JP5524864B2 - 4−(ピロロ[2,3−c]ピリジン−3−イル)ピリミジン−2−アミン誘導体 - Google Patents

4−(ピロロ[2,3−c]ピリジン−3−イル)ピリミジン−2−アミン誘導体 Download PDF

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Description

本発明は、式I
式中、
は、H、A、−[C(RAr、−[C(RHetまたは−[C(Rシクロアルキルを示し、
は、H、A、ベンジルまたはCHCHORを示し、
、Rは、各々、互いに独立してH、A、Hal、CN、−[C(RAr、−[C(RHetまたは−[C(Rシクロアルキルを示し、
は、Hまたは1〜6個のC原子を有するアルキルを示し、
は、Hまたは1〜6個のC原子を有するアルキルを示し、
Aは、1〜10個のC原子を有する非分枝状または分枝状アルキルを示し、ここで、1つまたは2つのCH基は、OもしくはS原子により、および/または−CH=CH−基により置き換えられていてもよく、かつ/またはさらに、1〜7個のH原子は、Fにより置き換えられていてもよく、
シクロアルキルは、3〜7個のC原子を有する環状アルキルを示し、それはさらに、1〜6個のC原子を有するアルキルにより置換されていてもよく、
Halは、F、Cl、BrまたはIを示し、
Arは、非置換であるかまたはHal、A、OR、N(R、NO、CN、COOR、CON(R、NRCOA、NRSOA、COR、SON(Rおよび/またはS(O)Aにより単置換、二置換もしくは三置換されているフェニルを示し、
Hetは、1〜4個のNおよび/またはOおよび/またはS原子を有する単環式または二環式の飽和、不飽和または芳香族複素環を示し、それは、非置換であるかまたはHal、A、OR、N(R、NO、CN、COOR、CON(R、NRCOA、NRSOA、COR、SONR、S(O)Aおよび/または=O(カルボニル酸素)により単置換もしくは二置換されており、
nは、0、1、2、3または4を示し、
pは、0、1または2を示す、
で表される化合物、ならびにそれらの薬学的に使用可能な塩、互変異性体および立体異性体、すべての比率でのそれらの混合物に関する。
本発明は、有用な特性を有する新規な化合物、特に医薬の製造に用いることができる化合物を見出すとの目的に基づく。
式Iで表される化合物ならびにそれらの塩および/または溶媒和物は、良好に耐容されつつ非常に有用な薬理学的特性を有することが見出された。
特に、これらはアンタゴニストまたはアゴニストとして、細胞増殖/細胞活力(vitality)阻害作用を示す。本発明の化合物はしたがって、腫瘍、腫瘍増殖および/または腫瘍転移を抑制し、および/またはこれを処置するために用いることができる。抗増殖作用は、増殖アッセイ/活力アッセイにおいて試験することができる。
他のアミノピリミジニル誘導体は、WO 2006/050076に記載されている。
他の4−(ピロロピリジニル)ピリミジニル−2−アミン誘導体は、例えばP.M. Fresneda et al.によってTetrahedron 57 (2001) 2355-2363に記載されている。
他の4−(ピロロピリジニル)ピリミジニル−2−アミン誘導体はまた、A. Karpovによって当該著者の論文、University of Heidelberg,2005年4月に記載されている。
炎症性および自己免疫性疾患を処置するための、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イルラジカルを担持する他のアミノピリミジン誘導体は、WO 2004/089913に記載されている。
したがって、本発明の化合物または薬学的に許容し得るそれらの塩は、例えば腫瘍(例えば肺、膵臓、甲状腺、膀胱、または結腸の腫瘍)などの固体腫瘍、骨髄疾患(例えば骨髄性白血病)または腺腫(例えば結腸絨毛腺腫)を含む、癌の処置のために投与される。
腫瘍はさらに、単球性白血病、脳、尿生殖器、リンパ系、胃、喉頭、および肺の腫瘍を含み、これは肺腺癌、小細胞肺癌、膵癌、および/または乳癌を含む。
化合物はさらに、HIV−1(ヒト免疫不全ウィルス1型)により誘発される免疫不全症の処置に適する。
癌様過剰増殖性疾患は、脳の癌、肺癌、扁平上皮癌、膀胱癌、胃癌、膵癌、肝癌、腎臓癌、結腸直腸癌、乳癌、頭部の癌、頚部癌、食道癌、婦人科癌、甲状腺癌、リンパ腫、慢性白血病および急性白血病とみなされるものである。特に癌様細胞増殖は、本発明の標的となる疾患である。したがって、本発明は、前述の疾患の処置および/または予防における医薬および/または医薬活性成分としての本発明の化合物、ならびに前述の疾患の処置および/または予防のための医薬の製造のための本発明の化合物の使用、ならびにまた本発明の1種または2種以上の化合物の、このような投与を必要としている患者への投与を含む、前述の疾患の処置方法に関する。
本発明の化合物は、抗増殖作用を有することが示される。本発明の化合物は、過剰増殖性疾患を有する患者に投与されて、例えば腫瘍増殖を阻害し、リンパ系増殖性疾患に関連する炎症を低減し、または移植拒絶反応もしくは組織修復などによる神経障害を抑制する。本化合物は、予防目的にまたは治療目的に好適である。本明細書において、用語「処置」は、疾患の予防および既に存在する状態の処置の両方を指す。増殖/活力の予防は、顕在している疾患の発症前に、例えば、腫瘍増殖を予防するために、本発明の化合物を投与することにより達成される。代替的に、化合物は、患者の臨床的症状を安定化または改善することにより、継続している疾患の処置のために用いられる。
宿主または患者は、すべての哺乳類種、例えば霊長類種、特にヒト;マウス、ラットおよびハムスターを含むげっ歯動物;ウサギ;ウマ、ウシ、イヌ、ネコなどに属していてもよい。動物モデルは、実験的調査の対象であり、これらはヒト疾患の処置についてのモデルを提供する。
特定の細胞の、本発明の化合物による処置に対する感受性は、in vitro試験により決定可能である。典型的には、細胞の培養物を、種々の濃度の本発明の化合物を用いて、活性剤が細胞死を誘発するかまたは細胞増殖、細胞の活力もしくは移動を阻害するのに十分な時間、通常は約1時間〜1週間の間インキュベートする。in vitro試験は、生検試料からの培養細胞を用いて行うことができる。処置後に残った細胞の量を次に決定する。
用量は、用いる具体的な化合物、具体的な疾患、患者の状態などに応じて変化する。治療用量は、一般に、患者の生活力を維持しつつ、標的組織での望ましくない細胞集団をかなり低下させるのに十分である。処置は一般に、かなりの低下が生じるまで、例えば細胞負荷の少なくとも約50%の低下まで続けられ、身体で望ましくない細胞が実質的に検出されなくなるまで続けてもよい。
細胞増殖および細胞死(アポトーシス)の調節解除が関連する、多くの疾患が存在する。対象となる状態としては以下が挙げられるが、これに限定されない。本発明の化合物は、平滑筋細胞および/または炎症細胞の、増殖および/または血管内膜層への移動が生じて、その血管を通る血流の制限が生じる、種々の状態の処置に好適であり、例えば、新生内膜形成閉塞性病変の例などである。対象の代用血管閉塞性疾患としては、アテローム性動脈硬化症、移植後の冠血管性疾患、静脈グラフトの狭窄症、吻合部周辺再狭窄、血管形成またはステント留置後の再狭窄などである。
式Iで表される化合物はまた、プロテインキナーゼ、特にセリン/トレオニンキナーゼタイプのレギュレーター、モジュレーターまたは阻害剤として作用する。これには、とりわけ、ホスホイノシチド依存性キナーゼ(PDK)が含まれる。当該化合物はまた、TGF−ベータキナーゼ、hSGKおよび/またはCDK2に対して活性を示す。
プロテインキナーゼにより発生する疾患は、そのようなプロテインキナーゼの異常な活性または活動亢進により特徴づけられる。異常な活性は:(1)通常はこれらのプロテインキナーゼを発現しない細胞中での発現;(2)望ましくない細胞増殖、例えば癌をもたらす増大したキナーゼ発現;(3)望ましくない細胞増殖、例えば癌および/または対応するプロテインキナーゼの活動亢進をもたらす増大したキナーゼ活性のいずれかに関連がある。活動亢進は、特定のプロテインキナーゼをコードする遺伝子の増幅または細胞増殖性疾患と相関し得る活性レベルの発生のいずれかに関し(即ち、細胞増殖性疾患の1つまたは2つ以上の症状の重篤度はキナーゼレベルの上昇に伴って増大する)、プロテインキナーゼの生物学的利用能はまた、このキナーゼの結合タンパク質のセットの存在または不存在によって影響され得る。
本発明の化合物を用いて処置することができる癌の最も重要なタイプには、結腸直腸癌、小細胞肺癌、非小細胞肺癌、多発性骨髄腫ならびに腎細胞癌および子宮内膜癌、特にまたPTENが突然変異するタイプの癌、とりわけ乳癌、前立腺癌および神経膠芽腫が含まれる。
さらに、本発明の化合物を用いて、付加的効果または相乗効果を特定の既存の癌化学療法および放射線療法において達成し、かつ/または特定の既存の癌化学療法および放射線療法の有効性を回復することができる。
式Iで表される化合物はまた、薬学的に使用可能な誘導体、溶媒和物およびそれらのすべての多形相を意味するものと解釈される。
本発明はまた、これらの化合物の、光学的活性形態(立体異性体)、塩、鏡像異性体、ラセミ体、ジアステレオマー、ならびに水和物および溶媒和物に関する。化合物の溶媒和物という用語は、これらの相互の引力のために形成される、化合物上への不活性溶媒分子の付加(adduction)を意味するものと解釈される。溶媒和物は、例えば、一もしくは二水和物またはアルコキシドである。
薬学的に使用可能な誘導体の用語は、例えば、本発明の化合物の塩およびまたいわゆるプロドラッグ化合物を意味するものと解釈される。
プロドラッグ誘導体の用語は、例えばアルキルもしくはアシル基、糖またはオリゴペプチドで修飾され、生物体中で迅速に切断されて本発明の有効な化合物を形成する、式Iで表される化合物を意味するものと解釈される。
これらはまた、例えばInt. J. Pharm. 115, 61-67 (1995)に記載されている、本発明の化合物の生分解性ポリマー誘導体を含む。
「有効量」の表現は、例えば研究者または医師により、組織、系、動物またはヒトにおいて求められているかまたは所望される、生物学的または医学的応答を生じさせる医薬または薬学的に活性な成分の量を表す。
さらに、「治療有効量」の表現は、この量を施与されていない対応する対象と比較して、以下の結果:疾患、症候群、状態、愁訴、障害もしくは副作用の改善された処置、治癒、防止もしくは解消、または疾患、状態もしくは障害の進行の低減、を有する量を意味する。
