JP5521316B2 - 多核錯体 - Google Patents

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Description

本発明は、多核錯体に関する。
有機EL素子等に用いる発光材料として、蛍光材料に比べ、発光効率が優れると考えられる燐光材料が注目され、中でも、イリジウム錯体が有望視されている。しかし、この錯体は、希少金属であるイリジウムを用いるため、価格、資源量等の面からその利用に限度がある。そのため、安価な金属の錯体につき、種々検討されている(非特許文献1参照)。
Coord.Chem. Rev. 250, 2093−2126(2006)
しかし、公知の安価な金属の錯体は、その性能が必ずしも十分ではなく、発光材料として必ずしも有用ではなかった。
そこで、本発明は、発光材料として有用な、安価な金属の錯体を提供する。
即ち、本発明は、下式(I)で表される多核錯体を提供する。
Figure 0005521316
(式(I)中、Mは11族の金属原子又は金属イオンを表し、aは2以上の数を表す。複数個のMはそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。Arは芳香環を含む4価の有機基を表し、bは1以上の数を表す。Arが複数存在する場合、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。Rは置換されてもよい炭化水素基を表す。複数のRは、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。Qは窒素原子、リン原子、酸素原子及び硫黄原子からなる群から選ばれる配位原子を持つ配位子を表し、cは0以上の数である。Qが複数存在する場合、それらは、同一であっても異なっていてもよい。Xはカウンターイオンを表し、dは0以上の数である。Xが複数存在する場合、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。)
本発明の多核錯体は、安価な金属の錯体であり、発光材料として有用である。
上記式(I)中、Mは11族の金属原子又は金属イオンを表し、複数のMはそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。金属原子又は金属イオンの金属として、好ましくは銅、銀であり、より好ましくは銅である。
該金属原子、金属イオンは、その価数の観点では、自然界に通常存在するものを適宜選択して使用することができる。例えば、銅の場合では1若しくは2価の銅又はその両方が混在した混合原子価のものを使用することができる。中でも、金属イオンが銅(I)イオンであることが好ましい。
aは2以上の数を表し、式(I)で表される多核錯体が混合物の場合は平均値として表される。aは、好ましくは2〜100の数であり、より好ましくは2〜20の数であり、さらに好ましくは2〜10の数であり、特に好ましくは2〜6の数である。
上記式(I)中、Arは芳香環を含む4価の有機基を表し、Arが複数存在する場合は、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。芳香環を含む4価の有機基とは、芳香環を含む化合物から水素原子を4つとってなる基である。
ここに、芳香環を含む化合物としては、単環芳香族化合物及び縮環芳香族化合物から選ばれる2個以上が直接結合又は2価の基を介して結合してなる化合物、単環芳香族化合物、縮環芳香族化合物等が挙げられる。ここに2価の基としては、炭素原子、酸素原子、硫黄原子、窒素原子及びリン原子から選ばれる2個以上の原子を含む2価の基、置換基を有していてもよい炭素原子、酸素原子、硫黄原子、置換基を有していてもよい窒素原子、置換基を有していてもよいリン原子等が挙げられる。
芳香環を含む化合物の具体例としては、ベンゼン、ナフタレン、エタノアントラセン、アントラセン、ジヒドロアントラセン、アントラキノン、ビフェニレン、ピレン、ペリレン、ビフェニル、ジフェニルエーテル、ジフェニルスルフィド、ジフェニルジスルフィド、ジフェニルアセチレン、スチルベン、ジフェニルアミン、ジフェニルホスフィン、ベンゾフェノン、p−ターフェニル、ビナフチル、フェナジン、チアントレン、ビピリジン、ビチオフェン、ビピロール等が挙げられる。
