以下に添付図面を参照し、本発明の実施の形態にかかる直流電源装置、それを備えたインバータ装置、およびそのインバータ装置を備えた空気調和機、洗濯機並びに洗濯乾燥機について説明する。なお、以下に示す実施の形態により本発明が限定されるものではない。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1にかかる直流電源装置の一構成例を示す図である。本実施の形態にかかる直流電源装置100は、交流電源1から出力される交流電圧をその交流電圧のピーク値の略等倍乃至略4倍の直流電圧に変換して負荷7に出力する。図1に示すように、直流電源装置100は、リアクトル2、ブリッジ整流回路3、ゼロクロス検出手段81、第1のコンデンサ4a、第2のコンデンサ4b、逆流阻止手段5a,5b、第3のコンデンサ6a、第4のコンデンサ6b、出力電圧検出手段82、第1の開閉手段10、第2の開閉手段20、制御部9、および故障判定手段12を備えている。
交流電源1は、リアクトル2を介して、交流電源1の出力電圧を全波整流するブリッジ整流回路3に接続されている。また、交流電源1には、交流電圧のゼロ点を検出するゼロクロス検出手段81が並列に接続されている。
ブリッジ整流回路3は、整流用ダイオード3a,3b,3c,3dで構成されている。ブリッジ整流回路3の出力端間には、第1のコンデンサ4aおよび第2のコンデンサ4bが直列に接続されている。
また、ブリッジ整流回路3の出力端間には、それぞれ逆流阻止手段5a,5bを介して第3のコンデンサ6aおよび第4のコンデンサ6bが直列に接続されている。また、直列に接続された第3のコンデンサ6aおよび第4のコンデンサ6bの両端間には、負荷7に出力される出力電圧を検出する出力電圧検出手段82が接続されている。
第1のコンデンサ4aおよび第2のコンデンサ4bの接続点とブリッジ整流回路3の一方の交流入力端との間には、第1の開閉手段10が設けられ、第3のコンデンサ6aおよび第4のコンデンサ6bの接続点とブリッジ整流回路3の他方の交流入力端との間には、第2の開閉手段20が設けられている。
ゼロクロス検出手段81の検出結果は、制御部9に出力され、出力電圧検出手段82の検出結果は、制御部9および故障判定手段12に出力され、故障判定手段12の判定結果は、制御部9に出力される。
故障判定手段12は、第1の開閉手段10および第2の開閉手段20の各開閉状態における出力電圧検出手段82の検出結果に基づいて、第1の開閉手段10および第2の開閉手段20の故障を判定する。
制御部9は、ゼロクロス検出手段81および出力電圧検出手段82の検出結果に基づいて、第1の開閉手段10および第2の開閉手段20の開閉動作を制御する。
まず、実施の形態1にかかる直流電源装置100における出力電圧生成動作の概念について、図1〜図5を参照して説明する。
図2、図3および図4は、実施の形態1にかかる直流電源装置における出力電圧生成動作の概念を示す図である。図2、図3および図4では、図1に示す構成例において、第1の開閉手段10および第2の開閉手段20を閉じた状態における出力電圧生成動作を示している。また、図5は、実施の形態1にかかる直流電源装置の各部電圧波形の一例を示す図である。
交流電源1が負のとき、図2中の破線で示すように、交流電源1、整流ダイオード3b、第1のコンデンサ4a、リアクトル2の順で電流が流れる。このとき、第1のコンデンサ4aには、交流電源1のピーク値が充電されるため、第1のコンデンサ4aの充電電圧は、交流電源1の交流電圧のピーク値と略等倍の電圧値となる(図5参照)。
つぎに、交流電源1が正のとき、図2中の実線で示すように、交流電源1、リアクトル2、第1のコンデンサ4a、逆流阻止手段5a、第3のコンデンサ6aの順で電流が流れる。このとき、第3のコンデンサ6aには、交流電源1のピーク値と第1のコンデンサ4aの充電電圧とが加算された電圧が充電される。したがって、第3のコンデンサ6aには、交流電源1の交流電圧のピーク値の略2倍の電圧が充電されることになり、第3のコンデンサ6aの充電電圧は、交流電源1の交流電圧のピーク値の略2倍の電圧値となる(図5参照)。
一方、交流電源1が正のとき、図3中の実線で示すように、交流電源1、リアクトル2、第2のコンデンサ4b、整流用ダイオード3dの順で電流が流れる。このとき、第2のコンデンサ4bには、交流電源1の交流電圧のピーク値が充電されるため、第2のコンデンサ4bの充電電圧は、交流電源1の交流電圧のピーク値と略等倍の電圧値となる(図5参照)。
つぎに、交流電源1が負のとき、図3中の破線で示すように、交流電源1、第4のコンデンサ6b、逆流阻止手段5b、第2のコンデンサ4b、リアクトル2の順で電流が流れる。このとき、第4のコンデンサ6bには、交流電源1の交流電圧のピーク値と第2のコンデンサ4bの充電電圧が加算された電圧が充電される。したがって、第4のコンデンサ6bには、交流電源1の交流電圧のピーク値の略2倍の電圧が充電されることになり、第4のコンデンサ6bの充電電圧は、交流電源1の交流電圧のピーク値の略2倍の電圧値となる(図5参照)。
つまり、直列に接続された第3のコンデンサ6aおよび第4のコンデンサ6bには、それぞれ交流電源1の交流電圧のピーク値の略2倍の電圧が充電されているため、図4に示すように、交流電源1の交流電圧のピーク値の略4倍の電圧が出力されることになる。なお、接続される負荷7が大きい場合には、出力電圧が交流電源1の交流電圧のピーク値の略4倍よりも小さくなる場合がある。
ここで、第3のコンデンサ6aおよび第4のコンデンサ6bの両端電圧は、第1のコンデンサ4aおよび第2のコンデンサ4bの両端電圧に比べて略2倍の電圧値となる。そのため、図1〜図4に示すように、逆流阻止手段5a,5bを備える構成とし、第3のコンデンサ6aおよび第4のコンデンサ6bから交流電源1側に逆流が生じないようにしている。また、第3のコンデンサ6aおよび第4のコンデンサ6bの充電電圧が第1のコンデンサ4aおよび第2のコンデンサ4bの充電電圧に比べて高い状態になることを考慮して、第3のコンデンサ6aおよび第4のコンデンサ6bの耐圧を、第1のコンデンサ4aおよび第2のコンデンサ4bの耐圧よりも高くしておくのが好ましい。
上記のように、本実施の形態にかかる直流電源装置は、第1の開閉手段10および第2の開閉手段20を閉じた場合には、4倍電圧整流回路となり、交流電源1の交流電圧のピーク値の略4倍の電圧を出力することが可能となる。また、第1の開閉手段10を開き、第2の開閉手段20を閉じた場合、もしくは第1の開閉手段10を閉じ、第2の開閉手段20を開いた場合には、倍電圧整流回路となり、交流電源1の交流電圧のピーク値の略2倍の電圧を出力可能な構成となる。さらに、第1の開閉手段10および第2の開閉手段20を開いた場合には、全波整流回路となり、交流電源1の交流電圧のピーク値と略等倍の電圧を出力可能な構成となる。
また、第1の開閉手段10および第2の開閉手段20の開閉動作を繰り返すことにより、交流電源1の交流電圧のピーク値の略等倍から略4倍までの間の電圧を出力可能となる。
また、例えば、出力電圧検出手段82が検出した出力電圧をフィードバックして、負荷7に最適な所望の出力電圧値になるように、制御部9が第1の開閉手段10および第2の開閉手段20を動作させることも可能である。
さらに、例えば、制御部9が交流電源1の周波数より早い周波数で第1の開閉手段10および第2の開閉手段20を開閉制御するPWM(Pulse Width Modulation)制御を行うことにより、交流電源1の交流電圧のピーク値の略2倍から略4倍の電圧を出力することが可能となるだけでなく、入力電流を略正弦波とすることが可能となり、高力率状態にて動作するため、有効電力が増加する。このPWM制御による出力電圧生成動作例について、図1、図6および図7を参照して説明する。
図6は、PWM制御における変調信号を算出するための制御部内のブロック構成の一例を示す図であり、図7は、PWM制御における各信号波形の一例を示す図である。
制御部9が直流電源装置100の出力電圧を制御するための出力電圧の指令値をVdc*とし、図1に示す出力電圧検出手段82が検出する直流電源装置の出力電圧をVdcとする。加算器51aは、このVdc*とVdcとの偏差ΔVdcを算出し、この偏差ΔVdcをPI制御器51cに出力する。この偏差ΔVdcを受信したPI制御器51cは、PI制御によって変調信号の振幅Aを求める。この振幅Aを受信した変調信号演算部51dは、振幅Aにsin(θ+φ)を乗じて、第1の開閉手段10を駆動するための変調信号Saを求める。ここで、θは交流電源1の交流電圧位相、φは任意に決定した位相である。そして、加算器51bは、1から変調信号Saを引いて、第2の開閉手段20を駆動するための変調信号Sbを求める。
算出された変調信号Saおよび変調信号Sbは、図7に示すように、三角波のキャリア信号と比較され、第1の開閉手段10および第2の開閉手段20に対する駆動信号がそれぞれ生成される。ここで、第1の開閉手段10に対する駆動信号は、変調信号Saよりキャリア信号の方が小さい場合には0(Low)、そして、大きい場合には1(High)として生成される。また、第2の開閉手段20に対する駆動信号は、変調信号Sbよりキャリア信号の方が小さい場合には1(High)、そして、大きい場合には0(Low)として生成される。
上述したPWM制御により、交流電源1の交流電圧のピーク値の略等倍から略4倍の電圧を出力することが可能となるだけでなく、入力電流を略正弦波とすることが可能となり、高力率状態にて動作するため、有効電力が増加する。一般に、交流電源1からの入力電流は、ブレーカ容量で制限されているため、増加した有効電力分だけ、直流電源装置に接続された負荷への入力電力を増加させることができ、負荷の出力を大きくすることができる。また、有効電力が増加すると共に無効電力が減少するため、配電設備での受電容量の削減が実現でき、発電所にて発電しているエネルギーの有効利用に寄与することができる。また、入力電流が略正弦波となることにより、高調波成分が減少するため、JISやIECで定められている電源高調波規格にも適合可能である。
なお、第1の開閉手段10および第2の開閉手段20として、機械式の開閉器、半導体によるスイッチング素子、あるいは、双方向スイッチが使用されても問題ないことは言うまでもない。
