JP5518373B2 - 排水システム - Google Patents

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Description

本発明は、勾配によらない送水力を排水に作用させて排水する排水システムに関する。
近年、従来の勾配排水システムに替わって、勾配によらない送水力を排水に作用させて排水する排水システムが提案されている。この排水システムとしては、特許文献1に開示されるようにサイフォン排水システムが提案されている。サイフォン排水システムは、水廻り器具とサイフォン排水管とを含んで構成されている。
サイフォン排水管は、床スラブに沿って無勾配で配管された横引き管と、垂下部をなす竪管とで構成されている。このように構成されたサイフォン排水システムによれば、竪管にて発生するサイフォン力(負圧力)を利用して、水廻り器具からの排水効率の向上を図ることができる。
特開2008−297819号公報
サイフォン排水システムの課題としては、小径で配管することによって生じる配管の詰まりが挙げられる。管壁に付着する汚れによる詰まりに関しては、従来排水と比較して流速が非常に高いことから、汚れが付着することが少なく、付着した場合でも高流速によって剥がされて流されていくことがわかっている。
そこで、詰まりに対する対策としては、主に固形物に関する詰まりが課題になる。固形物の詰まりに対する最大の対策は、排水口部分で目皿等の設置により、流入を防止することである。
固形物が目皿を通過したとしても、目皿を通過するような小さい固形物は、高流速によって、配管の途中で詰まることなく流さていくので問題とならない。
しかしながら、箸や歯ブラシなどの細長いもの場合は、目皿をすり抜けた後、配管途中で詰まってしまう恐れがあった。仮に、細長いものも流入しない目皿を設置した場合では、細かい隙間の網の様な形状となってしまい、その場合排水性を阻害する恐れがあった。
そこで、細長いものの詰まりに対して、配管に流入しても容易に除去ができる構造が求められた。
低位排水の水廻り器具(例えば、ユニットバスや洗濯機)では、水廻り器具から直接横引き管が接続されるので、もし細長い異物の混入によって詰まっても、水廻り器具と横引き管とを接続する継手を外すことができるので、異物の除去は可能であった。
これに対して、高位排水の水廻り器具(例えば、洗面器やキッチン)では、水廻り器具と横引き管とは、長さのある排水導入管によって連通し、細長い異物が、横引き管の上流側にあるR部分に詰まりやすかった。サイフォン排水システムにおいては、特許文献1に示すように、サイフォン排水管が取り外し可能に接続されているもの、排水導入管が取り外せず、R部分に異物が詰まると異物を除去できなかった。
本発明は、上記事実を考慮し、横引き管よりも上流側で異物が詰まった場合でもその異物を容易に除去できる排水システムを提供することを目的とする。
本発明の請求項1に係る排水システムは、直線状に延びる直線管部と、該直線管部の上流側に配置される上流管部と、該直線管部の下流側に配置される下流管部とを有し、水廻り器具からの排水を下方へ流す排水導入管と、前記排水導入管と連通して横方向へ延び、前記排水導入管からの排水を横方向へ流す横引き管と、前記直線管部を径方向へ取り外し可能に、前記直線管部の上流端部と前記上流管部とを接続する第1継手と、前記直線管部を径方向へ取り外し可能に、前記直線管部の下流端部と前記下流管部とを接続する第2継手と、を備え、勾配によらない送水力を前記排水に作用させて排水する。
この構成によれば、水周り器具からの排水は、排水導入管内を下方へ流れる。排水導入管内を下方へ流れた排水は、さらに、横引き管内を横方向へ流れる。本排水システムでは、勾配によらない送水力を排水に作用させて排水する。
ここで、請求項1の構成では、横引き管よりも上流側で異物が詰まった場合でも、直線管部を径方向に取り外して、その異物を除去することができる。
直線管部を軸方向に取り外す場合では、上流管部及び下流管部が邪魔になるため、上流管部及び下流管部を少なくとも一方を移動させる必要が生じるが、請求項1の構成では、直線管部が径方向に取り外せるので、上流管部及び下流管部を移動することなく位置を固定したまま、直線管部を取り外せ、異物の除去が容易となる。
本発明の請求項1に係る排水システムは、さらに、前記横引き管と連通して下方へ延び、前記横引き管からの排水を流下させることにより、前記送水力としてのサイフォン力を発生させる竪管を備える。
この構成では、排水は、竪管を流下して、送水力としてのサイフォン力が発生する。このサイフォン力により、排水導入管内、横引き管内及び竪管内の排水が誘導され、その排水が促進される。
本発明の請求項2に係る排水システムは、請求項1の構成において、前記直線管部は、上流端の端面が前記上流管部の下流端の端面と面接触し、下流端の端面が前記下流管部の上流端の端面と面接触する。
この構成によれば、直線管部、上流管部及び下流管部への複雑な加工を必要とせず、直線管部、上流管部及び下流管部を簡易な構成とすることが可能である。
本発明の請求項3に係る排水システムは、請求項1又は2の構成において、前記第1継手は、前記直線管部及び前記上流管部の外周を囲み、軸方向にスライド移動することにより前記直線管部を径方向へ取り外し可能にする筒状の筒状部材を備えて構成され、前記第2継手は、前記直線管部及び前記下流管部の外周を囲み、軸方向にスライド移動することにより前記直線管部を径方向へ取り外し可能にする筒状の筒状部材を備えて構成されている。
この構成によれば、第1継手を構成する筒状部材と、第2継手を構成する筒状部材とを軸方向へスライド移動させることにより直線管部が径方向に取り外せるので、直線管部の取り外しが容易となる。
