JP5498595B1 - 基礎杭 - Google Patents

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Abstract

【課題】連結用のボルト又はナットのねじ山を潰すことなく、杭頭プレートを含む地上露出部分を鍍金することができ、任意の接合金物を選択的に使用することが可能な基礎杭を提供する。
【解決手段】下側が地中に埋設され、地上に露出した上側で構造物を支持する金属製の基礎杭10であって、丸又は角パイプからなる杭本体10Aと、杭本体10Aの上部開口に溶接され、ボルト15A又はナット15Bを固定するための杭頭プレート11と、を備え、杭頭プレート11には、ボルト15Aの頭部又はナット15Bを通過させることが可能な大きさの切欠部11aと、一端側が切欠部11aに連通する、ボルト15Aの軸部を挿通するための溝11bとを設け、直接又は間接的に施した鍍金処理10aにより、杭本体10Aの少なくとも地上露出部分及び杭頭プレート11を錆から保護した構成としてある。
【選択図】図2

Description

本発明は、例えば、地盤設置型ソーラシステム、農業用温室、農業用ハウス等の比較的軽量な建造物に使用される基礎杭に関し、特に、連結用のボルト又はナットのねじ山を潰すことなく、杭頭プレートを含む地上露出部分を鍍金することができる基礎杭に関する。
一般に、地盤に建造物を建築する際には、地中に杭を打ち込み、この上にコンクリートを打設して建造物の基礎を形成する。しかし、例えば、地盤設置型ソーラシステム、農業用温室、農業用ハウス等の比較的軽量な建造物の設置には、コンクリートを用いずに、地中に打ち込んだ鋼製の基礎杭に、建造物の支柱をボルト及びナットで締結する工法が採られる場合がある。
具体例として、一般的な地盤設置型ソーラシステムの構造を図1(a)、(b)に示す。同図(a)は平面図であり、同図(b)は側面図である。これら図面において、地盤設置型ソーラシステム1は、金属製の架材を組んで垂木、桁及び柱からなる架台3を構成し、この架台3に複数枚の太陽電池パネル2、2、2・・・を載置した構成となっている。架台3を構成する前後の各柱の下端は、横方向に延びる下架材3A、3Bによって互いに連結してある。これら下架材3A、3Bは、接合金物4、4、4・・・を介して、地中Gに打ち込んだ基礎杭100、100、100・・・にボルト及びナットで締結してある。
特開2012−82620号公報 特開2011−52396号公報 特開2011−24533号公報 特開2010−236344号公報 特開2007−205108号公報 特許第3047063号公報 特許第2981213号公報
従来の鋼製の基礎杭100は、全てを地中に打ち込み、その上にコンクリートを打設することを前提としていたので、肉厚の表面側1mmを腐食代としていた。しかし、図1(b)に示す工法では、基礎杭100の上部が地上に露出して空気に曝されるので、地上露出部分の錆止め処理が必要となる。この錆止め処理として、基礎杭100の少なくとも地上露出部分を鍍金することが考えられるが、杭頭プレートにあらかじめ溶接した連結用のボルト又はナットのねじ山に、鍍金が入り込んで潰れてしまうという問題があった。
このため、杭頭プレートにボルト又はナットを溶接した構成の基礎杭100を鍍金して錆止め処理することはできず、地上露出部分を鍍金するには、特許文献3、5の基礎杭のように、その上部開口に接合金物を溶接し、連結用のボルト又はナットをあらかじめ溶接しない構成とするほかなかった。しかし、市場には多種多様の接合金物が流通しており、基礎杭と接合金物とを溶接してしまうと、任意の接合金物を選択的に使用する自由度が制限されてしまう問題がある。
また、従来の鋼製の基礎杭100において、杭頭プレートにあらかじめ連結用のボルトを溶接した場合は、この杭頭プレートからボルトの軸部が突出してしまい、基礎杭100を効率よく地中に打ち込むことができないという問題もあった。さらに、杭頭プレートにあらかじめ連結用のボルトを溶接した場合は、このボルトを長さの異なる別のボルトに交換することができず、施工現場の状況に柔軟に対応することができないという問題もあった。
一方、従来の鋼製の基礎杭100において、杭頭プレートにあらかじめ連結用のナットを溶接した場合は、上述したボルトの問題は生じないが、本発明のように、接合金物との連結に高力ボルト及び高力ナットを使用することはできない。高力ボルト及び高力ナットは、部材間を強固に摩擦接合させる働きがあり、本発明は、接合金物と基礎杭との連結に高力ボルト及び高力ナットを適用し、調整用の長孔に沿った部材間の位置ずれ防止を図っている。しかし、一般的な高力ボルト及び高力ナットは、高力ナットを締め付けることで摩擦接合を発揮させているので、杭頭プレートに高力ナットを溶接してしまうと摩擦接合が発揮できなくなってしまう。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、連結用のボルト又はナットのねじ山を潰すことなく、杭頭プレートを含む地上露出部分を鍍金することができ、任意の接合金物を選択的に使用することが可能な基礎杭の提供を目的とする。
