JP5520082B2 - 太陽光発電シートの取付け構造 - Google Patents

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Description

本発明は、太陽光発電シートの取付け構造に関し、詳細には、比較的簡易な構成で軽量な屋根に太陽光発電シートを取り付けるための太陽光発電シートの取付け構造に関する。
近年、環境エネルギの有効利用の観点から、太陽光により発電する太陽光発電シートが種々開発されている。太陽光発電シートは、太陽光を効率良く得るために高い場所、例えば、建物の屋根などに設置されている。
ところで、公共施設、工場、倉庫、畜舎などでは母屋に板材を固定した比較的簡易な構成で軽量な屋根が利用されている。このような特殊な屋根への太陽光パネルの取付け構造として、例えば、特許文献1に記載の太陽光パネルの構造が知られている。この太陽光パネルの構造では、波板屋根に設けられたネジつき棒状金具(フックボルト)を太陽光パネルの枠部の両端のそれぞれに設けられた細長い穴に挿通し、ワッシャ、スプリング、ナットを螺合することで当該太陽光パネルの枠部を屋根に固定するようにしている。
特開2000−80774号公報(例えば、段落[0022]〜[0040]、[図1]〜[図6]など参照)
上述した太陽光パネルの構造では、太陽光パネルの枠部に設けられた細長い穴はネジつき棒状金具の設置場所が桁方向でばらつく場合、またはネジつき棒状金具の先端部の位置が梁方向でばらつく場合のどちらかにしか対応しておらず、1つの太陽光パネルの枠部を取り付けるネジつき棒状金具にてばらつきが桁方向や梁方向などの多方向にあると、太陽光パネルの枠部を屋根に取り付けることができなかった。このように太陽光パネルの構造では、施工可能な屋根が太陽光パネルの枠部に設けられた細長い穴により制限されており、その分施工性を低下させていた。
以上のことから、本発明は上述のような課題を解決するために為されたものであって、屋根に設けられた複数のフックボルトのばらつき方向によらず、太陽光発電シートを屋根に比較的簡易に取り付けることができる太陽光発電シートの取付け構造を提供することを目的としている。
上述した課題を解決する第1の発明に係る太陽光発電シートの取付け構造は、
複数の屋根のスレートを複数のフックボルトで屋根の母屋に固定し、当該屋根に太陽光発電シートを取り付ける太陽光発電シートの取付け構造であって、
前記太陽光発電シートを固定する複数の固定部材と、
前記複数の固定部材を支持し、固定手段で固定した支持部材と、
前記フックボルト毎に取り付けられると共に、前記支持部材に固定具で固定して、前記支持部材を支持する取付具と
前記固定部材に取付けられ、前記支持部材に係止する係止手段とを具備し、
前記固定部材が、ガラス繊維強化プラスチック製であり、当該固定部材の少なくとも両端部に凹部がそれぞれ設けられたものであり、
隣接する固定部材の凹部同士が重ね合わせて配置される
ことを特徴とする。
これにより、隣接する固定部材の端部同士を重ね合わせるだけで、複数の固定部材を位置決めすることができる。また、固定部材の両端部以外に凹部を設けた場合には、その凹部内に太陽光発電シートの端子に接続されるハーネス類を収容することができる。
上述した課題を解決する第2の発明に係る太陽光発電シートの取付け構造は、
第1の発明に係る太陽光発電シートの取付け構造であって、
前記取付具が、前記フックボルトが挿通するボルト穴が設けられ当該フックボルトに取付けられる板状の取付部と、前記取付部の一端部から立設する縦板部と、前記縦板部の上端部に接続し、前記支持部材が搭載される板状の搭載部とを備える
ことを特徴とする。
上述した課題を解決する第3の発明に係る太陽光発電シートの取付け構造は、
2の発明に係る太陽光発電シートの取付け構造であって、
前記取付部と前記搭載部が対向して配置される
ことを特徴とする。
上述した課題を解決する第の発明に係る太陽光発電シートの取付け構造は、
第1乃至第の発明の何れか一つに係る太陽光発電シートの取付け構造であって、
