JP5511756B2 - 採暖用温度制御器 - Google Patents

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Description

本発明は、電気毛布、電気カーペットなどの面状採暖具に用いられるコード状発熱線の温度制御器に関する。
一般に電気毛布、電気カーペットなどの面状採暖具に用いられるコード状発熱線はよく知られており、最も普及している構造を図1に示す。同図に於いて、ポリエステル繊維等の繊維束の巻芯1と、巻芯1の外周に銅または銅合金の導体を螺旋状に捻回した発熱素線2と、発熱素線2の外周に所定の温度で溶融する高分子樹脂を押出し成形してなる高分子層3と、高分子層3の外周にニッケルの導体を螺旋状に捻回した温度検知素線4と、最外周にポリ塩化ビニル樹脂等を押出し成形した絶縁被覆層5とからなっている。
なお、必要に応じて温度検知素線4と絶縁被覆層5の間にポリエステルテープを螺旋状に捻回し、絶縁被覆層5からの可塑剤移行に対するバリア層が設けられる場合がある。また、発熱素線2と温度検知素線4が逆配置のものや、温度検知素線4が銅合金等で形成されているものが一部見受けられる。
又、高分子層3は、温度上昇に伴いインピーダンスが減少する所謂負温度係数サーミスタ特性を有するものもある。
特開昭48−66480号公報 特開昭52−27594号公報 特開平6−5175号公報 特開平7−216174号公報 特開2004−221443号公報
また、温度検知素線4は一般金属と同様、温度上昇に伴い抵抗値が増加する正温度係数を有する抵抗体であり、その感度性能を表す抵抗の温度係数は、1℃当たり0.44%程度である。
このような構成のコード状発熱線1Hに於いて、温度変化による抵抗値の変化は温度検知素線4の両端から電気信号として取り出され、一般的に図3の従来例に示す回路接続によって温度制御用として利用される。
ここで、F1は加熱用抵抗器RF1と一体化された温度ヒューズ、R1、R5は減電圧抵抗器、D1、D2、D3、D4は耐電圧200V以上のダイオード、ZD1はツェナー・ダイオード、C1、C2は電解コンデンサ、R2、R3、R4は抵抗器、U1は電圧比較器、Q1はNPNトランジスタ、RY1はリレー、RYaはその接点である。
図3に於いて、商用電源AC100Vは整流ダイオードD1、D2、抵抗器R1、電解コンデンサC1と降伏電圧6.2Vのツェナー・ダイオードZD1から成る整流回路部(注:以下、上記接続を「整流回路部」と呼称する)によって、トランスレス方式でDC6.2Vの直流安定化電源Vcc1が生成され、温度制御部へ供給される。発熱素線2の一端はリレーの接点RYaの一端に接続され、前記RYaの他端は温度ヒューズF1を介してAC100VのH極に接続される。発熱素線2の他端はAC100VのN極に接続される。H極,N極で表した部分はAC100V電源の一端および他端に対応付けしたもので、AC100V電源の一端および他端をH極,N極のいずれとしてもよい。
温度変化による温度検知素線4の抵抗変化は、抵抗器R2、R3により分圧され電圧比較器U1のマイナス端子に入力され、予め設定された温度に相当する基準電圧Vrefと比較され電圧比較器U1より出力される。
電圧比較器U1の出力により、抵抗器R4とトランジスタQ1を介してリレーRY1が駆動される。図3の接続の場合、リレーRY1の駆動コイルに電流が流れている間のみ、ダイオードD1、抵抗器R5、電解コンデンサC2とリレーの内部回路定数により、リレーの駆動コイルに略平滑化された所定の直流電圧が印加されるが、C2のマイナス極はQ1のコレクタでなく、Q1のエミッタに接続してもリレー動作は可能である。
温度制御の状態は、温度検知素線4が予め設定された温度より低い場合は、リレーRY1はONとなり前記接点RYaが閉じ発熱素線2に通電され、逆に温度検知素線4の温度が設定温度より高い場合は、リレーRY1はOFFとなり前記接点RYaが開き発熱素線2への通電が遮断される。
