以下に添付図面を参照して、本発明にかかる遊技機の好適な実施の形態を詳細に説明する。以下で説明する実施の形態では、本発明にかかる遊技機をぱちんこ遊技機に適用した例を説明するが、本発明をぱちんこ遊技機に限定するものではない。また、以下の実施の形態で示す具体的な数値などは一例であって、本発明を限定するものではない。
(遊技機の基本的な構成)
まず、本発明の実施の形態にかかる遊技機の基本的な構成について説明する。図1は、本発明の実施の形態にかかる遊技機の正面図である。図1に示すように、遊技機100は遊技盤101を備えている。遊技盤101の下部には遊技球を発射するための発射部が配置されている。発射部によって発射された遊技球は、レール102a,102b間を上昇して遊技領域103の上部に達した後、遊技領域103内を落下する。遊技領域103内には多数の釘が設けられており、遊技球は遊技領域103内を落下する際にこの釘に衝突する。これによって、遊技球の落下軌道が変化し、遊技球はさまざまな方向に向けて落下する。また、遊技領域103内には遊技球の落下軌道を変化させるための風車などを設けてもよい。
遊技盤101の中央には画像表示部104が配置されている。画像表示部104には液晶表示器(LCD:Liquid Crystal Display)などを用いることができる。画像表示部104は、大当たり抽選の抽選結果をあらわす特別図柄に対応して設けられた装飾図柄(以下「特図装飾図柄」という)を表示する。さらに、画像表示部104は、遊技機100により実行された演出に関する画像(以下「演出画像」という)なども表示したりもする。また、画像表示部104は、普通図柄抽選の抽選結果をあらわす普通図柄に対応して設けられた装飾図柄(以下「普図装飾図柄」という)を表示してもよい。大当たり抽選や普通図柄抽選については後述する。
遊技盤101において画像表示部104の下方には遊技球が通過可能(入賞可能)な始動領域としての第1始動口105と第2始動口106とが配置されている。第1始動口105と第2始動口106とには遊技球を検出するスイッチが設けられている。このスイッチにより第1始動口105や第2始動口106への遊技球の入賞を検出した場合、遊技機100は特別図柄用の判定用情報(以下「特図判定用情報」という)を取得する。そして、この特図判定用情報を用いて大当たり抽選(特別図柄抽選)をおこなう。また、遊技機100は第1始動口105や第2始動口106への入賞を検出した場合には所定個数(たとえば3個)の賞球の払い出しをおこなう。
第2始動口106には可変入賞装置(いわゆる電動チューリップ。以下「電動チューリップ」という)107が設けられている。たとえば、電動チューリップ107は一対の可動片を備えている。一対の可動片を閉鎖した場合、可動片は第2始動口106への遊技球の入賞を阻害するように機能する。一方、可動片を開放した場合、可動片は第2始動口106への遊技球の入賞を補助するように機能する。つまり、遊技機100は、電動チューリップ107を開閉動作させることで、第2始動口106への遊技球の入賞機会を増減させることができるようになっている。
たとえば、遊技機100は通常時、電動チューリップ107を閉鎖した状態とする。ゲート108を遊技球が通過したことを検出した場合、遊技機100は普通図柄用の判定用情報(以下「普図判定用情報」という)を取得する。そして、この普図判定用情報を用いて普通図柄抽選をおこなう。この普通図柄抽選の抽選結果が特定の結果であった場合に(本実施の形態では普図当たりに当選した場合に)、遊技機100は電動チューリップ107を所定期間だけ開放する。
遊技盤101において第2始動口106の下方には大入賞口109が設けられている。大入賞口109も電動チューリップ107のように開閉動作可能な構成とされている。大入賞口109は、閉鎖された状態であるときには遊技球の大入賞口109への入賞を遮断して、開放された状態であるときのみ遊技球を大入賞口109内へ誘導する。これによって、遊技球は大入賞口109が開放されている場合のみ、大入賞口109へ入賞することができる。
たとえば、遊技機100は通常時、大入賞口109を閉鎖した状態とする。遊技機100は取得した特図判定用情報を用いて大当たり抽選をおこなって、大当たりに当選した場合に、大入賞口109を所定期間だけ開放する。遊技機100が大入賞口109を開放させる期間は、たとえば当選した大当たりの種別に応じる。遊技機100は大入賞口109への入賞を検出した場合には所定個数(たとえば10個)の賞球の払い出しをおこなう。
画像表示部104の側部や下方などには普通入賞口110が配置されている。遊技機100は普通入賞口110への入賞を検出した場合には所定個数(たとえば8個)の賞球の払い出しをおこなう。なお、前述した第1始動口105や第2始動口106、大入賞口109や普通入賞口110などは、図示の位置に限らず遊技領域103内の任意の位置に配置してよい。遊技領域103の最下部にはいずれの入賞口にも入賞しなかった遊技球を回収する回収口111が設けられている。
遊技盤101の右下部分には遊技に関する遊技情報を遊技者に示唆するための情報表示部112が設けられている。情報表示部112にはランプ表示器(たとえばドット表示器や7セグメントディスプレイ)などを用いることができる。情報表示部112は、大当たり抽選の抽選結果をあらわす特別図柄を表示したり、普通図柄抽選の抽選結果をあらわす普通図柄を表示したりする。
また、遊技盤101には遊技領域103の外周を囲うように枠部材113が設けられている。枠部材113は遊技盤101の上下左右の4辺において遊技領域103の周囲を囲み、遊技者側に突出した形状を有している。枠部材113にはスピーカ114や演出ライト部115などが組み込まれている。演出ライト部115は複数のランプやモータを有しており、このモータの駆動によりランプによる光の照射方向を上下・左右方向に変更可能に構成されている。
また、枠部材113の右下部分には操作ハンドル116が設けられている。操作ハンドル116は遊技者側に突出するような形状を有しており、その外周部には発射指示部材117が設けられている。発射指示部材117は、操作ハンドル116により回転可能に支持されている。遊技者は発射部により遊技球を発射させる場合、発射指示部材117を時計回りに回転させる。このとき、発射指示部材117を回転させる角度により遊技者は遊技球の発射強度を調整できるようになっている。また、操作ハンドル116には遊技者が発射指示部材117を直接操作していることを検出するセンサなどが設けられている。これによって、発射指示部材117が遊技者によって直接操作されていることを検出した場合のみ、遊技機100は発射部に遊技球を発射させる。
また、枠部材113において遊技領域103の下方には演出ボタン(チャンスボタン)118や十字キー119、打球供給皿120などが設けられている。演出ボタン118や十字キー119は、遊技者からの操作を受け付けるための操作受付部を構成している。打球供給皿120は遊技球を収容可能な形状を有しており、収容している遊技球を発射部へ送り出す。また、詳細な説明は省略するが、画像表示部104の近傍には所定の演出(以下「ギミック演出」という)時に動作する可動役物130なども設けられている。
(情報表示部の詳細)
つぎに、情報表示部112の詳細について説明する。図2は、本実施の形態の情報表示部を示す説明図である。図2において、情報表示部112は、特別図柄表示部201と、普通図柄表示部202と、保留数表示部203と、ラウンド数表示部204とを備えている。各表示部201〜204にはLED(Light Emitting Diode)表示器などを用いることができる。
ここで、第1特別図柄表示部201aは、第1始動口105へ遊技球が入賞しておこなわれた大当たり抽選の抽選結果をあらわす特別図柄を表示する。第2特別図柄表示部201bは、第2始動口106へ遊技球が入賞しておこなわれた大当たり抽選の抽選結果をあらわす特別図柄を表示する。たとえば、第1特別図柄表示部201aと第2特別図柄表示部201bとは8つのLEDを有するLED表示器となっており、8つのLEDの点灯態様により特別図柄を表示する。
本実施の形態の大当たりには、15ラウンドの第1大当たりと第2大当たり、4ラウンドの第3大当たりとがあるものとする。たとえば、第1特別図柄表示部201aや第2特別図柄表示部201bにおいて全LEDを点灯させた場合は第1大当たりをあらわす。左から2つ目、3つ目、6つ目のLEDを点灯させた場合は第2大当たりをあらわす。左から1つ目、4つ目、7つ目のLEDを点灯させた場合は第3大当たりをあらわす。また、一番右のLEDのみを点灯させた場合はハズレをあらわす。なお、各大当たりをあらわす点灯態様は複数パターンあってもよい。それぞれの大当たりについては後述する。
また、第1特別図柄表示部201aと第2特別図柄表示部201bとは大当たり抽選がおこなわれると直ちにその抽選結果をあらわすわけでなく、抽選結果をあらわす前に特別図柄を所定期間、変動表示する。変動表示時、第1特別図柄表示部201aと第2特別図柄表示部201bとは、たとえば図中の左から右へ流れるように各LEDを点灯させたり消灯させたりする。
また、特別図柄表示部201の上部には普通図柄抽選の抽選結果をあらわす普通図柄表示部202が設けられている。たとえば、普通図柄表示部202は3つのLEDを有するLED表示器となっており、3つのLEDのうちのいずれか1つのLEDを点灯させることにより普通図柄を表示する。本実施の形態の普図当たりには長開放当たりと短開放当たりとがあるものとする。「○」に対応するLEDを点灯させた場合は長開放当たりをあらわす。「△」に対応するLEDを点灯させた場合は短開放当たりをあらわす。「×」に対応するLEDを点灯させた場合はハズレ(普図ハズレ)をあらわす。
また、普通図柄表示部202も普通図柄抽選がおこなわれると直ちにその抽選結果をあらわすわけでなく、抽選結果をあらわす前に普通図柄を所定期間、変動表示する。変動表示時、普通図柄表示部202は、たとえば図中の時計回りに「○」→「×」→「△」→「○」→…といったように各LEDを点灯させたり消灯させたりする。
普通図柄表示部202の左方には記憶している特図判定用情報の個数や普図判定用情報の個数をあらわす保留数表示部203が設けられている。保留数表示部203は、第1特別図柄保留数表示部203aと、第2特別図柄保留数表示部203bと、普通図柄保留数表示部203cとを備えている。ここで、第1特別図柄保留数表示部203aは第1始動口105への入賞により取得された特図判定用情報数を表示する。第2特別図柄保留数表示部203bは第2始動口106への入賞により取得された特図判定用情報数を表示する。普通図柄保留数表示部203cは普図判定用情報数を表示する。
たとえば、各保留数表示部203a〜203cはそれぞれが4つのLEDを有するLED表示器となっており、点灯させたLEDの個数によって各々の判定用情報数を表示するようになっている。なお、遊技機100は特図判定用情報や普図判定用情報を、規定数(たとえば4つ)を上限に記憶しておくことができるものとする。
普通図柄表示部202の上方にはラウンド数表示部204が設けられている。ラウンド数表示部204は大当たり時にこの大当たりのラウンド数を表示する。前述のように、本実施の形態では、第1大当たりと第2大当たりとは15ラウンドの大当たりであるため、これらの大当たり時にラウンド数表示部204は「15」に対応するLEDを点灯させる。第3大当たりとは4ラウンドの大当たりであるため、第3大当たり時にラウンド数表示部204は「4」に対応するLEDを点灯させる。
(遊技機における遊技進行の流れ)
つぎに、遊技機100における遊技進行の流れについて説明する。遊技者が発射指示部材117を操作することにより発射された遊技球が第1始動口105や第2始動口106へ入賞すると、遊技機100は特図判定用情報を取得して記憶する。その後、特別図柄の始動条件が成立すると、遊技機100は記憶していた特図判定用情報を用いて大当たり抽選をおこなう。大当たり抽選をおこなうと、特別図柄表示部201の特別図柄を変動させる(変動表示する)。
遊技機100は特別図柄を変動させた際に画像表示部104の表示画面上で特図装飾図柄も変動させる。また、この際には大当たりへの期待度をあらわす特図演出をおこなったりもする。ここで特図演出は特図変動演出や予告演出などを含む。たとえば、特図変動演出はリーチ演出や疑似連演出など主に特図装飾図柄を用いて大当たりへの期待度をあらわす演出である。また、予告演出はステップアップ予告演出など、キャラクタやこのキャラクタの台詞などにより大当たりへの期待度をあらわして特図変動演出に対して補助的な役割を果たす(たとえば特図変動演出が発展する可能性を予告する)演出である。
特別図柄を所定期間(後述の特図変動パターンにより定められた期間)変動させた後、遊技機100は大当たり抽選の抽選結果を示すように特別図柄を停止させる(停止表示する)。大当たり抽選で大当たりに落選していれば、ここで遊技機100はハズレを示す特別図柄を停止させる。一方、大当たり抽選で大当たりに当選していれば、大当たりを示す特別図柄を停止させて大当たり遊技を開始する。大当たり遊技において、遊技機100は当選した大当たりに応じたラウンド数分、大入賞口109を開放する。この開放中に遊技球が大入賞口109に入賞すれば、遊技機100は所定個数の賞球を払い出す。また、遊技機100は、大当たり遊技で大当たり演出をおこなう。
大当たり遊技後、遊技機100は所定期間だけ高確率遊技状態とする。高確率遊技状態であるとき、遊技機100は大当たりへの当選確率を高めた大当たり抽選をおこなう。たとえば、高確率遊技状態でないとき(以下「低確率遊技状態」という)、遊技機100は大当たりへの当選確率を1/200とした大当たり抽選をおこなう。一方、高確率遊技状態のときには大当たりへの当選確率を1/40とした大当たり抽選をおこなう。ここで高確率遊技状態とする期間は、大当たり後に所定回数(本実施の形態では60回とする)の大当たり抽選をおこなうまでの期間とすることができる。この期間を経過したら、遊技機100は低確率遊技状態へ復帰する。
また、遊技者が発射指示部材117を操作することにより発射された遊技球がゲート108を通過すると、遊技機100は普図判定用情報を取得して記憶する。その後、普通図柄の始動条件が成立すると、遊技機100は記憶していた普図判定用情報を用いて普通図柄抽選をおこなう。普通図柄抽選をおこなうと、普通図柄表示部202の普通図柄を変動させる。普通図柄を所定期間変動させると、遊技機100は普通図柄抽選の抽選結果を示すように普通図柄を停止させる。普通図柄抽選で普図当たりに当選していれば、遊技機100はここで普図当たりを示す普通図柄を停止させて、電動チューリップ107を所定期間開放する。なお、遊技機100は普通図柄を変動させた際に、特別図柄の変動時と同様、画像表示部104の表示画面上で普図装飾図柄を変動させたり、普図当たり(たとえば長開放当たり)への期待度をあらわす普図演出をおこなったりしてもよい。
大当たり遊技後、遊技機100は所定期間だけ補助遊技状態とする。補助遊技状態では第2始動口106への遊技球の入賞機会を増加させる。たとえば、補助遊技状態である場合、遊技機100は補助遊技状態でない場合(以下「非補助遊技状態」という)よりも普図当たりへの当選確率を高めた普通図柄抽選をおこなう。また、普図当たりに当選した場合の電動チューリップ107の開放時間を延長させる。さらに、遊技機100は、単位時間あたり(たとえば1分間あたり)の普通図柄抽選の抽選回数を増加させるために普通図柄の変動時間を短くしてもよい。ここで補助遊技状態とする期間は、大当たり後に所定回数(本実施の形態では30回または100回とする)の大当たり抽選をおこなうまでの期間とすることができる。この期間を経過したら、遊技機100は非補助遊技状態へ復帰する。
(特別図柄の変動時間について)
つぎに、遊技機100が特別図柄を変動させる期間について説明する。前述のように、遊技機100は大当たり抽選をおこなうと、特別図柄を所定期間変動させた後に大当たり抽選の抽選結果を示す図柄で停止させる。ここで遊技機100が特別図柄を変動させる期間(以下「変動時間」という)は特図変動パターンにより予め定められている。遊技機100は複数種類の特図変動パターンを有しており、特別図柄の変動開始時にこの中から1つの特図変動パターンを選択する。そして、変動開始時に選択した特図変動パターンにより定められた変動時間、特別図柄を変動させる。
