JP5519830B1 - 飲料抽出器 - Google Patents
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Abstract
【課題】飲料ポッドから飲料を抽出する場合に抽出時間を短縮し、飲料中に含まれる雑味や渋味を少なくして飲料の旨味を引き出す。
【解決手段】内周部に内側に向けて張り出すとともにその中央に開口部11が形成されて飲料ポッドを載置可能なポッド載置部12が設けられたポッド保持体2と、ポッド保持体2の一端側開口の内側に嵌合されてポッド載置部12に載置された飲料ポッドの外周部を押圧する嵌合部が設けられた注湯用筒体と、を備え、ポッド保持体2に開口部11の中央に向けて延出する複数の梁13が設けられ、梁13は、上端面をポッド載置部12に載置された飲料ポッドの下面に当接する突条部14と、突条部14の下端部から側方に広がる拡開部15とを有する逆T字形の断面形状に形成され、拡開部15の上面は、開口部11の中央に向けて下向きに傾斜して飲料ポッドから抽出された飲料が流れ落ちる案内面16とされている。
【選択図】図2
【解決手段】内周部に内側に向けて張り出すとともにその中央に開口部11が形成されて飲料ポッドを載置可能なポッド載置部12が設けられたポッド保持体2と、ポッド保持体2の一端側開口の内側に嵌合されてポッド載置部12に載置された飲料ポッドの外周部を押圧する嵌合部が設けられた注湯用筒体と、を備え、ポッド保持体2に開口部11の中央に向けて延出する複数の梁13が設けられ、梁13は、上端面をポッド載置部12に載置された飲料ポッドの下面に当接する突条部14と、突条部14の下端部から側方に広がる拡開部15とを有する逆T字形の断面形状に形成され、拡開部15の上面は、開口部11の中央に向けて下向きに傾斜して飲料ポッドから抽出された飲料が流れ落ちる案内面16とされている。
【選択図】図2
Description
本発明は、コーヒーや紅茶等の飲料を抽出する飲料抽出器に関する。
近年、コーヒー粉を不織布内に封入したコーヒーポッドを用いるコーヒー抽出器が普及している。さらに、このようなコーヒーポッドを使用してお湯を手差しすることによりコーヒーを抽出できるようにした簡易型のコーヒー抽出器が知られている(下記特許文献1参照)。
この特許文献1に記載されたコーヒー抽出器では、ポッド保持体と注湯用筒体とにより挟まれた位置にコーヒーポッドをセットし、注湯用筒体内にお湯を注ぐことによりコーヒーポッドからコーヒーが抽出される。抽出されたコーヒーは、不織布を通過してコーヒーポッドの下面側に到達し、コーヒーポッドの下面(不織布の表面)に沿って流れ落ちる。
しかしながら、抽出されたコーヒーが不織布の表面に沿って流れ落ちる場合、不織布の表面には微細な凹凸があるために流れ落ちる速度が遅くなる。不織布の表面に沿って流れ落ちるコーヒーの速度が遅くなることにより、抽出された後続のコーヒーが不織布を通過してコーヒーポッドの下面側に到達するまでの時間が長くなり、コーヒーの抽出時間が長くなる。
コーヒーの抽出時間が長くなると、抽出されたコーヒーに含まれる雑味や渋味が多くなり、コーヒーの旨味が損なわれる場合がある。
本発明の目的は、コーヒーポッドや紅茶ポッド等の飲料ポッドから飲料を抽出する場合に抽出時間を短縮し、飲料中に含まれる雑味や渋味を少なくして飲料の旨味を引き出すことができる飲料用抽出器を提供することである。
本発明に係る飲料抽出器は、両端が開口された筒状に形成され、内周部に内側に向けて張り出すとともにその中央に開口部が形成されて飲料ポッドを載置可能なポッド載置部が設けられ、外周部に外側に向けて張り出して飲料カップの開口縁部に載置可能なフランジが設けられたポッド保持体と、両端が開口された筒状に形成され、ポッド保持体の一端側開口の内側に嵌合されてポッド載置部に載置された飲料ポッドの外周部を押圧する嵌合部が一端側に設けられた注湯用筒体と、を備え、ポッド保持体に、開口部の中央に向けて延出する複数の梁が設けられ、梁は、上端面をポッド載置部に載置された飲料ポッドの下面に当接する突条部と、この突条部の下端部から側方に広がる拡開部とを有する逆T字形の断面形状に形成され、拡開部の上面は、開口部の中央に向けて下向きに傾斜して飲料ポッドから抽出された飲料が流れ落ちる案内面とされていることを特徴する。
