JP5533592B2 - ボールジョイント用ダストカバー - Google Patents

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Description

本発明は、ボールジョイント用ダストカバーに関する。
また、本発明は、自動車懸架装置、操舵装置等に使用されるボールジョイント用ダストカバーに関する。
従来、ボールジョイント継ぎ手部の防塵、防水を目的としてダストカバーが装着されているボールジョイントとしては、図3に記載のボールジョイント用ダストカバーが知られている。(特許文献1、2)
この種ボールジョイント用ダストカバーのシール構造は、図3に示す様に、ボールスタッド100の一端に形成された球頭部200がソケット300内に保持されている。
そして、ボールスタッド100の他端の軸部400は、ナックル500に締め付け固定されている。
一方、ゴム状弾性材製ダストカバー600の一端大径開口部800が、ソケット300の外周面にスナップリング900により固定保持され、他端小径開口部150が軸部400に保持された構成となっている。
そして、大径開口部800と小径開口部150とを連結している膜部700全体が外側に張り出した鼓形状を呈している。
そして、この種従来のダストカバー600は、ボールジョイント内への水やダスト等の浸入防止と、ボールジョイント内のグリースの流出防止の役割とを担っている。
しかし、ダストカバー600は、ゴム状弾性材製である為、小石等の衝突、周辺部材との接触等により破損する危険性を有している。
そして、ダストカバー600が破損した場合は、直ちに、ボールジョイント内のグリースの流出や、ボールジョイント内への水やダスト等の浸入を許容する問題を惹起した。
そこで、ダストカバーを二重にして使用する態様が提案された。(特許文献3)
しかしながら、小径開口部において二重膜構造となっている為、小径開口部における十分な密封性が得られない問題を招来した。
実開平4−32313号公報 特開2004−92776号公報 実開平1−60078号公報
本発明は、小石等の衝突、周辺部材との接触等により、ダストカバーの膜部が破れたとしても、ダストカバーの性能を維持すると共に、小径開口部における、シール機能の低下する問題が無い、ボールジョイント用ダストカバーを提供することを目的とする。
本発明に係るボールジョイント用ダストカバーは、ボールスタッドの一端に形成された球頭部がソケット内に保持され、前記ボールスタッドの他端の軸部はナックルに締め付け固定され、一端大径開口部が前記ソケットの外周面に固定保持され、他端小径開ロ部が前記軸部に嵌合保持された断面L字形状のリテーナー外周面に保持され、前記大径開口部と前記小径開口部とを連結している外側に張り出した略鼓形状の膜部を備えたゴム状弾性材製ボールジョイント用ダストカバーにおいて、
一端が前記リテーナーに一体的に固着され、他端が前記ソケットの外周面に固定保持された、前記膜部の内側に存在する略鼓形状のゴム状弾性材製内側膜部を備えていることを特徴とする。
本発明は、以下に記載されるような効果を奏する。
請求項1記載の発明のボールジョイント用ダストカバーによれば、小石等の衝突、周辺部材との接触等により、ダストカバーの膜部が破れたとしても、ダストカバーの性能を維持すると共に、小径開口部における、シール機能の低下する問題が無い。
更に、請求項2記載の発明のボールジョイント用ダストカバーによれば、従来使用しているスナップリングを利用出来る為、安価に製造出来る。
更に、請求項3記載の発明のボールジョイント用ダストカバーによれば、大径開口部におけるシール機能も、従来と同様の良好なシール機能を発揮出来ると共に、二重膜構造においても、大径開口部の抜け防止機能の信頼性を、より高める事が出来る。
更に、請求項4記載の発明のボールジョイント用ダストカバーによれば、ダストカバーの伸縮機能を阻害する事が無い。
更に、請求項5記載の発明のボールジョイント用ダストカバーによれば、ボールジョイントの内側と外側との環境の違いに適した材質を選べるため、ダストカバーの信頼性を高める事が出来る。
本発明に係る、ボールジョイント用ダストカバーの縦断面図。 本発明に係る第2の態様を縦断面で示した図。 従来技術に係るボールジョイント用ダストカバーの縦断面図。
以下、本発明を実施するための形態について説明する。
図1に示される様に、本発明に係るボールジョイント用ダストカバーの態様は、ボールスタッド1の一端に形成された球頭部2がソケット3内に保持され、このボールスタッド1の他端の軸部4はナックル5に締め付け固定され、一端大径開口部8がソケット3の外周面に固定保持され、他端小径開ロ部15が軸部4に嵌合保持された断面L字形状のリテーナー6外周面に保持され、この大径開口部8と小径開口部15とを連結している外側に張り出した略鼓形状の膜部7を備える基本的構成を備えている。
そして、一端711がリテーナー6に一体的に固着され、他端712がソケット3の外周面に固定保持された、膜部7の内側に存在する略鼓形状のゴム状弾性材製内側膜部71を備えている構成としている。
この第1の態様においては、内側膜部71の他端712は、ソケット3の外周面と、大径開口部8内周面との間に、大径開口部8外周面に嵌合したスナップリング9により、締め付け固定されている。
更に、小径開口部15の内周面には、リテーナー6外周面と密接するシールリップ部151が形成されている。
このことにより、二重膜構造においても、小径開口部15の良好なシール機能を発揮出来る為、膜部7と内側膜部71との間隙に、水やダスト等が浸入し、ダストカバーの機能が損なわれる事が無い。
更に、内側膜部71の肉厚は、膜部7の肉厚に比べ薄く形成されている。
この為、二重膜構造においても、ダストカバーの伸縮機能が阻害される事が無い。
ついで、図2に基づき、本発明に係る第2の態様を説明する。
第1の態様と相違する点は、内側膜部71の他端712が、ソケット3の外周面に嵌合固定された圧入環72に一体的に固着され、大径開口部8が圧入環72の外周面に嵌合固定される構成となっている点である。
更に、大径開口部8には、圧入環72の外周面と係合する係止環81が埋設されている。
この為、大径開口部8におけるシール機能も、従来と同様の良好なシール機能を発揮出来ると共に、二重膜構造においても、大径開口部8の抜け防止機能の信頼性を、より高める事が出来る。
また、膜部7及内側膜部71の材質は、クロロプレン等のゴム状弾性材や、ポリエステル系エラストマー、熱可塑性ポリウレタン等の熱可塑性エラストマーから、適宜用途に合わせ選択して使用される。
更に、ボールジョイントの内側と外側との環境の違いに適した構成とする為に、内側膜部71の材質と、膜部7の材質とが異なる材質を使用する事により、ダストカバーの信頼性を高める事が出来る。
また、本発明は上述の発明を実施するための最良の形態に限らず本発明の要旨を逸脱することなくその他種々の構成を採り得ることはもちろんである。
自動車の懸架装置及び操舵装置等に使用されるボールジョイントに使用できる。
1 ボールスタッド
2 球頭部
3 ソケット
4 軸部
5 ナックル
6 リテーナー
7 膜部
8 大径開口部
9 スナップリング
15 小径開口部
71 内側膜部
72 圧入環
81 係止環
711一端
712他端

Claims (5)

  1. ボールスタッド(1)の一端に形成された球頭部(2)がソケット(3)内に保持され、
    前記ボールスタッド(1)の他端の軸部(4)はナックル(5)に締め付け固定され、一
    端大径開口部(8)が前記ソケット(3)の外周面に固定保持され、他端小径開ロ部(15)が前記軸部(4)に嵌合保持された断面L字形状のリテーナー(6)外周面に保持され、前記大径開口部(8)と前記小径開口部(15)とを連結している外側に張り出した略鼓形状の膜部(7)を備えた弾性材製ボールジョイント用ダストカバーにおいて、
    一端(711)が前記リテーナー(6)に一体的に固着され、他端(712)が前記ソケット(3)の外周面に固定保持された、前記膜部(7)の内側に存在する略鼓形状の弾性材製内側膜部(71)を備えていることを特徴とするボールジョイント用ダストカバー。
  2. 前記内側膜部(71)の他端(712)は、前記ソケット(3)の外周面と、前記大径開口部(8)との間に、前記大径開口部(8)外周面に嵌合したスナップリング(9)により締め付け固定されていることを特徴とする請求項1記載のボールジョイント用ダストカバー。
  3. 前記内側膜部(71)の他端(712)は、前記ソケット(3)の外周面に嵌合固定された圧入環(72)に一体的に固着され、前記大径開口部(8)が前記圧入環(72)の外周面に嵌合固定されると共に、前記大径開口部(8)には、前記圧入環(72)の外周面と係合する係止環(81)が埋設されていることを特徴とする請求項1記載のボールジョイント用ダストカバー。
  4. 前記内側膜部(71)の肉厚は、前記膜部(7)の肉厚に比べ薄く形成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のボールジョイント用ダストカバー。
  5. 前記内側膜部(71)の材質と、前記膜部(7)の材質とが異なる材質を使用していることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のボールジョイント用ダストカバー。
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