(1)上記目的を達成するために、本発明の基礎杭は、下側が地中に埋設され、地上に露出した上側で構造物を支持する金属製の基礎杭であって、丸又は角パイプからなる杭本体と、前記杭本体の上部開口に溶接され、ボルト又はナットを固定するための杭頭プレートと、を備え、前記杭頭プレートには、前記ボルトの頭部又は前記ナットを通過させることが可能な大きさの切欠部と、一端側が前記切欠部に連通する、前記ボルトの軸部を挿通するための溝とを設け、直接又は間接的に施した鍍金処理により、前記杭本体の少なくとも地上露出部分及び前記杭頭プレートを錆から保護した構成としてある。
上記構成からなる本発明の基礎杭では、まず、杭本体の上部開口に杭頭プレートを溶接し、次いで、杭本体の少なくとも地上露出部分に鍍金処理を施す。その後、杭頭プレートの切欠部を通過させて、連結用のボルトの頭部又はナットを杭頭プレートの裏側に位置させることができる。そして、切欠部に連通する溝に沿ってボルトの軸部を移動させることで、杭頭プレートの所定位置にボルトを位置決めすることができる。
このような本発明の基礎杭によれば、杭頭プレートを含む地上露出部分の鍍金処理の後に、連結用のボルト又はナットを杭頭プレートに締結させることができるようになり、連結用のボルト又はナットのねじ山を鍍金で潰すことなく、杭頭プレートを含む地上露出部分を鍍金することができ、任意の接合金物を選択的に使用することが可能となる。
また、杭本体を地中に打ち込んだ後に、ボルトを杭頭プレートに固定することができるので、杭本体を効率よく地中に打ち込むことができ、施工現場での状況に応じて、長さの異なる別のボルトに交換することも可能である。
なお、上述した本発明の基礎杭は、鍍金処理した杭本体に、同じく鍍金処理した杭頭プレートを事後的に溶接してもよい。この場合、杭本体と杭頭プレートとの溶接箇所の鍍金がとれてしまうが、この溶接箇所に錆止め塗料などをタッチアップして錆防止を図ることができる。
(2)好ましくは、上記(1)に記載した本発明の基礎杭において、前記杭本体の上部開口の内面に当接する外形を有し、前記杭頭プレートの溝に重複する貫通孔を設けた孔開きプレートと、前記杭頭プレートの溶接痕を超える厚さを有し、前記孔開きプレート及び前記杭頭プレートの間に介在するスペーサとを備えた構成にするとよい。
上記構成によれば、孔開きプレートの貫通孔にボルトの軸部を挿通することで、ボルトが杭頭プレートの溝に沿って移動することを制限でき、ボルトの事後的な脱落を防止することが可能となる。
また、杭頭プレートは、杭本体の上部開口の内面に隅肉溶接されるが、孔開きプレート及び杭頭プレートの間にスペーサを介在させることで、隅肉溶接の溶接痕を回避することができ、孔開きプレートと杭頭プレートとを、それぞれスペーサに面接触させることが可能となる。この結果、孔開きプレート、スペーサ及び杭頭プレートをボルト、ナットで良好に締結させることができる。
(3)好ましくは、上記(1)に記載した本発明の基礎杭において、前記杭本体の上部開口の内面に当接する外形を有し、前記杭頭プレートの溝に重複する貫通孔を設けた孔開きプレートを備え、該孔開きプレートが、前記杭頭プレートの溶接痕を超える厚さを有し、その裏面側の前記溶接痕に対応する箇所の厚さを減らし、前記溶接痕を回避した構成にするとよい。
上記構成によれば、孔開きプレートの裏面側の溶接痕に対応する箇所の厚さを減らすことで溶接痕を回避でき、孔開きプレートと杭頭プレートとを互いに面接触させることが可能となる。この結果、孔開きプレートと杭頭プレートをボルト、ナットで良好に締結させることができるとともに、上記(2)の構成におけるスペーサを省略し、構成の簡単化と部品点数の削減とを図ることが可能となる。
(4)好ましくは、上記(1)に記載した本発明の基礎杭において、前記杭本体の上部開口の内面に当接する外形を有し、前記杭頭プレートの溝に重複する貫通孔を設けた孔開きプレートを備え、該孔開きプレートの前記溶接痕に対応する箇所を切り欠いて、前記溶接痕を回避した構成にするとよい。
上記構成によれば、孔開きプレートの裏面側の溶接痕に対応する箇所を切り欠くことで溶接痕を回避でき、孔開きプレートと杭頭プレートとを互いに面接触させることが可能となる。この結果、孔開きプレートと杭頭プレートをボルト、ナットで良好に締結させることができるとともに、上記(2)の構成におけるスペーサを省略し、構成の簡単化と部品点数の削減とを図ることが可能となる。特に、上記(3)の構成と比較して、孔開きプレートの肉厚を薄くすることができ、使用材料の削減と重量の軽減とを図ることができる。
(5)好ましくは、上記(1)に記載した本発明の基礎杭において、前記杭頭プレートの溶接痕を超える厚さを有するスペーサと、前記ボルトとしての高力ボルトとを備え、前記構造物又は前記構造物を連結するための接合金物と、前記杭頭プレートとを、前記スペーサを介在させて前記高力ボルトにより締結した構成にするとよい。
上記構成によれば、高力ボルトの使用により、構造物又は接合金物とスペーサとの接触面全体、及びスペーサと杭頭プレートとの間の接触面全体がそれぞれ摩擦接合され、これら部材間の位置ずれを防止することができる。この結果、ボルトが杭頭プレートの溝に沿って移動することを制限でき、ボルトの事後的な脱落を防止することが可能となる。
(6)好ましくは、上記(1)〜(5)に記載したいずれかの本発明の基礎杭において、前記杭本体の少なくとも地上露出部分及び前記杭頭プレートに、前記鍍金処理を施した別部品の杭頭キャップを装着した構成にするとよい。
上記構成によれば、肉厚の表面側1mmを腐食代とした一般的な杭本体に、鍍金処理を施した別部品を取り付けることにより、杭本体の地上露出部分の腐食を容易に防止することが可能となる。この結果、様々な全長の一般的な杭本体の地上露出部分に、本発明の腐食防止手段を広く適用することができるようになる。
(7)好ましくは、上記(1)〜(6)に記載したいずれかの本発明の基礎杭において、前記杭本体の内部に樹脂材料を充填し、前記杭本体の内部への空気の流入を阻止した構成にするとよい。
上記構成によれば、杭頭プレートの切欠部及び溝を通じて、杭本体の内部に空気が流入することを阻止でき、杭本体の内面側の腐食を防止することが可能となる。この結果、地上露部分の鍍金処理と、地中に打ち込んだ部分の腐食代と、内部への空気の流入阻止とが相俟って、基礎杭の全体にわたるより確実な腐食防止が実現する。
ここで、上記(7)における「杭本体の内部に樹脂材料を充填し」には、例えば、発砲樹脂などの流動性を有する樹脂材料を杭本体の内部に充填して事後的に硬化させる場合、又はゴム栓などの定形性を有する樹脂材料からなる部品を杭本体の内部に圧入させる場合等が含まれる。
本発明の基礎杭によれば、連結用のボルト又はナットのねじ山を潰すことなく、杭頭プレートを含む地上露出部分を鍍金することができ、任意の接合金物を選択的に使用することが可能となる。
メガソーラーなどを構成する一般的な地盤設置型ソーラシステムの構造を示すものであり、同図(a)は平面図、同図(b)は側面図である。 本発明の第1実施形態に係る基礎杭を示す断面図である。 同図(a)〜(c)は、それぞれ上記基礎杭を構成する杭頭プレート、スペーサ及び孔開きプレートの平面図であり、同図(d)は杭頭プレート、スペーサ及び孔開きプレートを互いに重ね合わせた状態の平面図である。 本発明の第2実施形態に係る基礎杭を示す断面図である。 同図(a)は、上記基礎杭を構成する杭頭プレートを示す平面図であり、同図(b)は杭頭プレート、スペーサ及び孔開きプレートを互いに重ね合わせた状態の平面図である。 本発明の第3実施形態に係る基礎杭を示す断面図である。 同図(a)は、上記基礎杭を構成する孔開きプレートを示す平面図であり、同図(b)は同図(a)の断面図である。 本発明の第4実施形態に係る基礎杭を示す断面図である。 同図(a)、(b)は、それぞれ上記基礎杭を構成する杭頭プレート及び孔開きプレートの平面図であり、同図(c)は杭頭プレート及び孔開きプレートの積層状態を示す平面図である。 本発明の第5実施形態に係る基礎杭を示す断面図である。 図10の要部拡大図である。 本発明の第6実施形態に係る基礎杭を示す断面図である。 本発明の第7実施形態に係る基礎杭を示す断面図である。 基礎杭と建造物とを接合するための接合金物を示すものであり、同図(a)は平面図、同図(b)は同図(a)の断面図である。 上記と異なる構成の接合金物を示すものであり、同図(a)は平面図、同図(b)は同図(a)の断面図である。 上記と異なる構成の接合金物を示すものであり、同図(a)は平面図、同図(b)は同図(a)の断面図である。
<第1実施形態>
本発明の第1実施形態に係る基礎杭について、図2及び図3を参照しつつ説明する。
<<全体構成>>
図2において、本実施形態の基礎杭10は、鋼製丸パイプからなる杭本体10Aの上部開口に、ボルト15Aを固定するための杭頭プレート11を溶接するとともに、該杭頭プレート11を含む地上露出部分に鍍金10aを施した構成となっている。なお、図面の簡略化のため、図2では、杭本体10Aの外側のみに鍍金10aの層を記載したが、実際は、杭本体10Aの外側、内側及び端面の全てに鍍金処理が施してある。このことは、後述する図4、図6、図8、図10、図11及び図13も同様である。
杭頭プレート11は、鋼管の内径とほぼ等しい直径を有している。この杭頭プレート11の上には、杭本体10Aの内径よりも小さい直径のスペーサ12が介在させてあり、このスペーサ12の上に円形の孔開きプレート13を重ねて、杭本体10Aの上部開口を塞いでいる。
このような基礎杭10は、下側が地中Gに埋設され、地上に露出した上側で構造物を支持する。例えば、図1に示すような地盤設置型ソーラシステム1に基礎杭10を適用する場合は、基礎杭10のボルト15Aに接合金物4を締結するとともに、この接合金物4を、架台3を構成する断面コ字形の下架材3A又は3Bに連結する。
ここで、図14(a)及び(b)に示すように、接合金物4には、図中の横方向に延びる中央の長孔4aと、図中の縦方向に延びる左右一対の長孔4b、4bとが設けてある。図2において、接合金物4の横方向の長孔4aに、基礎杭10のボルト15Aを挿通し、ナット15Bを締結することで、基礎杭10の上端部に接合金物4が連結される。
一方、図2に示す架台3の下架材3A又は3Bには、所定の間隔をおいて長孔3a、3aが設けてある。これら長孔3a、3aは、接合金物4の左右一対の長孔4b、4bと直交する方向に延びており、対応する長孔3a及び4bどうしを部分的に重ね合わせて連通させる。そして、長孔3a及び4bどうしを連通させた箇所にボルト16Aを挿通し、このボルト16Aにナット16Bを締結することで、下架材3A又は3Bが接合金物4に連結される。このとき、基礎杭10と下架材3A又は3Bとの間に生じた位置ずれを、各長孔3a、4a、4bの全長の範囲内で吸収することができる。
<<各部の説明>>
本実施例の基礎杭10を構成する杭頭プレート11、スペーサ12及び孔開きプレート13について、図3(a)〜(d)を参照しつつ説明する。
<<<杭頭プレート>>>
図3(a)に示すように、杭頭プレート11は、杭本体10Aに溶接可能な鋼材などの金属製円板からなり、その円周の一部に、ボルト15Aの頭部を通過させることが可能な大きさの切欠部11aが形成してある。切欠部11aの形状は、特に限定されるものではなく、本実施形態では、円周に接近するほど幅が広くなる略台形としている。このような構成とした場合は、図2に示すボルト15Aの頭部を切欠部11aに挿通しやすくなる。
また、杭頭プレート11には、一端側が切欠部11aに連通する溝11bが設けてある。この溝11bは、ボルト15Aの軸部を挿通するためのものであり、その他端側がボルト15Aの軸部よりも若干大きい直径の半円形となっている。この半円形の他端側は、杭頭プレート11の中心に位置する。
このような杭頭プレート11の各部の寸法を例示すると、例えば、外径89.1mmの鋼管に対して、杭頭プレート11の直径を81.5mm、厚さを9mm、切欠部11aの最小幅を33mm、溝11bの幅を18mmにすることができる。
<<<スペーサ>>>
図3(b)に示すように、スペーサ12は、金属製の円形座金であり、杭本体10Aの内径よりも小さい直径を有している。スペーサ12の中心には、ボルト15Aの軸部よりも若干大きい直径の貫通孔12aが設けてある。このようなスペーサ12は、図2に示す溶接痕14を超える厚さを有しており、溶接痕14に干渉することなく、杭頭プレート11の上面及び孔開きプレート13の下面にそれぞれ面接触する。
このようなスペーサ12の各部の寸法を例示すると、例えば、外径89.1mmの鋼管に対して、スペーサ12の直径を40mm、厚さを9mm、貫通孔12aの直径を18mmとすることができる。
<<<孔開きプレート>>>
図3(c)に示すように、孔開きプレート13は、杭頭プレート11と同様に、鋼材などの金属製円板からなり、杭本体10Aの内径とほぼ等しい直径を有する。孔開きプレート13の中心には、ボルト15Aの軸部よりも若干大きい直径の貫通孔13aが設けてある。このような孔開きプレート13は、杭本体10Aの内面に嵌合して上部開口を塞ぐ。
<<<ボルトの脱落防止>>>
上述した杭頭プレート11、スペーサ12及び孔開きプレート13の積層状態を、図3(d)の平面図に示す。同図において、最も下に位置する杭頭プレート11は、図中の×印に示す周縁部を、図2に示す杭本体10Aの内面に隅肉溶接してある。図3(d)には示していないが、杭頭プレート11の切欠部11aには、上下を逆にしたボルト15Aの頭部が挿通され、溝11bに沿ってボルト15Aの軸部が、溝11bの半円形の他端側に位置決めされる。
このボルト15Aの軸部を貫通孔12aに挿通させて、スペーサ12を杭頭プレート11の上に載置する。スペーサ12の円形の貫通孔12aは、ボルト15Aの軸部に位置決めされ、杭頭プレート11に設けた溝11bの半円形の他端側に一致する。その後、ボルト15Aの軸部を貫通孔13aに挿通させて、孔開きプレート13をスペーサ12の上に載置する。スペーサ12の上面が、杭頭プレート11の溶接痕14を超える高さに位置しているので、孔開きプレート13は、溶接痕14に干渉することなく、スペーサ12の上面に面接触して重なり合う。そして、孔開きプレート13の周縁部が、図2に示す杭本体10Aの内面に当接し、基礎杭10の上部開口を塞ぐとともに、ボルト15Aが溝11bに沿って移動することを阻止する。これにより、ボルト15Aの杭本体10A内への脱落が防止される。
<<<基礎杭の地上露出部分の鍍金処理>>>
本実施形態の基礎杭10は、杭本体10Aの内面に杭頭プレート11を隅肉溶接した後、この杭頭プレート11を含む地上露出部分の表面に鍍金処理している(杭本体10Aの地上露出部分については図2の符号10aを参照)。一方、スペーサ12及び孔開きプレート13は、杭本体10Aに組み付ける前に、それぞれ単体で表面全体を鍍金処理している。このような鍍金処理により、基礎杭10の地上露出部分の腐食を確実に防止することが可能となる。
<<作用効果>>
本実施形態の基礎杭10によれば、杭頭プレート11を含む地上露出部分の鍍金処理の後に、連結用のボルト15Aを杭頭プレート11に締結させることができるようになり、連結用のボルト15Aのねじ山を鍍金で潰すことなく、杭頭プレート11を含む地上露出部分を鍍金することができ、任意の接合金物4を選択的に使用することが可能となる。
また、杭本体10Aを地中に打ち込んだ後に、ボルト15Aを杭頭プレート11に固定することができるので、杭本体10Aを効率よく地中に打ち込むことができ、施工現場での状況に応じて、ボルト15Aを長さの異なる別のボルトに交換することも可能である。
なお、上述した本実施形態の基礎杭10は、鍍金処理をした杭本体10Aに、同じく鍍金処理した杭頭プレート11を事後的に溶接してもよい。この場合、杭本体10Aと杭頭プレート11との溶接箇所の鍍金がとれてしまうが、この溶接箇所に錆止め塗料などをタッチアップして錆防止を図ることができる。
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態に係る基礎杭について、図4及び図5を参照しつつ説明する。なお、本実施形態において、上述した第1実施形態と同様の箇所は、同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
本実施形態に係る基礎杭20を図4に示す。この基礎杭20は、第1実施形態と同様に、鋼製丸パイプからなる杭本体10Aの上部開口に杭頭プレート21を隅肉溶接し、その上にスペーサ12及び孔開きプレート13を重ね合わせた構成となっている。
ここで、本発明における杭頭プレートは、図3に示した第1実施形態の形状に限定されるものではない。図5(a)に示す本実施形態の杭頭プレート21のように、金属製円板の一部を、中心線と平行な線に沿って真直ぐに切断した切欠部21aを設けてもよい。この切欠部21aには、杭頭プレート21の中心にボルト15Aを案内する溝21bの一端側が連通している。
本実施形態の杭頭プレート21、スペーサ12及び孔開きプレート13の積層状態を、図5(b)の平面図に示す。同図において、最も下に位置する杭頭プレート21は、図中の×印に示す周縁部を、杭本体10Aの内面に隅肉溶接してある。本実施形態の杭頭プレート21によれば、開口面積の大きい切欠部21aに、上下を逆にしたボルト15A(図4を参照)の頭部を容易に挿通することができる。
そして、杭頭プレート21の溝21bに沿ってボルト15Aの軸部を中心に位置決めし、この軸部を貫通孔12a、13aに挿通させて、スペーサ12と孔開きプレート13とを順番に、杭頭プレート21の上に載置する。第1実施形態と同様に、スペーサ12の上面が、杭頭プレート11の溶接痕14を超える高さに位置しているので、孔開きプレート13は、溶接痕14に干渉することなく、スペーサ10の上面に面接触して重なり合う。また、孔開きプレート13の周縁部が、図4に示す杭本体10Aの内面に当接し、基礎杭20の上部開口を塞ぐとともに、ボルト15Aが溝21bに沿って移動することを阻止する。これにより、ボルト15Aの杭本体10A内への脱落が防止される。
本実施形態に係る杭頭プレート21は、開口面積の大きい切欠部21aによって、ボルト15Aの頭部を容易に挿通することができるが、第1実施形態の杭頭プレート11と比較して、杭本体10Aの内面に隅肉溶接する周縁部の長さが短くなる。そこで、実施形態に係る杭頭プレート21は、許容荷重の比較的小さい杭本体に適用することが好ましい。
本実施形態の基礎杭20によれば、第1実施形態と同様に、杭頭プレート21を含む地上露出部分の鍍金処理の後に、連結用のボルト15Aを杭頭プレート21に締結させることができるようになり、連結用のボルト15Aのねじ山を鍍金で潰すことなく、杭頭プレート21を含む地上露出部分を鍍金することができ、任意の接合金物4を選択的に使用することが可能となる。これに加え、杭頭プレート21を杭本体10Aの内面に隅肉溶接した後に、切欠部21aによって形成される開口面積を大きくすることができ、ボルト15Aの頭部を容易に挿通することが可能となる。
<第3実施形態>
次に、本発明の第3実施形態に係る基礎杭について、図6及び図7を参照しつつ説明する。なお、本実施形態において、上述した第1実施形態と同様の箇所は、同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
本実施形態に係る基礎杭30を図6に示す。この基礎杭30は、第1及び第2実施形態と異なり、鋼製丸パイプからなる杭本体10Aの上部開口に隅肉溶接した杭頭プレート11の上に、スペーサ12を介在させずに、直接、孔開きプレート31を重ね合わせた2枚構成となっている。
図7(a)、(b)に示すように、本実施形態の孔開きプレート31は、第1実施形態の孔開きプレート13と異なり、杭頭プレート11の溶接痕14(図6を参照)を超える厚さを有し、その裏面側の周縁部には、溶接痕14に対応する箇所の厚さを減らしたテーパー状の減厚部31bが形成してある。その他は、第1実施形態の孔開きプレート13と同様であり、孔開きプレート31は、杭本体10Aの上部開口の内面に当接する外形を有し、杭頭プレート11の溝11bに重複する貫通孔31aを設けた構成となっている。
本実施形態の基礎杭30によれば、孔開きプレート31の裏面側の溶接痕14に対応する箇所の厚さを減らすことで溶接痕14を回避でき、孔開きプレート31と杭頭プレート11とを互いに面接触させることが可能となる。この結果、孔開きプレート31と杭頭プレート11をボルト15A、ナット15Bで良好に締結させることができるとともに、第1及び第2実施形態の構成におけるスペーサ12を省略し、構成の簡単化と部品点数の削減とを図ることが可能となる。
なお、本実施形態では、第1実施形態の杭頭プレート11に孔開きプレート31を適用した構成を例示したが、第2実施形態の杭頭プレート21に孔開きプレート31を適用しても、第1〜第3実施形態と同様の作用効果が得られる(以下に述べる実施形態についても同様)。
<第4実施形態>
次に、本発明の第4実施形態に係る基礎杭について、図8及び図9を参照しつつ説明する。なお、本実施形態において、上述した第1実施形態と同様の箇所は、同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
本実施形態に係る基礎杭40を図8に示す。この基礎杭40は、第3実施形態と同様に、鋼製丸パイプからなる杭本体10Aの上部開口に隅肉溶接した杭頭プレート11の上に、スペーサ12を介在させずに、直接、孔開きプレート41を重ね合わせた2枚構成となっている。しかし、本実施形態では、杭頭プレート11及び孔開きプレート41が、第1〜第3実施形態と異なっている。
まず、図9(a)に示すように、本実施形態の杭頭プレート11は、切欠部11aの反対側に他の切欠部11cを設けた構成となっている。この他の切欠部11cは、ボルト15Aの頭部を挿通するためのものではなく、杭頭プレート11の周縁部に非溶接個所を形成するためのものである。このような本実施形態の杭頭プレート11は、切欠部11a、11c以外の一対の円弧状の周縁部を隅肉溶接する(同図(c)の×印を参照)。
次いで、図9(b)に示すように、本実施形態の孔開きプレート41は、第3実施形態の孔開きプレート31と異なり、上述した杭頭プレート11の溶接痕14に対応する箇所を切り欠いて、一対の円弧状の切欠部41b、41cを設けた構成としてある。このような孔開きプレート41は、全体の概略形状が杭頭プレート11よりも一回り小さい円板形であり、杭頭プレート11の切欠部11a、11cに対応する周縁部の残存部分が、鋼管の内面との当接部となる。第1〜3実施形態と同様に、孔開きプレート41の中心には、ボルト15Aを挿通するための挿通孔41aが設けてある。
本実施形態の杭頭プレート11及び孔開きプレート41の積層状態を、図9(c)の平面図に示す。同図において、下に位置する杭頭プレート11は、図中の×印に示す一対の円弧状の周縁部を、杭本体10Aの内面に隅肉溶接してある。第1実施形態と同様に、杭頭プレート11の切欠部11aに、上下を逆にしたボルト15A(図4を参照)の頭部を挿通し、杭頭プレート11の溝11bに沿ってボルト15Aの軸部を中心に位置決めする。
このボルト15Aの軸部を貫通孔41aに挿通させて、孔開きプレート41を杭頭プレート11の上に載置する。本実施形態では、孔開きプレート41の溶接痕14に対応する箇所に切欠部41b、41cを設けているので、孔開きプレート41は、溶接痕14に干渉することなく、杭頭プレート11の上面に面接触して重なり合う。また、孔開きプレート41の残存する周縁部が、図8に示す杭本体10Aの内面に当接し、杭本体10Aの内面に嵌合する。これにより、ボルト15Aが溝11bに沿って移動することを阻止し、ボルト15Aの杭本体10A内への脱落が防止される。
本実施形態の基礎杭40によれば、孔開きプレート41の裏面側の溶接痕14に対応する箇所を切り欠くことで溶接痕14を回避でき、孔開きプレート41と杭頭プレート11とを互いに面接触させることが可能となる。この結果、孔開きプレート41と杭頭プレート11をボルト15A、ナット15Bで良好に締結させることができるとともに、第1及び第2実施形態の構成におけるスペーサ12を省略し、構成の簡単化と部品点数の削減とを図ることが可能となる。特に、第3実施形態の孔開きプレート31と比較して、孔開きプレート41の肉厚を薄くすることができ、使用材料の削減と重量の軽減とを図ることができる。
<第5実施形態>
次に、本発明の第5実施形態に係る基礎杭について、図10及び図11を参照しつつ説明する。なお、本実施形態において、上述した第1実施形態と同様の箇所は、同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
本実施形態に係る基礎杭50を図10に示す。この基礎杭50は、第1〜第4実施形態と異なり、連結用のボルト及びナットとして、高力ボルト51A及び高力ナット51Bを採用し、鋼製丸パイプからなる杭本体10Aの上部開口に隅肉溶接した杭頭プレート11の上に、スペーサ12のみを介在させて、接合金物4を締結した構成となっている。すなわち、本実施形態では、第1〜第4実施形態のような孔開きプレート13、31、41を用いていない。
図11に示すように、杭頭プレート11、スペーサ12及び接合金物4を連結する高力ボルト51A、51Bは、第1〜第4実施形態で用いた通常のボルト15A、ナット15B(図2を参照)と比較して、高い強度を有し、高い引張力に耐え得るとともに、ボルト51Aの締付力が均一となる性能を有する。本実施形態では、この高力ボルト51A、51Bを用いて、杭頭プレート11、スペーサ12及び接合金物4を互いに摩擦接合している。
高力ボルト51A及び高力ナット51Bによる摩擦接合は、図11中の太線の矢印T、両矢印Tμに示す力を伝達する。高力ナット51Bを締め付けて高力ボルト51Aにトルクを与えると、高力ボルト51Aに軸力Tが伝達され、その反力Tと、板材11、12、14の摩擦係数μとを乗じた摩擦力Tμが伝達される。このような摩擦接合では、杭頭プレート11、スペーサ12及び接合金物4の接触面全体で力が伝達されるので、高力ボルト51Aの軸部にせん断力、支圧力が作用せず、ボルト張力が変化しない。
本実施形態の基礎杭50によれば、高力ボルト51A及び高力ナット51Bの使用により、接合金物4とスペーサ12との接触面全体、及びスペーサ12と杭頭プレート11との間の接触面全体がそれぞれ摩擦接合され、これら部材間の位置ずれを防止することができる。この結果、高力ボルト51Aが杭頭プレート11の溝11bに沿って移動することを制限でき、第1〜第4実施形態のような孔開きプレート13、31、41を用いずに、高力ボルト51Aの事後的な脱落を防止することが可能となる。これに加え、高力ボルト51A及び高力ナット51Bの使用によって、接合金物4の長孔4aと、これに挿通した高力ボルト51Aとの相対的な位置ずれを防止することもできる。
<第6実施形態>
次に、本発明の第6実施形態に係る基礎杭について、図12を参照しつつ説明する。なお、本実施形態において、上述した第4実施形態と同様の箇所は、同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
本実施形態に係る基礎杭60を図12に示す。この基礎杭60は、長尺の鋼製丸パイプからなる杭本体60Aの上部に、これよりも直径の大きい鋼製丸パイプからなる杭頭キャップ60Bを装着した構成になっている。この杭頭キャップ60B上部開口は、図3(c)に示す孔開きプレート13と同様の金属製円板61で塞いである。この金属製円板61には、ボルト15Aを挿通するための貫通孔61aが設けてある。
このような杭頭キャップ60Bは、基礎杭60の地上露出部分を、杭本体60Aとは別部品としたものであり、金属製円板61を含む表面全体に鍍金60aが施してある。したがって、本実施形態では、杭本体60A及び杭頭プレート11の表面を鍍金処理していない。また、金属製円板61の貫通孔61aと、接合金物4の長孔4aとの間には、パッキン62が介在させてあり、杭本体60A内への水、空気の侵入を防止している。
本実施形態の基礎杭60によれば、肉厚の表面側1mmを腐食代とした一般的な鋼製丸パイプからなる杭本体60Aに、鍍金60aを施した杭頭キャップ60Bを取り付けることにより、本基礎杭60の地上露出部分の腐食を容易に防止することが可能となる。この結果、様々な全長の一般的な杭本体の地上露出部分に、本発明の腐食防止手段を広く適用することができるようになる。特に、本実施形態のように杭本体60Aの全長が長い場合には、これを鍍金処理する必要がなくなり、コストを削減することが可能となる。
<第7実施形態>
次に、本発明の第7実施形態に係る基礎杭について、図13を参照しつつ説明する。なお、本実施形態において、上述した第1実施形態と同様の箇所は、同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
本実施形態に係る基礎杭70を図13に示す。同図において、本実施形態では、全長の短い複数本の杭本体70A、70B・・・を互いに溶接して、1本の長い基礎杭70を形成している。地上に露出する最も上の杭本体70Aのみ、その表面全体に鍍金10aが施してある。これ以外の地上に露出しない杭頭本体70B・・・に鍍金10aは施していない。
そして、地上に露出する最も上の杭本体70Aの内部には、樹脂材料であるウレタンフォーム71が充填してあり、杭本体10Aの内部への空気の流入を阻止した構成となっている。
ウレタンフォーム71は、杭本体70Aの上部開口又は下部開口から充填する。例えば、杭頭プレート11を隅肉溶接する前であれば、杭本体70Aの上部開口からウレタンフォーム71を充填する。これとは逆に、杭頭プレート11を隅肉溶接した後であれば、杭本体70Aの下部開口からウレタンフォーム71を充填する。いずれの場合も、杭頭プレート11を隅肉溶接するときの熱、又は杭本体70Bを溶接するときの熱がウレタンフォーム71を溶解しないよう、ウレタンフォーム71は、杭本体70Aの上部開口又は下部開口から十分に離れた位置に充填するとよい。
本実施形態の基礎杭70によれば、杭頭プレート11の切欠部11a(11c)及び溝11bを通じて、杭本体70Aの内部に空気が流入することを阻止でき、杭本体70A、70B・・・の内面側の腐食を防止することが可能となる。この結果、地上露部分の鍍金処理と、地中に打ち込んだ部分の腐食代と、鋼管内部への空気の流入阻止とが相俟って、基礎杭70の全体にわたるより確実な腐食防止が実現する。
なお、本実施形態では、流動性を有するウレタンフォーム71を杭本体70A内に充填して事後的に硬化させる構成としたが、本発明は、この構成に限定されるものではなく、例えば、杭本体70Aの内径に対応する外径を有するゴム栓などの樹脂部品を、杭本体70Aの内部に圧入させる構成としてもよい。
<接合金物の具体例>
上述した各実施形態の基礎杭10〜70は、市場に流通している多種多様の接合金物を自由に選択して適用することが可能である。以下、本基礎杭10〜70に適用可能な接合金物の具体例について、図14〜図16を参照しつつ説明する。
<<具体例1>>
具体例1として、上述した第1〜第7実施形態で使用した接合金物4を図14(a)、(b)に示す。この接合金物4は、矩形の平らな鋼板からなるフランジ部4Aと、略U型に折り曲げた鋼板からなるボックス部4Bとを溶接した構成になっている。
図14(a)に示すように、接合金物4のフランジ部4Aの左右両側には、図中の縦方向に延びる一対の長孔4b、4bが設けてある。また、ボックス部4Bの底面中央には、図中の横方向に延びる長孔4aが設けてある。例えば、図2に示すように、フランジ部4Aの各長孔4b、4bには、架台3の下架材3A又は3Bに設けた長孔3aに連結するためのボルト16Aが挿通される。一方、ボックス部4Bの長孔4aには、上述した第1〜第7実施形態の基礎杭10〜70と連結するためのボルト15A又は高力ボルト51Aが挿通される。
例えば、下架材3A又は3Bと連結するためのボルト16Aの直径を12mmとした場合は、フランジ部4Aの各長孔4b、4bの幅を14mm程度に設定する。これと同様に、基礎杭10〜70と連結するためのボルト15A又は高力ボルト51Aの直径を16mmとした場合は、ボックス部4Bの長孔4aの幅を18mm程度に設定する。長孔4a、4b、4bの長さは、挿通したボルト15A、16A、51Aが長孔4a、4b、4bの中心から正逆方向にそれぞれ30mm程度移動可能な寸法にするとよい。
フランジ部4Aの中央には、矩形の開口部が形成してあり、この開口部を介してボックス部4Bの長孔4aに挿通したボルト15A又は高力ボルト51A、ナット15B又は高力ナット51Bにアクセス可能となっている。さらに、鋼板を略U型に折り曲げたボックス部4Bは、図1(b)における正面及び背面が開口しており、この開口からボルト15A又は高力ボルト51A、ナット15B又は高力ナット51Bにアクセスすることも可能である。
<<具体例2>>
具体例2に係る接合金物5を図15(a)、(b)に示す。この接合金物5は、矩形の平らな鋼板からなる金物本体の中央に横方向の長孔5a、左右両側に縦方向の長孔5b、5bを形成した構成となっている。長孔5aには、基礎杭10〜70と連結するためのボルト15A又は高力ボルト51Aが挿通される。一方、長孔5b、5bには、架台3の下架材3A又は3Bに設けた長孔3aに連結するためのボルト16Aが挿通される。
<<具体例3>>
具体例3に係る接合金物6を図16(a)、(b)に示す。この接合金物6は、円板状の鋼板からなる金物本体の中央に貫通孔6Aを設け、この貫通孔6Aを中心にして、同一直線状に位置する4対の長孔6a及び6a、6b及び6b、6c及び6c、6d及び6dを、それぞれ放射状に設けた構成としてある。中心の貫通孔6Aには、基礎杭10〜70と連結するためのボルト15A又は高力ボルト51Aが挿通される。一方、長孔6a及び6a、6b及び6b、6c及び6c、6d及び6dのいずれか1対には、架台3の下架材3A又は3Bに設けた長孔3aに連結するためのボルト16Aが挿通される。
<その他の変更>
本発明の基礎杭は、上述した第1〜7実施形態の構成に限定されるものではない。例えば、本発明の基礎杭は、地盤設置型ソーラシステムに限らず、農業用温室、農業用ハウス等の比較的軽量な建造物の支持に用いることができる。また、杭頭プレート、スペーサ、孔開きプレートの形状は、図面に示したものには限定されず、様々な形状に変更することが可能である。さらに、上述した第1〜7実施形態では、いずれも杭本体を丸パイプとしたが、杭本体は角パイプであってもよい。これに加え、本発明の基礎杭に適用可能な接合金物は、上述した具体例1〜3に限定されるものではなく、市場に流通している多種多様な接合金物を適用することができる。
1 地盤設置型ソーラシステム
2 太陽電池パネル
3 架台
3A、3B 下架材
4、5、6 接合金物
4A フランジ部
4B ボックス部
3a、4a、4b、5a、5b、6a、6b、6c、6d 長孔
10、20、30、40、50、60、70 基礎杭
10A、60A、70A、70B 杭本体
10a、60a 鍍金
11、21 杭頭プレート
11a、11c、21a、41c、41b 切欠部
11b、21b 溝
12 スペーサ
13、31、41 孔開きプレート
6A、12a、13a、31a、41a、61a 貫通孔
14 溶接痕
15A、16A ボルト
15B、16B ナット
31b 減厚部
51A 高力ボルト
51B 高力ナット
60B 杭頭キャップ
61 金属製円板
62 パッキン
71 ウレタンフォーム(合成樹脂)

Claims (7)

  1. 下側が地中に埋設され、地上に露出した上側で構造物を支持する金属製の基礎杭であって、
    丸又は角パイプからなる杭本体と、前記杭本体の上部開口に溶接され、ボルト又はナットを固定するための杭頭プレートと、を備え、
    前記杭頭プレートには、前記ボルトの頭部又は前記ナットを通過させることが可能な大きさの切欠部と、一端側が前記切欠部に連通する、前記ボルトの軸部を挿通するための溝とを設け、
    直接又は間接的に施した鍍金処理により、前記杭本体の少なくとも地上露出部分及び前記杭頭プレートを錆から保護した、
    ことを特徴とする基礎杭。
  2. 前記杭本体の上部開口の内面に当接する外形を有し、前記杭頭プレートの溝に重複する貫通孔を設けた孔開きプレートと、前記杭頭プレートの溶接痕を超える厚さを有し、前記孔開きプレート及び前記杭頭プレートの間に介在するスペーサとを備えた、請求項1に記載の基礎杭。
  3. 前記杭本体の上部開口の内面に当接する外形を有し、前記杭頭プレートの溝に重複する貫通孔を設けた孔開きプレートを備え、該孔開きプレートが、前記杭頭プレートの溶接痕を超える厚さを有し、その裏面側の前記溶接痕に対応する箇所の厚さを減らし、前記溶接痕を回避した、請求項1に記載の基礎杭。
  4. 前記杭本体の上部開口の内面に当接する外形を有し、前記杭頭プレートの溝に重複する貫通孔を設けた孔開きプレートを備え、該孔開きプレートの前記溶接痕に対応する箇所を切り欠いて、前記溶接痕を回避した、請求項1に記載の基礎杭。
  5. 前記杭頭プレートの溶接痕を超える厚さを有するスペーサと、前記ボルトとしての高力ボルトとを備え、前記構造物又は前記構造物を連結するための接合金物と、前記杭頭プレートとを、前記スペーサを介在させて前記高力ボルトにより締結した、請求項1に記載の基礎杭。
  6. 前記杭本体の少なくとも地上露出部分及び前記杭頭プレートに、前記鍍金処理を施した別部品の杭頭キャップを装着した、請求項1〜5のいずれか1項に記載の基礎杭。
  7. 前記杭本体の内部に樹脂材料を充填し、前記杭本体の内部への空気の流入を阻止した、請求項1〜6のいずれか1項に記載の基礎杭。
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