JP5503794B1 - モータ駆動装置およびモータ駆動システム - Google Patents

モータ駆動装置およびモータ駆動システム Download PDF

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    • H02P25/092Converters specially adapted for controlling reluctance motors

Abstract

【課題】本発明は、電力効率を向上し得るモータ駆動装置およびモータ駆動システムを提供する。
【解決手段】本発明のモータ駆動装置DRは、電源に接続するための電源端子Tiと、電源端子Tiに直列に接続され、充放電を行う充放電素子C1と、反対称2相モータの第1系および第2系励磁コイルL1、L2それぞれに接続するための接続端子Tcと、複数のスイッチング素子Trを備え、複数のスイッチング素子Trのオンオフを切り換えることによって、電源端子Tiから接続端子Tcを介して第1系および第2系励磁コイルL1、L2それぞれへ独立に給電するための第1経路を形成し、さらに、複数のスイッチング素子Trのオンオフを切り換えることによって、第1系および第2系励磁コイルL1、L2に残留した各残留エネルギーを充放電素子C1へ独立に回生するための第2経路を形成する。
【選択図】図6

Description

本発明は、モータを駆動するためのモータ駆動装置およびモータと前記モータ駆動装置とを備えたモータ駆動システムに関する。
モータ(電動機)は、様々な種類が知られており、それに応じて様々な駆動方法が知られている。例えば、ステータ(固定子)とロータ(回転子)との配置関係の観点から、モータは、ラジアルギャップ型モータと、アキシャルギャップ型モータとに大別される。ラジアルギャップ型モータは、固定子と回転子とを径方向に間隔を空けて配置する構造であり、アキシャルギャップ型モータは、固定子と回転子とを軸方向に間隔を空けて配置する構造である。アキシャルギャップ型モータは、ラジアルギャップ型モータに較べて、小径でより大きなトルクを得ることができる利点がある。また例えば、供給電力の観点から、モータは、直流電力(直流電圧、直流電力)で駆動される直流モータ(DCモータ)と、交流電力(交流電圧、交流電流)で駆動される交流モータとに大別される。直流モータは、比較的容易に速度や出力を制御することができる利点がある。一方、交流モータ(ACモータ)は、構造が比較的簡単で丈夫であるという利点を有している。交流モータは、従来、直流モータと比較して速度制御や出力制御が難しいと言われてきたが、この点は、近年のパワーエレクトロニクスによる制御技術の発達によって解消され、交流モータは、種々の用途で使用されるようになってきている。
このようなモータの一つに、スイッチトリラクタンスモータ(Switched reluctance motor、以下、「SRモータ」と略記する)がある。このSRモータは、ステータおよびロータ共に、突極構造を有し、ステータのコイルにロータの位置情報に基づいて電流を供給することで生じる磁気吸引力によって回転運動する。
より具体的には、コイルのインダクタンスは、ロータが回転している場合に、ステータの突極とロータの突極とにおける重なりの程度によって変化する。このコイルのインダクタンスがロータの回転に伴って増加している間に、コイルに電流を供給すると、ロータには、磁気抵抗を低減するべく前記重なりの程度を増加させるように回転方向にトルクが働き、SRモータは、加速する。ステータの突極とロータの突極とが完全に重なると、ステータおよびロータにおける磁気回路の磁気抵抗(リラクタンス)は、最小となり、磁気吸引力は、径方向だけとなって回転方向にトルクは、生じない。そして、このコイルのインダクタンスがロータの回転に伴って減少している間に、コイルに電流を供給すると、ロータには、磁気抵抗を低減するべく前記重なりの程度の減少を妨げるように回転方向と逆方向にトルクが働き、SRモータは、減速する。このため、ロータの突極がステータの突極に完全に重なった際に、コイルの電流供給を停止し、ロータの突極がステータにおける回転方向で次の突極に近づいた際に、コイルの電流供給を再開することで、ロータは、連続的に回転することができる。
SRモータは、このように動作するので、回転子に永久磁石や巻線が不必要であり、回転子に発熱の問題が無く、構造が比較的簡単で機械的に堅牢であるという利点を有している。特に、永久磁石における熱減磁の問題がないため、高温での駆動が可能である。
このようなSRモータを駆動する駆動装置として、非特許文献1に開示されたシェアードスイッチコンバータ(Shared switch converter)および非特許文献2に開示されたボルテージブースティングコンバータ(Voltage boosting converter)が知られている。
図23は、非特許文献1に開示されたSRモータ駆動装置の構成および動作を示す図である。図23(A)は、構成を示し、図23(B)ないし図23(D)は、各動作を示す。図24は、非特許文献2に開示されたSRモータ駆動装置の構成を示す図である。
図23(A)において、非特許文献1に開示されたSRモータ駆動装置DRd1は、直列に接続されたトランジスタTr11およびダイオードD11と、直列に接続されたダイオードD12およびトランジスタTr12と、直列に接続されたトランジスタTr13およびダイオードD13とを備えている。トランジスタTr11の一方端子(ソース端子)、ダイオードD12のカソード端子およびトランジスタTr13の一方端子(ソース端子)は、電源Vsに接続された電源ラインに接続され、ダイオードD11のアノード端子、トランジスタTr12の他方端子(ドレイン端子)およびダイオードD13のアノード端子は、接地ラインに接続される。これによって、これら各直列回路は、並列に接続されている。そして、SRモータにおける第1相のコイルは、トランジスタTr11およびダイオードD11を接続する第1接続点と、ダイオードD12およびトランジスタTr12を接続する第2接続点との間に接続され、SRモータにおける第2相のコイルは、前記第2接続点と、トランジスタTr13およびダイオードD13を接続する第3接続点との間に接続されている。
このようなSRモータ駆動装置DRd1では、図23(B)に示すように、トランジスタTr11およびトランジスタTr12をオンし、トランジスタTr13をオフすると、電源Vsから第1相のコイルに電流が流れ、第1相のコイルが励磁される。図23(C)に示すように、トランジスタTr12をオンし、トランジスタTr11およびトランジスタTr13をオフすると、第1相のコイルは、電流が循環(環流)し、いわゆるフリーホイーリング状態となる。そして、全てのトランジスタTr11〜Tr13をオフすると、電源Vsから第1相のコイルに逆方向に電圧が印加され、第1相のコイルが消磁される。第2相のコイルも同様に、適宜にトランジスタTr11〜Tr13をオンまたはオフすることによって、励磁、フリーホイーリング状態および消磁の各動作が実現できる。
このようなSRモータ駆動装置DRd1は、1個の電源Vsで2個の相のコイルを制御することができること、ソフトスイッチングおよびハードスイッチングの両方に対応可能であること、および、ロータ位相角に応じて励磁するコイルを選択可能であること等の利点を有している。
一方、図24において、非特許文献2に開示されたSRモータ駆動装置DRd2は、直列に接続された2個のダイオードD25、D28と、直列に接続された2個のダイオードD26、D29と、直列に接続された2個のダイオードD27、D30と、インダクタL21と、直列に接続された2個のコンデンサC21、C22と、直列に接続されたダイオードD21およびトランジスタTr21と、直列に接続されたダイオードD22およびトランジスタTr22と、直列に接続されたダイオードD23およびトランジスタTr23と、直列に接続されたトランジスタTr24およびダイオードD24と、インダクタL22とを備えている。ダイオードD25、26、27の各カソード端子は、互いに接続されるとともにインダクタL21の一方端が接続される。ダイオードD28、29、30の各アノード端子は、互いに接続されるとともにインダクタL22の一方端が接続される。これによって、これら各直列回路は、並列に接続されている。これらダイオードD25およびダイオードD28を接続する第1接続点、ダイオードD26およびダイオードD29を接続する第2接続点、および、ダイオードD27およびダイオードD30を接続する第3接続点のそれぞれには、三相の電源が接続される。インダクタL21の他方端には、コンデンサC21の一方端、ダイオードD21、D22、D23の各カソード端子およびトランジスタTr24の一方端(ソース端子)が接続される。コンデンサC21の他方端には、インダクタL22の一方端およびコンデンサC22の一方端が接続される。インダクタL22の他方端には、スイッチング素子T24の他方端(ドレイン端子)およびダイオードD24のカソード端子が接続される。コンデンサC22の他方端には、トランジスタTr21、Tr22、Tr23の各他方端(ドレイン端子)およびダイオードD24のアノード端子が接続される。SRモータの第1相のコイルLPH1は、コンデンサC21およびコンデンサC22を接続する第4接続点と、ダイオードD21のアノード端子およびトランジスタTr21の一方端(ソース端子)を接続する第5接続点との間に接続される。SRモータの第2相のコイルLPH2は、前記第4接続点と、ダイオードD22のアノード端子およびトランジスタTr22の一方端(ソース端子)を接続する第6接続点との間に接続される。SRモータの第3相のコイルLPH3は、前記第4接続点と、ダイオードD23のアノード端子およびトランジスタTr23の一方端(ソース端子)を接続する第7接続点との間に接続される。
このようなSRモータ駆動装置DRd2では、各トランジスタTr21、Tr22、Tr23をオンオフすることによって各相のコイルLPH1、LPH2、LPH3を励磁および消磁することができる。そして、このようなSRモータ駆動装置DRd1は、コンデンサC21、C22に電荷を蓄えることで、SRモータ駆動装置DRd1に供給される電源電圧よりも高い電圧を各相のコイルLPH1、LPH2、LPH3に印加することができる。
Pollock C.and Williams B.W.,"A unipolar converter for a switched reluctance motor",IEEE Transactions on industry Applications,Vol.26,Issue 2,pp.222−228,March−April 1990 Vukosavic S.N.and Stefanovic V.R.,"SRM inverter topologies:a comparative evaluation",The 1990 IEEE industry Applications Society 25th Annual Meeting,Seattle,Washington,USA,Part II,Conference Record of IAS ’90,pp.946−958,7−12 October,1990
ところで、前記非特許文献1に開示されたSRモータ駆動装置DRd1は、上述の利点を有する。しかしながら、このSRモータ駆動装置DRd1では、一方のコイルによる加速制御が終了すると、この一方のコイルには、加速制御の際の電気エネルギーが残留してしまう。この一方のコイルに残留した電気エネルギーは、フリーホイーリング状態において、当該コイルの導体抵抗、ダイオードの内部抵抗およびスイッチング素子の内部抵抗によってジュール熱となって消費され、モータのトルクに寄与しない。また、この一方のコイルのフリーホイーリング状態における循環電流による当該コイルの励磁が、他方のコイルの加速制御の励磁の際に、その加速を打ち消すように働いてしまう。この結果、トルクが低減されてしまう。
一方、前記非特許文献2に開示されたSRモータ駆動装置DRd2は、上述の利点を有する。しかしながら、このSRモータ駆動装置DRd2では、回路が複雑であり、コンデンサC21、C22の充放電のタイミング制御が煩雑である。
本発明は、上述の事情に鑑みて為された発明であり、その目的は、一方のコイルに残留している電気エネルギーを回生し、この回生した電気エネルギーを他方のコイルに利用することができ、電力効率を向上することができるモータ駆動装置およびモータと前記モータ駆動装置とを備えたモータ駆動システムを提供することである。
本発明者は、種々検討した結果、上記目的は、以下の本発明により達成されることを見出した。すなわち、本発明の一態様にかかるモータ駆動装置は、電源に接続するための電源端子と、前記電源端子に直列に接続され、充放電を行う充放電部と、第1相の第1系励磁コイルおよび第2相の第2系励磁コイルによる各インダクタンスの回転角に対する周期変化における各位相間の差が180度である反対称2相モータの前記第1系および第2系励磁コイルそれぞれに接続するための接続端子と、複数のスイッチング素子を備え、前記複数のスイッチング素子のオンオフを切り換えることによって、前記電源端子から前記接続端子を介して前記第1系および第2系励磁コイルそれぞれへ独立に給電するための第1経路を形成し、さらに、前記複数のスイッチング素子のオンオフを切り換えることによって、前記第1系および第2系励磁コイルに残留した各残留エネルギーを前記第1系および第2系励磁コイルそれぞれから前記接続端子を介して前記充放電部へ独立に回生するための第2経路を形成する駆動制御部とを備えることを特徴とする。
このようなモータ駆動装置では、第1経路によって第1系および第2系励磁コイルそれぞれへ独立に給電することができ、そして、第2経路によって第1系および第2系励磁コイルそれぞれから独立に回生することができる。このため、このようなモータ駆動装置は、一方の系の励磁コイルに残留している電気エネルギーを回生し、この回生した電気エネルギーを他方の系の励磁コイルに利用することが可能となり、電力効率を向上することができる。
また、他の一態様では、上述のモータ駆動装置において、前記駆動制御部は、前記複数のスイッチング素子のオンオフを切り換えることによって、前記充放電部から前記接続端子を介して前記第1系および第2系励磁コイルそれぞれへ独立に給電するための第3経路を、励磁電圧を高めるために、前記第1経路で励磁している間にさらに形成することを特徴とする。
このようなモータ駆動装置は、第1経路で励磁している間に、さらに、第3経路によって、充放電部から第1系および第2系励磁コイルそれぞれへ独立に給電することができるので、電源の電圧よりも高い電圧を第1系および第2系励磁コイルに印加することが可能となる。このため、このようなモータ駆動装置は、効率よく加速制御することができ、また、効率よく減速制御することができる。
また、他の一態様では、上述のモータ駆動装置において、前記駆動制御部は、前記電源端子から前記接続端子を介して前記第1系および第2系励磁コイルそれぞれへ独立に給電するために、前記複数のスイッチング素子のうち共通のスイッチング素子を用いて前記第1経路を形成することを特徴とする。
このようなモータ駆動装置は、スイッチング素子を共通に用いるので(共用するので)、スイッチング素子の個数を減らすことができる。
また、他の一態様では、これら上述のモータ駆動装置において、前記駆動制御部は、前記第1系および第2系励磁コイルに残留した各残留エネルギーを前記第1系および第2系励磁コイルそれぞれから前記接続端子を介して前記充放電部へ独立に回生するために、前記第2経路を形成するための共通の整流素子をさらに備えることを特徴とする。
このようなモータ駆動装置は、整流素子を共通に用いるので、整流素子の個数を減らすことができる。
また、他の一態様では、これら上述のモータ駆動装置において、前記駆動制御部は、前記複数のスイッチング素子のオンオフを切り換えることによって、前記第1系および第2系励磁コイルそれぞれをフリーホイーリング状態にするための第4経路をさらに形成し、前記第1系および第2系励磁コイルそれぞれをフリーホイーリング状態にするために、前記第4経路を形成するための個別の整流素子をさらに備えることを特徴とする。
このようなモータ駆動装置は、第4経路によって第1系および第2系励磁コイルそれぞれをフリーホイーリング状態とするので、第1系および第2系励磁コイルにエネルギーを一時的に保持させることができ、スイッチング素子をオンオフするタイミングが予め設定された予定のタイミングからずれてもサージの発生を回避することができる。
また、他の一態様では、これら上述のモータ駆動装置において、前記電源端子に接続され、充放電を行う二次電池である前記電源をさらに備え、前記駆動制御部は、前記複数のスイッチング素子のオンオフを切り換えることによって、前記第1系および第2系励磁コイルに残留した各残留エネルギーを前記第1系および第2系励磁コイルそれぞれから前記接続端子を介して前記電源へ独立に回生するための第5経路を形成するとともに、前記第1系および第2系励磁コイルに残留した各残留エネルギーを前記第1系および第2系励磁コイルそれぞれから前記接続端子を介して前記電源へ独立に回生するために、前記第5経路を形成するための共通の整流素子およびスイッチング素子をさらに備えることを特徴とする。
このようなモータ駆動装置では、第5経路によって第1系および第2系励磁コイルそれぞれから電源の二次電池へ独立に回生することができる。このため、このようなモータ駆動装置は、一方の系の励磁コイルに残留している電気エネルギーを回生し、この回生した電気エネルギーを他方の系の励磁コイルに利用することが可能となり、電力効率を向上することができる。そして、このようなモータ駆動装置は、整流素子およびスイッチング素子を共通に用いるので、整流素子およびスイッチング素子の個数を減らすことができる。
また、他の一態様では、これら上述のモータ駆動装置において、前記第1経路は、前記電源端子から前記接続端子を介して前記第1系励磁コイルへ給電するための第1態様の経路と、前記電源端子から前記接続端子を介して前記第2系励磁コイルへ給電するための前記第1態様の経路と異なる第2態様の経路とを備え、前記第2経路は、前記第1系励磁コイルに残留した残留エネルギーを前記第1系励磁コイルから前記接続端子を介して前記充放電部へ回生するための第3態様の経路と、前記第2系励磁コイルに残留した残留エネルギーを前記第2系励磁コイルから前記接続端子を介して前記充放電部へ回生するための前記第3態様の経路と異なる第4態様の経路とを備え、前記駆動制御部は、前記第1系励磁コイルのインダクタンスが増加している場合における所定の第1位相を起点に、前記第1態様の経路によって前記第1系励磁コイルへ給電する第1給電モード、前記第3態様の経路によって前記第1系励磁コイルに残留した残留エネルギーを回生する第1回生モード、前記第2態様の経路によって前記第2系励磁コイルへ給電する第2給電モード、および、前記第4態様の経路によって前記第2系励磁コイルに残留した残留エネルギーを回生する第2回生モードをこの順番で前記第1系励磁コイルのインダクタンスの周期に同期して繰り返すことを特徴とする。
このようなモータ駆動装置は、第1系励磁コイルのインダクタンスが増加している場合における所定の第1位相を起点に、第1系励磁コイルのインダクタンスの周期に同期して第1給電モード、第1回生モード、第2給電モードおよび第2回生モードをこの順で繰り返すので、駆動対象の反対称2相モータを加速制御することができる。そして、このようなモータ駆動装置は、第1回生モードによって第1系励磁コイルに残留している残留エネルギーを回生してから第2系励磁コイルに給電するので、第1系励磁コイルによる加速を妨げる作用を低減することができ、第2回生モードによって第2系励磁コイルに残留している残留エネルギーを回生してから第1系励磁コイルに給電するので、第2系励磁コイルによる加速を妨げる作用を低減することができる。この結果、このようなモータ駆動装置は、平均トルクを増大することができる。
また、他の一態様では、これら上述のモータ駆動装置において、前記第3経路は、前記充放電部から前記接続端子を介して前記第1系励磁コイルへ給電するための第5態様の経路と、前記充放電部から前記接続端子を介して前記第2系励磁コイルへ給電するための前記第5態様の経路と異なる第6態様の経路とを備え、前記駆動制御部は、前記第1給電モードの実行中に前記第5態様の経路によって前記第1系励磁コイルへ給電し、前記第2給電モードの実行中に前記第6態様の経路によって前記第2系励磁コイルへ給電することを特徴とする。
このようなモータ駆動装置は、第1給電モードの実行中に第5態様の経路によって、充放電部から第1系励磁コイルへ独立に給電することができ、第2給電モードの実行中に第6態様の経路によって、充放電部から第2系励磁コイルへ独立に給電することができるので、電源の電圧よりも高い電圧を第1系および第2系励磁コイルに印加することが可能となる。このため、このようなモータ駆動装置は、効率よく加速制御することができる。
