JP5532809B2 - インクジェット記録用インク組成物 - Google Patents
インクジェット記録用インク組成物 Download PDFInfo
- Publication number
- JP5532809B2 JP5532809B2 JP2009229814A JP2009229814A JP5532809B2 JP 5532809 B2 JP5532809 B2 JP 5532809B2 JP 2009229814 A JP2009229814 A JP 2009229814A JP 2009229814 A JP2009229814 A JP 2009229814A JP 5532809 B2 JP5532809 B2 JP 5532809B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- acrylate
- ink composition
- parts
- meth
- weight
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Landscapes
- Ink Jet (AREA)
- Ink Jet Recording Methods And Recording Media Thereof (AREA)
- Inks, Pencil-Leads, Or Crayons (AREA)
Description
本発明は、インクジェット記録用インク組成物に関し、より詳細には、とりわけテキスタイル用のインクジェット記録用インクとして、発色性や定着性に優れるとともに、吐出安定性や目詰まり回復性にも優れるインクジェット記録用インク組成物に関する。
インクジェット記録インク用の着色剤として、その耐水性や耐光性等の堅牢性に優れることから、顔料が利用されている。顔料は水への溶解性が劣るため、界面活性剤や高分子等の分散剤をインク中に添加して顔料の分散安定性を向上させている。分散剤としては、疎水性部と親水性部とを併せ持つような樹脂、例えばスチレン−アクリル共重合体樹脂等が一般的に用いられている。
前記分散体が、8〜98重量%のシクロヘキシルアクリレートおよび/またはベンジルアクリレートと、1〜31重量%のメタクリル酸と、1〜25重量%のアクリル酸とを主成分として共重合された、10〜200mgKOH/gの酸価を有する樹脂を含んでなり、
前記高分子微粒子が、
モノマー構成成分として、少なくとも、エチルアクリレートを含む70重量%以上のアルキル(メタ)アクリレートおよび/または環状アルキル(メタ)アクリレートと、(メタ)アクリル酸と、飽和または不飽和の環を有するエチレン性不飽和モノマーと、を少なくとも含んでなり、そのガラス転移温度が0℃以下、かつ酸価が50mgKOH/g以下であるのものである。
本発明によるインクジェット記録用インクに用いられる高分子微粒子は、少なくとも、エチルアクリレートを含む70重量%以上のアルキル(メタ)アクリレートおよび/または環状アルキル(メタ)アクリレートと、(メタ)アクリル酸と、飽和または不飽和の環を有するエチレン性不飽和モノマーと、を少なくとも含むモノマー構成成分を、共重合することにより得られるものである。エチルアクリレートを含む70重量%以上のアルキル(メタ)アクリレートおよび/または環状アルキル(メタ)アクリレートを含むことにより、テキスタイル用として布に印捺した場合の乾摩擦および湿摩擦の摩擦堅牢性が向上する。また、飽和または不飽和の環を有するエチレン性不飽和モノマーを含有することにより、インクの吐出安定性が向上する。
本発明によるインク組成物は、顔料をポリマーにより水に分散可能とした分散体を含んでなる。この顔料分散体として、本発明においては、8〜98重量%のシクロヘキシルアクリレートおよび/またはベンジルアクリレートと、1〜31重量%のメタクリル酸と、1〜25重量%のアクリル酸とを主成分として共重合された、10〜200mgKOH/gの酸価を有する樹脂を用いる。このような顔料分散剤と上記ポリマーと組み合わせて用いることにより、カラー画像の光沢性、ブロンズ防止性の他、吐出安定性、目詰まり防止性、発色安定性や銀塩に匹敵する高画質を実現することができる。
アミノ基を有する(メタ)アクリレートとしては、特に限定されず、2−(ジメチルアミノ)エチルメタクリレート、2−(ジエチルアミノ)エチルメタクリレート、2−(ジメチルアミノ)エチルアクリレート、モルフォリノエチルアクリレート等が挙げられる。これらは単独で用いられてもよく、2種以上を併用されてもよい。
