本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰返さない。
図1は、この発明の実施の形態による無線通信システムの構成を示す概略図である。図1を参照して、この発明の実施の形態による無線通信システム10は、端末装置1と、無線基地局2とを備える。
端末装置1は、無線基地局2または無線基地局2以外の他の無線装置との間で無線リンクを確立していないとき、スリープ状態から起動状態へ移行させたい無線基地局2の識別子を表わし、かつ、1つ以上のフレーム長を有する複数の起動用プローブリクエストを無線LANのアクティブスキャンにおける管理フレームとして全チャネルで無線基地局2へ送信する。
この複数の起動用プローブリクエストは、無線基地局に帰属していない端末装置が送信可能な管理フレームであり、後述するように、無線LANのアクティブスキャンにおける管理フレームであるプローブリクエストを用いて作成される。また、全チャネルは、複数の周波数チャネルからなり、通常、無線通信システム10に適用される無線通信方式(IEEE802.11b等)における全チャネルからなる。そして、全チャネルは、IEEE802.11bの無線通信方式においては、14個の周波数チャネルCh1〜Ch14からなる。
無線基地局2は、端末装置1からの複数の起動用プローブリクエストを全チャネルのうちのいずれかのチャネル(チャネルCh1〜Ch14のいずれか)で受信する。そして、無線基地局2は、その受信した複数の起動用プローブリクエストの複数のフレーム長を検出し、その検出した複数のフレーム長が自己の識別子を表わすとき、スリープ状態から起動状態へ移行する。
[実施の形態1]
図2は、図1に示す端末装置1の実施の形態1における構成を示す概略図である。図2を参照して、端末装置1は、アンテナ11と、フレーム長変調信号生成部12と、ホストシステム13とを含む。
ホストシステム13は、無線基地局2をスリープ状態から起動状態へ移行させるウェイクアップIDを生成するためのESSID(Extended Service Set Identifier)群が予め設定されている。このESSID群は、一部がダミーのネットワーク識別子である複数のネットワーク識別子からなる。
フレーム長変調信号生成部12は、端末装置1が無線基地局2または無線基地局2以外の他の無線装置との間で無線リンクを確立していないときに、無線基地局2との通信を開始するための指示信号CMS1および無線基地局2の識別子を表わす複数のフレーム長をホストシステム13から受ける。
そして、フレーム長変調信号生成部12は、指示信号CMS1に応じて、複数のフレーム長を有する複数の起動用プローブリクエストPRQD1〜PRQDn(nは2以上の整数)を生成し、その生成した複数の起動用プローブリクエストPRQD1〜PRQDnをアンテナ11を介して全チャネルCh1〜Ch14で送信する。
複数の起動用プローブリクエストPRQD1〜PRQDnは、後述するように、一部がダミーのネットワーク識別子である複数のネットワーク識別子に基づいて生成されるものであり、無線LANのアクティブスキャンにおける管理フレームであるプローブリクエストPRQとは異なるものである。
即ち、このプローブリクエストPRQは、接続先の無線基地局を含むネットワークのネットワーク識別子であるESSIDを含む管理フレームである。一方、複数の起動用プローブリクエストPRQD1〜PRQDnは、接続先の無線基地局を含むネットワークのネットワーク識別子と、接続先の無線基地局を含むネットワークのネットワーク識別子に無関係に決定されたダミーネットワーク識別子とを含む複数のネットワーク識別子に基づいて生成されるものである。従って、複数の起動用プローブリクエストPRQD1〜PRQDnは、プローブリクエストPRQと異なる。
ホストシステム13は、スリープ状態にある無線基地局2との間で無線通信を開始するとき、指示信号CMS1をフレーム長変調信号生成部12へ出力する。また、ホストシステム13は、保持しているESSID群に基づいて無線基地局2の識別子を表わす複数のフレーム長を決定し、その決定した複数のフレーム長をフレーム長変調信号生成部12へ出力する。
なお、図2に図示されていないが、端末装置1は、ホストシステム13からのデータを変調し、その変調したデータを含む無線フレームをアンテナ11を介して無線基地局2へ送信するとともに、無線基地局2からの無線フレームをアンテナ11を介して受信し、その受信した無線フレームを復調し、その復調して得られるデータをホストシステム13へ出力する送受信部を更に備える。
図3は、図1に示す無線基地局2の実施の形態1における構成を示す概略図である。図3を参照して、無線基地局2は、アンテナ21と、切替器22と、ウェイクアップ信号受信機23と、メイン装置24と、電源25とを含む。
アンテナ21は、切替器22を介してウェイクアップ信号受信機23またはメイン装置24に接続される。
切替器22は、アンテナ21と、ウェイクアップ信号受信機23およびメイン装置24との間に接続される。
アンテナ21は、無線通信によって端末装置1から複数の起動用プローブリクエストPRQD1〜PRQDnを受信し、その受信した複数の起動用プローブリクエストPRQD1〜PRQDnを切替器22を介してウェイクアップ信号受信機23へ出力する。また、アンテナ21は、無線通信によって端末装置1から無線フレームを受信し、その受信した無線フレームをメイン装置14へ出力する。更に、アンテナ21は、メイン装置24から受けた無線フレームを無線通信によって端末装置1へ送信する。
切替器22は、メイン装置24からの制御信号CTLに応じて、アンテナ21をウェイクアップ信号受信機23またはメイン装置24に接続する。
ウェイクアップ信号受信機23は、例えば、100μWの電力を電源25から受け、その受けた電力によって駆動される。また、ウェイクアップ信号受信機23は、メイン装置24がスリープ状態にあるとき、切替器22を介してアンテナ21に接続される。そして、ウェイクアップ信号受信機23は、アンテナ21を介して端末装置1から複数の起動用プローブリクエストPRQD1〜PRQDnを全チャネルCh1〜Ch14のうちのいずれかのチャネルで受信すると、その受信した複数の起動用プローブリクエストPRQD1〜PRQDnの複数のフレーム長を検出し、その検出した複数のフレーム長が無線基地局2の識別子に一致するか否かを判定する。ウェイクアップ信号受信機23は、複数のフレーム長が無線基地局2の識別子に一致すると判定したとき、起動信号を生成し、その生成した起動信号をメイン装置24へ出力する。
一方、ウェイクアップ信号受信機23は、複数のフレーム長が無線基地局2の識別子に一致しないとき、複数の起動用プローブリクエストを破棄する。そして、ウェイクアップ信号受信機23は、複数の起動用プローブリクエストの受信を待つ状態になる。
なお、ウェイクアップ信号受信機23は、無線基地局2をウェイクアップさせるための複数の起動用プローブリクエストPRQD1〜PRQDnを受信する機能のみを有し、無線LANにおける無線フレームを送信する機能を有しない。
メイン装置24は、例えば、7Wの電力を電源25から受け、その受けた電力によって駆動される。
メイン装置24は、起動状態であるとき、アンテナ21を介して端末装置1と無線通信を行い、有線ケーブル20を介して他の通信装置と通信を行う。
また、メイン装置24は、一定の期間T1、端末装置1と無線通信を行わなかったとき、または無線基地局2に帰属する端末装置が存在しないとき、起動状態からスリープ状態へ移行する。なお、一定の期間T1は、例えば、数十秒に設定される。
更に、メイン装置24は、スリープ状態にあるときに、ウェイクアップ信号受信機23から起動信号を受けると、スリープ状態から起動状態へ移行する。
電源25は、100μWの電力をウェイクアップ信号受信機23へ供給し、7Wの電力をメイン装置24へ供給する。
切替器22は、スイッチ221と、端子222,223とを含む。メイン装置24は、無線通信モジュール241と、有線通信モジュール242と、ホストシステム243とを含む。
スイッチ221は、アンテナ21に接続される。端子222は、ウェイクアップ信号受信機23に接続される。端子223は、無線通信モジュール241に接続される。
スイッチ221は、メイン装置24のホストシステム243から制御信号CTLを受ける。そして、スイッチ221は、その制御信号CTLによってアンテナ21を端子222または端子223に接続する。
この場合、制御信号CTLは、L(論理ロー)レベルの信号、またはH(論理ハイ)レベルの信号からなる。そして、スイッチ221は、制御信号CTLがLレベルの信号からなる場合、アンテナ21を端子222に接続し、制御信号CTLがHレベルの信号からなる場合、アンテナ21を端子223に接続する。
無線通信モジュール241は、ホストシステム243からコマンド信号COM1を受けると、起動状態からスリープ状態へ移行し、ホストシステム243からコマンド信号COM2を受けると、スリープ状態から起動状態へ移行する。なお、このスリープ状態は、無線通信モジュール241が動作を停止した状態である。
そして、無線通信モジュール241は、起動状態へ移行すると、アンテナ21を介してビーコンフレームBeaconを定期的に送信し、端末装置1との間で無線リンクを確立する。その後、無線通信モジュール241は、端末装置1と無線通信を行う。この場合、無線通信モジュール241は、端末装置1から受信した無線フレームからデータを取り出してホストシステム243へ出力し、ホストシステム243から受けたデータを含む無線フレームを生成して端末装置1へ送信する。
有線通信モジュール242は、有線ケーブル20を介して他の通信装置からデータを受信し、その受信したデータをホストシステム243へ出力する。
また、有線通信モジュール242は、ホストシステム243からデータを受け、その受けたデータを有線ケーブル20を介して他の通信装置へ送信する。