また、他の一態様では、これら上述のモータ駆動装置において、前記第4経路は、前記第1系励磁コイルをフリーホイーリング状態にするための第7態様の経路と、前記第2系励磁コイルをフリーホイーリング状態にするための前記第7態様の経路と異なる第8態様の経路とを備え、前記駆動制御部は、前記第1回生モードの実行終了後に、前記第7および第8経路それぞれによって前記第1系および第2系励磁コイルそれぞれをフリーホイーリング状態にする第1電流循環モードを実行し、前記第2回生モードの実行終了後に、前記第7および第8経路それぞれによって前記第1系および第2系励磁コイルそれぞれをフリーホイーリング状態にする第2電流循環モードを実行することを特徴とする。
このようなモータ駆動装置は、第1回生モードの終了後、第1電流循環モードを実行した後に第2給電モードを実行することができるので、第1回生モードから第2給電モードへ移行する場合に、スイッチング素子によるサージの発生を回避することができる。そして、このようなモータ駆動装置は、第2回生モードの終了後、第2電流循環モードを実行した後に第1給電モードを実行することができるので、第2回生モードから第1給電モードへ移行する場合に、スイッチング素子によるサージの発生を回避することができる。
また、他の一態様では、これら上述のモータ駆動装置において、前記第1経路は、前記電源端子から前記接続端子を介して前記第1系励磁コイルへ給電するための第1態様の経路と、前記電源端子から前記接続端子を介して前記第2系励磁コイルへ給電するための前記第1態様の経路と異なる第2態様の経路とを備え、前記第5経路は、前記第1系励磁コイルに残留した残留エネルギーを前記第1系励磁コイルから前記接続端子を介して前記電源へ回生するための第9態様の経路と、前記第2系励磁コイルに残留した残留エネルギーを前記第2系励磁コイルから前記接続端子を介して前記電源へ回生するための前記第9態様の経路と異なる第10態様の経路とを備え、前記駆動制御部は、前記第1系励磁コイルのインダクタンスが減少し始める前または直後における所定の第2位相を起点に、前記第1態様の経路によって前記第1系励磁コイルへ給電する第1給電モード、前記第9態様の経路によって前記第1系励磁コイルに残留した残留エネルギーを回生する第3回生モード、前記第2態様の経路によって前記第2系励磁コイルへ給電する第2給電モード、および、前記第10態様の経路によって前記第2系励磁コイルに残留した残留エネルギーを回生する第4回生モードをこの順番で前記第1系励磁コイルのインダクタンスの周期に同期して繰り返すことを特徴とする。
このようなモータ駆動装置は、第1系励磁コイルのインダクタンスが減少し始める前または直後における所定の第2位相を起点に、第1系励磁コイルのインダクタンスの周期に同期して第1給電モード、第3回生モード、第2給電モードおよび第4回生モードをこの順で繰り返すので、駆動対象の反対称2相モータを減速制御することができる。そして、このようなモータ駆動装置は、第3回生モードによって第1系励磁コイルに残留している残留エネルギーを回生してから第2系励磁コイルに給電するので、第1系励磁コイルによる減速を妨げる作用を低減することができ、第4回生モードによって第2系励磁コイルに残留している残留エネルギーを回生してから第1系励磁コイルに給電するので、第2系励磁コイルによる減速を妨げる作用を低減することができる。
また、他の一態様では、これら上述のモータ駆動装置において、前記第4経路は、前記第1系励磁コイルをフリーホイーリング状態にするための第7態様の経路と、前記第2系励磁コイルをフリーホイーリング状態にするための前記第7態様の経路と異なる第8態様の経路とを備え、前記駆動制御部は、前記第3回生モードの実行終了後に、前記第7および第8経路それぞれによって前記第1系および第2系励磁コイルそれぞれをフリーホイーリング状態にする第1電流循環モードを実行し、前記第4回生モードの実行終了後に、前記第7および第8経路それぞれによって前記第1系および第2系励磁コイルそれぞれをフリーホイーリング状態にする第2電流循環モードを実行することを特徴とする。
このようなモータ駆動装置は、第3回生モードの終了後、第1電流循環モードを実行した後に第2給電モードを実行することができるので、第3回生モードから第2給電モードへ移行する場合に、スイッチング素子によるサージの発生を回避することができる。そして、このようなモータ駆動装置は、第4回生モードの終了後、第2電流循環モードを実行した後に第2給電モードを実行することができるので、第4回生モードから第1給電モードへ移行する場合に、スイッチング素子によるサージの発生を回避することができる。
また、他の一態様では、これら上述のモータ駆動装置において、前記第1経路は、前記電源端子から前記接続端子を介して前記第1系励磁コイルへ給電するための第1態様の経路と、前記電源端子から前記接続端子を介して前記第2系励磁コイルへ給電するための前記第1態様の経路と異なる第2態様の経路とを備え、前記第2経路は、前記第1系励磁コイルに残留した残留エネルギーを前記第1系励磁コイルから前記接続端子を介して前記充放電部へ回生するための第3態様の経路と、前記第2系励磁コイルに残留した残留エネルギーを前記第2系励磁コイルから前記接続端子を介して前記充放電部へ回生するための前記第3態様の経路と異なる第4態様の経路とを備え、前記駆動制御部は、前記第1系励磁コイルのインダクタンスが増加している場合における所定の第1位相を起点に、前記第1態様の経路によって前記第1系励磁コイルへ予め設定された所定の電流値となるように給電する第3給電モード、前記第3態様の経路によって前記第1系励磁コイルに残留した残留エネルギーを回生する第1回生モード、前記第2態様の経路によって前記第2系励磁コイルへ前記所定の電流値となるように給電する第4給電モード、および、前記第4態様の経路によって前記第2系励磁コイルに残留した残留エネルギーを回生する第2回生モードをこの順番で前記第1系励磁コイルのインダクタンスの周期に同期して繰り返すことを特徴とする。
このようなモータ駆動装置は、第1系励磁コイルのインダクタンスが増加している場合における所定の第1位相を起点に、第1系励磁コイルのインダクタンスの周期に同期して第3給電モード、第1回生モード、第4給電モードおよび第2回生モードをこの順で繰り返すので、駆動対象の反対称2相モータを電流制御することができ、所望の出力トルクで反対称2相モータを駆動できる。そして、このようなモータ駆動装置は、第1回生モードによって第1系励磁コイルに残留している残留エネルギーを回生してから第2系励磁コイルに給電するので、第1系励磁コイルによる加速を妨げる作用を低減することができ、第2回生モードによって第2系励磁コイルに残留している残留エネルギーを回生してから第1系励磁コイルに給電するので、第2系励磁コイルによる加速を妨げる作用を低減することができる。この結果、このようなモータ駆動装置は、平均トルクを増大することができる。
また、他の一態様では、上述のモータ駆動装置において、前記駆動制御部は、前記第3給電モードにおいて、前記第1態様の経路を形成するようにオンオフを切り替えられた前記複数のスイッチング素子のうち、前記電源端子から前記接続端子を介して前記第1系励磁コイルへ流れる第1励磁電流の第1通電経路におけるスイッチング素子をさらにオンオフすることによって、前記第1態様の経路によって前記第1系励磁コイルへ予め設定された所定の電流値となるように前記第1励磁電流をパルス状に通電し、前記第4給電モードにおいて、前記第2態様の経路を形成するようにオンオフを切り替えられた前記複数のスイッチング素子のうち、前記電源端子から前記接続端子を介して前記第2系励磁コイルへ流れる第2励磁電流の第2通電経路におけるスイッチング素子をさらにオンオフすることによって、前記第2態様の経路によって前記第2系励磁コイルへ前記所定の電流値となるように前記第2励磁電流をパルス状に通電することを特徴とする。
このようなモータ駆動装置は、前記第1励磁電流の第1通電経路におけるスイッチング素子をさらにオンオフすることによって、前記所定の電流値となるように前記第1励磁電流をパルス状に通電し、前記第2励磁電流の第2通電経路におけるスイッチング素子をさらにオンオフすることによって、前記所定の電流値となるように前記第2励磁電流をパルス状に通電するので、第1および第2励磁電流を電流制御するための素子を低減できる。
また、他の一態様では、上述のモータ駆動装置において、前記駆動制御部は、前記第3給電モードにおいて、前記第1励磁電流の第1通電経路における前記スイッチング素子をオフする第1オフ期間にさらに前記第4経路を形成し、前記第4給電モードにおいて、前記第2励磁電流の第2通電経路における前記スイッチング素子をオフする第2オフ期間にさらに前記第4経路を形成することを特徴とする。
このようなモータ駆動装置は、第4経路によって第1系および第2系励磁コイルそれぞれをフリーホイーリング状態とするので、第1系および第2系励磁コイルにエネルギーを一時的に保持させることができ、スイッチング素子をオンオフするタイミングが予め設定された予定のタイミングからずれてもサージの発生を回避することができる。
また、他の一態様では、上述のモータ駆動装置において、前記駆動制御部は、前記第3給電モードにおいて、前記第1励磁電流の第1通電経路における前記スイッチング素子をオンする第1オン期間にさらに前記第2経路を形成し、前記第4給電モードにおいて、前記第2励磁電流の第2通電経路における前記スイッチング素子をオンする第2オン期間にさらに前記第2経路を形成することを特徴とする。
このようなモータ駆動装置では、第2経路によって第1系および第2系励磁コイルそれぞれから独立に回生することができ、電力効率を向上することができる。
また、他の一態様では、これら上述のモータ駆動装置において、前記充放電部は、直列に接続された充放電素子とスイッチング素子との直列回路を複数備え、前記複数の直列回路は、並列に接続され、前記駆動制御部は、さらに、前記反対称2相モータの回転数に基づいて前記複数の直列回路における各スイッチング素子をオンオフすることを特徴とする。
このようなモータ駆動装置は、前記反対称2相モータの回転数に基づいて前記複数の直列回路における各スイッチング素子をオンオフすることによって、充放電に用いる充放電素子の個数を変更できる。このため、このようなモータ駆動装置は、前記第1系および第2系励磁コイルで発生する逆起電力による比較的大容量の各残留エネルギーを充放電でき、そして、回転数が比較的小さく前記逆起電力が小さい場合でも、前記充放電部から第1または第2系励磁コイルへ独立に給電する場合に、電流の立ち上がりを早めることができる。
そして、本発明の他の一態様にかかるモータ駆動システムは、第1および第2相の第1系および第2系励磁コイルによる各インダクタンスの回転角に対する周期変化における各位相間の差が180度である反対称2相モータと、前記反対称2相モータを駆動するモータ駆動装置とを備え、前記モータ駆動装置は、前記反対称2相モータの前記第1系および第2系励磁コイルが前記接続端子に接続された、上述のいずれかのモータ駆動装置であることを特徴とする。
このようなモータ駆動システムは、上述のいずれかのモータ駆動装置を用いるので、一方の励磁コイルに残留している電気エネルギーを回生し、この回生した電気エネルギーを他方の励磁コイルに利用することが可能となり、電力効率を向上することができる。
本発明にかかるモータ駆動装置およびモータ駆動システムは、一方のコイル系に残留している電気エネルギーを回生し、この回生した電気エネルギーを他方のコイル系に利用することができ、電力効率を向上することができる。
実施形態におけるモータ駆動装置によって駆動されるラジアルギャップ型SRモータの構成を示す断面斜視図である。 前記ラジアルギャップ型SRモータにおけるステータの構成を示す断面斜視図である。 実施形態におけるモータ駆動装置によって駆動されるアキシャルギャップ型SRモータの構成を示す断面斜視図である。 前記アキシャルギャップ型SRモータにおける1層分のステータおよびロータの構成を示す断面斜視図である。 実施形態におけるモータ駆動装置によって駆動されるブラシレスモータの等価磁気回路を示す図である。 第1実施形態におけるモータ駆動装置の構成を示す回路図である。 第1実施形態のモータ駆動装置における加速制御の際の動作(動作モードIないしIII)を説明するための図である。 第1実施形態のモータ駆動装置における加速制御の際の動作(動作モードIVないしVI)を説明するための図である。 第1実施形態のモータ駆動装置における加速制御の際の各スイッチング素子のオンオフタイミングを示すタイムチャートである。 前記加速制御の際におけるコイルのインダクタンス変化を示す図である。 第1実施形態のモータ駆動装置における減速制御の際の動作(動作モードI、VIIおよびIII)を説明するための図である。 第1実施形態のモータ駆動装置における減速制御の際の動作(動作モードIV、VIIおよびVI)を説明するための図である。 第1実施形態のモータ駆動装置における減速制御の際の各スイッチング素子のオンオフタイミングを示すタイムチャートである。 前記減速制御の際におけるコイルのインダクタンス変化を示す図である。 従来のモータ駆動装置と実施例のモータ駆動装置との比較結果(シミュレーション)を説明するための図である。 実施例のモータ駆動装置における励磁電流の実測結果を示す図である。 第2実施形態におけるモータ駆動装置の構成を示す回路図である。 第2実施形態のモータ駆動装置におけるトルク制御の際の各スイッチング素子の第1態様のオンオフタイミングを示すタイムチャートである。 第2実施形態のモータ駆動装置におけるトルク制御の際の各スイッチング素子の第1態様のオンオフタイミングを説明するための図である。 第1および第2実施形態の各モータ駆動装置における各励磁電流を説明するための図である。 第2実施形態のモータ駆動装置におけるトルク制御の際の各スイッチング素子の第2態様のオンオフタイミングを示すタイムチャートである。 第3実施形態におけるモータ駆動装置の構成を示す回路図である。 非特許文献1に開示されたSRモータ駆動装置の構成および動作を示す図である。 非特許文献2に開示されたSRモータ駆動装置の構成を示す図である。
以下、本発明にかかる実施の一形態を図面に基づいて説明する。なお、各図において同一の符号を付した構成は、同一の構成であることを示し、適宜、その説明を省略する。また、本明細書において、総称する場合には添え字を省略した参照符号で示し、個別の構成を指す場合には添え字を付した参照符号で示す。
(モータの説明)
第1および第2実施形態におけるモータ駆動装置は、反対称2相モータであれば、例えば、交流永久磁石モータ(AC−PMモータ)、直流ブラシレスモータおよび誘導モータ等の任意の種類のモータ(電動機)に適用可能である。反対称2相モータとは、第1相の第1系励磁コイルと、第2相の第2系励磁コイルとを備え、ロータRTの回転角に対する第1系励磁コイルによるインダクタンスの周期変化における位相と、前記ロータRTの前記回転角に対する第2系励磁コイルによるインダクタンスの周期変化における位相との差が180度であるモータである。すなわち、反対称2相モータでは、ロータRTの回転に伴って、第1相の第1系励磁コイルによるインダクタンスが増加して最大値のピークに達する間、第2相の第2系励磁コイルによるインダクタンスは、減少して最小値のピークに達し、さらにロータRTの回転に伴って、第1相の第1系励磁コイルによるインダクタンスが前記最大値のピークから減少して最小値のピークに達する間、第2相の第2系励磁コイルによるインダクタンスは、前記最小値のピークから増加して最大値のピークに達する。ここでは、特に、好適に適用されるスイッチトリラクタンスモータ(以下、「SRモータ」と略記する。)に第1または第2実施形態におけるモータ駆動装置が適用された場合について以下に説明する。そして、モータは、上述したように、構造の観点から、ラジアルギャップ型モータとアキシャルギャップ型モータとに大別されるので、第1または第2実施形態におけるモータ駆動装置が適用されるSRモータとして、ラジアルギャップ型SRモータとアキシャルギャップ型SRモータとを説明する。
図1は、実施形態におけるモータ駆動装置によって駆動されるラジアルギャップ型SRモータの構成を示す断面斜視図である。図2は、前記ラジアルギャップ型SRモータにおけるステータの構成を示す断面斜視図である。図3は、実施形態におけるモータ駆動装置によって駆動されるアキシャルギャップ型SRモータの構成を示す断面斜視図である。図4は、前記アキシャルギャップ型SRモータにおける1層分のステータおよびロータの構成を示す断面斜視図である。図5は、実施形態におけるモータ駆動装置によって駆動されるブラシレスモータの等価磁気回路を示す図である。図5(A)は、ステータ(固定子)が反対称である場合の等価磁気回路を示し、図5(B)は、ロータ(回転子)が反対称である場合の等価磁気回路を示す。
まず、ラジアルギャップ型SRモータについて説明する。ラジアルギャップ型SRモータ(以下、「RG−SRモータ」と略記する。)Maは、例えば、図1において、非回転部分であるステータ(固定子)STaと、ステータSTaと相対回転可能な、回転部分であるロータ(回転子)RTaとを備える。これらステータSTaとロータRTaとは、径方向に所定の間隔を空けて配置されている。
ロータRTaは、ロータ本体21と、複数のロータ側磁極部24とを備え、さらに、図1に示す例では、出力軸22と、軸受け部材23とを備える。
出力軸22は、ロータRTaの回転力(回転トルク)を外部に取り出すためにロータ本体21に取り付けられた回転軸(出力軸、シャフト)である。出力軸22は、例えば、円柱状の棒状のロッド部材であり、ロータ本体21の軸芯と出力軸の軸芯とが一致するように、ロータ本体21に固定されている。
軸受け部材23は、出力軸22を残してステータSTaおよびロータRTaを囲う図略のケーシングに取り付けられ、前記ケーシングに対し、出力軸22を回転可能に支持する部材であり、例えば、ベアリング等である。
ロータ本体21は、ロータ側磁極部24とステータSTaに設けられる後述のステータ側磁極部12との磁気的な相互作用によって、出力軸22と共に軸心C周りに回転する円板状あるいは円柱状の部材であり、磁性材料によって形成されている。
各ロータ側磁極部24は、ステータSTに設けられる後述の励磁コイルL1、L2が励磁した状態でロータ本体21が回転した場合に各ステータ側磁極部12との間の磁気抵抗の増減が繰り返される形状を有し、磁性材料によって形成されている。各ロータ側磁極部24は、軸心C方向に沿って延びかつ径方向外側に突出する突条形状を有し、これら複数のロータ側磁極部24は、ロータ本体21の外周面に周方向(回転方向)に所定の間隔を空けて並設するようにそれぞれ設けられている。これらロータ側磁極部24は、図1に示す例では、周方向に等間隔で6個である。各ロータ側磁極部24は、その先端に、軸心C方向視においてステータ側磁極部12の磁極面13と対応する(平行な)円弧状であって、径方向外側に突出する磁極面(ロータ側磁極面)25を有する。すなわち、ロータ側磁極面25は、径方向視において、径方向外側に凸の突曲面である。また、各ロータ側磁極部24の各磁極面25は、軸心C方向視において、出力軸22と同心となる共通(同一)の円周上に位置している。
ステータSTaは、ステータ本体11と、複数のステータ側磁極部12と、2相に応じた2個の第1系および第2系励磁コイルL(L1、L2)とを備える。
ステータ本体11は、環状の各励磁コイルL1、L2をそれぞれ保持する例えば筒状の部材であり、磁性材料によって形成されている。この筒状のステータ本体11は、ロータRTaをその回転方向に囲むと共に、その内側(軸心C側)に各励磁コイルL1、L2を収容する。
励磁コイルLは、電力の供給を受けることによって磁場を生成する巻線であり、出力軸22の軸心C方向に並ぶようにステータ本体11に2個配設されている。各励磁コイルL1、L2は、環形状を有し、その芯部をロータRTaが挿通するように、そして、各励磁コイルL1、L2の軸とロータRTaの軸とが一致するように、配置される。この各励磁コイルL1、L2は、当該RG−SRモータMaを駆動させるために電流が供給されて励磁した場合に、スイッチトリラクタンス方式よってステータSTaとロータRTaとの間の磁気抵抗に基づく回転力をロータRTaに生じさせる。この各励磁コイルL1、L2は、その厚さ方向が当該コイル22の径方向を向くように(すなわち、フラットワイズに)帯状の電導線材を絶縁させつつコイル状に巻き重ねた、いわゆるパンケーキ型コイルである。
励磁コイルL1は、第1相の第1系励磁コイルの一例であり、本実施形態では、1個であるが、直列接続された複数の励磁コイルであってもよい。同様に、励磁コイルL2は、第2相の第2系励磁コイルの一例であり、本実施形態では、1個であるが、直列接続された複数の励磁コイルであってもよい。