本発明によるインクジェット記録用インク組成物に用いられる顔料としては、黒色インク用として、ファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック等のカーボンブラック(C.I.ピグメントブラック7)類が特に好ましいが、銅酸化物、鉄酸化物(C.I.ピグメントブラック11)、酸化チタン等の金属類、アニリンブラック(C.I.ピグメントブラック1)等の有機顔料を用いることもできる。
本発明によるインク組成物は、主溶媒として水を含んでなる。水は、イオン交換水、限外濾過水、逆浸透水、蒸留水等の純水、または超純水を用いることができる。また、紫外線照射、または過酸化水素添加などにより滅菌した水を用いることにより、インク組成物を長期保存する場合にカビまたはバクテリアの発生を防止することができるので好適である。
本発明によるインク組成物は、上記した成分を、分散/混合機(例えば、ボールミル、サンドミル、アトライター、バスケットミル、ロールミル等)に供給し、分散させることにより調製されてよい。本発明の好ましい態様によれば、上記した分散/混合機により得られたインク原液をメンブランフィルターやメッシュフィルター等のフィルターを用いて濾過し、粗大粒子を除去することが好ましい。
本発明によるインク組成物が用いられるインクジェット記録方法は、インク組成物の液滴を吐出し、該液滴を加熱された記録媒体に付着させて印字を行うものである。インク組成物の液滴を吐出する方法の例としては、例えば電歪素子を用いて電気信号を機械信号に変換して、ノズルヘッド部分に貯えたインクを断続的に吐出して記録媒体表面に文字や記号を記録する方法、ノズルヘッド部分に貯えたインクを吐出部分に極めて近い箇所で急速に加熱し泡を発生させ、その泡による体積膨張で断続的に吐出することで記録媒体表面に文字や記号を記録する方法が挙げられる。本発明においては、ピエゾ素子のような、加熱によらない電歪素子を用いた方法により吐出されることが好ましい。サーマルヘッドのような加熱による素子を用いた場合、添加したポリマーや、顔料分散剤であるポリマーが変質して吐出が不安定になる場合がある。特に、テキスタイル用のインクジェットインクのように大量のインクを長時間に渡って吐出させる場合は、加熱によらない電歪素子を用いた方法により吐出されることが好ましい。
エマルジョンA
滴下装置、温度計、水冷式還流コンデンサー、攪拌機を備えた反応容器に、イオン交換水100部を入れ、攪拌しながら窒素雰囲気70℃で、重合開始剤の過流酸カリを0.2部添加しておき、イオン交換水7部にラウリル硫酸ナトリウムを0.05部、エチルアクリレート30部、ブチルアクリレート8部、スチレン5部およびt−ドデシルメルカプタン0.02部を入れたモノマー溶液を、70℃に滴下して反応させて1次物質を調製した。この1次物質に、過流酸アンモニウム10%溶液2部を添加して攪拌し、さらにイオン交換水30部、ラウリル硫酸カリ0.2部、エチルアクリレート40部、ブチルアクリレート5部、メタクリル酸2部、スチレン10部、t−ドデシルメルカプタン0.5部からなる反応液を70℃で攪拌しながら添加して重合反応させた後、水酸化ナトリウムで中和しpH8〜8.5にして0.3μmのフィルターでろ過することにより、高分子微粒子水分散液(EM−A)を得た。この高分子微粒子水分散液の一部を採取して乾燥させた後、示差走査型熱量計(EXSTAR6000DSC、セイコー電子工業株式会社製)によりガラス転移温度を測定したところ−15℃であった。また、GPC測定装置(L7100、株式会社日立製作所製)を用いて、溶剤をTHFとして測定したときのスチレン換算分子量を測定したところ200,000であった。また、滴定法による酸価は10mgKOH/gであった。