前記係止手段は、前記固定部材に設けられた板状の下側係止部材を具備し、
前記下側係止部材は、前記固定部材の下面部に固定される板状の係止固定部と、前記係止固定部の一端部から垂下する係止縦板部と、前記係止縦板部の下端部から延在し、前記支持部材に係止する板状の係止顎部とを備える
ことを特徴とする。
上述した課題を解決する第の発明に係る太陽光発電シートの取付け構造は、
の発明に係る太陽光発電シートの取付け構造であって、
前記係止鍔部の先端部に案内部が設けられる
ことを特徴とする。
上述した課題を解決する第の発明に係る太陽光発電シートの取付け構造は、
の発明に係る太陽光発電シートの取付け構造であって、
前記支持部材は、上方へ突出して凹んだ凹み部を有し、
前記係止鍔部には、上方へ屈曲して折り曲げられた折り曲げ部が設けられ、当該折り曲げ部が前記支持部材の凹み部に係止される
ことを特徴とする。
第1の発明に係る太陽光発電シートの取付け構造によれば、支持部材を複数のフックボルトに直接取付けずに、複数のフックボルトのそれぞれに取付けられた取付具に支持部材を固定するようにしたことにより、支持部材の設置がフックボルトによる制約を受けず、フックボルトの設置場所にばらつきがある場合や、フックボルトにおける屋根のスレートより突き出した部分が直立せずにフックボルトの上端部(頭部)の位置にばらつきがある場合であっても、支持部材を正確な間隔で容易に屋根に取り付けることができる。また、固定部材の両端部に凹部があることにより、隣接する固定部材の凹部同士を重ね合わせるだけで、複数の固定部材を位置決めすることができる。これにより、複数の固定部材の組み付け性を確保できる。よって、屋根に設けられた複数のフックボルトのばらつき方向によらず、太陽光発電シートを屋根に比較的簡易な作業にて施工することができる。さらに、板状のものと比べて強度が向上し、取扱い性が向上する。太陽光発電シート、固定部材、支持部材、および取付具自体が軽量であり、公共施設、工場、倉庫、畜舎などの建物の比較的簡易な構成で軽量な屋根に施工することができ、固定部材に載せることが可能な太陽光発電シートの利用を促進することができる。係止部材により固定部材を支持部材に確実に係止することができる。これにより、固定部材に作用する振動や風圧に対して、固定部材を支持部材に固定する力を得ることができ、耐候性および耐風性が向上する。
第2の発明に係る太陽光発電シートの取付け構造によれば、第1の発明に係る太陽光発電シートの取付け構造と同様な作用効果を奏する上に、取付具自体が汎用的なものであり、施工コストの増加を抑制できる。
第3の発明に係る太陽光発電シートの取付け構造によれば、2の発明に係る太陽光発電シートの取付け構造と同様な作用効果を奏する上に、前記取付部と前記搭載部が対向して配置されることにより、フックボルトに取り付ける箇所と支持部材を固定する箇所とが対向することになる。そのため、上方へ引っ張られる力の力点と支点とが同一線上になるため、回転する力が加わらなくなり、太陽光発電シートの取付け構造の強度を得ることができる。その結果、耐候性および耐風性が向上する。
の発明に係る太陽光発電シートの取付け構造によれば、第の発明に係る太陽光発電シートの取付け構造と同様な作用効果を奏する。
の発明に係る太陽光発電シートの取付け構造によれば、第の発明に係る太陽光発電シートの取付け構造と同様な作用効果を奏する上に、前記係止鍔部の先端部に案内部が設けられることにより、施工時に案内部が係止鍔部を支持部材に係止する位置に案内するため、施工性が向上する。
の発明に係る太陽光発電シートの取付け構造によれば、第の発明に係る太陽光発電シートの取付け構造と同様な作用効果を奏する上に、前記支持部材は、上方へ突出して凹んだ凹み部を有し、前記係止鍔部には、上方へ屈曲して折り曲げられた折り曲げ部が設けられ、当該折り曲げ部が前記支持部材の凹み部に係止されることにより、係止鍔部の水平方向の長さを前記支持部材の幅方向の長さよりも短くしても係止鍔部の折り曲げ部を前記支持部材の凹み部に係止させることができる。これにより、支持部材を取付具に固定する固定具と係止鍔部との干渉を防ぐことができ、施工性が向上する。
