JP5519499B2 - 幅狭のセラミック製自己結紮歯科矯正ブラケット - Google Patents

幅狭のセラミック製自己結紮歯科矯正ブラケット Download PDF

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Description

本発明は、広義には、歯科矯正処置において使用される装具に関する。より具体的には、本発明は、装具のアーチワイヤスロット内にアーチワイヤを解放可能に保持するためのクリップを有するセラミック製歯科矯正装具に関する。
歯科矯正治療は、適切な位置への位置異常歯の管理、誘導、及び矯正に関連する、歯科学の分野における特殊なタイプの処置である。歯科矯正処置は、患者の噛み合わせ(咬合とも呼ばれる)における欠陥を矯正すると共に、衛生面の改良をし、歯の全体的な審美性を改善する上で有用となり得る。
歯科矯正処置は、多くの場合、ブラケットとして知られる小さなスロット付きの装具の使用を伴い、その装具は一般に、患者の前歯、犬歯、及び小臼歯に固定される。ブラケットが歯上に置かれた後、アーチワイヤが各ブラケットのスロットの中に受容され、歯科学的に正しい位置への各歯の移動を誘導するトラックとして働く。アーチワイヤの端部の部分は典型的には、患者の大臼歯に固定される、バッカルチューブとして知られる装具内に捕捉される。患者の口内に取り付けられた後、ブラケット、アーチワイヤ、及びバッカルチューブは通常、総じて「ブレース」と呼ばれる。
従来のブラケットは、エラストマーの結紮糸又は金属製の結紮ワイヤを使用して各ブラケットのスロット内にアーチワイヤを固定する。しかしながら、結紮糸の使用を必要としない、「自己結紮」ブラケットとして知られる装具も存在する。結紮糸を使用する代わりに、自己結紮ブラケットは、アーチワイヤを適所に固定するためにラッチを使用する。アーチワイヤとブラケットとの間の滑り抵抗の度合いが低減され、結果として、より迅速に歯を同じ高さにし位置合わせすることができるため、これらのタイプのブラケットは有利となり得る。更に、結紮糸がないことで、処置の間のアーチワイヤの取り付け及び取り外しを簡単にし、患者の衛生面を改善し、結紮糸の着色の結果としてエラストマーの結紮糸を交換するという不便さを回避することができる。
自己結紮ブラケットにおいて使用されるラッチは、多数の形状及び寸法で提供されており、クリップ、バネ部材、カバー、シャッター、ベイル、又は、ブラケット本体に結合され、アーチワイヤスロット内にアーチワイヤを解放可能に保持することが可能な他の構造を備えてもよい。一例として、3Mユニテック社(3M Unitek)社(カリフォルニア州モンロビア(Monrovia))によって販売されているスマートクリップ(SMARTCLIP)ブランドのセルフライゲーティング・アプライアンス・システム(Self-Ligating Appliance System)において使用されているブラケットは、ブラケット本体に結合される、形状記憶合金を含んだ2つの「C字」形状のクリップに基づいたラッチを使用している。このクリップは、臨床医が適切な力をアーチワイヤに加えるのに応答してアーチワイヤを受容し保持するように、撓んで開閉する。また、ラッチの例が、米国特許第6,302,688号、同第6,325,622号、同第6,582,226号、同第6,984,127号、並びに米国特許出願公開第2006/0172249号に記載されている。また、セラミックス又は他の半透明材料から作られた審美的な自己結紮ブラケットシステムも可能である。
結紮糸がブラケットの近心側(すなわち、患者の歯列弓の中央に面する)側部及び遠心側(すなわち、歯列弓の中央から離れて面する)側部の双方にアーチワイヤを固定するのとほぼ同じ方式で、上述のスマートクリップブランドの自己結紮ブラケットの2つのクリップは、アーチワイヤスロットのそれぞれ近心側側部及び遠心側側部上に対称的に配される。しかしながら、このラッチ構成は、金属製の同等物よりもわずかに大きくなりがちなセラミック製の自己結紮ブラケットに対して難題をもたらす。具体的には、下顎前歯などの小さな歯にブラケットを接合するときに問題が生じ得る。下顎前歯は小さいため、衝突(又は干渉)が、接合中に、隣接するブラケットの間に生じ、ブラケットが歯上に最適に配置されるのを妨げることがある。歯が十分に大きくても、歯が重なり合うか、又は互いに向かってある角度をなす顔面側の(すなわち、患者の頬又は唇に向かう)表面を有する場合、ブラケットの干渉が依然として生じ得る。下顎前歯は、多くの場合は乱ぐい状であり、これらの干渉を誘発するため、臨床医は、最初の通院ですべてのブラケットを正常に接合できないことがしばしばあり、1つ又は2つのブラケットの接合を、十分な空間が生じるまで延期する。これにより、処置の期間が延び、処置の効率が低下する。