次に、温度検知素線4の両端には、ダイオードD3,D4のアノードが各々接続され、ダイオードD3,D4のカソードは両方とも温度ヒューズ一体形加熱用抵抗器RF1の一端に接続される。温度ヒューズ一体形加熱用抵抗器RF1の他端は温度ヒューズF1を介してAC100VのH極に接続され線間短絡保護回路とされる。
線間短絡保護回路の動作は、上記の温度制御部が破損し制御不能に陥った場合、発熱素線2への通電が連続となり全体が過熱状態になるので、高分子層3が固有の融点で溶融し、発熱素線2と温度検知素線4の間が短絡し、「AC100VのN極 → 発熱素線2
→ 温度検知素線4 → D3又はD4 → RF1 → F1 → H極」の経路で大きな電流が流れ温度ヒューズ一体形加熱用抵抗器RF1が加熱され所定時間内に温度ヒューズF1が溶断し電源が遮断され、火災の発生を防止する最終的保護回路が構成される。
図3の回路で重要なことは、
第1に、温度ヒューズ一体形加熱用抵抗器RF1の他端にリレーの接点RYaの一端が接続され、温度ヒューズ一体形加熱用抵抗器RF1の他端が温度ヒューズF1を介してAC100VのH極側に接続されているが、これ以外の接続ではダイオードD3、D4の接続方向も含め、発熱素線2と温度検知素線4間の線間短絡時に十分大きな電流が流れず、所定時間内に温度ヒューズを溶断できない点である。
又、高分子層3がポリイミド樹脂の場合や、高分子層3に負温度係数を有するサーミスタ特性を持たせた場合、高温域で交流インピーダンスが大きく下がり、高分子層3に交流のリーク電流が流れるが、このような場合でも前記の接続順序によれば、他の接続に比べ影響を受け難くなっている。
なお、図3に於いて温度ヒューズF1の接続位置は、RF1とRYaとH極の接続が維持されれば必ずしもH極側でなくN極側であっても構わない。
第2に、リレーRY1とその駆動回路部を外してみると、減電圧抵抗器R1は図3のG点に移動しても、温度制御機能や線間短絡保護機能に影響を与えない対称性を有している点である。これは、整流ダイオードD1、D2他から成る整流回路部の入力側のAC電源間のどこにもダイオードが接続されていないためである。
第3に、図示しないが、リレーRY1の接点RYaがAC100VのH極側に接続されていると、リレー接点RYaの接点融着保護回路の構成が簡単になる点である。
このように従来の採暖用温度制御器は、機能面では温度制御と安全保護機能を兼ね備えた優れた構成になっている。
近年、電気毛布や電気カーペットに於いて大面積化とともに視覚や感触の面から生地やカバーが厚手になる一方、コストの面からは単位面積当たりのコード状発熱線の布線密度は少なめにすると云う市場要求が強く、必要な表面温度を維持するために発熱素線の加熱温度は高目になり、この発熱素線が終端接続される温度制御器を収納するケース内の温度上昇が増加し、体感的に違和感が生じたり安全上の不安感が生じたりする点が問題になってきた。
この問題を回避するため、温度制御器自身の発熱を抑制するため、図3に示す採暖用温度制御器に於いては、最大電流を消費するリレーRY1の駆動電圧を上げ、減電圧抵抗器R5の発熱を抑制しており、その状況は次の通りである。
リレーRY1が安価な汎用普及形のDC12V駆動の場合、その駆動電流は17mA程度であり、減電圧抵抗器R5の消費電力は500mW以上となり、温度制御器収納ケース内の温度上昇を激増させ実用性は不可能に近い。しかし、リレーRY1がDC100V駆動の場合、その駆動可能電流は一般に3.5〜5mA程度であり、減電圧抵抗器R5の消費電力は30mW程度で実用的である。
ここで、リレーRY1を駆動するための周辺部品について説明する。
リレーRY1がDC12V駆動の場合、電解コンデンサC2は耐圧35V、容量100μF程度の普及形、トランジスタQ1もVceo=50V、Ic=100mA程度の汎用普及形で十分である。しかし、リレーRY1がDC100V駆動の場合、電解コンデンサC2は耐圧250V、容量4.7μF、トランジスタQ1もVceo=300V、Ic=50mAと高耐圧の性能が必要である。
