JP5522570B2 - キーボード装置及びこれを用いた電子機器 - Google Patents

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Description

本発明は、タッチパネルを用いて情報の入力操作を行なうキーボード装置及びこれを用いた電子機器コントローラ、例えばテレビ・リモートコントローラ(以下、TVリモコン装置と記す。)、あるいは電子卓上計算機(以下、電卓と記す。)等の電子機器に関するものである。
タッチパネルは、一般に、LCD(液晶表示装置)やCRT(陰極線管)等の表示装置の画面上に配置され、その画面に表示される文字、数字及びその他の記号(図形、像等からなるアイコンと称される絵記号等を含む。複数の記号で1つの記号をなすものも含む。)を、その表面側から透かして見ながら所望の文字、数字及びその他の記号(記号と総称する。)の位置を指等でタッチし、その記号位置に応じた情報を生成して出力する装置である。
このようなタッチパネルは、銀行等の現金自動預け払い機やカーナビゲータ等においては以前から普及しており、また携帯情報端末、電子辞書等の小型電子機器でも盛んに使われるようになってきた。
ところで、上記のようなタッチパネルを用いて情報の入力操作を行なう入力装置は、構造上、下面側にLCD等の表示装置を配置する必要があって高価になるが、表示装置を入力装置に兼用させて使うので、情報の表示・入力を行なう装置全体としての占有スペースは小さくなるという利点を有する。また、画面に表示する記号を必要に応じて逐次変更できるマルチ表示装置として機能させ得るという利点もあった(特許文献1,2)。
なお、タッチパネルを用いるがLCD等の表示装置を使用せずに情報の入力操作を行なう入力装置も開発されている(特許文献3,4)。
特開平10−27053号公報 特開2007−164767号公報 特開2006−65611号公報 特開2009−212031号公報
しかしながら上記従来技術において、マルチ表示装置としての機能を必要としなければLCDやCRT等の表示装置を特に併設する必要はなく、特許文献1,2に記載の入力装置ではオーバースペックとなり、簡易な入力装置としてはコスト高となった。
タッチパネルを用いるが、表示装置を使用せずに情報の入力操作を行なう特許文献3,4に記載の入力装置では、表示装置を使用しないので低コスト化が可能である。
しかし特許文献3に記載の入力装置では、上面側から下面側に向かって表示シート(操作表示部:記号印刷フィルム)、面発光層(又はタッチパネル)及びタッチパネル(又は面発光層)の順で積層配置されている。また特許文献4に記載の入力装置では、上面側から下面側に向かって基材フィルム(記号印刷フィルム)、タッチパネル及び面発光層の順で積層配置されている。このため、次のような問題が生じた。すなわち、上記積層配置構成のうち、タッチパネルの下面に面発光層が配置される構成では、タッチパネルの信号配線群が入力操作面上から見えやすくなって記号の視認性が低下し操作性や見栄えを低下させた。また、タッチパネルの操作感度が低下し、比較的強めにタッチしなければそのタッチを検知しない等の問題があった。
また、特許文献4に記載の入力装置では、完成品としては装置最上面、つまり入力操作面が凹凸面となっている。このため、清掃がし難い上に、特に凹凸箇所の隅部にまで清掃が行き届かず、塵埃や人体油脂分等の汚れが固着し易くなり、見栄えが低下するばかりか、清潔な状態を保つことができず、特に医療現場やクリーンルーム等では使用できない等の問題もあった。
本発明は、上記のような実情に鑑みなされたもので、オーバースペックとならずに低コスト化が図れ、タッチパネルの信号配線群が入力操作面上から見え難くなって操作性及び見栄えが向上し、またタッチパネルの操作感度の低下もなく、更に入力操作面(装置最上面)の清掃がし易くなって清潔さを向上でき、特に医療現場等における使用に好適なキーボード装置及びこれを用いた電子機器を提供することを目的とする。
上記課題を達成するために、請求項1に記載の発明は、透光性のタッチパネルと、任意の記号が印刷された記号印刷フィルムと、該記号印刷フィルムを照明する面発光層との積層体を備えてなるキーボード装置において、前記タッチパネルは前記記号印刷フィルムの上面側に配置され、前記面発光層は前記記号印刷フィルムの下面側に配置され、最上面に位置する入力操作面は平坦面とされ、前記タッチパネルの上面に透光性のカバーパネルが積層配置され、該カバーパネル上面が前記入力操作面をなし、かつ、前記カバーパネルは、透光性パネルと前記タッチパネル側に向けて配置したハーフミラーとの積層体からなり、前記ハーフミラーは、可視光線透過率が20%以上40%以下の金属光沢調ナノ積層PETフィルムからなることを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のキーボード装置において、前記ハーフミラーは、可視光線透過率が20%以上30%以下の金属光沢調ナノ積層PETフィルムからなることを特徴とする。
請求項に記載の発明は、請求項1又は2に記載のキーボード装置において、前記透光性パネルは、透光性を有するアクリル板又はポリカーボネート板からなることを特徴とする。
請求項に記載の発明は、請求項1〜3のうちのいずれか1の項に記載のキーボード装置において、前記記号印刷フィルムは、前記記号がネガ状態にて印刷されたネガ記号印刷フィルムからなることを特徴とする。
請求項に記載の発明は、請求項1〜のうちのいずれか1の項に記載のキーボード装置において、前記タッチパネルは、静電容量方式のタッチパネルからなることを特徴とする。
請求項に記載の発明は、請求項1〜のうちのいずれか1の項に記載のキーボード装置において、前記タッチパネルへのタッチの検知に連動して作動する振動モータを備えることを特徴とする。
請求項に記載の発明は、請求項1〜及びのうちのいずれか1の項に記載のキーボード装置において、前記記号印刷フィルム及び前記面発光層の対向部分の一部に各々開口を有し、該開口領域内にて前記透光性のタッチパネルを通して記号を表示可能に蛍光表示管又は液晶表示装置が組み込み配置されたことを特徴とする。
