JP5534753B2 - 変圧器の保護方式とその装置 - Google Patents

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Description

電流平衡リレーによる変圧器の保護技術に係り、特に、タップ位置や負荷電流による影響を受けることなく事故を高感度に検出可能な変圧器の保護方式とその装置に関するものである。
電力系統には発電、送電、配電の各段階で適した電圧に変換する変圧器が設置されている。この変圧器に短絡や地絡の事故が発生した場合、事故を放置すると、機器の損傷は元より、人身の安全や電力の安定供給に支障をきたすおそれがある。したがって、変圧器の事故を迅速且つ正確に検出して変圧器を保護することは、電力系統の安全性および安定性を確保する上で、非常に重要である。
変圧器は通常、保護リレー装置によって保護されている。変圧器を保護する保護リレー装置とは、変圧器に発生した事故を瞬時に検出し、遮断器に遮断指令を出して当該変圧器を電力系統から切り離す装置である。この保護リレー装置に適用される保護方式としては電流差動リレーや電流平衡リレーなどがあり、変圧器の種類や保護対象とする変圧器の構成部位に応じて、適切な保護方式が選定される。
例えば、一次電圧と二次電圧の位相差を調整できる変圧器(位相差調整器)を構成する直列変圧器では、電流差動リレーにより保護するのが一般的である。電流差動リレーでは、保護範囲内に事故が無ければ、保護範囲に対する流入電流と流出電流の差は零であるというキルヒホッフの第一法則を応用した保護方式である。
また、電流平衡リレーで保護する変圧器の構成部位としては、変圧比(巻線比)を調整可能な変圧器における負荷時電圧調整器(以下、LVRと称する)や、位相調整器の調整変圧器がある。電流平衡リレーとは、平常時には同種の二つの電気量が一定の関係にあることを利用して、この関係が不平衡になったことを検出することにより変圧器に事故が発生したことを検出する保護方式である(非特許文献1参照)。
(LVRの構成)
以下、電流平衡リレーによる変圧器の保護方式を説明する前に、電流平衡リレーの保護対象である変圧器の構成について簡単に述べる。変圧比を調整できる変圧器では、巻線にタップを設け、変圧比(巻線比)をある範囲内で、あるステップ電圧で変えられるようになっている(非特許文献2参照)。
図10および図11は、変圧比を調整できる変圧器の単線結線図および3線結線図の一例である。図10、図11に示すように、変圧比を調整できる変圧器は、主要変圧器とLVRとから構成されている。このうち、LVRは、励磁巻線およびタップ巻線を備えている。LVRでは、タップ巻線を可変することで変圧器の高圧側、低圧側の電圧調整を行う。
(調整変圧器の構成)
次に調整変圧器の構成について述べる。図12は、位相調整器の3線結線図の一例である。図12に示すように、直列変圧器と調整変圧器とから構成されている。このような調整変圧器は、一次側と二次側が同一電圧階級となるループ系統に挿入され、一次側と二次側の電圧に位相差を作り、この位相差を調整することでループ系統の潮流を制御する。位相調整器は、ループ構成で運転される系統において各ルートの通過電力の按分を積極的に制御する場合などに用いており、送電損失の低減や送電線などの過負荷解消に寄与している(非特許文献3〜5参照)。
図12に示すように、位相調整器の直列巻線は、直列巻線1、励磁巻線2が同一鉄心に巻かれてなる。また、位相調整器の調整変圧器は、調整巻線3、タップ巻線4、安定巻線5が同一鉄心に巻かれてなる。
図12中の記号のうち、6、7、8は電流計測器(CT)、Nsは直列巻線数、Neは励磁巻線数、Nhは調整巻線数、Ntはタップ巻線数、Ngは安定巻線数である。Iは各巻線間や直列巻線の一次側、二次側を流れる電流値である。
より詳しくは、は直列巻線1の一次電流値、は直列巻線1の二次電流値、Iα、Iβ、Iγは励磁巻線2に流れる電流値、Ie、Ie、Ieは調整巻線3に流れる電流値、It、It、Itはタップ巻線4に流れる電流値、Igは安定巻線5に流れる電流値である。なお、電流の向きは図12中の矢印方向を正とする。
(電流平衡リレーの構成)
続いて、図13の機能ブロック図を参照して、従来の電流平衡リレーによる変圧器の保護方式について具体的に説明する。ここでは保護対象とする変圧器は、図12に示した位相調整器の調整変圧器とする。図13に示すように、電流平衡リレー10には、機能的なブロックとして、電流入力手段101および電流平衡リレー判定手段102が設けられている。