更に、有線通信モジュール242は、ホストシステム243からコマンド信号COM1を受けると、起動状態からスリープ状態へ移行し、ホストシステム243からコマンド信号COM2を受けると、スリープ状態から起動状態へ移行する。なお、このスリープ状態は、有線通信モジュール242が動作を停止した状態である。
ホストシステム243は、一定の期間T1、端末装置1からの無線フレームを無線通信モジュール241を介して受けないとき、または無線基地局2の通信範囲内に端末装置が存在しないとき、コマンド信号COM1を生成し、その生成したコマンド信号COM1を無線通信モジュール241および有線通信モジュール242へ出力するとともに、Lレベルの制御信号CTLを生成して切替器22へ出力する。そして、ホストシステム243は、スリープ状態(=停止状態)へ移行する。
また、ホストシステム243は、ウェイクアップ信号受信機23から起動信号を受けると、スリープ状態から起動状態へ移行する。そして、ホストシステム243は、コマンド信号COM2を生成し、その生成したコマンド信号COM2を無線通信モジュール241および有線通信モジュール242へ出力するとともに、Hレベルの制御信号CTLを生成して切替器22へ出力する。
更に、ホストシステム243は、無線通信モジュール241からデータを受けると、その受けたデータを有線通信モジュール242へ出力する。
更に、ホストシステム243は、有線通信モジュール242からデータを受けると、その受けたデータを無線通信モジュール241へ出力する。
更に、ホストシステム243は、無線基地局2の通信範囲内に存在する端末装置を管理する。
図4は、図3に示すウェイクアップ信号受信機23の構成図である。図4を参照して、ウェイクアップ信号受信機23は、BPF(Band Pass Filter)231と、包絡線検波器232と、ビット判定器233と、フレーム長検出器234と、ID識別器235とを含む。
BPF231は、アンテナ21および切替器22を介して電波を受信し、その受信した受信電波から全チャネルCh1〜Ch14のうちのいずれかのチャネルの周波数を有する受信電波を包絡線検波器232へ出力する。
包絡線検波器232は、BPF231から受けた受信電波を一定周期(例えば、8μs)ごとに包絡線検波し、その検波した検波信号をビット判定器233へ出力する。
ビット判定器233は、包絡線検波器232から受けた検波信号を“0”または“1”のビット値に変換し、その変換後のビット列をフレーム長検出器234へ出力する。
フレーム長検出器234は、ビット判定器233から受けたビット列に基づいて複数の起動用プローブリクエストPRQD1〜PRQDnの各フレーム長を検出する。より具体的には、フレーム長検出器234は、“1”のビット値の個数を累計し、“0”のビット値が入力されれば、累計値に基づいてフレーム長を検出し、その検出したフレーム長をID識別器235へ出力するとともに、累計値をリセットする。
ID識別器235は、無線基地局2の識別子を表わす複数のフレーム長を予め保持する。そして、ID識別器235は、フレーム長をフレーム長検出器234から受け、その受けたフレーム長を保持する。
ID識別器235は、複数のフレーム長を保持した時点で、複数のフレーム長が無線基地局2の識別子(=予め保持している複数のフレーム長)に一致するか否かを判定する。そして、ID識別器235は、複数のフレーム長が無線基地局2の識別子に一致するとき、起動信号を生成してホストシステム243へ出力する。
図5は、起動用プローブリクエストの概念図である。図5を参照して、起動用プローブリクエストPRQD1は、ESSIDが無いときのプローブリクエストであり、起動用プローブリクエストPRQD2は、ESSIDが8文字であるときのプローブリクエストであり、起動用プローブリクエストPRQD3は、ESSIDが32文字であるときのプローブリクエストである。
そして、起動用プローブリクエストPRQD1〜PRQD3は、それぞれ、L1〜L3のフレーム長を有する。
フレーム長L1は、無線通信システム10の設計者によって設定されたフレーム長である。フレーム長L2は、フレーム長L1よりも8Byteだけ長い。フレーム長L3は、フレーム長L1よりも32Byteだけ長い。
そこで、この発明の実施の形態においては、各々が0〜32Byteの範囲の文字数からなり、一部がダミーESSIDである複数のネットワーク識別子を生成し、その生成した複数のネットワーク識別子に対応する複数のフレーム長によって無線基地局2の識別子を表わすことにした。
そして、ネットワーク識別子(=ESSID)の文字数が0Byteであるとき、文字数を“0”Byteに設定したプローブリクエストPRQを用いて起動用プローブリクエストPRQD1を作成する。
また、ネットワーク識別子(=ESSID)の文字数が8Byteであるとき、文字数を“0”Byteに設定したプローブリクエストPRQに8Byte分の文字数を加えて起動用プローブリクエストPRQD2を作成する。
更に、ネットワーク識別子(=ESSID)の文字数が32Byteであるとき、文字数を“0”Byteに設定したプローブリクエストPRQに32Byte分の文字数を加えて起動用プローブリクエストPRQD3を作成する。
ネットワーク識別子(=ESSID)の文字数が0,8,32Byte以外の値であるときも、同様にして起動用プローブリクエストPRQDi(i=1〜n)を作成する。
このように、起動用プローブリクエストPRQD1〜PRQDnは、プローブリクエストPRQを用いて作成される。
その結果、文字数を0〜32Byteの範囲に設定することによって、起動用プローブリクエストPRQDiのフレーム長は、フレーム長L1〜L3の範囲で変更可能である。
この発明の実施の形態においては、ネットワーク識別子(=ESSID)の文字数=0Byteも含め、複数のネットワーク識別子(=複数のESSID)の複数の文字数によって無線基地局2の識別子を表わす。その結果、複数のネットワーク識別子(=複数のESSID)の複数の文字数に対応する複数のフレーム長によって各無線基地局を識別可能である。
IEEE802.11bの無線通信方式においては、プローブリクエストPRQは、最も低い伝送レートである1Mbpsで送信される。その結果、8Byteは、64μsの長さに相当し、32Byteは、256μsの長さに相当する。即ち、1Byte当りの長さが8μsになる。
従って、フレーム長L1が200μsである場合、各無線基地局の識別子を200μs〜456μsの範囲の複数のフレーム長によって表わすことができる。
複数のネットワーク識別子(=複数のESSID)は、例えば、ダミーESSID=0、ダミーESSID=a、ESSID=abcdefg、ダミーESSID=abcdおよびダミーESSID=abcdefghij等からなり、ダミーESSID=0、ダミーESSID=a、ESSID=abcdefg、ダミーESSID=abcdおよびダミーESSID=abcdefghij等は、ESSID群を構成する。そして、このESSID群は、端末装置1のホストシステム13および無線基地局2のID識別器235に予め設定されている。
このように、複数のネットワーク識別子(=複数のESSID)は、ダミーESSIDと、本来のESSIDとを含む。
なお、a,b,c,d,e,f,g,h,i,j等の各文字は、1Byteを表わす。
図6は、ESSIDの文字数と、起動用プローブリクエストの時間長であるフレーム長Lとの変換表を示す図である。図6を参照して、変換表TBL1は、ESSIDの文字数とフレーム長とを含む。ESSIDの文字数およびフレーム長は、相互に対応付けられる。
200μsのフレーム長Lは、0Byteの文字数に対応付けられる。208μsのフレーム長Lは、1Byteの文字数に対応付けられる。216μsのフレーム長Lは、2Byteの文字数に対応付けられる。以下、同様にして、448μsのフレーム長Lは、31Byteの文字数に対応付けられ、456μsのフレーム長Lは、32Byteの文字数に対応付けられる。
端末装置1のホストシステム13は、変換表TBL1を保持している。そして、ホストシステム13は、例えば、0Byteの文字数からなるダミーESSID、3Byteの文字数からなるダミーESSIDおよび8Byteの文字数からなるESSIDがESSID群を構成するとき、変換表TBL1を参照して、0Byteの文字数からなるダミーESSIDにフレーム長L=200μsを割り当て、3Byteの文字数からなるダミーESSIDにフレーム長L=224μsを割り当て、8Byteの文字数からなるESSIDにフレーム長L=264μsを割り当てる。
そうすると、ホストシステム13は、200μs,224μs,264μsの3個のフレーム長をフレーム長変調信号生成部12へ出力する。そして、フレーム長変調信号生成部12は、ホストシステム13から200μs,224μs,264μsのフレーム長を受け、その受けた200μs,224μs,264μsのフレーム長をそれぞれ有する3個の起動用プローブリクエストPRQDを生成し、その生成した3個の起動用プローブリクエストPRQDを全チャネルCh1〜Ch14で送信する。
ESSID群が0Byte,3Byte,8Byteの文字数以外の文字数を有する複数のネットワーク識別子からなる場合も、同様である。
図7は、包絡線検波およびビット判定の概念図である。図7を参照して、ウェイクアップ信号受信機23の包絡線検波器232は、起動用プローブリクエストPRQDの受信電波をBPF231から受ける。起動用プローブリクエストPRQDは、例えば、200μsのフレーム長Lを有する((a)参照)。
包絡線検波器232は、起動用プローブリクエストPRQDの包絡線EVLを検出し、その検出した包絡線EVLを8(μs)毎に検波し、検波値I1〜I26を検出する((b)参照)。
そして、包絡線検波器232は、検波値I1〜I26をビット判定器233へ出力する。ビット判定器233は、検波値I1〜I26をビット判定し、“111・・・1110”のビット列を得る。そして、ビット判定器233は、“111・・・1110”のビット列をフレーム長検出器234へ出力する。
フレーム長検出器234は、“111・・・1110”のビット列の先頭から“1”のビット値の個数を累積し、“25”の累積値を検出する。そして、フレーム長検出器234は、26個目のビット値が“0”であるので、“25”の累積値に8μsを乗算して200μsのフレーム長を検出し、その検出した200μsのフレーム長をID識別器235へ出力するとともに、累積値をリセットする。
ID識別器235は、フレーム長検出器234から200μsのフレーム長を受け、その受けた200μsのフレーム長を保持する。
包絡線検波器232、フレーム長検出器234およびID識別器235は、224μsのフレーム長を有する起動用プローブリクエストPRQDおよび264μsのフレーム長を有する起動用プローブリクエストPRQDを同様に処理する。
そして、ID識別器235は、200μsのフレーム長、224μsのフレーム長および264μsのフレーム長を保持すると、その保持した200μsのフレーム長、224μsのフレーム長および264μsのフレーム長が無線基地局2の識別子に一致するか否かを判定する。
200μsのフレーム長、224μsのフレーム長および264μsのフレーム長が無線基地局2の識別子に一致するとき、ID識別器235は、起動信号を生成してメイン装置24へ出力する。一方、200μsのフレーム長、224μsのフレーム長および264μsのフレーム長が無線基地局2の識別子に一致しないとき、ID識別器235は、200μsのフレーム長、224μsのフレーム長および264μsのフレーム長を破棄する。
図8は、起動用プローブリクエストPRQDの送信方法を示す概念図である。図8を参照して、ESSID群が0Byteの文字数からなるダミーESSIDと、8Byteの文字数からなるESSIDと、32Byteの文字数からなるダミーESSIDとからなる場合、上述したように、3種類の起動用プローブリクエストPRQ1〜PRQ3が生成される。
そして、起動用プローブリクエストPRQD1〜PRQD3は、チャネルCh1で送信され、その後、チャネルCh2で送信され、以下同様にして、チャネルCh14で送信される(図8の(a)参照)。即ち、起動用プローブリクエストPRQD1〜PRQD3は、チャネル毎に全チャネルCh1〜Ch14について送信される。
また、起動用プローブリクエストPRQD1は、全チャネルCh1〜Ch14で複数回送信され、その後、起動用プローブリクエストPRQD2は、全チャネルCh1〜Ch14で複数回送信され、以下同様にして、起動用プローブリクエストPRQD3は、全チャネルCh1〜Ch14で複数回送信される(図8の(b)参照)。即ち、起動用プローブリクエストPRQD1〜PRQD3は、1つのフレーム長を有する起動用プローブリクエストPRQDを全チャネルCh1〜Ch14で複数回送信することを全ての起動用プローブリクエストPRQD1〜PRQD3について実行することによって全チャネルCh1〜Ch14で送信される。
図8の(a)に示す方法で起動用プローブリクエストPRQD1〜PRQD3を送信した場合、無線基地局2は、好ましくは、自己の識別子を表わす複数のフレーム長を複数回受信したときにスリープ状態から起動状態へ移行する。これによって、無線基地局2におけるスリープ状態から起動状態への移行における信頼性を向上できる。
また、図8の(b)に示す方法で起動用プローブリクエストPRQD1〜PRQD3を送信した場合、無線基地局2は、フレーム長が変化したときに、そのフレーム長が変化した起動用プローブリクエストPRQDのフレーム長が識別子の対象であると認識する。
図8の(b)では、各起動用プローブリクエストPRQD1〜PRQD3は、3回づつ全チャネルCh1〜Ch14で送信されている。起動用プローブリクエストPRQD1が全チャネルCh1〜Ch14で送信される場合、無線基地局2は、何も受信していない状態から起動用プローブリクエストPRQD1を受信し始めるので、1個目の起動用プローブリクエストPRQD1を受信したときにフレーム長の変化を認識し、1個目の起動用プローブリクエストPRQD1のフレーム長を識別子の対象であると認識する。そして、無線基地局2は、2個目および3個目の起動用プローブリクエストPRQD1を受信しても、フレーム長が変化していないので、2個目および3個目の起動用プローブリクエストPRQD1のフレーム長を無視する。
また、無線基地局2は、3個の起動用プローブリクエストPRQD1の後に、1個目の起動用プローブリクエストPRQD2を受信すると、フレーム長が変化したので、起動用プローブリクエストPRQD2のフレーム長を識別子の対象であると認識する。そして、無線基地局2は、2個目および3個目の起動用プローブリクエストPRQD2を受信しても、フレーム長が変化していないので、2個目および3個目の起動用プローブリクエストPRQD2のフレーム長を無視する。
起動用プローブリクエストPRQD3を受信したときも、同様である。
なお、複数の起動用プローブリクエストPRQD1〜PRQDnは、相互に同じフレーム長を有していてもよく、相互に異なるフレーム長を有していてもよい。例えば、5個の起動用プローブリクエストPRQD1〜PRQD5の5個のフレーム長が無線基地局2の識別子を表わす場合、5個の起動用プローブリクエストPRQD1〜PRQD5は、それぞれ、L1,L1,L1,L1,L1のフレーム長を有していてもよく、それぞれ、L1,L1,L2,L2,L2のフレーム長を有していてもよく、L1,L2,L3,L4,L5のフレーム長を有していてもよい。従って、複数の起動用プローブリクエストPRQD1〜PRQDnは、一般的には、1つ以上のフレーム長を有していればよい。
図9は、図1に示す無線通信システム10の実施の形態1における動作を示すフローチャートである。
なお、図9においては、ESSID群がダミーESSID1=abcd(4Byte)、ESSID2=abcdefgh(8Byte)およびダミーESSID3=ab(2Byte)によって表わされる場合を例にして無線通信システム10の動作を説明する。また、無線基地局2は、チャネルCh2で複数の起動用プローブリクエストを受信することを前提とする。
図9を参照して、一連の動作が開始されると、端末装置1のフレーム長変調信号生成部12は、ホストシステム13から指示信号CMS1を受けたか否かを判定することによって無線通信を開始するか否かを判定する(ステップS1)。この場合、フレーム長変調信号生成部12は、ホストシステム13から指示信号CMS1を受けると、無線通信を開始すると判定し、ホストシステム13から指示信号CMS1を受けないとき、無線通信を開始しないと判定する。
ステップS1において、無線通信を開始すると判定されると、ホストシステム13は、変換表TBL1を参照して、ダミーESSID1=abcd(4Byte)、ESSID2=abcdefgh(8Byte)およびダミーESSID3=ab(2Byte)をそれぞれ232μs,264μs,216μsのフレーム長に変換し、その変換した232μs,264μs,216μsのフレーム長をフレーム長変調信号生成部12へ出力する。
そして、フレーム長変調信号生成部12は、232μs,264μs,216μsのフレーム長を受けると、232μs,264μs,216μsのフレーム長をそれぞれ有する複数の起動用プローブリクエストPRQD4〜PRQD6を生成し、その生成した複数の起動用プローブリクエストPRQD4〜PRQD6を無線LANのアクティブスキャンにおける管理フレームとして全チャネルCh1〜Ch14で送信する(ステップS2)。
この場合、複数の起動用プローブリクエストPRQD4〜PRQD6は、図8の(a)に示す方法または図8の(b)に示す方法で送信される。
そして、ステップS2の後、無線基地局2のウェイクアップ信号受信機23は、アンテナ21および切替器22を介して複数の起動用プローブリクエストPRQD4〜PRQD6をチャネルCh1〜Ch14のうちのチャネルCh2で受信する(ステップS3)。
そして、ウェイクアップ信号受信機23のBPF231は、複数の起動用プローブリクエストPRQD4〜PRQD6の受信電波のうち、チャネルCh2の周波数を有する受信電波を包絡線検波器232へ出力する。
そして、包絡線検波器232は、複数の起動用プローブリクエストPRQD4〜PRQD6に対応する複数の受信電波を包絡線検波し(ステップS4)、その検波した複数の検波信号をビット判定器233へ出力する。
その後、ビット判定器233は、複数の検波信号の各々を一定周期でビット判定し(ステップS5)、複数のビット列を生成する。そして、ビット判定器233は、その生成した複数のビット列をフレーム長検出器234へ出力する。
フレーム長検出器234は、“1”の累積値の演算を複数のビット列について実行し(ステップS6)、複数の累積値に基づいて複数の起動用プローブリクエストの複数のフレーム長を検出する(ステップS7)。この場合、フレーム長検出器234は、1つの累積値にビット判定における一定周期を乗算してフレーム長を検出する処理を複数の累積値について実行し、232μs,264μs,216μsの複数のフレーム長を検出する。そして、フレーム長検出器234は、その検出した複数のフレーム長をID識別器235へ出力する。
ID識別器235は、複数のフレーム長を受け、その受けた複数のフレーム長が無線基地局2の識別子に一致するか否かを判定する(ステップS8)。
ステップS8において、複数のフレーム長が無線基地局2の識別子に一致しないと判定されたとき、一連の動作は終了する。
一方、ステップS8において、複数のフレーム長が無線基地局2の識別子に一致すると判定されたとき、ID識別器235は、起動信号を生成してホストシステム243へ出力し、ホストシステム243は、起動信号に応じてスリープ状態から起動状態へ移行する。そして、ホストシステム243は、コマンド信号COM2を無線通信モジュール241および有線通信モジュール242へ出力し、無線通信モジュール241および有線通信モジュール242は、コマンド信号COM2に応じてスリープ状態から起動状態へ移行する。これによって、無線基地局2は、スリープ状態から起動状態へ移行する(ステップS9)。そして、一連の動作は、終了する。
