JP5531926B2 - 遊技機 - Google Patents

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Description

本発明は、遊技機に関するものである。
パチンコ機やスロットマシン等の遊技機は、遊技制御処理を実行するCPU、遊技制御プログラムが記憶されたROM、遊技の進行により発生する各種データを一時的に記憶するRAM等の各種電子部品が実装された制御基板を備えている。そして、ROMに記憶された制御プログラムに従って、CPUにより遊技機に搭載されている各種遊技機器が制御され、一連の遊技が実行される。制御基板は、基板ケースに収容された状態で遊技機に取り付けられており、同制御基板の基板ケース外への露出等が抑制されている。
この種の遊技機では、制御基板そのものや同制御基板のROM(ROMがCPUと共に1チップ化されている場合には当該チップ)が正規のものとは異なる不正なものに交換されるといった不正行為が数多く報告されている。このような不正行為に対処すべく、例えば、上記基板ケースに封印構造(いわゆる、カシメ構造)を設けて基板ケースの開封時には破壊等による開封痕跡を残すようにする等の不正対策が採用されている(例えば特許文献1参照)。このような不正対策は、基板ケースが開封された事実や制御基板が交換された事実を目視確認する場合にその確認作業を補助するものであり、またこのような不正対策の存在により不正行為を躊躇させる効果がある。
特開2003−180917号公報
しかしながら、上記封印構造等の不正対策が施されていても未だに不正行為が行われているのが実状であり、制御装置における防犯機能の向上には改善の余地がある。
本発明は、上記例示した事情等に鑑みてなされたものであり、制御基板に対する不正行為を好適に抑制することが可能な遊技機を提供することを目的とするものである。
以下、上記課題を解決するための手段について記載する。
請求項1記載の発明は、
遊技に関する制御を行う制御基板と、
内部空間が形成されており、その内部空間に前記制御基板を収容する基板ケースと
を備え、
前記基板ケースは、相互に組み合わされることにより前記基板ケースの内部空間の少なくとも一部を形成する第1ケース構成体及び第2ケース構成体を有し、
前記第1ケース構成体及び前記第2ケース構成体を相互に結合する結合手段と、
前記基板ケース及び前記結合手段とは別体で設けられ、同結合手段による結合の解除を規制する解除規制手段と
を備え、
前記第1ケース構成体と前記第2ケース構成体との分離を規制する分離規制手段を用いて、前記基板ケースからの前記解除規制手段の取り外しが規制されており、
前記結合手段は、予め定められた解除方向に変位することにより結合状態から結合解除状態へ切り替るように構成された結合部を有し、
前記分離規制手段は、前記結合部によって両ケース構成体が結合されている状態にて、前記結合部の前記解除方向への変位を規制する規制部を有し、
前記解除規制手段の取り外しが前記規制部によって規制されていることを特徴とする。
制御基板に対する不正行為を好適に抑制することができる。
第1の実施の形態におけるスロットマシンの全体構成を示す斜視図である。 前面扉を開いた状態のスロットマシンの斜視図である。 筐体の内部構造を示す正面図である。 筐体の内部構造を示す斜視図である。 面替えユニットを正面側から見た斜視図である。 内側扉を開いた状態の面替えユニットの斜視図である。 面替えユニットを主要構成部品ごとに分解して示す分解斜視図である。 主制御装置ユニットを正面側から見た斜視図である。 主制御装置ユニットを主要部品ごとに分解して示す分解斜視図である。 主制御装置の正面図である。 (a)は主制御装置を表側から見た斜視図、(b)は主制御装置を裏側から見た斜視図である。 主制御装置を主要部品ごとに分解して示す分解斜視図である。 主制御装置を主要部品ごとに分解して示す分解斜視図である。 図10のA−A線部分断面図である。 第1固定手段を正面側から見た分解斜視図である。 第1固定手段を背面側から見た分解斜視図である。 (a)カバー部材の斜視図、(b)カバー部材の内部構造を示す部分破断図、(c)カバー部材の動きを示す概略図である。 第1固定手段を用いた封印作業の流れを説明するための概略図である。 第1固定手段による主制御装置の封印を解除する作業の様子を示す概略図である。 第2固定手段を正面側から見た分解斜視図である。 (a)は図10のB−B線部分断面図、(b)は図10のC−C線部分断面図である。 (a)封印シールの構成を示す正面図、(b)封印シールの構成を示す裏面図である。 封印シールの構成を示す断面図である。 貼付領域における封印シールの位置関係を説明するための説明図である。 (a)シールカバーを正面側から見た斜視図、(b)シールカバーを背面側から見た斜視図である。 (a)蓋体を正面側から見た斜視図、(b)蓋体を背面側から見た斜視図である。 第2固定手段を用いた封印作業の流れを説明するための概略図である。 第2固定手段による主制御装置の封印を解除する作業の様子を示す概略図である。 第1の実施の形態におけるパチンコ機の電気的構成を示すブロック図である。 第2の実施の形態における第1固定手段の構造を示す部分断面図である。 第2の実施の形態における第1固定手段を主要部品ごとに分解して示す分解斜視図である。 第2の実施の形態における第1固定手段を主要部品ごとに分解して示す分解斜視図である。 (a)カバー部材の外部構造を示す斜視図、(b)カバー部材の内部構造を示す斜視図である。 第1固定手段を用いた封印作業の流れを説明するための概略図である。 第3の実施の形態における第1固定手段の構造を示す部分断面図である。 第3の実施の形態における第1固定手段を主要部品ごとに分解して示す分解斜視図である。 第3の実施の形態における第1固定手段を主要部品ごとに分解して示す分解斜視図である。 (a)カバー部材の外部構造を示す斜視図、(b)カバー部材の内部構造を示す斜視図である。 第1固定手段を用いた封印作業の流れを説明するための概略図である。
<第1の実施の形態>
以下、遊技機の一種である回動式遊技機(具体的にはスロットマシン)の第1の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1はスロットマシン10の全体構成を示す斜視図、図2は前面扉12を開いた状態のスロットマシン10の斜視図である。なお、以下の説明において、特に指示しない限りはスロットマシン10の正面視を基準に上下左右等の方向を特定することとする。
<筐体11の外観構成>
スロットマシン10は、その外殻を形成する筐体11を備えている。図1に示すように、筐体11は、平板状に形成された木製の天板11a、底板11b、背板11c、左側板11d及び右側板11eからなり(図2の筐体斜視図参照)、隣接する各板11a〜11eが接着等の固定手段によって固定されることにより、全体として前面側が開放された箱状に形成されている。なお、各板11a〜11eは木製のパネルによって構成される以外に、合成樹脂製パネル又は金属製パネルによって構成されてもよいし、合成樹脂材料又は金属材料によって一体の箱状に形成されてもよい。また、各板11a〜11eは、内外に貫通した開口部やリブ等による凹凸を有する構成であってもよい。以上のように構成された筐体11は、遊技ホールへの設置の際にいわゆる島設備に対し釘を打ち付ける等して取り付けられる。
<前面扉12の説明>
筐体11の前面側には、前面開閉扉としての前面扉12が開閉可能に取り付けられている。前面扉12は、筐体11の前側開放部を全て塞ぐように設けられ、スロットマシン10の左縁部を軸線として手前側に開放されるようになっている。また、前面扉12の周縁部には、天板11a,底板11b,左側板11d及び右側板11eの各板における前端面に近接するように張り出した張出部が設けられている。
前面扉12の上半部には、正面に向けて上下に上側視認窓21と下側視認窓22とが並設されている。これら視認窓21,22には、透明な板材よりなりかつ視認窓21,22とほぼ同形状をなす透明パネル23,24(図1参照)が設けられている。それら透明パネル23,24は、ビス等の締結具(図示略)により前面扉12の背面側に固定されている。本実施の形態おいては特に、透明パネル23,24が1枚板で構成されている。
これら透明パネル23,24を介して前面扉12の後方が視認可能である。換言すれば、前面扉12の後方に設けられる装飾絵柄や後述する液晶図柄等が視認窓21,22を通じて視認可能となっている。
前面扉12の前面側において、上縁部及び左右両縁部には、視認窓21,22を囲む囲い部25が透明パネル23,24よりも前方に張り出すように形成されている。また、その囲い部25の上部には、遊技状況に応じたランプ演出等を行うための中央ランプ部26が設けられている。
下側視認窓22の下方は、遊技者により操作される各種操作部材等を配備した操作部となっており、メダル投入装置30と、MAXベットスイッチ40及び1ベットスイッチ41と、スタートレバー45と、ストップスイッチ50〜52と、精算スイッチ55と、返却スイッチ60とが配備されている。以下、各構成部品を個々に説明する。
メダル投入装置30は、下側視認窓22の下方右側に設けられており、同メダル投入装置30の投入口より投資価値としてのメダルが1枚ずつ投入される。メダル投入装置30は投資価値を入力する入力手段を構成し、メダル投入装置30が遊技者によるメダルの直接投入という動作を伴う点に着目すれば、投資価値を直接入力する直接入力手段を構成するものといえる。
メダル投入装置30から投入されたメダルは、前面扉12の背面に設けられた通路切換手段に送られる。すなわち、前面扉12の背面には、通路切換手段としてのセレクタ31が設けられており、メダル投入装置30から投入されたメダルは、セレクタ31によって貯留用通路32か排出用通路33のいずれかに導かれる(図2参照)。セレクタ31にはメダル通路切換ソレノイドが設けられており、そのメダル通路切換ソレノイドの非励磁時にはメダル通路が排出用通路33側とされ、励磁時には貯留用通路32側に切り換えられる。この場合、貯留用通路32に導かれたメダルは、後述するホッパ装置170へと導かれる。一方、排出用通路33に導かれたメダルは、前面扉12の前面下部に設けられたメダル排出口34からメダル受皿81へと導かれ、遊技者に返却される。
下側視認窓22の下方左側にはボタン状のMAXベットスイッチ40が設けられており、同MAXベットスイッチ40の押し操作によって、クレジットされた仮想メダルを一度に3枚投入することができる。MAXベットスイッチ40の左方には同MAXベットスイッチ40よりも小さなボタン状の1ベットスイッチ41が設けられている。1ベットスイッチ41が押し操作されることで仮想メダルが一度に1枚投入される。各ベットスイッチ40,41は、前記メダル投入装置30とともに投資価値を入力する入力手段を構成する。また、メダル投入装置30が遊技者によるメダルの直接投入という動作を伴うのに対し、各ベットスイッチ40,41は、クレジットに基づく仮想メダルの投入という動作を伴うに過ぎない点に着目すれば、投資価値を間接入力する間接入力手段を構成するものともいえる。
なお、MAXベットスイッチ40には、1遊技回につき投入できるメダル最大数(3枚)に達していないことを遊技者に知らせるために、図示しない発光部材としてのランプが内蔵されている。当該ランプは、MAXベットスイッチ40のスイッチ操作が有効である状況時において点灯されて当該スイッチ40の操作を促すが、クレジットされた仮想メダルが存在しない場合や既に3枚のメダル投入がなされている状況下では消灯される。ここで、上記点灯に代えて、点滅させてメダル投入の促しを遊技者に一層分かり易くしてもよい。
MAXベットスイッチ40の下側にはスタートレバー45が設けられている。このスタートレバー45は、後述するリール装置280の各リール(回転体)555〜557を回転始動させるための操作部材であり、各リール285〜287を回転開始、すなわち可変表示を開始させるべく操作される開始操作手段又は始動操作手段を構成する。
スタートレバー45の右側には、ボタン状の3つのストップスイッチ50〜52が左右に並設されている。各ストップスイッチ50〜52は、停止対象となるリール285〜287(左、中、右の三列のリール)に対応するよう設けられており、回転中の各リール285〜287を個別に停止させるために操作される停止操作手段を構成する。各ストップスイッチ50〜52は、各リール285〜287が定速回転となると停止させることが可能な状態となり、かかる状態中には図示しないランプが点灯表示されることによって停止操作が可能であることが報知され、回転が停止すると消灯されるようになっている。
スタートレバー45左側には、ボタン状の精算スイッチ55が設けられている。すなわち、本スロットマシン10では、所定の最大値(例えばメダル50枚分)となるまでの余剰の投入メダルや入賞時の獲得メダルをクレジットメダルとして貯留記憶するクレジット機能を有しており、クレジットメダルが貯留記憶されている状態で精算スイッチ55が押下操作されることで、クレジットメダルが現実のメダルとして払い出される。この場合、クレジットされた仮想メダルを現実のメダルとして払い出すという機能に着目すれば、精算スイッチ55は貯留記憶された遊技価値を実際に払い出すための精算操作手段を構成するものともいえる。
なお、所定の最大値(例えばメダル50枚分)となるまでの余剰の投入メダルや入賞時の獲得メダルをクレジットメダルとして貯留記憶するように設定された「クレジットモード」と、余剰の投入メダルや入賞時の獲得メダルを現実のメダルとして払い出すように設定された「ダイレクトモード」とを切換可能としたスロットマシンの場合には、前記精算スイッチ55に、モード切換のための切換スイッチとしての機能を付加しても良い。精算スイッチ(切換スイッチ)55は、1度押されるとオン状態になり、もう1度押されるとオフ状態になり、その後押下操作が行われるごとにオンオフが切り替わるように構成されている。そして、精算スイッチ55がオン状態のときにはクレジットモードとされ、精算スイッチ55がオフ状態のときにはダイレクトモードとされる。クレジットモードからダイレクトモードに切り換えられた際にクレジットメダルがある場合には、その分のクレジットメダルが現実のメダルとして払い出される。これにより、遊技者はクレジットモードとダイレクトモードとを切り換えることで自身の好みに応じた形式で遊技を実行することができる。かかる精算スイッチ55は投入価値及び遊技価値の取扱形式を切り換える切換操作手段を構成する。
メダル投入装置30の下側(ストップスイッチ52の右側)には、ボタン状の返却スイッチ60が設けられている。返却スイッチ60は、メダル投入装置30に投入されたメダルがセレクタ31内に詰まった際に押されるスイッチであり、このスイッチ60が押されることによりセレクタ31が機械的に連動して動作され、同セレクタ31内に詰まったメダルがメダル排出口34より返却されるようになっている。
返却スイッチ60の右側で前面扉12の右端側には、同前面扉12の背後に貫通するキー孔70が設けられており、そのキー孔70には扉背面側からキーシリンダ71が設けられている。このキーシリンダ71は、前面扉12を開放するために操作される施錠装置を構成するものである。但し、施錠装置の詳細は後述する。
ストップスイッチ50〜52の下方には、機種名や遊技に関わるキャラクタなどが表示された下部プレート80が装着され、更にその下方にはメダル受皿81が設けられている。メダル受皿81には、メダル排出口34を介してスロットマシン内部のホッパ装置170等からメダルが排出される。メダル排出口34の左右にはスピーカ部82が設けられており、メダル受皿81の左方(左側のスピーカ部82の前側)には、手前側下方に反転可能な灰皿83が設けられている。
遊技に際しては、中央ランプ部26やスピーカ部82により、その都度の遊技状況に応じたランプ演出や音声演出等が行われる。すなわち、中央ランプ部26による発光色や発光パターンを適宜変更したり、スピーカ部82による音声パターンを適宜変更したりすることで、役の成立等が遊技者に告知される。また、これら中央ランプ部26及びスピーカ部82を用いて、エラー告知等を行うことも可能である。
<筐体11の内部構造>
次に、スロットマシン10の内部構造について説明する。先ずは、筐体11の内部構造について図3及び図4を用いて説明する。図3は筐体11の内部構造を示す正面図、図4は同内部構造を示す斜視図である。
図3に示すように、筐体11の左側板11dには、筐体11の開口内周縁に沿って長尺状の扉支持金具100がビス等の締結具(図示略)により固定されている。扉支持金具100の上下2カ所には、支軸101,102が設けられており、各支軸101,102は上方に延びる先細り形状の軸部を有する。これに対して、上記前面扉12には、各支軸101,102に対応してそれら支軸101,102の軸部が挿入される挿入孔を備えた軸受け金具111,112が設けられている(図2参照)。そして、各支軸101,102の上方に軸受け金具111,112を配置させた上で前面扉12を降下させることにより、軸受け金具111,112の挿入孔に支軸101,102の軸部が挿入された状態とされる。これにより、前面扉12は、筐体11に対して両支軸101,102を結ぶ軸線を中心として回動可能に支持され、その回動によって筐体11の前面開放側を開放したり閉鎖したりすることができるように構成されている。
筐体11の右側板11eには筐体11の開口内周縁に沿って長尺状の鉤受け金具120が配設されており、同鉤受け金具120はビス等の締結具(図示略)を用いて同右側板11eに固定されている。鉤受け金具120の上下2カ所には、前面扉12を閉鎖状態で保持するための鉤受け部121,122が設けられている。この鉤受け金具120によって、前面扉12が筐体11に閉止された状態で保持される。
再び図1及び図2を参照して説明すれば、前面扉12の右端側、すなわち前面扉12の回動中心軸線側(回動基端側)と反対側(回動先端側)には、その裏面に施錠装置が設けられている。施錠装置は、上下方向に延び前面扉12に固定された図示しない基枠と、同基枠の上部から前面扉12の前方に延びるように設けられたキーシリンダ71と、基枠に対して上下方向に移動可能に組み付けられた長尺状の連動杆(図示略)とを備えている。そして、施錠装置のうちキーシリンダ71だけが前面扉12の前方に突出した状態で設けられている。本実施の形態では、キーシリンダ71として、不正解錠防止機能の高いオムロック(商標名)が用いられている。前記連動杆は、キーシリンダ71に差し込んだ操作キーKを時計回りに操作することで下方へ移動される。連動杆には、鉤形状をなす上下一対の鉤金具131,132が前記鉤受け部121,122に対応して設けられており、筐体11に対して前面扉12を閉鎖した際には、各鉤金具131,132が各鉤受け部121,122にそれぞれ係止されて施錠状態となる。なお、各鉤金具131,132には、施錠状態を維持する側へ付勢するコイルバネ等の付勢部材が設けられている。キーシリンダ71に対して操作キーKが時計回りに操作されると、連動杆が下方に移動し、前記付勢部材の付勢力に抗して各鉤金具131,132が移動されることにより同鉤金具131,132と鉤受け部121,122との係止状態が解除され、筐体11に対する前面扉12の施錠状態が解除される。
図2及び図3に示すように、筐体11の内部において下側の左隅部(回動基端側)には電源ボックス160が設けられており、同電源ボックス160は筐体11の底板11b及び左側板11dに対して固定されている。電源ボックス160は、各種電気装置や制御装置等に電源を供給するための電源装置であり、起動スイッチである電源スイッチ161を備えている。
筐体11の内部において電源ボックス160の隣には、メダルを遊技者に付与する払出手段としてのホッパ装置170が設置されている。ホッパ装置170は、メダル貯留部としての貯留タンクと、その貯留タンクから流入したメダルを順次払い出す払出装置とを備えている。
ホッパ装置170の隣には、具体的には右側板11eとホッパ装置170との間には、予備タンク180が設置されている。貯留タンクに所定量以上のメダルが貯まると、かかる余剰メダルは、誘導プレートにより予備タンク180に導かれ、当該予備タンク180内に貯留されることとなる。
図3等に示すように前記ホッパ装置170の上方(筐体11内の高さ方向のほぼ中央位置)には、筐体11の内部空間を上下に二分する仕切り板ユニット190が設けられている。仕切り板ユニット190よりも下側の領域は上述の如く電源ボックス160やホッパ装置170等の設置領域となっており、仕切り板ユニット190よりも上側の領域は面替えユニット200の設置領域となっている。
仕切り板ユニット190は、金属製の板材からなる仕切り板191を有している。仕切り板191は、筐体11の底板11bに対して平行となるように形成されており、その上面は面替えユニット200を支持する支持部を構成している。面替えユニット200を筐体11に装着する際には、同面替えユニット200を仕切り板191に載せた状態にて筐体11の奥側へ押し込むことで作業を容易に行うことができ、面替えユニット200を筐体11から取り外す際には、同面替えユニット200を仕切り板191に沿って手前側に引き出すことにより作業を容易に行うことができる。
<面替えユニット200の構成>
次に、筐体11の内部に装着される面替えユニット200について説明する。図5は面替えユニット200を斜め上方から見た斜視図、図6は面替えユニット200において内側扉250を開放した状態を示す斜視図、図7は面替えユニット200を主要構成部品ごとに分解して示す分解斜視図である。なお、以下の面替えユニット200の説明では、特に指定しない限り図5の状態を基準に図5の左下側を前側,図5の右上側を後側,図5の左上側を左側,図5の右下側を右側として上下左右等の方向を記述する。
図5に示すように、面替えユニット200は主要な構成として、前面扉12側(スロットマシン10の前方)に開放された箱状の内側筐体210と、同内側筐体210の内部に配設されるリール装置280と、内側筐体210の開口の左縁部(前面扉12の回動中心軸線と同一側)を軸線として手前側に開放されるように取り付けられる内側扉250とを備えている。本実施の形態においては、面替えユニット200は、本スロットマシン10の遊技内容を決定する主要部品をほぼ全て備える構成となっており、仮に遊技ホール等において機種入替を行う場合には、この面替えユニット200を現機種のものから新たな機種のものに入れ替えることで機種入替を行うことができるようになっている。すなわち、面替えユニット200は機種入替時などにおける交換ユニットを構成している。以下、面替えユニット200の各構成部品を個々に詳しく説明する。
先ず、面替えユニット200の外殻をなす内側筐体210の構成について説明する。内側筐体210は、透明な合成樹脂材料(例えばABS樹脂)により一体成形されており、当該内側筐体210の内部に収容された各種構成をその外部から視認可能となっている。また、内側筐体210を透明とすることにより、面替えユニット200と筐体11との間に形成される隙間を、面替えユニット200を筐体11に装着したまま当該内側筐体210を通して視認することが可能となる。これにより、メンテナンス性の向上に貢献している。また、内側筐体210が透明であるため、不正基板等の隠蔽を困難なものとすることができる。なお、内側筐体210を有色不透明な合成樹脂材料により形成し、その内部を視認不可とすることも可能である。また、合成樹脂材料を用いて形成する以外に、木材又は金属材料によって形成することも可能である。
図6に示すように、内側筐体210は、天板部210a,底板部210b,背板部210c,左側板部210d及び右側板部210eを有してなり、前面扉12と対向する側に開放された箱状をなしている。
内側筐体210における左側板部210dの前端縁(前面扉12の回動基端側)には内側扉250を回動可能に支持する扉支持金具215が取り付けられている。扉支持金具215は、左側板部210dの前端縁に沿って底板部210bから天板部210aまで延びる長尺状をなしており、その上下2ヶ所に離間して支軸216,217が設けられている。内側扉250には、それら支軸216,217が挿入される軸受け部253,254を備えた軸受け金具255が取り付けられている。各支軸216,217の上方に軸受け部253,254を配置させた後、内側扉250を降下させることにより、それら各軸受け部253,254に支軸216,217が挿入された状態とされる。これにより、内側扉250は、内側筐体210に対して両支軸216,217を結ぶ軸線を中心として回動可能に支持され、その回動によって内側筐体210を開放したり閉鎖したりすることができる構成となっている。
ここで、図6及び図7を用いて内側扉250の構成を簡単に説明する。内側扉250は、補助演出装置としての液晶表示装置260と、同液晶表示装置260の前面側を覆うように形成された透明な前面カバー263と、液晶表示装置260を制御する表示制御装置265と、それら各種構成250,263,265を搭載する合成樹脂製のベース枠270とを備えている。
ベース枠270は、正面から見て矩形枠状をなすように形成されており、その一側部には上述した軸受け金具255が固定されている。ベース枠270の上部には、遊技に関する各種情報(例えば配当表等)が付与された表示プレート部が設けられており、その表示プレート部の下方にはベース枠270の前側に液晶表示装置260が搭載されている。
液晶表示装置260は、液晶パネルと同液晶パネルを駆動する液晶ドライバとにより構成されており、ベース枠270と同様に正面から見て矩形状をなしている。そして、少なくともその幅寸法が内側筐体210の両側板部210d,210eの間隔寸法と同等となるように形成されており、内側筐体210の開口部位の大半を覆う構成となっている。液晶表示装置260の中央下部には、内側筐体210の内部、詳しくは後述するリール装置280の図柄を視認可能とする窓部261が形成されている(いわゆるドーナツ液晶)。また、ベース枠270にも液晶表示装置260の窓部261に対応した窓部272が設けられている。更に、液晶表示装置260の前側に配された前面カバー263は透明であることで液晶表示装置260、詳しくはその表示画面に表示される各種絵柄等の視認性及び窓部261,272を介した内側筐体210内部の視認性を担保しつつ、液晶表示装置260の保護が図られている。
ベース枠270における窓部272よりも上側縁部及び下側縁部には、リール装置280の図柄を照らす照明部が設けられており、同リール装置280の図柄の視認性向上に貢献している。
ベース枠270における回動先端側の端部には上下一対の鉤金具276,277が設けられており、内側筐体210の右側板部210eにはそれら鉤金具276,277に対応する鉤受け金具220が装着されている。鉤受け金具220は右側板部210eの前端縁に沿って延びる長尺状をなしており、各鉤金具276,277が引っ掛かる鉤受け部221,222を有している。それら鉤金具276,277と鉤受け部221,222とが引っ掛かることにより、内側扉250は内側筐体210に対して閉じた状態で保持されることとなる。
再び図6及び図7を用いて、内側筐体210の内部に収容されている各種構成について説明する。
内側筐体210の底部にはリール装置280が設置されており、同リール装置280が内側筐体210内に形成された複数の取付部に対してネジ止めされることで、内側筐体210に対して一体化されている。
<リール装置280の構成>
図7に示すように、リール装置280は、前方に開放された合成樹脂製のケース部材281と、そのケース部材281に収容される合成樹脂製のリールプレート282〜284(左リールプレート282、中リールプレート283、右リールプレート284)と、各リールプレート282〜284に取り付けられた左・中・右の3つのリール285〜287(左リール285,中リール286,右リール287)とを具備している。
ケース部材281において両側面の前側上隅部には、外側に向かって突出する支持固定部が設けられ、同支持固定部の前面の略中央には前後方向に貫通する取付孔が形成されている。また、ケース部材281において両側面の前側下隅部には、外側に向かって突出する支持固定部が設けられており、その前面の略中央には前後方向に貫通する取付孔が形成されている。これら取付孔はリール装置280を内側筐体210に取り付けるための取付手段を構成するものである。
各リール285〜287の構成については周知であるため、ここでは詳細な図示を省略し、その構成を簡単に説明する。各リール285〜287は、円筒状のかごを形成する円筒骨格部材と、その外周に巻回された帯状のベルトとを備えている。ベルトの外周面には、識別情報としての図柄が等間隔ごとに多数印刷されている(例えば21図柄)。各リール285〜287の中央部には、駆動源としてのステッピングモータが設けられており、同ステッピングモータの駆動により各リール285〜287が個別に、すなわちそれぞれ独立して回転駆動される。
リールプレート282〜284は鉛直に起立し前後に延びる板状をなしており、リールプレート282〜284の略中央には前述したステッピングモータが固定されている。リール285〜287は、リールプレート282〜284の右側に回動可能に支持されている。また、リールプレート282〜284の上下の端部がビス等の締結具によってケース部材281に固定された状態においては、各リール285〜287の一部がケース部材281の前面開放部から現出する。各リールプレート282〜284の前側部は、各リール285〜287のケース部材281からの現出部分に対応した形状で構成されている。
また、ケース部材281の前面開放部の右側縁部には、右リール287の現出部分を右側より塞ぐように形成された板状の遮蔽部材がビス等の締結具によって固定されている。
リール装置280には、その他の構成として、各リール285〜287の回転位置を検出するためのリールインデックスセンサ(回転位置検出センサ)が設置されている。また、各リール285〜287の内周側には、蛍光ランプ等よりなるバックライト(後方発光手段)が設けられており、このバックライトにより、リール外周面に付された各図柄が後方より明るく照らされるようになっている。バックライトの発光によって、リール外周面に付された各図柄の視認性の向上や、遊技に際し補助的な演出の多様化を図ることができる。
本実施の形態においては、各リールプレート282〜284と上記遮蔽部材とによって、ケース部材281の内部が外方より見えることを抑制することができる。すなわち、バックライトからの光がリール装置280外部へ漏れることを防止することができる構成となっている。
内側筐体210の内部であってリール装置280の上方には右側板部210e及び背板部210cに連なるように形成された略板状の仕切り部211が形成されており、同仕切り部211によって当該内側筐体210の内部領域が上下に2分されている。仕切り部211を挟んでリール装置280の設置領域とは反対側には、すなわち仕切り部211よりも上側となる領域には、主制御装置ユニット300が配されている。
<主制御装置ユニット300の構成>
以下、図7〜図9を参照して主制御装置ユニット300について説明する。図8は主制御装置ユニット300を正面側から見た斜視図、図9は主制御装置ユニット300を主要構成部品ごとに分解して示す分解斜視図である。なお、図8及び図9においては便宜上、内側筐体210の背板部210cを2点鎖線によって示している。
図8に示すように、主制御装置ユニット300は、遊技に関する各種制御を実行する主制御装置301と内側筐体210に対する主制御装置301の取付手段を構成する台座ユニット302とによって構成されており、台座ユニット302が内側筐体210の背板部210cに対して固定されることで同内側筐体210に対して一体化されている。
主制御装置301は、遊技に関する各種制御を行う長板状の主制御基板311とその主制御基板311の長手方向と同一方向(具体的には左右方向)に延びる略箱状をなし内部空間に主制御基板311を収容する基板ボックス312とを備えており、主制御基板311の素子搭載面311aが遊技機前方を向くようにして配置されている。
図9に示すように、台座ユニット302は、主制御装置301(詳しくは基板ボックス312)を着脱可能に保持するベース体321と、そのベース体321を内側筐体210の背板部210cに固定する台座331とを有している。
ベース体321は、主制御装置301(基板ボックス312)の背面に対向する対向部322を有している。対向部322は、基板ボックス312よりも横長となる長板状をなしており、当該対向部322の前面は主制御装置301の背面に当接し、同対向部322の後面は内側筐体210の背板部210cに当接している。より詳しくは、基板ボックス312の背面部は、当該背面部の上部が下部よりも後方に張り出すようにして形成された段差状をなしており、同背面部の凹み部分(下部)に対して対向部322が嵌まることで、基板ボックス312の背面上部と対向部322の後面とが面一となっている。これにより、主制御装置ユニット300と背板部210cとの間に空間が形成されることを抑え、主制御装置301の背後に不正基板等の設置することを困難なものとしている。
対向部322の下端部には、遊技機前方に張り出した張出部323が形成されている。張出部323は、主制御装置301に対して下側から対峙しており、同主制御装置301の少なくとも一部(詳しくは後述する固定手段)を覆う機能が付与されている。
また、張出部323にはベース体321に対して組み合わせられた主制御装置301を当該ベース体321に対して固定する固定部324が設けられており、当該固定部324による固定が解除された場合には固定解除の痕跡が主制御装置301側に残存する構成が採用されている。これにより、台座ユニット302からの主制御装置301の不正な取り外し等を困難とし、仮に同行為が行われた場合であってもその事実を確認することが可能となっている。
対向部322の左右両端部には主制御装置301の両側部が挿通される挿通部326が形成されている。挿通部326は主制御装置301側に開放された溝状をなしており、張出部323とは反対側の端部には主制御装置301用の入口部327が形成されている。主制御装置301をベース体321に対して組み合わせる場合には、入口部327から挿入した主制御装置301を挿通部326に沿うようにして張出部323側へ押し込むことで同主制御装置301がベース体321に対する装着完了位置へ配置される構成となっている。
なお、ベース体321は無色透明な合成樹脂材料を用いて形成されており、当該ベース体321を通じた主制御装置301の視認性が担保されている。これにより、ベース体321によって主制御装置301の一部が覆われる構成としつつ、それに起因して主制御装置301に死角となる部分が生じることを回避している。
台座331はベース体321を当該ベース体321の長手方向における両側(左右両側)から挟むようにして配設されており、ベース体321に対して後側から当接する基部332と、当該基部332から起立しベース体321に対して側方から対向する側壁部333とを有している。側壁部333には、ベース体321側に突出するようにして軸部334が形成されており、ベース体321の両側部にはこれら軸部334に1対1で対応させて軸受け部328が形成されている。これら軸受け部328に対して軸部334が係合することで台座331とベース体321とが一体化され、左右方向に延びる軸線を中心としてベース体321(主制御装置301)の遊技機前方への回動が許容されている。
また、台座331には、ベース体321に対して引っ掛かる係止片335が形成されており、同係止片335によって素子搭載面311aが遊技機前方を向いている位置からのベース体321(主制御装置301)の変位が妨げられている。係止片335は、引っ掛かり状態と引っ掛かり解除状態とに切り替え可能となっており、同係止片335を指等で操作して引っ掛かり解除状態とすることで、上記軸部334の中心軸線を中心とした遊技機前方への主制御装置301の回動が許容されることとなる。
台座331には、主制御装置301が所定の回動位置に達した場合に、同主制御装置301に対して回動方向先側から当接することにより、当該主制御装置301のそれ以上の回動を不可とするストッパ336が形成されている。主制御装置301をストッパ336に当接する位置まで回動させると、主制御装置301の背面が上側を向くこととなる。これにより、主制御装置301を台座ユニット302から取り外すことなく、同主制御装置301の背面部等を目視にて確認可能となる。
ここで、内側筐体210の背板部210cに対する台座331の固定に関する構成について補足説明する。台座331には前後に貫通するネジ孔337が形成されており、ベース体321には、上記待機位置に配置されストッパ336により回動が規制された状態にて同ネジ孔337に連通するようにして連通孔329が形成されている。台座ユニット302を背板部210cに対して固定する際には、遊技機前方(内側筐体210の前側開口)から連通孔329を通じて挿通されたネジ341をネジ孔337に対してドライバ等の工具を用いて螺着させることにより、内側筐体210と台座ユニット302とが一体化される。
台座ユニット302の固定が完了した状態にて主制御装置301が組みつけられると、基板ボックス312に形成された(詳しくは基板ボックス312において上記内部空間を区画形成している本体部351から突出して設けられた)遮蔽部352が、上記連通孔329に挿通されることとなる。この遮蔽部352によって連通孔329を通じたネジ341へのアクセスが妨げられることとなる。つまり、台座ユニット302を取り外す場合には、先ず同台座ユニット302から主制御装置301を取り外して遮蔽部352を連通孔329から離脱させる必要が生じ、かかる行為においては主制御装置301側に取り外しの痕跡が残ることとなる。これにより、何らの痕跡を残すことなく主制御装置301を台座ユニット302ごと取り外すといった不正行為を困難なものとしている。
<主制御装置301の構成>
次に、主制御装置301の構成を図10〜図13に基づいて詳細に説明する。図10は主制御装置301の正面図、図11(a)は主制御装置301を表側から見た斜視図、図11(b)は主制御装置301を裏側から見た斜視図、図12及び図13は主制御装置301の分解斜視図である。なお、以下の主制御装置301の説明では、特に指定しない限り図11(a)の状態を基準に右下側を前側,左上側を後側,左下側を左側,右上側を右側として上下左右等の方向を記述する。
既に説明したように主制御装置301を構成している主制御基板311は長板状をなしており、同主制御基板311には、図10に示すように、主たる制御を司るMPU315,入出力ドライバ用ICチップ,ラッチ用ICチップ,コンデンサや抵抗などの各種素子,そして複数のコネクタ316が搭載されている。また、主制御基板311には、スロットマシン10の各種状態をリセットするためのリセットスイッチ317、ホール管理者などがメダルの出玉調整を行うための設定キー挿入部318等が設けられている。本スロットマシン10では当否抽選における所定の役の当選確率が予め複数段階設定されており、遊技ホールの管理者等が設定キーを設定キー挿入部318へ挿入して当該設定キーをON側に向けて回動操作することにより、当該当選確率を上記複数段階のうち所定の段階に設定することが可能な状態となる。
主制御基板311においてMPU315などの各種素子やコネクタ316等は全て同一の板面上に搭載されており、MPU315を除いて、逆側の板面にて半田付けされている。つまり、主制御基板311は、一方の板面が上記素子搭載面311aとなっており、他方の板面が半田面311bとなっている。
なお、半田面311bとは素子搭載面311aに搭載される各種素子の半田付け部分が設けられた面であるが、当該半田面311bに対して回路パターンが形成されていてもよい。
図11に示すように、基板ボックス312は、主制御基板311を収容する被包手段としての機能を有しており、当該基板ボックス312によって主制御基板311へのアクセスが規制されている。基板ボックス312は、複数のボックス構成体として、主制御基板311を素子搭載面311a側から覆う表側構成体(ボックスカバー)400と、主制御基板311を半田面311b側から覆う裏側構成体(ボックスベース)500とが相互に組み合わされてなる。これら表側構成体400及び裏側構成体500は、基板ボックス312内に収容された主制御基板311の素子搭載面311a及び半田面311bが基板ボックス312外から視認可能となるように透明性を有する材料によって形成されている。具体的には、基板ボックス312は無色透明のポリカーボネート樹脂により形成されている。なお、基板ボックス312の形成材料はポリカーボネート樹脂に限定されることなく、アクリル樹脂等であってもよい。
図11(a)に示すように、表側構成体400は、素子搭載面311aに対して隙間を隔てて対向する表側対向部401を有している。表側対向部401には、素子搭載面311aから突設された上記各コネクタ316に1対1で対応するコネクタ用開口部402が形成されており、これらコネクタ用開口部402を介して各コネクタ316の挿入口が基板ボックス312の外部に露出した状態となっている。コネクタ316は、主制御装置301の回動基端側に偏倚して配置されており、主制御装置301の回動に伴って発生する配線の余裕代が大きくなることを抑制している。
また、表側構成体400の表側対向部401には、リセットスイッチ317及び設定キー挿入部318を基板ボックス312の外部に露出させるリセットスイッチ用開口部403及び設定キー用開口部404と、それら各開口部403,404を開閉可能に覆うカバー片405,406が設けられている。開口カバー片405,406を開き、各開口部403,404を露出させることにより、それら開口部403,404を介したリセットスイッチ317及び設定キー挿入部318へのアクセスが可能となっている。
図13に示すように、表側対向部401の外縁には、表側構成体400の周縁を規定する表側周縁部421が形成されている。表側周縁部421は表側対向部401から主制御基板311側に起立しており、主制御基板311を囲っている。つまり、表側構成体400は、主制御基板311側に開放された略矩形箱状をなしており、当該表側構成体400によって囲まれた領域内に主制御基板311が収容されているともいえる。
主制御基板311は、表側構成体400の表側対向部401に対して半田面311b側からネジ止めされており、主制御基板311の素子搭載面311aに搭載された各種素子が主制御基板311と表側構成体400とによって区画された領域外へ露出することが回避されている。
主制御基板311が一体化された表側構成体400に対して上記裏側構成体500が固定されている。裏側構成体500は、図12に示すように、主制御基板311の半田面311bに対向する略平板状の裏側対向部501と、当該裏側対向部501の周縁に沿って形成され主制御基板311側に起立する裏側周縁部521とが一体形成されてなり、全体として、主制御基板311側に開放された略箱状をなしている。
表側構成体400に対して主制御基板311の面側から裏側構成体500を固定することにより、表側構成体400の表側周縁部421と裏側構成体500の裏側周縁部521とが重なり、表側構成体400の開放部分が裏側構成体500により塞がれた状態となっている。
ここで、表側構成体400と裏側構成体500との固定に関する構成について説明する。両構成体400,500の固定に関する構成としては、両構成体400,500の相対変位の方向を特定方向となるように規定する規定手段313と、当該特定方向への相対変位を妨げるようにして両構成体400,500を相互に固定する固定手段314とが採用されている。以下、先ず規定手段313について説明し、その後、固定手段314について説明する。
なお、以下の説明においては、表側構成体400の表側周縁部421において、主制御基板311における短手方向両側に位置し同主制御基板311を挟んで対峙する部分(すなわち長辺部の外壁を構成している左右の壁面部)を第1表側周壁部425,426、主制御基板311における長手方向両側に位置し同主制御基板311を挟んで対峙する部分(すなわち短辺部の外壁を構成している上下の壁面部)を第2表側周壁部427,428と称し、裏側構成体500の裏側周縁部521において、主制御基板311における長手方向両側に位置し同主制御基板311を挟んで対峙する部分(すなわち短辺部の外壁を構成している左右の壁面部)を第1裏側周壁部525,526、主制御基板311における短手方向両側に位置し同主制御基板311を挟んで対峙する部分(すなわち長辺部の外壁を構成している上下の壁面部)を第2裏側周壁部527,528と称する。
<規定手段313>
表側構成体400には、表側対向部401から起立し、第2表側周壁部427,428に対して基板ボックス312の内側から隙間を隔てて対向する表側板状部431,432が形成されており(図13参照)、裏側構成体500には裏側対向部501から起立し、第2裏側周壁部527,528に対して基板ボックス312の内側から隙間を隔てて対向する裏側板状部531,532が形成されている(図12参照)。
図12及び図13に示した各板状部431,432,531,532は、表側板状部431の外面が裏側板状部531の内面に対して面当たりするとともに表側板状部432の外面が裏側板状部532の内面に対して面当たりするように構成されている。これにより、各板状部431,432,531,532の面拡がり方向への両構成体400,500の相対変位を許容しつつ、それら板状部431,432,531,532の並設方向への両構成体400,500の相対変位を規制している。つまり、これら板状部431,432,531,532は、主制御基板311の長手方向への両構成体400,500の相対変位を規制する規制手段を構成している。また、表側板状部431,432と裏側板状部531,532とが内外2重となるように重なる構成とすることで、基板ボックス312外からの両構成体400,500の境界部位を通じた主制御基板311に対する不正なアクセスを難しくしている。
各第2周壁部427,428,527,528と板状部431,432,531,532との間には、主制御装置301の厚さ方向(例えば前後方向)への両構成体400,500の相対変位を規制する規制手段が設けられている。具体的には、図12に示すように、裏側構成体500の裏側板状部531,532と第2裏側周壁部527,528との間には、上記規制手段を構成するフック部533が設けられている。フック部533は、裏側対向部501から起立しており、その先端部が第1裏側周壁部525側(主制御装置301の回動先端側又は台座ユニット302に対する装着方向の手前側)に折れ曲がっている。
これに対して、表側構成体400において第2表側周壁部427,428と表側板状部431,432とによって挟まれた領域には、図13の部分拡大図に示すように、フック部533が引っ掛かる受け部433が設けられている。
具体的には、各受け部433は、裏側構成体500側に開放されたフック部533用の挿入部434と、当該挿入部434を通じて挿入されたフック部533の先端部分に対して裏側構成体500側から当接する当接部435が形成されている。このようにしてフック部533と当接部435とが当接することにより、基板ボックス312の厚さ方向への両構成体400,500の相対移動が規制されている。
当接部435については、主制御装置301(主制御基板311)の短手方向へ延びており、少なくともフック部533の先端部分が挿入部434に挿入されている状態においては、当該短手方向へ両構成体400,500の相対位置が変化したとしても上記当接が維持される。すなわち、少なくともフック部533の先端部分が挿入部434に挿入されている状態では、同フック部533及び受け部433によって両構成体400,500の分離が規制されることとなる。
これら各規制手段によって相対変位が規制された状態で、両構成体400,500の少なくとも何れかを主制御装置301(主制御基板311)の短手方向へスライド移動させることで、両構成体400,500を組み合わせることができる。つまり、これら規制手段を併用することにより、両構成体400,500を組み合わせたり分離したりする際の相対変位の方向が主制御基板311の短手方向と同一方向となるように規定されている。
上述した組み合わせ方向へ表側構成体400及び裏側構成体500をスライド(相対変位)させた場合には(例えば裏側構成体500に対して表側構成体400を組み合わせ側にスライドさせた場合には)、同表側構成体400が裏側構成体500に対する組み合わせ完了位置に到達することにより、表側構成体400の第1表側周壁部425が裏側構成体500の第1裏側周壁部525に対して主制御装置301の内側から当接するとともに第1表側周壁部426が第1裏側周壁部526に対して主制御装置301の外側から当接する。これにより、同方向へのそれ以上のスライドが阻止され、両構成体400,500の組み合わせが完了することとなる。
基板ボックス312における第1周壁部425,525が設けられている側の端部には、両構成体400,500を相互に固定する固定手段314が設けられている(図10参照)。固定手段314は、基板ボックス312の上記ベース体321から同ベース体321の外部、詳しくは台座ユニット302の張出部323側(すなわち主制御装置301の回動基端側)に突出しており、同固定手段314によって主制御基板311が見えづらくなることが回避されている。
また、固定手段314は、上記台座ユニット302(詳しくは張出部323)に形成された固定手段用収容部323a,323b(図8又は図9参照)に収容されており、同固定手段314に対する主制御装置ユニット300の外部からのアクセスが制限されている。これにより、主制御装置301を台座ユニット302から取り外すことなく同固定手段314にアクセスすることが困難となっている。
固定手段314については、主制御基板311を基板ボックス312内に封印する封印手段としての機能が付与されている。つまり、固定手段314によって表側構成体400と裏側構成体500とが開封不能に固定される。固定手段314を用いて封印を施すことで、主制御基板311に対する不正なアクセス等が抑制される。また、仮に主制御基板311にアクセスされた場合には、固定手段314に対して封印解除の痕跡が残存することにより、同痕跡を確認することで主制御基板311に対するアクセスが行われた事実を把握することができる。
固定手段314は、別個独立して設けられた第1固定手段314A及び第2固定手段314Bを有してなり、それら各固定手段314A,314Bによる封印をそれぞれ解除することにより基板ボックス312が開封され、両構成体400,500の分離が許容されることとなる。本実施の形態においては特に、各固定手段314A,314Bに異なる固定手法が適用されている。
以下、図14〜図16を参照して第1固定手段314Aについて説明し、その後、第2固定手段314Bについて説明する。図14は図10のA−A線部分断面図、図15は第1固定手段314Aを正面側から見た分解斜視図、図16は第1固定手段314Aを背面側から見た分解斜視図である。
<第1固定手段314A>
図15等に示すように、第1固定手段314Aは、表側構成体400に設けられた表側固定部450と、裏側構成体500に設けられ表側固定部450と対をなす裏側固定部550と、それら両固定部450,550を覆うカバー部材600とによって構成されている。
裏側固定部550は、第1裏側周壁部525(台座ユニット302の張出部323側の周壁部)に一体成形されており、当該第1裏側周壁部525から基板ボックス312の外側へ突出している。裏側固定部550は、第1裏側周壁部525から起立し上記特定方向(規定手段313によって規定された構成体400,500の相対変位方向)と同じ方向(下方)に延びる複数(詳しくは3つ)の裏側アーム部551を有している。裏側アーム部551は主制御基板311の長手方向に相互に離して配されており、同裏側アーム部551の先端部分にはそれら全ての裏側アーム部551に跨るようにして略平板状の裏側固定ベース部561が形成されている。このように、裏側アーム部551に基板ボックス312の本体部351と裏側固定ベース部561を連結する機能が付与されている点に着目すれば、これら裏側アーム部551を「連結部」と称することも可能である。
一方、表側固定部450は、第1表側周壁部425において裏側構成体500の第1裏側周壁部525に対向している部分に一体形成されており、当該第1表側周壁部425から基板ボックス312の外側へ突出している。表側固定部450は、第1表側周壁部425から起立し上記規制方向と同じ方向(下方)に延びる1の表側アーム部451を有している(図14参照)。表側アーム部451は裏側アーム部551のうち中央に配置された1つに対して表側から重なるようにして形成されており(図10参照)、第1裏側周壁部525において当該裏側アーム部551に隣接する部位には、内外に貫通するスリット535が設けられている。
スリット535は、表側アーム部451の挿入を許容する大きさに形成されており、このスリット535に対して表側アーム部451が嵌まることにより上記表側アーム部451と第1裏側周壁部525との干渉が回避されている。なお、このスリット535については、第1表側周壁部425が第1裏側周壁部525に対して当接することにより基板ボックス312の内側から塞がれている。
表側アーム部451の先端部分は裏側アーム部551の先端部分よりも基板ボックス312の本体部351から離れる側へ延びている。裏側固定ベース部561には表側アーム部451に対応させて表側固定部450側に開放された溝部562が形成されている。溝部562は、表側アーム部451と同じ方向に延びているとともに、その両端部が第1裏側周壁部525側と同第1裏側周壁部525とは反対側とに開放されている。この溝部562に対して表側アーム部451が挿通されている。
表側アーム部451における先端部と基端部との中間部分には裏側固定ベース部561と対向するようにして略平板状の表側固定ベース部461が形成されている。このように、表側アーム部451に基板ボックス312の本体部351と表側固定ベース部461を連結する機能が付与されている点に着目すれば、同表側アーム部451を「連結部」と称することも可能である。
表側固定ベース部461において表側アーム部451を挟んだ両側には裏側固定ベース部561側に凸となる表側突起465が設けられている(図16の部分拡大図参照)。これに対して、裏側固定ベース部561にはそれら表側突起465と対をなす裏側突起565が設けられている(図15の部分拡大図参照)。
より詳しくは、図15及び図16の各部分拡大図に示すように、表側突起465は表側固定ベース部461から略垂直に起立するとともに第1表側周壁部425側(基板ボックス312の本体部351側)を向く(上記特定方向に対して垂直となる)表側起立面466を有し、裏側突起565は裏側固定ベース部561から略垂直に起立するとともに第1裏側周壁部525側(基板ボックス312の本体部351側)を向く(上記特定方向に対して垂直となる)裏側起立面566を有し、裏側起立面566に対して表側起立面466が基板ボックス312の本体部351とは反対側から当接することにより、上記規制方向のうち分離側への両構成体400,500の相対変位が規制されている。
表側突起465には表側起立面466の先端部と表側固定ベース部461とを繋ぐとともに第1表側周壁部425とは反対側へ傾斜する表側傾斜面467が形成されており、裏側突起565には裏側起立面566の先端部と裏側固定ベース部561とを繋ぐとともに第1裏側周壁部525側へ傾斜する裏側傾斜面567が形成されている。構成体400,500同士を組み合わせる場合には、上記特定方向における組み合わせ側への両構成体400,500の相対変位により表側傾斜面467と裏側傾斜面567とが当接し、表側固定ベース部461と裏側固定ベース部561との間隔が拡がるようにして両固定部450,550が撓み変形する。その後、両傾斜面467,567の上記特定方向における位置関係が逆転すると、それら固定部450,550が自身に蓄えられた弾性力によって変形前の状態に復帰し、これに合わせて上記起立面466,566同士が当接することとなる。これにより、両構成体400,500の分離側への相対変位が規制される。
なお、固定手段314を構成する両突起465,565を両固定ベース部461,561によって挟まれた領域に配することにより同突起465,565の露出を抑え、主制御装置301の外部からの不正なアクセスを困難なものとしている。
裏側固定ベース部561において裏側アーム部551とは反対側の端部、具体的には溝部562に対して裏側アーム部551とは反対側の端部には、表側アーム部451の先端部が挿入される挿入部571が形成されている。挿入部571は、表側固定部450側に隆起しており、溝部562とは反対側に開放された溝状をなしている。挿入部571には、表側アーム部451の先端部分に対して表側固定部450側から当接することにより、裏側固定部550からの表側固定部450の浮き上がりを阻げるストッパ部573が形成されている(図14参照)。
このような浮き上がりを規制することにより、上述した表側突起465と裏側突起565との掛かり代が小さくなってそれら両突起465,565による固定機能が低下することを抑制している。特に、基板ボックス312の本体部351から第1固定手段314Aを突設している構成においては、上記フック部533及び受け部433による変位規制機能が及びにくくなる。そこで、第1固定手段314Aにおいて突起465,565よりも先端寄りとなる部位に浮き上がりを規制する手段を配することで上記固定機能を安定して発揮させることが可能となっている。
図14に示すように、表側アーム部451と挿入部571(ストッパ部573)との関係について補足説明すれば、挿入部571の入口側の端面572には、表側アーム部451(詳しくはその先端部分)をストッパ部573に誘導する誘導部574が形成されている。誘導部574は挿入部571の奥側(ストッパ部573側)へ向けて傾斜する面状をなしており、構成体400,500の組み合わせ側への相対変位に基づいて表側アーム部451の先端が誘導部574に当接することで同表側アーム部451がストッパ部573側へ誘導されることとなる。構成体400,500を組み合わせる過程で上記傾斜面467,567同士が当接して固定ベース部461,561間に浮き上がりが生じた場合であっても、同表側アーム部451が挿入部571から外れた位置へ達するといった不都合の発生を抑えている。
また、上記突起465,565の起立面466,566同士が引っ掛かるよりも前にストッパ部573と表側アーム部451とが当接するようにして、それらストッパ部573及び表側アーム部451の掛かり代が設定されている。これにより、誘導部574を採用しつつ、同誘導部574の誘導機能によってストッパ部573及び表側アーム部451による浮き上がり防止機能が低下することを回避している。
以上詳述した表側固定部450及び裏側固定部550のうち少なくとも固定ベース部461,561による固定箇所を覆うようにして、上記カバー部材600が設けられている。より詳しくは、同カバー部材600によって両固定部450,550全体が覆われている。カバー部材600は透明性を有する合成樹脂材料を用いて形成されており、当該カバー部材600を通じた固定部450,550等の視認性が担保されている。以下、図14〜17を参照して、カバー部材600及びそれに関連する構成について説明する。図17(a)はカバー部材600の外部構造を示す斜視図、(b)はカバー部材600の内部構造を示す部分破断図、(c)はカバー部材600の動きを示す概略図である。
<カバー部材600>
図14に示すように、カバー部材600は、固定部450,550におけるアーム部451,551(本体部351との連結箇所)を覆う第1カバー部610と、固定ベース部461,561(固定箇所)を覆う第2カバー部620と、それら第1カバー部610及び第2カバー部620を連結する連結部630とを有してなり、第2カバー部620が基板ボックス312(詳しくは固定部450,550)に対して固定されることで同基板ボックス312からの取り外しが不可となっている。
図17(a)に示すように、第1カバー部610は、アーム部451,551に沿って延びる筒状をなしており、本体部351(詳しくは第1周壁部355)側及び同本体部351(詳しくは第1周壁部355)とは反対側に開放されている。これら両開放部分のうち本体部351側の開放部がカバー部材600の挿入口601となっており、その挿入口601には、当該挿入口601の中心とは反対側に凸となるようにしてフランジ状の開口縁部611が形成されている。このようにして開口縁部611を形成することで、第1カバー部610の強度向上が図られている。
第1周壁部355には、開口縁部611と嵌合する嵌合凹部353が両構成体400,500(第1周壁部425,525)に跨るようにして形成されている。嵌合凹部353の内形は開口縁部611の外形に合わせて形成されており(図14参照)、カバー部材600が装着された状態では、嵌合凹部353の底面及び周面に対して第1カバー部610の開口縁部611が当接している。これにより、カバー部材600と本体部351との隙間を通じてカバー部材600によって囲まれた領域へ侵入することを困難なものとしている。また、嵌合凹部353によって上記規制方向以外の方向へのカバー部材600の変位が抑えられている。これにより、例えばカバー部材600の位置をずらすことで当該カバー部材600の取り外し規制を弱めるといった行為を難しくしている。
第2カバー部620は、第1カバー部610側に開放された略包状をなしており、当該開放部分(以下、連通口602と称する)を通じて第1カバー部610と連通している(図17(b)参照)。連通口602は、第1カバー部610の開放部分よりもひと回り小さく形成されており、その端面が第1カバー部610によって囲まれた領域と対峙している。
再び図14を参照して説明すれば、連通口602には、表側固定部450を構成する表側アーム部451及び表側固定ベース部461と裏側固定ベース部561が挿通されている。連通口602と表側固定ベース部461との間には、一部に隙間が確保されており、カバー部材600を装着する際に連通口602に対して表側固定部450が引っ掛かることを抑制している。
表側固定ベース部461の端部には、連通口602の一部を第1カバー部610側から覆う覆い部471が形成されている(図15を参照)。この覆い部471は、連通口602の端面に対して第1カバー部610側から当接しており、連通口602と表側固定ベース部461との間に形成された隙間が第1カバー部610側から塞がれた状態となっている。これにより、第1カバー部610によって囲まれた領域を経由して、第2カバー部620によって囲まれた領域(例えば上記規制手段等)への不正なアクセスが行われることを抑制している。
第2カバー部620において表側固定ベース部461と対向している部分にはカバー部材600の内外に貫通する開口部621が形成されている。この開口部621には、当該開口部621を通じたカバー部材600の内外への変位が許容されたカバー側係合部622が設けられている(図17(c)参照)。
図17に示すように、カバー側係合部622には、表側固定ベース部461に対向するとともに開口部621に対して隙間を隔てて対峙する板状部623を有しており、開口部621と板状部623との隙間を埋めるようにして形成された繋ぎ部624を介して第2カバー部620と連なっている。
繋ぎ部624は、開口部621の縁部に沿って第1カバー部610から遠ざかるようにして延びる(カバー部材600の装着方向における先側から手前側へ延びる)アーム状をなしており、板状部623を挟んだ両側にそれぞれ配設されている。繋ぎ部624における第1カバー部610側の端部は開口部621の縁部に対して繋がっており当該繋がっている部分(基端部)を基端とした撓み変形が許容されている。
繋ぎ部624における他方の端部(先端部)については、カバー側係合部622の板状部623よりもカバー部材600の装着方向手前側に位置しており、当該端部が同板状部623に対して同装着方向手前側から繋がっている。より詳しくは、繋ぎ部624の先端部には、基端部側に折り返すようにして返し部624aが形成されており、この返し部624aが板状部623に対して繋がっている(図15参照)。
以上詳述したように、繋ぎ部624とカバー側係合部622との繋がりを工夫することにより、カバー側係合部622については、繋ぎ部624が上記基端部を中心に撓み変形することにより当該基端部を中心とした変位が許容され、更には繋ぎ部624における折曲部分(返し部624aの基端部分)を基端として撓み変形することにより同折曲部分を中心とした変位が許容される構成となっている。
なお、繋ぎ部624及び板状部623によって第2カバー部620における開口部621の大半が覆われており、当該開口部621を通じた不正具等の挿入を困難なものとしているが、それら開口部621と板状部623との間には後述する硬化樹脂を注入するための隙間が確保されている。
図14に示すように、カバー側係合部622の板状部623において繋ぎ部624と繋がっている側の端部には表側固定ベース部461側に突出する突出部625が形成されている。これに対して、裏側固定ベース部561において溝部562と挿入部571との間となる部位には裏側固定ベース部561の厚さ方向に貫通する貫通孔563が形成されており、この貫通孔563に対して突出部625が挿通されることで同突出部625は両固定ベース部461,561に跨る位置に存在している。
突出部625はカバー部610,620の並設方向(カバー部材600の着脱方向)に対して垂直となる略板状をなしており、当該突出部625における片側の板面が挿入部571の端面572に対して同カバー部材600の装着方向における先側から当接している。これにより、カバー部材600の取り外し方向への変位が規制されている。
突出部625において挿入部571の入口部分と対峙している部分には、表側アーム部451が挿通される挿通孔626が同入口部分に連通するようにして形成されている。この挿通孔626に対して表側アーム部451の先端部分が挿通されることで、貫通孔563からの突出部625の抜けが妨げられている。これにより、基板ボックス312からのカバー部材600の取り外しが規制されている。
また、表側アーム部451の先端部分には、挿入部571のストッパ部573とは反対側に凸となる爪部452が形成されており、この爪部452に対して突出部625がカバー部材600の装着方向における先側から当接している。つまり、裏側構成体500だけでなく表側構成体400によってもカバー部材600の取り外し方向への変位が規制されている。
カバー側係合部622において挿通孔626を挟んだ両側には突出部625と板状部623とに繋がる三角リブ627が形成されており、表側固定ベース部461において表側アーム部451を挟んだ両側にはそれら三角リブ627に当たる作用部472が設けられている。作用部472は、上記突起465,565の傾斜面467,567同士が当接している状況にて、三角リブ627に対して当接する構成となっており、作用部472によって三角リブ627が押されると、同三角リブ627の傾斜によってカバー側係合部622が表側固定ベース部461から浮く側へ変位する。これにより、カバー部材600の取り付け時に、表側アーム部451の挿入軌道上から挿通孔626がずれて係合状態への移行が上手く行われなくなることを回避している。
<第1固定手段314Aを用いた封印作業>
ここで、図18を参照して第1固定手段314Aを用いた封印状態への移行作業について説明する。図18は第1固定手段314Aの動きを示す動作説明図であり、カバー部材600の装着操作及び両構成体400,500の組み合わせ操作(スライド操作)に基づいて図18(a)→図18(b)→図18(c)の順に動作する。なお、表側構成体400と裏側構成体500とは、板状部431等によって定められた上記規制方向への相対移動によって組み合わされるが、この際、表側構成体400に対して裏側構成体500をスライドさせた場合と、裏側構成体500に対して表側構成体400をスライドさせた場合とでは実質的に同一の結果となる。そこで以下の説明では、裏側構成体500に対して表側構成体400をスライドさせた場合について例示する。
両構成体400,500を組み合わせる場合には、先ず表側構成体400の挿入部434に裏側構成体500のフック部533が嵌まるようにして、表側構成体400を裏側構成体500に対して近づける。挿入部434にフック部533が嵌まることにより、表側構成体400の第2表側周壁部427,428と表側板状部431,432との間に、裏側構成体500の裏側板状部531,532が嵌まり、裏側構成体500に対する表側構成体400のスライド方向が上記特定方向となるように制限される(図12及び図13参照)。
このように挿入部434に対してフック部533が挿入された段階では、両構成体400,500は上記特定方向にずれており、未だ組み合わせが完了していない状態となっている(図18(a)参照)。この状態では表側アーム部451の一部が溝部562に嵌まっており、同表側アーム部451の貫通孔563側への突出は上記カバー側係合部622の板状部623が貫通孔563へ挿入されることを妨げない程度に抑えられている。
ここで、カバー部材600を裏側構成体500に対して仮止めする。具体的には、カバー部材600を、当該カバー部材600の挿入口601を通じて固定部450,550が同カバー部材600内に収容されるように押し込む。このような押し込み操作に伴って、先ずカバー部材600(詳しくはカバー側係合部622)の三角リブ627が挿入方向手前側から裏側固定ベース部561の先端部(詳しくは挿入部571)に当たり、更なる押し込み操作によって三角リブ627が開口部621を通じて裏側固定部550から離れる側へ押される。これにより、繋ぎ部624が撓み変形(弾性変形)し、カバー側係合部622が開口部621を通じてカバー部材600の外側へと変位することとなる(図18(a)の2点鎖線参照)。
カバー側係合部622の変位量が予め定められた量に達すると、カバー側係合部622は、裏側固定ベース部561の挿入部571に乗り上げた状態となり、更なるカバー部材600の押し込み操作に伴って挿入部571上に乗り上げた状態のまま貫通孔563側へ変位する。
その後、カバー部材600が裏側構成体500(裏側固定部550)に対する装着完了位置に到達すると、カバー側係合部622の突出部625が裏側固定ベース部561の貫通孔563に達し、繋ぎ部624が自身に蓄えられた弾性力によって変形前の状態に復帰することで、突出部625が貫通孔563に嵌まる(図18(b)参照)。
このように、カバー部材600が取り付けられた状態では、同カバー部材600が裏側構成体500の第1裏側周壁部525に当接することでそれ以上の押し込み操作が不可となり、更には突出部625が挿入部571に当接することで上述の如く同カバー部材600が裏側構成体500に対して仮止めされた状態となる。但し、かかる状態では、カバー部材600は裏側構成体500に対して仮止めされているに過ぎず、カバー側係合部622を指等で貫通孔563から引き抜き可能であり、同操作を行うことでカバー部材600の仮止めを解除することができる。
このようにカバー部材600の装着作業をやり直す場合には、板状部623において繋ぎ部624と繋がっている部分とは反対側の端部を指等で持ち上げることにより、カバー側係合部622が繋ぎ部624における上記折曲部分を基端として回動する。これにより、板状部623が挿入部571の端面572に対して斜めに当たることとなり、カバー部材600の取り外し方向への引っ張り操作によってカバー側係合部622が貫通孔563から離脱する側に変位することとなる。これにより、カバー側係合部622の係合を解除するための操作を簡略化することができ、カバー部材600の取り外し作業が難しくなることを抑えている。
図18(b)に示したようにカバー部材600の仮止めが完了した後は、図18(b)→図18(c)に示すように、表側構成体400を裏側構成体500との組み合わせ完了位置に向けてスライドさせる。この際、先ず表側アーム部451の先端部がカバー部材600(詳しくは突出部625)の挿通孔626に挿通される。その後、挿通孔626を通過した表側アーム部451の先端部が挿入部571に到達するのに合わせて表側突起465の表側傾斜面467と裏側突起565の裏側傾斜面567とが当接し、表側固定部450が裏側固定部550から浮き上がるように変位する。
表側構成体400のスライド操作が継続されると、先ず表側アーム部451の先端部が挿入部571のストッパ部573に対して当接し、表側アーム部451のストッパ部573側への変位が規制される。その後、表側アーム部451の爪部452が突出部625の挿通孔626に対して開口部621側から当接し、同突出部625が開口部621から遠ざかる側に押される。
その後、表側突起465の表側傾斜面467が裏側突起565の裏側傾斜面567を乗り越えると、表側固定部450が自身の弾性力により変形前(浮き上がり前)の状態に復帰し、表側起立面466と裏側起立面566とが当接することとなる。これにより、表側構成体400と裏側構成体500との組み合わせが完了し、両構成体400,500の分離側への相対変位が規制されることとなる(図18(c)参照)。
また、両突起465,565の引っかかりに僅かに先んじて表側アーム部451の爪部452がカバー側係合部622の突出部625に対して引っ掛かり、カバー部材600によって表側構成体400の分離側への変位が規制されることとなる。このようにして、爪部452と突出部625とが係合して両構成体400,500の組み合わせが完了するまでの間に、カバー部材600の三角リブ627に対して作用部472が当接することでカバー側係合部622が開口部621側へ僅かに押され、板状部623における挿通孔626の縁部が表側アーム部451に対して開口部621とは反対側から当接した状態となる。これにより、爪部452と突出部625との掛かり代が減少することを好適に回避される。
このようにして、両構成体400,500の分離側への相対変位が規制されることで、表側構成体400と裏側構成体500とが一体化され、主制御基板311が基板ボックス312内に封印された状態となる。
その後、カバー部材600の開口部621を通じて第2カバー部620によって囲まれた領域へ硬化樹脂が注入されることにより、同第2カバー部620と固定部550,650との隙間が同硬化樹脂によって埋められる。この硬化樹脂は紫外線を照射することによって硬化し、同硬化樹脂によって上述した可動部分の変位が妨げられることとなる。なお、第2カバー部620によって囲まれている領域と、第1カバー部610によって囲まれている領域とは、上記覆い部471等によって仕切られており、開口部621から注入された硬化樹脂が第1カバー部610によって囲まれた領域へ流れ込むことが回避されている。
このように、硬化樹脂によって第1固定手段314Aの主要可動部分を覆うことにより、カバー部材600外からの不正な固定解除操作を困難なものとし、防犯機能の向上を図っている。
このようにして、封印状態となった主制御装置301を台座ユニット302に対して組み付けた場合には、ベース体321に形成された固定手段用収容部323a(図9参照)に、第1固定手段314Aが収容される。これにより、主制御装置301を台座ユニット302(ベース体321)から取り外すことなく、同第1固定手段314Aに対してアクセスすることや、第1固定手段314Aによる固定の解除、カバー部材600の取り外しを不可としている。
固定手段用収容部323aについては、第1固定手段314A全体を覆うことで、上記機能を好適に発揮させることができる一方で、透明性を有する合成樹脂材料を用いて形成されていることにより当該固定手段用収容部323aを通じた第1固定手段314Aの視認性が担保されている。さらには、固定手段用収容部323aにおいて上記カバー側係合部622と対峙している部分にはレンズ部が形成されており、当該レンズ部を通じてカバー側係合部622を見ることで同カバー側係合部622及びその周辺部位が拡大表示される構成となっている。これにより、カバー側係合部622や繋ぎ部624等の確認作業の容易化を図っている。
<第1固定手段314Aの封印解除に関する構成>
次に、再び図14及び図17を参照して第1固定手段314Aによる封印状態を解除する場合に利用される構成について説明する。
図17等を参照して説明したように、カバー部材600は第1カバー部610と第2カバー部620とによって構成されており、それら両カバー部610,620は連結部630を介して連なっている。具体的には、第1カバー部610と第2カバー部620との境界には、スリットが形成され、カバー部材600の強度が部分的に弱くなるように設定されている。より詳しくは、連結部630については、カバー部材600における連結部630以外の部位を破壊する等して表側構成体400及び裏側構成体500の分離規制を解除して基板ボックス312を開封させるよりも同開封作業が容易となるように形成されている。
連結部630は、上記アーム部451,551と同じ方向に延びるアーム状をなしており、カバー部材600において上記開口部621が設けられている正面部分と、同開口部621が設けられている側とは反対の背面部分とにそれぞれ配設されている。また、連結部630は、その一部が第1カバー部610によって区画された領域と対峙するようにして形成されており、同連結部630の両側には、当該連結部630をニッパやカッタ等の工具を用いて破壊(切断)する際の工具挿入用の作業孔が形成されている。このようにして工具を用いた作業用の領域を確保することにより、連結部630の破壊作業の容易化を図っている。
しかしながら、上記作業孔を採用することで各アーム部451,551への不正なアクセスを抑制する第1カバー部610の抑制機能が低下し得る。この点、本実施の形態における連結部630については、上記表側アーム部451と当該表側アーム部451に対して重なっている裏側アーム部551とを挟むようにして配されており、上記作業孔を通じたアーム部451,551の露出を抑えるとともに、連結部630を破壊することなくアーム部451,551のみを破壊するといった行為を難しくしている。
また、図14に示すように、第1カバー部610については当該第1カバー部610の内部を第2カバー部620が通過可能となる大きさに形成されており、例えばカッターやニッパ等の工具を用いて連結部630を切断して両カバー部610,620を分離した場合には、同第1カバー部610をカバー部材600の装着方向とは反対側へ引き抜くことにより、第1カバー部610を取り除くことができる。なお、図14においては2点鎖線によって挟まれた領域が第1カバー部610の通過経路に相当している。
<第1固定手段314Aによる封印の解除作業>
ここで、図19を参照して第1固定手段314Aによる封印を解除する場合の作業の流れについて説明する。図19は第1固定手段314Aを用いた封印の解除作業の流れを示す作業作説明図であり、図19(a)→図19(b)→図19(c)の順に作業を行うことで主制御装置301が開封されることとなる。
第1固定手段314Aによる封印を解除する場合には、先ずニッパやカッタ等の工具を用いて、カバー部材600の連結部630を切断する。これにより、同カバー部材600が第1カバー部610と第2カバー部620とに分離されることとなる。
ここで、第2カバー部620には基板ボックス312に対する固定機能が付与されており、同第2カバー部620は固定部450,550に固定されたままの状態で維持される。一方、第1カバー部610については、第2カバー部620のような固定機能が付与されていないため、連結部630が切断されることで、同固定部450,550に対する相対位置の変化が許容されることとなる(図19(a)参照)。
第1カバー部610を第2カバー部620から分離した後は、図19(b)に示すように、同第1カバー部610内を第2カバー部620が通過するようにしてカバー部材600の装着方向とは反対側に変位させることにより、第1カバー部610を取り除くことができる。このようにして第1カバー部610を取り除くことにより、表側アーム部451及び裏側アーム部551が露出し、それらアーム部451,551へのアクセスが許容されることとなる。
ここで、アーム部451,551については、上記連結部630と同様に、固定ベース部461や第2カバー部620等を破壊して両構成体400,500の固定を解除するよりも、同アーム部451,551を破壊して固定にかかる構成を基板ボックス312から除去して両構成体400,500の固定を解除するほうが容易となるように構成されている。
再びニッパやカッタ等の工具を用いて、全てのアーム部451,551(例えば図19(b)の矢印に示す部位)を切断することにより、図19(c)に示すように、第1固定手段314Aの主要部分が基板ボックス312から分離されることとなる。つまり、上記表側固定部450と裏側固定部550との固定状態や両固定部450,550とカバー部材600(詳しくは第1カバー部610)との固定状態そのものを解除するのではなく、固定ベース部461,561及び第1カバー部610を基板ボックス312から分離することにより、両構成体400,500の固定が解除される。これにより、基板ボックス312が開封されることとなる。
このように、第1固定手段314Aによる封印を解除した場合には、基板ボックス312に破壊の痕跡(開封痕跡)が残存することとなり、基板ボックス312の開封がなされたことを事後的に確認可能となっている。第1固定手段314Aに開封痕跡を残存させる機能が付与されている点に着目すれば、第1固定手段314A(特にアーム部451,551)を「第1痕跡手段」と称することも可能である。
このようにアーム部451,551が切断された場合に、その痕跡を目視で確認することで開封の有無を把握する構成においては、切断面を接着する等して痕跡の確認を困難にするといった不正行為が行われる可能性がある。仮にこのような不正行為が行われた場合には、同不正行為の発見が遅れて遊技ホールが被る被害が甚大になると想定される。そこで、本実施の形態においてはそのような不都合の発生を抑える工夫が施されている。以下、当該工夫に係る構成について図14及び図19を参照して説明する。
<隠蔽行為の発見を容易とする構成>
図14に示すように、表側構成体400の表側対向部401には表側アーム部451に対して第1表側周壁部425を挟んで反対側となる部位に突条部455が一体成形されている。突条部455は、表側アーム部451と同一方向に延びており、表側アーム部451と一連となるように形成されている。主制御基板311の素子搭載面311aにおいて突条部455の先端部と対峙する部位には、主制御基板311の正面側へ光を発する発光体(詳しくはLED)319が設けられており、この発光体319からの光は突条部455に照射され突条部455において発光体319側を向いた面を通じて同突条部455内に入る構成となっている。
突条部455において発光体319からの光が照射される部分には、当該突条部455に照射された光を表側アーム部451へと反射する反射面456が形成されている。反射面456は、発光体319側を向く成分と表側アーム部451の先端部側を向く成分とを有する平面状をなしており、光の通過を許容する構成となっている。つまり、発光体319からの光の一部は反射面456を通過してそのまま遊技機前方へ照射され、残りが反射面456を通過することなく表側アーム部451側へ反射されることとなる。反射面456によって反射された光は、突条部455→表側アーム部451を経由して同表側アーム部451外に射出される。
表側アーム部451において光が射出される部分、詳しくは裏側固定ベース部561の溝部562の底面と対峙している部分には、光を拡散させる光拡散部457が形成されている。光拡散部457は表側アーム部451の先端部から基端部にかけて形成された複数の段差部からなる階段状をなしており、表側アーム部451から光が射出されることで同光拡散部457全体が発光しているかのように視認させる構成となっている。
発光体319はスロットマシン10の電源がONとなっている状況では、常に発光する構成となっており、ホール管理者等が主制御装置301の確認作業を行う場合には、反射面456を通じて発光体319が発光していることを確認した上で、光拡散部457の発光を確認することで、上述したような破壊痕跡の隠蔽が行われた可能性があるか否かを把握することができる。
仮に、第1固定手段314Aを分離したのち接着材等を用いてアーム部451,551を再結合するといった不正行為が行われた場合には、光通路(表側アーム部451)における上記破壊された部位にて光が拡散されることとなり(図19(c)参照)、表側アーム部451の途中部分が発光するとともに光拡散部457の発光レベルが低下する又は光拡散部457が消灯されることとなる。これにより、上記隠蔽行為が行われた場合であっても、その事実を容易に把握することができ、防犯機能の更なる向上を実現している。
以上詳述した第1固定手段314Aは、基板ボックス312の長辺部(第1周壁部355)に配置されており、同第1固定手段に対して台座ユニット302及び主制御装置301の封印部(固定部324及び痕跡部325)を挟んだ反対側には、上記第2固定手段314Bが配置されている(図10等参照)。第1固定手段314Aにおいては目視によって開封事実の確認を可能としたが、第2固定手段314Bについては目視による開封事実の確認機能に加え、目視以外の方法による開封事実の確認機能が付与されている。以下、図20及び図21に基づき第2固定手段314B及びそれに関連する構成について説明する。図20は第2固定手段314Bを主要な構成毎に分解して示す分解斜視図、図21(a)は図10のB−B線部分断面図、図21(b)は図10のC−C線部分断面図である。
<第2固定手段314Bに関する構成>
図20に示すように、第2固定手段314Bは、両構成体400,500に跨るようにして貼り付けられることでそれら構成体400,500を結合する封印シール700と、基板ボックス312に設けられ同封印シール700の貼付部位を構成する貼付ベース361とを有している。
具体的には、表側構成体400の第1表側周壁部425には、基板ボックス312の内側へ凹む凹部356が形成されている。貼付ベース361は、凹部356の底部357から突出する表側貼付ベース部481と、裏側構成体500の第1裏側周壁部525から突出する裏側貼付ベース部581とを有してなり、表側構成体400及び裏側構成体500が組み合わされた状態においては表側貼付ベース部481と裏側貼付ベース部581とが両構成体400,500の並設方向に重なりあっている(相対向している)。このように表側貼付ベース部481と裏側貼付ベース部581とが組み合わせられることで略直方体形状の上記貼付ベース361が形成されている。
ここで、表側貼付ベース部481と裏側貼付ベース部581との関係について詳しく説明する。
表側貼付ベース部481は、凹部356の底部357から上記特定方向と同じ方向に延びる略長板状をなしておりその先端部分が凹部356から突出している。上記凹部356は底部357に連なるとともに当該底部357を挟んで対峙する1組の側壁部358を有しており、これら各側壁部358に対して隣接する位置に表側貼付ベース部481が個別に設けられている。つまり、両表側貼付ベース部481は隙間を隔てて互いに対峙するようにして離間して設けられている。
各表側貼付ベース部481の基端部は底部357だけでなく側壁部358に対して連なっている。このように、底部357及び側壁部358に対して表側貼付ベース部481を繋げることにより、当該表側貼付ベース部481の保持強度の向上が図られている。
裏側貼付ベース部581は、図12に示すように、裏側構成体500の第1裏側周壁部525に対して一体成形されている。裏側貼付ベース部581は、第1裏側周壁部525から突出し表側貼付ベース部481に対向する略板状の対向部582と、当該対向部582から表側貼付ベース部481側へと膨出する膨出部583とを有している。膨出部583は、上述した両表側貼付ベース部481の間に嵌まりこんでおり、両表側貼付ベース部481によって挟まれた状態となっている(図20及び図21参照)。また、膨出部583は、裏側構成体500の第1裏側周壁部525を跨いで基板ボックス312の内方に延出しており、表側構成体400において凹部356を形成することで生じている基板ボックス312の間隙(詳しくは表側貼付ベース部481によって覆いきれていない隙間)が当該延出部位によって塞がれた状態となっている。
表側貼付ベース部481において対向部582と対峙している部位には当該表側貼付ベース部481の突出方向と同一方向へ延びる突出片482が形成され(図13参照)、これに対して裏側貼付ベース部581の対向部582には両構成体400,500が組み合わせられた状態にてそれら突出片482と係合する係合部584が形成されている(図12参照)。このようして突出片482が係合部584と係合することにより、裏側貼付ベース部581からの表側貼付ベース部481の浮き上がりや上記幅方向への相対変位が規制されている。
図21(b)に示すように、両貼付ベース部481,581が一体となって貼付ベース361が形成されている状態では、表側貼付ベース部481の表面(主制御装置301の正面側を向いている部位)と膨出部583の表面(主制御装置301の正面側を向いている部位)とが同一平面を構成するように形成されている。この平面部分には、封印シール700を貼り付けるための貼付領域362が表側貼付ベース部481及び裏側貼付ベース部581に跨るようにして形成されている。
つまり、貼付領域362は、表側貼付ベース部481の表面により構成される左側領域362L及び右側領域362Rと、裏側貼付ベース部581の表面により構成されそれら左側領域362L及び右側領域362Rの間に位置する中央領域362Mとにより構成されている。言い換えれば、左側領域362Lと中央領域362Mとの間、中央領域362Mと右側領域362Rとの間に、それぞれ境界(隙間)が生じており、封印シール700がそれら各境界を跨ぐようにして貼り付けられる構成となっている。以下、左側領域362Lと中央領域362Mとの間に生じる境界を「境界BL」と称し、中央領域362Mと右側領域362Rとの間に生じる境界を「境界BR」と称する。
以上詳述した貼付領域362に対して封印シール700が貼り付けられることにより、表側構成体400と裏側構成体500とが固定されている。
ここで、封印シール700について図22及び図23を用いて説明する。図22(a)は封印シール700の正面図、図22(b)は封印シール700の裏面図、図23は封印シール700の断面図である。
<封印シール700>
封印シール700は、図22に示すように、略矩形状のベースシート701を備えており、ベースシート701の裏面には粘着剤が塗布されてなる粘着層702が設けられている。粘着層702には電子タグ(又はRFIDタグ)としてのICタグ703が埋め込まれている。なお、図22においては、粘着層702に剥離シート704が積層されているが、当該剥離シート704は封印シール700を基板ボックス312に貼り付ける際に剥がされる。
ベースシート701はポリエステル系フィルムなどの可撓性樹脂フィルムにより形成されており適度な脆性を有し、さらに溶剤や熱に対して反応性を有する。具体的には、粘着層702を構成する粘着剤に対して溶解性を備えたトルエンなどがベースシート701に塗布されると、ベースシート701は変色する。また、粘着層702の粘着力が低下する温度(例えば、50℃)以上の熱が加えられた場合にもベースシート701は変色する。これにより、基板ボックス312の貼付領域362から封印シール700を不正に剥がそうとして溶剤がかけられたり、熱が加えられたりした場合、ベースシート701が変色することで当該不正行為の痕跡を残すことができる。
ベースシート701の表面には、図22(a)に示すように、インク塗布部705、識別番号部706及び機種情報部707が設けられている。インク塗布部705には、紫外線などといった特定の波長の光が照射されることにより模様が表れる特殊インクが塗布されている。識別番号部706には、複数の数字が記載されており、当該識別番号部706に記載される数字はパチンコ機毎に異なっている。機種情報部707には、当該遊技機の機種名や当該遊技機の製造メーカー名などが記載されている。
粘着層702の粘着剤は、従来の封印シールと同様に、一旦貼り付けされた後に剥がされるとベースシート701から剥がれる程度の粘着力を有している。したがって、封印シール700が剥がされた場合には再度貼り付けすることが不可能なものであり、さらには粘着層702の一部が貼付領域側に残ることとなる。よって、封印シール700を不正に剥がした痕跡を残すことができる。
ICタグ703は、ICチップ711及びアンテナ部材712を備えている。ICチップ711は集積回路として形成されるものであり、制御部及びメモリ領域を有する。メモリ領域は、データ書き換え不可な不揮発性メモリ(ROM)により構成されており、その記憶容量は例えば128bitとなっている。メモリ領域には、識別情報としてのID情報が格納されている。具体的には、製造メーカ名(又は複数のメーカごとに付されたメーカ固有番号)、遊技機固有のID番号が格納されている。ICチップ711のメモリ領域はデータ書き換え不可であるため、ID情報が不正に改ざんされる等の不都合が抑制できるようになっている。
アンテナ部材712は平面矩形状であって比較的薄い(例えば、10〜200μm)長尺状となっており、アルミや銅等の金属の導体箔として形成されている。アンテナ部材712の長手方向(又は長さ方向)のほぼ中央には、ICチップ711が配置されている。かかるICチップ711の配置は、例えば異方導電性フィルムや導電ペーストなどの接着剤によって、ICチップ711の図示しない電極をアンテナ部材712に固定することで行われている。
アンテナ部材712においてICチップ711が配置された位置には、アンテナ部材712の表面から裏面に貫通させてスリット713が形成されている。スリット713は、ICチップ711からアンテナ部材712の長手方向に延びる第1スリット部714と、ICチップ711から上記長手方向に対して交差する方向、具体的には上記長手方向に直交する方向に延び、アンテナ部材712の端部に達する第2スリット部715とからなり、全体としてL字状に形成されている。スリット713は、ICチップ711の内部に形成されている容量素子と結合してICチップ711とアンテナ部材712との間のインピーダンスを整合させるマッチング回路を構成するインダクタとして機能する。この点、スリット713を整合用切り込みと称することができ、さらには当該スリット713が正常に機能しないとICタグ703において正常な通信が不可となる構成に鑑みると通信用整合部又は不可状態発生部と称することができる。
また、アンテナ部材712は共振調整回路としての機能を有しており、アンテナ部材712の長さ寸法は通信特性に重要な影響を与えるものである。最適なアンテナ部材712の長さ寸法は動作条件により変わるが、アンテナ部材712の周囲が空気である場合には、動作周波数のほぼ1/2波長が最適値となり、周囲が誘電体で覆われている場合には誘電体による波長短縮効果があるので、最適長さ寸法はこれより短い大きさとなることが知られている。本スロットマシン10におけるアンテナ部材712の長さ寸法は、動作周波数が一定周波数となるように、約50mmの大きさに設定されている。
ICチップ711のID情報は、制御部によって呼び出されてアンテナ部材712から電波として発信することができるように構成されており、アンテナ部材712から発信された電波を、リーダ装置で受信してID情報を読み取ることができるようになっている。
ICタグ703(アンテナ部材712)は、図22(b)に示すように、ベースシート701においてその一隅部側からその対角方向の隅部側に亘って斜めに配置されている。この場合、長尺状のアンテナ部材712はその長手方向がベースシート701のすべての辺方向と交差することとなる。
封印シール700にはアンテナ用切り込み716が形成されている。アンテナ用切り込み716はベースシート701の表面から粘着層702の表面まで貫通している。なお、粘着層702の表面とは、封印シール700の裏面側において露出している面であり、この点、アンテナ用切り込み716は封印シール700の表面から裏面まで貫通しているとも言える。
アンテナ用切り込み716は、アンテナ部材712の長手方向に対して直交する方向又は略直交する方向に延びる直線状である。ちなみに、アンテナ部材712の長手方向に対して直交する方向又は略直交する方向は、ベースシート701の全ての辺方向と交差する方向となる。
アンテナ用切り込み716は、アンテナ部材712の短手方向において当該アンテナ部材712を間に挟むようにして形成されているとともに、各長辺部側において長手方向に沿って等間隔となるように複数形成されている。各アンテナ用切り込み716は、ベースシート701においてアンテナ部材712の配置されていない領域側を一端として、他端側がアンテナ部材712の配置されている領域に若干かかる構成となっている。この場合に、一方の長辺部側のアンテナ用切り込み716は他方の長辺部側のアンテナ用切り込み716に対して短手方向に並ばないように形成されている。
複数のアンテナ用切り込み716の一部は、アンテナ部材712においてスリット713が形成された領域に対しても隣接させて設けられている。この場合、一方の長辺部側における一部のアンテナ用切り込み716が、アンテナ部材712においてスリット713が形成された領域に対して隣接させて設けられているとともに、他方の長辺部側における一部のアンテナ用切り込み716も、アンテナ部材712においてスリット713が形成された領域に対して隣接させて設けられている。つまり、アンテナ用切り込み716は、少なくともアンテナ部材712においてスリット713が形成された領域を間に挟むようにして形成されている。
封印シール700の4隅には、ベースシート701の表面側から粘着層702の表面まで貫通する隅側切り込み717がそれぞれ形成されている。隅側切り込み717は、封印シール700の隅角に沿うようにしてL字状に形成されている。また、封印シール700の外縁には、外縁端部から内側に向けて多数の外縁切り込み718が形成されている。これら外縁切り込み718は、内側から外側に向けて開くようにして鋭角のV字状となっており、さらに封印シール700の外周に沿って等間隔で形成されている。
上記のようにアンテナ用切り込み716、隅側切り込み717及び外縁切り込み718が形成されていることにより、封印シール700を貼付領域362から剥がそうとすると、ベースシート701に破れが生じたり、アンテナ部材712が切断されたりする。
具体的には、封印シール700を貼付領域362から剥がす場合、剥がす力に伴う応力が封印シール700の隅側切り込み717や外縁切り込み718に集中するため、封印シール700の破壊が生じる。これにより、ホール管理者等にとっては、剥がした後の封印シール700が再貼付されている場合にはその破壊を目視確認することで上記不正開放の事実を把握することが可能となる。
また、剥がす力に伴う応力がアンテナ用切り込み716の端部に集中することで、アンテナ用切り込み716を介してベースシート701が破壊され、それに伴ってアンテナ部材712が切断される。この場合、アンテナ部材712の長さ寸法が小さくなるため、通信可能距離が短くなる。これにより、上記管理者にとっては、リーダ装置を用いた通信がしづらい又は通信ができないことを確認することで、上記不正開放の事実を把握することができる。
さらに、アンテナ用切り込み716は、少なくともアンテナ部材712においてスリット713が形成された領域を間に挟むようにして形成されており、貼付ベース361の上記左側領域362L,中央領域362M,右側領域362Rの全てに亘ってアンテナ用切り込み716が配置されている。したがって、封印シール700による固定を解除しようとした場合には、スリット713が形成された箇所においてアンテナ部材712の切断又は破壊が生じることが期待される。そうすると、インピーダンス整合が良好に行われなくなり、通信がしづらくなる又は通信が不可となる。この場合、上記管理者にとっては、リーダ装置を用いた通信がしづらい又は通信ができないことを確認することで、上記不正開放の事実を把握することができる。
なお、アンテナ用切り込み716がアンテナ部材712において一方の長辺部側に形成されているとともに他方の長辺部側に形成されていることにより、封印シール700が剥がされた場合にアンテナ用切り込み716を通じたスリット領域の破壊又は切断が生じ易くなっている。
また、各アンテナ用切り込み716は、ベースシート701においてアンテナ部材712の配置されていない領域側を一端として、他端側がアンテナ部材712の配置されている領域に若干かかるように形成されている。これにより、アンテナ用切り込み716を通じて封印シール700が破れた場合には、その破れ領域は封印シール700においてスリット領域に容易に達するため、アンテナ用切り込み716を通じたスリット領域の破壊又は切断が生じ易くなる。
また、アンテナ用切り込み716はベースシート701に形成されておりアンテナ部材712には形成されていない。さらに、アンテナ部材712の一方の長辺部側に形成されたアンテナ用切り込み716と他方の長辺部側に形成されたアンテナ用切り込み716とがアンテナ部材712の幅方向に並ばないように形成されている。これにより、アンテナ用切り込み716を通じてスリット領域が破壊又は切断され易くなるようにした構成において、封印シール700を貼付領域362に正規に貼り付ける際に誤ってスリット領域が破壊又は切断されてしまう可能性が低減される。
次に、封印シール700の貼付位置に係る構成について図24を用いて説明する。図24は貼付領域362と封印シール700との位置関係を説明するための説明図である。なお、説明の便宜上、図24においては、隅側切り込み717及び外縁切り込み718を省略して示す。
図24に示すように、封印シール700は貼付領域362に貼り付けられている。この場合、貼付領域362において上記境界BLよりも左側の領域(左側領域362L)、境界BL,BRによって挟まれた領域(中央領域362M)、境界BRよりも右側となる領域(右側領域362R)に亘って封印シール700が配置されており、当該封印シール700により、各領域362L,362M,362R及び境界BL,BR全体が覆われている。このように、封印シール700は表側貼付ベース部481及び裏側貼付ベース部581の境界BL,BRを跨ぐようにして両貼付ベース部481,581に貼り付けられていることにより、基板ボックス312の開放操作が封印シール700によって阻害される。よって、封印シール700において上記境界BL,BRに跨って貼り付けられている箇所を切断することなく又は封印シール700を剥がすことなく、基板ボックス312を開放することが困難になっている。
封印シール700のアンテナ部材712は、既に説明したとおり、ベースシート701においてその一隅部側からその対角方向の隅部側に亘って配置されているため、封印シール700と同様に、アンテナ部材712も左側領域362L,中央領域362M,右側領域362Rに亘って配置されている。この場合、ICタグ703のアンテナ部材712が上記境界BL,BRを跨いでいる。
また、裏側貼付ベース部581の膨出部583には、上記境界BL,BRと平行に延びる溝部585が形成されており、当該溝部585によって中央領域362Mが左右に2分されている。図24に示すように、アンテナ部材712においてインピーダンス整合用のスリット713のうち、アンテナ部材712の長手方向に延びる第1スリット部714がこの溝部585を跨いでいる。これにより、溝部585に沿って封印シール700が切断された場合には、アンテナ部材712において第1スリット部714が形成された領域が切断され、ICタグ703において正常な通信が不可となる。
既に説明したように、貼付ベース361には封印シール700用の凹みが形成されている。言い換えれば、貼付ベース361には貼付領域362を区画するように囲み部363が形成されている。そして、貼付領域362に貼り付けられている封印シール700の周縁はその全体が囲み部363に近接している。これにより、封印シール700を剥がそうとしても、その剥がし行為が困難なものとなっている。
封印シール700が囲み部363に近接していることにより、封印シール700の貼り付け作業に際しては、封印シール700が囲み部363によって囲まれた領域内からはみ出ないように貼り付けることで、アンテナ部材712と境界BL,BR及び溝部585との位置関係は、自ずと上記のような関係となる。
また、囲み部363によって囲まれた領域は、封印シール700の面積よりも僅かに広くなっている。これにより、封印シール700の貼り付け作業に際しては、貼り付け位置に所定のゆとりが生まれ、貼り付け作業の作業性が向上されている。この場合に、その貼り付け位置のゆとりは、アンテナ部材712と境界BL,BR及び溝部585との位置関係が、自ずと維持される範囲内で設定されている。
貼付領域362に貼り付けられた封印シール700は、図10に示すようにその周囲がシールカバー750によって覆われている。以下、このシールカバー750について、図20及び図21に加え、図25を適宜参照して説明する。図25(a)はシールカバー750を正面側から見た斜視図、図25(b)はシールカバー750を背面側から見た斜視図である。
<シールカバー750>
シールカバー750は、無色透明の合成樹脂(具体的にはポリカーボネート樹脂)からなり、当該シールカバー750を通じた上記封印シール700の視認性が担保されている。但し、シールカバー750は無色透明に限定されることはなく、シールカバー750外から封印シール700を目視確認できるようにする上では、封印シール700を目視確認できる程度の透明性を有していればよい。例えば有色透明とすることも可能である。また、シールカバー750外から封印シール700を目視確認することはできなくなるが、シールカバー750を不透明に形成することも可能である。このような変更を行った場合、シールカバー750により囲まれた空間内を外部から確認することができないため、不正行為者にとっては封印シール700への対策を採りづらくなる。
また、シールカバー750は電波を透過可能に形成され、封印シール700のICタグ703とシールカバー750との間には電波を遮断する部材が設けられていない。したがって、遊技ホールの管理者等はICタグ703からID情報の読み取りを行う場合にシールカバー750を取り外すことなく当該読み取り作業を行うことができる。
この場合、遊技ホールの管理者等はICタグ703からID情報の読み取りを行う場合にリーダ装置の先端をシールカバー750に当接又は近接させることで、ID情報の読み取り作業を簡単且つ確実に行うことができる。つまり、シールカバー750はID情報の読み取り作業に際しての位置決め部として機能する。
図21(b)に示すようにICタグ703がシールカバー750によって覆われているため、遊技ホールの管理者等がICタグ703へリーダ装置を近づけようとすると、シールカバー750と当接し、それ以上近づけることができない。換言すれば、ICタグ703に対してリーダ装置による識別情報の読み取りを行う場合の読み取り位置がICタグ703から予め定められた距離(シールカバー750とICタグ703との距離)よりも近づかないように制限されている。これにより、リーダ装置の先端をシールカバー750に当接又は近接させた状態で読み取り作業を行うように決めておけば、アンテナ部材712に切断が生じることによってICタグ703の通信可能距離が短くなった場合には、リーダ装置にてID情報を読み取ることができなくなる。よって、アンテナ部材712に切断が生じた事実を把握することが可能となり、基板ボックス312の不正な開放操作が行われた可能性があることを認識することができる。
以下、シールカバー750の具体的な構成及びその取付構造等について説明する。
シールカバー750は、図20に示すように、基板ボックス312側に開口する(開口部751を有する)略箱状をなしている。具体的には、シールカバー750は、貼付ベース361に対して同貼付ベース361の先端側から対向する奥壁部752と、同奥壁部752から貼付ベース361側に起立するとともに同貼付ベース361を当該貼付ベース361の厚さ方向両側から挟んで対向する1組の第1対向壁部753と、両第1対向壁部753に亘って設けられ貼付ベース361を当該貼付ベース361の幅方向両側から挟んで相対向する第2対向壁部754とを有してなり、これら各壁部752〜754によって少なくとも封印シール700(貼付領域362)が覆われている。
図25(b)に示すように、シールカバー750の第2対向壁部754には、当該シールカバー750の内側(貼付ベース361側)に突出する突条部756が形成されている。突条部756は、奥壁部752から開口部751へ向けて延びており、裏側貼付ベース部581(詳しくは対向部582)の両側部にはそれら突条部756が嵌まるガイド溝586が形成されている。突条部756がガイド溝586内を摺動することにより、貼付ベース361に対するシールカバー750の相対変位方向(着脱方向)が規定されている。シールカバー750は、基板ボックス312側に開口する開口部751を介して貼付ベース361が差し込まれるように変位することにより同貼付ベース361に対して装着される。以下、便宜上当該移動する方向を装着方向とも言う。
<シールカバー750の取外規制に関する構成>
以下、シールカバー750の取り外しを規制する手段について説明する。
シールカバー750における1組の第1対向壁部753のうち貼付領域362と対峙している第1対向壁部753(以下便宜上、「表側対向壁部753」と称する)には、基板ボックス312(詳しくは表側構成体400)に引っ掛かるカバー側係止部761が一体成形されている。カバー側係止部761は、表側対向壁部753から、装着方向に延びるアーム部762と、同アーム部762の先端部分に形成された爪部763とを有している。アーム部762は、長板状をなしており、その板面が貼付ベース361の幅方向を向くようにして(凹部356の側壁部358に対向するようにして)形成されている。これにより、表側対向壁部753に対して繋がっている部分を基端としたアーム部762の撓み変形が許容されている。当該アーム部762が撓み変形することで爪部763が表側構成体400に対して引っ掛かる係止位置と引っ掛かりが解除される係止解除位置とに変位することとなる。
ここで、カバー側係止部761には、係止対象が異なる第1カバー側係止部761A及び第2カバー側係止部761Bによって構成されており、それら第1カバー側係止部761A及び第2カバー側係止部761Bについてはその構成が一部異なっている。そこで以下、先ず第1カバー側係止部761Aにかかる構成について説明し、その後、第2カバー側係止部761Bにかかる構成について説明する。
図20に示すように、第1カバー側係止部761Aは、表側対向壁部753の幅方向両端部にそれぞれ配置されており、上記凹部356の側壁部358に沿うように形成されている。第1カバー側係止部761Aの爪部763Aについては側壁部358側に凸となっており、側壁部358には爪部763Aが引っ掛かる受け部359が形成されている。
爪部763Aの先端部分には、シールカバー750の装着方向を向く成分と側壁部368側を向く成分とを有する傾斜面が形成されており、シールカバー750を装着する際には同傾斜面が側壁部358に当接することでアーム部762Aが互いに近づく側に撓み変形(弾性変形)する。シールカバー750の装着操作(押し込み操作)が継続されることで爪部763Aが受け部359に到達すると、変形前の状態に復帰することでそれら爪部763Aと受け部359とが引っ掛かる。これにより、シールカバー750の取り外しが妨げられることとなる。
ここで、第1カバー側係止部761Aのアーム部762Aと凹部356との関係について補足説明する。アーム部762Aは、その基端部が凹部356によって囲まれた領域の外側に位置するように構成されている。つまり、爪部763Aについては凹部356の内部へ収容されているに対して、アーム部762Aについてはその一部が同凹部356から突出している。
上記表側対向壁部753には当該表側対向壁部753における開口部751側の縁部から貼付ベース361とは反対側に起立する起立壁部757が形成されており、同起立壁部757から凹部356の底部357へ向けて延びるようにして第2カバー側係止部761Bが形成されている。
第2カバー側係止部761Bは、上記第1カバー側係止部761Aの間に配されている。より詳しくは、表側構成体400の表側対向部401には後述する蓋体を装着するための台座485が裏側貼付ベース部581の膨出部583の上方へ突出するようにして形成されており、この台座485を貼付ベース361の幅方向の両側から挟むようにして第2カバー側係止部761Bが配置されている。
第2カバー側係止部761Bの爪部763Bは、台座485側(すなわち隣り合う第1カバー側係止部761Aの爪部763Aとは逆側)に突出しており、台座485の両側部にはこれら爪部763Bが引っ掛かる受け部486が形成されている。
爪部763Bの先端部分には、シールカバー750の装着方向を向く成分と台座485側を向く成分とを有する傾斜面が形成されており、シールカバー750を装着する際には同傾斜面が台座485に当接することでアーム部762Bが互いに遠ざかる側に撓み変形(弾性変形)する。シールカバー750の装着操作(押し込み操作)が継続されることで爪部763Bが受け部486に到達すると、アーム部762Bが変形前の状態に復帰することでそれら爪部763Bと受け部486とが引っ掛かる。これにより、シールカバー750の取り外しが妨げられることとなる。
本実施の形態においては、カバー側係止部761と表側構成体400との係止箇所が凹部356内にまとめられており、基板ボックス312にはこれら係止箇所を覆う蓋体800が装着されている。以下、図20及び図21に加え図26を適宜参照して、蓋体800について説明する。図26(a)は蓋体800を正面側から見た斜視図、図26(b)は蓋体800を背面側から見た斜視図である。
<蓋体800>
蓋体800は、シールカバー750と同様に無色透明な合成樹脂材料を用いて形成されており、シールカバー750の引っ掛かり箇所や封印シール700等の当該蓋体800を通じた視認性が担保されている。
図20に示すように、蓋体800は、表側貼付ベース部481に対向する基部801を有している。基部801は、凹部356の両側壁部358に跨って延びる長板状をなしており、凹部356と表側対向部401との境界部分には同基部801に合わせて凹む段差部475が形成されている。段差部475に対して基部801が嵌まることで、基部801の表面と表側対向部401の表面とが同一平面上に位置する構成となっている。
基部801において凹部356の底部357とは反対側の長辺部にはシールカバー750側に起立する縦壁802が形成されている。縦壁802は、両第1カバー側係止部761Aに跨るようにして延びているとともに、同縦壁802がシールカバー750の起立壁部757に対してシールカバー750の装着方向手前側から重なるように(より詳しくは当接するように)構成されている。
基板ボックス312に対してシールカバー750が装着されている状態では、基板ボックス312とシールカバー750との間に基板ボックス312の正面側とシールカバー750の装着方向における手前側とに開放された空間が形成され、この空間内にシールカバー750の係止箇所が収容されているが、基板ボックス312に対して蓋体800を装着することにより、上記空間が蓋体800の基部801及び縦壁802によって覆われている。これにより、主制御装置301の外部への上記係止箇所の露出が抑えられている。
蓋体800が装着された状態では、第1カバー側係止部761のアーム部762Aについては、爪部763Aが形成された先端部分を除いた部分が上記空間外に露出している。これにより、当該アーム部762Aについては主制御装置301外からのアクセスが許容されている。但し、このアーム部762Aについては、蓋体800の縦壁802によって係止解除側への変形が抑えられているため、アーム部762Aを指等で係止解除側へ撓ませることが不可となっており、カバー側係止部761の一部が露出することによる防犯機能の低下が抑えられている。
なお、本実施の形態におけるシールカバー750は射出成形によって形成されている。このような形成方法を採用することで第2カバー側係止部761Bを形成するためのスリットが起立壁部757に形成されているが、これら各スリットは起立壁部757に重なる上記縦壁802によって覆われるため、同スリットを介して引っ掛かり部等への不正なアクセスが行われることを好適に回避している。
<蓋体800の取外規制に関する構成>
以下、蓋体800の取り外しを規制する手段について説明する。先ず、蓋体800とシールカバー750とを一体化させる機能が付与された上記台座485について説明する。
図20に示すように、台座485は、表側構成体400に対して一体成形されており、上記貼付ベース361(詳しくは裏側貼付ベース部581における膨出部583の延出部分)に対峙するように形成されている。より詳しくは、台座485は、蓋体800及びシールカバー750の固定対象としての本体部487と、同本体部487を表側構成体400の表側対向部401に対して連結させる連結部488とを有してなる。
本体部487は、凹部356によって囲まれた領域に当該凹部356の底部357や側壁部358から離して配されており、貼付ベース361及び蓋体800によって基板ボックス312の厚さ方向両側から挟まれている(図21(a)参照)。
本体部487には、シールカバー750の一部(詳しくはシールカバー750の起立壁部757に形成された突出部771)を収容する収容部487aが形成されている。収容部487aは蓋体800側及びシールカバー750の装着方向手前側に開放されており、基板ボックス312に対してシールカバー750を装着することで、同突出部771が収容部487aに対して嵌まった状態となっている。収容部487aには上記突出部771に重なるようにして蓋体800の装着方向先側から同蓋体800の基部801の一部が嵌まっており、これら基部801及び本体部487によって突出部771が挟持されている。なお、上述した受け部486については本体部487に配されている。
連結部488は、本体部487における上記幅方向における両側の端部にそれぞれ配されており、同本体部487を挟んで相対向するとともに基板ボックス312の厚さ方向に延びる板状部を有している。蓋体800の基部801には、それら板状部の通過を許容するスリット803が形成されている。スリット803に連結部488の板状部が挿通されるようにして蓋体800をシールカバー側へ押し込むことにより、蓋体800が装着完了位置に配置されることとなる。
蓋体800には、当該蓋体800の取り付け手段として、蓋側係止部811が複数形成されている。蓋側係止部811は、蓋体800の基部801等から当該蓋体800の装着方に延びるアーム部812と、同アーム部812の先端部分等に形成された爪部813とを有している。アーム部812は、長板状をなしており、撓み変形が許容されている。当該アーム部812が撓み変形することで爪部813が台座485及びシールカバー750に対して引っ掛かる係止位置と引っ掛かりが解除される係止解除位置とに変位することとなる。
ここで、蓋側係止部811には、係止対象が異なる第1蓋側係止部811A〜第4蓋側係止部811Dによって構成体されており、それら蓋側係止部811A〜811Dについてはその構成が一部異なっている。具体的には、第1蓋側係止部811Aの係止対象が台座485となっており、第2蓋側係止部811B〜第4蓋側係止部811Dの係止対象がシールカバー750となっており、これら係止対象の違い等に合わせて構成の一部が異なっている。
そこで以下、先ず第1蓋側係止部811Aにかかる構成について説明し、その後、第1蓋側係止部811Aとの相違点を踏まえて他の蓋側係止部811B〜811Dについて説明する。
第1蓋側係止部811Aは、図26(b)に示すように、蓋体800(基部801)の中央部分、詳しくは台座485の収容部487aに対応する位置に配置されている。シールカバー750の上記突出部771には第1蓋側係止部811Aが挿通される貫通孔772が形成されており、台座485の本体部487には貫通孔772に連通する連通孔489が形成されている(図20又は図21(a)参照)。
これら連通孔489及び貫通孔772に対して第1蓋側係止部811Aが嵌まっており、第1蓋側係止部811Aの爪部813Aが台座485の本体部487に対して蓋体800の装着方向先側から引っ掛かることにより、同蓋体800の取り外しが規制されている。
なお、蓋体800についてもシールカバー750と同様に射出成形によって形成されているが、基部801においてアーム部812Aを挟んだ両側には、第1蓋側係止部811Aを形成するための孔部804が形成されている。これら孔部804については、シールカバー750の突出部771に形成された柱状部773が挿入され、同柱状部773によって塞がれた状態となっている。
次に、第2蓋側係止部811Bについて説明する。図26(b)に示すように、第2蓋側係止部811Bは蓋体800の幅方向において第1蓋側係止部811Aを挟んだ両側に配されている。
第2蓋側係止部811Bのアーム部812Bについては、蓋体800における縦壁802の先端部分から延出しており、これに対して表側対向壁部753には、当該アーム部812Bが挿通される挿通孔758が形成されている(図25(b)参照)。アーム部812Bについては、上記第1蓋側係止部811Aのアーム部812Aと比較して短く設定されているが、当該第2蓋側係止部811Bが形成された縦壁802がアーム部812Bとともに撓み変形(弾性変形)することにより、係止状態と係止解除状態との切り替えが可能となっている。
挿通孔758を通じてシールカバー750の内側へ達した第2蓋側係止部811Bの爪部813Bが表側対向壁部753に対して同シールカバー750の内側から引っ掛かることにより、蓋体800の取り外しがシールカバー750によって規制されている。
なお、第1蓋側係止部811Aの引っ掛かり方向と第2蓋側係止部811Bの引っ掛かり方向とを逆としたり、引っ掛かり対象として基板ボックス312とシールカバー750とを設定したりしたのは、仮にシールカバー750の着脱方向にてシールカバー750と蓋体800との相対位置が変位したり、蓋体800が同着脱方向にシールカバー750とともに位置ずれしたりした場合であっても上記両蓋側係止部811A,811Bのうち少なくとも何れかによる固定機能が担保されるようにするための工夫である。
第3蓋側係止部811Cについては、第2蓋側係止部811Bと同様に係止対象がシールカバー750に設定されているものの、その具体的な係止対象が特徴的なものとなっている。以下、第3蓋側係止部811Cについて説明する。
図21(a)に示すように、第3蓋側係止部811Cのアーム部812Cは、その板面が貼付ベース361の幅方向を向くように、すなわち第1カバー側係止部761Aのアーム部762Aと対向するようにして形成されている。これにより、アーム部762Aに対して近づく側及び遠ざかる側へのアーム部812Cの撓み変形が許容されている。当該アーム部812Cが撓み変形することで爪部813Cが第1カバー側係止部761Aのアーム部762Aに対して引っ掛かる係止位置と引っ掛かりが解除される係止解除位置とに変位することとなる。
爪部813Cについてはアーム部762Aに対して蓋体800の装着方向先側から引っ掛かっているが、第1カバー側係止部761Aのアーム部762Aの撓み変形が容易となっている方向は蓋体800の着脱方向とは異なっているため、仮に蓋体800が取り外し方向に引っ張られる等した場合であっても、それに起因したアーム部762Aの変形が抑制されている。これにより、係止対象をアーム部762Aにしたことにより、シールカバー750や蓋体800の取り外し規制機能が低下することを抑制している。
第3蓋側係止部811Cのアーム部812Cについては特に、第1カバー側係止部761Aのアーム部762Aに対して凹部356の側壁部358とは反対側から当接している。つまり、第1カバー側係止部761Aは、それら側壁部358及び第3蓋側係止部811Cのアーム部812Cによって挟まれた状態となっており、同アーム部812Cによってアーム部762Aの撓み変形(係止解除状態への移行)が規制されている。
以上詳述した、第2蓋側係止部811B及び第3蓋側係止部811Cについては、その係止対象がシールカバー750となっており、蓋体800とシールカバー750との分離を規制する構成となっていた。これに対して、第4蓋側係止部811Dは、係止対象がシールカバー750である点においては上記蓋側係止部811B,811Cと同様であるものの、蓋体800とシールカバー750との間に上記台座485を挟みこんだ状態で同蓋体800の分離を規制する点で相違している。以下、図21(a)を参照して、第4蓋側係止部811Dについて詳しく説明する。
第4蓋側係止部811Dは、台座485の本体部487を挟んだ両側、すなわち、シールカバー750の突出部771,台座485,蓋体800が重なっている部分を挟んだ両側に配置されている。第4蓋側係止部811Dのアーム部812Dは、その板面が第2カバー側係止部761Bのアーム部762Bに対して台座485の本体部487とは反対側から対向するようにして形成されている。これにより、アーム部812Dについてはアーム部762Bに近づく側及び遠ざかる側への撓み変形が許容されている。当該アーム部812Cが撓み変形することで爪部813Dが第2カバー側係止部761Bのアーム部762Bに対して引っ掛かる係止位置と引っ掛かりが解除される係止解除位置とに変位することとなる。
第4蓋側係止部811Dの爪部813Dについては、アーム部762Bに対して蓋体800の装着方向先側から引っ掛かっている。ここで、アーム部762Bについては、上記受け部486によって蓋体800の装着方向とは反対側への変位が抑えられている。このため、仮に蓋体800が取り外し方向に引っ張られる等した場合であってもアーム部762Bが撓む等して第4蓋側係止部811Dによる取り外し規制が解除されることを抑制している。つまり、シールカバー750と蓋体800との分離規制が解除されることを抑制するだけでなく、台座485,シールカバー750,蓋体800の分離を規制している。
第4蓋側係止部811Dのアーム部812Dについては特に、第2カバー側係止部761Bのアーム部762Bと当接しており、当該アーム部812Dによって第2カバー側係止部761Dの撓み変形が妨げられている。つまり、第2カバー側係止部761Bの係止解除側への動作領域に第4蓋側係止部811D(詳しくはアーム部812D)が位置している。
以上詳述した各蓋側係止部811A〜811Dについては、基板ボックス312,シールカバー750,蓋体800によって囲まれた領域に配されており、主制御装置301外からの各固定箇所へのアクセスが困難となっている。これにより、それら蓋側係止部811A〜811Dを直接操作する等して蓋体800の取外規制を解除するといった行為を困難なものとしている。
本実施の形態においては、第2固定手段314Bによる固定を解除し、基板ボックス312を開封した場合には、その痕跡を残存させる構成が採用されている。以下、図20,図21,図25,図26に基づいて痕跡を残存させる構成について説明する。
<開封痕跡を残存させる構成>
基板ボックス312(詳しくは表側構成体400)に形成された台座485及び蓋体800には、封印シール700を破壊する破壊手段が設けられている。以下、先ず台座485に設けられた破壊手段について説明する。
図21に示すように、台座485の本体部487において裏側貼付ベース部581の溝部585と対峙している部分には、当該溝部585に対応させて切断部490が形成されている。切断部490は、本体部487の裏面から溝部585側に突出しており、その先端が溝部585において上記貼付領域362から外れている部分に嵌まっている。切断部490は、貼付領域362側に向けて(シールカバー750の装着方向とは反対側へ向けて)先細りとなるように形成されており、当該切断部490が封印シール700に対して当接した場合には、当該切断部490によって同封印シール700が切断されるように構成されている。
本体部487において切断部490よりもシールカバー750の取り外し方向先側となる部位は、貼付ベース361の板面に対して僅かな隙間を隔てて対峙している。このように、封印シール700において切断される箇所よりも先側に、本体部487が存在し得る構成とすることにより、本体部487に対して封印シール700を切断する際の同封印シール700の浮き上がりを抑える機能が付与されている。
上述した溝部585を挟んだ両側には、上記境界BL,BRが形成されている。境界BL,BRにおいては、表側貼付ベース部481と裏側貼付ベース部581とが隙間を隔てて対峙しており、それら両貼付ベース部481,581によって蓋体800側に開放された溝部365,366が形成されている(図20参照)。これら溝部365,366についても上記溝部585と同様に、貼付領域362から凹部356の底部357に延びている。
蓋体800の第4蓋側係止部811Dの爪部813Dは、これら溝部365,366と対峙する位置に配置されている。爪部813Dの先端部は溝部365,366において貼付領域362から外れている部分に嵌まっており、少なくとも溝部365,366に嵌まっている部位には切断部820が形成されている(図21及び図26(b)参照)。図26(b)に示すように切断部820は、貼付領域362側に向けて(シールカバー750の装着方向とは反対側へ向けて)先細りとなるように形成されており、当該切断部820が封印シール700に対して当接した場合には、同切断部820によって同封印シール700が切断されるように構成されている。
より詳しくは、切断部820は、シールカバー750の取り外し方向先側に対して斜めに傾斜しており、その刃部が溝部365,366側を向いている。このため、切断部820が封印シール700に対して押し付けられた場合には、同封印シール700が貼付領域362側へ押圧されることとなる。これにより、貼付領域362からの封印シール700の浮き上がりが抑制されている。
なお、本実施の形態においては、封印シール700を破壊(切断)する機能が蓋体800及び台座485(基板ボックス312において本体部351から分離される部分)に付与されており、シールカバー750については当該破壊機能が付与されていない。このため、シールカバー750単独では同シールカバー750の取り外しを行ったとしても封印シール700が破壊されることはない。
<第2固定手段314Bを用いた封印作業>
ここで、図27を参照して表側構成体400及び裏側構成体500を組み合わせる際の第2固定手段314Bを用いた封印作業について説明する。図27は第2固定手段314Bを用いた封印作業の流れを説明するための概略図である。なお、以下の説明では、第1固定手段314Aによる封印がほどこされていること前提として、すなわち表側構成体400と裏側構成体500との組み合わせ作業が完了していることを前提として説明する。封印解除作業は、図27(a)→図27(b)→図27(c)→図27(d)の順に行われる。
図27(a)に示すように、表側構成体400と裏側構成体500とを組み合わせることにより、表側構成体400における表側貼付ベース部481と、裏側構成体500における裏側貼付ベース部581とによって基板ボックス312における貼付ベース361が形成される。
このように、両構成体400,500が組み合わされた後は、図27(a)→図27(b)に示すように、貼付ベース361の貼付領域362に対して封印シール700を貼り付ける。これにより、封印シール700を介して両構成体400,500が固定され、それら両構成体400,500の分離が規制されることとなる。すなわち、主制御基板311が基板ボックス312内に封印された状態となる。
封印シール700を貼り付けた後は、図27(b)→図27(c)に示すように、シールカバー750を基板ボックス312に対して取り付ける。具体的には、シールカバー750に形成された1組の突条部756(図25(b)参照)が貼付ベース361の両側部に形成されたガイド溝586内を摺動するようにして、シールカバー750をスライドさせ、同シールカバー750の第2対向壁部754が貼付ベース361と側壁部358との間に形成されたストッパ部371に対して当接する位置まで押し込むことで、同シールカバー750の取付が完了する。この際、シールカバー750のカバー側係止部761が基板ボックス312の受け部359,486に対して引っ掛かることにより、同シールカバー750が基板ボックス312に対して仮止めされた状態となる。かかる状態においては、カバー側係止部761が主制御装置301外に露出したままとなっており、カバー側係止部761を指等で撓ませることで引っ掛かりを解除し、シールカバー750の取り外すことが許容されている。
図27(c)に示すように、シールカバー750の仮止めが完了した後は、図27(c)→図27(d)に示すように、蓋体800を基板ボックス312に対して装着する。この際、蓋体800の縦壁802がシールカバー750の起立壁部757に沿うようにして且つ蓋体800のスリット803に対して台座485の連結部488が挿通されるようにして蓋体800をスライドさせることで、同蓋体800が装着完了位置に配置される。蓋体800が装着完了位置に配置されると、蓋側係止部811がシールカバー750や台座485に対して引っ掛かり、同蓋体800の取り外しが不可となる。
このように、蓋体800の装着が完了した状態では、蓋体800,シールカバー750,基板ボックス312によって、カバー側係止部761による固定箇所及び蓋側係止部811による固定箇所が覆われることとなる。これにより、それら係止部761,811を直接操作して蓋体800やシールカバー750を取り外すことが困難となり、一連の主制御基板311の封印作業が完了することとなる。
このようにして、封印状態となった主制御装置301を台座ユニット302に対して組み付けた場合には、ベース体321に形成された固定手段用収容部323b(図9参照)に、第2固定手段314Bが収容される。これにより、主制御装置301を台座ユニット302(ベース体321)から取り外すことなく、第2固定手段314Bによる固定の解除することやシールカバー750の取り外し行うことが不可となる。
なお、固定手段用収容部323bについては、上記固定手段用収容部323aとどうように、第2固定手段314B全体を覆う構成とすることも可能である。
<第2固定手段314Bによる封印の解除作業>
ここで、図28を参照して第2固定手段314Bによる封印を解除する場合の作業の流れについて説明する。図28は第2固定手段314Bを用いた封印の解除作業の流れを示す作業作説明図であり、図28(a)→図28(b)→図28(c)の順に作業を行うことで主制御装置301が開封されることとなる。なお、以下の説明では、主制御装置301がスロットマシン10(詳しくは台座ユニット302)から取り外されていること前提として、すなわち第1固定手段314Aについては既に封印が解除されて基板ボックス312から除去されていることを前提として説明する。
第2固定手段314Bによる封印を解除する場合には、第1固定手段314Aによる封印の解除作業時と同様に、ニッパやカッタ等の工具を用いた切断作業を行う。具体的には、図28(a)→図28(b)に示すように、シールカバー750のカバー側係止部761Aのうち蓋体800によって覆われた領域から突出している部分を切断し、更に、基板ボックス312の台座485における連結部488において蓋体800によって覆われた領域から突出している部分を切断する。これら各切断作業を実行することにより、シールカバー750が基板ボックス312から分離され、同基板ボックス312からのシールカバー750の取り外し規制が解除される。
このように、シールカバー750の取り外し規制が解除された状態では、シールカバー750,台座485,蓋体800が一体化されたままの状態となっており、シールカバー750を取り外し方向へスライドさせる際には、これら各構成750,485,800の集合体がまとめて変位することとなる。
シールカバー750を取り外し方向へと変位させた場合には、台座485の切断部490が貼付ベース部581の溝部585内を封印シール700に向けて変位し、蓋体800の切断部820が同貼付ベース部581の溝部365,366内を封印シール700に向けて変位する。そして、それら各切断部490,820が封印シール700に対して当接することで、同封印シール700が溝部365,366に沿って分断される。これにより、封印シール700を用いた両構成体400,500(詳しくは表側貼付ベース部481及び裏側貼付ベース部581)の結合が解除されることとなる。
シールカバー750の取り外しが完了することで、第2固定手段314Bによる両構成体400,500の封印が解除され、図29(c)に示すように、基板ボックス312の開放が可能となる。この際、封印シール700については、切断された状態で、各構成体400,500に貼り付いたままとなり、開封の痕跡が基板ボックス312に残存することとなる。
本実施の形態においては特に、アンテナ部材712がシールカバー750の取り外し方向に対して斜めに傾けて配設されている。このため、シールカバー750を取り外す際に、右側の切断部820がアンテナ部材712に当たるタイミングと、中央の切断部490がアンテナ部材712に当たるタイミングと、左側の切断部820がアンテナ部材712に当たるタイミングとが相違する。詳しくは、先ず右側の切断部820によってアンテナ部材712が切断され、次に中央の切断部490によってアンテナ部材712が切断され、最後に左側の切断部820によってアンテナ部材712が切断されることとなる。これにより、複数個所でアンテナ部材712を切断することで、その痕跡を明確に残存させる構成としつつ、それに起因してシールカバー750の取り外し作業に対する抵抗が過度に大きくなることを回避している。
<スロットマシン10の基本的な電気的構成>
次に、本スロットマシン10の基本的な電気的構成について、図29のブロック図に基づいて説明する。
主制御装置301の主制御基板311には、スロットマシン10における主たる制御を実行する前記MPU315が搭載されている。MPU315には、当該MPU315により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM951と、そのROM951内に記憶されている制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM952と、割込み回路やタイマ回路、データ入出力回路などの各種回路が内蔵されている。なお、MPU315のうち、論理演算を行うための機能と、ROM951の機能と、RAM952の機能とがそれぞれ別の素子として設けられた構成としてもよい。これは後述する他のMPUについても同様である。
MPU315には、電源ボックス160の内部に設けられた電源装置955が接続されている。電源装置955には、主制御装置301を始めとしてスロットマシン10の各機器に駆動電源を供給する電源部や、電源の遮断状態を監視する停電監視回路などが搭載されている。電源部からは直流5Vの電源(動作電力)が供給される。また、停電監視回路からの停電信号はMPU315のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)に入力されるように構成されており、NMI端子に停電信号が入力されることにより、停電フラグ生成処理としてのNMI割込み処理が即座に実行される。なお、当該停電信号は電源ボックス160の電源スイッチ161がOFF操作された際も生成される。
かかる停電用の構成は主制御基板311に対しても設けられている。つまり、主制御基板311にはバックアップコンデンサなどからなる電断中用電源部956が搭載されている。電源装置955から主制御基板311に動作電力が供給されている間は当該電断中用電源部956が充電され、スロットマシン10の電源遮断中においては電断中用電源部956から放電された動作電力がRAM952に供給される。これにより、スロットマシン10の電源遮断中においても、電断中用電源部956からRAM952に動作電力が供給されている間は、当該RAM952においてデータが記憶保持される。なお、電断中用電源部956を電源装置955に搭載する構成としてもよい。
MPU315には、入出力ポートが設けられている。MPU315の入力側には、スタートレバー45の操作を検出するスタート検出センサ961、各ストップスイッチ50,51,52の操作を個別に検出するストップ検出センサ962a,962b,962c、メダル投入装置30から投入されたメダルを検出する投入メダル検出センサ963、各クレジット投入スイッチ40,41の操作を個別に検出するクレジット投入検出センサ964a,964b、精算スイッチ55の操作を検出する精算検出センサ965、ホッパ装置170から払い出されるメダルを検出するメダル検出センサ966、リセットスイッチ317の操作を検出するリセット検出センサ967、設定キー挿入部318に設定キーが挿入されてON操作されたことを検出する設定キー検出センサ968等の各種センサが接続されている。これらセンサやスイッチからの信号は、入出力ポートを通じてMPU315にて受け取られる。
MPU315の出力側には、各リール555,556,557を回転させるための各ステッピングモータ969a,969b,969c、セレクタ31のメダル通路切換ソレノイド970、ホッパ装置170の駆動モータ971、表示制御装置265、ホール管理装置などに情報を送信できる外部集中端子板972等が接続されている。入出力ポートを通じてMPU315から出力された信号は、信号の出力対象の機器にて受け取られる。
以上詳述した第1の実施の形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
主制御装置301(基板ボックス312)を開封することにより、主制御基板311へのアクセスが許容され、同主制御基板311の検査等が容易化される。このように基板ボックス312を開封した場合には、基板ボックス312に開封の痕跡が残存することで、開封が行われた事実を事後的に確認することができる。このように、開封に伴ってその痕跡が残存する構成を採用することにより、主制御装置301に対する不正行為を抑制し、仮に不正行為が行われた場合であってもその事実の確認を容易とすることができる。これにより、防犯機能を好適に向上させることができる。
基板ボックス312が開封される場合には、第1固定手段314A及び第2固定手段314Bが破壊され、それら各固定手段314A,314Bを用いた再封印が不可能となる。このように、各固定手段314A,314Bの破壊を必須とすることにより、同固定手段314A,315Bが不正を目的として再利用されること、例えば主制御装置301を開封したにもかかわらずその痕跡を隠蔽するといった行為を難しくすることができる。
上記実施の形態における第1固定手段314Aにおいては特に、表側固定部450及び裏側固定部550をカバー部材600によって覆う構成とし、それら固定部450,550の主制御装置301外部への露出を抑える構成とした。これにより、同固定部450,550への不正なアクセスを抑制している。
カバー部材600については、両固定部450,550による構成体400,500の固定が解除されることにより、基板ボックス312(詳しくは本体部351)から取り外し可能となっている。このため、カバー部材600を取り外す場合には、構成体400,500の固定を解除する際の痕跡が上記各固定部450,550に形成されることとなる。故に、カバー部材600を取り外して、両固定部450,550による固定を解除するといった行為を困難なものとし、カバー部材600を取り外す場合には、必ず基板ボックス312に痕跡が残ることとなる。
カバー部材600については、当該カバー部材600の基板ボックス312に対する固定箇所がカバー部材600自身によって覆われる構成となっている。これにより、カバー部材600の取り外し規制が不正に解除されるといった不都合を抑制している。つまり、上述した痕跡の残存を回避しつつカバー部材600を取り外すことが困難となっている。
カバー部材600を基板ボックス312に対して装着することにより、上述した取り外し規制が有効となる。つまり、上述した痕跡を残存させるための別途操作が必要ない。これにより、防犯機能の向上を図りつつ、それに起因した作業性の低下を回避している。より具体的には、カバー部材600を装着した状態で、構成体400,500を組み合わせ完了位置へと相対変位させることにより、カバー部材600の取り外しが規制された状態となる。このように、基板ボックス312を形成する上で必須となる操作によってカバー部材600の取り外しが規制される構成とすることで、作業の煩雑化を抑制している。
表側構成体400と裏側構成体500との固定を解除するには、カバー部材600を構成する第1カバー部610及び第2カバー部620を連結している連結部630を破壊し、両カバー部610,620の連結を解除する必要がある。ここで、作業性を考慮して連結部630の強度を低下させた場合には、カバー部材600の変形を招きやすくなる。これは、カバー部材600による遮蔽機能を発揮させる上での妨げとなるため好ましくない。一方、連結部630を強固なものとすれば、上記不都合の発生を抑制することができるが、その反面上述した破壊作業が困難になる。
そこで、上記実施の形態においては、基板ボックス312の本体部351に第1カバー部610の開口縁部611に嵌合する嵌合凹部353を形成し、同嵌合凹部353によって第1カバー部610の変位を抑える構成とした。これにより、連結部630の強度への依存を抑えつつカバー部材600の変形を抑制することが可能となっている。これにより、連結部630の強度を低くして、上記破壊作業の容易化を図りつつ、それに起因した防犯性の低下を回避している。
なお、嵌合凹部353と開口縁部611とが嵌合することによって、基板ボックス312とカバー部材600との隙間からワイヤ等の不正具が挿入されることを抑制できるという効果を享受できる。
第2カバー部620が第1カバー部610内を通過するようにして同第1カバー部610を移動させることにより、基板ボックス312から第1カバー部610を分離することができる。かかる構成によれば、第1カバー部610自身を破壊することなく、解除手段を構成する各アーム部451,551を露出させることができる。これにより、第1固定手段314Aによる封印を解除する際の作業の煩雑化を抑制している。
このように、第1カバー部610内を第2カバー部620が通過可能とする構成においては、それら両カバー部610,620の外形のギャップをできるだけ小さくすることが防犯機能向上の観点から有利であると考えられる。しかしながら、単に同ギャップを小さくした場合には、各カバー部610,620に歪み等が発生した場合には、第1カバー部610の取り外しが困難になる。そこで、本実施の形態においては第1カバー部610をアーム部451,551を囲む筒状に形成した。これにより、第1カバー部610、それらアーム部451,551の遮蔽機能を好適に向上しつつ、同第1カバー部610の強度を担保することが可能となっている。これにより、上述したギャップをできるだけ小さくしつつ、それに起因した作業性の低下を抑えることができる。
第1カバー部610によって区画されている領域と、第2カバー部620によって区画されている領域との境界は、表側固定部450に形成された覆い部471と裏側固定ベース部561とによってほぼ塞がれた状態となっている。これにより、両カバー部610,620の隙間を通じて固定部450,550に対するアクセスがなされることを抑制している。
上記実施の形態においては特に、第2カバー部620における連通口602側の端面が第1カバー部610によって囲まれた領域と対峙するようにして形成されており、この端面に対向するようにして上記覆い部471が形成されている。これにより、例えば第2カバー部の内側に同第2カバー部の開口部を塞ぐ遮蔽手段を設ける場合と比較して、第2カバー部と遮蔽手段との間に生じる隙間を好適に小さくすることができる。
なお、第2カバー部620によって囲まれた領域に硬化樹脂を注入することで、固定箇所等へのアクセスを一層好適に抑制することができる。上記覆い部471は、同硬化樹脂が第1カバー部610によって囲まれた領域へ流入することを回避する上でも有効である。
カバー部材600を装着する際には、表側構成体400と裏側構成体500との組み合わせを完了する前に、同カバー部材600を裏側構成体500に対して仮止めする。そして、それら構成体400,500を組み合わせ完了位置へと相対変位させることにより、同カバー部材600の取り外しが規制された状態に移行される。かかる構成を採用することにより、以下の効果が期待できる。
例えばカバー部材の配置に伴って取り外し規制状態に移行される構成を採用しようとすれば、規制手段として規制状態と解除状態とに弾性変形可能なフック等が採用されやすいと想定される。しかしながら、このようなフック等を利用して規制状態へ移行させようとすれば、カバー部材を装着する際の作業性の向上とカバー部材の取り外し規制にかかる強度の向上とを両立させることが難しくなる。また、このような強度不足をネジ等の他の固定手段を採用することで補おうとすれば、カバー部材の固定にかかる構成が複雑になったり同カバー部材の固定作業が煩雑になったりすると想定される。
この点、本実施の形態に示した構成を採用すれば、このような弾性変形に頼ることなく規制状態への移行が可能となるため、作業性の向上と規制手段の強度の向上とを好適に両立させることができる。特に、取り外し規制の強度向上をはかることで、カバー部材を無理やり引っ張る等して規制状態を不正に解除するといった行為を難しくすることができ、防犯機能の向上に貢献することができる。
また、両構成体400,500を組み合せる場合の構成体400,500同士の相対位置の変位を利用して規制状態となる構成を採用しているため、カバー部材600の取り外しを規制するための別途操作が不要となり、防犯機能の強化に起因して作業性が低下するといった不都合を生じにくくすることができる。
先ずカバー部材600を裏側構成体500に対して装着することにより、同裏側構成体500からのカバー部材600の脱落が規制されることとなる。その後、裏側構成体500に対して表側構成体400を組み合せることで、カバー側係合部622の変位が規制され、両構成体400,500を分離することなくカバー部材600を取り外すことが不可となる。かかる構成を採用すれば、作業の途中でカバー部材600を裏側構成体500に対して仮取り付けしておくことにより、例えばカバー部材600を手で持ったまま両構成体400,500の組み合わせ作業を行う必要が無くなり、構成体400,500の組み合わせが完了する前にカバー部材600を取り付ける構成を採用したとしてもそれによる作業性の低下を抑えることが可能となる。
また、カバー部材600を所望とする位置に保持しておくことが可能となり、両構成体400,500を組み合わせる際に、表側構成体400とカバー部材600とが干渉して、組み合わせ作業が妨げられるといった不都合を生じにくくすることができる。
裏側構成体500に対する表側構成体400の組み合わせ操作(スライド操作)によってカバー部材600の取り外しが規制された状態となる構成においては、表側構成体400の組み合わせ方向とは反対側からカバー部材600を装着する構成を採用することで、組み合わせ時にカバー部材600と固定部450,550とが干渉することを好適に回避でき、カバー部材600によって固定部分を好適に覆うことができる。
しかしながら、かかる構成においては、表側構成体400の組み合わせ時に、同表側構成体とカバー部材600とが干渉して、同カバー部材600が装着完了位置から外れるといった不都合が生じ得る。これは、作業性の低下を招く要因となるため好ましくない。
この点、裏側構成体500(詳しくは挿入部571)の端面572によって表側構成体400の組み合わせ方向(例えばカバー部材600の取外方向)へのカバー部材600の変位を抑えることで、上記不都合の発生を抑え、実用上好ましい構成を実現することができる。
カバー部材600を裏側構成体500に取り付けた状態にて表側固定部450の少なくとも一部がカバー部材600内に入ることとなる。これにより、表側構成体400をスライドさせる際に、カバー部材600の挿入口601に対して表側固定部450が干渉して、同表側構成体400のスライド操作が妨げられることを抑制することができる。これにより、両構成体400,500の組み合わせが完了する前にカバー部材600を装着する構成を採用したとしても、それに起因した作業性の低下が生じることを抑制できる。
両構成体400,500の組み合わせが完了した後は、カバー部材600の第1対向壁部753によって両固定部450,550が挟まれた状態となり、それら固定部450,550の並設方向における同固定部450,550の相対変位が規制されることとなる。故に、単に各構成体400,500を分離方向に押し引きする等して、突起465,565の引っ掛かりを解除しようとしても、操作力が突起465,565を引っ掛かり解除方向に引き離す力として作用しにくく、更に同変位がカバー部材600(詳しくは第1対向壁部753)によって抑えられることとなる。
一方、両ケース構成体の組み合わせる場合には、突起465,565の傾斜面467,567に沿って両固定部450,550の少なくとも一方がカバー部材600の第1対向壁部753を外側へ押すようにして誘導されることとなる。このため、両構成体400,500を組み合せる際の操作力によってカバー部材600の変形を誘発させることができる。つまり、カバー部材600の第1対向壁部753同士を遠ざけるような別途操作を必要とすることなく、カバー部材600の取り外し規制状態への移行を完了させることができる。故に、上記防犯構造を採用した場合であっても、それに起因して構成体400,500同士の組み合わせ作業が煩雑になることを抑制することができる。
基板ボックス312が開封された場合にその開封痕跡を残存させる構成(封印シール700を有する構成)においては、同開封痕跡を目視等で確認することで、事後的な開封事実の把握が可能となる。これにより、例えば主制御装置301(主制御基板311や基板ボックス312)に対する不正行為が行われた場合に、その事実を把握可能となる。しかしながら、このような痕跡手段を有する構成においては、基板ボックス312が開封されていないにも関わらずあたかも開封されたかのように痕跡が残存してしまうと、それを発見した場合に主制御基板311の検査等を不要であると判断することが難しくなり、無駄な確認作業が生じ得る。特に、このような事象が繰り返された場合には、痕跡手段の信頼性を低下させ、ひいては防犯機能を効果的に発揮させることが困難になり得る。
この点、本実施の形態においては、シールカバー750によって封印シール700を覆った後に、封印シール700用の破壊手段としての蓋体800を装着することで、それらシールカバー750及び蓋体800の取り外しが規制される構成を採用した。これにより、例えば、シールカバー750に破壊手段に相当する構成が一体化されたものを装着する場合や、シールカバー750を装着する前に破壊手段を装着する構成と比較して、作業ミス等に起因して開封痕跡が残存してしまうといった不都合を生じにくくすることができる。これにより、封印シール700を用いた防犯機能の信頼性を好適に向上させることができ、防犯性の向上に貢献することができる。
シールカバー750を装着した後に破壊手段を装着する構成においては、破壊部の露出を抑えることが困難になる。このため、破壊部に相当する構成をシールカバー750に内蔵する構成等と比較して、破壊部に対する不正なアクセスが容易になり得る。この点、本実施の形態に示すように、蓋体800とシールカバー750とによって囲まれた領域に破壊部に相当する切断部820等を収容し、それら蓋体800及びシールカバー750の分離を規制する手段をそれら蓋体800及びシールカバー750によって覆われている領域内に収容する構成を採用すれば、破壊部を後付けする構成を採用することに起因した上記不都合の発生を好適に抑制し、防犯機能を好適に発揮させることができる。
シールカバー750を取り外す際には、同シールカバー750に追従して切断部490,820が変位する。これにより、シールカバー750の取り外しによって上記痕跡を残存させることができる。シールカバー750と切断部490,820との分離は少なくともシールカバー750が基板ボックス312から取り外されるまで規制されたままとなるため、痕跡を残存させること無くシールカバー750が取り外されるといった不都合が生じにくくなっている。
封印シール700については、蓋体800を装着する際に切断部820が通過する軌道上及び同軌道の延長上から外れた位置に配されている。これにより、蓋体800を装着した際に切断部820によって封印シール700が誤って破壊されることを好適に回避することができる。
シールカバー750を取り外すことで、封印シール700を表側構成体400側となる部位及び裏側構成体500側のとなる部位に境界BL,BR(溝部)を境に分断することができる。これにより、封印シール700による両構成体400,500の結合が解除され、その後の基板ボックス312の開封作業を円滑に進めることができる。
痕跡部として封印シール700が採用されている構成においては、溝部365,366,585に沿って切断部490,820が変位した際に、封印シール700が貼付ベース361から浮き上がるといった不都合が生じ得る。これは、封印シール700の破壊を困難にする要因となり得るため好ましくない。
そこで、シールカバー750の取外方向において切断部490,820よりも先側となる位置にて同シールカバー750の表側対向壁部753が封印シール700に対向させて、封印シール700において少なくともこれから切断されるであろう部分においてはシールカバー750により封印シール700の浮き上がりを規制することで、上記破壊機能が上手く作用せずにシールカバー750の取り外しが難しくなるといった不都合を生じにくくすることができる。
また、本実施の形態においては、台座485における本体部487の底面(詳しくは切断部490よりもシールカバー750の取外方向における先側となる部位)がシールカバー750の表側対向壁部753よりも更に封印シール700に対して近い位置に存在しており、上述したような封印シール700の浮き上がりが、同本体部487によっても規制されることとなる。故に、上述した封印シール700の切断機能を好適に発揮させることができる。
切断部490,820の刃先は、シールカバー750の装着方向に向けて溝部の底側へ傾斜するとともに溝部の開放部分を内外に跨ぐようにして形成されている。このため、シールカバー750の取り外しに伴って封印シール700と切断部490,820の刃先とが当接すると、封印シール700は、切断部490,820によって設置面側へ押圧されることとなる。これにより、設置面からの封印シール700の浮き上がりを抑制し、破壊機能を好適に発揮させることができる。
<第2の実施の形態>
上記第1の実施の形態においては、主制御装置301に対する不正行為を抑制する各種防犯構造が採用されていたが、本実施の形態においてはそれら防犯構造に関する構成の一部(具体的には上記第1固定手段314Aに関する構成)が第1の実施の形態と相違している。
そこで以下、図30〜図33に基づいて当該相違する構成について説明する。図30は第1固定手段314AXの構造を示す部分断面図、図31及び図32は第1固定手段314AXを主要な構成ごとに分解して示す分解斜視図、図33(a)はカバー部材600Xの外観を示す斜視図、図33(b)はカバー部材600Xの内部構造を示す斜視図である。なお、以下の説明では上記第1の実施の形態と同一符号に係る構成についてはその説明を援用して同構成に関する説明を簡略化又は省略し、主として第1の実施の形態との違いを説明する。
図31に示すように、裏側固定部550Xを構成している裏側固定ベース部561Xの先端部分、詳しくはカバー部材600Xのカバー側係合部622Xが挿入される貫通孔563Xよりも先端側となる部分には、挿入部571Xが形成されている。上記第1の実施の形態においては、挿入部571Xが表側固定部450とは反対側に開放された溝状をなしていたが、本実施の形態においては、図31に示すように表側固定部450X側に開放された溝状をなしている。この溝状部分を挟んだ両側には、カバー部材600Xのカバー側係合部622Xと係合する裏側係合部577Xが形成されている。
裏側係合部577Xはカバー部材600Xの装着方向に凸となる爪部578Xを有しており、この爪部578Xがカバー側係合部622Xに対して開口部621X側から当接することにより、カバー側係合部622Xの非係合状態への切り替えが妨げられている。
つまり、上記第1の実施の形態においては、表側構成体400の表側アーム部451がカバー側係合部622(詳しくは挿通孔626)に対して挿通されることにより、カバー側係合部622の非係合状態への切り替えが妨げられる構成としたが、本実施の形態においては、同構成に加え、裏側構成体500Xに設けられた裏側係合部577Xがカバー側係合部622Xに引っ掛かることにより同カバー側係合部622Xの上記切り替えが妨げられる構成が併用されている。これにより、カバー側係合部622Xをカバー部材600Xの外部から引っ張る等して無理やり変位させるといった行為を一層難しくしている。
図30に示すように、カバー部材600X(カバー側係合部622X)の板状部623Xには、カバー部材600の内側へ突出する1組の突出部625X,628Xが形成されている。それら突出部625X,628Xは、上記裏側係合部577Xをカバー部材600の装着方向における両側から挟んで対峙している。より詳しくは、第1突出部625Xが裏側係合部577Xよりもカバー部材600Xの装着方向における手前側、第2突出部628Xが裏側係合部577Xよりも同装着方向における先側となるように相互に離間して配設されている。なお、第1突出部625Xについては、上記第1の実施の形態における突出部625と同様の構成であるため、詳細な説明は省略する。
第2突出部628Xの先端部分には、裏側係合部577X側に凸となる爪部629Xが形成されている。この爪部629Xが裏側係合部577Xの爪部578Xに対して開口部621Xとは反対側から当接することにより、カバー側係合部622の係合解除側への変位が阻止されている。
第2突出部628Xは表側固定部450Xの表側アーム部451Xの先端部分を挟んだ両側、すなわち第1突出部625Xの挿通孔626Xを挟んだ両側に配置されており(図33参照)、当該表側アーム部451Xが両第2突出部628Xによって挟まれた状態となっている。これら第2突出部628Xによって、主制御装置301Xの幅方向における表側アーム部451Xの撓み変形が抑えられている。表側アーム部451Xに生じる負荷を第2突出部628Xに分散可能とすることにより、表側構成体400Xとカバー部材600Xとの分離を規制する機能が好適に担保される。
表側構成体400Xの表側固定ベース部461Xには、各第2突出部628Xに1対1で対応させてスリット477Xが形成されている。スリット477Xは、表側アーム部451Xを挟んだ両側に配されているとともにカバー部材600Xの装着方向とは反対側に開放されており、この開放部分を通じて当該スリット477X内に上記第2突出部628Xが挿通されている。
スリット477Xの奥部には、第2突出部628Xに当接するようにして操作部478Xが形成されている。操作部478Xは、第2突出部628Xに対してカバー部材600Xの装着方向における先側に配されており、同装着方向へのカバー側係合部622Xの変位が操作部478Xによって阻止されている。これにより、同装着方向におけるカバー側係合部622Xと裏側係合部577Xとの位置ずれや位置ばらつきが抑えられ、両爪部578X,529Xの掛かり代が担保されている。
表側固定部450Xと裏側固定部550Xとは、表側突起465Xと裏側突起565Xとが引っ掛かることにより、分離方向への相対変位が規制されている。これにより、裏側係合部577Xと操作部478Xとの位置関係の変化が抑えられている。かかる状態では、裏側係合部577X(詳しくは爪部578X)と表側固定ベース部461X(詳しくは操作部478X)とによって上記装着方向における両側からカバー側係合部622Xの第2突出部628Xが挟まれた状態となっている。これにより、第2突出部628Xが撓む等してそれら爪部578X及び操作部478Xの隙間から離脱することを抑えている。
<第1固定手段314AXを用いた封印作業>
ここで、図34を参照して第1固定手段314AXを用いた封印状態への移行作業について説明する。図34は第1固定手段314AXの動きを示す動作説明図であり、カバー部材600Xの装着操作及び両構成体400X,500Xの組み合わせ操作(スライド操作)に基づいて図34(a)→図34(b)→図34(c)の順に動作する。なお、表側構成体400X及び裏側構成体500Xを組み合せる際に初期作業については、上記第1の実施の形態と同様であるため説明を省略する。
図34(a)→図34(b)に示すように、カバー部材600Xを裏側構成体500Xに対して仮止めする場合には、カバー部材600Xを、当該カバー部材600Xの挿入口601Xを通じて固定部450X,550Xが同カバー部材600X内に収容されるように押し込む。このような押し込み操作に伴って、先ずカバー部材600Xのカバー側係合部622X(詳しくは板状部623X)が挿入方向手前側から裏側固定ベース部561Xの先端部(詳しくは裏側係合部577X)に当たり、更なる押し込み操作によってカバー側係合部622Xが開口部621Xを通じて裏側固定部550Xから離れる側へ押される。これにより、繋ぎ部624Xが撓み変形(弾性変形)し、カバー側係合部622Xが開口部621Xを通じてカバー部材600Xの外側へと変位することとなる。この結果、カバー側係合部622Xが裏側係合部577Xを迂回するようにして移動することとなる。
その後、カバー部材600Xが裏側構成体500X(裏側固定部550X)に対する装着完了位置に到達すると、すなわちカバー部材600Xの開口縁部611Xが裏側構成体500Xの第1裏側周壁部525X(詳しくは嵌合凹部353Xの底部)に当接する位置に到達すると、第2突出部628Xが裏側固定ベース部561Xの貫通孔563Xに達し、繋ぎ部624Xが自身に蓄えられた弾性力によって変形前の状態に復帰することで、第2突出部628Xが貫通孔563Xに嵌まる(図34(b)参照)。
このようにしてカバー部材600Xが裏側構成体500Xに取り付けられた状態では、上述の如く同カバー部材600Xの開口縁部611X等が裏側構成体500Xの第1裏側周壁部525Xに当接することでそれ以上の押し込み操作が不可となり、更にはカバー部材600Xを取り外す際にカバー側係合部622Xが通過する経路上に裏側係合部577Xが位置することで、上記装着方向とは反対側への同カバー部材600Xの変位が規制される。これにより、カバー部材600Xが裏側構成体500Xに対して仮止めされた状態となる。
但し、かかる状態では、カバー側係合部622Xと裏側係合部577Xとが完全に係合しているわけではなく、貫通孔563X内でのカバー側係合部622X(詳しくは第2突出部628X)の変位が許容されている。故に、カバー側係合部622Xを指等で貫通孔563Xから引き抜き可能であり、同操作を行うことでカバー部材600Xの仮止めを解除することができる。
カバー部材600Xの仮止めが完了した後は、図34(b)→図34(c)に示すように表側構成体400Xを裏側構成体500Xとの組み合わせ完了位置に向けてスライドさせる。
この際、先ず表側固定ベース部461Xのスリット477Xに対してカバー部材600Xの突出部628Xが嵌まり、主制御装置301Xの幅方向における表側固定ベース部461Xとカバー部材600Xのカバー側係合部622Xとの相対変位が規制されることとなる。そして、更なる表側構成体400Xの変位によって、スリット477Xの操作部478Xが突出部628Xに対してカバー部材600Xの装着方向とは反対側から当接する。その後、表側構成体400Xが装着完了位置へ向けて更にスライドされることにより、突出部628Xがカバー部材600Xの装着方向とは反対側に押され、カバー部材600Xが表側構成体400Xの変位に追従して変位する。
表側構成体400Xのスライド操作が継続されると、先ず表側アーム部451Xの先端部(爪部452X)がカバー部材600X(詳しくは突出部625X)の挿通孔626Xに挿通される。その後、表側アーム部451Xの爪部452Xが突出部625Xの挿通孔626Xに対して開口部621X側から当接して、カバー部材600Xと表側構成体400Xとの分離が規制され、これに合わせて、表側突起465Xと裏側突起565Xとが引っ掛かり両構成体400X,500Xの分離側への相対変位が規制されることとなる(図34(c)参照)。
このようにして、表側構成体400Xが組み合わせ完了位置に到達することにより、操作部478Xによって押された裏側係合部577Xが当該裏側係合部577Xの爪部578Xがカバー側係合部622Xの爪部629Xに対して引っ掛かる位置に到達し、両爪部578X,629Xの引っ掛かり解除が表側構成体400X(詳しくは表側固定ベース部461X)によって妨げられた状態となる。言い換えれば、カバー側係合部622Xが裏側固定ベース部561Xの裏側係合部577Xと表側固定ベース部461Xの操作部478Xによって挟まれることにより、掛かり代が小さくなる側への変位がさまたげられた状態となる。
このようにして、両構成体400X,500Xの分離側への相対変位が規制されるとともにカバー部材600Xの取り外しが規制されることで、表側構成体400X,裏側構成体500X,カバー部材600Xが一体化され、主制御基板311Xが基板ボックス312X内に封印された状態となる。
その後、カバー部材600Xの開口部621Xを通じて第2カバー部620Xによって囲まれた領域へ硬化樹脂が注入されることにより、同第2カバー部620Xと固定部550X,650Xとの隙間が同硬化樹脂によって埋められる。この硬化樹脂は紫外線を照射することによって硬化し、同硬化樹脂によって上述した可動部分の変位が妨げられることとなる。なお、第2カバー部620Xによって囲まれている領域と、第1カバー部610Xによって囲まれている領域とは、覆い部471X等によって仕切られており、開口部621Xから注入された硬化樹脂が第1カバー部610Xによって囲まれた領域へ流れ込むことが回避されている。
このように、硬化樹脂によって第1固定手段314AXの主要可動部分を覆うことにより、カバー部材600X外からの不正な固定解除操作を困難なものとし、防犯機能の向上を図っている。
なお、第1固定手段314AXの封印解除作業については、上記第1の実施の形態と同様である。すなわち、先ずカバー部材600Xの連結部630Xを破壊して第1カバー部610Xを除去し、その後、表側アーム部451X及び裏側アーム部551Xを全て破壊(切断)することにより、表側固定ベース部461,裏側固定ベース部561X,第2カバー部620Xが基板ボックス312Xの本体部351Xから分離され、主制御装置301Xの封印が解除される。
以上詳述した第2の実施の形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
裏側係合部577Xの爪部578Xとカバー側係合部622Xの爪部629Xとの引っ掛かりを実現するにあたり、表側構成体400Xの操作部478Xによってカバー側係合部622Xが引っ掛かり位置(係合位置)へと誘導されるため、引っ掛かり状態への移行に際してそれら両係合部577X,622Xの撓み変形(弾性変形)が不要となっている。このように、係合部577X,622Xの変形に依存することなく引っ掛かり状態へ移行できるため、係合部577X,622Xの強度を好適に向上することができる。これにより、例えばカバー側係合部622Xが開口部621Xを通じて無理やり引っ張られる等した場合であっても、各係合部577X,622Xが変形して引っ掛かりが解除されるといった不都合を生じにくくすることができる。
また、両構成体400X,500Xの組み合わせを完了した状態では、第2突出部628Xに対して裏側係合部577Xとは反対側から表側固定ベース部461Xの操作部478Xが当接する。これにより、裏側係合部577Xに対する掛かり代が小さくなる側へ第2突出部628Xが変位することを抑えることができる。故に、両係合部577X,622Xの係合を解除されにくくすることができる。
本実施の形態においては、表側固定ベース部461X及び裏側固定ベース部561Xの両者がカバー側係合部622Xに対してカバー部材600Xの開口部621X側から当接する構成を採用し、それら両固定ベース部461X,561Xによってカバー側係合部622の浮き上がりを抑えている。これにより、仮にカバー側係合部622Xが引っ張られる等した場合であっても、その負荷を好適に分散させることができ、表側アーム部451Xの変形を抑えることができる。表側アーム部451Xは、そもそも主制御装置301Xを開封する際に破壊される部分となっているため、その強度を高く設定することは好ましくない。上述したように表側アーム部451Xにかかる負荷を小さくすることで、同表側アーム部451Xの強度を抑えることが可能となるため、作業性向上の観点からも好ましい構成が実現できるといえる。
<第3の実施の形態>
上記第1の実施の形態においては、主制御装置301に対する不正行為を抑制する各種防犯構造が採用されていたが、本実施の形態においてはそれら防犯構造に関する構成の一部(具体的には上記第1固定手段314Aに関する構成)が上記第1の実施の形態と相違している。そこで以下、先ず図35〜図38に基づいて当該相違する構成について説明する。図35は第1固定手段314AYの構造を示す部分断面図、図36及び図37は第1固定手段314AYを主要部品ごとに分解して示す分解斜視図、図38(a)はカバー部材600Yの外観を示す斜視図、図38(b)はカバー部材600Yの内部構造を示す斜視図である。なお、以下の説明では上記第1の実施の形態と同一符号に係る構成についてはその説明を援用して、同構成に関する説明を簡略化又は省略し、第1の実施の形態との違いを主体に説明する。
本実施の形態における主制御装置301Yは上記第1の実施の形態における主制御装置301とほぼ同じ構成を有してなり、図35〜図37に示すように、各構成体400Y,500Yにおける表側固定部450Y及び裏側固定部550Yにかかる構成の一部が第1の実施の形態における表側固定部450及び裏側固定部550と相違している。
図35に示すように、裏側固定部550Yを構成している裏側固定ベース部561Yの先端部分、詳しくはカバー部材600Yのカバー側係合部622Yが挿入される貫通孔563Yよりも先端側には、裏側係合部577Yが形成されている。
裏側係合部577Yは、表側固定ベース部461とは反対側に開放された溝状をなしており、その外観は、上記第1の実施の形態における挿入部571と類似するものとなっている。但し、挿入部571が表側アーム部451の挿入を許容するものであったのに対して、本実施の形態においては、表側アーム部451ではなく、カバー側係合部622Yの一部が上記溝状部分に挿入される構成となっている。なお、本実施の形態における表側アーム部451Yについては、カバー側係合部622Yの変位を妨げる機能が付与されていない。
上記第1の実施の形態においては、カバー部材600を裏側構成体500Yに対して仮止めする際に、カバー側係合部622を動作させる手段として当該カバー側係合部622に三角リブ627を形成していた。これに対して、本実施の形態においては、裏側固定ベース部561Yにおいて上記裏側係合部577Yを含む先端領域にカバー側係合部622Yを動作させる手段としての誘導傾斜面579Yが形成されている。
カバー部材600Yを裏側構成体500Yに対して仮止めする際には、カバー側係合部622Yが誘導傾斜面579Yに対して当接している状態でカバー部材600Yが装着方向へ押されることにより、カバー側係合部622Yが誘導傾斜面579Yに沿うようにして開口部621Y側へ変位する。これにより、カバー側係合部622Yが裏側固定ベース部561Yの裏側係合部577Yを迂回して貫通孔563Yへ到達することとなる。
図35に示すように、カバー側係合部622Yの突出部625Yに対して装着方向手前側となる位置には裏側係合部577Yが位置しており、当該裏側係合部577Yの端面572Yが同突出部625Yに対して当接している。突出部625Yを挟んで端面580Yと反対側には裏側固定ベース部561Yの先端部が位置しており、当該先端部に形成された受け部479Yに対して突出部625Yが当接している。つまり、突出部625Yは、端面572Y及び受け部479Yによって挟まれた状態となっており、両固定部450Y,550Yによってカバー部材600Yの装着方向と同じ方向及び同装着方向とは反対の方向へのカバー側係合部622Yの変位が妨げられている。
突出部625Yの先端部分には、カバー部材600Yの装着方向と反対の方向に凸となる第1折曲部641Yと、当該第1折曲部641Yとは反対側(装着方向と同じ方向)に凸となる第2折曲部642Yとが形成されている。第1折曲部641Yは、裏側固定ベース部561Yの裏側係合部577Y(詳しくはストッパ部573Y)に対して開口部621Yとは反対側から当接しており、これにより、カバー側係合部622Yの開口部621Y側への変位が妨げられている。
表側固定ベース部461Yは、その先端部分が第2折曲部642Yに対して開口部621Y側から当接するようにして形成されており、当該表側固定ベース部461Yによってカバー側係合部622Yの開口部621Y側への変位が妨げられている。つまり、本実施の形態においては、両固定ベース部461Y,561Yがともにカバー側係合部622Yの移動経路上に位置しており、それら両固定ベース部461Y,561Yによって係合解除が規制されている。
<第1固定手段314AYを用いた封印作業>
ここで、図39を参照して第1固定手段314AYを用いた封印状態への移行作業について説明する。図39は第1固定手段314AYの動きを示す動作説明図であり、カバー部材600Yの装着操作及び両構成体400Y,500Yの組み合わせ操作(スライド操作)に基づいて図39(a)→図39(b)→図39(c)の順に動作する。なお、表側構成体400Y及び裏側構成体500Yを組み合せる際に初期作業については、上記第1の実施の形態と同様であるため説明を省略する。
図39(a)→図39(b)に示すように、カバー部材600Yを裏側構成体500Yに対して仮止めする場合には、カバー部材600Yを、当該カバー部材600Yの挿入口601Yを通じて固定部450Y,550Yが同カバー部材600Y内に収容されるように押し込む。このような押し込み操作に伴って、先ずカバー部材600Yのカバー側係合部622Y(詳しくは板状部623Y)が挿入方向手前側から裏側固定ベース部561Yの先端部(詳しくは誘導傾斜面579Y)に当たり、更なる押し込み操作によってカバー側係合部622Yが開口部621Yを通じて裏側固定部550Yから離れる側へ押される。これにより、繋ぎ部624Yが撓み変形(弾性変形)し、カバー側係合部622Yが開口部621Yを通じてカバー部材600Yの外側へと変位することとなる。この結果、カバー側係合部622Yが裏側係合部577Yを迂回するようにして移動することとなる。
その後、カバー部材600Yが裏側構成体500Y(裏側固定部550Y)に対する装着完了位置に到達すると、すなわちカバー部材600Yの開口縁部611Yが裏側構成体500Yの第1裏側周壁部525Y(詳しくは嵌合凹部353Yの底部)に当接する位置に到達すると、カバー側係合部622Yの突出部625Yが裏側固定ベース部561Yの貫通孔563Yに達し、繋ぎ部624Yが自身に蓄えられた弾性力によって変形前の状態に復帰することで、同突出部625Yが貫通孔563Xに嵌まる(図39(b)参照)。
このようにしてカバー部材600Yが裏側構成体500Yに取り付けられた状態では、上述の如く同カバー部材600Yの開口縁部611Y等が裏側構成体500Yの第1裏側周壁部525Yに当接することでそれ以上の押し込み操作が不可となり、更にはカバー部材600Yを取り外す際にカバー側係合部622Yが通過する経路上に裏側係合部577Yが位置することで、上記装着方向とは反対側への同カバー部材600Yの変位が規制される。これにより、カバー部材600Yが裏側構成体500Yに対して仮止めされた状態となる。
但し、かかる状態では、カバー側係合部622Yと裏側係合部577Yとが完全に係合しているわけではなく、貫通孔563Y内でのカバー側係合部622Y(詳しくは突出部625Y)の変位が許容されている。故に、カバー側係合部622Yを指等で貫通孔563Yから引き抜き可能であり、同操作を行うことでカバー部材600Yの仮止めを解除することができる。
カバー部材600Yの仮止めが完了した後は、図39(b)→図39(c)に示すように表側構成体400Yを裏側構成体500Yとの組み合わせ完了位置に向けてスライドさせる。
表側構成体400Yの変位によって、表側固定ベース部461Yの先端部(受け部479Y)がカバー側係合部622Yの板状部623Yと第2折曲部642Yとによって挟まれた領域に嵌まり、更なる変位に基づいて突出部625Yにカバー部材600Yの装着方向とは反対側から当接する位置へ到達する。これにより、以降の表側構成体400Yの変位に追従してカバー部材600Yも変位することとなる。
その後、表側構成体400Yのスライド操作が継続されると、第1折曲部641Yが裏側係合部577Yのストッパ部573Yに対して開口部621Yとは反対側から当接する位置へ到達する。これにより、カバー側係合部622Yの開口部621Y側への変位が両固定部450,550によって妨げられることとなる。
表側構成体400Yが裏側構成体500Yに対する組み合わせ完了位置へ到達すると、板状部623Yが裏側係合部577Yと表側固定ベース部461Yとによって挟まれた状態となり、これに合わせて表側突起465Xと裏側突起565Xとが引っ掛かり両構成体400X,500Xの分離側への相対変位が規制されることとなる(図39(c)参照)。
これにより、カバー部材600Yの装着方向と同じ方向及び同装着方向とは反対方向へのカバー側係合部622Yの変位が規制され、両折曲部641Y,642Yとストッパ部573Y及び受け部479Yとの掛かり代が担保されることとなる。
ここで、上記受け部479Yは、板状部623Yの外形に合わせて形成された凹状をないしてるため、当該受け部479Yに嵌まった板状部623Yについては、主制御装置301Yの幅方向への移動も当該受け部479Yによって規制されることとなる。これにより、同幅方向へカバー部材600Yを変位させて、上記引っ掛かりを解除しようとしても、少なくとも表側構成体400Yとカバー部材600Yとの位置関係が変化することを回避できるため、そのような行為によって引っ掛かりが解除されるといった不都合を生じることはない。
以上詳述した第3の実施の形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
裏側係合部577Yとカバー側係合部622Yの第1折曲部641Yとの引っ掛かりを実現するにあたり、表側構成体400Yの受け部479Yによってカバー側係合部622Xが裏側係合部577Yに対する引っ掛かり位置(係合位置)へと誘導される。このため、引っ掛かり状態への移行に際してそれら両係合部577Y,622Yの撓み変形(弾性変形)が不要となっている。このように、係合部577Y,622Yの変形に依存することなく引っ掛かり状態へ移行できるため、係合部577Y,622Yの強度を好適に向上することができる。これにより、例えばカバー側係合部622Yが開口部621Yを通じて無理やり引っ張られる等した場合であっても、各係合部577Y,622Yの変形に起因した引っ掛かりの解除を生じにくくすることができる。
また、カバー部材600Yが装着方向とは反対方向へ引っ張られる等した場合には、第1折曲部641Yとストッパ部573Yとの掛かり代が担保され、同カバー部材600Yが装着方向と同じ方向に押される等した場合には第2折曲部642Yと受け部479Yとの掛かり代が担保される。これにより、カバー部材600Yを変位させて取り外し規制を無理矢理解除させるといった行為を難しくすることができる。
本実施の形態においては、表側固定ベース部461Y及び裏側固定ベース部561Yの両者がカバー側係合部622Yに対してカバー部材600Yの開口部621Y側から当接する構成を採用し、それら両固定ベース部461Y,561Yによってカバー側係合部622Yの浮き上がりを抑えている。これにより、仮にカバー側係合部622Yが引っ張られる等した場合であっても、その負荷を好適に分散させることができる。故に、係合部622Y等に局所的な変形が生じ取り外し規制が弱まるといった不都合を生じにくくすることができる。
なお、上述した各実施の形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。因みに、以下の別形態の構成を、上記各実施の形態における構成に対して、個別に適用してもよく、相互に組み合わせて適用してもよい。
(1)上記各実施の形態では、「規制手段」としてのカバー部材600によって両構成体400,500の結合箇所(詳しくは「結合手段」を構成する各固定ベース部461,561等)を覆う構成としたが、少なくとも結合解除を規制することができるのであれば足り、必ずしも規制手段に相当する構成によって同結合箇所を覆う必要はない。
例えば、上記実施の形態に示したように、固定ベース部461,561がそれら固定ベース部461,561の並設方向において互いに遠ざかる側へ変位する構成においては、カバー部材600に代えて両固定ベース部461,561をそれら固定ベース部461,561の並設方向における両側から挟む規制部材を採用し、同規制部材によって上記遠ざかる側への変位を規制する構成とすることも可能である。
このような変更を行う場合には、規制部材を基板ボックス312に固定する手段として、例えば以下の構成を採用するとよい。すなわち、固定ベース部461,561の並設方向とは異なる方向へ変位することにより、同固定ベース部461,561に引っ掛かる係止部を採用するとともに、同係止部を固定ベース部461,561と規制部材の本体部分とによって挟まれた領域に配設するとよい。
但し、防犯機能向上への貢献に鑑みれば、上記実施の形態に示したように規制手段に相当する構成によって結合手段を覆い、同結合手段へのアクセスを妨げる構成とすることが好ましい。
(2)上記各実施の形態においては、突起465,565が引っ掛かることにより両構成体400,500が結合され、カバー部材600のカバー側係合部622が両固定ベース部461,561に係合することにより同カバー部材600の取り外し規制とが規制される構成としたが、これを以下のように変更してもよい。
すなわち、両固定ベース部461,561の境界を跨ぐとともにカバー部材600を跨ぐようにして封印シールを貼り付ける構成とすることにより、両構成体400,500を結合するとともにカバー部材600の取り外しを規制することも可能である。
また、両固定ベース部461,561及びカバー部材600を貫通するようにして破断ネジ等の固定具を装着することにより、両構成体400,500を結合するとともにカバー部材600の取り外しを規制することも可能である。
(3)上記各実施の形態では、カバー部材600を裏側構成体500に対して装着する操作(挿し込み操作)に基づいてカバー側係合部622が裏側固定ベース部561に係合する係合状態へと移行する構成を採用したが、これを変更し、カバー部材600を装着位置に配置した後に、指等でカバー側係合部622を貫通孔563に対して押し込むことにより、上記係合状態へと移行する構成を採用してもよい。
特に、上記各実施の形態に示すように、繋ぎ部624の基端部と同繋ぎ部624の折曲部分を中心としたカバー側係合部622の回動を許容する構成においては、カバー側係合部622を折曲部を中心として回動させることにより、突出部625が端面572の縁部に押し込み方向に対して斜めに当接することとなり、押し込み操作を容易に行うことができる。このように、繋ぎ部624の基端部ではなく、上記折曲部分を中心とした回動を許容することにより、以下の効果が期待できる。すなわち、カバー側係合部622が繋ぎ部624に蓄えられた弾性力によって復帰する構成においては、カバー側係合部622と端面572との間にカバー側係合部622の復帰時の変位を許容するための動作隙が必要となり、カバー部材600の位置がばらつきやすくなると想定される。この点、上述の如くカバー側係合部622の自動復帰を必須とせず、指等による押し込み操作によって係合状態へと移行する構成とすれば、上記隙間の拡がりを抑えることができ、カバー部材600を装着した状態でのがたつき等を好適に抑制することができる。
(4)上記各実施の形態では、両構成体400,500の相対変位方向が規定された状態でカバー部材600を装着する構成としたが、これに限定されるものではなく、相対変位方向が規定される前にカバー部材600を装着する構成とすることも可能である。
例えば、両構成体400,500の一方に、基板ボックス312の短手方向へ延びる溝部が形成され、他方に同溝部に嵌まる脚部が形成され、溝部内を脚部が移動することにより、両構成体400,500の相対変位が規制される構成においては、脚部が溝部に挿入される前の状態にて、カバー部材600が装着される構成とするとよい。
(5)上記各実施の形態では、カバー部材600が、第1カバー部610と第2カバー部620とを有する構成とし、それらカバー部610,620を連結する連結部630を破壊することにより、第2カバー部620を基板ボックス312に残存させたまま第1カバー部610を取り外し可能とした。しかしながら、少なくとも各アーム部451,551を露出させることができる構成が採用されていればよく、第1カバー部610を分離可能とする必要は必ずしもない。但し、各アーム部451,551を切断する際の作業性を考慮すれば、第1カバー部610を分離可能とするとよい。
特に、上記各実施の形態においては、第1カバー部610を筒状に形成し、その内部を第2カバー部620が通過可能としたことにより、各カバー部610,620そのものを破壊する必要が無い構成となっているが、このような効果を奏する必要が無いのであれば、必ずしも第1カバー部610の内部を第2カバー部620が通過する構成を採用する必要は無い。
(6)上記各実施の形態では、カバー部材600を取り外す際に、当該カバー部材600にその痕跡(言い換えれば基板ボックス312の開封痕跡)が残存する構成としたが、必ずしもこれに限定されるものではなく、カバー部材600に痕跡が残らない構成とすることも可能である。但し、カバー部材600が固定部450,550を覆う部材であることを考慮すれば、痕跡が残らないカバー部材600を利用して、固定部450,550に形成された痕跡を見えにくくするといった行為が行われやすくなり、防犯機能向上の妨げとなり得る。故に、望ましくは、上記実施の形態に示したように、カバー部材600を取り外す場合、すなわち基板ボックス312を開封する場合には、何らかの痕跡がカバー部材600に形成される構成とするとよい。
(7)上記各実施の形態では、カバー側係合部622が、繋ぎ部624の基端部分を中心とする変位と、繋ぎ部624の折曲部分を中心とする変位とを許容された状態で保持されていたが、これに限定されるものではない。少なくとも、基板ボックス312に対する係合位置と係合解除位置とに変位可能であれば足り、上述したような2種の変位を必須とするものではい。
また、開口部621の縁部においてカバー部材600の装着方向先側となる部位とカバー側係合部622において当該装着方向手前側となる部位とを繋ぐようにして繋ぎ部624を形成したが、カバー側係合部622におけるどの箇所とカバー部材600の本体側のどの箇所とを繋ぐようにして繋ぎ部624を形成するかは任意である。例えば、開口部621の縁部においてカバー部材600の装着方向手前側となる部位とカバー側係合部622において当該装着方向先側となる部位とを繋ぐようにして繋ぎ部624を形成してもよい。
このような変形例を採用した場合には、カバー部材600を基板ボックス312に対して装着する際に、カバー側係合部622が繋ぎ部624の基端部を中心として撓み変形し、同カバー側係合部622の突出部625が挿入部571上に乗り上げた状態となり、その後、突出部625が貫通孔563に到達することで、自身に蓄えられた弾性力によってもとの状態に復帰することで、固定ベース部461,561に対して引っ掛かることとなる。
(8)上記各実施の形態では、カバー部材600における「連結部」としての連結部630がアーム状をなす構成としたが、その形状や数は連結部630に示したものに限定されるものではない。少なくとも第1カバー部610及び第2カバー部620を連結するものであれば足り、その詳細な構成については任意である。
なお、カバー部材600が第1カバー部610及び第2カバー部620を有する必要は必ずしも無く、少なくとも第1カバー部610に相当する構成を有していればよい点に着目すれば、第2カバー部620を省略することも可能である。更には、第1カバー部610及び第2カバー部620を区別して設ける必要は無く両者の境界を排除し全体として1のカバー部を構成してもよい。
(9)上記各実施の形態では、構成体400,500を結合する「結合手段」として、両固定ベースを係止状態とする係止手段(具体的には固定ベース部461,561の突起465,565)を採用したが、これに限定されるものではない。例えばシール部材や破断ネジ等の固定手段を採用してもよい。
なお、上記変形例を採用する場合には、併せて以下の構成を採用するとよい。すなわち、固定手段の取り外しが固定部450,550等によって妨げられている構成を採用し、固定部450,550の固定を解除する解除手段を基板ボックス312外に露出させて設け、当該解除手段を操作して固定部450,550の固定を解除することにより、上記固定手段が取り外される構成を採用するとよい。
(10)上記各実施の形態では、表側アーム部451及び裏側アーム部551を破壊して「結合手段」を構成する両固定ベース部461,561を基板ボックス312の本体部351から分離することで、構成体400,500が分離される構成としたが、構成体400,500を分離するに当たり必ずしも破壊を必須とするものではない。但し、主制御装置301における防犯性向上の観点から、当該主制御装置301を開封した場合には、その痕跡を残存させる構成とすることが好ましい。この点、上記実施の形態に示したように、各アーム部451,551の破壊を主制御装置301の開封の必須要件とすれば、当該破壊の痕跡を開封痕跡として残存させることができ、開封事実の確認を事後的に行うことができる。
(11)上記実施の形態では、「規制手段」を構成するシールカバー750を取り外すことにより、「痕跡部」としての封印シール700が破壊される構成としたが、これを変更し、シールカバー750の取り外しを行う場合に、特定の破壊操作を行うことで、封印シール700が破壊される構成とすることも可能である。
但し、シールカバー750の取り外し操作以外の操作が必須となること、作業の煩雑化を招来する要因となり得る。故に、望ましくは上記各実施の形態に示したようにシールカバー750の取り外し操作(詳しくは引き抜き)によって封印シール700が破壊される構成とするとよい。
(12)上記各実施の形態では、シールカバー750を取り外す際に、同シールカバー750と一体となって蓋体800及び基板ボックス312の一部(台座485の本体部487)が同基板ボックス312の本体部351から分離される構成としたが、シールカバー750とは別体で設けられた構成であって「破壊部」を有する構成が同シールカバー750と一体的に分離されるのであれば足り、それぞれ「破壊部」を有する蓋体800及び台座485の本体部487の両者をシールカバー750と一体的に分離させる必要は無い。それら蓋体800及び本体部487の一方がシールカバー750と一体的に基板ボックス312の本体部351から分離される構成としてもよい。
(13)上記各実施の形態では、シールカバー750と切断部490,820とが一体化された状態で取り外される構成としたが、切断部490,820については基板ボックス312の本体部351側に残存する構成とすることも可能である。例えば、切断部が基板ボックス312によって切断方向への変位が許容された状態で保持され、シールカバー750に切断部を同切断方向へと変位させるための操作部をもうけるとよい。
(14)シールカバー750の表側対向壁部753を封印シール700に対して当接させる構成としてもよい。これにより、切断部490,820を用いて封印シール700を切断する際に同封印シール700が貼付領域362から浮き上がることを一層好適に抑制することができる。
また、シールカバー750を取り外す際に上記各切断部490,820が封印シール700に対して当たる前に、同切断部490,820に対してシールカバー750の取外方向における先側となる位置にて蓋体800の一部が封印シール700に当接する構成としてもよい。これにより、上記変形例と同様に、封印シール700の浮き上がり抑制機能を好適に強化することができる。
さらには、台座485の本体部487において切断部490よりもシールカバー750の取外方向における先側に位置する部位を封印シール700に対して当接させる構成としてもよい。但し、本変形例においては、表側対向壁部753を当接させるパターンと比較して、封印シール700の貼付作業が困難になると想定される。故に、望ましくは封印シール700よりも後に装着される構成(シールカバー750や蓋体800)に対して封印シール700に対する当接機能を付与し、封印シール700の装着作業が難しくなることを回避するとよい。
(15)上記各実施の形態では、「規制手段」として封印シール700を覆うシールカバー750を採用したが、少なくとも封印シール700による両構成体400,500の結合の解除を規制することができるのであれば足り、必ずしも規制手段に相当する構成によって同結合箇所を覆う必要はない。
(16)上記各実施の形態では、封印シール700が切断部820によって破壊されることにより、当該封印シール700を用いた表側構成体400と裏側構成体500との結合が解除される構成としたが、必ずしも封印シール700に両構成体400,500を結合する機能を付与する必要はない。例えば、封印シール700が表側貼付ベース部481及び裏側貼付ベース部581の一方にのみ貼り付けられ、切断部によって切断されることで、シールカバー750の取り外しの痕跡が残存する構成とすることも可能である。かかる変形例を採用する場合には、シールカバー750を取り外すことにより、両構成体400,500の分離が許容される構成とするとよい。
(17)上記各実施の形態では、第1固定手段314A及び第2固定手段314Bを併用したが、これに限定されるものではなく、これら固定手段314A,314Bの少なくとも何れかを有していればよい。
また、第1固定手段314A及び第2固定手段314Bを主制御基板311を有する主制御装置301に適用したが、これに限定されるものではない。同様の技術的思想を他の制御装置に適用することも可能である。
更には、基板ケースの表側構成体と裏側構成体の固定手段として適用したが、これに限られず、遊技機の本体部(例えば筐体や内側筐体)に固定されたベース体(例えば台座)に対して基板ケースを固定する構造に第1固定手段314Aや第2固定手段314Bに相当する構成を適用してもよい。これにより、ベース体からの基板ケースの不正な取り外しを好適に抑制することができる。また、適用の対象の基板ケースに限定されるものではなく、例えば面替えユニットを筐体に対して固定する構造に第1固定手段314Aや第2固定手段314Bに相当する構成を適用してもよい。これにより、筐体からの面替えユニットの不正な取り外しを好適に抑制することができる。
(18)上記各実施の形態では、「基板ケース」としての基板ボックス312が「ケース構成体」として表側構成体400と裏側構成体500とを有する構成とした。すなわち、2つの構成体400,500を組み合わせることにより基板ボックス312を形成する構成とした。「ケース構成体」の数は2つに限定されるものではなく任意である。
(19)上記各実施の形態とは異なる他のタイプのパチンコ機等、例えば特別装置の特定領域に遊技球が入ると電動役物が所定回数開放するパチンコ機や、特別装置の特定領域に遊技球が入ると権利が発生して大当たりとなるパチンコ機、他の役物を備えたパチンコ機、アレンジボール機、雀球等の遊技機にも、本発明を適用できる。
また、弾球式でない遊技機、例えば、複数種の図柄が周方向に付された複数のリールを備え、メダルの投入及びスタートレバーの操作によりリールの回転を開始し、ストップスイッチが操作されるか所定時間が経過することでリールが停止した後に、表示窓から視認できる有効ライン上に特定図柄又は特定図柄の組み合わせが成立していた場合にはメダルの払い出し等といった特典を遊技者に付与するスロットマシンにも本発明を適用できる。
更に、外枠に開閉可能に支持された遊技機本体に貯留部及び取込装置を備え、貯留部に貯留されている所定数の遊技球が取込装置により取り込まれた後にスタートレバーが操作されることによりリールの回転を開始する、パチンコ機とスロットマシンとが融合された遊技機にも本発明を適用できる。
<上記実施の形態から抽出される発明群について>
以下、上述した各実施の形態から抽出される発明群の特徴について、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお以下においては、理解の容易のため、上記各実施の形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
特徴A1.遊技に関する制御を行う制御基板(主制御基板311)と、
内部空間が形成されており、その内部空間に前記制御基板を収容する基板ケース(基板ボックス312)と
を備え、
前記基板ケースは、相互に組み合わされることにより前記基板ケースの内部空間の少なくとも一部を形成する第1ケース構成体(例えば裏側構成体500)及び第2ケース構成体(例えば表側構成体400)を有し、
前記第1ケース構成体及び前記第2ケース構成体を相互に結合する結合手段(表側固定部450及び裏側固定部550)と、
前記基板ケース及び前記結合手段とは別体で設けられ、同結合手段による結合の解除を規制する解除規制手段(カバー部材600)と
を備え、
前記第1ケース構成体と前記第2ケース構成体との分離を規制する分離規制手段(例えばカバー側係合部622)を用いて、前記基板ケースからの前記解除規制手段の取り外しが規制されていることを特徴とする遊技機。
特徴A1によれば、結合手段による結合の解除を解除規制手段によって規制することにより、両ボックス構成体の結合状態の解除を行いにくくし基板ボックスを不正に開放させる行為を抑制することができる。
このように防犯機能の向上を図る上では、防犯にかかる構成が複雑になることで、製造が難しくなる。この点、本特徴によれば、各ケース構成体の分離規制と解除規制手段の分離規制とを構成の簡略化を図りながら実現することが可能となり、構成の複雑化を抑えつつ防犯機能の向上を実現することができる。
特徴A2.前記第1ケース構成体及び前記第2ケース構成体の少なくとも何れかには、前記結合手段によって前記両ケース構成体が結合されている状態では、前記分離規制手段による規制を解除することを不可とする手段が設けられていることを特徴とする特徴A1に記載の遊技機。
特徴A2によれば、結合手段によって両ケース構成体が結合されている状態では、分離規制手段による規制を解除することが不可となる。これにより、解除規制手段が不正に取り外されるといった不都合を生じにくくすることができる。
特徴A3.前記結合手段は、予め定められた解除方向に変位することにより結合状態から結合解除状態へ切り替るように構成された結合部(表側固定ベース部461及び裏側固定ベース部561)を有し、
前記分離規制手段は、前記結合部によって両ケース構成体が結合されている状態にて、前記結合部の前記解除方向への変位を規制する規制部(表側アーム部451やストッパ部573)を有し、
前記解除規制手段の取り外しが前記規制部によって規制されていることを特徴とする特徴A1又は特徴A2に記載の遊技機。
特徴A3によれば、両ケース構成体が結合された状態では、結合部の解除方向への変位が規制部によって規制されることとなる。これにより、結合が簡単に解除されることを抑制することができる。解除方向への変位を規制する機能が付与された規制部に関してはある程度の強度が期待される。このように強度が確保されている部分によって解除規制手段の取り外しを規制することにより、解除規制手段の取外規制機能を好適に発揮させることができる。
特徴A4.前記規制部は、前記第1ケース構成体に設けられた第1規制部(ストッパ部573)と、前記第2ケース構成体に設けられた第2規制部(表側アーム部451)とによって構成されており、
それら第1規制部及び第2規制部は、両規制部の相対位置の変化に基づいて、前記結合部の前記解除方向への変位を規制する規制状態と当該規制を解除する規制解除状態とに切り替るものであり、
前記解除規制手段は、前記規制部によって取り外しが規制されている状態では、前記第1規制部及び前記第2規制部の前記規制解除状態への切り替りを妨げるように構成されていることを特徴とする特徴A3に記載の遊技機。
特徴A4によれば、解除規制手段によって規制部の規制解除状態への切り替りを妨げることにより、結合手段による両ケース構成体の結合を解除することを難しくし、基板ボックスを不正に開放させる行為を好適に抑制することができる。
特徴A5.前記結合手段は、予め定められた解除方向に変位することにより結合状態から結合解除状態へ切り替るように構成された結合部(表側固定ベース部461及び裏側固定ベース部561)を有し、
前記結合部は、
前記第1ケース構成体に設けられた第1結合部(裏側固定ベース部561)と、
前記第2ケース構成体に設けられ、前記第1結合部に対して結合する第2結合部(表側固定ベース部461)と
によって構成されており、
前記分離規制手段には、前記解除規制手段に配され、前記第1結合部と前記第2結合部との間に入り込むことによってそれら第1結合部及び第2結合部の相対変位を規制する挿入部(カバー側係合部622の突出部625)が設けられていることを特徴とする特徴A1乃至特徴A4のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴A4によれば、第1結合部及び第2結合部の間に解除規制手段の一部(挿入部)が入り込むことにより、両結合部の相対変位が規制される。これにより、結合部に生じ得る負荷を分散し、同結合部の保護を図ることができる、
また、両結合部によって解除規制手段の変位を抑えることが可能となり、解除規制手段による規制を無理矢理解除するといった行為を難しくすることができる。
特徴A6.前記第1結合部及び前記第2結合部は、前記第1ケース構成体及び前記第2ケース構成体を組み合せる場合のそれら両ケース構成体の相対位置の変位に基づいて前記結合状態に切り替るように構成されており、
前記挿入部は、前記両結合部が前記結合状態となる過程で、それら結合部の間に入り込むことを特徴とする特徴A5に記載の遊技機。
特徴A6に示すように、ケース構成体同士を組み合せる場合のケース構成体(結合部)同士の相対位置の変位を利用して規制状態となる構成を採用することにより、解除規制手段の取り外しを規制するための別途操作が不要となり、特徴A1等に示した防犯機能の向上効果を享受しつつ、それに起因した基板ケースを組み上げる際の作業性の低下を抑えることができる。
特徴A7.前記解除規制手段が前記ケース構成体に対して装着されることにより、前記両ケース構成体の少なくとも何れかに対して前記挿入部が引っ掛かる構成となっており、
前記挿入部は、前記ケース構成体に対して装着される場合に、前記解除規制手段の少なくとも一部が弾性変形することで当該解除規制手段の装着方向とは異なる方向に変位し、前記両ケース構成体の何れかに対して引っ掛かる引っ掛かり位置と、前記引っ掛かりが回避される引っ掛かり回避位置とに変位することを特徴とする特徴A5又は特徴A6に記載の遊技機。
解除規制手段の弾性変形に基づいて挿入部が引っ掛かり位置へ到達する構成においては、解除規制手段の装着操作によって上記引っ掛かり状態へ移行可能であり、作業性向上の面では有意義である。しかしながら、その反面、弾性変形を許容することにより、挿入部が変位しやすくなることに起因して規制機能が発揮されにくくなることが懸念される。この点、上記特徴に示したように、挿入部が両結合部の間に入り込む構成とすれば、同結合部によって挿入部の変位を抑えることができ、弾性変形を利用した状態切り替えを採用したことによるデメリットを解消することができる。
特徴A8.前記解除規制手段は、
前記基板ケースの外側から前記結合手段を覆う本体(カバー部材600においてその外郭を形成している部分)と、
前記本体に形成され、当該本体の内外に開放された開口部(開口部621)と
を有し、
前記挿入部は、前記開口部の少なくとも一部を覆うように形成されており、
前記開口部は、前記挿入部が前記引っ掛かり位置と前記引っ掛かり回避位置とに変位する場合に、当該開口部を通じた前記本体の外部への前記挿入部の変位を許容するようにして形成されており、
前記解除規制手段は、前記本体に対して前記挿入部を連結させる連結部(繋ぎ部624)を有し、
前記解除規制手段が装着される場合に、前記連結部が弾性変形することにより、前記挿入部が前記引っ掛かり位置と引っ掛かり回避位置とに変位する構成となっており、
前記連結部は、前記開口部の少なくとも一部を覆うようにして形成されていることを特徴とする特徴A7に記載の遊技機。
特徴A8によれば、解除規制手段によって結合手段を覆うことにより、同結合手段の露出を抑えることができる。解除規制手段の本体に形成されている開口部を通じて挿入部が本体部の内外に変位可能となっている。弾性変形を利用した挿入部の変位が許容されることにより、引っ掛かり位置及び引っ掛かり回避位置への切り替りが好適に実現される。
しかしながら、このような構成においては、開口縁と挿入部との間に隙間が生じやすくなり、上記本体による結合手段の遮蔽機能が低下する。この点、本特徴においては、連結部によって開口部の一部(例えば挿入部と開口縁との間に生じる隙間)を覆う構成とすることにより、上記遮蔽機能の低下を抑制することが可能となっている。
例えば、挿入部が結合部に入り込んでいる状態では、解除規制手段の本体の取り外し経路上に同挿入部が位置する構成を採用することにより、以下の効果が期待できる。すなわち、弾性変形可能な連結部が破損等した場合であっても、上記本体の取り外しが規制されたままとなり、本体のみを取り外して結合手段へのアクセスを容易化するといった行為を好適に抑制することができる。
特徴A9.前記第1ケース構成体及び前記第2ケース構成体が相互に組み合わされる場合に、両ケース構成体の相対変位の方向を所定の方向に規定する規定手段(例えば規定手段313)を備え、
前記分離規制手段によって前記解除規制手段の取り外しが規制されている状況においては、同解除規制手段によって前記第1ケース構成体及び前記第2ケース構成体の前記所定の方向への相対変位が規制されていることを特徴とする特徴A1乃至特徴A8のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴A9によれば、解除規制手段が装着されて同解除規制手段の取り外しが規制されることで、両ケース構成体の相対位置の変位が規制されることとなる。これにより、解除規制手段を装着した状態のまま基板ケースを開放させるといった不正行為を解除規制手段によって抑制可能となり、更なる防犯機能の向上に貢献できる。
特徴A10.前記第1ケース構成体及び前記第2ケース構成体が相互に組み合わされる場合に、両ケース構成体の相対変位の方向を所定の方向に規定する規定手段(例えば表側板状部431,432や裏側板状部531,532等)を備え、
前記基板ケースに対する前記解除規制手段の着脱方向は前記所定の方向と同じ方向になっており、
前記解除規制手段の取り外しが規制されている状態では、前記所定の方向における当該解除規制手段と前記第1ケース構成体との相対位置の変位が規制されるとともに、同所定の変位方向における当該解除規制手段と前記第2ケース構成体との相対位置の変位が規制されることを特徴とする特徴A1乃至特徴A9のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴A10によれば、解除規制手段が装着され、同解除規制手段の取り外しが規制されることにより、解除規制手段と第1カバー構成体との相対変位が規制されるとともに解除規制手段と第2カバー構成体との相対変位が規制される。つまり、解除規制手段を介して第1ケース構成体と第2ケース構成体との相対変位が規制されることとなる。これにより、解除規制手段を装着した状態のまま基板ケースを開放させるといった不正行為を一層難しくすることができる。
特徴A11.前記解除規制手段は、前記基板ケースの外側から前記結合手段を覆うカバー手段であり、
前記解除規制手段に設けられ、当該解除規制手段によって覆われた領域が開放された場合にその開放の痕跡を残存させるカバー側痕跡手段(連結部630)を備え、
前記基板ケースは、前記カバー側痕跡手段により前記開放の痕跡が残存する状態となった場合に、前記結合手段による結合の解除が可能となるように構成されていることを特徴とする特徴A1乃至特徴A10のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴A11によれば、ケース構成体を分離して制御基板等にアクセスする場合には、その過程で解除規制手段に痕跡が残存することとなる。これにより、解除規制手段を不正に再利用し、制御基板等へのアクセスが行われた事実を隠蔽するといった行為を抑制することができる。
特徴A12.前記基板ケースは、前記内部空間を区画形成している本体部(本体部351)を有し、
前記結合手段は、当該結合手段よりも破壊が容易となるように形成されたケース側連結部(表側アーム部451や裏側アーム部551)を介して前記本体部に連結されており、
前記解除規制手段は、
前記ケース側連結部を覆う第1カバー部(第1カバー部610)と、
前記結合手段を覆う第2カバー部(第2カバー部620)と、
それら第1カバー部及び第2カバー部を連結するとともに、前記第2カバー部よりも破壊が容易となるように形成されたカバー側連結部(連結部630)と、
前記第2カバー部に設けられ、カバー側係合部(カバー側係合部622)と
を有し、
前記結合手段には、前記カバー側係合部に係合することにより前記解除規制手段の取り外しを不可とするケース側係合部(表側アーム部451等)が設けられており、
前記解除規制手段は、前記カバー側連結部が破壊され前記第1カバー部及び前記第2カバー部が分離された場合には、前記第2カバー部を前記基板ケースに残存させたまま、前記第1カバー部を同基板ケースから取り外し可能となるように構成されていることを特徴とする特徴A1乃至特徴A11のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴A12によれば、第1カバー部と第2カバー部とを連結しているカバー側連結部を破壊することで、第2カバー部を基板ケースに残存させながら、第1カバー部を基板ケースから取り外すことができる。これにより、第1カバー部及び第2カバー部を破壊することなくケース側連結部へアクセス可能となり、特徴A1に示した構成を採用し防犯機能を向上しつつ、それに起因した基板ケース開放時の作業性の低下を抑制することができる。
その後、ケース側連結部を破壊することで、結合手段及び解除規制手段を第2カバー部ごと基板ボックスから分離することができる。これにより、解除規制手段の取り外し規制機能を強化したり結合手段による結合機能を強化したりしても、それに起因して上記解除作業が困難になることを回避できる。更には、規制解除と結合解除とが、ケース側連結部の破壊によってまとめて実現されるため、作業の煩雑化を好適に抑制できる。
なお、ケース側連結部を破壊することにより、基板ケースに破壊痕跡を残存することとなり、基板ケースが開放された事実の事後的な確認が可能となる。このように、解除規制手段及び基板ケースの両者に破壊痕跡を残存させることにより、基板ケースの開封事実の隠蔽を一層困難なものとすることができる。
因みに、特徴A11との組み合せにおいては、当該特徴A11に示した「カバー側痕跡手段」と本特徴に示す「カバー側連結部」とを置き換えることも可能である。
特徴A13.前記第1カバー部は、前記ケース側連結部を囲む筒状をなしており、その内部を前記第2カバー部が通過可能となるように形成されていることを特徴とする特徴A12に記載の遊技機。
特徴A13によれば、第1カバー部をケース側連結部を囲む筒状とし、その内部を第2カバー部が通過可能とすることで、カバー側連結部を破壊した後に第2カバー部を残したまま第1カバー部を取り除くことができ、解除規制手段において破壊が必要となる箇所を最小限に抑えることが可能となる。故に、第2カバー部による遮蔽機能を担保しつつ、作業性の低下を抑えることができ、実用上好ましい構成を実現できる。
例えば、第1カバー部及び第2カバー部の並設方向から見て、第1カバー部の内形が第2カバー部の外形よりも大きくなるように形成するとよい。
特徴A14.前記第2カバー部における前記第1カバー部側の開口部の端面は、前記第1カバー部によって囲まれた領域と対峙しており、
前記結合手段には、前記2カバー部の前記端面に対して前記第1カバー部内から対向し、同開口部の少なくとも一部を覆う覆い部(覆い部471等)が形成されていることを特徴とする特徴A12又は特徴A13に記載の遊技機。
特徴A14によれば、第1カバー部と第2カバー部との境界部位を介して第2カバーの内部領域へ不正具等が挿入されることを抑制することができる。これにより、解除規制手段が第1カバー部及び第2カバー部を有し、第1カバー部の内部を第2カバー部が通過可能となる構成を採用したとしても、それに起因した防犯機能の低下を抑制することができる。特に、開口部の端面と対向するようにして覆い部を形成することにより、例えば第2カバー部の内側に同第2カバー部の開口部を塞ぐ遮蔽部を設ける場合と比較して、第2カバー部との間に生じる隙間を好適に小さくすることができる。
なお、第2カバー部によって囲まれた領域に硬化樹脂を注入することで、解除規制手段等へのアクセスを一層好適に抑制することができる。かかる構成を採用する場合には、第2カバー部の端面と覆い部とを当接させる等して、第2カバー部の上記開口部を塞ぐ構成とすればよい。
特徴A15.前記本体部には、前記第1カバー部において前記解除規制手段の入口部位を形成している端部(開口縁部611)と嵌合することにより、当該解除規制手段の着脱方向に対して交差する方向への同解除規制手段の変位を規制する嵌合部(嵌合凹部353)が形成されていることを特徴とする特徴A12乃至特徴A14のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴A12等に示したように第1カバー部と第2カバー部とをカバー側連結部によって連結する構成においては、両カバー部の分離作業の容易化を考慮してカバー側連結部をできるだけ脆弱な構成とすることが好ましい。
しかしながら、規制機能が第2カバー部に対して作用する構成においては、単にカバー側連結部を脆弱なものとした場合にはカバー側連結部が変形する等して第2カバー部の位置ばらつきが大きくなると想定される。これは、第1カバー部と本体部との隙間の拡がりを招来し、同隙間からのケース側連結部等に対する不正なアクセスを招く要因となり得る。そこで、本体部に形成された嵌合部によって解除規制手段の着脱方向に対して交差する方向への変位を規制すれば、カバー側連結部を脆弱なものとしつつ、それに起因した上記不都合の発生を抑制することができる。
特徴A16.前記解除規制手段は、前記第1ケース構成体及び前記第2ケース構成体を組み合せる場合のそれら両ケース構成体の相対位置の変位に基づいて前記分離規制手段によって前記基板ケースからの取り外しが規制された状態となるように構成されていることを特徴とする特徴A1乃至特徴A15のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴A16に示すように、ケース構成体同士を組み合せる場合のケース構成体同士の相対位置の変位を利用して規制状態となる構成を採用すれば、解除規制手段の取り外しを規制するための別途操作が不要となり特徴A1等に示した防犯機能の向上効果を享受しつつ、それに起因した作業の煩雑化を抑制することができる。
特徴A17.前記分離規制手段は、
前記解除規制手段に設けられ、前記両ケース構成体の分離を規制する第1位置と、分離を規制しない第2位置とに変位可能な規制手段側係合部(カバー側係合部622)と、
前記第1ケース構成体に設けられ、前記規制手段側係合部が前記第1位置に待機している場合に同規制手段側係合部に対して引っ掛かることにより前記解除規制手段の取り外しを規制する第1ケース側係合部(挿入部571の端面572)と、
前記第2ケース構成体に設けられ、前記規制手段側係合部と前記第1ケース側係合部とが引っ掛かっている状態にて同第1ケース構成体と前記第2ケース構成体とが組み合わせられることにより、前記規制手段側係合部が前記第1位置に待機している場合に同規制手段側係合部に対して引っ掛かかり、同規制手段側係合部の前記第2位置への変位を不可とする第2ケース側係合部(表側アーム部451)と
を有ていることを特徴とする特徴A16に記載の遊技機。
特徴A17によれば、先ず解除規制手段を第1ケース構成体に対して装着することにより、解除規制手段側規制部が規制位置に配され、同解除規制手段側規制部に対してケース側第1規制部に対して引っ掛かかることで解除規制手段の取り外しが規制される。その後、第1ケース構成体と第2ケース構成体とを組み合せることで、同解除規制手段側規制部に対してケース側第2規制部が引っ掛かり同解除規制手段側規制部の規制解除位置への変位が不可となる。かかる構成を採用することにより、解除規制手段側規制部が規制解除位置へと変位して規制が解除されるといった不都合を生じにくくすることができる。
特徴A18.前記分離規制手段は、前記第1ケース構成体に設けられた第1ケース側係合部(例えば挿入部571の端面572)を有し、
前記解除規制手段には、前記第1ケース側係合部に対して前記解除規制手段の装着方向先側から当接する当接位置と当接しない非当接位置とに変位可能となっており、前記解除規制手段が前記第1ケース構成体に装着されることで前記当接位置へ変位する規制手段側係合部(カバー側係合部622)が設けられ、
前記分離規制手段には、前記第2ケース構成体に設けられ、前記両ケース構成体の組み合わせが完了している状況において前記規制手段側係合部に対して前記非当接位置側から当接し、同規制手段側係合部の同非当接位置への変位を規制する第2ケース側係合部(表側アーム部451)が設けられていることを特徴とする特徴A16に記載の遊技機。
特徴A18によれば、先ず解除規制手段を第1ケース構成体に対して装着することにより、同第1ケース構成体からの解除規制手段の脱落が規制されることとなる。その後、第1ケース構成体と第2ケース構成体とを組み合せることで、規制手段側係合部の変位が規制され、ケース構成体を分離することなく解除規制手段を取り外すことが不可となる。かかる構成を採用すれば、作業の途中で解除規制手段を第1ケース構成体に対して仮取り付けしておくことにより、例えば解除規制手段を手で持ったまま両ケース構成体の組み合わせ作業を行う必要が無くなり、ケース構成体の組み合わせが完了する前に解除規制手段を取り付ける構成を採用したとしてもそれによる作業性の低下を抑えることが可能となる。
また、解除規制手段を所望とする位置に保持しておくことが可能となり、両ケース構成体を組み合わせる際に、第1ケース構成体と解除規制手段とが干渉して、組み合わせ作業が妨げられるといった不都合を生じにくくすることができる。
特徴A19.前記第1ケース構成体には、少なくとも前記第2ケース構成体が前記第1ケース構成体に対する組み合わせ完了位置へ配置されるまで前記解除規制手段を当該第1ケース構成体に取り付けられた状態で保持する保持手段(裏側固定ベース部561の挿入部571等)が設けられていることを特徴とする特徴A16乃至特徴A18のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴A16に示したようにケース構成体同士の組み合わせることにより解除規制手段の取り外しが規制される構成を採用する場合には、解除規制手段を保持手段によって保持しておくことで、例えば解除規制手段を手で持ったまま両ケース構成体の組み合わせ作業を行う必要が無くなり、ケース構成体の組み合わせが完了する前に解除規制手段を取り付ける構成を採用したとしてもそれによる作業性の低下を抑えることができる。
また、解除規制手段を所望とする位置に保持しておくことが可能となり、両ケース構成体を組み合わせる際に、第2ケース構成体と解除規制手段とが干渉して、組み合わせ作業が妨げられるといった不都合を生じにくくすることができる。
特徴A20.前記解除規制手段は、前記基板ケースの外側から前記結合手段を覆うカバー手段であり、
前記組み合わせ方向における前記第1ケース構成体に対しての前記第2ケース構成体の変位が許容される範囲を制限する制限手段(例えばフック部533や受け部433)を備え、
前記制限手段によって制限された範囲においては、前記第1ケース構成体に対して前記解除規制手段が取り付けられた場合に、前記第1結合部の少なくとも一部が前記解除規制手段によって囲まれた領域内に位置するように構成されていることを特徴とする特徴A16乃至特徴A19のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴A20によれば、解除規制手段を第2ケース構成体に取り付けた状態にて第1結合部の少なくとも一部が解除規制手段内に入ることとなる。これにより、第1ケース構成体の一部と第2ケース構成体の一部とが解除規制手段内に存在することとなり、規制両ケース構成体の並設方向における解除規制手段の位置を定めやすくすることができる。故に、両ケース構成体を組み合わせ完了位置へ向けて相対変位させる場合に、解除規制手段を掴んだ状態で所定の位置に保持するといった必要が無くなり、規制状態への移行を円滑なものとすることができる。
特徴A21.前記解除規制手段は、前記基板ケースの外側から前記結合手段を覆うカバー手段であり、
前記結合手段は、前記第1ケース構成体に設けられた第1結合部(裏側固定ベース部561)と、前記第2ケース構成体に設けられた第2結合部(表側固定ベース部461)とを有し、前記第1結合部及び前記第2結合部の少なくとも一方が他方に対する間隔が拡がる側へ変位することにより前記両ケース構成体を結合する結合状態と結合しない非結合状態とに切替可能となっており、
前記解除規制手段は、当該解除規制手段の少なくとも一部が前記結合手段の変位領域内に位置し、同解除規制手段が前記結合手段によって押圧されて変形することにより前記結合状態への切替を許容するように構成されており、
前記ケース構成体の組み合わせ側への相対変位に基づいて前記両結合部の少なくとも一方を前記解除規制手段を押圧する側へ誘導するとともに、分離側への相対変位に基づいては前記両結合部を前記解除規制手段を押圧する側へ誘導しない手段を備えていることを特徴とする特徴A16乃至特徴A20のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴A21によれば、両ケース構成体の組み合わせが完了した後は、解除規制手段によって結合状態の解除が規制されることとなり、ケース構成体を分離方向に押し引きする等して、結合を解除するといった行為を困難なものとすることができる。両ケース構成体の組み合わせる場合には、両結合部の少なくとも一方が解除規制手段を押圧する側へ誘導されることとなり、組み合わせ操作の操作力によって解除規制手段を一時的に変形させて結合状態へと移行することが可能となる。これにより、上記防犯構造を採用した場合であっても、それに起因してケース構成体同士の組み合わせ作業が難しくなることを抑制することができる。
特徴A22.前記結合手段は、予め定められた解除方向に変位することにより結合状態から結合解除状態へ切り替るように構成されており、
前記解除規制手段は前記結合手段の前記解除方向への変位を阻止するものであり、同解除方向への変位を阻止している状態では前記結合手段からの当該解除規制手段の分離が同結合手段によって妨げられていることを特徴とする特徴A1乃至特徴A21のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴A22によれば、解除規制手段によって結合手段の解除方向(例えば両構成体の組み合わせ方向とは異なる方向)への変位を妨げるとともに、結合手段によって当該結合手段からの解除規制手段の分離を妨げることにより、基板ボックスを不正に開放させる行為を好適に抑制することができる。
特徴A23.第1構成体(例えば裏側構成体500)及び第2構成体(例えば表側構成体400)が相互に組み合わされてなる組合せ体(基板ボックス312)と、
前記第1構成体及び前記第2構成体を相互に結合する結合手段(表側固定部450及び裏側固定部550)と、
前記組合せ体及び前記結合手段とは別体で設けられ、同結合手段による結合の解除を規制する解除規制手段(カバー部材600)と
を備え、
前記第1構成体と前記第2構成体との分離を規制する分離規制手段(例えばカバー側係合部622)を用いて、前記組合せ体からの前記解除規制手段の取り外しが規制されていることを特徴とする遊技機。
特徴A23によれば、結合手段による結合の解除を解除規制手段によって規制することにより、両構成体の結合状態の解除を行いにくくし組合せ体を不正に分離させる行為を抑制することができる。
このように防犯機能の向上を図る上では、防犯にかかる構成が複雑になることで、製造が難しくなる。この点、本特徴によれば、各構成体の分離規制と解除規制手段の分離規制とを構成の簡略化を図りながら実現することが可能となり、構成の複雑化を抑えつつ防犯機能の向上を実現することができる。
特徴B1.遊技に関する制御を行う制御基板(主制御基板311)と、
内部空間が形成されており、その内部空間に前記制御基板を収容する基板ケース(基板ボックス312)と
を備え、
前記基板ケースは、相互に組み合わされることにより当該基板ケースの内部空間の少なくとも一部を形成する第1ケース構成体(例えば裏側構成体500)及び第2ケース構成体(例えば表側構成体400)を有し、
前記第1ケース構成体及び前記第2ケース構成体を相互に結合する結合手段(表側固定ベース部461及び裏側固定ベース部561)と、
前記基板ケース及び前記結合手段とは別体で設けられ、同結合手段による結合の解除を規制する解除規制手段(カバー部材600)と、
前記基板ケースからの前記解除規制手段の取り外しを規制する取外規制手段(例えば表側構成体400の表側アーム部451等)と
を備え、
前記取外規制手段は、前記解除規制手段が予め定められた取り付け位置に配置された状況にて前記両ケース構成体の相対位置の変位に基づいてそれらケース構成体の組み合わせが完了することにより同解除規制手段の取り外しを規制する状態となることを特徴とする遊技機。
特徴B1によれば、解除規制手段の取り付けに基づいて規制状態となるのではなく、ケース構成体の組み合わせ(相対位置の変位)により規制状態となるため、以下の効果が期待できる。
例えば解除規制手段の配置に伴って規制状態に移行される構成を採用しようとすれば、取外規制手段として規制状態と解除状態とに弾性変形可能なフック等が採用されやすいと想定される。しかしながら、このようなフック等を利用して規制状態へ移行させようとすれば、解除規制手段を装着する際の作業性の向上と解除規制手段の取り外し規制にかかる強度の向上とを両立させることが難しくなる。また、このような強度不足をネジ等の他の固定手段を採用することで補おうとすれば、解除規制手段の固定にかかる構成が複雑になったり同解除規制手段の固定作業が煩雑になったりすると想定される。
この点、本特徴によれば、このような弾性変形に頼ることなく規制状態への移行が可能となるため、作業性の向上と規制手段の強度の向上とを好適に両立させることができる。特に、取り外し規制の強度向上を図ることで、解除規制手段を無理やり引っ張る等して規制状態を不正に解除するといった行為を難しくすることができ、防犯機能の向上に貢献することができる。
なお、本特徴に示す技術的思想を特徴A群に適用する場合には、本特徴に示す取外規制手段に代えて特徴A群に示す分離規制手段を採用することも可能である。
特徴B2.前記解除規制手段は、少なくとも両ケース構成体の組み合わせが完了するまで前記第1ケース構成体及び前記第2ケース構成体の少なくとも一方により前記取り付け位置にて保持されることを特徴とする特徴B1に記載の遊技機。
特徴B1に示したようにケース構成体同士の組み合わせが完了する前に解除規制手段の取り外しが規制される構成を採用する場合には、解除規制手段を取り付け位置に保持しておくことで、例えば解除規制手段を手で持ったまま両ケース構成体の組み合わせ作業を行う必要が無くなり、ケース構成体の組み合わせが完了する前に解除規制手段を取り付ける構成を採用したとしてもそれによる作業性の低下を抑えることができる。
また、解除規制手段を所望とする位置に保持しておくことにより、両ケース構成体を組み合わせる際にケース構成体と解除規制手段とが干渉して組み合わせ作業が妨げられるといった不都合を、生じにくくすることができる。
特徴B3.前記取外規制手段は、
前記第1ケース構成体に設けられた第1ケース側規制部(例えば挿入部571の端面572)と、
前記解除規制手段に設けられ、前記第1ケース側規制部に対して同解除規制手段の装着方向における先側から当接する当接位置と当接しない非当接位置とに変位可能となっており、前記解除規制手段が前記第1ケース構成体に装着されることで前記当接位置へ変位するカバー側規制部(カバー側係合部622)と、
前記第2ケース構成体に設けられ、前記両ケース構成体の組み合わせが完了している状況にて前記カバー側規制部に対して非当接位置側から当接し、同カバー側規制部の同非当接位置への変位を規制する第2ケース側規制部(表側アーム部451)と
を有していることを特徴とする特徴B1又は特徴B2に記載の遊技機。
特徴B3によれば、先ず解除規制手段を第1ケース構成体に対して装着することにより、同第1ケース構成体からの解除規制手段の脱落が規制されることとなる。その後、第1ケース構成体と第2ケース構成体とを組み合せることで、カバー側規制部の変位が規制され、ケース構成体を分離することなく解除規制手段を取り外すことが不可となる。かかる構成を採用することで、作業の途中で解除規制手段を第1ケース構成体に対して仮取り付けしておくことができ、例えば解除規制手段を手で持ったまま両ケース構成体の組み合わせ作業を行う必要が無くなる。これにより、ケース構成体の組み合わせが完了する前に解除規制手段を取り付ける構成を採用したとしてもそれによる作業性の低下を抑えることが可能となる。
また、解除規制手段を所望とする位置に保持しておくことが可能となり、両ケース構成体を組み合わせる際に、第1ケース構成体と解除規制手段とが干渉して、組み合わせ作業が妨げられるといった不都合を生じにくくすることができる。
特徴B4.前記カバー側規制部には、前記第2ケース側規制部が挿通される挿通部(挿通孔626)が形成されており、
前記第1ケース構成体には、前記第2ケース側規制部において前記挿通部から突出している部分に対して当接することにより、同カバー側規制部の前記非当接位置への変位を阻止する阻止部(ストッパ部573)が形成されていることを特徴とする特徴B3に記載の遊技機。
特徴B4によれば、当接部によって非当接位置側へのカバー側規制部の変位を抑えることで、解除規制手段の取り外し規制機能を好適に担保することができる。
特徴B5.前記結合手段は、予め定められた解除方向に変位することにより結合状態から結合解除状態へ切り替るように構成された結合部(表側固定ベース部461及び裏側固定ベース部561)を備え、
前記結合部は、
前記第1ケース構成体に設けられた第1結合部(裏側固定ベース部561)と、
前記第2ケース構成体に設けられ、前記第1結合部に対して結合する第2結合部(表側固定ベース部461)と
を有してなり、
前記解除規制手段は、前記基板ケースの外側から前記結合手段を覆うカバー手段であり、
前記組み合わせ方向における前記第1ケース構成体に対しての前記第2ケース構成体の変位が許容される範囲を制限する制限手段(例えばフック部533や受け部433)を備え、
前記制限手段によって制限された範囲においては、前記第1ケース構成体に対して前記規制手段が取り付けられた場合に、前記第1結合部の少なくとも一部が前記規制手段によって囲まれた領域内に位置するように構成されていることを特徴とする特徴B1乃至特徴B4のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴B5によれば、規制手段を第2ケース構成体に取り付けた状態にて第1結合部の少なくとも一部が規制手段内に入ることとなる。これにより、第1ケース構成体の一部と第2ケース構成体の一部とが規制手段内に存在することとなり、規制両ケース構成体の並設方向における規制手段の位置を定めやすくすることができる。故に、両ケース構成体を組み合わせ完了位置へ向けて相対変位させる場合に、規制手段を掴んだ状態で所定の位置に保持するといった必要が無くなり、規制状態への移行を円滑なものとすることができる。
特徴B6.第1構成体(例えば裏側構成体500)及び第2構成体(例えば表側構成体400)が相互に組み合わされてなる組合せ体(基板ボックス312)と、
前記第1構成体及び前記第2構成体を相互に結合する結合手段(表側固定部450及び裏側固定部550)と、
前記組合せ体及び前記結合手段とは別体で設けられ、同結合手段による結合の解除を規制する解除規制手段(カバー部材600)と、
前記組合せ体からの前記解除規制手段の取り外しを規制する取外規制手段(例えば表側構成体400の表側アーム部451等)と
を備え、
前記取外規制手段は、前記解除規制手段が予め定められた取り付け位置に配置された状況にて前記両構成体の相対位置の変位に基づいてそれら構成体の組み合わせが完了することにより同解除規制手段の取り外しを規制する状態となることを特徴とする遊技機。
特徴B6によれば、解除規制手段の取り付けに基づいて規制状態となるのではなく、構成体同士の組み合わせ(相対位置の変位)により規制状態となるため、以下の効果が期待できる。
例えば解除規制手段の配置に伴って規制状態に移行される構成を採用しようとすれば、取外規制手段として規制状態と解除状態とに弾性変形可能なフック等が採用されやすいと想定される。しかしながら、このようなフック等を利用して規制状態へ移行させようとすれば、解除規制手段を装着する際の作業性の向上と解除規制手段の取り外し規制にかかる強度の向上とを両立させることが難しくなる。また、このような強度不足をネジ等の他の固定手段を採用することで補おうとすれば、解除規制手段の固定にかかる構成が複雑になったり同解除規制手段の固定作業が煩雑になったりすると想定される。
この点、本特徴によれば、このような弾性変形に頼ることなく規制状態への移行が可能となるため、作業性の向上と規制手段の強度の向上とを好適に両立させることができる。特に、取り外し規制の強度向上を図ることで、解除規制手段を無理やり引っ張る等して規制状態を不正に解除するといった行為を難しくすることができ、防犯機能の向上に貢献することができる。
特徴C1.遊技に関する制御を行う制御基板(主制御基板311)と、
内部空間が形成されており、その内部空間に前記制御基板を収容する基板ケース(基板ボックス312)と
を備え、
前記基板ケースは、
相互に組み合わされることにより前記基板ケースの内部空間の少なくとも一部を形成する第1ケース構成体(例えば裏側構成体500)及び第2ケース構成体(例えば表側構成体400)と、
前記第1ケース構成体及び前記第2ケース構成体を相互に結合する結合手段(表側固定ベース部461及び裏側固定ベース部561)と、
前記基板ケースにおいて当該基板ケースの外郭を形成する本体部(本体部351)及び前記結合手段を連結する連結部(アーム部451,551)と
を有し、
前記連結部が破壊されて当該連結部による連結が解除されることで前記結合手段による結合が解除されるように構成されており、
前記基板ケースとは別体で設けられ、前記連結部を覆うカバー手段(カバー部材600)を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴C1によれば、連結部を破壊することで固定部と基板ケースの本体部とが分断されて結合手段による結合が解除される。このようにして結合を解除することで、基板ケースを開放し制御基板へアクセス可能となる。このように、結合手段が連結部を介して基板ケース(詳しくは本体部)に連結されている構成においては、連結部をカバー手段によって覆う構成とすることで、以下の効果が期待できる。すなわち、連結部の露出を抑えることで、当該連結部に対する不要なアクセスを抑制し、結合機能の担保及び防犯機能の向上を図ることができる。
特徴C2.前記カバー手段には、前記基板ケースに対する装着方向先側に開放され、前記結合手段が挿入される開口部(挿入口601)が形成されており、
前記本体部には、前記開口部の縁部(開口縁部611)と嵌合することにより、前記カバー手段の着脱方向に対して交差する方向への変位を規制する嵌合部(嵌合凹部353)が形成されていることを特徴とする特徴C1に記載の遊技機。
特徴C1によれば、仮に作業者等が間違ってカバー手段に触れた場合であっても、カバー手段が連結部に干渉することを抑制することができる。また、上記接触等に起因した応力は、嵌合部を通じて基板ケースに分散されることで、連結部に対して応力が集中することを抑えることができる。これにより、連結部の保護機能を一層好適に発揮させることができる。
また、開口部(縁部)と嵌合部とによって、基板ケースとカバー手段との隙間を介して連結部へのアクセスすることを難しくし、防犯機能の向上に貢献することができる。
特徴C3.前記基板ケースからの前記カバー手段の取り外しを規制する規制手段(例えば表側構成体400の表側アーム部451)と、
前記カバー手段に設けられ、当該カバー手段によって覆われた領域が開放された場合にその開放の痕跡を残存させるカバー側痕跡手段(連結部630)と
を備え、
前記カバー側痕跡手段により前記開放の痕跡が残存する状態となった場合に、前記連結部が露出するように構成されていることを特徴とする特徴C1又は特徴C2に記載の遊技機。
特徴C3によれば、ケース構成体を分離して制御基板等にアクセスする場合には、その過程でカバー手段に痕跡が残存することとなる。これにより、カバー手段を不正に再利用し、制御基板等へのアクセスが行われた事実を隠蔽するといった行為を抑制することができる。
特徴C4.前記カバー手段は、当該カバー手段によって区画形成された領域内に前記結合手段を収容するようにして形成されていることを特徴とする特徴C1乃至特徴C3のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴C4によれば、結合手段と連結部とをまとめて覆うことで、それら各構成を別々のカバー部材等によって覆う構成と比較して、構成の複雑化を抑えつつ、防犯機能の向上に貢献することができる。
特徴C5.前記基板ケースからの前記カバー手段の取り外しを規制する規制手段(例えば表側構成体400の表側アーム部451)を備え、
前記結合手段及び前記連結部は、前記結合手段が前記連結部に対して前記カバー手段の装着方向における手前側となるように配設されており、
前記規制手段は、前記結合手段に配されていることを特徴とする特徴C4に記載の遊技機。
特徴C5によれば、連結部を破壊したことによる痕跡を大きくすることで、目視による確認作業を行った場合の見落としを好適に抑制できる。この点、連結部を基板ケースの本体側に配置することで、連結部の破壊によって結合手段を基板ケースから分離させることができ、その痕跡を目立たせることができる。
このような構成を採用した場合には、カバー手段が装着されている状況にて同カバー手段が装着方向とは反対側に引っ張られる等した場合に、連結部に生じる負荷が大きくなると想定される。そこで、例えば連結部をカバー手段の装着方向に延びる複数の柱状部によって構成するとよい。これにより、そのような応力による変形や破損を抑制することが可能となる。一方、制御基板の検査等の正規の目的で基板ケースを開放する場合には、連結部に対してカバー手段の装着方向と交差する方向への負荷を与えることで容易に破壊することができる。
特徴C6.前記連結部は、ケース側連結部であり、
前記基板ケースからの前記カバー手段の取り外しを規制する規制手段(例えば表側構成体400の表側アーム部451)を備え、
前記カバー手段は、
前記ケース側連結部を覆う第1カバー部(第1カバー部610)と、
前記結合手段を覆う第2カバー部(第2カバー部620)と、
それら第1カバー部及び第2カバー部を連結するとともに、前記第2カバー部よりも破壊が容易となるように形成されたカバー側連結部(連結部630)と
を有し、
前記規制手段は、
前記結合手段に設けられたケース側係合部(表側アーム部451)と、
前記第2カバー部に設けられ、前記ケース側係合部に係合するカバー側係合部(カバー側係合部622)と
を有し、
前記カバー手段は、前記カバー側連結部が破壊され前記第1カバー部及び前記第2カバー部が分離された場合には、前記第2カバー部を前記基板ケースに残存させたまま、前記第2カバー部を同基板ケースから取り外し可能となるように構成されていることを特徴とする特徴C1乃至特徴C5のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴C6によれば、第1カバー部と第2カバー部とを連結しているカバー側連結部を破壊することで、第2カバー部を基板ケースに残存させながら、第1カバー部を基板ケースから取り外すことができる。これにより、第1カバー部及び第2カバー部を破壊することなくケース側連結部へアクセス可能となり、特徴A1に示した構成を採用し防犯機能を向上しつつ、それに起因した基板ケース開封時の作業性の低下を抑制することができる。
その後、ケース側連結部を破壊することで、結合手段及び規制手段を第2カバー部ごと基板ボックスから分離することができる。これにより、カバー手段の取り外し規制機能を強化したり結合手段による結合機能を強化したりしても、それに起因して上記解除作業が困難になることは無い。更には、規制解除と結合解除とが、ケース側連結部の破壊によってまとめて実現されるため、作業性の低下を一層好適に抑制できる。
なお、ケース側連結部を破壊することにより、基板ケースに破壊痕跡を残存することとなり、基板ケースが開放された事実の事後的な確認が可能となる。このように、カバー手段及び基板ケースの両者に破壊痕跡を残存させることにより、基板ケースの開封事実の隠蔽を一層困難なものとすることができる。
因みに、特徴C3との組み合せにおいては、特徴C3に示した「カバー側痕跡手段」を本特徴に示す「カバー側連結部」によって置き換えることも可能である。
また、特徴A群や特徴B群との組み合せにおいては、特徴C5及び特徴C6に示す「規制手段」を「分離規制手段」又は「取外規制手段」と同一のものとすることも可能である。
特徴C7.前記第1カバー部は、前記ケース側連結部を囲む筒状をなしており、その内部を前記第2カバー部が通過可能となるように形成されていることを特徴とする特徴C6に記載の遊技機。
特徴C7によれば、第1カバー部をケース側連結部を囲む筒状とし、その内部を第2カバー部が通過可能とすることで、カバー側連結部を破壊した後に第2カバー部を残したまま第1カバー部を取り除くことができ、カバー手段において破壊が必要となる箇所を最小限に抑えることが可能となる。故に、第2カバー部による遮蔽機能を担保しつつ、作業性の低下を抑えることができ、実用上好ましい構成を実現できる。
例えば、第1カバー部及び第2カバー部の並設方向から見て、第1カバー部の内形が第2カバー部の外形よりも大きくなるように形成するとよい。
特徴C8.第1構成体(例えば裏側構成体500)及び第2構成体(例えば表側構成体400)が相互に組み合わされてなる組合せ体(基板ボックス312)と、
前記第1構成体及び前記第2構成体を相互に結合する結合手段(表側固定部450及び裏側固定部550)と、
前記組合せ体の外郭を形成する本体部(本体部351)及び前記結合手段を連結する連結部(アーム部451,551)と
を有し、
前記連結部が破壊されて当該連結部による連結が解除されることで前記結合手段による結合が解除されるように構成されており、
前記組合せ体とは別体で設けられ、前記連結部を覆うカバー手段(カバー部材600)を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴C8によれば、連結部を破壊することで固定部位と組合せ体の本体部とが分断されて結合手段による結合が解除される。このようにして結合を解除することで、組合せ体が第1構成体及び第2構成体に分離可能となる。結合手段が連結部を介して組合せ体(詳しくは本体部)に連結されている構成においては、連結部をカバー手段によって覆う構成とすることで、以下の効果が期待できる。すなわち、連結部の露出を抑えることで、当該連結部に対する不要なアクセスを抑制し、結合機能の担保及び防犯機能の向上を図ることができる。
特徴D1.遊技に関する制御を行う制御基板(主制御基板311)と、
内部空間が形成されており、その内部空間に前記制御基板を収容する基板ケース(基板ボックス312)と、
前記基板ケースの開封を阻害するように設けられ、当該阻害状態が解除された場合に前記開封の痕跡を残存させる痕跡部(封印シール700)と、
前記基板ケースに対して着脱可能に取り付けられ、前記痕跡部を覆う痕跡カバー(シールカバー750)と、
前記痕跡カバーとは別に設けられ、予め定められた所定方向への変位により前記痕跡部に当接して当該痕跡部を破壊することにより、前記阻害状態を解除するとともに同痕跡部により前記痕跡を残存させる破壊部(例えば蓋体800)と
を備え、
前記痕跡カバーが前記基板ケースに装着された状態にて前記破壊部が装着されることにより、前記痕跡カバー及び前記破壊部の取り外しが規制されることを特徴とする遊技機。
特徴D1に示すように基板ケースが開封された場合にその開封痕跡を残存させる構成においては、同開封痕跡を目視等で確認することで、事後的な開封事実の把握が可能となる。これにより、例えば基板ケースに対する不正行為が行われた場合に、その事実の把握が可能となる。ここで、仮に破壊部及び痕跡カバーを一体化した状態で装着したり、破壊部を装着した後に痕跡カバーを装着したりする構成を想定すれば、それら両構成の装着過程にて破壊部が痕跡部に干渉する可能性が高くなる。このような事象を回避しようとすれば、それら破壊部及び痕跡カバーの装着に過度の慎重さが要求され、作業性が低下すると懸念される。
この点、本特徴に示すように、痕跡カバーを装着した後に破壊部を装着し、同破壊部の装着によってそれら痕跡カバー及び破壊部の取り外しが規制される構成とすれば、例えば、痕跡カバーに破壊部に相当する構成が一体化されたものを装着する場合や、痕跡カバーを装着する前に破壊部を装着する構成と比較して、作業ミス等に起因して開封痕跡が残存してしまうといった不都合を生じにくくすることができる。これにより、作業が難しくなることを抑制し、防犯機能の向上に起因した作業性の低下を好適に抑制することができる。
特徴D2.前記破壊部が装着されることにより、同破壊部と前記痕跡カバーとの分離を規制する規制手段(例えばカバー側係止部761や蓋側係止部811)がそれら破壊部及び痕跡カバーによって覆われている領域内に収容された状態となることを特徴とする特徴D1に記載の遊技機。
特徴D1に示すように痕跡カバーを装着した後に破壊部を装着する構成においては、破壊部に相当する構成を痕跡カバーに内蔵する構成等と比較して破壊部の露出を抑えることが困難になる。仮に、破壊部が露出することで同破壊部の取り外しが容易となれば、当該破壊部を取り外した後に痕跡カバーを取り外すことにより痕跡を残存させることなく基板ケースを開封するといった行為が行われやすくなると想定される。
そこで、本特徴に示すように、破壊部と痕跡カバーとの分離を規制する規制手段がそれら破壊部及び痕跡カバーによって覆われている領域内に収容される構成を採用すれば、破壊部を後付けとすることによる上記不都合の発生を好適に抑制し、特徴D1に示した防犯機能を好適に発揮させることができる。
特徴D3.前記痕跡部は、前記破壊部の装着軌道及びその延長上から外れた位置に配されていることを特徴とする特徴D1又は特徴D2に記載の遊技機。
特徴D3によれば、破壊部の装着作業時に痕跡部が誤って破壊されることを好適に回避することができる。特に、装着軌道の延長上から外れた位置に配置すれば、破壊部を装着する際の作業ばらつきによって破壊部と痕跡部とが干渉することを好適に回避することができる。
例えば、破壊部を痕跡部に対して痕跡カバーの装着方向における先側となる位置に配設するとよい。
特徴D4.前記痕跡部は、前記基板ケースに形成された溝部(例えば溝部365,366)の開放部分を覆うようにして配されており、
前記溝部は、前記痕跡カバーの装着方向と同じ方向に延びており、当該溝部の一部が前記痕跡部の配設領域よりも前記装着方向先側に突出しており、
前記破壊部は、当該破壊部の一部が前記溝部における前記突出している部分に嵌まっているとともに、当該嵌まっている部分の同溝部に沿った変位が許容されるようにして形成されており、
前記破壊部は、前記痕跡カバーの取り外し方向への変位に追従するようにして前記溝部に沿って変位することを特徴とする特徴D3に記載の遊技機。
特徴D4によれば、痕跡カバーを取り外すことにより、破壊部の一部が溝部に沿って変位する。これにより、破壊部が痕跡部と交差し、痕跡部が溝部に沿って分断されることとなる。かかる構成を採用すれば、痕跡カバーの装着後に、破壊部を装着する構成を採用したとしても、それにより、破壊機能が上手く発揮されなくなるといった不都合の発生を好適に回避することができる。
特徴D5.前記基板ケースは、相互に組み合わされることにより前記基板ケースの内部空間の少なくとも一部を形成する第1ケース構成体(例えば裏側構成体500)及び第2ケース構成体(例えば表側構成体400)を有し、
前記痕跡部は、前記第1ケース構成体及び前記第2ケース構成体に跨るようにしてそれらケース構成体にそれぞれ固定されることで両ケース構成体を結合するものであり、
前記溝部は、前記第1ケース構成体と前記第2ケース構成体との境界部位となっていることを特徴とする特徴D4に記載の遊技機。
特徴D5によれば、痕跡カバーを取り外すことで、痕跡部を第1ケース構成体側及び第2ケース構成体側の境界部位(溝部)を境に分断することができる。これにより、痕跡部による両ケース構成体の結合が解除され、その後の基板ケースの開封作業を円滑に進めることができる。
特徴D6.前記痕跡部は、シール部材であり、
前記破壊部は、前記痕跡カバーに対して当該痕跡カバーの装着方向における先側となる位置に配設されているとともに、前記痕跡部の正面側から装着される構成となっており、
前記破壊部には、前記痕跡部に対向することにより、前記痕跡部の前記配設領域からの浮き上がりを規制する浮き上がり規制部(台座485における本体部487の底面)が設けられていることを特徴とする特徴D5又は特徴D6に記載の遊技機。
痕跡部としてシール部材が採用されている場合には、溝部に沿って破壊部の一部が変位した際に、痕跡部が浮き上がるといった不都合が生じ得る。これは、痕跡部の破壊を困難にする要因となり得るため好ましくない。ここで、例えば痕跡カバーによってシール部材の浮き上がりを抑えようとした場合には、痕跡カバーを装着する際に規制部がシール部材の正面を通過することとなるため、シール部材の傷つきを回避するには、規制部とシール部材とのクリアランスを比較的大きくする必要が生じる。これは、規制部の浮き上がり規制機能を低下させる要因となり得るため好ましくない。
この点、本特徴に示すように、シール部材の正面側から装着される(シール部材に沿うようにして装着されない)破壊部に対して規制部を配設することにより、上述した不都合の発生を回避できる。つまり、破壊部を装着する際のシール部材の傷つきを考慮する必要がないため、シール部材に対して規制部を好適に近づけることができる。これにより、シール部材の保護を図りつつ、それに起因した浮き上がり規制機能の低下を好適に抑制することができる。
特徴D7.前記基板ケースには、前記痕跡部の設置面(貼付ベース361)が形成されており、
前記痕跡カバーは、前記設置面に沿うようにして着脱されるものであり、
前記破壊部は、前記設置面が向いている側から装着されるものであり、
前記痕跡部は、シール部材であり、前記設置面に形成された溝部(例えば溝部365,366)の開放部分を覆うようにして配されており、
前記溝部は、前記痕跡カバーの装着方向と同じ方向に延びており、当該溝部の一部が前記痕跡部の配設領域よりも前記装着方向における先側に突出しており、
前記破壊部には、前記溝部における前記突出している部分に配され、前記痕跡カバーの装着方向に向けて前記溝部の底側へ傾斜する傾斜部が前記溝部の開放部分を内外に跨ぐようにして形成されていることを特徴とする特徴D1乃至特徴D6のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴D3等に示したように、痕跡カバーの取り外しを行う場合に痕跡部が破壊される構成を採用する場合には、痕跡カバーの取り外しが痕跡部用の設置面に沿うようにして行われる構成とすることで、痕跡が残存する領域の広域化に貢献できる。ここで、破壊部を痕跡カバーとは敢えて異なる方向から(設置面の向いている側から)装着することで、設置面に対して形成された溝部に破壊部に形成された傾斜部を挿入する構成を実現できる。
傾斜部は、痕跡カバーの装着方向に向けて溝部の底側へ傾斜するとともに溝部の開放部分を内外に跨ぐようにして形成されている。このため、痕跡カバーの取り外しに伴って痕跡部と傾斜部とが当接すると、痕跡部は、傾斜部によって設置面側へ押圧されることとなる。これにより、設置面からの痕跡部の浮き上がりを抑制し、破壊機能を好適に発揮させることができる。
特徴D8.前記痕跡カバーには、前記基板ケースに対する係止状態と係止解除状態と切替可能なカバー側係止部(カバー側係止部761)が設けられており、
前記破壊部には、当該破壊部が装着されている状況にて、前記カバー側係止部の前記係止解除状態への切り替りを規制する規制部(例えば蓋側係止部811)が形成されていることを特徴とする特徴D1乃至特徴D7のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴D8によれば、破壊部を装着することによりカバー側係止部の係止解除状態への切り替わりが規制されることとなる。これにより、痕跡カバーの不正な取り外しを好適に抑制することができる。
特徴D9.遊技に関する制御を行う制御基板(主制御基板311)と、
内部空間が形成されており、その内部空間に前記制御基板を収容する基板ケース(基板ボックス312)と、
前記基板ケースの開封を阻害するようにして設けられ、当該阻害状態が解除された場合に前記開封の痕跡を残存させる痕跡部(封印シール700)と、
前記基板ケースに取り付けられ、前記痕跡部を覆う痕跡カバー(シールカバー750)と
を備え、
前記基板ケースは、前記内部空間を区画形成している本体部(本体部351)と、前記痕跡カバーが取り付けられる取付部(台座485)とを有し、
前記取付部からの前記痕跡カバーの取り外しを規制する規制手段(例えば蓋体800)を備え、
前記本体部から前記取付部を分離することにより、同取付部及び前記痕跡カバーを一体として取り外し可能となるように構成されており、
前記取付部には、前記痕跡カバーが取り外される場合に前記痕跡部に当接して当該痕跡部を破壊することにより、前記阻害状態を解除するとともに同痕跡部により前記痕跡を残存させる破壊部(例えば蓋体800)を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴D9に示すように基板ケースが開封された場合にその開封痕跡を残存させる構成においては、同開封痕跡を目視等で確認することで、事後的な開封事実の把握が可能となる。これにより、例えば基板ケースに対する不正行為が行われた場合に、その事実の把握が可能となる。しかしながら、このような痕跡部を有する構成においては、基板ケースが開封されていないにも関わらずあたかも開封されたかのように痕跡が残存してしまうと、それを発見した場合に制御基板の検査等を不要であると判断することが難しくなり、無駄な確認作業が生じ得る。特に、このような事象が繰り返された場合には、痕跡部の信頼性を低下させ、ひいては防犯機能を効果的に発揮させることが困難になり得る。
この点、本特徴においては、基板ケースにおける痕跡カバー用の取付部に破壊部を配設しておくことで、例えば、痕跡カバーに破壊部に相当する構成が一体化されたものを装着する場合や、痕跡カバーを装着する前に破壊部を装着する構成と比較して、作業ミス等に起因して開封痕跡が残存してしまうといった不都合を生じにくくすることができる。これにより、痕跡部を用いた防犯機能の信頼性を好適に向上させることができ、防犯性の向上に貢献することができる。
特徴D10.前記痕跡部は、前記配設領域に形成された溝部(例えば溝部365,366)の開放部分を覆うようにして配されており、
前記溝部は、前記痕跡カバーの装着方向と同じ方向に延びており、当該溝部の一部が前記配設領域よりも前記装着方向先側に突出しており、
前記破壊部は、前記溝部における前記突出している部分に嵌まっているとともに、同溝部に沿った変位が許容されるようにして形成されていることを特徴とする特徴D9に記載の遊技機。
特徴D10によれば、痕跡カバーを取り外すことにより、破壊部の一部が溝部に沿って変位する。これにより、破壊部が痕跡部と交差し、痕跡部が溝部に沿って分断されることとなる。かかる構成を採用すれば、上記取付部に破壊部を配する構成を採用したとしても、それにより、破壊機能が上手く発揮されなくなるといった不都合の発生を好適に回避することができる。
また、溝部内に破壊部が嵌まっており同破壊部の露出がおさえられているため、痕跡部が別体で設けられている構成においては、痕跡部を配設する場合に同痕跡部が破壊部に引っ掛かる等して破損することを抑制することができる。
特徴D11.第1構成体(例えば裏側構成体500)及び第2構成体(例えば表側構成体400)が相互に組み合わされてなる組合せ体(基板ボックス312)と、
前記組合せ体の分離を阻害するように設けられ、当該阻害状態が解除された場合に前記分離の痕跡を残存させる痕跡部(封印シール700)と、
前記組合せ体に対して着脱可能に取り付けられ、前記痕跡部を覆う痕跡カバー(シールカバー750)と、
前記痕跡カバーとは別に設けられ、予め定められた所定方向への変位により前記痕跡部に当接して当該痕跡部を破壊することにより、前記阻害状態を解除するとともに同痕跡部により前記痕跡を残存させる破壊部(例えば蓋体800)と
を備え、
前記痕跡カバーが前記組合せ体に装着された状態にて前記破壊部が装着されることにより、前記痕跡カバー及び前記破壊部の取り外しが規制されることを特徴とする遊技機。
特徴D11に示すように組合せ体が分離された場合にその分離痕跡を残存させる構成においては、同分離痕跡を目視等で確認することで、事後的な分離事実の把握が可能となる。ここで、仮に破壊部及び痕跡カバーを一体化した状態で装着したり、破壊部を装着した後に痕跡カバーを装着したりする構成を想定すれば、それら両構成の装着過程にて破壊部が痕跡部に干渉する可能性が高くなる。このような事象を回避しようとすれば、それら破壊部及び痕跡カバーの装着に過度の慎重さが要求され、作業性が低下すると懸念される。
この点、本特徴に示すように、痕跡カバーを装着した後に破壊部を装着し、同破壊部の装着によってそれら痕跡カバー及び破壊部の取り外しが規制される構成とすれば、例えば、痕跡カバーに破壊部に相当する構成が一体化されたものを装着する場合や、痕跡カバーを装着する前に破壊部を装着する構成と比較して、作業ミス等に起因して開封痕跡が残存してしまうといった不都合を生じにくくすることができる。これにより、作業が難しくなることを抑制し、防犯機能の向上に起因した作業性の低下を好適に抑制することができる。
以下に、以上の各特徴を適用し得る遊技機の基本構成を示す。
パチンコ遊技機:遊技者が操作する操作手段と、その操作手段の操作に基づいて遊技球を発射する遊技球発射手段と、その発射された遊技球を所定の遊技領域に導く球通路と、遊技領域内に配置された各遊技部品とを備え、それら各遊技部品のうち所定の通過部を遊技球が通過した場合に遊技者に特典を付与する遊技機。
スロットマシン等の回胴式遊技機:複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄列を最終停止表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段の操作に起因して図柄の変動が開始され、停止用操作手段の操作に起因して又は所定時間経過することにより図柄の変動が停止され、その停止時の最終停止図柄が特定図柄であることを必要条件として遊技者に有利な特別遊技状態(ボーナスゲーム等)を発生させるようにした遊技機。
球使用ベルト式遊技機:複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄列を最終停止表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段の操作に起因して図柄の変動が開始され、停止用操作手段の操作に起因して又は所定時間経過することにより図柄の変動が停止され、その停止時の最終停止図柄が特定図柄であることを必要条件として遊技者に有利な特別遊技状態(ボーナスゲーム等)を発生させるようにし、さらに、球受皿を設けてその球受皿から遊技球を取り込む投入処理を行う投入装置と、前記球受皿に遊技球の払出を行う払出装置とを備え、投入装置により遊技球が投入されることにより前記始動用操作手段の操作が有効となるように構成した遊技機。
10…遊技機としてのパチンコ機、300…主制御装置ユニット、301…主制御装置、302…台座ユニット、311…制御基板としての主制御基板、312…基板ケースとしての基板ボックス、313…規定手段、314…固定手段、351…本体部、353…嵌合部としての嵌合凹部、361…設置面としての貼付ベース、362…貼付領域、365,366…溝部、400…第2ケース構成体としての表側構成体、433…制限手段を構成する受け部、450…結合手段を構成する表側固定部、451…第2規制部,ケース側連結部,取外規制手段を構成する表側アーム部、461…第2結合部としての表側固定ベース部、465…表側突起、471…覆い部、472…作用部、481…表側貼付ベース部、485…台座、487…本体部、490…切断部、500…第1ケース構成体としての裏側構成体、533…制限手段を構成するフック部、550…結合手段を構成する裏側固定部、551…ケース側連結部を構成する裏側アーム部、561…第1結合部としての裏側固定ベース部、563…貫通孔、565…裏側突起、571…挿入部、572…第1ケース側規制部としての端面、573…第1規制部,阻止部としてのストッパ部、581…裏側貼付ベース部、585…溝部、600…解除規制手段,カバー手段としてのカバー部材、610…本体を構成する第1カバー部、611…開口縁部、620…本体を構成する第2カバー部、621…開口部、622…分離規制手段,カバー側規制手段を構成するカバー側係合部、623…板状部、624…連結部を構成する繋ぎ部、624a…折曲部、625…挿入部を構成する突出部、626…挿通孔、630…カバー側痕跡手段及びカバー側連結部を構成する連結部、700…痕跡部としての封印シール、750…痕跡カバーとしてのシールカバー、751…開口部、753…第1対向壁部、761…カバー側係止部、800…破壊部を構成する蓋体、811…蓋側係止部、820…切断部。

Claims (1)

  1. 遊技に関する制御を行う制御基板と、
    内部空間が形成されており、その内部空間に前記制御基板を収容する基板ケースと
    を備え、
    前記基板ケースは、相互に組み合わされることにより前記基板ケースの内部空間の少なくとも一部を形成する第1ケース構成体及び第2ケース構成体を有し、
    前記第1ケース構成体及び前記第2ケース構成体を相互に結合する結合手段と、
    前記基板ケース及び前記結合手段とは別体で設けられ、同結合手段による結合の解除を規制する解除規制手段と
    を備え、
    前記第1ケース構成体と前記第2ケース構成体との分離を規制する分離規制手段を用いて、前記基板ケースからの前記解除規制手段の取り外しが規制されており、
    前記結合手段は、予め定められた解除方向に変位することにより結合状態から結合解除状態へ切り替るように構成された結合部を有し、
    前記分離規制手段は、前記結合部によって両ケース構成体が結合されている状態にて、前記結合部の前記解除方向への変位を規制する規制部を有し、
    前記解除規制手段の取り外しが前記規制部によって規制されていることを特徴とする遊技機。
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