本発明の請求項4に係る排水システムは、請求項3の構成において、前記第1継手としての前記筒状部材は、前記直線管部と前記上流管部との間を水密にする止水機能を有し、前記第2継手としての筒状部材は、前記直線管部と前記下流管部との間を水密にする止水機能を有する。
この構成によれば、止水させるための部材を別途設ける必要が無くなり、部品点数を低減できる。
本発明の請求項1に係る排水システムは、さらに、前記排水導入管と連通し、前記水廻り器具からの排水によって押圧された前記排水導入管内の空気が流入可能とされ、室内が拡縮可能な密閉された空気室を備える。
この構成によれば、排水導入管内の下流端部などに溜まった排水などによって、排水導入管内の空気が下流側に排出されにくい状態となった場合でも、水廻り器具からの排水が排水導入管を流れる際に、その排水に押圧される排水導入管内の空気が空気室内に逃げられるので、排水がスムーズに排水導入管を流れる。これにより、水廻り器具の排水口付近の排水の滞留が抑制できる。
本発明の請求項5に係る排水システムは、請求項1〜4のいずれか1項の構成において、前記空気室は、前記直線管部で連通し、前記直線管部と一体に取り外しされる。
この構成によれば、空気室が直線管部と一体に取り外せるので、空気室のメンテナンス作業等が容易となる。
本発明の請求項6に係る排水システムは、請求項1〜5のいずれか1項の構成において、前記空気室は、サイフォン起動基準水頭よりも上方で前記排水導入管と連通している。
ここで、サイフォン起動基準水頭とは、サイフォン力が発生するために必要な排水の排水管(排水導入管、横引き管及び竪管)内における水位であり、このサイフォン起動基準水頭よりも上方で、空気室が排水導入管と連通しているので、空気室内に排水導入管から排水が流入しにくい。
本発明の請求項7に係る排水システムは、請求項6の構成において、前記サイフォン起動基準水頭よりも上方で前記排水導入管と一端部が連通し、他端部が上方に延出されると共に前記空気室と連通する連通管を備える。
この構成によれば、サイフォン起動基準水頭よりも上方で排水導入管と一端部が連通する連通管は、上方に延出された他端部が空気室と連通するので、空気室内に排水導入管から排水がより流入しにくい。
本発明の請求項8に係る排水システムは、請求項7の構成において、前記連通管は、一端部が前記排水導入管の下部と連通し、他端部が上方に延出している。
この構成によれば、一端部が排水導入管の下部に連通しているので、一端部が排水導入管の上部に連通している場合に比べて、他端部を上方へ長く延ばせるスペースを確保できる。
本発明の請求項9に係る排水システムは、請求項1〜8のいずれか1項の構成において、前記外部からの空気を前記排水導入管へ通過させると共に前記排水導入管から前記外部へ排水を通過させない通気弁を備える。
本発明の構成によれば、サイフォン力が作用して排水導入管内の排水と共に空気が下流側に引っ張られると、空気室内に逃げた空気が排水導入管に流入することになるが、請求項9の構成によれば、空気室内の空気が無くなった後に排水導入管内の空気が下流側に引っ張られた場合でも、通気弁から空気が流入するので、排水導入管内がより負圧となりにくい。
これにより、排水導入管内が負圧となることで生じる問題、例えば、水廻り器具の水封式の排水トラップで空気を吸い込むことで生じる騒音や排水トラップの破封などを解消できる。
本発明の請求項10に係る排水システムは、請求項9の構成において、前記空気室から前記排水導入管側へ流入する空気の流入抵抗が、前記通気弁から前記排水導入管側へ流入する空気の流入抵抗よりも小さい。
この構成によれば、空気室から排水導入管側へ流入する空気の流入抵抗が、通気弁から排水導入管側へ流入する空気の流入抵抗よりも小さい。すなわち、排水導入管へは、通気弁からよりも空気室からのほうが、空気が流入しやすくなる。
このため、サイフォン力が作用して排水導入管内の排水と共に空気が下流側に引っ張られると、空気室内に逃げた空気が最初に排水導入管に流入してから、通気弁から空気が流入する。これにより、空気室の室内が縮小されて元の状態に戻るので、この後に水廻り器具から排水された場合でも、その排水に押圧される排水導入管内の空気を空気室内に逃がすことができる。このように、排水が繰り返された場合でも、水廻り器具の排水口付近の排水の滞留が抑制できる。
本発明の請求項11に係る排水システムは、請求項9又は10の構成において、前記通気弁は、前記水廻り器具の排水口に設けられ、弾性材料で筒状に形成され、上流側が常時開口しており、下流側が開閉可能とされ、かつ自由状態では閉じている自封式の排水トラップである。
この構成によれば、通気弁と排水トラップとが兼用となるので、部品点数が低減できる。
本発明の請求項12に係る排水システムは、請求項1〜11のいずれか1項の構成において、前記空気室が内部に形成され、膜体で形成された袋状の袋部材を備える。
この構成によれば、膜体で形成された袋状の袋部材の内部に空気室が形成されるので、空気室を小さいスペースで簡易な構成によって形成できる。
本発明の請求項13に係る排水システムは、請求項1〜12のいずれか1項の構成において、前記水廻り器具には、水廻り器具の排出口に投入された投入物を粉砕し、その粉砕物を排水と共に流下可能にするディスポーザが設けられている。
この構成によれば、粉砕物と共に排水を流すものであるから、排水導入管内の下流端部などに粉砕物及び排水が残留して詰まりやすい。これに対して、本発明の構成では、横引き管よりも上流側で異物が詰まった場合でも、直線管部を径方向に取り外して、その異物を除去することができる。このため、ディスポーザを設けた構成においても、異物の除去が容易となる。