ブラケットの接合を遅延するのではなく、臨床医は、それに代わって、一部のブラケットをそれらの理想的な位置でない位置で接合することによって、干渉を回避してもよい。しかしながら、これもまた、後の処置において同じブラケットをはがし、再位置決めすることがしばしば必要となるため、不都合である。ブラケットの再位置決めは、臨床医による更なる時間の消費、及び患者にとって場合によっては不快な別の手技を必要とするため、理想的ではない。
理解され得るように、自己結紮ブラケットの利点をもたらすと共に、隣接するブラケットとの干渉を最小にするセラミック製ブラケットが求められている。
本発明は、既知の自己結紮ブラケットに対して顕著な利点をもたらすセラミック製歯科矯正ブラケットに関する。本発明の一態様において、このブラケットは、アーチワイヤスロット内にアーチワイヤを解放可能に保持するための、概ね「C字」形状のラッチを有する。この「C字」形状のラッチは、ブラケットの近心側の部分と遠心側の部分との間に配置される。このブラケットは、近心側及び遠心側のクリップを使用するブラケットと比較して、減じられた近心側−遠心側の幅を有することが可能となるため、クリップが中央に配置されることは、好都合である。次に、近心側−遠心側の幅が減じられることで、接合の間の隣接するブラケット同士の干渉に関する潜在的な問題が緩和される。更なる利点として、近心側−遠心側の幅を減じると、ブラケット間の距離が増加する。アーチワイヤがブラケット間で撓む又は「曲がる」ための距離がより長くなると、臨床医は、処置の際により早期に、より大きなアーチワイヤを患者に取り付けることができ、更にまた効率が向上する。タイウィングを、中央に位置するラッチに加えて備えることにより、このブラケットは、処置の前半でそのラッチを結紮に使用し、次いで、所望により処置の後半で弾性Oリングを結紮に使用することによって滑り抵抗を増加させるという柔軟性を臨床医に与える。
より詳細には、本発明は、一実施形態において、近心側の部分と、遠心側の部分と、近心側の部分と遠心側の部分とを連結するブリッジの部分とを備えるセラミック製歯科矯正ブラケットに関する。更に、アーチワイヤスロットが、概ね近心側−遠心側の方向に近心側の部分及び遠心側の部分にわたって延び、ブリッジの部分から顔面側の方向に位置する。ブリッジの部分の舌側側部上に(すなわち患者の歯に向かって)細長溝が位置し、その細長溝は、ブラケットの剥離の間に応力集中部をもたらすように、概ね咬合側の(すなわち歯の咀嚼面に向かう)方向及び歯肉側の(すなわち患者の歯茎に向かう)方向に延びる。ブリッジの部分は、概ね「C字」形状のラッチを貫いて延び、そのラッチは、アーチワイヤスロット内にアーチワイヤを解放可能に保持するために顔面側の方向に面する開口を有している。所望により、そのラッチは、互いに向かって延びブリッジの部分の顔面側側部と接触する突出部によって、ブリッジの部分上に保持される。他の実施形態において、ラッチは、近心側の部分及び遠心側の部分の一方又は双方に連結されたストップ部材によって、ブリッジの部分上に保持される。
所望により、ブラケットの近心側の部分と遠心側の部分との間隔は、剥離するのを更に容易にするために、クリップの近心側−遠心側の幅をある程度まで超えてもよい。所望による他の機構には、アーチワイヤスロットライナー、又はブリッジの部分へのラッチの連結を容易にするためにクリップの端部に設けられるタブが挙げられる。
本発明の一実施形態に従うセラミック製ブラケットの遠心側、歯肉側、及び顔面側側部で見た斜視図。 図1に示すブラケットの側横断面図であり、ブラケットのブリッジの部分に結合されたラッチをより詳細に示している。 図1及び2に示すブラケットの舌側の方向で見た平面図であり、ブラケットの近心側の部分及び遠心側の部分に対するラッチの位置を示している。 ラッチを取り外した図1〜3に示すブラケットの顔面側の方向で見た底面図であり、ブラケットのブリッジの部分の舌側側部上に位置する細長溝が現れている。 ラッチを取り外した図1〜3に示すブラケットの歯肉側の方向で見た側面図であり、細長溝が現れている。 本発明の別の実施形態に従うブラケットの歯肉側、舌側、及び遠心側側部で見た斜視図。 図6に示すブラケットの舌側側部で見た底面図。 図6及び7に示すブラケットの側横断面図であり、ラッチの形状ををより詳細に示している。
定義
本願において使用するとき、各用語は以下の通りである。
「近心側」は、患者の湾曲した歯列弓の中央に向かう方向を意味する。
「遠心側」は、患者の湾曲した歯列弓の中央から離れる方向を意味する。
「咬合側」は、患者の歯の外側先端部に向かう方向を意味する。
「歯肉側」は、患者の歯茎又は歯肉に向かう方向を意味する。
「顔面側」は、患者の唇又は頬に向かう方向を意味する。
「舌側」は、患者の舌に向かう方向を意味する。