また、前述の飲料抽出器において、複数の梁は開口部の中央で連結され、この連結された部分に案内面上を流れ落ちた飲料が流入して飲料カップ内に流れ落ちる穴が形成されていることが望ましい。
また、前述の飲料抽出器において、穴の内周面に、下方に向かうにつれて内径寸法が次第に小さくなるテーパが付けられていることが望ましい。
また、前述の飲料抽出器において、フランジに、このフランジを貫通して飲料カップの内外を連通する複数の空気穴が形成されていることが望ましい。
また、前述の飲料抽出器において、注湯用筒体の他端側に嵌合され、押圧されることにより注湯用筒体内の圧力を上昇させる可撓性を有する蓋体を備えることが望ましい。
また、前述の飲料抽出器において、蓋体に、この蓋体を注湯用筒体の他端側に嵌合させた場合に外側に向けて突出する突部が設けられ、この突部に蓋体を貫通する空気穴が形成されていることが望ましい。
本発明に係る飲料抽出器によれば、ポッド保持体のポッド載置部に飲料ポッドを載置し、ポッド保持体に注湯用筒体を嵌合させるとともに注湯用筒体の嵌合部によってポッド載置部に載置された飲料ポッドの外周部を押圧し、注湯用筒体内にお湯を注ぐことにより、飲料ポッドから飲料が抽出される。抽出された飲料は飲料ポッドの下面側に到達し、飲料ポッドの下面側に到達した飲料は、梁の突条部が飲料ポッドの下面に当接している箇所から突条部の側面に沿って流れ落ち、さらに、拡開部の案内面上を流れ落ちる。ここで、抽出された飲料が突条部の側面に沿って流れ落ちる場合や案内面上を流れ落ちる場合には、微細な凹凸のある飲料ポッドの下面に沿って流れ落ちる場合に比べて速くなり、飲料の抽出速度が速くなる。これにより、飲料の抽出時間を短縮することができ、抽出された飲料に含まれる雑味や渋味を減らすことができるとともに飲料の旨味を引き出すことができる。しかも、抽出時間が短くなることにより、抽出された飲料の温度低下を抑制することができる。
また、複数の梁が開口部の中央で連結され、この連結された部分に案内面上を流れ落ちた飲料が流入して飲料カップ内に流れ落ちる穴が形成されている場合には、各梁の案内面上を流れ落ちた飲料は穴を通って纏まって飲料カップ内に流れ落ちるので、案内面を通過してから飲料カップ内に流れ落ちるまでの間の飲料の温度低下を抑制することができる。
また、穴の内周面に、下方に向かうにつれて内径寸法が次第に小さくなるテーパが付けられている場合には、穴を通過して流れ落ちる飲料に対して穴に引き込む向きに力が作用するので、飲料の抽出時間をさらに短縮することができる。
また、ポッド保持体のフランジに、このフランジを貫通して飲料カップの内外を連通する複数の空気穴が形成されている場合には、飲料カップの開口縁部にフランジを載置して飲料ポッドから飲料を抽出する場合、抽出された飲料が飲料カップ内に流れ落ちることに伴って飲料カップ内の空気を空気穴から逃がすことができる。このため、飲料の抽出中に飲料カップ内が高圧になることを防止することができ、飲料の抽出を促進することができる。
また、注湯用筒体の他端側に嵌合され、押圧されることにより注湯用筒体内の圧力を上昇させる可撓性を有する蓋体を備える場合には、注湯用筒体内にお湯を注いだ後に注湯用筒体に嵌合させた蓋体を押圧することにより、注湯用筒体内の圧力を上昇させ、注湯用筒体内に注がれたお湯を加圧することができ、この加圧により、注湯用筒体内のお湯を飲料ポッド内の飲料材料に浸透させる「むらし」を短時間で均一に行うことができる。「むらし」に要する時間が短時間になることにより、飲料の抽出時間を短くすることができる。また、「むらし」を均一に行えることにより、各回の飲料抽出において抽出される飲料の濃度を一定に維持することができる。