「治療有効量」の表現はまた、正常な生理学的機能を増大させるのに有効である量を包含する。
本発明はまた、式Iで表される化合物の混合物、例えば2種のジアステレオマーの、例えば1:1、1:2、1:3、1:4、1:5、1:10、1:100または1:1000の比率での混合物に関する。
これらは、特に好ましくは立体異性体化合物の混合物である。
本発明は、式Iで表される化合物およびそれらの塩に関し、ならびに、請求項1〜13のいずれか一項に記載の式Iで表される化合物、およびそれらの薬学的に使用可能な塩、互変異性体および立体異性体の製造方法であって、
a)R=HおよびR≠Hである、式Iで表される化合物の調製のために、
式II:
式中、Rは保護基を示し、
、RおよびRは、請求項1に示す意味を有する、
で表される化合物を、グアニジンと反応させ、
保護基Rを、同時にまたは後に切断して除去し、
あるいは、
b)式III
式中、Rは保護基を示し、
、RおよびRは、請求項1に示す意味を有する、
で表される化合物を、
式IV
−NH IV
式中、Rは、−[C(RArまたは−[C(RHetを示し、
Ar、Het、Rおよびnは、請求項1に示す意味を有する、
で表される化合物と反応させ、
あるいは、
c)R≠HおよびR=Hである式Iで表される化合物の調製のために、
式V
式中、Rは保護基を示し、
は、トリアルキルシリルであり、ここでアルキルは、1〜6個のC原子を有し、
およびRは、請求項1に示す意味を有する、
で表される化合物を、
置換グアニジンと反応させ、ここで
は、−[C(RArまたは−[C(RHetを示し、
保護基Rを、同時にまたは後に切断して除去し、
かつ/または式Iで表される塩基または酸を、その塩の1種に変換する
ことを特徴とする、前記方法に関する。
明細書中において、ラジカルR、R、R、RおよびRは、明白に別の規定がない限り、式Iについて示された意味を有する。
Aは、アルキルを示し、非分枝状(直線状)または分枝状であり、1、2、3、4、5、6、7、8、9または10個のC原子を有する。Aは、好ましくは、メチル、さらにエチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチルまたはtert−ブチル、さらにまたペンチル、1−、2−もしくは3−メチルブチル、1,1−、1,2−もしくは2,2−ジメチルプロピル、1−エチルプロピル、ヘキシル、1−、2−、3−もしくは4−メチルペンチル、1,1−、1,2−、1,3−、2,2−、2,3−もしくは3,3−ジメチルブチル、1−もしくは2−エチルブチル、1−エチル−1−メチルプロピル、1−エチル−2−メチルプロピル、1,1,2−もしくは1,2,2−トリメチルプロピル、さらに好ましくは、例えばトリフルオロメチルを示す。
Aは、極めて特に好ましくは、1、2、3、4、5または6個のC原子を有するアルキル、好ましくはメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシル、トリフルオロメチル、ペンタフルオロエチルまたは1,1,1−トリフルオロエチルを示す。
Aの1または2以上のCH基もまた、OまたはS原子および/または−CH=CH−基により置き換えられていてもよい。したがってAはまた、例えば2−メトキシエチルを示す。
シクロアルキルは好ましくは、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルまたはシクロヘプチルを示す。
Arは、例えば、フェニル、o−、m−もしくはp−トリル、o−、m−もしくはp−エチルフェニル、o−、m−もしくはp−プロピルフェニル、o−、m−もしくはp−イソプロピルフェニル、o−、m−もしくはp−tert−ブチルフェニル、o−、m−もしくはp−トリフルオロメチルフェニル、o−、m−もしくはp−フルオロフェニル、o−、m−もしくはp−ブロモフェニル、o−、m−もしくはp−クロロフェニル、o−、m−もしくはp−ヒドロキシフェニル、o−、m−もしくはp−メトキシフェニル、o−、m−もしくはp−メチルスルホニルフェニル、o−、m−もしくはp−ニトロフェニル、o−、m−もしくはp−アミノフェニル、o−、m−もしくはp−メチルアミノフェニル、o−、m−もしくはp−ジメチルアミノフェニル、o−、m−もしくはp−アミノスルホニルフェニル、o−、m−もしくはp−メチルアミノスルホニルフェニル、o−、m−もしくはp−アミノカルボニルフェニル、o−、m−もしくはp−カルボキシフェニル、o−、m−もしくはp−メトキシカルボニルフェニル、o−、m−もしくはp−エトキシカルボニルフェニル、o−、m−もしくはp−アセチルフェニル、o−、m−もしくはp−ホルミルフェニル、o−、m−もしくはp−シアノフェニル、さらに好ましくは、2,3−、2,4−、2,5−、2,6−、3,4−もしくは3,5−ジフルオロフェニル、2,3−、2,4−、2,5−、2,6−、3,4−もしくは3,5−ジクロロフェニル、2,3−、2,4−、2,5−、2,6−、3,4−もしくは3,5−ジブロモフェニル、2,3,4−、2,3,5−、2,3,6−、2,4,6−もしくは3,4,5−トリクロロフェニル、p−ヨードフェニル、4−フルオロ−3−クロロフェニル、2−フルオロ−4−ブロモフェニル、2,5−ジフルオロ−4−ブロモフェニル、または2,5−ジメチル−4−クロロフェニルを示す。
Arは、好ましくは非置換であるか、またはA、Hal、ORおよび/またはCNにより単置換、二置換もしくは三置換されているフェニルを示す。
さならる置換に関わらず、Hetは、例えば、2−もしくは3−フリル、2−もしくは3−チエニル、1−、2−もしくは3−ピロリル、1−、2−、4−もしくは5−イミダゾリル、1−、3−、4−もしくは5−ピラゾリル、2−、4−もしくは5−オキサゾリル、3−、4−もしくは5−イソオキサゾリル、2−、4−もしくは5−チアゾリル、3−、4−もしくは5−イソチアゾリル、2−、3−もしくは4−ピリジル、2−、4−、5−もしくは6−ピリミジニル、さらに好ましくは、1,2,3−トリアゾール−1−、−4−もしくは−5−イル、1,2,4−トリアゾール−1−、−3−もしくは−5−イル、1−もしくは5−テトラゾリル、1,2,3−オキサジアゾール−4−もしくは−5−イル、1,2,4−オキサジアゾール−3−もしくは−5−イル、1,3,4−チアジアゾール−2−もしくは−5−イル、1,2,4−チアジアゾール−3−もしくは−5−イル、1,2,3−チアジアゾール−4−もしくは−5−イル、3−もしくは4−ピリダジニル、ピラジニル、1−、2−、3−、4−、5−、6−もしくは7−インドリル、4−もしくは5−イソインドリル、1−、2−、4−もしくは5−ベンズイミダゾリル、1−、2−、3−、4−、5−、6−もしくは7−インダゾリル、1−、3−、4−、5−、6−もしくは7−ベンゾピラゾリル、2−、4−、5−、6−もしくは7−ベンゾキサゾリル、3−、4−、5−、6−もしくは7−ベンズイソオキサゾリル、2−、4−、5−、6−もしくは7−ベンゾチアゾリル、2−、4−、5−、6−もしくは7−ベンズイソチアゾリル、4−、5−、6−もしくは7−ベンズ−2,1,3−オキサジアゾリル、2−、3−、4−、5−、6−、7−もしくは8−キノリル、1−、3−、4−、5−、6−、7−もしくは8−イソキノリル、3−、4−、5−、6−、7−もしくは8−シンノリニル、2−、4−、5−、6−、7−もしくは8−キナゾリニル、5−もしくは6−キノキサリニル、2−、3−、5−、6−、7−もしくは8−2H−ベンゾ−1,4−オキサジニル、さらに好ましくは、1,3−ベンゾジオキソール−5−イル、1,4−ベンゾジオキサン−6−イル、2,1,3−ベンゾチアジアゾール−4−もしくは−5−イルまたは2,1,3−ベンズオキサジアゾール−5−イルを示す。
複素環式基はまた、部分的にまたは完全に水素化されていてもよい。
非置換のHetは、したがって、また、例えば、2,3−ジヒドロ−2−、−3−、−4−もしくは−5−フリル、2,5−ジヒドロ−2−、−3−、−4−もしくは−5−フリル、テトラヒドロ−2−もしくは−3−フリル、1,3−ジオキソラン−4−イル、テトラヒドロ−2−もしくは−3−チエニル、2,3−ジヒドロ−1−、−2−、−3−、−4−もしくは−5−ピロリル、2,5−ジヒドロ−1−、−2−、−3−、−4−もしくは−5−ピロリル、1−、2−もしくは3−ピロリジニル、テトラヒドロ−1−、−2−もしくは−4−イミダゾリル、2,3−ジヒドロ−1−、−2−、−3−、−4−もしくは−5−ピラゾリル、テトラヒドロ−1−、−3−もしくは−4−ピラゾリル、1,4−ジヒドロ−1−、−2−、−3−もしくは−4−ピリジル、1,2,3,4−テトラヒドロ−1−、−2−、−3−、−4−、−5−もしくは−6−ピリジル、1−、2−、3−もしくは4−ピペリジニル、2−、3−もしくは4−モルホリニル、テトラヒドロ−2−、−3−もしくは−4−ピラニル、1,4−ジオキサニル、1,3−ジオキサン−2−、−4−もしくは−5−イル、ヘキサヒドロ−1−、−3−もしくは−4−ピリダジニル、ヘキサヒドロ−1−、−2−、−4−もしくは−5−ピリミジニル、1−、2−もしくは3−ピペラジニル、1,2,3,4−テトラヒドロ−1−、−2−、−3−、−4−、−5−、−6−、−7−もしくは−8−キノリル、1,2,3,4−テトラヒドロ−1−、−2−、−3−、−4−、−5−、−6−、−7−もしくは−8−イソキノリル、2−、3−、5−、6−、7−もしくは8−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ−1,4−オキサジニル、さらに好ましくは、2,3−メチレンジオキシフェニル、3,4−メチレンジオキシフェニル、2,3−エチレンジオキシフェニル、3,4−エチレンジオキシフェニル、3,4−(ジフルオロメチレンジオキシ)フェニル、2,3−ジヒドロベンゾフラン−5−もしくは−6−イル、2,3−(2−オキソメチレンジオキシ)フェニルまたはまた3,4−ジヒドロ−2H−1,5−ベンゾジオキセピン−6−もしくは−7−イル、さらに好ましくは、2,3−ジヒドロベンゾフラニルまたは2,3−ジヒドロ−2−オキソフラニルを示すことができる。
Hetは、さらに好ましくは、1〜4個のNおよび/またはOおよび/またはS原子を有し、非置換であるかまたはAによって単置換もしくは二置換されている単環式または二環式の芳香族複素環を示す。
Hetは、特に好ましくはフリル、チエニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、オキサゾリル、イソキサゾリル、チアゾリル、ピリジル、ピリミジニル、トリアゾリル、テトラゾリル、チアジアゾール、ピリダジニル、ピラジニル、インドリル、イソインドリル、ベンズイミダゾリル、インダゾリル、キノリルまたは1,3−ベンゾジオキソリルを示し、その各々は、非置換であるかまたはAによって単置換もしくは二置換されている。