本発明の一実施形態に従う例示的なブラケットが図1〜3に示されており、概括的に符号10で表されている。この独特なブラケットは、患者の下顎前歯の顔面側表面に接合されるように適合されている。別の実施形態に、犬歯、小臼歯、及び大臼歯などの、口内の他の歯に接合するように設計されたブラケットを含めてもよい。バッカルチューブ、又は、歯科矯正処置中の歯の移動を制御するためのアーチワイヤを受容することが可能な任意の他のタイプの装具を有する実施形態もまた可能である。
ブラケット10は、ブリッジの部分15(図2の横断面図に見られる)によって互いに連結された近心側の部分12と遠心側の部分14とを有している。近心側の部分12及び遠心側の部分14は、好適な接着剤によって患者の歯に直接ブラケット10を接合するようになされた近心側の基部16及び遠心側の基部18をそれぞれ有している。好ましくは、近心側の基部16及び遠心側の基部18の底表面は、患者の歯面の凸状の複合的輪郭に整合する凹状の複合的輪郭を有している。所望により、基部16、18の底表面は、溝、粒子、くぼみ、アンダーカット、化学結合増強用の材料又は任意の他の材料若しくは構造、あるいは、ブラケット10を直接患者の歯に接合するのを容易にする、前述のものの組み合わせを備える。近心側の部分12の近心側の本体22及び遠心側の部分14の遠心側の本体24は、各基部16、18から概ね顔面側の方向に外向きに延びている。歯に接合するための表面積を増加させるために、ブラケット10は、一対のフランジ26(図1及び3に示す)を有しており、このフランジ26は、近心側の基部16から近心側の方向に近心側の本体22を越え、遠心側の基部18から遠心側の方向に遠心側の本体24を越えて延びている。フランジ26は、所望により、他の方向(例えば、歯肉側又は咬合側)に横方向に延びることもできるが、これは図示されていない。
アーチワイヤスロット28は、概ね近心側−遠心側の方向に近心側の本体22及び遠心側の本体24にわたって延びている。アーチワイヤスロット28は、ブリッジの部分15に対して顔面側に位置しており、咬合側の壁30、舌側の壁32、及び歯肉側の壁34の3つの壁によって境界を画され、一方で、顔面側の方向に開いている。アーチワイヤスロット28及び壁30、32、34は、部分12、14に対して固定されている。図では平坦に示されているが、壁30、32、34は、湾曲していても、隆起部、突起部、又は他のタイプの突出部の一部であってもよい。各本体22、24内の壁30、34は、互いに対して不動であり、かつ互いに対して平行である。この実施形態において、近心側本体22及び遠心側本体24はそれぞれ、咬合側のタイウィング23と、歯肉側のタイウィング25とを備えているが、タイウィング23、25の1つ以上が、所望により省かれることもある。
クリップ39が、ブラケット10のブリッジの部分15に結合されており、近心側の部分12と遠心側の部分14との間に配置されている。クリップ39は、概ね「C字」形状の外形を有し、一対のアーム部分40を備えており、このアーム部分40は、顔面側の方向に延び、次いで互いに向かって内向きに湾曲している。クリップ39内に、部分12、14内でアーチワイヤスロット28と位置合わせされるアーチワイヤ受容領域50、並びに、アーチワイヤ受容領域50と連通するブリッジ受容領域52がある。ブリッジの部分15は、クリップ39のブリッジ受容領域52を貫いて延びている。このようにして、クリップ39は、部分12、14の間に挟まれ、ブリッジの部分15の顔面側側面と接触する1つ以上の突出部54によって適所に更に保持され、それによって、クリップ39が舌側の方向に滑るのを防止している。
クリップ39は、図1、2、及び3において、通常の弛緩した状態で示されている。しかしながら、アーム部分40は、望まれる場合にアーチワイヤ受容領域50の中にアーチワイヤを入れるために、互いから離れて移動可能である。アーム部分40の滑らかな外側縁部により、クリップ39は、アーム部分40の湾曲した外側縁部に対してアーチワイヤを押圧することによってアーチワイヤを受容することが可能となっている。圧力が、湾曲した縁部にアーチワイヤによって作用されると、アーム部分40は、アーチワイヤをアーチワイヤ受容領域50の中に入れるために、互いから離れて撓む。クリップ39が開かれると、突出部54は、ブリッジの部分15の顔面側側部を横切って滑る。しかしながら、突出部54は、クリップ39が開かれたときに、ブリッジの部分15の顔面側側部と依然として接触するのに十分な距離だけ、内向きに互いに向かって延びている。したがって、クリップ39は、そのような開く動作の間、ブリッジの部分15に依然として結合されている。
