以下、本発明を実施の形態を示す図面に基づいて説明する。図1は本実施の形態の画像表示装置100の構成の一例を示すブロック図である。画像表示装置100は、信号入力部11、前段LUT(ルックアップテーブル)12、色制御部13、ムラ補正部14、後段LUT(ルックアップテーブル)15、駆動部16、表示パネル17などを備えている。また、画像表示装置100は、信号線を介して外部のPC(パーソナルコンピュータ)200に接続されている。
信号入力部11は、PC200などの外部機器にケーブルを介して接続される接続端子を有しており、PC200から入力される映像信号を取得する。信号入力部11は、取得した映像信号を前段LUT12へ出力する。映像信号は、例えば、R(赤色)、G(緑色)、B(青色)それぞれについて8ビットで階調が表現される(256階調)。なお、入力される映像信号の階調は、8ビットで構成されるものに限定されるものではない。
前段LUT12は、例えば、R(赤)G(緑)B(青)それぞれに対応したLUTを備え、入力された映像信号により表現される入力階調と、その入力階調に対応する表示パネル17(より正確には、後段LUT15)への入力レベルとが関連付けられている。前段LUT12は、例えば、入力階調が8ビットで構成され、0〜255の256階調それぞれに対応する256個のエントリに、例えば、8ビットで表される出力階調(出力値)を格納してあり、ユーザにより階調特性が設定可能(例えば、ガンマ値の設定が可能)に構成してあり、所望の階調特性を実現することができる。なお、出力階調は8ビットで表現されるものに限定されるものではなく、10ビット、12ビット、14ビットなどでもよい。以下では、出力階調を8ビット(256階調)として説明する。
色制御部13は、前段LUT12から出力された出力値に対して、例えば、R、G、B成分に対応する変換係数で構成される3×3マトリクス(色変換マトリクスD)により、特定の色の成分を強めたり、あるいは弱めたりすることにより、色調整を行う。
ムラ補正部14は、色制御部13から出力された出力階調に対して、ムラ補正を行い、補正後の出力階調を後段LUT15へ出力する。
後段LUT15は、階調補正手段としての機能を有し、例えば、R(赤)G(緑)B(青)それぞれに対応したLUTを備え、表示パネル17に異なる階調特性を理想的なガンマ値(後段ガンマ、例えば、2.2)になるようにして滑らかな階調表現を実現するために出力階調を補正し、補正後の出力階調を駆動部16へ出力する。なお、後段LUT15は必須の構成ではなく、省略することもできる。
駆動部16は、後段LUT15(後段LUT15を具備しない場合には、ムラ補正部14)から入力されたR、G、Bそれぞれの8ビットデータの下位ビット(例えば、下位2ビット)からフレーム変調パターンを生成し、生成した変調パターンを用いて、表示パネル17(例えば、表示可能階調:6ビット、64階調)において多階調表示(例えば、8ビット、256階調)を実現すべく表示パネル17を駆動する。
表示パネル17は、例えば、液晶パネルを備え、例えば、表示可能階調は64階調(6ビット表示)である。以下では、画像表示装置100内に駆動部16を設けた例について説明するが、これに限らず、PC200内に駆動部16を設け、多階調化された映像信号を表示装置としての表示パネルへ出力するようにしてもよい。
図2は本実施の形態の駆動部16の構成の一例を示すブロック図である。駆動部16は、FRC(Frame Rate Control)処理を行うFRC部160、表示手段としての多階調化処理部166などを備える。また、FRC部160は、ビット抽出部161、変調ビット設定部162、重み付け部163、平均化処理部164、高周波数化処理部165などを備える。
駆動部16は、例えば、6ビット表示(64階調)の表示パネル17に対して、PC200からR、G、Bそれぞれが8ビット表示(256階調)の映像信号が画像表示装置100に入力される。8ビットのままでは表示パネル17を駆動することができないので、駆動部16は、入力された8ビットの映像信号を6ビット化するとともに8ビット表現の階調への多階調化を行う。
まず、FRC処理による多階調化の方法の原理について説明する。図3はFRC処理の様子を示す模式図である。FRC処理のための1周期を4フレームとしてある。1周期のフレーム数は、表示パネルの駆動可能な周波数と人の目の動体視力から、人が感知できない範囲で設定される。図3の例は、8ビットの映像信号から下位2ビットを抽出して、いわゆるFRC処理を行い、表示パネルへ出力する残りの上位6ビットの映像信号を多階調化する様子を示す。なお、ビット数は一例であって、図3の例に限定されるものではない。