は、好ましくはH、−[C(RArまたは−[C(RHetを示す。
は、特に好ましくはH、フェニル、o−、m−もしくはp−フルオロフェニル、o−、m−もしくはp−ブロモフェニル、o−、m−もしくはp−クロロフェニル、o−、m−もしくはp−ヒドロキシフェニル、o−、m−もしくはp−メトキシフェニル、4−フルオロ−3−クロロフェニル、ピリジル、チアゾリル、4−メチル−チアゾール−2−イルまたはベンズイミダゾール−2−イルを示す。
は、好ましくはHを示す。
は、好ましくはH、A、ベンジルまたはCHCHOCHを示す。
は、好ましくはH、A、−[C(RHetまたは−[C(RArを示す。
は、好ましくはHを示す。
は、好ましくはHを示す。
は、好ましくはHまたはCHを示す。
nは、好ましくは0または1を示す。
Halは、好ましくはF、ClまたはBr、しかしまたI、特に好ましくはFまたはClを示す。
本発明を通して、1回よりも多く出現するすべての基は、同一でも異なっていてもよく、すなわち互いに独立している。
式Iで表される化合物は、1つまたは2つ以上のキラル中心を有することができ、したがって種々の立体異性体形態で存在し得る。式Iは、これらの形態すべてを包含する。
したがって、本発明は特に、少なくとも1つの前述の基が前に示した好ましい意味の1つを有する、式Iで表される化合物に関する。化合物のいくつかの好ましい群を、以下の従属式Ia〜Ikにより表すことができ、これは式Iに適合し、ここで、より詳細に表されていない基は、式Iについて示した意味を有するが、ここで、
Iaにおいて、Rは、H、−[C(RArまたは−[C(RHetを示し;
Ibにおいて、Rは、H、A、ベンジルまたはCHCHOCHを示し;
Icにおいて、Rは、H、A、−[C(RHetまたは−[C(RArを示し;
Idにおいて、Rは、Hを示し;
Ieにおいて、Rは、Hを示し;
Ifにおいて、Aは、1〜8個のC原子を有し、ここで1つのCH基が酸素により置き換えられていてもよく、かつ/またはさらに、1〜7個のH原子がFにより置き換えられていてもよい非分枝状または分枝状アルキルを示し;
Igにおいて、Aは、1〜6個のC原子を有し、ここで1〜7個のH原子がFにより置き換えられていてもよい非分枝状または分枝状アルキルを示し;
Ihにおいて、Arは、非置換であるかまたはA、Hal、ORおよび/またはCNによって単置換、二置換もしくは三置換されているフェニルを示し;
Iiにおいて、Hetは、1〜4個のNおよび/またはOおよび/またはS原子を有し、非置換であるかまたはAによって単置換もしくは二置換されている単環式または二環式の芳香族複素環を示し;
Ijにおいて、Hetは、フリル、チエニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、オキサゾリル、イソキサゾリル、チアゾリル、ピリジル、ピリミジニル、トリアゾリル、テトラゾリル、チアジアゾール、ピリダジニル、ピラジニル、インドリル、イソインドリル、ベンズイミダゾリル、インダゾリル、キノリルまたは1,3−ベンゾジオキソリルを示し、その各々は、非置換であるかまたはAによって単置換もしくは二置換されており;
Ikにおいて、
は、H、−[C(RArまたは−[C(RHetを示し、
は、H、A、ベンジルまたはCHCHOCHを示し、
は、H、A、−[C(RHetまたは−[C(RArを示し、
は、Hを示し、
は、Hを示し、
は、Hまたは1〜6個のC原子を有するアルキルを示し、
Aは、1〜6個のC原子を有する非分枝状または分枝状アルキルを示し、ここで1〜7個のH原子は、Fにより置き換えられていてもよく、
Arは、非置換であるかまたはA、Hal、ORおよび/またはCNによって単置換、二置換もしくは三置換されているフェニルを示し、
Hetは、フリル、チエニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、オキサゾリル、イソキサゾリル、チアゾリル、ピリジル、ピリミジニル、トリアゾリル、テトラゾリル、チアジアゾール、ピリダジニル、ピラジニル、インドリル、イソインドリル、ベンズイミダゾリル、インダゾリル、キノリルまたは1,3−ベンゾジオキソリルを示し、その各々は、非置換であるかまたはAによって単置換もしくは二置換されており、
nは、0、1、2、3または4を示す;
ならびにその薬学的に使用可能な誘導体、塩、溶媒和物、互変異性体および立体異性体であり、すべての比率でのそれらの混合物を含む。
式Iで表される化合物およびまたこれらの製造のための出発物質は、さらに、文献(例えばHouben-Weyl, Methoden der organischen Chemie [有機化学の方法]、Georg-Thieme-Verlag, Stuttgartなどの標準的学術書)に記載されているような自体公知の方法により、正確には、周知の、前述の反応に適する反応条件の下で、製造される。また、ここで、自体公知であり、ここでは一層詳細には述べない変法を用いてもよい。
式Iで表される化合物を、好ましくは、式IIで表される化合物または式Vで表される化合物をグアニジン塩、例えば炭酸グアニジニウムと反応させることにより得ることができる。
式IIで表される化合物および式Vで表される化合物は、一般的に知られている。しかし、それらが新規である場合には、それらを、それ自体知られている方法により調製することができる。
反応は、不活性溶媒中で行い、一般に酸結合剤の存在下において、好ましくはDIPEA、トリエチルアミン、ジメチルアニリン、ピリジンまたはキノリンなどの有機塩基の存在下において行う。
アルカリもしくはアルカリ土類金属水酸化物、またはアルカリもしくはアルカリ土類金属、好ましくはカリウム、ナトリウム、カルシウムまたはセシウムの、炭酸塩もしくは重炭酸塩、もしくは弱酸の他の塩類の添加もまた有利である。
用いられる条件に依存して、反応時間は、数分〜14日間の間であり、反応温度は、約−15℃〜150℃、通常40℃〜130℃、特に好ましくは約60℃〜約110℃である。
好適な不活性溶媒は例えば、炭化水素類、例えば、ヘキサン、石油エーテル、ベンゼン、トルエンもしくはキシレン;塩素化炭化水素類、例えば、トリクロロエチレン、1,2−ジクロロエタン、四塩化炭素、クロロホルムもしくはジクロロメタン;アルコール類、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−プロパノール、n−ブタノールもしくはtert−ブタノール;エーテル類、例えば、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)もしくはジオキサン;グリコールエーテル類、例えば、エチレングリコールモノメチルもしくはモノエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル(ジグライム);ケトン類、例えば、アセトンもしくはブタノン;アミド類、例えば、アセトアミド、ジメチルアセトアミドもしくはジメチルホルムアミド(DMF);ニトリル類、例えば、アセトニトリル;スルホキシド類、例えば、ジメチルスルホキシド(DMSO);二硫化炭素;カルボン酸類、例えば、ギ酸もしくは酢酸;ニトロ化合物、例えば、ニトロメタンもしくはニトロベンゼン;エステル類、例えば、酢酸エチル、または前述の溶媒の混合物である。
特に好適なのはグリコールエーテル、例えばエチレングリコールモノメチルエーテル、THF、ジクロロメタンおよび/またはDMFである。
好ましい保護基は、例えば、スルホニル保護基、例えばトシルまたはメシル、さらにBOCなどの保護基である。
式Iで表される化合物を、さらに好ましくは、式IIIで表される化合物を式IVで表される化合物と反応させることにより得ることができる。
式IIIで表される化合物および式IVで表される化合物は、一般的に知られている。しかし、それらが新規である場合には、それらを、それ自体知られている方法により調製することができる。
反応を、不活性溶媒中でおよび上記に示した条件下で行う。
式Iで表される化合物をさらに、それらをそれらの官能的誘導体から加溶媒分解、特に加水分解により、または水素化分解により遊離させることによって得ることができる。
加溶媒分解または水素化分解に好ましい出発物質は、1つまたは2つ以上の遊離アミノ基および/またはヒドロキシル基の代わりに対応する保護されたアミノ基および/またはヒドロキシル基を含む物質、好ましくはN原子に結合したH原子の代わりにアミノ保護基を担持している物質、例えば、式Iに適合するが、NH基の代わりにNHR’基(式中、R’はアミノ保護基、例えばBOCまたはCBZを示す)を含むものである。
さらに好ましいのは、ヒドロキシル基のH原子の代わりにヒドロキシル保護基を担持している出発物質、例えば、式Iに適合するが、ヒドロキシフェニル基の代わりにR’’O−フェニル基(式中、R’’はヒドロキシル保護基を示す)を含むものである。
また、多くの−同一のまたは異なる−保護されたアミノ基および/またはヒドロキシル基が、出発物質の分子中に存在することが可能である。存在する保護基が互いに異なる場合には、多くの場合において、これらを選択的に切断して除去することができる。
「アミノ保護基」の表現は、一般的用語において知られており、化学反応に対してアミノ基を保護(遮断)するのに適するが、分子中の他の位置において所望の化学反応が行われた後に容易に除去される基に関する。このような基の代表例は、特に、非置換または置換アシル、アリール、アラルコキシメチルまたはアラルキル基である。アミノ保護基は、所望の反応(または反応順序)の後に除去されるため、これらの種類および大きさは、さらには重要ではない;しかし、1〜20個、特に1〜8個のC原子を有するものが好ましい。「アシル基」の表現は、本方法に関連して、最も広い意味で理解されるべきである。これは、脂肪族、芳香脂肪族、芳香族または複素環式カルボン酸またはスルホン酸から誘導されるアシル基、ならびに特に、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基および特にアラルコキシカルボニル基を含む。このようなアシル基の例は、アルカノイル、例えばアセチル、プロピオニル、ブチリル;アラルカノイル、例えばフェニルアセチル;アロイル、例えばベンゾイル、トリル;アリールオキシアルカノイル、例えばPOA;アルコキシカルボニル、例えばメトキシカルボニル、エトキシカルボニル、2,2,2−トリクロロエトキシカルボニル、BOC、2−ヨードエトキシカルボニル;アラルコキシカルボニル、例えばCBZ(「カルボベンゾキシ」)、4−メトキシベンジルオキシカルボニル、FMOC;アリールスルホニル、例えばMtr、Pbf、Pmcである。好ましいアミノ保護基は、BOCおよびMtr、さらにCBZ、Fmoc、ベンジルおよびアセチルである。
