JP5524787B2 - 燃料電池システムの運転停止方法 - Google Patents

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Description

本発明は、酸化剤ガス及び燃料ガスの電気化学反応により発電する燃料電池を備える燃料電池システムの運転停止方法に関する。
燃料電池は、燃料ガス(主に水素を含有するガス、例えば、水素ガス)及び酸化剤ガス(主に酸素を含有するガス、例えば、空気)をアノード電極及びカソード電極に供給して電気化学的に反応させることにより、直流の電気エネルギを得るシステムである。このシステムは、定置用の他、車載用として燃料電池車両に組み込まれている。
例えば、固体高分子型燃料電池は、高分子イオン交換膜からなる電解質膜の両側に、それぞれアノード電極及びカソード電極を設けた電解質膜・電極構造体(MEA)を、一対のセパレータによって挟持している。一方のセパレータと電解質膜・電極構造体との間には、アノード電極に燃料ガスを供給するための燃料ガス流路が形成されるとともに、他方のセパレータと前記電解質膜・電極構造体との間には、カソード電極に酸化剤ガスを供給するための酸化剤ガス流路が形成されている。
ところで、燃料電池の停止時には、燃料ガス及び酸化剤ガスの供給が停止されるものの、燃料ガス流路内に前記燃料ガスが残留する一方、酸化剤ガス流路内に前記酸化剤ガスが残留している。従って、特に燃料電池の停止期間が長くなると、燃料ガスや酸化剤ガスが電解質膜を透過し、前記燃料ガスと前記酸化剤ガスとが混在するおそれがある。
そこで、例えば、特許文献1に開示されている燃料電池システムが知られている。この燃料電池システムは、図10に示すように、燃料電池1と、前記燃料電池1に水素ガス及び空気を供給するアノードガス供給ライン2及びカソードガス供給ライン3と、前記燃料電池1のアノード出口ガス及びカソード出口ガスを、それぞれ上流側に循環させるアノード循環ライン2a及びカソード循環ライン3aと、前記燃料電池1及び各ライン2、2a、3及び3aを不活性ガスによりパージするパージライン4と、前記燃料電池1の出力電路を運転停止時に遮断する遮断手段5と、を備えている。
アノードガス供給ライン2は、水素貯蔵装置である図示しない水素タンクから燃料電池1のアノード側入口に接続される入口管路A1中に、入口遮断弁6a、ブロア7aを、この順に配置して備えている。また、燃料電池1のアノード側出口から図示しない燃料再生装置に接続される出口管路A2中に、パージ弁6b及び出口遮断弁6cを、この順に直列に配置して備えている。
アノードガス供給ライン2は、燃料電池1の運転中、入口遮断弁6a、出口遮断弁6c及びパージ弁6bを開放させており、水素タンクから送られる水素ガスをブロア7aを介して前記燃料電池1のアノード極1Aに供給している。
カソードガス供給ライン3は、圧縮空気を充填した図示しない空気タンクから燃料電池1のカソード側入口に接続される入口管路C1中に、入口遮断弁6d、ブロア7bを、この順に配置して備えている。また、燃料電池1のカソード側出口から図示しない生成水分離装置に接続される出口管路C2中に、出口遮断弁6eを配置して備えている。
カソードガス供給ライン3は、燃料電池1の運転中、入口遮断弁6d及び出口遮断弁6eを開放させており、空気タンクから送られる空気をブロア7bを介して前記燃料電池1のカソード極1Cに供給している。
そして、アノード循環ライン2aは、アノードガス供給ライン2の入口遮断弁6a及び出口遮断弁6cが、燃料電池1の運転停止により閉じられた時、循環遮断弁6fを開放して、前記燃料電池1のアノード出口ガスをブロア7aにより吸引して前記燃料電池1の上流側に循環させるように機能している。