Arとして、具体的には、ベンゼン−1,2,4,5−テトライル基、ベンゼン−1,2,3,4−テトライル基、ナフタレン−1,2,5,6−テトライル基、ナフタレン−2,3,6,7−テトライル基、ナフタレン−1,2,7,8−テトライル基、ナフタレン−1,4,5,8−テトライル基、アントラセン−1,2,5,6−テトライル基、アントラセン−2,3,6,7−テトライル基、アントラセン−2,3,5,6−テトライル基、アントラセン−1,5,9,10−テトライル基、アントラセン−1,4,5,10−テトライル基、9,10−ジヒドロアントラセン−1,2,5,6−テトライル基、9,10−ジヒドロアントラセン−2,3,6,7−テトライル基、9,10−ジヒドロアントラセン−2,3,5,6−テトライル基、エタノアントラセン−1,2,5,6−テトライル基、エタノアントラセン−2,3,6,7−テトライル基、エタノアントラセン−2,3,5,6−テトライル基、アントラキノン−1,2,5,6−テトライル基、アントラキノン−2,3,6,7−テトライル基、アントラキノン−2,3,5,6−テトライル基、ビフェニレン−1,2,5,6−テトライル基、ビフェニレン−2,3,6,7−テトライル基、ビフェニレン−1,2,7,8−テトライル基、ビフェニレン−1,4,5,8−テトライル基、ピレン−1,2,6,7−テトライル基、ピレン−4,5,9,10−テトライル基、ピレン−1,5,6,10−テトライル基、ピレン−1,2,7,8−テトライル基、ピレン−1,8,9,10−テトライル基、ピレン−1,3,4,10−テトライル基、ペリレン−1,2,7,8−テトライル基、ペリレン−2,3,8,9−テトライル基、ペリレン−3,4,9,10−テトライル基、ペリレン−1,2,5,6−テトライル基、ペリレン−2,3,4,5−テトライル基、ビフェニル−2,2',3,3'−テトライル基、ビフェニル−3,3',4,4'−テトライル基、ジフェニルエーテル−2,2',3,3'−テトライル基、ジフェニルエーテル−3,3',4,4'−テトライル基、ジフェニルスルフィド−2,2',3,3'−テトライル基、ジフェニルスルフィド−3,3',4,4'−テトライル基、ジフェニルジスルフィド−2,2',3,3'−テトライル基、ジフェニルジスルフィド−3,3',4,4'−テトライル基、ジフェニルアセチレン−2,2',3,3'−テトライル基、ジフェニルアセチレン−3,3',4,4'−テトライル基、スチルベン−2,2',3,3'−テトライル基、スチルベン−3,3',4,4'−テトライル基、ジフェニルアミン−2,2',3,3'−テトライル基、ジフェニルアミン−3,3',4,4'−テトライル基、ジフェニルホスフィン−2,2',3,3'−テトライル基、ジフェニルホスフィン−3,3',4,4'−テトライル基、ベンゾフェノン−2,2',3,3'−テトライル基、ベンゾフェノン−3,3',4,4'−テトライル基、p−ターフェニル−2,2' ',3,3' '−テトライル基、p−ターフェニル−3,3' ',4,4' '−テトライル基、ビナフチル−2,2',3,3'−テトライル基、ビナフチル−3,3',4,4'−テトライル基、ビナフチル−4,4',5,5'−テトライル基、ビナフチル−5,5',6,6'−テトライル基、ビナフチル−6,6',7,7'−テトライル基、ビナフチル−7,7',8,8'−テトライル基、フェナジン−1,2,5,6−テトライル基、フェナジン−2,3,6,7−テトライル基、フェナジン−2,3,5,6−テトライル基、フェナジン−1,5,9,10−テトライル基、フェナジン−1,4,5,10−テトライル基、チアントレン−1,2,5,6−テトライル基、チアントレン−2,3,6,7−テトライル基、チアントレン−2,3,5,6−テトライル基、チアントレン−1,5,9,10−テトライル基、チアントレン−1,4,5,10−テトライル基、2,2'−ビピリジン−3,3',4,4'−テトライル基、2,2'−ビピリジン−4,4',5,5'−テトライル基、2,2'−ビピリジン−5,5',6,6'−テトライル基、3,3'−ビピリジン−4,4',5,5'−テトライル基、3,3'−ビピリジン−5,5',6,6'−テトライル基、4,4'−ビピリジン−2,2',3,3'−テトライル基、2,2'−ビチオフェン−3,3',4,4'−テトライル基、2,2'−ビチオフェン−4,4',5,5'−テトライル基、3,3'−ビチオフェン−4,4',5,5'−テトライル基、2,2'−ビピロール−3,3',4,4'−テトライル基、2,2'−ビピロール−4,4',5,5'−テトライル基、3,3'−ビピロール−4,4',5,5'−テトライル基等が挙げられる。
これらの中でも、合成の容易さ又は発光性能の観点からは、好ましくは、ベンゼン−1,2,4,5−テトライル基、ベンゼン−1,2,3,4−テトライル基、ナフタレン−1,2,5,6−テトライル基、ナフタレン−2,3,6,7−テトライル基、ナフタレン−1,2,7,8−テトライル基、ナフタレン−1,4,5,8−テトライル基、ビフェニル−2,2',3,3'−テトライル基、ビフェニル−3,3',4,4'−テトライル基、ジフェニルエーテル−2,2',3,3'−テトライル基、ジフェニルエーテル−3,3',4,4'−テトライル基、ジフェニルスルフィド−2,2',3,3'−テトライル基、ジフェニルスルフィド−3,3',4,4'−テトライル基、ジフェニルアミン−2,2',3,3'−テトライル基、ジフェニルアミン−3,3',4,4'−テトライル基、ジフェニルホスフィン−2,2',3,3'−テトライル基、ジフェニルホスフィン−3,3',4,4'−テトライル基、ベンゾフェノン−2,2',3,3'−テトライル基、ベンゾフェノン−3,3',4,4'−テトライル基、2,2'−ビピリジン−3,3',4,4'−テトライル基、2,2'−ビピリジン−4,4',5,5'−テトライル基、2,2'−ビピリジン−5,5',6,6'−テトライル基、3,3'−ビピリジン−4,4',5,5'−テトライル基、3,3'−ビピリジン−5,5',6,6'−テトライル基、4,4'−ビピリジン−2,2',3,3'−テトライル基、2,2'−ビチオフェン−3,3',4,4'−テトライル基、2,2'−ビチオフェン−4,4',5,5'−テトライル基、3,3'−ビチオフェン−4,4',5,5'−テトライル基、2,2'−ビピロール−3,3',4,4'−テトライル基、2,2'−ビピロール−4,4',5,5'−テトライル基、3,3'−ビピロール−4,4',5,5'−テトライル基であり、さらに好ましくは、ベンゼン−1,2,4,5−テトライル基、ベンゼン−1,2,3,4−テトライル基、ナフタレン−1,2,5,6−テトライル基、ナフタレン−2,3,6,7−テトライル基、ナフタレン−1,2,7,8−テトライル基、ナフタレン−1,4,5,8−テトライル基、ビフェニル−2,2',3,3'−テトライル基、ビフェニル−3,3',4,4'−テトライル基であり、特に好ましくは、ベンゼン−1,2,4,5−テトライル基、ナフタレン−1,2,5,6−テトライル基、ナフタレン−2,3,6,7−テトライル基、ナフタレン−1,4,5,8−テトライル基、ビフェニル−2,2',3,3'−テトライル基、ビフェニル−3,3',4,4'−テトライル基等が挙げられる。
Arは置換基を有していてもよく、該置換基としては、ハロゲン原子、水酸基、炭化水素オキシ基、メルカプト基、炭化水素メルカプト基、アミノ基、炭化水素アミノ基、ニトロ基、シアノ基、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基、アリール基、アラルキル基等が挙げられる。アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基で置換する場合、それらの具体例及び好ましい例は、以下に示されるRのそれらと同じである。
上記式(I)中、Rは置換されてもよい炭化水素基を表し、複数のRがそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。
炭化水素基は、炭素数が通常1〜20程度であり、その例としては、メチル基、エチル基、1−プロピル基、2−プロピル基、1−ブチル基、2−ブチル基、2−メチル−1−プロピル基、2−メチル−2−プロピル基、ペンチル基、ヘキシル基、デシル基、エイコシル基等のアルキル基;エテニル基、プロペニル基、ブテニル基等のアルケニル基;エチニル基、プロピニル基、ブチニル基等のアルキニル基;シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ノルボルニル基、アダマンチル基等のシクロアルキル基;シクロプロペニル基、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基等のシクロアルケニル基;フェニル基、2−トリル基、3−トリル基、4−トリル基、キシリル基、メシチル基、ビフェニル基、ナフチル基、インデニル基、フルオレニル基等のアリール基;ベンジル基、キシリル基等のアラルキル基が挙げられ、好ましくはアルキル基、アリール基、アラルキル基であり、より好ましくはアリール基、アラルキル基であり、さらに好ましくはアリール基である。
該炭化水素基が置換基を有する場合、該置換基としては、ハロゲン原子、水酸基、炭化水素オキシ基、メルカプト基、炭化水素メルカプト基、アミノ基、炭化水素アミノ基、ニトロ基、シアノ基等が挙げられる。
炭化水素オキシ基、炭化水素メルカプト基、炭化水素アミノ基とは、水酸基、メルカプト基、アミノ基の水素原子を炭化水素基で置換したものであり、その場合の炭化水素基の具体例及び好ましい例は、Rのそれらと同じである。
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられ、好ましくはフッ素原子、塩素原子であり、より好ましくはフッ素原子である。
前記式(I)において、Ar(PR24で示される構造としては、例えば、以下に例示する構造が挙げられる。
Figure 0005521316
前記式(I)中、bは1以上の数を表し、式(I)で表される多核錯体が混合物の場合は平均値として表される。bは、好ましくは1〜100の数であり、より好ましくは1〜20の数であり、さらに好ましくは1〜9の数であり、特に好ましくは1〜5の数である。
aとbの比としては、錯体の安定性の観点から、a/bの上限は、3が好ましく、2.5がより好ましく、2がさらに好ましい。また、a/bの下限は、0.3が好ましく、0.5がより好ましく、1がさらに好ましい。
