JP5530724B2 - 荷電粒子ビーム描画装置およびその近接効果補正方法 - Google Patents
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Description
第1の実施形態の荷電粒子ビーム描画装置10では、図1に示すように、例えば、荷電粒子銃10a1aと、荷電粒子銃10a1aから照射された荷電粒子ビーム10a1bを偏向する偏向器10a1c,10a1d,10a1e,10a1fと、偏向器10a1c,10a1d,10a1e,10a1fによって偏向された荷電粒子ビーム10a1bによる描画が行われる試料Mを載置する可動ステージ10a2aとが、描画部10aに設けられている。詳細には、第1の実施形態の荷電粒子ビーム描画装置10では、図1に示すように、例えば、描画部10aの一部を構成する描画室10a2に、試料Mが載置された可動ステージ10a2aが配置されている。この可動ステージ10a2aは、例えば、X方向(図1の左右方向)およびY方向(図1の手前側−奥側方向)に移動可能に構成されている。更に、第1の実施形態の荷電粒子ビーム描画装置10では、図1に示すように、描画部10aの一部を構成する光学鏡筒10a1に、荷電粒子銃10a1aと、偏向器10a1c,10a1d,10a1e,10a1fと、レンズ10a1g,10a1h,10a1i,10a1j,10a1kと、第1成形アパーチャ10a1lと、第2成形アパーチャ10a1mとが配置されている。
また、第1の実施形態の荷電粒子ビーム描画装置10では、図1および図2に示すように、例えば、入力部10b1aによって読み込まれた描画データDが、近接効果補正部10b1bにも転送される。次いで、例えば、近接効果補正部10b1bでは、転送された描画データDに基づいて、後で詳細に説明する処理が実行され、近接効果補正照射量D(x)(例えば、近接効果補正照射量D(x)=d1(x)+d2(x)+d3(x))が算出される。つまり、第1の実施形態の荷電粒子ビーム描画装置10では、例えば、試料Mの描画領域DA(図5参照)のレジストにパターンPA1,PA2,PA3,…(図5参照)を描画するために、試料Mの描画領域DAのパターンPA1,PA2,PA3,…を描画すべき位置に向かって光学鏡筒10a1から照射される荷電粒子ビーム10a1bの照射量(照射時間)が、近接効果補正照射量D(x)に基づいて設定される。
次いで、第1の実施形態の荷電粒子ビーム描画装置10では、図1および図2に示すように、ショットデータ生成部10b1gによって生成されたショットデータが、偏向制御部10b1hに送られる。次いで、ショットデータに基づいて偏向制御部10b1hによって偏向器10a1c,10a1d,10a1e,10a1fが制御され、その結果、荷電粒子銃10a1aからの荷電粒子ビーム10a1bが試料Mの描画領域DA(図5参照)内の所望の位置に照射される。
また、第1の実施形態の荷電粒子ビーム描画装置10では、図1および図2に示すように、例えば、ショットデータ生成部10b1gにより生成されたショットデータに基づき、偏向制御部10b1hによって偏向制御回路10b3を介してビーム寸法可変偏向器10a1dを制御することにより、第1成形アパーチャ10a1lの開口10a1l’(図3参照)を透過せしめられた荷電粒子ビーム10a1bが、ビーム寸法可変偏向器10a1dによって偏向される。次いで、ビーム寸法可変偏向器10a1dによって偏向された荷電粒子ビーム10a1bの一部が、第2成形アパーチャ10a1mの開口10a1m’(図3参照)を透過せしめられる。つまり、第1の実施形態の荷電粒子ビーム描画装置10では、例えば、ビーム寸法可変偏向器10a1dによって荷電粒子ビーム10a1bが偏向される量、向きなどを調整することにより、試料Mに照射される荷電粒子ビーム10a1bの大きさ、形状などを調整することができる。
更に、第1の実施形態の荷電粒子ビーム描画装置10では、図1および図2に示すように、例えば、ショットデータ生成部10b1gにより生成されたショットデータに基づき、偏向制御部10b1hによって偏向制御回路10b4を介して偏向器10a1eを制御することにより、第2成形アパーチャ10a1mの開口10a1m’(図3参照)を透過せしめられた荷電粒子ビーム10a1bが、偏向器10a1eによって偏向される。また、第1の実施形態の荷電粒子ビーム描画装置10では、図1および図2に示すように、例えば、ショットデータ生成部10b1gにより生成されたショットデータに基づき、偏向制御部10b1hによって偏向制御回路10b5を介して偏向器10a1fを制御することにより、偏向器10a1eによって偏向された荷電粒子ビーム10a1bが、偏向器10a1fによって更に偏向される。つまり、第1の実施形態の荷電粒子ビーム描画装置10では、例えば、偏向器10a1eおよび偏向器10a1fによって荷電粒子ビーム10a1bが偏向される量、向きなどを調整することにより、試料Mの描画領域DA(図5参照)に照射される荷電粒子ビーム10a1bの照射位置を調整することができる。
更に、第1の実施形態の荷電粒子ビーム描画装置10では、図1および図2に示すように、例えば、ショットデータ生成部10b1gにより生成されたショットデータに基づき、ステージ制御部10b1iによってステージ制御回路10b6を介して可動ステージ10a2aの移動が制御される。
図4は図1および図2に示す描画データDの一部の一例を概略的に示した図である。図4に示す例では、第1の実施形態の荷電粒子ビーム描画装置10に適用される描画データDが、例えば、チップ階層CP、チップ階層CPよりも下位のフレーム階層FR、フレーム階層FRよりも下位のブロック階層BL、ブロック階層BLよりも下位のセル階層CL、および、セル階層CLよりも下位の図形階層FGに階層化されている。詳細には、例えば、チップ階層CPの要素の一部であるチップCP1が、フレーム階層FRの要素の一部である3個のフレームFR1,FR2,FR3に対応している。また、例えば、フレーム階層FRの要素の一部であるフレームFR1が、ブロック階層BLの要素の一部である18個のブロックBL00,…,BL52に対応している。更に、例えば、ブロック階層BLの要素の一部であるブロックBL00が、セル階層CLの要素の一部である複数のセルCLA,CLB,CLC,CLD,…に対応している。また、例えば、セル階層CLの要素の一部であるセルCLAが、図形階層FGの要素の一部である多数の図形FG1,FG2,FG3,…に対応している。第1の実施形態の荷電粒子ビーム描画装置10では、図1、図2および図4に示すように、描画データDに含まれている図形階層FG(図4参照)の多数の図形FG1,FG2,FG3,…(図4参照)に対応するパターンPA1,PA2,PA3,…(図5参照)が、荷電粒子ビーム10a1b(図1参照)によって試料M(図1および図5参照)の描画領域DA(図5参照)に描画される。
詳細には、図5に示す例では、例えば、荷電粒子ビーム10a1bによってストライプSTR1内にパターンPA1,PA2,PA3,…が描画される時、可動ステージ10a2a(図1参照)が図5の右側から図5の左側に移動するように、ステージ制御部10b1i(図2参照)によってステージ制御回路10b6(図1参照)を介して可動ステージ10a2aが制御される。次いで、例えば、荷電粒子ビーム10a1bによってストライプSTR2内にパターン(図示せず)が描画される前に、可動ステージ10a2aが図5の左上側から図5の右下側に移動するように可動ステージ10a2aが制御される。次いで、例えば、荷電粒子ビーム10a1bによってストライプSTR2内にパターン(図示せず)が描画される時、可動ステージ10a2aが図5の右側から図5の左側に移動するように可動ステージ10a2aが制御される。
第1の実施形態の荷電粒子ビーム描画装置10では、例えば、試料M(図6(A)参照)のストライプSTR1(図6(A)参照)内のレジストの所望の位置に所望の形状のパターンPA1(図6(A)参照)を描画するために、光学鏡筒10a1(図1参照)からパターンPA1の位置に照射される荷電粒子ビーム10a1b(図6(A)参照)の前方散乱によりパターンPA1の位置のレジストに蓄積される荷電粒子ビームの蓄積エネルギー(下記の数式1の左辺の左側部分(D(x)/2))と、光学鏡筒10a1からパターンPA1の周りの位置に照射される荷電粒子ビーム10a1bの後方散乱によりパターンPA1の位置のレジストに蓄積される荷電粒子ビームの蓄積エネルギー(数式1の左辺の右側部分)との和が一定の閾値Dth(数式1の右辺)になるように、光学鏡筒10a1からパターンPA1の位置に照射される荷電粒子ビーム10a1bの近接効果補正照射量D(x)が算出され、光学鏡筒10a1からパターンPA1の位置に照射される荷電粒子ビーム10a1bの照射量(照射時間)が設定される。具体的には、図6(B)に示す例では、例えば、光学鏡筒10a1からパターンPA2の位置のレジストに照射される荷電粒子ビーム10a1bの一部が、後方散乱してパターンPA1の位置のレジストに蓄積される。
また、第1の実施形態の荷電粒子ビーム描画装置10では、例えば、試料M(図6(A)参照)のストライプSTR1(図6(A)参照)内のレジストの所望の位置に所望の形状のパターンPA2(図6(A)参照)を描画するために、光学鏡筒10a1(図1参照)からパターンPA2の位置に照射される荷電粒子ビーム10a1b(図6(A)参照)の前方散乱によりパターンPA2の位置のレジストに蓄積される荷電粒子ビームの蓄積エネルギー(数式1の左辺の左側部分(D(x)/2))と、光学鏡筒10a1からパターンPA2の周りの位置に照射される荷電粒子ビーム10a1bの後方散乱によりパターンPA2の位置のレジストに蓄積される荷電粒子ビームの蓄積エネルギー(数式1の左辺の右側部分)との和が一定の閾値Dth(数式1の右辺)になるように、光学鏡筒10a1からパターンPA2の位置に照射される荷電粒子ビーム10a1bの近接効果補正照射量D(x)が算出され、光学鏡筒10a1からパターンPA2の位置に照射される荷電粒子ビーム10a1bの照射量(照射時間)が設定される。具体的には、図6(B)に示す例では、例えば、光学鏡筒10a1からパターンPA1の位置のレジストに照射される荷電粒子ビーム10a1bの一部が、後方散乱してパターンPA2の位置のレジストに蓄積される。
つまり、図6に示す例では、例えば試料MのストライプSTR1の一部分に相当する近接効果補正照射量計算用ブロック枠B2a(図6(C)参照)内に照射される荷電粒子ビーム10a1bの近接効果補正照射量D(x)を高精度に算出しようとすると、近接効果補正照射量計算用ブロック枠B2a内のパターンPA1,PA2,PA3の情報だけでは不十分であり、少なくとも荷電粒子ビーム10a1bの後方散乱の半径(図6(B)に破線で示す円の半径)の分だけ近接効果補正照射量計算用ブロック枠B2aより大きい領域B1a’(図6(D)参照)内のパターンPA1,PA2,PA3,PAnの情報が必要になる。
更に、第1の実施形態の荷電粒子ビーム描画装置10では、下記の数式4に基づいて第2項(n=2)から第n項(nは2以上の整数)までの近接効果補正照射量d2(x),…,dn(x)が算出される。詳細には、例えば、nが3に設定されている場合には、数式4に基づいて例えば第3項(n=3)までの近接効果補正照射量d2(x),d3(x)が算出される。更に、数式5に基づいて第1項から第n項までの近接効果補正照射量d1(x),…,dn(x)が加算される。その結果、図7(B)に示すパターン面積密度計算用ブロック枠B1abの各メッシュME内の近接効果補正照射量D(x)が算出される。
つまり、第1の実施形態の荷電粒子ビーム描画装置10では、例えば、近接効果補正照射量計算用ブロック枠B2a(図7(C)参照)の複数のメッシュME(図7(C)参照)内の近接効果補正照射量D(x)を高精度に算出するために、近接効果補正照射量計算用ブロック枠B2a(図7(C)参照)の複数のメッシュME(図7(C)参照)内の近接効果補正照射量D(x)が算出されるのみならず、近接効果補正照射量計算用ブロック枠B2a(図7(C)参照)の周りのフリンジ領域F2a(図7(D)中のハッチング部)の複数のメッシュME内の近接効果補正照射量D(x)を算出する必要がある。
詳細には、第1の実施形態の荷電粒子ビーム描画装置10では、例えば、近接効果補正照射量計算用ブロック枠B2a(図7(C)参照)の複数のメッシュME(図7(C)参照)内の近接効果補正照射量D(x)が算出される際に、パターンPAn(図7(D)参照)を含むフリンジ領域F2a(図7(D)参照)の複数のメッシュME内の近接効果補正照射量D(x)が算出される。一方、フリンジ領域F2a(図7(D)参照)内のパターンPAn(図7(D)参照)の位置に対応する4個のメッシュME内の近接効果補正照射量D(x)は、パターン面積密度計算用ブロック枠B1ab(図7(D)参照)の上側縁部の上側(図7(D)の上側)から後方散乱する荷電粒子の影響が考慮されておらず、十分に高精度な近接効果補正照射量D(x)ではないため、パターンPAn(図7(D)参照)を描画すべき位置に向かって光学鏡筒10a1(図1参照)から照射される荷電粒子ビーム10a1b(図6(A)参照)の照射量(照射時間)の算出に用いられることなく破棄される。
更に、図8および図9に示す例では、フリンジ領域F2d(図9(A)参照)が、近接効果補正照射量計算用ブロック枠B2dの上側縁部の上側(図9(A)の上側)、近接効果補正照射量計算用ブロック枠B2dの下側縁部の下側(図9(A)の下側)および近接効果補正照射量計算用ブロック枠B2dの右側縁部の右側(図9(A)の右側)に設けられている。また、フリンジ領域F2e(図9(B)参照)が、近接効果補正照射量計算用ブロック枠B2eの上側縁部の上側(図9(B)の上側)、近接効果補正照射量計算用ブロック枠B2eの下側縁部の下側(図9(B)の下側)、近接効果補正照射量計算用ブロック枠B2eの右側縁部の右側(図9(B)の右側)および近接効果補正照射量計算用ブロック枠B2eの左側縁部の左側(図9(B)の右側)に設けられている。更に、フリンジ領域F2f(図9(C)参照)が、近接効果補正照射量計算用ブロック枠B2fの上側縁部の上側(図9(C)の上側)、近接効果補正照射量計算用ブロック枠B2fの下側縁部の下側(図9(C)の下側)および近接効果補正照射量計算用ブロック枠B2fの左側縁部の左側(図9(C)の左側)に設けられている。
一方、例えば、荷電粒子ビーム10a1b(図1参照)の偏向に伴う歪を低減するために、偏向器10a1e(図1参照)による荷電粒子ビーム10a1bの偏向量が低減される傾向があり、それに伴って、ストライプSTR1,STR2,STR3,…(図5参照)の上下方向(図5の上下方向)寸法が小さくなる傾向がある。また、例えば、試料M(図1参照)のレジストに照射される荷電粒子ビーム10a1bの前方散乱を低減するために、荷電粒子銃10a1a(図1参照)から照射される荷電粒子ビーム10a1bの加速電圧が増加する傾向があり、それに伴って、荷電粒子の後方散乱の半径(例えば、図6(B)中の領域A1,A2,A3,Anの半径)が大きくなる傾向がある。従って、試料M(図5参照)の描画領域DA(図5参照)の面積に対するフリンジ領域F2a,F2b,F2c,F2d,F2e,F2f,…の合計面積の割合は増加する傾向がある。
つまり、フリンジ領域F2a,F2b,F2c,F2d,F2e,F2f,…(図7(D)、図8および図9参照)の複数のメッシュME(図7(D)参照)内の近接効果補正照射量D(x)の計算負荷は増加する傾向がある。この点に鑑み、第1の実施形態の荷電粒子ビーム描画装置10では、フリンジ領域F2a,F2b,F2c,F2d,F2e,F2f,…(図7(D)、図8および図9参照)の複数のメッシュME(図7(D)参照)内の近接効果補正照射量D(x)の計算負荷を低減するために、後述する対策が施されている。
上述したように、図10および図11に示す例では、例えば、パターン面積密度計算用結合ブロック枠B1ab(図10(B)参照)のサイズ(つまり、パターン面積密度計算用ブロック枠B1a,B1bの合計サイズ)が、近接効果補正照射量計算用ブロック枠B2a(図8(B)および図11(A)参照)とその周りのフリンジ領域F2a(図8(B)参照)との合計サイズと等しいサイズに設定されるか、あるいは、近接効果補正照射量計算用ブロック枠B2aとその周りのフリンジ領域F2aとの合計サイズよりも大きいサイズに設定されている。従って、図10および図11に示す例では、パターン面積密度計算部10b1b2a,10b1b2b(図2参照)によるパターン面積密度計算用ブロック枠B1a,B1b(図10(A)参照)のパターン面積密度計算が終了すると、パターン面積密度計算用ブロック枠B1a,B1bのパターン面積密度計算結果に基づいて、近接効果補正照射量計算用ブロック枠B2a(図8(B)および図11(A)参照)の近接効果補正照射量計算を開始可能な状態になる。
詳細には、図10および図11に示す例では、パターン面積密度計算用結合ブロック枠B1bf(図10(C)参照)のサイズが、近接効果補正照射量計算用ブロック枠B2b(図11(B)参照)とその周りのフリンジ領域F2b(図12(B)参照)との合計サイズと等しいサイズに設定されるか、あるいは、近接効果補正照射量計算用ブロック枠B2bとその周りのフリンジ領域F2bとの合計サイズよりも大きいサイズに設定されている。従って、パターン面積密度計算部10b1b2c,10b1b2d(図2参照)によるパターン面積密度計算用ブロック枠B1c,B1d(図10(A)参照)のパターン面積密度計算が終了すると、パターン面積密度計算用ブロック枠B1b,B1c,B1d,B1e,B1f(図10(A)参照)のパターン面積密度計算結果に基づいて、近接効果補正照射量計算用ブロック枠B2b(図11(B)参照)の近接効果補正照射量計算を開始可能な状態になる。
次いで、パターン面積密度計算用ブロック枠B1b,B1c,B1d,B1e,B1f(図10(A)参照)のパターン面積密度計算結果に基づき、並列に、近接効果補正照射量計算部10b1b5a,10b1b5b,10b1b5c,10b1b5d(図2参照)によって近接効果補正照射量計算用分割ブロック枠B2b1,B2b2,B2b3,B2b4(図11(C)参照)に対する第1項の近接効果補正照射量の計算(数式2および数式3の演算)が実行される。次いで、パターン面積密度計算用結合ブロック枠作成部10b1b3(図2参照)によって、隣接しているパターン面積密度計算用ブロック枠B1a,B1b,B1c,B1d,B1e,B1f(図10(A)参照)が結合され、パターン面積密度計算用結合ブロック枠B1af(図10(D)参照)が作成される。
詳細には、図10および図11に示す例では、パターン面積密度計算用結合ブロック枠B1af(図10(D)参照)のサイズが、近接効果補正照射量計算用ブロック枠B2a,B2b(図11(A)および図11(B)参照)とそれらの周りのフリンジ領域F2a,F2b(図12(A)および図12(B)参照)との合計サイズと等しいサイズに設定されるか、あるいは、近接効果補正照射量計算用ブロック枠B2a,B2bとそれらの周りのフリンジ領域F2a,F2bとの合計サイズよりも大きいサイズに設定されている。従って、図10および図11に示す例では、次いで、例えば、パターン面積密度計算用ブロック枠B1a,B1b,B1c,B1d,B1e,B1f(図10(A)参照)のパターン面積密度計算結果に基づき、近接効果補正照射量計算部10b1b5a,10b1b5b,10b1b5c,10b1b5d(図2参照)によって、近接効果補正照射量計算用結合ブロック枠B2ab(図11(D)参照)に対する第2項から第n項(nは2以上の整数)までの近接効果補正照射量の計算(数式4および数式5の演算)が並列に実行される。
そのため、第1項の近接効果補正照射量の計算が近接効果補正照射量計算用ブロック枠B2a,B2b(図12(A)および図12(B)参照)に対して実行され、第2項から第n項までの近接効果補正照射量の計算が近接効果補正照射量計算用結合ブロック枠B2ab(図12(C)参照)に対して実行される第1の実施形態の荷電粒子ビーム描画装置10によれば、第1項から第n項までの近接効果補正照射量の計算が近接効果補正照射量計算用ブロック枠B2a,B2b(図12(A)および図12(B)参照)に対して実行される場合よりも、フリンジ領域F2a,F2b,F2ab(図12参照)内の近接効果補正照射量の計算負荷を低減することができる。詳細には、第1の実施形態の荷電粒子ビーム描画装置10によれば、第1項から第n項までの近接効果補正照射量の計算が近接効果補正照射量計算用ブロック枠B2a,B2b(図12(A)および図12(B)参照)に対して実行される場合よりも、第2項から第n項までの近接効果補正照射量の計算が実行される時のフリンジ領域F2ab(図12参照)内の近接効果補正照射量の計算負荷を低減することができる。
また上述したように、フリンジ領域F2a,F2b,F2ab,…(図12参照)の合計面積(合計サイズ)は、荷電粒子銃10a1a(図1参照)から照射される荷電粒子ビーム10a1b(図1参照)の加速電圧が増加するに従って大きくなる。そのため、第1の実施形態の荷電粒子ビーム描画装置10によって低減されるフリンジ領域F2a,F2b,F2ab(図12参照)内の近接効果補正照射量の計算負荷は、荷電粒子銃10a1a(図1参照)から照射される荷電粒子ビーム10a1b(図1参照)の加速電圧が増加するに従って大きくなる。
換言すれば、第1の実施形態の荷電粒子ビーム描画装置10では、第1項の近接効果補正照射量の計算が実行された近接効果補正照射量計算用ブロック枠B2a,B2b(図12(A)および図12(B)参照)が結合されて近接効果補正照射量計算用結合ブロック枠B2ab(図12(C)参照)が作成され、結合後の大きいサイズを有する近接効果補正照射量計算用結合ブロック枠B2abに対して第2項から第n項までの近接効果補正照射量の計算が実行される。そのため、第1の実施形態の荷電粒子ビーム描画装置10によれば、第1項の近接効果補正照射量の計算が実行される近接効果補正照射量計算用ブロック枠B2a,B2bのサイズと第2項から第n項までの近接効果補正照射量の計算が実行される近接効果補正照射量計算用ブロック枠B2a,B2bのサイズとが等しい(変更されない)場合よりも、フリンジ領域F2a,F2b,F2ab(図12参照)内の近接効果補正照射量の計算負荷を低減することができる。
すなわち、第1の実施形態の荷電粒子ビーム描画装置10によれば、近接効果補正照射量計算の進行が描画の進行に対して遅れてしまうおそれを低減しつつ、フリンジ領域F2a,F2b,F2ab(図12参照)内の近接効果補正照射量の計算負荷を低減することができる。
第1の実施形態の荷電粒子ビーム描画装置10では、例えば、近接効果補正照射量計算用ブロック枠B2a(図11(A)参照)の近接効果補正照射量計算および近接効果補正照射量計算用ブロック枠B2c(図11(A)参照)の近接効果補正照射量計算が共に開始可能になった場合に、例えば分散処理管理部10b1c(図2参照)によって、描画順序(図5中の矢印)の上流側に位置する近接効果補正照射量計算用ブロック枠B2a(図11(A)参照)の近接効果補正照射量計算の開始が決定される。そのため、第1の実施形態の荷電粒子ビーム描画装置10によれば、描画順序(図5中の矢印)の上流側に位置する近接効果補正照射量計算用ブロック枠B2a(図11(A)参照)の近接効果補正照射量計算が開始されることなく、描画順序(図5中の矢印)の下流側に位置する近接効果補正照射量計算用ブロック枠B2c(図11(A)参照)の近接効果補正照射量計算が開始されるのに伴って、近接効果補正照射量計算の進行が描画の進行に対して遅れてしまうおそれを低減することができる。
また、第1の実施形態の荷電粒子ビーム描画装置10では、仮に、パターン面積密度計算部10b1b2e,10b1b2f(図2参照)によるパターン面積密度計算用ブロック枠B1e,B1f(図10(A)参照)のパターン面積密度計算が、パターン面積密度計算部10b1b2a,10b1b2b,10b1b2c,10b1b2d(図2参照)によるパターン面積密度計算用ブロック枠B1a,B1b,B1c,B1d(図10(A)参照)のパターン面積密度計算よりも先に終了する場合に、近接効果補正照射量計算用ブロック枠B2a,B2b(図11(A)参照)に対する第1項の近接効果補正照射量の計算が開始される前に、近接効果補正照射量計算用ブロック枠B2c(図11(A)参照)に対する第1項から第n項までの近接効果補正照射量の計算が開始される。次いで、例えば、パターン面積密度計算部10b1b2a,10b1b2b(図2参照)によるパターン面積密度計算用ブロック枠B1a,B1b(図10(A)参照)のパターン面積密度計算が終了すると、近接効果補正照射量計算用ブロック枠B2c(図11(A)参照)に対する近接効果補正照射量の計算が中断され、近接効果補正照射量計算用ブロック枠B2a(図11(A)参照)に対する第1項の近接効果補正照射量の計算が開始される。つまり、第1の実施形態の荷電粒子ビーム描画装置10では、描画順序(図5中の矢印)の下流側に位置する近接効果補正照射量計算用ブロック枠B2cに対する近接効果補正照射量の計算よりも、描画順序(図5中の矢印)の上流側に位置する近接効果補正照射量計算用ブロック枠B2aに対する近接効果補正照射量の計算が優先して実行される。
上述した第1の実施形態の荷電粒子ビーム描画装置10では、近接効果補正照射量計算部10b1b5a,10b1b5b,10b1b5c,10b1b5d(図2参照)によって近接効果補正照射量計算用分割ブロック枠B2a1,B2a2,B2a3,B2a4(図11(B)参照)に対する第1項の近接効果補正照射量の計算(数式2および数式3の演算)が実行され、近接効果補正照射量計算部10b1b5a,10b1b5b,10b1b5c,10b1b5d(図2参照)によって、近接効果補正照射量計算用結合ブロック枠B2ab(図11(D)参照)に対する第2項から第n項(nは2以上の整数)までの近接効果補正照射量の計算(数式4および数式5の演算)が並列に実行されるが、第1の実施形態の荷電粒子ビーム描画装置10の変形例では、代わりに、近接効果補正照射量計算部10b1b5a,10b1b5b,10b1b5c,10b1b5d(図2参照)によって近接効果補正照射量計算用分割ブロック枠B2a1,B2a2,B2a3,B2a4(図11(B)参照)に対する第1項から第m項(mは1<m<nの関係を満たす整数)までの近接効果補正照射量の計算(数式2、数式3および数式4の演算)を実行し、近接効果補正照射量計算部10b1b5a,10b1b5b,10b1b5c,10b1b5d(図2参照)によって、近接効果補正照射量計算用結合ブロック枠B2ab(図11(D)参照)に対する第m+1項から第n項(nは3以上の整数)までの近接効果補正照射量の計算(数式4および数式5の演算)を並列に実行することも可能である。
また、第1の実施形態の荷電粒子ビーム描画装置10では、図10および図11に示す例のように、2個のパターン面積密度計算用ブロック枠B1a,B1b(図10(A)参照)のパターン面積密度計算結果に基づいて近接効果補正照射量計算用ブロック枠B2a(図11(A)参照)を作成し、近接効果補正照射量計算用ブロック枠B2a(図11(A)参照)に対する第1項の近接効果補正照射量の計算(数式2および数式3の演算)を実行することができるが、仮に、2個のうちの1個のパターン面積密度計算用ブロック枠B1a(図10(A)参照)のパターン面積密度計算の終了に対して他のパターン面積密度計算用ブロック枠B1b(図10(A)参照)のパターン面積密度計算の終了が遅れる場合には、1個のみのパターン面積密度計算用ブロック枠B1ab(図7参照)のパターン面積密度計算結果に基づいて第1項の近接効果補正照射量の計算(数式2および数式3の演算)を開始することも可能である。このようにすることにより、パターン面積密度計算用ブロック枠B1b(図10(A)参照)のパターン面積密度計算が終了するのを待つ時間のロスを低減することができる。
また、第n項まで近接効果補正照射量の計算を実行するに際して、近接効果補正照射量計算用ブロック枠を、複数回結合することも可能である。例えば上記の例で、パターン面積密度計算用ブロック枠B1aに対する第1項の近接効果補正照射量の計算を実行している最中に、パターン面積密度計算用ブロック枠B1bのパターン面積密度計算が終了すれば、パターン面積密度計算用ブロック枠B1aに対する第1項の近接効果補正照射量の計算終了後に、パターン面積密度計算用ブロック枠B1bにフリンジ領域を付加したブロックに対して第1項の近接効果補正照射量の計算を実行し、第1項の近接効果補正照射量の計算が終了した隣接しているパターン面積密度計算用ブロック枠B1a,B1b(図10(A)参照)を結合し、結合したパターン面積密度計算用結合ブロック枠B1ab(図10(B)参照)に対して、第2項の近接効果補正照射量の計算を実行することができる。さらに、ブロック枠B1ab(図10(B)参照)に対する、第2項の近接効果補正照射量の計算を実行している最中に、パターン面積密度計算用ブロック枠B1cのパターン面積密度計算が終了すれば、ブロック枠B1abに対する第2項の近接効果補正照射量の計算終了後に、パターン面積密度計算用ブロック枠B1cにフリンジ領域を付加したブロックに対して第1項、第2項の近接効果補正照射量の計算を実行し、第2項の近接効果補正照射量の計算が終了した隣接しているパターン面積密度計算用ブロック枠B1ab,B1c(図10(A)参照)を結合し、結合したパターン面積密度計算用結合ブロック枠に対して、第3項以降の近接効果補正照射量の計算を実行することができる。なお、この際、近接効果補正照射量計算の進行が描画の進行に対して遅れてしまうおそれがなければ、ストライプをまたがって近接効果補正照射量計算用ブロック枠を結合することも可能である。
第3の実施形態の荷電粒子ビーム描画装置10では、例えば、パターン面積密度計算用ブロック枠B1b,B1c,B1d,B1e(図10(A)参照)のパターン面積密度計算結果に基づいて、近接効果補正照射量計算用ブロック枠B2b(図11(B)参照)の近接効果補正照射量計算が開始可能な状態になった時に、近接効果補正照射量計算用分割ブロック枠作成部10b1b6(図2参照)によって、近接効果補正照射量計算用結合ブロック枠B2ab’(図13(D)参照)のサイズが上限値以下になるように、近接効果補正照射量計算用ブロック枠B2b(図11(B)参照)よりもサイズが小さい近接効果補正照射量計算用ブロック枠B2b’(図13(B)参照)が複数に分割され、複数の近接効果補正照射量計算用分割ブロック枠B2b1’,B2b2’,B2b3’,B2b4’(図13(C)参照)が作成される。
また、第3の実施形態の荷電粒子ビーム描画装置10では、例えば、近接効果補正照射量計算用結合ブロック枠作成部10b1b7(図2参照)によって、第1項の近接効果補正照射量の計算(数式2および数式3の演算)が終了した隣接している複数の近接効果補正照射量計算用ブロック枠B2a,B2b’(図13(A)、図13(B)および図13(C)参照)が結合され、近接効果補正照射量計算用結合ブロック枠B2ab’(図13(D)参照)が作成される。
第1の実施形態の荷電粒子ビーム描画装置10では、フリンジ領域F2a,F2b,F2ab(図12参照)内の近接効果補正照射量の計算負荷を低減するために、第1項の近接効果補正照射量の計算が実行される近接効果補正照射量計算用ブロック枠B2a,B2b(図12(A)および図12(B)参照)のサイズと、第2項から第n項までの近接効果補正照射量の計算が実行される近接効果補正照射量計算用ブロック枠B2ab(図12(C)参照)のサイズとが異ならされている。それに対し、第4の実施形態の荷電粒子ビーム描画装置10では、第1項から第n項までの近接効果補正照射量の計算が実行された後の近接効果補正照射量計算用ブロック枠B2a(図14(A)参照)の一部分(既知部分)B2a0(図14(A)参照)の近接効果補正照射量D(x)が、近接効果補正照射量計算用ブロック枠B2b(図14(B)参照)に対する第1項から第n項までの近接効果補正照射量の計算が実行される時に、近接効果補正照射量計算用ブロック枠B2bの周りのフリンジ領域F2b(図14(B)参照)の一部分F2b0(図14(B)参照)の近接効果補正照射量D(x)として再利用される。
すなわち、第1の実施形態の荷電粒子ビーム描画装置10では、数式1に示す考え方に基づいて近接効果補正照射量D(x)が算出されるのに対し、第4の実施形態の荷電粒子ビーム描画装置10では、既に算出された既知部分B2a0(図14(A)参照)(既知領域S2(図14(C)参照))の近接効果補正照射量D(x)を再利用する下記の数式6に示す考え方に基づいて、未知領域S1(図14(C)参照)の近接効果補正照射量D(x)が算出される。
詳細には、近接効果補正照射量計算用分割ブロック枠B2a1,B2a2,B2a3,B2a4(図11(B)参照)に対する第1項から第n項までの近接効果補正照射量の計算(数式7、数式8、数式9、数式10および数式11の演算)が実行される時点では、まだ第1項から第n項までの近接効果補正照射量の計算が実行された近接効果補正照射量計算用ブロック枠が存在しないため、数式9中の既知領域S2は存在しない。
詳細には、近接効果補正照射量計算用分割ブロック枠B2b1,B2b2,B2b3,B2b4(図11(C)参照)に対する第1項から第n項までの近接効果補正照射量の計算(数式7、数式8、数式9、数式10および数式11の演算)が実行される時点で、近接効果補正照射量計算用ブロック枠B2a(図11(C)および図14(A)参照)に対する第1項から第n項までの近接効果補正照射量の計算が終了している。そのため、第4の実施形態の荷電粒子ビーム描画装置10では、第1項から第n項までの近接効果補正照射量の計算が実行された後の近接効果補正照射量計算用ブロック枠B2a(図14(A)参照)の一部分(既知部分)B2a0(図14(A)参照)の近接効果補正照射量D(x)が、近接効果補正照射量計算用分割ブロック枠B2b1,B2b2,B2b3,B2b4(図11(C)参照)に対する第1項から第n項までの近接効果補正照射量の計算が実行される時に、近接効果補正照射量計算用ブロック枠B2b(図14(B)参照)の周りのフリンジ領域F2b(図14(B)参照)の一部分F2b0(図14(B)参照)((既知領域S2)数式9参照)の近接効果補正照射量D(x)として再利用される。
このように、第4の実施形態の荷電粒子ビーム描画装置10では、第1項から第n項までの近接効果補正照射量の計算が実行された後の近接効果補正照射量計算用ブロック枠B2a(図14(A)参照)の一部分(既知部分)B2a0(図14(A)参照)の近接効果補正照射量D(x)が、近接効果補正照射量計算用ブロック枠B2b(図14(B)参照)に対する第1項から第n項までの近接効果補正照射量の計算が実行される時に、近接効果補正照射量計算用ブロック枠B2b(図14(B)参照)の周りのフリンジ領域F2b(図14(B)参照)の一部分F2b0(図14(B)参照)の近接効果補正照射量D(x)として再利用される。そのため、第4の実施形態の荷電粒子ビーム描画装置10によれば、近接効果補正照射量計算用ブロック枠B2b(図14(B)参照)に対する第1項から第n項までの近接効果補正照射量の計算が実行される時に既知部分B2a0(図14(A)参照)の近接効果補正照射量D(x)が再利用されない場合よりも、フリンジ領域F2b(図14(B)参照)内の近接効果補正照射量の計算負荷を低減することができる。
また、第4の実施形態の荷電粒子ビーム描画装置10では、例えば、再利用される近接効果補正照射量が分散処理管理部10b1c(図2参照)によって管理される。例えば、図16に示す例では、既知領域S2の近接効果補正照射量を算出した近接効果補正照射量計算部10b1b5a,10b1b5b,10b1b5c,10b1b5d(図2参照)が、分散処理管理部10b1cからの指示に基づいて、既知領域S2の近接効果補正照射量を分散処理管理部10b1cに転送する。詳細には、例えば、近接効果補正照射量計算用ブロック枠B2a(図8(A)参照)の近接効果補正照射量の計算時に、近接効果補正照射量計算用ブロック枠B2aのうちの既知領域S2(図16(B)参照)に相当する領域の近接効果補正照射量が分散処理管理部10b1cに転送され、近接効果補正照射量計算用ブロック枠B2b(図8(A)参照)の近接効果補正照射量の計算時に、近接効果補正照射量計算用ブロック枠B2bのうちの既知領域S2(図16(B)参照)に相当する領域の近接効果補正照射量が分散処理管理部10b1cに転送され、近接効果補正照射量計算用ブロック枠B2c(図8(A)参照)の近接効果補正照射量の計算時に、近接効果補正照射量計算用ブロック枠B2cのうちの既知領域S2(図16(B)参照)に相当する領域の近接効果補正照射量が分散処理管理部10b1cに転送され、近接効果補正照射量計算用ブロック枠B2d(図8(A)参照)の近接効果補正照射量の計算時に、近接効果補正照射量計算用ブロック枠B2dのうちの既知領域S2(図16(B)参照)に相当する領域の近接効果補正照射量が分散処理管理部10b1cに転送される。
上述したように、第4の実施形態の荷電粒子ビーム描画装置10では、近接効果補正照射量計算部10b1b5a,10b1b5b,10b1b5c,10b1b5d(図2参照)によって近接効果補正照射量計算用分割ブロック枠B2a1,B2a2,B2a3,B2a4(図11(B)参照)に対する第1項から第n項までの近接効果補正照射量の計算(数式7、数式8、数式9、数式10および数式11の演算)が実行され、近接効果補正照射量計算部10b1b5a,10b1b5b,10b1b5c,10b1b5d(図2参照)によって近接効果補正照射量計算用分割ブロック枠B2b1,B2b2,B2b3,B2b4(図11(C)参照)に対する第1項から第n項までの近接効果補正照射量の計算(数式7、数式8、数式9、数式10および数式11の演算)が実行されるが、第4の実施形態の荷電粒子ビーム描画装置10の変形例では、代わりに、特開2009−64862号公報に類似の方法で、ブロック領域のサイズが互いに略同一である複数の近接効果補正照射量計算用ブロック枠B2a,B2b,B2c,B2d,…(図8(A)参照)を作成し、それぞれの近接効果補正照射量計算用ブロック枠B2a,B2b,B2c,B2d,…に近接効果補正照射量計算部を割り当て(例えば、ブロック枠B2aに近接効果補正照射量計算部10b1b5aを、ブロック枠B2bに近接効果補正照射量計算部10b1b5bを、ブロック枠B2cに近接効果補正照射量計算部10b1b5cを、ブロック枠B2dに近接効果補正照射量計算部10b1b5dを割り当てる)、近接効果補正照射量計算用ブロック枠B2a,B2b,B2c,B2dに対する第1項から第n項までの近接効果補正照射量の計算(数式7、数式8、数式9、数式10および数式11の演算)を実行し、その後、ブロック枠B2e,B2f,…(例えば、ブロック枠B2eに近接効果補正照射量計算部10b1b5aを、ブロック枠B2fに近接効果補正照射量計算部10b1b5bを、…を割り当てる)に対する第1項から第n項までの近接効果補正照射量の計算(数式7、数式8、数式9、数式10および数式11の演算)を実行する際に、ブロック枠B2a,B2b,B2c,B2dで計算した近接効果補正照射量を既知領域S2の近接効果補正照射量として再利用することも可能である。
第5の実施形態では、上述した第1から第4の実施形態および各例を適宜組み合わせることも可能である。
10a 描画部
10a1b 荷電粒子ビーム
10b1b1 パターン面積密度計算用ブロック枠作成部
10b1b2a,10b1b2b パターン面積密度計算部
10b1b2c,10b1b2d パターン面積密度計算部
10b1b2e,10b1b2f パターン面積密度計算部
10b1b3 パターン面積密度計算用結合ブロック枠作成部
10b1b4 近接効果補正照射量計算用ブロック枠作成部
10b1b5a,10b1b5b 近接効果補正照射量計算部
10b1b5c,10b1b5d 近接効果補正照射量計算部
10b1b6 近接効果補正照射量計算用分割ブロック枠作成部
10b1b7 近接効果補正照射量計算用結合ブロック枠作成部
M 試料
DA 描画領域
Claims (5)
- レジストが上面に塗布された試料に荷電粒子ビームを照射することにより、描画データに含まれている複数の図形に対応する複数のパターンを試料の描画領域に描画する描画部と、
各パターン面積密度計算用ブロック枠に含まれる荷電粒子ビームのショット数が概略等しくなるように試料の描画領域を複数に分割することによって複数のパターン面積密度計算用ブロック枠を作成するパターン面積密度計算用ブロック枠作成部と、
複数のパターン面積密度計算用ブロック枠のパターン面積密度計算を並列に実行する複数のパターン面積密度計算部と、
試料の描画領域を複数に分割することによって複数の近接効果補正照射量計算用ブロック枠を作成する近接効果補正照射量計算用ブロック枠作成部と、
各近接効果補正照射量計算用ブロック枠それぞれについての第1項から第n項(nは2以上の整数)までの近接効果補正照射量の計算を並列に実行する複数の近接効果補正照射量計算部と、
パターン面積密度計算結果に基づいて近接効果補正照射量計算を実行することができる近接効果補正照射量計算用ブロック枠を複数に分割することにより、複数の近接効果補正照射量計算部によって、それぞれについての第1項から第m項(mは1≦m<nの関係を満たす整数)までの近接効果補正照射量の計算が並列に実行される複数の近接効果補正照射量計算用分割ブロック枠を作成する近接効果補正照射量計算用分割ブロック枠作成部と、
第1項から第m項までの近接効果補正照射量の計算が終了した隣接している複数の近接効果補正照射量計算用ブロック枠を結合することによって、第m+1項から第n項までの近接効果補正照射量の計算が実行される近接効果補正照射量計算用結合ブロック枠を作成する近接効果補正照射量計算用結合ブロック枠作成部とを具備することを特徴とする荷電粒子ビーム描画装置。 - 複数の近接効果補正照射量計算用ブロック枠の近接効果補正照射量計算が開始可能になった場合に描画順序の上流側に位置する近接効果補正照射量計算用ブロック枠の近接効果補正照射量計算の開始を決定する計算開始ブロック枠決定部を具備することを特徴とする請求項1に記載の荷電粒子ビーム描画装置。
- レジストが上面に塗布された試料に荷電粒子ビームを照射することにより、描画データに含まれている複数の図形に対応する複数のパターンを試料の描画領域に描画する描画部と、
試料の描画領域を複数に分割することによって複数のパターン面積密度計算用ブロック枠を作成するパターン面積密度計算用ブロック枠作成部と、
複数のパターン面積密度計算用ブロック枠のパターン面積密度計算を並列に実行する複数のパターン面積密度計算部と、
試料の描画領域を複数に分割することによって複数の近接効果補正照射量計算用ブロック枠を作成する近接効果補正照射量計算用ブロック枠作成部と、
各近接効果補正照射量計算用ブロック枠それぞれについての第1項から第n項(nは2以上の整数)までの近接効果補正照射量の計算を並列に実行する複数の近接効果補正照射量計算部と、
第1項から第n項までの近接効果補正照射量の計算が実行された後の第1の近接効果補正照射量計算用ブロック枠の一部分の近接効果補正照射量を、第1の近接効果補正照射量計算用ブロック枠に隣接する第2の近接効果補正照射量計算用ブロック枠に対する第1項から第n項までの近接効果補正照射量の計算の実行時に、第2の近接効果補正照射量計算用ブロック枠の周りのフリンジ領域の一部分の近接効果補正照射量として再利用する再利用手段とを具備することを特徴とする荷電粒子ビーム描画装置。 - レジストが上面に塗布された試料に荷電粒子ビームを照射することにより、描画データに含まれている複数の図形に対応する複数のパターンを試料の描画領域に描画する荷電粒子ビーム描画装置の近接効果補正方法において、
各パターン面積密度計算用ブロック枠に含まれる荷電粒子ビームのショット数が概略等しくなるように試料の描画領域を複数に分割することによって複数のパターン面積密度計算用ブロック枠を作成する工程と、
複数のパターン面積密度計算用ブロック枠のパターン面積密度計算を複数のパターン面積密度計算部によって並列に実行する工程と、
試料の描画領域を複数に分割することによって複数の近接効果補正照射量計算用ブロック枠を作成する工程と、
パターン面積密度計算結果に基づいて近接効果補正照射量計算を実行することができる第1の近接効果補正照射量計算用ブロック枠を分割することによって複数の近接効果補正照射量計算用分割ブロック枠を作成する工程と、
第1の近接効果補正照射量計算用ブロック枠を分割することにより作成された複数の近接効果補正照射量計算用分割ブロック枠の各近接効果補正照射量計算用ブロック枠それぞれについての第1項から第m項(mは1≦m<nの関係を満たす整数、nは2以上の整数)までの近接効果補正照射量の計算を複数の近接効果補正照射量計算部によって並列に実行する工程と、
パターン面積密度計算結果に基づいて近接効果補正照射量計算を実行することができる第2の近接効果補正照射量計算用ブロック枠を分割することによって複数の近接効果補正照射量計算用分割ブロック枠を作成する工程と、
第2の近接効果補正照射量計算用ブロック枠を分割することにより作成された複数の近接効果補正照射量計算用分割ブロック枠の各近接効果補正照射量計算用分割ブロック枠それぞれについての第1項から第m項までの近接効果補正照射量の計算を複数の近接効果補正照射量計算部によって並列に実行する工程と、
第1項から第m項までの近接効果補正照射量の計算が終了した隣接している第1の近接効果補正照射量計算用ブロック枠と第2の近接効果補正照射量計算用ブロック枠とを結合することによって近接効果補正照射量計算用結合ブロック枠を作成する工程と、
近接効果補正照射量計算用結合ブロック枠に対する第m+1項から第n項までの近接効果補正照射量の計算を実行する工程とを含むことを特徴とする荷電粒子ビーム描画装置の近接効果補正方法。 - レジストが上面に塗布された試料に荷電粒子ビームを照射することにより、描画データに含まれている複数の図形に対応する複数のパターンを試料の描画領域に描画する荷電粒子ビーム描画装置の近接効果補正方法において、
試料の描画領域を複数に分割することによって複数のパターン面積密度計算用ブロック枠を作成する工程と、
複数のパターン面積密度計算用ブロック枠のパターン面積密度計算を複数のパターン面積密度計算部によって並列に実行する工程と、
試料の描画領域を複数に分割することによって複数の近接効果補正照射量計算用ブロック枠を作成する工程と、
各近接効果補正照射量計算用ブロック枠それぞれについての第1項から第n項(nは2以上の整数)までの近接効果補正照射量の計算を複数の近接効果補正照射量計算部によって並列に実行する工程と、
第1項から第n項までの近接効果補正照射量の計算が実行された後の第1の近接効果補正照射量計算用ブロック枠の一部分の近接効果補正照射量を、第1の近接効果補正照射量計算用ブロック枠に隣接する第2の近接効果補正照射量計算用ブロック枠に対する第1項から第n項までの近接効果補正照射量の計算の実行時に、第2の近接効果補正照射量計算用ブロック枠の周りのフリンジ領域の一部分の近接効果補正照射量として再利用する工程とを含むことを特徴とする荷電粒子ビーム描画装置の近接効果補正方法。
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