図3は、本実施の形態の遊技機が有する特図変動パターンの概要を示す説明図である。遊技機100が有する特図変動パターンを大きく分けると、図3に示すように、大当たり変動パターンと、リーチ変動パターンと、特殊ハズレ変動パターンと、通常ハズレ変動パターンとがある。大当たりに当選した場合、遊技機100は大当たり変動パターンにより定められた変動時間で特別図柄を変動させる。たとえば、大当たり変動パターンで特別図柄を変動させた場合、この変動で遊技機100はリーチ演出をおこなってから、ゾロ目で特図装飾図柄を停止させて大当たりであることを遊技者に示す特図演出をおこなう。
大当たりにハズレた場合(以下単に「ハズレ」と略す)、遊技機100はリーチ変動パターン、特殊ハズレ変動パターン、通常ハズレ変動パターンのいずれかにより定められた変動時間で特別図柄を変動させる。遊技機100はハズレ時にも所定の確率でリーチ演出をおこなうようになっており、リーチ変動パターンはハズレ時にリーチ演出をおこなうための特図変動パターンとなっている。
ハズレの場合、まず、遊技機100はリーチ変動パターンとするか否かを抽選などにより判定する。これでリーチ変動パターンとすると判定したら、リーチ変動パターンにより定められた変動時間で特別図柄を変動させる。たとえば、リーチ変動パターンで特別図柄を変動させた場合、この変動で遊技機100はリーチ演出をおこなってから、リーチハズレ目で特図装飾図柄を停止させてハズレであることを遊技者に示す特図演出をおこなう。
リーチ変動パターンとしないと判定したら、遊技機100はリーチ変動パターン以外のハズレ変動パターンの中から抽選などにより一つの特図変動パターンを選択する。たとえば、ここでリーチ変動パターン以外のハズレ変動パターンには、通常ハズレ変動パターンと特殊ハズレ変動パターンとがある。
たとえば、通常ハズレ変動パターンで特別図柄を変動させる場合、この変動で遊技機100は、ノーマルハズレ演出かギミックガセ演出(ノーマルハズレ演出以外の演出)かをおこなう。たとえば、ノーマルハズレ演出は、リーチやチャンス目となるかもしれないと遊技者の期待感を煽るような演出をおこなうことなく、そのままバラケ目を停止させる演出とする。また、ギミックガセ演出は、ギミック演出時の動作を可動役物130がおこなうように煽って、その後にこの動作をおこなわずに終了する演出となっている。詳細は後述するが、ノーマルハズレ演出をおこなうかギミックガセ演出をおこなうかはその際の保留数などによって決定される。一方、特殊ハズレ変動パターンで特別図柄を変動させる場合、この変動で遊技機100は保留数にかかわらず疑似連ガセ演出をおこなうようになっている。ここで、疑似連ガセ演出は、「疑似連演出へ発展するかもしれない」と遊技者の期待感を煽るような演出をおこなって、バラケ目を停止させる演出とする。
(遊技機がおこなう演出について)
つぎに、遊技機100がおこなう演出について説明する。前述のように、遊技機100は特別図柄の変動に合わせて特図装飾図柄も変動させて、この間に今回の変動での大当たりへの期待度を示すために特図演出をおこなう。これに加え、遊技機100は特殊演出をおこなうことができる。ここで特殊演出は、記憶された特図判定用情報での大当たりへの期待度を示す演出(たとえばいわゆる「先読み予告」)となっている。たとえば、遊技機100は、所定条件を満たす特図判定用情報を記憶したときに特殊演出を開始し、この特図判定用情報に基づく特別図柄の変動を開始したときにこの特殊演出を終了する。
図4は、本実施の形態の遊技機の演出表示の一例を示す説明図(その1)である。図5は、本実施の形態の遊技機の演出表示の一例を示す説明図(その2)である。図4(1)に示すように、遊技機100は、画像表示部104の表示画面上に特図装飾図柄Z1〜Z3を表示する。遊技機100は、特図装飾図柄Z1〜Z3のそれぞれがあらわす数字の組み合わせにより大当たり抽選の抽選結果を示す。また、遊技機100は現在の保留数をあらわす保留表示Hも画像表示部104に表示する。保留表示Hは現在の保留数と同数の保留アイコンhからなる。つまり、遊技機100は保留アイコンhの表示数によって保留数をあらわすようになっている。図4(1)の例で遊技機100は、1つの保留アイコンhを表示しており、保留数が「1」であることをあらわしている。
図4(1)後、大当たり抽選をおこなって特別図柄を変動させると、図4(2)に示すように遊技機100は特図装飾図柄Z1〜Z3も変動させる。なお、図4において図中の下白抜き矢印は特図装飾図柄Z1〜Z3が変動中であることをあらわしている。大当たり抽選をおこなうことにより、遊技機100は保留数を「−1」減算するため、保留アイコンhを1つ非表示にする(図4(2)の点線参照)。
特別図柄や特図装飾図柄Z1〜Z3を変動させている際に遊技球が第1始動口105や第2始動口106に入賞すると、遊技機100はこの入賞に対して特図判定用情報を取得し、この特図判定用情報に対する大当たり抽選を保留する。これによって、遊技機100は保留数を「+1」加算するため、図4(3)のように保留アイコンhを1つ追加表示する。
ところで、遊技機100は、新たに特図判定用情報を取得した際に事前判定(詳細は後述)をおこなって、この特図判定用情報に対して予め大当たり抽選の抽選結果や特図変動パターンなどを取得しておく。この事前判定結果に基づいて、遊技機100は特殊演出をおこなう。本実施の形態において、遊技機100は保留アイコンhを通常表示態様とチャンス表示態様との2つの表示態様で表示することができ、この表示態様により特殊演出をおこなうものとする。つまり、遊技機100は、通常表示態様とチャンス表示態様とのどちらの表示態様で表示するかを事前判定結果に基づいて決定する。
たとえば、事前判定により通常ハズレ変動パターンであると判定したら、遊技機100は図4(3)のような通常表示態様の保留アイコンhを表示する。一方、事前判定により通常ハズレ変動パターン以外の特図変動パターンであると判定したら、遊技機100は図5のようなチャンス表示態様の保留アイコンhを表示する。具体的に、たとえば、遊技機100は大当たり変動パターン、リーチ変動パターン、特殊ハズレ変動パターンのいずれかであったらチャンス表示態様の保留アイコンhを表示する。
また、通常表示態様の保留アイコンhが白色表示であれば、チャンス表示態様の保留アイコンhは赤色表示であるなど、チャンス表示態様は遊技者が直感的に期待度の高いことを理解し易い表示態様であることが望ましい。また、図5に示すようにチャンス表示態様では、対応する特図判定用情報での変動時におこなわれる特図演出の内容を示唆してもよい。たとえば、図5の例では、「疑似連?!」といったメッセージを表示している。
このようにチャンス表示態様を遊技者が直感的に理解し易いものとすることで、遊技機100は、遊技機100の演出内容に詳しくない遊技者(たとえばいわゆる「初心者」)に対しても「なんだか期待できそうだ」と思わせることができ、期待感を高めることができる。また、チャンス表示態様で「疑似連?!」といったように遊技者にとって何が期待できるのかを具体的に示唆することによって、遊技機100は、単に期待度を示唆して漠然とした期待感を与える場合よりも遊技者の期待感を一層と高めることができる。
以上に説明したように、遊技機100は大当たり変動パターンやリーチ変動パターンの他、特殊ハズレ変動パターンに対しても特殊演出をおこなうようにした。これによって、遊技機100はリーチ変動パターンや大当たり変動パターンに対してだけ特殊演出をおこなう場合よりも、特殊演出をおこなう機会を増加させることができる。したがって、遊技機100は遊技者の期待感を高めることができる機会を増加させ、遊技者に遊技を楽しませ、遊技に退屈してしまうことを防止することができる。
(遊技機の機能的構成)
つぎに、遊技機100の機能的構成について説明する。図6は、本実施の形態の遊技機の機能的構成を示す説明図である。図6に示すように、遊技機100は、遊技制御部610と、演出部620とを備えている。遊技制御部610は、遊技機100の遊技を制御する機能を有する。たとえば、遊技制御部610は、取得部611と、特別遊技判定部612と、変動態様判定部613と、図柄制御部614と、特別遊技実行部615と、事前判定部616とを備えている。
取得部611は、遊技盤101上の始動領域を遊技球が通過した場合に特別遊技に関する判定をおこなうための判定用情報を取得する機能を有する。本実施の形態において、取得部611は、第1始動口105や第2始動口106に遊技球が入賞した場合に特図判定用情報を取得する。このほか、取得部611は、ゲート108を遊技球が通過した場合に普図判定用情報を取得するようにしてもよい。また、取得部611は、保留記憶部611aを備えている。保留記憶部611aは、取得部611によって取得された判定用情報を、この判定用情報に基づく図柄の変動をおこなうまで記憶しておく。
特別遊技判定部612は、取得部611により取得された判定用情報に基づいて遊技者にとって有利な特別遊技に関する判定をおこなう機能を有する。ここで特別遊技は、大入賞口109を開放することで遊技者を有利にする大当たりや、ゲート108を開放することで遊技者を有利にする普図当たりなどが挙げられる。本実施の形態において、特別遊技判定部612は、特図判定用情報に基づいて第1大当たりや第2大当たり、第3大当たりなどの各種大当たりに当選し得る大当たり抽選をおこなう。なお、前述のように取得部611が普図判定用情報を取得する場合には、特別遊技判定部612は普通図柄抽選をおこなったりする。
変動態様判定部613は、特別遊技判定部612の判定結果に基づいて、この判定結果をあらわすための図柄の変動態様に関する判定をおこなう機能を有する。ここで変動態様判定部613は、特別変動態様判定部613aと、非特別変動態様選択部613bとを備えている。特別変動態様判定部613aは、特別遊技をおこなわないと判定された場合に、特別変動演出をおこなうための特別変動態様とするか、特別変動演出をおこなわない非特別変動態様とするかを判定する機能を有している。非特別変動態様選択部613bは、特別変動態様判定部613aによって非特別変動態様とすると判定された場合に、保留記憶部611aによって記憶された判定用情報の数によらず一定に選択可能に設けられた固定非特別変動態様を含む非特別変動態様群から非特別変動態様を選択する機能を有している。
たとえば、特別遊技判定部612が大当たり抽選をおこなった場合、変動態様判定部613は、特別図柄の変動態様を定めた特図変動パターンに関する判定をおこなう。前述のように特図変動パターンには、大当たり変動パターンと、リーチ変動パターンと、特殊ハズレ変動パターンと、通常ハズレ変動パターンとがある。大当たり抽選の抽選結果が大当たりである場合、変動態様判定部613は大当たり変動パターンと判定する。
大当たり抽選の抽選結果がハズレである場合、変動態様判定部613は、特別変動態様判定部613aによってリーチ演出をおこなうためのリーチ変動パターンとするか、リーチ演出をおこなわないハズレ変動パターン(通常ハズレ変動パターンまたは特殊ハズレ変動パターン)とするかを判定する。たとえば、この場合、特別変動態様判定部613aは任意の抽選方法を用いてリーチ変動パターンとするか否かを抽選して、この抽選結果にしたがって、リーチ変動パターンとするか否かを判定する。
上記でハズレ変動パターンと判定すると、変動態様判定部613は、非特別変動態様選択部613bによって特殊ハズレ変動パターンを含む(たとえば特殊ハズレ変動パターンと通常ハズレ変動パターンとから構成される)ハズレ変動パターン群の中からハズレ変動パターンを選択する。前述のように、通常ハズレ変動パターンは保留数によっておこなう演出が変化し得る特図変動パターン(可変非特別変動態様に相当)となっており、特殊ハズレ変動パターンは保留数にかかわらず一定の演出をおこなうための変動時間を定めた特図変動パターン(固定非特別変動態様に相当)となっている。たとえば、非特別変動態様選択部613bは任意の抽選方法を用いて通常ハズレ変動パターンとするか特殊ハズレ変動パターンとするかを抽選して、この抽選結果にしたがって、どちらかのハズレ変動パターンとするかを判定する。
図柄制御部614は、特別遊技判定部612と変動態様判定部613との判定結果に基づいて、特別遊技判定部612の判定結果をあらわすための図柄を変動態様判定部613により判定された変動態様で変動させた後に、特別遊技判定部612の判定結果をあらわす図柄で停止させる。たとえば、図柄制御部614は特別図柄表示部201と接続されている。そして、特別図柄を変動させた後に、大当たり抽選の抽選結果をあらわす図柄で停止させる。図柄制御部614は画像表示部104と接続されて、特別図柄と対応するように設けられた複数列の特図装飾図柄を変動させた後に大当たり抽選の抽選結果をあらわす組み合わせで停止させてもよい。また、普通図柄表示部202と接続されて、普通図柄抽選の抽選結果をあらわすための普通図柄を変動させた後に、普通図柄抽選の抽選結果をあらわす図柄で停止させてもよい。
特別遊技実行部615は、図柄制御部614により特別遊技をあらわす図柄が停止された場合に特別遊技をおこなう機能を有する。たとえば、特別遊技実行部615は、大当たりをあらわす図柄が停止された場合に、大入賞口109の作動を制御して大入賞口109を所定期間開放し、大当たりをおこなう。このとき、特別遊技実行部615は、停止された特別遊技をあらわす図柄の種別、すなわち、当選した大当たりの種別に応じた期間、大入賞口109を開放するようにしてもよい。
事前判定部616は、保留記憶部611aに記憶された判定用情報に基づいて事前判定をおこなう機能を有する。具体的に、事前判定部616は、保留記憶部611aに記憶された判定用情報により、この判定用情報で特別遊技をおこなうことになるか、図柄を変動させる際の変動態様などを判定する。本実施の形態において、事前判定部616は事前判定により大当たり抽選の抽選結果や特図変動パターンをあらわす情報を得るものとする。
なお、遊技制御部610は、特別遊技判定部612や変動態様判定部613の判定結果をあらわす情報や、図柄制御部614による図柄の変動状態(たとえば変動中であること)をあらわす情報や、特別遊技実行部615による特別遊技に関する情報(たとえば大当たり遊技であることをあらわす情報)や、事前判定部616による事前判定結果などを含んだ、遊技に関する情報を演出部620へ出力する。また、遊技に関する情報には、高確率遊技状態であることをあらわす情報や、補助遊技状態であることをあらわす情報なども含まれていてもよい。
演出部620は、遊技制御部610から遊技に関する情報を受け付けて、遊技機100がおこなう演出を制御する機能を有する。演出部620は、画像表示部104などに接続されて、画像表示部104に実行対象の演出に応じた画像を表示することにより演出をおこなう。また、実行対象の演出に応じた音声をスピーカ114から出力したり、実行対象の演出に応じた点灯態様で演出ライト部115などの各ランプを点灯させることにより演出をおこなってもよい。また、演出部620は、可動役物130を動作させることにより演出をおこなってもよい。
たとえば、演出部620は、変動演出部621と、特殊演出部622とを備えている。変動演出部621は、変動態様に応じた変動演出を、当該変動態様で図柄が変動されている際におこなう機能を有する。たとえば、変動演出部621は、特別変動態様(本実施の形態ではリーチ変動パターン)であった場合に特別変動演出(本実施の形態ではリーチ演出)をおこなう。また、変動演出部621は、特別遊技をおこなうと判定された場合の変動態様(本実施の形態では大当たり変動パターン)であった場合にも特別変動演出をおこなう。これらの変動態様でなかった場合には特別変動演出はおこなわず、通常変動演出(たとえばノーマルハズレ演出)をおこなう。