一方、カソード循環ライン3aは、カソード供給ライン3の入口遮断弁6d及び出口遮断弁6eが、燃料電池1の運転停止により閉じられた時、循環遮断弁6gを開放して、前記燃料電池1のカソード出口ガスをブロア7bにより吸引して前記燃料電池1の上流側に循環させるように機能している。
この特許文献1では、運転停止時に、カソード側への反応ガスの供給を入口遮断弁で遮断し、カソード側排ガスを循環ラインを介して上流側に循環させ、燃料電池内の電池反応を継続させてカソード側排ガス中の酸素を消費することで、窒素ガスの不活性ガスを燃料電池内のカソード側及びアノード側のパージに利用する、としている。
特開2004−22487号公報
上記の特許文献1では、アノードガス供給ライン2及びカソードガス供給ライン3に、燃料電池1のアノード出口ガスとカソード出口ガスを、それぞれ上流側に循環させるアノード循環ライン2a及びカソード循環ライン3aが設けられている。さらに、カソード循環ライン3aには、不活性ガスである窒素ガスを蓄積するために、ガス容積部であるタンク8が配設されている。
そして、燃料電池1内の電池反応を継続させてカソード側排ガス中の酸素を消費することで、窒素ガス等の不活性ガスを前記燃料電池1内のカソード側及びアノード側のパージに利用している。このため、燃料電池システム全体の構成が複雑化且つ大型化するとともに、コストが高騰するという問題がある。
本発明はこの種の問題を解決するものであり、簡単且つコンパクトな構成で、燃料電池の劣化を可及的に抑制することが可能な燃料電池システムの運転停止方法を提供することを目的とする。
本発明は、カソード側に供給される酸化剤ガス及びアノード側に供給される燃料ガスの電気化学反応により発電する燃料電池と、前記燃料電池に前記酸化剤ガスを供給する酸化剤ガス供給装置と、前記燃料電池に前記燃料ガスを供給する燃料ガス供給装置とを備える燃料電池システムの運転停止方法に関するものである。
この運転停止方法は、燃料電池に酸化剤ガス及び燃料ガスを供給しながら、前記燃料電池を発電させる第1の工程と、前記燃料電池の停止指令を検出した際、前記燃料ガスの供給を停止する一方、前記酸化剤ガスを、通常発電時の酸素ストイキよりも低い低酸素ストイキで前記燃料電池に供給しながら、前記低酸素ストイキの前記酸化剤ガスと前記燃料電池内に残存する前記燃料ガスとにより前記燃料電池を発電させ、その後、前記酸化剤ガスの供給を停止させ、前記燃料電池内に残存する前記燃料ガス及び前記酸化剤ガスにより前記燃料電池を発電させ第2の工程とを有している。
そしてアノード側の燃料ガス圧力が、予め実際に測定されたアノード側圧力に基づく下限設定値以下に減圧された際、燃料電池の発電を停止させている。
さらに、この運転停止方法は、第2の工程では、アノード側圧力を測定するとともに、水蒸気分圧を算出し、前記アノード側圧力から前記水蒸気分圧を減ずることにより、燃料ガス圧力を得ることが好ましい。
また、この運転停止方法では、低酸素ストイキの酸化剤ガスは、前記低酸素ストイキが1前後に設定されることが好ましい。
本発明では、燃料電池内に残存する燃料ガスと供給される低酸素ストイキの酸化剤ガスとにより発電されるため、燃料電池内の前記燃料ガスの水素濃度が低下する。従って、カソード側には、アノード側から電解質膜を介して水素が透過して前記水素と酸素との反応が惹起することがない。このため、電解質膜の劣化を良好に抑制することができる。
しかも、アノード側の燃料ガス圧力が、予め実際に測定されたアノード側圧力に基づく下限設定値以下に減圧された際、燃料電池の発電を停止させている。これにより、燃料ガスの不足によるアノード側電位の急激な上昇を惹起することがなく、燃料電池の劣化を阻止することが可能になる。従って、簡単且つコンパクトな構成で、燃料電池の劣化を可及的に抑制することが可能になる。