電流入力手段101では、調整巻線電流Ieおよびタップ巻線電流Itの各相電流を取り込んでいる。これらの電流Ie、Itは図12に示した電流計測器6、7、8にて計測される。電流平衡リレー判定手段102は、調整巻線電流Ieおよびタップ巻線電流Itの各相電流を入力として、電流平衡リレー特性に基づき事故検出を判定している。電流平衡リレー判定手段102において事故有りと判定した場合は、遮断器9へ遮断指令を出力する。遮断指令を受けた遮断器9は遮断動作を行い、変圧器を電力系統から切り離す。
(電流平衡リレーの特性)
次に、電流平衡リレー判定手段102の判定基準となる電流平衡リレー特性について説明する。図14のグラフは、電流平衡リレーの特性の一例である。図14において、Kは調整巻線電流Ieとタップ巻線電流Itとの比率、Kは最小検出感度を示している。図14のグラフを式で表すと、下記の(1)式となる。
すなわち、電流平衡リレーの特性は、調整巻線電流Ieとタップ巻線電流Itの比率Kと最小感度Kで与えられる。
Figure 0005534753
また、電流平衡リレー特性は、電流Ie、Itの大きさと位相θの関係でも与えられる場合がある(図15のグラフ参照)。位相θはIt基準でIeの進む角度である。図15のグラフを式で表すと、下記の(2)式となる。この場合、上記の(1)式か、若しくは (2)式が成立した場合に、電流平衡リレー10が動作(事故検出)することになる。なお、電流平衡リレー10の保護対象であるLVRもまた、以上の保護方式を採用しているが、電流平衡リレー特性におけるIeは、上記の調整変圧器では調整巻線電流であったのに対し、LVRでは励磁巻線電流とする。
Figure 0005534753
(各巻線電流の計算式)
ところで、上記調整変圧器を構成する調整巻線3、タップ巻線4、安定巻線5では、アンペアターンの法則から各巻線の巻線数と電流値の積は、それぞれを足し合わせるとゼロになるという関係が成立している((3)式参照)。したがって、調整巻線電流Ieは、タップ巻線数Ntを含む(4)式によって表される。
Figure 0005534753
Figure 0005534753
調整巻線電流Ieがタップ巻線数Ntを含む式によって示されるということは、タップ巻線数Ntで示される調整巻線3のタップ位置が変化すると、調整巻線電流Ieが変化することを意味する。また、調整巻線電流Ieは、次の(5)式に示すように、直列巻線1の一次電流と二次電流を用いて両者の差から求めることができる。つまり、調整巻線電流Ieは、直列巻線1に流れる負荷電流によって変化する。
Figure 0005534753
さらに、抑制量であるタップ巻線電流Itも、負荷電流に応じて変化することがある。この点については、下記の(6)式〜(8)式から導かれる。位相調整器において直列変圧器を構成する直列巻線1、励磁巻線2の巻線数と電流の関係は、アンペアターンの法則から次の(6)式で表される。
Figure 0005534753
上記(6)式の両辺を励磁巻線数Neで割れば、励磁巻線電流Iα、Iβ、Iγを導くことができる((7)式参照)。
Figure 0005534753
また、励磁巻線電流Iα、Iβ、Iγによってタップ巻線電流Itを表すと、次の(8)式となる。
Figure 0005534753
前記(8)式の右辺の励磁巻線電流Iα、Iβ、Iγに、(7)式の右辺を代入すれば、タップ巻線電流Itは直列巻線電流I、I、Iによって表される。したがって、直列巻線1を流れる負荷電流が変化すれば、タップ巻線電流Itも変化する。
上述したように、調整巻線電流Ieおよびタップ巻線電流Itは、タップ位置や負荷電流によって変化する。電流平衡リレー特性は、電気量Ie、Itの比率Kによって与えられるので、リレー特性自体がタップ位置や負荷電流の影響を受けることになる。
そこで従来の電流平衡リレーによる変圧器の保護方式では、タップ位置や負荷電流の変化を考慮して、平常時に事故を誤検出しないように平衡電流リレー特性の整定を実施している。
「電気工学ハンドブック(第6版)」、(社)電気学会、2001年2月20日、p798 「電気工学ハンドブック(第6版)」、(社)電気学会、2001年2月20日、p718〜719 「電気工学ハンドブック(第6版)」、(社)電気学会、2001年2月20日、p721〜722 長谷良秀、「電力系統技術の実用理論ハンドブック」、丸善(株)、平成16年3月30日、p385〜387 安海一郎、他、「大容量位相調整器の開発と適用効果」、(株)オーム社、 OHM 1985年5月号、p95-103