このように、ステップS2においては、端末装置1は、複数の起動用プローブリクエストを全チャネルCh1〜Ch14で送信する。従って、無線基地局2がチャネルCh1〜Ch14のうちのいずれのチャネルを用いていても、無線基地局2は、複数の起動用プローブリクエストを受信できる。
また、ステップS2においては、複数の起動用プローブリクエストを無線LANのアクティブスキャンにおける管理フレームとして送信する。従って、端末装置1は、無線フレームを送信できないときでも、接続先の無線基地局2を起動状態へ移行させることができる。また、端末装置1の装置構成を変化させずに、接続先の無線基地局2を起動状態へ移行させることができる。
更に、無線基地局2は、複数のフレーム長が自己の識別子に一致するとき、スリープ状態から起動状態へ移行する(ステップS8の“YES”,ステップS9参照)。
従って、無線基地局2を起動状態へ正確に移行させることができる。即ち、無線基地局2の識別子を1つのフレーム長によって表わした場合、無線基地局2は、1つのフレーム長を有する1つの起動用プローブリクエストを端末装置1から受信して1つの起動用プローブリクエストのフレーム長を検出する。
しかし、起動用プローブリクエストのフレーム長が無線通信によって変化した場合、無線基地局2は、起動用プローブリクエストの正しいフレーム長を検出できないので、起動状態へ移行できない。
実施の形態1においては、無線基地局2は、複数の起動用プローブリクエストの複数のフレーム長を検出した場合に起動状態へ移行するので、無線基地局2を起動状態へ正確に移行させることができる。つまり、実施の形態1においては、1つのフレーム長のみならず、複数のフレーム長の検出を条件として無線基地局2を起動状態へ移行させるので、無線基地局2を起動状態へ正確に移行させることができる。
複数の起動用プローブリクエストが図8の(a)に示す方法で送信された場合、無線基地局2は、ステップS3〜ステップS8を2回以上実行する。そして、無線基地局2は、複数のフレーム長が無線基地局2の識別子に一致することを2回以上(=複数回)確認すると、起動状態へ移行する。
これによって、無線基地局2の起動状態への移行における信頼性を向上できる。
また、複数の起動用プローブリクエストが図8の(b)に示す方法で送信された場合、無線基地局2は、フレーム長が変化したときだけ、そのときに受信した起動用プローブリクエストのフレーム長を無線基地局2の識別子の対象とし、フレーム長が変化しないときに受信した起動用プローブリクエストのフレーム長を無視する。つまり、無線基地局2は、1つ前に検出したフレーム長と異なるフレーム長を検出したとき、その検出したフレーム長を自己の識別子を表わす複数のフレーム長の1つとする。これによって、無線基地局2は、迅速に起動状態へ移行できる。
[実施の形態2]
図10は、図1に示す端末装置1の実施の形態2における構成を示す概略図である。実施の形態2においては、端末装置1は、図10に示す端末装置1Aからなる。
図10を参照して、端末装置1Aは、図2に示す端末装置1のホストシステム13をホストシステム13Aに代えたものであり、その他は、端末装置1と同じである。
ホストシステム13Aは、起動状態へ移行させたい無線基地局の識別子を表わすESSID群(一部がダミーESSIDである複数のネットワーク識別子からなる)を予め保持している。
そして、ホストシステム13Aは、無線基地局を起動状態へ移行させる場合、後述する方法によって、ESSID群に基づいて1つ以上の差分フレーム長が無線基地局の識別子を表わすように複数のフレーム長を決定し、その決定した複数のフレーム長をフレーム長変調信号生成部12へ出力する。
ホストシステム13Aは、その他、ホストシステム13と同じ機能を果たす。
図11は、図1に示す無線基地局2の実施の形態2における構成を示す概略図である。
実施の形態2においては、無線基地局2は、図11に示す無線基地局2Aからなる。図11を参照して、無線基地局2Aは、図3に示す無線基地局2のウェイクアップ信号受信機23をウェイクアップ信号受信機23Aに代えたものであり、その他は、無線基地局2と同じである。
ウェイクアップ信号受信機23Aは、電源25から100μWの電力を受け、その受けた電力によって駆動される。
また、ウェイクアップ信号受信機23Aは、メイン装置24がスリープ状態にあるとき、切替器22を介してアンテナ21に接続される。そして、ウェイクアップ信号受信機23Aは、アンテナ21を介して端末装置1Aから複数の起動用プローブリクエストPRQD1〜PRQDnを全チャネルCh1〜Ch14のうちのいずれかのチャネルで受信すると、その受信した複数の起動用プローブリクエストPRQD1〜PRQDnの複数のフレーム長に基づいて1つ以上の差分フレーム長を検出し、その検出した1つ以上の差分フレーム長が無線基地局2Aの識別子に一致するか否かを判定する。ウェイクアップ信号受信機23Aは、1つ以上の差分フレーム長が無線基地局2Aの識別子に一致すると判定したとき、起動信号を生成し、その生成した起動信号をメイン装置24へ出力する。
ウェイクアップ信号受信機23Aは、その他、ウェイクアップ信号受信機23と同じ機能を果たす。
なお、ウェイクアップ信号受信機23Aは、無線基地局2Aをウェイクアップさせるための複数の起動用プローブリクエストPRQD1〜PRQDnを受信する機能のみを有し、無線LANにおける無線フレームを送信する機能を有しない。
図12は、図11に示すウェイクアップ信号受信機23Aの構成を示す概略図である。
図12を参照して、ウェイクアップ信号受信機23Aは、図4に示すウェイクアップ信号受信機23のフレーム長検出器234をフレーム長検出器234Aに代え、ID識別器235をID識別器235Aに代えたものであり、その他は、ウェイクアップ信号受信機23と同じである。
フレーム長検出器234Aは、複数のビット列をビット判定器233から受けると、フレーム長検出器234と同じ方法によって、複数のフレーム長を検出する。そして、フレーム長検出器234Aは、後述する方法によって、複数のフレーム長に基づいて複数の差分フレーム長を検出し、その検出した複数の差分フレーム長をID識別器235Aへ出力する。
ID識別器235Aは、1つ以上の差分フレーム長をフレーム長検出器234Aから受けると、1つ以上の差分フレーム長が無線基地局2Aの識別子に一致するか否かを判定する。そして、1つ以上の差分フレーム長が無線基地局2Aの識別子に一致するとき、ID識別器235Aは、起動信号を生成してホストシステム243へ出力する。一方、1つ以上の差分フレーム長が無線基地局2Aの識別子に一致しないとき、ID識別器235Aは、1つ以上の差分フレーム長を破棄する。
図13は、無線基地局の識別子を差分フレーム長によって表わす方法を示す図である。なお、図13においては、差分フレーム長をバイト数によって表わす。
図13を参照して、端末装置1Aのホストシステム13Aは、無線基地局2Aの識別子がESSID群(=ダミーESSID4=2Byte,ダミーESSID5=4Byte,ESSID6=2Byte)によって表わされるとき、L1のフレーム長、L1+2Byteのフレーム長、L1+6Byteのフレーム長およびL1+4Byteのフレーム長を決定し、その決定したL1のフレーム長、L1+2Byteのフレーム長、L1+6Byteのフレーム長およびL1+4Byteのフレーム長をフレーム長変調信号生成部12へ出力する。
そして、フレーム長変調信号生成部12は、L1のフレーム長を有する起動用プローブリクエストPRQD1、L1+2Byteのフレーム長を有する起動用プローブリクエストPRQD2、L1+6Byteのフレーム長を有する起動用プローブリクエストPRQD3およびL1+4Byteのフレーム長を有する起動用プローブリクエストPRQD4を順次送信する。
その結果、起動用プローブリクエストPRQD1と起動用プローブリクエストPRQD2との差分フレーム長は、|L1−(L1+2)|=2Byteになり、起動用プローブリクエストPRQD2と起動用プローブリクエストPRQD3との差分フレーム長は、|L1+2−(L1+6)|=4Byteになり、起動用プローブリクエストPRQD3と起動用プローブリクエストPRQD4との差分フレーム長は、|L1+6−(L1+4)|=2Byteになる。
従って、複数の差分フレーム長(=2Byte,4Byte,2Byte)によって無線基地局2Aの識別子を表わすことができる。
このように、差分フレーム長は、2つの起動用プローブリクエストの2つのフレーム長の差分の絶対値である。
図13に示す例は、1つ前の起動用プローブリクエストとの差分フレーム長が無線基地局2Aの識別子を表わす例であるが、実施の形態2においては、これに限らず、基準フレームとなる1つの起動用プローブリクエストを決定し、その決定した1つの起動用プローブリクエストのフレーム長との複数の差分フレーム長が無線基地局2Aの識別子を表わすようにしてもよい。例えば、起動用プローブリクエストPRQD1を基準フレームとした場合、無線基地局2Aの識別子は、2Byte,6Byte,4Byteによって表わされ、264となる。
また、実施の形態2においては、複数のフレーム長から任意のフレーム長を選択し、その選択した任意のフレーム長と複数のフレーム長との差分を演算して複数の差分フレーム長を求めてもよい。
なお、実施の形態2においては、無線基地局2Aの識別子を1つの差分フレーム長によって表わしてもよい。無線基地局2Aの識別子を1つの差分フレーム長によって表わす場合、無線基地局2Aは、2個の起動用プローブリクエストを受信し、その受信した2個の起動用プローブリクエストの2個のフレーム長を検出する。そして、無線基地局2Aは、その検出した2個のフレーム長に基づいて1つの差分フレーム長を検出し、その検出した差分フレーム長が自己の識別子に一致するとき、起動状態へ移行する。
このように、無線基地局2Aの識別子を1つの差分フレーム長によって表わした場合も、無線基地局2Aは、2個のフレーム長を検出するので、複数のフレーム長を検出することを条件に、無線基地局2Aを起動状態へ移行させるという本発明の主旨に合致する。
従って、実施の形態2においては、無線基地局2Aの識別子を1つ以上の差分フレーム長によって表わす。
図14は、ESSIDの文字数と差分フレーム長との変換表を示す図である。図14を参照して、変換表TBL2は、ESSIDの文字数と差分フレーム長とを含む。ESSIDの文字数および差分フレーム長は、相互に対応付けられる。
0μsの差分フレーム長ΔLは、ESSIDの文字数=0Byteに対応付けられ、8μsの差分フレーム長ΔLは、ESSIDの文字数=1Byteに対応付けられ、16μsの差分フレーム長ΔLは、ESSIDの文字数=2Byteに対応付けられ、以下、同様にして、248μsの差分フレーム長ΔLは、ESSIDの文字数=31Byteに対応付けられ、256μsの差分フレーム長ΔLは、ESSIDの文字数=32Byteに対応付けられる。
端末装置1Aのホストシステム13Aは、変換表TBL2を保持している。
ホストシステム13Aは、ESSID群が[ダミーESSID1=1Byte,ダミーESSID2=5Byte,ESSID3=8Byte]からなる場合、変換表TBL2を参照して、ESSID群=[ダミーESSID1=1Byte,ダミーESSID2=5Byte,ESSID3=8Byte]に基づいて、L1のフレーム長、L1+8μsのフレーム長、L1+48μsおよびL1+112μsのフレーム長を決定する。
この場合、差分フレーム長は、1つ前のフレーム長との差分フレーム長である。
ホストシステム13Aは、ESSID群が[ダミーESSID1=1Byte,ダミーESSID2=5Byte,ESSID3=8Byte]以外からなる場合も、同様にして複数のフレーム長を決定する。
図15は、図1に示す無線通信システム10の実施の形態2における動作を示すフローチャートである。
なお、図15においては、ESSID群が[ダミーESSID1=1Byte,ダミーESSID2=5Byte,ESSID3=8Byte]からなる場合を例にして無線通信システム10における動作を説明する。
図15に示すフローチャートは、図9に示すフローチャートのステップS2をステップS2Aに代え、ステップS8をステップS8A,S8Bに代えたものであり、その他は、図9に示すフローチャートと同じである。
図15を参照して、一連の動作が開始されると、上述したステップS1が実行される。
そして、端末装置1Aは、ESSID群に基づいて、1つ以上の差分フレーム長が無線基地局2Aの識別子を表わすように複数の起動用プローブリクエストを作成し、複数の起動用プローブリクエストを無線LANのアクティブスキャンにおける管理フレームとして全チャネルで送信する(ステップS2A)。
より具体的には、端末装置1Aのホストシステム13Aは、ESSID群=[ダミーESSID1=1Byte,ダミーESSID2=5Byte,ESSID3=8Byte]に基づいて、L1のフレーム長、L1+8μsのフレーム長、L1+48μsのフレーム長およびL1+112μsのフレーム長を決定し、その決定した複数のフレーム長L1,L1+8μs,L1+48μs,L1+112μsをフレーム長変調信号生成部12へ出力する。そして、フレーム長変調信号生成部12は、複数のフレーム長L1,L1+8μs,L1+48μs,L1+112μsに基づいて複数の起動用プローブリクエストを生成し、その生成した複数の起動用プローブリクエストをアンテナ11を介して全チャネルで送信する。この場合、端末装置1Aは、複数の起動用プローブリクエストを図8の(a)に示す方法または図8の(b)に示す方法で送信する。
その後、上述したステップS3〜S7が順次実行される。そして、ステップS7の後、無線基地局2Aのフレーム長検出器234Aは、複数のフレーム長に基づいて1つ以上の差分フレーム長(=8μs,40μs,64μs)を検出する(ステップS8A)。
ID識別器235Aは、1つ以上の差分フレーム長をフレーム長検出器234Aから受け、その受けた1つ以上の差分フレーム長が無線基地局2Aの識別子に一致するか否かを判定する(ステップS8B)。
そして、ステップS8Bにおいて、1つ以上の差分フレーム長が無線基地局2Aの識別子に一致すると判定されたとき、上述したステップS9が実行される。
一方、1つ以上の差分フレーム長が無線基地局2Aの識別子に一致しないとき、一連の動作は、終了する。
このように、端末装置1Aは、無線基地局2Aの識別子を1つ以上の差分フレーム長によって表わすように複数の起動用プローブリクエストを生成して全チャネルで送信する(ステップS2A参照)。また、無線基地局2Aは、複数の起動用プローブリクエストの受信電波に基づいて複数の起動用プローブリクエストの複数のフレーム長を検出し、その検出した複数のフレーム長に基づいて1つ以上の差分フレーム長を検出する(ステップS3〜S7,S8A参照)。そして、無線基地局2Aは、1つ以上の差分フレーム長が自己の識別子に一致するか否かを判定し、1つ以上の差分フレーム長が自己の識別子に一致するとき、起動状態へ移行する(ステップS8B,S9参照)。
従って、複数の起動用プローブリクエストの複数のフレーム長が無線通信によって変化した場合、複数のフレーム長が同じように変化するので、1つ以上の差分フレーム長は、無線基地局2Aにおいて正確に検出される。その結果、無線基地局2Aを正確に起動できる。
上述したように、無線基地局2Aの識別子を3個の差分フレーム長によって表わす場合、端末装置1Aは、4個の起動用プローブリクエストを送信する。従って、無線基地局2Aの識別子をj(jは1以上の整数)個の差分フレーム長によって表わす場合、端末装置1Aは、j+1個の起動用プローブリクエストを送信する。
図16は、図1に示す端末装置1の実施の形態2における他の構成を示す概略図である。
実施の形態2においては、端末装置1は、図16に示す端末装置1Bからなっていてもよい。
図16を参照して、端末装置1Bは、図2に示す端末装置1のホストシステム13をホストシステム13Bに代えたものであり、その他は、端末装置1と同じである。
ホストシステム13Bは、起動状態へ移行させたい無線基地局の識別子を表わすESSID群(一部がダミーESSIDである複数のネットワーク識別子からなる)を予め保持している。
そして、ホストシステム13Bは、無線基地局を起動状態へ移行させる場合、後述する方法によって、ESSID群(一部がダミーESSIDである複数のネットワーク識別子からなる)に基づいて1つ以上の差分フレーム長/基準値が無線基地局の識別子を表わすように複数のフレーム長を決定し、その決定した複数のフレーム長をフレーム長変調信号生成部12へ出力する。
ホストシステム13Bは、その他、ホストシステム13と同じ機能を果たす。
図17は、図1に示す無線基地局2の実施の形態2における他の構成を示す概略図である。
実施の形態2においては、無線基地局2は、図17に示す無線基地局2Bからなっていてもよい。図17を参照して、無線基地局2Bは、図3に示す無線基地局2のウェイクアップ信号受信機23をウェイクアップ信号受信機23Bに代えたものであり、その他は、無線基地局2と同じである。
ウェイクアップ信号受信機23Bは、電源25から100μWの電力を受け、その受けた電力によって駆動される。
また、ウェイクアップ信号受信機23Bは、メイン装置24がスリープ状態にあるとき、切替器22を介してアンテナ21に接続される。そして、ウェイクアップ信号受信機23Bは、アンテナ21を介して端末装置1Bから複数の起動用プローブリクエストPRQD1〜PRQDnを全チャネルCh1〜Ch14のうちのいずれかのチャネルで受信すると、その受信した複数の起動用プローブリクエストPRQD1〜PRQDnの複数のフレーム長の複数の差分フレーム長を検出し、その検出した複数の差分フレーム長に基づいて1つ以上の差分フレーム長/基準値を検出する。その後、ウェイクアップ信号受信機23Bは、1つ以上の差分フレーム長/基準値が無線基地局2Bの識別子に一致するか否かを判定する。ウェイクアップ信号受信機23Bは、1つ以上の差分フレーム長/基準値が無線基地局2Bの識別子に一致すると判定したとき、起動信号を生成し、その生成した起動信号をメイン装置24へ出力する。一方、1つ以上の差分フレーム長/基準値が無線基地局2Bの識別子に一致しないと判定されたとき、ウェイクアップ信号受信機23Bは、1つ以上の差分フレーム長/基準値を破棄する。
ウェイクアップ信号受信機23Bは、その他、ウェイクアップ信号受信機23と同じ機能を果たす。
なお、ウェイクアップ信号受信機23Bは、無線基地局2Bをウェイクアップさせるための複数の起動用プローブリクエストPRQD1〜PRQDnを受信する機能のみを有し、無線LANにおける無線フレームを送信する機能を有しない。
図18は、図17に示すウェイクアップ信号受信機23Bの構成を示す概略図である。
図18を参照して、ウェイクアップ信号受信機23Bは、図4に示すウェイクアップ信号受信機23のフレーム長検出器234をフレーム長検出器234Bに代え、ID識別器235をID識別器235Bに代えたものであり、その他は、ウェイクアップ信号受信機23と同じである。
フレーム長検出器234Bは、複数のビット列をビット判定器233から受けると、フレーム長検出器234Aと同じ方法によって、複数の差分フレーム長を検出する。そして、フレーム長検出器234Bは、後述する方法によって、複数の差分フレーム長に基づいて1つ以上の差分フレーム長/基準値を検出し、その検出した1つ以上の差分フレーム長/基準値をID識別器235Bへ出力する。