本発明は、上記構成としたので、横引き管よりも上流側で異物が詰まった場合でもその異物を容易に除去できる。
図1は、本実施形態に係るサイフォン排水システムの全体構成を示す概略図である。 図2は、本実施形態に係るサイフォン排水システムの構成を部分的に拡大した部分拡大図である。 図3は、水廻り器具にディスポーザを設けた変形例を示す概略図である。 図4は、排水導入管に配置された第1継手及び第2継手の構成を示す概略図である。 図5は、排水導入管に配置された第1継手及び第2継手の変形例を示す概略図である。 図6は、図5に示す変形例に係る第1継手及び第2継手の断面図である。 図7は、排水導入管のR部分に詰まった異物を除去する様子を示す概略図である。 図8は、排水導入管の直線管部に空気室を連通させた構成を示す概略図である。 図9は、空気室を形成する形成部材として、蛇腹状の側壁を有する蛇腹状部材を用いた構成を示す概略図である。 図10は、図9に示す蛇腹状部材が伸長した状態を示す概略図である。 図11は、排水導入管の下流管部に空気室を連通させた変形例を示す概略図である。 図12は、連通管の下流端部を水廻り器具の上方に配置した変形例を示す概略図である。 図13は、連通管が排水導入管から斜め上方に延びる変形例を示す概略図である。 図14は、連通管が排水導入管から水平方向に延びる変形例を示す概略図である。 図15は、通気弁を排水導入管の上流管部に配置した変形例を示す概略図である。 図16は、自封式の排水トラップを通気弁として用いた変形例を示す概略図である。 図17は、自封式の排水トラップの構成を示す概略図である。 図18は、自封式の排水トラップの構成を示す断面図である。 図19は、排水導入管のR部分及び横引き管の上流端部に排水が滞留する様子を示した概略図である。 図20は、水廻り器具から排水が開始された状態を示す概略図である。 図21は、排水導入管内の空気が空気室に流入した状態を示す概略図である。 図22は、排水導入管内を流れた排水が、横引き管を流れ、竪管を流下してサイフォン力が作用し始めた状態を示す概略図である。 図23は、空気室内の空気が排水導入管に流入した状態を示す概略図である。 図24は、通気弁を通じて排水導入管に空気が流入した状態を示す概略図である。 図25は、水廻り器具において洗い流しがなされた場合における排水導入管内の圧力変動と、その圧力変動に伴う袋部材の状態変化及び通気弁の通気状態を示した図である。 図26は、真空ポンプを利用した排水システムの構成を示す概略図である。 図27は、圧送ポンプを利用した排水システムの構成を示す概略図である。
以下に、本発明に係る実施形態の一例を図面に基づき説明する。
下記の実施形態では、勾配によらない送水力を排水に作用させて排水する排水システムの一例として、サイフォン排水システムについて説明する。
(第1実施形態に係るサイフォン排水システムの構成)
まず、第1実施形態に係るサイフォン排水システムの構成について説明する。図1は、第1実施形態に係るサイフォン排水システムの全体構成を示す概略図である。
第1実施形態に係るサイフォン排水システム10は、サイフォン力を利用して水廻り器具からの排水を効率よく排出する排水システムである。第1実施形態では、サイフォン排水システムを、複数階で構成された集合住宅に用いた例について説明する。なお、サイフォン排水システムは、集合住宅に好適に用いられるが、集合住宅以外の戸建て住宅や工場等にも用いることができる。
第1実施形態に係るサイフォン排水システム10は、図1に示すように、排水を下方へ流す排水立て管12を備えている。この排水立て管12は、集合住宅の上下方向(縦方向)に延設され、集合住宅の各階の床スラブ14を貫いている。
集合住宅の各階の各戸には、排水がなされる水廻り器具16が設けられている。水廻り器具16は、例えば、台所流しで構成されている。なお、水廻り器具16としては、洗面台、洗濯機、ユニットバス及びトイレ等のいずれかで構成されていてもよい。
水廻り器具16には、図1及び図2に示すように、汚臭やガス等の逆流を防止するための排水トラップ17が設けられている。排水トラップ17は、いわゆる碗トラップで構成されている。また水廻り器具16の排水口16A部分には、目皿19が設けられている。
なお、本実施形態では、排水トラップ17として碗トラップを用いているが、排水トラップ17としては、SトラップやPトラップなど他のトラップを用いてもよい。
また、図3に示すように、水廻り器具16には、水廻り器具16の排出口16Aに投入された生ゴミ等の投入物を粉砕し、その粉砕物を排水と共に流下可能にするディスポーザ21を設けた構成であってもよい。
この水廻り器具16には、水廻り器具16から下方に延び、水廻り器具16からの排水を下方へ流す排水導入管18が設けられている。この排水導入管18は、一端部(上流端部)が水廻り器具16の下端部に接続され、他端部(下流端部)がサイフォン排水管22に接続されている。
なお、排水導入管18は、縦方向に伸びている必要は無く、若干斜めに傾いていてもよい。
サイフォン排水管22は、床スラブ14上に無勾配で設置され排水導入管18と連通して横方向に延びる横引き管24と、この横引き管24と連通して排水立て管12に沿って下方へ延びる竪管26と、を有している。
なお、横引き管24は、若干の勾配や逆勾配があってもよく、傾斜して横方向に配置される構成であってもよい。
竪管26は、排水立て管12に配置された合流継手23に接続されており、合流継手23を介して排水立て管12と連通している。