DC100Vリレーや高耐圧の電解コンデンサ及びトランジスタは、市場に於いて電気カーペット以外の用途は少なく専用部品化しており、高価である上に入手が容易でなく、経済的に極めて不利な状態が継続してきた。
加えて、このようなリレー駆動部の発熱抑制対策が成されても、前記以外に図3の温度制御器を動作させるためには、ツェナー・ダイオードZD1のアイドル電流と温度制御部とを合わせ概ね6mA程度の電流が必要であり、交流半波が加わる減電圧抵抗器R1の消費電力は200mW近いと見積もられ、温度制御器収納ケース内の温度上昇を増加させる大きな要因となっている。
これらの問題を解決するために図3の発展形として図4に示すコンデンサ入力形電源を用いた回路構成が考えられる。
図3に示した整流回路部の前段に、図4に示す位置と方向でコンデンサCfとダイオードDfを接続するものである。これは、コンデンサ入力形電源の標準的接続形式であり、Cfをフィルム・コンデンサとし、その容量を1.8μF(125VAC)程度、Dfを降伏電圧6.2V〜30Vのツェナー・ダイオード、平滑用電解コンデンサC2を耐圧35V、容量220μF程度に選択すれば、整流ダイオードD1及び減電圧抵抗器R5を介し平滑電圧Vcc2としてDC5V〜DC24V程度は容易に得られ、特にDfを降伏電圧15Vのツェナー・ダイオードにすれば、DC12V駆動リレーRY1を十分駆動することができる。
この動作条件に於いて、減電圧抵抗器R5を33Ω程度にすると、その消費電力は11mW程度である。又、整流ダイオードD1、減電圧抵抗器R1、及び降伏電圧6.2Vのツェナー・ダイオードZD1により直流安定化電圧Vcc1=6.2Vが温度制御部に供給されるが、この場合の減電圧抵抗器R1の消費電力は36mW程度である。
上記のように、図4に示すコンデンサ入力形の電源にすれば、汎用普及形で安価なDC12V駆動リレーRY1と平滑用電解コンデンサC2及びリレー駆動用トランジスタQ1を利用できるうえに、消費電力は290mW程度に抑制することができ、安価な部品を用いながら温度制御器自身の消費電力を著しく抑制することが可能となる。
しかしながら、図4に於いて、AC電源のN極が正になる半サイクルでは、「N極→
Df → D1 → R1 → R2 → D3 → RF1 → F1 → H極」の経路で電流が流れてしまい、温度制御を大幅に狂わせるとともに、温度ヒューズ一体形加熱用抵抗器RF1を加熱させ、初めからある程度の線間短絡保護機能が働く。そのため短期間のうちに温度ヒューズF1を溶断すると云う重大欠点があり実用性は否定される。
本発明は上記問題を解決するもので、その目的は、コンデンサ入力形の電源を利用しても線間短絡保護機能を確実に確保でき、温度制御器自身の消費電力も抑制して高い安全性を担保するとともに安価な部品を使用できる経済的に優れた採暖用温度制御器を提供することにある。
前記目的を達成するために本発明による請求項1記載の採暖用温度制御器は、コード状発熱線の温度制御器において、分圧抵抗器と温度検知素線との接続点の電圧により発熱素線の上昇温度を検知し、所定温度に達したときリレー接点により前記発熱素線の電源を遮断することによりユーザが設定する温度に調整する温度制御部を有し、前記発熱素線と前記温度検知素線が熱可塑性樹脂部材により分離され、前記温度制御部の正極側が交流電源のH極側になるよう配置され、交流全波の電力制御を担う前記リレー接点の一端に、前記発熱素線の一端が接続され、前記リレー接点の他端が、交流電源のH極側に接続され、発熱素線の他端が交流電源のN極側に接続された第1の接続を形成し、前記温度検知素線の両端にそれぞれアノードが接続された第1と第2のダイオードの両方のカソード温度ヒューズ一体形抵抗器の一端に接続され、該温度ヒューズ一体形抵抗器の他端が、交流電源のH極側に接続された第2の接続を形成し、第3のダイオードのカソードが交流電源のH極側に接続され、前記第3のダイオードのアノードにコンデンサの一端が接続され該コンデンサの他端が交流電源のN極側に接続されるとともに前記第3のダイオードの両端に整流回路部を含む前記温度制御部が接続された第3の接続を形成し、前記3つの接続を具備したことにより、線間短絡保護機能と正常な温度制御機能と自己消費電力の低減を実現することを特徴とする。