本発明の実施形態に係る運転停止方法が実施される燃料電池システムの概略構成図である。 前記燃料電池システムを構成する回路説明図である。 前記運転停止方法を説明するタイミングチャートである。 前記運転停止方法を説明するフローチャートである。 アノード側圧力とアノード側電位との関係説明図である。 前記アノード側圧力、前記アノード側電位及び水素ガス温度との関係説明図である。 前記燃料電池システムの動作説明図である。 前記燃料電池システムの動作説明図である。 前記燃料電池システム内の窒素置換状態の説明図である。 特許文献1に開示されている燃料電池システムの説明図である。
図1に示すように、本発明の実施形態に係る運転停止方法が実施される燃料電池システム10は、燃料電池スタック12と、前記燃料電池スタック12に酸化剤ガスを供給する酸化剤ガス供給装置14と、前記燃料電池スタック12に燃料ガスを供給する燃料ガス供給装置16と、前記燃料電池スタック12に接続自在なバッテリ(蓄電装置)17と、前記燃料電池システム10全体の制御を行うコントローラ18とを備える。燃料電池システム10は、燃料電池自動車等の燃料電池車両に搭載される。バッテリ17は、燃料電池車両を通常走行可能であり、例えば、20A、〜500V程度であるとともに、後述する12V電源98よりも高電圧且つ高電力容量である。
燃料電池スタック12は、複数の燃料電池20を積層して構成される。各燃料電池20は、例えば、パーフルオロスルホン酸の薄膜に水が含浸された固体高分子電解質膜22をカソード電極24とアノード電極26とで挟持した電解質膜・電極構造体(MEA)28を備える。
カソード電極24及びアノード電極26は、カーボンペーパ等からなるガス拡散層と、白金合金(又はRu等)が表面に担持された多孔質カーボン粒子が前記ガス拡散層の表面に一様に塗布されて形成された電極触媒層とを有する。電極触媒層は、固体高分子電解質膜22の両面に形成される。
電解質膜・電極構造体28をカソード側セパレータ30及びアノード側セパレータ32で挟持する。カソード側セパレータ30及びアノード側セパレータ32は、例えば、カーボンセパレータ又は金属セパレータで構成される。
カソード側セパレータ30と電解質膜・電極構造体28との間には、酸化剤ガス流路34が設けられるとともに、アノード側セパレータ32と前記電解質膜・電極構造体28との間には、燃料ガス流路36が設けられる。
燃料電池スタック12には、各燃料電池20の積層方向に互いに連通して、酸化剤ガス、例えば、酸素含有ガス(以下、空気ともいう)を供給する酸化剤ガス入口連通孔38a、燃料ガス、例えば、水素含有ガス(以下、水素ガスともいう)を供給する燃料ガス入口連通孔40a、冷却媒体を供給する冷却媒体入口連通孔(図示せず)、前記酸化剤ガスを排出する酸化剤ガス出口連通孔38b、前記燃料ガスを排出する燃料ガス出口連通孔40b、及び前記冷却媒体を排出する冷却媒体出口連通孔(図示せず)が設けられる。
酸化剤ガス供給装置14は、大気からの空気を圧縮して供給するエアポンプ50を備え、前記エアポンプ50が空気供給流路52に配設される。空気供給流路52には、供給ガスと排出ガスとの間で水分と熱を交換する加湿器54が配設されるとともに、前記空気供給流路52は、燃料電池スタック12の酸化剤ガス入口連通孔38aに連通する。
酸化剤ガス供給装置14は、酸化剤ガス出口連通孔38bに連通する空気排出流路56を備える。空気排出流路56は、加湿器54の加湿媒体通路(図示せず)に連通するとともに、この空気排出流路56には、エアポンプ50から空気供給流路52を通って燃料電池スタック12に供給される空気の圧力を調整するための開度調整可能な背圧制御弁58が設けられる。背圧制御弁58は、ノーマルクローズ型(通電されない時に閉塞される)背圧弁により構成されることが好ましい。
空気排出流路56は、希釈ボックス60に連通する。空気供給流路52及び空気排出流路56には、酸化剤ガス入口連通孔38a及び酸化剤ガス出口連通孔38bに近接して開閉弁61a、61bが配設される。