横引き管24及び竪管26は、一つの経路で構成される排水管で構成され、サイフォン排水管22内では、排水立て管12までは他の排水管と途中で合流することなく、排水立て管12へ排水を導くようになっている。
横引き管24は、排水導入管18からの排水を横方向へ流し、竪管26は、横引き管24からの排水を流下させることによりサイフォン力を発生させる。横引き管24内の排水には、竪管26で発生するサイフォン水頭Hsのエネルギーにより、排水方向へ向かうサイフォン力が作用される。
また、横引き管24及び竪管26は細くなれば、排水が満水の状態になりサイフォン力が発生しやすい一方、排水処理量が低下する。従って、横引き管24及び竪管26は、サイフォン力の発生のしやすさ及び必要な排水処理量を考慮した上で管の内径が設定され、例えば、20Aにされている。
ここで、第1実施形態に係るサイフォン排水システム10では、図2に示すように、排水導入管18が、直線状に延びる直線管部18Aと、直線管部18Aの上流側に配置される上流管部18Bと、直線管部18Aの下流側に配置される下流管部18Cと、を備えている。
上流管部18Bは、水廻り器具16の下端部に固定され、水廻り器具16の排水トラップ17と連通している。具体的には、水廻り器具16の排水トラップ17の下端部に、外周にねじ部15Aが形成された筒体15が形成されており、この筒体15に止水リング13を介して、上流管部18Bがねじ止めされている。
これにより、上流管部18Bの上流端部(図2における上端部)は、排水トラップ17の排水が流出する流出口17Aと連通し、排水トラップ17から流出された排水が上流管部18Bに流入する。
直線管部18Aは、上下方向(縦方向)に延びる垂直管で構成されており、上流端の端面21Aが上流管部18Bの下流端の端面25Aと面接触している。この端面25Aは、上流管部18Bの軸方向に直交する方向に沿った面とされている。端面21Aは、直線管部18Aの軸方向に直交する方向に沿った面とされている。
下流管部18Cは、R状に形成されたR部分を含んで構成されており、下流端部が横引き管24の上流端部に継手39を介して接続されている。
下流管部18Cの上流端の端面27Aは、直線管部18Aの下流端の端面21Bと面接触している。端面21Bは、直線管部18Aの軸方向に直交する方向に沿った面とされている。端面27Aは、下流管部18Cの軸方向に直交する方向に沿った面とされている。
排水導入管18には、直線管部18Aを径方向へ取り外し可能に直線管部18Aの上流端部と上流管部18Bとを接続する第1継手51が設けられている。
第1継手51は、図4(A)に示すように、直線管部18A及び上流管部18Bの外周を囲み、軸方向にスライド移動することにより直線管部18Aを径方向へ取り外し可能にする筒状の筒状部材51Aを備えて構成されている。筒状部材51Aは、例えば、ビニル樹脂やゴムで形成されている。
筒状部材51Aには、筒状部材51Aの外周から筒状部材51Aを締め付ける締付部材51Bが設けられている。これにより、直線管部18Aと上流管部18Bとの間の水密が確保される。
締付部材51Bとしては、図4(C)に示すように、装着される管部(直線管部18A、上流管部18B及び下流管部18Cのいずれか)の外周を挟持する挟持部材70と、ねじ部材72とを備える構成とすることが可能である。
挟持部材70は、一端及び他端が分離してC形状にされた環状部70Aと、環状部70Aの一端及び他端から径方向外側へ延出された一対の延出部70B、70Cと、を備えて構成されている。
ねじ部材72は、一対の延出部70B、70Cに形成された貫通孔73に挿し通されている。ねじ部材72の一端部には、ねじの回転操作をするための把持部72Aが形成されており、他端部には、ナット74がねじ込まれている。
把持部72Aと延出部70Bとの間には、ねじ部材72に形成されねじ部材72の径方向外側に張り出すフランジ部72Bが形成されている。ナット74と延出部70Cとの間には、ねじ部材72が貫通する板部材76が設けられている。
把持部72Aを掴んで、ねじ部材72を回転させてねじ部材72をナット74にねじ込むことにより、フランジ部72Bと板部材76が近づくことで、一対の延出部70B、70Cが近づき、環状部70Aの内径(内部領域)が縮小し、装着される管部を締め付ける。また、ねじ部材72を逆回転させることにより、フランジ部72Bと板部材76が遠ざかることで、一対の延出部70B、70Cが遠ざかり、環状部70Aの内径(内部領域)が拡大し、装着される管部の締め付けを緩める。
また、締付部材51Bとしては、図4(B)に示すように、針金等の線条部材がその一部が重なるように巻かれて環状に形成された一対の環状部80A、80Bと、針金等の線条部材により環状部80A、80Bに一体に設けられた一対の操作部82A、82Bとを備えている。
環状部80の内径は、管部(直線管部18A、上流管部18B及び下流管部18Cのいずれか)の外径よりも小さくされている。
操作部82Aの線条部材は、コの字状(Uの字状)に形成され、一端が環状部80Aの線条部材の一端と連結され、他端が環状部80Bの線条部材の一端と連結されている。
操作部82Bの線条部材は、コの字状(Uの字状)に形成され、一端が環状部80Aの線条部材の他端と連結され、他端が環状部80Bの線条部材の他端と連結されている。
操作部82A、82Bが近づくように操作することにより、環状部80の内径が拡大され、操作部82A、82Bを離すことにより、元の内径に戻るように縮径される。
なお、締付部材51Bの構成としては、図4(B)及び図4(C)に示される構成にかぎられず、種々の構成とすることが可能である。
また、筒状部材51Aのみで水密が確保できる止水機能を有する場合等においては、締付部材51Bを用いない構成であってもよい。また、1つの筒状部材51Aに対する締付部材51Bの個数は、2つに限られず、3つ以上であっても良いし、1つであってもよい。
排水導入管18には、直線管部18Aを径方向へ取り外し可能に、直線管部18Aの下流端部と下流管部18Cとを接続する第2継手52が設けられている。
第2継手52は、直線管部18A及び下流管部18Cの外周を囲み、軸方向にスライドすることにより直線管部18Aを径方向へ取り外し可能にする筒状の筒状部材52Aを備えて構成されている。筒状部材52Aは、例えば、ビニル樹脂やゴムで形成されている。
筒状部材52Aには、筒状部材52Aの外周から筒状部材52Aを締め付ける締付部材52Bが設けられている。これにより、直線管部18Aと下流管部18Cとの間の水密が確保される。
締付部材52Bとしては、締付部材51Bと同様に、図4(B)及び図4(C)に示す構成とすることができる。
なお、締付部材52Bの構成としては、図4(B)及び図4(C)に示される構成にかぎられず、種々の構成とすることが可能である。
また、筒状部材52Aのみで水密が確保できる止水機能を有する場合等においては、締付部材52Bを用いない構成であってもよい。また、1つの筒状部材52Aに対する締付部材52Bの個数は、2つに限られず、3つ以上であっても良いし、1つであってもよい。
なお、第1継手51及び第2継手52としては、図5及び図6に示すように、「ストラブカップリング(登録商標) ショーボンドカップリング株式会社製」などを用いても良い。
このストラブカップリング(登録商標)60を用いた構成では、ボルト62を締め付けると、断面C形状の筒形のハウジング64が縮径される。ハウジング64を縮径させると、ゴムで形成された環状のゴムスリーブ66が縮径する。これにより、ゴムスリーブ66の内周側に折曲形成されたリップ部68が、直線管部18Aと上流管部18B(第2継手52においては、下流管部18C)に密着し、直線管部18Aと上流管部18B(第2継手52においては、下流管部18C)との間が密閉される。
(第1実施形態に係るサイフォン排水システム10の作用)
次に、第1実施形態に係るサイフォン排水システム10の作用を説明する。
第1実施形態に係るサイフォン排水システム10の構成によれば、水周り器具16からの排水は、排水導入管18内を下方へ流れる。排水導入管18内を下方へ流れた排水は、さらに、横引き管24内を横方向へ流れる。
次いで、排水は、竪管26を流下し、竪管26におけるサイフォン水頭Hsのポテンシャルエネルギーにより、サイフォン力が発生する。このサイフォン力により、排水導入管18、横引き管24及び竪管26内の排水が誘導され、その排水が促進される。
このため、竪管26側へ下る下り勾配が横引き管24になくとも、逆に若干の逆勾配があったとしても、サイフォン力により排水を導くことができる。
ここで、サイフォン排水システム10では、図7(A)に示すように、横引き管24よりも上流側(例えば、下流管部18CのR部分)に異物が詰まった場合には、図7(B)に示すように、まず、締付部材51B及び締付部材52Bの締め付けを緩め、筒状部材51A及び筒状部材52Aを軸方向へずらす。なお、筒状部材51Aは、上流管部18B側へずらされており、筒状部材52Aは、直線管部側にずらされている。
次に、図7(C)に示すように、排水導入管18の直線管部18Aをその径方向へ移動させて、直線管部18Aを取り外し、異物を除去することができる。
直線管部18Aを軸方向に取り外す場合では、上流管部18B及び下流管部18Cが邪魔になるため、上流管部18B及び下流管部18Cを少なくとも一方を移動させる必要が生じるが、第1実施形態の構成では、直線管部18Aが径方向に取り外せるので、上流管部18B及び下流管部18Cを移動することなく位置固定したまま、直線管部18Aを取り外せ、異物の除去が容易となる。
なお、異物が詰まる原因としては、細長い異物が水廻り器具16の目皿19を通り抜けて排水導入管18内に入り込み場合や排水トラップ17や排水導入管18のメンテナンスの際に誤って排水導入管18内に異物を落としてしまった場合などが考えられる。
また、ディスポーザ21を設けた構成においては、粉砕物と共に排水を流すものであるから、排水導入管18内の下流管部18Cなどに粉砕物及び排水が残留して詰まる場合が考えられる。
(第2実施形態に係るサイフォン排水システム100の構成)
次に、第2実施形態に係るサイフォン排水システム100の構成について説明する。
第2実施形態に係るサイフォン排水システム100の全体構成は、第1実施形態に係るサイフォン排水システムと同様であるので、異なる部分を以下に説明する。また、第1実施形態と同一部分については、同一の符号を付している。
第2実施形態に係るサイフォン排水システム100は、図8に示すように、水廻り器具16からの排水によって押圧された排水導入管18内の空気が流出可能とされた空気室28と、この空気室28と排水導入管18とを連通させる連通管30とを備えている。
空気室28は、膜体で形成された袋状の袋部材34の内部に形成されており、室内が拡縮可能な密閉空間とされている。
袋部材34には開口34Aが形成されており、この開口34Aに連通管30が接続されている。袋部材34としては、伸縮自在に弾性材料で形成されたものなどを用いることができ、材質としては、例えば、ゴム、ビニル、エラストマーなどを用いることができる。
袋部材34は、内部の空気室28に空気が流入することにより、膨出した膨出状態となり、内部の空気室28から空気が流出することにより、扁平となった扁平状態となる。