「ヒドロキシル保護基」の表現は、同様に一般的な用語において知られており、化学反応に対してヒドロキシル基を保護するのに適するが、分子中の他の位置において所望の化学反応が行われた後に容易に除去される基に関する。このような基の代表例は、前述の非置換または置換アリール、アラルキルまたはアシル基、さらにまたアルキル基である。これらは、所望の化学反応または反応順序の後に再び除去されるため、ヒドロキシル保護基の性質および大きさは、重要ではない;1〜20個、特に1〜10個のC原子を有する基が好ましい。ヒドロキシル保護基の例は、特に、tert−ブトキシカルボニル、ベンジル、p−ニトロベンゾイル、p−トルエンスルホニル、tert−ブチルおよびアセチルであり、ここで、ベンジルおよびtert−ブチルが、特に好ましい。アスパラギン酸およびグルタミン酸におけるCOOH基は、それらのtert−ブチルエステル形態(例えばAsp(OBut))において保護されているのが好ましい。
式Iで表される化合物を(用いられる保護基に依存して)、例えば強酸を用いて、有利にはTFAまたは過塩素酸を用いて、しかしまた他の強無機酸、例えば塩酸または硫酸、強有機カルボン酸、例えばトリクロロ酢酸またはスルホン酸、例えばベンゼンもしくはp−トルエンスルホン酸を用いて、これらの官能性誘導体から遊離させる。追加の不活性溶媒の存在が可能であるが、常には必要ではない。好適な不活性溶媒は、好ましくは、有機、例えばカルボン酸類、例えば酢酸、エーテル類、例えばテトラヒドロフランまたはジオキサン、アミド類、例えばDMF、ハロゲン化炭化水素類、例えばジクロロメタン、さらにまたアルコール類、例えばメタノール、エタノールまたはイソプロパノールおよび水である。前述の溶媒の混合物が、さらに好適である。TFAは、好ましくは、他の溶媒を加えずに過剰に用いられ、過塩素酸は、好ましくは、酢酸と70%過塩素酸との9:1の比率での混合物の形態で用いられる。切断のための反応温度は、有利には約0〜約50℃、好ましくは15〜30℃(室温)である。
BOC、OBut、Pbf、PmcおよびMtr基を、例えば、好ましくは、ジクロロメタン中のTFAを用いて、またはジオキサン中の約3〜5NのHClを用いて、15〜30℃で切断して除去することができ、FMOC基を、ジメチルアミン、ジエチルアミンまたはピペリジンをDMFに溶解した約5〜50%溶液を用いて、15〜30℃で切断して除去することができる。
水素化分解的に除去可能な保護基(例えば、CBZまたはベンジル)を、例えば、触媒(例えば、有利には支持体、例えば炭素上の貴金属触媒、例えばパラジウム)の存在下での水素での処理により、切断して除去することができる。ここで、好適な溶媒は、前に示したもの、特に、例えば、アルコール類、例えばメタノールもしくはエタノール、またはアミド類、例えばDMFである。水素化分解を、一般的には、約0〜100℃の温度および約1〜200barの圧力において、好ましくは20〜30℃および1〜10barにおいて行う。CBZ基の水素化分解は、例えば、メタノール中の5〜10%のPd/C上で、またはメタノール/DMF中のPd/C上でギ酸アンモニウム(水素の代わりに)を用いて、20〜30℃で、良好に成功する。
薬学的塩および他の形態
本発明の前述の化合物を、これらの最終的な非塩形態で用いることができる。一方、本発明はまた、これらの化合物を、当該分野において公知の手順により、種々の有機および無機酸類および塩基類から由来し得るこれらの薬学的に許容し得る塩の形態で用いることを包含する。式Iで表される化合物の薬学的に許容し得る塩形態は、大部分、慣用の方法により調製される。式Iで表される化合物がカルボキシル基を含む場合には、この好適な塩の1種を、当該化合物を好適な塩基と反応させて対応する塩基付加塩を得ることにより、生成することができる。このような塩基は、例えば、水酸化カリウム、水酸化ナトリウムおよび水酸化リチウムを含むアルカリ金属水酸化物;アルカリ土類金属水酸化物、例えば水酸化バリウムおよび水酸化カルシウム;アルカリ金属アルコキシド類、例えばカリウムエトキシドおよびナトリウムプロポキシド;ならびに種々の有機塩基、例えばピペリジン、ジエタノールアミンおよびN−メチルグルタミンである。
式Iで表される化合物のアルミニウム塩は、同様に包含される。式Iで表される数種の化合物の場合において、酸付加塩を、これらの化合物を薬学的に許容し得る有機および無機酸類、例えばハロゲン化水素、例えば塩化水素、臭化水素またはヨウ化水素、他の鉱酸およびこれらの対応する塩、例えば硫酸塩、硝酸塩またはリン酸塩など、ならびにアルキルおよびモノアリールスルホン酸塩類、例えばエタンスルホン酸塩、トルエンスルホン酸塩およびベンゼンスルホン酸塩、ならびに他の有機酸およびこれらの対応する塩、例えば酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、酒石酸塩、マレイン酸塩、コハク酸塩、クエン酸塩、安息香酸塩、サリチル酸塩、アスコルビン酸塩などで処理することにより、生成することができる。
したがって、式Iで表される化合物の薬学的に許容し得る酸付加塩には、以下のものが含まれる:酢酸塩、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アルギニン酸塩(arginate)、アスパラギン酸塩、安息香酸塩、ベンゼンスルホン酸塩(ベシル酸塩)、重硫酸塩、重亜硫酸塩、臭化物、酪酸塩、樟脳酸塩、樟脳スルホン酸塩、カプリル酸塩、塩化物、クロロ安息香酸塩、クエン酸塩、シクロペンタンプロピオン酸塩、ジグルコン酸塩、リン酸二水素塩、ジニトロ安息香酸塩、ドデシル硫酸塩、エタンスルホン酸塩、フマル酸塩、ガラクタル酸塩(ムチン酸から)、ガラクツロン酸塩、グルコヘプタン酸塩、グルコン酸塩、グルタミン酸塩、グリセロリン酸塩、ヘミコハク酸塩、ヘミ硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、馬尿酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、2−ヒドロキシエタンスルホン酸塩、ヨウ化物、イセチオン酸塩、イソ酪酸塩、乳酸塩、ラクトビオン酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、マンデル酸塩、メタリン酸塩、メタンスルホン酸塩、メチル安息香酸塩、リン酸一水素塩、2−ナフタレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、硝酸塩、シュウ酸塩、オレイン酸塩、パルモエイト(palmoate)、ペクチン酸塩、過硫酸塩、フェニル酢酸塩、3−フェニルプロピオン酸塩、リン酸塩、ホスホン酸塩、フタル酸塩、しかしこれは、限定を表すものではない。
さらに、本発明の化合物の塩基性塩には、アルミニウム、アンモニウム、カルシウム、銅、鉄(III)、鉄(II)、リチウム、マグネシウム、マンガン(III)、マンガン(II)、カリウム、ナトリウムおよび亜鉛塩が含まれるが、これは、限定を表すことを意図しない。前述の塩の中で、好ましいのは、アンモニウム;アルカリ金属塩、ナトリウムおよびカリウム、ならびにアルカリ土類金属塩、カルシウムおよびマグネシウムである。薬学的に許容し得る有機無毒性塩基から誘導される、式Iで表される化合物の塩には、第一、第二および第三アミン類、置換アミン類、天然発生置換アミン類もまた含む、環状アミン類、ならびに塩基性イオン交換樹脂、例えばアルギニン、ベタイン、カフェイン、クロロプロカイン、コリン、N,N’−ジベンジルエチレンジアミン(ベンザチン)、ジシクロヘキシルアミン、ジエタノールアミン、ジエチルアミン、2−ジエチルアミノエタノール、2−ジメチルアミノエタノール、エタノールアミン、エチレンジアミン、N−エチルモルホリン、N−エチルピペリジン、グルカミン、グルコサミン、ヒスチジン、ヒドラバミン(hydrabamine)、イソプロピルアミン、リドカイン、リシン、メグルミン、N−メチル−D−グルカミン、モルホリン、ピペラジン、ピペリジン、ポリアミン樹脂、プロカイン、プリン類、テオブロミン、トリエタノールアミン、トリエチルアミン、トリメチルアミン、トリプロピルアミンおよびトリス(ヒドロキシメチル)メチルアミン(トロメタミン)の塩が含まれるが、これは、制限を表すことを意図しない。
塩基性窒素含有基を含む本発明の化合物を、剤、例えば(C〜C)アルキルハロゲン化物、例えば塩化、臭化およびヨウ化メチル、エチル、イソプロピルおよびtert−ブチル;ジ(C〜C)アルキル硫酸塩、例えば硫酸ジメチル、ジエチルおよびジアミル;(C10〜C18)アルキルハロゲン化物、例えば塩化、臭化およびヨウ化デシル、ドデシル、ラウリル、ミリスチルおよびステアリル;ならびにアリール(C〜C)アルキルハロゲン化物、例えば塩化ベンジルおよび臭化フェネチルを用いて四級化することができる。本発明の水溶性および油溶性の化合物を共に、このような塩を用いて調製することができる。
好ましい前述の薬学的塩には、酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、ベシル酸塩、クエン酸塩、フマル酸塩、グルコン酸塩、ヘミコハク酸塩、馬尿酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、イセチオン酸塩、マンデル酸塩、メグルミン、硝酸塩、オレイン酸塩、ホスホン酸塩、ピバリン酸塩、リン酸ナトリウム、ステアリン酸塩、硫酸塩、スルホサリチル酸塩、酒石酸塩、チオリンゴ酸塩、トシル酸塩およびトロメタミンが含まれるが、これは、制限を表すことを意図しない。
式Iで表される塩基性化合物の酸付加塩を、遊離塩基形態を十分な量の所望の酸と接触させ、慣用の方法で塩の生成を生じることにより、調製する。遊離塩基を、塩形態を塩基と接触させ、慣用の方法で遊離塩基を単離することにより、再生することができる。遊離塩基形態は、ある観点において、いくつかの物理的特性、例えば極性溶媒への溶解性の点で、これらの対応する塩形態と異なる;しかし、本発明の目的のために、当該塩は、他の点では、これらのそれぞれの遊離塩基形態に相当する。
述べたように、式Iで表される化合物の薬学的に許容し得る塩基付加塩は、金属またはアミン類、例えばアルカリ金属およびアルカリ土類金属または有機アミン類を用いて生成する。好ましい金属は、ナトリウム、カリウム、マグネシウムおよびカルシウムである。好ましい有機アミン類は、N,N’−ジベンジルエチレンジアミン、クロロプロカイン、コリン、ジエタノールアミン、エチレンジアミン、N−メチル−D−グルカミンおよびプロカインである。