本発明による請求項2記載の採暖用温度制御器は、請求項1記載の採暖用温度制御器に於いて、前記発熱素線は巻芯に所定のピッチで螺旋巻きされ、前記熱可塑性樹脂部材は前記発熱素線上に密着配置され略130℃から190℃間の温度で溶融する高分子層であり、前記温度検知素線は前記高分子層の外周に一定のピッチで螺旋巻きされ、前記温度検知素線上に該温度検知素線を絶縁する被覆層を具備したことを特徴とする。
本発明による請求項3記載の採暖用温度制御器は請求項1または2記載の採暖用温度制御器に於いて、前記第3のダイオードは、整流ダイオードまたはツェナー・ダイオードであることを特徴とする。
本発明による請求項4記載の採暖用温度制御器は請求項1または2記載の採暖用温度制御器に於いて、前記温度検知素線は正の温度係数を有する金属線であることを特徴とする。
以下、本発明の構成を詳細に説明する。
本発明による温度制御器の回路を図2に示す。
図2が図4に比較し異なっている部分は、コンデンサCfの位置をAC電源のN極側に移動し、コンデンサ入力形の標準的接続形式とは逆順序の構成としている点である。
これにより、AC電源のN極側が正の半サイクルになったとき、コンデンサCfは充電期間に当たり、整流回路部の入力側はダイオードDf(第3のダイオード)の順方向電圧降下分しか電圧印加されない。そのため、温度ヒューズ一体形加熱用抵抗器RF1には殆ど電流は流れず加熱は起きない。
しかし、大もとのAC電源から見ると、コンデンサCfが半波のAC100Vで充電されるので、それに同期して「AC電源のN極 → 発熱素線2 → 高分子層3 → 温度検知素線4→ D3(第1のダイオード)、D4(第2のダイオード) → RF1
→ F1 → H極」を結ぶ線間短絡保護経路には半波のAC100Vが印加された状態で生きており、保護機能は問題なく維持されている。なお、温度ヒューズF1の接続位置は、加熱用抵抗器RF1と熱的に結合されているのでN極側であっても構わない。
ここで重要な点は、線間短絡保護回路を具備しながらコンデンサ入力形の電源にする場合、ダイオードDfが整流回路部の入力側に接続されているため、コンデンサCfがAC電源のH極側に接続される場合と、N極側に接続される場合とで対称性を有する動作とならないことであり、本発明の核心である。
これは、図3に示した抵抗入力形の電源の場合、減電圧抵抗器R1がH極側に接続される場合とN極側に接続される場合とで対称性を保って動作をするのと大きな違いである。
本発明にかかるコード状発熱線に用いられる芯線は、ポリエステル繊維束、ポリイミド繊維束、ガラス繊維束などであるが、耐熱性、柔軟性及びコストの面からポリエステル繊維束が好適である。用途に応じて耐熱性、柔軟性に優れた繊維束であれば特に限定されないし、また多種繊維の混合束であってもよい。
本発明のコード状発熱線に用いられる所定のピッチで螺旋巻きされた発熱素線は、材質として純銅線や銅と錫の合金線、及び銅と銀の合金線などがある。形状は丸線状や薄板状にすることも可能であり、それらは単線のままであったり、撚線にされたり、または多条に引き揃えられて螺旋巻きされたりするが、所定の寸法で所定の抵抗値を得るために条件の選択は何ら限定されるものではない。
本発明にかかるコード状発熱線に用いられる高分子層は、塩化ビニル樹脂やポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂やこれら各樹脂の共重合体などの熱可塑性樹脂からなるが、電気毛布や電気カーペットなどの製品の表面温度やコード状発熱線の耐熱温度に対し、高分子層の溶融温度は130℃以上190℃以下が良く、好ましくは150℃〜170℃で比較的急な溶融特性を示すポリアミド樹脂やポリアミド・エラストマーまたはそれらの混和物が好適である。
