度に関する情報をさらに有し、
前記真偽判定工程において、前記第1照射強度および前記第2照射強度と前記第1参照照射強度および前記第2参照照射強度との関係を考慮したうえで、前記混合放出光の色度および輝度と前記混合参照放出光の色度および輝度を比較することにより、判定対象の発光媒体の真偽判定が行われる
ことを特徴とする請求項3に記載の真偽判定方法。
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