請求項に記載の発明は、パーソナルコンピュータ用キーボード装置において、請求項1〜のうちのいずれか1の項に記載のキーボード装置を用いたことを特徴とする。
請求項に記載の発明は、電子機器コントローラにおいて、請求項1〜のうちのいずれか1の項に記載のキーボード装置を用いたことを特徴とする。
請求項10に記載の発明は、電子卓上計算機において、請求項1〜のうちのいずれか1の項に記載のキーボード装置を用いたことを特徴とする。
請求項1に係る発明によれば、キーボード装置自体としては必須の構成要素ではないLCDやCRT等の表示装置を備えずに構成したので、キーボード装置として低コスト化できる。また、タッチパネルと面発光層との間に記号印刷フィルムが介在するので、あたかもマジックミラーのように、面発光層からの光がタッチパネルに直射せず、入力操作面上からタッチパネルの配線群が見え難くなって操作性及び見栄えが向上する。またタッチパネルは、このタッチパネルと記号印刷フィルムと面発光層との積層体の最上面に配置されているので、タッチパネルの操作感度が高くなる。更に、最上面に位置する入力操作面が平坦面とされているので、清掃がし易くなって汚れが固着し難くなり、見栄えが向上する上に、清潔な状態を保つことができる。
また、請求項1に係る発明によれば、タッチパネルの上面を透光性のカバーパネルで覆って(タッチパネルの上面に透光性のカバーパネルを積層配置して)入力操作面を形成したので、タッチパネルと記号印刷フィルムと面発光層との積層体がなす基本構成に制約されずに入力操作面(装置最上面)を形成できる。したがって、入力操作面を十分にフラットに形成して一層容易に清掃可能となし得る。
更に、請求項1に係る発明では、カバーパネルを、透光性パネルとハーフミラーとの積層体で形成した。カバーパネルをハーフミラーを含んで形成したことによれば、入力操作する際に記号印刷フィルムに印刷された記号が、面発光層の非発光時(消灯時:キーボード装置不使用時)には隠され、発光時(点灯時:キーボード装置使用時)には浮かび上がって見える効果を、単なる透光性のみを有するカバーパネルを用いた場合に比べて大きく得ることができる。また、カバーパネルを透光性パネルとハーフミラーとの積層体で形成したことによれば、多種多様なハーフミラー(色や可視光線吸収率等を異にした多種の金属光沢調ナノ積層PETフィルム)及び透光性パネルを選択でき、カバーパネル自体をハーフミラーで形成した場合に比べてカバーパネルの特性を様々に変更設定できる。例えば、カバーパネルを形成する透光性パネルに、種々の材質、色、デザイン等の選択が可能となり、入力操作面における耐久性や装飾性を向上することが可能である。なお、ハーフミラーをタッチパネル側に向けて配置したのは、ハーフミラーを保護するためである。
更にまた、請求項1に係る発明によれば、ハーフミラーを金属膜によるハーフミラーではなく、金属光沢調ナノ積層PETフィルムによって形成したので、タッチパネルとして静電容量方式のタッチパネルを用いることができる。また本キーボード装置を、タッチパネルは非動作状態とし、面発光層のみを動作状態とする、つまり発光させることにより、金属光沢調ナノ積層PETフィルムの特性(表面染色が可能等)に応じて色づけされた鏡面が得られ、大なる装飾効果を発揮できる。金属光沢調ナノ積層PETフィルムを用いたハーフミラーによれば、装置内部構造、例えばタッチパネルの配線群や、記号印刷フィルム自体あるいはその記号印刷領域の輪郭等のような入力操作とは無関係な部分を見えなくする目隠し効果も発揮できる。
また、金属光沢調ナノ積層PETからなるハーフミラーによれば、面発光層の非動作(非発光)時における、入力操作面をなす装置最上面が鏡面に見える効果が他のハーフミラー材、特に内部での光拡散が生じやすいハーフミラー材に比べて顕著になる。すなわち、上記の鏡面の光沢度が極めて高く、金属調の鏡面としての効果が他のハーフミラー材に比べて著しく大きくなる。
ハーフミラーによる装飾効果は、ハーフミラーを誘電体多層膜で形成することによってもある程度得られる。しかし、このような膜によるハーフミラー形成では、蒸着やスパッタリング等を要するので工程の簡易化が図れず、特に連続生産工程の適用が困難であり、手間や時間がかかるという問題が生じる。請求項1に係る発明のように、フィルムによるハーフミラー形成によれば、ロールツーロール方式や連続打抜き等の連続生産工程が適用できるので、膜によるハーフミラー形成における上記の問題を解消できる。なお、ハーフミラーをアルミニウム膜等の金属膜で形成することによれば、大なる装飾効果が得られるが、上記の誘電体多層膜でハーフミラーを形成した場合と同様の問題が生じ、また、タッチパネルとして静電容量方式のタッチパネルが使用できなくなる。
上記において、金属光沢調ナノ積層PETフィルムは、光の屈折率が異なる極薄のポリマーを多層、例えば数百〜千層以上積層した樹脂フィルム、主にポリエステルフィルムであり、光が高輝度で反射することによって金属を使用せずに金属調の光沢と質感(高級感)を与えることが可能なフィルムを指す。この金属光沢調ナノ積層PETフィルムは、製造に当たって可視光線の透過率や光沢度等の設定が可能であり、また表面染色が可能である。したがって、上記のハーフミラーとして用いた場合に、面発光層の非発光時において入力操作面を見た際の外光の反射による明るさ、光沢、質感、色等の装飾効果の調整が可能である。この金属光沢調ナノ積層PETフィルムが、面発光層の非発光時において上記目隠し効果を発揮でき、同発光時において同目隠し効果が消失することは通常のハーフミラーと同様である。この金属光沢調ナノ積層PETフィルムは携帯電話の外装等に使用されている。