ここで、高分子層の溶融温度が130℃以下では、通常の温度制御に於いて発熱素線のピーク温度が瞬間的に120℃付近まで上昇する場合があり、これが繰り返し発生すると短期間で発熱素線と温度検知素線が短絡してしまう可能性が高くなり、190℃以上では、発熱素線の過熱が進み発煙やコゲの発生が増加するので適切ではない。
本発明に用いられるダイオードDfは、ツェナー・ダイオードが一般的であるが、整流ダイオードも利用できる。しかし、前記Dfが整流ダイオードの場合、リレーRY1がOFFのとき、図2のVcc2電圧がAC電源近くまで上昇するので、電解コンデンサC2やトランジスタQ1は、図3の従来例で示したような高耐圧形が必要になる。これを避けるためには、リレーRY1に印加される電圧をDC12Vにするツェナー・ダイオードなどの電圧レギュレータの接続が必要になるが、温度制御部に供されるVcc1電圧との兼ね合いを考慮した合理的な設計ができる場合は効果的である。
高分子層の外周に螺旋巻きされた温度検知素線は、正の温度係数を有する金属線であれば特に限定されない。金属の中では温度係数が比較的高めで、伸線加工や巻線加工などの機械的ストレスを受けても抵抗値や温度係数が安定しているニッケルが利用され、ニッケルは正の温度係数を有し温度対抵抗特性が直線的で再現性に優れ経時変化の少ない温度検知素線として好適である。
温度検知素線の外周に密着して電気絶縁性が高くしなやかで且つ安価な塩化ビニル樹脂などの絶縁被覆層が押出し成形などにより形成されコード状発熱線とされる。
本発明による採暖用温度制御器によれば、電源はコンデンサ入力形であるので、ある程度大きめの電流を取り出しても、電源自身の消費電力は極めて少ないうえに、減電圧抵抗器の消費電力も従来より大幅に削減しながら普及形汎用部品を使用できるため、経済効果は極めて大きいと言える。
また、コンデンサとダイオードの位置関係を、標準的接続形式とは逆位置に接続するコンデンサ入力形の電源を構成することにより、従来の線間短絡保護回路の接続構成をそのまま利用できるので、長年にわたり実証された信頼性の高い線間短絡保護機能を継承できる。
更に、AC電源の極性とリレーの接点、及び発熱素線の接続関係も従来と同一にできるので、従来から実用化されてきた各種の保護回路や付随回路を若干変更する程度で継承できる。
本発明による採暖用温度制御器によれば、高分子層の溶融温度が130℃以上190℃以下、好ましくは150℃以上170℃以下の高分子樹脂から形成されているので、用途に応じて適切な材質を選択することにより、最終的な過熱防止機能を柔軟に確保することができる。
本発明による採暖用温度制御器によれば、コンデンサ入力形の電源を構成するダイオードは、全体の回路構成を見ながらツェナー・ダイオードでも整流ダイオードでも選択できる柔軟性を確保することができる。
本発明によるコード状発熱線によれば、温度検知素線は正の温度係数を有する金属線で温度係数は小さいが、温度対抵抗特性が直線的で経時変化が非常に小さいので、精密で安定で再現性に優れた温度制御が可能となる。
本発明による採暖用温度制御器に適用されるコード状発熱線の構造を説明するための図である。 本発明による採暖用温度制御器の実施形態を示す回路図である。 従来例1及び従来例2にかかる抵抗入力形の電源を用いた温度制御器の一例を示す回路図である。 当初発明者が構想したコンデンサ入力形の電源を用いた温度制御器の回路図である。
以下、図面などを参照して本発明による採暖用温度制御器の実施の形態を更に詳しく説明する。なお、本発明はその要旨を逸脱しない限り、以下の内容に限定されるものではない。特に、回路接続の極性反転については、同義と看做されるものである。
図1は、本発明による採暖用温度制御器に適用されるコード状発熱線の一方端を示すもので、絶縁被膜層,高分子層などを一部省略して示した図である。