アーチワイヤがアーチワイヤ受容領域50内に受容されると、クリップ39の固有弾性により、アーム部分40は、アーチワイヤスロット28内にアーチワイヤを保持するために、再び互いに向かって、図1、2、及び3に示すような通常の弛緩した形状に、バネ弾性で戻ることが可能である。好ましくは、必須ではないが、アーチワイヤ受容領域50は、クリップ39とアーチワイヤとが強く接触するのを回避する目的で、咬合側−歯肉側の基準軸に沿った方向においても、顔面側−舌側の基準軸に沿った方向においても、アーチワイヤの横断面よりも幾分大きい。クリップ39とアーチワイヤとの間隙により、しばしば「受動的」結紮と呼ばれるものがもたらされる。しかしながら、十分に大きな矩形のアーチワイヤが使用されると、クリップ39とアーチワイヤとの間隙は除かれることができ、「能動的」結紮につながる。「受動的」結紮と「能動的」結紮との相対的な利点は、処置の段階並びに多数の他の要因に依存するものであり、ここで検討されるべきものではない。
クリップ39(アームの部分40を含む)は、アーチワイヤによってブラケット10に及ぼされる力が、概ね顔面側の方向において(より具体的には、アーチワイヤをアーチワイヤスロット28の中に挿入する方向と反対の方向において)特定の最小値未満である限り、処置の間にアーチワイヤスロット28内にアーチワイヤを保持するのに十分に硬いものである。しかしながら、予期せずに高い力が発生したときに起こり得るように、アーチワイヤによって同じ方向にブラケット10に及ぼされる力が最小値を超えるときはいつでも、アーム部分40は、互いから離れて移動して、クリップ39を開き、アーチワイヤスロット28からアーチワイヤを解放することができる。そのような力に関する更なる詳細が、上述の米国特許第6,302,688号(ジョーダン(Jordan)ら)及び同第6,582,226号(ジョーダン(Jordan)ら)に記載されている。
アーチワイヤが、約0.1kg(0.2ポンド)〜約5kg(11ポンド)の範囲内、より好ましくは約0.2kg(0.4ポンド)〜約2.5kg(5.5ポンド)の範囲内、最も好ましくは約0.34kg(0.75ポンド)〜約1.4kg(3.0ポンド)の範囲内の力を、概ね顔面側の方向にブラケット10に及ぼすときはいつでも、クリップ39は好ましくは、同じ方向にアーチワイヤスロット28からアーチワイヤを解放する。好ましくは、最小値は、アーチワイヤが歯科矯正処置の通常の過程の間にアーチワイヤスロット28から誤って解放されるのを防止するのに十分に高いものである。したがって、アーチワイヤは、処置計画を実施し関連する歯を所望通りに移動させるのに十分な力をブラケット10に及ぼすことができる。
ラッチの自己解放(すなわち、自己開口)に対する最小値は、好ましくは、関連する歯からブラケット10を剥離するために同じ方向に必要な力の実質的に約2分の1未満である。ラッチの自己解放の最小値は、好ましくはブラケット10を連結した歯から剥離するために同じ方向で必要な力の約1/2より小さい。例えば、ブラケット10と関連する歯との間の接着剤接合の予想される接合強度が、顔面側の方向において7.2kg(16ポンド)である場合、ラッチは、アーチワイヤが約3.6kg(8ポンド)よりも幾分か大きい力を同じ顔面側の方向にブラケット10に及ぼすときはいつでも、アーチワイヤを自己解放させるように構成される。
クリップ39を解放する力を決定するために、アーチワイヤスロット28の横断面積と相補的な(すなわち実質的に満たす)面積を有するアーチワイヤの部分が、長手方向に横断する部分に選択される。次に、スリングが構成され、近心側の部分12及び遠心側の部分14と緊密に隣接するが接触しない位置でそのアーチワイヤの部分に連結される。所望により、スリングは、アーチワイヤの部分に溶接されるか又はろう付けされる。次に、アーチワイヤの部分の長手方向の軸線がアーチワイヤスロット28の長手方向の軸線に対して傾かないように注意して、ブラケット10が静止位置に保持されながら、スリングがブラケット10から引き離される。クリップ39を解放する力は、スリングに連結されたインストロン試験機を使用することによって、1.3cm/分(0.5インチ/分)のクロスヘッド速度を作用させて決定することができる。あるいは、繰り返し試験器(カリフォルニア州カールズバッド(Carlsbad)のAPCダイナミクス社(APC Dynamics)によるModel 300など)が、力変換器(ニューヨーク州バッファロー(Buffalo)のPCB社(PCB)によるModel 208C01など)と共に使用されて、力が測定されてもよい。
クリップ39は、ブラケット10の組み立てにおいて利点をもたらす更なる機構を有してもよい。例えば、図1及び2において、クリップ39は、一対のタブ60を備えており、このタブ60は、突出部54から顔面側の方向に、アーム部分40の端部の付近に位置し、歯肉側及び咬合側の方向に互いから離れて延びている。タブ60は、ブラケット10のブリッジの部分15の上にクリップ39を取り付ける間に加工装置がアーム部分40を握持しアーム部分40を広げるためのてこの支点を設けるのを支援することができる。アーム部分40が広げられると、クリップ39は、突出部54がブリッジの部分15に対して顔面側の方向に位置するまで、顔面側の方向に、近心側の部分12と遠心側の部分14との間隙の中に移動される。次いでタブ60が解放され、クリップ39は、図2に示すような弛緩した形状にバネ弾性で戻る。