各ステータ側磁極部12は、励磁コイルL1、L2が励磁した状態でロータ本体21が回転した場合に、ロータ側磁極部24との間の磁気抵抗の増減が繰り返される形状を有し、磁性材料によって形成されている。各ステータ側磁極部12は、円筒状のステータ本体11の内側周面から軸心C側(径方向内側)に突出する突片形状を有し、これら複数のステータ側磁極部12は、ステータ本体11の内側周面に周方向(回転方向)に所定の間隔を空けてそれぞれ設けられている。これらステータ側磁極部12は、図1に示す例では、周方向に等間隔で6個である。各ステータ側磁極部12は、その先端に、軸心C方向視においてロータRTaに沿った円弧状であって径方向外側に凹む形状を有する磁極面(ステータ側磁極面)13を有する。すなわち、ステータ側磁極面13は、径方向視において、径方向外側に凹む凹曲面である。また、各ステータ側磁極部12の各磁極面13は、軸心C方向視において、出力軸22と同心となる共通(同一)の円周上に位置している。
そして、ステータ側磁極部12は、2個の励磁コイルL1、L2(2相)に対応して軸心C方向に2段設けられている。より具体的には、図1に示す例では、ステータ側磁極部12は、円筒状のステータ本体11における内側周面に周方向に沿って6個、円筒状のステータ本体11における軸心C方向の両端に2段(2個)の合計12個(=6個×2段)である。なお、本実施形態では、図1における右側の端部に設けられた各ステータ側磁極部12を第1段目のステータ側磁極部12a、左側の端部に設けられた各ステータ側磁極部12を第2段目のステータ側磁極部12bとも称する。このように各段に設けられたステータ側磁極部12a、12bの数は、相互に等しい。また、各段におけるステータ側磁極部12a、12bの数は、ロータRTaのロータ側磁極部24の数とそれぞれ等しく、本実施形態では6個である。
また、ステータ本体11には、その内側周面から軸心C側にステータ側磁極部12と略同じ長さで突出するリング板形状を有する突条部14が設けられている。すなわち、ステータ本体11の内側周面からステータ側磁極部12の磁極面13までの長さと、ステータ本体11の内側周面から突条部14の先端面までの長さとは、略同一である。なお、磁気抵抗を低減する観点から、ステータ側磁極部12の磁極面13とロータ側磁極部24の磁極面25との距離は、小さいほど好ましく、突条部14の前記先端面とロータ側磁極部24の磁極面25との距離は、小さいほど好ましい。
第1系励磁コイルL1は、第1段目のステータ側磁極部12aと突条部14とによって挟まれる位置に配設され、第2系励磁コイルL2は、第2段目のステータ側磁極部12bと突条部14とによって挟まれる位置に配設されている。
そして、図2に示すように、RG−SRモータMaがステータSTaによって反対称となるように、各段のステータ側磁極部12a、12bの位置は、ロータRTaの回転角に対する第1系および第2系励磁コイルL1、L2による各インダクタンスの周期変化における各位相間の差が180度となるように、回転方向(周方向)でずれている。より具体的には、ステータ側磁極部12の中央位置(周方向の中央位置)と軸心とを結ぶ線を基準線Yaとし、第1段目の各ステータ側磁極部12aの基準線をYa1とし、第2段目の各ステータ側磁極部12bの基準線をYa2とした場合に、第1段目の各ステータ側磁極部12aは、その基準線Ya1が第2段目の各ステータ側磁極部12bにおける周方向で互いに隣接する2個のステータ側磁極部12bの各基準線Ya2、Ya2の中央に位置するように、配置されている。言い換えれば、第2段目の各ステータ側磁極部12bは、その基準線Ya2が、第1段目の各ステータ側磁極部12aにおける周方向で互いに隣接する2個のステータ側磁極部12aの各基準線Ya1、Ya1の中央に位置するように、配置されている。図1に示す例では、各段の各ステータ側磁極部12a、12bは、6個であるので、周方向に60度の間隔で配設されている。このため、第1段目の各ステータ側磁極部12aは、その基準線Ya1が第2段目の各ステータ側磁極部12bの各基準線Ya2に対し反時計回りに(または時計回りに)30度(=60度/2)ずれる位置に、配置されている。言い換えれば、第2段目の各ステータ側磁極部12bは、その基準線Ya2が第1段目の各ステータ側磁極部12aの各基準線Ya1に対し時計回りに(または反時計回りに)30度ずれる位置に、配置されている。
このように第1段目のステータ側磁極部12aと第2段目のステータ側磁極部12bとが上述の角度だけずれることによって、RG−SRモータMaの等価磁気回路は、図5(A)に示す回路となる。すなわち、この等価磁気回路では、第1相の励磁コイルL1による第1磁束線と第2相の励磁コイルL2による第2磁束線とは、ロータRTaの同一の磁極面25に対し、90度ずれて交差する。言い換えれば、第1相のロータ側磁極部24の位置と第2相のロータ側磁極部24の位置とは、同一であり、ロータ側磁極部24の中央位置(周方向の中央位置)と軸心とを結ぶ線分と第1相(第1段目)の励磁コイルL1によって生成される磁力線との成す角θ、および、ロータ側磁極部24の中央位置と軸心とを結ぶ線分と第2相(第2段目)の励磁コイルL2によって生成される磁力線との成す角θは、互いに対頂角の関係にあり、180度ずれている。第1相の励磁コイルL1による磁気回路は、第2相の励磁コイルL2による磁気回路とは、互いに独立である。磁気回路が独立とは、SRモータの駆動の際に、両磁気回路の相互インダクタンスが実質的に無視し得る大きさであることをいう。このような等価磁気回路から、反対称2相モータは、互いに独立した2つの磁気回路を備え、ロータRTaの回転角に対する各磁気回路の各磁気抵抗の周期変化が互いに反対称となるロータRTaおよびステータSTaを備えるモータでもある。
そして、このようなステータ本体11、突条部14およびステータ側磁極部12ならびにロータ本体21およびロータ側磁極部24は、上記のように、それぞれ磁性材料によって形成され、等方的な所定の磁気特性(透磁率)を有している。これらステータ本体11およびステータ側磁極部12ならびにロータ本体21およびロータ側磁極部24は、電気絶縁膜で被覆された軟磁性粉末によってそれぞれ形成されている。より具体的には、ステータ本体11、突条部14およびステータ側磁極部12は、一体で形成されており、電気絶縁膜で被覆された軟磁性粉末を圧縮して固めることにより形成され、ロータ本体21およびロータ側磁極部24は、一体で形成されており、電気絶縁膜で被覆された軟磁性粉末を圧縮して固めることにより形成されている。本実施形態では、これらは、表面にリン酸系化成皮膜等の電気絶縁皮膜が形成された鉄粉によって形成されている。ここで、前記軟磁性体粉末とは、強磁性の金属粉末であり、より詳しくは、例えば、純鉄粉、鉄基合金粉末(Fe−Al合金、Fe―Si合金、センダスト、パーマロイ等)およびアモルファス粉末等が挙げられる。これら軟磁性体粉末は、公知の手段、例えば、アトマイズ法等によって微粒子化する方法や、酸化鉄等を微粉砕した後にこれを還元する方法等によって製造することができる。また、一般に、透磁率が同一である場合に飽和磁束密度が大きいので、軟磁性粉末は、例えば、上記純鉄粉、鉄基合金粉末及びアモルファス粉末等の金属系材料であることが特に好ましい。
このような軟磁性体粉末によって形成されたステータ本体11、突条部14およびステータ側磁極部12は、例えば、圧粉形成等の公知の常套手段によって形成される。このような軟磁性体粉末によって形成されたロータ本体21およびロータ側磁極部24は、例えば、圧粉形成等の公知の常套手段によって形成される。
また、ステータ本体11、突条部14およびステータ側磁極部12ならびにロータ本体21およびロータ側磁極部24は、軟磁性体粉末と非磁性体粉末との混合物を圧縮して固めたものであってもよい。この場合、軟磁性体粉末と非磁性体粉末との混合比率を比較的容易に調整することができ、前記混合比率を適宜に調整することによって、所望の磁気特性を容易に実現することができる。また、ステータ本体11、突条部14およびステータ側磁極部12ならびにロータ本体21およびロータ側磁極部24は、電気絶縁膜で被覆された軟磁性粉末を結合媒体(例えば、エポキシ系樹脂等の液体または粉末等)と共に金型成型することによって形成されてもよい。
次に、アキシャルギャップ型SRモータについて説明する。アキシャルギャップ型SRモータ(以下、「AG−SRモータ」と略記する。)Mbは、例えば、図3において、非回転部分であるステータ(固定子)STbと、ステータSTbと相対回転可能な、回転部分であるロータ(回転子)RTbとを備える。これらステータSTaとロータRTbとは、軸方向に所定の間隔を空けて配置されている。ロータRTbは、ステータSTbによって保持される励磁コイルL1、L2と対向した状態で軸心C周りに回転することにより、ステータSTbと相対回転する。
ステータSTbは、1対のステータ本体101、102と、複数のステータ側磁極部1012と、2相に対応した2個の第1系および第2系励磁コイルL(L1、L2)とを備える。ロータRTbは、一対のロータ本体201、202と、複数のロータ側磁極部2012とを備え、さらに、図3に示す例では、出力軸222と、軸受け223とを備える。
これら1対のステータ本体101、102は、ステータ本体101が環状の第1系励磁コイルL1を保持し、ステータ本体102が環状の第2系励磁コイルL2を保持する点が異なるだけで同形であり、そして、これら1対のロータ本体201、202は、同形である。このため、以下では、図4を参照しながら、1相分のステータ本体101とロータ本体201とを主にその構造を説明する。
ステータ本体101は、例えばリング板状(中央に貫通円孔を形成した円板)の部材であり、ロータRTbがその芯部を挿通するように環状の励磁コイルL1を保持し、磁性材料によって形成されている。励磁コイルL1は、励磁コイルL2と共に、RG−SRモータMaの励磁コイルL1、L2と同様である。
励磁コイルL1は、第1相の第1系励磁コイルの一例であり、本実施形態では、1個であるが、直列接続された複数の励磁コイルであってもよい。同様に、励磁コイルL2は、第2相の第2系励磁コイルの一例であり、本実施形態では、1個であるが、直列接続された複数の励磁コイルであってもよい。
各ステータ側磁極部1012は、励磁コイルL1が励磁した状態でロータ本体201が回転した場合に、後述のロータ側磁極部2012との間の磁気抵抗の増減が繰り返される形状を有し、磁性材料によって形成されている。各ステータ側磁極部1012は、リング板状のステータ本体101におけるロータ本体201に対向する面から、励磁コイルL1の外周面およびその内周面のそれぞれに沿って立設する突片形状を有し、これら複数のステータ側磁極部1012は、励磁コイルL1の周方向に所定の間隔を空けてそれぞれ設けられている。これらステータ側磁極部12は、図3および図4に示す例では、周方向に等間隔で6個である。言い換えると、ステータ本体101と前記外周面および前記内周面にそれぞれ沿う1対のステータ側磁極部1012とで形成される、ロータRTbからステータSTbに向かう方向に凹みに、励磁コイルL1が嵌り込むように、各ステータ側磁極部1012は、ステータ本体101にそれぞれ設けられる。
ロータ本体201は、ロータ側磁極部2012とステータ側磁極部1012との磁気的な相互作用によって、出力軸222と共に軸心C周りに回転する円柱状の部材であり、磁性材料によって形成されている。
各ロータ側磁極部2012は、ステータSTbに設けられる励磁コイルL1が励磁した状態でロータ本体201が回転した場合に各ステータ側磁極部1012との間の磁気抵抗の増減が繰り返される形状を有し、磁性材料によって形成されている。各ロータ側磁極部2012は、円柱状のロータ本体201の外周面から径方向外側に突出する突形状を有し、これら複数のロータ側磁極部2012は、ロータ本体201の外周面に周方向(回転方向)に所定の間隔を空けてそれぞれ設けられている。これらロータ側磁極部2012は、図3および図4に示す例では、周方向に等間隔で6個である。より具体的には、各ロータ側磁極部2012は、図4に示すように、当該ロータ側磁極部2012と対応する前記一対のステータ側磁極部1012およびステータ本体101と共同して励磁コイルL1の四方を囲む形状を有する。より詳しくは、各ロータ側磁極部2012は、ステータSTbに対向する面(ロータ側磁極面)2013がステータ側磁極部1012の先端面(ステータ側磁極面)1013および励磁コイルL1と所定の間隔を空けた状態となるように、ロータ本体201の外周面から径方向外側に延びている。すなわち、軸心C方向の所定の間隔が、ステータ側磁極面1013とロータ側磁極部2012のロータ側磁極面2013との間に形成されると共に、励磁コイルL1のロータRTb側の端部とロータ側磁極面2013との間にも形成されている。そして、図3および図4に示す例では、各ロータ側磁極部2012は、外縁部でその一部が周方向に延びて周方向に互いに隣接するロータ側磁極部2012同士で互いに連結されている。なお、磁気抵抗を低減する観点から、ステータ側磁極部1012の磁極面1013とロータ側磁極部2012の磁極面2013との距離は、小さいほど好ましい。
また、出力軸222は、RG−SRモータMaの出力軸22と同様に、ロータRTbの回転力(回転トルク)を外部に取り出すためにロータ本体201に取り付けられた回転軸(出力軸、シャフト)である。出力軸222は、例えば、円柱状の棒状のロッド部材であり、ロータ本体201の軸芯と出力軸の軸芯とが一致するように、ロータ本体201に固定されている。軸受け部材223は、RG−SRモータMaの軸受け部材23と同様に、出力軸222を残してステータSTbおよびロータRTbを囲う図略のケーシングに取り付けられ、前記ケーシングに対し、出力軸222を回転可能に支持する部材であり、例えば、ベアリング等である。
そして、これら1相分のステータ本体101およびロータ本体201と、1相分のステータ本体102およびロータ本体202とは、ステータ本体101とステータ本体102とがステータ側磁極部1012を立設していない面同士で密着するように当接され固定され、ロータ本体201とロータ本体202とがこれら間にステータ本体101およびステータ本体102を挟み込むように、固定される。これによって、ステータ本体101の励磁コイルL1とステータ本体102の励磁コイルL2とは、出力軸222の軸心C方向に並ぶように配置される。そして、これら各相同士の固定の際に、AG−SRモータMbがロータRTbによって反対称となるように、ステータ本体101とステータ本体102とは、ステータ本体101のステータ側磁極部1012の配設位置とステータ本体102のステータ側磁極部1012の配設位置とが一致するように固定され、ロータ本体201とロータ本体202とは、ロータ本体201のロータ側磁極部2012の配設位置とロータ本体202のロータ側磁極部2012の配設位置とが、回転方向(周方向)でずれるように、固定される。すなわち、ロータ本体201のロータ側磁極部2012の配設位置とロータ本体202のロータ側磁極部2012の配設位置とは、ロータRTbの回転角に対する第1系励磁コイルL1によるインダクタンスの周期変化における位相とロータRTbの回転角に対する第2系励磁コイルL1によるインダクタンスの周期変化における位相との差が180度となるように、回転方向(周方向)でずれている。より具体的には、ロータ本体201のロータ側磁極部2012の中央位置(周方向の中央位置)と軸心とを結ぶ線を基準線Yb1とし、ロータ本体202のロータ側磁極部2012の中央位置(周方向の中央位置)と軸心とを結ぶ線を基準線Yb2とした場合に、ロータ本体201の各ロータ側磁極部2012は、その基準線Yb1がロータ本体202の各ロータ側磁極部2012における周方向で互いに隣接する2個のロータ側磁極部2012の各基準線Yb2、Yb2の中央に位置するように、配置されている。図4に示す例では、各相の各ロータ側磁極部2012、2012は、6個であるので、周方向に60度の間隔で配設されている。このため、ロータ本体201の各ロータ側磁極部2012は、その基準線Yb1がロータ本体202の各ロータ側磁極部2012の各基準線Yb2に対し反時計回りに(または時計回りに)30度(=60度/2)ずれる位置に、配置されている。
このように第1相のロータ本体201のロータ側磁極部2012と第2相のロータ本体202のロータ側磁極部2012とが上述の角度だけずれることによって、AG−SRモータMbの等価磁気回路は、図5(B)に示す回路となる。すなわち、この等価磁気回路では、第1相の励磁コイルL1による第1磁束線と第2相の励磁コイルL2による第2磁束線とは、平行であり、この互いに平行な第1および第2磁束線に対し、ロータRTbにおける第1相の磁極面2013と第2相の磁極面2013とは、90度ずれて交差する。言い換えれば、第1相のステータ側磁極部1012の位置と第2相のステータ側磁極部1012の位置とは、同一であり、第1相のロータ側磁極部2012の中央位置(周方向の中央位置)と軸心とを結ぶ線分と第1相の励磁コイルL1によって生成される磁力線との成す角θ、および、第2相のロータ側磁極部2012の中央位置と軸心とを結ぶ線分と第2相の励磁コイルL2(第1相の励磁コイルL1)によって生成される磁力線との成す角θは、互いに対頂角の関係にあり、180度ずれている。第1相の励磁コイルL1による磁気回路は、第2相の励磁コイルL2による磁気回路とは、互いに独立である。このような等価磁気回路からも、反対称2相モータは、上述したように、互いに独立した2つの磁気回路を備え、ロータRTbの回転角に対する各磁気回路の各磁気抵抗の周期変化が互いに反対称となるロータRTbおよびステータSTbを備えるモータでもある。
そして、このようなステータ本体101およびステータ側磁極部1012、ステータ本体102およびステータ側磁極部1012、ロータ本体201およびロータ側磁極部2012、ならびに、ロータ本体202およびロータ側磁極部2012のそれぞれは、RG−SRモータMaと同様に、一体で磁性材料によって形成され、等方的な所定の磁気特性(透磁率)を有している。
(第1実施形態のモータ駆動装置)
次に、このような反対称2相SRモータMを駆動する第1実施形態のモータ駆動装置について説明する。まず、第1実施形態におけるモータ駆動装置DRaの構成について説明する。図6は、第1実施形態におけるモータ駆動装置の構成を示す回路図である。
第1実施形態におけるモータ駆動装置DRaは、電源に接続するための電源端子と、前記電源端子に直列に接続され、充放電を行う充放電部と、第1および第2相の第1系および第2系励磁コイルによる各インダクタンスの回転角に対する周期変化における各位相間の差が180度である反対称2相モータの前記第1系および第2系励磁コイルそれぞれに接続するための接続端子と、複数のスイッチング素子を備え、前記複数のスイッチング素子のオンオフを切り換えることによって、前記電源端子から前記接続端子を介して前記第1系および第2系励磁コイルそれぞれへ独立に給電するための第1経路を形成し、さらに、前記複数のスイッチング素子のオンオフを切り換えることによって、前記第1系および第2系励磁コイルに残留した各残留エネルギーを前記第1系および第2系励磁コイルそれぞれから前記接続端子を介して前記充放電部へ独立に回生するための第2経路を形成する駆動制御部とを備える。このモータ駆動装置DRaは、電源端子を介して接続される電源の電位レベルと、直列接続の該電源および充放電素子の電位レベルとの2つの電位レベルのそれぞれで、第1系および第2系励磁コイルそれぞれへ独立に電力を給電することができ、第1系および第2系励磁コイルそれぞれを独立に駆動することができる。そして、このモータ駆動装置DRaは、第1系および第2系励磁コイルそれぞれから充放電素子へ独立に回生することもできる。
より具体的には、第1実施形態におけるモータ駆動装置DRaは、例えば、図6に示すように、電源PSを接続するための一対の電源端子Ti1、Ti2と、反対称2相SRモータMにおける第1相の第1系励磁コイルL1を接続するための一対の接続端子Tc1、Tc2と、反対称2相SRモータMにおける第2相の第2系励磁コイルL2を接続するための一対の接続端子Tc3、Tc4と、充放電素子C1と、整流素子D1〜D6と、スイッチング素子Tr1〜Tr6と、所定の抵抗値を持つ、電流測定用のシャント抵抗素子R1と、スイッチング制御部SCaとを備える。第1系励磁コイルL1は、第1相の励磁コイルであり、1または直列に接続された複数のコイルを備えて構成され、第2系励磁コイルL2は、第2相の励磁コイルであり、1または直列に接続された複数のコイルを備えて構成される。
これら整流素子D1〜D6、スイッチング素子Tr1〜Tr6および抵抗素子R1は、スイッチング素子Tr1〜Tr6のオンオフを切り換えることによって電流の所定の経路を形成するスイッチ部であり、このスイッチ部およびスイッチング制御部SCaは、前記駆動制御部の一例である。
なお、反対称2相SRモータMにおける第1相の第1系励磁コイルL1を接続するための他方の接続端子Tc2と、反対称2相SRモータMにおける第2相の第2系励磁コイルL2を接続するための他方の接続端子Tc4とは、図6に示す例では、共通とされている。また、第6整流素子D6および第6スイッチング素子Tr6は、見易くするために、図6に破線で示されている。そして、図6では、各系の励磁コイルL1、L2は、インダクタ成分と抵抗成分との直列回路で示されている。電源PSは、例えば、充放電可能な2次電池である。