本発明の酸性化合物の塩基付加塩を、遊離酸形態を十分な量の所望の塩基と接触させ、慣用の方法で塩の生成を生じることにより、調製する。遊離酸を、塩形態を酸と接触させ、慣用の方法で遊離酸を単離することにより、再生することができる。遊離酸形態は、ある観点において、いくつかの物理的特性、例えば極性溶媒への溶解性の点で、これらの対応する塩形態と異なる;しかし、本発明の目的のために、当該塩は、他の点では、これらのそれぞれの遊離酸形態に相当する。
本発明の化合物が、この種類の薬学的に許容し得る塩を生成することができる1つよりも多い基を含む場合には、本発明はまた、多重塩(multiple salt)を包含する。典型的な多重塩形態には、例えば、重酒石酸塩、二酢酸塩、二フマル酸塩、ジメグルミン、二リン酸塩、二ナトリウムおよび三塩酸塩が含まれるが、これは、制限を表すことを意図しない。
上記で述べたことに関して、本文脈における表現「薬学的に許容し得る塩」は、特に、この塩形態が活性成分に対して、前に用いられていた活性成分の遊離形態または活性成分のすべての他の塩形態と比較して改善された薬物動態学的特性を付与する場合には、式Iで表される化合物をこの塩の1種の形態で含む活性成分を意味するものと解釈されることが、明らかである。活性成分の薬学的に許容し得る塩形態はまた、この活性成分に、初めて、前には有していなかった所望の薬物動態学的特性を付与することができ、さらに、身体におけるこの治療的有効性に関して、この活性成分の薬力学に対する正の影響を有することができる。
本発明はさらに、少なくとも1種の式Iで表される化合物および/またはその薬学的に使用可能な塩および立体異性体、すべての比率でのそれらの混合物ならびに任意に賦形剤および/またはアジュバントを含む医薬に関する。
医薬処方物を、投与単位あたり所定量の活性成分を含む投与単位の形態で、投与することができる。このような単位は、処置される状態、投与の方法ならびに患者の年齢、体重および状態に依存して、例えば0.5mg〜1g、好ましくは1mg〜700mg、特に好ましくは5mg〜100mgの本発明の化合物を含むことができるか、または医薬処方物を、投与単位あたり所定量の活性成分を含む投薬単位の形態で投与することができる。好ましい投与単位処方物は、活性成分の、前述のような毎日の用量もしくは部分的用量、またはその対応する部分を含むものである。さらに、このタイプの医薬処方物を、薬学分野において周知の方法を用いて製造することができる。
医薬処方物を、すべての所望の好適な方法による、例えば経口(口腔内もしくは舌下を含む)、直腸内、鼻腔内、局所的(口腔内、舌下もしくは経皮を含む)、膣内または非経口(皮下、筋肉内、静脈内もしくは皮内を含む)方法による投与のために適合させることができる。このような処方物を、薬学分野において知られているすべての方法を用いて、例えば活性成分を賦形剤(1種もしくは2種以上)またはアジュバント(1種もしくは2種以上)と混ぜ合わせることにより、製造することができる。
経口投与に適合する医薬処方物を、別個の単位、例えばカプセルもしくは錠剤;粉末もしくは顆粒;水性もしくは非水性液体中の溶液もしくは懸濁液;食用発泡体もしくは発泡体食品;または水中油型液体エマルジョンもしくは油中水型液体エマルジョンとして、投与することができる。
したがって、例えば、錠剤またはカプセルの形態での経口投与の場合において、活性成分要素を、経口的な、無毒性の、かつ薬学的に許容し得る不活性賦形剤、例えばエタノール、グリセロール、水などと混ぜ合わせることができる。粉末を、化合物を好適な微小サイズに粉砕し、これを同様にして粉砕した薬学的賦形剤、例えば食用炭水化物、例えばデンプンまたはマンニトールと混合することにより、製造する。風味剤、保存剤、分散剤および染料が、同様に存在してもよい。
カプセルを、上記のように粉末混合物を調製し、成形したゼラチン殻にこれを充填することにより、製造する。流動促進剤および潤滑剤、例えば固体形態での高度に分散性のケイ酸、タルク、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウムまたはポリエチレングリコールを、充填操作の前に粉末混合物に加えることができる。カプセルを服用した後の医薬の有用性を改善するために、崩壊剤または可溶化剤、例えば寒天、炭酸カルシウムまたは炭酸ナトリウムを、同様に加えもよい。
さらに、所望により、または所要に応じて、好適な結合剤、潤滑剤および崩壊剤ならびに染料を、同様に混合物中に包含させることができる。好適な結合剤には、デンプン、ゼラチン、天然糖類、例えばグルコースまたはベータ−ラクトース、トウモロコシから製造された甘味剤、天然および合成ゴム、例えばアカシア、トラガカントまたはアルギン酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロース、ポリエチレングリコール、ろうなどが含まれる。これらの投与形態において用いられる潤滑剤には、オレイン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、安息香酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、塩化ナトリウムなどが含まれる。崩壊剤には、限定されずに、デンプン、メチルセルロース、寒天、ベントナイト、キサンタンゴムなどが含まれる。錠剤を、例えば粉末混合物を調製し、混合物を顆粒化または乾燥圧縮し、潤滑剤および崩壊剤を加え、混合物全体を圧縮して錠剤を得ることにより製剤化する。粉末混合物を、好適な方法で粉砕した化合物を上記のように希釈剤または塩基と、および任意に結合剤、例えばカルボキシメチルセルロース、アルギン酸塩、ゼラチンまたはポリビニルピロリドン、溶解遅延剤、例えばパラフィン、吸収促進剤、例えば第四級塩および/または吸収剤、例えばベントナイト、カオリンまたはリン酸二カルシウムと混合することにより調製する。粉末混合物を、それを結合剤、例えばシロップ、デンプンペースト、アカシア粘液またはセルロースの溶液またはポリマー材料で湿潤させ、それをふるいを通して押圧することにより顆粒化することができる。
顆粒化の代替として、粉末混合物を、打錠機に通し、不均一な形状の塊を得、これを崩壊させて、顆粒を形成することができる。顆粒を、ステアリン酸、ステアリン酸塩、タルクまたは鉱油を加えることにより潤滑化して、錠剤流延型への粘着を防止することができる。次に、潤滑化した混合物を圧縮して、錠剤を得る。本発明の化合物をまた、自由流動の不活性賦形剤と混ぜ合わせ、次に直接圧縮して、顆粒化または乾燥圧縮段階を行わずに錠剤を得ることができる。セラック密封層、糖またはポリマー材料の層およびろうの光沢層からなる透明な、または不透明な保護層が、存在してもよい。染料を、これらのコーティングに加えて、異なる投与単位間を区別できるようにすることができる。
経口液体、例えば溶液、シロップおよびエリキシル剤を、投与単位の形態で調製し、したがって所定量が予め特定された量の化合物を含むようにすることができる。シロップを、化合物を水性溶液に好適な風味剤と共に溶解することにより調製することができ、一方エリキシル剤を、無毒性アルコール性ビヒクルを用いて調製する。懸濁液を、化合物を無毒性ビヒクル中に分散させることにより、製剤化することができる。可溶化剤および乳化剤、例えばエトキシル化イソステアリルアルコール類およびポリオキシエチレンソルビトールエーテル類、保存剤、風味添加剤、例えばペパーミント油もしくは天然甘味剤もしくはサッカリン、または他の人工甘味料などを、同様に加えることができる。
経口投与用の投与単位処方物を、所望により、マイクロカプセル中にカプセル封入することができる。処方物をまた、放出が延長されるかまたは遅延されるように、例えば粒子状材料をポリマー、ろうなどの中にコーティングするかまたは包埋することにより、調製することができる。
式Iで表される化合物および塩、溶媒和物およびこれらの生理学的な官能性誘導体をまた、リポソーム送達系、例えば小さい単層のベシクル(small unilamellar vesicles)、大きい単層のベシクル(large unilamellar vesicles)および多層のベシクル(multilamellar vesicles)の形態で、投与することができる。リポソームを、種々のリン脂質、例えばコレステロール、ステアリルアミンまたはホスファチジルコリン類から生成することができる。
式Iで表される化合物およびこれらの塩、溶媒和物および生理学的な官能性誘導体をまた、化合物分子が結合した個別の担体としてモノクローナル抗体を用いて送達することができる。化合物をまた、標的とする医薬担体としての可溶性ポリマーに結合させることができる。このようなポリマーは、パルミトイル基により置換されたポリビニルピロリドン、ピランコポリマー、ポリヒドロキシプロピルメタクリルアミドフェノール、ポリヒドロキシエチルアスパラートアミドフェノール(polyhydroxyethylaspartamidophenol)またはポリエチレンオキシドポリリシンを包含することができる。化合物をさらに、医薬の制御された放出を達成するのに適する生分解性ポリマーの群、例えばポリ乳酸、ポリ−イプシロン−カプロラクトン、ポリヒドロキシ酪酸、ポリオルトエステル類、ポリアセタール類、ポリジヒドロキシピラン類、ポリシアノアクリレート類およびヒドロゲルの架橋、または両親媒性のブロックコポリマーに結合することができる。
経皮的投与用に適合する医薬処方物を、レシピエントの表皮との長期間の、密接な接触のための独立した硬膏剤として投与することができる。したがって、例えば、活性成分を、総括的にPharmaceutical Research, 3(6), 318 (1986)に記載されているように、イオン泳動により硬膏剤から送達することができる。
局所的投与用に適合する医薬化合物を、軟膏、クリーム、懸濁液、ローション、粉末、溶液、ペースト、ゲル、スプレー、エアゾールまたは油として製剤化することができる。
眼または他の外部組織、例えば口および皮膚の処置のために、処方物を、好ましくは、局所的軟膏またはクリームとして適用する。軟膏を施与するための処方物の場合において、活性成分を、パラフィン系または水混和性クリームベースのいずれかと共に用いることができる。あるいはまた、活性成分を製剤化して、水中油型クリームベースまたは油中水型ベースを有するクリームを得ることができる。
眼への局所的適用に適合する医薬処方物には、点眼剤が含まれ、ここで、活性成分を、好適な担体、特に水性溶媒中に溶解するかまたは懸濁させる。
口における局所的適用に適合する医薬処方物は、薬用キャンデー、トローチおよび洗口剤を包含する。