また、蓋体に、この蓋体を注湯用筒体の他端側に嵌合させた場合に外側に向けて突出する突部が設けられ、この突部に蓋体を貫通する空気穴が形成されている場合には、突部の空気穴を閉止しながら蓋体を押圧することにより、注湯用筒体内の圧力を確実に上昇させることができる。一方、空気穴は蓋体が押圧されない場合には開放されるので、蓋体の押圧を終了した場合には開放された空気穴から注湯用筒体内に空気が流入し、注湯用筒体内の圧力が瞬時に常圧に戻る。これにより、注湯用筒体内が低圧になって飲料の抽出時間が長くなることを防止することができる。
本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。図1は、飲料抽出器であるコーヒー抽出器1を構成するポッド保持体2と注湯用筒体3と蓋体4とを分離して示す正面図である。図1に示す分離状態から、注湯用筒体3を矢印方向に移動させることにより注湯用筒体3とポッド保持体2とが嵌合され、蓋体4を矢印方向に移動させることにより蓋体4と注湯用筒体3とが嵌合される。ポッド保持体2の外周部には、外側に向けて張り出したフランジ5が設けられている。注湯用筒体3の外周部には、複数の嵌合位置決め用突起6が設けられている。蓋体4には、突部7と外側周壁部8と内側周壁部9とが設けられている。ポッド保持体2と注湯用筒体3とは、耐熱性及び食品衛生上の安全性の高い樹脂、例えば、ポリプロピレン樹脂、AS樹脂(アクリロニトリルスチレン樹脂)、メタクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂等により形成されている。蓋体4は、可撓性を有する材料、例えば、エラストマーやシリコーン樹脂により形成されている。
図2は、ポッド保持体2を示す斜視図である。ポッド保持体2は、両端が開口されるとともに一端側が大径であって他端側が小径である段付の筒状に形成された筒部10を有し、この筒部10の内周部に、大径側から小径側にかけて内側に向けてリング状に張り出すとともにその中央に開口部11が形成されたポッド載置部12が設けられている。ポッド載置部12には、飲料材料であるコーヒー粉を不織布内に封入することにより形成された飲料ポッドである後述する円盤状のコーヒーポッドが載置される。
さらに、ポッド保持体2には、開口部11の中央に向けて延出する4本の梁13が設けられている。これらの梁13は、一端側が筒部10の内周面に固定され、開口部11の中央に向けて延出した他端側は開口部11の中央部で連結されている。
梁13は、上端面をポッド載置部12に載置された後述するコーヒーポッドの下面に当接する突条部14と、この突条部14の下端部から側方に広がる拡開部15とを有する逆T字形の断面形状に形成されている。拡開部15の上面は、開口部11の中央に向けて下向きに傾斜してコーヒーポッドから抽出されたコーヒーが流れ落ちる案内面16とされている。案内面16及び突条部14の鉛直方向に位置する側面14aは、平滑であって抽出されたコーヒーが流れ易い面とされている。複数の梁13が開口部11の中央部で連結された部分には、案内面16上を流れ落ちたコーヒーが流入して後述する飲料カップ内に流れ落ちる穴17が形成されている。穴17の内周面には、下方に向かうにつれて内径寸法が次第に小さくなるテーパが付けられている。
筒部10の外周部には、フランジ5が設けられている。フランジ5には、このフランジ5を板厚方向に貫通する複数の空気穴18が形成されている。複数の空気穴18は、筒部10の外周側に寄った位置であって穴17を中心とする同一の円弧上に位置し、等間隔に形成されている。
図3は、ポッド保持体2を示す平面図である。ポッド保持体2には図2において説明したように、中央部に開口部11が形成されたポッド載置部12、開口部11の中央に向けて延出する4本の梁13が設けられている。梁13は、突条部14と拡開部15とを有し、拡開部15の上面が案内面16とされている。