また、上述した例では、変調信号Saを適用して第1の開閉手段10の駆動信号を生成し、変調信号Sbを適用して第2の開閉手段20の駆動信号を生成するようにしたが、変調信号Sbを適用して第1の開閉手段10の駆動信号を生成し、変調信号Saを適用して第2の開閉手段20の駆動信号を生成するようにしても、同様のPWM制御が可能である。
また、上述したPWM制御以外の制御手法でも、交流電源1の交流電圧のピーク値の略等倍から略4倍の電圧を出力することが可能である。図8は、その他の制御における各信号波形の一例を示す図である。図8に示す例では、第1の開閉手段10の駆動信号は、交流電源1の交流電圧のゼロ点からTdelay1分の時間経過後からTon1分の時間だけ1(High)となり、第2の開閉手段20の駆動信号は、交流電源1の交流電圧のゼロ点からTdelay2分の時間経過後からTon2分の時間だけ1(High)となるように制御する例を示している。このような場合でも、上記と同様の効果を得ることができる。なお、図8に示す例では、第1の開閉手段10および第2の開閉手段20について、ゼロ点から次のゼロ点までの間に、一回だけ駆動される動作が示されているが、複数回駆動される動作としてもよい。
つぎに、本実施の形態にかかる故障判定手段12による第1の開閉手段10および第2の開閉手段20の故障判定手法について説明する。本実施の形態では、第1の開閉手段10および第2の開閉手段20の開閉制御状態に応じて交流電源1の交流電圧のピーク値の略等倍から略4倍の出力電圧が得られる特性を利用して、第1の開閉手段10および第2の開閉手段20毎の出力電圧に基づいて第1の開閉手段10および第2の開閉手段20の故障状態を判定する。
本実施の形態にかかる開閉手段故障判定の手順は、第1の開閉手段10および第2の開閉手段20の初期状態により異なる。ここでは、まず、第1の開閉手段10および第2の開閉手段20の初期状態が開状態である場合の開閉手段故障判定手順について説明する。
第1の開閉手段10および第2の開閉手段20の初期状態が開状態である場合、出力電圧が交流電源1の交流電圧のピーク値の略4倍である場合には、第1の開閉手段10および第2の開閉手段20の両方が短絡故障しているものと判定できる。このときの判定結果を「判定結果a」とする。
第1の開閉手段10および第2の開閉手段20の初期状態が開状態である場合、出力電圧が交流電源1の交流電圧のピーク値の略2倍であり、第1の開閉手段10を閉状態に制御した場合に、出力電圧が交流電源1の交流電圧のピーク値の略4倍となる場合には、第1の開閉手段10が正常であり、且つ、第2の開閉手段20が短絡故障しているものと判定できる。このときの判定結果を「判定結果b」とする。
第1の開閉手段10および第2の開閉手段20の初期状態が開状態である場合、出力電圧が交流電源1の交流電圧のピーク値の略2倍であり、第2の開閉手段20を閉状態に制御した場合に、出力電圧が交流電源1の交流電圧のピーク値の略4倍となる場合には、第1の開閉手段10が短絡故障し、且つ、第2の開閉手段20が正常であるものと判定できる。このときの判定結果を「判定結果c」とする。
第1の開閉手段10および第2の開閉手段20の初期状態が開状態である場合、出力電圧が交流電源1の交流電圧のピーク値の略2倍であり、第1の開閉手段10および第2の開閉手段20の制御状態によらず、出力電圧が交流電源1の交流電圧のピーク値の略2倍となる場合には、第1の開閉手段10が開放故障し、且つ、第2の開閉手段20が短絡故障しているか、あるいは、第1の開閉手段10が短絡故障し、且つ、第2の開閉手段20が開放故障しているものと判定できる。このときの判定結果を「判定結果d」とする。
第1の開閉手段10および第2の開閉手段20の初期状態が開状態である場合、出力電圧が交流電源1の交流電圧のピーク値の略等倍であり、第1の開閉手段10および第2の開閉手段20の制御状態によらず、出力電圧が交流電源1の交流電圧のピーク値の略等倍である場合には、第1の開閉手段10および第2の開閉手段20の両方が開放故障しているものと判定できる。このときの判定結果を「判定結果e」とする。
第1の開閉手段10および第2の開閉手段20の初期状態が開状態である場合、出力電圧が交流電源1の交流電圧のピーク値の略等倍であり、第2の開閉手段20を閉状態に制御した場合に、出力電圧が交流電源1の交流電圧のピーク値の略2倍となる場合には、第1の開閉手段10が開放故障し、且つ、第2の開閉手段20が正常であるものと判定できる。このときの判定結果を「判定結果f」とする。
第1の開閉手段10および第2の開閉手段20の初期状態が開状態である場合、出力電圧が交流電源1の交流電圧のピーク値の略等倍であり、第1の開閉手段10を閉状態に制御した場合に、出力電圧が交流電源1の交流電圧のピーク値の略2倍となる場合には、第1の開閉手段10が正常であり、且つ、第2の開閉手段20が開放故障しているものと判定できる。このときの判定結果を「判定結果g」とする。
第1の開閉手段10および第2の開閉手段20の初期状態が開状態である場合、出力電圧が交流電源1の交流電圧のピーク値の略等倍であり、第1の開閉手段10あるいは第2の開閉手段20のうちの一方を閉状態に制御した場合に、出力電圧が交流電源1の交流電圧のピーク値の略2倍となる場合には、第1の開閉手段10および第2の開閉手段20の両方が正常であるものと判定できる。このときの判定結果を「判定結果h」とする。
つぎに、上述した第1の開閉手段10および第2の開閉手段20の初期状態が開状態である場合の開閉手段故障判定手順の具体例を、図1および図9を参照して説明する。図9は、第1の開閉手段および第2の開閉手段の初期状態が開状態である場合の開閉手段故障判定フローの一例を示す図である。
図9に示す例では、直流電源装置100の起動時には(ステップST101)、第1の開閉手段10および第2の開閉手段20は開状態である(ステップST102)。このとき、第1の開閉手段10および第2の開閉手段20が開状態で起動する構成であってもよいし、直流電源装置100の起動時に制御部9が第1の開閉手段10および第2の開閉手段20を開状態に制御する構成であってもよい。
故障判定手段12は、出力電圧Voが交流電源1の交流電圧のピーク値の略等倍から略2倍までの所定値となるようにあらかじめ設定した閾値Aよりも小さいか否かを判定する(ステップST103)。
ステップST103において出力電圧Voが閾値A以上であると判定した場合(ステップST103;No)、故障判定手段12は、出力電圧Voが交流電源1の交流電圧のピーク値の略2倍から略4倍までの所定値となるようにあらかじめ設定した閾値Cよりも小さいか否かを判定する(ステップST104)。
ステップST104において出力電圧Voが閾値C以上であると判定した場合(ステップST104;No)、故障判定手段12は、第1の開閉手段10および第2の開閉手段20の両方が短絡故障しているものと判定し(ステップST105;判定結果a)、開閉手段故障判定フローを終了する。
ステップST104において出力電圧Voが閾値Cよりも小さいと判定した場合(ステップST104;Yes)、制御部9は、第1の開閉手段10を閉状態に制御し(ステップST106)、故障判定手段12は、出力電圧Voが閾値Cよりも小さいか否かを判定する(ステップST107)。
ステップST107において出力電圧Voが閾値C以上であると判定した場合(ステップST107;No)、故障判定手段12は、第1の開閉手段10が正常であり、且つ、第2の開閉手段20が短絡故障しているものと判定し(ステップST108;判定結果b)、開閉手段故障判定フローを終了する。
ステップST107において出力電圧Voが閾値Cよりも小さいと判定した場合(ステップST107;Yes)、制御部9は、第1の開閉手段10を開状態に、第2の開閉手段20を閉状態に制御し(ステップST109)、故障判定手段12は、出力電圧Voが閾値Cよりも小さいか否かを判定する(ステップST110)。
ステップST110において出力電圧Voが閾値C以上であると判定した場合(ステップST110;No)、故障判定手段12は、第1の開閉手段10が短絡故障し、且つ、第2の開閉手段20が正常であるものと判定し(ステップST111;判定結果c)、開閉手段故障判定フローを終了する。
ステップST110において出力電圧Voが閾値Cよりも小さいと判定した場合(ステップST110;Yes)、故障判定手段12は、第1の開閉手段10が開放故障し、且つ、第2の開閉手段20が短絡故障しているか、あるいは、第1の開閉手段10が短絡故障し、且つ、第2の開閉手段20が開放故障しているものと判定し(ステップST112;判定結果d)、開閉手段故障判定フローを終了する。
ステップST103において出力電圧Voが閾値Aよりも小さいと判定した場合(ステップST103;Yes)、制御部9は、第1の開閉手段10を閉状態に制御し(ステップST113)、故障判定手段12は、出力電圧Voが閾値A以上であるか否かを判定する(ステップST114)。
ステップST114において出力電圧Voが閾値Aよりも小さい場合(ステップST114;No)、制御部9は、第1の開閉手段10を開状態に、第2の開閉手段20を閉状態に制御し(ステップST115)、故障判定手段12は、出力電圧Voが閾値A以上であるか否かを判定する(ステップST116)。
ステップST116において出力電圧Voが閾値Aよりも小さい場合(ステップST116;No)、故障判定手段12は、第1の開閉手段10および第2の開閉手段20の両方が開放故障しているものと判定し(ステップST117;判定結果e)、開閉手段故障判定フローを終了する。
ステップST116において出力電圧Voが閾値A以上であると判定した場合(ステップST116;Yes)、故障判定手段12は、第1の開閉手段10が開放故障し、且つ、第2の開閉手段20が正常であるものと判定し(ステップST118;判定結果f)、開閉手段故障判定フローを終了する。
ステップST114において出力電圧Voが閾値A以上であると判定した場合(ステップST114;Yes)、制御部9は、第1の開閉手段10を開状態に、第2の開閉手段20を閉状態に制御し(ステップST119)、故障判定手段12は、出力電圧Voが閾値A以上であるか否かを判定する(ステップST120)。
ステップST120において出力電圧Voが閾値Aよりも小さい場合(ステップST120;No)、故障判定手段12は、第1の開閉手段10が正常であり、且つ、第2の開閉手段20が開放故障しているものと判定し(ステップST121;判定結果g)、開閉手段故障判定フローを終了する。
ステップST120において出力電圧Voが閾値A以上であると判定した場合(ステップST120;Yes)、故障判定手段12は、第1の開閉手段10および第2の開閉手段20の両方が正常であるものと判定し(ステップST122;判定結果h)、開閉手段故障判定フローを終了する。
つぎに、第1の開閉手段10および第2の開閉手段20の初期状態が閉状態である場合の開閉手段故障判定手順について説明する。
第1の開閉手段10および第2の開閉手段20の初期状態が閉状態である場合、出力電圧が交流電源1の交流電圧のピーク値の略4倍であり、第1の開閉手段10および第2の開閉手段20の制御状態によらず、出力電圧が交流電源1の交流電圧のピーク値の略4倍である場合には、第1の開閉手段10および第2の開閉手段20の両方が短絡故障しているものと判定できる(判定結果a)。
第1の開閉手段10および第2の開閉手段20の初期状態が閉状態である場合、出力電圧が交流電源1の交流電圧のピーク値の略4倍であり、第1の開閉手段10を開状態に制御した場合に、出力電圧が交流電源1の交流電圧のピーク値の略2倍となる場合には、第1の開閉手段10が正常であり、且つ、第2の開閉手段20が短絡故障しているものと判定できる(判定結果b)。
第1の開閉手段10および第2の開閉手段20の初期状態が閉状態である場合、出力電圧が交流電源1の交流電圧のピーク値の略4倍であり、第2の開閉手段20を開状態に制御した場合に、出力電圧が交流電源1の交流電圧のピーク値の略2倍となる場合には、第1の開閉手段10が短絡故障し、且つ、第2の開閉手段20が正常であるものと判定できる(判定結果c)。
第1の開閉手段10および第2の開閉手段20の初期状態が閉状態である場合、出力電圧が交流電源1の交流電圧のピーク値の略4倍であり、第1の開閉手段10あるいは第2の開閉手段20のうちの一方を開状態に制御した場合に、出力電圧が交流電源1の交流電圧のピーク値の略2倍となる場合には、第1の開閉手段10および第2の開閉手段20の両方が正常であるものと判定できる(判定結果h)。
第1の開閉手段10および第2の開閉手段20の初期状態が閉状態である場合、出力電圧が交流電源1の交流電圧のピーク値の略等倍である場合には、第1の開閉手段10および第2の開閉手段20の両方が開放故障しているものと判定できる(判定結果e)。
第1の開閉手段10および第2の開閉手段20の初期状態が閉状態である場合、出力電圧が交流電源1の交流電圧のピーク値の略2倍であり、第2の開閉手段20を開状態に制御した場合に、出力電圧が交流電源1の交流電圧のピーク値の略等倍となる場合には、第1の開閉手段10が開放故障し、且つ、第2の開閉手段20が正常であるものと判定できる(判定結果f)。
第1の開閉手段10および第2の開閉手段20の初期状態が閉状態である場合、出力電圧が交流電源1の交流電圧のピーク値の略2倍であり、第1の開閉手段10を開状態に制御した場合に、出力電圧が交流電源1の交流電圧のピーク値の略等倍となる場合には、第1の開閉手段10が正常であり、且つ、第2の開閉手段20が開放故障しているものと判定できる(判定結果g)。
第1の開閉手段10および第2の開閉手段20の初期状態が閉状態である場合、出力電圧が交流電源1の交流電圧のピーク値の略2倍であり、第1の開閉手段10および第2の開閉手段20の制御状態によらず、出力電圧が交流電源1の交流電圧のピーク値の略2倍となる場合には、第1の開閉手段10が開放故障し、且つ、第2の開閉手段20が短絡故障しているか、あるいは、第1の開閉手段10が短絡故障し、且つ、第2の開閉手段20が開放故障しているものと判定できる(判定結果d)。
つぎに、上述した第1の開閉手段10および第2の開閉手段20の初期状態が閉状態である場合の開閉手段故障判定手順の具体例を、図1および図10を参照して説明する。図10は、第1の開閉手段および第2の開閉手段の初期状態が閉状態である場合の開閉手段故障判定フローの一例を示す図である。
図10に示す例では、直流電源装置100の起動時には(ステップST201)、第1の開閉手段10および第2の開閉手段20は閉状態である(ステップST202)。このとき、第1の開閉手段10および第2の開閉手段20が閉状態で起動する構成であってもよいし、直流電源装置100の起動時に制御部9が第1の開閉手段10および第2の開閉手段20を閉状態に制御する構成であってもよい。
故障判定手段12は、出力電圧Voが上述した閾値Cよりも小さいか否かを判定する(ステップST203)。
ステップST203において出力電圧Voが閾値C以上であると判定した場合(ステップST203;No)、制御部9は、第2の開閉手段20を開状態に制御し(ステップST204)、故障判定手段12は、出力電圧Voが閾値Cよりも小さいか否かを判定する(ステップST205)。
ステップST205において出力電圧Voが閾値C以上であると判定した場合(ステップST205;No)、制御部9は、第1の開閉手段10を開状態に、第2の開閉手段20を閉状態に制御し(ステップST206)、故障判定手段12は、出力電圧Voが閾値Cよりも小さいか否かを判定する(ステップST207)。
ステップST207において出力電圧Voが閾値C以上であると判定した場合(ステップST207;No)、故障判定手段12は、第1の開閉手段10および第2の開閉手段20の両方が短絡故障しているものと判定し(ステップST208;判定結果a)、開閉手段故障判定フローを終了する。
ステップST207において出力電圧Voが閾値Cよりも小さいと判定した場合(ステップST207;Yes)、故障判定手段12は、第1の開閉手段10が正常であり、且つ、第2の開閉手段20が短絡故障しているものと判定し(ステップST209;判定結果b)、開閉手段故障判定フローを終了する。
ステップST205において出力電圧Voが閾値Cよりも小さいと判定した場合(ステップST205;Yes)、制御部9は、第1の開閉手段10を開状態に、第2の開閉手段20を閉状態に制御し(ステップST210)、故障判定手段12は、出力電圧Voが閾値Cよりも小さいか否かを判定する(ステップST211)。
ステップST211において出力電圧Voが閾値C以上であると判定した場合(ステップST211;No)、故障判定手段12は、第1の開閉手段10が短絡故障し、且つ、第2の開閉手段20が正常であるものと判定し(ステップST212;判定結果c)、開閉手段故障判定フローを終了する。
ステップST211において出力電圧Voが閾値Cよりも小さいと判定した場合(ステップST211;Yes)、故障判定手段12は、第1の開閉手段10および第2の開閉手段20の両方が正常であるものと判定し(ステップST213;判定結果h)、開閉手段故障判定フローを終了する。
ステップST203において出力電圧Voが閾値Cよりも小さいと判定した場合(ステップST203;Yes)、故障判定手段12は、出力電圧Voが上述した閾値A以上であるか否かを判定する(ステップST214)。
ステップST214において出力電圧Voが閾値Aよりも小さいと判定した場合(ステップST214;No)、故障判定手段12は、第1の開閉手段10および第2の開閉手段20の両方が開放故障しているものと判定し(ステップST215;判定結果e)、開閉手段故障判定フローを終了する。
ステップST214において出力電圧Voが閾値A以上であると判定した場合(ステップST214;Yes)、制御部9は、第2の開閉手段20を開状態に制御し(ステップST216)、故障判定手段12は、出力電圧Voが閾値A以上であるか否かを判定する(ステップST217)。
ステップST217において出力電圧Voが閾値Aよりも小さいと判定した場合(ステップST217;No)、故障判定手段12は、第1の開閉手段10が開放故障し、且つ、第2の開閉手段20が正常であるものと判定し(ステップST218;判定結果f)、開閉手段故障判定フローを終了する。
ステップST217において出力電圧Voが閾値A以上であると判定した場合(ステップST217;Yes)、制御部9は、第1の開閉手段10を開状態に、第2の開閉手段20を閉状態に制御し(ステップST219)、故障判定手段12は、出力電圧Voが閾値A以上であるか否かを判定する(ステップST220)。
ステップST220において出力電圧Voが閾値Aよりも小さいと判定した場合(ステップST220;No)、故障判定手段12は、第1の開閉手段10が正常であり、且つ、第2の開閉手段20が開放故障しているものと判定し(ステップST221;判定結果g)、開閉手段故障判定フローを終了する。
ステップST220において出力電圧Voが閾値A以上であると判定した場合(ステップST220;Yes)、故障判定手段12は、第1の開閉手段10が開放故障し、且つ、第2の開閉手段20が短絡故障しているか、あるいは、第1の開閉手段10が短絡故障し、且つ、第2の開閉手段20が開放故障しているものと判定し(ステップST222;判定結果d)、故障判定フローを終了する。
以上説明したように、実施の形態1の直流電源装置によれば、第1の開閉手段および第2の開閉手段の開閉制御状態に応じて交流電圧のピーク値の略等倍から略4倍の出力電圧が得られる特性を利用することにより、第1の開閉手段および第2の開閉手段の開閉制御状態毎の出力電圧に基づいて第1の開閉手段および第2の開閉手段の故障状態を判定することができる。
なお、上記した実施の形態1では、第1の開閉手段および第2の開閉手段の故障判定手順として、直流電源装置の起動時における第1の開閉手段および第2の開閉手段の初期状態から第1の開閉手段および第2の開閉手段の開閉制御状態を変化させる2つの開閉手段故障判定フローについて説明したが、開閉手段故障判定フローはこれらに限らず、第1の開閉手段および第2の開閉手段の開閉制御状態を変化させた場合の出力電圧の変化に基づき第1の開閉手段および第2の開閉手段の故障状態を判定可能な他の開閉手段故障判定フローを用いることも可能である。
実施の形態2.
本実施の形態では、実施の形態1において検出した第1の開閉手段および第2の開閉手段の故障状態に応じて、第1の開閉手段および第2の開閉手段の開閉動作を制御する例について説明する。なお、本実施の形態にかかる直流電源装置の構成は、実施の形態1にかかる直流電源装置の構成と同一であるので、ここでは説明を省略する。
実施の形態1における判定結果aの故障状態では、第1の開閉手段10および第2の開閉手段20の両方が開閉制御状態によらず常時短絡した状態となる。この場合、直流電源回路100は、常時4倍電圧整流器として動作し、出力電圧が交流電源1の交流電圧のピーク値の略4倍となる。
実施の形態1における判定結果bの故障状態では、第2の開閉手段20が開閉制御状態によらず常時短絡した状態となる。この場合、直流電源回路100は、第1の開閉手段10が開状態に制御された状態では倍電圧整流器として動作し、第1の開閉手段10が閉状態に制御された状態では4倍電圧整流器となる。したがって、第1の開閉手段10の開閉制御動作を繰り返すことにより、交流電源1の交流電圧のピーク値の略2倍〜略4倍の出力電圧を得ることができる。このとき、第2の開閉手段20が短絡故障していることを考慮し、制御系のゲイン、第1の開閉手段10のオンタイミング等を適切に制御することにより、判定結果bの故障状態に応じた最適な運転が可能となる。
実施の形態1における判定結果cの故障状態では、第1の開閉手段10が開閉制御状態によらず常時短絡した状態となる。この場合、直流電源回路100は、第2の開閉手段20が開状態に制御された状態では倍電圧整流器として動作し、第2の開閉手段20が閉状態に制御された状態では4倍電圧整流器となる。したがって、第2の開閉手段20の開閉制御動作を繰り返すことにより、交流電源1の交流電圧のピーク値の略2倍〜略4倍の出力電圧を得ることができる。このとき、第1の開閉手段10が短絡故障していることを考慮し、制御系のゲイン、第2の開閉手段20のオンタイミング等を適切に制御することにより、判定結果cの故障状態に応じた最適な運転が可能となる。
実施の形態1における判定結果dの故障状態では、第1の開閉手段10および第2の開閉手段20のうちのいずれか一方が開閉制御状態によらず常時短絡した状態となり、他方が開閉制御状態によらず常時開放した状態となる。この場合、直流電源回路100は、倍電圧整流器として動作し、出力電圧が交流電源1の交流電圧のピーク値の略2倍となる。
実施の形態1における判定結果eの故障状態では、第1の開閉手段10および第2の開閉手段20の両方が開放制御状態によらず常時短絡した状態となる。この場合、直流電源回路100は、全波整流器として動作し、出力電圧が交流電源1の交流電圧のピーク値の略等倍となる。
実施の形態1における判定結果fの故障状態では、第1の開閉手段10が開閉制御状態によらず常時開放した状態となる。この場合、直流電源回路100は、第2の開閉手段20が開状態に制御された状態では全波整流器として動作し、第2の開閉手段20が閉状態に制御された状態では倍電圧整流器となる。したがって、第2の開閉手段20の開閉制御動作を繰り返すことにより、交流電源1の交流電圧のピーク値の略等倍〜略2倍の出力電圧を得ることができる。このとき、第1の開閉手段10が開放故障していることを考慮し、制御系のゲイン、第2の開閉手段20のオンタイミング等を適切に調整し、制御することにより、判定結果fの故障状態に応じた最適な運転が可能となる。
実施の形態1における判定結果gの故障状態では、第2の開閉手段20が開閉制御状態によらず常時開放した状態となる。この場合、直流電源回路100は、第1の開閉手段10が開状態に制御された状態では全波整流器として動作し、第1の開閉手段10が閉状態に制御された状態では倍電圧整流器となる。したがって、第1の開閉手段10の開閉制御動作を繰り返すことにより、交流電源1の交流電圧のピーク値の略等倍〜略2倍の出力電圧を得ることができる。このとき、第2の開閉手段20が開放故障していることを考慮し、制御系のゲイン、第1の開閉手段10のオンタイミング等を適切に調整し、制御することにより、判定結果gの故障状態に応じた最適な運転が可能となる。
実施の形態1における判定結果hの場合は、第1の開閉手段10および第2の開閉手段20の両方が正常であり、直流電源回路100は、通常の運転を行う。
なお、実施の形態1において短絡故障あるいは開放故障を生じていると判定された開閉手段については、開閉制御を実施しない。つまり、制御部9が出力する駆動信号の初期状態が1(High)である場合には1(High)を維持し、0(Low)である場合には0(Low)を維持する。
以上説明したように、実施の形態2の直流電源装置によれば、実施の形態1における判定結果に応じて適切に制御を行うことにより、開閉手段の想定外の動作を防止すると共に、開閉手段の故障状態に応じて効率良く運転することが可能となる。
実施の形態3.
本実施の形態では、実施の形態1において検出した第1の開閉手段および第2の開閉手段の故障の発生(あるいは判定結果に応じた故障状態)を使用者に報知する例について説明する。
図11は、実施の形態3にかかる直流電源装置の一構成例を示す図である。なお、実施の形態1と同一または同等の構成部には同一符号を付して、その詳細な説明は省略する。
図11に示すように、実施の形態3にかかる直流電源装置100aは、実施の形態1において説明した図1の構成に加え、故障報知手段13を備えている。
実施の形態1における故障判定結果が判定結果h(第1の開閉手段10および第2の開閉手段20の両方が正常)以外の判定結果a〜gのいずれかである場合、故障検出手段12は、故障報知手段13に対して、故障報知信号を出力する。この故障報知信号は、第1の開閉手段10および第2の開閉手段20に何らかの故障が生じていることのみを示すものであってもよいし、判定結果に応じた故障状態を示すものであってもよい。
故障報知手段13による報知手法は、例えば、LED等のランプ表示や、ブザー等の音による報知、リモコン等のディスプレイ部等への表示、あるいは、直流電源装置100aに接続された他の機器への表示等による報知が可能であれば何でもよく、故障報知手段13は、少なくとも1つ以上の報知手法を用いて使用者もしくは管理者に故障の発生(あるいは判定結果に応じた故障状態)を通知する。
以上説明したように、実施の形態3の直流電源装置によれば、実施の形態1において検出した第1の開閉手段および第2の開閉手段の故障の発生(あるいは判定結果に応じた故障状態)を使用者もしくは管理者に報知することにより、故障した開閉手段の交換等による直流電源装置の修復を促し、開閉手段が故障した状態で長期間運転を継続することによる2次故障の発生等、故障の拡大を抑制することができる。
実施の形態4.
本実施の形態では、実施の形態1において検出した第1の開閉手段および第2の開閉手段の故障状態に応じて、直流電源装置を停止させる例について説明する。
図12は、実施の形態4にかかる直流電源装置の一構成例を示す図である。なお、実施の形態3と同一または同等の構成部には同一符号を付して、その詳細な説明は省略する。
図12に示すように、実施の形態3にかかる直流電源装置100bは、実施の形態3において説明した図11の構成に加え、ブリッジ整流回路3の交流入力端間に接続された電源短絡手段14と、交流電源1とブリッジ整流回路3の交流入力端の一方との間に接続されたヒューズ31とを備える。
例えば、実施の形態1における故障判定結果が判定結果aであった場合、第1の開閉手段10および第2の開閉手段20の両方が開閉制御状態によらず常時短絡した状態となる。この場合、直流電源回路100は、常時4倍電圧整流器として動作し、出力電圧が交流電源1の交流電圧のピーク値の略4倍となるが、通常動作状態において直流電源装置100bが交流電源1の交流電圧のピーク値の略4倍の電圧を出力することを想定していない、つまり、交流電源1の交流電圧のピーク値の略4倍よりも低い電圧を出力することを想定している場合、直流電源装置100bおよび直流電源装置100bに接続された機器の定格や各素子の耐圧を超える虞がある。また、故障時における出力電圧が通常動作状態における出力電圧よりも高い場合に、故障時における出力電圧を考慮して定格値の高い機器や高耐圧の素子を選定するとコストが高くなってしまう。
本実施の形態では、故障判定手段12が直流電源装置100bの通常動作状態における出力電圧よりも高い出力電圧となる故障状態であると判定した場合には、制御部9が電源短絡手段14を閉状態に制御することにより、ヒューズ31を溶断させ、直流電源装置100bを安全に停止させるようにしている。
以上説明したように、実施の形態4の直流電源装置によれば、直流電源装置の通常動作状態における出力電圧よりも高い出力電圧となる故障が発生した場合に、ブリッジ整流回路の交流入力端間を短絡してヒューズを溶断させ、交流電源とブリッジ整流回路との接続を遮断することにより、直流電源装置を安全に停止することができ、過電圧による直流電源装置および直流電源装置に接続された機器の2次故障や、素子の高耐圧化によるコストアップを抑制することができる。
実施の形態5.
本実施の形態では、実施の形態1〜4において説明した第1の開閉手段および第2の開閉手段として、ダイオードブリッジおよびスイッチング素子を用いた双方向スイッチを適用する例について説明する。
図13は、実施の形態5にかかる直流電源装置の一構成例を示す図である。図13に示すように、実施の形態5にかかる直流電源装置100cは、実施の形態4において説明した図12の構成における第1の開閉手段10および第2の開閉手段20に代えて、ダイオードブリッジを用いた双方向スイッチを適用した第1の開閉手段11および第2の開閉手段21と、出力電圧検出手段82に代えて、第1のコンデンサ4aの両端電圧を検出する第1の電圧検出手段83、第2のコンデンサ4bの両端電圧を検出する第2の電圧検出手段84、第3のコンデンサ6aの両端電圧を検出する第3の電圧検出手段85、および第4のコンデンサ6bの両端電圧を検出する第4の電圧検出手段86とを備えている。なお、実施の形態4と同一または同等の構成部には同一符号を付して、その詳細な説明は省略する。
図14は、実施の形態5にかかる第1の開閉手段および第2の開閉手段に適用する双方向スイッチの等価回路を示す図である。図14(a)に示すように、第1の開閉手段11は、ダイオード素子11a,11b,11c,11dと、スイッチング素子11eとを備えている。また、図14(b)に示すように、第2の開閉手段21は、ダイオード素子21a,21b,21c,21dと、スイッチング素子21eとを備えている。
第1の開閉手段11および第2の開閉手段21として、図14に示すようなダイオードブリッジを用いた双方向スイッチを適用する場合には、第1の開閉手段11および第2の開閉手段21毎に生じる複数種の故障状態が存在する。
図15は、実施の形態5にかかる第1の開閉手段および第2の開閉手段の故障状態を示す図である。図15に示すように、第1の開閉手段11あるいは第2の開閉手段21への開閉制御状態によらず双方向短絡故障となる第1の故障状態と、第1の開閉手段11あるいは第2の開閉手段21への開閉制御状態によらず開放故障となる第2の故障状態と、第1の開閉手段11あるいは第2の開閉手段21への閉制御状態により片方向短絡故障となる第3の故障状態と、第1の開閉手段11あるいは第2の開閉手段21への開制御状態により片方向短絡故障となる第4の故障状態と、第1の開閉手段11あるいは第2の開閉手段21への開閉制御状態によらず片方向短絡故障となる第5の故障状態とが存在する。
つぎに、各故障状態における第1の開閉手段11および第2の開閉手段21の内部素子故障の組み合わせ、および各故障状態に応じた制御について説明する。なお、第1の開閉手段11および第2の開閉手段21に生じる各故障状態は同一であるので、ここでは、第1の開閉手段の各故障状態について説明する。
第1の故障状態では、スイッチング素子11eが短絡故障している場合、あるいは、少なくともダイオード素子11a〜11dのうちの異なる方向の2つのダイオード素子が短絡故障している場合の一方または両方が考えられる。この第1の故障状態が生じた場合、制御部9は、通常運転時には開閉制御を実施しない。つまり、制御部9が出力する駆動信号の初期状態が1(High)である場合には1(High)を維持し、0(Low)である場合には0(Low)を維持する。
第2の故障状態では、スイッチング素子11eが開放故障している場合、あるいは、少なくともダイオード素子11a〜11dのうちの異なる方向の2つのダイオード素子が開放故障している場合の一方または両方が考えられる。この第2の故障状態が生じた場合、制御部9は、通常運転時には開閉制御を実施しない。つまり、制御部9が出力する駆動信号の初期状態が1(High)である場合には1(High)を維持し、0(Low)である場合には0(Low)を維持する。
第3の故障状態では、スイッチング素子11eが正常、且つ、ダイオード素子11a〜11dのうちの1つ、あるいは、同一方向の2つのダイオード素子が開放故障している場合が考えられる。この第3の故障状態では、第1の開閉手段11が閉状態に制御された場合には、第1の開閉手段11が整流回路として作用し、第1のコンデンサ4aの両端電圧と第2のコンデンサ4bの両端電圧とがアンバランスとなり、第1のコンデンサ4aあるいは第2のコンデンサ4bの耐圧を超える虞があるため好ましくない。したがって、この第3の故障状態が生じた場合は、通常運転時には制御部9が第1の開閉手段11を常時開状態に制御しておくようにすればよい。
第4の故障状態では、スイッチング素子11eが正常、且つ、ダイオード素子11a〜11dのうちの1つが短絡故障している場合、あるいは、それに加えて、その短絡故障したダイオード素子に並列に接続されたダイオード素子が開放故障している場合が考えられる。この第4の故障状態では、第1の開閉手段11が開状態に制御された場合には、第1の開閉手段11が整流回路として作用し、第1のコンデンサ4aの両端電圧と第2のコンデンサ4bの両端電圧とがアンバランスとなり、第1のコンデンサ4aあるいは第2のコンデンサ4bの耐圧を超える虞があるため好ましくない。したがって、この第4の故障状態が生じた場合は、通常運転時には制御部9が第1の開閉手段11を常時閉状態に制御しておくようにすればよい。
第5の故障状態では、ダイオード素子11a〜11dのうちの1つが短絡故障し、且つ、短絡故障したダイオードと同一方向のダイオードが開放故障している場合、あるいは、それに加えて、その開放故障したダイオードと直列に接続されたダイオード素子も開放故障している場合が考えられる。この第5の故障状態では、スイッチング素子11eの状態(正常、開放故障、短絡故障)が定かではなく、第1の開閉手段11への開閉制御状態によらず、第1の開閉手段11が整流回路として作用する。このため、第5の故障状態が生じたまま運転を続けると、第1のコンデンサ4aおよび第2のコンデンサ4bの両端電圧がアンバランスとなり、第1のコンデンサ4aあるいは第2のコンデンサ4bの耐圧を超える虞がある。したがって、この第5の故障状態が生じた場合は、実施の形態4において説明したように、制御部9が電源短絡手段14を閉状態に制御してブリッジ整流回路3の交流入力端間を短絡させ、ヒューズ31を溶断させて直流電源装置100cを停止させるようにすればよい。
つぎに、本実施の形態にかかる故障判定手段12による第1の開閉手段11および第2の開閉手段21の故障判定手法について説明する。本実施の形態では、第1の開閉手段10および第2の開閉手段20の開閉制御状態に応じて各コンデンサ4a,4b,6a,6bの両端電圧が変化する特性を利用して、第1の開閉手段11および第2の開閉手段21の故障判定を実施する。
本実施の形態にかかる開閉手段故障判定の手順は、第1の開閉手段11と第2の開閉手段21とで異なる。ここでは、まず、第1の開閉手段11の開閉手段故障判定手順について説明する。なお、以下の説明では、第1のコンデンサ4aの両端電圧と第2のコンデンサ4bの両端電圧との和を「和電圧V1」といい、第1のコンデンサ4aの両端電圧と第2のコンデンサ4bの両端電圧との差を「差電圧V2」という。
第1の開閉手段11を開状態に制御している場合に、和電圧V1が交流電源1の交流電圧のピーク値の略2倍である場合には、上述した第1の故障状態、つまり、双方向短絡故障が生じているものと判定できる。
第1の開閉手段11を開状態に制御している場合に、和電圧V1が交流電源1の交流電圧のピーク値の略等倍であり、且つ、差電圧V2が略零付近の所定値以上であり、第1の開閉手段11を閉状態に制御すると、和電圧V1が交流電源1の交流電圧のピーク値の略2倍となる場合には、上述した第4の故障状態、つまり、第1の開閉手段11への開制御状態により片方向短絡故障が生じるものと判定できる。
第1の開閉手段11を開状態に制御している場合に、和電圧V1が交流電源1の交流電圧のピーク値の略等倍であり、且つ、差電圧V2が略零付近の所定値以上であり、第1の開閉手段11を閉状態に制御しても、和電圧V1が変化しない場合には、上述した第5の故障状態、つまり、片方向短絡故障が生じているものと判定できる。
第1の開閉手段11を開状態に制御している場合に、和電圧V1が交流電源1の交流電圧のピーク値の略等倍であり、且つ、差電圧V2が略零付近の所定値未満であり、第1の開閉手段11を閉状態に制御すると、和電圧V1が交流電源1の交流電圧のピーク値の略2倍となる場合には、第1の開閉手段11が正常であるものと判定できる。
第1の開閉手段11を開状態に制御している場合に、和電圧V1が交流電源1の交流電圧のピーク値の略等倍であり、且つ、差電圧V2が略零付近の所定値未満であり、第1の開閉手段11を閉状態に制御すると、和電圧V1は変化せず、且つ、差電圧V2は略零付近の所定値以上となる場合には、上述した第3の故障状態、つまり、第1の開閉手段11への閉制御状態により片方向短絡故障が生じるものと判定できる。
第1の開閉手段11を開状態に制御している場合に、和電圧V1が交流電源1の交流電圧のピーク値の略等倍であり、且つ、差電圧V2が略零付近の所定値未満であり、第1の開閉手段11を閉状態に制御しても、和電圧V1および差電圧V2が共に変化しない場合には、上述した第2の故障状態、つまり、開放故障が生じているものと判定できる。
つぎに、上述した第1の開閉手段11の開閉手段故障判定手順の具体例を、図13および図16を参照して説明する。図16は、実施の形態5にかかる直流電源装置の第1の開閉手段の故障判定フローの一例を示す図である。
図16に示す例では、直流電源装置100cの起動時には(ステップST301)、第1の開閉手段11は開状態である(ステップST302)。このとき、第1の開閉手段11が開状態で起動する構成であってもよいし、直流電源装置100cの起動時に制御部9が第1の開閉手段11を開状態に制御する構成であってもよい。
故障判定手段12は、和電圧V1が交流電源1の交流電圧のピーク値の略等倍から略2倍までの所定値となるようにあらかじめ設定した閾値Aよりも小さいか否かを判定する(ステップST303)。
ステップST303において和電圧V1が閾値A以上であると判定した場合(ステップST303;No)、故障判定手段12は、第1の故障状態(双方向短絡故障)が生じているものと判定し(ステップST304)、第1の開閉手段11の故障判定フローを終了する。
ステップST303において和電圧V1が閾値Aよりも小さいと判定した場合(ステップST303;Yes)、故障判定手段12は、続いて差電圧V2が略零から交流電源1の交流電圧のピーク値の略等倍までの所定値となるようにあらかじめ設定した閾値Bよりも小さいか否かを判定する(ステップST305)。
ステップST305において差電圧V2が閾値B以上であると判定した場合(ステップST305;No)、制御部9は、第1の開閉手段11を閉状態に制御し(ステップST306)、故障判定手段12は、和電圧V1が閾値Aよりも小さいか否かを判定する(ステップST307)。
ステップST307において和電圧V1が閾値A以上であると判定した場合(ステップST307;No)、故障判定手段12は、第4の故障状態(第1の開閉手段11への開制御状態により片方向短絡故障)が生じているものと判定し(ステップST308)、第1の開閉手段11の故障判定フローを終了する。
ステップST307において和電圧V1が閾値Aよりも小さいと判定した場合(ステップST307;Yes)、故障判定手段12は、第5の故障状態(片方向短絡故障)が生じているものと判定し(ステップST309)、第1の開閉手段11の故障判定フローを終了する。
ステップST305において差電圧V2が閾値Bよりも小さいと判定した場合(ステップST305;Yes)、制御部9は、第1の開閉手段11を閉状態に制御し(ステップST310)、故障判定手段12は、和電圧V1が閾値Aよりも小さいか否かを判定する(ステップST311)。
ステップST311において和電圧V1が閾値A以上であると判定した場合(ステップST311;No)、故障判定手段12は、第1の開閉手段11が正常であるものと判定し(ステップST312)、第1の開閉手段11の故障判定フローを終了する。
ステップST311において和電圧V1が閾値Aよりも小さいと判定した場合(ステップST311;Yes)、故障判定手段12は、続いて差電圧V2が閾値Bよりも小さいか否かを判定する(ステップST313)。
ステップST313において差電圧V2が閾値B以上であると判定した場合(ステップST313;No)、故障判定手段12は、第3の故障状態(第1の開閉手段11への閉制御状態により片方向短絡故障)が生じているものと判定し(ステップST314)、第1の開閉手段11の故障判定フローを終了する。
ステップST313において差電圧V2が閾値Bよりも小さいと判定した場合(ステップST313;Yes)、故障判定手段12は、第2の故障状態(開放故障)が生じているものと判定し(ステップST315)、第1の開閉手段11の故障判定フローを終了する。
つぎに、第2の開閉手段21の開閉手段故障判定手順について説明する。なお、以下の説明では、第3のコンデンサ6aの両端電圧と第4のコンデンサ6bの両端電圧との和を「和電圧V3」といい、第3のコンデンサ6aの両端電圧と第4のコンデンサ6bの両端電圧との差を「差電圧V4」という。
第2の開閉手段21を開状態に制御している場合に、和電圧V3が第1のコンデンサ4aの両端電圧と第2のコンデンサ4bの両端電圧との和電圧V1の略2倍である場合には、上述した第1の故障状態、つまり、双方向短絡故障が生じているものと判定できる。
第2の開閉手段21を開状態に制御している場合に、和電圧V3が第1のコンデンサ4aの両端電圧と第2のコンデンサ4bの両端電圧との和電圧V1の略等倍であり、且つ、差電圧V4が略零付近の所定値以上であり、第2の開閉手段21を閉状態に制御すると、和電圧V3が和電圧V1の略2倍となる場合には、上述した第4の故障状態、つまり、第2の開閉手段21への開制御状態により片方向短絡故障が生じるものと判定できる。
第2の開閉手段21を開状態に制御している場合に、和電圧V3が第1のコンデンサ4aの両端電圧と第2のコンデンサ4bの両端電圧との和電圧V1の略等倍であり、且つ、差電圧V4が略零付近の所定値以上であり、第2の開閉手段21を閉状態に制御しても、和電圧V3が変化しない場合には、上述した第5の故障状態、つまり、片方向短絡故障が生じているものと判定できる。
第2の開閉手段21を開状態に制御している場合に、和電圧V3が第1のコンデンサ4aの両端電圧と第2のコンデンサ4bの両端電圧との和電圧V1の略等倍であり、且つ、差電圧V4が略零付近の所定値未満であり、第2の開閉手段21を閉状態に制御すると、和電圧V3が第1のコンデンサ4aの両端電圧と第2のコンデンサ4bの両端電圧との和電圧V1の略2倍となる場合には、第2の開閉手段21が正常であるものと判定できる。
第2の開閉手段21を開状態に制御している場合に、和電圧V3が第1のコンデンサ4aの両端電圧と第2のコンデンサ4bの両端電圧との和電圧V1の略等倍であり、且つ、差電圧V4が略零付近の所定値未満であり、第2の開閉手段21を閉状態に制御すると、和電圧V3は変化せず、且つ、差電圧V4は略零付近の所定値以上となる場合には、上述した第3の故障状態、つまり、第2の開閉手段21への閉制御状態により片方向短絡故障が生じるものと判定できる。
第2の開閉手段21を開状態に制御している場合に、和電圧V3が第1のコンデンサ4aの両端電圧と第2のコンデンサ4bの両端電圧との和電圧V1の略等倍であり、且つ、差電圧V4が略零付近の所定値未満であり、第2の開閉手段21を閉状態に制御しても、和電圧V1および差電圧V2が共に変化しない場合には、上述した第2の故障状態、つまり、開放故障が生じているものと判定できる。
つぎに、上述した第2の開閉手段21の開閉手段故障判定手順の具体例を、図13および図17を参照して説明する。図17は、実施の形態5にかかる直流電源装置の第2の開閉手段の故障判定フローの一例を示す図である。
図17に示す例では、直流電源装置100cの起動時には(ステップST401)、第2の開閉手段21は開状態である(ステップST402)。このとき、第2の開閉手段21が開状態で起動する構成であってもよいし、直流電源装置100cの起動時に制御部9が第2の開閉手段21を開状態に制御する構成であってもよい。
故障判定手段12は、和電圧V3が第1のコンデンサ4aの両端電圧と第2のコンデンサ4bの両端電圧との和電圧V1の略等倍から略2倍までの所定値となるようにあらかじめ設定した閾値Cよりも小さいか否かを判定する(ステップST403)。
ステップST403において和電圧V3が閾値C以上であると判定した場合(ステップST403;No)、故障判定手段12は、第1の故障状態(双方向短絡故障)が生じているものと判定し(ステップST404)、第2の開閉手段21の故障判定フローを終了する。
ステップST403において和電圧V3が閾値Cよりも小さいと判定した場合(ステップST403;Yes)、故障判定手段12は、続いて差電圧V4が略零から第1のコンデンサ4aの両端電圧と第2のコンデンサ4bの両端電圧との和電圧V1の略等倍までの所定値となるようにあらかじめ設定した閾値Dよりも小さいか否かを判定する(ステップST405)。
ステップST405において差電圧V4が閾値D以上であると判定した場合(ステップST405;No)、制御部9は、第2の開閉手段21を閉状態に制御し(ステップST406)、故障判定手段12は、和電圧V3が閾値Cよりも小さいか否かを判定する(ステップST407)。
ステップST407において和電圧V3が閾値C以上であると判定した場合(ステップST407;No)、故障判定手段12は、第4の故障状態(第2の開閉手段21への開制御状態により片方向短絡故障)が生じているものと判定し(ステップST408)、第2の開閉手段21の故障判定フローを終了する。
ステップST407において和電圧V3が閾値Cよりも小さいと判定した場合(ステップST407;Yes)、故障判定手段12は、第5の故障状態(片方向短絡故障)が生じているものと判定し(ステップST409)、第2の開閉手段21の故障判定フローを終了する。
ステップST405において差電圧V4が閾値Dよりも小さいと判定した場合(ステップST405;Yes)、制御部9は、第2の開閉手段21を閉状態に制御し(ステップST410)、故障判定手段12は、和電圧V3が閾値Cよりも小さいか否かを判定する(ステップST411)。
ステップST411において和電圧V3が閾値C以上であると判定した場合(ステップST411;No)、故障判定手段12は、第2の開閉手段21が正常であるものと判定し(ステップST412)、第2の開閉手段21の故障判定フローを終了する。
ステップST411において和電圧V3が閾値Cよりも小さいと判定した場合(ステップST411;Yes)、故障判定手段12は、続いて差電圧V4が閾値Dよりも小さいか否かを判定する(ステップST413)。
ステップST413において差電圧V4が閾値D以上であると判定した場合(ステップST413;No)、故障判定手段12は、第3の故障状態(第2の開閉手段21への閉制御状態により片方向短絡故障)が生じているものと判定し(ステップST414)、第2の開閉手段21の故障判定フローを終了する。
ステップST413において差電圧V4が閾値Dよりも小さいと判定した場合(ステップST413;Yes)、故障判定手段12は、第2の故障状態(開放故障)が生じているものと判定し(ステップST415)、第2の開閉手段21の故障判定フローを終了する。
つぎに、第1の開閉手段11および第2の開閉手段21の故障状態の各組み合わせにおける動作について説明する。
第1の開閉手段11および第2の開閉手段21の両方が第1の故障状態である、つまり、双方向短絡故障である場合には、第1の開閉手段11および第2の開閉手段21の両方が開閉制御状態によらず常時短絡した状態となる。この場合、直流電源回路100cは、常時4倍電圧整流器として動作し、出力電圧が交流電源1の交流電圧のピーク値の略4倍となる。
第1の開閉手段11が正常であり、第2の開閉手段21が第1の故障状態、つまり、双方向短絡故障である場合には、第2の開閉手段21が開閉制御状態によらず常時短絡した状態となる。この場合、直流電源回路100cは、第1の開閉手段11が開状態に制御された状態では倍電圧整流器として動作し、第1の開閉手段11が閉状態に制御された状態では4倍電圧整流器となる。したがって、第1の開閉手段11の開閉制御動作を繰り返すことにより、交流電源1の交流電圧のピーク値の略2倍〜略4倍の出力電圧を得ることができる。このとき、第2の開閉手段21が短絡故障していることを考慮し、制御系のゲイン、第1の開閉手段11のオンタイミング等を適切に制御することにより、故障状態に応じた最適な運転が可能となる。
第1の開閉手段11が第1の故障状態、つまり、双方向短絡故障であり、第2の開閉手段21が正常である場合には、第1の開閉手段11が開閉制御状態によらず常時短絡した状態となる。この場合、直流電源回路100cは、第2の開閉手段21が開状態に制御された状態では倍電圧整流器として動作し、第2の開閉手段21が閉状態に制御された状態では4倍電圧整流器となる。したがって、第2の開閉手段21の開閉制御動作を繰り返すことにより、交流電源1の交流電圧のピーク値の略2倍〜略4倍の出力電圧を得ることができる。このとき、第1の開閉手段11が短絡故障していることを考慮し、制御系のゲイン、第2の開閉手段21のオンタイミング等を適切に制御することにより、故障状態に応じた最適な運転が可能となる。
第1の開閉手段11および第2の開閉手段21のうちのいずれか一方が第1の故障状態、つまり、双方向短絡故障であり、他方が第2の故障状態、つまり、開放故障である場合には、第1の開閉手段11および第2の開閉手段21のうちのいずれか一方が開閉制御状態によらず常時短絡した状態となり、他方が開閉制御状態によらず常時開放した状態となる。この場合、直流電源回路100cは、常時倍電圧整流器として動作し、出力電圧が交流電源1の交流電圧のピーク値の略2倍となる。
第1の開閉手段11および第2の開閉手段21の両方が第2の故障状態、つまり、開放故障である場合には、第1の開閉手段11および第2の開閉手段21の両方が開放制御状態によらず常時短絡した状態となる。この場合、直流電源回路100cは、常時全波整流器として動作し、出力電圧が交流電源1の交流電圧のピーク値の略等倍となる。
第1の開閉手段11が第2の故障状態、つまり、開放故障であり、第2の開閉手段21が正常である場合には、第1の開閉手段11が開閉制御状態によらず常時開放した状態となる。この場合、直流電源回路100cは、第2の開閉手段21が開状態に制御された状態では全波整流器として動作し、第2の開閉手段21が閉状態に制御された状態では倍電圧整流器となる。したがって、第2の開閉手段21の開閉制御動作を繰り返すことにより、交流電源1の交流電圧のピーク値の略等倍〜略2倍の出力電圧を得ることができる。このとき、第1の開閉手段11が開放故障していることを考慮し、制御系のゲイン、第2の開閉手段21のオンタイミング等を適切に調整し、制御することにより、故障状態に応じた最適な運転が可能となる。
第1の開閉手段11が正常であり、第2の開閉手段21が第2の故障状態、つまり、開放故障である場合には、第2の開閉手段21が開閉制御状態によらず常時開放した状態となる。この場合、直流電源回路100cは、第1の開閉手段11が開状態に制御された状態では全波整流器として動作し、第1の開閉手段11が閉状態に制御された状態では倍電圧整流器となる。したがって、第1の開閉手段11の開閉制御動作を繰り返すことにより、交流電源1の交流電圧のピーク値の略等倍〜略2倍の出力電圧を得ることができる。このとき、第2の開閉手段21が開放故障していることを考慮し、制御系のゲイン、第1の開閉手段10のオンタイミング等を適切に調整し、制御することにより、判定結果gの故障状態に応じた最適な運転が可能となる。
第1の開閉手段11が第3の故障状態、つまり、閉制御状態により片方向短絡故障となり、第2の開閉手段21が第1の故障状態、つまり、双方向短絡故障である場合には、第1の開閉手段11を開制御状態とすることにより常時開放した状態とする。第2の開閉手段21は開閉制御状態によらず常時短絡した状態となるので、この場合、直流電源回路100cは、常時倍電圧整流器として動作し、出力電圧が交流電源1の交流電圧のピーク値の略2倍となる。
第1の開閉手段11が第3の故障状態、つまり、閉制御状態により片方向短絡故障となり、第2の開閉手段21が第2の故障状態、つまり、開放故障である場合には、第1の開閉手段11を開制御状態とすることにより常時開放した状態とする。第2の開閉手段21は開閉制御状態によらず常時開放した状態となるので、この場合、直流電源回路100cは、常時全波整流器として動作し、出力電圧が交流電源1の交流電圧のピーク値の略等倍となる。
第1の開閉手段11および第2の開閉手段21の両方が第3の故障状態、つまり、閉制御状態により片方向短絡故障となる場合には、第1の開閉手段11および第2の開閉手段21の両方を開制御状態とすることにより常時開放した状態とする。この場合、直流電源回路100cは、常時全波整流器として動作し、出力電圧が交流電源1の交流電圧のピーク値の略等倍となる。
第1の開閉手段11が第3の故障状態、つまり、閉制御状態により片方向短絡故障となり、第2の開閉手段21が第4の故障状態、つまり、開制御状態により片方向短絡故障となる場合には、第1の開閉手段11を開制御状態とすることにより常時開放した状態とし、第2の開閉手段21を閉制御状態とすることにより常時短絡した状態とする。この場合、直流電源回路100cは、常時倍電圧整流器として動作し、出力電圧が交流電源1の交流電圧のピーク値の略2倍となる。
第1の開閉手段11が第3の故障状態、つまり、閉制御状態により片方向短絡故障となり、第2の開閉手段21が正常である場合には、第1の開閉手段11を開制御状態とすることにより常時開放した状態とする。この場合、直流電源回路100cは、第2の開閉手段21が開状態に制御された状態では全波整流器として動作し、第2の開閉手段21が閉状態に制御された状態では倍電圧整流器となる。したがって、第2の開閉手段21の開閉制御動作を繰り返すことにより、交流電源1の交流電圧のピーク値の略等倍〜略2倍の出力電圧を得ることができる。このとき、第1の開閉手段11が開放故障していることを考慮し、制御系のゲイン、第2の開閉手段21のオンタイミング等を適切に調整し、制御することにより、故障状態に応じた最適な運転が可能となる。
第1の開閉手段11が第4の故障状態、つまり、開制御状態により片方向短絡故障となり、第2の開閉手段21が第1の故障状態、つまり、双方向短絡故障である場合には、第1の開閉手段11を閉制御状態とすることにより常時短絡した状態とする。第2の開閉手段21は開閉制御状態によらず常時短絡した状態となるので、この場合、直流電源回路100cは、常時4倍電圧整流器として動作し、出力電圧が交流電源1の交流電圧のピーク値の略4倍となる。
第1の開閉手段11が第4の故障状態、つまり、開制御状態により片方向短絡故障となり、第2の開閉手段21が第2の故障状態、つまり、開放故障である場合には、第1の開閉手段11を閉制御状態とすることにより常時短絡した状態とする。第2の開閉手段21は開閉制御状態によらず常時開放した状態となるので、この場合、直流電源回路100cは、倍電圧整流器として動作し、出力電圧が交流電源1の交流電圧のピーク値の略2倍となる。
第1の開閉手段11が第4の故障状態、つまり、開制御状態により片方向短絡故障となり、第2の開閉手段21が第3の故障状態、つまり、閉制御状態により片方向短絡故障となる場合には、第1の開閉手段11を閉制御状態とすることにより常時短絡した状態とし、第2の開閉手段21を開制御状態とすることにより常時開放した状態とする。この場合、直流電源回路100cは、常時倍電圧整流器として動作し、出力電圧が交流電源1の交流電圧のピーク値の略2倍となる。
第1の開閉手段11および第2の開閉手段21の両方が第4の故障状態、つまり、開制御状態により片方向短絡故障となる場合には、第1の開閉手段11および第2の開閉手段21の両方を閉制御状態とすることにより常時短絡した状態とする。この場合、直流電源回路100cは、常時4倍電圧整流器として動作し、出力電圧が交流電源1の交流電圧のピーク値の略4倍となる。
第1の開閉手段11が第4の故障状態、つまり、開制御状態により片方向短絡故障となり、第2の開閉手段21が正常である場合には、第1の開閉手段11を閉制御状態とすることにより常時短絡した状態とする。この場合、直流電源回路100cは、第2の開閉手段21が開状態に制御された状態では倍電圧整流器として動作し、第2の開閉手段21が閉状態に制御された状態では4倍電圧整流器となる。したがって、第2の開閉手段21の開閉制御動作を繰り返すことにより、交流電源1の交流電圧のピーク値の略2倍〜略4倍の出力電圧を得ることができる。このとき、第1の開閉手段11を閉制御状態としていることを考慮し、制御系のゲイン、第2の開閉手段21のオンタイミング等を適切に制御することにより、故障状態に応じた最適な運転が可能となる。
第1の開閉手段11が第1の故障状態、つまり、双方向短絡故障であり、第2の開閉手段21が第3の故障状態、つまり、閉制御状態により片方向短絡故障となる場合には、第2の開閉手段21を開制御状態とすることにより常時開放した状態とする。第1の開閉手段11は開閉制御状態によらず常時短絡した状態となるので、この場合、直流電源回路100cは、常時倍電圧整流器として動作し、出力電圧が交流電源1の交流電圧のピーク値の略2倍となる。
第1の開閉手段11が第2の故障状態、つまり、開放故障であり、第2の開閉手段21が第3の故障状態、つまり、閉制御状態により片方向短絡故障となる場合には、第2の開閉手段21を開制御状態とすることにより常時開放した状態とする。第1の開閉手段11は開閉制御状態によらず常時開放した状態となるので、この場合、直流電源回路100cは、常時全波整流器として動作し、出力電圧が交流電源1の交流電圧のピーク値の略等倍となる。
第1の開閉手段11が正常であり、第2の開閉手段21が第3の故障状態、つまり、閉制御状態により片方向短絡故障となる場合には、第2の開閉手段21を開制御状態とすることにより常時開放した状態とする。この場合、直流電源回路100cは、第1の開閉手段11が開状態に制御された状態では全波整流器として動作し、第1の開閉手段11が閉状態に制御された状態では倍電圧整流器となる。したがって、第1の開閉手段11の開閉制御動作を繰り返すことにより、交流電源1の交流電圧のピーク値の略等倍〜略2倍の出力電圧を得ることができる。このとき、第2の開閉手段21を開制御状態としていることを考慮し、制御系のゲイン、第1の開閉手段11のオンタイミング等を適切に調整し、制御することにより、故障状態に応じた最適な運転が可能となる。
第1の開閉手段11が第1の故障状態、つまり、双方向短絡故障であり、第2の開閉手段21が第4の故障状態、つまり、開制御状態により片方向短絡故障となる場合には、第2の開閉手段21を閉制御状態とすることにより常時短絡した状態とする。第1の開閉手段11は開閉制御状態によらず常時短絡した状態となるので、この場合、直流電源回路100cは、常時4倍電圧整流器として動作し、出力電圧が交流電源1の交流電圧のピーク値の略4倍となる。
第1の開閉手段11が第2の故障状態、つまり、開放故障であり、第2の開閉手段21が第4の故障状態、つまり、開制御状態により片方向短絡故障となる場合には、第2の開閉手段21を閉制御状態とすることにより常時短絡した状態とする。第1の開閉手段11は開閉制御状態によらず常時開放した状態となるので、この場合、直流電源回路100cは、常時倍電圧整流器として動作し、出力電圧が交流電源1の交流電圧のピーク値の略2倍となる。
第1の開閉手段11が正常であり、第2の開閉手段21が第4の故障状態、つまり、開制御状態により片方向短絡故障となる場合には、第2の開閉手段21を閉制御状態とすることにより常時短絡した状態とする。この場合、直流電源回路100cは、第1の開閉手段11が開状態に制御された状態では倍電圧整流器として動作し、第1の開閉手段11が閉状態に制御された状態では4倍電圧整流器となる。したがって、第1の開閉手段11の開閉制御動作を繰り返すことにより、交流電源1の交流電圧のピーク値の略2倍〜略4倍の出力電圧を得ることができる。このとき、第1の開閉手段11を閉制御状態としていることを考慮し、制御系のゲイン、第1の開閉手段11のオンタイミング等を適切に制御することにより、故障状態に応じた最適な運転が可能となる。
なお、第1の開閉手段11および第2の開閉手段21の両方が正常である場合には、直流電源回路100cは、通常の運転を行う。
また、第1の開閉手段11あるいは第2の開閉手段21のうちの一方あるいは両方が第5の故障状態、つまり、開閉制御状態によらず片方向短絡故障となる場合には、第1のコンデンサ4aと第2のコンデンサ4bの両端電圧、あるいは、第3のコンデンサ6aと第4のコンデンサ6bの両端電圧がアンバランスとなり、いずれかのコンデンサの耐圧を超える虞がある。したがって、この場合には、上述したように、制御部9が電源短絡手段14を閉状態に制御してブリッジ整流回路3の交流入力端間を短絡させ、ヒューズ31を溶断させて直流電源装置100cを停止させるようにすればよい。
以上説明したように、実施の形態5の直流電源装置によれば、第1の開閉手段および第2の開閉手段として、ダイオードブリッジおよびスイッチング素子を用いた双方向スイッチを適用した場合に、第1のコンデンサおよび第2のコンデンサの両端電圧の和電圧および差電圧に基づいて、第1の開閉手段を構成する各ダイオード素子およびスイッチング素子の各状態(正常、短絡故障、開放故障)の組み合わせによる第1の開閉手段の故障状態を判定することができ、第3のコンデンサおよび第4のコンデンサの両端電圧の和電圧および差電圧に基づいて、第2の開閉手段を構成する各ダイオード素子およびスイッチング素子の各状態(正常、短絡故障、開放故障)の組み合わせによる第2の開閉手段の故障状態を判定することができる。
また、第1の開閉手段の故障状態と第2の開閉手段の故障状態の組み合わせに応じて適切に制御を行うことにより、開閉手段の想定外の動作を防止すると共に、各開閉手段の故障状態の組み合わせに応じて効率良く運転することが可能となる。
することができる。
また、第1の開閉手段および第2の開閉手段の故障の発生(あるいは第1の開閉手段の故障状態と第2の開閉手段の故障状態の組み合わせ)を使用者もしくは管理者に報知することにより、故障した開閉手段の交換等による直流電源装置の修復を促し、開閉手段が故障した状態で長期間運転を継続することによる2次故障の発生等、故障の拡大を抑制することができる。
また、第1の開閉手段あるいは第2の開閉手段のうちの一方あるいは両方が開閉制御状態によらず片方向短絡故障となる場合に、ブリッジ整流回路の交流入力端間を短絡してヒューズを溶断させ、交流電源とブリッジ整流回路との接続を遮断することにより、直流電源装置を安全に停止することができ、過電圧による直流電源装置および直流電源装置に接続された機器の2次故障や、素子の高耐圧化によるコストアップを抑制することができる。
実施の形態6.
実施の形態1〜5において説明した直流電源装置は、例えば、直流電力を交流電力に変換して電動機を駆動するインバータに直流電圧を供給する装置として用いることができる。
図18は、実施の形態4に示した直流電源装置を電動機駆動装置に適用した例を示す図である。図18に示す例では、実施の形態6にかかる電動機駆動装置101は、実施の形態4にかかる直流電源装置100bの出力側にインバータ15が負荷として接続され構成されている。そして、インバータ15の出力側には、電動機16が接続されている。なお、図18に示す例では、電動機駆動装置101を構成する直流電源装置として、実施の形態4にかかる直流電源装置100bが示されているが、実施の形態1〜3、あるいは5にかかる直流電源装置100,100a,100cとしてもよい。
また、図18に示す電動機駆動装置101は、例えば、空気調和機、洗濯機、あるいは洗濯乾燥機等に適用することが可能である。
図19は、実施の形態6にかかる空気調和機の一例を示す図である。電動機駆動装置101の出力側には電動機16が接続されており、その電動機16は、圧縮要素54に連結されている。圧縮機55は、電動機16と圧縮要素54から構成されている。冷凍サイクル部56は、四方弁56a、室内熱交換器56b、膨張弁56cおよび室外熱交換器56dを含む態様で構成されている。空気調和機の内部を循環する冷媒の流路は、圧縮要素54から、四方弁56a、室内熱交換器56b、膨張弁56c、室外熱交換器56dを経由し、再び四方弁56aを経由して、圧縮要素54へ戻る態様で構成されている。電動機駆動装置101は、交流電源1より交流電圧の供給を受け、電動機16を回転させる。圧縮要素54は、電動機16が回転することによって、冷媒の圧縮動作を実行し、冷媒を冷凍サイクル部56内部で循環させる。
図20は、実施の形態6にかかる洗濯機の一例を示す図である。水槽57は、洗濯機102内に設置され、その内部に、洗濯槽58が回転自在に設置されている。その洗濯槽58の底部には、攪拌翼59が回転自在に設置されている。水槽57の底部に設置された電動機16の回転軸は、水槽57および攪拌翼59に連結されている。図示はしていないが、電動機駆動装置101が、電動機16に接続されており、洗濯機102の内部に搭載されている。電動機駆動装置101が、電動機16を回転制御することによって、洗濯槽58および攪拌翼59が回転し、洗濯動作が実施される。
図21は、実施の形態6にかかる洗濯乾燥機の一例を示す図である。水槽60は、洗濯乾燥機103内に設置され、その内部に、回転ドラム61が回転自在に設置されている。水槽60の底部に設置された電動機16の回転軸は、回転ドラム61に連結されている。図示はしていないが、電動機駆動装置101が、電動機16に接続されており、洗濯乾燥機103の内部に搭載されている。電動機駆動装置101が、電動機16を回転制御することによって、回転ドラム61が回転し、洗濯および乾燥動作が実施される。
以上説明したように、実施の形態1〜5に示した直流電源装置を電動機駆動装置に適用することにより、実施の形態1〜5において説明した各効果が得られる電動機駆動装置を得ることができる。
また、上述した電動機駆動装置を空気調和機、洗濯機、あるいは洗濯乾燥機等に適用することにより、直流電源装置で発生した開閉手段の短絡故障や開放故障を各機器に通知し、運転範囲を抑制するなどの動作を行うこともできる。
なお、以上の実施の形態に示した構成は、本発明の構成の一例であり、別の公知の技術と組み合わせることも可能であるし、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、一部を省略する等、変更して構成することも可能であることは言うまでもない。