このコード状発熱線1Hは、ガラス繊維またはポリエステル繊維等の繊維束の巻芯1と、巻芯1の外周に銅または銅合金の平角導体を螺旋状に捻回した発熱素線2と、発熱素線2の外周に高分子樹脂を押出し成形してなる高分子層3と、高分子層3の外周には一定のピッチで螺旋巻きされた温度検知素線4と、最外周にポリ塩化ビニル等を押出し成形した絶縁被覆層5とから構成されている。
ここで、高分子層3はポリアミド樹脂の中でも吸水率の小さいナイロン12が好ましく、これに各種のポリアミド・エラストマーや可塑剤及び耐熱安定剤などを混合し、ニーダーまたは押出機で混練してナイロン12混和物のペレットが得られる。ペレットは、押出機により発熱素線2の外周に所定の厚さで押出成形され高分子層3が形成される。
また、絶縁被覆層5のポリ塩化ビニル樹脂混和物に含まれる可塑剤が高分子層3へ移行するのを防止するため、温度検知素線4と絶縁被覆層5の間にポリエステルテープを縦添え形成したバリア層を設けてもよい。
つぎに図1に示したコード状発熱線の実施の形態について測定内容およびその測定結果を説明する。
図1に示した実施の形態についての諸データは次の通りである。
巻芯1の材質 :ポリエステル繊維束
発熱素線2の材質 :銅錫合金
発熱素線2の寸法 :断面0.06×0.42mm、ピッチ0.86mm
高分子層3の材質 :ナイロン12混和物
高分子層3の寸法 :厚さ0.33mm
温度検知素線4の材質 :ニッケル
温度検知素線4の寸法 :断面径φ0.08mm、ピッチ0.86mm
絶縁被覆層5の材質 :ポリ塩化ビニル樹脂混和物
絶縁被覆層5の寸法 :厚さ0.4mm
尚、ポリ塩化ビニル樹脂混和物は、耐熱グレードのポリ塩化ビニル樹脂を用いた電源電線用の市販の混和物である(VM−163、アプコ製)。
ポリアミド樹脂は、市販のナイロン12(3020X15、UBE製)及びポリアミド12エラストマー(9055X1、UBE製)を使用した。
図2及び図3の回路図に於いて、表1に示すように、コンデンサ入力形の電源による2種類のリレーを使った実施例1および実施例2と、抵抗入力形電源による2種類のリレーを使った従来例1および従来例2について、温度制御動作に好適な回路定数を選んだ。
各実施例、各従来例に共通する回路定数は、R2=1.5KΩF、R3=470ΩF、R4=10KΩJ、ZD1=6.2V、C1=100μF(16V)、D1、D2、D3、D4は整流ダイオード1N4004、RF1=180Ω(3W)、F1=10A(250V)の通りである。
Figure 0005511756
また、図1に示す構造のコード状発熱線1Hは、電気カーペット用として36mの長さに切断され、その端末は温度制御器の所定の端子に接続される。36mのコード状発熱線1Hは、交差しないよう広げられ、上下をフェルトなどの断熱材で覆われ測定に供される。
以下、各項目の測定結果は以下の通りである。
[温度制御の測定]
温度検知素線の平均温度が65℃で制御されるよう、予め電圧比較器U1のプラス入力電圧Vrefを設定し、通電により温度制御されたコード状発熱線1Hの中央位置の表面に直接温度センサを接触させて温度を測定し、その結果が表2に示されている。
Figure 0005511756
[回路部品の消費電力の測定]
回路部品のうち、表1に示す消費電力の大きい部品の電力(実効値)を測定し、その結果が表2に示されている。
[短絡・溶融試験]
図2及び図3の回路図に於いて、温度検知素線4の一端に接続されたダイオードD4のアノードと発熱素線2の一端であるAC電源のN極を強制的に短絡させ、温度ヒューズ一体形加熱用抵抗器RF1を加熱させ、温度ヒューズが溶断するまでの時間を測定し、その結果が表2に示されている。
このような測定結果からつぎのような評価をすることができる。
[温度制御の評価]
表2の表面温度のバラツキの程度によれば、実施例と従来例間の温度検知素線4の抵抗値や温度係数のバラツキは目につかず、また温度制御器の動作についても入力電源の方式やリレーの種類による違いは見られず安定な結果が得られ、本発明による温度制御は従来に遜色ないことが実証できた。
[回路部品の消費電力の評価]
表2の消費電力の合計によれば、従来例1に比べ、実施例1は大幅な消費電力削減になっており、従来例2で示すように、抵抗入力形電源でDC12Vリレーを使うことは、消費電力の面でまったく不可能であるが、コンデンサ入力形の電源ではそれが可能であることを実証できた。なお、コンデンサCfの入手可能な容量ステップは間隔が大きく、リレー駆動電圧に対し好適な値を選択するのは煩雑であるが、合致性がよければ大幅な消費電力削減が可能である。
[短絡・溶融試験の評価]
表2の溶融時間のバラツキによれば、実施例1,2による溶断時間と、従来例1,2による溶断時間の値に大きな差はなく、本発明による線間短絡保護機能は実績のある従来の機能を十分継承していることを実証できた。
以上説明したように本発明によれば、コンデンサ入力形の電源を用いた温度制御器であってコンデンサCfをN極側のラインに挿入する構成を採用することにより供給電流を増やしても温度制御器自身の消費電力を抑制しつつ、長年にわたり実証された信頼性の高い線間短絡保護機能を確実に確保して高い安全性を継承できるとともに、安価な汎用部品を使用でき経済的に優れた採暖用温度制御器を実現することができる。
電気毛布、電気カーペットなどの面状採暖具に用いられるコード状発熱線の温度制御器である。
1 巻芯
1H コード状発熱線
2 発熱素線
3 高分子層(熱可塑性樹脂部材)
4 温度検知素線
5 絶縁被覆層

Claims (4)

  1. コード状発熱線の温度制御器において、
    分圧抵抗器と温度検知素線との接続点の電圧により発熱素線の上昇温度を検知し、所定温度に達したときリレー接点により前記発熱素線の電源を遮断することによりユーザが設定する温度に調整する温度制御部を有し、前記発熱素線と前記温度検知素線が熱可塑性樹脂部材により分離され
    前記温度制御部の正極側が交流電源のH極側になるよう配置され、
    交流全波の電力制御を担う前記リレー接点の一端に、前記発熱素線の一端が接続され、
    前記リレー接点の他端が、交流電源のH極側に接続され、発熱素線の他端が交流電源のN極側に接続された第1の接続を形成し、
    前記温度検知素線の両端にそれぞれアノードが接続された第1と第2のダイオードの両方のカソード温度ヒューズ一体形抵抗器の一端に接続され、該温度ヒューズ一体形抵抗器の他端が、交流電源のH極側に接続された第2の接続を形成し、
    第3のダイオードのカソードが交流電源のH極側に接続され、
    前記第3のダイオードのアノードにコンデンサの一端が接続され該コンデンサの他端が交流電源のN極側に接続されるとともに前記第3のダイオードの両端に整流回路部を含む前記温度制御部が接続された第3の接続を形成し、前記3つの接続を具備したことにより、線間短絡保護機能と正常な温度制御機能と自己消費電力の低減を実現することを特徴とする採暖用温度制御器。
  2. 請求項1記載の採暖用温度制御器に於いて、
    前記発熱素線は巻芯に所定のピッチで螺旋巻きされ、
    前記熱可塑性樹脂部材は前記発熱素線上に密着配置され略130℃から190℃間の温度で溶融する高分子層であり、
    前記温度検知素線は前記高分子層の外周に一定のピッチで螺旋巻きされ、
    前記温度検知素線上に該温度検知素線を絶縁する被覆層を具備したことを特徴とする採暖用温度制御器。
  3. 請求項1または2記載の採暖用温度制御器に於いて、
    前記第3のダイオードは、整流ダイオードまたはツェナー・ダイオードであることを特徴とする採暖用温度制御器。
  4. 請求項1または2記載の採暖用温度制御器に於いて、
    前記温度検知素線は正の温度係数を有する金属線であることを特徴とする採暖用温度制御器。
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