JP5502074B2 - 非汚染性の電気化学的に安定なガラスフリットシーリング材料並びにそのようなシーリング材料を使用したシールおよびデバイス - Google Patents

非汚染性の電気化学的に安定なガラスフリットシーリング材料並びにそのようなシーリング材料を使用したシールおよびデバイス Download PDF

Info

Publication number
JP5502074B2
JP5502074B2 JP2011509473A JP2011509473A JP5502074B2 JP 5502074 B2 JP5502074 B2 JP 5502074B2 JP 2011509473 A JP2011509473 A JP 2011509473A JP 2011509473 A JP2011509473 A JP 2011509473A JP 5502074 B2 JP5502074 B2 JP 5502074B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
mol
sealing material
glass frit
fuel cell
sealing
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2011509473A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2011522361A (ja
Inventor
エイ ドレイク,メリンダ
エイ ランバーソン,リサ
エム モリーナ,ロバート
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Corning Inc
Original Assignee
Corning Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Corning Inc filed Critical Corning Inc
Publication of JP2011522361A publication Critical patent/JP2011522361A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5502074B2 publication Critical patent/JP5502074B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01MPROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
    • H01M8/00Fuel cells; Manufacture thereof
    • H01M8/02Details
    • H01M8/0271Sealing or supporting means around electrodes, matrices or membranes
    • H01M8/028Sealing means characterised by their material
    • H01M8/0282Inorganic material
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03CCHEMICAL COMPOSITION OF GLASSES, GLAZES OR VITREOUS ENAMELS; SURFACE TREATMENT OF GLASS; SURFACE TREATMENT OF FIBRES OR FILAMENTS MADE FROM GLASS, MINERALS OR SLAGS; JOINING GLASS TO GLASS OR OTHER MATERIALS
    • C03C8/00Enamels; Glazes; Fusion seal compositions being frit compositions having non-frit additions
    • C03C8/02Frit compositions, i.e. in a powdered or comminuted form
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03CCHEMICAL COMPOSITION OF GLASSES, GLAZES OR VITREOUS ENAMELS; SURFACE TREATMENT OF GLASS; SURFACE TREATMENT OF FIBRES OR FILAMENTS MADE FROM GLASS, MINERALS OR SLAGS; JOINING GLASS TO GLASS OR OTHER MATERIALS
    • C03C8/00Enamels; Glazes; Fusion seal compositions being frit compositions having non-frit additions
    • C03C8/02Frit compositions, i.e. in a powdered or comminuted form
    • C03C8/04Frit compositions, i.e. in a powdered or comminuted form containing zinc
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03CCHEMICAL COMPOSITION OF GLASSES, GLAZES OR VITREOUS ENAMELS; SURFACE TREATMENT OF GLASS; SURFACE TREATMENT OF FIBRES OR FILAMENTS MADE FROM GLASS, MINERALS OR SLAGS; JOINING GLASS TO GLASS OR OTHER MATERIALS
    • C03C8/00Enamels; Glazes; Fusion seal compositions being frit compositions having non-frit additions
    • C03C8/24Fusion seal compositions being frit compositions having non-frit additions, i.e. for use as seals between dissimilar materials, e.g. glass and metal; Glass solders
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01MPROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
    • H01M8/00Fuel cells; Manufacture thereof
    • H01M8/02Details
    • H01M8/0271Sealing or supporting means around electrodes, matrices or membranes
    • H01M8/0286Processes for forming seals
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01MPROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
    • H01M8/00Fuel cells; Manufacture thereof
    • H01M8/10Fuel cells with solid electrolytes
    • H01M8/12Fuel cells with solid electrolytes operating at high temperature, e.g. with stabilised ZrO2 electrolyte
    • H01M2008/1293Fuel cells with solid oxide electrolytes
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/30Hydrogen technology
    • Y02E60/50Fuel cells