充放電素子C1は、電荷(電力)を蓄積(充電)し、この蓄積した電荷(電力)を放電することができる素子である。充放電素子C1は、例えば、二次電池、電気二重層コンデンサおよび電解コンデンサ等であり、本実施形態では、比較的大容量で急速に充電することができることから、電気二重層コンデンサC1である。充放電素子C1は、電源端子Ti1、Ti2に直列に接続される。例えば、他方の電源端子Ti2が接地される場合、充放電素子C1のマイナス端子は、一方の電源端子Ti1に接続される。
整流素子D1〜D6は、それぞれ、電流を主に一方向に流す素子であり、例えば、ダイオード等である。スイッチング素子Tr1〜Tr6は、電流をオンオフする素子であり、例えば、トランジスタ等である。本実施形態では、スイッチング素子Tr1〜Tr6は、それぞれ、例えばIGBT(Insulated gate bipolar transistor)等のパワートランジスタである。スイッチング素子Tr1〜Tr6は、それぞれ、そのオンオフを制御する制御信号Sigを入力するための制御端子を備える。制御端子は、例えば、スイッチング素子Trが電界効果トランジスタである場合には、ゲート端子であり、スイッチング素子Trがバイポーラトランジスタである場合には、ベース端子である。
スイッチング制御部SCaは、各スイッチング素子Tr1〜Tr6における各制御端子に接続され、各スイッチング素子Tr1〜Tr6のオンオフを制御するために各スイッチング素子Tr1〜Tr6に制御信号Sigを出力する回路である。スイッチング制御部SCaは、SRモータM(Ma、Mb)を加速制御または減速制御で駆動するためにSRモータMにおけるステータ側磁極部12、1012に対するロータ側磁極部24、2012の位置に応じて前記電流の所定の経路を形成するように各スイッチング素子Tr1〜Tr6それぞれのオンオフを制御する。スイッチング制御部SCaには、SRモータMのロータ側磁極部24、2012の位置を検出する例えばロータリエンコーダ等の図略の磁極部位置検出部から、SRモータMのロータ側磁極部24、2012の位置に関する位置情報が入力される。なお、SRモータMのロータ側磁極部24、2012の位置は、ステータSTa、STbに対するロータRTa、RTbの回転角(位相)に対応する。ロータRTa、RTbの回転角(位相)は、ステータSTa、STbに予め設定された基準位置を0として測定される。
第4スイッチング素子Tr4、第1スイッチング素子Tr1および第3整流素子D3は、この順で直列に接続され、第2整流素子D2および第3スイッチング素子Tr3は、この順で直列に接続され、第5スイッチング素子Tr5、第2スイッチング素子Tr2および第4整流素子D4は、この順で直列に接続され、これら3個の直列回路は、それぞれ、直列に接続された充放電素子C1および電源端子Ti1、Ti2に並列に接続される。
シャント抵抗素子R1および第1整流素子D1は、一方の電源端子Ti1および充放電素子C1の第1接続点P1と、第4スイッチング素子Tr4および第1スイッチング素子Tr1の第2接続点P2との間に、この順で直列に接続される。シャント抵抗素子R1および第1整流素子D1の第3接続点P3と、第5スイッチング素子Tr5および第2スイッチング素子Tr2の第4接続点P4との間に、第3接続点P3から第4接続点P4へ向かう方向の電流を流すことができるように、第5整流素子D5が接続される。第6スイッチング素子Tr6および第6整流素子D6は、一方の電源端子Ti1および充放電素子C1の第5接続点P5(すなわち第1接続点P1)と、充放電素子C1および第2整流素子D2との第6接続点P6との間に、この順で直列に接続される。
第1スイッチング素子および第3整流素子D3の接続点が接続端子Tc1であり、第2整流素子D2および第3スイッチング素子Tr3の接続点が接続端子Tc2(Tc4)であり、第2スイッチング素子Tr2および第4整流素子D4の接続点が接続端子Tc3である。
第1整流素子D1は、第1接続点(第3接続点)P1(P3)から第2接続点P2へ向かう方向の電流を流すことができるように接続される。第2整流素子D2は、接続端子Tc2(Tc4)から第6接続点P6へ向かう方向の電流を流すことができるように接続される。第3整流素子D3は、接地から接続端子Tc1へ向かう方向の電流を流すことができるように接続される。第4整流素子D4は、接地から接続端子Tc3へ向かう方向の電流を流すことができるように接続される。第5整流素子D5は、第3接続点P3から第4接続点P4へ向かう方向の電流を流すことができるように接続される。第6整流素子D6は、第6接続点P6から第6スイッチング素子Tr6へ向かう方向の電流を流すことができるように接続される。
一例として、より具体的に説明すると、電気二重層コンデンサC1のマイナス端子は、プラス極の電源端子Ti1、抵抗素子R1の一方端子および第6トランジスタTr6のドレイン端子に接続される。電気二重層コンデンサC1のプラス端子は、第4トランジスタTr4のソース端子、第2ダイオードD2のカソード端子、第6ダイオードD6のアノード端子および第5トランジスタTr5のソース端子に接続される。第6トランジスタtr6のソース端子は、第6ダイオード端子D6のカソード端子に接続される。抵抗素子R1の他方端子は、第1ダイオードD1のアノード端子および第5ダイオードD5のアノード端子に接続される。第1ダイオードD1のカソード端子は、第4トランジスタTr4のドレイン端子および第1トランジスタTr1のソース端子に接続される。第5ダイオードD5のカソード端子は、第5トランジスタTr5のドレイン端子および第2トランジスタTr2のソース端子に接続される。
第1トランジスタTr1のドレイン端子は、第3ダイオードD3のカソード端子に接続され、第3ダイオードD3のアノード端子は、接地される。第2ダイオードD2のアノード端子は、第3トランジスタTr3のソース端子に接続され、第3トランジスタTr3のドレイン端子は、接地される。第2トランジスタTr2のドレイン端子は、第4ダイオードD4のカソード端子に接続され、第4ダイオードD4のアノード端子は、接地される。
次に、第1実施形態におけるモータ駆動装置DRaの動作について説明する。図7は、第1実施形態のモータ駆動装置における加速制御の際の動作(動作モードIないしIII)を説明するための図である。図7(A)は、第1動作モードIの場合を示し、図7(B)は、第2動作モードIIの場合を示し、図7(C)は、第3動作モードIIIの場合を示す。図8は、第1実施形態のモータ駆動装置における加速制御の際の動作(動作モードIVないしVI)を説明するための図である。図8(A)は、第4動作モードIVの場合を示し、図8(B)は、第5動作モードVの場合を示し、図8(C)は、第6動作モードVIの場合を示す。図9は、第1実施形態のモータ駆動装置における加速制御の際の各スイッチング素子のオンオフタイミングを示すタイムチャートである。図9において、上段から下段へ順に、第1スイッチング素子Tr1から第5スイッチング素子Tr5までの各オンオフタイミングを示し、横軸は、駆動サイクル位相である。駆動サイクル位相は、図9に示す例では、動作モードI→II→III→IV→V→VIと変化するスイッチングパターンを周期的に繰り返すサイクルを、位相として表した模式的なものである。図10は、前記加速制御の際におけるコイルのインダクタンス変化を示す図である。図10の横軸は、位相角であり、その縦軸は、インダクタンスである。図9の最上段および図10の横軸に付された各ローマ数字は、前記第1ないし第6動作モードI〜VIにそれぞれ対応している。後述の図13および図14も同様である。
図11は、第1実施形態のモータ駆動装置における減速制御の際の動作(動作モードI、VIIおよびIII)を説明するための図である。図11(A)は、第1動作モードIの場合を示し、図11(B)は、第7動作モードVIIの場合を示し、図11(C)は、第3動作モードIIIの場合を示す。図12は、第1実施形態のモータ駆動装置における減速制御の際の動作(動作モードIV、VIIおよびVI)を説明するための図である。図12(A)は、第4動作モードIVの場合を示し、図12(B)は、第7動作モードVIIの場合を示し、図12(C)は、第6動作モードVIの場合を示す。図13は、第1実施形態のモータ駆動装置における減速制御の際の各スイッチング素子のオンオフタイミングを示すタイムチャートである。図13において、上段から下段へ順に、第1スイッチング素子Tr1から第6スイッチング素子Tr6までの各オンオフタイミングを示し、横軸は、駆動サイクル位相である。図14は、前記減速制御の際におけるコイルのインダクタンス変化を示す図である。
このモータ駆動装置DRaは、第1ないし第6スイッチング素子Tr1〜Tr6の各オンオフをそれぞれ制御することによって、複数の動作モードI〜VIIのいずれかの状態となり、これによって駆動対象のSMモータMを駆動し、加速制御および減速制御を択一的に行う。加速制御では、モータ駆動装置DRaは、第1動作モードI、第2動作モードII、第3動作モードIII、第4動作モードIV、第5動作モードVおよび第6動作モードVIの順に変化する動作パターンを周期的に繰り返す。減速制御では、モータ駆動装置DRaは、第1動作モードI、第7動作モードVII、第3動作モードIII、第4動作モードIV、第7動作モードVIIおよび第6動作モードVIの順に変化する動作パターンを周期的に繰り返す。以下、図7ないし図10を用いて、モータ駆動装置DRaの加速制御について説明し、続いて、図11ないし図14を用いて、モータ駆動装置DRaの減速制御について説明する。
加速制御では、まず、モータ駆動装置DRaは、第1相の第1系励磁コイルL1が励磁され、ロータRTの回転に伴って第1相の第1系励磁コイルL1におけるインダクタンスが増加している間に、第1動作モードIでSRモータMを駆動する。より具体的には、モータ駆動装置DRaは、ロータRTの回転に伴って第1相の第1系励磁コイルL1のインダクタンスが増加している場合における所定の第1位相を起点に、第1動作モードIでSRモータMを駆動する。この第1位相は、ロータRTの回転に伴う第1相の第1系励磁コイルL1におけるインダクタンスの変化率(増加の変化率)が最も大きい位相であることが好ましい。この第1動作モードIでは、図9に示すように、第1および第3スイッチング素子Tr1、Tr3がそれぞれオンされ、残余の第2および第4ないし第6スイッチング素子Tr2、Tr4〜Tr6は、オフされる。これによって、図7(A)に示すように、電源PSから、電源端子Ti1、抵抗素子R1、第1整流素子D1、第1スイッチング素子Tr1、接続端子Tc1、第1相の第1系励磁コイルL1、接続端子Tc2、第3スイッチング素子Tr3および電源端子Ti2を介して電源PSに戻る経路(第1経路における第1態様の経路の一例)で、電源PSから励磁電流が第1相の第1系励磁コイルL1へ流れる。そして、この第1動作モードIでは、第1相の第1系励磁コイルL1のインダクタンスの周期変化における位相角θ(以下、「位相角θ」と呼称する。)が予め設定された所定の角度θIVになると、第4スイッチング素子Tr4が予め設定された所定時間τIVの間だけオンされる。この第4スイッチング素子Tr4のオンによって、充放電素子C1に蓄積された電荷(後述するように、主に第2相の第2系励磁コイルL2から回生充電された電荷、始動時には0である)が放電され、励磁電流として、充放電素子C1から、第4トランジスタTr4、第1トランジスタTr1、接続端子Tc1、第1相の第1系励磁コイルL1、接続端子Tc2、第3スイッチング素子Tr3、電源端子Ti2、電源PS、電源端子Ti1を介して充放電素子C1に戻る経路(第3経路における第5態様の経路の一例)で、充放電素子C1から電流が流れる。これによって第1相の励磁コイルL1には、電源PSからの電流に加えて充放電素子C1からの電流が付加される(付加電流パルス)。なお、上述では、第1動作モードIの途中で充放電素子C1の電荷が利用されたが、当初加速度を大きくするために、第1動作モードIの開始と同時に充放電素子C1の電荷が利用されてもよい。また、第2相の第2系励磁コイルL2は、後述の第6動作モードVIから継続するフリーホイーリング状態であり、第2相の第2系励磁コイルL2から、接続端子Tc2、第3スイッチング素子Tr3、第4整流素子D4および接続端子Tc3を介して第2相の励磁コイルL2に戻る経路(第4経路における第8態様の経路の一例)を電流が環流する。
このように第1動作モードIは、一例として、主に第1給電モードであり、第2相の第2系励磁コイルL2が第6動作モードVIから継続するフリーホイーリング状態である場合には、第2電流循環モードを含む。
位相角θが、予め設定された所定の角度、例えば、図10に示すように、第1系励磁コイルL1のインダクタンスが最大値Lmaxを示す角度(第2系励磁コイルL2のインダクタンスが最小値Lminを示す角度)となると、モータ駆動装置DRaは、第2動作モードIIでSRモータMを駆動する。この第2動作モードIIでは、図9に示すように、第1スイッチング素子Tr1がオンされ、残余の第2ないし第6スイッチング素子Tr2〜Tr6は、オフされる。これによって、図7(B)に示すように、第1相の第1系励磁コイルL1の起電力によって生じた電流が、第1相の第1系励磁コイルL1から、接続端子Tc2、第2整流素子D2、充放電素子C1、抵抗素子R1、第1整流素子D1、第1スイッチング素子Tr1および接続端子Tc1を介して第1相の第1系励磁コイルL1に戻る経路(第2経路における第3態様の経路の一例)で、第1相の第1系励磁コイルL1から電流が充放電素子C1へ流れる。これによって充放電素子C1は、回生充電される。なお、フリーホイーリング状態にある第2相の第2系励磁コイルL2にエネルギーが残留している場合には、第2相の励磁コイルL2の起電力によって生じた電流が、第2相の第1系励磁コイルL2から、接続端子Tc2、第2整流素子D2、充放電素子C1、電源端子Ti1、電源PS、電源端子Ti2、第4整流素子D4および接続端子Tc3を介して第2相の励磁コイルL2に戻る経路(第2経路における第4態様の経路の一例)で、第2相の励磁コイルL2から電流が充放電素子C1へ流れ、充放電素子C1を回生充電する。
このように第2動作モードIIは、一例として、主に第1回生モードであり、フリーホイーリング状態にある第2相の第2系励磁コイルL2にエネルギーが残留している場合には、第2回生モードを含む。
位相角θが、予め設定された所定の角度、例えば、図10に示すように、ロータRTの回転に伴って第1系励磁コイルL1のインダクタンスが最大値Lmaxから降下を始める角度(第2系励磁コイルL2のインダクタンスが最小値Lminから上昇を始める角度)となると、モータ駆動装置DRaは、サージの発生を回避するために充分な時間(例えば比較的短い時間)だけ、第3動作モードIIIでSRモータMを駆動する。この第3動作モードIIIでは、図9に示すように、第3スイッチング素子Tr3がオンされ、残余の第1、第2および第4ないし第6スイッチング素子Tr1、Tr2、Tr4〜Tr6は、オフされる。これによって、図7(C)に示すように、第1相の第1系励磁コイルL1は、フリーホイーリング状態となり、第1相の励磁コイルL1から、接続端子Tc2、第3スイッチング素子Tr3、第3整流素子D3および接続端子Tc1を介して第1相の第1系励磁コイルL1に戻る経路(第4経路における第7態様の経路の一例)を電流が環流する。一方、第2相の励磁コイルL2も、後述の第6動作モードVIから上述の第1および第2動作モードI、IIを介して継続するフリーホイーリング状態であり、上述の経路を電流が環流する。
このように第3動作モードIIIは、一例として、主に第1電流循環モードであり、そして、第2電流循環モードを含む。
位相角θが、図10に示すように、予め設定された角度となると、モータ駆動装置DRaは、第2相の第2系励磁コイルL2が励磁され、ロータRTの回転に伴って第2相の第2系励磁コイルL2におけるインダクタンスが増加している間で、第4動作モードIVでSRモータMを駆動する。すなわち、第1動作モードIの開始タイミングと同様のタイミングで第4動作モードIVが開始される。以下の動作モードの切換タイミングも同様である。この第3動作モードIIIから第4動作モードIVへの切換タイミングは、ロータRTの回転に伴う第2相の第2系励磁コイルL2におけるインダクタンスの変化率が最も大きい位相であることが好ましい。この第4動作モードIVでは、図9に示すように、第2および第3スイッチング素子Tr2、Tr3がそれぞれオンされ、残余の第1および第4ないし第6スイッチング素子Tr1、Tr4〜Tr6は、オフされる。これによって、図8(A)に示すように、電源PSから、電源端子Ti1、抵抗素子R1、第5整流素子D5、第2スイッチング素子Tr2、接続端子Tc3、第2相の第2系励磁コイルL2、接続端子Tc2、第3スイッチング素子Tr3および電源端子Ti2を介して電源PSに戻る経路(第1経路における第2態様の経路の一例)で、電源PSから励磁電流が第2相の第2系励磁コイルL2へ流れる。そして、この第4動作モードIVでは、第1動作モードIと同様に、第2系励磁コイルL2のインダクタンスの時間変化における位相角θが予め設定された所定の角度θIVになると、第5スイッチング素子Tr5が予め設定された所定時間τIVの間だけオンされる。第2系励磁コイルL2のインダクタンスの時間変化における位相角θは、第1系励磁コイルL1のインダクタンスの時間変化における位相角θと同じく、第1および第3スイッチング素子Tr1、Tr3のオンを開始した時点の位相角θを0としている。この第5スイッチング素子Tr5のオンによって、充放電素子C1に蓄積された電荷(すなわち、主に第1相の第1系励磁コイルL1から回生充電された電荷)が放電され、励磁電流として、充放電素子C1から、第5トランジスタTr5、第2トランジスタTr2、接続端子Tc3、第2相の第2系励磁コイルL2、接続端子Tc2、第3スイッチング素子Tr3、電源端子Ti2、電源PS、電源端子Ti1を介して充放電素子C1に戻る経路(第3経路における第6態様の経路の一例)で、充放電素子C1から電流が流れる。これによって第2相の第2系励磁コイルL2には、電源PSからの電流に加えて充放電素子C1からの電流が付加される(付加電流パルス)。なお、第1相の第1系励磁コイルL1は、第3動作モードIIIから継続するフリーホイーリング状態であり、第1相の第1系励磁コイルL1から、上述の経路を電流が環流する。
このように第4動作モードIVは、一例として、主に第2給電モードであり、第1相の第1系励磁コイルL1が第3動作モードIIIから継続するフリーホイーリング状態である場合には、第1電流循環モードを含む。
位相角θが、予め設定された所定の角度、例えば、図10に示すように、第2系励磁コイルL2のインダクタンスが最大値Lmaxを示す角度(第1系励磁コイルL1のインダクタンスが最小値Lminを示す角度)となると、モータ駆動装置DRaは、第5動作モードVでSRモータMを駆動する。この第5動作モードVでは、図9に示すように、第2スイッチング素子Tr2がオンされ、残余の第1および第3ないし第6スイッチング素子Tr1、Tr3〜Tr6は、オフされる。これによって、図8(B)に示すように、第2相の第2系励磁コイルL2の起電力によって生じた電流が、第2相の第2系励磁コイルL2から、接続端子Tc2、第2整流素子D2、充放電素子C1、抵抗素子R1、第5整流素子D5、第2スイッチング素子Tr2および接続端子Tc3を介して第2相の第2系励磁コイルL2に戻る経路(第2経路における第4態様の経路の他の一例)で、第2相の第2系励磁コイルL2から電流が充放電素子C1へ流れる。これによって充放電素子C1は、回生充電される。なお、フリーホイーリング状態にある第1相の第1系励磁コイルL1にエネルギーが残留している場合には、第1相の第1系励磁コイルL1の起電力によって生じた電流が、第1相の第1系励磁コイルL1から、接続端子Tc2、第2整流素子D2、充放電素子C1、抵抗素子R1、第1整流素子D1、第1スイッチング素子Tr1および接続端子Tc1を介して第1相の第1系励磁コイルL1に戻る経路で、第1相の第1系励磁コイルL1から電流が充放電素子C1へ流れ、充放電素子C1を回生充電する。
このように第5動作モードVは、一例として、主に第2回生モードであり、フリーホイーリング状態にある第1相の第1系励磁コイルL1にエネルギーが残留している場合には、第1回生モードを含む。
