JP5535658B2 - 生産管理システム及び生産管理方法 - Google Patents
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Description
1製品1ロットで多種類のタイヤを生産する場合、タイヤの種類ごとに成型工程の1ロットで作るタイヤ本数は異なり、例えば、30本といった比較的多数の本数を作る普通タイヤもあれば、超大型OR(OFF-THE-ROAD)タイヤのように、1本1ロットで作るタイヤもある。
等量指令により部材生産工程へ指令を行う際の従来の処理例について、図1〜4を参照して以下に説明する。
図1及び2は、30本を1ロットで作る従来の指令処理例を説明する図であり、図3及び4は、1本を1ロットで作る従来の指令処理例を説明する図である。
図1(A)の[マスタ設定]には、指令を発行する前に、タイヤ種類を表す“サイズ”ごとに予め定められた“処理種別”及び“台車積載量”と、“親部材”に対応して予め定められた“子部材”とその“原単位”が記載される。なお、“処理種別”は指令の処理方法として予め定めた方法の一つを1,2,3,・・の番号で指定し、“台車積載量”は成型工程に用いる部材を事前に準備する台車の積載量である。図1(A)の例では、タイヤ種類を表す“サイズ”をサイズ(A,B)により、“処理種別”を識別番号1(等量指令)により、“台車積載量”を1台車に積載可能な部材量をタイヤ本数(この例では3本分)によりそれぞれ表している。また、“子部材”を部材の種類(この例では、C部材を親部材であるAタイヤ、Bタイヤに共通の子部材として用いる)により、“原単位”をタイヤ1本当たりのC部材の所要量(この例では1個)によりそれぞれ表す。
この例では、代表指令No.1〜4にA,A,B,Bタイヤが記載され、この順で各30本ずつを成型する指令であることを表す。
この[成型指令]をもとに処理された[材料指令]には、図1(B)に示すように、等量生産による指令であるから、代表指令No.1〜4(ロット)ごとに“サイズ”C(部材の種類)とその“指令数”30(原単位1であるから、タイヤ本数に等しい)及び“台車数”10(台車積載量3であるから、タイヤ本数30本分に要する台車数に当たる)が記載される。
図2は、成型されるサイズ(A,B)のタイヤと、A,Bの各タイヤに共通の部材として成型工程で組合わされるC部材を対象に、時間軸(1直、2直、3直、1直、・・・)に沿ってそれぞれ発行される生産指令(成型指令及び材料指令)を表す。材料指令は、等量指令であるから、成型指令ロットにおけるタイヤ本数(この例では30本)に原単位(この例では1)を反映させた量を、ロット単位の材料指令の指令数としてリードタイム分を前倒しして指令計算処理を実施し(図2の例では、Lot1〜4を2直で操業する場合には、1直でLot1〜4に対応する材料指令の発行もしくはその準備を行う。
図1の30本を1ロットで作る従来の指令処理例において、材料指令に従い成型工程に用いる部材を事前に準備する台車は、ロット単位に積載量3の台車であれば、10台ですむ。
まず、図1に示した指令処理方法を1本1ロットで作る成型工程へ適用したときの指令処理例を図3及び4を参照して説明する。なお、指令処理方法の基本は、図1の30本1ロットと変わらないので、異なる部分を主に述べる。
図3(A)の[マスタ設定]は、図1と変わらないが、[成型指令]は、1本1ロットの設定であるから、代表指令No.1〜12にA,A,B,B,A,A,B,B,A,A,B,Bタイヤが記載され、この順で各1本ずつを成型する指令であることを示す。
この材料指令に従うと、図4に示すように、成型指令ロットにおけるタイヤ本数(1本)に原単位(1)を反映させた量を、ロット単位の材料指令の指令数(1)としてリードタイム分を前倒しして指令計算処理を実施する。図4の例では、Lot1〜4を2直で操業する場合には、1直でLot1〜4に対応する指令数各1の材料指令の発行もしくはその準備を行う。なお、Lot5以降も同様に、リードタイム分を前倒しして(一つ前の直で)材料指令の発行もしくはその準備を行う。
本発明は、成型工程に用いる部材(中間材料)の生産指令を等量生産による指令で行う従来の生産管理システムにおいて生じる上記の問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、台車を有効に利用し、生産効率の低下を回避することにある。
本発明は、複数種の成型物に適応する成型工程、該成型工程に用いる中間材料の生産、供給の各工程に対する指令を生産計画に従って発行する成型物の生産を管理する生産管理方法であって、前記成型工程に対する指令に示された指令ロットに基づいて前記中間材料の生産工程に対する等量指令を定め、かつこの等量指令を前記供給工程で中間材料を搬送する台車単位の積載量を最大にする数まとめて生産指令として発行すると共に、生産指令としてまとめる前記等量指令に対応する指令ロットの指令時刻と発行予定の生産指令の指令時刻との間の時間の隔たりが所定の許容限界時間を超えるか否かを判断し、超える場合に該当する生産指令を前記時間の隔たりが許容限界時間を超えない指令時刻へ変更することを特徴とする。
本発明は、成型工程に用いる部材(中間材料)の生産指令を等量指令により行うシステムにおいて、ロット単位の成型物の数が変わっても、生産された部材を成型工程に供給する台車を有効利用し、高い生産効率を維持できるようにすることを課題とする。この課題を解決するために、この実施形態では、台車単位の積載量を最大にするための材料指令(中間材料の生産工程に対する生産指令)を発行する。この材料指令は、基本的には成型工程における指令ロットに基づいて中間材料の生産工程に対する等量指令を定め、かつこの等量指令を台車単位の積載量を最大にする数まとめて生産指令として発行する。
この実施形態では、1本1ロットの成型方法を採用する成形物としてのタイヤ(例えば、超大型ORタイヤ)の成型工程における指令ロットをもとに定めた部材生産工程への等量指令を台車単位の積載量を最大にする数まとめ、部材生産工程へ材料指令として発行する際の処理例を図5及び6を参照して以下に説明する。なお、ここでは、1本1ロットの成型方法を採用した場合を1実施形態として例示するもので、上記材料指令をロット単位の本数や台車の積載量を異にする他のバリエーションで実施する場合でも、以下の実施形態と同様の処理方法によって実施することができる。
図5及び6は、タイヤ1本を1ロットで作る本発明の実施形態に係る指令処理例を説明する図である。
図5に示す例は、成型指令を行う際にオペレータの操作等を通して入力された情報により設定された同図中(A)に示すデータをもとに、同図中(B)に示す部材生産工程への生産指令(材料指令)の設定データを処理するデータ処理の概念を示すものである。
この例では、代表指令No.1〜12にA,A,B,B,A,A,B,B,A,A,B,Bタイヤの各タイヤが記載され、この順に従い各ロットで1本ずつを成型する指令であり、又それぞれの指令時刻を所定日のどの直であるか(この例では、各直でA,A,B,Bタイヤの4ロットの操業を行う)によって表す。
[成型指令]をもとに処理される[材料指令]は、図5(B)に示すように、等量指令をまとめた結果として得られる材料指令の“材料指令No.”に対応付けて、部材の種類を表す“サイズ”、同等量指令の“指令数”、同“台車数”、同“指令時刻”及びまとめた等量指令に対応する“代表指令No.”が記載される。
この例では、図5(B)に示すように、成型工程のロットに相当する“代表指令No.”の指令順に3指令ずつ、即ち代表指令No.1〜3,4〜6,7〜9,10〜12に対応する等量指令をまとめた指令として材料指令No.1〜4の各材料指令を定め、材料指令ごとに、サイズにC、指令数に3、台車数に1が記載され、又材料指令の指令時刻には、部材を用いる成型工程のロットのうち最も近い指令時刻に対し、リードタイム分を前倒しして定めた時刻を記載する。
図5(B)に示した[材料指令]の発行処理の手順について、図6を参照して説明する。
図6は、この実施形態に係る材料指令の発行処理を説明する図であり、同図に掲げた手順(1)→(2)→(3)→(4)を経て、材料指令の発行処理を行う。同図中の手順(1)〜(4)それぞれに示した図は、発行する成型指令と材料指令の関連を時系列に表す。手順(1)〜(4)の成型指令と材料指令の関連図によって処理の推移を示す。
ここに、成型指令は、図5(A)に示した[成型指令]における代表指令No.(ロット)1〜12であり、図6においては、サイズ(A,B)のタイヤそれぞれについて、時間軸(2直、3直、1直、・・・)に沿って、各直当たり2本ずつを3直分にわたって成型する指令(図中Lot1〜12と示す)である。
こうした処理により図5(A)に示した[成型指令]をもとに発行する材料指令は、等量指令数3ずつを順にまとめて材料指令を発行できる例で、その結果が図5(B)に示した[材料指令]示されている。
ただし、例えば、以前より台車積載量が増えるか、もしくは原単位が減る等によって、まとめる等量指令数(ロット数)が増えた場合に、材料指令の指令時刻と、まとめる等量指令に対応する成型指令の指令時刻との間に生じる時間ずれが大きくなり、許容限界時間として設定した指令の日限の範囲に収まらなくなる場合が生じる。この場合には、予定した材料指令は発行しない、即ち、許容限界を超えた等量指令を予定した材料指令としてまとめずに、新たに発行する材料指令へ変更することにより、指令の日限を超えないようにする。
手順(1)は、代表指令No.(Lot)1〜12ごとに成型に用いる部材Cに対する等量指令を定め、かつ台車単位の積載量を考慮して(3本ずつ)ロット順に材料指令としてまとめ、リードタイムを加味してこの材料指令を発行する処理を開始する。つまり、手順(1)の図に示すように、Lot1(タイヤAの成型指令)に用いる部材の等量指令である部材C(1本)の生産指令を発行予定の材料指令にまとめる処理を開始する。この場合、材料指令の指令時刻(1直)は、Lot1の成型指令の指令時刻(2直)よりリードタイム分(1直以上)だけ前倒ししている。
この場合にも、上記した台車の積載量の超過におけると同様に、当該等量指令を、新たに発行する材料指令にまとめる処理へ移行させる。なお、指令の日限を超える状況は、処理対象のLotをまとめる処理による台車の積載量とは関係なく、いつでも起こるので、これまでにまとめたLotによる部材数が最大積載量の3本に満たなくても、時間(ここでは、直)を変更して、材料指令にまとめる処理を新たに始める。
発行する材料指令No.2〜4は、上記手順(2)及び(3)の処理で述べたようにリードタイム、指令の日限及び発行順を考慮すれば、指令時刻として1〜3直の任意の時刻を選ぶことができる。なお、ここでは、リードタイムを1直分以上としているので、図示のように,1及び2直を指令時刻としている。
また、成型指令のロットに対応する等量指令をまとめて材料指令として発行することにより必要になる部材の日限の管理を材料指令の発行処理のなかで行うようにしたことで、高品質の成型物を効率よく生産することができる。
成型に用いる中間材料(部材)を生産し、生産された中間材料の供給を受け、これらを組合わせて成型物を製造する装置を上記材料指令、成型指令等の生産指令に従って動作させることにより成型物の生産を管理する生産管理システムの実施形態を以下に示す。
図7は、この実施形態の生産管理システムの1構成例の概要を示す図である。
この生産管理システムは、タイヤを成型物とする製造装置を管理するシステムである。このタイヤ製造装置は、タイヤを構成する親部材を生産する親部材生産部11と、タイヤを構成する部材として、前記親部材とは独立して生産が可能であり、後述するタイヤ成型部15で親部材と組合わされる子部材を生産する子部材生産部13と、親部材と子部材とを組合わせ、タイヤを成型するタイヤ成型部15と、台車を使用して子部材生産部13で生産された部材をタイヤ成型部15に供給する部材供給部17を有する。
なお、このタイヤ製造装置は、複数種のタイヤを製造でき、製造するタイヤによって、親部材生産部11、子部材生産部13、タイヤ成型部15の各部で適用可能な手段(工程)が異なる場合があり、後述する生産管理部の管理の下にタイヤの種類に適した手段(工程)が用いられる。
生産管理DB23は、上記「材料指令発行処理」で図5を参照して説明した、マスタ設定、成型指令、材料指令に係るデータ等を含む各種生産管理データを蓄積するデータベースである。
操作部25は、生産管理に必要なデータの入力を行うための手段及びシステムの状態を確認するための出力手段を備える。
生産管理部21には、上記のようなデータ処理、制御操作を行うための手段として、図示しないが、CPU(Central Processing Unit)、CPUの処理に必要なプログラムやデータ等を記録(記憶)しておくための記憶部を備えたコンピュータ等を備える。CPUは、処理の実行時に記憶部に記憶しておいた制御・処理プログラム等を駆動することによって、コンピュータをこの処理、制御操作の実行手段として機能させることができる。
Claims (4)
- 複数種の成型物に適応する成型部、該成型部に用いる中間材料の生産、供給の各部に対する指令を生産計画に従って発行する生産管理部を有する成型物の生産を管理する生産管理システムであって、
前記生産管理部は、成型部に対する指令に示された指令ロットに基づいて中間材料の生産部に対する等量指令を定め、かつこの等量指令を前記供給部で中間材料を搬送する台車単位の積載量を最大にする数まとめて生産指令として発行すると共に、生産指令としてまとめる等量指令に対応する指令ロットの指令時刻と発行予定の生産指令の指令時刻との間の時間の隔たりが所定の許容限界時間を超えるか否かを判断し、超える場合に該当する生産指令を前記時間の隔たりが許容限界時間を超えない指令時刻へ変更することを特徴とする生産管理システム。 - 請求項1記載の生産管理システムにおいて、
前記成型物がタイヤであり、台車による搬送の対象となる前記中間材料がカーカス部材、ビード部材、トレッド部材の少なくとも一つの構成部材であることを特徴とする生産管理システム。 - 複数種の成型物に適応する成型工程、該成型工程に用いる中間材料の生産、供給の各工程に対する指令を生産計画に従って発行する成型物の生産を管理する生産管理方法であって、
前記成型工程に対する指令に示された指令ロットに基づいて前記中間材料の生産工程に対する等量指令を定め、かつこの等量指令を前記供給工程で中間材料を搬送する台車単位の積載量を最大にする数まとめて生産指令として発行すると共に、生産指令としてまとめる前記等量指令に対応する指令ロットの指令時刻と発行予定の生産指令の指令時刻との間の時間の隔たりが所定の許容限界時間を超えるか否かを判断し、超える場合に該当する生産指令を前記時間の隔たりが許容限界時間を超えない指令時刻へ変更することを特徴とする生産管理方法。 - 請求項3記載の生産管理方法において、
前記成型物がタイヤであり、台車による搬送の対象となる前記中間材料がカーカス部材、ビード部材、トレッド部材の少なくとも一つの構成部材であることを特徴とする生産管理方法。
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