さらに、aとbの関係につき、錯体の安定性の観点から、a−2≦b≦a+1であることが好ましく、a−1≦b≦aであることがより好ましいが、特にa−1=bであることがさらに好ましい。
前記式(I)中、Qは窒素原子、リン原子、酸素原子及び硫黄原子からなる群から選ばれる配位原子を持つ配位子を表し、Qが複数存在する場合は、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。QはMの空いた配位座に配位する。また、該配位子は、単座配位子、多座配位子のいずれであってもよい。該配位子が、多座配位子の場合、複数の配位原子は同じであっても、異なっていてもよい。該配位子の中では、好ましくは、窒素、酸素及びリンから選ばれる配位原子を持つ配位子であり、さらに好ましくは窒素及びリンから選ばれる配位原子を持つ配位子である。
ここに、単座配位子としては、トリフェニルホスフィン、トリ(p−トリル)ホスフィン、トリ(p−メトキシフェニル)ホスフィン、トリ(p−フルオロフェニル)ホスフィン等のホスフィン類;ピリジン、ピコリン、p−t−ブチルピリジン、キノリン等のピリジン類;ピロール、ピラゾール、イミダゾール等の含窒素複素環化合物;トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジブチルアミン、ジシクロヘキシルアミン、ピペリジン、ピペラジン、アニリン、N−メチルアニリン、N,N−ジメチルアニリン、ジフェニルアミン等のアミン類;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル等のエーテル類;硫化ジメチル、硫化ジエチル、テトラヒドロチオフェン等のスルフィド類;メタンチオラート、エタンチオラート、2−プロパンチオラート、2−メチル−2−プロパンチオラート、ベンゼンチオラート等のチオラート類、及びこれらに置換基をつけたものが挙げられる。なお、置換基としては、Arにおけるそれと、具体例及び好ましい例は同じである。
また、多座配位子としては、ビス(ジフェニルホスフィノ)メタン、ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン、ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン、ビス(ジフェニルホスフィノ)ベンゼン、ビス(ジフェニルホスフィノ)ナフタレン、ビス(ジフェニルホスフィノ)ビフェニル、ビス(ジフェニルホスフィノ)ビナフチル等のジホスフィン類;ビピリジン、フェナントロリン、ネオクプロイン、バソフェナントロリン、バソクプロイン等のジイミン類;アセテート、プロピオネート、ピバロネート、ベンゾエート等のカルボキレート類;アセチルアセトネート、1,3−ジフェニル−1,3−プロパンジオネート、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロアセチルアセトネート等のβ−ジケトナト類;エタンジチオラート、プロパンジチオラート、ベンゼンジチオラート等のジチオラート類;ジフェニルホスフィノ−2−ピリジン、2−ジフェニルホスフィノ−2−ジメチルアミノ−1,1−ビフェニル、2−アミノエチル−ジフェニルホスフィン等の異なる配位原子を持つ二座配位子;2,6−ビス(2−ピリジル)ピリジン、ジエチレントリアミン、1,4,7−トリアザシクロノナン等の三座配位子;トリエチレンテトラミン、1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン、1,4,8,11−テトラアザシクロテトラデカン等の四座配位子、及びこれらに置換基をつけたものが挙げられる。なお、置換基としては、Arにおけるそれと、具体例及び好ましい例は同じである。
Qで表される配位子の中でも、好ましいものとしては、ホスフィン類、ピリジン類、含窒素複素環化合物、アミン類、エーテル類、ジホスフィン類、ジイミン類、β−ジケトナト類、異なる配位原子を持つ二座配位子であり、より好ましいのはホスフィン類、ピリジン類、アミン類、エーテル類、ジホスフィン類、ジイミン類、異なる配位原子を持つ二座配位子であり、さらに好ましいものとしては、ピリジン類、エーテル類、ジホスフィン類、ジイミン類、異なる配位原子を持つ二座配位子である。
前記式(I)中、cは0以上の数であり、式(I)で表される多核錯体が混合物の場合は平均値として表され、bとのモル比を求められる分析手法(例えば、1H NMR)により決定することができる。好ましくは0〜100の数であり、より好ましくは0〜20の数であり、さらに好ましくは0〜10の数であり、特に好ましくは0〜4の数である。
Xはカウンターイオンである。カウンターイオンとしては、カウンターアニオン、カウンターカチオンが挙げられ、錯体を中性に保つ観点からは、カウンターアニオンを含むものが好ましい。