ID識別器235Bは、1つ以上の差分フレーム長/基準値をフレーム長検出器234Bから受けると、その受けた1つ以上の差分フレーム長/基準値が無線基地局2Bの識別子に一致するか否かを判定する。そして、1つ以上の差分フレーム長/基準値が無線基地局2Bの識別子に一致するとき、ID識別器235Bは、起動信号を生成してホストシステム243へ出力する。一方、1つ以上の差分フレーム長/基準値が無線基地局2Bの識別子に一致しないとき、ID識別器235Bは、1つ以上の差分フレーム長/基準値を破棄する。
図19は、無線基地局の識別子を差分フレーム長/基準値によって表わす方法を示す図である。なお、図19においては、差分フレーム長をバイト数によって表わす。
図19を参照して、端末装置1Bのホストシステム13Bは、無線基地局2Bの識別子がESSID群(=ダミーESSID1=1Byte,ダミーESSID2=4Byte,ESSID3=2Byte)によって表わされるとき、L1のフレーム長、L1+2aのフレーム長、L1+4aのフレーム長、L1+12aのフレーム長およびL1+28aのフレーム長を決定し、その決定したL1のフレーム長、L1+2aのフレーム長、L1+4aのフレーム長、L1+12aのフレーム長およびL1+28aのフレーム長をフレーム長変調信号生成部12へ出力する。
そして、フレーム長変調信号生成部12は、L1のフレーム長を有する起動用プローブリクエストPRQD11、L1+2aのフレーム長を有する起動用プローブリクエストPRQD12、L1+4aのフレーム長を有する起動用プローブリクエストPRQD13、L1+12aのフレーム長を有する起動用プローブリクエストPRQD14およびL1+28aのフレーム長を有する起動用プローブリクエストPRQD15を順次送信する。
その結果、起動用プローブリクエストPRQD11と起動用プローブリクエストPRQD12との差分フレーム長は、|L1−(L1+2a)|=2aになり、起動用プローブリクエストPRQD12と起動用プローブリクエストPRQD13との差分フレーム長は、|L1+2a−(L1+4a)|=2aになり、起動用プローブリクエストPRQD13と起動用プローブリクエストPRQD14との差分フレーム長は、|L1+4a−(L1+12a)|=8aになり、起動用プローブリクエストPRQD14と起動用プローブリクエストPRQD15との差分フレーム長は、|L1+12a−(L1+28a)|=16aになる。
そして、1つ前の差分フレーム長を基準値とした場合、2つの差分フレーム長2a,2aにおける差分フレーム長/基準値=2a/2a=1となり、2つの差分フレーム長2a,8aにおける差分フレーム長/基準値=8a/2a=4となり、2つの差分フレーム長8a,16aにおける差分フレーム長/基準値=16a/8a=2となる。
従って、複数の差分フレーム長/基準値(=1Byte,4Byte,2Byte)によって無線基地局2Bの識別子を表わすことができる。
図19に示す例は、1つ前の差分フレーム長が基準値である例であるが、実施の形態2においては、これに限らず、複数の差分フレーム長のうちの任意の1つの差分フレーム長を基準値として決定し、その決定した基準値によって複数の差分フレーム長を除算した複数の差分フレーム長/基準値が無線基地局2Bの識別子を表わすようにしてもよい。例えば、1番目の差分フレーム長を基準値とした場合、無線基地局2Bの識別子は、1Byte,4Byte,8Byteの3個の文字数によって表わされ、148となる。
なお、実施の形態2においては、無線基地局2Bの識別子を1つの差分フレーム長/基準値によって表わしてもよい。無線基地局2Bの識別子を1つの差分フレーム長/基準値によって表わす場合、無線基地局2Bは、3個の起動用プローブリクエストを受信し、その受信した3個の起動用プローブリクエストの3個のフレーム長を検出する。そして、無線基地局2Bは、その検出した3個のフレーム長に基づいて2個の差分フレーム長を検出し、その検出した2個の差分フレーム長に基づいて1個の差分フレーム長/基準値を検出し、その検出した1個の差分フレーム長/基準値が自己の識別子に一致するとき、起動状態へ移行する。
このように、無線基地局2Bの識別子を1つの差分フレーム長/基準値によって表わした場合も、無線基地局2Bは、3個のフレーム長を検出するので、複数のフレーム長を検出することを条件に、無線基地局2Bを起動状態へ移行させるという本発明の主旨に合致する。
従って、実施の形態2においては、無線基地局2Bの識別子を1つ以上の差分フレーム長/基準値によって表わす。
図20は、ESSIDの文字数と差分フレーム長/基準値との変換表を示す図である。
図20を参照して、変換表TBL3は、ESSIDの文字数と差分フレーム長/基準値とを含む。ESSIDの文字数および差分フレーム長/基準値は、相互に対応付けられる。
“0”〜“32”からなる差分フレーム長/基準値は、それぞれ、“0”〜“32”からなるESSIDの文字数に対応付けられる。
ESSIDを“0”〜“32”の文字数で表した場合、文字数が“32”Byteであるときのフレーム長は、上述したように、32Byte×8μs=256μsであり、文字数が“0”Byteであるときのフレーム長は、0Byte×8μs=0μsである。
その結果、2つの起動用プローブリクエストPRQD間において、最大の差分フレーム長は、256μs−0μs=256μsであり、最小の差分フレーム長は、2つの起動用プローブリクエストPRQDの2つのフレーム長が同じ場合であり、0μsである。
そうすると、差分フレーム長/基準値の最大値は、256μs/8μs=32であり、差分フレーム長/基準値の最小値は、差分フレーム長=0の場合であり、0である。
そこで、変換表TBL3に示すように、“0”〜“32”からなるESSIDの文字数にそれぞれ“0”〜“32”からなる差分フレーム長/基準値を割り当てることにした。
但し、図19において、1つ前の差分を基準値として差分フレーム長/基準値を演算する方式に差分フレーム長/基準値=0を用いることはできない。差分フレーム長=0が基準値になる場合もあり、その場合、差分フレーム長/基準値が無限大になるからである。
しかし、図19において、基準値を1つの差分フレーム長に固定して差分フレーム長/基準値を演算する方式に差分フレーム長/基準値=0を用いことができる。即ち、“0”以外の値からなる差分フレーム長に基準値を固定した場合には、差分フレーム長/基準値=0を用いことができる。
従って、変換表TBL3においては、差分フレーム長/基準値=0を含めることにした。
なお、端末装置2Bのホストシステム13Bは、変換表TBL3を保持している。そして、端末装置2Bのホストシステム13Bは、変換表TBL3を参照して、ESSID群に基づいて、1つ以上の差分フレーム長/基準値が無線基地局2Bの識別子を表わすように複数のフレーム長を決定し、その決定した複数のフレーム長をフレーム長変調信号生成部12へ出力する。
また、無線基地局2BのID識別器235Bは、フレーム長検出器234Bから受けた1つ以上の差分フレーム長/基準値が無線基地局2Bの識別子に一致するか否かを判定する。そして、1つ以上の差分フレーム長/基準値が無線基地局2Bの識別子に一致するとき、ID識別器235Bは、起動信号を生成してホストシステム243へ出力する。一方、1つ以上の差分フレーム長/基準値が無線基地局2Bの識別子に一致しないとき、ID識別器235Bは、1つ以上の差分フレーム長/基準値を破棄する。
図21は、図1に示す無線通信システム10の実施の形態2における別の動作を示すフローチャートである。
なお、図21においては、無線基地局2Bの識別子がESSID群(=ダミーESSID1=a(1Byte),ダミーESSID2=abcd(4Byte),ESSID3=ab(2Byte))によって表わされる場合を例にして無線通信システム10の動作を説明する。
図21に示すフローチャートは、図9に示すフローチャートのステップS2をステップS2Bに代え、ステップS8をステップS8C,S8Dに代えたものであり、その他は、図9に示すフローチャートと同じである。
図21を参照して、一連の動作が開始されると、上述したステップS1が実行される。そして、端末装置1Bは、ESSID群に基づいて、1つ以上の差分フレーム長/基準値が無線基地局2Bの識別子(=142)を表すように複数の起動用プローブリクエストPRQD11〜PRQD15を作成し、複数の起動用プローブリクエストPRQD11〜PRQD15を無線LANのアクティブスキャンにおける管理フレームとして全チャネルで送信する(ステップS2B)。
この場合、起動用プローブリクエストPRQD11のフレーム長は、L1からなり、起動用プローブリクエストPRQD12のフレーム長は、L1+16μsからなり、起動用プローブリクエストPRQD13のフレーム長は、L1+32μsからなり、起動用プローブリクエストPRQD14のフレーム長は、L1+96μsからなり、起動用プローブリクエストPRQD15のフレーム長は、L1+224μsからなる。
ステップS2Bの後、上述したステップS3〜ステップS7が順次実行される。そして、ステップS7の後、無線基地局2Bのフレーム長検出器234Bは、複数のフレーム長に基づいて複数の差分フレーム長を検出し、その検出した複数の差分フレーム長に基づいて1つ以上の差分フレーム長/基準値を演算する(ステップS8C)。
この場合、フレーム長検出器234Bは、起動用プローブリクエストPRQD11のフレーム長L1、起動用プローブリクエストPRQD12のフレーム長L1+16μs、起動用プローブリクエストPRQD13のフレーム長L1+32μs、起動用プローブリクエストPRQD14のフレーム長L1+96μs、および起動用プローブリクエストPRQD15のフレーム長L1+224μsを検出する。
そして、フレーム長検出器234Bは、差分フレーム長=|L1−(L1+16μs)|=16μs、差分フレーム長=|L1+16μs−(L1+32μs)|=16μs、差分フレーム長=|L1+32μs−(L1+96μs)|=64μs、および差分フレーム長=|L1+96μs−(L1+224μs)|=128μsを検出する。
そうすると、フレーム長検出器234Bは、差分フレーム長/基準値=16μs/16μs=1、差分フレーム長/基準値=64μs/16μs=4および差分フレーム長/基準値=128μs/64μs=2を演算する。