所望により、クリップ39は、金属のストック材料の平坦な部分から切断される。好適な金属材料には、ニチノール及びベータチタンの合金などの形状記憶合金が挙げられる。クリップ39は、打抜き、型抜き、化学エッチング、EDM(放電加工)、レーザー切断、又はウォータージェット切断プロセスを用いてストック材料から切断されてもよい。別の選択肢として、クリップ39が成形されて、次いでその形状を固定させるように熱処理され得る。他の好適なクリップ及び考えられる任意選択の機構が、米国特許公報第2006/0024635(レイ(Lai))及び同第2006/0172249号(レイ(Lai)ら)に示されている。
臨床医が、より「能動的な」結紮又は増強された滑り抵抗を望む場合、ブラケット10のアーチワイヤスロット28内にアーチワイヤを固定するためにクリップ39を使用することは、タイウィング23、25の周りにアーチワイヤの顔面側側部の上に巻き付けられ締め付けられた弾性結紮糸又は金属製の結紮ワイヤを使用することによって、補足されてもよい。
図4及び5は、ブリッジの部分15の周りの更なる細部が現れるようにクリップ39を取り外したブラケット10の底面図及び側面図をそれぞれ示している。くぼみ36が、ブリッジの部分15に対して舌側にかつ基部16と基部18との間に位置する間隙によって画定されている。図1〜3によって理解できるように、ブラケット10が完全に組み立てられると、クリップ39の一部分がくぼみ36内に延びる。また、ブリッジの部分15は細長溝38を有しており、この細長溝38は、ブリッジの部分15の舌側側部上に位置し、概ね咬合側−歯肉側の方向に延びている。細長溝38は、ブリッジの部分15の隣接する舌側表面から顔面側の方向に区切られた、概ねU字形状の又はV字形状の底部(つまり最も顔面側の表面)を有している。細長溝38は、ブリッジの部分15の舌側表面の輪郭の連続性を断ち、ブリッジの部分15の唇側−舌側の厚さをその最も幅の狭い部分において減じている。所望により、図5に示されるように、溝38は、その長手方向の軸線に垂直な基準平面において、概ね「U字」形状の横断面形を有している。
脆弱線が、ブリッジの部分15に沿って概ね咬合側−歯肉側の方向に延びている。好ましくは、図示のように、脆弱線は、薄い折れやすいウェブ37を構成しており、この薄い折れやすいウェブ37は、ブリッジの部分15を二分し、ブリッジの部分15の近心側側部と遠心側側部とを一体に連結している。薄い折れやすいウェブ37は、部分12、14の一方又は双方が、円弧状に互いに向かう方向に、細長溝38の咬合側−歯肉側の軸線に概ね平行な基準軸線の周りに旋回するような方式で、部分12、14が互いに向かって圧迫されたときに、ブリッジの部分15を破砕させることができる横断面積を有している。ブラケット10が、部分12、14を互いに向かう方向に圧迫することによって剥離されるとき、細長溝38は、折れやすいウェブ37と共に、細長溝38の長手方向の中心軸線に隣接する経路に沿って延びる、折れやすいウェブ37の領域における応力集中を促進して、ブラケット10が、折れやすいウェブ37の最も幅の狭い部分に沿って破砕しやすくなり、一方でブラケット10の他の部分が依然として損傷を受けないようにする。この実施形態において、ブリッジの部分15の舌側−口唇側の厚さは、部分12、14に近づくと増加して、ブリッジの部分15を強化し、これらの領域における望ましくない応力集中を回避している。
また、他の脆弱線も考えられる。例えば、部分12、14は、最初は別々の構成要素として製造されてもよく、脆弱線は、近心側の部分と遠心側の部分とを互いに接合する接着材料の部分を構成してもよい。脆弱線はまた、剥離手技の間に曲がるか又は破砕する締り嵌め結合部を部分12、14の間に構成してもよい。ブラケットの近心側の部分と遠心側の部分とを互いに向かって圧迫することによってセラミック製ブラケットを剥離することに関する更なる態様及び選択肢が、米国特許第5,439,379号(ハンセン(Hansen)ら)及び同第5,366,372号(ハンセン(Hansen)ら)に記載されている。