カウンターアニオンとしては、ブレンステッド酸の共役塩基が好ましく、ヘテロ原子を含むブレンステッド酸の共役塩基がより好ましい。カウンターアニオンとしては、例えば、フッ化物イオン、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン、硫酸イオン、硝酸イオン、炭酸イオン、酢酸イオン、過塩素酸イオン、テトラフルオロボレートイオン、ヘキサフルオロホスフェイトイオン、メタンスルホン酸イオン、トリフルオロメタンスルホン酸イオン、トリフルオロ酢酸イオン、ベンゼンスルホン酸イオン、パラトルエンスルホン酸イオン、ドデシルベンゼンスルホン酸イオン、テトラフェニルボレートイオン、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートイオン、これらのイオンの構造を有する繰り返し単位を含む高分子化合物等が挙げられ、好ましくは塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン、硫酸イオン、硝酸イオン、テトラフルオロボレートイオン、ヘキサフルオロホスフェイトイオン、トリフルオロメタンスルホン酸イオン、テトラフェニルボレートイオン、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートイオンである。
カウンターカチオンとしては、アルカリ金属、アルカリ土類金属等の金属カチオンや、4級アンモニウムイオン、4級ホスフォニウムイオンこれらのイオンの構造を有する繰り返し単位を含む高分子化合物等を用いることもでき、好ましくは4級アンモニウムイオン、4級ホスフォニウムイオンである。
dは0以上の数であり、式(I)で表される多核錯体として中性を保つように決定され、式(I)で表される多核錯体が混合物の場合は平均値として表される。dは、好ましくは0〜100の数であり、より好ましくは0〜20の数であり、さらに好ましくは0〜10の数であり、特に好ましくは0〜6の数である。
本発明の多核錯体として、具体的には、下図の錯体が挙げられる。
いずれも(m+1)+の電荷を持ち、下図において式(I)におけるXは省略している。a、b及びcは前記と同じ定義であり、c1及びc2は0以上の数(通常、c1及びc2は0以上の整数)であり、c1+c2=cである。
Figure 0005521316

Figure 0005521316
本発明の多核錯体は、例えば、配位子Q(例えば、1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)ベンゼンやテトラヒドロフラン)と、Mに対応する金属塩(例えば、テトラキス(アセトニトリル)銅(I)トリフルオロメタンスルホン酸塩)とを、溶媒(例えば、テトラヒドロフラン)中で反応させた後、配位子化合物Ar(PR24(例えば、1,2,4,5−テトラキス(ジフェニルホスフィノ)ベンゼン)と反応させることにより製造することができる。
本発明の多核錯体は発光性を有することが好ましく、発光効率の観点からは燐光発光性を有するものがより好ましい。
本発明の発光素子は、本発明の多核錯体を含むものである。
本発明の発光素子としては、陽極と陰極とからなる一対の電極間に少なくとも発光層を有する一層又は複数層からなる薄膜層が挟持されている発光素子において、該薄膜層の少なくとも1層が、本発明の多核錯体を含有するものが挙げられる。
本発明の多核錯体を含有する薄膜層中の本発明の多核錯体の含有量としては、層全体の重量に対し、通常、0.1〜100重量%であり、0.1〜30重量%が好ましく、0.5〜15重量%がより好ましく、1〜10重量%が特に好ましい。本発明の発光素子としては、前記発光層が、本発明の多核錯体を発光する材料として含有するものが好ましい。
本発明の発光素子として、単層型のもの(陽極/発光層/陰極)が挙げられ、この発光層が本発明の多核錯体を含有する。また、多層型の発光素子の層構成としては、
(a)陽極/正孔注入層/(正孔輸送層)/発光層/陰極
(b)陽極/発光層/電子注入層/(電子輸送層)/陰極
(c)陽極/正孔注入層/(正孔輸送層)/発光層/電子注入層/(電子輸送層)/陰極等が挙げられる。
上記(a)〜(c)において、(正孔輸送層)、(電子輸送層)は、その位置にこれらの層が、それぞれ存在してもしなくてもよいことを表す。
本発明の発光素子の陽極は、正孔注入層、正孔輸送層、発光層等に正孔を供給するものであり、4.5eV以上の仕事関数を有することが効果的である。陽極の材料には、金属、合金、金属酸化物、電気伝導性化合物及びこれらの混合物等を用いることができる。具体的には、酸化スズ、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化インジウムスズ(ITO)等の導電性金属酸化物、及び金、銀、クロム、ニッケル等の金属、さらにこれらの導電性金属酸化物と金属との混合物及び積層物、ヨウ化銅、硫化銅等の無機導電性物質、ポリアニリン類、ポリチオフェン類〔PEDOT等〕、ポリピロール等の有機導電性材料及びこれらとITOとの積層物等が挙げられる。