金属光沢調ナノ積層PETフィルムとしては、例えば、無金属で金属調の光沢を発現させたナノ積層PETフィルム「ピカサス(PICASUS)」(商品名。東レ社製)が挙げられる。この「ピカサス」に代表される金属光沢調ナノ積層PETフィルムは、耐熱性や耐薬品性に優れ、樹脂とのなじみがよくて製造時に樹脂と一体成型が可能であり、金属を蒸着する従来の塗装よりも安価に作製できる。また、材料に金属成分を含まないためさびが発生しない、製造時の環境負荷が低い、高い電波透過性により電子機器のデザインの自由度を高めることができる等の特徴を有する。また、ハードコート、染色等、デザインに応じて様々な表面加工が可能で、加飾性に優れる特徴も有する。
このような金属光沢調ナノ積層PETフィルムの物性を、例としてナノ積層PETフィルム「ピカサス」について述べると、標準金属調(「GM」グレード)を発現させる場合において可視光線透過率が約26%、光沢度が780%程度であり、また低金属調(「GL」グレード)の発現においては、可視光線透過率が約66%、光沢度が500%程度であるとされている。つまり、可視光線透過率が高くなると光沢度が低下し、金属調が低く、換言すれば高級感(装飾効果)が低くなる。したがって、所望の装飾効果を得るためには上記可視光線透過率に一定の上限値が求められる。
発明者等によれば、金属光沢調ナノ積層PETフィルムの上記物性及びその研究に基づいて、次のような結論を得るに至った。すなわち、上記金属光沢調ナノ積層PETフィルムが、面発光層の非発光時に外光を反射し、その表面に発現する金属調光沢が所望の装飾効果を得るほどに高くなるためには、その可視光線透過率が40%以下、好ましくは30%以下であるという結論を得るに至った。
また、可視光線透過率が上限値40%を超えると、上記金属光沢調ナノ積層PETフィルムの表面、つまり鏡面の光沢度が低下するので、所望の装飾効果が得にくくなった。そして、可視光線透過率が低くなるほど鏡面の明るさが増すが、必要以上に増すとかえって高級(荘重)感が低下することを見い出した。
そして、可視光線透過率が20%以上、40%以下であれば、装飾効果が得られることを見い出し、請求項1に係る発明をするに至った。
また以上述べた、可視光線透過率が20%以上であれば装飾効果が得られ、そして、上記金属調光沢が所望の装飾効果を得るほどに高くなるためには、可視光線透過率が30%以下であるという上述した結論から、請求項2に係る発明をするに至った。
なお、「ピカサス(PICASUS)」が掲載されたインターネットのホームページアドレス(URL)としては、<http://www.toray.jp/films/printing/product/picasus.html>、<http://www.toray.co.jp/news/film/nr080821.html>、<http://www.sankyo-plus.co.jp/japanese/picasus.html>等(平成22年1月21日調べ)が挙げられる。
請求項に係る発明によれば、透光性パネルを、透光性を有するアクリル板又はポリカーボネート板で形成したので、透光性パネルの耐久性、耐衝撃性、絶縁性を高めることができる。また、透光性パネルの下面側のハーフミラー、タッチパネル、記号印刷フィルム及び面発光層を電気的、機械的に保護できる。また、透光性を有するアクリル板又はポリカーボネート板によれば、記号印刷フィルム上の記号の視認性も高く、また十分に平坦面を形成できるので、本発明に係るキーボード装置最上面の入力操作面を形成する透光性パネルとして最適である。
請求項に係る発明によれば、記号印刷フィルムを記号がネガ状態にて印刷されたネガ記号印刷フィルムで形成したので、多数の記号(記号群)や、ネガ記号印刷上、フィルム面に表われる記号群の印刷領域の外枠部分が浮かび上がり、視認性や見栄えがよくなる。また、記号印刷部分以外(地の部分)は光が透過しにくい黒色等の暗色になるので、記号印刷フィルム(ネガ記号印刷フィルム)より下面側の配線や記号印刷時に生じたタッチアップの跡等を隠すことができる。
請求項に係る発明によれば、タッチパネルを静電容量方式のタッチパネルで形成したので、透光性に優れたタッチパネルを例えば抵抗膜方式等に比べて簡単に構成できる。したがって、タッチパネルを記号印刷フィルムの上面側に配置する構成においても、比較的簡単な構成で記号印刷フィルムに印刷された記号の視認性を低下させないキーボード装置を提供できる。
請求項に係る発明によれば、タッチパネルへのタッチの検知に連動して作動する振動モータを備えるので、必要以上に大きな音を周囲に放出することなく、入力操作面にタッチされたことを操作者に報知できる。
請求項に係る発明によれば、入力操作面の主要部については請求項1〜及びの発明の効果を発揮させながら、一部(記号印刷フィルムの開口領域内)については蛍光表示管や液晶表示装置による効果、例えば大文字、小文字相互間における表示変更等のような記号表示内容の変更が容易に可能となる。
請求項及び10の発明によれば、各々請求項1〜に記載のキーボード装置における上記効果を発揮できるパーソナルコンピュータ用キーボード装置、電子機器コントローラ及び電子卓上計算機を提供できる。
本発明の一実施形態に係るキーボード装置を示す図で、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は右側面図である。 図1(a)中のA−A´線断面拡大図である。 図2における断面構造を模式的に示す図である。 本発明に係るキーボード装置が適用された電子機器コントローラの一例を示す図で、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は右側面図、(d)は(a)図中のA−A´線断面図である。 同じく電卓の一例を示す図で、(a)は平面図、(b)は右側面図、(c)は(a)図中のA−A´線断面図である。 本発明のハーフミラーの作用を、マジックミラーの機能として説明したものである。 本発明の実施形態におけるハーフミラーの透過率を示す図である。 本発明の実施形態におけるハーフミラーの反射率を示す図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき説明する。なお、各図間において、同一符号は同一又は相当部分を示す。
