JP5501322B2 - ナット - Google Patents

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本発明は、螺子軸に螺合させるナットに関するものである。
螺子軸とこれに螺合するナットからなり一方の回転運動を他方の直線運動に変換する機構は、送り装置や工作機械など種々の産業機械に用いられている。螺子軸の螺子山とナットの螺子溝との間にクリアランスを設けることは不可避であるが、往復運動において運動方向が変わる際に螺子山と螺子溝との隙間でガタつきが生じるため、位置決め精度の低下や振動・騒音の発生の原因となる。
そこで、従来、ガタつきを低減することを意図して、2つに分割させたナットが提案されている(例えば、特許文献1参照)。これは、図3に示すように、分割させた2つのナット110,120の端部同士を嵌め合わせて一体回転させると共に、2つのナットが嵌め合わされた部分を挿通させたコイルバネ130を圧縮して、2つのナットそれぞれのフランジ部111,121間に取り付けたものである。これにより、コイルバネ130によって2つのナット110,120を軸方向に離隔させる力が作用するため、2つのナット110,120それぞれの螺子溝は、螺子軸140の螺子山に対して相反する方向に押圧され、軸方向のガタつきが低減される。
ところで、螺子山と螺子溝との間のクリアランスは常に一定ではなく、気温によって変動する。これは、螺子軸が金属製でナットが樹脂製の場合など、両者の材質が異なり熱膨張率が大きく相違する場合により顕著である。しかしながら、上記構成の従来のナットでは、2つのナットに対して軸方向に作用する力の大きさは、選択されたコイルバネのバネ定数によって、予め定まってしまう。そのため、クリアランスが最大となる温度条件に合わせてコイルバネを選択すると、多くの場合はコイルバネによって与えられる力が過剰となり、螺子溝と螺子山との摩擦抵抗が大きくなるという問題があった。
加えて、上記構成の従来のナットは、ナットが2つに分割されているため、部品点数が増加するという問題もあった。
そこで、本発明は、上記の実情に鑑み、温度条件によらず適切にガタつきを低減できる簡易な構成のナットの提供を、課題とするものである。
上記の課題を解決するため、本発明にかかるナットは、「樹脂製のナット本体の一端側で内周面に螺子溝が形成された第一螺子溝部と、前記ナット本体の他端側で内周面に前記第一螺子溝部の螺子溝とピッチが等しい螺子溝が形成された第二螺子溝部と、前記ナット本体において前記第一螺子溝部と前記第二螺子溝部との間に設けられた、軸方向の長さが前記ピッチの整数倍と一致しない長さで、内周面に螺子溝が形成されていない無螺子部と、該無螺子部に貫通して形成されたスリットと、前記ナット本体の外周面に螺旋状に形成された凹溝と、該凹溝に保持されたコイルバネとを具備する」ものである。
上記構成の本発明では、ナット本体において一端側の第一螺子溝部と他端側の第二螺子溝部との間に、螺子溝のない無螺子部が存在する。そして、無螺子部の軸方向の長さは、螺子溝のピッチの整数倍と一致しない長さになっている。これにより、螺子溝とピッチの等しい螺子山を有する螺子軸とナットを螺合させた場合、第一螺子溝部及び第二螺子溝部の螺子溝が、それぞれ螺子軸の螺子山と噛み合った状態では、無螺子部には軸方向の引っ張り応力または圧縮応力が作用する。このような軸方向の応力により、無螺子部は軸方向に弾性変形する。無螺子部は、樹脂製であることに加えて貫通するスリットが形成されているため、弾性変形しやすい。そして、無螺子部に作用する軸方向の力の反作用により、第一螺子溝部及び第二螺子溝部に対して、互いに近づく方向または離隔する方向の力が作用する。これにより、第一螺子溝部及び第二螺子溝部それぞれの螺子溝は、螺子山に対して相反する方向に押圧されるため、軸方向のガタつきが低減される。
そして、ナット本体は、温度条件に応じて熱膨張した上で、過剰なクリアランスを吸収するように弾性変形する。これにより、本発明のナットでは、軸方向に作用する力の大きさがコイルバネの選択によって予め定められてしまう従来のナットとは異なり、温度条件によらず適切にガタつきを低減することができる。
また、螺子溝と螺子山との間には、軸方向のクリアランスに加えて径方向のクリアランスも存在する。ナット本体は外周面に取り付けられたコイルバネによって巻き締められているため、螺子山と螺子溝間の径方向のガタつきも低減される。
加えて、コイルバネは軸方向に弾性的に伸縮するため、無螺子部の軸方向の弾性変形に起因するナット本体の軸方向の伸縮に追随する。特に、コイルバネはナット本体の外周面に形成された凹溝に保持されているため、ナット本体の軸方向の弾性変形に追随して伸長または圧縮し易いものとなっている。そして、無螺子部に作用する引っ張り応力または圧縮応力の反作用として、第一螺子溝部及び第二螺子溝部それぞれの螺子溝を螺子山に対して相反する方向に押圧する力は、伸長または圧縮されたコイルバネの付勢によって補助される。これにより、軸方向のガタつきが、より有効に低減される。なお、一般的に、弾性材料であっても繰り返しの使用により塑性変形してしまうことがあるが、本発明では樹脂製のナット本体の弾性変形に基づきガタつきが抑制される作用を、コイルバネが補助する構成であるため、螺子溝と螺子軸の螺子山との良好な接触が長期にわたり保たれる。
なお、本発明の構成であるコイルバネは、上述した従来のナットにおけるコイルバネとは異なり、ナット本体に対して能動的に軸方向の力を与えるものではなく、ナット本体の軸方向の弾性変形に追随して伸長または圧縮し、その反作用として軸方向の力を発生させるものである。
そして、本発明のナットは一体構成であるので、2分割された従来のナットと比べて部品点数が少なく、構成が簡易である。
本発明にかかるナットは、上記構成に加え、「前記スリットは、螺旋状の前記凹溝間に螺旋状に形成されている」ものとすることができる。
ここで、説明の便宜上、ナット本体において凹溝もスリットも形成されていない部分を「残壁部」と称すると、スリットの形状によっては、螺旋状の凹溝とスリットとの間で残壁部の幅が狭い部分ができたり、スリットが凹溝と交差したりする場合がある。その場合は、ナット本体の機械的強度が低下するおそれや、幅の狭い残壁部が螺子軸に噛み込まれるおそれがある。これに対し、本構成では、スリットが螺旋状の凹溝間に螺旋状に形成されるため、残壁部の幅を一定以上に確保することが可能である。これにより、ナット本体の強度低下を抑制し、且つ、残壁部の螺子軸との噛み込みを抑制して、スリットを形成することができる。
加えて、螺旋状のスリットの軸方向の弾性変形と、コイルバネの軸方向の伸縮運動が同調し易いため、スリットの軸方向の弾性変形に起因するナット本体の軸方向の伸縮に、コイルバネが追随して伸縮し易い。
以上のように、本発明の効果として、温度条件によらず適切にガタつきを低減できる簡易な構成のナットを、提供することができる。
本発明の一実施形態のナットの(a)側面図、(b)縦断面図、及び、(c)斜視図である。 他の実施形態のナットの(a)側面図、及び、(b)斜視図である。 従来の2分割ナットの側面図である。
以下、本発明の一実施形態であるナット1について、図1を用いて説明する。ナット1は、樹脂製で一体構成のナット本体10と、ナット本体10に取り付けられたコイルバネ33とを備えている。ナット本体10は、一端側で内周面に螺子溝20が形成された第一螺子溝部11と、他端側で内周面に螺子溝20が形成された第二螺子溝部12と、第一螺子溝部11と第二螺子溝部12との間に設けられた、内周面に螺子溝が形成されていない無螺子部13に大別される。第一螺子溝部11の螺子溝20と第二螺子溝部12の螺子溝20とはピッチが等しく、無螺子部13の軸方向の長さは、螺子溝20のピッチの整数倍と一致しない長さとなっている。
ナット本体10の外周面には、断面凹状の凹溝31が螺旋状に一本形成されており、この凹溝31にコイルバネ33が保持されている。ここで、ナット本体10に軸方向の応力が作用していない状態で、螺旋状の凹溝31のピッチは、軸方向に引張または圧縮されていないコイルバネ33のピッチと等しい。なお、図1(a)及び図1(b)は凹溝31にコイルバネ33を保持させていない状態の側面図及び縦断面図を示し、図1(c)は凹溝31にコイルバネ33が保持された状態の斜視図を示している。
無螺子部13には、貫通するスリット21が形成されている。本実施形態のナット1では、スリット21は一本で、螺旋状の凹溝31とピッチが等しい螺旋状であり、凹溝31間の中間位置に形成されている。なお、螺旋状の凹溝31は、ナット本体10において第一螺子溝部11、無螺子部13、及び、第二螺子溝部12それぞれの外周面にかけて形成されているが、スリット21は無螺子部13のみに形成される。
なお、ナット本体10は、第一螺子溝部11側の端部に、外径が他の部分より大径のナット頭部19を備えている。このナット頭部19は、送り装置等における負荷に接続される部分である。
上記構成のナット1を、螺子溝20とピッチが等しい螺子山を有する螺子軸と螺合させると、ナット1が螺子軸に対して相対的に回転する際、正回転及び逆回転の何れの場合も、無螺子部13はスリット21を弾性変形させつつ、軸方向に伸縮する。これは、無螺子部13の軸方向の長さが螺子山のピッチの整数倍と一致しないため、第一螺子溝部11の螺子溝20及び第二螺子溝部12の螺子溝20がそれぞれ螺子山と噛み合った状態では、無螺子部13に引っ張り応力または圧縮応力が作用するからである。この反作用として、第一螺子溝部11及び第二螺子溝部12には、互いに近づく方向または離隔する方向に軸方向の力が作用する。これにより、螺子軸とナット1との間の軸方向のガタつきが低減する。
また、ナット本体10は外周面に取り付けられたコイルバネ33によって巻き締められているため、螺子軸とナット1との間の径方向のガタつきが低減される。
加えて、コイルバネ33は軸方向に弾性的に伸縮するため、ナット本体10の軸方向の伸縮に追随する。特に、コイルバネ33は凹溝31に保持されているため、ナット本体10の軸方向の弾性変形に追随し易い。そして、ナット本体10の軸方向の弾性変形によって、第一螺子溝部11及び第二螺子溝部12それぞれの螺子溝20を螺子山に対して相反する方向に押圧する力は、伸長または圧縮されたコイルバネ33による付勢により補助され、より有効に軸方向のガタつきが低減される。
また、スリット21は螺旋状に形成されているため、スリット21の軸方向の弾性変形と、コイルバネ33の軸方向の伸縮運動が同調し易い。これにより、無螺子部31の軸方向の弾性変形に起因するナット本体10の軸方向の伸縮に、コイルバネ33が追随し易い。なお、スリット21は、螺旋が一周回以上する長さとすれば、ナット本体10の全側面が軸方向に均一に伸縮し易く、望ましい。
更に、スリット21は凹溝31間の中間位置に螺旋状に形成されているため、スリット21と凹溝31との間の間隔が一定である。これにより、無螺子部13におけるナット本体10の機械的強度が、全体的に均一となる。
以上、本発明について好適な実施形態を挙げて説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、以下に示すように、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の改良及び設計の変更が可能である。
例えば、図2に示すように、螺旋状のスリット21に替えて、円弧状のスリット22を複数備えるナット2とすることができる。より具体的には、各スリット22はナット本体10の周方向に沿う円弧状であり、軸方向の同一座標に間隔をあけて対向して形成された二つのスリット22によるスリット対が、複数対形成されている(図2では、二対を例示)。各スリット22は、隣接するスリット対のスリット22と、軸心に対する角度が90度異なっている。このような構成のスリット22を備えるナット2においても、無螺子部の弾性変形によって軸方向のガタつきが低減される上記の作用を得ることができる。
1,2 ナット
10 ナット本体
11 第一螺子溝部
12 第二螺子溝部
13 無螺子部
20 螺子溝
21,22 スリット
31 凹溝
33 コイルバネ
特開昭58−13250号公報

Claims (2)

  1. 樹脂製のナット本体の一端側で内周面に螺子溝が形成された第一螺子溝部と、
    前記ナット本体の他端側で内周面に前記第一螺子溝部の螺子溝とピッチが等しい螺子溝が形成された第二螺子溝部と、
    前記ナット本体において前記第一螺子溝部と前記第二螺子溝部との間に設けられた、軸方向の長さが前記ピッチの整数倍と一致しない長さで、内周面に螺子溝が形成されていない無螺子部と、
    該無螺子部に貫通して形成されたスリットと、
    前記ナット本体の外周面に螺旋状に形成された凹溝と、
    該凹溝に保持されたコイルバネと
    を具備することを特徴とするナット。
  2. 前記スリットは、螺旋状の前記凹溝間に螺旋状に形成されている
    ことを特徴とする請求項1に記載のナット。
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