図4は、ポッド保持体2を示す断面正面図である。ポッド保持体2は、図2及び図3において説明したように、筒部10の内周部にポッド載置部12が設けられている。ポッド載置部12には、飲料ポッドである円盤状のコーヒーポッド19が二点鎖線で示すように載置される。ポッド保持体2には上述したように4本の梁13が設けられ、梁13及び梁13の一部である突条部14は、下側に突出する向きに湾曲した形状に形成され、突条部14の上面はポッド載置部12に載置されたコーヒーポッド19の下面に当接している。4本の梁13が連結された部分には上述したように穴17が形成されている。筒部10の外周部にはフランジ5が設けられている。
図5は、注湯用筒体3を示す断面正面図である。注湯用筒体3は、両端が開口されるとともに一端側が他端側より小径となるようなテーパが付けられた円筒状の筒部20を備えている。注湯用筒体3は図1において説明したように、ポッド保持体2と嵌合可能であり、筒部20における小径側の一端側には、注湯用筒体3をポッド保持体2に嵌合させる場合に、ポッド保持体2の一端側開口の内側に嵌合されるとともに、嵌合された場合にポッド載置部12に載置されているコーヒーポッド19の外周部を押圧する嵌合部21が設けられている。筒部20の外周部には、図1において説明したように複数の嵌合位置決め用突起6が設けられている。嵌合位置決め用突起6は、筒部20の筒方向に沿って延出するリブ状に形成され、筒部20の周方向に沿って等間隔に複数個、例えば、6個形成されている。注湯用筒体3は、ポッド載置部12にコーヒーポッド19が載置されているポッド保持体2に嵌合させた後にお湯が注がれる部材であり、筒部20の内周部には、注湯用筒体3内に注ぐお湯の量を指示する注湯量目盛22が設けられている。注湯量目盛22は筒部20の周方向に沿った複数個所、例えば90°の間隔をもって4か所に設けられ、抽出するコーヒー量に応じて複数段階、例えば3段階に設けられている。
図6は、蓋体4を示す断面正面図である。蓋体4は、一端側が開口された椀形状に形成されており、図1において説明したように、突部7と外側周壁部8と内側周壁部9が設けられ、開口側を注湯用筒体3の他端側(上端側)に嵌合可能に設けられている。
外側周壁部8と内側周壁部9とは、蓋体4を注湯用筒体3に嵌合させた場合に注湯用筒体3の端部を外側と内側とから挟むリング形状に形成されている。内側周壁部9の注湯用筒体3に対する嵌合寸法は“a”、外側周壁部8の注湯用筒体3に対する嵌合寸法は“b”に設定され、“a”は“b”より大きく設定されている。また、内側周壁部9は、蓋体4を注湯用筒体3に嵌合させた場合に注湯用筒体3に対向する面が、先端側に向けて次第に内側に傾斜するテーパ面とされている。
蓋体4の椀形状をなす部分の中央部には上述したように突部7が設けられ、この突部7は、蓋体4を注湯用筒体3に嵌合させた場合に外側に向けて突出する向きに形成されている。この突部7の中心部には、蓋体4を貫通する空気穴23が形成されている。
図7は、ポッド保持体2と注湯用筒体3とをコーヒーポッド19を挟んだ状態で嵌合させ、嵌合させたポッド保持体2と注湯用筒体3とを飲料カップ24の開口縁部に載置し、注湯用筒体3内にお湯を注ぎ、注湯用筒体3に蓋体4を嵌合させた状態を示す断面正面図である。
コーヒーポッド19は、ポッド保持体2のポッド載置部12に載置されており、コーヒーポッド19の外周部がポッド保持体2に嵌合された注湯用筒体3の嵌合部21により押圧され、コーヒーポッド19の外周部はポッド載置部12と嵌合部21とにより挟持されている。
また、ポッド保持体2と注湯用筒体3とを嵌合させた場合、注湯用筒体3の複数の嵌合位置決め用突起6の端部が、ポッド保持体2の一端側開口の縁部に当接されている。複数の嵌合位置決め用突起6の端部がポッド保持体2の一端側開口の縁部に当接されることにより、ポッド保持体2に嵌合された注湯用筒体3が傾くことが防止され、コーヒーポッド19の外周部はその全周において嵌合部21により均一に押圧されている。