しかしながら、従来の電流平衡リレーによる変圧器の保護方式において、タップ位置や負荷電流の変化を勘案しながら、電流平衡リレー特性を整定する場合、次のような課題があった。すなわち、事故様相によっては電流平衡リレー特性が低感度となって、事故の検出が困難となる可能性がある。そこで、タップ位置や負荷電流が変化しても、その影響を電流平衡リレー特性が受けることなく、いかなる事故様相であっても、常に高い感度で事故を検出可能な電流平衡リレーの実現が望まれていた。
本発明は、このような課題を解消するために提案されたものであり、タップ位置や負荷電流の影響を回避して、変圧器で想定される様々な事故を高感度に検出できる変圧器の保護方式およびその装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係る変圧器の保護方式は、逆相電流の平衡性に着目したものであり電流平衡リレーによる変圧器の保護方式において、前記変圧器は、第1の巻線と、第2の巻線とを有し、前記第1の巻線が、位相調整器の調整巻線若しくは負荷時電圧調整器の励磁巻線であり、前記第2の巻線が、前記位相調整器のタップ巻線若しくは前記負荷時電圧調整器のタップ巻線であり、前記変圧器における前記第1の巻線の逆相電流と前記第2の巻線の逆相電流を算出する逆相電流算出ステップと、前記第1及び第2の巻線の逆相電流に基づいて変圧器の事故を検出する逆相電流平衡リレー判定ステップと、を含むことを特徴とする。
本発明によれば、逆相電流に基づいて事故を検出するため、仮にタップ位置や負荷電流が変化したとしても、電流平衡リレー特性に影響を受けることがなく、いかなる事故様相であっても、変圧器の事故を高感度で検出可能な電流平衡リレーを実現することができる。
本発明に係る第1の実施形態の機能ブロック図。 第1の実施形態における逆相電流平衡リレーの特性図。 本発明に係る第2の実施形態の機能ブロック図。 本発明に係る第3の実施形態の機能ブロック図。 本発明に係る他の実施形態における逆相電流平衡リレーの特性図。 本発明に係る他の実施形態における逆相電流平衡リレーの特性図。 本発明に係る他の実施形態における逆相電流平衡リレーの特性図。 本発明に係る他の実施形態における逆相電流平衡リレーの特性図。 本発明に係る他の実施形態における逆相電流平衡リレーの特性図。 変圧比の調整が可能な変圧器の単線結線図。 変圧比の調整が可能な変圧器の3線結線図。 位相調整器の3線結線図。 従来の保護方式の機能ブロック図。 従来の電流平衡リレーの特性図。 従来の電流平衡リレーの特性図。
以下、本発明に係る変圧器の保護方式およびその装置について、図面を参照して具体的に説明する。本発明は、電流平衡リレーによる変圧器の保護方式であって、下記の実施形態では位相調整器の調整変圧器を保護対象としている。なお、変圧比調整が可能な変圧器におけるLVRを保護対象とした場合についても、同様の構成により、同様の作用効果を得ることができる。
(1)第1の実施形態
(構成)
図1に示すように、第1の実施形態に係る電流平衡リレー20では、図13に示した電流平衡リレー10と同じく電流入力手段101を有しているが、それに加えて逆相電流算出手段103を備えると共に、電流平衡リレー判定手段102に代えて逆相電流平衡リレー判定手段104を備えている点に構成上の特徴がある。
逆相電流算出手段103では、電流入力手段101の取り込んだ調整巻線電流Ieおよびタップ巻線電流Itに基づいて、各電流Ie、Itにおける逆相電流Ie、Itを(9)式、(10)式を用いて算出する(逆相電流算出ステップ)。
Figure 0005534753
Figure 0005534753
上記の(9)式、(10)式は各相電流から逆相電流を算出するための基本式である。例えば、電気角30度サンプリングの瞬時値データを用いる場合、逆相電流Ie、Itは、(11)式、(12)式にて導かれる。
Figure 0005534753
Figure 0005534753
ここで、mは現時点、m−2は2サンプリング(60度)前、m−4は4サンプリング(120度)前の値であることを表している。
逆相電流平衡リレー判定手段104では、以上のようにして算出した逆相電流Ie、Itを入力として、電流平衡リレー特性により事故検出を行う(逆相電流平衡リレー判定ステップ)。逆相電流を用いた電流平衡リレー特性とは、グラフの縦軸および横軸にとる電流Ie、Itがそれぞれ逆相電流Ie、Itになることを除いて、前記図14にて示した電流平衡リレー特性と同じであり、図で表すと図2、式で表すと(13)式となる。
Figure 0005534753
つまり、逆相電流を用いた電流平衡リレー特性は、調整巻線3の逆相電流Ieとタップ巻線4の逆相電流Itの比率Kと最小感度Kで与えられる。逆相電流平衡リレー判定手段104は、(13)式が成立する場合に事故有りと判定する。逆相電流平衡リレー判定手段104において事故有りと判定した場合は、遮断器9へ遮断指令を出力する。
(作用効果)
上述したように従来の電流平衡リレー10では、各相電流での不平衡状態を検知して動作するので、タップ位置や負荷電流の影響を受けることになる。ただし、調整巻線3およびタップ巻線4の電流の関係は、巻線3、4に事故(外部事故や直列巻線事故など)が発生していなければ、アンペアターンの法則が成立し、正相分と逆相分の比例関係は同じである。
そこで、第1の実施形態における電流平衡リレー20では、各相電流ではなく、逆相電流に絞って、その平衡性を利用している。すなわち、逆相電流はタップ位置を変更しても発生しない。また、負荷電流は正相成分であるため、負荷電流が変化しても逆相電流が影響を受けることがない。
つまり、タップ位置や負荷電流が変化しても、電流平衡リレー特性は影響を受けることがなく、電流平衡リレー20の検出感度が低下する心配がない。このようなリレー特性を利用した第1の実施形態によれば、あらゆる事故様相に対応することが可能であり、常に高感度で事故の発生を検出することができる。
(2)第2の実施形態
(構成)
続いて、第2の実施形態に係る電流平衡リレー21を図3に示す。電流平衡リレー21は、図13に示した電流平衡リレー10と、上記第1の実施形態における電流平衡リレー20とを組み合わせたものである。
(作用効果)
このような第2の実施形態によれば、各相電流を入力とする従来の電流平衡リレー10が検出可能な事故と、逆相電流を入力とする電流平衡リレー20が検出可能な事故の両方を、検出することができる。そのため、より確実な事故検出が可能となり、検出精度を高めた変圧器の保護方式を提供することができる。
(3)第3の実施形態
(構成)
図4に示す第3の実施形態に係る電流平衡リレー22は、上記第2の実施形態に係る電流平衡リレー21に時限手段105を付加したものである。すなわち、逆相電流平衡リレー判定手段104の出力側に時限手段105を設置している。時限手段105は、一定時限(タイマ)以上、逆相電流平衡リレー判定手段104による事故検出が継続したことを確認した場合にのみ、遮断器9へ遮断指令を出力するようになっている。
(作用効果)
このような第3の実施形態によれば、変圧器の外部で発生した事故などにより瞬間的に逆相電流が発生した場合に、これを変圧器の事故として検出するといった誤動作を防止することが可能である。したがって、信頼性に優れた変圧器の保護方式を提供することができる。
(他の実施形態)
なお、本発明は、以上の実施形態に限定されるものではなく、次のような実施形態も包含する。例えば、上記第1〜第3の実施形態において、逆相電流平衡リレー判定手段104の判定基準に関して、次のような判定条件を加えるようにしてもよい。
すなわち、上記(13)式と、調整巻線電流Ieの逆相電流の最小感度Ikeを設定した(14)式の両方が成立する場合、逆相電流平衡リレー判定手段104が事故有りと判定する(図5の特性図)。あるいは、上記(13)式と、調整巻線電流Itの逆相電流の最小感度Iktを設定した(15)式の両方が成立する場合、逆相電流平衡リレー判定手段104が事故有りと判定する(図6の特性図)。
Figure 0005534753
Figure 0005534753
このような実施形態では、判定基準として逆相電流の最小感度Ike、Iteを加えたことで、調整巻線電流Ieやタップ巻線電流Itに微小な逆相成分が含まれていたとしても、その微小成分が最小感度Ike、Iteを超えない限り、動作することがない。これにより、電流平衡リレーの誤動作を防ぐことができ、事故の検出精度をより高めることができる。
さらに、逆相電流算出手段103において、調整巻線電流Ieおよびタップ巻線電流Itの逆相電流Ie、Itの変化分を算出した上で、この変化分の大きさに基づいて逆相電流平衡リレー判定手段104が事故判定を行うようにしてもよい。
具体的には、逆相電流算出手段103にて、一定時間ΔT内でのIe、Itの変化分を(16)式、(17)式で求める。なお、逆相電流算出手段103は、Ie、Itの変化分を求めるので、算出したIe、ItをΔT以上、保存できる記録機能を有するものとする。
Figure 0005534753
Figure 0005534753
上記の式において、Ie (t)、It (t)は、現在時点tにおける逆相電流Ie、Itであり、Ie (t−ΔT)、It (t−ΔT)は現在時点tよりもΔT時間前の時点での逆相電流Ie、Itである。
この時の電流平衡リレー特性は、図で表すと図7、式で表すと(18)式となり、調整巻線3の逆相電流の変化分ΔIeとタップ巻線4の逆相電流の変化分ΔItの比率Kと最小感度Kで与えられる。逆相電流平衡リレー判定手段104は、(18)式が成立する場合に事故有りと判定する。
Figure 0005534753
以上のような実施形態によれば、逆相電流の変化分Δに基づいて事故判定を行うので、事故前に生じていた逆相電流の影響を受けることがなく、事故検出の感度を安定化させることができる。
さらには、上記(18)式のリレー特性を持つ逆相電流平衡リレー判定手段104において、逆相電流の変化分における最小感度Ike、Iktを予め設定するようにしてもよい。具体的には、上記(18)式と下記の(19)式の両方が成立する場合(図8の特性図)、あるいは、上記(18)式と下記の(20)式の両方が成立する場合(図9の特性図)、事故有りと判定する。
Figure 0005534753
Figure 0005534753
このような実施形態では、逆相電流の変化分Δに基づいて事故判定を行うことによる事故検出感度の安定化と、判定基準に逆相電流の最小感度Ike、Iteを加えることによる事故検出の精度向上を、同時に実現することが可能である。
1…直列巻線
2…励磁巻線
3…調整巻線
4…タップ巻線
5…安定巻線
6〜8…電流計測器(CT)
9…遮断器
10、20、21、22…電流平衡リレー
101…電流入力手段
102…電流平衡リレー判定手段
103…逆相電流算出手段
104…逆相電流平衡リレー判定手段
105…時限手段

Claims (6)

  1. 電流平衡リレーによる変圧器の保護方式において、
    前記変圧器は、第1の巻線と、第2の巻線とを有し、
    前記第1の巻線が、位相調整器の調整巻線若しくは負荷時電圧調整器の励磁巻線であり、
    前記第2の巻線が、前記位相調整器のタップ巻線若しくは前記負荷時電圧調整器のタップ巻線であり、
    前記変圧器における前記第1の巻線の逆相電流と前記第2の巻線の逆相電流を算出する逆相電流算出ステップと、
    前記第1及び第2の巻線の逆相電流に基づいて変圧器の事故を検出する逆相電流平衡リレー判定ステップと、を含むことを特徴とする変圧器の保護方式。
  2. 前記逆相電流平衡リレー判定ステップでは、前記第1の巻線の逆相電流が一定値以上の大きさにあるときにのみ変圧器の事故を検出することを特徴とする請求項1に記載の変圧器の保護方式。
  3. 前記逆相電流平衡リレー判定ステップでは、単位時間当たりの前記第1の巻線の逆相電流及び前記第2の巻線の逆相電流の変化分を用いて変圧器の事故を検出することを特徴とする請求項1または2に記載の変圧器の保護方式。
  4. 変圧器における各相電流に基づいて変圧器の事故を検出する電流平衡リレー判定ステップを加えたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の変圧器の保護方式。
  5. 前記逆相電流平衡リレー判定ステップでは、一定時限以上、事故検出が継続したことを確認した場合に限り、変圧器の事故を検出することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の変圧器の保護方式。
  6. 電流平衡リレーによる変圧器の保護装置において、
    前記変圧器は、第1の巻線と、第2の巻線とを有し、
    前記第1の巻線が、位相調整器の調整巻線若しくは負荷時電圧調整器の励磁巻線であり、
    前記第2の巻線が、前記位相調整器のタップ巻線若しくは前記負荷時電圧調整器のタップ巻線であり、
    前記変圧器における前記第1の巻線の逆相電流と前記第2の巻線の逆相電流を算出する逆相電流算出手段と、
    前記第1及び第2の巻線の逆相電流に基づいて変圧器の事故を検出する逆相電流平衡リレー判定手段と、を備えたことを特徴とする変圧器の保護装置。
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