空気室28を形成する形成部材としては、袋部材34に限られず、種々の部材を用いることが可能である。形成部材としては、例えば、ピストンが往復移動可能に設けられたシリンダで構成してもよい。この構成では、ピストンが往復移動することにより、シリンダの内部に形成される空気室が拡縮する。
また、形成部材としては、図9に示すように、蛇腹状にされた側壁37Aを有する筒状の蛇腹状部材37であっても良い。蛇腹状部材37は、一端部(図9における上端部)が閉鎖され、他端部(図9における下端部)が開放され、この開放端部が連通管30と連通している。蛇腹状部材37は、蛇腹状の側壁37Aが伸縮可能とされており、図10に示すように側壁37Aが伸長することにより、空気室28が拡大され、図9に示すように側壁37Aが縮むことにより、空気室28が縮小される。
連通管30は、サイフォン起動基準水頭よりも上方で排水導入管18の下部と一端部(上流端部)が連通し、他端部(下流端部)が水廻り器具16の下方位置において上方に延出されると共に空気室28と連通している。これにより、空気室28は、サイフォン起動基準水頭よりも上方で排水導入管18と連通している。なお、図中には、サイフォン起動基準水頭を符号Hisにて示している。
連通管30の上流端部は、具体的には、排水導入管18の直線管部18Aに接続されている。これにより、袋部材34(空気室28)が直線管部18Aと一体に取り外せるので、袋部材34(空気室28)のメンテナンス作業等が容易となる。なお、連通管30の上流端部は、排水導入管18の上部に接続されていても良い。
また、連通管30の上流端部は、図11に示すように、排水導入管18の下流管部18Cに接続されていても良いし、サイフォン起動基準水頭よりも下方で排水導入管18に接続されていても良い。
また、連通管30の下流端部は、図12に示すように、水廻り器具16の上方に配置されていても良い。このように、連通管30の下流端部を水廻り器具16の上方に配置すれば、空気室28が水廻り器具16の上方に配置でき、空気室28内に排水導入管18から排水がより流入するのを防止できる。また、連通管30の下流端部は、水廻り器具16と同じ高さをされていても良い。
また、連通管30は、中間部が屈曲してL字状に形成されており、排水導入管18から横方向に延びる横管30Aと、横管30Aから上方に延びる縦管30Bとで構成されている。なお、連通管30は、図13に示すように、排水導入管18から斜め上方に延びる構成であってもよいし、図14に示すように、水平方向に延びる構成であっても良い。
なお、サイフォン起動基準水頭は、サイフォン力が発生するために必要な排水の排水管(排水導入管18及びサイフォン排水管22)内における水位である。これは、サイフォン排水管中への水の押し込みの圧力としてある程度の圧力が必要で、この圧力が得られる水位にならないと、どれだけ時間が経過してもサイフォン力が発生しないという現象に基づくものである。
なお、連通管30がない構成であっても良く、袋部材34が直接排水導入管18に連通している構成であってもよい。
また、連通管30には、外部からの空気を排水導入管18へ通過させると共に排水導入管18から外部へ排水を通過させない通気弁32が設けられている。この通気弁32としては、後述のメンブレンバルブなどのように弾性体を用いたものや、ボール式逆止弁など、種々の機械要素により構成された逆止弁を用いることが可能である。
また、空気室28から排水導入管18側へ流入する空気の流入抵抗が、通気弁32から排水導入管18側へ流入する空気の流入抵抗よりも小さくなっている。すなわち、排水導入管18へは、通気弁32からよりも空気室28からのほうが、空気が流入しやすくなっている。
この空気の流入しやすさは、例えば、空気室28を形成する形成部材の柔軟性が高くして、空気室28が拡縮しやすくすることにより調整できる。また、形成部材として、ゴムなどの弾性変形するものを用いて、拡大した空気室28を縮小しようとする復元力を発揮させることで、さらに、空気室28から排水導入管18に空気が流入しやすくなる。
また、空気室28と排水導入管18との間の経路における流通抵抗によっても、流入抵抗を調整可能となる。例えば、その経路の流路幅が広くすること及び流路長さが短くすることで流通抵抗を小さくし、空気室28から排水導入管18に空気が流入しやすくすることができる。
通気弁32は、連通管30ではなく、図15に示すように、排水導入管18の上流管部18Bに配置される構成であってもよい。また、サイフォン排水システム100としては、通気弁32を有さない構成であってもよい。
また、図16に示すように、自封式の排水トラップを通気弁として用いる構成であってもよい。
図16に示す構成では、水廻り器具16には、通気弁として用いられる自封式の排水トラップの一例としてのメンブレンバルブ40が設けられている。このメンブレンバルブ40は、弾性材料で筒状に形成され、上流側が常時開口しており、下流側が開閉可能とされ、かつ自由状態では閉じている。
また、メンブレンバルブ40は、排水導入管18に沿って縦方向に取り付けられており、上流端部40Aが上側に配置され、下流端部40Bが下側に配置されている。
メンブレンバルブ40は、ゴム等の弾性体からなる筒状の成形品であり、自由状態では、上流端部40A側は、図16(A)、図17(A)及び図18(A)に示すように、円形に形成されて開口しているが、図18に示すように、下流端部40Bへ向かうにしたがって徐々に潰された形状に形成され、中間部では断面が楕円形とされ、下流端部40Bでは図17(B)に示すように、軸方向から見て直線状となって互いに対向する内周面が接触して開口が閉じた状態となっている。
下流端部40Bは、開口が開閉可能に閉じており、メンブレンバルブ40に排水が流入していないときであって、排水導入管18が負圧となっていないときに開口が閉じた状態で維持されるように癖付けられる。
また、下流端部40Bは、メンブレンバルブ40に排水が流入したとき及び排水導入管18内が負圧となったときに、図17(C)及び図18(B)に示すように、その圧力で開口するようになっている。
(第2実施形態に係るサイフォン排水システム100の作用)
次に、第2実施形態に係るサイフォン排水システム100の作用を説明する。
サイフォン排水システム100において、少量の排水がなされた場合では、図19(A)に示すように、排水導入管18の直線管部18Aを流れる排水は、図19(B)に示すように、排水導入管18の下流管部18C(R部分)及び横引き管24の上流端部に溜りはじめ、図19(C)に示すように、排水導入管18の下流管部18C(R部分)及び横引き管24の上流端部を塞いでしまう場合がある。
また、特に、ディスポーザ21を設けた構成においては、粉砕物と共に排水を流すものであるから、排水導入管18内のR管18Bなどに粉砕物及び排水が残留しやすく、排水導入管18内の空気が下流側に排出されにくい状態となりやすい。
このように、排水導入管18内の下流管部18Cや横引き管24の上流端部などに溜まった排水などによって、排水導入管18内の空気が下流側に排出されにくい状態となった場合において、図20に示すように、水廻り器具16から排水がなされると、排水導入管18が正圧となり、水廻り器具16からの排水に押圧される排水導入管18内の空気が空気室28に流入し始める。
排水導入管18内の空気が空気室28に流入して、図21に示すように、袋部材34が膨出状態となり、排水導入管18内の空気が空気室28に逃げることができる。
これにより、水廻り器具16からの排水は、排水導入管18をほぼ自由落下の速度が流れるため、排水導入管18をスムーズに流れ、水廻り器具16の排水口16A付近の排水の滞留が抑制できる。
また、図19に示すように、排水導入管18の下流管部18C及び横引き管24の上流端部が排水で塞がれることで、水廻り器具16の排水トラップ17との間、つまり、排水導入管18内で空気が閉じ込めるため、排水導入管18に空気室28を連通される第2実施形態の構成によれば、横引き管24の中間部分や横引き管24の下流端部で空気室28を連通させる構成に比較して、排水の抵抗となる空気を効率よく逃がすことが可能となる。
また、水廻り器具16からの排水が、排水導入管18をほぼ自由落下の速度が流れるため、横引き管24に勢いよく排水が流入するので、サイフォン力の起動が早くなる。
また、第2実施形態の構成では、空気室28に空気が流入しても、空気室28は、密閉された空間であるので、汚臭等が外部に漏れない。
また、第2実施形態の構成では、サイフォン起動基準水頭よりも上方で、空気室28が排水導入管18と連通しているので、空気室28内に排水導入管18から排水が流入しにくい。
また、第2実施形態の構成によれば、連通管30は、上方に延出された他端部が空気室28と連通するので、空気室28内に排水導入管18から排水がより流入しにくい。
また、第2実施形態の構成によれば、水廻り器具16の下方スペースにおいて、連通管30を上方へ長く延ばせるので、空気室28内に排水導入管18から排水がより流入しにくいと共に水廻り器具16の下方スペースへの連通管30の納まりがよい。
また、図22に示すように、排水導入管18内を流れた排水が、横引き管24を流れ、竪管26を流下してサイフォン力が作用すると、排水導入管18内の排水と共に空気が下流側に引っ張られ、図23に示すように、空気室28内に逃げた空気が排水導入管18に流入し、袋部材34が扁平状態となる。これにより、排水導入管18内が負圧となりにくくなる。
さらに、図24に示すように、空気室28内の空気が無くなった後に排水導入管18内の空気が下流側に引っ張られた場合では、通気弁32から空気が流入し、排水導入管18内がより負圧となりにくい。
これにより、排水導入管18内が負圧となることで生じる問題、例えば、水廻り器具16の水封式の排水トラップで空気を吸い込むことで生じる騒音や排水トラップの破封などを解消できる。
図25は、水廻り器具16において洗い流しがなされた場合における排水導入管18内の圧力変動と、その圧力変動に伴う袋部材34の状態変化及び通気弁32の通気状態を示したものである。図25中の矢印Aは、袋部材34が膨出状態にあることを示し、矢印Bは、袋部材34が扁平状態にあることを示し、矢印Cは、通気弁32が通気状態にあることを示す。
水廻り器具16において洗い流しがなされると、サイフォン力が起動するまでの時間において、排水導入管18内が正圧となり、また、サイフォン力が起動した後は、不定期にサイフォン力がきれた際に瞬間的に排水導入管18内が正圧となる。排水導入管18内が正圧となった場合に、袋部材34が膨出状態となる。排水導入管18内が正圧となる時間は、限られているので、袋部材34のように空気室28の容量が限られているものでも対応可能である。
一方、サイフォン力が起動してサイフォン力が作用している間は、排水導入管18内は、負圧となる。排水導入管18内が負圧となった場合には、袋部材34が扁平状態となる。
排水導入管18内が負圧となる時間は、排水導入管18内が正圧となる時間よりも長いため、袋部材34のように空気室28の容量が限られているものだけでなく、第2実施形態のように、排水導入管18に空気を流入可能な通気弁32が設けられていることが望ましい。