直腸内投与に適合する医薬処方物を、坐剤または浣腸剤の形態で投与することができる。
担体物質が固体である、鼻腔内投与に適合する医薬処方物は、例えば20〜500ミクロンの範囲内の粒子の大きさを有する粗粉末を含み、これを、嗅ぎタバコを服用する方法で、即ち鼻に近接して保持した粉末を含む容器からの鼻孔を介しての迅速な吸入により、投与する。担体物質としての液体を有する鼻腔内スプレーまたは鼻腔内ドロップとしての投与に適する処方物は、水または油に溶解した活性成分溶液を包含する。
吸入による投与に適合する医薬処方物は、微細な粒子状ダストまたはミストを包含し、これは、エアゾール、噴霧器または吸入器を有する種々のタイプの加圧ディスペンサーにより作成し得る。
膣内投与に適合する医薬処方物を、膣坐薬、タンポン、クリーム、ゲル、ペースト、発泡体またはスプレー処方物として投与することができる。
非経口投与に適合する医薬処方物には、処方物が処置されるべきレシピエントの血液と等張になる酸化防止剤、緩衝剤、静菌剤および溶質を含む水性の、および非水性の無菌注射溶液;ならびに懸濁媒体および増粘剤を含み得る、水性のおよび非水性の無菌懸濁液が含まれる。処方物を、単一用量または多重用量の容器、例えば密封したアンプルおよびバイアルにおいて投与し、凍結乾燥した(freeze-dried)(凍結乾燥(lyophilised))状態において貯蔵し、したがって使用の直前の、無菌の担体液体、例えば注射目的での水の添加のみが必要であるようにすることができる。レシピに従い製造する注射溶液および懸濁液を、無菌の粉末、顆粒および錠剤から調製することができる。
上で特定的に述べた構成成分に加えて、処方物はまた、処方物の特定の種類に関して当該分野において通例の他の剤を含むことができることは、言うまでもない;したがって、例えば、経口投与に適する処方物は、風味剤を含んでいてもよい。
式Iで表される化合物の治療有効量は、例えば、動物の年齢および体重、処置を必要とする正確な状態、ならびにこの重篤度、処方物の性質および投与の方法を含む多くの要因に依存し、最終的には、処置する医師または獣医師により決定される。しかし、例えば結腸癌または乳癌などの腫瘍性成長の処置のための本発明の化合物の有効量は、一般的に、1日あたり0.1〜100mg/レシピエント(哺乳動物)の体重1kgの範囲内、特に典型的には1日あたり1〜10mg/体重1kgの範囲内である。したがって、体重が70kgである成体の哺乳動物についての1日あたりの実際の量は、通常70〜700mgであり、ここで、この量を、1日あたり単一用量として、または通常は1日あたり一連の部分用量(例えば2回分、3回分、4回分、5回分または6回分)において投与し、したがって合計の毎日の用量が同一であるようにすることができる。塩もしくは溶媒和物の、またはこの生理学的な官能性誘導体の有効量を、本発明の化合物自体の有効量の比として決定することができる。同様の用量が、前述の他の状態の処置に適すると、推測することができる。
本発明はさらに、式Iで表される少なくとも1種の化合物および/または、その薬学的に使用可能な塩および立体異性体(すべての比率でのその混合物を含む)ならびに少なくとも1種の他の医薬活性成分を含む医薬に関する。
本発明はまた、
(a)式Iで表される化合物および/またはその薬学的に使用可能な塩および立体異性体(すべての比率でのその混合物を含む)の有効量、
ならびに
(b)有効量の他の医薬活性成分、
の個別のパックからなる、セット(キット)に関する。
該セットは、好適な容器、例えば箱、個別のビン、袋またはアンプルを含む。該セットは、例えば、個別のアンプルを含んでいてもよく、各々は、有効量の式Iで表される化合物および/またはその薬学的に使用可能な塩および立体異性体(すべての比率でのその混合物を含む)、
ならびに、溶解したかまたは凍結乾燥された形態での、有効量の他の医薬活性成分を含む。
使用
本化合物は、哺乳動物、特にヒトの、癌疾患の処置および制御における医薬活性成分として好適である。
本発明は式Iで表される化合物および/またはその生理学的に許容し得る塩および溶媒和物の、癌の処置または予防のための医薬の製造のための使用を包含する。処置に好ましい癌は、脳の癌、尿生殖器癌、リンパ系の癌、胃癌、喉頭癌、および肺癌、腸の癌の群に由来する。癌の好ましい形態のさらなる群は、単球性白血病、肺腺癌、小細胞肺癌、膵癌、グリア芽細胞腫および乳癌である。
さらに包含されるのは、式Iで表される化合物および/またはその生理学的に許容し得る塩および溶媒和物の、哺乳動物における腫瘍誘発性疾患の処置および/または制御のための医薬の製造のための使用であって、この方法においては、本発明の化合物の治療有効量を、かかる処置が必要な病気の哺乳動物に投与する。治療量は特定の疾患により変化し、当業者が過度な努力なしに決定することができる。
特に好ましいのは、固形腫瘍である疾患の処置のための使用である。
固形腫瘍は、好ましくは、扁平上皮、膀胱、胃、腎臓、頭頚部、食道、頚部、甲状腺、腸、肝臓、脳、前立腺、尿生殖器、リンパ系、胃、喉頭、および/または肺の腫瘍の群から選択される。
固形腫瘍はさらに好ましくは、肺腺癌、小細胞肺癌、膵癌、グリア芽細胞腫、結腸癌および乳癌の群から選択される。
さらに好ましいのは、血液および免疫系の腫瘍の処置のため、好ましくは急性骨髄性白血病、慢性骨髄性白血病、急性リンパ性白血病、および/または慢性リンパ性白血病の群から選択される腫瘍の処置のための使用である。
本発明はさらに、本発明の化合物の、骨の病変の処置のための使用であって、骨の病変が、骨肉種、変形性関節症およびくる病の群に由来する、前記使用に関する。
式Iで表される化合物はまた、処置する状態に対する特定の有用性のために選択された、他の周知の治療剤と同時に投与してもよい。
本化合物はまた、既知の抗癌剤との組合せにも適する。これらの既知の抗癌剤は以下を含む:エストロゲン受容体モジュレータ、アンドロゲン受容体モジュレータ、レチノイド受容体モジュレータ、細胞毒性薬、抗増殖剤、プレニルタンパク質トランスフェラーゼ阻害剤、HMG−CoAレダクターゼ阻害剤、HIVプロテアーゼ阻害剤、逆転写酵素阻害剤、およびさらなる血管形成阻害剤。本化合物は、放射線療法と同時の投与に特に適する。
「エストロゲン受容体モジュレータ」とは、メカニズムに関係なく、エストロゲンの受容体への結合を妨害または阻止する化合物を意味する。エストロゲン受容体モジュレータの例としては、限定することなく、タモキシフェン、ラロキシフェン、イドキシフェン、LY353381、LY117081、トレミフェン、フルベストラント、4−[7−(2,2−ジメチル−1−オキソプロポキシ−4−メチル−2−[4−[2−(1−ピペリジニル)エトキシ]フェニル]−2H−1−ベンゾピラン−3−イル]フェニル2,2−ジメチルプロパノアート、4,4’−ジヒドロキシベンゾフェノン−2,4−ジニトロフェニルヒドラゾン、およびSH646が挙げられる。
「アンドロゲン受容体モジュレータ」とは、メカニズムに関係なく、アンドロゲンの受容体への結合を妨害または阻止する化合物を意味する。アンドロゲン受容体モジュレータの例としては、フィナステリドおよび他の5α−レダクターゼ阻害剤、ニルタミド、フルタミド、ビカルタミド、リアロゾール、および酢酸アビラテロンが挙げられる。
「レチノイド受容体モジュレータ」とは、メカニズムに関係なく、レチノイドの受容体への結合を妨害または阻止する化合物を意味する。このようなレチノイド受容体モジュレータの例としては、ベキサロテン、トレチノイン、13−シス−レチノイン酸、9−シス−レチノイン酸、α−ジフルオロメチルオルニチン、ILX23−7553、トランス−N−(4’−ヒドロキシフェニル)レチンアミド、およびN−4−カルボキシフェニルレチンアミドが挙げられる。
「細胞毒性薬」とは、主に細胞の機能に対する直接作用により細胞死をもたらすか、または細胞有糸分裂を抑制もしくは妨害する化合物を意味し、アルキル化剤、腫瘍壊死因子、インターカレーター、微小管阻害剤およびトポイソメラーゼ阻害剤を含む。
細胞毒性薬の例としては、限定することなく、チラパジミン、セルテネフ、カケクチン、イホスファミド、タソネルミン、ロニダミン、カルボプラチン、アルトレタミン、プレドニムスチン、ジブロモダルシトール、ラニムスチン、フォテムスチン、ネダプラチン、オキサリプラチン、テモゾロミド、ヘプタプラチン、エストラムスチン、イムプロスルファントシラート、トロホスファミド、ニムスチン、塩化ジブロスピジウム、プミテパ、ロバプラチン、サトラプラチン、プロフィロマイシン、シスプラチン、イロフルベン、デキシホスファミド、シス−アミンジクロロ(2−メチルピリジン)白金、ベンジルグアニン、グルホスファミド、GPX100、四塩化(トランス,トランス,トランス)ビス−μ−(ヘキサン−1,6−ジアミン)−μ−[ジアミン−白金(II)]ビス[ジアミン(クロロ)白金(II)]、ジアリジジニルスペルミン(diarisidinylspermine)、三酸化ヒ素、1−(11−ドデシルアミノ−10−ヒドロキシウンデシル)−3,7−ジメチルキサンチン、ゾルビシン、イダルビシン、ダウノルビシン、ビサントレン、ミトキサントロン、ピラルビシン、ピナフィド、バルルビシン、アムルビシン、アンチネオプラストン、3’−デアミノ−3’−モルホリノ−13−デオキソ−10−ヒドロキシカルミノマイシン、アナマイシン、ガラルビシン、エリナフィド、MEN10755、および4−デメトキシ−3−デアミノ−3−アジリジニル−4−メチルスルホニル−ダウノルビシン(WO 00/50032参照)が挙げられる。
微小管阻害剤の例としては、パクリタキセル、硫酸ビンデシン、3’,4’−ジデヒドロ−4’−デオキシ−8’−ノルビンカロイコブラスチン、ドセタキソール、リゾキシン、ドラスタチン、イセチオン酸ミボブリン、オーリスタチン、セマドチン、RPR109881、BMS184476、ビンフルニン、クリプトフィシン、2,3,4,5,6−ペンタフルオロ−N−(3−フルオロ−4−メトキシフェニル)ベンゼンスルホンアミド、アンヒドロビンブラスチン、N,N−ジメチル−L−バリル−L−バリル−N−メチル−L−バリル−L−プロリル−L−プロリン−t−ブチルアミド、TDX258、およびBMS188797が挙げられる。
トポイソメラーゼ阻害剤は、例えば、トポテカン、ヒカプタミン、イリノテカン、ルビテカン、6−エトキシプロピオニル−3’,4’−O−エキソベンジリデンチャートロイシン、9−メトキシ−N,N−ジメチル−5−ニトロピラゾロ[3,4,5−kl]アクリジン−2−(6H)プロパンアミン、1−アミノ−9−エチル−5−フルオロ−2,3−ジヒドロ−9−ヒドロキシ−4−メチル−1H,12H−ベンゾ[デ]ピラノ[3’,4’:b,7]−インドリジノ[1,2b]キノリン−10,13(9H,15H)−ジオン、ルートテカン、7−[2−(N−イソプロピルアミノ)エチル]−(20S)カンプトテシン、BNP1350、BNPI1100、BN80915、BN80942、リン酸エトポシド、テニポシド、ソブゾキサン、2’−ジメチルアミノ−2’−デオキシエトポシド、GL331、N−[2−(ジメチルアミノ)エチル]−9−ヒドロキシ−5,6−ジメチル−6H−ピリド[4,3−b]カルバゾール−1−カルボキサミド、アスラクリン、(5a,5aB,8aa,9b)−9−[2−[N−[2−(ジメチルアミノ)エチル]−N−メチルアミノ]エチル]−5−[4−ヒドロオキシ−3,5−ジメトキシフェニル]−5,5a,6,8,8a,9−ヘキソヒドロフロ(3’,4’:6,7)ナフト(2,3−d)−1,3−ジオキソール−6−オン、2,3−(メチレンジオキシ)−5−メチル−7−ヒドロキシ−8−メトキシベンゾ[c]フェナントリジニウム、6,9−ビス[(2−アミノエチル)アミノ]ベンゾ[g]イソキノリン−5,10−ジオン、5−(3−アミノプロピルアミノ)−7,10−ジヒドロキシ−2−(2−ヒドロキシエチルアミノメチル)−6H−ピラゾロ[4,5,1−デ]−アクリジン−6−オン、N−[1−[2(ジエチルアミノ)エチルアミノ]−7−メトキシ−9−オキソ−9H−チオキサンテン−4−イルメチル]ホルムアミド、N−(2−(ジメチルアミノ)エチル)アクリジン−4−カルボキサミド、6−[[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ]−3−ヒドロキシ−7H−インデノ[2,1−c]キノリン−7−オン、およびジメスナである。
「抗増殖剤」としては、G3139、ODN698、RVASKRAS、GEM231、およびINX3001などのアンチセンスRNAおよびDNAオリゴヌクレオチドおよび、代謝拮抗物質、例えばエノシタビン、カルモフール、テガフール、ペントスタチン、ドキシフルリジン、トリメトレキセート、フルダラビン、カペシタビン、ガロシタビン、シタラビンオクホスファート、ホステアビンナトリウム水和物、ラルチトレキセド、パルチトレキセド、エミテフル、チアゾフリン、デシタビン、ノラトレキセド、ペメトレキセド、ネルザラビン、2’−デオキシ−2’−メチリデンシチジン、2’−フルオロメチレン−2’−デキオシシチジン、N−[5−(2,3−ジヒドロベンゾフリル)スルホニル]−N’−(3,4−ジクロロフェニル)尿素、N6−[4−デオキシ−4−[N2−[2(E),4(E)−テトラデカジエノイル]グリシルアミノ]−L−グリセロ−B−L−マンノヘプトピラノシル]アデニン、
アプリジン、エクテイナシジン、トロキサシタビン、4−[2−アミノ−4−オキソ−4,6,7,8−テトラヒドロ−3H−ピリミジノ[5,4−b]−1,4−チアジン−6−イル−(S)−エチル]−2,5−チエノイル−L−グルタミン酸、アミノプテリン、5−フルオロウラシル、アラノシン、11−アセチル−8−(カルバモイルオキシメチル)−4−ホルミル−6−メトキシ−14−オキサ−1,11−ジアザテトラシクロ(7.4.1.0.0)テトラデカ−2,4,6−トリエン−9−イル酢酸エステル、スワインソニン、ロメトレキソール、デクスラゾキサン、メチオニナーゼ、2’−シアノ−2’−デオキシ−N4−パルミトイル−1−B−D−アラビノフラノシルシトシン、および3−アミノピリジン−2−カルボキサルデヒドチオセミカルバゾンが挙げられる。「抗増殖剤」はさらに、増殖因子に対するモノクローナル抗体であって、トラスツズマブなどの「血管形成阻害薬」として挙げられているもの、およびp53などの腫瘍抑圧遺伝子で、組換えウィルス媒介性遺伝子導入により送達できるものを除く、前記モノクローナル抗体を含む(例えば、米国特許第6,069,134号参照)。
薬理学的阻害剤のin vitroでの腫瘍細胞の増殖/活力に対する作用の証明
1.0 背景
本実験の説明において、腫瘍細胞増殖/腫瘍細胞活力の活性成分による阻害について記載する。
細胞は、好適な細胞密度でマイクロタイタープレート(96ウェル形態)に播種し、試験物質を一連の濃度系列で加える。血清含有培地中でさらに4日間培養した後、腫瘍細胞増殖/腫瘍細胞活力をAlamar Blue試験系を用いて決定することができる。
2.0 実験手順
2.1 細胞培養
例えば、市販の結腸癌株、卵巣細胞株、前立腺細胞株または乳腺細胞株など。
細胞を培地中で培養する。数日間の間隔で、細胞を培養皿からトリプシン溶液を用いて取り出し、新鮮な培地に好適な希釈で播種する。細胞は、37℃および10%COで培養する。
2.2 細胞の播種
培養/ウェル当たり所定数の細胞(例えば2000個の細胞)を、180μlの培養培地容量にて、マルチチャネルピペットを用いてマイクロタイタープレート(96ウェル細胞培養プレート)に播種する。次に細胞を、CO2インキュベーター内で培養する(37℃および10%CO)。
2.3 試験物質の添加
試験物質は、例えばDMSOなどに溶解し、続いて細胞培養培地中の対応する濃度で(必要に応じて希釈系列において)使用する。希釈ステップは、活性成分の有効性および所望の濃度範囲により適合させることができる。細胞培養培地を、対応する濃度において試験物質に加える。試験物質の細胞への添加は、細胞播種と同じ日に行うことができる。そのために、各々のケースにおいて、前希釈プレートから20μlの物質溶液を培養/ウェルに加える。細胞を、37℃および10%COでさらに4日間培養する。
2.4 色反応の測定
各々のケースにおいて、1ウェル当たり20μlのAlamar Blue試薬を加え、マイクロタイタープレートを、例えばさらに7時間、CO2インキュベーター内で培養する(37℃および10%COにて)。プレートを、540nmの波長において蛍光フィルターを用いてリーダーで測定する。プレートは、測定の直前にゆっくり振盪してもよい。
3.評価
培地対照(細胞および試験物質なし)の吸収値を、全ての他の吸収値から差し引く。対照(試験物質なしの細胞)を100%に設定し、全ての他の吸収値をこれとの相対値(例えば対照に対する%として)として設定する:
計算:
100*(細胞および試験物質による値−培地対照の値)
(細胞による値−培地対照の値)
IC50値(50%阻害)は、例えばRS1などの統計プログラムを用いて決定する。
本発明の化合物のIC50データを表1に示す。
例1
4−ブチル−6−(1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−3−イル)ピリミジン−2−イルアミン(「A1」)の調製を、以下のスキームと同様にして行う。
1.1 7.0g(106mmol)の水酸化カリウムペレットを、5.00g(42.3mmol)の1H−ピロロ[2,3−c]ピリジンを80mlのDMFに溶解した溶液に加え、10.9g(42.7mmol)のヨウ素を80mlのDMFに溶解した溶液を、室温にて撹拌しながらそれに滴加し、45分間撹拌する。5mlの32%アンモニアの溶液および1lの水中の1gの二亜硫酸ナトリウムを、反応混合物に加える。得られた沈殿物を吸引により濾別し、水で洗浄し、真空において乾燥し、3−ヨード−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジンを橙黄色固体として得る;ESI 245。
1.2 5.06ml(21.4mmol)の二炭酸ジ−tert−ブチルを40mlのジクロロメタンに溶解した溶液を、30分にわたり、4.74g(19.4mmol)の3−ヨード−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジンを40mlのジクロロメタンに懸濁させた懸濁液に、室温にて撹拌しながら滴加する。反応混合物を、室温にてさらに30分間撹拌し、次に真空において蒸発させる。残留物を石油エーテル中に吸収させ、吸引により濾別し、石油エーテルで洗浄し、真空において乾燥し、3−ヨードピロロ[2,3−c]ピリジン−1−カルボン酸tert−ブチルを帯黄色固体として得る;ESI 345。
1.3 35mg(0.05mmol)の塩化ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)および4mg(0.02mmol)のヨウ化銅(I)を、344mg(1.00mmol)の3−ヨードピロロ[2,3−c]ピリジン−1−カルボン酸tert−ブチルを5mlの1,2−ジメトキシエタンに溶解した、窒素の下に保持した溶液に加える。一酸化炭素を、オートクレーブ装置中のこの溶液中に通じ、混合物を、約5barの圧力にて50分間撹拌する。装置を減圧し、0.18ml(1.50mmol)の1−ヘキシンおよび0.28ml(2.00mmol)のトリエチルアミンを、窒素の下で加える。装置を、再び5.8barの一酸化炭素の圧力下に設定し、反応混合物を、室温にて45時間撹拌する。飽和塩化ナトリウム溶液を反応混合物に加え、それを次にジクロロメタンで抽出する。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、蒸発させる。残留物を、石油エーテル/酢酸エチルを溶離剤としてシリカゲルカラム上でクロマトグラフィー分離する:3−ヘプタ−2−イノイルピロロ[2,3−c]ピリジン−1−カルボン酸tert−ブチル、黄色固体として;融点68〜72℃。
1.4 239mg(2.50mmol)のグアニジン塩酸塩および346mg(2.50mmol)の炭酸カリウムを、326mg(1.00mmol)の3−ヘプタ−2−イノイルピロロ[2,3−c]ピリジン−1−カルボン酸tert−ブチルを5mlの2−メトキシエタノールに溶解した溶液に加え、混合物を沸騰にて18時間加熱する。冷却後、20mlの飽和塩化ナトリウム溶液を加え、混合物をジクロロメタンで抽出する。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、蒸発させる。残留物を、ジクロロメタン/メタノール/アンモニア水を用いてシリカゲルカラム上でクロマトグラフィー分離し、4−ブチル−6−(1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−3−イル)ピリミジン−2−イルアミン(「A1」)を淡黄色固体として得る;ESI 268;融点184〜187℃(分解);
以下の化合物を、同様にして得る。
例2
フェニル−[4−(1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−3−イル)ピリミジン−2−イル]アミン(「A3」)の調製を、以下のスキームと同様にして行う。