図3に示すように、入力された8ビットの映像信号から、上位6ビットと下位2ビットに分離して抽出する。次に、抽出した下位2ビットの組み合わせ(値)に基づいて、予め定められている変調パターンを決定する。変調パターンは、4つのフレームt1、t2、t3、t4での変調ビットの組である。例えば、下位2ビットが(00)である場合、決定される変調パターンは、(0、0、0、0)となり、下位2ビットが(11)である場合、決定される変調パターンは、(1、1、1、0)となる。
フレーム変調は、分離された上位6ビットと、決定された変調パターンに従ってフレーム毎に出力される変調ビットとにより行われる。例えば、下位2ビットが(11)である場合、決定される変調パターンは、(1、1、1、0)となるので、フレームt1では変調ビット「1」がフレーム変調部へ出力され、フレームt2では変調ビット「1」がフレーム変調部へ出力され、フレームt3では変調ビット「1」がフレーム変調部へ出力され、フレームt4では変調ビット「0」がフレーム変調部へ出力される。他の下位2ビットの組み合わせについても同様に決定された変調パターン内の各フレームでの変調ビットがフレーム変調部へ出力される。
図4はFRC処理による多階調化の一例を示す説明図である。フレーム変調部は、変調ビットに従って上位6ビットの映像信号を表示パネルへ出力する。すなわち、フレーム変調部は、変調ビットが「0」の場合には、上位6ビットの映像信号をそのまま表示パネルへ出力し、変調ビットが「1」の場合には、上位6ビットの映像信号が示す階調を1つ増加させて表示パネルへ出力する。
図4に示すように、下位2ビットが(00)の場合、変調パターンは、(0、0、0、0)となり、フレームt1、t2、t3、t4では、それぞれ変調ビット「0」が出力される。したがって、フレーム変調部は、フレームt1、t2、t3、t4において、上位6ビットの映像信号をそのまま出力するので、4つのフレームでの階調の増加分の平均(平均増加階調)は0である。
また、下位2ビットが(01)の場合、変調パターンは、(1、0、0、0)となり、フレームt1、t2、t3、t4では、変調ビット(1、0、0、0)が出力される。したがって、フレーム変調部は、フレームt1において、上位6ビットの映像信号が示す階調を1つ増加させ、フレームt2、t3、t4において、上位6ビットの映像信号をそのまま出力するので、4つのフレームでの階調の増加分の平均(平均増加階調)は0.25である。
また、下位2ビットが(10)の場合、変調パターンは、(1、0、1、0)となり、フレームt1、t2、t3、t4では、変調ビット(1、0、1、0)が出力される。したがって、フレーム変調部は、フレームt1、t3において、上位6ビットの映像信号が示す階調を1つ増加させ、フレームt2、t4において、上位6ビットの映像信号をそのまま出力するので、4つのフレームでの階調の増加分の平均(平均増加階調)は0.50である。
また、下位2ビットが(11)の場合、変調パターンは、(1、1、1、0)となり、フレームt1、t2、t3、t4では、変調ビット(1、1、1、0)が出力される。したがって、フレーム変調部は、フレームt1、t2、t3において、上位6ビットの映像信号が示す階調を1つ増加させ、フレームt4において、上位6ビットの映像信号をそのまま出力するので、4つのフレームでの階調の増加分の平均(平均増加階調)は0.75である。
ビット抽出部161は、抽出手段としての機能を有し、複数の色の映像信号それぞれから下位ビットを抽出し、抽出した下位ビットを変調ビット設定部162へ出力する。複数の色は、例えば、R(赤色)、G(緑色)、B(青色)である。各色の画素の映像信号は、例えば、8ビットであり、8ビットの映像信号のうち下位2ビットを抽出することができる。なお、映像信号のビット数は8ビットに限定されるものでなく、10ビット、12ビットなど他の数でもよい。この場合、下位ビットも2ビットに限定されない。
ビット抽出部161は、抽出した下位ビットの残りの上位ビット(例えば、上位6ビット)を多階調化処理部166へ出力する。
変調ビット設定部162は、設定手段としての機能を有し、ビット抽出部161で抽出した下位ビットに応じて、複数の連続する時間帯毎に変調の有無を示す変調ビットを複数の色毎に設定する。変調ビット設定部162は、設定した変調パターンを重み付け部163へ出力する。
複数の連続する時間帯それぞれは、1つのフレームを表し、4フレームを1周期とした場合、時間帯の数は、1フレーム〜4フレームの4つとなる。変調ビットは、フレーム(時間帯)ごとに「1」又は「0」で表される。
変調ビットのパターンは、1周期としたフレーム数(上記では4フレーム)の範囲で設定され、下位2ビットと対応づけて予め記憶される。この変調ビットが0の時は上位ビットどおりの階調を表示部(表示パネル)へ出力し、変調ビットが1の時は当該階調に1階調加えた階調を表示部へ出力することで、入力の8ビットの映像信号と同等の階調を擬似的に表示パネルに表示させることができる。
図5は下位ビットと変調ビットオンの数との関係の一例を示す説明図である。下位2ビットを抽出する構成であるので、フレーム数は2ビットで表現できる数である4となる。図5に示すように、下位2ビットが(00)の場合、変調ビットオンの数は0とし、下位2ビットが(01)の場合、変調ビットオンの数は1とし、下位2ビットが(10)の場合、変調ビットオンの数は2とし、下位2ビットが(11)の場合、変調ビットオンの数は3とすることができる。
図6はRGBそれぞれの下位2ビットの一例を示す説明図である。本実施の形態の以下の説明では、図6に示すように、R、G、Bそれぞれの映像信号の下位2ビットをRは(01)、Gは(10)、Bは(11)であるとする。
図7はRGB毎に設定された変調パターンの一例を示す説明図である。図6で例示したように、R映像信号の下位2ビットは(01)であるので変調ビットオンの数は1である。そこで、図7に示すように、Rに対して設定される変調パターンは、例えば、フレーム(t1、t2、t3、t4)に対応して(1、0、0、0)とすることができる。
また、図6で例示したように、G映像信号の下位2ビットは(10)であるので変調ビットオンの数は2である。そこで、図7に示すように、Gに対して設定される変調パターンは、例えば、フレーム(t1、t2、t3、t4)に対応して(1、1、0、0)とすることができる。
また、図6で例示したように、B映像信号の下位2ビットは(11)であるので変調ビットオンの数は3である。そこで、図7に示すように、Bに対して設定される変調パターンは、例えば、フレーム(t1、t2、t3、t4)に対応して(1、1、1、0)とすることができる。
なお、図7の例は一例であって、R、G、B映像信号が変化して、RGBそれぞれの下位2ビットの値が変化すれば設定される変調パターンも異なる。
重み付け部163は、変調ビット設定部162で設定した変調ビットを複数の色それぞれの視感度に応じて時間帯毎に重み付けする。重み付け部163は、重み付けした変調ビットを平均化処理部164へ出力する。
図8は視感度曲線の例を示す説明図である。図8に示すように、視感度曲線は人の目の光に関する感度を示すものであり、視感度は光の波長により異なる。視感度は、例えば波長が555nmの光が最も大きく、人の目には最も明るく感じられる。例えば、複数の色を、R、G、Bとすると、視感度の相対強度は、R:G:B=3:6:1である。
図9は視感度で重み付けした変調パターンの一例を示す説明図である。図9の例は、図7に例示した変調パターンを、視感度の相対強度(R:G:B=3:6:1)で重み付けしたものである。すなわち、重み付けは、例えば、フレームt1におけるRGBそれぞれの変調ビットがすべて「1」である場合、フレームt1での重み付けした値は、RGBそれぞれ3、6、1となる。
また、フレームt2におけるRGBそれぞれの変調ビットが「0」、「1」、「1」である場合、フレームt2での重み付けした値は、RGBそれぞれ0、6、1となる。
また、フレームt3におけるRGBそれぞれの変調ビットが「0」、「0」、「1」である場合、フレームt3での重み付けした値は、RGBそれぞれ0、0、1となる。
また、フレームt4におけるRGBそれぞれの変調ビットが「0」、「0」、「0」である場合、フレームt4での重み付けした値は、RGBそれぞれ0となる。
また、フレームt1でのR、G、Bの重み付けがそれぞれ、3、6、1である場合、フレームt1での重み付けした値(RGBの合計値)は、10(=3+6+1)とすることができる。また、フレームt2でのR、G、Bの重み付けがそれぞれ、0、6、1である場合、フレームt2での重み付けした値(RGBの合計値)は、7(=0+6+1)とすることができる。また、フレームt3でのR、G、Bの重み付けがそれぞれ、0、0、1である場合、フレームt3での重み付けした値(RGBの合計値)は、1(=0+0+1)とすることができる。また、フレームt4でのR、G、Bの重み付けがすべて0である場合、フレームt4での重み付けした値(RGBの合計値)は0とすることができる。
上述のように、重み付け部163は、3:6:1の比率の重みを、赤色、緑色、青色の変調ビットに重み付けする。
平均化処理部164は、第1入替手段としての機能を有し、重み付け部163で重み付けした値(重み付け合計値)がフレーム(時間帯)それぞれで均等になるように設定した変調ビットを複数の色についてフレーム(時間帯)毎に入れ替える。
図10は平均化処理後の変調パターンの一例を示す説明図である。平均化処理部164は、例えば、フレームt1、t2、t3、t4での重み付け値(例えば、R、G、Bそれぞれの重み付け値を合計した値)を、それぞれW1、W2、W3、W4とすると、W1〜W4が均等になるようにR、G、Bについてフレーム毎に変調ビットを入れ替える。均等にするとは、例えば、W1〜W4の平均値とフレームt1、t2、t3、t4での重み付け値との差分が小さくなるようにすることである。あるいは、均等にするとは、フレームt1、t2、t3、t4での重み付け値の最大値と最小値との差を小さくすることである。
平均化処理を行う前の変調パターンは、図9に示すように、フレームt1、t2、t3、t4での重み付けの合計値がそれぞれ10、7、1、0であり、合計値のフレームt1〜t4での平均値は4.5(=18/4)である。重み付けの合計値と平均値との差は最大で5.5(=10-4.5)であり、また、重み付けの合計値の最大値は10、最小値は0であり、最大値と最小値との差は10である。視感度を用いて重み付けした値がフレーム間で大きくばらつくことは、フリッカ又は縞模様などが現れる原因となるので、重み付けの合計値が各フレームで均等になるように平均化処理を行う。
平均化処理後の変調パターンは、図10に示すように、例えば、Rについては、フレームt1とt4の変調ビットを入れ替える。また、Bについては、フレームt1とt4の変調ビットを入れ替える。Gについては、入れ替えを行っていない。
この結果、図10に示すように、フレームt1、t2、t3、t4での重み付けの合計値は、それぞれ6、7、1、4となり、合計値のフレームt1〜t4での平均値は4.5(=18/4)であるから、重み付けの合計値と平均値との差は最大で2.5(=7-4.5)に減少する。
これにより、各フレームt1〜t4での視感度レベルが均等化することになり、変調ビットが視感度の違いによりフリッカ又は縞模様などが現れるようなパターンとなる場合であっても、複数の色(R、G、B)それぞれの視感度に応じて重み付けするので、人の目の明るさに対する感度を擬似的に均一にすることができ、FRCノイズを低減することができる。
上述のように、複数の色の視感度に応じて重み付けした値を時間帯(フレーム)毎に合計する。例えば、フレームt1において、RGBの重み付けした値がそれぞれ3、6、1である場合、フレームt1での重み付けの合計値は、10(=3+6+1)となる。そして、各フレームt1、t2、t3、t4での重み付けの合計値を算出する。そして、算出した合計値の複数の時間帯(フレームt1、t2、t3、t4)での平均値を算出する。例えば、フレームt1、t2、t3、t4での合計値が、10、7、1、0である場合には、平均値は、4.5となる。
そして、平均値と合計値との差分が小さくなるように変調ビットを入れ替えることにより平均化処理を行う。例えば、変調ビットを入れ替えることにより、フレームt1、t2、t3、t4での合計値が、6、7、1、4となるようにする。これにより、視感度を考慮するとともに、視感度を考慮したときの各フレームでの重み付けの合計値を分散させるので、各フレームt1〜t4での視感度レベルが均等化することになり、人の目の明るさに対する感度を擬似的に均一にすることができ、FRCノイズを低減することができる。
高周波数化処理部165は、第2入替手段としての機能を有し、フレーム(時間帯)毎の合計値が、当該フレームの順番に増減を繰り返すように、平均化処理部164で入れ替えた変調ビットをフレーム(時間帯)毎にさらに入れ替える。
図11は高周波数化処理の変調パターンの一例を示す説明図である。図10に示すように、高周波数化処理前(平均化処理後)の変調パターンの如く、フレームt1、t2、t3、t4での重み付け値の合計値が、6、7、1、4である場合、図11に示す如く、変調ビットをフレーム毎にさらに入れ替えることにより、フレームt1、t2、t3、t4での重み付けの合計値が、7、4、1、6となるようにする。
これにより、各フレームで重み付けの合計値をフレーム毎交互に増減させるので、変調周期が高周波数化され、人の目に一層感知できない周期で変調することができるので、FRCノイズをさらに低減することができる。なお、高周波数化処理部165は省略することもできる。この場合、平均化処理部164が、高周波数化処理部165に代わって変調パターンに従ってフレームt1、t2、t3、t4毎に変調ビットをRGB毎に多階調化処理部166へ出力する。
多階調化処理部166は、高周波数化処理部165から出力される変調ビットに従って上位6ビットの映像信号を表示パネル17へ出力する。すなわち、多階調化処理部166は、変調ビットが「0」の場合には、上位6ビットの映像信号をそのまま表示パネル17へ出力し、変調ビットが「1」の場合には、上位6ビットの映像信号が示す階調を1つ増加させて表示パネル17へ出力する。なお、変調ビットは、高周波数化処理部165からRGBそれぞれについて出力される。
上述のように、複数の色は、赤色、緑色及び青色である。これにより、赤色、緑色及び青色それぞれの視感度を考慮して重み付けすることができるので、特に赤色、緑色及び青色を同時に表示する場合に生ずるFRCノイズを低減することができる。
次に、本実施の形態の画像表示装置100の動作について説明する。図12は本実施の形態の画像表示装置100の画像表示の処理手順を示すフローチャートである。以下の説明では、簡略化のため処理の主体を画像表示装置100に代えて装置100と称する。図12に示すように、装置100は、R、G、B映像信号それぞれから下位ビット(2ビット)を抽出し(S11)、抽出した下位ビットに応じて変調パターンを設定する(S12)。変調パターンは、フレーム毎の変調ビットのオン/オフ(すなわち変調の有無)を表したパターンである。
装置100は、設定した変調パターンに対して、RGBの視感度に応じて変調ビットを重み付けし(S13)、フレーム毎に重み付けした値の合計値を算出する(S14)。装置100は、算出した合計値の4フレームでの平均値を算出する(S15)。
装置100は、算出した合計値及び平均値との差分が小さくなるように変調ビットを入れ替えることにより平均化処理を行う(S16)。なお、平均化処理の詳細は後述する。
装置100は、平均化処理で入れ替えた変調ビットで構成される変調パターンに対して、フレーム毎の重み付け値の合計値がフレームの順番に増減を繰り返すように、高周波数化処理を行う(S17)。なお、高周波数化処理の詳細は後述する。
装置100は、RGB映像信号の上位ビットで表される階調を、フレーム毎の変調ビットの値(1又は0)に応じて階調を1つ増加させることで多階調化処理を行う(S18)。装置100は、R、G、B映像信号の有無を判定し(S19)、R、G、B映像信号がある場合(S19でYES)、ステップS11以降の処理を繰り返し、R、G、B映像信号がない場合(S19でNO)、処理を終了する。
図13及び図14は本実施の形態の画像表示装置100による平均化処理の手順を示すフローチャートである。また、図15乃至図24は平均化処理での変調パターンの遷移状態の一例を示す説明図である。以下、図13乃至図24に基づいて、平均化処理の詳細を説明する。
装置100は、変調パターンの重み付け値の合計値が最大及び最小のフレームを特定する(S101)。例えば、図15に示す遷移(1)は、図9に例示した変調パターンと同じものであり、平均化処理を行う前の変調パターンを示す。図15の遷移(1)では、合計値が最大のフレームとしてt1を、合計値が最小のフレームとしてフレームt4を特定している。以降、フレームt1とt4との間で比較が行われる。
装置100は、合計値が最大の要素(重み付け値が0でない要素)が1つであるか否かを判定する(S102)。例えば、図15の遷移(1)では、合計値が最大の10であるフレームt1には、重み付け値が0でない要素が3つ存在する。
合計値が最大の要素が1つでない場合(S102でNO)、装置100は、G映像信号の評価を行う(S103)。
G映像信号の評価とは、合計値が最大のフレームtmでのG映像信号の重み付け値と、合計値が最小のフレームtnでのG映像信号の重み付け値とを交換した場合に、フレームtmとtnの合計値の大小関係が維持される(状態変更なし)か、あるいは大小関係が変化する(状態変更あり)かを判定する。また、合計値が最大のフレームtmでのG映像信号の重み付け値が0である場合は対象なし(状態変更なし)と判定する。また、合計値が最小のフレームtnでのG映像信号の重み付け値が0でない場合、移動先が詰まっているため移動不可(状態変更なし)と判定する。なお、他のR、B映像信号についての評価も同様である。なお、評価の順番は、視感度の大きさの順番である。
装置100は、G映像信号の評価の結果、状態変更ありか否かを判定し(S104)、状態変更がある場合(S104でYES)、R映像信号の評価を行う(S105)。また、装置100は、状態変更がない場合(S104でNO)、除外したフレームがある場合、当該フレームを元に戻し(判定処理に加え)(S107)、ステップS101以降の処理を続ける。
例えば、図15の遷移(2)では、フレームt1の重み付け値6とフレームt4の重み付け値0とを交換した場合、フレームt1、t4とで重み付け値の合計値の大小関係が変わる(状態変更あり)ので、次のR映像信号の評価に移ることになる。
装置100は、R映像信号の評価を行い(S105)、R映像信号の評価の結果、状態変更ありか否かを判定し(S106)、状態変更がない場合(S106でNO)、除外したフレームがある場合、当該フレームを元に戻し(判定処理に加え)(S107)、ステップS101以降の処理を続ける。
例えば、図15の遷移(3)では、フレームt1の重み付け値3とフレームt4の重み付け値0とを交換した場合、フレームt1、t4とで重み付け値の合計値の大小関係が変わらない(状態変更なし)ので、必要に応じてステップS107の処理を行ってステップS101以降の処理を繰り返す。
図15の遷移(4)では、遷移(3)でのフレームt1の重み付け値3がフレームt4へ移動してある。そして、合計値が最大のフレームとしてt1を、合計値が最小のフレームとしてフレームt3を特定している。以降、フレームt1とt3との間で比較が行われる。
図16の遷移(5)では、G映像信号の評価を行い、フレームt1の重み付け値6とフレームt3の重み付け値0とを交換した場合、フレームt1、t3とで重み付け値の合計値の大小関係が変わる(状態変更あり)ので、次のR映像信号の評価に移ることになる。
装置100は、R映像信号の評価の結果状態変更がある場合(S106でYES)、B映像信号の評価を行う(S108)。そして、装置100は、B映像信号の評価の結果、状態変更があるか否かを判定し(S109)、状態変更がある場合(S109でYES)、合計値が最小のフレームを処理から一旦除外する(S110)。
例えば、図16の遷移(6)では、R映像信号の評価を行う。合計値が最大のフレームt1でのR映像信号の重み付け値が0であるので、対象なし(状態変更なし)と判定され、次のB映像信号の評価へ移る。
そして、図16の遷移(7)では、B映像信号の評価を行う。合計値が最小のフレームt3でのB映像信号の重み付け値が0でないので、移動先が詰まっているため移動不可(状態変更なし)と判定する。
さらに、図16の遷移(8)では、G、R、B映像信号の評価が行われ、いずれの評価においても状態変更がなかったので、合計値が最小のフレームt3を一旦除外する。
装置100は、比較要素(比較対象となるフレーム)があるか否かを判定し(S111)、比較要素がある場合(S111でYES)、一旦除外した残りのフレームから重み付け値の合計値が最小のフレームを特定し(S112)、ステップS103以降の処理を続ける。
例えば、図17の遷移(9)では、フレームt3を一旦除外して上で、合計値が最小のフレームとしてt4を特定している。以降、フレームt1とt4との間で比較が行われる。
例えば、図17の遷移(10)では、フレームt1の重み付け値6とフレームt4の重み付け値0とを交換した場合、フレームt1、t4とで重み付け値の合計値の大小関係が変わる(状態変更あり)ので、次のR映像信号の評価に移ることになる。
図17の遷移(11)では、R映像信号の評価を行う。合計値が最大のフレームt1でのR映像信号の重み付け値が0であるので、対象なし(状態変更なし)と判定され、次のB映像信号の評価へ移る。
装置100は、B映像信号の評価の結果、状態変更がない場合(S109でNO)、除外したフレームがある場合、当該フレームを元に戻し(S107)、ステップS101以降の処理を続ける。
例えば、図17の遷移(12)では、B映像信号の評価を行う。フレームt1の重み付け値1とフレームt4の重み付け値0とを交換した場合、フレームt1、t4とで重み付け値の合計値の大小関係が変わらない(状態変更なし)ので、除外したフレームt3を元に戻す。
図18の遷移(13)では、除外したフレームt3を戻し、合計値が最大のフレームとしてt2、合計値が最小のフレームとしてt3を特定している。以降、フレームt2とt3との間で比較が行われる。
図18の遷移(14)では、G映像信号の評価を行い、フレームt2の重み付け値6とフレームt3の重み付け値0とを交換した場合、フレームt2、t3とで重み付け値の合計値の大小関係が変わる(状態変更あり)ので、次のR映像信号の評価に移ることになる。
図18の遷移(15)では、R映像信号の評価を行う。合計値が最大のフレームt2でのR映像信号の重み付け値が0であるので、対象なし(状態変更なし)と判定され、次のB映像信号の評価へ移る。そして、図18の遷移(16)では、B映像信号の評価を行う。合計値が最小のフレームt3でのB映像信号の重み付け値が0でないので、移動先が詰まっているため移動不可(状態変更なし)と判定する。さらに、図19の遷移(17)では、G、R、B映像信号の評価が行われ、いずれの評価においても状態変更がなかったので、合計値が最小のフレームt3を一旦除外する。
図19の遷移(18)では、フレームt3を一旦除外して上で、合計値が最小のフレームとしてt4を特定している。以降、フレームt2とt4との間で比較が行われる。
図19の遷移(19)では、フレームt2の重み付け値6とフレームt4の重み付け値0とを交換した場合、フレームt2、t4とで重み付け値の合計値の大小関係が変わる(状態変更あり)ので、次のR映像信号の評価に移ることになる。
図19の遷移(20)では、R映像信号の評価を行う。合計値が最大のフレームt2でのRの重み付け値が0であるので、対象なし(状態変更なし)と判定され、次のB映像信号の評価へ移る。
図20の遷移(21)では、B映像信号の評価を行う。合計値が最小のフレームt4でのB映像信号の重み付け値が0でないので、移動先が詰まっているため移動不可(状態変更なし)と判定する。
そして、図20の遷移(22)では、G、R、B映像信号の評価が行われ、いずれの評価においても状態変更がなかったので、合計値が最小のフレームt4を一旦除外する。この状態で、フレームt3、t4が一旦除外されている。
図20の遷移(23)では、フレームt3、t4を一旦除外して上で、合計値が最小のフレームとしてt1を特定している。以降、フレームt2とt1との間で比較が行われる。
図20の遷移(24)では、G映像信号の評価を行う。合計値が最小のフレームt1でのG映像信号の重み付け値が0でないので、移動先が詰まっているため移動不可(状態変更なし)と判定する。
図21の遷移(25)では、R映像信号の評価を行う。合計値が最大のフレームt2でのR映像信号の重み付け値が0であるので、対象なし(状態変更なし)と判定され、次のB映像信号の評価へ移る。
図21の遷移(26)では、B映像信号の評価を行う。フレームt2の重み付け値1とフレームt1の重み付け値0とを交換した場合、フレームt2、t1とで重み付け値の合計値の大小関係が変わる(状態変更あり)。
図21の遷移(27)では、G、R、B映像信号の評価が行われ、いずれの評価においても状態変更がなかったので、合計値が最小のフレームt1を一旦除外する。この状態で、フレームt1、t3、t4が除外され、残ったフレームはt2のみとなる。
装置100は、比較要素がないと判定した場合(S111でNO)、合計値が最大のフレームを確定とし以降の処理から除外する(S113)。装置100は、未確定のフレームが2つ以上あるか否かを判定し(S114)、未確定のフレームが2つ以上ある場合(S114でYES)、一旦除外したフレームがある場合、除外したフレームを元に戻し(S107)、ステップS101以降の処理を繰り返す。
例えば、図21の遷移(28)では、比較対象のフレームがt2のみとなり、比較要素がないので、合計値が最大のフレームt2を確定とし以降の処理から除外する。
図22の遷移(29)では、確定フレームt2を除外するとともに、一旦除外していたフレームt1、t3、t4を元に戻し、合計値が最大のフレームとしてt1、合計値が最小のフレームとしてt3を特定している。以降、フレームt1とt3との間で比較が行われる。
装置100は、重み付け値の合計値が最大のフレームの要素が1つである場合(S102でYES)、合計値が最大のフレームを確定とし以降の処理から除外し(S115)、ステップS101以降の処理を続ける。
例えば、図22の遷移(30)では、重み付け値の合計値が最大のフレームt1の要素がG映像信号の6だけであるので、フレームt1を確定として以降の処理から除外する。
図22の遷移(31)では、確定フレームt2を除外するとともに(これにより、確定フレームはt1、t2となる)、合計値が最大のフレームとしてt4、合計値が最小のフレームとしてt3を特定している。以降、フレームt4とt3との間で比較が行われる。