また、排水導入管18内の正圧と負圧とは繰り返されるので、第2実施形態のように、空気室28内に逃げた空気が最初に排水導入管18に流入してから、通気弁32から空気が流入することにより、正圧となったときに空気室28の室内が縮小されて元の状態に戻っていることが望ましい。これにより、負圧となった後に再び正圧となった場合でも、その排水に押圧される排水導入管18内の空気を空気室28内に逃がすことができ、水廻り器具16の排水口16A付近の排水の滞留が効果的に抑制できる。
本発明は、上記の実施形態に限るものではなく、種々の変形、変更、改良が可能である。例えば、第1実施形態及び第2実施形態では、サイフォン排水システムについて説明したが、勾配によらない送水力を排水に作用させて排水する排水システムとしては、サイフォン排水システムに限られず、図26に示すように、真空ポンプ90を用いて排水する排水システムであっても良い。
図26に示す排水システムでは、竪管26が設けられておらず、横引き管24が継手92によって排水立て管12に接続されている。真空ポンプ90は、横引き管24の下流側(排水立て管12側)に設けられ、横引き管24の下流側で負圧を発生させて、排水を吸引することにより排水する。
勾配によらない送水力を排水に作用させて排水する排水システムとしては、図27に示すように、圧送ポンプ94を用いて排水する排水システムであっても良い。
図27に示す排水システムでは、竪管26が設けられておらず、横引き管24が継手92によって排水立て管12に接続されている。圧送ポンプ94は、排水導入管18(具体的には、上流管部18Bに設けられ、排水導入管18で加圧して、排水を下流側へ押圧することにより排水する。なお、圧送ポンプ94は、横引き管24の上流端部に配置されていてもよい。
10、100 サイフォン排水システム
16 水廻り器具
18 排水導入管
18A 直線管部
18B 上流管部
18C 下流管部
21 ディスポーザ
24 横引き管
26 竪管
28 空気室
30 連通管
32 通気弁
34 袋部材
40 メンブレンバルブ(自封式の排水トラップの一例)
51 第1継手
52 第2継手
51A 筒状部材
52B 筒状部材

Claims (13)

  1. 直線状に延びる直線管部と、該直線管部の上流側に配置される上流管部と、該直線管部の下流側に配置される下流管部とを有し、水廻り器具からの排水を下方へ流す排水導入管と、
    前記排水導入管と連通して横方向へ延び、前記排水導入管からの排水を横方向へ流す横引き管と、
    前記直線管部を径方向へ取り外し可能に、前記直線管部の上流端部と前記上流管部とを接続する第1継手と、
    前記直線管部を径方向へ取り外し可能に、前記直線管部の下流端部と前記下流管部とを接続する第2継手と、
    前記横引き管と連通して下方へ延び、前記横引き管からの排水を流下させることにより、前記送水力としてのサイフォン力を発生させる竪管と、
    前記排水導入管と連通し、前記水廻り器具からの排水によって押圧された前記排水導入管内の空気が流入可能とされ、室内が拡縮可能な密閉された空気室と、
    を備え、勾配によらない送水力を前記排水に作用させて排水する排水システム。
  2. 前記直線管部は、上流端の端面が前記上流管部の下流端の端面と面接触し、下流端の端面が前記下流管部の上流端の端面と面接触する請求項1に記載の排水システム。
  3. 前記第1継手は、前記直線管部及び前記上流管部の外周を囲み、軸方向にスライド移動することにより前記直線管部を径方向へ取り外し可能にする筒状の筒状部材を備えて構成され、
    前記第2継手は、前記直線管部及び前記下流管部の外周を囲み、軸方向にスライド移動することにより前記直線管部を径方向へ取り外し可能にする筒状の筒状部材を備えて構成されている請求項1又は2に記載の排水システム。
  4. 前記第1継手としての前記筒状部材は、前記直線管部と前記上流管部との間を水密にする止水機能を有し、前記第2継手としての筒状部材は、前記直線管部と前記下流管部との間を水密にする止水機能を有する請求項3に記載の排水システム。
  5. 前記空気室は、前記直線管部で連通し、前記直線管部と一体に取り外しされる請求項1〜4のいずれか1項に記載の排水システム。
  6. 前記空気室は、サイフォン起動基準水頭よりも上方で前記排水導入管と連通している請求項1〜5のいずれか1項に記載の排水システム。
  7. 前記サイフォン起動基準水頭よりも上方で前記排水導入管と一端部が連通し、他端部が上方に延出されると共に前記空気室と連通する連通管を備える請求項6に記載の排水システム。
  8. 前記連通管は、一端部が前記排水導入管の下部と連通し、他端部が上方に延出している請求項7に記載の排水システム。
  9. 前記外部からの空気を前記排水導入管へ通過させると共に前記排水導入管から前記外部へ排水を通過させない通気弁を備える請求項1〜8のいずれか1項に記載の排水システム。
  10. 前記空気室から前記排水導入管側へ流入する空気の流入抵抗が、前記通気弁から前記排水導入管側へ流入する空気の流入抵抗よりも小さい請求項9に記載の排水システム。
  11. 前記通気弁は、
    前記水廻り器具の排水口に設けられ、弾性材料で筒状に形成され、上流側が常時開口しており、下流側が開閉可能とされ、かつ自由状態では閉じている自封式の排水トラップである請求項9又は10に記載の排水システム。
  12. 前記空気室が内部に形成され、膜体で形成された袋状の袋部材を備える請求項1〜11のいずれか1項に記載の排水システム。
  13. 前記水廻り器具には、水廻り器具の排出口に投入された投入物を粉砕し、その粉砕物を排水と共に流下可能にするディスポーザが設けられている請求項1〜12のいずれか1項に記載の排水システム。
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