以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、図面全体にわたって同一の符号は同一の構成部材または要素を示している。
実施形態1
本発明に係る古紙再生装置が図1〜図10に示されており、この古紙再生装置1は、具体的には古紙が発生する場所に配置されて、発生する古紙UPを廃棄処分することなく、その場で再利用可能な紙に再生処理する装置であって、古紙UPとしては、官公庁・一般企業の機密文書や一般家庭の私的文書等で、使用済みや不要となった書類が該当する。
古紙再生装置1は、図1に示すような什器サイズ、つまり、事務所内に配置使用される書棚、ロッカー、事務机、複写機、パーソナルコンピュータなどの什器類と同等の形状寸法を備えるもので、図2に示すように、パルプ製造部2、抄紙部3および制御部4を主要部として構成され、これら装置構成部2〜4が装置ケース5内に装置収容されてなるコンパクト設計とされるとともに、上記パルプ製造部2および抄紙部3の駆動源は、一般家庭用交流電源により駆動する電動駆動源とされている。以下、各構成部について具体的に説明する。
I.装置ケース5:
この装置ケース5は、上述したように什器サイズのもので、具体的な形状寸法は目的や用途に応じて適宜設計される。図示の実施形態の装置ケース5は、事務所等に配置使用される複写機程度の形状寸法を有するほぼ直方体形状の箱体とされ、その外周部が化粧用ケースカバー5aで被覆されている。また、装置ケース5の底部には移動手段としてキャスタ50、50、…が設けられて、設置床面上を方向自在に移動可能とされている。
また、装置ケース5の天板部には、古紙UPを投入するための投入口10aが設けられるとともに、側部には、再生紙RP、RP、…を受け取るための再生紙受取トレー51が取外し可能に設けられている。この再生紙受取トレー51には、装置ケース5の排出口112が臨んで設けられており、この排出口112から排出される再生紙RP、RP、…が順次積層状に受け取られる。
II.パルプ製造部2:
パルプ製造部(パルプ製造装置)2は、古紙UPを離解し叩解して古紙パルプを製造する工程部位で、古紙UPを攪拌破砕して離解する離解部6と、この離解部6で離解された古紙UPを叩解する叩解部7とからなり、図示の実施形態においては、これら離解部6および叩解部7が古紙パルプUPを所定時間循環させる循環式とされている。
離解部6は、古紙UPを攪拌する攪拌装置(攪拌手段)8と、この攪拌装置8に水を供給する給水装置(給水手段)9とを備えてなる。
攪拌装置8は、攪拌槽10、攪拌インペラ11および駆動モータ12を備えてなる。
攪拌槽10は、図3に示すように、その天井壁に、装置ケース5のケースカバー5aの外部に対して開閉可能な構造を有する投入口10aが設けられるとともに、その内部(図示の場合は底部)に、上記攪拌インペラ11が回転可能に設けられている。
攪拌槽10の内容積は、一度に攪拌処理すべき古紙UPの枚数に応じて設定される。図示の実施形態においては、約1.5リットルの水を加えて、A4判のPPC(plain paper copier)古紙UPを8枚程度(約32g)一度に攪拌処理(バッチ処理)できる容積を有する攪拌槽10とされている。
また、攪拌インペラ11は、攪拌槽10の傾斜した底面部位に設けられるとともに、駆動モータ12の回転軸12aに直接取り付け固定されたダイレクトモータ構造とされて、駆動モータ12により連続的にまたは間欠的に正逆回転駆動される。駆動モータ12としては具体的には電動モータが使用され、この駆動モータ12が制御部4に電気的に接続されている。
このように攪拌インペラ11が正逆回転されることにより、古紙UPがA4判の大きさのままで攪拌される場合でも、攪拌インペラ11の正回転後の逆回転による水の噴流作用により、古紙UPが有効に分散させられる結果、攪拌インペラ11に絡みつくのが有効に防止される。
これに関連して、攪拌インペラ11の羽根形状は、正回転と逆回転とにおいて、その攪拌力(拡散効果)が異なるように設計されており、これにより、古紙UP、UP、…の均一な離解・叩解が実現する。
なお、攪拌インペラ11の正回転と逆回転の切り替えタイミング、および攪拌時間などの運転条件は、予め行なった実験データに基づいて、所望の古紙UP、UP、…の離解・叩解効果が得られるように設定される。
給水装置9は、図2に示すように、白水回収槽15および給水ポンプ16を備えてなる。白水回収槽15は、後述するように、抄紙部3において濾過脱水される白水W(抄紙する際に抄き網により濾過された極低濃度のパルプ水)を回収するもので、この白水回収槽15に回収された白水Wが、給水ポンプ16により、上記攪拌装置8の攪拌槽10に攪拌用の水として供給される。
また、この給水装置9は、後述するように、パルプ濃度調整装置(パルプ濃度調整手段)35の濃度調整用給水部(濃度調整用給水手段)としての機能も兼備し、この目的のため、白水回収槽15内の白水Wを濃度調整槽36に濃度調整用の水として供給する濃度調整用給水ポンプ17を備えている。18および19は、白水回収槽15内に設けられた下限水位用フロートスイッチと上限水位用フロートスイッチをそれぞれ示している。
そして、攪拌装置8において、装置ケース5の投入開口つまり投入口10aから攪拌槽10内に投入された古紙UP、UP、…は、駆動モータ12による攪拌インペラ11の正転・逆転動作により、給水装置9から供給された水Wの中で所定時間(図示の場合は3分〜5分間)だけ攪拌され、これにより、離解・叩解されて、古紙パルプUPPとなる。
叩解部7は、少なくとも一台の叩解機を備え、図示の実施形態においては一台の叩解機20を備えてなる。
叩解機20は、上記離解部6で離解された古紙UPを加圧叩解するとともに、古紙UP上の文字、図形等を形成するインキ類を磨砕微細化するものである。
叩解機20は、図4および図5に示すように、微小な叩解隙間をもって対向配置されるとともに、相対的に移動する複数(図示の場合は二つ)の叩解部材21、22を主要部として構成され、具体的には、離解部6の攪拌槽10に連通可能な叩解槽23と、この叩解槽21内に相対的に移動可能に設けられた上記叩解部材21、22と、これら叩解部材21、22を相対的に移動させる駆動源24とを備えてなる。
図示の叩解機20においては、図5に示すように、上記叩解部材21、22が相対的に回転する円盤状の形態とされ、より具体的には、上側の叩解部材21が固定側とされるとともに、下側の叩解部材22が回転側とされてなる。
叩解槽23は、上記一対の叩解部材21、22を収納可能な密閉型円筒形状とされ、上側槽23aと下側槽23bが相互に螺合結合されてなる上下分割構造を備える。この叩解槽23は、上側槽23aの天部中央部に供給口25が開設されるとともに、下側槽23bの円筒側部に排出口26が開設されており、これら供給口25および排出口26は、それぞれ図示しない配管を介して、上記離解部6の攪拌槽10に連通可能に接続されている。なお、具体的には図示しないが、上記供給口25が上記攪拌槽10の底部位置に連通可能とされるとともに、上記排出口26が上記攪拌槽10の上部位置に連通可能とされている。
上側の固定側叩解部材21は、上記上側槽23aの天部内側面に適宜の固定手段により固定的に設けられており、この固定側叩解部材21に対して、下側の回転側叩解部材22が微小な叩解隙間Aをもって同心状にかつ回転可能に対向配置されている。
この回転側叩解部材22は、回転基台28上に一体的に設けられるとともに、この回転基台28の回転支軸28aが、上記叩解槽23の底部つまり下側槽23bの底部中央の開口27を介して、叩解槽23の外部へ臨み、回転駆動源である駆動モータ24の回転軸24aに直接取り付け固定されて、ダイレクトモータ構造とされている。この駆動モータ24としては具体的には電動モータが使用され、この駆動モータ24が制御部4に電気的に接続されている。
上記微小な叩解隙間Aを形成する両叩解部材21、22の対向面21a、22a同士は協働して叩解作用面を形成する。これら対向する叩解作用面21a、22aは、多数の砥粒が結合材により結合されてなる砥石面の形態とされ、また、両叩解作用面21a、22aは、図4に示すように、その径寸法が互いの対向方向へ連続的に大きくなるテーパ面形状とされて、その間に両円錐形状の叩解隙間Aが形成される。
また、上記固定側叩解部材21の叩解作用面21aの中心部位には、叩解槽23の供給口25に同軸状に連通する入口29が形成されるとともに、両叩解部材21、22の叩解作用面21a、22aの外周縁部21b、22b間に形成される環状隙間30が叩解槽23の排出口26に連通する出口とされている。
また、これに関連して、回転側叩解部材22の叩解作用面22aには、複数の案内リブ31、31、…が周方向へ等間隔をもって設けられるとともに、回転側叩解部材22を支持する回転基台28の外周には、複数のブレード32、32、…が周方向へ所定間隔をもって設けられている。回転側叩解部材22の回転により、上記複数の案内リブ31、31、…は、上記入口から叩解隙間Aに流入する古紙パルプUPPを上記出口30へ案内する作用をなし、また、上記複数のブレード32、32、…は、この出口30から排出される古紙パルプUPPを、遠心力で上記叩解槽23の排出口26へ向けて押出すポンプ作用をなす。
上記叩解隙間Aの間隙寸法は、0.05mm〜0.8mm程度に設定されている。なお、この叩解隙間Aの間隙寸法は、叩解槽23の上側槽23aと下側槽23bを相対的に回転操作して、それらの螺合部分を螺進退させることで、微調整可能とされている。このように、叩解隙間Aの間隙寸法が目的に応じて微調整可能とされることにより、上記叩解作用面21a、22aの協働作用には、装置機械構造の強度と駆動力に応じた高い圧力と摺動力が得られる。また、叩解隙間Aの間隙寸法を調整することにより、叩解部7の叩解速度(叩解時間)を適宜調整することも可能である。
しかして、駆動モータ24により、回転側叩解部材22が固定側叩解部材21に対して回転駆動された状態において、上記離解部6の攪拌槽10から叩解槽23の供給口25へ供給される古紙パルプUPPは、上記入口29から叩解隙間Aに流入して、この叩解隙間Aを通過しながら、相対的に回転する叩解作用面21a、22aによる加圧叩解作用を受けるとともに、古紙UP上の文字、図形等を形成するインキ類が磨砕微細化され、この後、上記出口30から叩解槽23の排出口26を介して、再び上記攪拌槽10へ還流される(図4および図5における矢符で示される流通経路を参照)。
なお、上記叩解槽23の供給口25および排出口26は、開閉手段により開閉可能とされている。この開閉手段の具体的構造は図示しないが、例えば、従来公知の手動または自動の開閉弁が設けられてなる。これら開閉弁は、叩解部7が運転停止時には上記供給口25および排出口26を閉止して、攪拌装置8の攪拌槽10からの古紙UPや古紙パルプUPPの叩解槽23への流入を阻止する一方、叩解部7の運転時には供給口25および排出口26を開口して、攪拌槽10と叩解槽23との間での古紙パルプUPPの循環回流を許容する。
この場合、離解部6が叩解部7と同時に駆動していると、叩解槽23は、離解部6の攪拌槽10と共に古紙パルプUPPが回流するパルプ回流槽を構成して、このパルプ回流槽10、23を循環回流する古紙パルプUPPは、離解部6による攪拌離解作用と、叩解部7による加圧叩解作用およびインキ磨砕微細化作用を順次繰り返して受けることになる。換言すれば、叩解槽23で叩解作用面21a、22aによって加圧叩解・インキ摩砕微細化された古紙パルプUPPは、離解部6の攪拌層10へ吐出されて、この攪拌槽10で攪拌インペラ11によって均一に攪拌され、再び叩解部7の叩解槽23へ供給され、この工程が適数回繰り返されることで、離解と叩解さらにはインキ摩砕微細化がパルプ回流槽10、23内の古紙パルプUPP全体に均一に実施される。この結果、後述する抄紙部3で抄紙再生される再生紙RPにとっての最適な紙力強度が確保されるとともに、白色度の高い再生紙RPを得ることができる(脱墨と同等な効果が得られる)。