ポッド保持体2と注湯用筒体3とを嵌合させて飲料カップ24の開口縁部に載置した場合、ポッド保持体2のフランジ5の裏面が飲料カップ24の開口縁部に当接される。フランジ5に形成されている空気穴18は、飲料カップ24の開口縁部とフランジ5との当接位置よりも内側に位置し、飲料カップ24の内外を連通している。
注湯用筒体3への蓋体4の嵌合は、蓋体4の外側周壁部8と内側周壁部9とにより注湯用筒体3の端部を挟むことにより行われている。
このような構成において、コーヒー抽出器1を用いてコーヒーポッド19からコーヒーを抽出する場合について説明する。
コーヒーポッド19からコーヒーを抽出する場合には、まず、図7に示すように、ポッド保持体2のポッド載置部12にコーヒーポッド19を載置し、ポッド保持体2に注湯用筒体3を嵌合させる。ついで、嵌合させたポッド保持体2と注湯用筒体3とを飲料カップ24の開口縁部に載置し、注湯用筒体3内にお湯を注ぎ、注湯用筒体3に蓋体4を嵌合させる。
注湯用筒体3に蓋体4を嵌合させた後、蓋体4の突部7の先端部に指を載せ、指で空気穴23を閉止した状態で突部7を押圧する。この押圧により、可撓性を有する蓋体4が図8に示すように凹んだ状態に変形し、この変形により蓋体4内の容積が小さくなるとともに注湯用筒体3内と蓋体4内との圧力が上昇し、注湯用筒体3内に注がれているお湯が加圧される。この加圧により、注湯用筒体3内のお湯をコーヒーポッド19内のコーヒー粉に浸透させる「むらし」を行うことができる。しかもこの「むらし」を、コーヒーポッド19内のコーヒー粉全体に対して短時間で均一に行うことができる。
突部7を押圧した後は、突部7から指を離し、押圧を終了する。突部7から指を離して押圧を終了した場合には、空気穴23が開放され、注湯用筒体3内と蓋体4内とに空気穴23から空気が流入し、これらの注湯用筒体3内と蓋体4内との圧力が瞬時に常圧に戻るとともに蓋体4の凹みが解消される。したがって、突部7から指を離して蓋体4の押圧を終了した場合に、注湯用筒体3内の圧力が常圧に戻るため、注湯用筒体3内が低圧になってコーヒーの抽出時間が長くなることを防止することができ、注湯用筒体3内のお湯がコーヒーポッド19をスムーズに通過し、コーヒーの抽出がスムーズに行われる。
突部7から指を離した後は、注湯用筒体3内のお湯がコーヒーポッド19を通過することによりコーヒーポッド19からコーヒーが抽出され、抽出されたコーヒーが飲料カップ24内に流れ落ちる。抽出されたコーヒーが飲料カップ24内に流れ落ちた場合には、飲料カップ24内の空気をフランジ5に形成された空気穴18から逃がすことができる。このため、抽出されたコーヒーが飲料カップ24内に流れ落ちても飲料カップ24内が高圧になることが防止され、抽出されたコーヒーは飲料カップ24内にスムーズに流れ落ち、コーヒーの抽出を促進することができる。
コーヒーが抽出される場合、コーヒーポッド19の外周部がポッド載置部12と注湯用筒体3の嵌合部21とにより挟持されているため、注湯用筒体3内のお湯がコーヒーポッド19の外周部の外側を通過することが防止され、全てのお湯がコーヒーポッド19内を通過する。これにより、コーヒーの抽出を良好に行うことができる。
ここで、ハンドドリップのような簡易型のコーヒー抽出器でコーヒーを抽出する場合には、コーヒー粉に少量のお湯を注いでそのお湯をコーヒー粉に浸透させる「むらし」を最初に行い、その「むらし」が終了してから抽出したいコーヒー量に応じた量のお湯をコーヒー粉に注いで抽出を行っている。この「むらし」には、例えば20秒程度の時間が掛かるので、「むらし」を含めたコーヒーの抽出時間が長くなっている。また、「むらし」がコーヒー粉全体に対して均一に行われず不均一になる場合があり、その場合には「むらし」が不十分な部分でお湯が通過しにくい状態が発生し、各回のコーヒー抽出において抽出されたコーヒーの濃度がばらつきを生じる場合がある。
