JP5519965B2 - 架空線用張力表示型ターンバックル - Google Patents
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Description
一方、吊架線等の電車線の張力を測定して電気信号を発する張力センサと、張力信号を地上に送出する伝送手段と、伝送手段から伝えられた張力信号を監視する監視手段と、張力信号に応じて適宜張力を変化させる張力可変手段とを備えた架空電線の張力測定・可変装置が特許文献1に開示されている。張力センサとしては、歪みゲージ式、あるいは磁歪式のものが例示され、張力可変手段としては、在来の手動式ワイヤターンバックル、あるいは電動式のワイヤターンバックルを用いることが例示されている。
また、張力計一体型のターンバックルが、特許文献2に開示されている。これは、連結具を有する対向一対のボルトをターンバックルで引き寄せる引き締め具の長手方向途中に金属製のリングを直列に取付け、そのリングに歪ゲージを貼付けたもので、引き締め力を管理しながら引き締め作業を行う用途、例えば電線等の架線張力の調整等に利用すると特に大きな効果を期待できるとされる。
特許文献1に記載された架空電線の張力測定・可変装置は、設備に比較的大きな費用を伴うこともあり、現在まで実用化されていない。
特許文献2に記載されたターンバックル一体型の張力計は、その張力を地上から監視できるようにするための設備に比較的大きな費用を伴うし、このターンバックルを常設の設備として用いるのには強度上、解決しなければならない問題があり、これも現在まで実用化されていない。
したがって、この出願に係る発明は、従来設備と大きな構造変化がなく、したがって、堅牢で機能が安定しており、昼間に、地上から目視で比較的容易に張力の指示数値を確認し、簡易に張力調整でき、しかも比較的安価に製作できる張力表示型のターンバックルを提供することを目的としている。
上記課題を解決するためのこの出願に係る発明の張力表示型ターンバックル1は、軸線方向に伸縮調整可能な本体2と、この本体2の一端側に接続されるばねケース3と、ばねケース3内に設け設けられ架空線Wの張力加重に応じてほぼリニアに伸縮するばね4と、このばね4の伸縮に伴う本体2とばねケース3との相対変位を架空線Wの張力の変化として目視可能に表示する張力表示手段5とを具備する。本体2は、順次テレスコピックに螺挿された外筒6、内筒7、ロッド8を具備し、ロッド8の軸線方向外方端部が架空線Wに接続され、内筒7の軸周りの正逆回転によって軸線方向に伸縮可能である。ばねケース3は、本体2の外筒6の軸線方向外方端部を所定範囲で軸線方向相対変位自在、軸周り回転不可能に受け入れ、軸線方向外方端部が引き留め部材に接続される。ばね4は、ばねケース3と外筒6との間に介設される。
上記張力表示型ターンバックル1の張力表示手段5は、外筒6とばねケース3との相対変位を検知する変位検知機構10と、変位検知機構10が検知した変位を増幅する変位増幅機構11と、増幅された変位を架空線Wの張力の変化として目視可能に表示する張力表示機構12とを具備するものとすることができる。
上記張力表示型ターンバックル1における変位検知機構10は、外筒6に固着され、外筒6から軸線直交方向に突出する計測軸10aと、ばねケース3に固着され計測軸10aを相対移動自在に受け入れるケーシング10bと、このケーシング10b内に直線往復移動自在に設けられ、計測軸10aに接続されて当該計測軸10aに従動する従動部材10cを具備するものとすることができる。
上記張力表示型ターンバックル1における変位検知機構10は、外筒6に固着され外筒6から軸線直交方向に突出する計測軸10aと、ばねケース3に固着され計測軸10aを相対移動自在に受け入れるケーシング10bと、このケーシング10b内に直線往復移動自在に設けられ計測軸10aに接続されて当該計測軸10aに従動するラックギア10cとを具備し、また変位増幅機構11は、ラックギア10cに噛み合って回転するようにケーシング10b内に支持された歯車群を具備し、さらに張力表示機構12は、歯車群の出力軸11aに固着された指針12aと、ケーシング10bの外に固定され、指針12aの回転角度に対応した架空線Wの張力値を示す目盛り12cが付された表示板12bとを具備するものとすることができる。
また、上記張力表示型ターンバックル1における外筒6は、軸線方向外方端部に、軸線方向に延出して先端にばね受け鍔6dを有するばね受けロッド6bを具備するものとし、ばねケース3は、軸線方向内方端に開放し外方端が閉塞し内部に外筒6のばね受けロッド6bを軸線方向相対移動自在に受け入れる筒状部3aと、閉塞端の外側に延出する引き手3bとを具備するものとし、またばねケース3の筒状部3aは、開放端側に外筒6の端部外周に軸線方向相対移動自在で軸周りには回転不可能に嵌合するスリーブ3cと、筒状部3a内に挿入されたばね受けロッド6bのばね受け鍔6dと対向して当該ばね受け鍔6dとの間にばね4を保持する内周フランジ3dとを具備するものとすることができる。
張力表示型のターンバックル1は、吊架線のような架空線Wの端部と図示しない電柱のような引き留め部材との間に介設され、軸線方向の伸縮によって架空線Wの張力を調整するターンバックルである。
2 ターンバックル本体
3 ばねケース
3a 筒状部
3b 引き手
3c スリーブ
3d 内周フランジ
4 ばね
5 張力表示手段
6 外筒
6a 筒部
6b ばね受けロッド
6c 内周ねじ
6d ばね受け鍔
7 内筒
7a 外周ねじ
7b 内周ねじ
8 ロッド
8a 外周ねじ
8b 引き手
9 回り止めリング
9a 摺動突起
10 変位検知機構
10a 計測軸
10b ケーシング
10c 従動部材(ラックギア)
11 変位増幅機構(ギア群)
11a 出力軸
12 張力表示機構
12a 指針
12b 表示板
12c 目盛り
W 架空線
Claims (2)
- 電車線路において自動張力調整装置を介さずに引き留め部材に引き留められる吊架線の端部と当該引き留め部材との間に介設され、軸線方向の伸縮によって吊架線の張力を調整するターンバックルであって、
順次テレスコピックに螺挿された外筒、内筒、ロッドを具備し、ロッドの軸線方向外方端部が架空線に接続され、内筒の軸周りの正逆回転によって軸線方向に伸縮可能な本体と、
前記外筒の軸線方向外方端部を所定範囲で軸線方向相対変位自在、軸周り回転不可能に受け入れ、軸線方向外方端部が前記引き留め部材に接続されるばねケースと、
前記外筒とばねケースとの間に介設され、架空線の張力荷重に応じてほぼリニアに伸縮するばねと、
このばねの伸縮、すなわち前記外筒とばねケースとの相対変位を架空線の張力の変化として目視可能に表示する張力表示手段とを具備し、
前記張力表示手段は、前記外筒とばねケースとの相対変位を検知する変位検知機構と、この変位検知機構が検知した変位を増幅する変位増幅機構と、増幅された変位を吊架線の張力の変化として目視可能に表示する張力表示機構とを具備し、
前記変位検知機構は、前記外筒に固着され外筒から軸線直交方向に突出する計測軸と、前記ばねケースの外側面に取付部材を介して固着され前記計測軸を相対移動自在に受け入れるケーシングと、このケーシング内に直線往復移動自在に設けられ前記計測軸に接続されて当該計測軸に従動するラックギアとを具備し、
前記変位増幅機構は、前記ラックギアに噛み合って回転するように前記ケーシング内に支持された歯車群を具備し、
前記張力表示機構は、前記歯車群の出力軸に固着された指針と、前記ケーシングの外に固定され指針の回転角度に対応した架空線の張力値を示す目盛りが付された表示板とを具備することを特徴とする電車線路における吊架線用張力表示型ターンバックル。 - 前記外筒は、軸線方向外方端部に、軸線方向に延出して先端にばね受け鍔を有するばね受けロッドを具備し、
前記ばねケースは、軸線方向内方端に開放し外方端が閉塞し内部に前記外筒のばね受けロッドを軸線方向相対移動自在に受け入れる筒状部と、閉塞端の外側に延出する引き手とを具備し、
前記ばねケースの筒状部は、開放端側に、前記外筒の端部外周に軸線方向相対移動自在で軸周りには回転不可能に嵌合するスリーブと、筒状部内に挿入されたばね受けロッドのばね受け鍔と対向して当該ばね受け鍔との間に前記ばねを保持する内周フランジとを具備することを特徴とする請求項1に記載の電車線路における吊架線用張力表示型ターンバックル。
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