JP5530095B2 - ディジタル処理装置、信号解析システムおよび信号解析方法 - Google Patents

ディジタル処理装置、信号解析システムおよび信号解析方法 Download PDF

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本発明は、ディジタル処理装置、信号解析システムおよび信号解析方法の技術に関する。
核磁気共鳴(Nuclear Magnetic Resonance、以下、NMRと記載)装置は、強い静磁場を作る磁石の中の検出空間に置かれた試料分子に一連の高周波の交流磁場パターンを照射し、試料分子内の核スピンに摂動を与え、この核スピンの応答を測定する装置である。照射する交流磁場パターンの周波数は、試料分子の共鳴周波数に合わせて高い周波数分解能で調整する必要があり、最新のNMR装置では高い周波数分解能を有するダイレクトディジタル周波数合成器(Direct Digital Synthesizer、以下、DDSと記載)を用いて、照射パルスを発振している。
応答の測定には、主に電磁気誘導を利用する方法が使われているが、他に磁力を利用する方法、光−磁気相互作用を利用する方法などが知られている。電磁気誘導を利用する測定方法では、核スピンが作る磁束が通過する位置に配置したプローブコイルを用いる。摂動に核スピンが応答すると、プローブコイルを通過する磁束が時間変動し、プローブコイルに誘導起電力が生ずる。NMR装置の一部である核磁気共鳴信号受信装置(以下、NMR受信装置と記載)では、プローブコイルに生じた誘導起電力を増幅し信号処理を施した後、目標とする信号であるNMR信号としてユーザコンピュータに出力する。
NMR受信装置は、一般的にアナログ受信装置とディジタル受信装置から構成される。アナログ受信装置は、数百MHzの周波数を持つ受信信号を受信し、この受信信号の周波数を数十MHzの信号に変換した後、ディジタル受信装置に出力する。これは、数百MHzの周波数を持つアナログ信号をディジタル変換することが困難なためである。アナログ受信装置における周波数変換には、局部信号と乗算したアナログ信号をフィルタに通過させるヘテロダイン方式が用いられる。ヘテロダイン方式のアナログ受信装置に関しては実施形態にて後記する。
NMR装置を用いれば、様々な交流磁場パターンに対する核スピンの応答を解析することにより、分子の構造および分子のダイナミックスや、分子間相互作用などを解析することができる。NMR装置を用いた分析手法は、試料分子を破壊する必要がない点と、試料分子を結晶化する必要がない点で、他の分析手法にない特長を持つ。
一方で、NMRは他の分析手法に比べ信号対雑音比(Signal-to-Noise Ratio、以下、SNRと記載)が低いことが知られており、NMRのSNRを向上させるため種々の努力が費やされてきた。NMR受信装置においても、受信回路で発生する雑音を低減するために、アナログ回路の代わりに、アナログ/ディジタル変換器(A/D変換器:Analog/Digital Converter、以下、ADCと記載)とディジタル論理回路を用いる技術が開発されて来た。このような技術は、例えば、特許文献1に開示されている。しかし、前記ヘテロダイン方式に用いられる局部信号によって発生する位相雑音に関しては、その低減技術が必ずしも十分進歩しているとは言えない。
特許文献1は、アナログ受信装置で周波数変換を行わず、数百MHzの高い周波数を持つ受信信号をそのままADCでディジタルデータに変換する技術を開示している。つまり、アナログ受信装置では、入力された信号の増幅のみを行っている。ADCに入力されるアナログ信号の周波数がADCの変換速度より高い場合、Nyquist定理によって折り返しが発生する。意図的に、この折り返しを起こし入力信号の高い周波数をADCで低い周波数に変換する方式をUndersamplingと呼ぶ。特許文献1の技術によれば、Undersamplingを利用することで、局部信号を用いないNMR受信装置を提供している。
特許文献2には、局部信号による雑音を低減するもう一つの技術が開示されている。特許文献2に記載の技術によれば、局部信号を発振するために使われるDDSの出力周波数をクロック周波数と特定の関係に制限することで、DDSから出力されるアナログ信号の量子化雑音を低減し局部信号のスペクトル純度を高めることができる。
米国特許第5594341明細書 特開2001−272446号公報
特許文献1および特許文献2に記載の技術は局部信号による雑音を低減したNMR受信装置を提供できるが、下記のような問題を残している。
Undersamplingを利用する特許文献1の技術では、ADCに入力される信号の周波数が高いため、ADCの動作クロックに新たな課題が発生する。ADCの動作クロックの周期は完全に一定ではなく、必ずある大きさの時間変動を持つ。この時間変動はジッタと呼ばれ、ADCの変換周期に誤差を引き起こす原因となる。ディジタル論理回路は、ADCで変換されて出力されるディジタルデータの時間間隔が一定であると前提して作られているため、ジッタはディジタル化された信号に雑音として入り込むという問題がある。
さらに、特許文献1に記載の技術では、以下のような問題もある。UndersamplingによりADCに入力されるアナログ信号の周波数が高くなると、ジッタの大きさは同じであっても、ディジタル変換された信号にはより大きい雑音が現れる。従って、特許文献1の技術は、局部信号による雑音を低減した反面、ADCのジッタによる雑音が増えるという問題がある。また、特許文献1の技術では、ヘテロダインによる周波数変換を行わないため、アナログ受信装置での増幅処理をすべて数百MHzの高い周波数で行う必要がある。通常検出目標であるNMR信号の電圧は、ADCの最大入力電圧の1/100以下であるため、アナログ受信装置に増幅器を挿入してNMR信号の電圧をADCの入力電圧に合わせる。数百MHzで動作する増幅器は、数十MHz用増幅器に比べ、高価であり、かつ増幅率の調整が困難である。Undersamplingを用いる特許文献1の技術は、高い周波数で動作する高価な増幅器を必要とする点で、局部信号を用いる方式に比べて不利である。
特許文献2に記載の技術によれば、DDSの量子化雑音は低減しているが、DDSの動作クロックのジッタによって発生する雑音は低減していない。ADCと同じく、ディジタル素子であるDDSは、動作クロックに同期してアナログ信号を出力する。動作クロックの時間変動、すなわちジッタにより、DDSから出力されるアナログ信号の周期にも変動が発生する。DDSを用いて発振される局部信号には、DDSから出力された信号の周期変動が、出力周波数の変動として現れる。この出力周波数の変動は、位相雑音と呼ばれ、NMR信号の雑音を増やす原因となる。このように、特許文献2に記載の技術は、DDSの位相雑音に関する問題がある。前記したように、位相雑音が生じると、NMR信号の雑音が増加し、NMRのSNRが低くなるという問題がある(位相雑音と、NMR信号の雑音の関係の詳細は実施形態中において説明する)。
局部信号の発振にDDSを用いないことが、特許文献1と特許文献2に記載の技術における問題を解決する、すなわちジッタに由来する位相雑音を軽減する1つの方法である。DDSを用いないで発振した局部信号であれば、DDSの位相雑音の課題はなくなる。また、局部信号を用いて信号の周波数をアナログ受信装置で変換するため、ADCのジッタによって雑音が増加する問題も解決される。しかしながら、局部信号の発振にDDSを用いないと、ディジタル受信装置において高精度の周波数変換を行う必要がある。前記したように、試料分子に照射される交流磁場は、試料分子の共鳴周波数に合わせるため、高い周波数精度を持つDDSを利用して調節・発振される。試料分子から検出されるNMR信号は、照射される交流磁場の周波数および位相の情報を含むため、受信装置は照射に使ったDDSと同じ周波数分解能を持つ信号が必要である。
局部信号の発振にDDSを使えば、局部信号が照射信号と同じ周波数分解能を持つため、受信装置で照射に使用したDDSと同じ周波数分解能を持つ信号を別途作る必要はない。しかし、局部信号の発振にDDSを使わなければ、ディジタル受信装置の中で、DDSと同じ周波数分解能のディジタルデータを生成し、そのディジタルデータとADCでディジタル化された受信信号との乗算処理を行う必要がある。一般的に、乗算は処理に長い時間がかかるため、ビット長の長いディジタルデータを高速で処理する場合は不利である。また、NMR信号は大きい信号(多くは溶媒から発信される信号)と小さい信号(試料から発信される信号)が混在しているため、ADCの変換ビット長は最低でも14ビットが必要とされる。さらに、ディジタルデータ処理を利用するため、ADCの変換速度は毎秒数千万データ点以上になっている。このようにNMR受信装置のディジタル受信装置は、ビット長の長いディジタルデータを高速で処理する必要があり、高い周波数分解能のディジタルデータとの乗算は、信号処理のネックとなる。つまり、局部信号の発振にDDSを使わない構成は、ディジタル受信装置に高速で長いビット長のディジタルデータ間の乗算が必要となるという問題がある。
このような背景に鑑みて本発明がなされたのであり、本発明は、SNRの向上を目的とする。
前記課題を解決するため、本発明は、NMRにおける試料から発信される信号をヘテロダイン方式で周波数変換したアナログ信号から、前記NMRにおける試料に特有の信号である目標信号をディジタルデータとして抽出するディジタル処理装置であって、A/D変換器から出力されたディジタルデータにおける正負の符号を1つおきに反転させる符号器と、前記符号器から出力されたディジタルデータから、周波数が低い成分を抽出し、前記抽出された周波数が低い成分のディジタルデータから所定のデータを間引く間引フィルタと、前記間引フィルタからの出力に、特定の周波数のディジタルデータを出力する数値制御発振器からの出力を乗算する乗算器と、を有することを特徴とする。
その他の解決手段については、実施形態中に記載する。
本発明によれば、SNRの向上が可能となる。
次に、本発明を実施するための最良の形態(「実施形態」という)について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以降NMR信号とは、試料から検出される信号であり、本実施形態において最終的に抽出する目標信号である。
《分光計》
次に、本実施形態の受信装置を含む分光計1(信号解析システム)の構成を、図1のブロック図を用いて説明する。
図1は、本実施形態に係る分光計の構成例を示すブロック図である。
分光計1は、制御装置200と、送信装置300と、アナログ受信装置400と、ディジタル受信装置100を有してなる。
制御装置200は、ユーザコンピュータ9と情報の授受を行ったり、照射DDS302、局部発振器301、数値制御発振器(Numerically Controlled Oscillator、以下、NCO107と記載)(図3)へ指示を送ったり、バッファ112(図3)からデータを受け取ったりする制御器201と、標準クロック202と、クロック合成器203とを有している。送信装置300は、局部発振器301と、照射DDS302と、照射ミキサ303と、照射フィルタ304と、照射増幅器305とを有している。アナログ受信装置400は、第1増幅器401と、受信ミキサ402と、受信フィルタ403と、第2増幅器404とを有している。各部201〜203,301〜305,401〜404の機能や、入出力関係は、図2を参照して後記する。また、ディジタル受信装置100の構成は、図3で後記する。
《分光計の処理手順》
次に、図1を参照しつつ、図2に沿って分光計1の制御装置200、送信装置300およびアナログ受信装置400の処理を説明する。
図2は、本実施形態に係る分光計の処理手順を示すフローチャートである。
(制御装置)
制御器201は、ユーザコンピュータ9の指令を受け、送信装置300の照射DDS302と、ディジタル受信装置100のNCO107に周波数設定を行う。標準クロック202は、10MHz〜100MHzの発振器であり、分光計1全体の時間標準となるため、温度安定性および時間安定性の高い発振器が用いられる。クロック合成器203が標準クロック202から取得したクロック情報を基に各部品の動作クロックを合成し、この動作クロックを各部品に供給する。特に、照射DDS302と、局部発振器301と、NCO107と、ADC101は信号送受信に関わるため、標準クロック202との同期が重要であり、これらの各部301,302,101,107は、クロック合成器203から動作クロックを受け取る。
(送信装置)
送信装置300は、試料に照射する照射信号を生成するとともに、アナログ受信装置400に供給する局部信号を生成する。
局部発振器301は、制御器201から指示を受けると、クロック合成器203から出力される動作クロックを基に、周波数FLの局部信号を生成し、照射ミキサ303へ出力する(S101)。
照射DDS302は、制御器201から指示を受けると、制御器201で設定された周波数FTのアナログ信号を生成し、照射ミキサ303へ出力する。このアナログ信号の生成は、前記したように試料分子の共鳴周波数に合わせるための調節処理に用いるという目的がある。その周波数分解能は通常数mHz前後、出力周波数FTは数十MHzである。なお、局部発振器301は量子化雑音を回避するためアナログ発振器が用いられることが多く、周波数分解能は0.1mHz前後と照射DDS302に比べて優れている。従って、局部発振器301の出力周波数FLは数十〜数百MHzである。照射DDS302と局部発振器301の出力は照射ミキサ303で乗算される。照射ミキサ303の出力は式(1)の如く2つの周波数FL+FT,FL−FTを含む。
COS(2πFL)×COS(2πFT)=COS[2π(FL+FT)]/2 + COS[2π(FL−FT)]/2・・・(1)
照射フィルタ304は、2つの周波数成分を含む照射ミキサ303の出力から、FL+FTとFL−FTの中で1つの周波数成分だけを通過させる。以下では照射フィルタ304がFL−FTの成分を通過させる構成を説明するが、FL+FTの成分を通過させる構成も可能である。FL−FTのみの周波数成分である照射フィルタ304の出力は照射増幅器305で増幅されて、図6で後記するプローブ4を経由し、試料分子に照射される(S102)。
(アナログ受信装置)
アナログ受信装置400は、試料から受信した受信信号を増幅し、局部信号と乗算することで受信信号の周波数を低い周波数に変換する機能を有する。
アナログ受信装置400は、試料から照射される受信信号を受信すると(S103)、以下の処理を行う。
受信信号の周波数は、照射信号の周波数FL−FTに、試料分子による変調周波数FMを加算した、FL−FT+FMである。周波数FMは試料分子内にける複数の核スピンの位置に対応して複数の周波数成分を持つ。周波数FMにおける複数の周波数成分が含まれる周波数帯域をNMR信号帯域幅FBと記載する。FBは試料分子により異なるが、数MHz以下の場合がほとんどである。第1増幅器401は、受信装置全体の雑音特性に支配的な影響を与えるため、通常、低雑音増幅器(Low Noise Amplifier)と呼ばれる増幅器が用いられる。受信ミキサ402は、前記した周波数FLの局部信号と、周波数FL−FT+FMの第1増幅器401の出力信号(増幅された受信信号)とを乗算することによって、受信ミキサ402は式(2)に示す2つの周波数成分を持つアナログ信号を、受信フィルタ403へ出力する(S104)。ここで、周波数FMは、実際には帯域幅FB内に複数の周波数を持つが、説明が煩雑になるのを避けるため、以下では別記がない限り1つの周波数として扱う。
COS[2πFL]×COS[2π(FL−FT+FM)]=COS[2π(2FL−FT+FM)]/2 + COS[2π(FM−FT)]/2・・・(2)
受信フィルタ403は、式(2)の右辺に示した2つの周波数成分から、低い周波数FM−FTの成分のアナログ信号を選択的に出力する(S105)。そして、第2増幅器404が、ステップS105で出力されたアナログ信号を増幅し、ディジタル受信装置100へ出力することによって、受信フィルタ403は、低い周波数FM−FTの成分のアナログ信号を選択的にディジタル受信装置100へ出力する(S105)。
そして、ディジタル受信装置100は、図4を参照して後記するディジタル受信処理を行う(S106)。以上のように局部信号を用いて周波数の変換を行う受信方式をヘテロダイン方式と呼ぶ。
図1に示す分光計1の構成を、図7に示す比較例の分光計1と比べると、図7における局部DDS306、局部ミキサ307および局部フィルタ308が備えられていないことが分かる。局部DDS306を備えないことにより、局部DDS306のジッタに由来する局部信号の位相雑音を大幅に軽減することができる。
《ディジタル受信装置》
図3は、本実施形態に係るディジタル受信装置の構成を示すブロック図である。
ディジタル受信装置100は、ADC101と、分岐回路102と、第1符号器103(符号器120)と、第2符号器104(符号器120)と、第1間引フィルタ105(間引フィルタ121)と、第2間引フィルタ106(間引フィルタ121)と、NCO107と、第1乗算器108(乗算器122)と、第2乗算器109(乗算器122)と、第1ディジタルフィルタ110(ディジタルフィルタ123)と、第2ディジタルフィルタ111(ディジタルフィルタ123)と、バッファ112とを有している。各部101〜112の機能や、入出力関係は、図4を参照して後記する。また、クロック合成器203や、制御器201との関係は、図1の説明で記載した通りである。
《ディジタル受信装置の処理手順》
次に、図3を参照しつつ、図4に沿ってディジタル受信装置100(ディジタル処理装置)における処理を説明する。
図4は、本実施形態に係るディジタル受信装置の処理手順を示すフローチャートである。
ここで、ディジタル受信装置100に入力される入力信号の周波数を中間周波数と呼びFIで表すこととする。図1に示す構成において、FI=FM−FTであり、ADC101は、サンプリング周期Δtごとに、FIの周波数を持つ入力信号をディジタルデータD(n)に変換し、変換したディジタルデータを分岐回路102に出力する(S201)。ここで、nはディジタルデータにおける一連番号である。
ここで、ADC101はΔtの周期毎に入力信号をサンプリングしてBビットのディジタルデータを出力する。サンプリング周期Δtの逆数1/Δtをサンプリング周波数FSと呼ぶ。また、ディジタルデータを表すビット数Bをビット長と呼び、ADC101は入力信号を−2B−1〜2B−1−1の整数を用いて階段状のディジタルデータに変換する。なお、ADC101は、クロック合成器203(図1)で合成される動作クロックに従って作動している。
分岐回路102は、ディジタルデータD(n)のnが奇数であるか否かを判定し(S202)、奇数であれば(S202→Yes)、第1符号器103にD(n)を出力し、第2符号器104に0を出力する(S203)。偶数であれば(S202→No)、分岐回路102は、第1符号器103に0を出力し、第2符号器104にD(n)を出力する(S204)。
これにより、分岐回路102は、ADC101から出力されるディジタルデータを交互に出力する。つまり、ADC101から出力されるディジタルデータD(n)を時間順に(D(1),D(2),D(3),D(4),・・・)と表すと、分岐回路102は、(D(1),D(3),・・・)の奇数番目データを第1符号器103に、(D(2),D(4),・・・)の偶数番目データを第2符号器104に出力する。
第1符号器103と第2符号器104は、出力されたディジタルデータD(n)においてn/4の余りが3であるか否かを判定し(S205,S213)、余りが3であれば(S205,S213→Yes)、−D(n)を第1間引フィルタ105および第2間引フィルタ106のそれぞれに出力し(S206、S214)、余りが3でなければ(S205,S213→No)、D(n)を第1間引フィルタ105および第2間引フィルタ106のそれぞれに出力する(S207,S215)。
これにより、第1符号器103と第2符号器104は、入力されたディジタルデータの符号を1つおきに反転させる。第1符号器103の場合、(D(1),D(3),D(5),D(7),・・・)の入力データに対し、出力データは(D(1),−D(3),D(5),−D(7),・・・)となる。第2符号器104の出力データも、同様に(D(2),−D(4),D(6),−D(8),・・・)となる。符号反転は乗算に比べてはるかに単純な処理であり、符号反転処理に必要な時間はクロック数に換算して乗算処理の1/3以下である。また、符号反転にかかる時間は、乗算処理と異なり、ディジタルデータのビット長に関わらずほぼ一定である。このため、各符号器120の動作速度がADC101のサンプリング周期Δtとビット長Bを制約することはない。
ここで、符号器120による符号反転の効果を、図5の概念図を用いて説明する。
図5は、符号器における符号反転の効果を説明するための図であり、(a)は、サンプリング手順を示し、(b)は、符号反転処理手順を示す。
図5(a)はADC101のサンプリング周波数FSと、ADC101によりディジタル化されるディジタルデータの関係を示す。太い線502はADC101にアナログ受信装置400(図1)から入力される信号を、細い線501は周波数FSを持つサンプリングクロックを表す。ADC101は、太い線502で表した入力信号の振幅を、細い線501で表したサンプリングクロックの振幅が1に達した時にサンプリングして、ディジタルデータに変換して出力する。四角の点503が、サンプリングされるディジタルデータを表す。
図5(b)は符号器120の動作原理を示す。太い線502と四角の点503は、図5(a)と同様、ADC101に入力される入力信号とADC101によりサンプリングされたディジタルデータを表す。図5(b)における細い線504は、FS/4の周波数を持つ仮想の信号を表す。もし細い線504を持つ仮想の信号がADC101に入力されたら、その信号も図5(a)において細い線501で示した入力信号と同じく、サンプリングクロックの振幅が1に達した時にサンプリングされ、ディジタルデータに変換される。図5(b)に示した菱形の点505が仮想信号におけるサンプリング時刻を表す。
ここで、菱形の点505の振幅が、(1、0、−1、0)の繰り返しになっている。これは、Δtの時間間隔を持つディジタルデータにおいては、第1符号器103および第2符号器104の処理が、太い線502で表した入力信号(周波数FI)と細い線504で表した仮想信号(周波数FS/4)との乗算として表すことができることを意味している。言い換えれば、実際の乗算器122の代わりに、四角の点で表したディジタルデータの符号を反転するかまたはディジタルデータ自体を0にする符号器120を用いても、太い線502が示す入力信号と細い線504が示す仮想信号の乗算が達成されることを意味する。これにより、長い処理時間が必要でかつビット長に比例して処理時間が長くなる乗算器122の代わりに、高速動作が可能でビット長が長くなっても処理時間がほとんど変わらない符号器120を用いて、入力信号とFS/4の周波数を持つ仮想信号との乗算処理ができる。
第1符号器103と第2符号器104は、このような動作原理により、FS/4の仮想信号発振器を含む乗算器122と同じ効果を有する。従って、第1符号器103と第2符号器104の出力データは、各々、下記式(3)および式(4)で示す周波数成分を持つ。
COS[2πFI]×COS[2π(FS/4)]=COS[2π(FM−FT−FS/4)]/2+COS[2π(FM−FT+FS/4)]/2・・・(3)
COS[2πFI]×SIN[2π(FS/4)]=−SIN[2π(FM−FT−FS/4)]/2+SIN[2π(FM−FT+FS/4)]/2・・・(4)
ただし、式(3)および式(4)の左辺におけるFIは、右辺においてFM−FTに戻している。
ADC101のサンプリング周波数FSは固定されてもよいし、可変でもよい。
第1符号器103と第2符号器104の後段に接続される第1間引フィルタ105と第2間引フィルタ106は、式(3)および式(4)で表した2つの周波数成分から低い周波数成分FM−FT+FS/4だけを選択的に通過させるフィルタ処理を行い(S208、S216)、さらに間引処理を行う(S209,S217)。このような間引フィルタ121には、例えば、CIC(Cascade-Integrator-Comb)フィルタなどを使えばよい。
第1間引フィルタ105と第2間引フィルタ106における間引処理に用いるディジタルデータの信号周波数は、フィルタ処理により、低い周波数FM−FT+FS/4に変換されているため、間引きを行っても周波数の折り返しが発生することはない。
第1間引フィルタ105と第2間引フィルタ106から、第1乗算器108および第2乗算器109に入力されるディジタルデータの時間間隔は、間引処理により大幅に長くなる。従って、第1乗算器108および第2乗算器109の乗算処理間隔Δt’もADC101のサンプリング周期Δtより大幅に長くなる。
一般的なディジタル受信装置100a(図7)では、第1乗算器108および第2乗算器109の乗算処理間隔Δt’=2Δtであるが、本実施形態のディジタル受信装置100では、通常Δt’=200Δt、短くてもΔt’≧20Δtである。このように本実施形態の受信装置では、第1乗算器108と第2乗算器109の乗算処理間隔Δt’をADC101のサンプリング周期Δtより大幅に長くすることができるため、乗算器122の乗算処理速度の制約がなくなり、局部DDS306(図7)がなくてもADC101のサンプリング周期Δtとビット長Bを十分高くすることができる。つまり、ADC101のサンプリング周期Δtを短くすることができ、ビット長Bを大きくすることができる。
制御器201の指示を受けたNCO107は、制御装置200(図1)のクロック合成器203から供給されるクロックに同期して、FT−FS/4の周波数を持つ余弦波ディジタルデータであるNCO出力データを生成し、第1乗算器108と第2乗算器109に供給する。一般的なディジタル受信装置100aのNCO107a(図7)は正弦波と余弦波の2つの信号データを出力するが、本実施形態のNCO107は余弦波のNCO出力データのみを出力するため、一般的なディジタル受信装置100aにおけるNCO107aより簡略な回路で構成できる。
そして、第1乗算器108および第2乗算器109は、第1間引フィルタ105および第2間引フィルタ106から各々出力されたディジタルデータと、NCO出力データとを乗算する(S210,S218)。
本実施形態の構成で、第1乗算器108と第2乗算器109から出力されるディジタルデータの周波数は、各々、式(5)および式(6)で表現される。
COS[2π(FM−FT+FS/4)]×COS[2π(FT−FS/4)]=COS[2πFM]/2 + COS[2π(FM−2FT+FS/2)]/2・・・(5)
SIN[2π(FM−FT+FS/4)]×COS[2π(FT−FS/4)]=SIN[2πFM]/2 − SIN[2π(FM−2FT+FS/2)]/2・・・(6)
第1ディジタルフィルタ110と第2ディジタルフィルタ111が、第1乗算器108と第2乗算器109の各々から出力されるディジタルデータの周波数のうち、周波数FMの成分のみを選択的に通過させるフィルタ処理を行う(S211,S219)。そして、バッファ112は、ディジタルデータを格納するバッファ記録を行う(S212,S220)。本実施形態の受信装置のディジタル受信装置100は、このような動作により、試料分子の情報を含む周波数FMの正弦波および余弦波のディジタルデータを、制御装置200(図1)を介してユーザコンピュータ9へ出力する。
本実施形態に係るディジタル受信装置100によれば、符号回路において周波数FS/4の仮想信号をADC101で変換されたディジタルデータが示す信号と乗算し、さらに間引フィルタ121を通過させることにより、ADC101で変換されたディジタルデータを低い周波数の信号に変換することができる。ここで、ディジタルデータを低い周波数の信号に変換したことにより、間引フィルタ121でディジタルデータを間引いても、折り返しが生じることはない。言い換えれば、低い周波数の信号に変換することで、ディジタルデータの間引きが可能となり、データレートを低下させることが可能となる。この結果、局部信号に局部DDS306(図7:比較例)で生成したアナログ信号を乗算させなくても、DDSと同じ周波数分解能の信号データをNCO107で生成する必要がなくなる。つまり、乗算器122における処理を軽減することができる。
本実施形態の分光計1によれば、ジッタによる大きい位相雑音を持つ局部DDS306(図7:比較例)を局部信号の発振に用いないことによって、SNRを向上できる。特に、水溶媒中のタンパク質を測定する場合のように、NMR信号のダイナミックレンジが大きい場合には位相雑音低減によるSNR向上効果が大きい。また、局部ミキサ307と局部フィルタ308とを備えないことによる雑音低減効果と、部品削減による安定性向上とコスト低減効果も得られる。
《NMR装置》
図6は、本実施形態に係る受信装置を含む分光計を用いるNMR装置の構成図である。
まず、NMR装置10の一般的な構成として、静磁場を作る磁石装置2に室温ボア3が設けられ、室温ボア3にプローブ4と試料6を、各々挿入する。磁石装置2の中心部に近いプローブ4の先端部にはプローブコイル5が配置され、試料が投入されている試料管はプローブコイル5を貫通して挿入される。プローブコイル5には同調整合回路7が接続されている。図6の例では、プローブコイル5が3つの端子を持つため、同調整合回路7との接続は3つの線で行われている。同調整合回路7は高周波信号ケーブル8により分光計1と接続される。分光計1は、受信信号を取得する際に、高周波信号ケーブル8を経由して高周波の交流磁場パターンをプローブコイル5に送信し、プローブコイル5から核スピンの応答信号を、高周波信号ケーブル8を経由して受信し、データ処理を行う。処理されたディジタルデータは、ユーザコンピュータ9から、ユーザに提供される。
なお、図1における201〜203,302〜305,401〜404、図3における101〜112は、図示しないROM(Read Only Memory)や、図示しないHD(Hard Disk)に格納されたプログラムが、図示しないRAM(Random Access Memory)に展開され、図示しないCPU(Central Processing Unit)によって実行されることによって具現化してもよい。
《比較例》
次に、比較例として一般的に用いられているNMRに用いる分光計1aと、本実施形態に係る分光計1とを比較しつつ、本実施形態に係る分光計1の効果を説明する。
図7は、本実施形態に対する比較例に係る分光計の構成の一例を示すブロック図である。図7において、図1と同様の構成要素については、同一の符号を付して説明を省略する。
分光計1aが、図1の分光計1と異なる点は、送信装置300aと、ディジタル受信装置100aを有する点である。送信装置300aが、図1の送信装置300と異なる点は、局部DDS306と、局部ミキサ307と、局部フィルタ308を有している点である。また、ディジタル受信装置100aが、図1のディジタル受信装置100と異なる点は、第1符号器103、第2符号器104、第1間引フィルタ105および第2間引フィルタ106が備えられていない点である。また、ディジタル受信装置100aは、余弦波と正弦波を出力するNCO107aを有している。なお、制御装置200の標準クロック202およびクロック合成器203の仕様は、図1と同じであるため説明を省略するが、クロック合成器203で合成された動作クロックが、図1にはない局部DDS306へ送られている点が図1とは異なっている。
《比較例における分光計の処理》
次に、図7を参照しつつ、図8に沿って比較例の分光計の処理を説明する。
図8は、比較例に係る分光計の処理手順を示すフローチャートである。なお、制御装置200の各部201〜203の処理は、動作クロックが、局部DDS306へ送られること以外は、図2で説明した処理と同様であるため説明を省略する。
(送信装置)
送信装置300は、試料に照射する照射信号を生成するとともに、アナログ受信装置400に供給する局部信号を生成する。
照射DDS302、局部発振器301、照射ミキサ303、照射フィルタ304および照射増幅器305における処理は、図1および図2と同様であるため説明を省略する(S301,S302)。なお、照射ミキサ303が出力するアナログ信号は、前記した式(1)で示されるアナログ信号であり、照射フィルタ304から出力される信号周波数は、FL+FTまたはFL−FTである(ここでは、FL−FTを照射信号の周波数とする)。
送信装置300の局部DDS306は局部信号の発振に用いられる。局部DDS306は、照射DDS302と同じ周波数分解能を持ち、制御器201で設定された周波数FDのアナログ信号を生成し、局部ミキサ307へ出力する(S303)。ここで、周波数FDは通常数MHz〜数十MHzである。局部ミキサ307は、局部DDS306の出力と局部発振器301の出力とを乗算し、局部フィルタ308へ送信する(S304)。局部ミキサ307からは2つの周波数成分FL+FDとFL−FDを含むアナログ信号が出力される。そして、局部フィルタ308は、局部ミキサ307の出力から、FL−FDの周波数成分を有する信号を選択的に通過させ、アナログ受信装置400の受信ミキサ402へ出力する(S305)。ここで、照射フィルタ304がFL−FTの周波数成分を通過させる構成では、局部フィルタ308もFL−FDの成分を通過させる構成となるが、前記したようにFL+FDの周波数成分の信号を通過させてもよい。図7には示してないが、必要に応じて局部フィルタ308の出力を増幅する増幅器を介して受信ミキサ402に送信することもある。
アナログ受信装置400は、試料から検出したNMR信号を含む受信信号(周波数FL−FT+FM)を受信すると(S306)、第1増幅器401が受信信号を増幅し、受信ミキサ402が、局部信号と周波数FL−FT+FMの受信信号を乗算し、乗算したアナログ信号を受信フィルタ403へ出力する(S307)。前記したように受信信号の周波数は、照射信号の周波数FL−FTに、試料分子による変調周波数FMを加算した、FL−FT+FMである。また、前記したようにFMは試料分子内にける複数の核スピンの位置に対応して複数の周波数成分を持つ。FMの複数の周波数成分が含まれる周波数帯域をNMR信号帯域幅FBと記載する。FBは試料分子により異なるが、数MHz以下の場合がほとんどである。第1増幅器401の仕様は、図1で説明した仕様と同じであるため説明を省略する。受信ミキサ402から出力されるアナログ信号は、式(7)に示す2つの周波数成分を持つ。ここで、FMは前記したように帯域幅FB内に複数の周波数を持つが、説明のため、以下では別記がない限り1つの周波数として扱う。
COS[2π(FL−FD)]×COS[2π(FL−FT+FM)]=COS[2π(2FL−FD−FT+FM)]/2+COS[2π(FD−FT+FM)]/2・・・(7)
前記した通り、FLは数百MHz、FDおよびFTは数十MHz、FMは数MHz以下であるため、周波数成分FD−FT+FMは、もう一つの周波数成分2FL−FD−FT+FMより、数百MHz低い。受信フィルタ403は、FD−FT+FMの周波数成分のアナログ信号(信号)を選択的に出力する(S308)。そして、第2増幅器404が、出力されたアナログ信号を増幅し、ディジタル受信装置100へ出力することによって、受信フィルタ403は、FD−FT+FMの周波数成分のアナログ信号(信号)を選択的にディジタル受信装置100へ出力する(S308)。
ここで、ディジタル受信装置100に入力される入力信号の周波数を中間周波数と呼びFIで表す。つまり、FI=FD−FT+FMであり、ADC101はFIの周波数を持つ入力信号をディジタルデータに変換する。ADC101はΔtの周期毎に入力信号をサンプリングしてBビットのディジタルデータを出力する。サンプリング周期Δt、サンプリング周波数FSおよびビット長Bは前記した説明と同様である。ADC101は入力信号を−2B−1〜2B−1−1の整数を用いて階段状のデータに変換する。変換されたディジタルデータは分岐回路102で交互に2つの乗算器122に出力される。即ち、ADC101から出力されるディジタルデータを時間順に(D1、D2、D3、D4、…)と表すと、分岐回路102は、(D1、D3、…)の奇数番目データは第1乗算器108に、(D2、D4、…)の偶数番目データは第2乗算器109に出力する。NCO107aは、制御装置200のクロック合成器203から供給されるクロックに同期して、FD−FTの周波数を持つ余弦波の信号データを第1乗算器108に、同じFD−FTの周波数を持つ正弦波の信号データを第2乗算器109に出力する。NCO107から出力される余弦波の信号データおよび正弦波の信号データを、NCO出力データとする。
そして、第1乗算器108および第2乗算器109が、分岐回路102から出力されたディジタルデータに、周波数FD−FTを持つNCO出力データ(余弦波の信号データおよび正弦波の信号データ)を各々乗算し、第1ディジタルフィルタ110および第2ディジタルフィルタ111へ出力する(S309)。
ここで、第1乗算器108と第2乗算器109の出力は、各々、式(8)および式(9)の如く2つの周波数成分を持つ。
COS[2πFI]×COS[2π(FD−FT)]=COS(2πFM)/2 + COS[2π(2FD−2FT+FM)]/2・・・(8)
COS[2πFI]×SIN[2π(FD−FT)]=−SIN(2πFM)/2 + SIN[2π(2FD−2FT+FM)]/2・・・(9)
第1ディジタルフィルタ110と第2ディジタルフィルタ111は、各々、第1乗算器108と第2乗算器109の出力から、周波数FMの成分を選択的に出力する(S310)。第1ディジタルフィルタ110と第2ディジタルフィルタ111の出力は、バッファ112に格納され、制御装置200の制御器201により処理され、ユーザコンピュータ9に出力される。ユーザコンピュータ9に出力されるディジタルデータの周波数はFMであり、FMは前記のとおり試料分子による変調周波数であり、帯域幅FBの中にある複数の周波数である。比較例における技術は、ここまで説明した構成により、試料分子の情報を含む周波数FMの正弦波および余弦波の信号データをユーザコンピュータ9に出力する。
比較例の技術において、第1乗算器108および第2乗算器109で乗算を行う周期は、分岐回路102においてディジタルデータを1つおきに分岐させているため、ADC101のサンプリング周期Δtの2倍(2Δt)であった。図7のディジタル受信装置100aにおいて、ADC101と乗算器122の間に間引フィルタ121を設け、ディジタルデータを間引くことによってデータ間隔を長くし、乗算器122の乗算周期を2Δtより長くすると、Nyquist定理により乗算器122に入力される信号の周波数FI=FD−FT+FMに折り返しが発生してしまう。このため、試料分子の情報を持つ周波数FMの識別が難しくなってしまうという問題がある。また、雑音成分の折り返しにより信号帯域幅FB内の雑音が増える問題もある。折り返しを起こすことなく間引きを行い。乗算器122における乗算処理を軽減するためには、ディジタルデータが示す信号の周波数をNyquist定理が許容する周波数より低い周波数に変換する必要がある。従って、比較例の技術では、ADC101のサンプリング周期Δtの2倍周期で第1乗算器108および第2乗算器109において乗算を行い、第1ディジタルフィルタ110と第2ディジタルフィルタ111で間引処理(つまり、式(8)および式(9)で生じた周波数成分のうち低い周波数を通過させる処理)を行い、バッファ112に格納するディジタルデータの時間間隔Δt’を2Δtより長くしていた。
このような構成では、乗算器122の乗算処理速度が制約となり、ADC101のサンプリング周期Δtとビット長Bを十分高くすることができない。この制約を回避する一つの方法は、NCO107aが出力する信号データの周波数FD−FTを固定して、第1乗算器108おおよび第2乗算器109を固定周波数FD−FTに最適化することである。比較例の技術では、NCO107aが出力する信号データの周波数FD−FTを固定するために、周波数FTのアナログ信号を出力する照射DDS302と同じ周波数分解能を持つ局部DDS306を用いて、局部信号の周波数をFL−FDにしていた。このような構成で、比較例における分光計1aは、照射信号の周波数分解能を高くするため照射DDS302を用いると同時に、ADC101のサンプリング周期Δtとビット長Bを十分高くすることができる。つまり、ADC101のサンプリング周期Δtを短くすることができ、ビット長Bを大きくすることができる。
しかしながら、局部DDS306は、自身に生じるジッタによって局部信号の位相雑音を増加させてしまう。
図9は、局部信号の位相雑音を測定した一例を示す図である。
図9は、横軸が周波数、縦軸が振幅を示している。
局部信号の出力周波数FL−FDを持つ大きいピークの両脇に見えるベースラインの盛り上がり(符号901)が位相雑音である。このような局部信号の位相雑音は、ヘテロダイン方式の受信装置において、NMR信号の雑音を増やす一原因である。
局部信号の位相雑音によってNMR信号の雑音が増える原理を、図10を用いて説明する。
図10は、局部信号における位相雑音の影響を示す図であり、(a)は受信ミキサに入力される前のNMR信号と局部信号を表し、(b)は受信フィルタから出力されるNMR信号を表す。なお、図10において、横軸は周波数を示し、縦軸が振幅を示す。また、図10では、各信号の送受信時にのる白色雑音については、省略してある。
前記の如く、受信ミキサ402に入力されるNMR信号の周波数はFL−FT+FMであり、FMは試料分子内における複数の核スピンの位置に対応して複数の周波数成分を持つ。図10では、FMが2つの周波数成分FM1とFM2を含む場合を示す。各周波数成分の信号強度は対応する核スピンの数により大小の差があって、図10には大信号(符号1002)の周波数をFM1(図示せず)、小信号(符号1001)の周波数をFM2(図示せず)とした。一般に、NMRにおいて大信号は試料を溶かしている溶媒からの信号であることが多く、小信号が試料からの信号であることが多い。つまり、多くの場合、ユーザは、周波数FM2の小信号を検出したいことが多い。
図10(a)に示した受信ミキサ402に入力されるNMR信号は、FL−FT+FM1の周波数を持つNMR信号1001とFL−FT+FM2の周波数(図示せず)を持つNMR信号1002からなる。NMR信号1001とNMR信号1002は、受信ミキサ402で位相雑音を持つ周波数FL−FDの局部信号1003と乗算される。乗算により、NMR信号1001とNMR信号1002にも局部信号1003が持っていた位相雑音が伝写される。従って、受信フィルタ403から出力されるNMR信号1001a,1002aは、図10(b)に示すように、位相雑音による両脇の盛り上がりを持つ。この位相雑音によりNMR信号の雑音が増加し、SNRが低下する。特に、NMR信号1001aのSNR低下が著しい。位相雑音の大きさは乗算されるNMR信号の大きさに比例するため、NMR信号1002aの位相雑音が大きくなり、NMR信号1001aに相対的に大きな雑音を与えるためである。
つまり、NMR信号1002aの位相雑音に、NMR信号1001aが埋まってしまい、NMR信号1001aのSNR(符号1004a)が、図10(a)のNMR信号1001のSNR(符号1004)より小さくなってしまう。
1回の測定で検出する信号周波数成分間の強度比をダイナミックレンジと呼ぶ。位相雑音によるSNR低下は、ダイナミックレンジが大きい測定の場合に、特に深刻になる。例えば、水溶媒中のタンパク質から検出する水素核のNMR信号の場合、水溶媒中の水素核の数がタンパク質に含まれる水素核より1万倍も多いため、ダイナミックレンジが1万に達する場合も珍しくない。このような場合、位相雑音によるSNR低下は大きい。
本実施形態では、局部DDS306を使用しないことで、局部DDS306のジッタに由来する位相雑音を局部信号にのせないことが可能となる。この結果、図10(a)における局部信号1003にみられるような位相雑音を大幅に軽減することができる。これにより、図10(b)のNMR信号1001a,1002aに示すような位相雑音も軽減することができ、SNRを向上させることができる。
アナログ信号をディジタルデータに変換して更にディジタルデータの周波数変換を行うディジタル受信装置100を有する装置であって、高速でかつ長いビット長のアナログ/ディジタル変換が好ましく、またディジタルデータで行う周波数変換に高い周波数分解能が要求される用途に適用できる。
(効果)
本実施形態に係るディジタル受信装置は、ADC101の後段に設けた符号器120が擬似的に固定周波数の乗算器122と同等に機能し、その後段に間引フィルタ121を設けて符号器120で乗算された信号データから低い周波数成分を通過させると同時に間引きでデータレートを低下させ、更にその後段に設けた乗算器122で高い周波数分解能の周波数変換を行うため、局部信号の発振に局部DDS306を用いなくても、ディジタル受信装置100に高速で長いビット長のデータ間の乗算が要求されない利点がある。
結果として、局部DDS306を除いた構成とすることができ、DDSに由来する位相雑音を除去することができ、NMR信号のSNRを向上させることが可能となる。
また、高性能の乗算器122を備えなくてもよいので、ディジタル受信装置100のコストを下げることができ、局部DDS306も使用しないので送信装置300のコストも下げることができる。
本実施形態に係る分光計の構成例を示すブロック図である。 本実施形態に係る分光計の処理手順を示すフローチャートである。 は 本実施形態に係るディジタル受信装置の構成を示すブロック図である。 本実施形態に係るディジタル受信装置の処理手順を示すフローチャートである。 符号器における符号反転の効果を説明するための図であり、(a)は、サンプリング手順を示し、(b)は、符号反転処理手順を示す。 本実施形態に係る受信装置を含む分光計を用いるNMR装置の構成図である。 本実施形態に対する比較例に係る分光計の構成の一例を示すブロック図である。 比較例に係る分光計の処理手順を示すフローチャートである。 局部信号の位相雑音を測定した一例を示す図である。 局部信号における位相雑音の影響を示す図であり、(a)は受信ミキサに入力される前のNMR信号と局部信号を表し、(b)は受信フィルタから出力されるNMR信号を表す。
符号の説明
1,1a 分光計(信号解析システム)
2 磁石装置
3 室温ボア
4 プローブ
5 プローブコイル
6 試料
7 同調整合回路
8 高周波信号ケーブル
9 ユーザコンピュータ
10 NMR装置
100,100a ディジタル受信装置(ディジタル処理装置)
101 ADC
102 分岐回路
103 第1符号器
104 第2符号器
105 第1間引フィルタ
106 第2間引フィルタ
107 NCO
108 第1乗算器
109 第2乗算器
110 第1ディジタルフィルタ
111 第2ディジタルフィルタ
112 バッファ
120 符号器
121 間引フィルタ
122 乗算器
123 ディジタルフィルタ
200 制御装置
201 制御器
202 標準クロック
203 クロック合成器
300 送信装置
300a 送信装置
301 局部発振器
303 照射ミキサ303
304 照射フィルタ
305 照射増幅器
307 局部ミキサ
308 局部フィルタ
400 アナログ受信装置
401 第1増幅器
402 受信ミキサ
403 受信フィルタ
404 第2増幅器
302 照射DDS
306 局部DDS

Claims (8)

  1. NMRにおける試料から発信される信号をヘテロダイン方式で周波数変換したアナログ信号から、前記NMRにおける試料に特有の信号である目標信号をディジタルデータとして抽出するディジタル処理装置であって、
    A/D変換器から出力されたディジタルデータにおける正負の符号を1つおきに反転させる符号器と、
    前記符号器から出力されたディジタルデータから、周波数が低い成分を抽出し、前記抽出された周波数が低い成分のディジタルデータから所定のデータを間引く間引フィルタと、
    前記間引フィルタからの出力に、特定の周波数のディジタルデータを出力する数値制御発振器からの出力を乗算する乗算器と、を有する
    ことを特徴とするディジタル処理装置。
  2. 前記ディジタル処理装置は、
    前記符号器として、第1の符号器と、第2の符号器とを有しており、
    前記間引フィルタとして、第1の間引フィルタと、第2の間引フィルタとを有しており、
    前記乗算器として、第1の乗算器と、第2の乗算器とを有しており、
    前記第1の符号器の後段に、前記第1の間引フィルタを備え、前記第1の間引フィルタの後段に、前記第1の乗算器を備え、
    前記第2の符号器の後段に、前記第2の間引フィルタを備え、前記第2の間引フィルタの後段に、前記第2の乗算器を備え、
    前記A/D変換器から出力されたディジタルデータを、前記第1の符号器および第2の符号器へ交互に出力する分岐回路を有する
    ことを特徴とする請求項1に記載のディジタル処理装置。
  3. 前記数値制御発振器は、特定の周波数の余弦波ディジタルデータを出力する
    ことを特徴とする請求項1に記載のディジタル処理装置。
  4. 局部信号をアナログ受信装置へ送信するとともに、NMRにおける試料へ照射する信号である照射信号を送信する送信装置と、前記局部信号を基に、ヘテロダイン方式で前記NMRにおける試料から発信される信号である受信信号の周波数を、前記受信信号の周波数より低い周波数である中間周波数を有するアナログ信号へと変換する前記アナログ受信装置と、前記アナログ受信装置から送られたアナログ信号から、前記NMRにおける試料に特有の信号である目標信号をディジタルデータとして抽出するディジタル処理装置と、を有する信号解析システムであって、
    前記送信装置は、
    前記局部信号にDDSで生成された信号を乗算せず、
    前記ディジタル処理装置は、
    A/D変換器から出力されたディジタルデータにおける正負の符号を1つおきに反転させる符号器と、
    前記符号器から出力されたディジタルデータから、周波数が低い成分を抽出し、前記抽出された周波数が低い成分のディジタルデータから所定のデータを間引く間引フィルタと、
    前記間引フィルタからの出力に、特定の周波数のディジタルデータを出力する数値制御発振器からの出力を乗算する乗算器と、を有する
    ことを特徴とする信号解析システム。
  5. 前記ディジタル処理装置は、
    前記符号器として、第1の符号器と、第2の符号器とを有しており、
    前記間引フィルタとして、第1の間引フィルタと、第2の間引フィルタとを有しており

    前記乗算器として、第1の乗算器と、第2の乗算器とを有しており、
    前記第1の符号器の後段に、前記第1の間引フィルタを備え、前記第1の間引フィルタの後段に、前記第1の乗算器を備え、
    前記第2の符号器の後段に、前記第2の間引フィルタを備え、前記第2の間引フィルタの後段に、前記第2の乗算器を備え、
    前記A/D変換器から出力されたディジタルデータを、前記第1の符号器および第2の符号器へ交互に出力する分岐回路を有する
    ことを特徴とする請求項4に記載の信号解析システム。
  6. 前記数値制御発振器は、特定の周波数の余弦波ディジタルデータを出力する
    ことを特徴とする請求項4に記載の信号解析システム。
  7. NMRにおける試料から発信される信号をヘテロダイン方式で周波数変換したアナログ信号から、前記NMRにおける試料に特有の信号である目標信号をディジタルデータとして抽出するディジタル処理装置による信号解析方法であって、
    前記ディジタル処理装置が、
    A/D変換器から出力されたディジタルデータにおける正負の符号を1つおきに反転させ、
    前記正負の符号を1つおきに反転されたディジタルデータから、周波数が低い成分を抽出し、前記抽出された周波数が低い成分のディジタルデータから所定のデータを間引き、
    前記所定のデータを間引かれたディジタルデータに、特定の周波数のディジタルデータを出力する数値制御発振器からの出力を乗算する
    ことを特徴とする信号解析方法。
  8. 局部信号をアナログ受信装置へ送信するとともに、NMRにおける試料へ照射する信号である照射信号を送信する送信装置と、前記局部信号を基に、ヘテロダイン方式で前記NMRにおける試料から発信される信号である受信信号の周波数を、前記受信信号の周波数より低い周波数である中間周波数を有するアナログ信号へと変換する前記アナログ受信装置と、前記アナログ受信装置から送られたアナログ信号から、前記NMRにおける試料に特有の信号である目標信号をディジタルデータとして抽出するディジタル処理装置と、を有する信号解析システムによる信号解析方法であって、
    前記送信装置が、
    前記局部信号にDDSで生成された信号を乗算せず、
    前記ディジタル処理装置が、
    A/D変換器から出力されたディジタルデータにおける正負の符号を1つおきに反転させ、
    前記正負の符号を1つおきに反転されたディジタルデータから、周波数が低い成分を抽出し、前記抽出された周波数が低い成分のディジタルデータから所定のデータを間引き、
    前記所定のデータを間引かれたディジタルデータに、特定の周波数のディジタルデータを出力する数値制御発振器からの出力を乗算する
    ことを特徴とする信号解析方法。
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