特殊演出部622は、事前判定結果に基づいて特殊演出をおこなう機能を有する。たとえば、特殊演出部622は、所定条件を満たす事前判定結果を有する特図判定用情報に対して特殊演出をおこなう。本実施の形態で特殊演出部622は、通常ハズレ変動パターン以外の特図変動パターンと判定された事前判定結果の特図判定用情報に対して特殊演出をおこなう。これによって、特殊演出部622は、事前判定結果が大当たり変動パターン、リーチ変動パターン、特殊ハズレ変動パターンとなった特図判定用情報に対して特殊演出をおこなうことになる。
(遊技機のハードウェア構成の一例)
つぎに、遊技機100の詳細なハードウェア構成の一例について説明する。図7は、本実施の形態の遊技機のハードウェア構成の一例を示す説明図(その1)である。遊技機100は、遊技の主たる進行を制御する主制御部701と、賞球の払い出しなどを制御する賞球制御部702と、演出の進行を制御する演出制御部703とを備えている。
(1.主制御部)
まず、主制御部701について説明する。主制御部701は、CPU(Central Processing Unit)711と、ROM(Read Only Memory)712と、RAM(Random Access Memory)713と、不図示の入出力インターフェース(I/O)などを備えている。
CPU711は主制御部701の全体の制御を司る。ROM712は遊技の進行に関するプログラムやデータなどを記憶している。RAM713はCPU711のワークエリアとして使用される。CPU711はROM712からプログラムやデータを読み出して、RAM713をワークエリアとして使用しながら読み出したプログラムを実行し、主制御部701を制御する。
また、主制御部701には、遊技を進行させる上で必要となる情報を取得するために遊技球を検出するスイッチ(以下「SW」と略す)が接続されている。たとえば、第1始動口105へ入賞した遊技球を検出する第1始動口SW714aと、第2始動口106へ入賞した遊技球を検出する第2始動口SW714bと、ゲート108を通過した遊技球を検出するゲートSW715と、大入賞口109へ入賞した遊技球を検出する大入賞口SW716と、普通入賞口110へ入賞した遊技球を検出する普通入賞口SW717とが接続されている。各種SW714〜717には近接スイッチなどを用いることができる。各種SW714〜717は遊技球を検出したか否かを示す検出信号を主制御部701へ入力する。主制御部701は、各種SW714〜717から入力される検出信号に基づいて特図判定用情報(図9参照)を記憶したり、普図判定用情報(図10参照)を記憶したり、賞球制御部702に対して賞球の払い出し指示をおこなったりする。
また、主制御部701には、電動チューリップ107を開閉動作させるための電動チューリップソレノイド718と、大入賞口109を開閉動作させるための大入賞口ソレノイド719とが接続されている。電動チューリップソレノイド718と大入賞口ソレノイド719とは、主制御部701から入力された電気エネルギーを機械的な運動に変換して、電動チューリップ107や大入賞口109を開閉動作させる。
さらに、主制御部701には、遊技に関する情報を表示するための情報表示部112が接続されている。前述のように、情報表示部112は、特別図柄表示部201(第1特別図柄表示部201aと第2特別図柄表示部201b)と、普通図柄表示部202と、保留数表示部203と、ラウンド数表示部204とを備えている。
主制御部701は、大当たり抽選の抽選結果をあらわすように第1特別図柄表示部201aや第2特別図柄表示部201bの表示制御をおこなう。また、主制御部701は、普通図柄抽選の抽選結果をあらわすように普通図柄表示部202の表示制御をおこなう。特図判定用情報数や普図判定用情報数をあらわすように保留数表示部203の表示制御をおこなう。
(主制御部のプログラムや記憶領域などの一例)
ここでROM712に記憶されたプログラムやプログラムが実行されることでRAM713に記憶される情報の一例について説明する。なお、以下では本実施の形態において特に重要となる特徴的なもののみを説明している。ROM712には以下で説明するプログラムのほかにも不図示のプログラムが多数記憶されており、RAM713には以下で説明する記憶領域のほかにも不図示の記憶領域が多数設定されている。
メイン処理プログラム712aは、主制御部701に電源が供給された場合に実行されて、主制御部701の初期設定(たとえば割込周期の設定)や復旧(たとえば前回の電源遮断時の状態への復旧)などをおこなわせる。また、メイン処理プログラム712aは、主制御部701の電源遮断時にバックアップ情報を生成させて、このバックアップ情報をRAM713に記憶させる。
たとえば、RAM713にはバックアップ電源(不図示)により、遊技機100の電源が遮断されても一定期間(たとえば1日)電源が供給されるようになっている。このため、RAM713は、遊技機100の電源が遮断されても一定期間はバックアップ情報を保持することができる。また、RAM713には、FeRAM(Ferroelectric Random Access Memory)などの不揮発性のRAMや、フラッシュメモリなどの不揮発性メモリを用いてもよい。この場合、RAM713はバックアップ電源を必要とせずにバックアップ情報を保持することができる。
タイマ割込処理プログラム712bは、設定された割込周期でメイン処理プログラム712aに対して割り込み実行される。タイマ割込処理プログラム712bは、乱数更新処理プログラム712c、スイッチ処理プログラム712d、図柄処理プログラム712i、電動役物制御処理プログラム712l、賞球処理プログラム712p、出力処理プログラム712qなどのサブプログラムを順次実行させる。
乱数更新処理プログラム712cは、特別図柄用当たり乱数(以下「特図当たり乱数」と略す)、特別図柄用図柄乱数(以下「特図図柄乱数」と略す)、リーチ乱数、特図変動パターン判定用乱数(以下「特図変動パターン乱数」と略す)、初期値乱数、普通図柄用当たり乱数(以下「普図当たり乱数」と略す)、普通図柄用図柄乱数(以下「普図図柄乱数」と略す)など、主制御部701が管理する乱数の更新をおこなわせる。RAM713には上記の各種乱数を管理するためのカウンタ記憶領域713aが設定されている。
図8は、カウンタ記憶領域の記憶内容の一例を示す説明図である。カウンタ記憶領域713aには、特別図柄用の乱数カウンタのカウント値として、特図当たり乱数カウンタのカウント値と、特図図柄乱数カウンタのカウント値と、リーチ乱数カウンタのカウント値と、特図変動パターン乱数カウンタのカウント値と、初期値乱数カウンタのカウント値とが記憶されている。また、普通図柄用の乱数カウンタのカウント値として、普図当たり乱数カウンタのカウント値と、普図図柄乱数カウンタのカウント値とが記憶されている。
乱数更新処理プログラム712cは、1回実行されるごとにカウンタ記憶領域713aに記憶された各カウント値を「+1」カウントアップさせる。また、特図当たり乱数カウンタ以外の乱数カウンタのカウント値が上限値に達した場合には、上限値に達したカウンタのカウント値を「0」に戻させる。特図当たり乱数カウンタのカウント値が上限値に達した場合には、特図当たり乱数カウンタのカウント値をそのときの初期値乱数カウンタのカウント値と同値となるように設定する。
本実施の形態においては一例として、特図当たり乱数カウンタと初期値乱数カウンタとには「0〜199」の整数の範囲でカウントさせるものとする。特図図柄乱数カウンタと特図変動パターン乱数カウンタとには「0〜99」の整数の範囲でカウントさせるものとする。また、リーチ乱数カウンタと普図当たり乱数カウンタと普図図柄乱数カウンタとには「0〜9」の整数の範囲でカウントさせるものとする。
スイッチ処理プログラム712dは、始動口スイッチ処理プログラム712e、ゲートスイッチ処理プログラム712f、大入賞口スイッチ処理プログラム712g、普通入賞口スイッチ処理プログラム712hなどのサブプログラムを順次実行させる。
始動口スイッチ処理プログラム712eは、第1始動口105や第2始動口106への遊技球の入賞を検出させる。そして、第1始動口105や第2始動口106への遊技球の入賞が検出されたタイミングでカウンタ記憶領域713aを参照させ、特図当たり乱数カウンタのカウント値と、特図図柄乱数カウンタのカウント値と、リーチ乱数カウンタのカウント値と、特図変動パターン乱数カウンタのカウント値とを特図判定用情報として取得させる。RAM713には取得された特図判定用情報を記憶するための特図判定用情報記憶領域713bが設定されている。
図9は、特図判定用情報記憶領域の記憶内容の一例を示す説明図である。特図判定用情報記憶領域713bは、特図判定用情報格納領域TJ1〜TJ8を有している。特図判定用情報格納領域TJ1〜TJ8には、取得された特図当たり乱数カウンタのカウント値と、特図図柄乱数カウンタのカウント値と、リーチ乱数カウンタのカウント値と、特図変動パターン乱数カウンタのカウント値とが関連づけられて特図判定用情報として記憶される。
また、特図判定用情報記憶領域713bに記憶された特図判定用情報には、第1始動口105への入賞により取得された特図判定用情報なのか、第2始動口106への入賞により取得された特図判定用情報なのかも記憶される(入賞始動口)。特図判定用情報格納領域TJ1〜TJ8には、第1始動口105と第2始動口106のそれぞれの始動口ごとに4つを上限として最大8つまでの特図判定用情報を記憶することができるようになっている。
また、特図判定用情報格納領域TJ1〜TJ8には、大当たり抽選を受けるための優先順位が設定されている。図示の例では、特図判定用情報格納領域TJ1から特図判定用情報格納領域TJ2、特図判定用情報格納領域TJ3…特図判定用情報格納領域TJ8といったように、番号が若い特図判定用情報格納領域に記憶された特図判定用情報ほど、大当たり抽選を受けるための優先順位が高く設定されている。
本実施の形態では、時系列的に先に取得された特図判定用情報の方から、番号が若い特図判定用情報格納領域に記憶される。また、本実施の形態では、第2始動口106への入賞により取得された特図判定用情報が、第1始動口105への入賞により取得された特図判定用情報よりも番号が若い特図判定用情報格納領域に記憶されるようになっている。
また、始動口スイッチ処理プログラム712eは、特図判定用情報が記憶された際に、大当たり抽選(特図当たり判定や特図図柄判定)や特図変動パターン判定などをおこなわせて、これらの結果を事前判定結果として事前判定結果記憶領域713eに記憶させたりもする。これによって、主制御部701は、記憶された特図判定用情報の大当たり抽選結果や特図変動パターン判定結果を、各々の特図判定用情報の始動条件が成立する前に得ることができる。このように各々の特図判定用情報の始動条件が成立する前に得ることで、遊技機100は、複数回の特別図柄の変動を跨ぐような一連の演出(以下「連続演出」という)をおこなうことができる。なお、特図当たり判定や特図図柄判定、特図変動パターン判定などについては後述する。
ゲートスイッチ処理プログラム712fは、ゲート108への遊技球の通過を検出させる。そして、ゲート108への遊技球の通過が検出されたタイミングでカウンタ記憶領域713aを参照させ、普図当たり乱数カウンタのカウント値と、普図図柄乱数カウンタのカウント値とを普図判定用情報として取得させる。RAM713には取得された普図判定用情報を記憶するための普図判定用情報記憶領域713cが設定されている。
図10は、普図判定用情報記憶領域の記憶内容の一例を示す説明図である。普図判定用情報記憶領域713cは、普図判定用情報格納領域FJ1〜FJ4を有している。普図判定用情報格納領域FJ1〜FJ4には、取得された普図当たり乱数カウンタのカウント値と、普図図柄乱数カウンタのカウント値とが関連づけられて普図判定用情報として記憶される。普図判定用情報格納領域FJ1〜FJ4には4つを上限に、普図判定用情報を記憶することができるようになっている。
また、普図判定用情報格納領域FJ1〜FJ4には、普通図柄抽選を受けるための優先順位が設定されている。図示の例では、普図判定用情報格納領域FJ1から普図判定用情報格納領域FJ2…普図判定用情報格納領域FJ4といったように、番号が若い普図判定用情報格納領域に記憶された普図判定用情報ほど、普通図柄抽選を受けるための優先順位が高く設定されている。本実施の形態では、時系列的に先に取得された普図判定用情報の方から、番号が若い普図判定用情報格納領域に記憶されるようになっている。
大入賞口スイッチ処理プログラム712gは大入賞口109に入賞した遊技球を検出させ、普通入賞口スイッチ処理プログラム712hは普通入賞口110に入賞した遊技球を検出させる。
図柄処理プログラム712iは、特別図柄処理プログラム712j、普通図柄処理プログラム712kを順次実行させる。特別図柄処理プログラム712jは、所定の始動条件が成立した場合に、特図判定用情報記憶領域713bのもっとも優先順位の高い特図判定用情報格納領域TJ1に記憶された特図判定用情報を用いて、大当たり抽選(特図当たり判定や特図図柄判定)や特図変動パターン判定をおこなわせる。RAM713には、これらの判定結果を記憶するための特図判定結果記憶領域713dが設定されている。
具体的に、まず、特別図柄処理プログラム712jは、ROM712に記憶された特図当たり判定テーブルTAtと特図判定用情報の特図当たり乱数とを比較する特図当たり判定をおこなわせる。ここで、ROM712に記憶された特図当たり判定テーブルTAtについて説明する。
(特図当たり判定テーブル)
図11−1は、特図当たり判定テーブルの一例を示す説明図(その1)である。図11−2は、特図当たり判定テーブルの一例を示す説明図(その2)である。特図当たり判定テーブルTAtは、図11−1に示す低確特図当たり判定テーブルTAt1と、図11−2に示す高確特図当たり判定テーブルTAt2とを有する。
特別図柄処理プログラム712jは、特図当たり判定時に、高確率遊技状態(たとえば確変遊技状態)であることを示す高確遊技フラグがOFFに設定されていれば低確特図当たり判定テーブルTAt1を用いて特図当たり判定をおこなわせる。一方、高確遊技フラグがONに設定されていれば高確特図当たり判定テーブルTAt2を用いて特図当たり判定をおこなわせる。
低確特図当たり判定テーブルTAt1および高確特図当たり判定テーブルTAt2は、大当たりに対して、大当たりへの当選確率を定めた判定値を対応づけて構成される。本実施の形態では、一例として、低確特図当たり判定テーブルTAt1では大当たりに対して判定値「0(1個)」を割り当てている。一方、高確特図当たり判定テーブルTAt2では大当たりに対して判定値「0〜4(5個)」を割り当てている。
特別図柄処理プログラム712jは、特図当たり乱数が大当たりに対応づけられた判定値と一致した場合には大当たりに当選したと判定させる。特図当たり乱数が大当たりの判定値に一致しない場合にはハズレと判定させる。前述したように、本実施の形態で取得される特図当たり乱数は0〜199までのいずれかの整数となる。このため、低確特図当たり判定テーブルTAt1を用いて特図当たり判定をおこなった場合には、1/200の確率で大当たりに当選するようになっている。また、高確特図当たり判定テーブルTAt2を用いて特図当たり判定をおこなった場合には、5/200(=1/40)の確率で大当たりに当選するようになっている。これによって、遊技機100では高確特図当たり判定テーブルTAt2を用いた場合の方が大当たりへの当選確率を高めた特図当たり判定がおこなわれるようになっている。
特図当たり判定で大当たりに当選した場合には、特別図柄処理プログラム712jは、つづいて、ROM712に記憶された特図図柄判定テーブルTZtと特図判定用情報の特図図柄乱数とを比較する特図図柄判定をおこなわせる。ここで、ROM712に記憶された特図図柄判定テーブルTZtについて説明する。
(特図図柄判定テーブル)
図12−1は、特図図柄判定テーブルの一例を示す説明図(その1)である。図12−2は、特図図柄判定テーブルの一例を示す説明図(その2)である。特図図柄判定テーブルTZtは、図12−1に示す第1特図図柄判定テーブルTZt1と、図12−2に示す第2特図図柄判定テーブルTZt2とを有する。