図22の遷移(32)では、G映像信号の評価を行う。合計値が最大のフレームt4でのG映像信号の重み付け値が0であるので、対象なし(状態変更なし)と判定され、次のR映像信号の評価へ移る。
図23の遷移(33)では、R映像信号の評価を行う。フレームt4の重み付け値3とフレームt3の重み付け値0とを交換した場合、フレームt4、t3とで重み付け値の合計値の大小関係が変わる(状態変更あり)。そして、次のB映像信号の評価へ移る。
図23の遷移(34)では、B映像信号の評価を行う。合計値が最小のフレームt3でのB映像信号の重み付け値が0でないので、移動先が詰まっているため移動不可(状態変更なし)と判定する。
図23の遷移(35)では、G、R、B映像信号の評価を行い、それぞれの評価において状態変更がなかったので、重み付け値の合計値が最小のフレームt3を一旦除外する。
図23の遷移(36)では、フレームt4だけが残り、比較対象がないので、フレームt4を確定とし、除外する。
図24の遷移(37)では、フレームt1、t2、t4が確定となり、未確定のフレームはフレームt3のみとなる。
装置100は、未確定のフレームが2つ以上ない場合(S114でNO)、処理を終了する。図24の遷移(38)が、平均化処理後の変調パターンとなり、これは図10の例と同じである。
次に、高周波数化処理について説明する。図25は本実施の形態の画像表示装置100による高周波数化処理の手順を示すフローチャートである。また、図26及び図27は高周波数化処理での変調パターンの遷移状態の一例を示す説明図である。
装置100は、重み付け値の合計値が大きい順(小さい順も同等)に各フレームを配列し(S131)、フレーム数が偶数か否かを判定する(S132)。フレーム数が偶数の場合(S132でYES)、偶数用の並べ替え処理を行い(S133)、フレーム数が偶数でない場合(S132でNO)、奇数用の並べ替え処理を行い(S134)、処理を終了する。
フレーム数が偶数の場合の並べ替え処理は、例えば、フレーム数をNとすると、N/2番目以下の奇数番目のフレームの合計値を小さい順番(例えば、フレーム数Nを4とすると、1番目のフレームから順に)、N/2+1番目以上の偶数番目のフレームの合計値を大きい順番(例えば、フレーム数Nを4とすると、4番目のフレームから順に)に、それぞれ入れ替える。
また、フレーム数が奇数の場合の並べ替え処理は、フレーム数をNとすると、(N-1)/2番目以下の奇数番目のフレームの合計値を小さい順番(例えば、フレーム数Nを5とすると、1番目のフレームから順に)、(N+1)/2番目以上の偶数番目のフレームの合計値を大きい順番(例えば、フレーム数Nを5とすると、5番目のフレームから順に)に、それぞれ入れ替える。
例えば、図26の遷移(1)は、平均化処理後の変調パターンの例を示す。図26の遷移(2)は、重み付け値の合計値が大きい順(7、6、4、1)にフレームを配列した状態を示す。配列後のフレームを順番にフレームm1、m2、m3、m4とする。
図26の遷移(3)では、フレーム数が偶数であるので、フレームm1とm4とを入れ替える。
図26の遷移(4)は、フレームm1とm4とを入れ替えた後の変調パターンを示す。図27の遷移(5)では、重み付け値の合計値が、フレームの順に、1、6、4、7となり、フレームの順に合計値が増減しているので、再度フレーム番号t1、t2、t3、t4を割り当て、高周波数化処理後の変調パターンとする。図27の遷移(5)に示す変調パターンは、図11に例示した変調パターンと同じものである。
上述の実施例では、変調パターンを映像信号の入力の都度、求めるようにしたが、これに限定されず、予め変調パターンを記憶しておき、駆動部16はこれを読み出すことで処理するようにしてもよい。変調パターンを記憶することで、重み付け部163、平均化処理部164、高周波数化処理部165は不要となり、高い演算能力の回路を設けることのできない場合に有用である。映像信号がRGBの3色であれば変調パターンは、2の3乗である8通りあり、更に変調周期を4フレームとすれば8の4乗である4096通りであり、4096通りの変調パターンを予め記憶させればよい。変調パターンは、単にメモリに記憶させてもよく、あるいはLUTのような形態で処理するようにしてもよい。
上述の実施の形態では、駆動部16は画像表示装置100に内蔵した構成であるが、これに限定されるものではなく、駆動部16を画像処理装置としてのパーソナルコンピュータに内蔵する構成、あるいは駆動部16を画像処理装置としてのグラフィックカードに実装する構成とすることもできる。