これに対し、このコーヒー抽出器1を用いた場合には、注湯用筒体3内に必要量のお湯を注いだ後、突部7を押圧して注湯用筒体3内に注がれているお湯を加圧することにより、コーヒーポッド19内のコーヒー粉にお湯を浸透させる「むらし」を短時間(例えば、2〜5秒)で行うことができる。このため、「むらし」に要する時間を短縮することができるとともに、コーヒーを抽出する時間を短縮することができる。そして、コーヒーを抽出する時間が短縮されることにより、抽出されたコーヒーに含まれる雑味や渋味を減らすことができるとともにコーヒーの旨味を引き出すことができ、抽出されたコーヒーの温度低下を防止することができる。なお、蓋体4を注湯用筒体3に嵌合させることにより、注湯用筒体3内に注がれたお湯に対する保温性が高まるので、このコーヒー抽出器1を用いた場合には抽出されるコーヒーの温度低下をより一層防止することができる。
しかも、注湯用筒体3内のお湯を加圧してコーヒーポッド19内のコーヒー粉に対する「むらし」を行うことにより、コーヒー粉全体に対して「むらし」を均一に行うことができる。「むらし」がコーヒー粉全体に対して均一に行われることにより、コーヒーを抽出する場合のお湯がコーヒー粉の全体に亘って均一に通過するようになり、各回のコーヒー抽出において抽出されるコーヒーの濃度を均一にすることができる。
コーヒーポッド19から抽出されたコーヒーが流れ落ちる状態について、図9に基づいて説明する。コーヒーポッド19から抽出されたコーヒーは、コーヒーポッド19の下面側に到達し、コーヒーポッド19の下面側に到達したコーヒーは、梁13の突条部14がコーヒーポッド19の下面に当接している箇所から突条部14の側面14aに沿って矢印Aで示すように流れ落ちる。さらに、突条部14の側面14aに沿って流れ落ちたコーヒーは、拡開部15の案内面16上を矢印Bで示すように流れ落ちる。複数の梁13の案内面16上を流れ落ちたコーヒーは、複数の梁13が連結された部分に形成されている穴17に流入し、この穴17を通って纏まって飲料カップ24内に矢印Cで示すように流れ落ちる。
ここで、抽出されたコーヒーが突条部14の側面14aに沿って流れ落ちる場合や案内面16上を流れ落ちる場合には、これらの側面14aや案内面16が平滑であって抽出されたコーヒーが流れ易い面とされているため、微細な凹凸のあるコーヒーポッド19の下面に沿って流れ落ちる場合に比べて速くなり、コーヒーの抽出速度が速くなる。これにより、コーヒーの抽出時間を短縮することができ、抽出されたコーヒーに含まれる雑味や渋味を減らすことができるとともにコーヒーの旨味を引き出すことができる。しかも、抽出時間が短くなることにより、抽出されたコーヒーの温度低下を抑制することができる。
また、各梁13の案内面16上を流れ落ちたコーヒーは穴17を通って纏まって飲料カップ24内に流れ落ちるため、案内面16を通過してから飲料カップ24内に流れ落ちるまでの間のコーヒーの温度低下を抑制することができる。
また、穴17の内周面に、下方に向かうにつれて内径寸法が次第に小さくなるテーパが付けられているため、穴17を通過して流れ落ちるコーヒーに対して穴17に引き込む向きに力が作用するので、コーヒーの飲料の抽出時間をさらに短縮することができる。
また、ポッド載置部12に載置されたコーヒーポッド19の下面には梁13の突条部14が当接されているため、「むらし」のために蓋体4の突部7を押圧してコーヒーポッド19を加圧した場合において、その圧力によりコーヒーポッド19が破れるという事態の発生を防止することができる。
なお、本実施形態では、梁13を4本設けた場合を例に挙げて説明したが、梁13の数は4本には限定されず、例えば、3本、6本、8本等であってもよい。
また、本実施形態では、飲料抽出器の一例としてコーヒーを抽出するコーヒー抽出器1を例に挙げて説明したが、本発明の飲料抽出器には、紅茶を抽出する紅茶抽出器や緑茶を抽出する緑茶抽出器が含まれる。さらに、その飲料抽出器で使用する飲料ポッドとしては、コーヒーポッド19に限らず、飲料材料である紅茶葉や緑茶葉を不織布等に封入した紅茶ポッドや緑茶ポッドが含まれる。