燃料ガス供給装置16は、高圧水素を貯留する水素タンク62を備え、この水素タンク62は、水素供給流路64を介して燃料電池スタック12の燃料ガス入口連通孔40aに連通する。この水素供給流路64には、遮断弁65及びエゼクタ66が設けられる。エゼクタ66は、水素タンク62から供給される水素ガスを、水素供給流路64を通って燃料電池スタック12に供給するとともに、燃料電池スタック12で使用されなかった未使用の水素ガスを含む排ガスを、水素循環路68から吸引して、再度、前記燃料電池スタック12に燃料ガスとして供給する。
燃料ガス出口連通孔40bには、オフガス流路70が連通する。オフガス流路70の途上には、水素循環路68が連通するとともに、前記オフガス流路70には、パージ弁72を介して希釈ボックス60が接続される。希釈ボックス60の排出口側には、排出流路74が接続され、前記排出流路74に貯蔵バッファ76が配設される。貯蔵バッファ76には、排気流路78が接続される。
図2に示すように、燃料電池スタック12には、バスライン80の一端が接続されるとともに、前記バスライン80の他端がインバータ82に接続される。インバータ82には、三相の車両走行用の駆動モータ84が接続される。なお、バスライン80は、実質的には、2本用いられているが、説明の簡素化を図るために、1本の前記バスライン80で記載する。以下に説明する他のラインにおいても、同様である。
バスライン80には、FCコンタクタ86が配設されるとともに、エアポンプ50が接続される。バスライン80には、電力線88の一端が接続され、前記電力線88には、DC/DCコンバータ90及びバッテリコンダクタ92を介装してバッテリ17が接続される。電力線88には、分岐電力線94が設けられ、前記分岐電力線94には、ダウンバータ(DC/DCコンバータ)96を介装して12V電源98が接続される。なお、12V電源98は、バッテリ17よりも低い電圧であればよく、12Vに限定されるものではない。
図1に示すように、水素供給流路64には、燃料電池スタック12の燃料ガス入口連通孔40aに近接して、アノード側ガス圧力(アノード側圧力)を検出するための圧力センサ100と、アノード側ガス温度を検出するための温度検出センサ102とが配設される。
このように構成される燃料電池システム10の動作について、以下に説明する。
先ず、燃料電池システム10の運転時には、酸化剤ガス供給装置14を構成するエアポンプ50を介して、空気供給流路52に空気が送られる。この空気は、加湿器54を通って加湿された後、燃料電池スタック12の酸化剤ガス入口連通孔38aに供給される。この空気は、燃料電池スタック12内の各燃料電池20に設けられている酸化剤ガス流路34に沿って移動することにより、カソード電極24に供給される。
使用済みの空気は、酸化剤ガス出口連通孔38bから空気排出流路56に排出され、加湿器54に送られることによって新たに供給される空気を加湿した後、背圧制御弁58を介して希釈ボックス60に導入される。
一方、燃料ガス供給装置16では、遮断弁65が開放されることにより、水素タンク62から減圧弁(図示せず)により減圧された後、水素供給流路64に水素ガスが供給される。この水素ガスは、水素供給流路64を通って燃料電池スタック12の燃料ガス入口連通孔40aに供給される。燃料電池スタック12内に供給された水素ガスは、各燃料電池20の燃料ガス流路36に沿って移動することにより、アノード電極26に供給される。
使用済みの水素ガスは、燃料ガス出口連通孔40bから水素循環路68を介してエゼクタ66に吸引され、燃料ガスとして、再度、燃料電池スタック12に供給される。従って、カソード電極24に供給される空気とアノード電極26に供給される水素ガスとが電気化学的に反応して発電が行われる。
一方、水素循環路68を循環する水素ガスには、不純物が混在し易い。このため、不純物を混在する水素ガスは、パージ弁72が開放されることによって希釈ボックス60に導入される。この水素ガスは、空気オフガスと混合されることにより水素濃度が低下された後、貯蔵バッファ76に排出される。
次いで、燃料電池システム10の運転停止方法について、図3に示すタイミングチャート及び図4に示すフローチャートに沿って、以下に説明する。
先ず、予めアノード側の水素ガス供給を停止し且つカソード側に空気を流しながら電流を引くことによりディスチャージテストを行って、アノード側の水素ガス分圧(燃料ガス圧力)を、水素ガス不足の判断基準、すなわち、アノード側電位(アノード電極26の単極電位)の上昇の判断基準とし、後述するディスチャージ処理の停止制御に反映させる。
実際に、本実施形態に組み込まれる燃料電池スタック12を使用してディスチャージテストを行ったところ、アノード側の水素ガス分圧P1とアノード側電位とは、図5に示す関係を有することが判明した。このため、水素ガス分圧P1が、下限設定値P1L以上に維持されていれば、アノード側電位が急激に上昇することがない。この下限設定値P1Lは、アノード側臨界圧力である。
水素ガス分圧P1は、アノード側圧力P2から水蒸気分圧P3を減じた値である。従って、温度と水蒸気分圧P3とのマップから、検出される温度に対応する水蒸気分P3を算出し、アノード側圧力P2−水蒸気分圧P3=水素ガス分圧P1の関係より、水素ガス分圧P1が算出される。
図6には、アノード側圧力P2と水素ガス温度とアノード側電位との関係が示されている。アノード側電位が急激に上昇を開始するアノード側圧力P2Lに基づいて、水素ガス分圧P1の下限設定値P1Lが設定される(P2L−P3=P1L)。
そこで、図示しない燃料電池自動車に搭載された燃料電池システム10では、図示しないイグニッションスイッチがオフされると、燃料電池システム10の運転停止処理が開始される(図4中、ステップS1)。
イグニッションスイッチがオフされてから、例えば、故障検知時間を含む所定の時間が経過した後、ディスチャージ処理が開始される(ステップS2)。具体的には、遮断弁65が閉塞される一方、背圧制御弁58は、開度制御が停止されて閉塞される(図7参照)。
さらに、酸化剤ガス供給装置14を構成するエアポンプ50は、通常運転時に比べて相当に回転数が減速され、酸化剤ガス中の酸素ストイキを通常発電時の酸素ストイキよりも低い低酸素ストイキで供給する。低酸素ストイキは、1前後に設定される。なお、エアポンプ50は、必要に応じて通常運転時と同等の回転数で駆動されてもよい。この際、酸素ストイキは、低酸素ストイキに限定されない。
一方、燃料電池スタック12は、発電が継続され、発電電圧(FC電圧)は、通常発電時よりも高圧に設定されるとともに、前記燃料電池スタック12から取り出される電流(FC電流)は、固体高分子電解質膜22を透過してアノード側からカソード側に燃料ガスである水素ガスが移動することを阻止する値に設定される。ここで、図2において、FCコンタクタ86及びバッテリコンダクタ92がオンされており、燃料電池スタック12の発電時に得られる電力は、DC/DCコンバータ90により電圧を降圧させた後、バッテリ17に充電される。
上記のように、燃料電池スタック12では、低酸素ストイキの空気が要求される一方、遮断弁65の閉塞により水素ガスの供給が停止した状態で、発電が行われている。そして、燃料電池スタック12による発電電力は、バッテリ17に供給されることにより、ディスチャージ(図3中、バッテリ DCHG)されている。従って、燃料電池スタック12の発電電圧が所定の電圧、すなわち、バッテリ17に供給不能な電圧N1(V)(バッテリ17の電圧とほぼ同じ電圧)まで低下すると、エアポンプ50にのみ発電電力が供給される。