図1は、本発明の一実施形態に係るキーボード装置、具体的にはパーソナルコンピュータ(以下、パソコンと記す。)用キーボード装置を示す図で、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は右側面図である。図2は、図1(a)中のA−A´線断面矢視図、図3は図2における断面構造を模式的に示す図である。図2中には、一部(一点鎖線で囲んだ部分)を抜き出し拡大した図を付記している。
図1〜図3に示すように、本実施形態に係るキーボード装置はパソコン用キーボード装置であって、平面視が横長の長方形で縦断面がほぼ逆台形の浅い角皿状の下ケース1を備える。下ケース1は、合成樹脂成型、例えばABS樹脂成型によって作製され、底面に脚部1aを備える。
この下ケース1内には、後述するタッチによって情報、具体的には記号の入力操作を行なうキーボード装置の主要部が収納されている。
すなわち、図2及び図3に示すように下ケース1内には、透光性のタッチパネル2と、任意の記号3a(図1参照)が印刷された記号印刷フィルム3と、この記号印刷フィルム3を照明する面発光層であるバックライトデバイス4との積層体5が収納されている。この場合、タッチパネル2は記号印刷フィルム3の上面側、図示例では上面に配置され、バックライトデバイス4は記号印刷フィルム3の下面側、図示例では下面に配置されている。
また、本実施形態に係るキーボード装置においては、装置最上面に位置する入力操作面6は凹凸のない平坦面とされている。
基本的な構成は以上に述べた通りであるが、本実施形態においては、更に以下のように構成されている。
すなわち、上記タッチパネル2の上面側、本実施形態ではタッチパネル2上面には、透光性を有するカバーパネル7が積層配置されている。
このカバーパネル7は、下ケース1の上面開口を蓋するように、この下ケース1の内側壁上端部に填め込み固定されていて、装置最上部に位置する。つまり、カバーパネル7の上面は入力操作面6をなすもので、凹凸のない平坦面とされている。
上記カバーパネル7は、透光性のプレートやシート等(透光性パネルと総称する。)とハーフミラーとの積層体からなる。本実施形態では、カバーパネル7は、透光性パネル8とハーフミラー9との積層体からなり、ハーフミラー9を上記タッチパネル2側に向けて配置した。
本実施形態において、上記透光性パネル8は透明アクリル板又は透明ポリカーボネート板からなる。また、上記ハーフミラー9は透光性パネル8に被着してカバーパネル7を構成する。
ハーフミラー9をタッチパネル2側に向けて配置、つまり透光性パネル8を装置上面側に向けて配置するのは次の理由による。
すなわち、透光性パネル8を装置上面側に向けて配置した場合、装置最上面、つまり入力操作面6は透光性パネル8の上面となる。そして、透光性パネル8を形成するアクリル板やポリカーボネート板は、いずれも耐久性、耐衝撃性、絶縁性等に優れ、その下面側に配置されたキーボード装置構成部材、つまりハーフミラー9、タッチパネル2、記号印刷フィルム3及びバックライトデバイス4等を、特に入力操作面6近くに位置するハーフミラー9及びタッチパネル2を機械的、電気的に保護できるからである。
また、アクリル板やポリカーボネート板は、上記の耐久性、耐衝撃性、絶縁性等の他、透光性にも優れ、その下面側のハーフミラー9及びタッチパネル2を通した、記号印刷フィルム3上の印刷記号3aの視認性に優れ、また凹凸のない平坦面が容易に得られる。更に、表面に付着した塵埃や人体油脂分等の汚れを容易に除去できる材質であって、キーボード装置最上面の入力操作面6を形成する透光性パネル8(カバーパネル7の上面形成部材)として最適となるからである。
次に、図6に基づいて、本発明のハーフミラー9の作用を説明する。図6は、ハーフミラー9と、ハーフミラー9の後方部との光線の入射と反射を模式的に説明する図である。図6において、ハーフミラー9の上方からの光線Aは、ハーフミラー9でその一部R1が反射され、T1が透過する。そして、透過したT1は、ハーフミラー9の後方部rによりTRが反射され、TRはハーフミラー9を通過して、R2として上方に通過する。ハーフミラー9の透過率をTm、反射率をRm、ハーフミラー9の後方部rの反射率をRs
とすると、以下の関係式が成立する。すなわち、
Tm+Rm<1
T1=A×Tm
R1=A×Rm
また、ハーフミラー9の後方部で反射する光線TRがハーフミラー9を通過する時の透過率をTR2とすると、
TR2=T1×Rs=A×Tm×Rs
R2=TR2×Tm=T1×Rs×Tm=A×Rs×Tm
R1とR2のコントラスト比CRは、
CR=R1/R2=A×Rm/(A×Rs×Tm)=Rm/(Rs×Tm
Tm=0.3、Rm=0.7、Rs=0.5の場合、
CR=15.5
となり、R1とR2の比が10以上であれば、面発光層の非発光時に外光を反射し、表面(入力操作面6をなす装置最上面)に発現する金属調光沢が所望の装飾効果を得られる。
上記のようにカバーパネル7及びタッチパネル2は透光性を有するので、装置最上面(入力操作面6)においてタッチパネル2下面の記号印刷フィルム3に印刷された記号3aを透視可能である。カバーパネル7が透光性パネル8とハーフミラー9とで構成されている場合は、バックライトデバイス4の点灯時には記号印刷フィルム3に印刷された記号3aを装置最上面をなす入力操作面6から明瞭に透視できる。なお、バックライトデバイス4の消灯時には、入力操作面6をなす装置最上面が光沢度の高い金属調の鏡面状態になり、鏡としての効果が発揮されるが、その詳細は後述する。
上記タッチパネル2は、記号印刷フィルム3に印刷された記号群11を、その表面側から透かして見ながら所望の記号3aの位置を指等でタッチし、その記号3aの位置に応じた情報(記号情報)を生成して出力するための装置である。このタッチパネル2は、後述するタッチパネル駆動回路と協働してキーボード装置としての機能(タッチにより指示された記号3aに応じた情報を出力する機能)を実現する。
このタッチパネル2は、本実施形態では静電容量方式のタッチパネルからなる。静電容量方式のタッチパネル2は、他の代表的な抵抗膜方式のタッチパネルに比べて、透光性に優れたタッチパネルを簡単に構成できるからである。
更に本実施形態において、上記ハーフミラー9は金属光沢調ナノ積層PETフィルムを用いてなる。このようなハーフミラー9によれば、本実施形態に係るキーボード装置を記号入力装置として動作させず(タッチパネル2を非動作状態として)、バックライトデバイス4のみを動作状態とした場合に、入力操作面6をなす装置最上面にて金属光沢調ナノ積層PETフィルムの特性(表面染色が可能等)に応じて色づけされた鏡面が得られるからである。このような効果は、ハーフミラー9を金属膜や誘電体多層膜で形成することによっても得られる。しかし、膜によるハーフミラー形成では、工程の簡易化が図れず、また手間や時間がかかるのに対して、本実施形態のようにフィルムによるハーフミラー形成によれば、それらの問題は生じない。
また、金属光沢調ナノ積層PETフィルムからなるハーフミラー9を用いたのは、バックライトデバイス4の消灯時における、入力操作面6をなす装置最上面が鏡面に見える効果が他のハーフミラー材、特に内部での光拡散が生じやすいハーフミラー材に比べて顕著になるからである。上記の鏡面に見える効果について述べると、金属光沢調ナノ積層PETフィルムからなるハーフミラー9によれば、特にその鏡面の光沢度が他のハーフミラー材に比べて極めて高くなり、金属調の鏡面としての効果が著しく大になる点がその特長である。金属光沢調ナノ積層PETフィルムの特性(表面染色が可能等)に応じて色づけされた鏡面が得られることも、金属光沢調ナノ積層PETフィルムからなるハーフミラー9を用いたことの理由の1つである。
ここで、金属光沢調ナノ積層PETフィルムは、光の屈折率が異なる極薄のポリマーを多層、例えば数百〜千層以上積層した樹脂フィルムであって、光が高輝度で反射することによって金属を使用せずに金属調の光沢と質感(高級感)が与えられたフィルムを指す。金属光沢調ナノ積層PETフィルムとしては、例えば、無金属で金属調の光沢を発現させたナノ積層PETフィルム「ピカサス(PICASUS)」(商品名。東レ社製)が挙げられる。このような金属光沢調ナノ積層PETフィルムは、その可視光線透過率が高くなると光沢度が低下し、金属調が低く、換言すれば高級感(装飾効果)が低くなる。したがって、所望の装飾効果を得るためには上記可視光線透過率に一定の上限値が求められる。
発明者等によれば、金属光沢調ナノ積層PETフィルムの物性(インターネットの上記URL等に掲載されている物性)及びその研究に基づいて、次のような結論を得るに至った。すなわち、上記金属光沢調ナノ積層PETフィルムが、面発光層の非発光時に外光を反射し、表面(入力操作面6をなす装置最上面)に発現する金属調光沢が所望の装飾効果を得るほどに高くなるためには、その可視光線透過率が40%以下、好ましくは30%以下であるという結論を得るに至った。
図7又は図8に示す測定値に基づいた装置によれば、可視光線の透過率が20%以上、40%以下、反射率が60%以上、75%以下であれば、本発明の効果は得られる。
また、可視光線透過率が上限値40%を超えると、上記金属光沢調積層樹脂フィルムの表面、つまり鏡面の光沢度が低下するので、所望の装飾効果が得にくくなった。そして、可視光線透過率が低くなるほど鏡面の明るさが増すが、必要以上に増すとかえって高級(荘重)感が低下することを見い出すに至った。
上記記号印刷フィルム3は、透光性の基材フィルムの面に予め決められた多数の記号3a(記号群11)を予め決められた位置にポジ状態(陽画)又はネガ状態(陰画)にて印刷されたフィルム、つまりポジ記号印刷フィルム又はネガ記号印刷フィルムを指す。
本実施形態では、記号3a部分には光が透過して記号3aのみが高輝度で現われるパターンで印刷を行い、例えば記号3aの輪郭のみの印刷を行い、地(背景)の部分には黒色等の暗色にて一様な印刷を行なうネガ記号印刷フィルムを記号印刷フィルム3として用いている。これは、記号3a(記号群11)及び、ネガ記号印刷上、記号印刷フィルム面に表われる記号群11の印刷領域の外枠部分のみが浮かび上がり、視認性や見栄えがよくなることが主な理由である。
記号3aの印刷方法としてはシルク印刷法が好適である。上記のようにタッチパネル2として静電容量方式のタッチパネルを用いた場合には、タッチパネル2の誤動作を防止するため、金属性物質が含まれていないインクを用いて記号3aの印刷を行なう。
記号印刷フィルム3への印刷は、基材フィルムの表面(タッチパネル2側)若しくは裏面(バックライトデバイス4側)、又は表,裏両面のいずれに行なってもよいが、表面に行なったほうが入力操作面6から文字が浮かび上がって見える効果をより高めることができる。また、表,裏いずれか一方の面に行なったほうが低コスト化が図れる。
なお記号とは、文字、数字及びその他の記号を指すことは既に述べたが、パソコン用キーボード装置においては、英数字、ファンクションキー記号、その他の特殊記号等、所定のキー配列に係る各種の記号を指す。この記号は、予め定められたキー配列に従って配列されている。
上記バックライトデバイス4としては、本実施形態ではLEDと導光板からなるサイドライト方式のバックライトデバイスが用いられている。この場合、記号位置の明るさを確保し、かつLEDの数を減らせるように、実際に照明する記号3aに対応する位置のみで発光するように、バックライトデバイス4の導光板形状(パターン)が形成されている。
LEDと導光板からなるサイドライト方式のバックライトデバイスに代えて、無機EL発光素子からなるバックライトデバイスを使用してもよく、これによればキーボード装置をより薄型にすることができる。
以上述べたカバーパネル7、静電容量方式のタッチパネル2、記号印刷フィルム3及びバックライトデバイス4の構成部分の下方には、本キーボード装置を駆動する回路、すなわちタッチパネル駆動回路、バックライトデバイス点消灯回路(図示せず)を搭載した基板(回路基板)12及びバッテリ(タッチパネル駆動回路及びバックライトデバイス4の作動用バッテリ)13が配置されている。なお図3において、バッテリ13は図示省略されている。
