JP5497681B2 - 伝送装置及び伝送システム並びにtdm信号エミュレーション伝送方法 - Google Patents
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[一般的なパケットネットワークの例]
図19は、クライアントインタフェースであるSTM信号をパケット化して転送するパケットトランスポートの代表的なネットワーク例である。尚、ここでは分かり易いように高速中継側のネットワークインタフェースを10GE信号(10Gigabit Ethernet(登録商標)信号)とし、低速クライアントインタフェースをSTM−1として記載しているが、これに限定されるものではなく、中継側がパケット信号でクライアント側がSTM信号である全ての場合に適用でき、中継ノード数も1つに限らず任意の数の中継ノードが用いられても構わない。
[SNの付与と伝送路エラー]
CEPパケット毎に送信側で付与されるSequence Number(以降SNと称する)と、伝送路エラーが生じた場合の様子について図20を用いて説明する。SNは、CEPパケットを送出する順番に0〜0xFFFF(0xは16進数であることを示す)の値が付与され、後続のCEPパケットが生成される毎にインクリメントした値が順番に挿入される。
[課題1]
0系から1系への切替時にSNが不連続になり、正常パケットであるにも拘らずパケットが破棄されてしまうという問題がある。例えば、Node(a)のクライアント側のSTM−1インタフェースにおいて、運用系(0系)側の伝送路で故障が発生、もしくはコマンドの切替によって、非運用系(1系)側の伝送路への切替が行われた場合、10GE中継ネットワークを経由した受信側のNode(b)では、パケットに付与されているSNの番号が不連続になる位相飛びが発生する。これは、Node(a)のSTM−1カード(0)とSTM−1カード(1)で、それぞれ独立して任意のSNを付与してCEPパケットを送信するようになっているからである。このため、運用が0系から1系に切り替わった時にSNの位相飛びが発生する。そして、SNが不連続な場合は異常と見なして、パケットを破棄する。
[課題2]
クライアント側のインタフェースであるSTM−1カードでVC4パスをCEPパケット化して10GE中継ネットワーク側へ送信する際、ネットワーク上で発生するゆらぎを抑え、回路の共通化のためにひとつのVC4パスを3つのパケットに分割して送信する。VC4パスのフレームの先頭(J1バイト)位置を示すポインタ値は3つに分割された先頭のパケットにのみ挿入され、受信側ではそのポインタ値を元に、VC4パスのフレームの先頭を認識してVCパスフレームを復元してSTM−1信号に変換することができる。
[課題3]
クライアント側に接続されるノード装置(Node(X)、Node(Y)など)によっては、パス切替の機能を具備しており、両系(STM−1の0系/1系)からの信号がともに一定時間以上のエラーを検出すると再度フレームの引き込み直しを図るために2s以上の断が継続してしまうという問題がある。
第1実施形態に係る伝送システム100について説明する。図1は、第1実施形態に係る伝送システム100の構成と、伝送されるパケットの様子を示した図である。尚、図1のNode(a1)およびNode(b1)は、図19のNode(a)およびNode(b)に対応するが、構成および動作が異なる。また、Node(c)およびRingネットワークは、図19と同じものである。さらに、図1には描かれていないが、Node(a1)にはクライアント側のNode(X)がSTM−1インターフェースで接続され、Node(b1)にはクライアント側のNode(Y)がSTM−1インターフェースで接続されている。
[パケットフォーマット]
次に、各実施形態で説明するパケットのフォーマットについて説明する。従来技術で説明したように、RFC4842で勧告されているCES方式では、SDH/SONET等のSTM信号のVCパス(VC3/VC4パスなど)をパケット化して伝送するためのフォーマットが決められており、その1つとしてCEPパケットがある。
・0 bit:二進数の0を示す。
・L bit:CEP−AISを示すビット(AIS時”1”)。
・R bit:CEP−RDIを示すビット(RDI時”1”)。
・N,P bit:正負スタッフ指示バイトである。
・FRG bits:FRGビットとして”0”を送信(受信側では無視)。
・Length bits:CEP/RTP Header + Payloadの総データ長を示す。
・Sequence Number bits:パケットシーケンス番号(0〜0xFFFF)で、初期値は乱数で決められパケット毎に+1される。以降の説明では、シーケンス番号(SN)と称する。
・Structure Pointer bits:SDH/SONETパスの先頭バイトのオフセット値を示す。例えばVCパスのポインタ値として、以降で説明するJ1バイトの位置を示す。
・Reserved field:予備領域で”0”を送信(受信側では無視)。
・V bits:RTPのVersionを示す(例えば”2”に固定)。
・P bit:ペイロード最後のパディングの有無を示す(例えば”0”に固定)。
・X bit:RTP拡張ヘッダの有無を示す(例えば”0”に固定)。
・CC bits:CSRC Countの略で1対1通信では”0”に固定。
・M bit:イベントマーカーで通常”0”に固定。
・PT bits:Payload Type(符号データの種類)を示す。
・Sequence Number bits:パケットシーケンス番号でCEP Headerと同じである。
・Timestamp bits:タイムスタンプ値である。
・SSRC bits:Synchronization sourceの略で同期ソースを示す。
[VCパスのCEPパケット変換]
ここで、VCパスのCEPパケット変換について説明する。図6は、STM−1フレームのVCパスをCEPパケットのPayload部分にカプセル化する様子を示した図である。図6において、VC3パスの場合は1フレーム783byteで、このVC3パスの1フレームを1つのCEPパケットのPayload部分に搭載する。また、VC4パスの場合は、(783バイト×3)バイトの帯域があるので、VC4(1)、VC4(2)およびVC4(3)の3つに分割して、それぞれCEPパケットのPayload領域に載せてパケット化する。この時、従来は、VC4の先頭を示すポインタ値(図6のVC4(1)のJ1バイトの位置を示す値)をVC4(1)をCEPパケットにする時にCEP HeaderのStructure Pointer bitsに記載する。尚、STM−1フレームの詳細な説明については(ITU−T G.707/Telcordia GR−253−CORE準拠)などに記載されており、また本実施形態に係る伝送システムとは関係しないので説明を省略するが、STM−1フレームに搭載されるVC4パス(260バイト×9行のPayloadと、1バイト×9行のVC4パスOverHeadとを含む)には、RSOH(Regenerator Section OverHead:中継セクションのオーバヘッド)、AU(administrative units)ポインタ、MSOH(Multiplex Section OverHead:端局セクションオーバーヘッド)などの9バイト×9行の多重化セクションヘッダが付加される。また、VC3パスの場合は、STM−1フレームのPayload部分に3つのVC3パスが搭載される。例えばVC3パスaと、VC3パスbと、VC3パスcとが搭載される場合は、VC3a:VC3b:VC3c:VC3a:VC3b:VC3c:VC3a・・・・のように、1バイトずつ順番に繰り返し配置される。そして、3つのVC3パスのデータが搭載された1つのSTM−1フレームをCEPパケット化する場合は、VC3a、VC3bおよびVC3cのそれぞれの別の宛先になる可能性があるので、VC3aで1つのCEPパケット、VC3bで1つのCEPパケット、VC3cで1つのCEPパケットをそれぞれ生成する。
次に、第1実施形態に係る伝送システム100で伝送されるCEPパケットの流れについて説明する。
次に、第2実施形態に係る伝送システム100aについて説明する。図10は、第2実施形態に係る伝送システム100aの構成と、伝送されるパケットの様子を示した図である。尚、図10のNode(a2)およびNode(b2)は、図19のNode(a)およびNode(b)に対応するが、構成および動作が異なる。特に、本実施形態では、先に説明したVC4パスに対応し、伝送路エラーでVC4フレームのポインタが搭載されたパケットが破棄された場合に、従来であれば破棄されていた正常パケットを破棄せずに受信することができる。
次に、第3実施形態に係る伝送システム100bについて説明する。図14は、第3実施形態に係る伝送システム100bの構成と、伝送されるパケットの様子を示した図である。尚、図14のNode(a3)およびNode(b3)は、図19のNode(a)およびNode(b)に対応するが、構成および動作が異なる。特に、本実施形態におけるNode(a3)およびNode(b3)は、先に図2(b)で説明したノード装置200aの構成に対応し、SW部203aはSWカード(W)206とSWカード(P)207とに二重化されている。
Node(a)、Node(b)、Node(c)、Node(a1)、Node(b1)、Node(a2)、Node(b2)、Node(a3)、Node(b3)、200、200a・・・ノード装置
201・・・STM−1カード(0)
202・・・STM−1カード(1)
203・・・SWカード
204・・・10GEカード(W)
205・・・10GEカード(E)
300・・・STMカード
301・・・TDMIF部
302・・・CEPパケット組立部