本発明の第一番目の実施形態に係る太陽光発電シートの取付け構造を説明するための図であって、図1(a)にその一部を切り欠いた平面を示し、図1(b)に屋根のスレートの側面を示す。 本発明の第一番目の実施形態に係る太陽光発電シートの取付け構造が具備する固定部材を説明するための図であって、図2(a)にその一例を示し、図2(b)にその他例を示し、図2(c)に重なり部の例を示し、図2(d)に重なり部の他例を示す。 太陽光発電シートの取付け構造を説明するための図であって、図3(a)にフックボルトと取付金具と支持部材との関係を示し、図3(b)に図3(a)における囲み線IIIの拡大を示す。 図3における矢印IVから視た図であって、図4(a)に屋根の母屋とフックボルトと取付金具と支持部材との関係を示し、図4(b)に図4(a)における囲み線IVの拡大を示す。 取付金具の斜視図である。 本発明の第二番目の実施形態に係る太陽光発電シートの取付け構造を説明するための図であって、図6(a)にフックボルトと取付金具と支持部材との関係を示し、図6(b)に図6(a)における囲み線VIの拡大を示す。 図6における矢印VIIから視た図であって、図7(a)に屋根の母屋とフックボルトと取付金具と支持部材との関係を示し、図7(b)に図7(a)における囲み線VIIの拡大を示す。 取付金具の斜視図である。 本発明の第三番目の実施形態に係る太陽光発電シートの取付け構造が具備する固定部材と支持部材と係止具との関係を説明するための図であって、図9(a)に桁方向を示し、図9(b)に梁方向を示す。 係止具を構成する下側係止部材の斜視図である。 本発明の第四番目の実施形態に係る太陽光発電シートの取付け構造が具備する固定部材と支持部材と係止具との関係を説明するための図であって、図11(a)に桁方向を示し、図11(b)に梁方向を示す。 係止具を構成する下側係止部材の斜視図である。
本発明に係る太陽光発電シートの取付け構造について、各実施形態にて説明する。
[第一番目の実施形態]
本発明の第一番目の実施形態に係る太陽光発電シートの取付け構造について、図1〜図5を参照して詳細に説明する。図1〜図4にて、矢印UPが上方向を示し、矢印Cが梁方向を示し、矢印Wが桁方向を示す。
本実施形態にて、公共施設、工場、倉庫、畜舎などの建物で利用される比較的簡易な構成で軽量な屋根に太陽光発電シートを取り付ける太陽光発電シートの取付け構造について説明する。太陽光発電シートとしては、アモルファスシリコン製、微結晶タンデム型等の薄膜太陽光発電シートなどが挙げられる。
屋根の母屋51は、図1に示すように、桁方向に配置される。母屋51は棟部から軒先に亘って所定の間隔にて複数配置される。母屋51には、スレート波板52(屋根のスレート)が複数設けられる。複数のスレート波板52は、図3(a)に示すように、隣接するスレート波板52の端部52a,52bが上下方向で重なるように配置される。複数のスレート波板52は、図3および図4に示すように、パッキン54、座金55、ナット56によりフックボルト53で固定される。具体的には、フックボルト53の上端部53b側に、スレート波板52、パッキン54、座金55を順番に挿通し、フックボルト53の上端部53b側に設けられたねじ部にナット56を螺合することにより、フックボルト53の下端部53aが母屋51の一方の端部51aに係合して、スレート波板52が母屋51に固定される。パッキン54を介在させることで、スレート波板52の裏面側への雨水などの浸入が防止される。なお、フックボルト53の上端部53bは、スレート波板52より上方へ突き出している。
上述した太陽光発電シート1は、図2(a)に示すように、固定部材10に接着手段で固定される。固定部材10は、少なくとも両端部10a,10bのそれぞれに設けられた凹部11,12を有すると共に、太陽光発電シート1が固定される平坦部14,15を有する。凹部11,12は、固定部材10の一方の端部10aと固定部材10の他方の端部10bとを重なり合わせたときに、重なることができる形状に形成されている。これにより、複数の固定部材10を屋根に施工するときに、隣接する固定部材10の凹部11,12同士を重なり合わせるだけで複数の固定部材10を位置決めすることができ、位置決め作業が不要になり、その分施工性が向上する。固定部材10としては、例えばガラス繊維強化プラスチック板が挙げられ、厚さ1.0mm〜2.0mmであるものが用いられる。これにより、固定部材10自体が軽量であり、公共施設、工場、倉庫、畜舎などの建物の比較的簡易な構成で軽量な屋根に施工することができ、固定部材10に載せることが可能な太陽光発電シート1の利用を促進することができる。
固定部材10の中央部に凹部13をさらに設けることも可能である。また、図2(b)に示すように、固定部材20の両端部20a,20bの間に凹部23,24,25を3つ設けると共に、隣接する凹部同士の間に平坦部26,27,28,29をそれぞれ設けることも可能である。このように両端部のみならずその間に凹部を設けたことにより、板状のものと比べて、固定部材10,20の強度が向上し、施工時の取扱い性が向上する。固定部材10,20の凹部13,23、24,25内に太陽光発電シート1の端子に接続されるハーネス類(図示せず)を収容することができる。接着手段としては、変性シリコーン樹脂などの弾性接着材が好ましい。
上述した固定部材10,20は支持部材61に固定手段により固定される。支持部材61は、図3に示すように、桁方向に延在し、長手方向に直交する断面にて、中央部に凹み部が設けられると共に、その両側に平坦部が設けられた形状である。
具体的には、支持部材61は、横板部61aと第1縦板部61bと第2縦板部61cと第1支持板部61dと第2支持板部61eと第3縦板部61fと第4縦板部61gとを有する。第1縦板部61bは、横板部61aの一方の側端部から立設して形成されている。第2縦板部61cは、横板部61aの他方の側端部から立設して形成されている。第1の縦板部61bと第2縦板部61cとは対向して配置される。第1支持板部61dは、第1縦板部61bの上端部に接続して形成されている。第2支持板部61eは、第2縦板部61cの上端部に接続して形成されている。第3縦板部61fは、第1支持板部61dの一方の側端部から垂下して形成されている。第4縦板部61gは、第2支持板部61eの一方の側端部から垂下して形成されている。
第1縦板部61b、第2縦板部61c、第3縦板部61f、第4縦板部61gは、略同じ高さで形成さている。これにより、第1支持板部61dおよび第2支持板部61eが平坦となり、当該第1支持板部61dおよび第2支持板部61e上に固定部材10,20を搭載することができる。また、支持部材61を後述する取付金具30の搭載部32上に載せ、横板部61aにセルフドリルビスなどの固定具62を差し込むことで取付金具30に支持部材61を容易に取り付けることができる。上述したように支持部材61が凹みを有する形状であることにより、固定具62の頭部が第1,第2支持板部61d,61eより上方へ突出することが防止される。支持部材61としては、例えば高耐蝕溶融めっき鋼板製のものが挙げられ、厚さ0.4mm〜1.2mmであるものが用いられる(本実施形態では厚さ0.6mmを使用)。
固定部材20を支持部材61へ固定する固定手段としては、図2(c)に示すように、ワッシャ付タッピンネジ71が挙げられる。固定部材20の一方の端部20bの凹部22と、固定部材20の他方の端部20aの凹部21とを上下方向で重なり合わせ、ワッシャ付タッピンネジ71で隣接する2つの固定部材20,20を支持部材61に固定することができる。これにより、固定部材20の支持をより確実に行うことができ、施工性が向上する。
さらに、固定部材20を支持部材61へ固定する固定手段としては、図2(d)に示すように、ワッシャ付タッピンネジ71および抑え板73が挙げられる。固定部材20の一方の端部20bの凹部22と、固定部材20の他方の端部20aの凹部21とを上下方向で重なり合わせるとともに、これらの上方に抑え板73を重なり合わせ、ワッシャ付タッピンネジ71で隣接する2つの固定部材20,20を支持部材61に固定することができる。これにより、固定部材20をより確実に支持部材61に固定することができる。抑え板73としては、固定部材20の凹部22(21)に沿うと共に、固定部材20に固定される太陽光発電シート1の端部1b,1aを覆う形状のものが挙げられる。このような形状であることにより、太陽光発電シート1も固定部材20に固定することができ、耐候性、耐風性が向上する。抑え板73としては、黒色などに着色して光を遮断する非透光性とすることも可能である。これにより、固定部材20に太陽光発電シート1を接着する接着剤の劣化を防止できる。抑え板73としては、例えばガラス繊維強化プラスチック製、高耐蝕溶融めっき鋼板製のものが挙げられる。ガラス繊維強化プラスチック製のものである場合、厚さ1.0mm〜2.0mmであるものが用いられる。高耐蝕溶融めっき鋼板製のものである場合、厚さ0.3mm〜0.8mmであるものが用いられる。なお、このような固定手段を固定部材10に適用することもできる。
支持部材61は固定具62により複数の取付金具(取付具)30に固定される。取付金具30は上述した各フックボルト53に固定される。すなわち、1つのフックボルト53に対して1つの取付金具30が固定される。具体的には、フックボルト53の上端部53bに取付金具30が挿入され、ナット34で取付金具30が所定の高さに固定される。
取付金具30は、図3〜図5に示すように、取付部31と搭載部32と縦板部33とを有する。取付部31は、板状であって、中央部が上方に突出するように幅方向にて湾曲して形成されている。取付部31の略中央部には、フックボルト53の上端部53bが挿通可能なボルト穴31aが設けられる。搭載部32は、支持部材61の幅よりも長い形状であって板状に形成されている。これにより、桁方向にて隣接するフックボルト53同士の間隔がずれていても、取付金具30の搭載部32上に支持部材61を配置し固定具62で固定するだけで正確に取り付けることができる。縦板部33は、取付部31の一方の端部と搭載部32の一方の端部とに連結し、取付部31の一方の端部から立設している。取付部31と搭載部32とは取付金具30の長手方向にてオフセットとなるように配置される。取付金具30としては、例えばステンレスや鋼板製のものが挙げられ、厚さ1.0mm〜2.0mmであるものが用いられる。このような形状の取付金具30自体は汎用的なものであり、施工コストの増加を抑制できる。なお、必要に応じて縦板部の大きさが異なる取付金具を用意し、スレート波板52の重なり枚数に応じてフックボルト53に取り付けることで、取付金具30の高さを調整することができる。これにより、複数の取付金具30の高さを揃えることができる。
ここで、上述した太陽光発電シートの取付け構造を施工する方法について説明する。なお、屋根には複数のスレート波板52が複数のフックボルト53で予め取付けられている。
まず、太陽光発電シート1を接着手段で固定部材20に固定する。
続いて、フックボルト53の上端部53b側に取付金具30を挿通し、これらをナット34で固定する。このような作業をフックボルト53毎に行う。
続いて、桁方向にて並んだフックボルト53のそれぞれに取付金具30を取付けた後、取付金具30の搭載部32に支持部材61を搭載し固定具62で支持部材61を取付金具30の搭載部32に固定する。
続いて、支持部材61の上に、太陽光発電シート1が固定された固定部材20を配置し、ワッシャ付タッピンネジ71、必要に応じて抑え板73で固定する。
これら作業を、太陽光発電シートを施工する範囲に亘って行うことで、屋根に太陽光発電シートが施工される。
したがって、本実施形態に係る太陽光発電シートの取付け構造によれば、支持部材61を複数のフックボルト53に直接取付けずに、複数のフックボルト53のそれぞれに取付けられた取付金具30に支持部材61を固定するようにしたことにより、支持部材61の設置がフックボルト53による制約を受けず、フックボルトの設置場所にばらつきがある場合や、フックボルトにおけるスレート波板より突き出した部分が直立せずフックボルトの上端部(頭部)の位置にばらつきがある場合であっても、支持部材61を正確な間隔で容易に屋根に取り付けることができる。また、固定部材20の両端部20a,20bに凹部21,22があることにより、隣接する固定部材20の凹部21,22同士を重ね合わせるだけで、複数の固定部材20を位置決めすることができる。これにより、複数の固定部材20の組み付け性を確保できる。よって、屋根に設けられた複数のフックボルト53のばらつき方向によらず、太陽光発電シート1を屋根に比較的簡易な作業にて施工することができる。
さらに、太陽光発電シート1、固定部材20、支持部材61、および取付金具30自体が軽量である。これにより、公共施設、工場、倉庫、畜舎などの建物の比較的簡易な構成で軽量な屋根に施工することができ、固定部材20に載せることが可能な太陽光発電シート1の利用を促進することができる。
[第二番目の実施形態]
本発明の第二番目の実施形態に係る太陽光発電シートの取付け構造について、図6〜図8を参照して具体的に説明する。
本実施形態では、上述した第一番目の実施形態に係る太陽光発電シートの取付け構造が具備する取付金具のみを変更している。第一番目の実施形態に係る太陽光発電シートの取付け構造と同一部材には同一符号を付記しその説明を省略する。
本実施形態では、図6〜図8に示すように、略U字状の取付金具130を具備する。取付金具130は、取付部131と搭載部132と縦板部133とを有する。取付部131は、板状であって、中央部が上方に突出するように幅方向にて湾曲して形成されている。取付部131の略中央部には、フックボルト53の上端部53bが挿通可能なボルト穴131aが設けられる。搭載部132は、支持部材61の幅よりも長い形状であって板状に形成されている。これにより、桁方向にて隣接するフックボルト53同士の間隔がずれていても、取付金具130の搭載部132上に支持部材61を配置し固定具62で固定するだけで正確に取り付けることができる。縦板部133は、取付部131の一方の端部と搭載部132の一方の端部とに連結し、取付部131の一方の端部から立設している。取付部131と搭載部132とは対向して配置される。取付金具130としては、例えばステンレスや鋼板製のものが挙げられ、厚さ1.0mm〜2.0mmであるものが用いられる。取付金具130は、各フックボルト53に固定される。すなわち、1つのフックボルト53に対して1つの取付金具130が固定される。
本実施形態では、上述した第一番目の実施形態に係る太陽光発電シートの取付け構造と同様な作業手順で施工することにより、屋根に太陽光発電シートを施工することができる。
したがって、本実施形態に係る太陽光発電シートの取付け構造によれば、上述した第一番目の実施形態に係る太陽光発電シートの取付け構造と同様な作用効果を奏する上に、取付部131と搭載部132とが対向して配置されることにより、フックボルト53に取り付ける箇所と支持部材61を固定する箇所とが対向することになる。そのため、上方へ引っ張られる力の力点と支点とが同一線上になるため、回転する力が加わらなくなり、太陽光発電シートの取付け構造の強度を得ることができる。これにより、耐候性および耐風性が向上する。
[第三番目の実施形態]
本発明の第三番目の実施形態に係る太陽光発電シートの取付け構造について、図9および図10を参照して具体的に説明する。
本実施形態は、上述した第一番目または第二番目の実施形態に係る太陽光発電シートの取付け構造にて、固定部材の凹み部に取付けられ、支持部材に係止する係止具をさらに具備する。
係止具(係止手段)40は、図9および図10に示すように、上側係止部材41と下側係止部材42とを具備する。上側係止部材41は、支持部材61の幅方向(支持部材61の長手方向と直交する方向)に延在する板状物であって固定部材20の上面部20cにおける凹み部24に設けられる。下側係止部材42は、支持部材61の幅方向(支持部材61の長手方向と直交する方向)に延在する板状物であって固定部材20の下面部20dにおける凹み部24に設けられる。上側係止部材41と下側係止部材42とはリベット47で固定部材20に固定される。下側係止部材42は係止固定部43と係止縦板部44と係止鍔部45とを有する。係止固定部43は、リベット47が挿通する穴43a,43bが2つ設けられた板状物であって固定部材20の下面部20dに固定される。係止縦板部44は、係止固定部43の一端部から垂下して形成される。係止鍔部45は、板状であって係止縦板部44の下端部から略水平方向に延在し支持部材61に係止される。係止鍔部45の先端部には、下方へ傾斜して延在する案内部(ガイド部)46が設けられる。これにより、固定部材20を支持部材61に取り付ける施工を行うときに案内部46が係止鍔部45を支持部材61に係止する位置に案内するため、施工性が向上する。
したがって、本実施形態に係る太陽光発電シートの取付け構造によれば、係止具40をさらに具備することにより、係止具40により固定部材20を支持部材61に確実に係止することができる。これにより、固定部材20に作用する振動や風圧に対して、固定部材20を支持部材61に固定する力を得ることができ、耐候性および耐風性が向上する。
[第四番目の実施形態]
本発明の第四番目の実施形態に係る太陽光発電シートの取付け構造について、図11および図12を参照して具体的に説明する。
本実施形態では、上述した第三番目の実施形態に係る太陽光発電シートの取付け構造が具備する係止具のみを変更している。第三番目の実施形態に係る太陽光発電シートの取付け構造と同一部材には同一符号を付記しその説明を省略する。
係止具(係止手段)140は、図11および図12に示すように、上側係止部材41と下側係止部材142とを具備する。下側支持部材142は、支持部材61の幅方向(支持部材61の長手方向と直交する方向)に延在する板状物であって固定部材20の下面部20dにおける凹み部24に設けられる。上側係止部材41と下側係止部材142とはリベット47で固定部材20に固定される。下側係止部材142は係止固定部143と係止縦板部144と係止鍔部145とを有する。係止固定部143は、リベット47が挿通する穴143a,143bが2つ設けられた板状物であって固定部材20の下面部20dに固定される。係止縦板部144は、係止固定部143の一端部から垂下して形成される。係止鍔部145は、係止縦板部144の下端部から延在し支持部材61に係止する板状物である。係止鍔部145には、上方へ屈曲して折り曲げられた折り曲げ部146が設けられる。これにより、係止鍔部145の水平方向の長さは支持部材61の幅方向における横板部61aと第2支持板部61eの和よりも短く形成しても、折り曲げ部146が支持部材61に係止される。
したがって、本実施形態に係る太陽光発電シートの取付け構造によれば、折り曲げ部146が設けられた係止鍔部145を有する係止具140を具備することにより、支持部材61を取付金具30に固定する固定具62と係止鍔部145とが干渉しないため、施工性が向上する。
[他の実施形態]
なお、上記では、太陽光発電シート1が固定される固定部材10(20)と支持部材61とを具備する太陽光発電シートの取付け構造を用いて説明したが、ガラス繊維強化プラスチック板を基板とし、該基板の少なくとも両端部に凹部が設けられており、かつ該基板の上に薄膜太陽光発電シートが積載されてなる太陽光発電シート付建材とすることも可能である。太陽光発電シート付建材であっても、上述した太陽光発電シートの取付け構造と同様、太陽光発電シート付建材自体が軽量である上に、該ガラス繊維強化プラスチック板を基板としその上に薄膜太陽光発電シートが積載された構成であるため、取扱い性が良く、屋根等に比較的簡易に取り付けることができる。
なお、上記では、工場などの屋根に利用されるスレート波板に適用した太陽光発電シートの取付け構造を用いて説明したが、金属板などで構成される屋根に適用することも可能である。このような箇所に適用した場合であっても、上述した太陽光発電シートの取付け構造と同様な作用効果を奏する。
なお、上記では、太陽光発電シート1を固定した固定部材20を用いた太陽光発電シートの取付け構造の施工方法について説明したが、固定部材20の代わりに固定部材10を用いた太陽光発電シートの取付け構造の施工方法に適用することも可能である。
本発明に係る太陽光発電シートの取付け構造によれば、太陽光発電シートを屋根に比較的簡易に取り付けることができるため、公共施設、工場、倉庫、畜舎などスレート屋根などの軽量鉄骨構造の屋根などで有益に利用することができる。
1 太陽光発電シート
10 固定部材
11,12,13 凹部
14,15 平坦部
20 固定部材
21,22,23,24,25 凹部
26,27,28,29 平坦部
30 取付金具
31 取付部
32 搭載部
33 縦板部
34 ナット
40 係止具
41 上側係止部材
42 下側係止部材
43 係止固定部
44 係止縦板部
45 係止鍔部
46 案内部
47 リベット
51 母屋
52 スレート波板
53 フックボルト
54 パッキン
55 座金
56 ナット
61 支持部材
62 固定具
71 ワッシャ付タップピン
73 抑え板
130 取付金具
131 取付部
132 搭載部
133 縦板部
140 係止具
142 下側係止部材
143 係止固定部
144 係止縦板部
145 係止鍔部
146 折り曲げ部

Claims (6)

  1. 複数の屋根のスレートを複数のフックボルトで屋根の母屋に固定し、当該屋根に太陽光発電シートを取り付ける太陽光発電シートの取付け構造であって、
    前記太陽光発電シートを固定する複数の固定部材と、
    前記複数の固定部材を支持し、固定手段で固定した支持部材と、
    前記フックボルト毎に取り付けられると共に、前記支持部材に固定具で固定して、前記支持部材を支持する取付具と
    前記固定部材に取付けられ、前記支持部材に係止する係止手段とを具備し、
    前記固定部材が、ガラス繊維強化プラスチック製であり、当該固定部材の少なくとも両端部に凹部がそれぞれ設けられたものであり、
    隣接する固定部材の凹部同士が重ね合わせて配置される
    ことを特徴とする太陽光発電シートの取付け構造。
  2. 請求項1に記載の太陽光発電シートの取付け構造であって、
    前記取付具は、前記フックボルトが挿通するボルト穴が設けられ当該フックボルトに取付けられる板状の取付部と、前記取付部の一端部から立設する縦板部と、前記縦板部の上端部に接続し、前記支持部材が搭載される板状の搭載部とを備える
    ことを特徴とする太陽光発電シートの取付け構造。
  3. 求項2に記載の太陽光発電シートの取付け構造であって、
    前記取付部と前記搭載部が対向して配置される
    ことを特徴とする太陽光発電シートの取付け構造。
  4. 請求項1乃至請求項の何れか一項に記載の太陽光発電シートの取付け構造であって、
    前記係止手段は、前記固定部材に設けられた板状の下側係止部材を具備し、
    前記下側係止部材は、前記固定部材の下面部に固定される板状の係止固定部と、前記係止固定部の一端部から垂下する係止縦板部と、前記係止縦板部の下端部から延在し、前記支持部材に係止する板状の係止鍔部とを備える
    ことを特徴とする太陽光発電シートの取付け構造。
  5. 請求項に記載の太陽光発電シートの取付け構造であって、
    前記係止鍔部の先端部に案内部が設けられる
    ことを特徴とする太陽光発電シートの取付け構造。
  6. 請求項に記載の太陽光発電シートの取付け構造であって、
    前記支持部材は、上方へ突出して凹んだ凹み部を有し、
    前記係止鍔部には、上方へ屈曲して折り曲げられた折り曲げ部が設けられ、当該折り曲げ部が前記支持部材の凹部に係止される
    ことを特徴とする太陽光発電シートの取付け構造。
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