図3に更に例示されるように、クリップ39は、部分12、14の隣接する壁部から隙間60だけ離間されている。剥離の間、隙間60により、部分12、14は、折れやすいウェブ37が破砕し、ブラケット10を患者の歯から分離できるように、干渉を伴うことなく十分な程度に旋回することが可能となっている。隙間60は、クリップ39の近心側側部又は遠心側側部のいずれかに全面的に位置していても、クリップ39の近心側側部と遠心側側部とに分散されていてもよい。隙間60の大きさは、部分12と部分14との間隔がクリップ39の近心側−遠心側の幅を超える部分によって決まる。好ましくは、近心側−遠心側の方向における部分12と部分14との間隔は、クリップ39の近心側−遠心側の幅を、少なくとも約50マイクロメートル、より好ましくは少なくとも約65マイクロメートル、最も好ましくは少なくとも約75マイクロメートルだけ超える。好ましくは、部分12と部分14との間隔は、クリップ39の近心側−遠心側の幅を、約200マイクロメートル以下、より好ましくは約175マイクロメートル以下、最も好ましくは約150マイクロメートル以下だけ超える。しかしながら、いずれにしても、クリップ39のいずれかの側の過剰な間隙は、食物又は歯垢の閉じ込めを場合によっては生じ得るので、回避されることが望ましい。過剰な間隙はまた、ブラケットの近心側−遠心側の全体的な寸法を不必要に増加させることがある。
ワインガードプライヤ、ハウプライヤとして当業者に知られているプライヤ、又は米国特許公開第2006/0127835号(スー(Soo)ら)に記載されているものなどの他の歯科矯正プライヤを含めた様々な手用器具が、部分12、14を互いに向けて圧迫してブラケット10を患者の歯から取り外すために使用されてもよい。セラミック製ブラケットを剥離するためのプライヤは一般に、当業者に周知である。
所望により、図に示されるように、アーチワイヤスロット28は、咬合側側部、舌側側部、及び歯肉側側部上でアーチワイヤスロットライナー29によって画定される。ライナーの例が、米国特許第5,358,402号(リード(Reed)ら)、同第5,380,196号(ケリー(Kelly)ら)、同第5,439,379号(ハンセン(Hansen)ら)、及び同第5,366,372号(ハンセン(Hansen)ら)において開示されている。アーチワイヤスロットライナー29は、例えばタイプ316Lステンレス鋼から構成され、約0.05mmの厚さを有してもよい。アーチワイヤスロットライナー29は、好ましくは、銀、銅、及びろう付け合金の全重量を基準として少なくとも1.5重量%のチタンを含有する合金などのろう材によって、近心側及び遠心側の部分12、14に接合される。好適なろう付け合金が、係属中の米国特許出願公開第2008/0081309(A1)号(ウィリーII(Wyllie II)ら)に更に記載されている。また、接着剤、機械的インターロック、締り嵌め、又はそれらの任意の組み合わせの使用を含めて、アーチワイヤスロットライナー29を部分12、14に取り付ける他の方法が考えられる。アーチワイヤスロットライナー29の使用は、ブラケット10を剥離するためにブリッジの部分15が破砕された後も近心側の部分12及び遠心側の部分14の双方にアーチワイヤスロットライナー29が連結された状態となるため、好都合となる。剥離の間及び剥離の後に部分12、14を同時に保持することにより、アーチワイヤスロットライナー29は、好都合にも、ブラケット10を一体として歯から取り外すことを可能にする。
本発明の別の実施形態によるブラケット80が、図6〜8にそれぞれ、斜視図、底面図、及び横断側面面で示されている。図示のように、ブラケット80は、ブリッジの部分85によって互いに連結された近心側の部分82と遠心側の部分84とを有している。近心側の部分82及び遠心側の部分84は、それぞれ近心側の基部86及び遠心側の基部88を有し、近心側の基部86及び遠心側の基部88はそれぞれ、好ましくは、ブラケット80を歯に接合するための凹状の輪郭を有している。
クリップ90は、一対のアーム部分96、98を有する概ね「C字」形状の外形を有している。ブリッジの部分85が、クリップ90を貫いて延びている。ストップ部材92が基部86、88に連結されており、クリップ90の舌側側部と接触している。クリップ90の舌側側部と接触することにより、ストップ部材92は、クリップ90がブリッジの部分85に対して舌側の方向に滑り、場合によってはブリッジの部分85から外れることを防止している。図示のように、ストップ部材92は、基部86と基部88との隙間の一部分にわたって延びているが、望まれる場合には、咬合側の縁部から歯肉側の縁部まで隙間の全体にわたって延びていてもよい。ストップ部材92は、金属、セラミック、又は高分子材料から形成されることができ、また、中実のシート、又はメッシュ若しくはスクリムなどの多孔性材料を含んでもよい。全体として、近心側の部分82、遠心側の部分84、及びストップ部材92は、近心側−遠心側及び口唇側−舌側の双方の方向におけるクリップ90の移動を抑制し、それによって、ブラケット80が接合手技の間に取り扱われるとき、クリップ90が不注意でブリッジの部分85から解放されることが防止される。