位相角θが、予め設定された所定の角度、例えば、図10に示すように、ロータRTの回転に伴って第2相の第2系励磁コイルL2のインダクタンスが最大値Lmaxから降下を始める角度(ロータRTの回転に伴って第1相の第1系励磁コイルL1のインダクタンスが最小値Lminから上昇を始める角度)となると、モータ駆動装置DRaは、サージの発生を回避するために充分な時間(例えば比較的短い時間)だけ、第6動作モードVIでSRモータMを駆動する。この第6動作モードVIでは、図9に示すように、第3スイッチング素子Tr3がオンされ、残余の第1、第2および第4ないし第6スイッチング素子Tr1、Tr2、Tr4〜Tr6は、オフされる。これによって、図8(C)に示すように、第2相の第2系励磁コイルL2は、フリーホイーリング状態となり、第2相の第2系励磁コイルL2から、接続端子Tc2、第3スイッチング素子Tr3、第4整流素子D4および接続端子Tc3を介して第2相の第2系励磁コイルL2に戻る経路を電流(第4経路における第8態様の経路の一例)が環流する。一方、第1相の第1系励磁コイルL1も、第3動作モードIIIから上述の第4および第5動作モードIV、Vを介して継続するフリーホイーリング状態であり、第1相の第21励磁コイルL1から、上述の経路を電流が環流する。
このように第6動作モードVIは、一例として、主に第1電流循環モードであり、そして、第2電流循環モードを含む。
そして、モータ駆動装置DRaは、第6動作モードVIを実行すると、第1動作モードIに戻り、加速制御の間、上述の第1ないし第6動作モードI〜VIを第1相の第1系励磁コイルL1のインダクタンスの周期に同期して繰り返す。
このように本実施形態におけるモータ駆動装置DRaは、加速制御の場合に、ロータRTの回転に伴って励磁コイルL(L1、L2)のインダクタンスが増加している場合に、電源PSから電流を流すことによって励磁コイルLを励磁し、SRモータMを加速する。そして、この加速するために励磁電流を流している際に、所定のタイミングで充放電素子C1に蓄電された回生電力が放電され、これによって励磁コイルLには、電源PSからの電流に加えて充放電素子C1からの電流が付加される(第1動作モードI、第4動作モードIV)。そして、このモータ駆動装置DRaは、ロータRTの回転に伴って励磁コイルL(L1、L2)のインダクタンスが最大値Lmaxから減少している場合に、励磁コイルLのエネルギーが充放電素子C1へ回生され、充放電素子C1に蓄積され(第2動作モードII、第5動作モードV)、続いて、所定のタイミングでフリーホイーリング状態となる(第3動作モードIII、第6動作モードVI)。
この駆動対象のSRモータMが反対称2相であるので、第1相の第1系励磁コイルL1が第1ないし第3動作モードで制御されている間、第2相の第2系励磁コイルL2は、主にフリーホイーリング状態となり、一方、第2相の第2系励磁コイルL2が第4ないし第6動作モードで制御されている間、第1相の第1系励磁コイルL1は、主にフリーホイーリング状態となる。このように第1相の第1系励磁コイルL1と第2相の第2系励磁コイルL2とは、個別に、加速制御され、一方の励磁コイルLによって回生された回生電力が他方の励磁コイルLに用いることができ、電源PSから供給される電力を効率よく利用することができる。
また、上述のモータ駆動装置DRaは、加速制御の際に、充放電素子C1から第1系および第2系励磁コイルL1、L2それぞれへ独立に給電することができるので、電源PSの電圧よりも高い電圧を第1系および第2系励磁コイルL1、L2に印加することができる。このため、このようなモータ駆動装置DRaは、効率よく加速制御することができる。
また、上述のモータ駆動装置DRaは、電源端子Ti1、Ti2から接続端子Tc1〜Tc4を介して第1系および第2系励磁コイルL1、L2それぞれへ独立に給電するために、第1および第4動作モードI、IVで、各系の励磁コイルL1、L2それぞれを経由した各電流を電源端子Ti2を介して電源PSの低電位側へ戻すための第3スイッチング素子Tr3を共通に用いて上述の各経路を形成している。このため、本実施形態におけるモータ駆動装置DRaは、スイッチング素子の個数を減らすことができている。
また、上述のモータ駆動装置DRaは、第1系および第2系励磁コイルL1、L2に残留した各残留エネルギーを第1系および第2系励磁コイルL1、L2それぞれから接続端子Tc1〜Tc4を介して充放電素子C1へ独立に回生するために、第2および第5動作モードII、Vで、各系の励磁コイルL1、L2それぞれの逆起電力による各電流を充放電素子C1の高電位側へ導くための第2整流素子D2を共通に用いて上述の各経路を形成している。このため、本実施形態におけるモータ駆動装置DRaは、整流素子の個数を減らすことができている。なお、この第2整流素子D2は、オン抵抗の小さいスイッチング素子で代用されてもよい。
また、上述のモータ駆動装置DRaは、第1系および第2系励磁コイルL1、L2それぞれをフリーホイーリング状態とするために、第3および第6動作モードIII、VIで、各系の励磁コイルL1、L2それぞれの起電力による各電流を自身に戻すための第3および第4整流素子D3、D4を個別に用いて上述の各経路を形成している。このため、本実施形態におけるモータ駆動装置DRaは、第1系および第2系励磁コイルL1、L2にエネルギーを一時的に保持させることができ、動作モードの切換でスイッチング素子をオンオフするタイミングが予め設定された予定のタイミングからずれても各系の励磁コイルL1、L2を開放状態とすることがないため、サージの発生を回避することができる。なお、これら第3および第4整流素子D3、D4は、オン抵抗の小さいスイッチング素子で代用されてもよい。
また、上述のモータ駆動装置DRaは、第1系励磁コイルL1のインダクタンスが増加している場合における所定の第1位相を起点に、第1系励磁コイルL1のインダクタンスの周期に同期して第1動作モード(第1給電モード)I、第2動作モード(第1回生モード)II、第4動作モード(第2給電モード)IVおよび第5動作モード(第2回生モード)Vをこの順で繰り返すので、駆動対象の反対称2相モータMを加速制御することができる。そして、このモータ駆動装置DRaは、第2動作モードIIによって第1系励磁コイルL1に残留している残留エネルギーを回生してから第2系励磁コイルL2に給電するので、第1系励磁コイルL1による加速を妨げる作用を低減することができ、第5動作モードVによって第2系励磁コイルL2に残留している残留エネルギーを回生してから第1系励磁コイルL1に給電するので、第2系励磁コイルL2による加速を妨げる作用を低減することができる。この結果、本実施形態におけるモータ駆動装置DRaは、平均トルクを増大することができる。
また、上述のモータ駆動装置DRaは、第2動作モード(第1回生モード)IIの終了後、第3動作モード(第1電流循環モード)IIIを実行した後に第4動作モード(第2給電モード)IVを実行するので、第2動作モードIIから第4動作モードIVへ移行する場合に、スイッチング素子Trによるサージの発生を回避することができる。そして、このモータ駆動装置DRaは、第5動作モード(第2回生モード)Vの終了後、第6動作モード(第2電流循環モード)VIを実行した後に第1動作モード(第1給電モード)Iを実行するので、第5動作モードVから第1動作モードIへ移行する場合に、スイッチング素子Trによるサージの発生を回避することができる。
一方、減速制御では、まず、モータ駆動装置DRaは、図14に示すように、ロータRTの回転に伴って第1相の第1系励磁コイルL1におけるインダクタンスが減少し始める前または減少している間に、第1動作モードIでSRモータMを駆動する。より具体的には、モータ駆動装置DRaは、ロータRTの回転に伴って第1相の第1系励磁コイルL1のインダクタンスが減少し始める前または直後における所定の第2位相を起点に、第1動作モードIでSRモータMを駆動する。例えば、モータ駆動装置DRaは、前記インダクタンスが最大値Lmaxから降下するタイミングで、第1動作モードIでSRモータMを駆動する。この第2位相は、ロータRTの回転に伴う第1相の第1系励磁コイルL1におけるインダクタンスの変化率(減少の変化率)が最も大きい位相であることが好ましい。この第1動作モードIでは、図13に示すように、第1および第3スイッチング素子Tr1、Tr3がそれぞれオンされ、残余の第2および第4ないし第6スイッチング素子Tr2、Tr4〜Tr6は、オフされる。このため、図11(A)に示すように、加速制御の第1動作モードIと同様に電流が流れるが、第1相の第1系励磁コイルL1のインダクタンスがロータETの回転に伴って減少している間に、励磁コイルL1に電流が供給されるので、ロータRTには、回転方向と逆方向にトルクが働き、SRモータMは、減速する。そして、この減速制御では、当初の減速を大きくするために、第1動作モードIの開始タイミングで、第4スイッチング素子Tr4が予め設定された所定時間τIVの間だけオンされる。これによって、電源PSから、電源端子Ti1、充放電素子C1、第4トランジスタTr4、第1トランジスタTr1、接続端子Tc1、第1相の第1系励磁コイルL1、接続端子Tc2および第3スイッチング素子Tr3を介して電源PSに戻る経路で、充放電素子C1は、電源PSから充電される。そして、この充放電素子C1に蓄積された電荷が放電され、加速制御の第1動作モードIと同様に電流が流れる。これによって第1相の励磁コイルL1には、電源PSからの電流に加えて充放電素子C1からの電流が付加され、さらに減速される。なお、上述では、第1動作モードIの開始タイミングで充放電素子C1が利用されたが、第1動作モードIの途中で充放電素子C1が利用されてもよい。また第2相の励磁コイルL2は、後述の第6動作モードVIから継続するフリーホイーリング状態であり、第2相の励磁コイルL2から、上述の経路を電流が環流する。
位相角θが、図14に示すように、予め設定された所定の角度となると、モータ駆動装置DRaは、第7動作モードVIIでSRモータMを駆動する。この第7動作モードVIIでは、図13に示すように、第6スイッチング素子Tr6がオンされ、残余の第1ないし第5スイッチング素子Tr1〜Tr5は、オフされる。これによって、図11(B)に示すように、第1相の第1系励磁コイルL1の起電力によって生じた電流が、第1相の第1系励磁コイルL1から、接続端子Tc2、第2整流素子D2、第6整流素子D6、第6スイッチング素子Tr6、電源端子Ti1、電源PS、電源端子Ti2、第3整流素子D3および接続端子Tc1を介して第1相の第1系励磁コイルL1に戻る経路(第5経路における第9態様の経路の一例)で、第1相の第1系励磁コイルL1から電流が電源PSへ流れる。これによって電源PSは、回生充電される。なお、フリーホイーリング状態にある第2相の第2系励磁コイルL2にエネルギーが残留している場合には、第2相の第2系励磁コイルL2の起電力によって生じた電流が、第2相の第2系励磁コイルL2から、接続端子Tc2、第6整流素子D6、第6スイッチング素子Tr6、電源端子Ti1、電源PS、電源端子Ti2、第4整流素子D4および接続端子Tc3を介して第2相の第2系励磁コイルL2に戻る経路(第5経路における第10態様の経路の一例)で、第2相の第2系励磁コイルL2から電流が電源PSへ流れ、電源PSを回生充電する。
この第7動作モードVIIは、一例として、主に第3回生モードであり、フリーホイーリング状態にある第2相の第2系励磁コイルL2にエネルギーが残留している場合には、第4回生モードを含む。
位相角θが、図14に示すように、予め設定された所定の角度となると、モータ駆動装置DRaは、サージの発生を回避するために充分な時間(例えば比較的短い時間)だけ、第3動作モードIIIでSRモータMを駆動する。この第3動作モードIIIでは、図13に示すように、第3スイッチング素子Tr3がオンされ、残余の第1、第2および第4ないし第6スイッチング素子Tr1、Tr2、Tr4〜Tr6は、オフされる。このため、図11(C)に示すように、加速制御の第1動作モードIと同様に電流が流れ、第1相の第1系励磁コイルL1は、フリーホイーリング状態となる。一方、第2相の第2系励磁コイルL2も、同様に、フリーホイーリング状態となる。
位相角θが、図14に示すように、ロータRTの回転に伴って第1相の第1系励磁コイルL1のインダクタンスが最小値Lminから上昇を始める角度、すなわち、ロータRTの回転に伴って第2系励磁コイルL2のインダクタンスが最大値Lmaxから降下を始める角度となると、モータ駆動装置DRaは、第4動作モードIVでSRモータMを駆動する。すなわち、第1動作モードIの開始タイミングと同様のタイミングで第4動作モードIVが開始される。この第4動作モードIVでは、図13に示すように、第2および第3スイッチング素子Tr2、Tr3がそれぞれオンされ、残余の第1および第4ないし第6スイッチング素子Tr1、Tr4〜Tr6は、オフされる。これによって、図12(A)に示すように、加速制御の第4動作モードIVと同様に電流が流れるが、第2相の第2系励磁コイルL2のインダクタンスがロータETの回転に伴って減少している間に、第2系励磁コイルL2に電流が供給されるので、ロータRTには、回転方向と逆方向にトルクが働き、SRモータMは、減速する。そして、この減速制御では、第4動作モードIVの開始タイミングで、第5スイッチング素子Tr5が予め設定された所定時間τIVの間だけオンされる。これによって、電源PSから、電源端子Ti1、充放電素子C1、第5トランジスタTr5、第2トランジスタTr2、接続端子Tc3、第2相の第2系励磁コイルL2、接続端子Tc2および第3スイッチング素子Tr3を介して電源PSに戻る経路で、充放電素子C1は、電源PSから充電される。そして、この充放電素子C1に蓄積された電荷が放電され、加速制御の第4動作モードIVと同様に電流が流れる。これによって第2相の第2系励磁コイルL2には、電源PSからの電流に加えて充放電素子C1からの電流が付加され、さらに減速される。なお、第1相の第1系励磁コイルL1は、上述の第3動作モードIIIから継続するフリーホイーリング状態であり、上述の経路で電流が環流する。
位相角θが、図14に示すように、予め設定された所定の角度となると、モータ駆動装置DRaは、第7動作モードVIIでSRモータMを駆動する。この第7動作モードVIIでは、図13に示すように、第6スイッチング素子Tr6がオンされ、残余の第1ないし第5スイッチング素子Tr1〜Tr5は、オフされる。これによって、図12(B)に示すように、第2相の第2系励磁コイルL2の起電力によって生じた電流が、第2相の第2系励磁コイルL2から、接続端子Tc2、第2整流素子D2、第6整流素子D6、第6スイッチング素子Tr6、電源端子Ti1、電源PS、電源端子Ti2、第4整流素子D4および接続端子Tc3を介して第2相の第2系励磁コイルL2に戻る経路で、第2相の第2系励磁コイルL2から電流が電源PSへ流れる。これによって電源PSは、回生充電される。なお、フリーホイーリング状態にある第1相の第1系励磁コイルL1にエネルギーが残留している場合には、第1相の第1系励磁コイルL1の起電力によって生じた電流が、第1系第1相の励磁コイルL1から、接続端子Tc2、第2整流素子D2、第6整流素子D6、第6スイッチング素子Tr6、電源端子Ti1、電源PS、電源端子Ti2、第3整流素子D3および接続端子Tc1を介して第1相の第1系励磁コイルL1に戻る経路で、第1相の第1系励磁コイルL1から電流が電源PSへ流れ、電源PSを回生充電する。
この第7動作モードVIIは、一例として、主に第4回生モードであり、フリーホイーリング状態にある第1相の第1系励磁コイルL1にエネルギーが残留している場合には、第3回生モードを含む。
位相角θが、図14に示すように、予め設定された所定の角度となると、モータ駆動装置DRaは、サージの発生を回避するために充分な時間(例えば比較的短い時間)だけ、第6動作モードVIでSRモータMを駆動する。この第6動作モードVIでは、図13に示すように、第3スイッチング素子Tr3がオンされ、残余の第1、第2および第4ないし第6スイッチング素子Tr1、Tr2、Tr4〜Tr6は、オフされる。このため、図12(C)に示すように、加速制御の第6動作モードVIと同様に電流が流れ、第2相の第2系励磁コイルL2は、フリーホイーリング状態となる。一方、第1相の第1系励磁コイルL1も、同様に、第3動作モードIIIから上述の第4および第7動作モードIV、VIIを介して継続するフリーホイーリング状態である。
そして、モータ駆動装置DRaは、第6動作モードVIを実施すると、第1動作モードIに戻り、減速制御の間、上述の第1、第7、第3、第4、第7および第6動作モードI、VII、III、IV、VII、VIを第1相の励磁コイルL1のインダクタンスの周期に同期して繰り返す。
このように本実施形態におけるモータ駆動装置DRaは、減速制御の場合に、ロータRTの回転に伴って励磁コイルL(L1、L2)のインダクタンスが減少している場合に、電源PSから電流を流すことによって励磁コイルLを励磁し、SRモータMを減速する。そして、この減速するために励磁電流を流している際に、所定のタイミングで充放電素子C1に蓄電された電力が放電され、これによって励磁コイルLには、電源PSからの電流に加えて充放電素子C1からの電流が付加される(第1動作モードI、第4動作モードIV)。そして、このモータ駆動装置DRaは、ロータRTの回転に伴って励磁コイルL(L1、L2)のインダクタンスが減少している場合に、励磁コイルLのエネルギーが電源PSへ回生され、電源PSに蓄積され(第7動作モードVII、第7動作モードVII)、続いて、所定のタイミングでフリーホイーリング状態となる(第3動作モードIII、第6動作モードVI)。
この駆動対象のSRモータMが反対称2相であるので、第1相の第1系励磁コイルL1が第1、第7および第3動作モードI、VII、IIIで制御されている間、第2相の第2系励磁コイルL2は、フリーホイーリング状態となり、一方、第2相の第2系励磁コイルL2が第4、第7および第6動作モードIV、VII、VIで制御されている間、第1相の第1系励磁コイルL1は、フリーホイーリング状態となる。このように第1相の第1系励磁コイルL1と第2相の第2系励磁コイルL2とは、個別に、減速制御され、一方の励磁コイルLによって回生された回生電力が他方の励磁コイルLに用いることができ、電源PSから供給される電力を効率よく利用することができる。
また、上述のモータ駆動装置DRaは、減速制御の際に、充放電素子C1から第1系および第2系励磁コイルL1、L2それぞれへ独立に給電することができるので、電源PSの電圧よりも高い電圧を第1系および第2系励磁コイルL1、L2に印加することができる。このため、このようなモータ駆動装置DRaは、効率よく減速制御することができる。
また、上述のモータ駆動装置DRaは、第1系および第2系励磁コイルL1、L2に残留した各残留エネルギーを第1系および第2系励磁コイルL1、L2それぞれから接続端子Tc1〜Tc4を介して電源PSへ独立に回生するために、第7動作モードで、第6整流素子D6および第6スイッチング素子Tr6を共通に用いて上述の各経路を形成している。このため、本実施形態におけるモータ駆動装置DRaは、整流素子の個数を減らすことができている。
また、上述のモータ駆動装置DRaは、第1系励磁コイルL1のインダクタンスが減少し始める前または直後における所定の第2位相を起点に、第1系励磁コイルL1のインダクタンスの周期に同期して第1動作モード(第1給電モード)I、第7動作モード(第3回生モード)VII、第4動作モード(第2給電モード)IVおよび第7動作モード(第4回生モード)VIIをこの順で繰り返すので、駆動対象の反対称2相モータMを減速制御することができる。そして、このモータ駆動装置DRaは、1回目の第7動作モード(第3回生モード)VIIによって第1系励磁コイルL1に残留している残留エネルギーを回生してから第2系励磁コイルL2に給電するので、第1系励磁コイルL1による減速を妨げる作用を低減することができ、2回目の第7動作モード(第4回生モード)VIIによって第2系励磁コイルL2に残留している残留エネルギーを回生してから第1系励磁コイルL1に給電するので、第2系励磁コイルL2による減速を妨げる作用を低減することができる。
また、上述のモータ駆動装置DRaは、1回目の第7動作モード(第3回生モード)VIIの終了後、第3動作モード(第1電流循環モード)IIIを実行した後に第4動作モード(第2給電モード)IVを実行するので、1回目の第7動作モードVIIから第4動作モードIVへ移行する場合に、スイッチング素子Trによるサージの発生を回避することができる。そして、このモータ駆動装置DRaは、2回目の第7動作モード(第4回生モード)VIIの終了後、第6動作モード(第2電流循環モード)VIを実行した後に第1動作モード(第1給電モード)Iを実行するので、2回目の第7動作モードVIIから第1動作モードIへ移行する場合に、スイッチング素子Trによるサージの発生を回避することができる。
また、上述のモータ駆動装置DRaは、第1系および第2系励磁コイルL1、L2に残留した各残留エネルギーを第1系および第2系励磁コイルL1、L2それぞれから接続端子Tc1〜Tc4を介して電源PSへ独立に回生するために、各第7動作モードVIIで、各系の励磁コイルL1、L2それぞれの逆起電力による各電流を接続端子Ti1を介して電源PSの高電位側へ導くための第6整流素子D6および第6スイッチング素子Tr6を共通に用いて上述の各経路を形成している。このため、本実施形態におけるモータ駆動装置DRaは、整流素子およびスイッチング素子の各個数を減らすことができている。
背景技術で、ブリッジコンバータ(Bridge Converter)方式のシェアードスイッチコンバータと、これとは別系列に属するキャパシティブコンバータ(Capacitive converter)方式のボルテージブースティングコンバータとを説明したが、本実施形態におけるモータ駆動装置DRaは、以上説明したように、駆動対象のモータを反対称2相モータに特化することで、いわばシェアードスイッチコンバータに、これとは別系列のボルテージブースティングコンバータの要素を取り入れた装置となっている。
次に、本実施形態のモータ駆動装置の効果を説明するために、実施例と比較例について説明する。
(実施例および比較例)
図15は、従来のモータ駆動装置と実施例のモータ駆動装置との比較結果(シミュレーション)を説明するための図である。図15(A)は、従来のモータ駆動装置の回路図であり、図15(B)は、実施例のモータ駆動装置の回路図であり、図15(C)は、各トランジスタTr1〜Tr5、Tr11〜Tr13に出力される制御信号Sig1〜Sig5のタイムチャートである。そして、図15(D)は、従来のモータ駆動装置で反対称2相モータMを駆動した場合における励磁電流(2点鎖線)、第1系励磁コイルL1のコイル電流(実線)および第2系励磁コイルL2のコイル電流(1点鎖線)を示し、図15(E)は、実施例のモータ駆動装置で反対称2相モータMを駆動した場合における励磁電流(2点鎖線)、第1系励磁コイルL1のコイル電流(実線)および第2系励磁コイルL2のコイル電流(1点鎖線)を示す。図15(D)および図15(E)の横軸は、時間(回転角)であり、それらの縦軸は、電流値である。図16は、実施例のモータ駆動装置における励磁電流の実測結果を示す図である。図16の横軸は、秒(s)単位で示す時間(回転角)であり、その縦軸は、アンペア(A)単位で示す電流である。
従来のモータ駆動装置は、図15(A)に示すように、背景技術で図23を用いて説明した回路であり、この従来のモータ駆動装置は、直流電源Vおよび0.15Ωの電流測定用のシャント抵抗素子の直列接続に1000μFのコンデンサを並列に接続した電源回路に接続されている。
実施例のモータ駆動装置は、図15(B)に示すように、図6を用いて説明した上述の回路であり、実施例のモータ駆動装置は、従来のモータ駆動装置の場合と同様の電源回路に接続されている。
従来のモータ駆動装置における第1ないし第3トランジスタTr11〜Tr13には、各トランジスタTr11〜Tr13をオンオフするための第1ないし第3制御信号Sig1〜Sig3が、図15(C)に示すタイミングで、各トランジスタTr11〜Tr13における各電位レベルの異なる各制御端子に伝わるように、巻線比1:1のパルストランスを介して供給されている。そして、実施例のモータ駆動装置における第1ないし第5トランジスタTr1〜Tr5には、各トランジスタTr1〜Tr5をオンオフするための第1ないし第5制御信号Sig1〜Sig5が、図15(C)に示すタイミングで、各トランジスタTr1〜Tr5における各電位レベルの異なる各制御端子に伝わるように、巻線比1:1のパルストランスを介して供給されている。なお、第1ないし第3制御信号Sig1〜Sig3は、両モータ駆動装置で共通に用いられている。また、図15(C)には、上段から下段へ向かって、第1トランジスタTr1の制御信号Sig1、第2トランジスタTr2の制御信号Sig2、第3トランジスタTr3の制御信号Sig3、第5トランジスタTr5の制御信号Sig5、および、第4トランジスタTr4の制御信号Sig4が、この順で示されている。なお、この実験では、加速制御が行われているため、実施例のモータ駆動装置における第6トランジスタTr6の制御端子には、0Vの直流電源が接続され、常に0Vの電圧が印加されおり、第6トランジスタTr6は、オフである。
励磁電流は、電源Vに直列に接続されている抵抗素子の両端で測定される。第1系および第2系励磁コイルL1、L2のそれぞれは、0.15Ωの内部抵抗および1mHのコイルの直列接続であり、第1系励磁コイルL1のコイル電流は、その内部抵抗の両端で測定され、第2系励磁コイルL2のコイル電流は、その内部抵抗の両端で測定される。
これらの測定結果が図15(D)および図15(E)に示されている。これら図15(D)および図15(E)に示す測定結果は、公知のいわゆる回路シミュレータによる前記測定箇所における結果である。図15(D)を見ると分かるように、従来のモータ駆動装置の場合、第1系および第2系励磁コイルL1、L2の各コイル電流は、駆動中、0に成らず、絶えず、流れ続けている。このため、従来のモータ駆動装置の場合、加速するために一方の励磁コイルL1(L2)を励磁している場合に、フライホイーリング状態で他方の励磁コイルL2(L1)に残留しているエネルギーによって、その加速を打ち消すように働くため、トルクが低減されてしまう。また、このような励磁コイルL1、L2に残留しているエネルギーは、回路内でジュール熱として消費され、モータのトルクに寄与せず、無駄になっている。
一方、図15(E)を見ると分かるように、実施例のモータ駆動装置の場合、第1系および第2系励磁コイルL1、L2の各コイル電流は、一方のコイル電流が流れている間、他方のコイル電流が0となるパルス電流である。したがって、実施例のモータ駆動装置の場合、加速するために一方の励磁コイルL1(L2)を励磁している場合に、他方の励磁コイルL2(L1)に残留しているエネルギーによって、その加速を打ち消されることが無く、トルクが低減されることもない。そして、励磁コイルL1、L2に残留しているエネルギーは、回生されるため、図15(E)にハッチングで示すように、一方の励磁コイルL1(L2)のコイル電流が0と成って他方の励磁コイルL2(L1)が立ち上がり始める間に流れる励磁電流は、充放電素子C1の回生およびその放電によって、前記他方の励磁コイルL2(L1)の励磁に用いられている。このように一方の励磁コイルL1(L2)に残留しているエネルギーは、効率よく、他方の励磁コイルL2(L1)に用いられ、無駄が少なくなっている。このため、実施例のモータ駆動装置では、従来に較べて、電力効率が向上している。
この上述の事実は、実測結果である図16によっても示されている。なお、図15のシミュレーションでは、励磁コイルL1、L2のインダクタンスが上述のように1mHで一定とし、適宜なタイミングでモードを切り替えて励磁コイルL1、L2の各励磁電流がシミュレートされたが、実機では、励磁コイルL1、L2のインダクタンスは、図10に示すように変化する。図15に示す励磁電流の波形と図16に示す励磁電流の波形との違いは、この相違に起因するものである。図16から、第1動作モードI中の付加電流パルスおよび第4動作モードIV中の付加電流パルスによって励磁電流の立ち上がりおよび立ち下がりが急峻となっていることが分かる。これによって電力効率が向上している。
(第2実施形態のモータ駆動装置)
次に、上述した反対称2相SRモータMを駆動する第2実施形態のモータ駆動装置について説明する。まず、第2実施形態におけるモータ駆動装置DRbの構成について説明する。図17は、第2実施形態におけるモータ駆動装置の構成を示す回路図である。
実際にモータを使用する際には、加速制御および減速制御だけでなく、所望のトルクを出力するように制御することも望まれる。第1実施形態におけるモータ駆動装置DRaは、加速制御および減速制御するものであるが、第2実施形態におけるモータ駆動装置DRbは、所望のトルクを出力するように、反対称2相SRモータMに流れる励磁電流を制御する電流制御を行うものである。
このような第2実施形態のモータ駆動装置DRbは、例えば、図17に示すように、一対の電源端子Ti1、Ti2と、一対の接続端子Tc1、Tc2と、一対の接続端子Tc3、Tc4と、充放電素子C1と、整流素子D1〜D6と、スイッチング素子Tr1〜Tr6と、シャント抵抗素子R1と、第1電流検出部CS1と、第2電流検出部CS2と、スイッチング制御部SCbとを備える。すなわち、第2実施形態のモータ駆動装置DRbは、電流制御するために、第1実施形態のモータ駆動装置DRaに対し、さらに、第1電流検出部CS1および第2電流検出部CS2を備える。このため、第2実施形態のモータ駆動装置DRbにおける一対の電源端子Ti1、Ti2、一対の接続端子Tc1、Tc2、一対の接続端子Tc3、Tc4、充放電素子C1、整流素子D1〜D6、スイッチング素子Tr1〜Tr6およびシャント抵抗素子R1は、それぞれ、第1実施形態のモータ駆動装置DRaにおける一対の電源端子Ti1、Ti2、一対の接続端子Tc1、Tc2、一対の接続端子Tc3、Tc4、充放電素子C1、整流素子D1〜D6、スイッチング素子Tr1〜Tr6およびシャント抵抗素子R1と同様であるので、その説明を省略する。
第1電流検出部CS1は、反対称2相SRモータMにおける第1相の第1系励磁コイルL1に流れる第1励磁電流を検出する回路であり、接続端子Tc1と第1系励磁コイルL1との間に接続される。第1電流検出部CS1は、例えば、比較的小さな既知の抵抗値を持つ抵抗素子であり、その端子間電圧を測定することで、第1励磁電流を検出する。第1電流検出部CS1は、その検出結果を第1系励磁コイルL1の電流情報としてスイッチング制御部SCbへ出力する。
第2電流検出部CS2は、反対称2相SRモータMにおける第2相の第2系励磁コイルL2に流れる第2励磁電流を検出する回路であり、接続端子Tc4(Tc2)と第2系励磁コイルL2との間に接続される。第2電流検出部CS2は、例えば、比較的小さな既知の抵抗値を持つ抵抗素子であり、その端子間電圧を測定することで、第2励磁電流を検出する。第2電流検出部CS2は、その検出結果を第2系励磁コイルL2の電流情報としてスイッチング制御部SCbへ出力する。
スイッチング制御部SCbは、スイッチング制御部SCaと同様に、各スイッチング素子Tr1〜Tr6における各制御端子に接続され、各スイッチング素子Tr1〜Tr6のオンオフを制御するために各スイッチング素子Tr1〜Tr6に制御信号Sigを出力する回路である。スイッチング制御部SCbは、SRモータM(Ma、Mb)を電流制御で駆動するためにSRモータMにおけるステータ側磁極部12、1012に対するロータ側磁極部24、2012の位置に応じて前記電流の所定の経路を形成するように各スイッチング素子Tr1〜Tr6それぞれのオンオフを制御する。スイッチング制御部SCbには、SRモータMのロータ側磁極部24、2012の位置を検出する例えばロータリエンコーダ等の図略の磁極部位置検出部から、SRモータMのロータ側磁極部24、2012の位置に関する位置情報が入力される。そして、スイッチング制御部SCbには、上述したように、第1および第2電流検出部CS1、CS2それぞれから、第1および第2系励磁コイルL1、L2それぞれの各励磁電流に関する各電流情報が入力される。
そして、上述の整流素子D1〜D6、スイッチング素子Tr1〜Tr6および抵抗素子R1は、スイッチング素子Tr1〜Tr6のオンオフを切り換えることによって電流の所定の経路を形成するスイッチ部であり、このスイッチ部およびスイッチング制御部SCbは、駆動制御部の一例である。
次に、第2実施形態におけるモータ駆動装置DRbの動作について説明する。図18は、第2実施形態のモータ駆動装置におけるトルク制御の際の各スイッチング素子の第1態様のオンオフタイミングを示すタイムチャートである。図18において、上段から下段へ順に、第1スイッチング素子Tr1から第5スイッチング素子Tr5までの各オンオフタイミングを示し、横軸は、駆動サイクル位相である。駆動サイクル位相は、図18に示す例では、動作モードVIIIa→II→III→IXa→V→VIと変化するスイッチングパターンを周期的に繰り返すサイクルを、位相として表した模式的なものである。図19は、第2実施形態のモータ駆動装置におけるトルク制御の際の各スイッチング素子の第1態様のオンオフタイミングを説明するための図である。図19(A)は、時間経過に対する励磁電流を示し、図19(B)は、第1スイッチング素子Tr1のオンオフタイミングを示す。図19(A)の横軸は、時間であり、その縦軸は、励磁電流である。
このモータ駆動装置DRbは、第1ないし第6スイッチング素子Tr1〜Tr6の各オンオフをそれぞれ制御することによって、複数の動作モードVIIIa、II、III、IXa、V、VIのいずれかの状態となり、これによって駆動対象のSMモータMを駆動し、所望の出力トルクを得るために、電流制御を行う。より具体的には、モータ駆動装置DRbは、第8a動作モードVIIIa、第2動作モードII、第3動作モードIII、第9a動作モードIXa、第5動作モードVおよび第6動作モードVIの順に変化する動作パターンを周期的に繰り返す。これら第2実施形態におけるモータ駆動装置DRbにおける第2動作モードII、第3動作モードIII、第5動作モードVおよび第6動作モードVIは、それぞれ、第1実施形態におけるモータ駆動装置DRaにおける第2動作モードII、第3動作モードIII、第5動作モードVおよび第6動作モードVIと同様であるので、その説明を省略する。
この電流制御における第8a動作モードVIIIaは、第1相の第1系励磁コイルL1が励磁され、ロータRTの回転に伴って第1相の第1系励磁コイルL1におけるインダクタンスが増加している間に、実行される。より具体的には、モータ駆動装置DRbは、ロータRTの回転に伴って第1相の第1系励磁コイルL1のインダクタンスが増加している場合における所定の第1位相を起点に、第8a動作モードVIIIaでSRモータMを駆動する。この第1位相は、ロータRTの回転に伴う第1相の第1系励磁コイルL1におけるインダクタンスの変化率(増加の変化率)が最も大きい位相であることが好ましい。この第8a動作モードVIIIaでは、図18に示すように、上述の第1動作モードIと同様に、第1および第3スイッチング素子Tr1、Tr3がそれぞれオンされ、残余の第2および第4ないし第6スイッチング素子Tr2、Tr4〜Tr6は、オフされる。これによって、図7(A)に示すように、電源PSから、電源端子Ti1、抵抗素子R1、第1整流素子D1、第1スイッチング素子Tr1、接続端子Tc1、第1相の第1系励磁コイルL1、接続端子Tc2、第3スイッチング素子Tr3および電源端子Ti2を介して電源PSに戻る経路(第1経路における第1態様の経路の一例)で、電源PSから励磁電流が第1相の第1系励磁コイルL1へ流れる。
ここで、第8a動作モードVIIIaは、上述の第1動作モードIと次の点で異なり、モータ駆動装置DRbは、第1相の第1系励磁コイルL1における第1励磁電流I1が予め設定された所定の電流値Irefとなるように、第1相の第1系励磁コイルL1に給電する。この所定の電流値Irefは、所望の出力トルクに応じて決定され、例えば図略の設定用のディップスイッチや図略の入力装置からソフトウェア的に電流値Irefを書き換えること等によって、予めスイッチング制御部SCbに設定される。より具体的には、上述した前記第1態様の経路を形成するようにオンオフを切り替えられた複数のスイッチング素子Tr1〜Tr6のうち、電源端子Ti1、Ti2から接続端子Tc1、Tc2を介して第1相の第1系励磁コイルL1へ流れる第1励磁電流I1の第1通電経路における第1および第3スイッチング素子Tr1、Tr3をさらにオンオフすることによって、前記第1態様の経路によって第1相の第1系励磁コイルL1へ前記所定の電流値Irefとなるように前記第1励磁電流I1をパルス状に通電する。図18に示す例では、第1スイッチング素子Tr1がスイッチング制御部SCbによってさらにオンオフされる。
より具体的には、前記第1態様の経路を形成すると、図19(A)に示すように、第1相の第1系励磁コイルL1に流れる第1励磁電流I1は、時間経過に伴って増加する。この第1励磁電流I1は、第1電流検出部CS1によってモニタ(監視)される。スイッチング制御部SCbは、第1電流検出部CS1から入力された検出結果に基づいて、第1励磁電流I1が前記所定の電流値Irefにヒステリシスバンド幅Ibwを加えた電流値(Iref+Ibw)に到達すると、そのタイミングで、図19(B)に示すように、第1スイッチング素子Tr1に制御信号を出力し、第1スイッチング素子Tr1をオフする。第1スイッチング素子Tr1がオフすると、図19(A)に示すように、第1相の第1系励磁コイルL1に流れる第1励磁電流I1は、時間経過に伴って減少する。スイッチング制御部SCbは、第1電流検出部CS1から入力された検出結果に基づいて、第1励磁電流が前記所定の電流値Irefにヒステリシスバンド幅Ibwを引いた電流値(Iref−Ibw)に到達すると、そのタイミングで、図19(B)に示すように、第1スイッチング素子Tr1に制御信号を出力し、第1スイッチング素子Tr1をオンする。第1スイッチング素子Tr1がオンすると、図19(A)に示すように、第1相の第1系励磁コイルL1に流れる第1励磁電流I1は、時間経過に伴って再び増加する。スイッチング制御部SCbは、第1電流検出部CS1から入力された検出結果に基づいて、第1励磁電流が前記所定の電流値Irefにヒステリシスバンド幅Ibwを加えた電流値(Iref+Ibw)に到達すると、上述と同様に、そのタイミングで、図19(B)に示すように、第1スイッチング素子Tr1に制御信号を出力し、第1スイッチング素子Tr1をオフする。第1スイッチング素子Tr1がオフすると、図19(A)に示すように、第1相の第1系励磁コイルL1に流れる第1励磁電流I1は、時間経過に伴って再び減少する。スイッチング制御部SCbは、第1電流検出部CS1から入力された検出結果に基づいて、第1励磁電流が前記所定の電流値Irefにヒステリシスバンド幅Ibwを引いた電流値(Iref−Ibw)に到達すると、上述と同様に、そのタイミングで、図19(B)に示すように、第1スイッチング素子Tr1に制御信号を出力し、第1スイッチング素子Tr1をオンする。スイッチング制御部SCbは、このような第1スイッチング素子Tr1のオンオフを第2動作モードIIの開始タイミングまで繰り返す。第2動作モードIIの開始タイミングは、上述したように、位相角θが、予め設定された所定の角度、例えば、第1相の第1系励磁コイルL1のインダクタンスが最大値Lmaxを示す角度(第2系励磁コイルL2のインダクタンスが最小値Lminを示す角度)となるタイミングである。スイッチング制御部SCbで第1スイッチング素子Tr1のオンオフをこのように制御することによって、第1相の第1系励磁コイルL1に流れる第1励磁電流I1は、前記所定の電流値Irefを中心に、±ヒステリシスバンド幅Ibwの範囲内となる(Iref−Ibw≦第1励磁電流I1≦Iref+Ibw)。前記ヒステリシスバンド幅Ibwは、第1励磁電流I1を前記所定の電流値Irefになるように制御する場合における電流制御の精度を表し、モータ駆動装置DRbを構成する回路部品の性能等に応じて適宜に設定される。前記ヒステリシスバンド幅Ibwは、電流制御をより高精度に実行するために、より小さな値であることが好ましく、これによって所望の出力トルクがより安定的に得られ、好ましい。このように第8a動作モードVIIIaは、一例として、主に第3給電モードである。
そして、スイッチング制御部SCbは、好ましくは、第1励磁電流I1の第1通電経路における第1スイッチング素子Tr1をオフする第1オフ期間に、第3スイッチング素子Tr3をオンするとともに残余の第1、第2および第4ないし第6スイッチング素子Tr1、Tr2、Tr4〜Tr6をオフすることによって、さらに上述の第4経路を形成する。これによって第1相の第1系励磁コイルL1は、フリーホイーリング状態となり、第1相の第1系励磁コイルL1から、接続端子Tc2、第3スイッチング素子Tr3、第3整流素子D3および接続端子Tc1を介して第1相の第1系励磁コイルL1に戻る経路(第4経路における第7態様の経路の一例)を電流が環流する。このように構成することによって第8a動作モードVIIIaは、一例として、第1電流循環モードを含む第3給電モードとなる。このようなモータ駆動装置DRbは、第4経路によって第1相の第1系励磁コイルL1をフリーホイーリング状態とするので、第1相の第1系励磁コイルL1にエネルギーを一時的に保持させることができ、スイッチング素子をオンオフするタイミングが予め設定された予定のタイミングからずれてもサージの発生を回避することができる。一方、第2相の第2系励磁コイルL2も、第6動作モードVIから上述の第8aおよび第2動作モードVIIIa、IIを介して継続するフリーホイーリング状態であり、上述の経路を電流が環流する。
また好ましくは、スイッチング制御部SCbは、第1励磁電流I1の第1通電経路における第1スイッチング素子Tr1をオンする第1オン期間に、第1スイッチング素子Tr1をオンするとともに残余の第2ないし第6スイッチング素子Tr2〜Tr6をオフすることによって、さらに上述の第2経路を形成する。第1相の第1系励磁コイルL1の起電力によって生じた電流が、第1相の第1系励磁コイルL1から、接続端子Tc2、第2整流素子D2、充放電素子C1、抵抗素子R1、第1整流素子D1、第1スイッチング素子Tr1および接続端子Tc1を介して第1相の第1系励磁コイルL1に戻る経路(第2経路における第3態様の経路の一例)で、第1相の第1系励磁コイルL1から電流が充放電素子C1へ流れる。これによって充放電素子C1は、回生充電される。このように構成することによって第8a動作モードVIIIaは、一例として、第1回生モードを含む第3給電モードとなる。このようなモータ駆動装置DRbは、第2経路によって第1相の第1系励磁コイルL1から独立に回生することができ、電力効率を向上することができる。なお、フリーホイーリング状態にある第2相の第2系励磁コイルL2にエネルギーが残留している場合には、第2相の第2系励磁コイルL2の起電力によって生じた電流が、第2相の第2系励磁コイルL2から、接続端子Tc2、第2整流素子D2、充放電素子C1、電源端子Ti1、電源PS、電源端子Ti2、第4整流素子D4および接続端子Tc3を介して第2相の第2系励磁コイルL2に戻る経路(第2経路における第4態様の経路の一例)で、第2相の第2系励磁コイルL2から電流が充放電素子C1へ流れ、充放電素子C1を回生充電する。
そして、この第8a動作モードVIIIaでは、上述の第1動作モードIと同様に、第1相の第1励磁コイルL1のインダクタンスの周期変化における位相角θが予め設定された所定の角度θIVになると、第4スイッチング素子Tr4が予め設定された所定時間τIVの間だけオンされる。この第4スイッチング素子Tr4のオンによって、充放電素子C1に蓄積された電荷(後述するように、主に第2相の第2系励磁コイルL2から回生充電された電荷、始動時には0である)が放電され、励磁電流として、充放電素子C1から、第4トランジスタTr4、第1トランジスタTr1、接続端子Tc1、第1相の第1系励磁コイルL1、接続端子Tc2、第3スイッチング素子Tr3、電源端子Ti2、電源PS、電源端子Ti1を介して充放電素子C1に戻る経路(第3経路における第5態様の経路の一例)で、充放電素子C1から電流が流れる。これによって第1相の第1系励磁コイルL1には、電源PSからの電流に加えて充放電素子C1からの電流が付加される。なお、上述では、第1動作モードIの途中で充放電素子C1の電荷が利用されたが、当初加速度を大きくするために、第1動作モードIの開始と同時に充放電素子C1の電荷が利用されてもよい。また、第2相の第2系励磁コイルL2は、第6動作モードVIから継続するフリーホイーリング状態であり、第2相の第2系励磁コイルL2から、接続端子Tc2、第3スイッチング素子Tr3、第4整流素子D4および接続端子Tc3を介して第2相の励磁コイルL2に戻る経路を電流が環流する。
また、位相角θが、予め設定された角度となると、モータ駆動装置DRbは、第2相の第2系励磁コイルL2が励磁され、ロータRTの回転に伴って第2相の第2系励磁コイルL2におけるインダクタンスが増加している間で、第9a動作モードIXaでSRモータMを駆動する。すなわち、第8a動作モードVIIIaの開始タイミングと同様のタイミングで第9a動作モードIXaが開始される。以下の動作モードの切換タイミングも同様である。この第3動作モードIIIから第9a動作モードIXaへの切換タイミングは、ロータRTの回転に伴う第2相の第2系励磁コイルL2におけるインダクタンスの変化率が最も大きい位相であることが好ましい。この第9a動作モードIXaでは、図18に示すように、上述の第4動作モードIVと同様に、第2および第3スイッチング素子Tr2、Tr3がそれぞれオンされ、残余の第1および第4ないし第6スイッチング素子Tr1、Tr4〜Tr6は、オフされる。これによって、図8(A)に示すように、電源PSから、電源端子Ti1、抵抗素子R1、第5整流素子D5、第2スイッチング素子Tr2、接続端子Tc3、第2相の第2系励磁コイルL2、接続端子Tc2、第3スイッチング素子Tr3および電源端子Ti2を介して電源PSに戻る経路(第1経路における第2態様の経路の一例)で、電源PSから励磁電流が第2相の第2系励磁コイルL2へ流れる。
ここで、第9a動作モードIXaは、上述の第4動作モードIVと次の点で異なり、モータ駆動装置DRbは、第2相の第2系励磁コイルL2における第2励磁電流I2が前記所定の電流値Irefとなるように、第2相の第2系励磁コイルL2に給電する(第4給電モード)。より具体的には、上述した前記第2態様の経路を形成するようにオンオフを切り替えられた複数のスイッチング素子Tr1〜Tr6のうち、電源端子Ti1、Ti2から接続端子Tc1、Tc2を介して第2相の第2系励磁コイルL2へ流れる第2励磁電流I2の第2通電経路における第2および第3スイッチング素子Tr2、Tr3をさらにオンオフすることによって、前記第2態様の経路によって第2相の第2系励磁コイルL2へ前記所定の電流値Irefとなるように前記第2励磁電流I2をパルス状に通電する。図18に示す例では、第2スイッチング素子Tr2がスイッチング制御部SCbによってさらにオンオフされる。
より具体的には、前記第2態様の経路を形成すると、第2相の第2系励磁コイルL2に流れる第1励磁電流I2は、時間経過に伴って増加する。この第2励磁電流I2は、第2電流検出部CS2によってモニタ(監視)される。スイッチング制御部SCbは、第2電流検出部CS2から入力された検出結果に基づいて、第2励磁電流I2が前記所定の電流値Irefにヒステリシスバンド幅Ibwを加えた電流値(Iref+Ibw)に到達すると、そのタイミングで、第2スイッチング素子Tr2に制御信号を出力し、第2スイッチング素子Tr2をオフする。第2スイッチング素子Tr2がオフすると、第2相の第2系励磁コイルL2に流れる第2励磁電流I2は、時間経過に伴って減少する。スイッチング制御部SCbは、第2電流検出部CS2から入力された検出結果に基づいて、第2励磁電流I2が前記所定の電流値Irefにヒステリシスバンド幅Ibwを引いた電流値(Iref−Ibw)に到達すると、そのタイミングで、第2スイッチング素子Tr2に制御信号を出力し、第2スイッチング素子Tr2をオンする。第2スイッチング素子Tr2がオンすると、第2相の第2系励磁コイルL2に流れる第2励磁電流I2は、時間経過に伴って再び増加する。スイッチング制御部SCbは、第2電流検出部CS2から入力された検出結果に基づいて、第2励磁電流が前記所定の電流値Irefにヒステリシスバンド幅Ibwを加えた電流値(Iref+Ibw)に到達すると、上述と同様に、そのタイミングで、第2スイッチング素子Tr2に制御信号を出力し、第2スイッチング素子Tr2をオフする。第2スイッチング素子Tr2がオフすると、第2相の第2系励磁コイルL2に流れる第2励磁電流I2は、時間経過に伴って再び減少する。スイッチング制御部SCbは、第2電流検出部CS1から入力された検出結果に基づいて、第2励磁電流が前記所定の電流値Irefにヒステリシスバンド幅Ibwを引いた電流値(Iref−Ibw)に到達すると、上述と同様に、そのタイミングで、第2スイッチング素子Tr2に制御信号を出力し、第2スイッチング素子Tr2をオンする。スイッチング制御部SCbは、このような第2スイッチング素子Tr2のオンオフを第5動作モードVの開始タイミングまで繰り返す。第5動作モードVの開始タイミングは、上述したように、位相角θが、予め設定された所定の角度、例えば、第2相の第2系励磁コイルL2のインダクタンスが最大値Lmaxを示す角度(第1系励磁コイルL1のインダクタンスが最小値Lminを示す角度)となるタイミングである。スイッチング制御部SCbで第2スイッチング素子Tr2のオンオフをこのように制御することによって、第2相の第2系励磁コイルL2に流れる第2励磁電流I2は、前記所定の電流値Irefを中心に、±ヒステリシスバンド幅Ibwの範囲内となる(Iref−Ibw≦第2励磁電流I2≦Iref+Ibw)。このように第9a動作モードIXaは、一例として、主に第4給電モードである。
そして、スイッチング制御部SCbは、好ましくは、第2励磁電流I2の第2通電経路における第2スイッチング素子Tr2をオフする第2オフ期間に、第3スイッチング素子Tr3をオンするとともに残余の第1、第2および第4ないし第6スイッチング素子Tr1、Tr2、Tr4〜Tr6をオフすることによって、さらに上述の第4経路を形成する。これによって第2相の第2系励磁コイルL2は、フリーホイーリング状態となり、第2相の第2系励磁コイルL2から、接続端子Tc2、第3スイッチング素子Tr3、第4整流素子D4および接続端子Tc3を介して第2相の第2系励磁コイルL2に戻る経路を電流(第4経路における第8態様の経路の一例)が環流する。このように構成することによって第9a動作モードIXaは、一例として、第2電流循環モードを含む第4給電モードとなる。このようなモータ駆動装置DRbは、第4経路によって第2相の第2系励磁コイルL2をフリーホイーリング状態とするので、第2相の第2系励磁コイルL2にエネルギーを一時的に保持させることができ、スイッチング素子をオンオフするタイミングが予め設定された予定のタイミングからずれてもサージの発生を回避することができる。一方、第1相の第1系励磁コイルL1も、第3動作モードIIIから上述の第9aおよび第5動作モードIXa、Vを介して継続するフリーホイーリング状態であり、第1相の第1系励磁コイルL1から、上述の経路を電流が環流する。
また好ましくは、スイッチング制御部SCbは、第2励磁電流I2の第2通電経路における第2スイッチング素子Tr2をオンする第2オン期間に、第2スイッチング素子Tr2をオンするとともに残余の第1および第3ないし第6スイッチング素子Tr1、Tr3〜Tr6をオフすることによって、さらに上述の第2経路を形成する。第2相の第2系励磁コイルL2の起電力によって生じた電流が、第2相の第2系励磁コイルL2から、接続端子Tc2、第2整流素子D2、充放電素子C1、抵抗素子R1、第5整流素子D5、第2スイッチング素子Tr2および接続端子Tc3を介して第2相の第2系励磁コイルL2に戻る経路(第2経路における第4態様の経路の他の一例)で、第2相の第2系励磁コイルL2から電流が充放電素子C1へ流れる。これによって充放電素子C1は、回生充電される。このように構成することによって第9a動作モードIXaは、一例として、第2回生モードを含む第4給電モードとなる。このようなモータ駆動装置DRbは、第2経路によって第2相の第2系励磁コイルL2から独立に回生することができ、電力効率を向上することができる。なお、フリーホイーリング状態にある第1相の第1系励磁コイルL1にエネルギーが残留している場合には、第1相の第1系励磁コイルL1の起電力によって生じた電流が、第1相の第1系励磁コイルL1から、接続端子Tc2、第2整流素子D2、充放電素子C1、抵抗素子R1、第1整流素子D1、第1スイッチング素子Tr1および接続端子Tc1を介して第1相の第1系励磁コイルL1に戻る経路で、第1相の第1系励磁コイルL1から電流が充放電素子C1へ流れ、充放電素子C1を回生充電する。
そして、この第9a動作モードIXaでは、上述の第4動作モードIVと同様に、励磁コイルL2のインダクタンスの時間変化における位相角θが予め設定された所定の角度θIVになると、第5スイッチング素子Tr5が予め設定された所定時間τIVの間だけオンされる。第2系励磁コイルL2のインダクタンスの時間変化における位相角θは、第1系励磁コイルL1のインダクタンスの時間変化における位相角θと同じく、第1および第3スイッチング素子Tr1、Tr3のオンを開始した時点の位相角θを0としている。この第5スイッチング素子Tr5のオンによって、充放電素子C1に蓄積された電荷(すなわち、主に第1相の第1系励磁コイルL1から回生充電された電荷)が放電され、励磁電流として、充放電素子C1から、第5トランジスタTr5、第2トランジスタTr2、接続端子Tc3、第2相の第2系励磁コイルL2、接続端子Tc2、第3スイッチング素子Tr3、電源端子Ti2、電源PS、電源端子Ti1を介して充放電素子C1に戻る経路(第3経路における第6態様の経路の一例)で、充放電素子C1から電流が流れる。これによって第2相の第2系励磁コイルL2には、電源PSからの電流に加えて充放電素子C1からの電流が付加される。なお、第1相の第1系励磁コイルL1は、第3動作モードIIIから継続するフリーホイーリング状態であり、第1相の第1系励磁コイルL1から、上述の経路を電流が環流する。
このように本実施形態におけるモータ駆動装置DRbは、電流制御の場合に、ロータRTの回転に伴って第1相の第1系励磁コイルL1のインダクタンスが増加している場合における所定の第1位相を起点に、第1相の第1系励磁コイルL1のインダクタンスの周期に同期して第8a動作モード(第3給電モード)VIIIa、第2動作モード(第1回生モード)II、第9a動作モードIXa(第4給電モード)および第5動作モード(第2回生モード)をこの順で繰り返すので、駆動対象の反対称2相モータMを電流制御することができ、所望の出力トルクで反対称2相モータMを駆動できる。そして、本実施形態のモータ駆動装置DRbは、第2動作モード(第1回生モード)IIによって第1相の第1系励磁コイルL1に残留している残留エネルギーを回生してから第2相の第2系励磁コイルL2に給電するので、第1相の第1系励磁コイルL1による加速を妨げる作用を低減することができ、第5動作モード(第2回生モード)Vによって第2相の励磁コイルL2に残留している残留エネルギーを回生してから第1相の第1系励磁コイルL1に給電するので、第2相の第2系励磁コイルL2による加速を妨げる作用を低減することができる。この結果、本実施形態のモータ駆動装置DRbは、平均トルクを増大することができる。
また、上述のモータ駆動装置DRbは、第1励磁電流I1の第1通電経路における第1スイッチング素子Tr1をさらにオンオフすることによって、前記所定の電流値Irefとなるように第1励磁電流I1をパルス状に通電し、第2励磁電流I2の第2通電経路における第2スイッチング素子Tr2をさらにオンオフすることによって、前記所定の電流値Irefとなるように第2励磁電流I2をパルス状に通電するので、第1および第2励磁電流I1、I2を電流制御するための素子を低減できる。
これら上述した第1および第2実施形態におけるモータ駆動装置DRa、DRbによって制御される励磁電流の一例について説明する。図20は、第1および第2実施形態の各モータ駆動装置における各励磁電流を説明するための図である。図20(A)は、第1実施形態のモータ駆動装置(加速制御)の場合を示し、図20(B)は、第2実施形態のモータ駆動装置(電流制御)の場合を示す。図20(A)および(B)の各横軸は、時間であり、それら各縦軸は、励磁電流である。加速制御の場合では、図20(A)に示すように、第1系および第2系励磁コイルL1、L2それぞれに流れる第1および第2励磁電流は、SRモータMの始動開始後、時間経過に伴って徐々に増加し、約45Aに達している。一方、電流制御の場合では、図20(B)に示すように、第1系および第2系励磁コイルL1、L2それぞれに流れる第1および第2励磁電流は、SRモータMの始動開始後、時間経過に伴って徐々に増加するが、約20Aに達したところで約20Aで一定に制御されている。
なお、上述では、第8a動作モードVIIIaでは、パルス状の第1励磁電流I1を生成するために第1スイッチング素子Tr1がオンオフされ、第9a動作モードIXaでは、パルス状の第2励磁電流I2を生成するために第2スイッチング素子Tr2がオンオフされたが、図21に示すように、パルス状の第1および第2励磁電流I1、I2それぞれを生成するために第3スイッチング素子Tr3がスイッチング制御部SCbによってオンオフされてもよい。すなわち、スイッチング制御部SCbは、第8a動作モードVIIIaに代え、パルス状の第1励磁電流I1を生成するために第3スイッチング素子Tr3をオンオフする第8b動作モードVIIIbを実行し、第9a動作モードIXaに代え、パルス状の第2励磁電流I2を生成するために第3スイッチング素子Tr3をオンオフする第9b動作モードIXbを実行するように、構成されてもよい。図21は、第2実施形態のモータ駆動装置におけるトルク制御の際の各スイッチング素子の第2態様のオンオフタイミングを示すタイムチャートである。図21において、上段から下段へ順に、第1スイッチング素子Tr1から第5スイッチング素子Tr5までの各オンオフタイミングを示し、横軸は、駆動サイクル位相である。駆動サイクル位相は、図21に示す例では、動作モードVIIIb→II→III→IXb→V→VIと変化するスイッチングパターンを周期的に繰り返すサイクルを、位相として表した模式的なものである。なお、もちろん、スイッチング制御部SCbは、第8a動作モードVIIIaに代え、パルス状の第1励磁電流I1を生成するために第1および第3スイッチング素子Tr1、Tr3を互いに同期させてオンオフする第8c動作モードVIIIcを実行し、第9a動作モードIXaに代え、パルス状の第2励磁電流I2を生成するために第2および第3スイッチング素子Tr2、Tr3を互いに同期させてオンオフする第9c動作モードIXcを実行するように、構成されてもよい。
また、上述では、加速制御および減速制御を行う第1実施形態のモータ駆動装置DRaと、電流制御を行う第2実施形態のモータ駆動装置DRbとに分けて説明したが、もちろん、第1実施形態のモータ駆動装置DRaは、第2実施形態のモータ駆動装置DRbにおける電流制御を行うように構成され、第2実施形態のモータ駆動装置DRbのように電流制御を行ってもよく、その逆に、第2実施形態のモータ駆動装置DRbは、第1実施形態のモータ駆動装置DRaにおける加速制御および減速制御を行うように構成され、第1実施形態のモータ駆動装置DRaのように加速制御および減速制御を行ってもよい。すなわち、スイッチング制御部SCa、SCbは、SRモータM(Ma、Mb)を加速制御、減速制御および電流制御のうちのいずれかで駆動するためにSRモータMにおけるステータ側磁極部12、1012に対するロータ側磁極部24、2012の位置に応じて前記電流の所定の経路を形成するように各スイッチング素子Tr1〜Tr6それぞれのオンオフを制御する。
(第3実施形態のモータ駆動装置)
次に、上述した反対称2相SRモータMを駆動する第3実施形態のモータ駆動装置について説明する。
これら上述の第1および第2実施形態のモータ駆動装置DRa、DRbは、充放電を行う充放電部として、1個の充放電素子C1を備えている。SRモータMが比較的高速に回転すると、第1系励磁コイルL1や第2系励磁コイルL2には、比較的大きな逆起電力が生じ、これに対応するために充放電部の容量も比較的大きな容量が必要となる。このため、第1および第2実施形態のモータ駆動装置DRa、DRbにおける1個の充放電素子C1が大容量化され、このような大容量の逆起電力を前記大容量化した1個の充放電素子C1で対応してもよいが、第3実施形態のモータ駆動装置DRcは、複数の充放電素子Cを備え、これら複数の充放電素子Cで前記大容量の逆起電力に対応するものである。
実際のSRモータMの運用では、比較的低速な回転から比較的高速な回転まで回転数が変化する。充放電素子Cをコンデンサで構成した場合、コンデンサの電圧は、電荷をその静電容量で除算した値となる。このため、SRモータMが比較的低速に回転すると、第1系励磁コイルL1や第2系励磁コイルL2には、比較的小さな逆起電力が生じ、コンデンサの電圧は、小さな値となる。この結果、コンデンサから第1系励磁コイルL1や第2系励磁コイルL2へ給電する場合に、電流の立ち上がりが遅くなってしまう。しかしながら、第3実施形態のモータ駆動装置DRcは、複数の充放電素子Cを備えるので、SRモータMの回転数に基づいて、充放電に用いる充放電素子Cの個数を変更でき、その回転数が比較的小さく前記逆起電力が小さい場合でも、前記電流の立ち上がりを早めることができる。
このような第3実施形態のモータ駆動装置DRcは、図1に示す第1実施形態のモータ駆動装置DRaにおける1個の充放電素子C1を複数化してもよいが、ここでは、図17に示す第2実施形態のモータ駆動装置DRbにおける1個の充放電素子C1を複数化した場合について説明する。
図22は、第3実施形態におけるモータ駆動装置の構成を示す回路図である。このような第3実施形態のモータ駆動装置DRcは、例えば、図22に示すように、一対の電源端子Ti1、Ti2と、一対の接続端子Tc1、Tc2と、一対の接続端子Tc3、Tc4と、複数の充放電素子Cを備えた充放電部CDと、整流素子D1〜D6と、スイッチング素子Tr1〜Tr6と、シャント抵抗素子R1と、第1電流検出部CS1と、第2電流検出部CS2と、スイッチング制御部SCcとを備える。すなわち、第3実施形態のモータ駆動装置DRcは、第2実施形態のモータ駆動装置DRbに対し、1個の充放電素子C1に代え、複数の充放電素子Cを備えた充放電部CDを備える。このため、第3実施形態のモータ駆動装置DRcにおける一対の電源端子Ti1、Ti2、一対の接続端子Tc1、Tc2、一対の接続端子Tc3、Tc4、整流素子D1〜D6、スイッチング素子Tr1〜Tr6、シャント抵抗素子R1、第1電流検出部CS1および第2電流検出部CS2は、それぞれ、第2実施形態のモータ駆動装置DRbにおける一対の電源端子Ti1、Ti2、一対の接続端子Tc1、Tc2、一対の接続端子Tc3、Tc4、整流素子D1〜D6、スイッチング素子Tr1〜Tr6、シャント抵抗素子R1、第1電流検出部CS1および第2電流検出部CS2と同様であるので、その説明を省略する。
充放電部CDは、直列に接続された充放電素子Cとスイッチング素子Trとの直列回路を複数備え、これら複数の直列回路は、並列に接続される。図22に示す例では、充放電部CDは、3個の充放電素子C11〜C13と、これら3個の充放電素子C11〜C13それぞれに直列に接続された3個のスイッチング素子Tr11〜Tr13とを備える。なお、充放電素子Cは、3個に限定されるものではなく、任意の個数でよい。これら充放電素子C11〜C13は、例えば、電気二重層コンデンサおよび電解コンデンサ等のコンデンサである。
スイッチング制御部SCcは、スイッチング制御部SCbと同様に、各スイッチング素子Tr1〜Tr6における各制御端子に接続され、各スイッチング素子Tr1〜Tr6のオンオフを制御するために各スイッチング素子Tr1〜Tr6に制御信号Sigを出力する回路であり、スイッチング制御部SCbと同様に動作する。そして、第3実施形態では、スイッチング制御部SCcは、充放電部CDにおける各スイッチング素子Tr11〜Tr13における各制御端子に接続され、各スイッチング素子Tr11〜Tr13のオンオフを制御するために各スイッチング素子Tr11〜Tr13に制御信号Sigを出力する回路でもある。
SRモータMには、SRモータMの回転数を検出する回転数検出部が備えられ、スイッチング制御部SCcには、前記回転数検出部からSRモータMの回転数に関する回転数情報が入力されてもよいが、本実施形態では、上述した、SRモータMのロータ側磁極部24、2012の位置を検出する例えばロータリエンコーダ等の図略の磁極部位置検出部から入力された前記位置情報に基づいて、スイッチング制御部SCcは、SRモータMの回転数を求める。より具体的には、例えば、スイッチング制御部SCcは、同じ位置を示す位置情報の個数を単位時間(例えば1分間)計数することによって、SRモータMの回転数(rpm)を求める。また例えば、スイッチング制御部SCcは、同じ位置を示す位置情報の時間間隔(ロータが1回転する時間)からSRモータMの回転数を求める。
そして、スイッチング制御部SCcは、SRモータMの回転数に基づいて前記複数の直列回路における各スイッチング素子Tr11〜Tr13をオンオフする。より具体的には、本実施形態では、例えば、所定の第1回転数閾値Rth1および前記第1回転数閾値Rth1より大きな値である第2回転数閾値Rth2が予めそれぞれ設定され(Rth1<Rth2)、スイッチング制御部SCcは、SRモータMの回転数と各回転数閾値Rth1、Rth2とを比較し、この比較の結果、SRモータMの回転数が0以上第1回転数閾値Rth1未満である場合には、1個のスイッチング素子(例えばスイッチング素子Tr11)をオンすると共に、残余のスイッチング素子(上記例ではスイッチング素子Tr12、Tr13)をオフし、前記比較の結果、SRモータMの回転数が第1回転数閾値Rth1以上第2回転数閾値Rth2未満である場合には、2個のスイッチング素子(例えばスイッチング素子Tr11、Tr12)をオンすると共に、残余のスイッチング素子(上記例ではスイッチング素子Tr13)をオフし、前記比較の結果、SRモータMの回転数が第2回転数閾値Rth2以上である場合には、3個全てのスイッチング素子Tr11〜Tr13をオンする。
次に、第3実施形態におけるモータ駆動装置DRcの動作について説明する。このモータ駆動装置DRcは、充放電部CDにおける各スイッチング素子Tr11〜Tr13の各オンオフをそれぞれ制御することによって、SRモータMの回転数に基づいて、充放電部CDにおける、充放電に用いる充放電素子C11〜C13の個数を可変する。より具体的には、モータ駆動装置DRcによってSRモータMの駆動制御が開始されると、SRモータMのロータ側磁極部24、2012の位置に関する位置情報がスイッチング制御部SCcに入力される。スイッチング制御部SCcは、この位置情報からSRモータMの回転数を求め、この求めた回転数と第1および第2回転数閾値Rth1、Rth2それぞれとを比較する。
この比較の結果、SRモータMの回転数が0以上第1回転数閾値Rth1未満である場合(低速の場合)には、スイッチング制御部SCcは、1個のスイッチング素子Tr11をオンし、残余のスイッチング素子Tr12、Tr13をオフする。これによってSRモータMが低速で回転する場合には、充放電に用いられる充放電素子C11が1個とされる。このため、低速により小さな逆起電力しか発生しない場合でも、充放電素子C11に充分な電荷量が充電される。したがって、充放電素子C11の電圧は、高くなり、充放電部CDから第1系励磁コイルL1や第2系励磁コイルL2へ給電する場合に、電流の立ち上がりが比較的早くなる。
前記比較の結果、SRモータMの回転数が第1回転数閾値Rth1以上第2回転数閾値Rth2未満である場合(中速の場合)には、スイッチング制御部SCcは、2個のスイッチング素子Tr11、Tr12をオンし、残余のスイッチング素子Tr13をオフする。これによってSRモータMが中速で回転する場合には、充放電に用いられる充放電素子C11、C12が2個とされる。このため、中速により1個の充放電素子C11の容量を超える逆起電力が発生した場合でも、2個の充放電素子C11、C12で略全ての逆起電力を充電でき、そして、各充放電素子C11、C12に充分な電荷量が充電される。したがって、各充放電素子C11、C12の電圧は、高くなり、充放電部CDから第1系励磁コイルL1や第2系励磁コイルL2へ給電する場合に、電流の立ち上がりが比較的早くなる。
前記比較の結果、SRモータMの回転数が第2回転数閾値Rth2以上である場合(高速の場合)には、スイッチング制御部SCcは、3個全てのスイッチング素子Tr11〜Tr13をオンする。これによってSRモータMが高速で回転する場合には、充放電に用いられる充放電素子C11〜C13が3個とされる。このため、高速により2個の充放電素子C11、C12の容量を超える逆起電力が発生した場合でも、3個の充放電素子C11〜C13で略全ての逆起電力を充電でき、そして、各充放電素子C11〜C13に充分な電荷量が充電される。したがって、各充放電素子C11〜C13の電圧は、高くなり、充放電部CDから第1系励磁コイルL1や第2系励磁コイルL2へ給電する場合に、電流の立ち上がりが比較的早くなる。
このように第3実施形態のモータ駆動装置DRcは、複数の充放電素子C11〜C13を持つ充放電部CDを備えるので、SRモータMの回転数に基づいて、充放電部CDにおける各スイッチング素子Tr11〜Tr13をオンオフすることによって、充放電部CDにおいて、充放電に用いる充放電素子Cの個数を変更できる。このため、本モータ駆動装置DRcは、第1系および第2系励磁コイルL1、L2で発生する逆起電力による比較的大容量の各残留エネルギーを充放電でき、そして、回転数が比較的小さく前記逆起電力が小さい場合でも、充放電部CDから第1または第2系励磁コイルL1、L2へ給電する場合に、電流の立ち上がりをより早めることができる。このように第3実施形態のモータ駆動装置DRcは、その充放電部CDに関し、SRモータMにおける低速回転から高速回転まで、適切に応答できる。
本発明を表現するために、上述において図面を参照しながら実施形態を通して本発明を適切且つ十分に説明したが、当業者であれば上述の実施形態を変更および/または改良することは容易に為し得ることであると認識すべきである。したがって、当業者が実施する変更形態または改良形態が、請求の範囲に記載された請求項の権利範囲を離脱するレベルのものでない限り、当該変更形態または当該改良形態は、当該請求項の権利範囲に包括されると解釈される。
DRa、DRb、DRc、DRd1、DRd2 モータ駆動装置
CD 充放電部
C 充放電素子
Tr スイッチング素子
D 整流素子
SCa、SCb、SCc スイッチング制御部
PS 電源
Ti 電源端子
Tc 接続端子
RTa、RTb ロータ(回転子)
STa、STb ステータ(固定子)

Claims (17)

  1. 電源に接続するための電源端子と、
    前記電源端子に直列に接続され、充放電を行う充放電部と、
    第1相の第1系励磁コイルおよび第2相の第2系励磁コイルによる各インダクタンスの回転角に対する周期変化における各位相間の差が180度である反対称2相モータの前記第1系および第2系励磁コイルそれぞれに接続するための接続端子と、
    複数のスイッチング素子を備え、前記複数のスイッチング素子のオンオフを切り換えることによって、前記電源端子から前記接続端子を介して前記第1系および第2系励磁コイルそれぞれへ独立に給電するための第1経路を形成し、さらに、前記複数のスイッチング素子のオンオフを切り換えることによって、前記第1系および第2系励磁コイルに残留した各残留エネルギーを前記第1系および第2系励磁コイルそれぞれから前記接続端子を介して前記充放電部へ独立に回生するための第2経路を形成する駆動制御部とを備えること
    を特徴とするモータ駆動装置。
  2. 前記駆動制御部は、前記複数のスイッチング素子のオンオフを切り換えることによって、前記充放電部から前記接続端子を介して前記第1系および第2系励磁コイルそれぞれへ独立に給電するための第3経路を、励磁電圧を高めるために、前記第1経路で励磁している間にさらに形成すること
    を特徴とする請求項1に記載のモータ駆動装置。
  3. 前記駆動制御部は、前記電源端子から前記接続端子を介して前記第1系および第2系励磁コイルそれぞれへ独立に給電するために、前記複数のスイッチング素子のうち共通のスイッチング素子を用いて前記第1経路を形成すること
    を特徴とする請求項1または請求項2に記載のモータ駆動装置。
  4. 前記駆動制御部は、前記第1系および第2系励磁コイルに残留した各残留エネルギーを前記第1系および第2系励磁コイルそれぞれから前記接続端子を介して前記充放電部へ独立に回生するために、前記第2経路を形成するための共通の整流素子をさらに備えること
    を特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載のモータ駆動装置。
  5. 前記駆動制御部は、前記複数のスイッチング素子のオンオフを切り換えることによって、前記第1系および第2系励磁コイルそれぞれをフリーホイーリング状態にするための第4経路をさらに形成し、前記第1系および第2系励磁コイルそれぞれをフリーホイーリング状態にするために、前記第4経路を形成するための個別の整流素子をさらに備えること
    を特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載のモータ駆動装置。
  6. 前記電源端子に接続され、充放電を行う二次電池である前記電源をさらに備え、
    前記駆動制御部は、前記複数のスイッチング素子のオンオフを切り換えることによって、前記第1系および第2系励磁コイルに残留した各残留エネルギーを前記第1系および第2系励磁コイルそれぞれから前記接続端子を介して前記電源へ独立に回生するための第5経路を形成するとともに、前記第1系および第2系励磁コイルに残留した各残留エネルギーを前記第1系および第2系励磁コイルそれぞれから前記接続端子を介して前記電源へ独立に回生するために、前記第5経路を形成するための共通の整流素子およびスイッチング素子をさらに備えること
    を特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載のモータ駆動装置。
  7. 前記第1経路は、前記電源端子から前記接続端子を介して前記第1系励磁コイルへ給電するための第1態様の経路と、前記電源端子から前記接続端子を介して前記第2系励磁コイルへ給電するための前記第1態様の経路と異なる第2態様の経路とを備え、
    前記第2経路は、前記第1系励磁コイルに残留した残留エネルギーを前記第1系励磁コイルから前記接続端子を介して前記充放電部へ回生するための第3態様の経路と、前記第2系励磁コイルに残留した残留エネルギーを前記第2系励磁コイルから前記接続端子を介して前記充放電部へ回生するための前記第3態様の経路と異なる第4態様の経路とを備え、
    前記駆動制御部は、前記第1系励磁コイルのインダクタンスが増加している場合における所定の第1位相を起点に、前記第1態様の経路によって前記第1系励磁コイルへ給電する第1給電モード、前記第3態様の経路によって前記第1系励磁コイルに残留した残留エネルギーを回生する第1回生モード、前記第2態様の経路によって前記第2系励磁コイルへ給電する第2給電モード、および、前記第4態様の経路によって前記第2系励磁コイルに残留した残留エネルギーを回生する第2回生モードをこの順番で前記第1系励磁コイルのインダクタンスの周期に同期して繰り返すこと
    を特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載のモータ駆動装置。
  8. 前記第3経路は、前記充放電部から前記接続端子を介して前記第1系励磁コイルへ給電するための第5態様の経路と、前記充放電部から前記接続端子を介して前記第2系励磁コイルへ給電するための前記第5態様の経路と異なる第6態様の経路とを備え、
    前記駆動制御部は、前記第1給電モードの実行中に前記第5態様の経路によって前記第1系励磁コイルへ給電し、前記第2給電モードの実行中に前記第6態様の経路によって前記第2系励磁コイルへ給電すること
    を特徴とする請求項2、ならびに、請求項2を引用する請求項3ないし請求項7、のいずれか1項に記載のモータ駆動装置。
  9. 前記第4経路は、前記第1系励磁コイルをフリーホイーリング状態にするための第7態様の経路と、前記第2系励磁コイルをフリーホイーリング状態にするための前記第7態様の経路と異なる第8態様の経路とを備え、
    前記駆動制御部は、前記第1回生モードの実行終了後に、前記第7および第8経路それぞれによって前記第1系および第2系励磁コイルそれぞれをフリーホイーリング状態にする第1電流循環モードを実行し、前記第2回生モードの実行終了後に、前記第7および第8経路それぞれによって前記第1系および第2系励磁コイルそれぞれをフリーホイーリング状態にする第2電流循環モードを実行すること
    を特徴とする請求項5、ならびに、請求項5を引用する請求項6ないし請求項8、のいずれか1項に記載のモータ駆動装置。
  10. 前記第1経路は、前記電源端子から前記接続端子を介して前記第1系励磁コイルへ給電するための第1態様の経路と、前記電源端子から前記接続端子を介して前記第2系励磁コイルへ給電するための前記第1態様の経路と異なる第2態様の経路とを備え、
    前記第5経路は、前記第1系励磁コイルに残留した残留エネルギーを前記第1系励磁コイルから前記接続端子を介して前記電源へ回生するための第9態様の経路と、前記第2系励磁コイルに残留した残留エネルギーを前記第2系励磁コイルから前記接続端子を介して前記電源へ回生するための前記第9態様の経路と異なる第10態様の経路とを備え、
    前記駆動制御部は、前記第1系励磁コイルのインダクタンスが減少し始める前または直後における所定の第2位相を起点に、前記第1態様の経路によって前記第1系励磁コイルへ給電する第1給電モード、前記第9態様の経路によって前記第1系励磁コイルに残留した残留エネルギーを回生する第3回生モード、前記第2態様の経路によって前記第2系励磁コイルへ給電する第2給電モード、および、前記第10態様の経路によって前記第2系励磁コイルに残留した残留エネルギーを回生する第4回生モードをこの順番で前記第1系励磁コイルのインダクタンスの周期に同期して繰り返すこと
    を特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載のモータ駆動装置。
  11. 前記第4経路は、前記第1系励磁コイルをフリーホイーリング状態にするための第7態様の経路と、前記第2系励磁コイルをフリーホイーリング状態にするための前記第7態様の経路と異なる第8態様の経路とを備え、
    前記駆動制御部は、前記第3回生モードの実行終了後に、前記第7および第8経路それぞれによって前記第1系および第2系励磁コイルそれぞれをフリーホイーリング状態にする第1電流循環モードを実行し、前記第4回生モードの実行終了後に、前記第7および第8経路それぞれによって前記第1系および第2系励磁コイルそれぞれをフリーホイーリング状態にする第2電流循環モードを実行すること
    を特徴とする請求項5を引用する請求項10に記載のモータ駆動装置。
  12. 前記第1経路は、前記電源端子から前記接続端子を介して前記第1系励磁コイルへ給電するための第1態様の経路と、前記電源端子から前記接続端子を介して前記第2系励磁コイルへ給電するための前記第1態様の経路と異なる第2態様の経路とを備え、
    前記第2経路は、前記第1系励磁コイルに残留した残留エネルギーを前記第1系励磁コイルから前記接続端子を介して前記充放電部へ回生するための第3態様の経路と、前記第2系励磁コイルに残留した残留エネルギーを前記第2系励磁コイルから前記接続端子を介して前記充放電部へ回生するための前記第3態様の経路と異なる第4態様の経路とを備え、
    前記駆動制御部は、前記第1系励磁コイルのインダクタンスが増加している場合における所定の第1位相を起点に、前記第1態様の経路によって前記第1系励磁コイルへ予め設定された所定の電流値となるように給電する第3給電モード、前記第3態様の経路によって前記第1系励磁コイルに残留した残留エネルギーを回生する第1回生モード、前記第2態様の経路によって前記第2系励磁コイルへ前記所定の電流値となるように給電する第4給電モード、および、前記第4態様の経路によって前記第2系励磁コイルに残留した残留エネルギーを回生する第2回生モードをこの順番で前記第1系励磁コイルのインダクタンスの周期に同期して繰り返すこと
    を特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載のモータ駆動装置。
  13. 前記駆動制御部は、前記第3給電モードにおいて、前記第1態様の経路を形成するようにオンオフを切り替えられた前記複数のスイッチング素子のうち、前記電源端子から前記接続端子を介して前記第1系励磁コイルへ流れる第1励磁電流の第1通電経路におけるスイッチング素子をさらにオンオフすることによって、前記第1態様の経路によって前記第1系励磁コイルへ予め設定された所定の電流値となるように前記第1励磁電流をパルス状に通電し、前記第4給電モードにおいて、前記第2態様の経路を形成するようにオンオフを切り替えられた前記複数のスイッチング素子のうち、前記電源端子から前記接続端子を介して前記第2系励磁コイルへ流れる第2励磁電流の第2通電経路におけるスイッチング素子をさらにオンオフすることによって、前記第2態様の経路によって前記第2系励磁コイルへ前記所定の電流値となるように前記第2励磁電流をパルス状に通電すること
    を特徴とする請求項12に記載のモータ駆動装置。
  14. 前記駆動制御部は、前記第3給電モードにおいて、前記第1励磁電流の第1通電経路における前記スイッチング素子をオフする第1オフ期間にさらに前記第4経路を形成し、前記第4給電モードにおいて、前記第2励磁電流の第2通電経路における前記スイッチング素子をオフする第2オフ期間にさらに前記第4経路を形成すること
    を特徴とする請求項5を引用する請求項13に記載のモータ駆動装置。
  15. 前記駆動制御部は、前記第3給電モードにおいて、前記第1励磁電流の第1通電経路における前記スイッチング素子をオンする第1オン期間にさらに前記第2経路を形成し、前記第4給電モードにおいて、前記第2励磁電流の第2通電経路における前記スイッチング素子をオンする第2オン期間にさらに前記第2経路を形成すること
    を特徴とする請求項13に記載のモータ駆動装置。
  16. 前記充放電部は、直列に接続された充放電素子とスイッチング素子との直列回路を複数備え、
    前記複数の直列回路は、並列に接続され、
    前記駆動制御部は、さらに、前記反対称2相モータの回転数に基づいて前記複数の直列回路における各スイッチング素子をオンオフすること
    を特徴とする請求項1ないし請求項15のいずれか1項に記載のモータ駆動装置。
  17. 第1および第2相の第1系および第2系励磁コイルによる各インダクタンスの回転角に対する周期変化における各位相間の差が180度である反対称2相モータと、
    前記反対称2相モータを駆動するモータ駆動装置とを備え、
    前記モータ駆動装置は、前記反対称2相モータの前記第1系および第2系励磁コイルが前記接続端子に接続された、請求項1ないし請求項16のいずれか1項に記載のモータ駆動装置であること
    を特徴とするモータ駆動システム。
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