これにより、燃料電池スタック12内では、アノード側の水素濃度が低下する一方、カソード側の酸素濃度が低下していく。そこで、エアポンプ50がオフされるとともに、バッテリコンダクタ92がオフされる。
このため、図8に示すように、燃料電池スタック12は、内部に残存する水素ガスと空気とにより発電される。この燃料電池スタック12の発電により発生する電力は、ダウンバータ96を介して降圧された後、12V電源98に充電(D/V DCHG)されるとともに、必要に応じて図示しないラジエータファン等に電力が供給される。
上記のディスチャージ処理が行われている間、コントローラ18は、圧力センサ100を介して燃料電池スタック12に供給される水素ガスの圧力を含むアノード側圧力P2を検出するとともに(ステップS3)、温度検出センサ102を介して水素ガス温度(アノード側ガス温度)を検出している。検出された水素ガス温度から、水蒸気分圧P3が算出され(ステップS4)、検出されたアノード側圧力P2から前記水蒸気分圧P3を減ずることにより、水素ガス分圧P1が算出される。
さらに、算出された水素ガス分圧P1が、燃料ガス圧力の下限設定値P1L以下であるか否かが判断される(ステップS5)。そして、水素ガス分圧P1が、下限設定値P1L以下であると判断されると(ステップS5中、YES)、ステップS6に進んで、ディスチャージ処理が完了される。具体的には、背圧制御弁58が一旦開放(大気圧)されるとともに、FCコンタクタ86がオフされる。
この場合、本実施形態では、イグニッションスイッチがオフされると、背圧制御弁58、エアポンプ50及び遮断弁65が操作されている。従って、燃料電池スタック12では、この燃料電池スタック12内に残存する水素ガスと低酸素ストイキの空気とにより発電が行われ、発電電力がバッテリ17に供給されてディスチャージされている。
これにより、燃料電池スタック12内のアノード側では、水素濃度が減少するとともに、カソード側では、酸素濃度が減少して窒素濃度が上昇している。このため、カソード側には、排ガスとして高濃度の窒素ガスが発生し、前記窒素ガスが希釈ボックス60及び貯蔵バッファ76に供給される。一方、アノード側では、水素濃度の低下により負圧状態となり、カソード側からアノード側に固体高分子電解質膜22を介して窒素ガスが透過する。
従って、カソード側には、水素が透過して前記水素と酸素との反応が惹起することがなく、特に固体高分子電解質膜22の劣化を良好に抑制することができる。これにより、燃料電池スタック12及びこの燃料電池スタック12に接続されるガス配管内には、不活性ガスである窒素ガスを満たすことができ、簡単且つコンパクトな構成で、燃料電池20の劣化を可及的に抑制することが可能になるという効果が得られる。
しかも、本実施形態では、エアポンプ50をオフすることにより、空気の供給を停止した状態で、すなわち、燃料電池スタック12内に残存する水素及び酸素のみで、前記燃料電池スタック12が発電されている(図3中、D/V DCHG)。
このため、図9に示すように、エアポンプ50を介して空気の供給を行いながら、燃料電池スタック12の発電を行った場合、システム内の窒素置換範囲が、範囲B及び範囲Cまでであるのに対し、前記エアポンプ50を停止した後、前記燃料電池スタック12の発電を行うと、該燃料電池スタック12の入口側である範囲Aまで窒素ガスによる置換範囲が拡大している。これにより、燃料電池システム10は、比較的長期間にわたって停止されても、燃料電池20の劣化を可及的に阻止することができるという利点がある。
さらに、本実施形態では、アノード側の水素ガス分圧P1とアノード側電位との相関関係を求め、前記水素ガス分圧P1を前記アノード側電位の上昇を回避するための判断基準としている。そして、水素ガス分圧P1が、予め実際に測定されたアノード側圧力P2に基づく下限設定値P1Lになった際、燃料電池スタック12の発電を停止させている。
その際、例えば、燃料電池20のセル電圧(FC電圧)を検出し、このセル電圧の低下によりディスチャージ処理の停止時期を判断することが考えられる。ところが、セル電圧が低下する要因には、アノード側電位の上昇とカソード側電位の低下とが存在し、いずれの要因によるのか判断することができない場合がある。
従って、水素ガス分圧P1に基づいて、アノード側電位の上昇を判断することにより、燃料ガスの不足によるアノード側電位の急激な上昇を惹起することがなく、燃料電池20の劣化を阻止することが可能になる。このため、簡単且つコンパクトな構成で、燃料電池20の劣化を可及的に抑制することが可能になる。
しかも、本実施形態では、水蒸気分圧P3を考慮して水素ガス分圧P1を算出している。これにより、水素ガス分圧P1として下限まで消費することができ、残留水素を可及的に削減することが可能になるという効果が得られる。
10…燃料電池システム 12…燃料電池スタック
14…酸化剤ガス供給装置 16…燃料ガス供給装置
17…バッテリ 18…コントローラ
20…燃料電池 22…固体高分子電解質膜
24…カソード電極 26…アノード電極
28…電解質膜・電極構造体 30、32…セパレータ
34…酸化剤ガス流路 36…燃料ガス流路
38a…酸化剤ガス入口連通孔 38b…酸化剤ガス出口連通孔
40a…燃料ガス入口連通孔 40b…燃料ガス出口連通孔
50…エアポンプ 52…空気供給流路
54…加湿器 56…空気排出流路
58…背圧制御弁 60…希釈ボックス
61a、61b…開閉弁 62…水素タンク
64…水素供給流路 65…遮断弁
66…エゼクタ 68…水素循環路
70…オフガス流路 72…パージ弁
74…排出流路 76…貯蔵バッファ
78…排気流路 86…FCコンタクタ
90…DC/DCコンバータ 92…バッテリコンダクタ
96…ダウンバータ 98…12V電源

Claims (3)

  1. カソード側に供給される酸化剤ガス及びアノード側に供給される燃料ガスの電気化学反応により発電する燃料電池と、
    前記燃料電池に前記酸化剤ガスを供給する酸化剤ガス供給装置と、
    前記燃料電池に前記燃料ガスを供給する燃料ガス供給装置と、
    を備える燃料電池システムの運転停止方法であって、
    前記燃料電池に前記酸化剤ガス及び前記燃料ガスを供給しながら、前記燃料電池を発電させる第1の工程と、
    前記燃料電池の停止指令を検出した際、前記燃料ガスの供給を停止する一方、前記酸化剤ガスを、通常発電時の酸素ストイキよりも低い低酸素ストイキで前記燃料電池に供給しながら、前記低酸素ストイキの前記酸化剤ガスと前記燃料電池内に残存する前記燃料ガスとにより前記燃料電池を発電させ、その後、前記酸化剤ガスの供給を停止させ、前記燃料電池内に残存する前記燃料ガス及び前記酸化剤ガスにより前記燃料電池を発電させ第2の工程と、
    を有し、
    記アノード側の燃料ガス圧力が、予め実際に測定されたアノード側圧力に基づく下限設定値以下に減圧された際、前記燃料電池の発電を停止させことを特徴とする燃料電池システムの運転停止方法。
  2. 請求項1記載の運転停止方法において、前記第2の工程では、前記アノード側圧力を測定するとともに、水蒸気分圧を算出し、前記アノード側圧力から前記水蒸気分圧を減ずることにより、前記燃料ガス圧力を得ることを特徴とする燃料電池システムの運転停止方法。
  3. 請求項1又は2記載の運転停止方法において、前記低酸素ストイキの前記酸化剤ガスは、前記低酸素ストイキが1前後に設定されることを特徴とする燃料電池システムの運転停止方法。
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