303・・・CEPパケット分解部
304・・・自カード情報記憶部
305・・・ID変更検出部
306・・・SN処理部
307・・・ポインタ値挿入部
308・・・ポインタ値変更検出部
309・・・パケット断検出部
310・・・出力パターン切替部
311・・・All”0”挿入部
312・・・All”1”挿入部
Claims (6)
- TDM回線から受信するTDM信号をパケット化してパケット網に出力し、前記パケット網から受信するパケットをTDM信号に変換して前記TDM回線に出力することにより、前記TDM回線を前記パケット網でエミュレーションする伝送装置において、
前記TDM回線からTDM信号を受信してパケット化するパケット組立部と、
前記パケット組立部が出力するパケットを前記パケット網に送信するパケット送信部と、
前記パケット網からパケットを受信するパケット受信部と、
前記パケット受信部が受信したパケットをTDM信号に変換して前記TDM回線に送信するパケット分解部と
で構成され、
前記パケット受信部が前記パケット網から受信したパケットの誤りまたはパケット断を検出した場合、前記パケット分解部は連続する”0”のダミーデータでTDM信号を生成し、前記TDM回線送信部から前記TDM回線に接続される下位装置に送信し、
前記パケット組立部および前記パケット分解部を有するTDM回線IFカードを複数枚設けて冗長化し、
前記パケット組立部は、TDM信号をパケット化する際に、前記TDM回線IFカード毎に独立したシーケンス番号と自らのTDM回線IFカードのIDとを前記パケットのヘッダ情報に付加し、
前記パケット分解部は、前記パケット受信部が受信したパケットのヘッダ情報に付加された前記IDを監視し、前記IDが変化した場合に対向装置の前記TDM回線IFカードの切替があったことを認識して、不連続なシーケンス番号のパケットであった場合でも即時にTDM信号への変換を行う
ことを特徴とする伝送装置。 - TDM回線から受信するTDM信号をパケット化してパケット網に出力し、前記パケット網から受信するパケットをTDM信号に変換して前記TDM回線に出力することにより、前記TDM回線を前記パケット網でエミュレーションする伝送装置において、
前記TDM回線からTDM信号を受信してパケット化するパケット組立部と、
前記パケット組立部が出力するパケットを前記パケット網に送信するパケット送信部と、
前記パケット網からパケットを受信するパケット受信部と、
前記パケット受信部が受信したパケットをTDM信号に変換して前記TDM回線に送信するパケット分解部と
で構成され、
前記パケット受信部が前記パケット網から受信したパケットの誤りまたはパケット断を検出した場合、前記パケット分解部は連続する”0”のダミーデータでTDM信号を生成し、前記TDM回線送信部から前記TDM回線に接続される下位装置に送信し、
前記TDM信号は、フレームの先頭位置を示すポインタ値がヘッダ情報として付加されたフレームを含み、
前記パケット組立部は、前記フレームを複数のパケットに分割する場合に、分割した全パケットのヘッダ領域に前記ポインタ値を格納し、
前記パケット分解部は、前記パケット受信部が受信したパケットのヘッダ領域の前記ポインタ値を抽出して前記TDM信号のフレームを組み立てる
ことを特徴とする伝送装置。 - 請求項1または2に記載の伝送装置において、
前記TDM信号は、SDH/SONETのSTM信号であり、
前記パケットは、CESパケットである
ことを特徴とする伝送装置。 - 請求項2に記載の伝送装置において、
前記フレームは、SDH/SONETのSTM信号のVC4パスのフレームで構成され、
前記パケット組立部は、前記1つのVC4パスのフレームを複数のパケットに分割する場合に、VCパス種別、VCパス番号、VCパス信号の前記ポインタ値を分割した全てのパケットのヘッダ領域に格納し、
前記パケット分解部は、前記パケット受信部が受信したパケットのヘッダ領域の前記VCパス種別、前記VCパス番号、前記VCパス信号のポインタ値を抽出して前記VCパス信号のフレームを組み立てる
ことを特徴とする伝送装置。 - 請求項1から4のいずれか一項に記載の伝送装置を複数台設け、
前記複数台の伝送装置が入出力するTDM信号をパケットに変換して前記パケット網を介してエミュレーション伝送することを特徴とする伝送システム。 - 請求項5に記載の伝送システムに用いられるTDM信号エミュレーション伝送方法であって、
前記伝送装置の前記パケット組立部が行う処理に対応するパケット組立手順と、
前記伝送装置の前記パケット送信部が行う処理に対応するパケット送信手順と、
前記伝送装置の前記パケット受信部が行う処理に対応するパケット受信手順と、
前記伝送装置の前記パケット分解部が行う処理に対応するパケット分解手順と
を有することを特徴とするTDM信号エミュレーション伝送方法。
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