2.1 1.20g(1.71mmol)の塩化ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)および158mg(0.83mmol)のヨウ化銅(I)を、5.72g(16.6mmol)の3−ヨードピロロ[2,3−c]ピリジン−1−カルボン酸tert−ブチルを100mlのTHFに溶解した、窒素の下に保持した溶液に加える。一酸化炭素を、オートクレーブ装置中のこの溶液中に通じ、混合物を約5barの圧力にて50分間撹拌する。装置を減圧し、2.45g(24.9mmol)のトリメチルシリルアセチレンおよび1.68g(16.6mmol)のトリエチルアミンを、窒素の下で加える。装置を、再び5barの一酸化炭素の圧力下に設定し、反応混合物を室温にて41時間撹拌する。飽和塩化ナトリウム溶液を反応混合物に加え、それを次にジクロロメタンで抽出する。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、蒸発させる。残留物を、石油エーテル/酢酸エチルを溶離剤としてシリカゲルカラム上でクロマトグラフィー分離する:tert−ブチル3−(3−トリメチルシラニルプロピノイル)ピロロ[2,3−c]ピリジン−1−カルボキシレート、オレンジ色固体として;ESI 343。
2.2 90mg(0.27mmol)の炭酸フェニルグアニジンおよび75mg(0.54mmol)の炭酸カリウムを、85mg(0.22mmol)の3−(3−トリメチルシラニルプロピノイル)ピロロ[2,3−c]ピリジン−1−カルボン酸tert−ブチルを1mlの2−メトキシエタノールに溶解した溶液に加え、混合物を沸騰にて18時間加熱する。冷却後、反応混合物を水とジクロロメタンとの間で分割する。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、蒸発させる。残留物を、ジクロロメタン/メタノールを用いてシリカゲルカラム上でクロマトグラフィー分離し、フェニル−[4−(1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−3−イル)ピリミジン−2−イル]アミン(「A3」)を無色固体として得る;ESI 288;
例3
4−(1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−3−イル)ピリミジン−2−イルアミン(「A4」)の調製を、以下のスキームと同様にして行う。
3.1 293mg(0.41mmol)の塩化ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)および161mg(0.83mmol)のヨウ化銅(I)を、7.11g(20.7mmol)の3−ヨードピロロ[2,3−c]ピリジン−1−カルボン酸tert−ブチルを100mlのTHFに溶解した、窒素の下に保持した溶液に加える。1.83ml(31.0mmol)の2−プロピン−1−オールおよび5.73ml(41.3mmol)のトリエチルアミンを、次に窒素の下で連続的に加え、反応混合物を室温にて23時間撹拌する。飽和塩化ナトリウム溶液を反応混合物に加え、それを次にジクロロメタンで抽出する。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、蒸発させる。残留物を、石油エーテル/酢酸エチル/トリエチルアミンを溶離剤としてシリカゲルカラム上でクロマトグラフィー分離する:3−(3−ヒドロキシプロパ−1−イニル)ピロロ[2,3−c]ピリジン−1−カルボン酸tert−ブチル、ベージュ色固体として;EI−MS 272。
3.2 1.21g(12.5mmol)の二酸化マンガンを、136mg(0.50mmol)の3−(3−ヒドロキシプロパ−1−イニル)ピロロ[2,3−c]ピリジン−1−カルボン酸tert−ブチルを2.5mlのアセトニトリルに懸濁させた懸濁液に加え、混合物を室温にて40分間撹拌する。反応混合物を、硫酸ナトリウムの床を通して濾過し、石油エーテル/酢酸エチル1:3で洗浄する。濾液を蒸発させる:3−(3−オキソプロパ−1−イニル)ピロロ[2,3−c]ピリジン−1−カルボン酸tert−ブチル、黄色固体として;EI−MS 270。
3.3 53mg(0.55mmol)のグアニジン塩酸塩および53mg(0.55mmol)の炭酸カリウムを、60mg(0.22mmol)の3−(3−オキソプロパ−1−イニル)ピロロ[2,3−c]ピリジン−1−カルボン酸tert−ブチルを1mlの2−メトキシエタノールに溶解した溶液に加え、混合物を沸騰にて24時間加熱する。冷却後、反応混合物を、飽和塩化ナトリウム溶液とジクロロメタンとの間で分割する。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、蒸発させる。残留物を、ジクロロメタン/メタノール/アンモニア水を用いてシリカゲルカラム上でクロマトグラフィー分離し、4−(1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−3−イル)ピリミジン−2−イルアミン(「A4」)を無色固体として得る;EI−MS 211。
例4
化合物「A5」〜「A14」の調製を、以下のスキームと同様にして行う。
あるいはまた、化合物「A5」〜「A14」を、以下のように調製することができる:
例5
4−(4−フルオロフェニル)−6−(1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−3−イル)ピリミジン−2−イルアミン(「A15」)の調製
1389mg(5.00mmol)のモリブデンヘキサカルボニル、823mg(2.5mmol)の炭酸セシウムおよび184mg(1.5mmol)の1−エチニル−4−フルオロベンゼンを2.5mlのトルエンに溶解した溶液を、11mg(0.05mmol)の酢酸パラジウム(II)、4mg(0.02mmol)のヨウ化銅ならびに、29mg(0.1mmol)のテトラフルオロホウ酸トリ−tert−ブチルホスホニウムおよび344mg(1.00mmol)の3−ヨードピロロ[2,3−c]ピリジン−1−カルボン酸tert−ブチルを2.5mlのアセトニトリルに懸濁させた、アルゴンの下に保持した懸濁液に連続的に加える。反応混合物を、迅速に80℃に加熱し、この温度にて5分間撹拌する。反応混合物を、迅速に室温に冷却し、5mlの水で希釈し、ジクロロメタンで多数回抽出する。混ぜ合わせた有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、蒸発させ、石油エーテル/酢酸エチル/トリエチルアミン(5:1:0.1)を溶離剤としてシリカゲルカラム上でクロマトグラフィー分離し、3−[3−(4−フルオロフェニル)プロピノイル]ピロロ[2,3−c]ピリジン−1−カルボン酸tert−ブチルをオレンジ色固体として得る;ESI 365。
69mg(0.73mmol)のグアニジン塩酸塩および101mg(0.73mmol)の炭酸カリウムを、106mg(0.29mmol)の3−[3−(4−フルオロフェニル)プロピノイル]ピロロ[2,3−c]ピリジン−1−カルボン酸tert−ブチルを1.5mlの2−メトキシエタノールに溶解した溶液に加え、混合物を沸騰にて18時間加熱する。冷却後、5mlの水を加え、混合物をジクロロメタンで抽出する。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、蒸発させる。残留物を、ジクロロメタン/メタノール/アンモニア水を用いてシリカゲルカラム上でクロマトグラフィー分離し、4−(4−フルオロフェニル)−6−(1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−3−イル)ピリミジン−2−イルアミンを黄色固体として得る;ESI 306;
以下の化合物を、例5と同様にして調製する:
例6
4−(1−メチル−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−3−イル)−6−フェニル−ピリミジン−2−イルアミン(「A25」)の調製を、以下のスキームと同様にして行う。
以下の化合物を、例5と同様にして調製する:
表1
腫瘍細胞の増殖/活力の阻害
本発明の化合物のIC50
以下の例は医薬に関する:
例A:注射バイアル
100gの式Iで表される活性成分および5gのリン酸水素二ナトリウムを3lの再蒸留水に溶解した溶液を、2N塩酸を用いてpH6.5に調整し、滅菌濾過し、注射バイアル中に移送し、滅菌条件下で凍結乾燥し、滅菌条件下で密封する。各々の注射バイアルは、5mgの活性成分を含む。
例B:座剤
20gの式Iで表される活性成分と100gの大豆レシチンおよび1400gのココアバターとの混合物を溶融し、型中に注入し、放冷する。各々の座剤は、20mgの活性成分を含む。
例C:溶液
1gの式Iで表される活性成分、9.38gのNaHPO・2HO、28.48gのNaHPO・12HOおよび0.1gの塩化ベンザルコニウムから、940mlの再蒸留水中に溶液を調製する。pHを6.8に調整し、溶液を1lにし、放射線により滅菌する。この溶液を、点眼剤の形態で用いることができる。
例D:軟膏
500mgの式Iで表される活性成分を、99.5gのワセリンと、無菌条件下で混合する。
例E:錠剤
1kgの式Iで表される活性成分、4kgのラクトース、1.2kgのジャガイモデンプン、0.2kgのタルクおよび0.1kgのステアリン酸マグネシウムの混合物を、慣用の方法で圧縮して錠剤を得、各々の錠剤が10mgの活性成分を含むようにする。
例F:糖衣錠
例Eと同様にして、錠剤を圧縮し、次に、慣用の方法で、スクロース、ジャガイモデンプン、タルク、トラガカントおよび染料の被膜で被覆する。
例G:カプセル
2kgの式Iで表される活性成分を、硬質ゼラチンカプセル中に慣用の方法で導入して、各々のカプセルが20mgの活性成分を含むようにする。
例H:アンプル
1kgの式Iで表される活性成分を60lの再蒸留水に溶解した溶液を滅菌濾過し、アンプル中に移送し、滅菌条件下で凍結乾燥し、滅菌条件下で密封する。各々のアンプルは、10mgの活性成分を含む。

Claims (2)

  1. 以下の群
    から選択される化合物、またはそれらの薬学的に使用可能な塩、互変異性体もしくは立体異性体、またはすべての比率でのそれらの混合物。
  2. 請求項1に記載の化合物および/またはその薬学的に使用可能な塩、互変異性体、もしくは立体異性体、またはすべての比率でのそれらの混合物、ならびに任意に賦形剤および/またはアジュバントを含む、医薬。
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