JP5505928B2 - ガス発生装置 - Google Patents

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Description

本発明はガス発生装置に係り、特にマイクロ波エネルギを用いたガス発生装置に関する。
現在、自動車の動力源であるエンジンの燃料として主に使用されているのはガソリンであり、それは石油製品のひとつであるが、その石油が約40年から50年といった近い将来に枯渇するであろうと言われている。そこで、石油に代わる新たなエネルギ源として現在注目されているのが水素である。水素は、自動車の動力源に燃料電池を搭載した場合に燃料電池の燃料として用いることができる。
水素発生法には、メタンの水蒸気改質やコークス炉反応があるが、温暖化の原因となると言われている二酸化炭素や一酸化炭素が発生するという難点がある。そこで、直鎖型の飽和炭化水素ガスの直接分解によって、水素と炭素単体が生成すれば、環境に影響せず好都合である。
例えば、特許文献1には、反応容器内の固体炭素質材料をマイクロ波で加熱することにより水素を発生させる水蒸気改質法について開示されている。また、特許文献2には、含水素化合物の気体状物質を、黒鉛繊維片を装填した反応容器に流し、マイクロ波で加熱することによって水素を遊離させる熱分解法について開示されている。
特開2007−126300号公報 特開2006−188397号公報
特許文献1では、水蒸気を流入した環境下で、固体炭素材にマイクロ波を照射し水素を得るというものであるが、水素と一緒に一酸化炭素も精製されるため、先述したように一酸化炭素を副生成する。特許文献2では、含水素化合物の気体状物質を簡易かつ低廉な方法で分解して燃料電池用の水素燃料を得るとあるが、高効率化という課題を有する。
本発明の目的は、反応済みガス中に一酸化炭素や二酸化炭素を含まず、水素ガスを発生させるガス発生装置を提供することである。
本発明に係るガス発生装置は、マイクロ波エネルギを供給するマイクロ波供給部と、直鎖型の飽和炭化水素ガスである原料ガスを流入させる流入口と、反応済みガスを流出させる流出口とを有する反応管部と、反応管部内に配置され、マイクロ波エネルギを受けて放電を起こさせるための反応材部とを備え、反応材部は、マイクロ波供給部との関係で予め定められた所定の位置で反応管部内に配置されるグラファイトチューブと、グラファイトチューブに取り付けられ、原料ガスの流れ方向に平行な先端形状を有する金属線部とを含むことを特徴とする。
また、本発明に係るガス発生装置は、グラファイトチューブは、反応管部内においてマイクロ波供給部から供給されるマイクロ波エネルギの照射領域内に配置され、金属線部は、反応管部内においてグラファイトチューブよりも原料ガスの流れ方向の下流側に向けて突き出して配置されることが好ましい。
また、本発明に係るガス発生装置は、金属線部の先端形状は予め定められた分岐本数を有することが好ましい
また、本発明に係るガス発生装置は、金属線部は、銅、又はニッケル、又は銀、又はタングステンから選択される少なくとも1種類の金属を含むことが好ましい。
上記構成のガス発生装置によれば、マイクロ波エネルギを照射するだけでは原料ガスとしての直鎖型の飽和炭化水素ガスは分解されないが、反応材部を介在させることで、直鎖型の飽和炭化水素ガスを瞬間的に分解させることが可能になり、反応済みガスの中に一酸化炭素や二酸化炭素を含まず、水素ガスを発生させることができる。
本発明に係る実施の形態において、ガス発生装置の構成を示す図である。 本発明に係る実施の形態において、反応管部内に備えられている台座を示す上面図と側面図である。 本発明に係る実施の形態において、反応材部を支持体に取り付ける様子を説明する図である。 本発明に係る実施の形態において、反応材部を説明する図である。 本発明に係る実施の形態において、金属線部に用いられる金属線種の比較を行った結果を説明する図である。 本発明に係る実施の形態において、金属線部に用いる金属種によって煤が異なることを説明する図である。 本発明に係る実施の形態において、図1の反応管部の部分を抜き出して示す詳細図である。 本発明に係る実施の形態において、実施例および各比較例の結果をまとめたものを示すものである。 本発明に係る実施の形態において、グラファイトチューブの本数の比較を行った結果を説明する図である。 本発明に係る実施の形態において、図9の燃料電池の電圧が10V以上の維持時間を示す図である。 本発明に係る実施の形態において、銅線の先端分岐本数の比較を行った結果を説明する図である。