フレーム長検出器234Bは、1つ以上の差分フレーム長/基準値を演算すると、その演算した1つ以上の差分フレーム長/基準値をID識別器235Bへ出力する。
ID識別器235Bは、1つ以上の差分フレーム長/基準値をフレーム長検出器234Bから受け、その受けた1つ以上の差分フレーム長/基準値が無線基地局2Bの識別子に一致するか否かを判定する(ステップS8D)。
ステップS8Dにおいて、1つ以上の差分フレーム長/基準値が無線基地局2Bの識別子に一致すると判定されたとき、上述したステップS9が実行される。一方、ステップS8Dにおいて、1つ以上の差分フレーム長/基準値が無線基地局2Bの識別子に一致しないと判定されたとき、一連の動作は、終了する。
図21に示すフローチャートにおいては、複数の差分フレーム長/基準値が無線基地局2Bの識別子を表わすように複数の起動用プローブリクエストPRQD11〜PRQD15を送信するので、起動用プローブリクエストPRQD11〜PRQD15のフレーム長が変動しても、2つの差分フレーム長の比率である差分フレーム長/基準値は、一定である。
従って、無線基地局2Bを正確に起動できる。
なお、無線基地局2Bの識別子を3個の差分フレーム長/基準値で表わした場合、端末装置1Bは、5個の起動用プローブリクエストPRQD11〜PRQD15を送信する。従って、無線基地局2Bの識別子をj個の差分フレーム長/基準値で表わした場合、端末装置1Bは、j+2個の起動用プローブリクエストを送信する。
実施の形態2におけるその他の説明は、実施の形態1における説明と同じである。
[実施の形態3]
図22は、図1に示す端末装置1の実施の形態3における構成を示す概略図である。実施の形態3においては、端末装置1は、図22に示す端末装置1Cからなる。
図22を参照して、端末装置1Cは、図2に示す端末装置1のホストシステム13をホストシステム13Cに代え、送受信部14および設定部15を追加したものであり、その他は、端末装置1と同じである。
ホストシステム13Cは、設定部15によってESSID群が設定され、ESSID群を保持する。そして、ホストシステム13Cは、無線基地局と無線通信を開始するとき、ホストシステム13,13A,13Bのいずれかと同じ方法によって複数の起動用プローブリクエストPRQD1〜PRQDnの複数のフレーム長を決定し、その決定した複数のフレーム長をフレーム長変調信号生成部12へ出力する。
また、ホストシステム13Cは、無線基地局が起動状態にあるときに無線基地局と無線通信を開始するとき、無線基地局との間で無線通信を開始することを指示するための指示信号CMS2を生成し、その生成した指示信号CMS2を送受信部14へ出力する。
ホストシステム13Cは、その他、ホストシステム13と同じ機能を果たす。
送受信部14は、無線基地局が起動状態にあるときに指示信号CMS2をホストシステム13Cから受け、その受けた指示信号CMS2に応じて、接続用プローブリクエストPRQを無線LANのアクティブスキャンにおける管理フレームとして生成し、その生成した接続用プローブリクエストPRQをアンテナ11を介して送信する。
また、送受信部14は、接続用プローブリクエストPRQを送信した後、ESSID群を暗号化した暗号化ESSID群をアンテナ11を介して無線基地局から受信し、その受信した暗号化ESSID群を設定部15へ出力する。
設定部15は、復号鍵K_decryを予め保持している。設定部15は、暗号化ESSID群を送受信部14から受けると、その受けた暗号化ESSID群を復号鍵K_decryによって復号し、その復号したESSID群をホストシステム13Cに設定する。
図23は、図1に示す無線基地局2の実施の形態3における構成を示す概略図である。実施の形態3においては、無線基地局2は、図23に示す無線基地局2Cからなる。
図23を参照して、無線基地局2Cは、図3に示すウェイクアップ信号受信機23をウェイクアップ信号受信機23Cに代え、メイン装置24をメイン装置24Aに代えたものであり、その他は、無線基地局2と同じである。
ウェイクアップ信号受信機23Cは、電源25から100μWの電力を受け、その受けた電力によって駆動される。ウェイクアップ信号受信機23Cは、切替器22を介してアンテナ21に接続される。ウェイクアップ信号受信機23Cは、無線基地局2Cの識別子をメイン装置24Aによって設定される。
ウェイクアップ信号受信機23Cは、図4に示すウェイクアップ信号受信機23、図12に示すウェイクアップ信号受信機23Aおよび図18に示すウェイクアップ信号受信機23Bのいずれかと同じ構成からなる。即ち、ウェイクアップ信号受信機23Cは、端末装置1Cが端末装置1からなる場合、ウェイクアップ信号受信機23と同じ構成からなり、端末装置1Cが端末装置1Aからなる場合、ウェイクアップ信号受信機23Aと同じ構成からなり、端末装置1Cが端末装置1Bからなる場合、ウェイクアップ信号受信機23Bと同じ構成からなる。
そして、ウェイクアップ信号受信機23Cは、アンテナ21を介して複数の起動用プローブリクエストPRQD1〜PRQDnを受信し、その受信した複数の起動用プローブリクエストPRQD1〜PRQDnをウェイクアップ信号受信機23,23A,23Bのいずれかと同じ方法によって処理し、複数のフレーム長(または1つ以上の差分フレーム長または1つ以上の差分フレーム長/基準値)が無線基地局2Cの識別子に一致するとき、起動信号を生成してメイン装置24Aへ出力する。
メイン装置24Aは、電源25から7Wの電力を受け、その受けた電力によって駆動される。メイン装置24Aは、切替器22を介してアンテナ21に接続される。メイン装置24Aは、暗号鍵K_encryを予め保持している。メイン装置24Aは、端末装置1Cからの接続用プローブリクエストPRQをアンテナ21を介して受信し、その受信した接続用プローブリクエストPRQに応じて、無線基地局2Cの識別子(=ESSID群)を決定し、その決定した識別子(=ESSID群)をウェイクアップ信号受信機23Cに設定する。
また、メイン装置24Aは、無線基地局2Cの識別子を表わすESSID群(=一部がダミーESSIDである複数のESSID)を暗号鍵K_encryによって暗号化し、その暗号化した暗号化ESSID群をアンテナ21を介して端末装置1Cへ送信する。
メイン装置24Aは、その他、メイン装置24と同じ機能を果たす。
メイン装置24Aは、図3に示すメイン装置24のホストシステム243をホストシステム243Aに代えたものであり、その他は、メイン装置24と同じである。
ホストシステム243Aは、暗号鍵K_encryを予め保持している。ホストシステム243Aは、端末装置1Cからの接続用プローブリクエストPRQを無線通信モジュール241から受けると、その受けた接続用プローブリクエストPRQに応じて、無線基地局2Cの識別子(=ESSID群)を決定し、その決定した識別子(=ESSID群)をウェイクアップ信号受信機23Cに設定する。
また、ホストシステム243Aは、無線基地局2Cの識別子を表わすESSID群(=一部がダミーESSIDである複数のESSID)を暗号鍵K_encryによって暗号化し、その暗号化した暗号化ESSID群を無線通信モジュール241を介して端末装置1Cへ送信する。
ホストシステム243Aは、その他、ホストシステム243と同じ機能を果たす。
図24は、図1に示す無線通信システム10の実施の形態3における動作を示すフローチャートである。
図24を参照して、一連の動作が開始されると、端末装置1Cのホストシステム13Cは、無線基地局2Cが起動状態であるときに無線基地局2Cと無線通信を開始するとき(ステップS11)、指示信号CMS2を生成して送受信部14へ出力する。
送受信部14は、指示信号CMS2に応じて、接続用プローブリクエストPRQを生成し、その生成した接続用プローブリクエストPRQを無線LANのアクティブスキャンにおいて送信する(ステップS12)。
そして、無線基地局2Cの無線通信モジュール241は、アンテナ21を介して接続用プローブリクエストPRQを受信し(ステップS13)、その受信した接続用プローブリクエストPRQをホストシステム243Aへ出力する。
ホストシステム243Aは、無線通信モジュール241からの接続用プローブリクエストPRQに応じて、ダミーESSIDを用いて無線基地局2Cの識別子を決定する(ステップS14)。ホストシステム243Aは、例えば、ダミーESSID1=a,ダミーESSID2=abcdefghijk,ダミーESSID3=abcdefg,ESSID4=abcからなる無線基地局2Cの識別子を決定する。
その後、ホストシステム243Aは、無線基地局2Cの識別子(=ダミーESSID1=a,ダミーESSID2=abcdefghijk,ダミーESSID3=abcdefg,ESSID4=abc)をウェイクアップ信号受信機23Cに設定する(ステップS15)。
そして、ホストシステム243Aは、無線基地局2Cの識別子を表わすESSID群(=ダミーESSID1=a,ダミーESSID2=abcdefghijk,ダミーESSID3=abcdefg,ESSID4=abc)を暗号鍵K_encryによって暗号化し、その暗号化した暗号化ESSID群を無線通信モジュール241へ出力し、無線通信モジュール241は、暗号化ESSID群を端末装置1Cへ送信する(ステップS16)。
端末装置1Cの送受信部14は、アンテナ11を介して暗号化ESSID群を受信し(ステップS17)、その受信した暗号化ESSID群を設定部15へ出力する。
設定部15は、送受信部14からの暗号化ESSID群を復号鍵K_decryによって復号し、その復号したESSID群(=ダミーESSID1=a,ダミーESSID2=abcdefghijk,ダミーESSID3=abcdefg,ESSID4=abc)をホストシステム13Cに設定する(ステップS18)。