本発明の発光素子の陰極は、電子注入層、電子輸送層、発光層等に電子を供給するものである。陰極の材料には、金属、合金、金属ハロゲン化物、金属酸化物、電気伝導性化合物及びこれらの混合物等を用いることができる。陰極の材料の具体例としては、アルカリ金属(Li、Na、K等)並びにそのフッ化物及び酸化物、アルカリ土類金属(Mg、Ca、Ba、Cs等)並びにそのフッ化物及び酸化物、金、銀、鉛、アルミニウム、合金及び混合金属類〔ナトリウム−カリウム合金、ナトリウム−カリウム混合金属、リチウム−アルミニウム合金、リチウム−アルミニウム混合金属、マグネシウム−銀合金、マグネシウム−銀混合金属等〕、インジウム、イッテルビウム等の希土類金属等が挙げられる。
本発明の発光素子の正孔注入層及び正孔輸送層は、陽極から正孔を注入する機能、正孔を輸送する機能、陰極から注入された電子を障壁する機能のいずれかを有しているものであればよい。正孔注入層及び正孔輸送層には、公知の材料を適宜選択して使用できるが、これらの層に用いられる材料の具体例としては、カルバゾール誘導体、トリアゾール誘導体、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、ポリアリールアルカン誘導体、ピラゾリン誘導体、ピラゾロン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、アリールアミン誘導体、アミノ置換カルコン誘導体、スチリルアントラセン誘導体、フルオレノン誘導体、ヒドラゾン誘導体、スチルベン誘導体、シラザン誘導体、芳香族第三級アミン化合物、スチリルアミン化合物、芳香族ジメチリディン系化合物、ポルフィリン系化合物、ポリシラン系化合物、ポリ(N−ビニルカルバゾール)誘導体、有機シラン誘導体、本発明の多核錯体等、及びこれらを含む重合体が挙げられる。また、前記材料としては、アニリン系共重合体、チオフェンオリゴマー、ポリチオフェン等の導電性高分子オリゴマーも挙げることができる。前記材料は単成分であっても、複数の成分からなる組成物であってもよい。また、前記正孔注入層及び前記正孔輸送層は、前記材料の1種又は2種以上からなる単層構造であってもよいし、同一組成又は異種組成の複数層からなる多層構造であってもよい。
本発明の発光素子の電子注入層及び電子輸送層は、陰極から電子を注入する機能、電子を輸送する機能、陽極から注入された正孔を障壁する機能のいずれかを有しているものであればよい。電子注入層及び電子輸送層には、公知の材料を適宜選択して使用できるが、これらの層に用いられる材料の具体例としては、トリアゾール誘導体、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、フルオレノン誘導体、アントラキノジメタン誘導体、アントロン誘導体、ジフェニルキノン誘導体、チオピランジオキシド誘導体、カルボジイミド誘導体、フルオレニリデンメタン誘導体、ジスチリルピラジン誘導体、ナフタレン、ペリレン等の芳香環テトラカルボン酸無水物、フタロシアニン誘導体、8−キノリノール誘導体の金属錯体やメタルフタロシアニン、ベンゾオキサゾールやベンゾチアゾールを配位子とする金属錯体に代表される各種金属錯体、有機シラン誘導体、本発明の多核錯体等が挙げられる。また、前記電子注入層及び前記電子輸送層は、前記材料の1種又は2種以上からなる単層構造であってもよいし、同一組成又は異種組成の複数層からなる多層構造であってもよい。
また、本発明の発光素子において、電子注入層、電子輸送層を構成する物質として、絶縁体又は半導体の無機化合物も使用することもできる。電子注入層、電子輸送層が絶縁体や半導体で構成されていれば、電流のリークを有効に防止して、電子注入性を向上させることができる。このような絶縁体としては、アルカリ金属カルコゲニド(以下、「カルコゲニド」は、酸化物も含む。)、アルカリ土類金属カルコゲニド、アルカリ金属のハロゲン化物及びアルカリ土類金属のハロゲン化物からなる群から選択される少なくとも一つの金属化合物を使用できる。具体的に、好ましいアルカリ土類金属カルコゲニドとしては、例えば、CaO、BaO、SrO、BeO、BaS及びCaSeが挙げられる。また、電子注入層、電子輸送層を構成する半導体として、Ba、Ca、Sr、Yb、Al、Ga、In、Li、Na、Cd、Mg、Si、Ta、Sb及びZnの少なくとも一つの元素を含む酸化物、窒化物又は酸窒化物等の一種単独又は二種以上の組み合わせも挙げることができる。
また、本発明においては、陰極と接する薄膜との界面領域に還元性ドーパントが添加されていてもよい。好ましい還元性ドーパントとしては、アルカリ金属、アルカリ土類金属の酸化物、アルカリ土類金属、希土類金属、アルカリ金属の酸化物、アルカリ金属のハロゲン化物、アルカリ土類金属の酸化物、アルカリ土類金属のハロゲン化物、希土類金属の酸化物又は希土類金属のハロゲン化物、アルカリ金属錯体、アルカリ土類金属錯体、及び希土類金属錯体からなる群から選ばれる少なくとも一つの化合物である。