上記タッチパネル駆動回路は、カバーパネル7上面の入力操作面6、換言すればタッチパネル2面のタッチ位置をタッチパネル2と協働してキーボード装置としての機能を実現する、つまりタッチにより指示された記号3aに応じた情報を出力する電子回路である。具体的には、タッチパネル2の位置検知機能により、操作者がタッチした(実際には入力操作面6を介してタッチした)タッチパネル2面上の位置の信号を受け、この位置信号と記号印刷フィルム3面上の記号3aとの予め定められた対応付けに基づく特定の信号を、タッチにより指示した記号3aとして生成し、出力する電子回路である。
静電容量方式のタッチパネル2は、タッチしたタッチパネル2面上(入力操作面6上)の位置を、静電気によって発生した電気信号を感知して位置検知を行なうタッチパネルである。この静電容量方式のタッチパネル2及び上記タッチパネル駆動回路は共に周知の技術によるものである。すなわち、これら静電容量方式のタッチパネル2及びタッチパネル駆動回路(回路基板12)としては、静電気による電気信号を用いた位置検知方式であって、最終的にタッチパネル2面上のタッチ位置に対応付けられた記号3aに対応する特定の信号がタッチパネル駆動回路から出力されれば、如何なる構成のタッチパネル2及びタッチパネル駆動回路であってもよい。
上記バックライトデバイス4の点消灯回路は図示省略されているが、ここではタッチパネル駆動回路(回路基板12)と同一基板上に配設されている。この場合、バックライトデバイス4の点消灯回路の配線等が静電容量方式のタッチパネル2の位置検知動作に影響を及ぼさないように構成されている。このことは、バックライトデバイス4の点消灯回路がタッチパネル駆動回路の回路基板12とは別個に配設されている場合も同様である。
なお本実施形態においては、図示しないがタッチパネル2へのタッチの検知に連動して作動する振動モータ(Haptics)を備えている。必要以上に大きな音を周囲に放出することなく、入力操作面6にタッチされたことを操作者に報知するためである。
以上述べた本実施形態によれば、キーボード装置自体としては必須の構成要素ではないLCDやCRT等の表示装置を備えずに構成したのでキーボード装置として低コスト化できる。
また、タッチパネル2とバックライトデバイス4との間に記号印刷フィルム3が介在するので、タッチパネル2の下面にバックライトデバイス4が配置される構成に比べて、入力操作面6上からタッチパネル2の配線群が見え難くなり、操作性及び見栄えが向上する。
またタッチパネル2は、このタッチパネル2と記号印刷フィルム3とバックライトデバイス4との積層体5の最上面(最も入力操作面6に近い積層位置)に配置されているので、バックライトデバイス4の下面に配置された場合に比べてタッチパネル2の操作感度が向上する。
更に、装置最上面に位置する入力操作面6が平坦面とされているので、清掃がし易く、隅部にまで清掃が行き届き、塵埃や人体油脂分等の汚れが固着し難くなる。したがって、見栄えが向上する上に、清潔な状態を保つことができ、特に医療現場やクリーンルーム等での使用に適するという利点もある。
また本実施形態によれば、タッチパネル2の上面を透光性のカバーパネル7で覆って入力操作面6を形成したので、タッチパネル2と記号印刷フィルム3とバックライトデバイス4との積層体5がなす基本構成に制約されずに入力操作面(装置最上面)6を形成できる。したがって、入力操作面6を十分にフラットに形成して一層容易に清掃可能となし得る。また、使用するカバーパネル7として、種々の材質、色、デザイン等の選択が可能となり、入力操作面6における耐久性や装飾性を向上することが可能である。特に、入力操作面6(カバーパネル7上面)に対しては、タッチの一形態として指で叩く(打鍵する)こともあるが、上記耐久性の向上はこのような打鍵に対して極めて有効であり、このカバーパネル7下面の層部材、本実施形態においてはタッチパネル2を装置最上面に露出させず、十分保護することができる。また、カバーパネル7に対して、任意に着色、色分け、更には操作性を妨げない程度の模様等の装飾の付与が可能となり、装飾性を増すことができる。
また本実施形態によれば、カバーパネル7は金属光沢調ナノ積層PETフィルムによるハーフミラー9を含んで形成されている。したがって、入力操作する際に記号印刷フィルム3に印刷された記号3aがバックライトデバイス4の消灯時(キーボード装置不使用時)には隠され、点灯時(キーボード装置使用時)には浮かび上がって見える効果を、単なる透光性のみを有するカバーパネル部材のみで形成した場合に比べて大きく得ることができる。
また、バックライトデバイス4の消灯時には、金属光沢調ナノ積層PETフィルムによるハーフミラー9によって、入力操作面6をなす装置最上面が光沢度の高い金属調の鏡面状態になり、金属膜を用いた鏡におけるような大なる装飾効果を発揮できる。同時に、装置内部構造、例えばタッチパネル2の配線群や、記号印刷フィルム3自体あるいはその記号印刷領域の輪郭等のような入力操作とは無関係な部分を見えなくする目隠し効果も発揮できる。
ハーフミラー9として、色や可視光線吸収率等を異にした多種の金属光沢調ナノ積層PETフィルム中から任意の金属光沢調ナノ積層PETフィルムを選択するだけで、バックライトデバイス消灯時において装置最上面に現われる鏡面イメージが全く違ったキーボード装置、特にパソコン用キーボード装置を容易に作製できる。
更に本実施形態によれば、カバーパネル7を、特にハーフミラー9と透光性パネル8とを積層して構成したので、多種多様なハーフミラー及び透光性パネルを選択でき、カバーパネル7自体をハーフミラーで形成した場合に比べてカバーパネル7の特性を様々に変更設定できる。例えば、装置最上面の入力操作面6(透光性パネル8)の材質を最適なものに選ぶ一方で、色や可視光線吸収率等を異にした多種の金属光沢調ナノ積層PETフィルム中から任意の金属光沢調ナノ積層PETフィルムを選択してハーフミラー9とすることができ、バックライトデバイス消灯時において装置最上面に現われる鏡面イメージが全く違ったキーボード装置、特にパソコン用キーボード装置を一層容易に作製できる。
なお、ハーフミラー9をタッチパネル2側に向けて配置したのは、ハーフミラー9を保護するためである。この保護効果は、本実施形態のようにフィルム状のハーフミラー9を透光性パネル8に被着して構成する場合に大きい。ハーフミラー9の材質は、透光性パネル8として通常用いられる材質に比べ弱いからである。
また本実施形態では、ハーフミラー9としてフィルム状のハーフミラーを用いたので、このフィルム状のハーフミラーを差し替えるだけで、記号3aに対する地の色を変えることができ、全くイメージの違ったキーボードを容易に作製可能となる。
タッチパネル2として静電容量方式のタッチパネルを用いる場合には、フィルム状のハーフミラーが金属成分を含有していたり、金属膜によるハーフミラーを用いると、タッチパネルとしての動作に支障を来たす。したがって、金属成分を含有したフィルム状のハーフミラーや金属膜によるハーフミラーは用いない。本実施形態のハーフミラー9は、金属成分を含有しない金属光沢調ナノ積層PETフィルムによるハーフミラーであり、静電容量方式のタッチパネル2を、その動作に支障をもたらすことなく使用できる。
また、金属光沢調ナノ積層PETフィルムは表面染色が可能であり、本実施形態ではこのフィルムをハーフミラー9として用いたので、入力操作面6を適宜色づけすることができる。
更に、ハーフミラー9として金属光沢調ナノ積層PETフィルムを用いたことによれば、本実施形態に係るパソコン用キーボード装置を、情報の入力操作を行なう入力装置として動作させず(タッチパネル2を非動作状態として)、バックライトデバイス4のみを動作状態とした場合に、入力操作面6をなす装置最上面にて金属光沢調ナノ積層PETフィルムの特性(表面染色が可能等)に応じて色づけされた鏡面が得られ、大なる装飾効果を発揮できる。パソコン用キーボード装置は、他の電子機器のキーボード装置に比べて入力操作面6が広いので、上記の鏡面により得られる装飾効果は大きい。
また、バックライトデバイス4の消灯時には、入力操作面6をなす装置最上面が光沢度の高い金属調の鏡面状態になり、金属膜を用いた鏡におけるような大なる装飾効果を発揮できる。
更に本実施形態によれば、記号印刷フィルム3としてネガ記号印刷フィルムを用いたので、多数の記号3a(記号群11)や、ネガ記号印刷上、フィルム面に表われる記号群11の印刷領域の外枠部分が浮かび上がり、視認性や見栄えがよくなる。
また、記号印刷部分以外(地の部分)は光が透過しにくい黒色等の暗色になるので、記号印刷フィルム(ネガ記号印刷フィルム)3より下面側に配置された部品や配線、あるいは印刷時に生じたピンホール等のタッチアップの跡等を見えなくすることができる。
なお、記号3aをタッチパネル2等に印刷することも考えられるにも拘わらず、フィルムに印刷した(記号印刷フィルム3を用いた)のは、多種多様のキーボード装置を作製する場合においてトータルコストを低減できるからである。
すなわち、タッチパネル2等とは別部品とした記号印刷フィルム3を用いるほうが、生産ラインにおける加工や組立時の歩留等を考慮した場合に結果的(総合的)には低コスト化を実現できる。また、色やデザイン等の異なる多品種への対応も容易になる。更に、各種の記号印刷パターンを用意しておき、基材フィルムに記号3aを印刷する際に所望の記号印刷パターンを選択するだけで別記号が表示されるキーボード装置を作製できる。したがって、キーボード装置の作製に当たり、各国の言語や各種のキー配列への対応、所望の特殊文字の加減、文字の大きさやフォントの変更等につき容易に対処できる等の利点があり、したがって上記のような記号印刷フィルム3を用いた。
また本実施形態では、タッチパネル2として静電容量方式のタッチパネルを用いた。
静電容量方式のタッチパネル2は、指先と電極との間での静電容量の変化を捉えて位置を検出する方式であるので電極は片側だけですみ、またこの電極は近年透明化が進んでいる。したがって、タッチパネル2として静電容量方式のタッチパネルを用いたことによれば、他の代表的なタッチパネルである抵抗膜方式のタッチパネルを用いた場合に比べて透光性に優れたタッチパネルを簡単に作製できる。すなわち、タッチパネル2を記号印刷フィルム3の上面側に配置する構成であっても、透光性に優れた静電容量方式のタッチパネル2を用いれば、記号印刷フィルム3上の記号3aの入力操作面6からの視認性を低下させない。そして、このように視認性を低下させないタッチパネル2、ひいてはキーボード装置を比較的簡単に作製できるという利点がある。
更に本実施形態によれば、タッチパネル2へのタッチの検知に連動して作動する振動モータを備えて構成したので、必要以上に大きな音を周囲に放出することなく、入力操作面6にタッチされたことを操作者に報知できる。
なお、上記の実施形態において、タッチパネルとして静電容量方式以外のタッチパネルを用いてもよい。金属が動作に支障を来たさない方式のタッチパネルであれば、金属性物質が含まれているインクを用いて記号3aの印刷を行なうことも可能である。
また、ネガ記号印刷フィルムに代えてポジ記号印刷フィルムを用いてもよい。本発明では、記号印刷フィルムを替えるだけでポジ状態又はネガ状態の何れの記号印刷フィルムに変えることができ、趣の変わった入力操作面を現わすことができる。
更に、入力操作面へのタッチの報知を振動モータに代えてタッチ音発生器を設けてもよい。
なお、本発明に係るキーボード装置の変形例として次のような構成も可能である。
すなわち、上述した実施形態において、記号印刷フィルム及びバックライトデバイス(面発光層)の対向部分の一部に各々開口を形成する。そして、この開口領域内にて透光性のタッチパネルを通して記号を表示可能に、蛍光表示管〔VFD(Vacuum Fluorescent Display)〕又は液晶表示装置を組み込み配置してもよい。
このようなキーボード装置によれば、入力操作面の要部(透光性のタッチパネル、記号印刷フィルム及びバックライトデバイスによる積層体に対応する入力操作面)については、上述した実施形態(タッチパネルに静電容量方式のタッチパネルを使用した構成を除く。)と同様の効果を有する。その一方で、入力操作面の一部(記号印刷フィルム及びバックライトデバイスの開口領域に対応する入力操作面部分)については、蛍光表示管や液晶表示装置を用いたことによる効果、例えば大文字、小文字相互間における表示変更等のような記号表示内容の変更が容易に可能となるという効果を有する。
次に、本発明に係るキーボード装置の他の電子機器への適用例について説明する。
図4は、本発明に係るキーボード装置が適用された電子機器コントローラ、具体的にはTVリモコン装置の一例を示す図で、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は右側面図、(d)は(a)図中のA−A´線断面図である。図4(d)中には、一部(一点鎖線で囲んだ部分)を抜き出し拡大した図を付記している。
図5は、本発明に係るキーボード装置が適用された電卓の一例を示す図で、(a)は平面図、(b)は右側面図、(c)は(a)図中のA−A´線断面図である。図5(c)中には、一部(一点鎖線で囲んだ部分)を抜き出し拡大した図を付記している。
図4及び図5において、図1〜図3と同一符号は同一又は相当部分を示す。
これら図4及び図5から分かるように、本例のTVリモコン装置及び電卓は、そのキーボード装置として本発明に係るキーボード装置が用いられている。
すなわち、装置上面側から順に、透光性のタッチパネル2と記号印刷フィルム3とバックライトデバイス4とが積層された積層体5を基本構成として備え、この積層体5上面(タッチパネル2上面)に透光性のカバーパネル7が配置されてなる。そして、最上面に位置する入力操作面が平坦面であるキーボード装置が用いられている。図示例では、図1〜図3に示すキーボード装置と同様に、透光性のカバーパネル7は、透光性パネル8と金属光沢調ナノ積層PETフィルムからなるハーフミラー9とが積層されてなり、そのハーフミラー9がタッチパネル2側に向けて配置されている。
このように構成されたTVリモコン装置及び電卓のキーボード装置によれば、図1〜図3に示すキーボード装置と同様の効果を発揮できる。すなわち、低コスト化、操作性及び見栄えの向上が図れ、タッチパネルの操作感度の低下がなく、更に入力操作面の清潔さを向上できるという、上記基本構成よる効果が得られる。また、透光性のカバーパネル7がタッチパネル2上面を覆い、かつ同カバーパネル7が透光性パネル8と金属光沢調ナノ積層PETフィルムからなるハーフミラー9とで積層されてなり、そのハーフミラー9がタッチパネル2側に向けて配置されていることによれば、上述した図1〜図3に示すキーボード装置と同様の様々な効果を発揮できる。例えば、カバーパネル7としての材質、色、デザイン等の選択を透光性パネル8の選択によって容易に可能となって入力操作面6における耐久性や装飾性の向上が可能になり、またハーフミラー9による見栄えや装飾効果の向上が図れる等の効果を発揮できる。
図4に示すTVリモコン装置及び図5に示す電卓は、各々TVリモコン装置及び電卓として機能するように、回路等の電子的構成及び部品配置構造等の機械的構成を備えていることは勿論である。
なお、図4において、42は赤外線出射窓を指し、図5において、51は太陽電池、52はLCD(液晶表示装置)を指す。
1:下ケース、2:透光性のタッチパネル、3:記号印刷フィルム、3a:記号、4:バックライトデバイス、5:積層体、6:入力操作面(装置最上面)、7:カバーパネル、8:透光性パネル、9:ハーフミラー(金属光沢調ナノ積層PETフィルム)、11:記号群。

Claims (10)

  1. 透光性のタッチパネルと、任意の記号が印刷された記号印刷フィルムと、該記号印刷フィルムを照明する面発光層との積層体を備えてなるキーボード装置において、
    前記タッチパネルは前記記号印刷フィルムの上面側に配置され、
    前記面発光層は前記記号印刷フィルムの下面側に配置され、
    最上面に位置する入力操作面は平坦面とされ、
    前記タッチパネルの上面に透光性のカバーパネルが積層配置され、該カバーパネル上面が前記入力操作面をなし、かつ、
    前記カバーパネルは、透光性パネルと前記タッチパネル側に向けて配置したハーフミラーとの積層体からなり、
    前記ハーフミラーは、可視光線透過率が20%以上40%以下の金属光沢調ナノ積層PETフィルムからなることを特徴とするキーボード装置。
  2. 前記ハーフミラーは、可視光線透過率が20%以上30%以下の金属光沢調ナノ積層PETフィルムからなることを特徴とする請求項1に記載のキーボード装置。
  3. 前記透光性パネルは、透光性を有するアクリル板又はポリカーボネート板からなることを特徴とする請求項1又は2に記載のキーボード装置。
  4. 前記記号印刷フィルムは、前記記号がネガ状態にて印刷されたネガ記号印刷フィルムからなることを特徴とする請求項1〜3のうちのいずれか1の項に記載のキーボード装置。
  5. 前記タッチパネルは、静電容量方式のタッチパネルからなることを特徴とする請求項1〜のうちのいずれか1の項に記載のキーボード装置。
  6. 前記タッチパネルへのタッチの検知に連動して作動する振動モータを備えることを特徴とする請求項1〜のうちのいずれか1の項に記載のキーボード装置。
  7. 前記記号印刷フィルム及び前記面発光層の対向部分の一部に各々開口を有し、該開口領域内にて前記透光性のタッチパネルを通して記号を表示可能に蛍光表示管又は液晶表示装置が組み込み配置されたことを特徴とする請求項1〜及びのうちのいずれか1の項に記載のキーボード装置。
  8. 請求項1〜のうちのいずれか1の項に記載のキーボード装置を用いたことを特徴とするパーソナルコンピュータ用キーボード装置。
  9. 請求項1〜のうちのいずれか1の項に記載のキーボード装置を用いたことを特徴とする電子機器コントローラ。
  10. 請求項1〜のうちのいずれか1の項に記載のキーボード装置を用いたことを特徴とする電子卓上計算機。
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