そして、端末装置1Cおよび無線基地局2Cは、動作を停止する(ステップS19)。つまり、端末装置1Cおよび無線基地局2Cは、起動状態からスリープ状態へ移行する。
その後、端末装置1Cは、無線基地局2Cと無線通信を開始するとき、無線基地局2Cをスリープ状態から起動状態へ移行させる(ステップS20)。この場合、ステップS20の動作は、図9に示すフローチャート、図15に示すフローチャートおよび図21に示すフローチャートのいずれかのフローチャートに従って実行される。
これによって、一連の動作は、終了する。
このように、端末装置1Cおよび無線基地局2Cは、ESSID群を自動設定する。
従って、物理層およびMAC層よりも上位で実行される上位ソフトウェアを既存の端末装置に追加するだけでESSID群を自動設定できる。
実施の形態3におけるその他の説明は、実施の形態1,2における説明と同じである。
[実施の形態4]
図25は、実施の形態4による無線通信システムの構成を示す概略図である。図25を参照して、実施の形態4による無線通信システム100は、端末装置101と、無線基地局111〜113とを備える。
端末装置101は、上述した端末装置1,1A,1B,1Cのいずれかと同じ構成からなり、無線通信を開始するとき、無線基地局111〜113のいずれかの識別子を表わす複数のフレーム長を有する複数の起動用プローブリクエストPRQD1〜PRQDnを送信し、無線基地局111〜113のいずれかをスリープ状態から起動状態へ移行させ、その移行させた無線基地局と無線通信を行う。
無線基地局111〜113は、有線ケーブル110によって相互に接続され、同じESSIDが割り当てられる。無線基地局111〜113の各々は、上述した無線基地局2,2A,2B,2Cのいずれかと同じ構成からなる。即ち、端末装置101が端末装置1と同じ構成からなる場合、無線基地局111〜113の各々は、無線基地局2と同じ構成からなる。また、端末装置101が端末装置1Aと同じ構成からなる場合、無線基地局111〜113の各々は、無線基地局2Aと同じ構成からなる。更に、端末装置101が端末装置1Bと同じ構成からなる場合、無線基地局111〜113の各々は、無線基地局2Bと同じ構成からなる。更に、端末装置101が端末装置1Cと同じ構成からなる場合、無線基地局111〜113の各々は、無線基地局2Cと同じ構成からなる。
無線基地局111〜113の各々は、端末装置101から複数の起動用プローブリクエストPRQD1〜PRQDnを受信し、その受信した複数の起動用プローブリクエストPRQD1〜PRQDnの複数のフレーム長、複数のフレーム長に基づいて演算された1つ以上の差分フレーム長および複数のフレーム長に基づいて演算された1つ以上の差分フレーム長/基準値のいずれかが自己の識別子に一致するとき、スリープ状態から起動状態へ移行する。そして、無線基地局111〜113の各々は、端末装置101と無線通信を行う。
端末装置101が端末装置1,1A,1Bのいずれかと同じ構成からなり、無線基地局111〜113の各々が無線基地局2,2A,2Bのいずれかと同じ構成からなる場合、無線基地局111〜113の識別子を表わすESSID群は、無線通信システム100の設計者によって、端末装置101および無線基地局111〜113に設定される。
一方、端末装置101が端末装置1Cと同じ構成からなり、無線基地局111〜113の各々が無線基地局2Cと同じ構成からなる場合、無線基地局111〜113の識別子を表わすESSID群は、端末装置101および無線基地局111〜113に自動的に設定される。
無線基地局111〜113は、同じESSIDを有するため、端末装置101は、同じESSIDの無線LAN環境の任意の場所において無線基地局(無線基地局111〜113のいずれか)を起動させ、その起動させた無線基地局(無線基地局111〜113のいずれか)と無線通信を行うことができる。
また、端末装置101は、無線基地局111〜113のいずれかと無線通信を行っているときに移動しながら別の無線基地局を起動させることができる。通常のプローブリクエストPRQは、端末装置が無線基地局に帰属中も送信可能であるため、実施の形態4においても、端末装置101が無線基地局111〜113のいずれかと無線通信を行っているときにも、複数の起動用プローブリクエストPRQD1〜PRQDnを送信し、別の無線基地局を起動させることとした。
実施の形態4におけるその他の説明は、実施の形態1〜実施の形態3と同じである。
上記においては、ウェイクアップ信号受信機23,23A,23Bは、受信電波を包絡線検波すると説明したが、この発明の実施の形態においては、これに限らず、ウェイクアップ信号受信機23,23A,23Bは、包絡線検波に代えて、同期検波または再生検波を行ってもよく、一般的には、受信電波を検波する方法であれば、どのような方法によって受信電波を検波してもよい。
また、上記においては、複数の起動用プローブリクエストPRQD1〜PRQDnを全チャネルで送信すると説明したが、この発明の実施の形態においては、これに限らず、複数の起動用プローブリクエストPRQD1〜PRQDnを1つ以上のチャネルで送信すればよい。
上述した実施の形態1〜実施の形態4においては、端末装置が無線基地局に帰属していないときに無線基地局を起動させることについて説明したが、この発明の実施の形態においては、これに限らず、端末装置が他の無線装置との間で無線リンクを確立していないときに無線装置を起動させるものであればよい。例えば、アドホック無線ネットワークにおいて、送信元の無線装置が自己の周囲の無線装置を上述した方法によって起動させて無線通信を行うことが想定される。
また、上述した実施の形態1〜実施の形態4においては、端末装置が無線基地局をスリープ状態から起動状態へ移行させる場合について説明したが、これは、端末装置が無線基地局に対してスリープ状態から起動状態へ移行させるという制御を行うことに相当する。その結果、上述した複数の起動用プローブリクエストPRQD1〜PRQDnは、複数の制御用プローブリクエストに相当する。
そして、この発明の実施の形態においては、端末装置は、無線基地局を制御するだけでなく、無線基地局と有線ケーブルによって接続された別の無線基地局、または無線基地局と有線ケーブルによって接続された機器を制御してもよい。この場合、端末装置は、制御対象である別の無線基地局または機器の識別子を表わす複数のフレーム長を有する複数の制御用プローブリクエストを送信し、無線基地局は、端末装置から受信した複数の制御用プローブリクエストの複数のフレーム長を検出し、複数のフレーム長、1つ以上の差分フレーム長および1つ以上の差分フレーム長/基準値のいずれかを有線ケーブルを介して別の無線基地局(または機器)へ送信するようにしてもよい。そして、端末装置から複数の制御用プローブリクエストを受信するものは、無線基地局に限らず、一般的には、無線装置であればよい。
従って、端末装置から複数の制御用プローブリクエストを受信する無線装置は、識別子を表わし、かつ、1つ以上のフレーム長を有する複数の制御用プローブリクエストの複数のフレーム長を検出する検出手段と、その検出された複数のフレーム長が識別子を表わすとき、制御信号を生成する制御手段とを備えていればよい。
更に、この発明の実施の形態においては、端末装置は、他の無線装置(無線基地局を含む)と無線リンクを確立しているときに複数の制御用プローブリクエストを送信するようにしてもよい。つまり、この発明の実施の形態においては、端末装置は、他の無線装置(無線基地局を含む)と無線リンクを確立しているか、他の無線装置(無線基地局を含む)と無線リンクを確立していないかに拘わらず、識別子を表わし、かつ、1つ以上のフレーム長を有する複数の制御用プローブリクエストをアクティブスキャンにおける管理フレームとして1つ以上のチャネルで送信するものであればよい。
従って、この発明の実施の形態による端末装置は、制御の開始を指示する指示信号を生成する指示手段と、指示信号を受けると、無線LANのアクティブスキャンにおける管理フレームであるプローブリクエストを用いて、識別子を表わすとともに1つ以上のフレーム長を有する複数の制御用プローブリクエストを生成し、その生成した複数の制御用プローブリクエストをアクティブスキャンにおいて1つ以上のチャネルで送信する送信手段とを備えていればよい。
端末装置は、他の無線装置(無線基地局を含む)と無線リンクを確立しているときに複数の制御用プローブリクエストを送信する場合、複数の制御用プローブリクエストは、本来のESSIDに基づいて生成される接続用プローブリクエストを含んでいてもよい。例えば、複数の制御用プローブリクエストが4個の制御用プローブリクエストPRCTL1〜PRCTL4からなり、ESSID群がダミーESSID1,ダミーESSID2,ダミーESSID3,ESSID4からなる場合、4個の制御用プローブリクエストPRCTL1〜PRCTL4は、ダミーESSID1,ダミーESSID2,ダミーESSID3,ESSID4に基づいて決定された4個のフレーム長L1〜L4をそれぞれ有し、この4個のフレーム長L1〜L4によって制御対象である他の装置(無線基地局および機器等)の識別子を表わすとともに、4個目の制御用プローブリクエストPRCTL4は、本来のESSIDに基づいて決定されたフレーム長L4を有する接続用プローブリクエストである。
従って、端末装置から4個の制御用プローブリクエストPRCTL1〜PRCTL4を受信した無線装置は、4個の制御用プローブリクエストPRCTL1〜PRCTL4の4個のフレーム長L1〜L4を検出して制御対象の装置の識別子を検知するとともに、4個目の制御用プローブリクエストPRCTL4(=接続用プローブリクエスト)に応じて端末装置との間で無線リンクを確立する。この場合、端末装置は、4個の制御用プローブリクエストPRCTL1〜PRCTL4のうちの1つが接続用プローブリクエストであることを認識せずに4個の制御用プローブリクエストPRCTL1〜PRCTL4を送信する。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。