本発明の発光素子の発光層は、電界印加時に陽極又は正孔注入層より正孔を注入することができ、陰極又は電子注入層より電子を注入することができる機能、注入した電荷(電子と正孔)を電界の力で移動させる機能、電子と正孔の再結合の場を提供し、これを発光につなげる機能を有するものである。本発明の発光素子の発光層は、本発明の多核錯体を含有すると好ましく、この多核錯体をゲスト材料とするホスト材料を含有させてもよい。前記ホスト材料としては、例えば、フルオレン骨格を有するもの、カルバゾール骨格を有するもの、ジアリールアミン骨格を有するもの、ピリジン骨格を有するもの、ピラジン骨格を有するもの、トリアジン骨格を有するもの及びアリールシラン骨格を有するもの等が挙げられる。前記ホスト材料のT1(最低三重項励起状態のエネルギーレベル)は、ゲスト材料のそれより大きいことが好ましく、その差が0.2eVよりも大きいことがさらに好ましい。前記ホスト材料は低分子化合物であっても、高分子化合物であってもよい。また、前記ホスト材料と前記多核錯体等の発光材料とを混合して塗布するか、或いは共蒸着等することによって、前記発光材料が前記ホスト材料にドープされた発光層を形成することができる。
本発明の発光素子では、前記各層の形成方法は特に限定されず公知の方法を使用できる。前記形成方法としては、具体的には、真空蒸着法〔抵抗加熱蒸着法、電子ビーム法等〕、スパッタリング法、LB法、分子積層法、塗布法〔キャスティング法、スピンコート法、バーコート方、ブレードコート法、ロールコート法、グラビア印刷、スクリーン印刷、インクジェット法等〕等が挙げられる。この中では製造プロセスを簡略化できる点で、塗布で成膜することが好ましい。前記塗布法では、本発明の多核錯体を溶媒と混合して塗布液を調製し、該塗布液を所望の層(又は電極)上に、塗布・乾燥することによって形成することができる。塗布液中にはホスト材料及び/又はバインダーとして樹脂を含有させてもよく、樹脂は溶媒に溶解状態とすることも、分散状態とすることもできる。前記樹脂としては、非共役系高分子(例えば、ポリビニルカルバゾール)、共役系高分子(例えば、ポリオレフィン系高分子)を使用することができる。より具体的には、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリエステル、ポリスルホン、ポリフェニレンオキシド、ポリブタジエン、ポリ(N−ビニルカルバゾール)、炭化水素樹脂、ケトン樹脂、フェノキシ樹脂、ポリアミド、エチルセルロース、酢酸ビニル、ABS樹脂、ポリウレタン、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、エポキシ樹脂、シリコン樹脂等から目的に応じて選択できる。溶液は目的に応じて副成分として、酸化防止剤、粘度調整剤等を含有してもよい。
溶液の溶媒は薄膜の成分を均一に溶解又は分散し安定なものを公知の溶媒から適宜選択して使用できる。このような溶媒として、アルコール類〔メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等〕、ケトン類〔アセトン、メチルエチルケトン等〕、有機塩素類〔クロロホルム、1,2−ジクロロエタン等〕、芳香族炭化水素類〔ベンゼン、トルエン、キシレン等〕、脂肪族炭化水素類〔ノルマルヘキサン、シクロヘキサン等〕、アミド類〔ジメチルホルムアミド等〕、スルホキシド類〔ジメチルスルホキシド等〕等が挙げられる。溶媒は単成分であっても複数の成分の混合物であってもよい。
インクジェット法においては、インクの吐出性及びその再現性のために公知の成分を用いることができる。例えば、ノズルからの蒸発を押さえるために高沸点の溶媒〔アニソール、ビシクロヘキシルベンゼン等〕を成分に用いることができる。また、成分を選択して、インクとして用いる溶液の粘度を1〜100mPa・sとすることが好ましい。
本発明の発光素子の各有機層の好ましい膜厚は、材料の種類や層構成によって異なり特に制限されないが、一般的には膜厚が薄すぎるとピンホール等の欠陥が生じやすく、逆に厚すぎると高い印加電圧が必要となり効率が悪くなるため、通常は数nmから1μmの範囲が好ましい。
本発明の発光素子は、例えば、照明用光源、サイン用光源、バックライト用光源、ディスプレイ装置、プリンターヘッド等に用いることができる。ディスプレイ装置としては公知の駆動技術、駆動回路等を用い、セグンメント型、ドットマトリクス型等の構成を選択することができる。
次に、本発明の多核錯体の他の用途について説明する。本発明の多核錯体は適宣その構造を選択することにより多核錯体の公知の用途に使用することができる。このような用途としては、触媒、磁性体等を挙げることができる。触媒としては、例えば、酸化還元反応等の反応に用いるものを挙げることができる。
実施例1
Figure 0005521316