滴下装置、温度計、水冷式還流コンデンサー、攪拌機を備えた反応容器に、イオン交換水100部を入れ、攪拌しながら窒素雰囲気70℃で、重合開始剤の過流酸カリを0.2部添加しておき、イオン交換水7部にラウリル硫酸ナトリウムを0.05部、エチルアクリレート30部、ブチルアクリレート5部、スチレン5部およびt−ドデシルメルカプタン0.02部を入れたモノマー溶液を、70℃に滴下して反応させて1次物質を調製した。この1次物質に、過流酸アンモニウム10%溶液2部を添加して攪拌し、さらにイオン交換水30部、ラウリル硫酸カリ0.2部、エチルアクリレート43部、ヒドロキシエチルメタクリレート1部、アクリル酸1部、スチレン15部、t−ドデシルメルカプタン0.5部からなる反応液を70℃で攪拌しながら添加して重合反応させた後、水酸化ナトリウムで中和しpH8〜8.5にして0.3μmのフィルターでろ過することにより、高分子微粒子水分散液(EM−B)を得た。EM−Bのガラス転移温度、スチレン換算分子量および酸価を、上記と同様にして測定したところ、それぞれ、−13℃、220,000、10mgKOH/gであった。
滴下装置、温度計、水冷式還流コンデンサー、攪拌機を備えた反応容器に、イオン交換水100部を入れ、攪拌しながら窒素雰囲気70℃で、重合開始剤の過流酸カリを0.2部添加しておき、イオン交換水7部にラウリル硫酸ナトリウムを0.05部、エチルアクリレート30部、ブチルアクリレート10部、エチルカルビトールアクリレート8部、スチレン5部およびt−ドデシルメルカプタン0.02部を入れたモノマー溶液を、70℃に滴下して反応させて1次物質を調製した。この1次物質に、過流酸アンモニウム10%溶液2部を添加して攪拌し、さらにイオン交換水30部、ラウリル硫酸カリ0.2部、エチルアクリレート30部、ブチルアクリレート5部、アクリル酸2部、スチレン10部、t−ドデシルメルカプタン0.5部からなる反応液を70℃で攪拌しながら添加して重合反応させた後、水酸化ナトリウムで中和しpH8〜8.5にして0.3μmのフィルターでろ過することにより、高分子微粒子水分散液(EM−C)を得た。EM−Cのガラス転移温度、スチレン換算分子量および酸価を、上記と同様にして測定したところ、それぞれ、−10℃、190,000、10mgKOH/gであった。
滴下装置、温度計、水冷式還流コンデンサー、攪拌機を備えた反応容器に、イオン交換水100部を入れ、攪拌しながら窒素雰囲気70℃で、重合開始剤の過流酸カリを0.2部添加しておき、イオン交換水7部にラウリル硫酸ナトリウムを0.05部、エチルアクリレート30部、ブチルアクリレート10部、ブチルメタクリレート3部、スチレン5部およびt−ドデシルメルカプタン0.02部を入れたモノマー溶液を、70℃に滴下して反応させて1次物質を調製した。この1次物質に、過流酸アンモニウム10%溶液2部を添加して攪拌し、さらにイオン交換水30部、ラウリル硫酸カリ0.2部、エチルアクリレート30部、ブチルアクリレート11部、アクリル酸1部、スチレン10部、t−ドデシルメルカプタン0.5部からなる反応液を70℃で攪拌しながら添加して重合反応させた後、水酸化ナトリウムで中和しpH8〜8.5にして0.3μmのフィルターでろ過することにより、高分子微粒子水分散液(EM−D)を得た。EM−Dのガラス転移温度、スチレン換算分子量および酸価を、上記と同様にして測定したところ、それぞれ、−7℃、150,000、10mgKOH/gであった。
滴下装置、温度計、水冷式還流コンデンサー、攪拌機を備えた反応容器に、イオン交換水100部を入れ、攪拌しながら窒素雰囲気70℃で、重合開始剤の過流酸カリを0.2部添加しておき、イオン交換水7部にラウリル硫酸ナトリウムを0.05部、エチルアクリレート35部、ブチルアクリレート3部、スチレン5部およびt−ドデシルメルカプタン0.02部を入れたモノマー溶液を、70℃に滴下して反応させて1次物質を調製した。この1次物質に、過流酸アンモニウム10%溶液2部を添加して攪拌し、さらにイオン交換水30部、ラウリル硫酸カリ0.2部、エチルアクリレート35部、ブチルアクリレート3部、アクリル酸5部、スチレン10部、t−ドデシルメルカプタン0.5部からなる反応液を70℃で攪拌しながら添加して重合反応させた後、水酸化ナトリウムで中和しpH8〜8.5にして0.3μmのフィルターでろ過することにより、高分子微粒子水分散液(EM−E)を得た。EM−Eのガラス転移温度、スチレン換算分子量および酸価を、上記と同様にして測定したところ、それぞれ、−5℃、200,000、50mgKOH/gであった。