特別図柄処理プログラム712jは、特図図柄判定に用いる特図判定用情報が第1始動口105への入賞により取得されたものであれば第1特図図柄判定テーブルTZt1を用いて特図図柄判定をおこなわせる。一方、特図図柄判定に用いる特図判定用情報が第2始動口106への入賞により取得されたものであれば第2特図図柄判定テーブルTZt2を用いて特図図柄判定をおこなわせる。
第1特図図柄判定テーブルTZt1および第2特図図柄判定テーブルTZt2は、各大当たり(本実施の形態では第1大当たり、第2大当たり、第3大当たり)に対して、各大当たりへの当選確率を定めた判定値を対応づけて構成される。本実施の形態では、一例として、第1特図図柄判定テーブルTZt1では第1大当たりに対して判定値「0〜4(5個)」を割り当て、第2大当たりに対して判定値「5〜39(35個)」を割り当て、第3大当たりに対して判定値「40〜99(60個)」を割り当てている。一方、第2特図図柄判定テーブルTZt2では第1大当たりに対して判定値「0〜39(40個)」を割り当て、第2大当たりには判定値を割り当てず、第3大当たりに対して判定値「40〜99(60個)」を割り当てている。
特別図柄処理プログラム712jは、特図図柄乱数が第1大当たりに対応づけられた判定値と一致した場合には第1大当たりに当選したと判定させる。特図図柄乱数が第2大当たりに対応づけられた判定値と一致した場合には第2大当たりに当選したと判定させる。特図図柄乱数が第3大当たりに対応づけられた判定値と一致した場合には第3大当たりに当選したと判定させる。
前述したように、本実施の形態で取得される特図図柄乱数は0〜99までのいずれかの整数となる。このため、第1特図図柄判定テーブルTZt1を用いて特図図柄判定をおこなった場合には、5/100の確率で第1大当たりに当選し、35/100の確率で第2大当たりに当選し、60/100の確率で第3大当たりに当選するようになっている。また、第2特図図柄判定テーブルTZt2を用いて特図図柄判定をおこなった場合には、40/100の確率で第1大当たりに当選し、60/100の確率で第3大当たりに当選するようになっている。
遊技機100で当選し得る大当たりのうち、第1大当たりがもっとも大入賞口109を開放させる期間の長い大当たりとなっている。このため、第1大当たりへの当選確率を高く定めた第2特図図柄判定テーブルTZt2を用いた場合の方が遊技者にとって有利な特図図柄判定がおこなわれるようになっている。
特別図柄処理プログラム712jは、特図当たり判定や特図図柄判定(大当たり時のみ)をおこなわせると、つづいて、特図変動パターン判定をおこなわせる。特図変動パターン判定において、特別図柄処理プログラム712jは、まず、大当たりか否かを判定させ、大当たりであれば大当たり変動パターンと判定させる。大当たりでなければ、リーチ変動パターンとするか否かを判定させ、リーチ変動パターンとすると判定されたらリーチ変動パターンと判定させる。リーチ変動パターンでなければ、特殊ハズレ変動パターンとするか否かを判定させ、特殊ハズレ変動パターンとすると判定されたら特殊ハズレ変動パターンと判定させ、特殊ハズレ変動パターンでなければ通常ハズレ変動パターンと判定させる。
(リーチ判定テーブル)
ここで、ROM712に記憶されてリーチ判定時に用いられるリーチ判定テーブルRtについて説明する。図13は、リーチ判定テーブルの一例を示す説明図である。リーチ判定テーブルRtは、リーチ変動パターンとするか(リーチ有り)否か(リーチ無し)に対して、各々の当選確率を定めた判定値を対応づけて構成される。本実施の形態では、「リーチ有り」に判定値「0」を割り当てて、「リーチ無し」に判定値「1〜9」を割り当てている。このため、遊技機100ではリーチ判定をおこなった場合(ハズレの場合)、1/10の確率でリーチ演出がおこなわれることになり、9/10の確率でリーチ演出がおこなわれないことになる。
(特図変動パターンテーブル)
つぎに、ROM712に記憶された特図変動パターンテーブルTHtについて説明する。図14−1は、特図変動パターンテーブルの一例を示す説明図(その1)である。図14−2は、特図変動パターンテーブルの一例を示す説明図(その2)である。図14−3は、特図変動パターンテーブルの一例を示す説明図(その3)である。特図変動パターンテーブルTHtは、図14−1に示す大当たり変動パターンテーブルTHt1と、図14−2に示すリーチ変動パターンテーブルTHt2と、図14−3に示すハズレ変動パターンテーブルTHt3とから構成される。
特別図柄処理プログラム712jは、特図当たり判定の判定結果が大当たりであれば大当たり変動パターンテーブルTHt1を用いて特図変動パターン判定をおこなわせる。特図当たり判定の判定結果がハズレで、且つ、リーチ判定の判定結果が「リーチ有り」であればリーチ変動パターンテーブルTHt2を用いて特図変動パターン判定をおこなわせる。特図当たり判定の判定結果がハズレで、且つ、リーチ判定の判定結果が「リーチ無し」であればハズレ変動パターンテーブルTHt3を用いて特図変動パターン判定をおこなわせる。
大当たり変動パターンテーブルTHt1は、大当たり変動パターンを定めた特図変動パターンTHp11〜THp13に対して、特図変動パターン判定におけるそれぞれの当選確率を定めた判定値を対応づけて構成される。ここで特図変動パターンTHp11は65秒間の変動時間を定めており、特図変動パターンTHp12は95秒間の変動時間を定めており、特図変動パターンTHp13は125秒間の変動時間を定めている。
特別図柄処理プログラム712jは、特図変動パターン判定において、特図判定用情報の特図変動パターン乱数と一致する判定値を有する特図変動パターンに当選したと判定させる。このため、遊技機100では長い変動時間を定めた特図変動パターンほど大当たり時に判定され易くなっている。
リーチ変動パターンテーブルTHt2は、リーチ変動パターンを定めた特図変動パターンTHp21〜THp23に対して、特図変動パターン判定におけるそれぞれの当選確率を定めた判定値を対応づけて構成される。ここで特図変動パターンTHp21は60秒間の変動時間を定めており、特図変動パターンTHp22は90秒間の変動時間を定めており、特図変動パターンTHp23は120秒間の変動時間を定めている。このため、遊技機100では短い変動時間を定めた特図変動パターンほどハズレ時に判定され易くなっている。
ハズレ変動パターンテーブルTHt3は、通常ハズレ変動パターンを定めた特図変動パターンTHp31〜THp33と、特殊ハズレ変動パターンを定めた特図変動パターンTHp34とに対して、特図変動パターン判定におけるそれぞれの当選確率を定めた判定値を対応づけて構成される。また、ハズレ変動パターンテーブルTHt3では保留数に応じて、特図変動パターンTHp31〜THp34に異なる判定値が対応づけられている。
たとえば、保留数が「1」であれば、特別図柄処理プログラム712jは、図14−3中、符号1401で示す縦列の判定値を用いて特図変動パターンを判定させる。また、保留数が「2または3」であれば、符号1402で示す縦列の判定値を用いて特図変動パターンを判定させる。保留数が「4以上」であれば、符号1403で示す縦列の判定値を用いて特図変動パターンを判定させる。このため、遊技機100では取得された特図変動パターン乱数が「0〜89」であった場合、特図変動パターン判定時の保留数によって特図変動パターン判定の判定結果が異なるようになる。
たとえば、特図変動パターン乱数が「70」であったとする。この場合、特図変動パターン判定時の保留数が、「1」であれば特図変動パターン判定の判定結果は特図変動パターンTHp31となるが、「4」であれば特図変動パターン判定の判定結果は特図変動パターンTHp33となる。そして、遊技機100では特図変動パターンTHp31であればノーマルハズレ演出がおこなわれることになるが、特図変動パターンTHp33であればギミックガセ演出がおこなわれることになる。つまり、この場合、保留数によっておこなわれる特図演出の種別が異なるようになっている。
一方、特殊ハズレ変動パターンの特図変動パターンTHp34に対応づけられた判定値は保留数にかかわらず「90〜99」となっている。このため、ハズレ変動パターンテーブルTHt3を用いた特図変動パターン判定では、保留数にかかわらず一定の確率で特図変動パターンTHp34に当選することになる。また、ハズレ変動パターンテーブルTHt3を用いた特図変動パターン判定では、保留数にかかわらず特図変動パターン乱数の値が「90〜99」であれば特図変動パターンTHp34に当選することになっている。
(特図判定結果記憶領域)
特別図柄処理プログラム712jは、特図当たり判定や特図図柄判定や特図変動パターン判定の判定結果を特図判定結果記憶領域713dに記憶させる。図15は、特図判定結果記憶領域の一例を示す説明図である。特図判定結果記憶領域713dには、特図当たり判定の判定結果、特図図柄判定の判定結果、特図変動パターン判定の判定結果が対応づけられて記憶される。
なお、特図判定結果記憶領域713dには、特図当たり判定の判定結果および特図図柄判定の判定結果の双方をあらわす図柄を示す情報を記憶するようにしてもよい。たとえば、この場合、第1大当たりでは「1」という図柄を記憶し、第2大当たりでは「2」という図柄を記憶する。また、第3大当たりでは「3」という図柄を記憶する。そして、ハズレでは「−」という図柄を記憶する。
特別図柄処理プログラム712jは、特図判定結果記憶領域713dに記憶された内容に基づいて、特別図柄の表示制御をおこなわせる。たとえば、特図変動パターンが示す変動時間だけ特別図柄の変動をおこなった後、特図当たり判定の判定結果および特図図柄判定の判定結果の双方をあらわす図柄で特別図柄を停止させる。
図16は、事前判定結果記憶領域の一例を示す説明図である。前述のように、主制御部701は特図判定用情報が記憶された際に、大当たり抽選(特図当たり判定や特図図柄判定)や特図変動パターン判定などをおこなわせて、これらの結果を事前判定結果として事前判定結果記憶領域713eに記憶させることもできる。事前判定結果記憶領域713eには、特図判定用情報格納領域TJ1〜TJ8に格納された各特図判定用情報に対する大当たり抽選結果や特図変動パターン判定結果などが対応づけて記憶されている。
普通図柄処理プログラム712kは、所定の始動条件が成立した場合に、普図判定用情報記憶領域713cのもっとも優先順位の高い普図判定用情報格納領域FJ1に記憶された普図判定用情報を用いて、普通図柄抽選などをおこなわせる。RAM713には、これらの判定結果を記憶するための普図判定結果記憶領域713fが設定されている。
普図当たり判定において、普通図柄処理プログラム712kは、特図当たり判定と同様に、普図判定用情報の普図当たり乱数が普図当たり判定テーブルFAtで普図当たりに対応づけられた判定値と一致するかを判定する普図当たり判定をおこなわせる。普図当たりに対応づけられた判定値と一致すれば普図当たりに当選したと判定させ、一致しなければ普図当たりに落選したと判定させる。普図当たりに当選した場合には、普図判定用情報の普図図柄乱数が普図図柄判定テーブルFZtでいずれの種別の普図当たり(長開放当たり、短開放当たり)に対応づけられた判定値と一致するかを判定する普図図柄判定をおこなわせる。
また、普通図柄処理プログラム712kは、普図当たり判定の判定結果や補助遊技状態であることを示す補助遊技フラグの設定状況(ONかOFFか)などに基づき、普図変動パターンテーブルFHtから普図変動パターンを判定させる。普通図柄処理プログラム712kは、普図当たり判定や普図図柄判定、普図変動パターン判定などをおこなわせると、これらの判定結果を普図判定結果記憶領域713fに記憶させ、普図判定結果記憶領域713fに記憶された内容に基づいて、普通図柄の表示制御をおこなわせる。たとえば、普図変動パターンが示す変動時間だけ普通図柄の変動をおこなった後、普図当たり判定の判定結果および普図図柄判定の判定結果の双方をあらわす図柄で普通図柄を停止させる。
電動役物制御処理プログラム712lは、大入賞口処理プログラム712m、電動チューリップ処理プログラム712oなどのサブプログラムを順次実行させる。大入賞口処理プログラム712mは、特別図柄処理プログラム712jの処理結果に基づき大入賞口開放パターンテーブルKPt1から大入賞口開放パターンを設定させ、この大入賞口開放パターンにしたがって大入賞口109を開閉動作させる。
(大入賞口開放パターンテーブル)
ここで、ROM712に記憶された大入賞口開放パターンテーブルKPt1について説明する。図17は、大入賞口開放パターンテーブルの一例を示す説明図である。大入賞口開放パターンテーブルKPt1は、大入賞口開放パターンDKp1〜DKp3に対して、大当たりの種別を対応づけて構成される。ここで大入賞口開放パターンDKp1〜DKp3は、それぞれの大当たりにおける大入賞口109の開放態様を定めている。具体的に、たとえば、大入賞口開放パターンDKp1〜DKp3は、それぞれの大当たりにおけるラウンド数と、各ラウンドでの大入賞口109の開放時間と、オープニング時間と、インターバル時間と、エンディング時間とを定めている。
また、大入賞口処理プログラム712mは、サブプログラムとして遊技状態設定処理プログラム712nを実行させる。遊技状態設定処理プログラム712nは大当たり遊技に高確率遊技状態とするための高確遊技フラグや補助遊技状態とするための補助遊技フラグなどをRAM713に設定させる。
電動チューリップ処理プログラム712oは、普通図柄処理プログラム712kの処理結果や補助遊技フラグの設定状況(ON/OFF)に基づき電動チューリップ開放パターンテーブルKPt2から電動チューリップ開放パターンを設定させ、この電動チューリップ開放パターンにしたがって電動チューリップ107を開閉動作させる。
賞球処理プログラム712pは、第1始動口105、第2始動口106、大入賞口109、普通入賞口110の各入賞口への入賞に対して、所定個数の賞球を払い出させるための払い出し指示(賞球コマンド)をRAM713に設定させる。
出力処理プログラム712qは、RAM713に設定された各記憶領域の記憶内容を示す情報(たとえばコマンド)を主制御部701に接続された各制御部(たとえば賞球制御部702や演出制御部703)に対して出力させる。
また、主制御部701は、RAM713に設定された各記憶領域の記憶内容を示す情報を、盤用外部情報端子基板791を介して外部(たとえば遊技場のホールコンピュータ)に出力してもよい。たとえば、主制御部701は主制御基板によりその機能を実現することができる。
(2.賞球制御部)
つぎに、賞球制御部702について説明する。賞球制御部702は、CPU721と、ROM722と、RAM723と、不図示の入出力インターフェースなどを備えている。CPU721は賞球制御部702の全体の制御を司る。ROM722は賞球の払い出しなどに関するプログラムやデータなどを記憶している。RAM723はCPU721のワークエリアとして使用される。CPU721はROM722からプログラムやデータを読み出して、RAM723をワークエリアとして使用しながら読み出したプログラムを実行し、賞球制御部702を制御する。これによって、賞球制御部702は、主制御部701からの払い出し指示(賞球コマンド)に基づいて賞球の払い出しをおこなうよう機能する。
また、賞球制御部702には、遊技球を検出する各種SWが接続されている。たとえば、賞球制御部702には、所定位置の遊技球を検出する定位置検出SW724と、払い出した遊技球を検出する払出球検出SW725と、枠体前面に設けられた打球供給皿120内の遊技球の有無を検出する球有り検出SW726と、打球供給皿120が遊技球で満たされていることを検出する満タン検出SW727とが接続されている。
各種SW724〜727は、遊技球を検出したか否かを示す検出信号を賞球制御部702へ入力する。賞球制御部702は、主制御部701から出力された払い出し指示や、各種SW724〜727から入力された検出信号に基づき、賞球を払い出したり、賞球の払い出しをやめたりする。また、賞球制御部702は、各種SW724〜727から入力された検出信号を主制御部701へ出力してもよい。
また、賞球制御部702には、発射部728や払出部729が接続される。賞球制御部702は、発射部728に対する遊技球の発射の操作を検出して遊技球の発射を制御する。発射部728は、遊技のための遊技球を発射するものであり、遊技者による遊技操作を検出するセンサと、遊技球を発射させるソレノイドなどを備える。賞球制御部702は、発射部728のセンサにより遊技操作を検出すると、検出された遊技操作に対応してソレノイド等を駆動させて遊技球を間欠的に発射させ、遊技盤101の遊技領域103に遊技球を打ち出す。
また、賞球制御部702は、払出部729に対して入賞時の賞球数を払い出す制御をおこなう。払出部729は、遊技球を貯留する不図示の貯留部から所定数を払い出すための払出駆動モータを備える。賞球制御部702は、この払出駆動モータを駆動させて、払出部729に対して各入賞口(第1始動口105、第2始動口106、大入賞口109、普通入賞口110)に入賞した遊技球に対応した賞球数を払い出す制御をおこなう。
また、賞球制御部702には枠用外部情報端子基板792が接続されており、賞球制御部702は各種情報を外部に出力することができる。たとえば、賞球制御部702は賞球制御基板によってその機能を実現することができる。
(3.演出制御部)
つぎに、演出制御部703について説明する。図18は、本実施の形態の遊技機のハードウェア構成の一例を示す説明図(その2)である。演出制御部703は、演出制御部703全体を統括する演出統括部703aと、画像表示部104の表示制御やスピーカ114の音声出力制御をおこなう画像・音声制御部703bと、ランプの点灯制御や可動役物130の駆動制御をおこなうランプ制御部703cとを備えている。
(3−1.演出統括部)
まず、演出統括部703aについて説明する。演出統括部703aは、CPU731と、ROM732と、RAM733と、RTC(Real−Time Clock)734と、不図示の入出力インターフェース(I/O)などを備えている。CPU731は演出統括部703aの全体の制御を司る。ROM732は演出制御部703を統括するためのプログラムやデータなどを記憶している。RAM733はCPU731のワークエリアとして使用される。CPU731はROM732からプログラムやデータを読み出して、RAM733をワークエリアとして使用しながら読み出したプログラムを実行し、演出統括部703aを制御する。
RTC734は実時間を計時出力する。RTC734にはバックアップ電源(不図示)により、遊技機100の電源が遮断されても一定期間(たとえば1日)電源が供給されるようになっている。このため、RTC734は遊技機100の電源が遮断されても一定期間は計時動作を継続することができる。なお、ここではRTC734を演出統括部703a内に設けたが、主制御部701内や画像・音声制御部703b内などに設けてもよい。また、RTC734を単独で配置して、演出統括部703aなどに対して計時された実時間を示す情報を出力するように構成してもよい。
また、演出統括部703aには、遊技者からの操作を受け付けるための演出ボタン118や十字キー119が接続されている。演出ボタン118や十字キー119は、遊技者により操作(たとえば押下)されたキーに対応する制御信号を演出統括部703aへ入力する。
(演出統括部のプログラムや記憶領域などの一例)
ここで、ROM732に記憶されたプログラムやこれらのプログラムが実行されることでRAM733に記憶される情報の一例について説明する。なお、以下では本実施の形態において特に重要となる特徴的なもののみを説明している。ROM732には以下で説明するプログラムのほかにも不図示のプログラムが多数記憶されており、RAM733には以下で説明する記憶領域のほかにも不図示の記憶領域が多数設定されている。
演出メイン処理プログラム732aは、演出統括部703aに電源が供給された場合に実行されて、演出統括部703aの初期設定(たとえば割込周期の設定)や、演出用乱数などの演出統括部703aが管理する乱数カウンタのカウント値を更新させる(たとえば1回実行されるごとに「+1」カウントアップさせる)。
演出タイマ割込処理プログラム732bは、設定された割込周期で演出メイン処理プログラム732aに対して割り込み実行される。演出タイマ割込処理プログラム732bは、コマンド受信処理プログラム732c、操作受付処理プログラム732g、コマンド送信処理プログラム732hなどのサブプログラムを順次実行させる。
コマンド受信処理プログラム732cは、主制御部701から送信された各種コマンドを受信して、受信されたコマンドに応じた処理をおこなわせる。たとえば、コマンド受信処理プログラム732cは、特図演出処理プログラム732d、普図演出処理プログラム732e、大当たり演出処理プログラム732fなどのサブプログラムを順次実行させる。
特図演出処理プログラム732dは、主制御部701から特別図柄に関するコマンドが受信された場合に特図演出に関する処理をおこなわせる。たとえば、特図演出処理プログラム732dは、特図変動演出パターンテーブルTEtから一つの特図変動演出パターンを選択してRAM733に設定させたり、予告演出パターンテーブルYEtから一つの予告演出パターンを選択してRAM733に設定させたりする。
(特図変動演出パターンテーブルの一例)
ここで特図変動演出パターンテーブルTEtの一例について説明する。図19は、特図変動演出パターンテーブルの一例を示す説明図である。特図変動演出パターンテーブルTEtは、それぞれ異なる特図変動演出を定めた特図変動演出パターンTEp1〜TEp10に対して特図変動パターンTHp11〜THp13,THp21〜THp23,THp31〜THp34を対応づけて構成されている。たとえば、特図演出処理プログラム732dは特図変動演出パターンの設定に際し、特図変動開始コマンドに含まれた特図変動パターンに対応づけられた特図変動演出パターンを特図変動演出パターンテーブルTEtの中から判定して、この特図変動演出パターンをRAM733に設定させる。
ここで、特図変動演出パターンTEp1〜TEp3は大当たり変動パターンに対応した特図変動演出をあらわしている。具体的に、たとえば、特図変動演出パターンTEp1は、リーチ演出をおこなった後、ゾロ目が停止するような特図変動演出をあらわしている。特図変動演出パターンTEp2は、可動役物130を動作させるギミック演出をおこなった後にリーチ演出をおこなって、ゾロ目が停止するような特図変動演出をあらわしている。また、特図変動演出パターンTEp3は、疑似連演出をおこなった後にリーチ演出をおこなって、ゾロ目が停止するような特図変動演出をあらわしている。
なお、疑似連演出については公知であるために詳細な説明は省略するが、特別図柄を1回変動させて停止させるまでに、特図装飾図柄の変動および停止を複数回繰り返す演出である。疑似連演出では変動および停止の繰り返し回数が多いほど、大当たりに対する期待度が高くなるように定められている。変動および停止の繰り返す場合には、いわゆる「チャンス目」と呼ばれる出目で一旦停止させた後に、再度、変動を開始する。つまり、チャンス目は疑似連演出への移行をあらわしたり、疑似連演出が発展したことをあらわしたりする。
特図変動演出パターンTEp4〜TEp6はリーチ変動パターンに対応した特図変動演出をあらわしている。具体的に、たとえば、特図変動演出パターンTEp4は、リーチ演出をおこなった後、リーチハズレ目(たとえば「7・8・7」)が停止するような特図変動演出をあらわしている。特図変動演出パターンTEp5は、ギミック演出をおこなった後にリーチ演出をおこなって、リーチハズレ目が停止するような特図変動演出をあらわしている。また、特図変動演出パターンTEp6は、疑似連演出をおこなった後にリーチ演出をおこなって、リーチハズレ目が停止するような特図変動演出をあらわしている。
特図変動演出パターンTEp7〜TEp9は通常ハズレ変動パターンに対応した特図変動演出をあらわし、特図変動演出パターンTEp10は特殊ハズレ変動パターンに対応した特図変動演出をあらわしている。具体的に、たとえば、特図変動演出パターンTEp7〜TEp8はノーマルハズレ演出をあらわし、特図変動演出パターンTEp9はギミックガセ演出をあらわしている。また、特図変動演出パターンTEp10は疑似連ガセ演出をあらわしている。
特図演出処理プログラム732dは、特図変動演出パターンや予告演出パターンを設定させると、これらによりあらわされる特図演出を開始させる特図演出開始コマンドを生成させてRAM733に設定させる。
図18に戻り、普図演出処理プログラム732eは、主制御部701から普通図柄に関するコマンドが受信された場合に、普図演出に関する処理をおこなわせる。たとえば、普図演出処理プログラム732eは、普図変動開始コマンドが受信された場合に、普図演出パターンテーブルFEtの中から一つの普図演出パターンをRAM733に設定させる。そして、この普図演出パターンにより定められた普図演出を開始させる普図演出開始コマンドを生成させてRAM733に設定させる。
大当たり演出処理プログラム732fは、主制御部701から大当たりに関するコマンドが受信された場合に、大当たり演出に関する処理をおこなわせる。たとえば、大当たり演出処理プログラム732fは、大当たり開始時に送信されるオープニングコマンドが受信された場合に、大当たり演出パターンテーブルOEtの中から大当たり演出パターンをRAM733に設定させる。
操作受付処理プログラム732gは、演出ボタン118や十字キー119からの制御信号を受け付けさせて、この制御信号に応じた操作コマンドを生成させてRAM733に設定させる。コマンド送信処理プログラム732hは、RAM733に設定された特図変動演出パターンや大当たり演出パターンなどに基づいて各種コマンドを生成させ、これらのコマンドを所定のタイミングで画像・音声制御部703bやランプ制御部703cへ送信させる。
(3−2.画像・音声制御部)
画像・音声制御部703bは、CPU741と、ROM742と、RAM743と、VRAM744と、不図示の入出力インターフェース(I/O)などを備えている。CPU741は、画像・音声制御部703bの全体の制御を司る。ROM742は、演出統括部703aにより指示された演出に関する画像や音声を出力するためのプログラムやデータなどを記憶している。RAM743は、CPU741のワークエリアとして使用される。
たとえば、ROM742には演出用データが記憶されている。ここで、演出用データは装飾図柄(特図装飾図柄や普図装飾図柄)をあらわす画像データや、背景画像をあらわす画像データや、リーチ演出用の演出画像をあらわす画像データ、各種予告演出用の演出画像をあらわす画像データなどを含んでいる。さらに、演出用データはBGM(Background music)の音声データや効果音の音声データなども含んでいる。
CPU741は、演出統括部703aにより実行指示された演出に関する画像データを演出用データから読み込んで、この画像データから表示用データを生成させてVRAM744に記憶させる。また、CPU741は、演出統括部703aにより設定された演出モードに対応した背景画像の画像データを演出用データから読み込んで、この画像データから表示用データを生成させてVRAM744に記憶させる。表示用データの生成に際して、CPU741は、たとえばZバッファ法などの陰面消去法などを用いて、背景画像が特図装飾図柄などよりも背面側となるようにしたりする。Zバッファ法については公知の技術であるため、ここでの説明は省略する。VRAM744に記憶された表示用データは所定のタイミングで画像表示部104に対して出力される。これによって、この表示用データがあらわす画像が画像表示部104の表示画面上に表示される。
また、CPU741は、演出統括部703aにより実行指示された演出に関する音声データを演出用データから読み込んで、音声出力用データを生成させてRAM743に記憶させる。RAM743に格納された音声出力用データは所定のタイミングでスピーカ114に対して出力される。これによって、この音声出力用データがあらわす音声がスピーカ114から出力される。
(3−3.ランプ制御部)
ランプ制御部703cは、CPU751と、ROM752と、RAM753と、不図示の入出力インターフェース(I/O)などを備えている。CPU751は、ランプ制御部703cの全体の制御を司る。ROM752は、演出統括部703aにより指示された演出に関するランプの点灯を制御したり可動役物130の駆動を制御したりするためのプログラムやデータなどを記憶している。RAM753は、CPU751のワークエリアとして使用される。
たとえば、ROM752には制御用データが記憶されている。ここで制御用データは、可動役物130を駆動させるための駆動制御データや演出ライト部115や盤ランプLpの各ランプを点灯させるための点灯制御データを含んでいる。CPU751は、演出統括部703aにより実行指示された演出に関する駆動制御データを制御用データから読み込んでRAM753に記憶させ、この駆動制御データに応じた制御信号を所定のタイミングで可動役物130のモータへ入力する。これにより、ランプ制御部703cは可動役物130を駆動させることができる。また、ランプ制御部703cは可動役物130の位置検出をおこなう役物センサS1とも接続されており、役物センサS1から検出信号を受け付けて、この検出信号に基づいて可動役物130の駆動を制御することもできる。
また、CPU751は、演出統括部703aにより実行指示された演出に関する点灯制御データを制御用データから読み込んでRAM753に記憶させ、この点灯制御データに応じた制御信号を所定のタイミングで演出ライト部115や盤ランプLpの点灯制御回路へ入力する。これにより、ランプ制御部703cは演出ライト部115や盤ランプLpのランプを点灯させることができる。
本実施の形態では、演出制御部703は、演出統括部703aと、画像・音声制御部703bと、ランプ制御部703cとがそれぞれ異なる基板として設けられるが、これらは同じプリント基板上に組み込んで構成してもよい。ただし、同じプリント基板上に組み込まれた場合であってもそれぞれの機能は独立しているものとする。
なお、たとえば、前述した遊技制御部610は主制御部701のCPU711がROM712に記憶されたプログラムを実行することによってその機能を実現することができる。また、前述した演出部620は、演出統括部703aのCPU731がROM732に記憶されたプログラムを実行することによってその機能を実現することができる。
(遊技機がおこなう処理)
(1.主制御部がおこなう処理)
つぎに、前述の動作を実現するために遊技機100がおこなう詳細な処理の一例について説明する。まず、遊技機100の主制御部701がおこなう処理について説明する。なお、以下に説明する主制御部701の各処理は、主制御部701のCPU711がROM712に記憶されたプログラムを実行することによりおこなう。
(メイン処理)
図20は、メイン処理の処理内容を示すフローチャートである。たとえば、主制御部701は、電源が供給されて主制御部701が起動した際にメイン処理の実行を開始する。そして、主制御部701の起動中は継続的にメイン処理を実行している。メイン処理において、まず、主制御部701は、1000ms待機して(ステップS2001)、RAM713へのアクセスを許可する(ステップS2002)。
つづいて、主制御部701は、RAMクリアスイッチがONであるかを判定する(ステップS2003)。RAMクリアスイッチがONであれば(ステップS2003:Yes)、RAMクリアをおこなう(ステップS2004)。RAMクリアについては公知の技術のため詳細な説明は省略するが、主制御部701はRAMクリアによりRAM713に記憶されたバックアップ情報を破棄(クリア)する。この場合、主制御部701は、所定の初期状態(たとえば補助遊技フラグOFF、高確遊技フラグOFFの状態)で起動することになる。
つづいて、主制御部701は、RAM713上に作業領域を設定して(ステップS2005)、周辺部の初期設定をおこなう(ステップS2006)。ステップS2006において、たとえば、主制御部701は、賞球制御部702や演出制御部703などの各周辺部に対して所定の初期設定をおこなうように指示する初期設定コマンドを送信する。
一方、RAMクリアスイッチがOFFであれば(ステップS2003:No)、主制御部701は、RAM713にバックアップ情報が記憶されていることを示すバックアップフラグがONに設定されているかを判定する(ステップS2007)。バックアップフラグがOFFに設定されていれば(ステップS2007:No)、ステップS2004へ移行する。バックアップフラグがONに設定されていれば(ステップS2007:Yes)、主制御部701は、チェックサムが正常であるかを判定する(ステップS2008)。チェックサムに異常があれば(ステップS2008:No)、ステップS2004へ移行する。
チェックサムが正常であれば(ステップS2008:Yes)、主制御部701は、RAM713に記憶されたバックアップ情報に基づいて、前回の電源遮断時の状態に復旧するための復旧処理をおこなう(ステップS2009)。また、復旧処理において、主制御部701は、賞球制御部702や演出制御部703などの各周辺部に対して所定の初期設定をおこなうように指示する初期設定コマンドを送信する。また、復旧処理において、主制御部701は、バックアップ情報などを賞球制御部702や演出制御部703に送信してもよい。
つづいて、主制御部701は、CTC(タイマカウンタ)の周期(たとえば4ms)をRAM713に設定する(ステップS2010)。ここで設定された周期で、主制御部701は後述のタイマ割込処理をおこなうことになる。つづいて、主制御部701は、主制御部701へ供給された電源の遮断を監視する電源遮断監視処理をおこなう(ステップS2011)。図示および詳細な説明は省略するが、電源遮断監視処理において、主制御部701は電源の遮断を監視して、電源が遮断された場合にはRAM713に記憶された情報に基づいてバックアップ情報を生成して、このバックアップ情報をRAM713に記憶する。
つづいて、主制御部701は、特図変動パターン乱数カウンタのカウント値を「+1」カウントアップする特図変動パターン乱数更新をおこなって(ステップS2012)、タイマ割込処理の割込禁止設定をおこなう(ステップS2013)。タイマ割込処理はメイン処理に対して割込実行されるが、割込禁止設定が設定されている間はこの割込実行が規制されることになる。つづいて、主制御部701は、初期値乱数カウンタのカウント値を「+1」カウントアップする初期値乱数更新をおこなう(ステップS2014)。そして、タイマ割込処理の割込禁止設定を解除する割込許可設定をおこなって(ステップS2015)、ステップS2011へ移行し、以降はステップS2011〜S2015までのステップを繰り返す。
(タイマ割込処理)
図21は、タイマ割込処理の処理内容を示すフローチャートである。前述のように、主制御部701は、設定された所定周期で(たとえば4msごとに)メイン処理に対してタイマ割込処理を割込実行する。タイマ割込処理において、まず、主制御部701は、主制御部701が管理する各種乱数カウンタのカウント値を「+1」カウントアップする乱数更新処理をおこなう(ステップS2101)。なお、前述のように、主制御部701はカウント値が上限値に達した場合は所定値に戻す。
つづいて、主制御部701は、各種スイッチにより検出をおこなうスイッチ処理を実行する(ステップS2102)。このスイッチ処理において、主制御部701は、始動口(第1始動口105、第2始動口106)に入賞した遊技球を検出する始動口スイッチ処理(後述)、ゲート108を通過した遊技球を検出するゲートスイッチ処理、大入賞口109に入賞した遊技球を検出する大入賞口スイッチ処理、普通入賞口110に入賞した遊技球を検出する普通入賞口スイッチ処理などをおこなう。
つづいて、主制御部701は、特別図柄および普通図柄に関する図柄処理を実行する(ステップS2103)。ここで、図柄処理は、特別図柄に関する特別図柄処理(後述)や普通図柄に関する普通図柄処理などを含んでいる。たとえば、特別図柄処理において、主制御部701は大当たり抽選をおこなって特別図柄の表示制御をおこなう。また、普通図柄処理において、主制御部701は普通図柄抽選をおこなって普通図柄の表示制御をおこなう。
つづいて、主制御部701は、大入賞口109および電動チューリップ107の動作制御に関する電動役物制御処理を実行する(ステップS2104)。ここで、電動役物制御処理は、大入賞口109の動作を制御する大入賞口処理(後述)や電動チューリップ107の動作を制御する電動チューリップ処理などを含んでいる。たとえば、大入賞口処理において、主制御部701は大当たり抽選の抽選結果に基づき大入賞口109の動作制御をおこなう。また、電動チューリップ処理において、主制御部701は普通図柄抽選の抽選結果に基づき電動チューリップ107の動作制御をおこなう。
つづいて、主制御部701は、賞球の払い出し制御に関する賞球処理を実行する(ステップS2105)。賞球処理において、主制御部701は、大入賞口109や普通入賞口110に遊技球が入賞した際に所定個数の賞球を払い出すように賞球制御部702に指示する賞球コマンドをRAM713に設定する。
つづいて、主制御部701は、ステップS2101〜S2105の各処理によりRAM713に設定されたコマンドを賞球制御部702や演出制御部703などに対して出力する出力処理を実行し(ステップS2106)、タイマ割込処理を終了する。タイマ割込処理を終了すると、主制御部701はメイン処理へ復帰する。
(始動口スイッチ処理)
図22は、始動口スイッチ処理の処理内容を示すフローチャートである。始動口スイッチ処理において、まず、主制御部701は、第1始動口SW714aがONになったかを判定する(ステップS2201)。第1始動口SW714aがONになっていなければ(ステップS2201:No)、ステップS2206へ移行する。
第1始動口SW714aがONになっていれば(ステップS2201:Yes)、主制御部701は、第1始動口105に入賞した遊技球に対して取得された特図判定用情報の数(以下「第1特図判定用情報数」という)U1が4未満であるか(U1<4)を判定する(ステップS2202)。第1特図判定用情報数U1が4以上であれば(ステップS2202:No)、ステップS2206へ移行する。
第1特図判定用情報数U1が4未満であれば(ステップS2202:Yes)、主制御部701は、第1特図判定用情報数U1に「1」を加算した値を、新たな第1特図判定用情報数U1とする(ステップS2203)。つづいて、カウンタ記憶領域713aを参照して、その際の特図当たり乱数カウンタと特図図柄乱数カウンタと特図変動パターン乱数カウンタとの各カウント値を特図判定用情報として取得し、この特図判定用情報を特図判定用情報記憶領域713bに記憶する(ステップS2204)。そして、取得された特図判定用情報を用いて事前判定処理(後述)をおこない(ステップS2205)、ステップS2206へ移行する。
つぎに、主制御部701は、第2始動口SW714bがONになったかを判定する(ステップS2206)。第2始動口SW714bがONになっていなければ(ステップS2206:No)、始動口スイッチ処理を終了する。第2始動口SW714bがONになっていれば(ステップS2206:Yes)、第2始動口106に入賞した遊技球に対して取得された特図判定用情報の数(以下「第2特図判定用情報数」という)U2が4未満であるか(U2<4)を判定する(ステップS2207)。第2特図判定用情報数U2が4以上であれば(ステップS2207:No)、始動口スイッチ処理を終了する。
第2特図判定用情報数U2が4未満であれば(ステップS2207:Yes)、主制御部701は、第2特図判定用情報数U2に「1」を加算した値を、新たな第2特図判定用情報数U2とする(ステップS2208)。つづいて、カウンタ記憶領域713aを参照して、その際の特図当たり乱数カウンタと特図図柄乱数カウンタと特図変動パターン乱数カウンタとの各カウント値を特図判定用情報として取得し、この特図判定用情報を特図判定用情報記憶領域713bに記憶する(ステップS2209)。そして、取得された特図判定用情報を用いて事前判定処理をおこない(ステップS2210)、始動口スイッチ処理を終了する。
なお、ステップS2209で特図判定用情報を記憶する場合、主制御部701は、ここで取得した特図判定用情報を、第1始動口105に入賞することにより取得された特図判定用情報よりも、優先順位が高くなるような特図判定用情報格納領域に記憶する。そして、第1始動口105に入賞することにより取得された特図判定用情報を、1つずつ、優先順位が低くなる特図判定用情報格納領域へシフトする。
(事前判定処理)
図23は、事前判定処理の処理内容を示すフローチャートである。事前判定処理において、まず、主制御部701は、高確率遊技状態であることを示す高確遊技フラグがONに設定されているかを判定する(ステップS2301)。高確遊技フラグがONに設定されていれば(ステップS2301:Yes)、高確特図当たり判定テーブルTAt2をRAM713に設定して(ステップS2302)、ステップS2304へ移行する。高確遊技フラグがOFFに設定されていれば(ステップS2301:No)、低確特図当たり判定テーブルTAt1をRAM713に設定して(ステップS2303)、ステップS2304へ移行する。
つづいて、主制御部701は、特図当たり判定をおこなう(ステップS2304)。特図当たり判定において、主制御部701は、今回の判定対象の特図判定用情報の特図当たり乱数の値と、ステップS2302またはステップS2303で設定された特図当たり判定テーブルの判定値とを比較する。そして、特図当たり乱数の値が、特図当たり判定テーブルにおいて大当たりに対応づけられた判定値と一致するかを判定する。これで一致すれば大当たりと判定し、一致しなければハズレと判定する。主制御部701はこの判定結果をRAM713に設定する。
また、ステップS2304で大当たりと判定された場合、主制御部701はつづいて特図図柄判定をおこなう。特図図柄判定において、主制御部701は、今回の判定対象の特図判定用情報の特図図柄乱数の値と、この特図判定用情報を取得した契機となった入賞始動口に応じた特図図柄判定テーブルを比較して、特図図柄乱数の値と一致する判定値に対応づけられた大当たりの種別を判定し、導出された判定結果をRAM713に設定する。
つづいて、主制御部701は、ステップS2304での判定結果が大当たりであるかを判定する(ステップS2305)。大当たりであれば(ステップS2305:Yes)、大当たり変動パターンテーブルTHt1をRAM713に設定して(ステップS2306)、ステップS2311へ移行する。ハズレであれば(ステップS2305:No)、リーチ判定をおこなう(ステップS2307)。リーチ判定において、主制御部701はリーチ乱数の値が、リーチ判定テーブルRtにおいて「リーチ有り」に対応づけられた判定値と一致するか、「リーチ無し」に対応づけられた判定値と一致するかを判定する。「リーチ有り」に対応づけられた判定値と一致すれば「リーチ有り」と判定し、「リーチ無し」に対応づけられた判定値と一致すれば「リーチ無し」と判定する。
つづいて、主制御部701は、ステップS2307での判定結果が「リーチ有り」であるかを判定する(ステップS2308)。「リーチ有り」であれば(ステップS2308:Yes)、リーチ変動パターンテーブルTHt2をRAM713に設定して(ステップS2309)、ステップS2311へ移行する。「リーチ無し」であれば(ステップS2308:No)、ハズレ変動パターンテーブルTHt3をRAM713に設定して(ステップS2310)、ステップS2311へ移行する。
つづいて、主制御部701は、特図変動パターン判定をおこなう(ステップS2311)。特図変動パターン判定において、主制御部701は、今回の判定対象の特図判定用情報の特図変動パターン乱数の値と、ステップS2306またはステップS2309またはステップS2310で設定された特図変動パターンテーブルの判定値とを比較する。これによって、主制御部701は、特図変動パターン乱数の値と一致する判定値に対応づけられた特図変動パターンを判定して、この判定結果をRAM713に設定する。そして、ステップS2304の判定結果とステップS2311の判定結果とを対応づけて、今回の判定対象の特図判定用情報の事前判定結果としてRAM713に記憶する(ステップS2312)。そして、今回の事前判定結果をあらわす事前判定コマンドを生成してRAM713に設定し(ステップS2313)、事前判定処理を終了する。
(特別図柄処理)
図24は、特別図柄処理の処理内容を示すフローチャートである。特別図柄処理において、まず、主制御部701は、大当たり中であることを示す当たり遊技フラグがONに設定されているかを判定する(ステップS2401)。当たり遊技フラグがONに設定されていれば(ステップS2401:Yes)、特別図柄処理を終了する。当たり遊技フラグがONに設定されていなければ(ステップS2401:No)、特別図柄の変動中であるかを判定する(ステップS2402)。特別図柄の変動中であれば(ステップS2402:Yes)、ステップS2411へ移行する。
特別図柄の変動中でなければ(ステップS2402:No)、主制御部701は、第2特図判定用情報数U2が1以上(U2≧1)であるかを判定する(ステップS2403)。第2特図判定用情報数U2が1以上であれば(ステップS2403:Yes)、第2特図判定用情報数U2から「1」を減算した値を、新たな第2特図判定用情報数U2として(ステップS2404)、ステップS2407へ移行する。
また、第2特図判定用情報数U2が1未満であれば(ステップS2403:No)、主制御部701は、第1特図判定用情報数U1が1以上(U1≧1)であるかを判定する(ステップS2405)。第1特図判定用情報数U1が1以上であれば(ステップS2405:Yes)、第1特図判定用情報数U1から「1」を減算した値を、新たな第1特図判定用情報数U1として(ステップS2406)、ステップS2407へ移行する。
つづいて、主制御部701は、大当たり抽選処理(後述)をおこなって(ステップS2407)、特図変動パターン設定処理(後述)をおこなう(ステップS2408)。そして、大当たり抽選処理の処理結果と特図変動パターン設定処理の処理結果とに基づいた特別図柄の変動を開始する(ステップS2409)。ここで、主制御部701は、遊技球が第2始動口106に入賞して取得された特図判定用情報により大当たり抽選をおこなった場合には第2特別図柄表示部201bで特別図柄を変動させる。第1始動口105に入賞して取得された特図判定用情報により大当たり抽選をおこなった場合には第1特別図柄表示部201aで特別図柄を変動させる。
つづいて、主制御部701は、特図変動開始コマンドを生成してRAM713に設定する(ステップS2410)。たとえば、ここで、特図変動開始コマンドは、大当たり抽選結果や特図変動パターン、遊技フラグの設定(たとえば補助遊技フラグや高確遊技フラグのONまたはOFF)などをあらわすコマンドとすることができる。主制御部701は、出力処理をおこなった際に、この特図変動開始コマンドを演出制御部703などに送信する。
つづいて、主制御部701は、所定の変動時間が経過したかを判定する(ステップS2411)。ステップS2411で、たとえば、主制御部701は、今回の特別図柄の変動開始時に設定された特図変動パターンにより定められた変動時間が経過したかを判定する。所定の変動時間が経過していなければ(ステップS2411:No)、特別図柄処理を終了する。所定の変動時間が経過していれば(ステップS2411:Yes)、変動開始時におこなった大当たり抽選の抽選結果をあらわすように特別図柄を停止させる(ステップS2412)。
つづいて、主制御部701は、特図変動停止コマンドを生成してRAM713に設定する(ステップS2413)。たとえば、ここで、特図変動停止コマンドは、大当たり抽選結果や特図変動パターン、遊技フラグの設定(たとえば補助遊技フラグや高確遊技フラグのONまたはOFF)などをあらわすコマンドとすることができる。主制御部701は、出力処理をおこなった際に、この特図変動停止コマンドを演出制御部703などに送信する。そして、停止中処理(後述)をおこなって(ステップS2414)、特別図柄処理を終了する。
また、ステップS2405で第1特図判定用情報数U1が1未満であれば(ステップS2405:No)、主制御部701は客待ちコマンドをRAM713に設定して(ステップS2415)、特別図柄処理を終了する。
(大当たり抽選処理)
図25は、大当たり抽選処理の処理内容を示すフローチャートである。大当たり抽選処理において、まず、主制御部701は、高確率遊技状態であることを示す高確遊技フラグがONに設定されているかを判定する(ステップS2501)。高確遊技フラグがONに設定されていれば(ステップS2501:Yes)、高確特図当たり判定テーブルTAt2をRAM713に設定する(ステップS2502)。高確遊技フラグがOFFに設定されていれば(ステップS2501:No)、低確特図当たり判定テーブルTAt1をRAM713に設定する(ステップS2503)。
つづいて、主制御部701は特図当たり判定をおこなう(ステップS2504)。前述のように、特図当たり判定において、主制御部701は、今回の判定対象の特図判定用情報の特図当たり乱数の値と、ステップS2502またはステップS2503で設定された特図当たり判定テーブルの判定値とを比較する。そして、特図当たり乱数の値が、特図当たり判定テーブルにおいて大当たりに対応づけられた判定値と一致するかを判定する。これで一致すれば大当たりと判定する。一致しなければハズレと判定する。このように導出された判定結果を主制御部701はRAM713に設定する。
つづいて、主制御部701は、特図当たり判定の判定結果が大当たりであるかを判定する(ステップS2505)。大当たりでなければ(ステップS2505:No)、特図当たり判定の判定結果がハズレと判定してハズレをあらわすハズレ図柄をRAM713に設定して(ステップS2506)、大当たり抽選処理を終了する。
また、ステップS2505で大当たりであれば(ステップS2505:Yes)、主制御部701は、今回の判定対象の特図判定用情報が第1始動口105への入賞によって取得されたものであるかを判定する(ステップS2507)。第1始動口105への入賞によって取得されたものであれば(ステップS2507:Yes)、第1特図図柄判定テーブルTZt1をRAM713に設定する(ステップS2508)。第2始動口106への入賞によって取得されたものであれば(ステップS2507:No)、第2特図図柄判定テーブルTZt2をRAM713に設定する(ステップS2509)。
つづいて、主制御部701は、特図図柄判定をおこなう(ステップS2510)。特図図柄判定において、主制御部701は、今回の判定対象の特図判定用情報の特図図柄乱数の値と、ステップS2508またはステップS2509で設定された特図図柄判定テーブルの判定値とを比較する。これによって、主制御部701は、特図図柄乱数の値と一致する判定値に対応づけられた大当たりの種別を判定する。そして、主制御部701は、特図図柄判定の判定結果をあらわす大当たり図柄をRAM713に設定して(ステップS2511)、大当たり抽選処理を終了する。たとえば、大当たり図柄の設定に際して、主制御部701は、第1大当たりに当選していた場合には第1大当たり図柄を、第2大当たりに当選していた場合には第2大当たり図柄を、第3大当たりに当選していた場合には第3大当たり図柄をRAM713に設定する。
(特図変動パターン設定処理)
図26は、特図変動パターン設定処理の処理内容を示すフローチャートである。特図変動パターン設定処理において、主制御部701は、大当たり抽選の抽選結果が大当たりであるかを判定する(ステップS2601)。大当たりであれば(ステップS2601:Yes)、大当たり変動パターンテーブルTHt1をRAM713に設定して(ステップS2602)、ステップS2607へ移行する。
ハズレであれば(ステップS2601:No)、リーチ判定をおこなう(ステップS2603)。リーチ判定において、主制御部701はリーチ乱数の値が、リーチ判定テーブルRtにおいて「リーチ有り」に対応づけられた判定値と一致するか、「リーチ無し」に対応づけられた判定値と一致するかを判定する。「リーチ有り」に対応づけられた判定値と一致すれば「リーチ有り」と判定し、「リーチ無し」に対応づけられた判定値と一致すれば「リーチ無し」と判定する。
つづいて、主制御部701は、ステップS2603での判定結果が「リーチ有り」であるかを判定する(ステップS2604)。「リーチ有り」であれば(ステップS2604:Yes)、リーチ変動パターンテーブルTHt2をRAM713に設定して(ステップS2605)、ステップS2607へ移行する。「リーチ無し」であれば(ステップS2604:No)、ハズレ変動パターンテーブルTHt3をRAM713に設定して(ステップS2606)、ステップS2607へ移行する。
つづいて、主制御部701は、特図変動パターン判定をおこなう(ステップS2607)。特図変動パターン判定において、主制御部701は、今回の判定対象の特図判定用情報の特図変動パターン乱数の値と、ステップS2602またはステップS2605またはステップS2606で設定された特図変動パターンテーブルの判定値とを比較する。これによって、主制御部701は、特図変動パターン乱数の値と一致する判定値に対応づけられた特図変動パターンを判定し、この判定結果をRAM713に設定して(ステップS2608)、特図変動パターン設定処理を終了する。
(停止中処理)
図27は、停止中処理の処理内容を示すフローチャートである。停止中処理において、まず、主制御部701は、補助遊技状態であることを示す補助遊技フラグがONに設定されているかを判定する(ステップS2701)。補助遊技フラグがOFFに設定されていれば(ステップS2701:No)、ステップS2705へ移行する。補助遊技フラグがONに設定されていれば(ステップS2701:Yes)、補助遊技カウンタのカウント値Yhから「1」を減算した値を、新たなカウント値Yhとする(ステップS2702)。そして、カウント値Yhが「0」となったかを判定する(ステップS2703)。
カウント値Yhが「0」となれば(ステップS2703:Yes)、主制御部701は補助遊技フラグをOFFに設定して(ステップS2704)、ステップS2705へ移行する。カウント値Yhが「0」となっていなければ(ステップS2703:No)、ステップS2705へ移行する。
つづいて、主制御部701は、高確遊技フラグがONに設定されているかを判定する(ステップS2705)。高確遊技フラグがOFFに設定されていれば(ステップS2705:No)、ステップS2709へ移行する。高確遊技フラグがONに設定されていれば(ステップS2705:Yes)、高確遊技カウンタのカウント値Ykから「1」を減算した値を、新たなカウント値Ykとする(ステップS2706)。そして、カウント値Ykが「0」となったかを判定する(ステップS2707)。
カウント値Ykが「0」となれば(ステップS2707:Yes)、主制御部701は高確遊技フラグをOFFに設定して(ステップS2708)、ステップS2709へ移行する。カウント値Ykが「0」となっていなければ(ステップS2707:No)、ステップS2709へ移行する。
つづいて、主制御部701は、特別図柄を大当たり図柄で停止させたか(大当たりに当選したか)を判定する(ステップS2709)。大当たり図柄で停止させていなければ(ステップS2709:No)、そのまま停止中処理を終了する。大当たり図柄を停止させていれば(ステップS2709:Yes)、補助遊技フラグがONに設定されているかを判定する(ステップS2710)。つまり、ステップS2710では補助遊技状態で大当たりに当選したか否かを判定する。補助遊技フラグがOFFに設定されていれば(ステップS2710:No)、ステップS2712へ移行する。
補助遊技フラグがONに設定されていれば(ステップS2710:Yes)、つまり、補助遊技状態で大当たりに当選した場合、主制御部701は補助遊技中当選フラグをONに設定する(ステップS2711)。つづいて、当選した大当たりが第1大当たりであるか(第1大当たり図柄を停止させたか)を判定する(ステップS2712)。第1大当たりであれば(ステップS2712:Yes)、第1大当たり遊技フラグをONに設定して(ステップS2713)、ステップS2717へ移行する。
第1大当たりでなければ(ステップS2712:No)、主制御部701は当選した大当たりが第2大当たりであるかを判定する(ステップS2714)。第2大当たりであれば(ステップS2714:Yes)、第2大当たり遊技フラグをONに設定して(ステップS2715)、ステップS2717へ移行する。第2大当たりでなければ(ステップS2714:No)、第3大当たりと判定して第3大当たり遊技フラグをONに設定して(ステップS2716)、ステップS2717へ移行する。
つづいて、主制御部701は高確遊技カウンタのカウント値Ykと補助遊技カウンタのカウント値Yhとを「0」にリセットして(ステップS2717)、高確遊技フラグと補助遊技フラグとをOFFに設定する(ステップS2718)。つづいて、当選した大当たりに応じた大入賞口開放パターンを設定する(ステップS2719)。そして、オープニングを開始して(ステップS2720)、オープニングコマンドをRAM713に設定し(ステップS2721)、停止中処理を終了する。
(大入賞口処理)
図28は、大入賞口処理の処理内容を示すフローチャートである。大入賞口処理において、まず、主制御部701は、当たり遊技フラグ(第1大当たり遊技フラグや第2大当たり遊技フラグや第3大当たり遊技フラグ)がONに設定されているかを判定する(ステップS2801)。当たり遊技フラグがOFFであれば(ステップS2801:No)、そのまま大入賞口処理を終了する。
当たり遊技フラグがONであれば(ステップS2801:Yes)、オープニング中であるかを判定する(ステップS2802)。オープニング中であれば(ステップS2802:Yes)、オープニング処理(後述)をおこなって(ステップS2803)、ステップS2804へ移行する。オープニング中でなければ(ステップS2802:No)、ステップS2804へ移行する。
つづいて、主制御部701は、大入賞口109の開放中(ラウンド中)であるかを判定する(ステップS2804)。大入賞口109の開放中であれば(ステップS2804:Yes)、後述の開放中処理をおこなう(ステップS2805)。大入賞口109の開放中でなければ(ステップS2804:No)、ステップS2806へ移行する。
つづいて、主制御部701は、インターバル中であるかを判定する(ステップS2806)。インターバル中であれば(ステップS2806:Yes)、インターバル処理(後述)をおこなって(ステップS2807)、ステップS2808へ移行する。インターバル中でなければ(ステップS2806:No)、ステップS2808へ移行する。
つづいて、主制御部701は、エンディング中であるかを判定する(ステップS2808)。エンディング中であれば(ステップS2808:Yes)、後述のエンディング処理をおこなって(ステップS2809)、大入賞口処理を終了する。エンディング中でなければ(ステップS2808:No)、大入賞口処理を終了する。
(オープニング処理)
図29は、オープニング処理の処理内容を示すフローチャートである。オープニング処理において、主制御部701は、まず、大当たりの種別ごとに予め定められたオープニング時間が経過したかを判定する(ステップS2901)。オープニング時間が経過していなければ(ステップS2901:No)、そのままオープニング処理を終了する。
オープニング時間が経過していれば(ステップS2901:Yes)、主制御部701はオープニングを終了して(ステップS2902)、ラウンド数カウンタのカウント値Rを1に設定し(ステップS2903)、ラウンド進行コマンドをRAM713に設定する(ステップS2904)。たとえば、ここでラウンド進行コマンドには、ラウンド数カウンタのカウント値R(何ラウンド目になるのか)を示す情報などが含まれている。主制御部701は、出力処理を実行した際に、このラウンド進行コマンドを演出統括部703aに送信する。つづいて、主制御部701は、1ラウンド目の大入賞口109の開放を開始して(ステップS2905)、オープニング処理を終了する。
(開放中処理)
図30は、開放中処理の処理内容を示すフローチャートである。開放中処理において、主制御部701は、まず、開放時間が経過したかを判定する(ステップS3001)。開放時間が経過していなければ(ステップS3001:No)、主制御部701は今回の大入賞口109の開放中に、大入賞口109へ規定個数(たとえば10個)の遊技球の入賞があったかを判定する(ステップS3002)。規定個数の入賞がなければ(ステップS3002:No)、そのまま開放中処理を終了する。
開放時間が経過した場合(ステップS3001:Yes)、または規定個数の入賞があった場合には(ステップS3002:Yes)、主制御部701は、大入賞口109を閉口させる(ステップS3003)。そして、ラウンド数カウンタのカウント値Rが設定された大入賞口開放パターンのRmaxと一致するかを判定する(ステップS3004)。前述のように、たとえば第1大当たりと第2大当たりとではRmaxは「15」とされ、第3大当たりではRmaxは「4」とされている。
ラウンド数カウンタのカウント値RがRmaxと一致しなければ(ステップS3004:No)、主制御部701はインターバルを開始して(ステップS3005)、開放中処理を終了する。ラウンド数カウンタのカウント値RがRmaxと一致すれば(ステップS3004:Yes)、主制御部701は最終ラウンドが終了したと判定して、エンディングを開始する(ステップS3006)。
エンディングを開始すると、主制御部701はエンディングコマンドをRAM713に設定して(ステップS3007)、開放中処理を終了する。このエンディングコマンドには、今回の大当たりのエンディング時間を示す情報などが含まれている。主制御部701は、出力処理を実行した際に、このエンディングコマンドを演出統括部703aに送信する。
(インターバル処理)
図31は、インターバル処理の処理内容を示すフローチャートである。インターバル処理において、主制御部701は、まず、所定のインターバル時間が経過したかを判定する(ステップS3101)。インターバル時間が経過していなければ(ステップS3101:No)、そのままインターバル処理を終了する。
インターバル時間が経過していれば(ステップS3101:Yes)、主制御部701はインターバルを終了し(ステップS3102)、ラウンド数カウンタのカウント値Rに「1」加算した数値を新たなカウント値Rとする(ステップS3103)。そして、ラウンド進行コマンドをRAM713に設定する(ステップS3104)。つづいて、主制御部701は、次ラウンドの大入賞口109の開放を開始して(ステップS3105)、インターバル処理を終了する。
(エンディング処理)
図32は、エンディング処理の処理内容を示すフローチャートである。エンディング処理において、主制御部701は、まず、所定のエンディング時間が経過したかを判定する(ステップS3201)。エンディング時間が経過していなければ(ステップS3201:No)、そのままエンディング処理を終了する。
エンディング時間が経過していれば(ステップS3201:Yes)、主制御部701は、エンディングを終了し(ステップS3202)、ラウンド数カウンタのカウント値Rを「0」にリセットする(ステップS3203)。そして、今回の大当たり遊技後の遊技状態を設定する遊技状態設定処理(後述)をおこなう(ステップS3204)。そして、当たり遊技フラグをOFFに設定して(ステップS3205)、エンディング処理を終了する。
(遊技状態設定処理)
図33は、遊技状態設定処理の処理内容を示すフローチャートである。遊技状態設定処理において、まず、主制御部701は高確遊技フラグをONに設定し(ステップS3301)、つづいて高確遊技カウンタのカウント値Ykに「60」を設定する(ステップS3302)。つぎに補助遊技フラグをONに設定して(ステップS3303)、補助遊技中当選フラグがONに設定されているかを判定する(ステップS3304)。
補助遊技中当選フラグがONに設定されていれば(ステップS3304:Yes)、主制御部701は補助遊技中当選フラグをOFFに設定して(ステップS3305)、補助遊技カウンタのカウント値Yhに「100」を設定し(ステップS3306)、遊技状態設定処理を終了する。補助遊技中当選フラグがOFFに設定されていれば(ステップS3304:No)、今回終了させる大当たりが第1大当たりであるかを判定する(ステップS3307)。第1大当たりであれば(ステップS3307:Yes)、ステップS3306へ移行する。第1大当たりでなければ(ステップS3307:No)、補助遊技カウンタのカウント値Yhに「30」を設定し(ステップS3308)、遊技状態設定処理を終了する。
(2.演出統括部がおこなう処理)
つぎに、演出統括部703aがおこなう処理について説明する。以下に説明する演出統括部703aがおこなう各処理は、CPU731がROM732に記憶されたプログラムを実行することによりおこなう。
(演出メイン処理)
図34は、演出メイン処理の処理内容を示すフローチャートである。たとえば、演出統括部703aは、電源が供給されて演出統括部703aが起動した際に演出メイン処理の実行を開始する。そして、演出統括部703aの起動中は継続的に演出メイン処理を実行している。演出メイン処理において、まず、演出統括部703aは、初期設定処理をおこなう(ステップS3401)。たとえば、初期設定処理において、演出統括部703aは、主制御部701から初期設定コマンドを受信すると、後述の演出タイマ割込処理の割込周期を設定したりする所定の初期設定をおこなう。
つづいて、演出統括部703aは、演出用乱数更新処理をおこなって(ステップS3402)、以降はこの演出用乱数更新処理を繰り返しおこなう。演出用乱数更新処理において、演出統括部703aは、演出統括部703aが管理する演出用乱数の更新をおこなう。たとえば、演出用乱数更新処理により、演出統括部703aはRAM733上に設定された演出用乱数カウンタのカウント値を「+1」カウントアップする。
(演出タイマ割込処理)
図35は、演出タイマ割込処理の処理内容を示すフローチャートである。たとえば、演出統括部703aは、この演出タイマ割込処理を、初期設定処理により設定された所定周期で(たとえば4msごとに)演出メイン処理に対して割込実行する。演出タイマ割込処理において、まず、演出統括部703aは、コマンド受信処理(後述)をおこなう(ステップS3501)。詳細は後述するがコマンド受信処理において、演出統括部703aは、主制御部701から各種コマンドを受信して、受信したコマンドに応じた処理をおこなう。
つづいて、演出統括部703aは操作受付処理をおこなう(ステップS3502)。操作受付処理において、演出統括部703aは、演出ボタン118や十字キー119が押下された場合に押下されたボタンやキーに応じた操作コマンドを生成してRAM733に設定する。つづいて、演出統括部703aはコマンド送信処理をおこなう(ステップS3503)。コマンド送信処理において、演出統括部703aは、コマンド受信処理や操作受付処理をおこなったことによりRAM733に設定されたコマンドを画像・音声制御部703bやランプ制御部703cへ送信する。
(コマンド受信処理)
図36は、コマンド受信処理の処理内容を示すフローチャートである。コマンド受信処理において、まず、演出統括部703aは、主制御部701から事前判定結果を示す事前判定コマンドを受信したかを判定する(ステップS3601)。事前判定コマンドを受信していなければ(ステップS3601:No)、ステップS3604へ移行する。事前判定コマンドを受信していれば(ステップS3601:Yes)、受信された事前判定コマンドに基づいて、RAM733に設定された事前判定結果記憶領域の記憶内容を、主制御部701の事前判定結果記憶領域の記憶内容と同期させるように更新する(ステップS3602)。そして、保留増加コマンドを生成してRAM733に設定する(ステップS3603)。たとえば、ここで、保留増加コマンドは、特図判定用情報数が増加したことや増加した特図判定用情報の事前判定結果をあらわすコマンドとすることができる。
つづいて、演出統括部703aは、主制御部701から特別図柄に関する特別図柄コマンドを受信したかを判定する(ステップS3604)。たとえば、ここで、特別図柄コマンドは、特図変動開始コマンドや特図変動停止コマンドとすることができる。特別図柄コマンドを受信していなければ(ステップS3604:No)、ステップS3606へ移行する。特別図柄コマンドを受信していれば(ステップS3604:Yes)、受信された特別図柄コマンドに基づいて、特図演出に関する特図演出処理(後述)をおこなう(ステップS3605)。詳細は後述するが特図演出処理において、演出統括部703aは、特図演出を開始させたり、おこなっている特図演出を終了させたりする。
つづいて、演出統括部703aは、主制御部701から普通図柄に関する普通図柄コマンドを受信したかを判定する(ステップS3606)。たとえば、ここで、普通図柄コマンドは、普図変動開始コマンドや普図変動停止コマンドとすることができる。普通図柄コマンドを受信していなければ(ステップS3606:No)、ステップS3608へ移行する。普通図柄コマンドを受信していれば(ステップS3606:Yes)、受信された普通図柄コマンドに基づいて、普図演出に関する普図演出処理をおこなう(ステップS3607)。
たとえば、普図演出処理において、演出統括部703aは、主制御部701から普図変動開始コマンドを受信して、受信された普図変動開始コマンドに基づいて、普図演出の演出内容を決定する。そして、この普図演出を開始させるための普図演出開始コマンドを生成してRAM733に設定する。また、普図演出処理において、演出統括部703aは、主制御部701から普図変動停止コマンドを受信して、おこなっている普図演出を終了させるための普図演出終了コマンドを生成してRAM733に設定する。なお、普図演出をおこなわない遊技機であれば、ステップS3606およびステップS3607の処理は必要ない。
つづいて、演出統括部703aは、主制御部701から大当たりに関する大当たりコマンドを受信したかを判定する(ステップS3608)。たとえば、ここで、大当たりコマンドは、オープニングコマンドやラウンド進行コマンドやエンディングコマンドとすることができる。大当たりコマンドを受信していなければ(ステップS3608:No)、ステップS3610へ移行する。大当たりコマンドを受信していれば(ステップS3608:Yes)、受信された大当たりコマンドに基づいて、大当たり演出をおこなうための大当たり演出処理をおこなって(ステップS3609)、ステップS3610へ移行する。
つづいて、演出統括部703aは、主制御部701から客待ちコマンドを受信したかを判定する(ステップS3610)。客待ちコマンドを受信していなければ(ステップS3610:No)、コマンド受信処理を終了する。客待ちコマンドを受信していれば(ステップS3610:Yes)、客待ち用のデモ画面などを表示させるための客待ち演出処理をおこなって(ステップS3611)、コマンド受信処理を終了する。
(特図演出処理)
図37は、特図演出処理の処理内容を示すフローチャートである。特図演出処理において、まず、演出統括部703aは、主制御部701から特図変動開始コマンドを受信したかを判定する(ステップS3701)。特図変動開始コマンドを受信していなければ(ステップS3701:No)、ステップS3707へ移行する。特図変動開始コマンドを受信していれば(ステップS3701:Yes)、受信された特図変動開始コマンドを解析して(ステップS3702)、この特図変動開始コマンドがあらわす情報を取得する。前述したように、特図変動開始コマンドには、大当たり抽選の抽選結果や、この抽選結果を示す際の特別図柄の変動時間(特図変動パターン)や、大当たり抽選時の遊技状態などをあらわす情報が含まれている。ステップS3702ではこれらの情報を取得する。
つづいて、演出統括部703aは、特図変動演出パターン設定処理をおこなう(ステップS3703)。特図変動演出パターン設定処理において、演出統括部703aは、ステップS3702で取得した各種情報などに基づいて、今回おこなう特図変動演出の演出内容をあらわす特図変動演出パターンをRAM733に設定する。
つづいて、演出統括部703aは、停止させる特図装飾図柄の組み合わせを設定する特図装飾図柄設定処理をおこなう(ステップS3704)。たとえば、特図装飾図柄設定処理において、演出統括部703aは、大当たり抽選の抽選結果がハズレで、且つ、特図変動演出パターン設定処理でノーマルハズレ演出をあらわす特図変動演出パターンが設定されていた場合にはバラケ目(たとえば「3・1・5」)となる特図装飾図柄の組み合わせをRAM733に設定する。大当たり抽選の抽選結果がハズレで、且つ、特図変動演出パターン設定処理でリーチ演出をあらわす特図変動演出パターンが設定されていた場合にはリーチハズレ(たとえば「7・8・7」)となる特図装飾図柄の組み合わせをRAM733に設定する。
また、大当たり抽選の抽選結果が大当たりであった場合にはゾロ目(たとえば「7・7・7」)となる特図装飾図柄の組み合わせをRAM733に設定する。また、ここでは第1大当たりであった場合には奇数のゾロ目、第2大当たりや第3大当たりであった場合には偶数のゾロ目としてもよい。さらに、第1大当たりであっても所定の確率で偶数のゾロ目としてもよい。このように、第1大当たりで偶数のゾロ目とした場合には、その後に昇格演出をおこなうことで、遊技機100は遊技者に驚きと喜びを与えることができる。
つづいて、演出統括部703aは、予告演出パターン設定処理(ステップS3705)により予告演出パターンをRAM733に設定し、特図演出を開始させるための特図演出開始コマンドを生成してRAM733に設定する(ステップS3706)。たとえば、ここで、特図演出開始コマンドは、ステップS3603で設定された特図変動演出パターンや、ステップS3604で設定された特図装飾図柄の組み合わせや、ステップS3605で設定された予告演出パターンをあらわすコマンドとすることができる。また、特図演出開始コマンドは現在の演出モードをあらわす情報を含んでもよい。
つづいて、演出統括部703aは、特図変動停止コマンドを受信したかを判定する(ステップS3707)。特図変動停止コマンドを受信していなければ(ステップS3707:No)、特図演出処理を終了する。特図変動停止コマンドを受信していれば(ステップS3707:Yes)、演出モードの移行に関する演出モード変更処理をおこなう(ステップS3708)。なお、演出モードを有さない遊技機であれば、ステップS3708の処理は必要ない。そして、おこなっている特図演出を終了させるための特図演出終了コマンドをRAM733に設定して(ステップS3709)、特図演出処理を終了する。
(3.画像・音声制御部がおこなう処理)
つぎに、画像・音声制御部703bがおこなう処理について説明する。以下に説明する画像・音声制御部703bがおこなう処理は、たとえばCPU741がROM742に記憶されたプログラムを実行することによりおこなう。
(保留アイコン表示制御処理)
図38は、保留アイコン表示制御処理の処理内容を示すフローチャートである。たとえば、画像・音声制御部703bは起動中、所定周期で(たとえば4msごとに)図38に示す保留アイコン表示制御処理をおこなう。保留アイコン表示制御処理において、まず、画像・音声制御部703bは、演出統括部703aから保留増加コマンドを受信したかを判定する(ステップS3801)。保留増加コマンドを受信していなければ(ステップS3801:No)、ステップS3806へ移行する。
保留増加コマンドを受信すると(ステップS3801:Yes)、画像・音声制御部703bは受信した保留増加コマンドを解析して(ステップS3802)、保留増加コマンドに含まれた事前判定結果をあらわす情報を取得する。つづいて、取得した事前判定結果をあらわす情報に基づき、新たに記憶された特図判定用情報の特図変動パターンが通常ハズレ変動パターンであるかを判定する(ステップS3803)。通常ハズレ変動パターンであれば(ステップS3803:Yes)、通常表示態様で新たな保留アイコンhを表示して(ステップS3804)、ステップS3806へ移行する。通常ハズレ変動パターン以外の特図変動パターンであれば(ステップS3803:No)、チャンス表示態様で新たな保留アイコンhを表示して(ステップS3805)、ステップS3806へ移行する。
つづいて、画像・音声制御部703bは、特図演出開始コマンドを受信したかを判定する(ステップS3806)。特図演出開始コマンドを受信していなければ(ステップS3806:No)、そのまま保留アイコン表示制御処理を終了する。特図演出開始コマンドを受信していれば(ステップS3806:Yes)、保留アイコン消去処理をおこなって(ステップS3807)、保留アイコン表示制御処理を終了する。
たとえば、保留アイコン消去処理において、画像・音声制御部703bは、1つ以上の保留アイコンhを表示している場合に、1つの保留アイコンh(たとえば遊技者から見て一番左の保留アイコンh)を非表示にする。そして、他の保留アイコンhを表示している場合は、これらを1つずつ左にシフトして表示する。
以上に説明したように、遊技機100は事前判定をおこなって、事前判定結果が通常ハズレ変動パターンでない特図判定用情報に対しては特殊演出をおこなうようにした。換言すれば、遊技機100は大当たり変動パターンやリーチ変動パターンなどリーチ演出をおこなう特図変動パターンの特図判定用情報だけでなく、リーチ演出をおこなわない特殊ハズレ変動パターンの特図判定用情報に対しても特殊演出をおこなうようにした。これによって、遊技機100は、リーチ演出をおこなう特図判定用情報に対してのみ特殊演出をおこなう場合に比べて、特殊演出をおこなう機会を増加させることができる。したがって、遊技機100は特殊演出により遊技者の期待感を高めることのできる機会を増加させ、遊技者に遊技を楽しませ、長く遊技させることができる。
また、遊技機100は、通常ハズレ変動パターンに対しては特殊演出をおこなわず、特殊ハズレ変動パターンに対しては特殊演出をおこなうようにした。たとえば、もし、通常ハズレ変動パターンに対しても特殊演出をおこなうようにすると、特殊演出をおこなった特図判定用情報による図柄変動時にノーマルハズレ演出をおこなってしまうことも起こり得る。このような場合は、特殊演出をおこなっても遊技者は「どうせノーマルハズレ演出だろう」と思ってしまうこともあり、遊技者の期待感を高めることができなくなってしまうことがある。
そこで、遊技機100は通常ハズレ変動パターンに対しては特殊演出をおこなわないようにして、特殊演出をおこなった特図判定用情報による図柄変動時にはノーマルハズレ演出をおこなわないようにした。つまり、遊技者からすると、特殊演出がおこなわれた特図判定用情報による図柄変動時にはノーマルハズレ演出よりも期待度の高い演出がおこなわれることが約束されることになる。これによって、遊技機100は、特殊演出により遊技者の期待感を高め、特殊演出をおこなった特図判定用情報による図柄変動時まで遊技者の期待感を維持することができる。このため、遊技機100は遊技者の期待感を維持して、遊技を楽しませ、遊技者に長く遊技させることができる。
さらに、遊技機100は、特殊演出をおこなった特図判定用情報の図柄変動時には、疑似連演出となるのか(疑似連演出と疑似連ガセ演出との分岐)、疑似連後のリーチ演出でゾロ目が揃うか(大当たりとなるか)、といった多段階の分岐で遊技者の期待感を徐々に高めていくことができる。これによって、遊技機100は遊技者の期待感(ドキドキ感)を長時間持続させることができ、一層と遊技者に遊技を楽しませることができる。
なお、本実施の形態では通常ハズレ変動パターンを設けたが、通常ハズレ変動パターンは本発明において必須となる構成ではない。通常ハズレ変動パターンを設けない場合、遊技機100はハズレでリーチ変動パターンでなければ毎回特殊ハズレ変動パターンを選択することになる。
以上に説明したように、本発明にかかる遊技機によれば、遊技者の期待感を高めることができる機会を増加させ、遊技者が遊技に退屈してしまうことを防止して、長く遊技させることができる。