以上、本発明の実施形態を説明したが、この実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、様々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変更は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1 コーヒー抽出器(飲料抽出器)
2 ポッド保持体
3 注湯用筒体
4 蓋体
5 フランジ
6 嵌合位置決め用突起
7 突部
8 外側周壁部
9 内側周壁部
10 筒部
11 開口部
12 ポッド載置部
13 梁
14 突条部
14a 側面
15 拡開部
16 案内面
17 穴
18 空気穴
19 コーヒーポッド(飲料ポッド)
20 筒部
21 嵌合部
22 注湯量目盛
23 空気穴
24 飲料カップ
2 ポッド保持体
3 注湯用筒体
4 蓋体
5 フランジ
6 嵌合位置決め用突起
7 突部
8 外側周壁部
9 内側周壁部
10 筒部
11 開口部
12 ポッド載置部
13 梁
14 突条部
14a 側面
15 拡開部
16 案内面
17 穴
18 空気穴
19 コーヒーポッド(飲料ポッド)
20 筒部
21 嵌合部
22 注湯量目盛
23 空気穴
24 飲料カップ
Claims (6)
- 両端が開口された筒状に形成され、内周部に内側に向けて張り出すとともにその中央に開口部が形成されて飲料ポッドを載置可能なポッド載置部が設けられ、外周部に外側に向けて張り出して飲料カップの開口縁部に載置可能なフランジが設けられたポッド保持体と、
両端が開口された筒状に形成され、前記ポッド保持体の一端側開口の内側に嵌合されて前記ポッド載置部に載置された前記飲料ポッドの外周部を押圧する嵌合部が一端側に設けられた注湯用筒体と、
を備え、
前記ポッド保持体に、前記開口部の中央に向けて延出する複数の梁が設けられ、
前記梁は、上端面を前記ポッド載置部に載置された前記飲料ポッドの下面に当接する突条部と、この突条部の下端部から側方に広がる拡開部とを有する逆T字形の断面形状に形成され、
前記拡開部の上面は、前記開口部の中央に向けて下向きに傾斜して前記飲料ポッドから抽出された飲料が流れ落ちる案内面とされていることを特徴する飲料抽出器。 - 複数の前記梁は前記開口部の中央で連結され、この連結された部分に前記案内面上を流れ落ちた飲料が流入して前記飲料カップ内に流れ落ちる穴が形成されていることを特徴とする請求項1記載の飲料抽出器。
- 前記穴の内周面に、下方に向かうにつれて内径寸法が次第に小さくなるテーパが付けられていることを特徴とする請求項2記載の飲料抽出器。
- 前記フランジに、このフランジを貫通して前記飲料カップの内外を連通する複数の空気穴が形成されていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一項に記載の飲料抽出器。
- 前記注湯用筒体の他端側に嵌合され、押圧されることにより前記注湯用筒体内の圧力を上昇させる可撓性を有する蓋体を備えることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか一項に記載の飲料抽出器。
- 前記蓋体に、この蓋体を前記注湯用筒体の他端側に嵌合させた場合に外側に向けて突出する突部が設けられ、この突部に前記蓋体を貫通する空気穴が形成されていることを特徴とする請求項5記載の飲料抽出器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013103096A JP5519830B1 (ja) | 2013-05-15 | 2013-05-15 | 飲料抽出器 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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