滴下装置、温度計、水冷式還流コンデンサー、攪拌機を備えた反応容器に、イオン交換水100部を入れ、攪拌しながら窒素雰囲気70℃で、重合開始剤の過流酸カリを0.2部添加しておき、イオン交換水7部にラウリル硫酸ナトリウムを0.05部、エチルアクリレート40部、2−エチルヘキシルアクリレート3部、スチレン5部およびt−ドデシルメルカプタン0.02部を入れたモノマー溶液を、70℃に滴下して反応させて1次物質を調製した。この1次物質に、過流酸アンモニウム10%溶液2部を添加して攪拌し、さらにイオン交換水30部、ラウリル硫酸カリ0.2部、エチルアクリレート40部、ブチルアクリレート2部、メタクリル酸5部、スチレン5部、t−ドデシルメルカプタン0.5部からなる反応液を70℃で攪拌しながら添加して重合反応させた後、水酸化ナトリウムで中和しpH8〜8.5にして0.3μmのフィルターでろ過することにより、高分子微粒子水分散液(EM−F)を得た。EM−Fのガラス転移温度、スチレン換算分子量および酸価を、上記と同様にして測定したところ、それぞれ、−23℃、300,000、30mgKOH/gであった。
滴下装置、温度計、水冷式還流コンデンサー、攪拌機を備えた反応容器に、イオン交換水100部を入れ、攪拌しながら窒素雰囲気70℃で、重合開始剤の過流酸カリを0.2部添加しておき、イオン交換水7部にラウリル硫酸ナトリウムを0.05部、エチルアクリレート40部、スチレン5部およびt−ドデシルメルカプタン0.02部を入れたモノマー溶液を、70℃に滴下して反応させて1次物質を調製した。この1次物質に、過流酸アンモニウム10%溶液2部を添加して攪拌し、さらにイオン交換水30部、ラウリル硫酸カリ0.2部、エチルアクリレート48部、メタクリル酸3部、スチレン4部、t−ドデシルメルカプタン0.5部からなる反応液を70℃で攪拌しながら添加して重合反応させた後、水酸化ナトリウムで中和しpH8〜8.5にして0.3μmのフィルターでろ過することにより、高分子微粒子水分散液(EM−G)を得た。EM−Gのガラス転移温度、スチレン換算分子量および酸価を、上記と同様にして測定したところ、それぞれ、−19℃、250,000、20mgKOH/gであった。
滴下装置、温度計、水冷式還流コンデンサー、攪拌機を備えた反応容器に、イオン交換水100部を入れ、攪拌しながら窒素雰囲気70℃で、重合開始剤の過流酸カリを0.2部添加しておき、イオン交換水7部にラウリル硫酸ナトリウムを0.05部、エチルアクリレート30部、メチルアクリレート5部、エチルカルビトールアクリレート4部、スチレン5部およびt−ドデシルメルカプタン0.02部を入れたモノマー溶液を、70℃に滴下して反応させて1次物質を調製した。この1次物質に、過流酸アンモニウム10%溶液2部を添加して攪拌し、さらにイオン交換水30部、ラウリル硫酸カリ0.2部、エチルアクリレート20部、ブチルアクリレート15部、ヒドロキシエチルメタクリレート10部、メタクリル酸1部、スチレン10部、t−ドデシルメルカプタン0.5部からなる反応液を70℃で攪拌しながら添加して重合反応させた後、水酸化ナトリウムで中和しpH8〜8.5にして0.3μmのフィルターでろ過することにより、高分子微粒子水分散液(EM−H)を得た。EM−Hのガラス転移温度、スチレン換算分子量および酸価を、上記と同様にして測定したところ、それぞれ、−7℃、210,000、10mgKOH/gであった。
滴下装置、温度計、水冷式還流コンデンサー、攪拌機を備えた反応容器に、イオン交換水100部を入れ、攪拌しながら窒素雰囲気70℃で、重合開始剤の過流酸カリを0.2部添加しておき、イオン交換水7部にラウリル硫酸ナトリウムを0.05部、エチルアクリレート30部、メチルアクリレート5部、ブチルメタクリレート2部、スチレン10部およびt−ドデシルメルカプタン0.02部を入れたモノマー溶液を、70℃に滴下して反応させて1次物質を調製した。この1次物質に、過流酸アンモニウム10%溶液2部を添加して攪拌し、さらにイオン交換水30部、ラウリル硫酸カリ0.2部、エチルアクリレート30部、メチルアクリレート4部、ヒドロキシエチルメタクリレート3部、メタクリル酸1部、スチレン15部、t−ドデシルメルカプタン0.5部からなる反応液を70℃で攪拌しながら添加して重合反応させた後、水酸化ナトリウムで中和しpH8〜8.5にして0.3μmのフィルターでろ過することにより、高分子微粒子水分散液(EM−I)を得た。EM−Iのガラス転移温度、スチレン換算分子量および酸価を、上記と同様にして測定したところ、それぞれ、−2℃、160,000、10mgKOH/gであった。