パルプ濃度調整部35は、攪拌槽10の下流側に設けられて、攪拌槽10で製造された古紙パルプUPPの濃度を後続の抄紙に適した適正濃度に調整するものである。このパルプ濃度調整部35は、攪拌槽10で製造された古紙パルプUPPを貯留する濃度調整槽36と、この濃度調整槽36に水を供給する濃度調整用給水部(濃度調整用給水手段)とを備えてなり、この濃度調整用給水部としては、前述したごとく、給水装置9が兼用されている。
濃度調整槽36の内容積は、攪拌装置8によりバッチ処理される古紙UPの枚数(量)に応じて設定される。図示の実施形態においては、前述したように、8枚程度(約32g)のA4判の古紙UPがバッチ処理されるので、これに対応した量の古紙パルプUPPの濃度を調整できる容積を有する濃度調整槽36とされている。
これに関連して、上記攪拌装置8の攪拌槽10の底部には、排水口10bが設けられており、この排水口10bは図示しない排水弁により開閉動作される構成とされている。この排水弁は具体的には電磁開閉弁からなり、上記制御部4に電気的に接続されている。
パルプ濃度調整部35の具体的な濃度調整方法は、上記濃度調整槽36において、攪拌槽10内でバッチ処理にて製造された古紙パルプUPPの全量に対して、上記濃度調整用給水部9から水Wが加水されて、これら古紙パルプUPPと水Wの合計体積が所定値になることにより、所定濃度のパルプ懸濁液PSとなるように構成されている。なお、調整されるべきパルプ懸濁液PSの目標濃度は、予め行なった実験データに基づいて、後述する抄紙部3における抄紙能力を考慮して設定され、図示の場合は約0.1%濃度に設定されている。30は、濃度調整槽36内に設けられたフロートスイッチで、濃度調整槽36内のパルプ懸濁液PSの量(古紙パルプUPPと水Wの合計体積)が上記所定値になったときの水位を検知する。
しかして、上記濃度調整槽36において、上記攪拌槽10(および叩解槽23)で製造された古紙パルプUPPの全量が、攪拌槽10の排水口10bから自重で濃度調整槽36内へ落下供給されるとともに、この古紙パルプUPPに対して、濃度調整用給水部9から白水Wが上記所定値になるまで加水されて(フロートスイッチ30により検知)、これにより古紙パルプUPPの濃度が調整されて、所定濃度のパルプ懸濁液PSとされる。図示の実施形態においては、上記古紙パルプUPPの全量(約32gの古紙UP+1.5リットルの水W)に対して、上記濃度調整用給水部9から希釈用の水Wが加水されて、古紙パルプUPPと水Wの合計体積(全量)が32リットルになるように制御され、これにより、約0.1%濃度(目標濃度)のパルプ懸濁液PSが調製される。この濃度調整されたパルプ懸濁液PSは、第一懸濁液供給ポンプ31により、次工程の抄紙部3のパルプ供給槽85へ送られる。
なお、上記攪拌槽10の排水口10bから古紙パルプUPPが濃度調整槽36内へ落下供給される間、攪拌槽10内においては、給水装置9から給水ポンプ16により水Wが供給されるとともに、駆動モータ12により攪拌インペラ11が回転して、攪拌槽10内の洗浄が行われる。
以上のように、給水装置9の給水源は、白水回収槽15に回収される抄紙部3で脱水された白水Wであり、換言すれば、抄紙部3で脱水回収される白水Wは、すべて上記離解部6の攪拌装置8およびパルプ濃度調整部35で帰還利用される水循環方式とされている。
III.抄紙部3:
抄紙部3は、上記離解部6で製造された古紙パルプUPPを抄紙して再生紙RPを製造する工程部位で、抄紙ネットコンベア部40、脱水ロール部41および乾燥ベルトコンベア部42を備えてなる。
抄紙ネットコンベア部40は、上記パルプ製造部2の離解部6から送られてくる水Wと古紙パルプUPPが共存するスラリー状のパルプ懸濁液PSを抄いて湿紙とする部位で、網状無端ベルト45、駆動モータ46およびパルプ供給部47を備えてなる。
網状無端ベルト45は、パルプ懸濁液PSを抄きながら搬送するもので、具体的には、所定幅を有する抄き網構造の板材が所定長さの環状に接続形成されてなる無端ベルトである。上記所定幅は、パルプ懸濁液PSを抄いて製造すべき再生紙RPの幅寸法よりも若干大きな寸法に設定される。また、抄き網構造の板材は、パルプ懸濁液PSが上記抄き網構造の無数の網目により適正に濾過脱水できる材質とされ、好適には、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリアミド(PA)(一般に「ナイロン」(登録商標)と呼ばれる)あるいはステンレス鋼(SUS)などの耐腐食性に優れる材料で形成されており、図示の実施形態においては、PET製網状無端ベルト45とされている。さらに、上記所定長さは、網状無端ベルト45の走行速度との関係で、パルプ懸濁液PSが適正な坪量に抄かれるのに十分な長さとされるとともに、装置ケース5における抄紙ネットコンベア部40の収容空間に収容し得る大きさに設定される。
この網状無端ベルト45は、図2および図6に示すように、駆動ローラ65、従動ローラ66、支持ローラ67、脱水ロール70および予備脱水ロール74を介して、回転走行可能に懸架支持されるとともに、上記駆動ローラ65を介して、上記駆動モータ46に駆動連結されている。
網状無端ベルト45を走行駆動する駆動モータ46は、具体的には電動モータで、制御部4に電気的に接続されている。また、この駆動モータ46は、後述する脱水ロール部41および乾燥ベルトコンベア部42の走行駆動源としても共用され、この共用のための構造つまり駆動連結機構については後述する。
パルプ供給部47は、上記網状無端ベルト45上に離解部6からのパルプ懸濁液PSを供給する部位で、具体的には、このパルプ供給部47により、パルプ懸濁液PSが上記網状無端ベルト45上面に均一に広がり供給される構成とされている。
図示のパルプ供給部47の具体的構造が図8および図9に示されている。すなわち、このパルプ供給部47において、上記網状無端ベルト45が走行方向へ向けて上向き傾斜状に配置されるとともに、この網状無端ベルト45の上下両側位置に、抄き枠体78および仕切り部材79がそれぞれ配置されてなる。
抄き枠体78は、網状無端ベルト45の上面に摺接可能に配設されるもので、図8および図9に示すように、先端部つまり網状無端ベルト45の走行方向側端部が開放された平面コ字形状の本体枠80と、この本体枠80の後端部に設けられたオーバフロー槽81とを備える。
上記本体枠80は、その下端面80aが傾斜走行する上記網状無端ベルト45の上面に摺接するように配されるとともに、本体枠80の枠内幅寸法L(図8参照)が製造すべき再生紙RPの幅寸法に設定されている。
上記オーバフロー槽81は、上記本体枠80の後端部に一体的に固設されており、その前壁上端縁81aが水平直線状に形成されたオーバフロー部とされるとともに、このオーバフロー槽81内に、後述するパルプ供給槽85のパルプ懸濁液PSを供給する懸濁液供給配管90の供給開口90aが臨んで設けられている。
そして、パルプ懸濁液PSが上記懸濁液供給配管90からオーバフロー槽81内に供給され貯留されて、オーバフロー槽81がパルプ懸濁液PSで満杯になると、さらなるパルプ懸濁液PSの供給により、パルプ懸濁液PSは、オーバフロー槽81のオーバフロー部81aから図9に矢符にて示されるようにオーバフローして、後述する仕切り部材79の平板部材82上に流下することとなる。
仕切り部材79は、網状無端ベルト45の下面に摺接可能に配設されるもので、図7および図8に示すように、複数本の骨組み部材79a、79a、…からなる水切り可能なスノコ構造を備え、上記網状無端ベルト45の下面全幅を摺接支持する形状寸法を有するとともに、上記スノコ構造の基端側部位が平板部材82により閉塞されている。
平板部材82は、上記抄き枠体78のオーバフロー槽81に対応した位置に設けられ、具体的には、図9に示すように、オーバフロー槽81からオーバフローするパルプ懸濁液PSの流下位置に対応して配置され、これにより、網状無端ベルト45におけるパルプ懸濁液PSの流下供給部位の網目が平板部材82により閉塞状態に支持されている。
また、上記パルプ供給部47の上流側には、このパルプ供給部47にパルプ懸濁液PSを供給されるパルプ供給槽85が設けられている。
このパルプ供給槽85に貯留されるパルプ懸濁液PSは、下限水位用フロートスイッチ87および上限水位用フロートスイッチ88により検知されて、第二懸濁液供給ポンプ(懸濁液供給ポンプ)89により、上記パルプ供給部47のオーバフロー槽81内へ連続的に供給される構成とされている。
しかして、上記パルプ供給槽85に貯留されるパルプ懸濁液PSが、第二懸濁液供給ポンプ89により、上記パルプ供給部47のオーバフロー槽81内へ供給され、このオーバフロー槽81に供給されたパルプ懸濁液PSは、図8および図9に示すように、オーバフロー槽81からオーバフローした後、平板部材82上に流下する。
そして、パルプ懸濁液PSは、抄き枠体78の本体枠80と仕切り部材79との協働による滞留作用により、網状無端ベルト45上面に均一に拡散されるとともに、網状無端ベルト45の矢符方向への走行作用により、上記本体枠80により規定された幅寸法を保持しつつ網状無端ベルト45と共に搬送されながら、網状無端ベルト45の網目による自重濾過作用を受けて脱水されて、湿紙RP0となる。この濾過脱水された白水W(抄紙する際に抄き網により濾過された極低濃度のパルプ水)は、前述したように、上記給水装置9の白水回収槽15に回収される。
なお、上記パルプ供給部47において、網状無端ベルト45の走行姿勢は左右水平になるように、つまり網状無端ベルト45の走行方向に対して垂直な断面における上面輪郭線が水平状態となるように走行支持されている。このように構成することにより、上記本体枠80と仕切り部材79の協働によるパルプ懸濁液PSの滞留状態に左右幅方向の偏りを生じるのが有効に防止されて、調整される湿紙RP0の厚みが左右幅方向に均一となり、結果として紙面全体の厚みが均一となる。
脱水ロール部41は、上述の抄紙ネットコンベア部40と後述の乾燥ベルトコンベア部42の連係部において、上記網状無端ベルト45上の湿紙RP0を圧搾脱水する部位である。
具体的には、下流側の上記乾燥ベルトコンベア部42の平滑面無端ベルト95と上流側の上記抄紙ネットコンベア部40の網状無端ベルト45とが図2および図6に示すように、上下に積層状に配設されるとともに、これら平滑面無端ベルト95と網状無端ベルト45の上下隣接部分が上記連係部とされて、上記脱水ロール部41が、これら網状無端ベルト45および平滑面無端ベルト95を上下両側から挟圧状に転動圧搾する構造とされている。
上記脱水ロール部41は、脱水ロール70、プレスロール71および駆動モータ72を主要部として備えるととともに、その補助部として、予備脱水ロール74およびスラリー化防止ロール75が設けられている。
脱水ロール70は、網状無端ベルト45に下側から転接するもので、具体的には、高剛性材料からなる円筒ロール70aの外周に、微細連続気孔の多孔質材料からなる脱水層70bが巻装されてなる。脱水層70bは、親水性、吸水性および保水性に優れる材料からなり、好適には柔軟性に優れる微細連続気孔の多孔質材料からなる。また、脱水層70bの円筒ロール70aに対する巻装構造としては、ある程度厚みのある脱水層70bを円筒ロール70aの外周に一回巻きしたり、あるいは円筒状の脱水層70bを円筒ロール70aに外嵌する単層構造と、薄い脱水層70bを円筒ロール70aの外周に複数回巻きする多層構造とがある。
図示の実施形態の脱水ロール70は、ステンレス鋼製円筒ロール70aの円筒外周面に、ミクロンサイズの超微細な連続気孔を有する超微細連続発泡材料からなる円筒状の脱水層70bが外嵌されてなる単層構造とされている。
プレスロール71は、後述する乾燥ベルトコンベア部42の平滑面無端ベルト95を上側から転動加圧するもので、具体的には、高剛性材料からなる円筒ロールの形態とされている。図示の実施形態のプレスロール71は、ステンレス鋼製円筒ロールからなる。
これら脱水ロール70とプレスロール71は、具体的には単一の駆動モータ72に駆動連結されて、両ロール70、71が連動して回転駆動される。この場合、これら両ロール70、71は、その外周面間において挟圧状に転動圧搾される網状無端ベルト45、平滑面無端ベルト95の接触面(網状無端ベルト45の下面および平滑面無端ベルト95の上面)に対して、両ロール70、71の外周面が、互いに僅かの回転速度差をもってそれぞれ転動接触するように回転制御される。
具体的には、プレスロール71の回転速度が脱水ロール70の回転速度よりも僅かに大きく設定されており、これにより、平滑面無端ベルト95の走行速度が、上記網状無端ベルト45の走行速度よりも大きく設定されることになる。このような構成とされることにより、後述するように、脱水ロール部41により圧搾脱水された湿紙RP0が、下側の網状無端ベルト45の上面から上側の平滑面無端ベルト95の下面に転写移転される際に、湿紙RP0にテンションがかかって、湿紙RP0に皺が発生するのを有効に防止する。
また、上記駆動モータ72は、図示の実施形態においては、後述するように、抄紙ネットコンベア部40の駆動モータ46が共用とされている。
そして、この駆動モータ72(46)の駆動により、上記両ロール70、71が、上記両ベルト45、95を上下両側から挟圧状に転動圧搾して、網状無端ベルト45上の湿紙RP0に含まれている水分Mが上記網状無端ベルト45を介して上記脱水ロール70に吸水されて脱水される。この圧搾脱水された白水Wは、給水装置9の白水回収槽15に回収される。
この圧搾脱水の具体的メカニズムを図10(a)により説明すると、上記両ロール70、71の回転により、上面に湿紙RP0を載置した網状無端ベルト45と平滑面無端ベルト95が、その間に上記湿紙RP0を介在させた状態で、上記両ロール70、71間へ案内されて、上下両側から挟圧状に転動圧搾される。すると、湿紙RP0に含まれている水分Mは、上記両ロール70、71の上流側(図面において右側)へ搾り出されるが、上側の平滑面無端ベルト95が後述するように平滑面を有する孔のない構造であることから、この搾り出された水分Mはすべて下側の網状無端ベルト45の微細な連続気孔を通過して上記脱水ロール70の脱水層70bに吸水される。
予備脱水ロール74およびスラリー化防止ロール75は、これら脱水ロール部41におけるプレスロール71と脱水ロール70による圧搾脱水作用を補助するために設けられている。
予備脱水ロール74は、図2に示すように、脱水ロール部41の上流側において、上記網状無端ベルト45に下側から転接してテンションを与えるように配設されている。
この予備脱水ロール74の具体的構造は、上記脱水ロール70と同様であり、高剛性材料からなる円筒ロール74aの外周に、微細連続気孔の多孔質材料からなる脱水層74bが巻装されてなる。図示の実施形態の予備脱水ロール74は、ステンレス鋼製円筒ロール74aの円筒外周面に、ミクロンサイズの超微細な連続気孔を有する超微細連続発泡材料からなる円筒状の脱水層74bが外嵌されてなる単層構造とされている。
そして、網状無端ベルト45上面に均一に拡散されて、この網状無端ベルト45と共に搬送される湿紙RP0は、網状無端ベルト45により濾過脱水されながら、上記予備脱水ロール74によっても複合的に吸水脱水されて、プレスロール71と脱水ロール70による圧搾脱水作用を予備的に補助する。
スラリー化防止ロール75は、図2および図10(b)に示すように、脱水ロール部41の上流側近傍位置において、上記平滑面無端ベルト95を上側から転動加圧して、平滑面無端ベルト95を下側の網状無端ベルト45上の湿紙RP0に押さえ付けるように配設されている。
そして、図10(b)を参照して、脱水ロール70とプレスロール71により、上面に湿紙RP0を載置した網状無端ベルト45と平滑面無端ベルト95が上下両側から挟圧状に転動圧搾されると、湿紙RP0に含まれている水分Mは、両ロール70、71の上流側(図面において右側)へ搾り出されるが、同時に、脱水ロール70自身が先の圧搾脱水の結果保水している水分Mもまた搾り出される。
この場合、スラリー化防止ロール75が設けられていないとすると、図10(a)に示すように、両ロール70、71の上流側近傍位置においては、上側の平滑面無端ベルト95と下側の網状無端ベルト45との交差角度(これら両ベルト45、95が両ロール70、71による挟圧点を交点として挟む角度)が比較的大きく、これにより、上側の平滑面無端ベルト95が下側の網状無端ベルト45上の湿紙RP0に対して離隔した状態にある。このため、両ロール70、71の上流側へ搾り出された上記湿紙RP0に含まれている水分と脱水ロール70自身が保水していた水分の複合された水分Mの一部M´が、上記網状無端ベルト45を介して上記脱水ロール70に吸水されずに、湿紙RP0に吸収されて、湿紙RP0が再びスラリー化してしまうおそれがある。
なお、上側の平滑面無端ベルト95と下側の網状無端ベルト45との交差角度がそれほど大きくない場合には、上記のような問題は起こらないため、上記スラリー化防止ロール75の設置を省略することも可能である。
上記脱水ロール部41により圧搾脱水された湿紙RP0は、脱水ロール部41の下流側部位において、下側の網状無端ベルト45の上面から上側の平滑面無端ベルト95の下面に転写移転されて、平滑面無端ベルト95と共に搬送されて、乾燥ベルトコンベア部42による乾燥工程が実施される。
なお、上記移転作用は平滑面無端ベルト95の平滑面構造により起こるものと考えられる。つまり、下側の網状無端ベルト45の表面が、微細な連続気孔が多数開口されてなる微細凹凸面であるのに対して、上側の平滑面無端ベルト95の表面が孔のない平滑面であり、この結果、僅かに水分を含んでいる湿紙RP0が上記平滑面無端ベルト95の表面との間の表面張力で吸着されるものと考えられる。
また、前述したように、平滑面無端ベルト95の走行速度は、網状無端ベルト45の走行速度よりも大きく設定されており、これにより、脱水ロール部41により圧搾脱水された湿紙RP0が、下側の網状無端ベルト45の上面から上側の平滑面無端ベルト95の下面に転写移転されるに際して、上記湿紙RP0に上記速度差によるテンションがかけらる結果、湿紙RP0は皺が寄ることなく平滑な状態で平滑面無端ベルト95に転写され得る。
乾燥ベルトコンベア部42は、上記抄紙ネットコンベア部40で抄紙形成された後、脱水ロール部41で圧搾脱水された湿紙RP0を乾燥させて再生紙RPとする部位で、上記平滑面無端ベルト95、駆動モータ96および加熱乾燥部97を備えてなる。
平滑面無端ベルト95は、湿紙RP0を加熱乾燥させながら搬送するもので、具体的には、所定幅を有する平滑面構造の板材が所定長さの環状に接続形成されてなる無端ベルトである。
上記所定幅は、網状無端ベルト45と同様に、製造すべき再生紙RPの幅寸法よりも若干大きな寸法に設定される。また、平滑面構造の板材は、湿紙RP0の片側表面を適正な平滑面に仕上げることができ、かつ後述する加熱乾燥部97による加熱作用に耐え得る材質とされ、好適には、フッ素樹脂、ステンレス鋼等の可撓性耐熱材料で形成されており、図示の実施形態においては、フッ素樹脂製ベルトが採用されている。さらに、上記所定長さは、湿紙RP0が完成品である再生紙RPに加熱乾燥されるのに十分な長さで、かつ装置ケース5における乾燥ベルトコンベア部42の収容空間に収容し得る大きさに設定される。
この平滑面無端ベルト95は、図2および図6に示すように、駆動ローラ100、従動ローラ101、102、プレスロール71、スラリー化防止ロール75、平滑面仕上げロール103、103および予備脱水ロール74を介して、回転走行可能に懸架支持されるとともに、上記駆動ローラ100を介して、上記駆動モータ96に駆動連結されている。
平滑面無端ベルト95を走行駆動する駆動モータ96は、前述したように、上記抄紙ネットコンベア部40および脱水ロール部41の走行駆動源としても共用され、この共用のための構造つまり駆動連結機構が図6に示されている。
図6において、105は動力伝達ギヤ、106はスプロケット、107はスプロケット106、106間に掛け渡される動力伝達チェーン、および78は動力伝達軸をそれぞれ示している。
上記動力伝達ギヤ105、105、…、スプロケット106、106、…の歯車比は、駆動源が単一の駆動モータ96であることから、駆動ローラ100、従動ローラ101、102、プレスロール71、スラリー化防止ロール75、平滑面仕上げロール103、103および予備脱水ロール74のすべてが、平滑面無端ベルト95に対して、互いに実質的に同一の周速度をもってそれぞれ転動接触するように設定されている。
加熱乾燥部97は、上記平滑面無端ベルト95上の湿紙RP0を加熱乾燥する部位で、上記平滑面無端ベルト95の走行経路途中箇所に配されたヒータプレート109を加熱部として備える。
図示の実施形態のヒータプレート109は、上記平滑面無端ベルト95の走行経路における水平走行部分に設けられており、具体的には、平滑面無端ベルト95における上記湿紙RP0の保持面である上面と反対側面つまり下面に摺接して設けられている。これにより、上記平滑面無端ベルト95上の湿紙RP0は、上記ヒータプレート109により加熱された平滑面無端ベルト95により間接的に加熱乾燥されることとなる。
また、平滑面無端ベルト95の走行途中に、上記2つの平滑面仕上げロール103、103が配設されている。具体的には、これら平滑面仕上げロール103、103は、上記平滑面無端ベルト95の走行経路における水平走行部分において、上記ヒータプレート109と対向して並列状に配置されている。
そして、両平滑面仕上げロール103、103は、平滑面無端ベルト95上の湿紙RP0を順次転動加圧して、平滑面無端ベルト95の表面に接触する湿紙RP0の片側表面と反対側表面を適正な平滑面に仕上げる。
なお、図示の実施形態においては、2つの平滑面仕上げロール103、103が設けられているが、平滑面仕上げロールの配設数は目的に応じて適宜増減される。
上記平滑面無端ベルト95における上記加熱乾燥部97の下流側には、剥離部材110が設けられている。この剥離部材110は、具体的には耐熱性を有する弾性ヘラの形態とされており、図示の実施形態の剥離部材110は、弾性変形可能な0.1〜0.3mm厚程度のステンレス鋼板の外周面にテフロン(登録商標)加工が施されてなり、その基端部が固定側に支持されるとともに(図示省略)、その先端エッジ110aが上記平滑面無端ベルト95の表面に弾発的に当接係止されている。
そして、平滑面無端ベルト95上で乾燥処理されて搬送される乾紙つまり再生紙RPは、上記剥離部材110の先端エッジ110aにより、平滑面無端ベルト95の保持面から順次剥離されることとなる。
これに関連して、この剥離部材110の下流側つまり平滑面無端ベルト95の走行経路終端位置、つまり乾燥ベルトコンベア部42の終端位置には、上記平滑面無端ベルト95から剥離された再生紙RPを所定形状寸法(図示の場合は長さ寸法のみ)に切断する定寸カッタ111が設けられている。この定寸カッタ111の具体的構造は図示しないが、例えば、従来公知の両サイドスリッターの形態とされ、ソレノイドによりギロチンカット動作する構造が採用され得る。
そして、平滑面無端ベルト95から剥離された再生紙RPは、定寸カッタ111により所定長さ(図示の実施形態においては、A4版の縦寸法)に切断されて、再使用可能な形状寸法の再生紙RPとされ、装置ケース5の排出口112から排出される。なお、この場合の所定長さでの切断は、平滑面無端ベルト95のベルト送り量を近接スイッチ、エンコーダ等のセンサにより計測して行う。
IV.制御部4:
制御部4は、上述した離解部6および抄紙部3の各駆動部の動作を相互に連動して自動制御するもので、具体的には、CPU,ROM,RAMおよびI/Oポートなどからなるマイクロコンピュータで構成されている。
この制御部4には、パルプ製造部2のパルプ製造工程および抄紙部3の抄紙工程を連続して実行させるためのプログラム等が組み込まれるとともに、各駆動部の駆動に必要な種々の情報、例えば、離解部6における攪拌装置8の駆動時間および給水装置9の動作タイミング、あるいは、抄紙部3におけるコンベア部40、42の走行速度、加熱乾燥部97の駆動時間および定寸カッタ111の動作タイミングなどが、予めデータとしてまたはキーボード等により適宜選択的に入力設定されている。
また、上記制御部4には、前述したように、各フロートスイッチ18、19、30、87、88および各駆動部12、16、31、46(72、96)、89、105、111が電気的に接続されており、制御部4は、これらの各種実測値およびデータに従って、上記各駆動部12、16、31、46(72、96)、89、105、111を制御する。
しかして、以上のように構成された古紙再生装置1は、電源投入により起動して、制御部4により各駆動部が相互に関連して自動制御され、以下の工程を実行する。これにより、古紙再生装置1に投入された古紙UP、UP、…は、離解部6により離解処理されて、古紙UPに記載された機密情報や個人情報の漏洩・流出が有効に防止され、さらにはこの古紙パルプUPPが抄紙部3により抄紙されて再生紙RPに再生される。
i)加熱乾燥部97のヒータプレート109が発熱を開始して、所定温度まで昇温すると、以後自動でその所定温度を維持する。
ii)離解部7が運転を開始して、攪拌装置8の攪拌槽10に、給水装置9から水Wが所定量だけ供給される。この所定量は、攪拌槽10内に投入される古紙UP、UP、…を離解、叩解するのに最小限度必要な量であり(図示の実施形態においては約1,5リットル)、タイマーにより給水ポンプ16の給水時間を制御して行う。
iii)古紙UP、UP、…が、攪拌装置8の投入口10aから設定枚数(装置1の処理能力から設定された枚数(分量)(図示の実施形態の場合は、A4版約8枚≒32g))だけ投入されて、スタートスイッチがONされると、攪拌装置8が運転を開始して、攪拌インペラ11がタイマー運転により所定時間(図示の実施形態の場合は3〜5分間)だけ正転、逆転動作を繰り返すことにより、古紙UP、UP、…が離解、叩解されて、古紙パルプUPPとなる。
iv)所定時間の攪拌インペラ11のタイマー運転により古紙UP、UP、…が古紙パルプUPPとなったところで、叩解部7も運転を開始して、叩解機20の叩解槽23の供給口25および排出口26が開口するとともに、叩解部材21、22の回転側叩解部材22が回転を始める。
これにより、叩解槽23と攪拌槽10がパルプ回流槽を構成して、攪拌インペラ11により離解・叩解された古紙パルプUPPが、叩解槽23へ流入して叩解部材21、22の叩解隙間Aを回転中心から外周方向へ流れ、叩解部7の加圧叩解・インキ磨砕微細化作用を受けた後、再び攪拌槽10へ還流されて、以後、パルプ回流槽10、23を循環回流しながら、タイマー運転により所定時間だけ離解部6による攪拌離解と叩解部7による加圧叩解・インキ磨砕微細化作用を順次繰り返して受けることにより、古紙パルプUPPが、後工程の抄紙部3での抄紙再生に最適な紙力強度等が確保されるまで叩解される。
v)古紙パルプUPPが十分に叩解されると、叩解部7の運転が停止するとともに、攪拌装置8の排水弁が開いて、攪拌槽10内の古紙パルプUPPの全量が濃度調整槽36に排出供給される。
この場合、攪拌槽10内の洗浄も兼ねて、古紙パルプUPPの排出途中で給水装置9から攪拌槽10内への給水と攪拌インペラ11の回転が行なわれる。上記排出弁の開時間や洗浄用の給水、攪拌インペラ11の回転はすべてタイマーで順次行なわれる。
vi)濃度調整槽36に古紙パルプUPPが排出供給されるのと並行して、または排出供給後に、濃度調整槽36には濃度調整用給水部9から白水Wが加水供給される。白水Wの加水供給は、濃度調整槽36内のフロートスイッチ30が水量を検知して働くまで行なわれる。この白水Wの加水により、古紙パルプUPPの濃度が調整されて、所定濃度のパルプ懸濁液PSとなる。
図示の実施形態においては、古紙パルプUPPの全量(約32gの古紙UP+1.5リットルの水W)に対して、白水Wが濃度調整槽36内の水量が30.5リットル、つまり、古紙パルプUPPと水Wの合計体積(全量)が32リットルになるまで加水され、これにより、約0.1%濃度のパルプ懸濁液PSに調製される。
vii)濃度調整槽36で濃度調整が完了したパルプ懸濁液PSは、フロートスイッチ30がONになると、第一懸濁液供給ポンプ31が作動して、そのほぼ全量がパルプ供給槽85へ供給される。この全量供給もタイマー運転で行なわれる。
なお、パルプ懸濁液PSがパルプ供給槽85へ供給されている間は、白水回収槽15の水は濃度調整槽36へ入水されない(調整された濃度が変わるのを防止)。
viii)パルプ供給槽85内の下限水位用フロートスイッチ87(抄紙開始に必要な最少水量の水位に対応して配置されている)がONになると、駆動モータ46(72、96)が駆動して、網状無端ベルト45が走行駆動されて抄紙開始の状態になるとともに、パルプ供給槽85内のパルプ懸濁液PSが、第二懸濁液供給ポンプ89により、パルプ供給部47のオーバフロー槽81内へ供給される。
この場合、パルプ供給部47にパルプ懸濁液PSが送られる時間分だけ、上記駆動モータ46(72、96)が所定のタイムラグをもって駆動して、網状無端ベルト45は遅延運転される。
また、駆動モータ46(72、96)は、上記網状無端ベルト45だけでなく、脱水ロール部41のロール70、71の回転駆動源、乾燥ベルトコンベア部42の平滑面無端ベルト95の走行駆動源、および平滑面仕上げロール103、103の回転駆動源としても共用されているから、これらも同時に連動して運転される。
ix)上記オーバフロー槽81に供給されたパルプ懸濁液PSは、オーバフロー槽81からオーバフローして、仕切り部材79の平板部材82上に流下し、抄き枠体78の本体枠80と仕切り部材79との協働による滞留作用により、網状無端ベルト45上面に均一に拡散される。これと同時に、網状無端ベルト45の走行作用により、上記拡散されたパルプ懸濁液PSは、本体枠80により規定された幅寸法Lを保持しつつ網状無端ベルト45に引き摺られながら搬送されて、網状無端ベルト45の網目により濾過脱水されて、湿紙RP0となる。
この網状無端ベルト45により濾過脱水された白水Wは、給水装置9の白水回収槽15に回収されて、循環再利用される。
x)網状無端ベルト45と共に搬送される湿紙RP0は、予備脱水ロール74のところで、傾斜走行状態から水平走行状態に姿勢変換されながら、この予備脱水ロール74の吸水作用との協働作用による相乗効果で複合的にさらに軽く脱水された後、スラリー化防止ロール75の押付け作用により、網状無端ベルト45と平滑面無端ベルト95により挟持された状態で、脱水ロール部41へ送られる。
xi)脱水ロール部41において、スラリー化防止ロール75の押付け作用により、網状無端ベルト45と平滑面無端ベルト95により挟持された湿紙RP0は、脱水ロール70とプレスロール71の間を、これら両ロール70、71により上下両側から挟圧状に転動圧搾されながら通過する。これにより、湿紙RP0は、前述したように、スラリー化防止ロール75の予備的な補助作用も手伝って、図6(b)に示すような圧搾脱水メカニズムにより所定の含水率まで脱水される。
xii)脱水ロール部41により圧搾脱水された湿紙RP0は、脱水ロール部41の下流側部位において、下側の網状無端ベルト45から上側の平滑面無端ベルト95に転写移転されて、今度は、平滑面無端ベルト95と共に搬送されながら、乾燥ベルトコンベア部42のヒータプレート109により加熱乾燥されて、再生紙RPとなる。
また、これと並行して、湿紙RP0または再生紙RPは、平滑面無端ベルト95に対して上記ヒータプレート109と反対側に配された二つの平滑面仕上げロール103、103の連続した転動加圧により、平滑面無端ベルト95の表面に接触する側の表面と反対側の表面が適正な平滑面に仕上げられていく。
xiii)二つの平滑面仕上げロール103、103による表面仕上げを経た再生紙RPは、平滑面無端ベルト95の表面に固着状態で保持されており、剥離部材110の先端エッジ110aにより、平滑面無端ベルト95の保持面から順次剥離されるとともに、定寸カッタ111により所定長さに切断されて、再使用可能な形状寸法の再生紙RPとして、装置ケース5の排出口112から排出される。
ixv)パルプ供給槽85内のパルプ懸濁液PSが抄紙開始に必要な最少水量より減少すると(ほとんど空の状態)、下限水位用フロートスイッチ87がOFFとなり、第二懸濁液供給ポンプ89によるパルプ懸濁液PS供給が停止するとともに、駆動モータ46(72、96)も駆動停止して、抄紙工程が停止する。
この場合、駆動モータ46(72、96)は、現在抄紙中のパルプ懸濁液PSが全量再生紙RPになって上記排出口112から排出されるまでの時間分だけ、所定のタイムラグをもって駆動停止する。
xv)以後、iii)の工程に戻り、古紙UP、UP、…を設定枚数だけ追加投入して、(装置1の処理能力から設定された枚数(分量)(図示の実施形態の場合は、A4版約8枚≒32g))だけ投入されて、スタートスイッチが再びONされることにより、iv)〜ixv)の工程が順次連続して実行される。
なお、以上の工程は、古紙パルプ化・再生紙抄紙に必要な動作を示したものであって、実際の運転には他の安全対策等のインターロック制御が付加されている。
しかして、以上のような構成とされた古紙再生装置1においては、以下のような効果が得られ、大きな事業所等だけでなく、小規模店舗や一般家庭などにも設置可能であるとともに、環境に優しくかつランニングコストも低く抑えることができ、しかも、機密情報や個人情報など各種情報の漏洩・流出を確実に防止できて、高い機密性を保持することができる。
(1)什器サイズの装置ケース5内に、古紙UPを離解し叩解して古紙パルプUPPを製造するパルプ製造部2と、このパルプ製造部2で製造された古紙パルプUPPを抄紙して再生紙RPを製造する抄紙部3と、これらパルプ製造部2および抄紙部3を連動して駆動制御する制御部4を備えてなるから、古紙UPを廃棄処分することなく、古紙UPの発生元において自前で再生利用することができ、古紙UPの廃棄を軽減して、ゴミ問題解決に役立つばかりか、限りある資源を有効利用することができる。
特に、この種の古紙UPは機密上の問題からリサイクル化が進んでおらず、上記のように古紙UPの発生元において自前で再生利用することができることにより、資源有効利用の効果は顕著である。
(2)また、古紙UPの発生場所に、製紙工場や古紙再生工場の大規模な設備と同様な機能を有するコンパクトな古紙再生設備が設置されることにより、小規模店舗や一般家庭などにおいても、連続して紙の循環使用を可能にすることができ、さらには、古紙UPの回収廃棄に要する輸送費や焼却費等の各種経費も不要となって、経済的である。
(3)パルプ製造部2の叩解部7を構成する叩解機20が、古紙UPをその叩解作用面21a、22aにより加圧叩解するとともに、古紙UP上の文字、図形等を形成するインキ類を磨砕微細化する構成とされているから、一般の上水道設備から得られる飲料水などの水だけの使用で、製紙工場や古紙再生工場のような大規模な古紙再生設備において従来必須とされていた古紙脱墨剤等の製紙用薬剤の使用をまったく不要とすることも可能となる。
つまり、古紙UP上の文字、図形等を形成するインキ類が、上記叩解機20により磨砕微細化される結果、抄紙再生された再生紙RP上には、無数のきわめて微細な点からなる不規則なドットパターン(例えば、1平方ミリメートルあたり4〜30ドット、平均で8ドット程度)として点在生成されることになる。このように生成された不規則なドットパターンは、目視的には、遠目に見た場合は薄い着色がなされた無地の紙として認識される一方、近目に見た場合は均一な微細な点模様として認識されることになり、いずれにしても白色度の高い再生紙RPを得ることができ、脱墨と同等な効果が得られる。
このように、特別な製紙用薬剤を使わずに、通常の水だけで古紙UPの再生処理が実現することにより、近時、世界的規模で広がっている環境汚染の問題もなく、厳しさを増しつつある環境関連の諸規制にも容易かつ円滑に対応することが可能で、環境にやさしい古紙再生装置を提供することができる。
(4)パルプ製造部2は、古紙UPを攪拌破砕して離解する離解部6と、この離解部6で離解された古紙UPを叩解する叩解部7とからなり、これら離解部6および叩解部7が古紙パルプUPPを循環させる循環式とされているから、古紙パルプUPPの叩解が目的に応じて効率よく行われて、最適な叩解効果が得られ、その結果、再生紙RPに良好な紙品質を確保することができる。
(5)古紙UPを離解し叩解して古紙パルプUPPを製造するパルプ製造部2により、古紙UPは繊維レベルまで分解されて(パルプ化)、そこに記載された文字や線図は完全に分解消滅してしまい、復元不可能である。これにより、これら文字や線図から構成される機密情報や個人情報の漏洩・流出を確実に防止することができ、高い機密性を保持することができる。
(6)装置構造がコンパクトで、大きな事業所等だけでなく、小規模店舗や一般家庭などにも設置可能であり、この観点からも、機密情報や個人情報など各種情報の漏洩・流出を確実に防止することができる。
(7)上記パルプ製造部2で使用される水Wに、上記抄紙部3で脱水回収される水Wが帰還利用される水循環方式とされることにより、および/または、上記パルプ製造部2および抄紙部3の駆動源が一般家庭用交流電源により駆動する電動駆動源であることにより、環境に優しくかつランニングコストも低く抑えることができ、この点においても経済的である。
(8)古紙UPが発生する場所に配置されて、パルプ製造部2により、発生した古紙UPが離解処理されて古紙パルプUPPとされるとともに、抄紙部3により、上記古紙パルプUPPが抄紙されて再生紙RPとされ、これにより、上記古紙UPが、その発生場所内において再生紙RPとして循環使用される構成とされていることにより、古紙UPに記載された文字や線図等の各種情報が古紙UPの発生場所外へ拡散することが全くなく、この点からも、機密情報や個人情報の漏洩・流出を確実に防止することができ、高い機密性を保持することができ、また資源の有効利用を図ることもできる。
すなわち、本実施形態の古紙再生装置1を使用することにより、その使用に係る一定の系(例えば、学校、病院、市役所、法律事務所、特許事務所、一般家庭等)の外へ上記各種情報が拡散するおそれが全くなくなる。
換言すれば、例えば従来周知のシュレッダの場合、古紙が裁断されて小片となり、そこに記載された文字や線図が判読不能となったとしても、裁断された紙片は焼却場等で廃棄処分されることになるため、上記系外への拡散を完全に防止することはできない。この点に関して、上記系外への拡散を防止する目的で、系内の倉庫に保管するという方法も考えられるが、反面、そのような保管場所の確保が必要となり、対象となる紙も一回の使用のみでは、資源の有効利用という観点から効率が悪い。
これに対して、本実施形態の古紙再生装置1によれば、古紙UPに記載される各種情報がその使用に係る系外へと拡散しまうことは全くなく、しかも、資源を有効に活用することができる。
実施形態2
本実施形態は図11〜図14に示されており、実施形態1における叩解部7の構成が改変したものである。
すなわち、本実施形態の叩解部7は、実施形態1と同様、一台の叩解機120を備えてなる。
この叩解機120は、図11に示すように、微小な叩解隙間Aをもって対向配置されるとともに、相対的に移動する複数(図示の場合は二つ)の叩解部材121、122を主要部として構成されている。
これら両叩解部材121、122は、相対的に回転する円盤状の形態とされ、上側の叩解部材121が固定側とされるとともに、下側の叩解部材122が回転側とされてなる。
つまり、実施形態1と同様に、上側の固定側叩解部材121は、上記上側槽23aの天部内側面に適宜の固定手段により固定的に設けられており、この固定側叩解部材121に対して、下側の回転側叩解部材122が微小な叩解隙間Aをもって同心状にかつ回転可能に対向配置されている。また、この回転側叩解部材122は、回転基台28上に一体的に設けられるとともに、この回転基台28の回転支軸28aが、駆動モータ24の回転軸24aに直接取り付け固定されて、ダイレクトモータ構造とされている。
また、上記微小な叩解隙間Aを形成する両叩解部材121、122の叩解作用面121a、122aは、多数の叩解溝124、124、…が設けられてなる平坦面の形態とされて、これら両叩解作用面121a、122a間に、図11に示すように、至近距離の平行面で形成される上記叩解隙間Aが形成されている。
上記叩解溝124、124、…は、叩解作用面121a、122aの摩擦係数を上げるための構造であり、その形成パターンとしては、図12(a)、(b)あるいは図14(a)に例示されるような、種々の形態が採用され得る。また、これら叩解溝124、124、…の断面形状も、図13(a)、(b)、(c)、(d)または図14(b)に例示されるように種々の形状が採用され得る。
また、両叩解作用面121a、122a、つまり両叩解部材121、122の構成材料としては、セラミックス、ステンレス鋼、アルミニウム、ガラス、陶磁器、塩化ビニル、あるいは木など、種々の材料が使用可能であるが、叩解部材121、122さらには叩解機120の耐久性を考慮すると、ステンレス鋼等の硬質金属が好適である。
上記叩解隙間Aの間隙寸法は、0.05mm〜0.8mm程度に設定されている。なお、この叩解隙間Aの間隙寸法は、叩解槽23の上側槽23aと下側槽23bを相対的に回転操作して、それらの螺合部分を螺進退させることで、微調整可能とされているのは実施形態1と同様である。
しかして、以上のように構成された叩解機120にあっては、駆動モータ24により、回転側叩解部材122が固定側叩解部材121に対して回転駆動された状態において、上記離解部6の攪拌槽10から叩解槽23の供給口25へ供給される古紙パルプUPPは、上記入口29から叩解隙間Aに流入して、この叩解隙間Aを通過しながら、相対的に回転する叩解作用面121a、122aによる加圧叩解作用を受けるとともに、古紙UP上の文字、図形等を形成するインキ類が磨砕微細化され、この後、上記出口30から叩解槽23の排出口26を介して、再び上記攪拌槽10へ還流される(図11における矢符で示される流通経路を参照)。
その他の構成および作用は実施形態1と同様である。
実施形態3
本実施形態は図15および図16に示されており、実施形態1における叩解部7の構成が改変したものである。
すなわち、本実施形態の叩解部7も、実施形態1と同様、一台の叩解機130を備えてなる。この叩解機130は、図15に示すように、微小な叩解隙間Aをもって対向配置されるとともに、相対的に移動する複数(図示の場合は二つ)の叩解部材131、132を主要部として構成されている。
これら両叩解部材131、132は、相対的に回転するいわゆるすり鉢状の形態とされ、その外観形状は図16に示すとおりである。
これに対応して、これら叩解部材131、132を密閉状に収容する叩解槽133は、図15に示すように、両叩解部材131、132の外周に沿った断面輪郭形状を有し、また、実施形態1と同様に、上側槽133aと下側槽133bが相互に螺合結合されてなる上下分割構造を備える。
具体的には、上側の叩解部材131は固定側とされて、上記叩解槽133の上側槽133aの内側面に適宜の固定手段により固定的に設けられており、この固定側叩解部材131に対して、下側の回転側叩解部材132が微小な叩解隙間Aをもって同心状にかつ回転可能に対向配置されている。
この回転側叩解部材132は、その中心部位が回転支軸28aに直接取付け固定されるとともに、この回転支軸28aが叩解槽133の下側槽133bの底部中央の開口27を介して、叩解槽23の外部へ臨み、回転駆動源である駆動モータ24の回転軸24aに直接取り付け固定されて、ダイレクトモータ構造とされている。
また、上記微小な叩解隙間Aを形成する両叩解部材131、132の叩解作用面131a、132aは、図15に示すように、その径寸法が下向きに連続的に大きくなるテーパ面形状とされるとともに、多数の叩解溝134、134、…が設けられて、これら両叩解作用面131a、132a間に、至近距離の平行な円錐面で形成される上記叩解隙間Aが形成される。
上記叩解溝134、134、…は、叩解作用面131a、132aの摩擦係数を上げるための構造であって、その形成パターンは、図16に示されるような形態とされている。また、これら叩解溝134、134、…の断面形状は、実施形態2の図13(a)〜(d)または図14(b)に例示されるように種々の形状が採用され得る。
両叩解部材131、132の構成材料としては、セラミックス、ステンレス鋼、アルミニウム、ガラス、陶磁器、塩化ビニル、あるいは木など、種々の材料が使用可能であるが、叩解部材131、132さらには叩解機130の耐久性を考慮すると、ステンレス鋼等の硬質金属が好適である。
上記叩解隙間Aの間隙寸法は、0.05mm〜0.8mm程度に設定されている。なお、この叩解隙間Aの間隙寸法は、叩解槽133の上側槽133aと下側槽133bを相対的に回転操作して、それらの螺合部分を螺進退させることで、微調整可能とされているのは実施形態1と同様である。
しかして、以上のように構成された叩解機130にあっては、駆動モータ24により、回転側叩解部材132が固定側叩解部材131に対して回転駆動された状態において、上記離解部6の攪拌槽10から叩解槽133の供給口25へ供給される古紙パルプUPPは、上記入口29から円錐状に広がる微小な叩解隙間Aに流入して、この叩解隙間Aを通過しながら、相対的に回転する叩解作用面131a、132aによる加圧叩解作用を受けるとともに、古紙UP上の文字、図形等を形成するインキ類が磨砕微細化され、この後、上記出口30から叩解槽133の排出口26を介して、再び上記攪拌槽10へ還流される(図15における矢符で示される流通経路を参照)。
その他の構成および作用は実施形態1と同様である。
実施形態4
本実施形態は図17に示されており、実施形態1における叩解部7の構成が改変したものである。
すなわち、本実施形態の叩解部7も、実施形態1と同様、一台の叩解機140を備えてなる。この叩解機140は、図17に示すように、微小な叩解隙間Aをもって対向配置されるとともに、相対的に移動する複数(図示の場合は二つ)の叩解部材141、142を主要部として構成されている。
これら両叩解部材141、142は、相対的に往復移動する平板状の形態とされ、図示しない密閉型の叩解槽に内装されてなる。
具体的には、一方の叩解部材141が固定側とされて、上記叩解槽の内側面に適宜の固定手段により固定的に設けられるとともに、この固定側叩解部材141に対して、他方の移動側叩解部材142が、微小な叩解隙間Aをもって図17の矢符方向へ平行に往復移動可能に対向配置されている。
この移動側叩解部材142の具体的な駆動機構は図示しないが、適宜の往復移動案内手段により案内支持されるとともに、往復シリンダ装置やカム機構と駆動モータの組合せ機構などの適宜の往復駆動源に駆動連結されている。
また、上記微小な叩解隙間Aを形成する両叩解部材141、142の叩解作用面141a、142aは、図示のような平坦面形状とされるとともに、多数の叩解溝144、144、…が設けられて、これら両叩解作用面141a、142a間に、至近距離の平行な平坦面で形成される上記叩解隙間Aが形成される。
上記叩解溝144、144、…は、叩解作用面141a、142aの摩擦係数を上げるための構造であって、その形成パターンは、図示のような形態とされている。また、これら叩解溝144、144、…の断面形状は、図示のような略円弧形状とされるほか、実施形態2の図13(a)〜(d)または図14(b)に例示されるように種々の形状が採用され得る。
両叩解部材141、142の構成材料としては、セラミックス、ステンレス鋼、アルミニウム、ガラス、陶磁器、塩化ビニル、あるいは木など、種々の材料が使用可能であるが、好適にはステンレス鋼等の硬質金属が使用されて、叩解部材141、142さらには叩解機140の耐久性が確保される。
上記叩解隙間Aの間隙寸法は、実施形態2および3と同様に、0.05mm〜0.8mm程度に設定される。
しかして、以上のように構成された叩解機140にあっては、具体的には図示しないが、往復駆動源により、移動側叩解部材142が固定側叩解部材141に対して往復移動された状態において、上記離解部6の攪拌槽10から叩解槽(図示省略)の供給口25へ供給される古紙パルプUPPは、上記入口29から平行して広がる微小な叩解隙間Aに流入して、この叩解隙間Aを通過しながら、相対的に回転する叩解作用面141a、142aによる加圧叩解作用を受けるとともに、古紙UP上の文字、図形等を形成するインキ類が磨砕微細化され、この後、上記出口30から上記叩解槽の排出口26を介して、再び上記攪拌槽10へ還流される。
その他の構成および作用は実施形態1と同様である。
実施形態5
本実施形態は図18に示されており、実施形態1における叩解部7の構成が改変したものである。
すなわち、本実施形態の叩解部7は、実施形態1においては一台の叩解機20のみを備えているのに対して、図示のごとく、複数台の叩解機150、150、…から構成されている。
これら複数台の叩解機150、150、…は、その叩解槽23、23、…が連続して接続されて、全体として一つの密封槽を形成し、最上流側の叩解機150aの叩解槽23の供給口25が、上記離解部6の攪拌槽10に連通可能とされるとともに、最下流側の叩解機150nの叩解槽23の排出口26が、上記離解部6の攪拌槽10に連通可能とされている。
また、これら最上流側および最下流側の叩解機150a、150nの間に介装される叩解機150b、…、150n−1は、それぞれ、その叩解槽23の供給口25が上流側に隣接する叩解機の排出口26に連通可能とされるとともに、その叩解槽23の排出口26が下流側に隣接する叩解機の供給口25に連通可能とされている。
各叩解機150の具体的構造は、図示の実施形態の場合、実施形態1の叩解機20と同様であるが(図4および図5参照)、実施形態2の叩解機120(図11図〜14参照)、実施形態3(図15図および図16参照)または実施形態4(図17参照)と同様な構造が採用されてもよく、あるいはこれら実施形態の構造が適宜組み合わされても良い。
なお、本実施形態においては、各叩解機150の回転支軸28a、28a、…が同軸状に配置接続されるとともに、単一の駆動モータ24に駆動連結されて、回転駆動源が共用される構成とされている。
また、各叩解機150の叩解部材21、22により形成される微小な叩解隙間Aの間隙寸法は、上流側から下流側へいくに従って徐々に小さくなるように設定され、例えば、最上流側の叩解隙間Aの間隙寸法が0.8mm程度に設定されるとともに、その下流側へいくに従って順次小さくなるよう設定され、最下流側の叩解隙間Aの間隙寸法が0.05mm程度に設定される。
しかして、単一の駆動モータ24により、連続する叩解機150a、150b、…、150nの回転側叩解部材22、22、…がそれぞれ対応する固定側叩解部材21、21、…に対して回転駆動された状態において、上記離解部6の攪拌槽10から最上流側の叩解槽23の供給口25へ供給される古紙パルプUPPが、連続する叩解機150a、150b、…、150nのそれぞれの叩解隙21a、22a、…間を順次通過しながら各叩解作用面21a、22aにより加圧叩解されるとともに、古紙上の文字、図形等を形成するインキ類が磨砕微細化されて、上記最下流側の叩解槽150nの排出口26から再び上記離解部6の攪拌槽10へ還流される(図18における矢符で示される流通経路を参照)。
以上のように、複数段階ないしは多段階に叩解機150、150、…が接続されてなる構成にあっては、実施形態1のように、パルプ製造部2の離解部6と叩解部7が古紙パルプUPPを複数回循環させる循環式に対して、この循環数を減少ないしはゼロとして、叩解時間を短縮させることも可能となり、古紙パルプUPPの叩解のより効率化を図ることも可能である。
その他の構成および作用は実施形態1と同様である。
実施形態6
本実施形態は図19に示されており、実施形態1における叩解部7の構成が改変したものである。
すなわち、本実施形態の叩解部7は、実施形態5と同様に、図示のごとく、複数台の叩解機160、160、…から構成されている。
本実施形態の叩解部7においては、連続して接続された複数台の叩解機160a、160b、…、160nは、それぞれ独立した駆動モータ24、24、…を備えてなり、目的に応じて、各叩解機160における叩解部材21、22の相対的回転速度をそれぞれ個別に制御することができる構成とされている。
その他の構成および作用は実施形態1と同様である。
実施形態7
本実施形態は図20に示されており、実施形態1における叩解部7の構成が改変したものである。
すなわち、本実施形態の叩解部7は、実施形態1と同様、一台の叩解機170を備えてなる。
この叩解機170は、図示のように、微小な叩解隙間Aをもって対向配置されるとともに、相対的に移動する複数(図示の場合は三つ)の叩解部材171、172、173を主要部として構成されている。
これら叩解部材171、172、173は、相対的に回転する円盤状の形態とされ、上下部一対の叩解部材171および173が固定側とされるとともに、これら両固定側叩解部材171、173間に対向配置された中間部の叩解部材172が回転側とされてなる。
これに対応して、図示しないが、これら叩解部材171、172、173を密閉状に収容する叩解槽は、叩解部材171、172、173の外周に沿った断面輪郭形状を有する円筒状され、また、実施形態1と同様に、上側槽と下側槽が相互に螺合結合されてなる上下分割構造を備える。
上下部の固定側叩解部材171、173は、上記上側槽の天部内側面および下側槽の底部内側面に適宜の固定手段によりそれぞれ固定的に設けられており、これら上下両固定側叩解部材171、173の間に介装される回転側叩解部材172は、上下両固定側叩解部材171、173に対して、それぞれ微小な叩解隙間A、Aをもって同心状にかつ回転可能に対向配置されている。また、この回転側叩解部材122は、その中央部が回転支軸28aに取付け固定されるとともに、この回転支軸28aが回転駆動源である駆動モータ24の回転軸に直接接続されて、ダイレクトモータ構造とされている。
また、上側の固定側叩解部材171の叩解作用面171aの中心部位に、上記叩解槽の供給口に連通する入口29が形成されるとともに、上記三つの叩解部材171、172、173の叩解作用面171a、172a、172b、173aの外周縁部間に形成される二つの環状隙間30、30が上記叩解槽の排出口に連通する出口30、30とされている。
上記叩解部材171、172、173、の相互に対向する叩解作用面171a、172a、172b、173aは、実施形態1と同様に、多数の砥粒が結合材により結合されてなる砥石面の形態とされ、これら叩解作用面171a、172a、172b、173aは、その径寸法が互いの対向方向へ連続的に大きくなるテーパ面形状とされて、その間に両円錐形状の上記叩解隙間A、Aがそれぞれ形成されている。
また、上記回転側叩解部材172の中心部位には、上記入口29からの古紙パルプUPPを上記上下叩解隙間A、Aに流通させるとともに、上記出口30、30に向けて押し出すブレード174、174、…が周方向へ所定間隔をもって設けられている。
上記叩解隙間A、Aの間隙寸法は、0.05mm〜0.8mm程度に設定されている。なお、実施形態1と同様に、叩解隙間Aの間隙寸法は、図示しない叩解槽の上側槽と下側槽を相対的に回転操作して、それらの螺合部分を螺進退させることで、微調整可能とされている。
しかして、以上のように構成された叩解機170にあっては、駆動モータ24により、中間部の回転側叩解部材172が上下両固定側叩解部材171、173に対して回転駆動された状態において、上記離解部6の攪拌槽10から叩解槽の供給口25へ供給される古紙パルプUPPは、上記入口29から叩解隙間A、Aに流入して、これら叩解隙間A、Aを通過しながら、相対的に回転する叩解作用面171a、172a、172b、173aによる加圧叩解作用を受けるとともに、古紙UP上の文字、図形等を形成するインキ類が磨砕微細化され、この後、上記出口30、30から上記叩解槽の排出口26を介して、再び上記攪拌槽10へ還流される(図20(a)、(a)における矢符で示される流通経路を参照)。
その他の構成および作用は実施形態1と同様である。
実施形態8
本実施形態は図21〜図23に示されており、実施形態1の古紙再生装置1を若干改変したものである。
すなわち、本実施形態の古紙再生装置1においては、実施形態1の抄紙部3における脱水ロール部41と乾燥ベルトコンベア部42の具体的構造が若干改変されている。
本実施形態の脱水ロール部41は、主要部である脱水ロール70、プレスロール71および駆動モータ72の補助部として、予備脱水ロール74およびスラリー化防止ロール75に加えて、排水ロール180が設けられている。
この排水ロール180は、脱水ロール70の脱水層70bに含まれる水分を圧搾排水するもので、高剛性材料からなる小径の円筒ロールの形態とされ、脱水ロール70の外周面に加圧状態で転接されてなる。
そして、上記脱水ロール70の回転動作に伴い、上記排水ロール180が脱水ロール70の脱水層70bを転動圧搾して、この脱水層70bに吸収されている水分が圧搾排水される。
このような構成とすることにより、叩解の進んだ古紙パルプUPPは濾過脱水性に劣り、網状無端ベルト45から容易に脱水出来ない場合があるところ、脱水ロール70に対して、排水ロール180が補助的に配されることで、脱水層70bの排水量が可及的に増加されて、脱水ロール部41における圧搾脱水作用が実施形態1に比較してさらに有効に発揮され得る。
同様の目的から、図示の実施形態においては、予備脱水ロール74に対しても、排水ロール181が補助的に設けられている。この排水ロール181の具体的構造は上記排水ロール180と同様である。
また、乾燥ベルトコンベア部42は、具体的には、加熱乾燥部97を構成するヒータプレート109が、複数箇所に設けられてなる。
本実施形態においては、実施形態1におけるヒータプレート109が3分割された構造とされて、これら各ヒータプレート109a、109b、109cの加熱温度がそれぞれ個別に調整可能な構成とされている。
また、本実施形態においては、上記ヒータプレート109a、109b、109cに対向して設けられる平滑面仕上げロール123の配設数が、実施形態1の2本構成から、6本構成に増加されており、これら6本の平滑面仕上げロール123、123、…は、ヒータプレート109a、109b、109cの全面に対向して、小さな間隔をもって平行に並列して配されている。
また、本実施形態の平滑面仕上げロール123は、その内部にヒーターが組み込まれて、加熱ロールとしての機能を兼備している。
しかして、以上のように構成された加熱乾燥部97において、上記平滑面無端ベルト95上の湿紙RP0は、上記ヒータプレート109a、109b、109cにより加熱乾燥されるところ、湿紙RP0の含水率によっては平滑面仕上げロール123、123、…に湿紙RP0が巻き付くことから、例えば、最初のヒータープレート109aによって、平滑面仕上げロール123、123、…に巻き付かない程度の含水率まで乾燥する。
また、次のヒータプレート109b、109c以降においては、平滑面仕上げロール123、123、…により、湿紙RP0を上側から順次転動加圧して押さえるとともに、これら平滑面仕上ロール123、123、…とヒータープレート109b、109cとにより、湿紙RP0を表裏両側から加熱して、紙面に皺を作ることなく表裏両面を適正な平滑面に乾燥させ仕上げる。
このような構成とされることにより、叩解の進んだ古紙パルプUPPは、前述したように、濾過脱水性に劣るだけでなく、その乾燥においても蒸気を容易に放散できずに、蒸気による皺、カール、うねり等の歪みが生じやすいという問題があるところ、これらの問題が解消され得る。
その他の構成および作用は実施形態1と同様である。
実施形態9
本実施形態は図24〜図27に示されており、実施形態1の古紙再生装置1を若干改変したものである。
すなわち、本実施形態の古紙再生装置1においては、パルプ製造部2のパルプ濃度調整装置35の構成が主として改変されて、使用水量の減少化と古紙再生装置1全体のよりコンパクト化が図られている。以下、これら実施形態1に対して改変された各構成部について具体的に説明する。
II.パルプ製造部2:
本実施形態のパルプ製造部2のパルプ濃度調整部35は、実施形態1が、濃度調整槽36において、攪拌槽10から供給される古紙パルプUPPの全量(約32gの古紙UP+1.5リットルの水W)に対して、濃度調整用給水部9から水Wが加水されて、これら古紙パルプUPPと水Wの合計体積が所定値(32リットル)になることにより、所定濃度(約0.1%濃度(目標濃度))のパルプ懸濁液PSとなるように構成されているのに対して、攪拌槽10から供給される古紙パルプUPPの全量から所定分量だけ区分され、この区分された所定分量に対して、濃度調整用給水部9から水Wが加水されて、この区分された所定量の古紙パルプUPPと水Wの合計体積が所定値になることにより、所定濃度のパルプ懸濁液PSとなるように構成されている。
この結果、本実施形態の古紙再生装置1においては、実施形態1の装置よりも使用水量の減少化と装置の小型化を実現できるにもかかわらず、処理能力は逆に大幅に向上させることも可能である。例えば、攪拌槽10の内容積は、一度に攪拌処理すべき古紙UPの枚数に応じて設定されるところ、本実施形態においては、後述するように、約5リットルの水を加えて、A4判のPPC古紙UPを25枚程度(約100g)一度に攪拌処理(バッチ処理)できる容積を有する攪拌槽10とすることが可能となる(実施形態1の処理能力の約3倍の処理能力となる)。
この目的のため、本実施形態においては、実施形態1における上記濃度調整槽36が攪拌槽10から送られてくる離解・叩解された古紙パルプ古紙パルプUPPを一旦貯留するパルプ貯留槽として機能し、このパルプ貯留槽36の下流側に、小さな二つの槽201、202からなる濃度調整槽200が設けられている。
すなわち、図26に示すように、この濃度調整槽200は、上記攪拌槽10から供給される古紙パルプUPPの全量つまり上記パルプ貯留槽36に貯留された古紙パルプUPPの全量から所定分量だけ区分するパルプ区分槽201と、この区分された所定分量の古紙パルプUPPに対応した量の水Wを上記濃度調整用給水部9から供給される水貯留槽202とを備えてなる。
具体的には、この水貯留槽202内の上部位置に、上記パルプ区分槽201が内装された二重槽の形態とされており、このパルプ区分槽201の底部に、排水口201aが設けられている。
パルプ区分槽201の内容積は、上記パルプ貯留槽36に貯留された古紙パルプUPPから区分供給される所定分量に応じて設定され、同じく、水貯留槽202の内容積は、上記パルプ区分槽201の体積に加えて、パルプ区分槽201内に区分収容される古紙パルプUPPに対応した水Wの量に応じて設定されている。図示の実施形態においては、パルプ貯留槽36が、例えば、25枚程度(約100g)のA4判の古紙UPがバッチ処理されて、これに対応した量の古紙パルプUPPを貯留できる容積(実質的に実施形態1の濃度調整槽36と同容積)を有するとすると、パルプ区分槽201の内容積は、例えば150cc程度収容可能な大きさに設定され、また、水貯留槽202の内容積は、例えば、3リットル程度収容可能な大きさに設定される。
これに関連して、上記パルプ区分槽201の底部には、排水口201aが設けられており、この排水口201aは、排水弁201bにより開閉動作される構成とされている。この排水弁201bは、具体的には電磁開閉弁からなり、上記制御部4に電気的に接続されている。また、水貯留槽202の底部には、排水口202aが設けられており、この排水口202aは排水弁202bにより開閉動作される構成とされている。これら排水弁201b、202bは具体的には電磁開閉弁からなり、それぞれ上記制御部4に電気的に接続されている。
上記濃度調整槽200において、攪拌槽10からパルプ貯留槽36に供給収容される古紙パルプUPPの全量(約100gの古紙UP+5リットルの水W)から所定分量(150cc)だけ区分されて、濃度調整槽200のパルプ区分槽201へ移送収容される。一方、この区分された古紙パルプUPPの所定分量に対応して、この水貯留槽202に濃度調整用給水部9から水Wが約3リットル(正確には、古紙パルプUPPの所定分量(150cc)との合計が3リットルとなる量)だけ移送収容される。
続いて、パルプ区分槽201の排水口201aが排水弁201bにより開放されて、パルプ区分槽201の古紙パルプUPPが全量(150cc)、上記水貯留槽202内へ自重により落下供給されて、水貯留槽202内の水Wと混合し、これにより、水貯留槽202内に、所定濃度(約0.1%濃度(目標濃度))のパルプ懸濁液PSが混合調製される。
なお、この調製されるべきパルプ懸濁液PSの目標濃度が、予め行なった実験データに基づいて、後述する抄紙部3における抄紙能力を考慮して設定されているのは実施形態1と同様である。
しかして、上記濃度調整部9の濃度調整槽200で約0.1%濃度(目標濃度)に調製されたパルプ懸濁液PSは、パルプ区分槽201の排水口201aが排水弁201bにより開放されて、全量が次工程の抄紙部3のパルプ供給槽85へ自重により落下供給されて、貯留される。
上述したパルプ濃度調整部35による区分形式の濃度調整インターバルは、パルプ供給槽85内のパルプ懸濁液PSが一定値以下にならない程度のタイミングをもって設定されて、例えば、抄紙部3が、3リットルのパルプ懸濁液PSを約1分間で抄紙処理するように制御されるとすると、上記パルプ濃度調整部35による濃度調整インターバルが1分以内に設定される。
このように、パルプ濃度調整部35による濃度調整が実施形態1のような全量一括式ではなく、区分形式つまり小出し形式で行われることにより、使用水量が大幅に減少されるばかりか、濃度調整槽200の形状寸法の大幅な縮小化も可能となり、さらには古紙再生装置1全体のコンパクト化が図られ得る。
III.抄紙部3:
抄紙部3の抄紙ネットコンベア部40において、パルプ供給部47の具体的構造は、図27に示すように、網状無端ベルト45が走行方向へ向けて上向き傾斜状に配置されるとともに、この網状無端ベルト45の上下両側位置に、抄き枠体78および仕切り部材79がそれぞれ配置されてなる。
抄き枠体78は、網状無端ベルト45の上面に摺接可能に配設されるもので、本体枠80、この本体枠80の内側に設けられた流通路210、およびこの流通路210の出口側部位に設けられた平板部材211を備える。
本体枠80は、実施形態1と同様に、先端部つまり網状無端ベルト45の走行方向側端部が開放された平面コ字形状とされ、その下端面80aが傾斜走行する上記網状無端ベルト45の上面に摺接するように配されるとともに、本体枠80の枠内幅寸法L(図8参照)が製造すべき再生紙RPの幅寸法に設定されている。
流通路210は、上記本体枠80内に設けられた複数の堰部材212、212、…から主として構成されている。
図示の実施形態においては、本体枠80の底面を形成する底板213と、本体枠80内に起立状に設けられた3枚の堰部材212a、212b、212cとから、上記流通路210が形成されている。
具体的には、図27(a)に示すように、上記3枚の堰部材212a、212b、212cが上記本体枠80内に所定の等間隔をもって起立状にかつ平行に設けられて、上記流通路210が上下方向へ曲がりくねって形成されており、この流通路210の進行方向は、その入口210aつまり上記底板213に開設された開口から上方向へ向けて延びる一方、その出口210bへ向けて上方向へ延びる構成とされている(図27(a)における矢符参照)。上記入口210aは、パルプ懸濁液PSを供給するパルプ供給槽85に連通可能とされている。
これら本体枠80内に起立状に設けられた堰部材212a、212b、212cのうち、上記流通路210の上向きから下向きに変わる部位を仕切り形成する堰部材、つまり本実施形態においては堰部材212aの上端縁は、後述するように平板部材211上に流れて滞留するパルプ懸濁液PSの水位(図27(a)における水平線H)よりも低くなるように設定されている。
また、上記流通路210の入口210aの近傍位置には、仕切り板214が流通路210を仕切るように設けられるとともに、この仕切り板214に、図27(b)に示すように、複数の連通孔214a、214a、…が所定間隔をもって開設されている。
平板部材211は、流通路210の出口210b側部位に設けられて、上記網状無端ベルト45の網目を上側から閉塞状態に被覆している。
これに関連して、仕切り部材79は、実施形態1と同様に、複数本の骨組み部材79a、79a、…からなる水切り可能なスノコ構造を備え、上記網状無端ベルト45の下面全幅を摺接支持する形状寸法を有する一方、実施形態1における平板部材82が省略されている。
また、この平板部材211の先端縁には、上記網状無端ベルト45上へのパルプ懸濁液の円滑な流れを確保するための薄い案内シート215が設けられている。この案内シート215の先端縁215aは、上記仕切り部材79のスノコ構造を形成する桟つまり上記骨組み部材79a、79a、…の一つ(本実施形態においては最後部の桟79a)に対応した位置に設定され、具体的には、この桟79aにより支持される網状無端ベルト45の上面部位に摺接配置されている。
そして、パルプ供給槽85からパルプ懸濁液PSが、上記入口210aから抄き枠体78内の流通路210に供給されると、この曲がりくねった流通路210を図27に矢符にて示されるようにゆっくりと通過した後に、出口210bから平板部材211上に流れて滞留し、これにより、走行方向へ向けて上向き傾斜状に配置されて走行する上記網状無端ベルト45上面に均一に拡散して供給される。
このパルプ供給部47におけるパルプ懸濁液PSの流通経路構造における作用効果は以下のとおりと推測される。
(i)複数の連通孔214a、214a、…を有する仕切り板214の存在:
仕切り板214が流通路210を仕切るように設けられるとともに、この仕切り板214に、複数の連通孔214a、214a、…が開設されていることにより、パルプ供給槽85から供給されるパルプ懸濁液PSが、この仕切り版214の複数の連通孔214a、214a、…を通過する際に、流通路210全体に分散されて、流通路210の断面開口全体に流量が均一になるように調整される。
(ii)流通路210の曲がりくねった経路:
堰部材212(212a、212b、212c)により区画形成される曲流通路210は曲がりくねって長く、パルプ懸濁液PSがこのような流通路210を通過することで、均等に分散される。
(iii)堰部材212aの上端縁の高さ:
上記流通路210において上向きから下向きに変わる部位を仕切り形成する堰部材212aの上端縁の高さが、図27(a)に示すように、平板部材211上に流れて滞留するパルプ懸濁液PSの水位Hよりも低くなるように設定されていることで、パルプ懸濁液PSの水位の脈打ち現象が有効に防止される。
堰部材212aの上端縁の高さがパルプ懸濁液PSの水位Hに非常に近い場合(水位Hよりも1〜2mm低い)、パルプ懸濁液PSが網状無端ベルト45のネットで濾水されて、上記水位が低下すると、流通路210に入口210a下部から供給されるパルプ懸濁液PSが、上記堰部材212aを乗り越える間のタイムラグを生じ、これにより水位Hが脈打ちを起こして、再生紙RPの地合に横縞模様を生じさせてしまう。
これに対して、図示の実施形態のように、上記堰部材212aの上端縁の高さが上記水位Hよりも低くなるように設定されていることで、このような不具合が有効に回避される。
(iv)平板部材211の先端縁の薄い案内シート215:
案内シート215の先端縁215aが、仕切り部材79のスノコ構造を形成する桟79aにより支持される網状無端ベルト45の上面部位に摺接配置されていることにより、網状無端ベルト45のネットによる均一な濾水が確保される。
仕切り部材79の桟79a、79a間にあると、パルプ懸濁液PSは網状無端ベルト45のネットから濾水される際に、従動ローラ66の方向にも自由に流れる傾向にあり、これがため、ネットによる均一な濾水が困難で、局所的に不均一な濾水箇所が現れてしまう。このように濾水が不均一な場合、再生紙RPの地合に縦縞模様を生じさせてしまう。
これに対して、図示の実施形態のように、案内シート215の先端縁215aが、仕切り部材79のスノコ構造を形成する桟79aの上面位置に設定されていることで、このような不具合が有効に回避される。
抄紙部3の脱水ロール部41は、下流側の上記乾燥ベルトコンベア部42の平滑面無端ベルト95と上流側の上記抄紙ネットコンベア部40の網状無端ベルト45とが上下に隣接する連係部において、これら両ベルト45、95を上下両側から挟圧状に転動圧搾する構造とされているところ、本実施形態においては、実施形態1の脱水ロール70およびプレスロール71が2組連続して設けられている。主たる圧搾機能は、上流側の脱水ロール70とプレスロール71の組が担い、下流側の脱水ロール70とプレスロール71の組は補助的な圧搾作用をなす。この目的の違いから、また、上流側の脱水ロール70には、実施形態8と同様に、排水ロール180が設けられている。
抄紙部3の乾燥ベルトコンベア部42において、実施形態1における複数の平滑面仕上げロール103、103、…に皺発生防止無端ベルト220が回転走行可能に懸架支持されてなる。なお、図示の実施形態においては、4つの平滑面仕上げロール103、103、…が設けられているが、平滑面仕上げロール103の配設数は目的に応じて適宜増減される。
上記皺発生防止無端ベルト220は、平滑面無端ベルト95上の湿紙RP0に上側から押圧しながらテンションをかけることにより、この湿紙RP0に皺が発生するのを防止して平滑性を維持する構成とされている。
具体的には、皺発生防止無端ベルト220の走行速度が、上記平滑面無端ベルト95の走行速度よりも大きく設定されて、これら両ベルト220、95の速度差により、上記湿紙RP0にテンションがかけられるように構成されている。
なお、上記皺発生防止無端ベルト220としては、平滑面無端ベルト95上の湿紙RP0に残存する湿気および水蒸気を透過発散させ得る通気性材質のものが採用され、例えば、フェルト製ベルト、微細な網目を有するメッシュベルト、あるいは微細な網目を有するメッシュ基材にフェルト材が被覆形成されてなるベルトなどが好適に使用され、図示の実施形態においては、フェルト製ベルトが用いられている。
また、上記平滑面仕上げロール103に替えて、その内部にヒーターが組み込まれて、加熱ロールとしての機能を兼備する実施形態8の平滑面仕上げロール123が採用されてもよい。
さらに、上記乾燥ベルトコンベア部42の終端位置において、本実施形態の定寸カッタ221は、平滑面無端ベルト95から剥離された再生紙RPを、実施形態1のような長さ寸法だけでなく、幅寸法も切断して、所定の矩形状寸法に切断する構造とされている。具体的には、定寸カッタ221は、再生紙RPの幅方向部分を切断して幅寸法を整えるロールスリッタ221aと、再生紙RPの長さ方向部分を切断して長さ寸法を整えるいわゆるギロチンカッター221bとからなる複合構造とされ、これらは駆動モータ221cにより切断駆動される。
その他の構成および作用は実施形態1と同様である。
実施形態10
本実施形態は図28〜図32に示されており、実施形態9の古紙再生装置1を若干改変したものである。
すなわち、本実施形態の古紙再生装置1においては、抄紙部3のパルプ供給部47の具体的構成が改変されるとともに、乾燥ベルトコンベア部42の加熱乾燥部97に、加熱乾燥により発生する水蒸気を回収する水蒸気回収部250が設けられている。以下、これら実施形態9に対して改変された各構成部について具体的に説明する。
III.抄紙部3:
抄紙部3の抄紙ネットコンベア部40において、パルプ供給部47の具体的構造は、図31に示すように、実施形態9と同様に、網状無端ベルト45が走行方向へ向けて上向き傾斜状に配置されるとともに、この網状無端ベルト45の上下両側位置に、抄き枠体78および仕切り部材79がそれぞれ配置されてなる。
抄き枠体78は、網状無端ベルト45の上面に摺接可能に配設されるもので、本体枠80、この本体枠80の内側に設けられた流通路210、およびこの流通路210の出口側部位に設けられた平板部材251を備える。
具体的には、実施形態8の抄き枠体78の構造(図27参照)において、平板部材211上に、上記平板部材251が、支持板252を介して下向き傾斜状の下りとなるように取付け固定されている。
すなわち、図31を参照して、例えば平板部材251がなくて、実施形態8と同様に上り勾配の平板部材211のみの場合、パルプ供給槽85から抄き枠体78に供給されたパルプ懸濁液PSは、流通路210を通って、その出口210bから平板部材211上に流れるところ、平板部材211が上り勾配の傾斜面を有するため、パルプ懸濁液PSは、この平板部材211上を上っていくことになる。このように平板部材211上を上っていくパルプ懸濁液PSには乱流が起きることがあり、もし平板部材211上に滞留するパルプ懸濁液PSに乱流が起こると、網状無端ベルト45により抄紙される再生紙RPの地合にも影響を与えることが考えられる。
本実施形態は、この点をも考慮して、下り勾配の平板部材251を採用することで、流通路210の出口210bから平板部材211上に流れるパルプ懸濁液PSが平板部材251上面を円滑に流下して、乱流の発生が確実に防止され、再生紙RPの地合をより向上させることが可能となる。
乾燥ベルトコンベア部42の加熱乾燥部97に設けられた上記水蒸気回収部250は、図32に主として示されるように、装置ケース5のカバー部つまり化粧用ケースカバー5aの一部に形成された水蒸気回収室252と、この水蒸気回収室252を排気する排気ファン253とを主要部として構成されている。
具体的には、図32に示すように、排気ダクト254が、上記水蒸気回収室252から、化粧用ケースカバー5aの内側面に沿って給水装置9の白水回収槽15の天部まで延びるとともに、この白水回収槽15内に上側から臨んでいる。そして、この排気ダクト254の排気口254aに上記排気ファン253が水平下向きに設けられている。
なお、排気ファン253の取付け位置は、図示の実施形態に限定されず、例えば排気ダクト254の吸気口側に設けられるなど、水蒸気回収室252に対して排気作用をし得る適宜の箇所に設置可能である。
しかして、上記加熱乾燥部97において、その加熱乾燥作用により発生する水蒸気は、排気ファン253の排気作用により、図32に矢符にて示されるように、まず水蒸気回収室52に回収された後、排気ダクト254を介して上記白水回収槽15に還流循環されることとなる。
この場合、上記水蒸気回収室252内に発生充満する水蒸気はかなりの高温であるところ、具体的には図示しないが、排気ファン253の取付け位置や排気方向を工夫することで、上記水蒸気の還流経路を、抄紙部3において濾過脱水される白水Wの上記白水回収槽15に対する落下回収経路に交差させる構成として、この白水Wによる冷却効果を利用することも可能である。
その他の構成および作用は実施形態1と同様である。
実施形態11
本実施形態は図33に示されており、実施形態1の古紙再生装置1を若干改変したものである。
すなわち、すなわち、本実施形態の古紙再生装置1においては、パルプ製造部2の攪拌槽10の投入口10aに、シュレッダ部260が設けられている。このシュレッダ部260は、上記投入口10aに投入された古紙UP、UP、…を予備的に裁断して、攪拌装置8による離解・叩解を高効率化するためのものである。
このシュレッダ部260の具体的構造は、従来周知のシュレッダと同様、古紙UPを小さな紙片に裁断する機構を備えてなるが、この裁断機構による裁断サイズは以下の条件を満たすように設定されている。
すなわち、従来周知のシュレッダは、古紙UPに記載された文字や線図を視認・解読不能な状態まで分断させて、これら文字や線図から構成される機密情報や個人情報の漏洩・流出を有効に防止することを主目的として、可及的に小さいサイズに裁断する構成とされているが、本実施形態におけるシュレッダ部260の主目的は、裁断処理された裁断古紙CUP、CUP、…から製造される古紙パルプUPPが次工程の抄紙部3で抄紙製造される再生紙RPの原料パルプとして望ましい特性を有するサイズに裁断することである。
この目的のため、上記シュレッダ部260の裁断機構の裁断サイズは、裁断古紙CUPの紙繊維が上記再生紙RPの原料パルプとして求められる大きさ以下に寸断されない程度に設定されている。したがって、この条件を満たす限り、上記裁断機構の具体的構成は、ダブルカット方式やクロスカット方式など種々の方式が選択的に採用され得る。
しかして、上記投入口10aから古紙UPが投入されると、この古紙UPは、上記シュレッダ部260により、予備的に裁断されて所定サイズの裁断古紙CUP、CUP、…とされた後、攪拌装置8の攪拌インペラ11の正転・逆転動作により、給水装置9から供給された水Wの中で所定時間だけ攪拌され、これにより、離解・叩解されて、古紙パルプUPPとなる。この離解・叩解に要する時間は、実施形態1の場合よりも短い。
その他の構成および作用は実施形態1と同様である。
なお、上述した実施形態1〜11はあくまでも本発明の好適な実施態様を示すものであって、本発明はこれに限定されることなく、その範囲内で種々の設計変更が可能である。一例として以下のような改変が可能である。
(1)図示の実施形態においては、加熱乾燥部97の加熱部としてヒータプレート109が採用されているが、このヒータプレート109に代えて、回転可能なヒータロールや温風ヒータなど他の加熱手段を採用することも可能である。
すなわち、具体的には図示しないが、加熱乾燥部97の加熱部として上記ヒータロールを備える場合は、例えば、このヒータロールが上記平滑面無端ベルト95上の湿紙RP0に直接転接するように配されて、上記平滑面無端ベルト95上の湿紙RP0が上記ヒータロールにより直接的に加熱乾燥される構成とされる。
また、加熱乾燥部97の加熱部として上記温風ヒータを備える場合は、例えば、この温風ヒータが、上記平滑面無端ベルト95上の湿紙RP0に温風を吹き付けて、上記平滑面無端ベルト95上の湿紙RP0が上記温風ヒータにより直接的に加熱乾燥される構成とされる。
(2)制御部4による具体的な処理工程については、プログラム等の変更により、実施形態1において実行される工程(パルプ製造部2のパルプ製造工程および抄紙部3の抄紙工程)以外の他の工程とすることも可能であり、目的に応じて、あるいは処理能力に応じて適宜設計変更することができる。