以下、実施の形態について、図面を参照して説明する。
(第1実施形態)
図1乃至図4は、第1実施形態に係るテレビジョン受像機1を開示している。テレビジョン受像機1は、「電子機器」の一例である。図1に示すように、テレビジョン受像機1は、表示ユニット2と、この表示ユニット2を支持するスタンド3とを有する。スタンド3は、「電子機器」の別の一例であるとともに、「支持ユニット」、「支持部」、「台」、「接続機」、「拡張装置」の其々一例である。
図2に示すように、表示ユニット2は、スタンド3に着脱可能に支持されている。すなわち、テレビジョン受像機1は、表示ユニット2がスタンド3に支持された第1状態(図1参照)と、表示ユニット2がスタンド3から取り外された第2状態(図3参照)とで使用可能である。
図1に示すように、表示ユニット2は、第1筐体4と、この第1筐体4に収容された表示装置5とを有する。第1筐体4は、前壁11(上壁)、第1背壁12(第1底壁)、第2背壁13(第2底壁)、傾斜部14、及び周壁15を有する。前壁11は、「壁」、「壁部」の其々一例である。表示装置5は、タッチセンサ16が設けられた表示画面17を有する。第1筐体4の前壁11は、表示画面17が露出される開口部11aを有する。
図3に示すように、表示ユニット2は、スタンド3から取り外され、載置面S(例えば机上面)に直接に置かれて使用可能である。表示ユニット2の前端部には、第1コネクタ18が設けられている。
図2に示すように、スタンド3は、第2筐体21を有する。第2筐体21は、底壁22と、ホルダ23とを有する。ホルダ23は、「保持部」の一例である。図4に示すように、ホルダ23は、開口部24を有する。この開口部24には、表示ユニット2(第1コネクタ18)に接続される第2コネクタ25が設けられている。第2コネクタ25は、後述の第2実施形態と同様の構造で支持され、移動可能である。
なお、表示ユニット2の詳細は、第2実施形態の電子機器31と略同じである。スタンド3の詳細は、第2実施形態のドック32と略同じである。従って、第2実施形態を代表して詳しく説明することで、本実施形態におけるこれらの詳細な説明は省略する。
(第2実施形態)
次に、図5乃至図50を参照して、第2実施形態に係る電子機器31を説明する。電子機器31は、例えばスレート型ポータブルコンピュータ(以下、スレートPC)であり、いわゆるタブレット端末である。なお、本実施形態が適用可能な電子機器は、上記例に限られない。本実施形態は、例えばスマートフォンを含む携帯電話や電子書籍端末、及びその他の電子機器に広く適用可能である。電子機器31は、「表示ユニット」の一例である。
図5乃至図8に示すように、電子機器31は、筐体4を有する。筐体4は、「第1筐体」の一例である。筐体4は、例えば扁平な箱状に形成されている。筐体4は、第1端部4aと、第2端部4bとを有する。第1端部4aは、例えば前端部である。第2端部4bは、例えば後端部であり、第1端部4aとは反対側に位置する。なお本明細書では、ユーザーから見て近い方を「前」、遠い方を「後」と定義する。また、ユーザーから見て左右を定義する。
図9に示すように、筐体4には、表示装置5が収容されている。表示装置5は、表示画面17を有する。この表示画面17には、タッチセンサ16(タッチパネル)が設けられている。タッチセンサ16は、表示画面17に重ねられ、表示画面17と一体になっている。これにより、電子機器31は、ユーザーからの入力を受付可能である。タッチセンサ16は、「入力部」の一例である。なお、表示装置5の一例は、液晶表示パネルであるが、これに限定されるものではない。
以下、電子機器31の各部の構造を詳しく説明する。
(筐体のクサビ形構造)
図5乃至図8に示すように、筐体4は、上壁11(前壁)、第1底壁12(第1背壁)、第2底壁13(第2背壁)、傾斜部14、及び周壁15を有する。上壁11は、「壁」、「壁部」の其々一例である。上壁11は、表示画面17と略平行に広がり、平面状に形成されている。上壁11は、第1端部4aと第2端部4bとに亘る。
上壁11は、表示画面17が外部に露出される開口部11aを有する。上壁11は、比較的薄い。このため、上壁11の表面と表示画面17とは、略同一平面上に位置する。上壁11は、表示画面17が露出される「第1面」及び「第1壁」の其々一例である。
図6に示すように、第1底壁12、第2底壁13、及び傾斜部14は、上壁11とは反対側に位置する。すなわち、第1底壁12、第2底壁13、及び傾斜部14は、上壁11とは反対側から表示装置5に向かい合う。第1底壁12、第2底壁13、及び傾斜部14は、「第2面」及び「第2壁」の其々一例である。図7に示すように、第1底壁12、第2底壁13、及び傾斜部14は、筐体4の長手方向(幅方向)で、其々筐体4の全幅に亘る。
図6に示すように、第1底壁12は、筐体4の第1端部4aに隣接し、第1端部4aの一部を構成している。第1底壁12は、表示画面17と略平行に延びている。第1底壁12と表示画面17との間の距離は、第1距離t1である。第1距離t1は、筐体4の厚さ方向の幅であり、「第1幅」及び「第1厚さ」の其々一例である。第1底壁12は、複数の第1支持脚33(脚、脚部、支持部)を有し、第1支持脚33によって支持される。
第2底壁13は、筐体4の第2端部4bに隣接し、第2端部4bの一部を構成している。第2底壁13は、表示画面17と略平行に延びている。第2底壁13と表示画面17との間の距離は、第2距離t2である。第2距離t2は、筐体4の厚さ方向の幅であり、「第2幅」及び「第2厚さ」の其々一例である。第2距離t2は、第1距離t1よりも大きい。第2底壁13は、複数の第2支持脚34(脚、脚部、支持部)を有し、第2支持脚34によって支持される。第2支持脚34は、第1支持脚33よりも高い(厚い)。
図6に示すように、傾斜部14(傾斜壁)は、第1底壁12と第2底壁13との間に位置し、第1底壁12と第2底壁13とに亘る。すなわち、傾斜部14は、第1底壁12の後端部と第2底壁13の前端部とを繋ぐ。傾斜部14は、表示画面17に対して傾斜している。傾斜部14は、第1底壁12から第2底壁13に向かって進むに従い表示画面17から離れる向きに傾斜し、第1底壁12と第2底壁13との間の段差を滑らかに繋いでいる。
以上のように、第2底壁13は、第1底壁12に比べて、上壁11(表示画面17)から離れている。すなわち、筐体4の第2端部4bは、第1端部4aよりも厚い。また、第1底壁12と第2底壁13との間には、それらの間を滑らかに繋ぐ傾斜部14が設けられている。これにより、筐体4は、クサビ形(クサビ状)に形成されている。
図6に示すように、第1支持脚33及び第2支持脚34が載置面Sに置かれた(接した)状態では、上壁11(表示画面17)は、載置面Sに対して後上がりに傾斜する。本実施形態では、上壁11(表示画面17)は、載置面Sに対して例えば約5度傾斜する。第1底壁12及び第2底壁13は、第1支持脚33及び第2支持脚34に支持され、載置面Sに対して後上がりに傾斜して載置面Sから離れる。
傾斜部14は、第1支持脚33と第2支持脚34とを繋ぐ線(仮想線)よりも上壁11の近くに位置する。これにより、第1支持脚33及び第2支持脚34が載置面Sに置かれた(接した)状態では、傾斜部14は、載置面Sから離れる。
図5に示すように、開口部11aは、第1縁部11aaと、第2縁部11bbとを有する。第1縁部11aaは、例えば前縁部である。第1縁部11aaは、筐体4の第1端部4aに沿う。第2縁部11abは、例えば後縁部であり、第1縁部11aaとは反対側に位置する。第2縁部11abは、筐体4の第2端部4bに沿う。
少なくとも平面視において、第2支持脚34の少なくとも一部は、開口部11aの第2縁部11abよりも、第1支持脚33から遠くに位置する。すなわち、第2支持脚34の少なくとも一部は、開口部11aの第2縁部11abよりも、後側に位置する。換言すれば、開口部11aの第2縁部11abは、第2支持脚34の少なくとも一部と第1支持脚33との間に位置する。このため、ユーザーが表示画面17(タッチセンサ16)のどこを押しても、電子機器31はバランスを崩しにくい。
図5乃至図8に示すように、周壁15は、上壁11とは交差する方向(例えば略直交する方向)に延び、上壁11と、第1底壁12、第2底壁13、及び傾斜部14とを繋ぐ。周壁15は、前壁36、後壁37、第1側壁38(右側壁)、及び第2側壁39(左側壁)を含む。
前壁36は、筐体4の第1端部4aに位置し、筐体4の長手方向に延びている。後壁37は、前壁36とは反対側に位置し、前壁36と略平行に延びている。第1側壁38及び第2側壁39は、前壁36及び後壁37とは交差する方向(例えば略直交する方向)に延び、前壁36と後壁37との間を繋ぐ。
図5に示すように、第1コネクタ18は、筐体4の第1端部4aに設けられている。具体的には、前壁36には、開口部40が設けられている。第1コネクタ18は、開口部40に設けられている。第1コネクタ18は、後述するドック32に接続されるドッキングコネクタであり、バッテリコネクタの一例である。なお、開口部40は、カバー41が着脱可能に取り付けられる。なお、第2端部4bには、カメラ19が設けられている。
図6に示すように、第1側壁38は、例えば複数の排気孔42(開口部)が設けられている。排気孔42は、上壁11と第2底壁13との間に位置する。また、第1側壁38には、複数のコネクタ43と、コネクタ43に対応した複数の開口部44とが設けられている。コネクタ43は、筐体4に収容されるともに、開口部44から筐体4の外部に露出されている。コネクタ43の一例は、USB(Universal Serial Bus)であるが、これに限定されるものではない。
図6に示すように、コネクタ43の一つは、上壁11と傾斜部14との間に位置する。コネクタ43は、傾斜部14よりも上壁11(表示画面17)寄りに位置する。すなわち、コネクタ43と上壁11との間の距離は、コネクタ43と傾斜部14との間の距離よりも小さい。これにより、電子機器31が載置面Sに置かれたとき、コネクタ43は、載置面Sから比較的高く位置し、ユーザーが使用しやすい。図5に示すように、コネクタ43の上部には、メカニカルスイッチ45が設けられている。
図8に示すように、第2側壁39には、第1側壁38と同様に、コネクタ43と、コネクタ43に対応した開口部44とが設けられている。コネクタ43は、上壁11と傾斜部14との間に位置する。コネクタ43は、傾斜部14よりも上壁11(表示画面17)寄りに位置する。
次に、筐体の内部構造を説明する。
図9に示すように、筐体4は、ベース47(下カバー、第1部材)と、マスク48(上カバー、第2部材)とを有する。ベース47は、第1底壁12、第2底壁13、傾斜部14、前壁36、後壁37、第1側壁38、及び第2側壁39を含み、上方が開放された椀状に形成されている。ベース47は、例えば金属製であり、筐体4に強度を与えている。一方、マスク48は、上壁11を含む。マスク48は、表示装置5を覆う化粧部材であり、比較的薄い。マスク48は、金属製でもよく、プラスチック製でもよい。
ベース47とマスク48との間には、タッチセンサ16、表示装置5、及びミドルプレート49(ミドルベース、ミドルフレーム)が設けられている。ミドルプレート49は、補強部材の一例であり、例えば金属製である。ミドルプレート49とベース47とによって、筐体4の強度が確保されている。ミドルプレート49の上面には、表示装置5に対応した凹部が設けられている。
表示装置5及びタッチセンサ16は、ミドルプレート49とマスク48との間で支持される。なお本実施形態では、表示装置5及びタッチセンサ16は、ねじ固定されない。表示装置5及びタッチセンサ16は、マスク48がミドルプレート49に固定されることで、マスク48がミドルプレート49に間に挟まれて保持される。
図10及び図11に示すように、筐体4内には、第1基板51(第1回路基板)、第2基板52(第2回路基板)、ファン53、ヒートシンク54、及びヒートパイプ55が収容されている。第1基板51、第2基板52、ファン53、ヒートシンク54、及びヒートパイプ55は、ベース47とミドルプレート49との間に設けられている。
第1基板51は、例えばメインボードであり、表示装置5に電気的に接続されている。第1基板51は、第1底壁12を外れて設けられ、第2底壁13及び傾斜部14に向かい合う。すなわち、第1基板51は、表示装置5と第2底壁13との間に位置した部分を有する。第1基板51は、筐体4の長手方向で、筐体4の略中央部に設けられている。
第1基板51の下面は、発熱部品56が実装されている。発熱部品56の一例は、CPU(Central Processing Unit)であるが、これに限定されるものでない。発熱部品56は、放熱が望まれる種々の部品が適宜該当する。発熱部品56は、表示装置5と第2底壁13との間に位置する。
図10及び図11に示すように、ヒートシンク54は、排気孔42に向かい合う。ヒートシンク54は、例えば複数のフィンを有したフィンユニットである。ヒートパイプ55は、発熱部品56とヒートシンク54との間に延び、発熱部品56とヒートシンク54とを熱的に接続している。
ファン53は、第1基板51とヒートシンク54との間に位置する。すなわち、ファン53は、表示装置5と第2底壁13との間に位置する。ファン53は、第2底壁13に向かい合う第1面(図示せず)と、この第1面とは反対側に位置し、表示装置5(上壁11)に向かい合う第2面53aとを有する。
ファン53は、遠心タイプであり、第1面及び第2面53aに其々吸気口53bを有する。また、ファン53は、ヒートシンク54に向かい合う吐出口53c(排気口)を有する。ファン53は、吸気口53bから空気を吸い込み、吐出口53cからヒートシンク54に向けて風を送る。これにより、発熱部品56の放熱が促進される。
第2基板52は、第1基板51に対してファン53とは反対側に位置する。すなわち、第2基板52とファン53との間に第1基板51が位置する。換言すれば、第2基板52とファン53は、筐体4の長手方向で、第1基板51の両側に分かれて位置する。第2基板52は、第1基板51に電気的に接続されている。第2基板52は、「モジュール」の一例である。なお、「モジュール」は、基板に限定されず、その他の部品でもよい。第2基板52は、表示装置5と第2底壁13との間に位置する。
図12乃至図16は、第2基板52を示す。第2基板52は、第2底壁13に向かい合う第1面52aと、この第1面52aとは反対側に位置し、表示装置5(上壁11)に向かい合う第2面52bとを有する。
第1面52aには、記憶モジュール57(記憶装置、記憶媒体)が実装されている。記憶モジュール57は、「第1部品」の一例であり、例えば小型のSSD(Solid State Drive)である。第2面52bには、アンテナモジュール58が実装されている。アンテナモジュール58は、「第2部品」の一例であり、例えば3G(third Generation mobile telecommunications)モジュールである。
記憶モジュール57及びアンテナモジュール58は、例えば同サイズのカードモジュールであり、第2基板52の表裏に分けられて実装されている。記憶モジュール57及びアンテナモジュール58は、第2基板52の平面視において、互いに重ねられている。記憶モジュール57及びアンテナモジュール58は、それぞれ長方形状である。記憶モジュール57の長手方向とアンテナモジュール58の長手方向とは、略一致する。なお、「第1部品」及び「第2部品」は、これら例に限定されるものではない。
また、第2基板52の第1面52aには、カードソケット59が実装されている。カードソケット59の一例は、SIM(Subscriber Identity Module)カードが着脱可能に挿入されるSIMソケットである。
図10及び図11に示すように、筐体4内の領域は、第1領域A1(第1部分)と、第2領域A2(第2部分)とに大きく分かれる。第1領域A1は、第1底壁12が位置する。すなわち、第1領域A1は、第1底壁12と上壁11との間の空間である。
一方で、第2領域A2は、第2底壁13及び傾斜部14が位置する。すなわち、第2領域A2は、第2底壁13及び傾斜部14と、上壁11との間の空間である。第1基板51、第2基板52、ファン53、ヒートシンク54、及びヒートパイプ55は、第2領域A2に集中して実装されている。
ここで、第1方向D1及び第2方向D2を定義する。第1方向D1は、第2底壁13から第1底壁12に向かう方向である。第2方向D2は、第1方向D1とは交差する方向(例えば直交する方向)である。第2方向D2は、第1側壁38から第2側壁39に向かう方向であり、筐体4の長手方向である。筐体4の排気孔42、ヒートシンク54、ファン53、第1基板51、第2基板52は、第2方向D2に並んでいる。
図7及び図11に示すように、筐体4は、第1乃至第3の吸気孔61,62,63(開口部)を有する。第1吸気孔61及び第3吸気孔63は、第2底壁13に設けられている。第1吸気孔61は、筐体4の左端部に設けられ、第2基板52に向かい合う。第3吸気孔63は、筐体4の右端部にも設けられ、ファン53に向かい合う。第2吸気孔62は、傾斜部14に設けられている。第2吸気孔62は、筐体4の略中央部に設けられている。
以上のように、第1乃至第3の吸気孔61,62,63は、第2底壁13と、傾斜部14とに分かれて設けられている。また、第1乃至第3の吸気孔61,62,63は、筐体4の右端部、中央部、左端部に分かれて設けられている。このため、ユーザーが筐体4を手で持って使用するときでも、ユーザーの手によって全ての吸気孔61,62,63が同時に塞がれにくい。このため、電子機器31の放熱性を良好に維持することができる。
また、第2底壁13と、傾斜部14とは互いに異なる方向に傾斜している。このため、第1乃至第3の吸気孔61,62,63が第2底壁13と傾斜部14とに分かれて設けられていると、電子機器31を物の上に置いて使用するときでも、全ての吸気孔61,62,63が同時には塞がれにくい。このため、電子機器31の放熱性を良好に維持することができる。
図10及び図11に示すように、第3吸気孔63は、ファン53の第1面の吸気口53bに向かい合う。すなわち、ファン53は、第1面の吸気口53bを通じて、第3吸気孔63から外部の比較的冷たい空気を吸い込み、その空気をヒートシンク54に向けて送る。
一方で、第1吸気孔61は、第1基板51(発熱部品56)に対して、ファン53とは反対側に位置する。すなわち、第1基板51(発熱部品56)は、第2方向D2で、第1吸気孔61とファン53との間に位置する。ファン53の第2面53aの吸気口53bは、筐体4内の空気を吸い込む。このため、ファン53が駆動されると、第1吸気孔61から外部の空気が筐体4内に取り込まれる。
これにより、筐体4の第2領域A2には、第1吸気孔61からファン53に向かう風の流れが生じる。この第1吸気孔61から取り込まれた外気は、ファン53に向かう途中で、第2基板52及び第1基板51(発熱部品56)を通過し、第2基板52及び第1基板51(発熱部品56)から熱を奪う。これにより、放熱性の向上が図られている。
ここで、第2領域A2は、第1領域A1に比べて筐体4内の空間が厚いため、空気が流れやすい。換言すれば、第1領域A1は、第2領域A2に比べて薄いため、空気が流れにくい。さらに、第2領域A2と第1領域A1との間には、第2領域A2と第1領域A1との厚さの違いによる段差部65がある。この段差部65は、筐体4内の空間を、第1領域A1と第2領域A2とに仕切る遮風部として機能する。これにより、筐体4は、厚みがある部分(第2領域A2)に気流が生じやすい。
詳しく述べると、図7及び図11に示すように、第1乃至第3の吸気孔61,62,63は、筐体4の第2領域A2に設けられている。すなわち、筐体4内の領域は、放熱が望まれる種々の部品が集中的に搭載されて吸気孔61,62,63、排気孔42、ファン53によって空気が流れる第2領域A2と、主要部品が搭載されずに、風があまり流れない第1領域A1とに分かれる。
図10に示すように、筐体4には、さらに遮風部66が設けられている。遮風部66は、例えば筐体4の内面から突出したリブである。遮風部66は、第1底壁12と第2底壁13との間に位置し、第2方向D2に延びている。詳しくは、遮風部66は、傾斜部14と第1底壁12との間に位置する。遮風部66は、筐体4内の空間を、第1底壁12が露出した第1領域A1と、第2底壁13、排気孔42、ファン53、発熱部品56、及び第1乃至第3の吸気孔61,62,63が露出した第2領域A2とに少なくとも部分的に仕切る。
さらに、ミドルプレート49の下面には、別の遮風部67が設けられている。遮風部67の一例は、ミドルプレート49に取り付けられたスポンジ部材である。遮風部67は、ベース47とミドルプレート49との間に介在され、ベース47とミドルプレート49との間の隙間を塞ぐ。
図11に示すように、詳しくは、遮風部67は、第1底壁12と第2底壁13との間に位置し、第2方向D2に延びている。遮風部67は、傾斜部14と第1底壁12との間に位置する。遮風部67は、筐体4内の空間を、第1底壁12が露出した第1領域A1と、第2底壁13、排気孔42、ファン53、発熱部品56、及び第1乃至第3の吸気孔61,62,63が露出した第2領域A2とに少なくとも部分的に仕切る。
図11に示すように、遮風部66,67は、第1側壁38に隣接している。遮風部66,67は、ファン53と第1底壁12との間に位置する。遮風部66,67は、筐体4内に例えば部分的に設けられている。遮風部66,67は、例えば第1側壁38から第1基板51の前方まで延びている。なお、遮風部66,67は、筐体4の長手方向の全幅に亘り設けられてもよい。
ファン53は、例えば遠心タイプであり、放射状に空気を吸い込む。ここで、遮風部66,67がファン53と第1底壁12との間に設けられていると、ファン53は、第1領域A1から空気を吸い込みにくくなる。その結果、ファン53は、第2領域A2から空気を吸い込みやすくなり、第2領域A2で空気がさらに流れやすくなる。なお、遮風部66,67は、どちらか一つだけ設けられてもよい。
図10及び図11示すように、第1側壁38に隣接してペン収容部68が設けられている。ペン収容部68は、遮風部66,67に沿って設けられている。これにより、比較的長さを有する部材(ペン収容部68及び遮風部66,67)が1箇所にまとめて設けられている。これは、高密度実装に寄与する。
ここで、電子機器31は、第2端部4bを上、第1端部4aを下にした第1状態(横長状態)で使用することができる。また、電子機器31は、第1側壁38を上、第2側壁39を下にした第2状態(縦長状態)で使用することができる。電子機器31は、例えば加速度センサ(重力センサ)を有し、電子機器31が第1状態にあるか、第2状態にあるかを検出する。
電子機器31は、上記検出結果に基づき、第1状態に対応した横長の画像と、第2状態に対応した縦長の画像との表示を切り替える。なお、これらの表示画面17の切り替えは、例えば第1基板51(制御部)により制御される。
一方で、電子機器31は、第2側壁39を上、第1側壁38を下にした状態では使用できないようになっている。具体的には、電子機器31を、第2側壁39を上、第1側壁38を下にした状態では、表示画面17に上下が正しい画像が表示されない。これにより、ユーザーが、第2側壁39を上、第1側壁38を下にした状態で電子機器31を使用することが抑制される。すなわち、電子機器31が縦長の姿勢で使用される場合、第1側壁38が必ず上になる。
図10に示すように、ペン収容部68の開口部68aは、第1側壁38に設けられている。これにより、電子機器31が縦長の姿勢で使用される場合、ペン収容部68の開口部68aは、必ず上に向く。これにより、ペン収容部68に収容されたペンの落下が抑制される。
また、排気孔42は、第1側壁38に設けられている。これにより、電子機器31が縦長の姿勢で使用される場合、排気孔42は、必ず上(すなわちユーザーとは反対側)に向く。これにより、排気孔42から排気される空気がユーザーに向かうことが抑制される。
このような構成によれば、次のような効果がある。
一般的なスレートPCは、ユーザーが手にもって使用することが想定されている。このようなスレートPCは、机上に水平に置いた状態では、ユーザーが表示画面を覗き込むような体勢になり、使用勝手が良いとは言えない。特に、大画面のスレートPCでは、表示画面を見やすいとは言えない。
一方で、本実施形態の電子機器31の筐体4は、第1端部4aと、該第1端部4aとは反対側に位置し、第1端部4aよりも厚い第2端部4bと、表示画面17が露出される開口部が設けられ、第1端部4aと第2端部4bとに亘る上壁11とを有する。これにより、電子機器31を載置面Sに置いたとき、表示画面17が前下がりに傾斜する。すなわち、電子機器31は、ユーザー側にチルトする。これにより、ユーザーから見て表示画面17の視認性が高まり、電子機器31の使いやすさが向上する。
本実施形態では、筐体4は、表示画面17との間が第1距離t1で表示画面17と略平行に延びた第1底壁12と、表示画面17との間が第1距離t1よりも大きな第2距離t2で表示画面17と略平行に延びた第2底壁13とを有する。これにより、第2端部4bを第1端部4aよりも厚くするとともに、全体として薄く見える電子機器31を提供することができる。
本実施形態では、筐体4は、第1底壁12と第2底壁13との間に位置した傾斜部14を有する。これにより、第1底壁12と第2底壁13との間に角張った部分がなく、電子機器31の薄型化を図ることができる。
本実施形態では、第1基板51の少なくとも一部、第2基板52、発熱部品56、ヒートシンク54、及びファン53は、表示装置5と第2底壁13との間に位置する。すなわち、厚み(高さ)がある部品を、第1底壁12から離し、表示装置5と第2底壁13との間に搭載することで、第1底壁12と上壁11との間の距離を小さくすることができる。これにより、電子機器31をさらに薄く見せることができる。
本実施形態では、第2支持脚34は、第1支持脚33よりも高い。これにより、第2端部4bが第1端部4aに対して格段に厚くなくても、任意のチルト角度で表示画面17を傾けることができる。
(アンテナ及びスピーカの配置構造)
次に、アンテナ及びスピーカの配置構造について説明する。図11に示すように、アンテナ71a,71b、及びスピーカ72a,72bは、筐体4の第1領域A1に設けられている。すなわち、アンテナ71a,71b、及びスピーカ72a,72bは、表示装置5と第1底壁12との間に位置する。アンテナ71a,71b、及びスピーカ72a,72bは、それぞれ発熱部品56よりも発熱量が小さな部品の一例である。
図11に示すように、一対のアンテナ71a,71bは、筐体4の左右の端部に分かれて設けられている。すなわち、第1アンテナ71aは、第1側壁38に隣接している。第2アンテナ71bは、第2側壁39に隣接している。さらに言えば、第1アンテナ71aは、筐体4の右前角部に位置する。第2アンテナ71bは、筐体4の左前角部に位置する。
また、筐体4内には、複数の導電部材73(導電性部材)が設けられている。複数の導電部材73は、第1アンテナ71a及び第2アンテナ71bをそれぞれ囲むように配置されている。すなわち、複数の導電部材73は、第1アンテナ71aとファン53との間、第1アンテナ71aと第1基板51との間、第1アンテナ71aと第2基板52との間に位置する。また、別の複数の導電部材73は、第2アンテナ71bとファン53との間、第2アンテナ71bと第1基板51との間、第2アンテナ71bと第2基板52との間に位置する。
換言すれば、第1アンテナ71aは、第1側壁38と、前壁36と、導電部材73とに囲まれている。すなわち、第1アンテナ71aは、第1側壁38と、導電部材73との間に位置する。第1アンテナ71aは、前壁36と、導電部材73との間に位置する。一方、第2アンテナ71bは、第2側壁39と、前壁36と、導電部材73とに囲まれている。すなわち、第2アンテナ71bは、第2側壁39と、導電部材73との間に位置する。第2アンテナ71bは、前壁36と、導電部材73との間に位置する。
導電部材73の一例は、いわゆるガスケットであり、スポンジ部材と、このスポンジ部材の表面に取り付けられた導電性被膜とを有する。導電部材73は、金属製のベース47と、金属製のミドルプレート49との間に介在され、ベース47及びミドルプレート49の少なくとも一方と電気的に接続されている。導電部材73は、ESD(Electro-Static discharge)、またはEMI(Electro Magnetic Interference)用の部材として機能する。
図11に示すように、一対のスピーカ72a,72bは、前壁36の左右の端部に分かれて設けられている。図5に示すように、前壁36は、第1方向D1に開口した放音孔74(開口部)を有する。スピーカ72a,72bは、放音孔74に対向し、第1方向D1に音を放出する。すなわち、電子機器31は、前壁36から音を放出する。
(バッテリ実装構造)
次に、バッテリ実装構造について説明する。図9に示すように、電子機器31は、バッテリ75を備える。図8に示すように、筐体4の第2端部4bは、バッテリ75が取り付けられるバッテリ収容部76(バッテリ取付部、バッテリ受け部)を有する。バッテリ収容部76は、筐体4の左右端部で後方に突出した一対の突出部76a,76bと、この突出部76a,76bの間に設けられた凹部76cとを有する。凹部76cは、バッテリ75に対応した深さ(奥行き)だけ突出部76a,76bから凹んでいる。凹部76cは、後方及び上下方向に開放されている。凹部76cは、第2底壁13と上壁11とに亘る。すなわち、凹部76cは、ベース47とマスク48とに亘る。
図17及び図18に示すように、凹部76cには、コネクタ77が設けられている。コネクタ77は、バッテリ75が接続されるバッテリコネクタである。換言すると、第1コネクタ18が筐体4の第1端部4a(前端部)に設けられ、コネクタ77が筐体4の第2端部4b(後端部)に設けられている。すなわち、筐体4の対向する両端部にバッテリコネクタがそれぞれ設けられている。
図5及び図20に示すように、バッテリ75は、筐体4の第2端部4bに着脱可能に取り付けられ、筐体4の第2端部4bに沿う。バッテリ75は、バッテリ収容部76の凹部76cに収容される。バッテリ75は、筐体4の第2端部4bと略同じ厚さを有する。
これにより、図20に示すように、バッテリ75の上面75aは、筐体4の上壁11と略同一平面上に位置する。バッテリ75の下面75bは、筐体4の第2底壁13と略同一平面上に位置する。バッテリ75は、第1方向D1で、表示装置5の少なくとも一部と並ぶ。バッテリ75は、例えば少なくとも表示装置5のバックライトと横に並ぶ。このような構成によれば、電子機器31の薄型化を図ることができる。本実施形態では、バッテリ75の厚さ内に表示装置5が配置されている。
(筐体の組立構造)
次に、筐体4の組立構造について説明する。
図21及び図22は、ミドルプレート49を示す。図22に示すように、ミドルプレート49は、複数のねじ81,82で、ベース47に固定される。詳しく述べると、複数のねじ81,82は、例えば、1本の第1ねじ81と、複数の第2ねじ82とを含む。第1ねじ81は、通常のねじである。第2ねじ82は、段付きねじである(図23参照)。図22に示すように、第1ねじ81は、ミドルプレート49の略中央部に取り付けられる。複数の第2ねじ82は、ミドルプレート49の前後左右の端部に取り付けられる。
図24乃至図25に示すように、ミドルプレート49は、ベース47とマスク48との間に位置する。ベース47及びマスク48は、ミドルプレート49の後端部を覆う部分を有しない。これにより、ミドルプレート49の後端部は、バッテリ収容部76の凹部76cに露出される。すなわち、ミドルプレート49の後端部は、筐体4の外部に露出される。換言すれば、ミドルプレート49によって、筐体4の外壁の一部が構成されている。
このような構成によれば、マスク48の後端部に、ミドルプレート49を覆う折曲部を設けなくて済む。このため、マスク48の形状を簡略化することができる。なお、凹部76cに露出されたミドルプレート49は、バッテリ75によって覆い隠される。これにより、美観の向上を図ることができる。
図25乃至図27に示すように、マスク48は、フック83と、2本のねじ84だけで、ベース47及びミドルプレート49に固定される。図26に示すように、マスク48の前端部48a(第1端部)は、フック83(第1係合部)を有する。ベース47は、フック83が係合可能なフック受け85(第2係合部)を有する。フック受け85は、筐体4の内面に設けられている。フック83は、筐体4の内側からフック受け85に係合する。これにより、マスク48の前端部48aは、ベース47に固定される。
図9に示すように、マスク48の後端部48b(第2端部)は、上壁11から突出し、ミドルプレート49に後方から向かい合う複数の固定部86を有する。固定部86は、例えば2つ設けられている。固定部86は、ねじ84が通される挿通孔86aを有する。図27に示すように、ミドルプレート49は、挿通孔86aに向かい合うねじ穴49aを有する。ねじ84が挿通孔86aに通されてねじ穴49aに係合することで、マスク48の後端部48bは、ミドルプレート49に固定される。
以上により、マスク48の前端部48aは、フック83でベース47に固定され、マスク48の後端部48bは、ねじ84でミドルプレート49に固定される。これにより、マスク48は、ベース47及びミドルプレート49に固定される。
このような構成によれば、比較的少ない数のねじ84(例えば2本のねじ84)で、マスク48を固定することができる。これにより、部品点数を削減し、コスト削減及び組立作業性の向上を図ることができる。なお、マスク48を固定するねじ84は、バッテリ収容部76のみに露出される。このねじ84は、バッテリ75によって覆い隠される。これにより、美観の向上を図ることができる。
(ボタンの配置構造)
図5に示すように、第1側壁38は、第1ボタン87を有する。図8に示すように、第2側壁39は、第2ボタン88(第2ボタン)を有する。第1ボタン87及び第2ボタン88は、バッテリ収容部76の突出部76a,76bに設けられている。すなわち、第1ボタン87及び第2ボタン88は、バッテリ75の両側に分かれて位置する。第1ボタン87及び第2ボタン88は、それぞれ筐体4の側方に向いている。
第1ボタン87は、電子機器31のON/OFFを操作する電源ボタン(パワーボタン)である。第2ボタン88は、SUS(Secure Attention Sequence)ボタンである。すなわち、第2ボタン88は、一般的なPCシステムにおけるキーボードに割り付けられた「Ctrl」+「Alt」+「Del」の同時押しに対応する機能が割り付けられ、アプリケーションのメンテナンス機能が操作可能である。例えば、アプリケーションが応答しなくなった場合に、第2ボタン88を押すことで、応答しなくなったアプリケーションを強制終了させることが可能である。
本実施形態の電子機器31は、ハードウエアとしてのキーボードを有しない。このような電子機器31では、アプリケーションが応答しなくなった場合に、ソフトキーボードが起動不可になる可能性がある。このため、SUSスイッチを備えることで、利便性を確保することができる。なお、このSUSスイッチは、ユーザーから見て左側となる第2ボタン88に割り付けられている。すなわち、右利きのユーザーにとって押し難い位置に第2ボタン88がある。これにより、押し間違いなどによる第2ボタン88の誤動作を抑制することができる。
(誤動作防止のリブ構造)
次に、誤動作防止のリブ構造について説明する。図28に示すように、第1ボタン87に隣接した筐体下面には、第1ボタン87(電源ボタン)のロック89(ロックスイッチ)が設けられている。ロック89は、第1位置P1(解除位置)と、第2位置P2(ロック位置)とで移動可能である。
ロック89が第1位置P1にあるとき、第1ボタン87は操作可能であり、第1ボタン87は入力を受け付ける。ロック89が第2位置P2にあるとき、第1ボタン87は操作が制限され、第1ボタン87は入力を受け付けない。これにより、ユーザーは、ロック89を第2位置P2に移動させることで、第1ボタン87の誤動作を防止することができる。
図28及び図29に示すように、筐体下面(第2底壁13)には、例えばすり鉢状の凹部90が設けられている。凹部90の底には開口部90aが設けられている。ロック89は、開口部90aに位置し、筐体4の外部に露出されている。ロック89は、凹部90の内側に収まり、凹部90の外側には突出していない。すなわち、ロック89は、筐体下面(第2底壁13)よりも外側には突出していない。本実施形態では、ロック89の先端は、筐体下面(第2底壁13)と略同一平面に位置する。なお、ロック89の先端は、筐体下面(第2底壁13)よりも、凹部90の底近くに位置してもよい。
図28に示すように、凹部90は、長穴状であり、第1縁部90b(第1端部)と、第2縁部90c(第2端部)とを有する。第1縁部90bは、第1位置P1にあるロック89に向かい合う。第2縁部90cは、第1縁部90bとは反対側に位置し、第2位置P2にあるロック89に向かい合う。
図28及び図29に示すように、凹部90の第2縁部90cには、誤動作防止用のリブ91が設けられている。リブ91は、「突出部」または「突起」の一例である。リブ91は、筐体下面(第2底壁13)から筐体4の外側に向いて突出し、第2縁部90cに沿って円弧状に設けられている。リブ91は、ロック89の先端よりも外側に突出している。リブ91は、第1位置P1とは反対側から、第2位置P2にあるロック89に向かい合う。
例えば、リブ91が設けられていない電子機器では、ロック89を第2位置P2に移動させた状態で電子機器を鞄に入れる時、ロック89が鞄の内面に引っ掛かり、ロック89が解除されてしまう可能性がゼロではない。そこで、本実施形態では、第2縁部90cにリブ91が設けられている。このようなリブ91が設けられていると、ロック89の誤った解除を抑制することができる。
(コネクタ蓋の取付構造)
次に、図8、図30、図31を参照して、コネクタ蓋の取付構造について説明する。図8に示すように、第2側壁39には、コネクタ92が設けられている。第2側壁39は、コネクタ92が外部に露出する開口部93が設けられている。この開口部93には、コネクタ92を覆う蓋94(コネクタ蓋)が着脱可能に取り付けられている。すなわち、蓋94が開口部93から取り外されることで、コネクタ92が外部に露出される。コネクタ92は、ミドルプレート49に固定されている。
図30に示すように、ベース47(筐体4)の内面には、コネクタ92に向いて突出した突起95が設けられている。蓋94は、コネクタ92を外部から覆う蓋部94a(蓋本体)と、この蓋部94aを支持する支持部94bと、抜止部94cとを有する。支持部94bは、蓋部94aの端部からコネクタ92と突起95との間を通り、突起95よりも筐体4の内側に延びている。
抜止部94cは、支持部94bの先端に設けられ、突起95よりも筐体4の内側に位置する。抜止部94cは、コネクタ92と突起95との間の隙間よりも大きい。このため、抜止部94cは、突起95を超えて筐体4の外側に移動できない。これにより、蓋94が筐体4から外れない。
このような構成によれば、コネクタ92の蓋94を、コネクタ92自身で押さえることができる。このため、蓋94を固定する固定部材を省略することができる。これにより、コスト削減を図ることができる。
(電源ソケット構造)
図8に示すように、筐体4には、電源コネクタ96が設けられている。電源コネクタ96には、例えば家庭用電源に接続されたジャックが接続可能である。第2側壁39は、開口部97を有する。電源コネクタ96は、開口部97から筐体4の外部に露出する。第2側壁39を含むベース47は、金属製である。
図32及び図33に示すように、第2側壁39の背後には、非導電部材98(非金属部材)が設けられている。非導電部材98は、例えば樹脂製である。非導電部材98は、第1部分98aと、第2部分98bとを有する。
第1部分98aは、第2ボタン88の背後に位置し、第2ボタン88に向かい合う。第1部分98aは、スイッチ99を保持するホルダである。スイッチ99は、第2ボタン88に向かい合い、第2ボタン88によって操作される。
第2部分98bは、電源コネクタ96と第2側壁39の開口部97との間に位置する。第2部分98bは、開口部97の内周面に沿う筒状の部分を有し、開口部97に挿入されている。第2部分98bは、第2側壁39と電源コネクタ96とが直接に接することを防止する保護部材(いわゆるDC−inソケット)である。
換言すると、本実施形態では、開口部97に挿入される保護部材と、スイッチ99を保持するホルダとが一体に構成されている。これにより、部品点数の削減が可能になり、電子機器31のコストを低減することができる。なお、非導電部材98によって保護されるコネクタは、電源コネクタに限定されず、他のコネクタにも適用可能である。
(ドックの筐体構造)
次に、図34乃至図50を参照して、電子機器31が着脱可能に取り付けられるドック32について説明する。ドック32は、「電子機器」の一例であるとともに、「支持ユニット」、「支持部」、「台」、「接続機」、「拡張装置」の其々一例である。
図34及び図35に示すように、ドック32は、第2筐体21を有する。第2筐体21は、ベース101、ホルダ23、及び収容部102を有する。ベース101(台座部)は、扁平な箱状に形成され、載置面Sに置かれる。ベース101は、底壁22、上壁104、及び周壁105を有する。底壁22は、板状(平面状)に形成され、載置面Sと略平行である。底壁22は、載置面Sに置かれ、載置面Sに向かい合う。上壁104は、底壁22と略平行に延びている。周壁105は、底壁22の端部から起立し、底壁22と上壁104との間を繋ぐ。
図34及び図35に示すように、ホルダ23は、ベース101の前端部に設けられ、ベース101に対して上方に起立している。ホルダ23は、「保持部」の一例である。図37乃至図40に示すように、ホルダ23には、電子機器31が着脱可能に取り付けられる。ホルダ23は、電子機器31を、載置面Sに対して立て起こした姿勢で支持する。図38及び図39に示すように、ホルダ23は、底壁22に対して後方に傾斜している。このため、電子機器31がドック32に支持された状態で、表示画面17は後方に傾く。これにより、視認性や使いやすさが向上する。
ここで、別の観点から新しい第1方向R1、第2方向R2、及び第3方向R3を定義する。図38に示すように、第1方向R1は、底壁22に対して傾斜したホルダ23と略平行な方向である。すなわち、第1方向R1は、底壁22に対して傾斜している。第1方向R1は、ホルダ23に装着された電子機器31の表示画面17、上壁11、第1底壁12、及び第2底壁13と略平行である。
第2方向R2は、第1方向R1とは交差する方向(例えば略直交する方向)である。第2方向R2は、例えばホルダ23の厚さ方向である。図34に示すように、第3方向R3は、第1方向R1及び第2方向R2とは交差する方向(例えば略直交する方向)である。第3方向R3は、例えばホルダ23の長手方向(横幅方向)である。
図38及び図39に示すように、ホルダ23には、電子機器31が第1方向R1から挿入される。具体的には、電子機器31は、第1方向R1に表示画面17が沿う姿勢(すなわち、第1方向R1と表示画面17が略平行となる姿勢)でホルダ23に取り付けられる。すなわち、電子機器31は、表示画面17と略平行な方向を挿入方向として、ホルダ23に挿入される。
図34に示すように、ホルダ23は、受壁110、第1支持壁111、第2支持壁112、及び第3支持壁113を有する。受壁110(底壁)は、ホルダ23の下部に位置し、略水平に延びている。受壁110は、電子機器31の前壁36に向かい合う。受壁110は、底壁22に対して傾斜し、第1方向R1に略垂直である。受壁110は、第1方向R1で電子機器31の前壁36が当接し、電子機器31の前壁36を受ける。受壁110は、第1端部110a(前端部)と、この第1端部110aとは反対側に位置した第2端部110b(後端部)とを有する。
第1支持壁111(第1支持部)は、ホルダ23の左右の両端部(長手方向の両端部)に部分的に設けられている。第1支持壁111は、受壁110の第1端部110aから起立し、第1方向R1と略平行である。第1支持壁111は、電子機器31の上壁11と略平行であり、電子機器31の上壁11に向かい合う。第1支持壁111は、「第1壁」の一例であり、電子機器31の上壁11を支持する。第1支持壁111が設けられていない領域では、ホルダ23は、前方に開放されている。
第2支持壁112(第2支持部)は、受壁110の第2端部110bの略全長に亘り設けられている。第2支持壁112は、受壁110の第2端部110bから起立し、第1方向R1と略平行である。第2支持壁112は、電子機器31の第1底壁12と略平行であり、電子機器31の第1底壁12に向かい合う。第2支持壁112は、「第2壁」の一例であり、電子機器31の第1底壁12を支持する。
図39に示すように、第2支持壁112は、第1支持壁111よりも高くまで延びている。第2支持壁112は、例えば電子機器31の第1底壁12に向かい合う。第2支持壁112は、電子機器31の傾斜部14及び第2底壁13を覆わない。このため、電子機器31がホルダ23に支持された状態では、電子機器31の第1乃至第3の吸気孔61,62,63は、ホルダ23に覆われず、外部に露出される(開放される)。このため、電子機器31は、ホルダ23に装着された状態でも、吸気孔61,62,63を通じて外気を取り込み可能である。
図34に示すように、第2支持壁112は、第1部分112aと、第2部分112bとを有する。第1部分112aは、第2支持壁112の大部分を構成する。図39に示すように、第1部分112aと第1支持壁111との間の間隔w1(距離)は、電子機器31の厚さ(すなわち第1底壁12と上壁11との間の距離t1)よりも大きい。
図34及び図38に示すように、第1部分112aは、電子機器31の第1底壁12に向かい合う平面114(平面部)と、この平面114から突出し、電子機器31の第1底壁12に当接する凸部115とを有する。凸部115は、電子機器31の姿勢を規定する位置決め部の一例である。電子機器31は、凸部115に支持され、平面114から離れた状態でホルダ23に支持される。これにより、電子機器31とホルダ23との面接触が抑制され、電子機器31の表面に傷がつきにくい。
図34に示すように、第2部分112bは、第2支持壁112の左右の両端部に設けられ、第1支持壁111に向かい合う。図39に示すように、第2部分112bと第1支持壁111との間の間隔w2(距離)は、電子機器31の厚さ(すなわち第1底壁12と上壁11との間の距離t1)と略同じである。これにより、電子機器31は、第2部分112bと第1支持壁111との間で保持される。
図34に示すように、第3支持壁113(第3支持部)は、ホルダ23の左右の端部にそれぞれ設けられ、第1支持壁111と第2支持壁112との間に延びている。一対の第3支持壁113は、電子機器31の第1側壁38及び第2側壁39に向かい合う。この構成により、ホルダ23は、前、後、及び左右の側方に支持壁を有する。これにより、電子機器31のドック32への着脱性が向上するとともに、姿勢が安定する。
図35に示すように、収容部102は、第2支持壁112の背後に設けられている。収容部102は、ベース101の上方に突出した箱状に形成され、背壁121、上壁122、左右の側壁123,124を有する。背壁121は、左右の側壁123,124の後端部に対して窪んでいる。背壁121は、「コネクタ装着部」の一例である。背壁121には、複数のコネクタ125が設けられている(露出されている)。本実施形態では、コネクタ装着部は、左右の側壁123,124の後端部よりも内側に位置する。
(コネクタのフローティング構造)
次に、コネクタのフローティング構造について説明する。図34に示すように、ホルダ23の受壁110は、開口部24を有する。ドック32は、電子機器31に接続される第2コネクタ25を有する。第2コネクタ25は、開口部24に位置し、開口部24の外側に突出している。
図45に示すように、第2コネクタ25は、底壁22に対して傾斜し、受壁110と略平行である。第2コネクタ25は、第1方向R1と略平行である。第2コネクタ25は、第1方向R1で電子機器31の第1コネクタ18に向かい合い、第1コネクタ18に接続される。すなわち、第1方向R1は、コネクタ18,25の挿抜方向である。
図41乃至図44に示すように、ドック32は、支持ベース131と、一対の支持部132とを有する。支持ベース131は、「コネクタベース」、「コネクタホルダ」、「支持体」、「保持体」の其々一例である。支持ベース131は、底壁22に対して傾斜し、受壁110と略平行である。
支持ベース131には、第2コネクタ25と、第2コネクタ25が実装された基板133(回路基板)とが取り付けられている。図45に示すように、第2コネクタ25及び基板133は、支持ベース131と略平行であり、底壁22に対して傾斜している。
図42に示すように、一対の支持部132は、支持ベース131の両側に分かれて設けられ、支持ベース131を支持する。各支持部132は、固定部135、傾斜部136、及びアーム137を有する。固定部135、傾斜部136、アーム137は、其々支持部の「部分」の一例である。
底壁22は、支持部132が固定される取付部138を有する。取付部138の一例は、ボスである。取付部138は、第2コネクタ25の両側に其々設けられている。固定部135は、板状に形成され、底壁22と略平行に延びている。固定部135は、底壁22の取付部138に取り付けられている。固定部135は、取付部138に例えばねじ止め固定される。
図44に示すように、傾斜部136は、固定部135の端部から起立し、板状に形成されている。傾斜部136は、固定部135に対して後方に傾斜している。すなわち、傾斜部136は、固定部135から第1方向R1に延びている。換言すれば、アーム137が第1方向R1に傾くように、傾斜部136によって、底壁22に対してアーム137が捻じられている。
アーム137は、傾斜部136と支持ベース131との間に延びる。アーム137は、傾斜部136に支持され、第1方向R1に傾斜している。アーム137は、第2方向R2及び第3方向R3で九十九折状に折り曲げられ、第2方向R2及び第3方向R3に弾性変形可能な部分を有する。これにより、アーム137は、第2方向R2及び第3方向R3に第2コネクタ25を移動可能に支持している。
また、電子機器31がドック32に装着されていない状態では、第2コネクタ25は、支持部132に支持され、デフォルトポジション(初期位置、基準位置)に位置する。ドック32に装着されていた電子機器31がドック32から取り外された時、第2コネクタ25は、支持部132に支持され、デフォルトポジションに復帰する。
図42乃至図44に示すように、アーム137は、3つの直線部137a,137c,137eと、2つの円弧部137b,137d(曲部)とを有する。第1直線部137aは、傾斜部136に接続され、傾斜部136から支持ベース131に向かって延びている。第1円弧部137bは、第1直線部137aから延び、円弧状に180度曲がっている。第2直線部137cは、第1円弧部137bから支持ベース131とは反対側に向いて延びている。第2円弧部137dは、第2直線部137cから延び、円弧状に180度曲がっている。第3直線部137eは、第2円弧部137dから支持ベース131に向いて延び、支持ベース131に接続されている。
図44に示すように、アーム137は、第1端部141と、第2端部142とを有する。第1端部141は、支持ベース131に接続され、支持ベース131(第2コネクタ25)を支持している。第2端部142は、第1端部141とは反対側に位置する。第2端部142は、傾斜部136に接続され、傾斜部136に支持されている。
ここで、第2端部142は、第1端部141よりも、前方に位置する。すなわち、第2端部142は、第1端部141よりも、第2支持壁112から遠くに位置する。図44に示すように、第2端部142は、第1端部141よりも高くに位置する。これにより、第2端部142と底壁22との間の空間は、第1端部141と底壁22との間の空間よりも広い。これにより、取付部138への支持部132の取付作業性が向上する。
図44に示すように、基板133の少なくとも一部は、アーム137と、第2支持壁112との間に位置する。すなわち、基板133は、支持ベース131よりも後方に延びている。図45に示すように、基板133は、支持ベース131よりも、底壁22の近くに位置する。これにより、基板133の実装に必要な高さを抑えることができる。
図44に示すように、アーム137は、第1方向R1に沿う板状である。これにより、第2方向R2及び第3方向R3に比べて、第1方向R1の強度が高い。すなわち、アーム137は、第2方向R2及び第3方向R3に弾性変形可能であるとともに、第1方向R1には変形しにくい。アーム137は、第1方向R1で比較的大きな負荷を受けることができる。
図45に示すように、第2筐体21には、支持ベース131(基板133)を受ける受け部144が設けられている。受け部144は、第1コネクタ18とは反対側から支持ベース131(基板133)を支持可能である。受け部144は、第2コネクタ25に加わる第1方向R1の力を受ける。すなわち、受け部144は、電子機器31を第2コネクタ25に取り付ける時に第2コネクタ25に加わる力の少なくとも一部を受ける。換言すれば、受け部144により、第2コネクタ25の第1方向R1の移動が規制される。
これにより、第2コネクタ25が第1方向R1の位置が安定し、第1コネクタ18と第2コネクタ25との間の接続不良を抑制することができる。なお、受け部144は、通常時に支持ベース131に当接してもよいし、通常時には支持ベース131から離れるとともに、負荷作用時に支持ベース131に当接してもよい。
図45に示すように、基板133は、受け部144に向かい合う領域に、グランド部145を有する。グランド部145は、基板133の表面に露出した導電部であり、部品は実装されていない。受け部144に向かい合う部分は、受け部144から大きな反力が加わる可能性がある。ここで、グランド部145は、仮に破損しても基板133の機能に大きな影響を与えにくい。すなわち、受け部144に向かい合う部分に電子部品を実装せずにグランド部145を設けることで、ドック32の信頼性を向上させることができる。
図36に示すように、ホルダ23の開口部24は、第1端部24aと、第2端部24bとを有する。第1端部24aは、例えば前端部である。第2端部24bは、第1端部24aとは反対側に位置し、例えば後端部である。第2端部24bの横幅は、第1端部24aの横幅よりも大きい。すなわち、開口部24は、後側に進むに従い横幅が大きくなるクサビ形をしている。
図36及び図42に示すように、支持ベース131には、ガイド部146が設けられている。ガイド部146は、第2コネクタ25の周りに位置し、第2コネクタ25と一体に支持部132に支持されている。ガイド部146は、開口部24よりも一回り小さいとともに、開口部24と略同じ外形(すなわちクサビ形)を有する。ガイド部146は、開口部24に挿入され、開口部24の内周面に向かい合う。
開口部24の内周面とガイド部146との間には、隙間cが設けられている。この隙間cだけ、第2コネクタ25は、開口部24内で移動することができる。すなわち、開口部24の内周面とガイド部146とで、第2方向R2及び第3方向R3の第2コネクタ25の移動範囲が規制されている。換言すれば、第2コネクタ25は、開口部24の内周面とガイド部146との間の隙間cだけ、第2方向R2及び第3方向R3に移動することができる。
なお、開口部24の第2端部24bとガイド部146との間の隙間cは、開口部24の第1端部24aとガイド部146との間の隙間cよりも大きい。これにより、第2コネクタ25は、前方に比べて後方に大きくずれることができる。
図39に示すように、第2方向R2は、電子機器31がホルダ23に支持された状態で、表示画面17に略垂直な方向である。第2方向R2は、表示画面17(タッチセンサ16)の操作時に、表示画面17に対してユーザーが負荷を加える方向である。本実施形態によれば、ユーザーからの負荷が加わった時、電子機器31は、第2方向R2に後退することで、負荷の影響を小さくすることができる。
図46に示すように、第2筐体21内には、導電部147が設けられている。導電部147の一例は、底壁22に取付けられた金属部材(例えば板金)である。導電部147は、ドック32のグランドに電気的に接続されている。導電部147は、第1コネクタ18とは反対側から基板133に向かい合う。
導電部147と、基板133との間には、ばね148が設けられている。ばね148の一例は、板ばねであるが、これに限定されるものではない。ばね148は、第1端部148aと、この第1端部148aとは反対側に位置した第2端部148bとを有する。第1端部148aは、基板133と略平行に延び、基板133に取り付けられている。第1端部148aは、基板133に固定され、基板133のグランドに電気的に接続されている。
ばね148の第2端部148bは、導電部147と略平行に延び、導電部147に向かい合う。第2端部148bは、導電部147に固定されておらず、導電部147に対して自由である。第2端部148bは、導電部147に向かい合う凸部148cを有する。凸部148cは、導電部147に接し、導電部147に電気的に接続される。これにより、基板133のグランドは、ばね148を介して、導電部147に電気的に接続される。
ばね148は、導電部147と基板133との間に位置し、導電部147と基板133との間で圧縮されている。このため、底壁22から離れる方向に基板133が動いても、ばね148によって、基板133と導電部147との間のグランド接続が維持される。ばね148は、凸部148cでのみ導電部147に接している。これにより、ばね148のこすれによる損傷が抑制される。
(ドックの放音構造)
次に、図47乃至図49を参照して、ドック32の放音構造について説明する。図49に示すように、電子機器31の前壁36は、放音孔74を有する。電子機器31がドック32に取り付けられたとき、電子機器31の前壁36は、ホルダ23の受壁110に向かい合う。
図48に示すように、受壁110は、凹部151(窪み部)を有する。凹部151は、電子機器31の放音孔74に向かい合う。凹部151は、受壁110の他の領域に比べて窪んで低くなっている。これにより、凹部151と電子機器31の前壁36との間には、放音孔74から音が外部に放出される隙間が空けられる。
図50は、ドック32の変形例を示す。図50に示すように、第2筐体21は、電子機器31の放音孔74からの音を外部に向かって通す開口部152を有する。これにより、電子機器31の放音孔74から音が、遮断されることなく外部に放出される。
このような構成によれば、電子機器31及びドック32の損傷抑制を図ることができる。すなわち、本実施形態では、ドック32は、ホルダ23と、コネクタ25と、支持部132とを有する。ホルダ23は、電子機器31が表示画面17と略平行な第1方向R1で取り付け可能である。コネクタ25は、ホルダ23の開口部24に位置し、電子機器31に接続される。支持部132は、第1方向R1とは交差する第2方向R2に弾性変形可能な部分を有し、コネクタ25を支持する。
これにより、電子機器31のドック32への取付時に、コネクタ25が適度に移動可能であり、電子機器31とドック32との間に大きな負荷が生じることを抑制することとができる。これにより、電子機器31及びドック32の損傷防止を図ることができる。
本実施形態では、ホルダ23は、底壁22に対して傾斜した第1方向R1から電子機器31が挿入可能である。支持部132は、固定部135と、傾斜部136と、アーム137とを有する。固定部135は、底壁22と略平行に延び、第2筐体21に固定されている。傾斜部136は、固定部135に対して第1方向R1に傾斜している。アーム137は、傾斜部136に支持され、第1方向R1に傾斜するとともに、第1方向R1とは交差する第2方向R2及び第3方向R3で弾性変形可能に九十九折状に折り曲げられ、コネクタ25を第2方向R2及び第3方向R3に移動可能に支持する。
これにより、支持部132は、コネクタ25の挿抜方向(第1方向R1)とは略直交した面で、コネクタ25を前後左右に移動可能に支持することができる。さらに、コネクタ25のデフォルトポジションも容易に定まりやすい。
本実施形態では、開口部24の内周面とガイド部146とでコネクタ25の移動可能範囲が規制されている。このため、コネクタ25が過度に大きく移動することが防止され、支持部132の負担が大きくなることを抑制することができる。
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具現化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。更に、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合わせてもよい。
以下に、いくつかのテレビジョン受像機及び電子機器を付記する。
[1]、(i)開口部が設けられた第1筐体と、前記第1筐体に収容され、タッチセンサが設けられて前記開口部から露出された表示画面を有した表示装置と、前記第1筐体の端部に設けられた第1コネクタとを有した表示ユニットと、(ii)底壁と、該底壁に対して傾斜した第1方向から該第1方向に前記表示画面が沿う姿勢で前記表示ユニットが取付可能で、開口部が設けられたホルダとを有した第2筐体と、(iii)前記ホルダの開口部に位置し、前記第1方向で前記第1コネクタが向かい合い、前記第1コネクタに接続される第2コネクタと、(iv)前記底壁と略平行に設けられ、前記第2筐体に固定された固定部と、前記固定部に対して前記第1方向に傾斜した傾斜部と、前記傾斜部に支持されて前記第1方向に傾斜するとともに、前記第1方向とは交差する第2方向で弾性変形可能に九十九折状に折り曲げられ、前記第2コネクタが前記第2方向に移動可能に支持されたアームとを有した支持部と、を備えたテレビジョン受像機。
[2]、[1]の記載において、前記第2方向は、前記表示ユニットが前記ホルダに支持された状態で、前記表示画面に略垂直な方向であるテレビジョン受像機。
[3]、[1]または[2]の記載において、前記アームは、前記第1方向に沿う板状であり、前記第2方向に比べて前記第1方向の強度が高いテレビジョン受像機。
[4]、[1]または[3]の記載において、前記第2コネクタ周りに位置し、前記第2コネクタと一体に前記支持部に支持され、前記開口部の内周面に向かい合うガイド部を有し、前記開口部の内周面と前記ガイド部とで前記第2コネクタの移動可能範囲が規制されたテレビジョン受像機。
[5]、[1]または[4]の記載において、前記表示ユニットは、前記表示画面が露出した第1面と、該第1面とは反対側に位置した第2面とを有し、前記ホルダは、前記表示ユニットの第1面を支持する第1壁と、前記表示ユニットの第2面を支持する第2壁とを有したテレビジョン受像機。
[6]、[5]の記載において、前記第2壁は、前記表示ユニットの第2面に向かい合う平面と、該平面から突出し、前記表示ユニットの第2面に接する凸部とを有し、前記表示ユニットは、前記平面から離れた状態で前記ホルダに支持されるテレビジョン受像機。
[7]、[5]または[6]の記載において、前記アームは、前記第2コネクタが支持された第1端部と、前記第1端部よりも前記第2壁から遠く、且つ、前記第1端部よりも高く位置し、前記傾斜部に支持された第2端部とを有し、前記第2端部と前記底壁との間の空間は、前記第1端部と前記底壁との間の空間よりも広いテレビジョン受像機。
[8]、[1]または[7]の記載において、前記支持部に支持され、前記第2コネクタが実装された基板と、前記第2筐体に設けられ、前記第1コネクタとは反対側から前記基板を支持可能であり、前記表示ユニットの取付時に前記第2コネクタに加わる前記第1方向の力を受ける受け部と、をさらに備えたテレビジョン受像機。
[9]、[1]または[8]の記載において、前記第2筐体内に設けられ、前記第1コネクタとは反対側から前記基板に向かい合い、グランドに電気的に接続された導電部と、前記導電部と前記基板との間に位置し、前記導電部と前記基板との間で圧縮され、前記基板のグランドと前記導電部とを電気的に接続するばねと、をさらに備えたテレビジョン受像機。
[10]、タッチセンサが設けられた表示画面を有した表示ユニットが、前記表示画面と略平行な第1方向で取り付け可能な保持部と、前記保持部に設けられ、前記表示ユニットが接続可能なコネクタと、前記第1方向とは交差する第2方向に変形可能な弾性部分を有し、前記コネクタが支持された支持部と、を備えた電子機器。