化合物(1)
2−(ジフェニルホスフィノ)−2'−(N,N−ジメチルアミノ)−ビフェニル40mgをTHF(2mL)に溶解し、テトラキス(アセトニトリル)銅(I)トリフルオロメタンスルホン酸塩40mgを加え、1時間反応させ、ほぼ無色に近い淡黄色透明の溶液を得た。この溶液を、1,2,4,5−テトラキス(ジフェニルホスフィノベンゼン)40mgのTHF(2mL)溶液に加えると、淡黄色沈殿が生成した。2時間攪拌を継続して反応させた後、ジエチルエーテル(8mL)を加えて析出させた沈殿を濾過して集め、さらにジエチルエーテル(2mL)で2回洗浄し、さらに乾燥させることで化合物(1)を得た。アセトニトリル−d31H NMRを測定し、積分比から2つのリン配位子やTHF分子の数を決定して、上記化学式の組成であると推定した。これを基にした元素分析計算値C(63.45%)、H(4.19%)、N(0.21%)/測定値C(62.93%)、H(4.20%)、N(0.33%)。この化合物の粉末が0.2重量%になるように、ポリメチルメタクリレートの0.8重量%トルエン溶液に懸濁させた液を石英板にスピンコートして薄膜を得て、蛍光分光光度計(JOBINYVON−SPEX社製、Fluorolog)を用いて、励起波長350nmでの発光スペクトルを測定した。発光極大は569nmであった。
実施例2
Figure 0005521316
化合物(2)
実施例1と同様にして、2−(ジフェニルホスフィノ)−2'−(N,N−ジメチルアミノ)−ビフェニル40mgの代わりに2,2'−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1'−ビナフチル60mgを用いて、化合物(2)を得た。アセトニトリル−d31H NMRを測定し、積分比から2つのリン配位子やTHF分子の数を決定して、上記化学式の組成であると推定した。これを基にした元素分析計算値C(64.43%)、H(4.27%)/測定値C(65.95%)、H(4.51%)。
実施例1と同様にして、薄膜を得て、発光スペクトルを測定した。発光極大は564nmであった。
実施例3
Figure 0005521316
化合物(3)
実施例1と同様にして、2−(ジフェニルホスフィノ)−2'−(N,N−ジメチルアミノ)−ビフェニル40mgの代わりに1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)ベンゼン44mgを用いて、化合物(3)を得た。アセトニトリル−d31H NMRを測定し、積分比から2つのリン配位子やTHF分子の数を決定して、上記化学式の組成であると推定した。これを基にした元素分析計算値C(62.78%)、H(4.35%)/測定値C(62.61%)、H(4.26%)。実施例1と同様にして、薄膜を得て、発光スペクトルを測定した。581nmにピークをもつ発光スペクトルが観測された。
化合物(1)のアセトニトリル−d3中の1H NMRスペクトル 化合物(2)のアセトニトリル−d3中の1H NMRスペクトル 化合物(3)のアセトニトリル−d3中の1H NMRスペクトル

Claims (3)

  1. 下式(I)で表される多核錯体。
    Figure 0005521316
    (式(I)中、Mは銅原子、銅イオン、銀原子又は銀イオンを表し、aは2以上の数を表す。複数個のMはそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。Arは芳香環を含む4価の有機基を表し、bは1以上の数を表す。Arが複数存在する場合、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。Rは置換されてもよい炭化水素基を表す。複数のRは、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。Qは窒素原子、リン原子、酸素原子及び硫黄原子からなる群から選ばれる配位原子を持つ配位子を表し、cは0以上の数である。Qが複数存在する場合、それらは、同一であっても異なっていてもよい。Xは塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン、硫酸イオン、硝酸イオン、テトラフルオロボレートイオン、ヘキサフルオロホスフェイトイオン、トリフルオロメタンスルホン酸イオン、テトラフェニルボレートイオン又はテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートイオンを表し、dは0以上の数である。Xが複数存在する場合、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。)
  2. 発光性を有する請求項1に記載の多核錯体。
  3. 請求項1又は2に記載の多核錯体を含む発光素子。
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