以下に図面を用いて、本発明の実施の形態につき、詳細に説明する。以下において述べる材料、形状、寸法等は、説明のための一例であり、ガス発生装置の仕様に合わせ、適当な他の材料、形状、寸法等を採用することができる。
以下では、原料ガスとしての直鎖型の飽和炭化水素ガスとして、メタンを説明するが、これは説明のための例示であって、メタン以外の直鎖型の飽和炭化水素ガスを用いることができる。例えば、エタン、プロパン、ブタン等を用いることができる。直鎖型の飽和炭化水素ガスは単独でもよいし、2種類以上組み合わせて用いてもよい。
以下では、全ての図面において同様の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、本文中の説明においては、必要に応じて以前に述べた符号を用いるものとする。以下では、寸法を記載するが、寸法を決定した理由については、後述する。
図1は、ガス発生装置10の構成を示す図である。ガス発生装置10は、ガスボンベ12から直鎖型の飽和炭化水素ガスを反応管部20に導入し、マイクロ波供給部14より供給されるマイクロ波エネルギを照射することによって、水素を発生させる装置である。ガス発生装置10は、ガスボンベ12とマイクロ波供給部14と反応管部20と反応材部30とを備える。
図2は、反応管部20内に備えられている台座26を示す上面図と正面図である。図3は、反応材部30を支持体28に取り付ける様子を説明する図である。図4は、反応材部30を説明する図である。これらの図で−Z方向が重力方向である。高さ位置とは、+Z方向に沿っての位置である。
ガスボンベ12は、直鎖型の飽和炭化水素ガス、具体的にはメタンガスが充填されたボンベであり、流量調節部13によって、適宜流量を調節して反応管部20に供給することができる。例えば、流量を0.0002m3/分(0.2L/分)とすることができる。
マイクロ波供給部14は、マイクロ波エネルギを供給する機能を有するもので、例えば、磁界と電界の作用によって発振を起こさせ、マイクロ波を発生させる真空管であるマグネトロンを用いることができる。マイクロ波エネルギの供給は、印加電圧や照射時間等で調整することができる。例えば、周波数2.45GHz、印加電圧72Vの条件の下で出力750Wのマイクロ波エネルギを10分間照射するものとする。
なお、印加電圧は、72Vが好ましい。このことは、印加電圧の検討実験において、70V以下では放電が起こらず、80V以上では、放電が強すぎて、後述する金属線部34が溶融し、70Vないし80Vの間の電圧で、金属線部34は溶融することなく放電が持続するのは72Vであるという実験結果に基づく。
マイクロ波照射領域16は、マイクロ波供給部14より供給されるマイクロ波エネルギが照射される領域である。マイクロ波エネルギは、+Z方向に垂直に交わる水平方向に一定の領域幅で照射される。これが、マイクロ波照射領域16である。マイクロ波照射領域16の+Z方向に沿った中心高さが、反応管部20の底部よりZ方向に沿って80mmとなるように、マイクロ波供給部14および反応管部20は配置される。
反応管部20は、メタンガスをマイクロ波エネルギで分解する処理を行う処理空間を有する管である。反応管部20には化学実験に用いられる円筒型のガラス管が用いることができる。反応管部20は、メタンガスを流入させる流入口22と、反応済みガスとしての水素ガスを流出させる流出口24とを有し、反応管部20内には台座26と支持体28と反応材部30を配置することができる。反応管部20の寸法としては、例えば、内径28mm、高さ300mmとすることができる。
台座26は、反応管部20内に配置され、反応材部30の高さ位置を調節する機能を有し、例えば、化学実験用の石英キャップを用いることができる。また、台座26は流入するガスが通気しやすいように通気孔を有しているものが好ましい。台座26の寸法としては、例えば、直径26mm、高さ40mmとすることができる。
支持体28は、反応管部20内に配置され、反応材部30を支持する機能を有し、例えば、化学実験用のガラス栓を用いることができる。
反応材部30は、炭素質材料32と金属線部34を含んで構成される。反応管部20内に反応材部30である炭素質材料32と金属線部34をともに介在させることによって、メタンガスにマイクロ波エネルギを照射すると放電が起き、メタンガスが分解され、水素ガスが発生する。なお、予め行った実験によれば、メタンガスにマイクロ波エネルギを照射するだけでは、メタンガスは分解されない。また、反応材部30が、炭素質材料32のみ、または金属線部34のみでは、メタンガスは分解されない。