Description

本発明は、広く、無アルカリおよび無ホウ素のケイ酸塩ガラスフリットシーリング材料などのガラスフリットシーリング材料に関し、より詳しくは、固体酸化物型燃料電池(SOFC)のためのシールとして使用するのに適したガラスフリットシーリング材料に関する。
固体酸化物型燃料電池(SOFC)デバイスなどの燃料電池集成体におけるシーリング材料は、燃料電池のフレームと燃料電池に収容される電解質との間に堅牢性の気密シールを提供することが意図されている。このシーリング材料は、高温での長期の実用および繰り返しの熱サイクルに耐えられなければならない。例えば、燃料電池デバイスは、大きい熱サイクルを経験し、燃料電池の構成部材に熱応力を誘発することもある大きな熱勾配に曝される。シーリング材料が、フレームまたは電解質板の熱膨張率とは異なる率で膨張する場合、シーリング材料は、亀裂を生じるか、または電解質板に亀裂を生じさせるであろう。したがって、燃料電池のフリットシールに使用されるシーリング材料は、高温変動に耐えることができ、燃料電池に使用される電解質板並びに燃料電池のフレームを構成する材料に適合する熱膨張係数(CTE)を有する必要がある。
これらの物理的要件に加え、シーリング材料はいくつかの化学的要件を満たさなければならない。例えば、シーリング材料は、固体酸化物型燃料電池のカソードの汚染または燃料電池に含まれる他の構成部材の汚染のいずれかによって、デバイスの電気動作を低下させてはならない。さらに、シーリング材料は、電気化学的に安定であり、印加された電場の下でイオン移動性を示してはならない。何故ならば、これにより、酸素ふくれ(blister)の生成による破損を生じるかも知れないからである。また、シーリング材料は、所望のシーリング温度範囲において許容される流動特性を示すべきである。硬質シールを形成するのに使用されるフリットシール材料は、許容される流動特性および機械的堅牢性に加えて、所望のシーリング範囲において結晶体を示すべきである。
これらの要件にもかかわらず、ガラスフリットシーリング材料に現在使用されている多くの材料組成物は、Li2O、B23および/または他のアルカリ酸化物を含有する。これらの酸化物を含有するシーリング材料は、汚染性であり、電気化学的に不安定であり、および/または堅牢性が欠けているであろう。より詳しくは、Li2Oを含有するフリットシール材料は、電気化学的腐食を引き起こすであろうし、一方で、B23を含有するフリットシール材料は、カソードの汚染を引き起こすであろう。いずれの場合にも、燃料電池の性能が、そのような材料の存在に根ざして劣化するであろう。
したがって、固体酸化物型燃料電池のための改善されたガラスフリット系のシーリング材料が必要とされている。
ある実施の形態において、固体酸化物型燃料電池(SOFC)デバイスは、固体電解質の層、カソード板、アノード板、フレームおよび非汚染性の電気化学的に安定なシーリング材料を備えている。各電解質板は、例えば、マルチセルSOFCデバイスを形成する、複数の相互に接続されたカソードとアノードを支持する。このシーリング材料は、約95×10-7/℃から約115×10-7/℃のCTEを有する。シーリング材料は、約65質量%から約100質量%のガラスフリットおよび約0質量%から約35質量%の充填剤を含む。このガラスフットは、ROと表される金属酸化物を約0モル%から約43モル%含み、Rはマグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、亜鉛および/またはそれらの組合せを含む。ガラスフリットは、約0モル%から約5モル%のAl23、約0モル%から約7モル%のTiO2、および約41モル%から約60モル%のSiO2を含む。例えば、ガラスフリットは、0.1から5モル%のAl23および0.1から7モル%のTiO2を含む。
別の実施の形態において、固体酸化物型燃料電池デバイスと共に使用するためのシーリング材料は、約80質量%から約100質量%のガラスフリットおよび約0質量%から約20質量%の充填剤を含む。このガラスフリットは、約0モル%から約10モル%のMgO、約5モル%から約15モル%のCaO、約5モル%から約15モル%のSrO、約0.1モル%から約10モル%のBaO、約0モル%から約10モル%のZnO、約0から5モル%のTiO2(例えば、0.1モル%のTiO2、または4モル%のTiO2)、および約40から60モル%(例えば、56モル%)のSiO2を含む。例えば、ガラスフリットは、0.1から10モル%のMgO、および0.1から10モル%のZnOを含む。このシーリング材料は、約95×10-7/℃から約115×10-7/℃のCTEを有する。
別の実施の形態において、固体酸化物型燃料電池デバイスと共に使用するためのシーリング材料は、約80質量%から約100質量%のガラスフリットおよび約0質量%から約20質量%の充填剤を含む。このガラスフリットは、約33モル%から約43モル%のCaO、約9モル%から約12モル%のSrO、約2モル%から約3モル%のZnO、約2.5モル%から約5モル%のAl23、および約40から48モル%のSiO2を含む。このシーリング材料は、約94×10-7/℃から約115×10-7/℃のCTEを有する。
本発明の別の特徴と利点は、以下の詳細な説明に述べられており、一部は、その説明から当業者には容易に明らかであるか、または以下の詳細な説明、特許請求の範囲、並びに添付の図面を含む、ここに記載された本発明を実施することによって、認識されるであろう。先の一般的な説明および以下の詳細な説明の両方とも、本発明の実施の形態を提示しており、特許請求の範囲に記載された本発明の性質および特徴を理解するための概要または構成を提供することが意図されていることが理解されよう。
図面に示された実施の形態は、事実上、例示であり、特許請求の範囲に定義された本発明を制限することを意図したものではない。さらに、本発明の特別な例示の実施の形態の以下の説明は、同様の構造が同様の参照番号で指示されている以下の図面と共に読んだときに理解できる。
例示の固体酸化物型燃料電池デバイスの斜視図 図1の固体酸化物型燃料電池デバイスの一部分の分解斜視図 例示の燃料電池デバイスの斜視図
表1には、固体酸化物型燃料電池(SOFC)デバイスと共に使用するための、非汚染性の電気化学的に安定なガラスフリット系シーリング材料を形成するためのモル組成範囲が列記されている。表2には、シーリング材料を形成するのに使用される多数の例示のガラスフリット組成物のための特定のモル組成が列記されている。一般に、シーリング材料は、所望の化学的特性および熱的特性を得るために、ZnO、Al23、TiO2および他の酸化物を含む、様々な金属酸化物により改質された無Li2Oおよび無B23ケイ酸塩ガラスである。ガラスフリット系シーリング材料を形成するための様々な組成およびSOFCデバイスと共にこのシーリング材料を使用する方法をここにより詳しく説明する。