図6、7は、ストップ部材92が、基部86、88のごく一部分にわたって延びているところを示しているが、ストップ部材92は所望により、基部86、88の更に広い部分又は全表面にわたって延びることが可能である。この構成において、最大の接触面積は、ストップ部材92と基部86、88との間、並びにストップ部材92と歯面との間で得られる。基部86、88の全表面にわたって延びることにより、ストップ部材92は基本的に、接合の間に歯面と係合する「ボンディングパッド」となる。米国特許第6,786,720号(ケスリング(Kesling)ら)に記載されているように、ストップ部材92が柔軟に作られる場合、そのストップ部材92をボンディングパッドとして使用することで、歯面からの剥離が容易となるなど、いくつかの更なる利点が付与され得る。
ストップ部材92は、基部86、88の一方又は双方に接着剤を使用して接合されてもよい。好適な接着剤には、エチレン性不飽和化合物(酸性基の有無に関わらない)、エポキシ(オキシラン)樹脂、ビニルエーテル、光重合システム、酸化還元硬化システム(redox cure systems)、グラスアイオノマーセメント、ポリエーテル、ポリシロキサンなど、多種多様な化学物質が挙げられる。より具体的には、接着剤として使用され得る好適な光重合性組成物には、例えば、エポキシ樹脂(カチオン活性のエポキシ基を含有する)、ビニルエーテル樹脂(カチオン活性のビニルエーテル基を含有する)、エチレン性不飽和化合物(フリーラジカル活性の不飽和基を含有するもので、例えばアクリレート及びメタクリレート)、及びそれらの組み合わせが挙げられる。有用なエチレン不飽和性化合物には、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、ヒドロキシ官能性アクリル酸エステル、ヒドロキシ官能性メタクリル酸エステル、及びそれらの組み合わせが挙げられる。また、エポキシ官能性アクリレート、エポキシ官能性メタクリレート、及びそれらの組み合わせを含めて、単一の化合物中にカチオン活性の官能基及びフリーラジカル活性の官能基の双方を含有する重合性材料が好適である。ストップ部材92が、ステンレス鋼などの金属を含む場合、先に述べたものなどのろう付け材料が、ストップ部材92を基部86、88の一方又は双方に接合するために使用されてもよい。
また、接着剤又はろう付け材料を使用することに代わる別法も考えられる。例えば、ストップ部材92は、近心側の基部86と遠心側の基部88との隙間の中に圧入されるか又は締り嵌めされてもよい。締り嵌めにおいて、突出部、フック、アンダーカット、又は他の保持構造が、ストップ部材92を基部86と基部88との間に機械的にロックするために使用されてもよい。所望により、ストップ部材92の舌側側部は、溝が基部86、88の中に切り込まれるか又は成形されることによって、基部86、88の舌側側部と面一にされてもよい。ストップ部材92が基部86、88と面一でない場合、ストップ部材92は、ブラケット80を歯面上に装着するのを妨げないように、十分に薄いものであることが好ましい。別の選択肢として、ストップ部材92の舌側側部は、歯面に対して嵌合するように凹状であり、かつ/又は、ブラケット80を直接患者の歯に接合するのを容易にする保持構造を有してもよい。ストップ部材92上の保持構造は、機械的ロック、又はストップ部材92と歯面との間に配された好適な接着剤との化学結合をなすことによって、接着性を改善することができる。保持構造には、穴、溝、粒子、くぼみ、アンダーカット、マイクロエッチング加工面、化学結合増強用の材料、又は任意の他の構造、材料、若しくはそれらの組み合わせを挙げることができる。ストップ部材92がメッシュ又はスクリムなどの繊維状材料である場合、繊維自体が保持構造として働くことができる。
ストップ部材92を基部86、88に接合するために接着剤が使用される場合、ストップ部材92の口唇側側部は、同様に、ストップ部材92と基部86、88との接着を促進する保持構造を有してもよい。
アーチワイヤスロットライナー29と同様に、ストップ部材92は、ブラケット10が歯から剥離された後も部分12と部分14とを一体に保ち、それによって、剥離後のブラケットの破片の数を最小にすることによって、更なる利点をもたらすことができる。この利点を実現するために、ストップ部材92及び基部86、88は、ブラケット10が歯から剥離されたとき、依然として一体に連結されているべきであり、薄い層に裂けたり、それ以外でも分離したりするべきではない。したがって、ストップ部材92と基部86、88との総合的な接着強度は、ストップ部材92とその下にある歯との総合的な接着強度を超えることが好ましい。保持構造が、ストップ部材92の口唇側側部と基部86、88との間に使用される場合、この保持構造は、ストップ部材92と基部86、88との総合的な接着強度を、ストップ部材92とその下にある歯との総合的な接着強度に対して減じるように構成されてもよい。好ましくは、ストップ部材92は十分に弾性を有し、基部16、18がブラケット10の剥離の間に互いから離れて旋回するとき、ストップ部材92が伸張し、それ自体では破砕することがないようになっている。最後に、ブラケット10を患者の歯から剥離するのに必要な力が著しく増加しないように、ストップ部材92の引張係数は十分に低いことが好ましい。
この構成における別の利点が図8に示されており、図8は、ブラケット80を、クリップ90において近心側の方向で見た横断面図で示している。図2のクリップ39と比較すると、クリップ90をブリッジの部分85上に保持するためにクリップの突出部が必要でなくなっているので、クリップ90は単純化されている。突出部が存在しない結果として、より容易に製造されるクリップ構造がもたらされる。更に、クリップ39をブラケット10のブリッジの部分15の上に挿入するのと比較して、クリップ90をブリッジの部分85の上に挿入するときに、アーム部分96、98を大きく開く必要がないため、突出部がないことは、ブラケット80の組み立てを容易にするのに役立つ。したがって、クリップ90は、場合によっては、クリップ39と比べて受ける応力が小さく、組み立ての間にクリップ90を損傷する可能性が減じられる。クリップ90及びストップ部材92に関連する相違は別にして、ブラケット80の他の様相は、ブラケット10の様相と類似しており、ここで繰り返す必要はない。
ブラケット10、80(部分12、14、82、84、ブリッジの部分15、85、及びタイウィング(タイウィング23、25など)を含む)は、好ましくは、ブラケット10、80がその下にある歯の色を帯びるのに十分な光透過率を呈する、半透明の多結晶セラミック材料から作られる。好ましくは、部分12、14及び15が、そして部分82、84及び85が、単一の構成要素として製造されるように、ブリッジの部分15、85は、それぞれ部分12、14及び82、84を一体的に相互に連結している。好適なセラミック材料の例が、米国特許第6,648,638号(カストロ(Castro)ら)に記載されており、1.0マイクロメートル以下の平均粒度を有する酸化アルミニウムセラミック材料が含まれる。また、米国特許第4,954,080号(ケリー(Kelly)ら)に記載されている多結晶セラミック材料、及び米国特許第4,681,538号(デルーカ(DeLuca)ら)に記載されている単結晶セラミック材料を含めて、他のセラミック材料も考えられる。考えられる他の材料には、ポーセリン、ジルコニア、ガラス、ガラスセラミックスなどが挙げられる。
更に、説明のために先に詳細に述べた実施形態、及び例は、本発明を例示することを意図したものである。しかしながら、様々な変形形態、修正形態、及び等価物が使用されてもよく、上記の説明は、以下の特許請求の範囲によって定義される本発明の範囲を限定するとみなされるべきでないことは理解されたい。

Claims (1)

  1. 近心側の部分と、
    遠心側の部分と、
    前記近心側の部分と前記遠心側の部分とを連結するブリッジの部分と、
    概ね近心側−遠心側の方向に前記近心側の部分及び前記遠心側の部分にわたって延び、前記ブリッジの部分から顔面側の方向に位置するアーチワイヤスロットと、
    概ね咬合側−歯肉側の方向に延び、前記ブリッジの部分から舌側の方向に位置するくぼみと、
    前記アーチワイヤスロット内にアーチワイヤを解放可能に保持するための、前記ブリッジの部分に結合されたクリップと、を備える歯科矯正ブラケットであって
    前記近心側の部分、前記遠心側の部分、及び前記ブリッジの部分は、セラミック材料を含み、
    前記ブリッジの部分は、
    概ね咬合側−歯肉側の方向に延び、前記ブリッジの部分の断面領域を縮小させる部分を含む脆弱線と、
    前記脆弱線に沿って延在し、前記ブリッジの部分の舌側表面の連続性を断つ溝と、を有し、
    前記クリップの少なくとも一部分は、前記くぼみ内に延び、前記クリップは、前記顔面側の方向に面する開口を有し、更に、前記ブリッジの部分は、前記クリップを貫いて延び、
    前記クリップは、前記脆弱線の周りに配置され、該脆弱線は、前記近心側の部分及び前記遠心側の部分のいずれか一方または双方を互いに向かって旋回させることによって、前記歯科矯正ブラケットを歯から剥離することを可能とし、
    前記クリップは、隙間によって、前記近心側の部分及び前記遠心側の部分から離間されて、該近心側の部分と該遠心側の部分との間に保持され、
    前記隙間の大きさは、50〜200マイクロメートルの範囲である、歯科矯正ブラケット。
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