本発明の請求項1記載の非接触液体検知装置は、内部に液体を蓄えるための空間を設け、光の屈折率が空気よりも大きな光透過体において構成した容器体と、前記容器体に光を照射する発光素子と、容器体からの反射光の強度に合わせた電気信号を出力する受光素子を備え、前記発光素子、前記受光素子は、前記容器体の外部に一方向に並べて配置するとともに、前記容器体の外表面に対し、略垂直になるように筒体に収納され、前記発光素子から照射される光は、前記筒体に遮られて、前記容器体の外表面での反射光が前記受光素子に直接入射しないようにしたものである。これにより、発光素子と受光素子は容器体の外部に対して一方向に並べて配置する構成としていることから機器搭載時の配置に広い空間を要さず、且つ、直接反射光遮蔽手段により液体の有無で変化しない容器体の表面で反射されて受光素子へ直接入射する光を遮ることで液体の有無で変化する容器体の外表面の内部からの反射光のみを受光素子で受光できるようにして、容器体の屈折率を空気よりも大きくすることで内部に液体が有れば容器体と液体との界面において光の透過量が増加することに基づいて液体の有無を判定できることから検知対象の液体が透明体であっても検知が可能となるという効果を奏する。
また、機器に容器体を搭載した状態で容器体の部分が機器の外部に露出する、あるいは機器から容器体を着脱できる機器の構成において、受光素子に対する機器の外部からの外来光の直接的な入射を防止する直接外来光入射防止手段を備える構成にしたことにより、機器の外部から受光素子に入射する外来光は直接外来光入射防止手段により遮られることとなるので、機器から容器体の部分が露出した構成や、あるいは機器から容器体を取り外した状態においても、受光素子は液体の検知の主要因となる発光素子の照射光以外の外来光の影響を受け難いことから、液体の有無の検知が安定するという効果を奏する。
また、機器に容器体を搭載した状態で容器体の部分が機器の外部に露出する機器の構成において、容器体の内部に受光素子に対する機器の外部からの間接光も含む外来光の入射を遮る遮光体を備える構成にしたことにより、受光素子への間接光も含む外来光の直接的な入射を低減させることで機器から容器体の部分が露出した構成においても、受光素子は液体の検知の主要因となる発光素子の照射光以外の外来光の影響をさらに受け難くなるために、液体の有無の検知がより安定するという効果を奏する。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
図1および図2は機器の搭載する液体を蓄えるための容器の側面の一部分を拡大して示
した断面図であるが、この容器は外郭を成す容器体1の内部に空間を備えて、この空間に機器で活用するための液体2を蓄えられるように構成しているものである。
この液体2は機器で活用することにより減少するものであり、図上において下方向となる下方に重力で引かれることで、上方には空気で満たされる空間部3が順次、広がって行くこととなる。
ここで、この液体2は対象としては透明体であり、例えば水である。
この液体2であるところの水を活用する機器としては、例えば加湿機が挙げられるが、機器がこの加湿機であるときには容器体1は加湿のための水を蓄えるタンクや加湿空気を生成するために水を蒸発させるためのトレーに当たり、機器の本体から取り外し可能とすることで、使用者においてタンクに水を給水し、またトレーの清掃が行えるように構成されていることが一般的である。
ここで、容器体1は光透過性で、且つ、屈折率が空気よりも大きな材料で構成するものである。
よって、液体2が水であるところの屈折率が約1.33の液体であれば、例えばポリエチレン(屈折率:約1.5)やポリエチレンテレフタレート(屈折率:約1.6)や、またポリスチレン(屈折率:約1.6)等の水に犯されない樹脂材で約0.5mmから約2mmの厚さでブロー成形や金型成形により構成するものである。
なお、容器体1の内部に液体2が無いときの空間部3の屈折率は一般的な空気で満たされる機器においてはおおよそ1となる。
この容器体1の側面には液体2の減少を判定したい位置に容器体1に対して光を照射する発光素子4と、および容器体1からの反射光を受光して、この受光した光の強度に応じた電気信号を出力する受光素子5を近接させて容器体1の外表面1aと平行に一方向に並べて配置している。
ここで、発光素子4が照射する光は、機器の状態の表示や報知を目的としたものではないので、使用者に煩わしさを与えない光(可視光外の光)が望ましく、また比較的に安価で入手性の高い素子が望ましく、例えば直流電流を流すことで900nm前後の波長の赤外線光を発する赤外線LEDを用いるものである。
ここで、受光素子5は発光素子4の照射する赤外線光を受光して、この受光した光に応じた電気信号を出力するものであるが、比較的に安価で入手性の高い素子が望ましいことから、例えば発光素子4が照射する赤外線光以外の可視光線を減衰させる光学フィルター性能を持たせた樹脂で封入し、受光した光の量に合わせて導通電流を変化させるフォトトランジスターを用いるものである。
この発光素子4と受光素子5は容器体1に対する配置の位置を一定に保ちながら各素子を保護するために検知構成外郭6に容器体1の外表面1aに対して略垂直となる筒状の光路筒7a,7bを設けて、この各筒に装着して固定する構成としている。
なお、図に置いては発光素子4と受光素子5は容器体1の中の液体2の位置を示しながら発光素子4と受光素子5の配置の位置関係を説明するために便宜的に縦方向に並べた表現としているが、実使用においては液体2の表面と平行となるように並べて配置することで液体2の有無の検知位置を液体2の表面位置として安定化させるものである。ここで、
検知構成外郭6は搭載する機器が一例として示した加湿機の容器体1が機器の本体から取り外されて使用される構成を考慮して機器の側に固設して配置する構成であり、よって、検知構成外郭6は機器の外郭の一部分として、絶縁体で成型品位に優れた、例えばアクリロニトリル・ブタジエン・スチレン樹脂等で金型成形により構成するものである。
また、検知構成外郭6の容器体1に面した表面には光路筒7a,7bを覆った状態で光透過体により構成した保護シート8を接着材で貼着することで埃や液体の進入を防いでいる。
ここで、保護シート8は透明で受光素子5の照射する光の波長に対して透過性に優れ、薄板シート状においても強靱な材質が好ましい、例えばメタクリル系樹脂の0.3mmから0.7mm厚さのシート材を金型でカットして構成するものであり、アクリル系の接着剤を用いて検知構成外郭6に接着して固定する。
発光素子4と受光素子5は検知構成外郭6に設けた光路筒7a,7bに装着することで容器体1に対する配置の位置を固定しているが、合わせてこの光路筒7a,7bに対する配置位置を調整することで発光素子4から照射した光や、容器体1の外表面1aで直接的に反射された光の受光素子5への直接入射は遮蔽する、図上、波線で囲み示している直接反射光遮蔽手段9を構成することで容器体1の外表面1aの位置にあっても内側からの反射光のみが受光素子5で受光できるようにしている。
まずは、直接反射光遮蔽手段9の構成と作用について図2を用いて説明する。
図2は発光素子4の受光素子5を並べた平面において容器体1と検知構成外郭6を切断することでそれぞれの位置関係と、および発光素子4から照射され受光素子5に反射光として入射する光の光路を矢印線で模式に示した構成図である。
発光素子4がLEDであるとき照射された光は、一般的には発光素子4の発光部であるところの1点から光の放射方向に円錐状に照射されることとなるが、発光素子4を光路筒7aの内部に配置した構成においては光路筒7aの内面で遮光されることで光路筒7aの開口部10aからのみ発光軸を中心として、図上、波線で示しているような円錐状に容器体1に照射されることになる。
円錐状に容器体1に照射された光は、先ず一部が、容器体1の外表面1aにおいて外表面1aに対する入射角度と同一角度の反射角度となる、いわゆる反射の法則に基づき鏡面反射的の作用に基づき反射されて受光素子5の方向に戻ってくることとなる。
ところで、この外表面1aの表面で反射される光の強さは外表面1aの表面の平滑性によりのみ左右され、基本的には容器体1の内部の液体2の有無には左右されず、また、光の外表面1aへの入射角度に左右はされるが、外表面1aの表面での減衰要素が少ない直接的な反射であるために容器体1から受光素子5に反射により戻ってくる反射光の多くの部分を占めている。
このことから、容器体1の内部の液体2の有無を反射光強度の変化に基づいて判断する構成においては、この外表面1aの表面での直接反射光は、不要、且つ、容器体1の外表面1aよりも内部からの反射光の受光素子5による検知を妨害する要因となる。
よって、この妨害要因を除くために直接反射光遮蔽手段9は設けている構成であり、図に示しているように発光素子4と、および受光素子5は容器体1に対する検知構成外郭6の配置の位置関係において発光素子4から照射され容器体1の外表面1aで直接的に反射
された光が受光素子5に入射しないように、図上、矢印線11aで示しているように光路筒7aの開口部10aの端で遮るような位置関係に配置することで構成しているものである。
このことから直接反射光遮蔽手段9における各構成の位置関係の詳細は、非接触液体検知の全体の構成に左右されることとなるが、例えば外径φ5mmの砲弾型LEDであるところの発光素子4と、および同様形状の受光素子5を用いて5mmの間隔で並べて配置する構成を一例とすると、容器体1と検知構成外郭6の間隔を4mm以下程度とする構成とすれば妨害要因となる直接反射光の受光素子5への入射を防ぐことができる。
次に、容器体1の内部の液体2の有無を反射光強度の変化に基づいて判断する方法の詳細を、図3および図4を用いて説明する。
図3は発光素子4の照射した光を受ける容器体1の一部を拡大して示した断面図において照射光の反射と透過の状態の液体2の有無による違いを矢印線の幅を光の強度として屈折角度の要素を除き模式的に示したものである。
図上、発光素子4は容器体1の右側から光を照射いる状態で、且つ、発光素子4から円錐状の広がり照射する光の内の容器体1に対して、おおよそ45℃で入射する1つの光路における反射と透過の状態を表現している。
発光素子4から照射された光は先ず容器体1の外表面1aに到達することとなるが、このときは外表面1aにおける反射の法則に基づき到達した光の一部分が容器体1の外方向に直接反射され(図上、矢印線11a)、残りが容器体1の内部に透過する。
前述の通り、このときの容器体1の外方向への直接反射光は液体2の有無されずに同一となり、よって、容器体1の内部へ透過する光も同一となる。
容器体1の内部へ透過した光は、次に、容器体1の内表面1bに容器体1の内部において到達することとなるが、容器体1の内部に液体2が無いときと有るときにおいて、容器体1と液体2、および容器体1の内部の空間部3を占めることとなる気体であるところの空気の各屈折率の違いに基づいて内表面1bでの反射と透過の状態に変化が生じることとなる。
ここで、屈折率の異なる物体の界面を通過する光は、入射角度により変化はするが屈折の法則に基づき、屈折率のより大きな物体の方向に進むときは、光の推進方向の屈折率のより大きな物体側に光路が曲げられることで、全体としてはより透過し易い状態が生じ、また、屈折率のより小さな物体の方向に進むときは、入射角度に対してより浅い角度に光路が曲げられることとなり、より透過し難い状態が生じることとなる。
よって、前述の通り、屈折率が1.5程度の容器体1の内部に水であるところの屈折率が1.33の液体2が有るときは、内部に液体2が無いときの屈折率が1の空間部3に光が進行していくときに対して、全体としては、より液体2の方向への光の透過性が増すこととなる。
結果的に内表面1bにおいて容器体1の空間部3の側に透過する光は容器体1の内部に液体2が有れば、より多くなり(図上、矢印線11b2>矢印線11b1)、逆に容器体1の内部の光の進入方向に反射される光の強度は低下することとなる(図上、矢印線11c1>矢印線11c2)。
なお、容器体1の内部の光の進入方向に反射される光は、再度、容器体1の外表面1aの界面において透過と反射を生じることとなり、このような容器体1の外表面1aと内表面1bの間で反射を繰り返しながら外表面1aと内表面1bの外部へ光が透過することで、当初、容器体1に光が入射した位置を中央として周囲に広がり、徐々に減衰していくこととなる。
よって、この光の減衰の状態を受光素子5の側から容器体1の外表面1aの側に透過して受光素子5の側に戻る反射光のとして観測した場合においても、発光素子4の放射光の中心を中央軸として、この中央軸から周囲方向に離れるにつれ光強度は徐々に低下することとなる。
図4は、この光強度の減衰の状態を曲線で示したものであり、縦軸を反射光強度Lvとして発光素子4の放射光の中心を中央軸としたとき、横軸をこの中央軸からの離れた位置を距離Diとして、中央軸から離れた位置における反射光強度Lvの変化を液体2が有るときを実線,無いときは点線で表現することで、その違いを簡略化して示したものである。
よって、図上、矢印P1の位置が発光素子4の配置位置となり、反射光の強度は最大となるが、液体2が容器体1の内部に有るときは無いときに対して、前述した通り液体2が有るときには容器体1の内表面1bの側への光の透過性が増すために反射光の強度は低下することとなる。
ここで、図上、前記中央軸から離れた矢印P2の位置に受光素子5を配置しているものとしたとき、この位置においても液体2が容器体1の内部に有るときは無いときに対して反射光の強度は低下することとなり、液体2の有無に対して、図上、ΔLvで示しているような反射光の強度差が生じることとなる。
なお、この反射光の強度や差は、容器体1の構成材や液体2の性質、および発光素子4の容器体1に対する配置の位置に変化が無ければ、基本的には発光素子4から照射する光の強度に応じて、相対的に一定となる。
よって、受光素子5に入射する反射光の強度が液体2の有無で変化することとなり、受光素子5は受光した光の強度に応じた電気信号を出力する素子であることから、この受光素子5から出力される電気信号の液体2の有無による違いを予め把握しておけば、液体2の有無を判断することができることとなる。
なお、容器体1を光の透過性が非常に高い、光透過率が100%に近い透明体にて構成した場合、入射する光は基本的に容器体1の内側へ、その大部分が透過することで、自ずと液体2の有無による容器体1の側からの反射光強度の変化は微少となるために、受光素子5の出力する電気信号の変化から液体2の有無を判定することが難しくなる。
よって、容器体1の構成材は発光素子4の照射する光の波長において、樹脂の備える自然色や、あるいは顔料着色により、前記の100%に近い透明体に対しておおよそ40〜95%の光透過率であることが望ましい。
次に図5により発光素子4の発光と、および受光素子5の反射光受光により電気信号を出力させる回路構成について説明する。
図に示しているように発光素子4であるところの赤外線LEDにはアノード側に直流電源を間欠させて印加させるための直流電源12aとカソード側に電流制限用の抵抗13a
を直列に接続している。
また、受光素子5であるところのフォトトランジスターにはコレクター側に電力の供給源となる直流電源12bの正電位を接続し、エミッター側にフォトトランジスターが導通させた電流を電圧信号として取り出すための抵抗13bを直列に接続している。
ここで、直流電源12aは安定化された直流電圧を出力する、あるいは間欠させて出力できるものであればその構成は特には問わないが、例えば商用電源から安定化した直流低電圧電源を得る降圧型安定化スイッチング電源装置や、1次電池や2次電池の電力を電圧安定化レギュレーターにより定電圧化させる一般的な安定化電源装置により安定化した電圧を出力できる構成や、また前記安定化電源の出力電力をトランジスターなどのスイッチング素子により一定間隔で間欠させて出力するように構成するものである。
なお、直流電源12aにより発光素子4に印加する電源の詳細は特に規定するものではないが、例えば5Vの電圧を周期50msecとして5msecの間、発光素子4に電圧を印加させるように構成するものであり、発光素子4には電圧の印加により20mAから50mA程度の電流が流れるように抵抗13aの抵抗値を選定するものである。
ここで、直流電源12bは安定化された直流電圧を出力できるものであればその構成は問わないが、例えば商用電源から安定化した直流低電圧電源を得る降圧型安定化スイッチング電源装置や、1次や2次電池の電力を電圧安定化レギュレーターにより定電圧化させる一般的な安定化電源装置で構成するものである。
なお、直流電源12bにより受光素子5に印加させる電圧は例えば5Vとするものであり、このとき発光素子4から照射し、反射して受光素子5に光が入射した際に、抵抗13bの両端に2.5V程度の出力電圧が生じるように抵抗13bの抵抗値を設定するものであり、例えば抵抗値を10kΩから200kΩの値として設定するものである。
以上のような回路構成により発光素子4が照射して容器体1の内部の液体2の表面方向から反射した赤外線光であるところの光が受光素子5に入射すると抵抗13bには受光素子5に入射した強度に合わせた両端電圧が生じることとなるために、この抵抗13bの両端に生じる電圧値の変化の状態を受光素子5から出力される受光した強度に応じた電気信号として扱うことができることとなる。
なお、受光素子5から出力される電気信号の変化を確認することで容器体1の内部に液体2が存在しているかを直接的に判断する手段に関しては、本考案の要旨では無いために、その詳細の説明は省くものとするが、電気的制御機能を備えた電気機器においては、機器を制御するためのするための制御手段として中央演算装置(CPU)、入出力装置、アナログ・デジタル変換入力装置(A/D)、リード・オンリーメモリー(ROM)、リード・ライトメモリー(RAM)を一体として内蔵したいわゆる1チップマイクロコンピューター等を搭載していることが一般的である。
このことから、この1チップマイクロコンピューターの機能を活用することで、受光素子5から出力される電気信号を電圧値としてアナログ・デジタル変換入力装置(A/D)で1チップマイクロコンピューターの内部に取り込み、1チップマイクロコンピューターの内部において前記の電気信号の違いに基づく液体2の有無の判断を実施するようにアルゴリズムを規定して、この規定したプログラムをリードオンリーメモリー(ROM)の上に保存することで液体2の判定手段を機器に新たな要素を付加することなく構成することができる。
このような構成によれば、検知の主体を成す、容器体1の外表面1aに対して光を照射する発光素子4と、および容器体1からの反射光を受光して、この受光した光の強度に応じた電気信号を出力する受光素子5を容器体1に近接させて並べた配置で液体2の検知を可能としていることから、機器搭載時の配置に広い空間を要さない、非接触の液体検知構成を提供することができる。
また、直接反射光遮蔽手段9により、発光素子4の照射光で、容器体1の側から反射光として受光素子5の側に戻る光の内、容器体1の内部の液体2の有無では変化せず、且つ、容器体1からの反射光の多くを占める容器体1の外表面1aで直接的に反射された光の受光素子5への入射を遮ることで、液体2の有無の検知の妨害要因を除きながら、屈折率を液体2に近接させた容器体1の内部に空気よりも屈折率が大きな液体2が有れば屈折の法則により発光素子4が照射した光の容器体1の内表面1bの側への透過性が増し、受光素子5の側への反射光強度は低下することとなり、この液体2の有無で変化する反射光強度の変化を受光素子5の出力する電気信号の変化として判定することで液体2の有無を検知できることから、検知対象の液体が透明体であっても検知を可能とする、非接触の液体検知構成を提供することができる。
(実施の形態2)
図6から図11において、実施の形態1と同様の構成要素については同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
本実施の形態は、実施の形態1の構成に対して、機器に容器体1を装着した状態で容器体1の部分が機器の外部に露出する構成や、あるいは機器から容器体1を着脱できる構成において、受光素子に対して機器の外部からの外来光の直接的な入射を防止する直接外来光入射防止手段14を合わせて備えて構成しているものである。
この直接外来光入射防止手段14について、図6から図8を用いて、まずは容器体1を装着した状態で容器体1が機器の外部に露出する機器における構成の一例を、水を活用して加湿機能を提供する家庭などで使用する一般的な加湿装置に基づいて説明する。
ここで、この一般的な加湿装置の構成は本考案の主要な要素では無いため詳細の説明は省くこととするが、概略は次に示すような構成となる。
図に示しているように、加湿装置は本体の主構成を成す装置外郭15の下側に使用者による手入が可能なように装置外郭15に対して横方向から着脱自在とした加湿のための水を溜める皿形状の加湿水トレー16を備えている。
また、加湿を行うための水は内部が中空の加湿水タンク17に蓄えており、この加湿水タンク17は加湿水トレー16を装置外郭15に装着した状態において、加湿水トレー16の一端に対して着脱自在の構成とすることにより、加湿の実施により加湿水タンク17に蓄えた水が空になったときに、使用者が加湿水タンク17のみを装置外郭15から取り外して水を補給でき構成としている。
装置外郭15の内部には外気を取り込み、再度、外部に吹き出す風の流れを生じさす送風装置18を内蔵している。
加湿水トレー16の内部には溜めている水に一部を浸す配置として毛細管現象に基づいて吸水し、その表面において吸水した水を蒸発させることで空気を加湿するための多孔性の加湿フィルター19を配している。
加湿水タンク17には図上、指示はしていないが水を入れるための注水口を備えて、この注水口にはネジ構造により着脱自在としたタンク蓋20を取り付けることで内部の水が外部に漏れないようにしている。
このタンク蓋20には図上、指示はしていないがバネの抗力に常時閉状態とする導水弁を備えており、加湿水タンク17を加湿水トレー16に対して装着するときにはタンク蓋20を下方向として、加湿水トレー16の定位置にタンク蓋20が接触した状態において、導水弁が開くことで加湿水トレー16の中の水深を規定した状態に保つように重力の作用により加湿水タンク17に蓄えた水を供給するように構成している。
ここで、加湿水トレー16や加湿水タンク17は前述の容器体1に対応するものであり、長期の使用において水に対して劣化や腐食が生じ難い樹脂材で構成しているものであり、さらには、加湿水タンク17は水の有無が装置の使用者により判断できるように内部が目視できる光透過体で構成されていることが一般的である。
また、装置外郭15や加湿水トレー16の構成材は自在な色のバリエーションや室内に調和する意匠性を考慮して、一般的には光の透過光により内部が透けて見えるような光透過材は用いらない。
このような加湿装置の構成により、装置外郭15に加湿水トレー16と加湿水タンク17を装着した状態において、加湿水トレー16に溜めた水に一部が浸る加湿フィルター19に対して送風装置18による風の流れが当たると加湿フィルター19の表面における水の蒸発により生じた加湿空気は、順次、装置外郭15の外部に吹き出すことで周囲を加湿して、加湿装置の機能を果たすこととなる。
ここで、加湿が進行していくと加湿水トレー16の中の水が消費され水位が下がり、順次、加湿水タンク17から水が供給されることとなるが、加湿水タンク17に蓄えた水の全てを供給し、さらに、加湿水トレー16に溜まった水も全て消費された渇水の状態となると、加湿装置としての主機能は失われることとなる。
よって、この加湿装置においては、この渇水の状態を使用者に報知することで水の供給を促す機能が装置として不可欠であり、このことから渇水の状態を検知して判断するための構成が必要となり重要であることが解る。
このような、加湿装置の構成において、渇水の状態を光の反射に基づいて判断するためには、図に示しているように装置外郭15に対する加湿水タンク17の取り外しや取り付けに差し障りを与えることが無いように、装置外郭15へ加湿水タンク17を取り付けた状態で、容器体1であるところの加湿水タンク17の最下部となるタンク蓋20の上部において、横方向から液体2となる水の有無を検知する方式が考えられる。
この方式の液体2の有無を検知する構成においては、加湿水タンク17に取り付けたタンク蓋20の上方を横方向から発光素子4の照射光で照らして反射光を受光素子5で受光する配置を前提として、直接外来光入射防止手段14は、発光素子4の光照射方向と受光素子5の受光方向が装置外郭15の内側に向くように検知構成外郭6を装置外郭15の内側に固設することで構成するものである。
同、直接外来光入射防止手段14の構成においては、加湿水タンク17の横方向から受光素子5の受光方向を装置外郭15の内側に向けて配置していることで、受光素子5の受光方向は装置外郭15の構成により機器の外部から遮蔽され、また加湿水タンク17を装置外郭15から取り外した状態においても、装置外郭15に対する加湿水タンク17の取
り外し方向と受光素子5の受光方向は直行することとなるために、外来光の受光素子5への直接的な入射を防ぐことができることなる。
また、前記の加湿装置の構成において、渇水の状態を光の反射に基づいて判断するためには、図9から図11に示しているように装置外郭15に対する加湿水トレー16の取り外しや取り付けに差し障りを与えることが無いように、装置外郭15へ加湿水トレー16を装着した状態において、容器体1であるところの加湿水トレー16の一部分において横方向から内部に溜めている液体2となる水の有無を検知する方式も考えられる。
この方式の液体2の有無を検知する構成においては、直接外来光入射防止手段14は加湿水トレー16の内部に液体2が溜まっている位置において、加湿水トレー16の側面を横方向から発光素子4の照射光で照らして反射光を受光素子5で受光する配置として、発光素子4の光照射方向と受光素子5の受光の方向が装置外郭15に対する加湿水トレー16の取り外し方向と直行する向きになるように検知構成外郭6を装置外郭15の内側に固設することで構成するものである。
このとき、加湿水トレー16はその全体を光透過体で構成しても良いが、発光素子4と受光素子5との対向面のみを溶着や接着により水漏れを防止した状態で光透過体にて部分的に構成しても良い。
同、直接外来光入射防止手段14の構成においては、受光素子5の受光方向は装置外郭15に対する加湿水トレー16の取り外し方向には向いていないことで、受光素子5の受光方向は装置外郭15の構成により機器の外部から遮蔽され、また加湿水トレー16を装置外郭15から図11にて矢印を付加して示しているように取り外した状態においても、装置外郭15に対する加湿水トレー16の取り外し方向と受光素子5の受光方向は直行させていることから、外来光の受光素子5への直接的な入射を防ぐことができることなる。
このような構成によれば、機器に容器体1を搭載した状態で容器体1の部分が機器の外部に露出する、あるいは機器から容器体1を着脱できる構成においても、直接反射光遮蔽手段9により外来光の受光素子5への直接的な入射を防ぐことができることなるために、受光素子5は液体の検知の主要因となる発光素子4の照射光以外の外来光の影響を受け難くなることから、液体の有無の検知を安定させることができることとなる。
また、容器体1であるところの加湿水タンク17の最下部となるタンク蓋20の上部において、横方向から液体2を検知する方式においては、図12から図13に示しているように液体2の検知位置となる容器体1であるところの加湿水タンク17の空間部3に遮光体21を配置することで、加湿水タンク17の上方向や側面方向からの間接光も含む外来光の受光素子5への入射を遮る構成とすることもできる。
この、遮光体21は装置外郭15に対して加湿水タンク17の取り付けた状態において加湿水タンク17の下方となるタンク蓋20の上部に配置するものであり、加湿水タンク17からタンク蓋20を外した状態において加湿水タンク17の開口部から入れ込み加湿水タンク17にタンク蓋20を取り付けることで、同時に加湿水タンク17の規定した位置に固定できるように加工しているものである。
また、発光素子4の光照射方向と受光素子5の受光の方向に対向させた位置には液体2の検知の妨げない大きさの光導通開口22を設けており、この光導通開口22の端部は加湿水タンク17の内表面1bとほぼ接触させる構成とすることで光導通開口22の端部からの外来光の入射もできるかぎり遮るようにしている。
さらには、遮光体21の天面と側面の下部には光が直進しては入射しないように壁を設けた通水開口部23を複数設けることで、加湿水タンク17への使用者による給水や加湿実施時の加湿水トレー16への水の供給を妨げないようにしている。
なお、遮光体21は長期の使用において水に対して劣化や腐食が生じ難い材料で構成することが望ましく、例えばポリエチレンやポリエチレンテレフタレートなどの光非透過性の着色樹脂材を用いて金型成形により作成しるものである。
このような構成によれば、機器に容器体1を搭載した状態で容器体1の部分が機器の外部に露出する構成においても、容器体1の内部に配置する遮光体21により装置外郭15の表面において反射する間接光も含む外来光の受光素子5への直接的な入射を防ぐことができることなるために、受光素子5は液体の検知の主要因となる発光素子4の照射光以外の外来光の影響をさらに受け難くなることから、液体の有無の検知をより安定させることができることとなる。