炭素質材料32は、マイクロ波エネルギを吸収する機能を有するものとして反応管部20内のマイクロ波照射領域16に配置される。そして、金属線部34とともにメタンガスの流れの中に介在させることで放電を起させ、メタンガスを分解し、水素ガスを発生させる機能を有する。
炭素質材料32には、グラファイトチューブを用いることができる。グラファイトチューブとは、結晶構造を有する黒鉛を管状に成形したものであり、導体である。例えば、グラファイトチューブの単体または集合体を用いることができ、長さの異なるもの、またはグラファイトチューブの本数Nを複数本にしたものを用いることができる。図4の例では、内径5mm、厚み1mm、長さ20mmの寸法を有するグラファイトチューブを1本と数え、本数N2本で炭素質材料32が構成される。この場合、2本のグラファイトチューブの側壁が互いに平行になるように配置される。
この他に、グラファイトチューブに類したものとして、例えば、カーボンフェルト等を用いることも考えられるが、グラファイトチューブ32は焼結体であり、熱安定性があり、発生する炭素との分離が容易である。そのためここでは、炭素質材料32としてグラファイトチューブを用いる。
金属線部34は、その先端部で、メタンガスの流れの中で放電を起こさせる機能を有するものとして金属線を1本または複数本を撚ったものを用いることができる。金属線部34は、反応管部20内に配置される。
金属線部34の+Z方向に沿った上部すなわち+Z方向の頂部にある先端部は、流入するガスの流れ方向の下流側に向かって分岐して突き出すような先端形状を有する。ここで、分岐される本数を分岐本数nで表す。図4の例では、先端部の寸法は、長さ5mm、分岐本数n3本である。
金属線部34の中央部は、金属線を巻き付けることによって炭素質材料32を固定し、マイクロ波照射領域16に炭素質材料32を配置させる機能を有する。図3の例では、支持体28の底部から+Z方向に沿って40mm上方の位置に炭素質材料32が配置され、炭素質材料32の上方の金属線部34の長さは、23mmである。
金属線部34の下部は、支持体28の図示されていない差込穴に差し込まれる。これによって、反応材部30は支持体28に固定される。
図5は、金属線部34に用いられる金属線種の比較を行った結果を説明する図である。比較する金属線種は、ニッケル、銀、タングステン、銅、ニッケルと銀と銅の混合物の5種類とし、金属線部の先端分岐本数nを3本とした場合に、マイクロ波照射時間と発生した水素ガスを用いた燃料電池の電圧との関係を調べた結果を示す。横軸は、マイクロ波照射時間であり、単位は分である。縦軸は、燃料電池の電圧であり、単位はVである。金属線種によって燃料電池の電圧は異なり、銅では約20Vの電圧最大値を得ることができた。その他の金属線種においても、15Vないし20Vの電圧最大値を得ることができた。金属線種を比較した結果、ニッケル、銀、タングステン、銅、ニッケルと銀と銅の混合物は、短時間で電圧が下がるが、銅は、他に比べて燃料電池の電圧の10V以上の持続時間が長く、また燃料電池の電圧の発生が繰り返されることがわかった。このことから、以下では、金属線部34には、銅を用いた場合を説明する。
なお、図6は、金属線部34に用いる金属線種によって煤が異なることを説明する図である。煤とは、メタンガスが分解されることにより発生する炭素である。図6(a)は銀、図6(b)は銅、図6(c)はニッケルを金属線として用いたときに発生した煤を走査型電子顕微鏡で観察した結果を示す図である。ここで示されるように、金属種によって、煤の形状に違いが見られた。ニッケルを金属線に用いた場合に発生した煤は、カーボンナノチューブの可能性がある。発生した煤が反応管部20および金属線部34に付着すると、マイクロ波エネルギを吸収し、放電を阻害するため、燃料電池の電圧は徐々に低下する。煤を除去することで放電は再開される。
次に、上記構成において、水素ガスを発生させるための最適な条件について以下に詳細に述べる。図7は、図1の反応管部20の部分を抜き出して示す詳細図である。
最適条件を求めるための実験は、以下のようにして行なわれる。検討項目は、反応管部20の底部からの炭素質材料32の高さ位置Hgと、反応管部20の底部からの金属線部34の先端部の高さ位置Htと、炭素質材料32であるグラファイトチューブの本数Nと、金属線部34の先端分岐本数nである。