滴下装置、温度計、水冷式還流コンデンサー、攪拌機を備えた反応容器に、イオン交換水100部を入れ、攪拌しながら窒素雰囲気70℃で、重合開始剤の過流酸カリを0.2部添加しておき、イオン交換水7部にラウリル硫酸ナトリウムを0.05部、エチルアクリレート40部、スチレン4部およびt−ドデシルメルカプタン0.02部を入れたモノマー溶液を、70℃に滴下して反応させて1次物質を調製した。この1次物質に、過流酸アンモニウム10%溶液2部を添加して攪拌し、さらにイオン交換水30部、ラウリル硫酸カリ0.2部、エチルアクリレート40部、2−エチルヘキシルアクリレート10部、アクリル酸1部、スチレン5部、t−ドデシルメルカプタン0.5部からなる反応液を70℃で攪拌しながら添加して重合反応させた後、水酸化ナトリウムで中和しpH8〜8.5にして0.3μmのフィルターでろ過することにより、高分子微粒子水分散液(EM−J)を得た。EM−Jのガラス転移温度、スチレン換算分子量および酸価を、上記と同様にして測定したところ、それぞれ、−27℃、230,000、20mgKOH/gであった。
滴下装置、温度計、水冷式還流コンデンサー、攪拌機を備えた反応容器に、イオン交換水100部を入れ、攪拌しながら窒素雰囲気70℃で、重合開始剤の過流酸カリを0.2部添加しておき、イオン交換水7部にラウリル硫酸ナトリウムを0.05部、エチルアクリレート30部、ブチルアクリレート10部、エチルカルビトールアクリレート7部およびt−ドデシルメルカプタン0.02部を入れたモノマー溶液を、70℃に滴下して反応させて1次物質を調製した。この1次物質に、過流酸アンモニウム10%溶液2部を添加して攪拌し、さらにイオン交換水30部、ラウリル硫酸カリ0.2部、エチルアクリレート40部、メチルアクリレート5部、メタクリル酸2部、スチレン6部、t−ドデシルメルカプタン0.5部からなる反応液を70℃で攪拌しながら添加して重合反応させた後、水酸化ナトリウムで中和しpH8〜8.5にして0.3μmのフィルターでろ過することにより、高分子微粒子水分散液(EM−K)を得た。EM−Kのガラス転移温度、スチレン換算分子量および酸価を、上記と同様にして測定したところ、それぞれ、−10℃、270,000、10mgKOH/gであった。
エマルジョンAにおいて、エチルアクリレートの全量をヒドロキシエチルメタクリレートに変更するとともに、ブチルアクリレートの全量をエチルカルビトールアセテートに変更する以外は同様にして高分子微粒子水分散液(EM−L)を得た。EM−Lのガラス転移温度、スチレン換算分子量および酸価を、上記と同様にして測定したところ、それぞれ、−9℃、180,000、10mgKOH/gであった。
エマルジョンBにおいて、アクリル酸の全量をヒドロキシエチルメタクリレートに変更する以外は同様にして高分子微粒子水分散液(EM−M)を得た。EM−Mのガラス転移温度、スチレン換算分子量および酸価を、上記と同様にして測定したところ、それぞれ、−11℃、160,000、10mgKOH/gであった。
エマルジョンCにおいて、スチレンの全量をエチルカルビトールアクリレートに変更する以外は同様にして高分子微粒子水分散液(EM−N)を得た。EM−Nのガラス転移温度、スチレン換算分子量および酸価を、上記と同様にして測定したところ、それぞれ、−14℃、240,000、10mgKOH/gであった。
エマルジョンDにおいて、ブチルアクリレートの全量をエチルカルビトールアクリレートに変更する以外は同様にして高分子微粒子水分散液(EM−O)を得た。EM−Oのガラス転移温度、スチレン換算分子量および酸価を、上記と同様にして測定したところ、それぞれ、2℃、170,000、10mgKOH/gであった。
エマルジョンEにおいて、アクリル酸を7部にし、ブチルアクリレートを4部とした以外は同様にして高分子微粒子水分散液(EM−P)を得た。EM−Pのガラス転移温度、スチレン換算分子量および酸価を、上記と同様にして測定したところ、それぞれ、−3℃、230,000、60mgKOH/gであった。
滴下装置、温度計、水冷式還流コンデンサー、攪拌機を備えた反応容器に、攪拌しながら窒素雰囲気70℃で、ベンジルアクリレート30部、アクリル酸1部およびt−ドデシルメルカプタン0.12部からなるモノマー溶液を入れて70℃に加熱し、別に用意したベンジルアクリレート61部、アクリル酸6部、ブチルアクリレート2部、t−ドデシルメルカプタン0.4部および過硫酸ナトリウム0.4部を滴下ロー路に入れて反応溶液に滴下しながら添加して反応させた。さらに、反応容器に水130部を添加して攪拌した後、水酸化ナトリウムで中和しpH8〜8.5にして0.3μmのフィルターでろ過することにより、高分子微粒子水分散液(EM−Q)を得た。EM−Qのガラス転移温度、スチレン換算分子量および酸価を、上記と同様にして測定したところ、それぞれ、40℃、200,000、20mgKOH/gであった。
攪拌装置、還流管、温度計および滴下ロートを備えた2000mlのセパラブルフラスコ内を窒素置換した後、ジエチレングリコールモノメチルエーテルを200部フラスコ内に投入して攪拌しながら80℃に昇温した。次いで、滴下ロートに、ジエチレングリコールモノメチルエーテルを200部と、ベンジルアクリレートを483部と、メタクリル酸27部と、アクリル酸を36部と、t−ブチルパーオキシ(2−エチルヘキサノエート)を7.8部入れ、80℃で4時間かけてフラスコ中に滴下してモノマーを反応させた。滴下終了後、80℃で1時間保持した後、t−ブチルパーオキシ(2−エチルヘキサノエート)を0.8部加え、さらに80℃で1時間反応させた。その後、減圧蒸留により、ジエチレングリコールモノメチルエーテルを除去した。続いて、フラスコ内に、メチルエチルケトンを600部添加することにより、樹脂固形分50%のポリマー溶液を得た。
上記のようにして得られた高分子微粒子溶液および顔料分散体を用い、下記表2に示した組成に従い、インクジェット記録用インクを調製した。水として、インクの腐食防止のためトップサイド240(パーマケムアジア社製)を0.05%、インクジェットヘッド部材の腐食防止のためベンゾトリアゾールを0.02%、インク系中の金属イオンの影響を低減するためにEDTA(エチレンジアミン四酢酸)・2Na塩を0.04%それぞれイオン交換水に添加したものを用いた。
染色堅牢度試験
得られた各インクについて、インクジェットプリンター(PX−G930、セイコーエプソン株式会社製)を用いて、綿布にベタ印字し150℃で5分間加熱処理を行い染色堅牢度試験用のサンプルを作製した。得られた印字サンプルについて、日本工業規格(JIS)JIS L0849:2004の摩擦試験機II形による方法に従い、乾燥と湿潤の摩擦堅牢性試験を行った。評価装置は学振式摩擦堅牢性試験機(AB−301S、テスター産業株式会社)を用い、荷重200gで100回擦る方法で実施した。また、得られた印字サンプルについて、洗濯堅牢度試験をJIS L0844:2005 B−5法、ドライクリーニング試験をJIS L0860:1996のB法によって評価した。評価結果は下記の表3に示される通りであった。
得られた各インクについて、インクジェットプリンター(PX−G930、セイコーエプソン株式会社製)を用いて、35℃35%雰囲気で富士ゼロックス社製のXeroxP紙A4判にマイクロソフトワードで文字サイズ11の標準、MSPゴシックで4000字/ページの割合で1000ページ印刷して評価した。評価基準は以下の通りとした。
Claims (15)
- 顔料を水に分散可能とした分散体と、高分子微粒子と、を少なくとも含んでなるインクジェット捺染記録用インク組成物であって、
前記分散体が、8〜98重量%のシクロヘキシルアクリレートおよび/またはベンジルアクリレートと、1〜31重量%のメタクリル酸と、1〜25重量%のアクリル酸とを主成分として共重合された、10〜200mgKOH/gの酸価を有する樹脂を含んでなり、
前記高分子微粒子が、
モノマー構成成分として、少なくとも、エチルアクリレートを含む70重量%以上のアルキル(メタ)アクリレートおよび/または環状アルキル(メタ)アクリレートと、(メタ)アクリル酸と、飽和または不飽和の環を有するエチレン性不飽和モノマーと、を少なくとも含んでなり、そのガラス転移温度が0℃以下、かつ酸価が50mgKOH/g以下である、インクジェット記録用インク組成物。 - 前記アルキル(メタ)アクリレートが、炭素数1〜24のアルキル(メタ)アクリレートである、請求項1に記載のインク組成物。
- 前記環状アルキル(メタ)アクリレートが、炭素数3〜24の環状アルキル(メタ)アクリレートである、請求項1または2に記載のインク組成物。
- 前記高分子微粒子が、モノマー構成成分として、エチルアクリレートを60〜80重量%含んでなる、請求項1〜3のいずれか一項に記載のインク組成物。
- 前記アルキル(メタ)アクリレートおよび/または環状アルキル(メタ)アクリレートと飽和または不飽和の環を有するエチレン性不飽和モノマーとの含有比が、3:1〜10:1である、請求項1〜4のいずれか一項に記載のインク組成物。
- 前記飽和または不飽和の環を有するエチレン性不飽和モノマーがスチレンである、請求項1〜5のいずれか一項に記載のインク組成物。
- 前記高分子微粒子のガラス転移温度が−5〜−25℃である、請求項1〜6のいずれか一項に記載のインク組成物。
- 前記高分子微粒子の酸価が、30mgKOH/g以下である、請求項1〜7のいずれか一項に記載のインク組成物。
- 前記高分子微粒子が、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによるスチレン換算の重量平均分子量が100,000〜1,000,000である、請求項1〜8のいずれか一項に記載のインク組成物。
- 前記分散体樹脂の、シクロヘキシルアクリレートおよび/またはベンジルアクリレートの含有量が、30〜95重量%である、請求項1〜9のいずれか一項に記載のインク組成物。
- 前記分散体樹脂が、モノマー成分として、20重量%以下の長鎖アルキル基を有する(メタ)アクリレートをさらに含んでなる、請求項1〜10のいずれか一項に記載のインク組成物。
- 前記高分子微粒子が、重量基準において、前記顔料よりも多く含まれている、請求項1〜11のいずれか一項に記載のインク組成物。
- 1,2−アルキレングリコールをさらに含んでなる、請求項1〜12のいずれか一項に記載のインク組成物。
- アセチレングリコール系界面活性剤および/またはアセチレンアルコール系界面活性剤をさらに含んでなる、請求項1〜13のいずれか一項に記載のインク組成物。
- 請求項1〜14のいずれか一項に記載のインク組成物を用いる、インクジェット捺染方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009229814A JP5532809B2 (ja) | 2009-10-01 | 2009-10-01 | インクジェット記録用インク組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009229814A JP5532809B2 (ja) | 2009-10-01 | 2009-10-01 | インクジェット記録用インク組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2011074318A JP2011074318A (ja) | 2011-04-14 |
JP5532809B2 true JP5532809B2 (ja) | 2014-06-25 |
Family
ID=44018634
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2009229814A Active JP5532809B2 (ja) | 2009-10-01 | 2009-10-01 | インクジェット記録用インク組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5532809B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP6769516B1 (ja) * | 2019-04-23 | 2020-10-14 | 東洋インキScホールディングス株式会社 | 水性インクジェットインキ、水性インクジェットインキセット、印刷物の製造方法、および印刷物 |
Family Cites Families (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4470012B2 (ja) * | 2003-11-19 | 2010-06-02 | 山陽色素株式会社 | インクジェットインク用顔料分散体及びその製造方法 |
CN101861367B (zh) * | 2007-11-15 | 2013-08-28 | 精工爱普生株式会社 | 墨液组合物 |
-
2009
- 2009-10-01 JP JP2009229814A patent/JP5532809B2/ja active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2011074318A (ja) | 2011-04-14 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP2010260956A (ja) | インクジェット記録用インク組成物 | |
JP3649388B2 (ja) | インクジェット記録用インク組成物およびインクジェット記録方法 | |
JP5767953B2 (ja) | 水性顔料インク組成物およびインクジェット記録方法 | |
US20090226678A1 (en) | Liquid composition for making pigment fixed, ink set, method for producing ink jet recorded matter on fabric and ink jet recorded matter on fabric | |
JP2010155959A (ja) | インクセット、印捺物の製造方法および印捺物 | |
JP2010077381A (ja) | インク組成物、インクジェット記録用インク、インクジェット記録方法、インクジェット印刷物の製造方法およびインクジェット印刷物 | |
JP2010155444A (ja) | インクセット、印捺物の製造方法および印捺物 | |
JP2011074321A (ja) | インクジェット記録用インク組成物 | |
JP2009235386A (ja) | インク組成物、インクジェット記録用インク、インクジェット記録方法、インクジェット印刷物の製造方法、およびインクジェット印刷物 | |
US7678846B2 (en) | Ink-jet recording ink | |
JP2011088977A (ja) | インクジェット記録用インク組成物の製造方法 | |
JP5532810B2 (ja) | インクジェット記録用インク組成物 | |
US20090233063A1 (en) | Liquid composition for making pigment fixed, ink set, method for producing ink jet recorded matter on fabric and ink jet recorded matter on fabric | |
JP2008138064A (ja) | インクジェット記録用インク | |
US20080146712A1 (en) | Ink-jet recording ink | |
JP2010106162A (ja) | インクジェット記録用インク組成物 | |
JP5532809B2 (ja) | インクジェット記録用インク組成物 | |
JP2011074320A (ja) | インクジェット記録用インク組成物 | |
WO2010084763A1 (ja) | インクジェット記録用インク | |
JP2010047721A (ja) | インクジェット記録用インク | |
JP2010106155A (ja) | インクジェット記録用インク組成物 | |
JP2010106157A (ja) | インクジェット記録用インク組成物 | |
JP3945214B2 (ja) | 分散体およびそれを用いた水性インク | |
JP2011088976A (ja) | インクジェット記録用インク組成物の製造方法 | |
JP2007099917A (ja) | インクジェット記録用インク |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20120824 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20131018 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20131112 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20140114 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20140401 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 5532809 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20140414 |
|
S531 | Written request for registration of change of domicile |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |