以下、本発明の各実施形態について図面を参照して説明する。
<1.第1実施形態>
[1−1.監視システムの概略]
図1は、第1実施形態に係る監視システム1Aの構成図である。図1に示されるように、監視システム1Aは、監視対象の所定区域(監視対象領域)の情報を取得する機器群(「ローカル機器群」とも称する)6と、当該ローカル機器群6とネットワークNTを介して接続された情報保管センター(「アーカイブセンター」とも称する)9とで構成されている。
ローカル機器群6は、複数の監視カメラ(撮像装置)2と、映像データを記憶および再生可能な画像記憶装置3と、各監視カメラ2からのケーブルおよび画像記憶装置3からのケーブルを集線するハブ装置4と、ローカル機器群6をネットワークNTに接続するためのルータ5とを有している。
ローカル機器群6では、各監視カメラ2によって監視対象領域に関する動画像の画像データ(「映像データ」とも称する)が取得される。監視カメラ2で取得された映像データには、監視カメラ2内の圧縮処理部によって動画像圧縮処理が施され、圧縮映像データが生成される。そして、圧縮映像データは、監視カメラ2に装着された記憶媒体21に記憶される。さらに、記憶媒体21に記憶された圧縮映像データは、同じローカル機器群6内の画像記憶装置3に、或いはネットワークNTを介してアーカイブセンター9に適宜送信される。
なお、記憶媒体21は、監視カメラ2に着脱自在に構成された不揮発性の記憶媒体であり、当該記憶媒体21としては、例えば、フラッシュメモリを備えたメモリカードが採用される。また上記では、監視カメラ2で生成された圧縮映像データを記憶媒体21に一旦記憶する態様としていたがこれに限定されず、監視カメラ2で生成された圧縮映像データを他の装置(画像記憶装置3またはアーカイブセンター9内の装置)に直接記憶する態様としてもよい。
ローカル機器群6の画像記憶装置3は、例えば、デジタルビデオレコーダー(DVR:Digital Video Recorder)で構成され、「ローカルDVR」とも称される。ローカルDVR3は、内蔵の記憶装置(例えば、HDD)に圧縮映像データを記憶する。
また、ローカルDVR3は、動画像の再生を行う機能を有しており、ローカルDVR3は、ローカルDVR3の記憶装置に記憶された圧縮映像データに基づいて動画像を再生させることができる。またさらに、ローカルDVR3は、再生する映像データ(「再生データ」とも称する)をアーカイブセンター9からネットワークNTを介して取得して動画像を再生させることもできる。
アーカイブセンター9は、ローカル機器群6から送信された圧縮映像データを記憶する画像記憶装置8と、監視システム1Aの運用および管理を行う運用管理装置7と、アーカイブセンター9をネットワークNTに接続するためのルータ5とを有している。
このような構成を有するアーカイブセンター9では、ネットワークNTを介してローカル機器群6から送信された圧縮映像データが画像記憶装置8に記憶される。画像記憶装置8は、例えば、デジタルビデオレコーダー(DVR)で構成され、内蔵の記憶装置(例えば、HDD)に圧縮映像データを記憶する。
また、運用管理装置7は、ローカルDVR3からの再生データの送信要求に応じて、送信要求の対象となった所定の圧縮映像データの検索を各画像記憶装置8に対して行う。そして、運用管理装置7は、検索により特定された所定の圧縮映像データを再生データとしてローカルDVR3に送信する。
なお、データの通信路としてのネットワークNTには、例えば、インターネット、イーサネット(登録商標)等の構内LAN、または公衆網等を採用することができる。また、ネットワークNTは、図1に示すように、1つに統合されている必要はなく、複数種類のネットワークが相互接続されていてもよい。
[1−2.運用管理装置の構成]
次に、運用管理装置7の構成について詳述する。図2は、運用管理装置7の構成を示すブロック図である。
図2に示されるように、運用管理装置7は、一般的なコンピュータとしての機能を有し、全体制御部11と、ワークメモリ12と、データ記憶部13と、第1通信部14と、第2通信部15とを備えている。また、運用管理装置7では、これらの各構成がバス19を介して相互に接続されている。
第1通信部14は、運用管理装置7をネットワークNTに接続するためのネットワークインターフェース機能を提供する。特に、第1通信部14は、圧縮映像データをパケット形式で送受信する機能を有している。
第2通信部15は、各画像記憶装置8との通信を行うためのインターフェースとして機能し、例えば、運用管理装置7は、第2通信部15を介して再生データを受信する。
データ記憶部13は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)で構成され、第2通信部15を介して受信した再生データを記憶する。
全体制御部11は、CPU、RAMおよびROM等で構成される。全体制御部11は、ROM内に格納されたプログラムを読み出し、当該プログラムをCPUで実行することによって、各要素12〜15を制御する。
また、全体制御部11は、プログラムの実行により、データ検索部111と、データ送信制御部112とを機能的に実現する。
データ検索部111は、ローカルDVR3からの再生データの送信要求に応じて、送信要求の対象となった所定の圧縮映像データの検索を各画像記憶装置8に対して行う。
データ送信制御部112は、データ検索部111によって検索された再生データの送信動作を制御する。例えば、データ送信制御部112は、ローカルDVR3によって指定された形式で再生データを送信させる機能を有している。
ワークメモリ12は、DRAM(Dynamic Random Access Memory)等の揮発性メモリで構成される。当該ワークメモリ12は、例えば、データ送信制御部112による処理の過程で一時的に再生データを保持するために用いられる。
このような構成を有する運用管理装置7は、ローカルDVR3からの要求に応じて、再生データをローカルDVR3に送信する送信装置として機能する。なお、本実施形態では、運用管理装置7から見た場合の再生データの移動を「送信」として表現し、監視システム1A全体から見た場合の再生データの移動を「伝送」として表現するが、いずれの表現も運用管理装置7とローカルDVR3との間の再生データの移動を表すものである。
[1−3.ローカルDVRの構成]
次に、ローカルDVR3の構成について詳述する。図3は、ローカルDVR3の構成を示すブロック図である。
図3に示されるように、ローカルDVR3は、ローカルDVR本体部30とモニタ(表示装置)31とで構成されている。ローカルDVR本体部30は、一般的なコンピュータとしての機能を有し、通信部301、受信データ格納メモリ302、映像データ記憶部303、伸張部304、ワークメモリ305、VRAM306、ビデオエンコーダ307、操作部309、および制御部310を備えている。また、ローカルDVR3では、上記各構成301〜306,310がバス308を介して相互に接続されている。
通信部301は、外部機器との通信を行うためのインターフェースとして機能する。特に、通信部301は、ネットワークNTを介して送信されてきた圧縮映像データを受信する機能を有している。
受信データ格納メモリ302は、例えば、DRAM(Dynamic Random Access Memory)等の揮発性メモリで構成され、当該受信データ格納メモリ302には、通信部301によって受信された再生データに関するデータが一時的に格納される。受信データ格納メモリ302に格納された再生データに対しては、データ構造を変更(調整)する処理が施され、圧縮映像データが生成される。
映像データ記憶部303は、例えば、フラッシュメモリ等の不揮発性メモリで構成され、圧縮映像データを記憶する。
伸張部304は、圧縮映像データを復号化する。
ワークメモリ305は、例えば、DRAM(Dynamic Random Access Memory)等の揮発性メモリで構成され、伸張部304による処理の過程で一時的に画像信号を保持するためのワークメモリとして機能する。
VRAM306は、データの書き込みと読み出しとを同時に実行可能な、いわゆるデュアルポート型のRAMであり、VRAM306には、伸張部304で復号化された映像データが、一旦格納される。
ビデオエンコーダ307は、VRAM306に格納された映像データを、デジタル形式からアナログ形式へ変換する。ビデオエンコーダ307が出力するアナログの映像データ(「アナログ映像データ」または「アナログ画像信号」とも称する)は、モニタ31へ入力され、モニタ31では、入力されたアナログ映像データに基づいた表示が行われる。
このように、伸張部304、ワークメモリ305、VRAM306、およびビデオエンコーダ307は、映像データの再生動作の実現に用いられる。
操作部309は、ローカルDVR3に設けられた各種ボタンおよびキーであり、操作者(オペレータ)がローカルDVR3に指示を入力するために用いられる。
制御部310は、CPU、ROM、およびRAM等で構成され、ROMに格納されたプログラムをCPUで実行して、上記各要素301〜307を制御する。
また、制御部310は、プログラムの実行により、指示制御部311と、受信データ確認部312と、データ生成部313とを機能的に実現する。
指示制御部311は、ローカルDVR3内の動作の実行指示を行うとともに、アーカイブセンター9で実行される動作の実行指示を行う。アーカイブセンター9に対する動作の実行指示としては、例えば、アーカイブセンター9の運用管理装置7に対して行う再生データの検索指示および再生データの送信指示がある。
受信データ確認部312は、通信部301によって受信されたデータを確認する機能を有している。また、受信データ確認部312は、計時手段315としてのタイマを備えており、当該タイマは、指示制御部311による再生データの送信指示時点からの経過時間を計測する。
データ生成部313は、受信データ格納メモリ302に格納された受信データのデータ構造を調整して、圧縮映像データを生成する。
このような構成を有するローカルDVR3は、通信部301によって受信された受信データに基づいて、映像データの再生を行う再生装置として機能する。
[1−4.監視システムの通信動作]
上述のように、監視システム1Aでは、ローカルDVR3の要求に応じて、アーカイブセンター9に記憶された映像データがアーカイブセンター9からローカルDVR3に送信され、ローカルDVR3において、当該映像データの再生が行われる。なお、下記のような手法にて再生データの伝送を行う監視システム1Aは、データ伝送システムとも称される。
以下では、アーカイブセンター9からローカルDVR3に映像データが送信される際の監視システム1Aの通信動作について説明する。図4は、再生データを送信する前の監視システム1Aにおける通信フローを示す図である。
監視システム1Aの通信動作が実行される前には、ローカルDVR3の操作者によって、画像記憶装置8に保存された映像データの中から、所定の監視対象領域を撮影した監視カメラ(「所定監視カメラ」とも称する)2Aの映像データが、再生データとして選択される。そして、その選択に基づいて図4に示される各動作が実行される。
具体的には、ステップSP1では、ローカルDVR3の指示制御部311によって、運用管理装置7に対して再生データの検索要求が行われる。再生データの検索要求を受けた運用管理装置7では、データ検索部111によって再生データの検索が行われる。
ステップSP2では、検索要求の応答として、運用管理装置7から再生データの情報(再生データ情報)がローカルDVR3に送信される。ローカルDVR3では、受信データ確認部312によって再生データ情報が確認される。再生データ情報には、再生データのフレームレート、1つのGOP(後述)を構成するフレーム数等の情報が含まれる。
ステップSP3では、ローカルDVR3の指示制御部311によって、運用管理装置7に対して再生データの送信要求が行われる。
そして、ステップSP4では、運用管理装置7のデータ送信制御部112によって、再生データの送信が開始される。
ここで、運用管理装置7から送信される再生データの構造について説明する。図5は、圧縮映像データ100の構造を示す図である。図6は、圧縮映像データの送信順序を示す図である。
画像記憶装置8には、映像データに所定の動画像圧縮方式による圧縮処理を施した状態の圧縮映像データが記憶されている。動画像圧縮方式としては、例えば、H.264、MPEG(Moving Picture Experts Group)−2、MPEG−4等が採用される。このようにして生成される圧縮映像データ100は、図5に示されるように、GOP(Group Of Picture)101と呼ばれる複数枚(例えば15枚程度)の画面の集合(フレームのグループ)と、各GOP101に付されたヘッダ情報(制御情報)102とで構成されている。
GOP101は、前後のフレームとは関係なく、符号化対象とするフレーム内の情報のみを用いた符号化によって得られるIフレーム(「基準フレーム」または「イントラフレーム」とも称する)と、参照画像に基づいたフレーム間予測を用いた符号化によって得られるPフレーム(「インターフレーム」とも称する)とで構成されている。また、1つのGOP101には、自身のフレーム内の情報で復号化して元の画面を復元可能なIフレームが一枚含まれている。なお、上記参照画像としては、IフレームまたはPフレームが用いられる。
また、GOP101内においては、注目するPフレーム(注目Pフレーム)が奇数番のPフレーム(奇数Pフレーム)である場合、当該注目Pフレームは、1つ前の奇数番のPフレームを参照して得られたフレームとなっている。また同様に、注目Pフレームが偶数番のPフレーム(偶数Pフレーム)である場合、当該注目Pフレームは、1つ前の偶数番のPフレームを参照して得られたフレームとなっている。なお、最初の奇数Pフレームと最初の偶数Pフレームとは、それぞれIフレームを参照して得られたフレームである。
ヘッダ情報102には、映像データの取得に関する情報(データ取得情報)および対応するGOP101の構成に関する情報(データ構成情報)が含まれている。データ取得情報としては、例えば、映像データを撮像したカメラ情報、映像データを撮像したときの時刻情報等が挙げられ、データ構成情報としては、例えば、GOP101の通し番号、GOP101に含まれるフレームに関する情報(フレーム種別、フレーム番号)等が挙げられる。
このような構造の圧縮映像データは、運用管理装置7のデータ送信制御部112と第1通信部14との協働によって、GOP101ごとに送信される。具体的には、1のGOP(「単位GOP」とも称する)101が圧縮映像データを送信する際のフレーム群として扱われ、当該フレーム群ごとに送信動作が実行される。なお、本実施形態では、1のGOP101が1のフレーム群(単位フレーム群)と一致するため、1のフレーム群に対して行われる送信動作を1のGOP101に対して行われる送信動作とも称する。
また、圧縮映像データを送信する際には、データ送信制御部112によって、GOP内のフレームの順序が変更される。具体的には、図6に示されるように、1つのGOP内では、Iフレームのフレームデータが送信された後に、偶数Pフレームのフレームデータが送信され、さらにその後に、奇数Pフレームのフレームデータが送信されることになる。すなわち、1のGOPにおける送信動作では、1つのフレームを1つのパケットとしてフレームごとに送信され、その送信順序は、フレームの種類に依存し、Iフレーム、偶数Pフレーム、奇数Pフレームの順となる。
このように、監視システム1Aでは、自身のフレーム内の情報を用いて単独で復号化可能なIフレームが他の種類のフレームより優先して先に送信される。
次に、再生データの伝送を伴う監視システム1Aの通信動作(「再生データの伝送動作」とも称する)について説明する。図7は、再生データを送信する際の監視システム1Aにおける通信フローを示す図である。
図7に示されるように、ステップSP11において、ローカルDVR3から運用管理装置7に対してデータ送信指示が出されると、運用管理装置7による再生データの送信が開始される。すなわち、ステップSP12では、データ送信指示を受けた運用管理装置7のデータ送信制御部112によって、1番目GOPのIフレームのフレームデータが送信される。
また、ステップSP11のローカルDVR3からのデータ送信指示に応じて、ローカルDVR3の受信データ確認部312は、タイマによる計時を開始する。
当該タイマは、予め設定された所定時間(「タイマ時間」とも称する)TM分の計時を行う機能を有している。具体的には、タイマは、タイマの計時時間KHがタイマ時間TMに達した場合、計時を終了して、タイマ時間TM経過したことを示す信号(「タイムアウト信号」とも称する)を出力する。なお、タイマ時間TMは、上記ステップSP2において取得された再生データ情報、詳細には再生データのフレームレートDRと、1のGOP(単位GOP)に含まれるフレーム数NFとを用いた式(1)で表される演算を行うことによって算出される。
式(1)に示されるように、単位GOPに含まれるフレーム数NFを再生データのフレームレートDRで除算することによって得られるタイマ時間TMは、実時間に対して遅延のない再生を実現するための単位GOPあたりの受信許容時間を表している。すなわち、タイマ時間TM内に単位GOP分のデータを受信できれば、ローカルDVR3では、実時間に対して遅延なく、再生データに基づく動画像を再生することが可能になる。
再生データの伝送動作の説明に戻って(図7)、ローカルDVR3において1番目GOPのIフレームの受信が完了すると、ステップSP13では、受信完了の応答がローカルDVR3から運用管理装置7に送信される。
Iフレームの受信完了の応答が運用管理装置7で受信されると、ステップSP14では、運用管理装置7のデータ送信制御部112によって、1番目GOPの偶数Pフレームのフレームデータが送信される。
ローカルDVR3において1番目GOPの偶数Pフレームの受信が完了すると、ステップSP15では、受信完了の応答がローカルDVR3から運用管理装置7に送信される。
偶数Pフレームの受信完了の応答が運用管理装置7で受信されると、ステップSP16では、運用管理装置7のデータ送信制御部112によって、1番目GOPの奇数Pフレームのフレームデータが送信される。
ローカルDVR3において1番目GOPの奇数Pフレームの受信が完了すると、ステップSP17では、受信完了の応答がローカルDVR3から運用管理装置7に送信される。
Iフレーム、偶数Pフレーム、および奇数Pフレームの各フレームデータの送信が完了すると、ステップSP18では、1番目GOPの再生データの送信が完了したことを示す応答が運用管理装置7からローカルDVR3に対して送信される。このような単位GOPの送信完了応答を受信したローカルDVR3では、受信データ確認部312によってタイマの計時が終了され、タイマの計時時間KHはリセットされる。
上述のステップSP11〜SP18に示される、1番目GOPの再生データの伝送動作が完了すると、ステップSP21において、次のGOP(ここでは、2番目のGOP)に関する再生データの送信指示がローカルDVR3から運用管理装置7に対して出される。運用管理装置7では、2番目GOPのデータ送信指示に応じて2番目GOPの再生データの伝送動作が開始される。当該2番目GOPの再生データの伝送動作(ステップSP21〜SP28)においても、上述の1番目GOPの再生データの伝送動作(ステップSP21〜SP28)と同様の各工程が実行される。以後、3番目、4番目とGOPの通し番号順に再生データの伝送動作が繰り返されることになる。
次に、このような再生データの伝送動作において、単位GOP分のデータ転送がスムーズに実行されない場合を想定する。図8は、単位GOP分のデータ転送がスムーズに実行されない場合の監視システム1Aにおける通信フローを示す図である。図9は、再生データの送信態様を示す図である。
図8では、ステップSP31において、ローカルDVR3から運用管理装置7に対してデータ送信指示が出される。データの送信指示を受けた運用管理装置7は、ステップSP32において、1番目GOPのIフレームのフレームデータの送信を開始する。
また、ステップSP31のデータ送信指示に応じて、ローカルDVR3の受信データ確認部312は、タイマによる計時を開始する。
ローカルDVR3において1番目GOPのIフレームの受信が完了すると、ステップSP33では、受信完了の応答がローカルDVR3から運用管理装置7に送信される。
Iフレームの受信完了の応答が運用管理装置7で受信されると、ステップSP34では、運用管理装置7のデータ送信制御部112によって、1番目GOPの偶数Pフレームのフレームデータが送信される。
ここで、図8の通信フローでは、ステップSP32およびステップSP34におけるフレームデータの送信がスムーズに行われなかったことから、タイマ時間TM内に単位GOP分のデータ伝送が完了しない状態となっている。このため、当該通信フローでは、ステップSP34の偶数Pフレームのフレームデータの送信が実行されている途中で、タイマの計時時間KHがタイマ時間TMに到達し、タイマから指示制御部311に対してタイムアウト信号が出力されることになる。
タイムアウト信号を受けた指示制御部311は、現在実行中の単位GOPに関する伝送動作を中止(終了)させるとともに、次のGOPに関する再生データの送信指示を運用管理装置7に対して行う(ステップSP41)。