SOFCデバイスは、典型的に、最適な動作効率を達成するために、高温範囲(典型的に、約700℃から約800℃の範囲)で動作する。燃料電池積層体の外部の酸化体ガスと燃料ガスの混合を防ぐため、並びに燃料電池積層体内の燃料と酸化体の漏れを防ぐため、SOFCデバイスの動作には、典型的に、気密シールが必要である。このシールは、セルの構成部材を電気的に単離するようにも働く。SOFCデバイスの適切な動作を保証するために、シールは、SOFCデバイスの化学的に腐食性の環境において、動作温度下で長期間に亘り構造的かつ化学的に安定のままでなければならない。シールは、腐食や材料の破壊を誘発しないように、他の燃料電池の材料と化学的に適合もしていなければならない。さらに、シールは、熱サイクルにより燃料電池内に誘発される熱応力に著しく寄与すべきではない。それゆえ、シーリング材料は、電解質および/またはフレームなどの、SOFCデバイス内の他の構成部材と実質的に同じ熱膨張係数(CTE)を有するべきである。
さらに、シーリング材料は、シーリング中にSOFCデバイス内の他の構成部材を破損させるのを避けるために、そのような構成部材の最低の加工温度より低い温度でシールすべきである。シーリング材料は、シーリング温度(焼結温度とも称される)で容易に流動し、シールすべきおよび/または接合すべきSOFCの構成部材を濡らして結合すべきである。さらに、シーリング材料が、シーリング温度(典型的に、約850℃から約900℃)で比較的低い粘度を有するのに対し、SOFCデバイスの動作温度範囲(約700℃から約800℃)においては高い粘度を有することが望ましい。これらの特性により、SOFCデバイスの通常動作中に遭遇する温度の結果として容易に薄くなったり弱まったりしないシールを提供しながら、シーリング材料を、シーリング温度でシールまたは接合すべき構成部材上に容易に流動させる。
ある実施の形態によれば、固体酸化物型燃料電池と共に使用するためのシーリング材料は、446ステンレス鋼または類似の材料などの高Cr含有量のフレーム材料、および燃料電池のジルコニア電解質を濡らし、結合させるために、約850℃から約900℃のシーリング温度範囲で十分な流動性または粘度を有する。
シーリング材料は、結合されるまたはシールされる材料(例えば、SOFCデバイスのフレーム材料、電解質材料など)の熱膨張係数(CTE)と同程度のCTEも有する。そのようなSOFCデバイスの構成部材は、約100×10-7/℃から約115×10-7/℃程度のCTEを有する。したがって、シーリング材料のCTEは、このシーリング材料のCTEが結合されるまたはシールされる構成部材のCTEと同程度になるように、約95×10-7/℃から約115×10-7/℃、さらに約105×10-7/℃から約115×10-7/℃である。
シーリング材料は、約65質量%から約100質量%の、より好ましくは約70質量%から約100質量%の、最も好ましくは約80質量%から約100質量%のガラスフリットを含む。シーリング材料が100質量%未満のガラスフリットを含有する場合、このシーリング材料は、ミル添加物(mill addition)または充填剤(例えば、安定化ジルコニア(ZrO2)、白りゅう石(K2O・Al23・4SiO2)またはマグネシア(MgO))も含んでよい。この充填剤は、シーリング材料のCTEを所望のまたは許容の範囲へと上昇または下降させるために加えてもよい。しかしながら、ここに記載された実施の形態において、充填剤は、CTEを上昇させるためにシーリング材料に加えられる。このことは、ガラスフリット組成物よりも著しく高いCTE(約110×10-7/℃〜約200×10-7/℃)を有する、ジルコニアおよび白りゅう石などの充填剤を使用することによって、促進される。例えば、表1に示されるように、サンプルWは、どのような充填剤も添加せずに、焼結後に、約102×10-7/℃程度のCTEを有する。しかしながら、シーリング材料が70質量%のガラスフリットおよび30質量%の充填剤となるように、焼結前に組成物にMgO充填剤を添加することによって、焼結されたガラスフリット+充填剤のCTEは、約110×10-7/℃程度であろう。一般に、所望のCTEを有するシーリング材料を製造するために、シーリング材料は、ガラスフリットおよび充填剤の総質量%が100質量%であるように、約35質量%未満の充填剤、より好ましくは約25質量%未満の充填剤、最も好ましくは約20質量%未満の充填剤を含んでよい。ある実施の形態において、充填剤の平均粒径は約20μm未満、より詳しくは約5μm未満である。
ある例示の実施の形態において、シーリング材料のガラスフリット分は、一般に、少なくとも3種類の金属酸化物からなる。その組成は、一般に:
RO−Al23−SiO2
と表され、ROは、金属Rがマグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、亜鉛および/またはそれらの組合せを含む金属酸化物を表す。金属酸化物ROは、典型的に、約0モル%から約50モル%、より詳しくは、約0モル%から約44モル%の量で組成物中に存在する。酸化アルミニウム(Al23)は約0モル%から約5モル%の量で組成物中に存在するのに対し、酸化ケイ素(SiO2)は約40モル%から約60モル%、より詳しくは、約40モル%から約56モル%の量で組成物中に存在する。様々な金属酸化物ROの添加は、特定の温度でのガラスフリット組成物の粘度を改善するように働く。例えば、酸化マグネシウムまたは酸化亜鉛を添加して、シーリング材料のシーリング温度でのガラスフリットの粘度を降下させてもよい。各金属酸化物RO(例えば、酸化マグネシウム(MgO)、酸化カルシウム(CaO)、酸化ストロンチウム(SrO)、酸化バリウム(BaO)、酸化亜鉛(ZnO))のモルパーセント範囲、並びに酸化アルミニウムおよび酸化ケイ素のモルパーセント範囲が、ここに記載されたシーリング材料の様々な例示の組成について、表1に列記されている。
別の実施の形態において、シーリング材料のガラスフリット分は、酸化チタンなどの追加の金属酸化物を含有してもよい。酸化チタン(TiO2)を添加すると、シーリング材料の性質がさらに改質される。例えば、ある実施の形態において、材料のシーリング温度辺りの温度でのシーリング材料の粘度を変えるために、酸化チタンを他の金属酸化物と共にガラスフリット組成物に加えてもよい。別の実施の形態において、酸化チタンは、結晶化のための核生成触媒として働き、それによって、シーリング材料の結晶化温度を所望のまたは許容の範囲に低下させるために、ガラスフリット組成物に加えてもよい。酸化チタンがガラスフリット組成物に加えられる場合、このガラスフリットの組成は:
X(RO−Al23−SiO2)Y(TiO2
と一般に表され、ここで、Xは典型的に、約0.93から約1、より詳しくは約0.96から1であり、Yは、典型的に約0から約0.07、より好ましくは約0から約0.04、例えば、0.0005から0.039である。酸化チタンのモルパーセントの範囲が、ここに記載されたシーリング材料の様々な例示の組成について、表1に示されている。
Figure 0005502074
表2は、ここに記載されたガラスフリット系シーリング材料に関するガラスフリット組成物の数多くの例示の実施の形態のモル組成を含んでいる。このガラスフリット組成物は、一般に、シーリング材料およびそれから得られたシールの性質を向上させるためにいくつかの異なる金属酸化物が添加されて改質されたケイ酸塩ガラスとして記載してもよい。電気化学的に安定であり、汚染物が含まれないシーリング材料を提供するために、ここに記載されたガラスフリット組成物および対応するシーリング材料は、酸化リチウム(Li2O)、酸化ホウ素(B23)およびシーリング材料および/または固体酸化物型燃料電池の破損を早めてしまうかもしれない他の材料などの材料を含まないことも留意すべきである。より詳しくは、ガラスフリット組成物は、電場が印加された状況下で高いイオン移動度を示す酸化物を含まない。したがって、ここに記載されたガラスフリット組成物は、以下に限られないが、Li2O、Na2O、K2O、Rb2O、Cs2Oを含む全てのアルカリ金属酸化物(これらに限られない)を含むそのような酸化物を含まない。これらの酸化物により、シールの破損をもたらすかもしれない酸素ふくれが形成されるかもしれない。さらに、ガラスフリット組成物は、SOFCデバイスの環境において分解しまたは腐食をもたらし、それによって、SOFCデバイス内のカソード、アノードまたは他の構成部材を汚染するまたは汚すかもしれない酸化物およびハロゲン化物も含まない。したがって、ガラスフリット組成物は、以下に限られないが、B23、GeO2、P25および全てのハロゲン化物を含む、そのような酸化物およびハロゲン化物を含まない。
Figure 0005502074
ここで、ガラスフリット系シーリング材料を、表3〜5に含まれるシーリング材料のガラスフリット分の例示の組成物を特別に参照して、より詳しく説明する。具体的には、表3〜5は、モルパーセントで表されたガラスフリット組成物、並びに表示した温度でのシーリング(焼結)およびエージングの最中と後のガラスフリットの性質を示している。より具体的には、表3〜5には、850℃の表示シーリング温度でのガラスフリット組成物の粘性流の定性的評価が列記されており、ここで、VGは非常に良好な低粘度流を示し、Sはある程度の流れ(VGよりも高い粘度であり、Pよりは低い粘度)を示し、Pは不十分なまたは低い粘度(Sより高い粘度)を示す。これらの表には、室温(RT)から表示温度でのガラスフリット材料の焼結後の特定の上限までの規定の範囲に関するガラスフリットのCTEも列記されている。表3〜5に列記されたCTEは、シーリング材料のCTEを上昇させるであろう充填剤がどれも添加されていないガラスフリット組成物のみのものであることに留意すべきである。その上、表3〜5には、1時間に亘る規定の温度での焼結およびエージング後にガラスフリットに存在する相(結晶質、ガラス質(非結晶質)またはそれらの組合せ)も列記されている。最後に、表3〜5には、規定の温度での焼結およびエージング後にシーリング材料が形成するであろうシールのタイプ(軟質または硬質)が列記されている。より具体的には、シーリング材料が、エージング後の冷却中に完全に結晶化する場合、構造体の間に形成されたシールは、硬質シールと称してよい。硬質シールは、SOFCデバイスの動作温度と熱サイクルに曝露されたときに、粘性流を示さないであろう。しかしながら、シーリング材料が冷却後に完全には結晶化しない(例えば、シーリング材料が、少なくとも一部に、結晶構造を持たずに、非結晶相またはガラス相を含む)場合、構造体の間に形成されたシールは軟質シールと称してよい。軟質シールは、非結晶相またはガラス相が存在するために、SOFCデバイスの動作温度と熱サイクルに曝露されたときに、ある程度の粘性流を示すであろう。
表3は、軟質シールのシーリング材料として使用するための優れた流動特性を有する4つの例示のガラスフリット組成物を示している。本出願の発明者等は、ガラスフリットに約2モル%から約14モル%、特に約6モル%から約14モル%、さらに約9モル%から約14モル%の酸化亜鉛(ZnO)、酸化チタン(TiO2)、および/またはそれらの組合せを添加すると、シーリング材料の粘度が変わり、それによって、材料の焼結温度(850℃から約900℃)で優れた(低い)粘度を示すシーリング材料が提供されることを発見した。一般に、そのようなガラスフリット組成物は、約5モル%から約15モル%のCaO、約5モル%から約15モル%のSrO、約10モル%のBaO、約5モル%から約10モル%のZnO、約4モル%のTiO2、および約56モル%のSiO2を含むであろう。この組成範囲のガラスフリットは、一般に、850℃での焼結およびエージング後にガラス相のみからなるのに対し、900℃で焼結し、エージングしたガラスフリットは、ガラス相と結晶相の両方を含む。したがって、流動特性と相の特性に基づいて、この組成範囲にあるガラスフリットは、軟質シールのシーリング材料として使用するのにうまく適している。
表3に示されたガラスフリット組成物が一般に、約95×10-7/℃未満のCTEを有することに留意することが重要である。したがって、そのようなガラスフリット組成物は、所望のCTEを有するシーリング材料の組成物に達するために、上述したように、充填剤とブレンドしてもよい。
Figure 0005502074
表4は、軟質シールのシーリング材料として使用するための比較的高いCTEを有するガラスフリットの3つの例示の組成物を示している。本発明の発明者等は、ZnOを約5モル%未満に制限することにより、さらに約2モル%から約4モル%のZnOにより、特にSiO2を部分的に置き換えてZnOを加えた場合、約104×10-7/℃以上のCTEを有するシーリング材料が生成されるであろうことを発見した。したがって、ガラスフリット材料は、約33.2モル%から約42.1モル%のCaO、約9.5モル%から約11.5モル%のSrO、約2モル%から約3モル%のZnO、約2.7モル%から約4.7モル%のAl23、および約40.6モル%から約47.6モル%のSiO2のモル組成を有するであろう。この組成範囲にあるガラスフリット組成物は、SOFCデバイスにおける他の構成部材のCTEによりぴったり一致したCTEを有するので、その組成物のCTEをさらに増す、すなわち上昇させるために、充填剤を添加する必要はない。さらに、本発明の発明者等は、ガラスフリット組成物中のZnOの存在が、約850℃のシーリング温度でのガラスフリットの許容される流動特性に寄与することも発見した。表4に示されるように、先に参照した組成を有するガラスフリットは一般に、850℃および900℃の両方での焼結およびエージング後にガラス相を含む。したがって、そのようなガラスフリット組成物は、SOFCデバイスにおける軟質シールとして使用するのに適している。
Figure 0005502074
表5は、採用したシーリング温度およびエージング温度(850℃または900℃)に応じて、軟質シールまたは硬質シールいずれかとして使用できるシーリング材料に使用するためのガラスフリットの3つの例示の組成物を示している。詳しくは、本発明の発明者等は、予期せぬことに、表5に示された例示の組成物などの、約15モル%の酸化カルシウム(CaO)、約15モル%から約25モル%の酸化ストロンチウム、約0モル%から約10モル%の酸化バリウム(例えば、0.01モル%から約9.8モル%)、約4モル%から約6モル%の酸化チタンおよび約54モル%から約56モル%の酸化ケイ素の組成を有するガラスフリットは、約900℃の焼結およびエージング温度で高度に結晶化されることを発見した。そのような材料は、熱サイクル中にどのような粘性流または粘弾性緩和も示さない。したがって、ガラスフリットのこれらの組成物を使用したシーリング材料は、SOFCデバイスにおける硬質シールとして使用するのにうまく適している。しかしながら、同じ組成範囲にあるガラスフリット材料は、約850℃以下の焼結温度に曝露されたときに、異なる性質を示す。詳しくは、ガラスフリットが約850℃で焼結された場合、ガラスフリット組成物は、ガラスフリットが軟質シール材料として使用するのに適するように、少なくとも一部、ガラス相または非結晶相を含む。これらの組成物の結晶化特徴は、主に、核生成触媒として作用しかつ900℃辺りの温度でガラスフリットの結晶化を助長し、促進させるTiO2を添加した結果である。
表5に列記された3つのガラスフリット組成物の中で、ガラスフリット組成物BBは最高のCTE(111.1×10-7/℃)を有し、これは、900℃でのエージング後の結晶相におけるバリウム含有化合物のフレスノ石(Ba2TiSi28)の形成に直接関連している。ガラスフリット組成物BBは、組成物WおよびAAに対して優れた粘性流も有する。さらに、組成物BBは850℃でエージングした後にガラス相のみからなるので、BBは、その組成物が結晶化前に粘性流を示すより広い温度範囲を有する。結晶化前の粘性流のこの拡大した範囲は、より良好な焼結および緻密化、より低い気孔率、および燃料電池の構成部材への改善された付着をもたらし、それゆえ、組成物WおよびAAに対して改善された硬質シールが提供される。
Figure 0005502074
さらに、組成物W、AA、S、RおよびVなどのここに記載されたシーリング材料の特定の例示の組成物は、バリウム含有化合物を含まない。シーリング材料として使用されることに加え、本発明の発明者等は、そのような組成物は、SOFCデバイスの高クロム含有量のステレンス鋼製フレーム材料からSOFCデバイスの内部へのクロムの拡散を防ぎ、それによつて、SOFCデバイスの汚染を減少するまたは緩和するためのバリア・コーティングとして使用しても良いことも発見した。クロムは、フレーム材料が酸化し、フレームとシーリング材料との間のフレームの表面上に酸化物層を形成するときに、フレームからSOFC中に拡散する。シーリング材料がバリウムを含有する場合、フレームからのクロムが、シーリング材料中に拡散し、バリウムと反応して、シーリング材料中にクロム酸バリウム結晶を形成する。シーリング材料中にクロム酸バリウムが存在すると、最終的に、シーリング材料の破壊および/または破損がもたらされる。したがって、バリウムのないシーリング材料は、クロムと反応せず、したがって、クロムのSOFCデバイス中への拡散を促進しない。それゆえ、バリウムを含まないシーリング材料は、フレームの表面またはクロムを含有するSOFCデバイスの他の部材に直接施し、それによって、Cr拡散に対するバリアを形成してもよい。次いで、バリウムを含まないシーリング材料は、別のシーリング材料(バリウムを含有するシーリング材料を含む)と共に、または単独で用いて、SOFCデバイスの2つの構成部材をシールまたは接合してもよい。
本発明の発明者等は、バリウムを含有するシーリング材料の特定の他の例示の組成物を、クロム拡散に対するバリア・コーティングとして使用してもよいことも発見した。特に、発明者等は、シーリング材料中に含まれるバリウムが結晶相中にある場合、バリウムを含有するシーリング材料をクロム拡散に対するバリア・コーティングとして使用してもよいことも発見した。例えば、シーリング材料組成物BBはバリウムを含有する。しかしながら、材料が硬質シールを形成する場合、シーリング材料中のバリウムは、結晶質フレスノ石(Ba2TiSi28)の形態にある。それゆえ、バリウムは、SOFC中の他の材料と自由には反応せず、これは、転じて、SOFCデバイスのフレームから内部へのクロムの拡散を防ぐ。したがって、結晶相中にバリウムを含むシーリング材料をSOFCデバイス中のクロム含有構成部材に施し、それによって、クロムのSOFCデバイスの内部への拡散を防ぎ、クロムによるSOFCの汚染を緩和してもよい。
先に論じたように、ここに記載したシーリング材料を固体酸化物型燃料電池デバイスと共に使用して、固体酸化物型燃料電池デバイスのフレームと固体酸化物型燃料電池デバイスの内部の構成部材との間にシールを提供してもよい。このシーリング材料は、固体酸化物型燃料電池デバイス内の個々のセルの間のシールとして使用してもよい。ここで図1を参照すると、固体酸化物型燃料電池(SOFC)デバイスの例示の実施の形態が示されている。SOFCデバイスは、一般に、個々の燃料電池の積層体を備え、各個別の燃料電池は、固体電解質の層、カソード板、およびアノード板を含む。各個別の燃料電池は、各個別の燃料電池を被包するガラスフリット系シーリング材料によって、隣接するセルおよび/またはSOFCデバイスのフレームから隔てられてよい。このガラスフリット系シールは、隣接するセルの間に配置された板状構造を備えてもよい。ここで、SOFCデバイスの一般構造をより詳しく説明する。
図1は、典型的なSOFCデバイス集成体10の斜視図を示している。この集成体は、一般に、高クロムステンレス鋼または同様の材料などの耐食性材料からなるフレーム(図示せず)内に収容されている。図2は、個々の燃料電池デバイス12の積層体を含むSOFCデバイス集成体10の一部分を示している。このSOFCデバイス集成体10は、交互の向きで個々の燃料電池デバイス12を備え、各個別の燃料電池デバイス12は、固体電解質の層(図示せず)および交互のアノード14板とカソード板16板からなる。固体電解質は、一般に、イットリウムドープトジルコニア(ZrO2)である。各燃料電池デバイス12は、電解質、酸化体および/または燃料を供給するための複数の平行な通路20を組み込んだ分配部材18も備えている。通路20の軸は共通面にある。
分配部材18は、2枚の波形セラミック板から構成されることが好ましい。これらの板の波形は平行な配列にあり、一方の板の谷が他方の板の山に結合される。これにより、約2mmの直径を有する通路20が形成される。
図2に示したように、支持構造22が、分配部材18を取り囲み、分配部材18に亘り横断方向に延在する。ある実施の形態において、支持構造22は多孔質材料からなっていてもよい。支持構造22は、部材18の山と谷と接触して、個別の固体酸化物型燃料電池デバイス12のアノード14チャンバまたはカソード16チャンバのいずれかである複数の平行な通路を形成する。アノード14チャンバまたはカソード16チャンバは、個別の固体酸化物型燃料電池デバイス12内の電解質の分配と除去を行う。波形セラミック板は通20の間に開口を有し、燃料が、通路20から固体酸化物型燃料電池デバイス12のアノード14またはカソード16チャンバ中に流動することができる。
図3は、交互のアノード14とカソード16およびそれらの通路20に対する関係を示す部分分解図である。
ある実施の形態において、ここに記載されたガラスフリット系シーリング材料は、各個別の燃料電池デバイス12を被包してよい。別の実施の形態において、ガラスフリット系シールは、各個別の燃料電池デバイス12の間にバリアを形成してよい。バリアを形成する場合、このガラスフリット系シーリング材料は、隣接する個別の燃料電池デバイス12の間に配置されたシーリング材料の板(図示せず)の形態をとってもよい。このガラスフリット系シーリング材料は、各個別の燃料電池デバイス12から別のものへの水素ガスの拡散を防ぎ、それによって、隣接する個別の燃料電池デバイス12から各個別の燃料電池デバイス12をシールするのに適している。別の実施の形態において、本発明のガラスフリット系シーリング材料を用いて、個別の燃料電池デバイスとSOFCデバイスのフレーム(図示せず)との間にシールを形成してもよい。さらに別の実施の形態において、支持構造22は、ここに記載したガラス系シーリング材料からなっていてもよい。
図1〜3は特定のSOFCデバイス構造を示しているが、ガラスフリット系シーリング材料は、図1〜3に示されたものとは異なる構造を有するSOFCデバイスに使用してもよいことを理解すべきである。さらに、そのようなガラスフリット系シーリング材料は、SOFCデバイスの構成部材の1つ以上を別の構成部材から密封しなければならない任意の用途に使用してもよい。したがって、特定のSOFCデバイスと共にガラスフリット系シーリング材料の使用に関して、特別な制限は意図されておらず、そのようなガラスフリット系シーリング材料は、一般に、任意のSOFCデバイスと共に使用してもよい。
ある実施の形態において、個別の燃料電池デバイスのセラミック電解質の2枚の隣接する板の間、または個別の燃料電池デバイスのセラミック電解質とSOFCデバイスの金属フレームとの間などの、2つの隣接する構造体の間にシールを形成するために、ここに記載した組成を有する粉末シーリング材料を溶媒ベースまたは他の同様のキャリヤビヒクル中に含むペーストが、シールすべき構造に施される。このペーストは、ディスペンサを用いて構造体の表面に塗布してもよい。各構造体に一旦塗布されたら(しかし、構造部材が互いに接合または集成される前に)、各構造体および塗布されたシーリング材料ペーストを約125℃に加熱して、ペーストから結合剤を除去し、それによって、ペーストを堅くしてもよい。その後、構造体を、間にシーリング材料ペーストが分配された状態で、1つの集成体へと互いに接合する。次いで、集成体全体をシーリング材料のシーリング温度まで加熱して、シーリング材料を構造体の間に流動させ、それによって、界面で構造体を濡らす。次いで、集成体を冷却して、シーリング材料を固化させ、構造体の各々に結合させ、それによって、硬質または軟質シールで構造体を互いに接合する。
別の実施の形態において、2つの隣接する構造体の間にシールを形成するために、ここに記載した組成を有する粉末シーリング材料などのシーリング材料を2つの構造体の間に界面に沿って配置する。次いで、集成体全体をシーリング材料のシーリング温度まで加熱し、それによって、シーリング材料を構造体の間に流動させ、それによつて、界面で構造体を濡らす。次いで、集成体を冷却し、シーリング材料を固化し、構造体の各々に結合させ、それによって、構造体を互いに接合する。先に論じたように、この結果得られたシーリング材料は、冷却されたシーリング材料中のガラス相の存在または不在に応じて硬質または軟質シールのいずれかであろう。
今では、ここに記載した様々なガラスフリット系シーリング材料組成物を用いて、固体酸化物型燃料電池デバイスなどの用途に使用するための電気化学的に安定で汚染物のないシールを形成できることが理解されよう。より詳しくは、ガラスフリット系シーリング材料の特定の組成物は、約850℃から約900℃のシーリング温度範囲において改善された流動特性または粘度特性を示しながら、充填剤を組成物に添加して、SOFCデバイスにおける他の構造部材に適合するCTEを示す。そのような組成物は、シーリング温度での焼結およびエージング後にガラス相を含み、それゆえ、ガラス相の存在のために、固体酸化物型燃料電池デバイスにおける軟質シールとして使用するのに適しているであろう。ここに記載したガラスフリット系シーリング材料の他の組成物は、どのような充填剤も添加せずに、約104×10-7/℃より大きいCTEを示す。そのようなシーリング材料は、充填剤の添加などのさらなる改質を必要とせずに、SOFCデバイスにおける他の材料と直接一致するCTEを有するので、著しい利益を提供する。これらの組成物は、シーリング温度での焼結およびエージング後にガラス相を含み、それゆえ、ガラス相の存在のために固体酸化物型燃料電池デバイスにおける軟質シールとして使用するのに適しているであろう。
さらに、ここに記載したシーリング材料の特定の組成物は、バリウム含有化合物を含まない。シーリング材料として使用されることに加え、そのような組成物は、SOFCデバイスのフレーム材料からSOFCデバイスの内部へのクロムの拡散を防ぎ、それによって、SOFCデバイスの汚染を減少または緩和するためのバリア・コーティングとして使用してもよい。同様に、シーリング材料の他の組成物は、焼結およびエージング後、バリウムがシーリング材料において結晶相中のみに存在し、それによって、バリウムがSOFCデバイスにおける他の材料と反応し、クロムの拡散と汚染をもたらす可能性を減少させるように、バリウム含有化合物を含んでもよい。
さらに、本発明の発明者等は、予期せぬことに、酸化チタンを含有するガラスフリット系シーリング材料の特定の組成物が、約900℃での焼結およびエージング後に高結晶性であるのに対して、約900℃未満での焼結またはエージング後にはガラス相を含むことを発見した。そのような材料は、シーリングを形成するために印加されるシーリング温度に応じて、硬質シールと軟質シールの両方を形成するのに適しているであろう。
本発明の精神および範囲から逸脱せずに、本発明に様々な改変および変更を行ってもよいことが当業者には明白であろう。それゆえ、本発明は、本発明の改変および変更を、それらが添付の特許請求の範囲およびそれらの同等物に入るという条件で、包含することが意図されている。
10 SOFCデバイス集成体
12 燃料電池デバイス
14 アノード板、カソード板
18 分配部材
22 支持構造

Claims (10)

  1. 非汚染性の電気化学的に安定なシーリング材料を備えた固体酸化物型燃料電池デバイスにおいて、前記シーリング材料は、95×10-7/℃から115×10-7/℃の熱膨張係数を有し、該シーリング材料は、
    (i)80質量%から100質量%のガラスフリットであって、アルカリ金属およびホウ素を含まず、
    0モル%から10モル%のMgO、
    5モル%から15モル%のCaO、
    5モル%から15モル%のSrO、
    0.1モル%から10モル%のBaO、
    0モル%から10モル%のZnO、
    0.1モル%から4モル%のTiO2、および
    50モル%から60モル%のSiO2
    を含むガラスフリット、および
    (ii)0質量%から20質量%の充填剤であって、前記シーリング材料の熱膨張係数を増加させる充填剤、
    を含むことを特徴とする、固体酸化物型燃料電池デバイス。
  2. 前記ガラスフリットが、1時間に亘る850℃から900℃の温度での焼結後にガラス相を含むことを特徴とする請求項1記載の固体酸化物型燃料電池デバイス。
  3. 前記ガラスフリットが、1時間に亘る900℃の温度での焼結およびエージング後に結晶相からなることを特徴とする請求項1記載の固体酸化物型燃料電池デバイス。
  4. 前記シーリング材料がシーリング温度まで加熱された後に、前記ガラスフリット中のバリウムの少なくとも一部が結晶相中にあることを特徴とする請求項1記載の固体酸化物型燃料電池デバイス。
  5. 固体酸化物型燃料電池デバイスに使用するためのシーリング材料において、該シーリング材料は、95×10-7/℃から115×10-7/℃の熱膨張係数を有し、
    (i)80質量%から100質量%のガラスフリットであって、アルカリ金属およびホウ素を含まず
    0モル%から10モル%のMgO、
    5モル%から15モル%のCaO、
    5モル%から15モル%のSrO、
    0.1モル%から10モル%のBaO、
    0モル%から10モル%のZnO、
    0.1モル%から4モル%のTiO2、および
    50モル%から60モル%のSiO2
    を含むガラスフリット、および
    (ii)0質量%から20質量%の充填剤であって、前記シーリング材料の熱膨張係数を増加させる充填剤、
    を含むことを特徴とするシーリング材料。
  6. 前記ガラスフリットが、
    5モル%から15モル%のCaO、
    5モル%から15モル%のSrO、
    10モル%のBaO、
    5モル%から10モル%のZnO、
    4モル%のTiO2、および
    56モル%のSiO2
    を含むことを特徴とする請求項5記載のシーリング材料。
  7. 前記ガラスフリットが、1時間に亘る850℃から900℃の温度での焼結後にガラス相を含むことを特徴とする請求項5記載のシーリング材料。
  8. (i)前記ガラスフリットが、1時間に亘る900℃の温度での焼結後に、104×10-7/℃より大きい熱膨張係数を有することを特徴とする請求項5記載のシーリング材料。
  9. 前記ガラスフリットが、1時間に亘る900℃での焼結およびエージング後に結晶相からなることを特徴とする請求項5記載のシーリング材料。
  10. 該シーリング材料がシーリング温度まで加熱された後に、前記ガラスフリット中のバリウムの少なくとも一部が結晶相中にあることを特徴とする請求項5記載のシーリング材料。
JP2011509473A 2008-05-15 2009-05-07 非汚染性の電気化学的に安定なガラスフリットシーリング材料並びにそのようなシーリング材料を使用したシールおよびデバイス Expired - Fee Related JP5502074B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US12/152,540 2008-05-15
US12/152,540 US7989374B2 (en) 2008-05-15 2008-05-15 Non-contaminating, electro-chemically stable glass frit sealing materials and seals and devices using such sealing materials
PCT/US2009/002849 WO2009139832A1 (en) 2008-05-15 2009-05-07 Non-contaminating, electro-chemically stable glass frit sealing materials and seals and devices using such sealing materials

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2011522361A JP2011522361A (ja) 2011-07-28
JP5502074B2 true JP5502074B2 (ja) 2014-05-28

Family

ID=40934035

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2011509473A Expired - Fee Related JP5502074B2 (ja) 2008-05-15 2009-05-07 非汚染性の電気化学的に安定なガラスフリットシーリング材料並びにそのようなシーリング材料を使用したシールおよびデバイス

Country Status (5)

Country Link
US (1) US7989374B2 (ja)
EP (1) EP2301103B1 (ja)
JP (1) JP5502074B2 (ja)
CN (1) CN102084530B (ja)
WO (1) WO2009139832A1 (ja)

Families Citing this family (22)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP2109173B1 (en) 2008-04-07 2013-05-08 Topsøe Fuel Cell A/S Solid oxide fuel cell stack, process for the preparation thereof and use of an E-glass therein
US8623569B2 (en) * 2008-12-09 2014-01-07 Bloom Energy Corporation Fuel cell seals
DK2228858T3 (da) 2009-03-13 2013-07-29 Topsoee Fuel Cell As Brændselscellestak
US8741792B2 (en) * 2010-02-24 2014-06-03 Nihon Yamamura Glass Co., Ltd. Glass composition and sealing material
FR2958283B1 (fr) * 2010-04-01 2014-07-04 Commissariat Energie Atomique Compositions de verres vitroceramiques pour joints d'appareils fonctionnant a de hautes temperatures et procede d'assemblage les utilisant.
JP5425740B2 (ja) * 2010-09-29 2014-02-26 株式会社ノリタケカンパニーリミテド 固体酸化物形燃料電池システム及び接合材
JP5301587B2 (ja) * 2011-02-24 2013-09-25 株式会社ノリタケカンパニーリミテド 固体酸化物形燃料電池セル用無アルカリガラス系シール材
CN102723448B (zh) * 2012-05-22 2015-06-17 华中科技大学 中温平板式固体氧化物燃料电池堆的密封材料及密封方法
JP6328111B2 (ja) 2012-07-23 2018-05-23 モー−サイ・コーポレイションMo−Sci Corporation 固体酸化物燃料電池のための粘性シーリングガラス
WO2014103973A1 (ja) 2012-12-25 2014-07-03 日本山村硝子株式会社 封着用ガラス組成物
WO2014107631A1 (en) * 2013-01-04 2014-07-10 Lilliputian Systems, Inc. High temperature substrate attachment glass
US8968509B2 (en) 2013-05-09 2015-03-03 Bloom Energy Corporation Methods and devices for printing seals for fuel cell stacks
CN105409041B (zh) * 2013-07-31 2018-11-09 株式会社Lg化学 固体氧化物燃料电池及其制造方法
US9790123B2 (en) 2013-09-30 2017-10-17 Nihon Yamamura Glass Co., Ltd. Glass composition for sealing
JP6283233B2 (ja) * 2014-02-19 2018-02-21 日本特殊陶業株式会社 燃料電池
US9559366B2 (en) 2014-03-20 2017-01-31 Versa Power Systems Ltd. Systems and methods for preventing chromium contamination of solid oxide fuel cells
US10084192B2 (en) 2014-03-20 2018-09-25 Versa Power Systems, Ltd Cathode contact layer design for preventing chromium contamination of solid oxide fuel cells
CN106277794B (zh) * 2015-05-22 2019-01-04 中国科学院大连化学物理研究所 玻璃-玻璃复合密封材料及其制备方法和应用
CN107698164B (zh) * 2017-09-22 2021-06-01 潮州三环(集团)股份有限公司 封接玻璃、其制备方法及应用
KR102008063B1 (ko) * 2017-10-23 2019-08-06 엘지전자 주식회사 글래스 프릿 조성물
CN112928299B (zh) * 2019-12-06 2022-10-18 中国科学院大连化学物理研究所 一种高温复合密封材料及其应用
CN111785989B (zh) * 2020-06-29 2023-03-07 中国科学院上海硅酸盐研究所 采用高炉矿渣为主要原料的固体氧化物燃料电池用密封材料及其制备方法与使用方法

Family Cites Families (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4746578A (en) * 1984-01-09 1988-05-24 Ngk Spark Plug Co., Ltd. Glaze compositions for ceramic substrates
JPS60235744A (ja) * 1984-05-04 1985-11-22 Asahi Glass Co Ltd セラミック基板用組成物
DE19739242A1 (de) 1997-09-08 1999-03-11 Fraunhofer Ges Forschung Verwendung kristallisierbarer Glaszusammensetzungen als Verschlußmaterial von Mantelleitungen
GB9807977D0 (en) * 1998-04-16 1998-06-17 Gec Alsthom Ltd Improvements in or relating to coating
US6430966B1 (en) * 1999-07-30 2002-08-13 Battelle Memorial Institute Glass-ceramic material and method of making
JPWO2004031088A1 (ja) * 2002-10-07 2006-02-02 日本板硝子株式会社 封着用ガラスフリット
US7521387B2 (en) * 2004-09-21 2009-04-21 General Electric Company Alkali-free composite sealant materials for solid oxide fuel cells
US7189470B2 (en) * 2005-01-18 2007-03-13 Corning Incorporated Sealing materials and devices utilizing such materials
US7214441B2 (en) * 2005-02-03 2007-05-08 Corning Incorporated Low alkali sealing frits, and seals and devices utilizing such frits
US7470640B2 (en) * 2006-04-11 2008-12-30 Corning Incorporated Glass-ceramic seals for use in solid oxide fuel cells
US7410921B2 (en) * 2006-04-11 2008-08-12 Corning Incorporated High thermal expansion cyclosilicate glass-ceramics
US7378361B2 (en) * 2006-04-11 2008-05-27 Corning Incorporated High thermal expansion cyclosilicate glass-ceramics

Also Published As

Publication number Publication date
US7989374B2 (en) 2011-08-02
CN102084530B (zh) 2015-02-18
EP2301103A1 (en) 2011-03-30
WO2009139832A1 (en) 2009-11-19
CN102084530A (zh) 2011-06-01
US20090286664A1 (en) 2009-11-19
EP2301103B1 (en) 2014-03-05
JP2011522361A (ja) 2011-07-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5502074B2 (ja) 非汚染性の電気化学的に安定なガラスフリットシーリング材料並びにそのようなシーリング材料を使用したシールおよびデバイス
JP5291936B2 (ja) 封止材料およびそのような材料を用いたデバイス
JP5291939B2 (ja) 低アルカリ封止フリット、並びにそのようなフリットを用いたシールおよびデバイス
US9531015B2 (en) Seal compositions, methods, and structures for planar solid oxide fuel cells
JP5307795B2 (ja) 封止材料、そのような材料を用いたデバイス、およびそのようなデバイスの製造方法
US7399720B1 (en) Glass and glass-ceramic sealant compositions
JP5787928B2 (ja) バリウムおよびストロンチウム不含のガラス質もしくはガラスセラミックの接合材料ならびにそれらの使用
JP5999297B2 (ja) 結晶性ガラス組成物およびそれを用いた接着材料
JP5928777B2 (ja) 高膨張結晶性ガラス組成物
EP2941405B1 (en) High temperature substrate attachment glass
JP2000063146A (ja) シ―リングフリット
JP2014096277A (ja) 固体酸化物型燃料電池用シール材料
US10669188B2 (en) Seal compositions, methods, and structures for planar solid oxide fuel cells
JP6105938B2 (ja) ナトリウム電池
JP2018170297A (ja) 全固体電池
CN109180003B (zh) 抗钠封接玻璃及其用途
KR101598268B1 (ko) 고체산화물 연료전지용 밀봉재 및 이의 제조방법
WO2023105948A1 (ja) シール材、およびシール材を有するsofcまたはsoec
KR20120105658A (ko) 밀봉성이 개선된 밀봉재 조성물 및 그 제조방법

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20120507

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130625

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20130628

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130925

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20131022

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20140120

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20140212

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20140312

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5502074

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees