JP5541334B2 - ボールねじ装置 - Google Patents
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Description
本発明の課題は、ポンプを用いることなくボールねじを冷却することである。
これにより、ボールねじ軸を回転させただけで、ボールねじ軸内流路孔内を冷却用流体が自動的に流動するようになり、ボールねじ軸をポンプとして機能させることができる。
また、請求項1に係る発明によれば、ボールねじ軸をポンプとして機能させることができることに加え、他端部内の冷却用流体に大きな遠心力を作用させることができ、効率良く冷却用流体を循環させることができると共に、簡単な構成で、かつ効率良く冷却用流体を循環させることができる。
(第1の実施形態)
(構成)
第1の実施形態は、本発明を適用したボールねじである。図1は、ボールねじをボールねじ軸に沿って示す断面図である。
図1に示すように、ボールねじは、ボールねじ軸10及びボールねじナット2を有する。
また、ボールねじ軸10で径方向孔用シールユニット30の取り付け側の端部は、ブラケット3bの外周面から突出している。このボールねじ軸10の端部bには、駆動プーリ7が取り付けられている。駆動プーリ7には、ボールねじ軸10を回転駆動するモータ等の駆動手段が取り付けられる。
図2は、ボールねじの側面図を示す。図2では、1個のボールねじナット2がボ ールねじ軸に取り付けられている例を示す。
図2に示すように、ボールねじ軸10には、その内部に軸方向孔11及び径方向孔12が形成されている。軸方向孔11は、ボールねじ軸10の軸端面で開口されて回転軸中心に沿って延びる孔として形成されている。
以上のような軸方向孔11及び径方向孔12を軸端用シールユニット20及び径方向孔用シールユニット30によりシールしている。
配管取り付け部21は、後述の流入用配管41が取り付け可能な形状とされている。具体的には、配管取り付け部21は、流入用配管41(具体的にはそのニップル)と螺合するように雌ネジ形状とされている。また、ボールねじ軸端部取り付け部22は、ボールねじ軸10の端部が取り付け可能な形状とされている。
また、軸端用シールユニット20には、ドレイン孔24が外周面からボールねじ軸端部取り付け部22に貫通して形成されている。また、軸端用シールユニット20には、ボールねじ軸10の軸端部にネジ止めするためのネジ用孔25,26が形成されている。
また、径方向孔用シールユニット30には、ドレイン孔35が外周面から貫通して形成されている。また、径方向孔用シールユニット30には、ブラケット3bに対して固定するためのネジ用孔36が形成されている。
以上のように構成されるボールねじに、図1に示すように、冷却液槽43が接続されている。
ここで、冷却液槽43は、ボールねじ、より詳しくは軸方向孔11及び径方向孔12よりも高い位置に配置されている。また、配管41,42は、例えば金属管やゴムチューブなどである。
冷却液槽43から液体として冷却水をボールねじ軸10に供給して軸方向孔11及び径方向孔12に冷却水を満たした状態でボールねじ軸10を回転させると、ボールねじ軸10(特に径方向孔12)内の冷却水に遠心力が作用する。これにより、冷却水が径方向孔12から排出されて流出用配管42を介して冷却液槽43に戻されるようになる。このとき、径方向孔用シールユニット30内では、径方向孔12から流出した冷却水が、空隙部33を介して配管取り付け部34から流出用配管42に流出する。
これにより、冷却液槽43、流入用配管41、軸方向孔11、径方向孔12及び流出用配管42で形成される流路を冷却水が循環するようになる。この結果、ボールねじ軸10を回転させるだけで、ボールねじ軸10が冷却水により冷却されるようになる。例えば、循環させる冷却水の体積は、ボールねじ軸10の体積の3倍以上にすることが好ましい。
以上のように、ボールねじ軸10を回転させるだけで、ボールねじ軸10自体が冷却水を循環させるポンプの役割を果たすようになる。
前述のように、ボールねじ軸10を回転させるだけで、ボールねじ軸10自体が冷却水を循環させるポンプの役割を果たすようになる。
これにより、ボールねじを冷却水で冷却できる。この結果、このボールねじを、ボールねじの発熱による軸の伸びを嫌う工作機械や、ボールねじの長寿命が求められる射出成形機に適用することで、それら機械の精度を向上させることができる。
また、ボールねじ軸10も回転時(発熱時)のみ冷却水が循環するため、ボールねじが過冷却になってしまうことも防止できる。すなわち、ボールねじ軸10の回転による発熱だけを適切に除去できる。
また、冷却水は、冷却液槽43、流入用配管41、軸方向孔11、径方向孔12及び流出用配管42で形成される流路を循環されているだけであり、循環経路中で特に強制的に冷却水が冷却されているわけでもない。しかし、冷却水は、ボールねじ軸10に対して体積が大きく、熱容量が大きいため、そのような冷却水を用いることで、ボールねじ軸10の急激な温度上昇を効果的に防水できる。これは、ボールねじ軸10の大きさには変化はないが、ボールねじ軸10自体の熱容量が大きくしたことと等価である。
また、当然、温度管理を冷却装置で行っても良く、冷却水の昇温を、ボールねじ軸10外で効率良く行っても良い。
また、図4のような仕切り板13を設けることで、ボールねじ軸10の回転に伴い冷却水が回転し易くなるため、冷却水に確実に遠心力を発生させることができるようになる。この結果、効率良く冷却水を吐き出させて循環させることができ、冷却効率を高めることができる。
(構成)
第2の実施形態では、ボールねじ軸10からの冷却水の排出効率を高めるような構成になっている。
図7に示すように、第2の実施形態では、ボールねじ軸10における径方向孔12が形成されている部位14を周方向に拡大させている。具体的には、その部位14をフランジ形状にしている。これにより、径方向孔12の径方向距離を長くしている。又は、径方向孔12をボールねじ軸10の外周面から突出した位置に配置している。
また、この場合、径方向孔用シールユニット30の形状も変更する。すなわち、例えば、径方向孔用シールユニット30の空隙部33も径方向に拡大する。
冷却液槽43から冷却水をボールねじ軸10に供給して軸方向孔11及び径方向孔12に冷却水を満たした状態でボールねじ軸10を回転させると、冷却液槽43、流入用配管41、軸方向孔11、径方向孔12及び流出用配管42で形成される流路を冷却水が循環するようになる。このように、ボールねじ軸10を回転させるだけで、ボールねじ軸10自体が冷却水を循環させるポンプの役割を果すようになる。
第2の実施形態でも、前記第1の実施形態と同様に、ボールねじ軸10を回転させるだけで、ボールねじ軸10自体が冷却水を循環させるポンプの役割を果すようになる。
そして、第2の実施形態では、径方向孔12の径方向距離を長くすることで、ボールねじ軸10の回転時に径方向孔12で延長された部位の周速(回転角度)を大きくしている。これにより、冷却水に作用する遠心力を大きくすることができる。この結果、ボールねじ軸10からの冷却水の排出効率を高めることができ、効率良く冷却水を循環させることができる。
この第2の実施形態では、ボールねじ軸10と一体として径方向に拡大している。これに対して、径方向の拡大部を個別の部品として設けることもできる。図8及び図9は、径方向の拡大部を排出ユニット50として設けたボールねじの構成を示す。図8は、ボールねじの側面図を示す。図9は、図8のY−Y方向の断面図を示す。
図8及び図9に示すように、ボールねじ軸10には、径方向孔12が形成されている部位の外周面に排出ユニッット50が取り付けられている。
また、このように排出ユニット50を備えることに対応して、径方向孔用シールユニット30の形状も変更する。すなわち、例えば、径方向孔用シールユニット30の空隙部33も、排出ユニット50の外形に合致させて径方向に拡大する。
(構成)
第3の実施形態では、ボールねじ軸10が片持ちの場合に対応した構成になっている。
図10は、第3の実施形態のボールねじ軸10の構成を示す。
図10に示すように、ボールねじ軸10には、流体循環ユニット60が取り付けられている。流体循環ユニット60は、ボールねじ軸10の軸方向孔11に対する冷却水の流入及び流出が可能な形状とされている。この流体循環ユニット60は、流入用配管41からの冷却水を軸方向孔11に送り込む流入部70と、ボールねじ軸10の軸端面に取り付けられて軸方向孔11内の冷却水を排出する排出部80とで構成されている。
また、排出部80の外周面には、流出用孔84が形成されている。本実施形態では、流出用孔84が複数形成されている。
以上のような構成からなる流体循環ユニット60は、ボールねじ軸10に湖底される。これにより、流体循環ユニット60は、ボールねじ軸10と一体に回転する。
なお、図示しないが、流出用孔84から流出される冷却水を流出用配管42に漏れなく戻すためのシールユニットを備えている。すなわち、ボールねじ軸10と一体に回転する流体循環ユニット60の排出部80の外周面(流出用孔84)と流出用配管42との漏れを防止可能な構造のシールユニットを備えている。
冷却液槽53からボールねじ軸10に冷却水を供給してボールねじ軸10を回転させると、冷却液槽53、流入用配管51、流入部70の孔70b、流入部70の外周面と軸方向孔11の内周面との間の隙間15、排出部80の内部85及び流出用配管42で形成れる流路を冷却水が循環するようになる。このように、ボールねじ軸10を回転させるだけで、ボールねじ軸10自体が冷却水を循環させるポンプの役割を果すようになる。
第3の実施形態でも、前記第1及び第2の実施形態と同様に、ボールねじ軸10を回転させるだけで、ボールねじ軸10自体が冷却水を循環させるポンプの役割を果すようになる。
そして、第3の実施形態でも、前記第2の実施形態と同様に、径方向に延びた形状の排出部80を設けることで、ボールねじ軸10の回転時に排出部80の周速(回転角速度)を大きくすることができる。これにより、冷却水に作用する遠心力を大きくできる。この結果、ボールねじ軸10からの冷却水の排出効率を高めることができ、効率良く冷却水を循環させることができる。
さらに、第3の実施形態では、ボールねじ軸10が片持ちの場合でも、流路を形成して、冷却水を循環させ、ボールねじ軸10を冷却することができる。
Claims (1)
- 丸棒形状のボールねじ軸の外周面とボールねじナットの内周面との間に複数のボールを介在させ、前記ボールねじ軸を回転させて、前記ボールねじ軸の軸方向にボールねじナットを相対移動させるボールねじ装置において、
前記ボールねじ軸の内部を貫通して形成され、冷却用流体を流動させるボールねじ軸内流路孔を備え、
前記ボールねじ軸内流路孔は、一端部が冷却用流体が流入する部位とされて流入配管に連通され、他端部が冷却用流体が流出する部位とされて流出用配管に連通され、
前記一端部は、前記ボールねじ軸の回転中心に配置され、前記他端部は、前記ボールねじ軸の回転中心から径方向にずれて配置され、
前記ボールねじ軸内流路孔内には、前記他端部内の冷却用流体に作用する遠心力を増加させる遠心力増加手段を備え、
前記ボールねじ軸内流路孔は、前記ボールねじ軸内流路孔の回転軸方向に延びた軸方向孔を有し、前記ボールねじ軸内流路孔の他端部は、前記ボールねじ軸の回転中心に向かって径方向に延びて前記軸方向孔と連結する複数の径方向孔であり、
前記遠心力増加手段は、前記軸方向孔で前記他端部との連結部に設けられ、前記軸方向孔の連結部の周方向を複数分割して区画しつつその各区画室を複数の径方向孔のそれぞれに連通させる仕切り板であることを特徴とするボールねじ装置。
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