この後、監視システム1Aにおいては、2番目GOPの再生データの伝送動作(ステップSP41〜SP44)、3番目GOPの再生データの伝送動作と順次に実行されるが、各伝送動作においてもタイマ時間TM内に単位GOP分のデータ伝送が完了しない場合は、その伝送動作が途中で中止されることになる。
なお、GOPを構成する全てのフレームデータを受信できなかった場合は、ローカルDVR3では、受信済みのフレームデータに基づいた再生が行われることになる。例えば、図8の通信フローでは、1番目および2番目GOPの再生データの伝送動作では、Iフレームのフレームデータの伝送は完了しているが、偶数Pフレームのフレームデータの伝送は完了していない状態となっている。この場合、ローカルDVR3では、受信できたIフレームのフレームデータに基づいた再生が行われることになる。
このように、Iフレームを他の種類のフレームよりも優先して先に送信させることによれば、タイマ時間TM内に再生データの伝送が完了しない場合でも、コマ送りのような不完全な動画像ではあるが、実時間に対して遅延のない動画像を再生できる可能性を高めることができる。
上述のように、タイマ時間TMは、実時間に対して遅延のない再生を実現するために要求される単位GOPあたりの受信時間を表している。このため、当該タイマ時間TM内に、単位GOPに関する伝送動作が完了しない場合に、当該単位GOPに関する伝送動作を中止して、次のGOPに関する伝送動作を開始することによれば、再生データの受信待ちによる再生の停止を防止することが可能になる。
また、単位GOPに関する再生データの伝送動作が中止される状態が続いた場合は、監視システム1Aでは、伝送する再生データのデータ量を低減させる処理(低減処理)が実行される。
具体的には、単位GOPに関する再生データの伝送動作の中止が所定回数連続して発生した(続いた)場合は、指示制御部311は、伝送対象(送信対象)とする再生データのデータ量を低減させる指示(「低減指示」とも称する)を運用管理装置7に対して行う。データ量の低減指示としては、例えば、Iフレーム以外の他のフレームを間引いて伝送対象とするフレーム数を減らすフレーム間引き指示がある。
図8では、N番目GOPの再生データの伝送動作を実行する際に、フレーム間引き指示が行われている。詳細には、ステップSP51において、N番目GOPに関する再生データの送信指示が行われるとともに、フレーム間引き指示が運用管理装置7に対して行われている。
フレーム間引き指示を受けた運用管理装置7では、データ送信制御部112によって、再生データの送信態様が変更され、Iフレーム以外の他の種類のフレームを間引いた態様で送信動作が行われることになる。具体的には、再生データの送信態様としては、図9に示されるように、GOPに含まれる全種類のフレームを送信する通常送信NSと、GOPに含まれるIフレームおよび偶数Pフレームを送信する第1限定送信RT1と、GOPに含まれるIフレームを送信する第2限定送信RT2とが存在する。フレーム間引き指示を受けた場合は、再生データの送信態様が一段階引き下げられる。すなわち、再生データの送信が通常送信NSで行われていた場合は、送信態様が第1限定送信RT1に引き下げられ、再生データの送信が第1限定送信RT1で行われていた場合は、送信態様が第2限定送信RT2に引き下げられる。
例えば、図8の通信フローにおいて、1番目のGOPに関する伝送動作からN−1番目のGOPに関する伝送動作まで、再生データの送信が通常送信NSで行われていた場合は、送信態様が通常送信NSから第1限定送信RT1に引き下げられることになる。また、1番目のGOPに関する伝送動作からN−1番目のGOPに関する伝送動作まで、再生データの送信が第1限定送信RT1で行われていた場合は、送信態様が第1限定送信RT1から第2限定送信RT2に引き下げられることになる。
なお、伝送する再生データのデータ量を低減させる処理には、上記間引き処理の他に、例えば再生データをさらに圧縮させる処理も含まれる。
このように、監視システム1Aにおける再生データの伝送動作では、送信対象とされる現状の再生データのデータ量では、再生データの伝送が完了できない場合に、送信態様を変更して送信する再生データのデータ量が低減される。これによれば、再生動作に利用されない無駄なデータをネットワークNTに流すことがなくなるので、ネットワークNTへの負荷を軽減することが可能になる。
なお、伝送動作の中止回数は、ローカルDVR3の受信データ確認部312によってカウントされる。なお、伝送動作の中止回数のカウントに代えて、受信データ確認部312では、タイムアウト信号の出力回数をカウントしてもよい。
次に、再生データの伝送動作において、再生データの送信態様が通常送信NS以外であったときに、単位GOP分のデータ転送がスムーズに実行される場合を想定する。なお、ここでは、通常送信NS以外の送信態様として、第2限定送信RT2が選択されているものとする。図10は、再生データの送信態様として第2限定送信RT2が選択されていたときに、単位GOP分のデータ転送がスムーズに実行される場合の監視システム1Aにおける通信フローを示す図である。
図10では、ステップSP61において、ローカルDVR3から運用管理装置7に対して、次のGOPに関する再生データの送信指示が出される。データの送信指示を受けた運用管理装置7は、ステップSP62において、1番目GOPのIフレームのフレームデータの送信を開始する。
また、ステップSP61のデータ送信指示に応じて、ローカルDVR3の受信データ確認部312は、タイマによる計時を開始する。
ローカルDVR3において1番目GOPのIフレームの受信が完了すると、ステップSP63では、受信完了の応答がローカルDVR3から運用管理装置7に送信される。
Iフレームの受信完了の応答が運用管理装置7で受信されると、ステップSP64では、1番目GOPの再生データの送信が完了したことを示す応答が運用管理装置7からローカルDVR3に対して送信される。このような単位GOPの送信完了応答を受信したローカルDVR3では、受信データ確認部312によってタイマの計時が終了される。
このとき、ローカルDVR3においては、受信データ確認部312によって、タイマの計時時間KHが1/2タイマ時間よりも短いか否かに基づいて、1番目GOPの再生データの伝送動作が1/2タイマ時間内に完了したか否かが特定される。そして、伝送動作が1/2タイマ時間内に完了したか否かの特定の後に、タイマの計時時間KHはリセットされる。
この後、監視システム1Aにおいては、2番目GOPの再生データの伝送動作(ステップSP71〜SP74)、3番目GOPの再生データの伝送動作とGOPの通し番号に従って単位GOPに関する再生データの伝送動作が順次に実行されることになる。
順次に実行される各伝送動作において、単位GOPに関する再生データの伝送動作が1/2タイマ時間内に完了する状態が続いた場合は、監視システム1Aでは、伝送する再生データのデータ量を増加させる処理(増加処理)が実行される。
具体的には、単位GOPに関する再生データの伝送動作が1/2タイマ時間内に完了する状態が所定回数続いた場合は、指示制御部311は、伝送対象とする再生データのデータ量を増加させる指示(増加指示)を運用管理装置7に対して行う。データ量を増加させる指示としては、例えば、Iフレーム以外の他のフレームを追加して伝送対象とするフレーム数を増やすフレーム追加指示がある。
図10では、M番目GOPの再生データの伝送動作を実行する際に、フレーム追加指示が行われている。詳細には、ステップSP81において、M番目GOPに関する再生データの送信指示が行われるとともに、フレーム追加指示が運用管理装置7に対して行われている。
フレーム追加指示を受けた運用管理装置7では、データ送信制御部112によって、再生データの送信態様が変更され、Iフレーム以外の他の種類のフレームを追加した態様で送信動作が行われることになる。再生データの送信態様は、上述のように(図9参照)、通常送信NSと、第1限定送信RT1と、第2限定送信RT2とが存在し、フレーム追加指示を受けた場合は、再生データの送信態様が一段階引き上げられる。すなわち、再生データの送信が第1限定送信RT1で行われていた場合は、送信態様が通常送信NSに引き上げられ、再生データの送信が第2限定送信RT2で行われていた場合は、送信態様が第1限定送信RT1に引き上げられる。
図10の通信フローでは、1番目GOPに関する伝送動作からN−1番目GOPに関する伝送動作まで、再生データの送信が第2限定送信RT2で行われているので、送信態様が第2限定送信RT2から第1限定送信RT1に引き上げられることになる。そして、M番目GOPに関する伝送動作(ステップSP81〜SP86)では、Iフレームのフレームデータの送信(ステップSP82)と、偶数Pフレームのフレームデータの送信(ステップSP84)とが行われることになる。
このように、監視システム1Aにおける再生データの伝送動作においては、伝送する再生データのデータ量を低減させる低減処理が既に実行されていたときに、現状の再生データのデータ量では、再生データの伝送が比較的短時間で完了する場合に、送信態様を変更して伝送する再生データのデータ量が増加される。これによれば、ネットワークNTの伝送容量に応じた最適なデータ量の再生データをネットワークNTに流すことができるので、ネットワークNTの伝送容量内で許容される最良の動画像を再生することが可能になる。
なお、伝送動作が1/2タイマ時間内に完了する回数は、ローカルDVR3の受信データ確認部312によってカウントされる。
また、上記1/2タイマ時間は、次のような技術的前提に基づいて設定されている。図11は、1のGOPにおけるフレームデータの送信順序を示す図である。
具体的には、上述のように、1のGOP101は、Iフレーム、偶数Pフレームおよび奇数Pフレーム106で構成され、当該GOP101の送信は、図11に示されるように、Iフレーム105、偶数Pフレーム106、奇数Pフレーム106の順で行われる。
ここで、Iフレーム105のデータ量は、7枚の偶数Pフレーム106の合計データ量とほぼ等しくなるとともに、7枚の奇数Pフレーム107の合計データ量ともほぼ等しくなっている。このため、Iフレーム105のフレームデータの送信が1/2タイマ時間内で完了している場合、Iフレーム105と同様のデータ量を有する偶数Pフレーム106のフレームデータの送信も残りの1/2タイマ時間内に完了できる可能性が高い。すなわち、第2限定送信RT2で行われていた単位GOPに関する伝送動作が、1/2タイマ時間内で完了している場合、送信態様を第2限定送信RT2から第1限定送信RT1に引き上げたとしても、単位GOPに関する伝送動作は、タイマ時間内TMに完了できる可能性が高い。
このように、再生データの送信態様を引き上げる際に用いられる閾値には、再生データの送信態様を引き上げた場合に、単位GOPに関する伝送動作をタイマ時間TM内に完了できることを保障する時間(ここでは、1/2タイマ時間)が採用される。
以上のように、監視システム1Aは、所定の動画像圧縮方式の圧縮処理によって生成される、単独で復号化可能なIフレームおよび当該Iフレーム以外の他のフレームで構成された再生データを送信する運用管理装置7と、通信路としてのネットワークNTを介して伝送された再生データに基づいて、映像の再生を行うローカルDVR3とを備えている。そして、ローカルDVR3は、運用管理装置7に対して所定動作の実行指示を行う指示制御部311と、タイマ時間TM分の計時を行う計時手段とを有している。また、運用管理装置7は、指示制御部311からの実行指示に応じて再生データの送信動作を制御するデータ送信制御部112を有している。ここで、データ送信制御部112は、再生データの送信を少なくとも1のIフレームを含むフレーム群ごとに行うとともに、フレーム群におけるIフレームを当該フレーム群における他のフレームよりも優先して送信し、指示制御部311は、単位フレーム群の送信動作がタイマ時間TM内に完了しない場合は、実行中の送信動作を中止させ、次の単位フレーム群の送信指示を行う。
このような構成を有する監視システム1Aによれば、単位フレーム群ごとの伝送動作に対してタイマ時間TM分の伝送時間を確保しつつ、単独で復号化可能なIフレームを他のフレームよりも優先して送信するので、ネットワークNTを介して伝送された再生データに基づく再生を実時間で実行できる可能性を高めることができる。
また、監視システム1Aは、単位フレーム群ごとの伝送動作における伝送達成状況に応じて、再生データの送信態様を変更し、送信する再生データのデータ量を調整するので、ネットワーク帯域を測定することなく、ネットワークNTの状態に応じた適正なデータ通信を行うことが可能になる。すなわち、監視システム1Aによれば、ネットワークNTの帯域の変化(ネットワークNTの揺らぎ)に対する耐性を高めることができる。
<2.第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態について説明する。第2実施形態に係る監視システム1Bでは、複数の監視カメラ2によって取得された複数の再生データが、アーカイブセンター9からネットワークNTを介して取得され、複数の再生データに関する動画像をローカルDVR3にて同期して再生させる。なお、監視システム1Bは、第1実施形態に係る監視システム1Aとほぼ同様の構造および機能を有しており、共通する部分については同じ符号を付して説明を省略する。図12および図13は、モニタ31の表示態様を示す図である。図14は、第2実施形態に係る圧縮映像データの送信順序を示す図である。図15は、再生データを送信する際の監視システム1Bにおける通信フローを示す図である。
上述のように、第2実施形態に係る監視システム1BのローカルDVR3は、複数の監視カメラ2に関する各再生データをアーカイブセンター9から取得し、各再生データに基づく映像を同期して再生させる(図1参照)。ローカルDVR3で複数の映像を再生したときは、モニタ31の画面は複数に分割され、各分割画面で複数の映像が同期して表示される。例えば、図12には、4つの監視カメラ2で取得された各映像を4つに等分されたモニタ31の画面に表示する場合の態様が示されている。また、図13には、16の監視カメラ2で取得された各映像を16に等分されたモニタ31の画面に表示する場合の態様が示されている。
圧縮映像データをアーカイブセンター9からローカルDVR3に伝送する際には、運用管理装置7のデータ送信制御部112によって、1回の送信動作の単位となるフレーム群に含まれるフレームの順序が変更される。具体的な送信順序は、図14の通りであり、単位フレーム群内では、各監視カメラ2A〜2NのIフレームのフレームデータが送信された後に、各監視カメラ2A〜2Nの偶数Pフレームのフレームデータと、各監視カメラ2A〜2Nの奇数Pフレームのフレームデータとがこの順序で順次に送信される。すなわち、各再生データにおける単位GOPを統合したものが、本実施形態における送信の際のフレーム群として扱われ、データ送信制御部112では、当該フレーム群におけるフレームの送信順序が変更される。
監視システム1Bにおける単位フレーム群に関する再生データの伝送動作は、図15の様になる。具体的には、まず、ステップSP91において、ローカルDVR3から運用管理装置7に対してデータ送信指示が出される。また、当該データ送信指示に応じて、ローカルDVR3の受信データ確認部312は、タイマによる計時を開始する。なお、ここでのタイマ時間TMも、上記式(1)で表される演算によって取得される値が用いられ、実時間に対して遅延のない再生を実現するために単位フレーム群あたりに割り当てられた伝送時間は、当該タイマ時間TMとなる。
ステップSP92では、データ送信指示を受けた運用管理装置7のデータ送信制御部112によって、1番目フレーム群の監視カメラ2Aに関するIフレームのフレームデータが送信される。
ローカルDVR3において1番目フレーム群の監視カメラ2Aに関するIフレームの受信が完了すると、ステップSP93では、受信完了の応答がローカルDVR3から運用管理装置7に送信される。
Iフレームの受信完了の応答が運用管理装置7で受信されると、ステップSP94では、運用管理装置7のデータ送信制御部112によって、1番目フレーム群の監視カメラ2Bに関するIフレームのフレームデータが送信される。
ローカルDVR3において1番目フレーム群の監視カメラ2Bに関するIフレームの受信が完了すると、ステップSP95では、受信完了の応答がローカルDVR3から運用管理装置7に送信される。
この後、引き続き1番目フレーム群の各監視カメラ2C〜2Nに関するIフレームのデータ伝送が行われる。
そして、1番目フレーム群の監視カメラ2Bに関するIフレームのフレームデータの送信(ステップSP96)およびこれに関する受信完了の応答(ステップSP96)が終了すると、次は、1番目フレーム群の各監視カメラ2A〜2Nに関する偶数Pフレームのデータ伝送工程GP1が行われることになる。偶数Pフレームのデータ伝送工程GP1が終了すると、次は、奇数Pフレームのデータ伝送工程KP1が行われる。
このように、単位フレーム群ごとの伝送動作に対してタイマ時間TM分の伝送時間を確保しつつ、単位フレーム群を構成するフレームのうち、各監視カメラ2A〜2Nに関するIフレームを他の種類のフレームよりも優先して先に送信することによれば、タイマ時間TM内に再生データの伝送が完了しない場合でも、実時間に対して遅延のない動画像を再生できる可能性を高めることができる。
なお、一度に再生する監視カメラ2の映像の数が増えるに従って、伝送されるデータ量が増大するため、タイマ時間TM内に各再生データの伝送を完了することがより困難になる。このため、一度に再生する監視カメラ2の映像の数が増えるに従って、本実施形態の監視システム1Bの構成によって奏する効果は、より大きくなる。
<3.変形例>
以上、この発明の実施の形態について説明したが、この発明は、上記に説明した内容に限定されるものではない。
例えば、ローカルDVR3内に設けられた、アーカイブセンター9からローカルDVR3に伝送された再生データを一旦格納する受信データ格納メモリ302を下記のような構成としてもよい。図16は、変形例に係る受信データ格納メモリ302の構成を示す図である。
上述のように、アーカイブセンター9から送信されるフレームデータは、Iフレーム、偶数Pフレーム、奇数Pフレームの順であるため、ローカルDVR3においては、データ生成部313によって、フレームデータの順序を入れ替えてデータ構造を調整するソート処理が行われている。当該ソート処理は、受信データ格納メモリ302を用いて行われるが、変形例では、受信データ格納メモリ302が2つ設けられている。
具体的には、図16に示されるように、1番目GOPの再生データの伝送動作期間PB1では、受信データ格納メモリ302Aに1番目GOPの再生データが格納される。そして、次の2番目GOPの再生データの伝送動作期間PB2では、1番目GOPの再生データに対してソート処理が施されるとともに、受信データ格納メモリ302Bに2番目GOPの再生データが格納される。2番目GOPの再生データの伝送動作期間PB2において、ソート処理後の再生データは、映像データ記憶部303に転送され、3番目GOPの再生データの格納に備えられる。
なお、各受信データ格納メモリ302A,302Bには、一度に単位GOP分の再生データが格納されることになるので、受信データ格納メモリ302A,302Bの容量は、単位GOP分の再生データを格納可能な容量とすればよい。
このように、受信データ格納メモリ302を2つ設けた構成とすることによれば、受信したデータのソート処理と、データの受信処理とを同時に行うことができるので、再生データの伝送動作を円滑に行うことが可能になる。
また、上記第2実施形態におけるローカルDVR3の映像データ記憶部303は、図17に示されるように、監視カメラ2A〜2Nごとに再生データを格納可能な構成としてもよい。そして、ローカルDVR3は、1GOP分の再生データが格納された時点から動画像の再生を行うようにしてもよい。
また、上記各実施形態では、圧縮映像データのGOP101が、IフレームとPフレームとで構成される場合を例示したがこれに限定されず、GOPは、過去と未来の双方向からの予測符号化によって得られるBフレームをさらに含んでいてもよい。この場合、Bフレームは、IフレームおよびPフレームとは異なる種類のフレームとして取り扱い、その送信順序は、Pフレームの後としてもよい。
また、上記各実施形態の監視システム1A(1B)では、ローカル機器群6を1つ有する構成としていたが、これに限定されない。図18は、変形例に係る監視システム1Cの構成図である。
具体的には、図18に示されるように、監視システム1Cは、複数のローカル機器群6A,6Bを有する構成であってもよい。なお、この場合、ローカルDVR3では、各ローカル機器群6A,6Bの監視カメラ2で取得された映像を再生可能としてもよい。
また、上記各実施形態では、アーカイブセンター9からローカル機器群6に再生データを伝送してローカル機器群6で再生データに基づく再生を行っていたが、これに限定されない。具体的には、ローカル機器群6からアーカイブセンター9に再生データを伝送してアーカイブセンター9の運用管理装置7で再生データに基づく再生を行ってもよい。