実験の手順として、まず、反応管部20内に台座26である石英キャップと、支持体28であるガラス栓と、炭素質材料32であるグラファイトチューブと金属線部34である銅線部とを配置する。反応管部20内にメタンガスを0.0002m3/分の流量で流入させ、周波数2.45GHz、印加電圧72Vの条件の下で出力750Wのマイクロ波エネルギを10分間照射する。既に述べたように、メタンガスにマイクロ波エネルギを照射するだけでは、メタンガスが分解されることはなく、反応管部20内に反応材部30である炭素質材料32と金属線部34とを介在させることによって放電が起き、メタンガスが分解され、水素ガスが発生する。メタンガスの分解の反応式を以下に示す。
CH4→2H2+C
反応済みガスは、ガスクロマトグラフィ(GC−TCD)により物質の定性を行い、水素ガスであるか否かを確認する。また、反応済みガスを定格30Vの燃料電池(PEFC)に供給し、その両電極間の電圧を計測して評価を行う。
以下、実施例および各比較例を用いて具体的に説明する。なお、実施例は本発明を限定するものではない。図8は、実施例および各比較例の結果をまとめたものを示すものである。なお、図8において、10V以上の開始時間とは、マイクロ波エネルギを照射し始めてから10V以上の燃料電池の電圧が得られるまでの時間を表すものである。
炭素質材料32の位置Hgを80mm、金属線部34の先端部の高さ位置Htを110mm、グラファイトチューブの本数Nを2本、金属線部34の先端分岐本数nを3本とし、上記の手順に従って実験を行った。なお、上記のように、マイクロ波供給部14より供給されるマイクロ波照射領域16の中心高さは、80mmである。反応済みガスは、ガスクロマトグラフィ(GC−TCD)による物質の定性の結果、水素ガスであることがわかり、また、定格30Vの燃料電池(PEFC)による電圧の計測の結果、燃料電池の電圧最大値が20Vとなった。
(比較例1aから1c)
ここでは、炭素質材料32の高さ位置Hgの検討実験を行った。炭素質材料32の高さ位置Hgを比較例1aでは40mm、比較例1bでは80mm、比較例1cでは120mmと変えて、燃料電池の電圧を評価した。炭素質材料32の高さ位置Hgを変更したこと以外は、実施例と同様にして、実験を行った。ただし、金属線部34の炭素質材料32から先端までの長さを30mmと固定しているため、金属線部34の先端部の高さ位置Htは、比較例1aでは70mm、比較例1bでは110mm、比較例1cでは150mmとした。
実験の結果、比較例1aと1cにおいては、反応はまったく起きず、燃料電池の電圧は0Vであった。比較例1bにおいては、燃料電池の電圧最大値が20Vを超えた。
(比較例2aから2c)
ここでは、金属線部34の先端部の高さ位置Htの検討実験を行った。金属線部34の先端部の高さ位置Htを比較例2aでは40mm、比較例2bでは60mm、比較例2cでは80mmと変えて、燃料電池の電圧を評価した。金属線部34の先端部の高さ位置Htを変更したこと以外は、実施例と同様にして、実験を行った。
実験の結果、比較例2aにおいては、1分ないし2分の間で燃料電池の電圧最大値が1.9Vとなった。その他の時間における電圧は0Vであった。比較例2bにおいては、反応はまったく起きず、燃料電池の電圧は0Vであった。比較例2cにおいては、比較例1bの結果と同じであった。
(比較例3aから3e)
グラファイトチューブの本数Nの検討実験を行った。グラファイトチューブの本数Nを比較例3aでは0本、比較例3bでは0.5本、比較例3cでは1本、比較例3dでは2本、比較例3eでは4本と変えて、燃料電池の電圧を評価した。グラファイトチューブの本数Nを変更したこと以外は、実施例と同様にして、実験を行った。
図9は、グラファイトチューブ32の本数Nの比較を行った結果を説明する図である。グラファイトチューブの本数Nを0本、0.5本、1本、2本、4本とした場合に、マイクロ波照射時間と発生した水素ガスを用いた燃料電池の電圧との関係を調べた結果を示す。横軸は、マイクロ波照射時間であり、単位は分である。縦軸は、燃料電池の電圧であり、単位はVである。
図10は、図9において各条件での燃料電池の電圧が10V以上に維持し続けた時間を棒グラフにまとめた10V以上の維持時間を示す図である。横軸は、グラファイトチューブの本数Nであり、単位は本である。縦軸は、10V以上の維持時間であり、単位は分である。比較例3dの長さ2本を例にみると、図9において、マイクロ波照射時間2分で燃料電池の電圧が10V以上になり、マイクロ波照射時間7.5分で燃料電池の電圧が10V以下になる。よって、7.5分から2分を差分した5.5分が燃料電池の電圧の10V以上の持続時間となる。そして、図10において、本数2本の10V以上の持続時間が5.5分と棒グラフで示される。
実験の結果、比較例3aにおいては、マイクロ波エネルギ照射時間約4分から放電が始まるがその持続時間は短く、また燃料電池の電圧最大値が10V程度であった。比較例3bの長さ10mm、比較例3cの長さ20mm、比較例3dの長さ20mm本数N2本においては、いずれにおいても燃料電池の電圧最大値は20Vを越え、しかも本数の順に10V以上の持続時間が長くなった。なお、比較例3dの結果は、比較例1bの結果と同じであった。
比較例3eの長さ20mm本数N4本においては、マイクロ波照射時間内において燃料電池の電圧が5V以下と低い結果が得られた。
(比較例4aから4c)
金属線部34の先端分岐本数nの検討実験を行った。金属線部34の先端分岐本数nを比較例4aでは1本、比較例4bでは2本、比較例4cでは3本と変えて、燃料電池の電圧を評価した。金属線部34の先端分岐本数nを変更したこと以外は、実施例と同様にして、実験を行った。
図11は、金属線部34の先端分岐本数nの比較を行った結果を説明する図である。金属線部34の先端分岐本数nを1本、2本、3本とした場合に、マイクロ波照射時間と発生した水素ガスを用いた燃料電池の電圧との関係を調べた結果を示す。横軸は、マイクロ波照射時間であり、単位は分である。縦軸は、燃料電池の電圧であり、単位はVである。
実験の結果、比較例4aから比較例4cにおいて、分岐本数nを増やすほど、反応が始まるまでの時間が短くなった。比較例4cにおいては、10V以上の開始時間は1分未満で、燃料電池の電圧最大値は20Vとなった。なお、比較例4cの結果は、実施例の結果と同じであった。
これらを整理すると、まず比較例1aから1cの結果、マイクロ波の吸収と放電は、ガス発生装置10内の任意の場所で起こるわけではなく、ある特定の高さ位置で起こることがわかり、反応管部20の底部から+Z方向に沿って高さ位置80mmに炭素質材料32を固定するとよいことがわかった。
次に、比較例2aから2cの結果、炭素質材料32が任意の位置にあるときは、水素ガスの発生はほとんど起こらず、反応管部20の底部から+Z方向に沿って高さ位置80mmに炭素質材料32を固定するとよいことがわかった。
また、比較例3aから3eの結果、グラファイトチューブの本数Nは、最適な本数があることがわかった。ここでは、3本であった。
そして、比較例4aから4cの結果、金属線部34の先端分岐本数nを増やすほど反応が始まるまでの時間が短くなり、分岐本数3本では、10V以上の開始時間が1分未満で、燃料電池の電圧最大値が20Vになった。
これらの結果をまとめると、反応管部20の底部からの炭素質材料32の高さ位置Hg=80mm、反応管部20の底部からの金属線部34の先端部の高さ位置Ht=110mm、グラファイトチューブの本数N=2本、金属線部34の先端分岐本数n=3本とするとよいことがわかった。
本発明に係るガス発生装置は、マイクロ波エネルギを用いた水素ガス製造に利用できる。
10 ガス発生装置、12 ガスボンベ、13 流量調節部、14 マイクロ波供給部、16 マイクロ波照射領域 20 反応管部、22 流入口、24 流出口、26 台座、28 支持体、30 反応材部、32 炭素質材料、34 金属線部。

Claims (4)

  1. マイクロ波エネルギを供給するマイクロ波供給部と、
    直鎖型の飽和炭化水素ガスである原料ガスを流入させる流入口と、反応済みガスを流出させる流出口とを有する反応管部と、
    反応管部内に配置され、マイクロ波エネルギを受けて放電を起こさせるための反応材部と、
    を備え、
    反応材部は、
    マイクロ波供給部との関係で予め定められた所定の位置で反応管部内に配置されるグラファイトチューブと、
    グラファイトチューブに取り付けられ、原料ガスの流れ方向に平行な先端形状を有する金属線部と、
    を含むことを特徴とするガス発生装置。
  2. 請求項1記載のガス発生装置において、
    グラファイトチューブは、反応管部内においてマイクロ波供給部から供給されるマイクロ波エネルギの照射領域内に配置され、
    金属線部は、反応管部内においてグラファイトチューブよりも原料ガスの流れ方向の下流側に向けて突き出して配置されることを特徴とするガス発生装置。
  3. 請求項1または2のいずれか1に記載のガス発生装置において、
    金属線部の先端形状は予め定められた分岐本数を有することを特徴とするガス発生装置。
  4. 請求項1ないし3のいずれか1に記載のガス発生装置であって、
    金属線部は、銅、又はニッケル、又は銀、又はタングステンから選択される少なくとも1種類の金属を含むことを特徴とするガス発生装置。
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