JP5497395B2 - パック化粧料 - Google Patents
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これを改良したパック化粧料として、アルギン酸水溶性塩類を含有するゲル状パーツと、前記アルギン酸水溶性塩類と反応しうる二価以上の金属塩類及び前記反応の遅延剤を含有する粉末パーツとからなり、使用直前に混合して肌に塗布するパック化粧料がある(特許文献3)。しかしこのパック化粧料は混合時の粉末の飛び散りや塗布時の伸びの悪さについて改良の余地があった。また経時安定性については、0℃、RT、37℃、40℃−75%の水準で判断されており、それ以上の高温条件では判断されておらず、実際には高温での安定性は良くなかった。
上記特許文献3のパック化粧料の欠点である、混合時の粉末の飛び散り、塗布時の伸びの悪さを改善するため、粉末パーツに油分を配合したパック化粧料が開発されている(特許文献4)。しかしこのパック化粧料も経時安定性については、0℃、RT、37℃、40℃−75%の水準で判断され、それ以上の高温条件での安定性は不十分であった。
遅延剤の配合量が全量に対して0.05〜0.45質量%であり、
二価以上の金属塩類の配合量が全量に対して3〜17.5質量%であり、
前記遅延剤に対する二価以上の金属塩類の配合割合(質量比)が、遅延剤:二価以上の金属塩類=1:10〜1:200であることを特徴とするパック化粧料である。
また、さらに第一剤に粉末を配合しないパック化粧料とした場合には、ゲル状パーツが透明状になって粉末パーツと混ぜやすくなり、混合時の終点がわかりやすくなる。
以下、各構成成分について詳細に説明する。
本発明の第一剤に配合されるアルギン酸水溶性塩類としては、アルギン酸ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩が挙げられ、このうちナトリウム塩が好ましい。第一剤に配合されるアルギン酸水溶性塩類の好ましい配合量は、化粧料全量に対して0.3〜6質量%、好ましくは0.7〜5質量%、より好ましくは1.5〜3質量%であり、水を配合してゲル状とするのが好ましい。上記範囲で適当な被膜強度があり、良好な使用感となるためである。
さらに、第一剤には清涼感の付与あるいは防腐防黴性の付与のために各種アルコール類を配合することができ、またエキス、薬剤などを配合することが可能である。
本発明において第二剤に含まれるものとしては、二価以上の金属塩類があげられる。二価以上の金属塩類は、前記のようにアルギン酸水溶性塩類とゲル化反応を行うものであるから、アルギン酸水溶性塩類と反応しうるものでなければならない。このような二価以上の金属塩類としては、硫酸カルシウム、クエン酸カルシウム、乳酸カルシウム、塩化カルシウム、硫酸亜鉛、硫酸アルミニウム、乳酸亜鉛などを例示することができ、これらを一種または二種以上配合することができる。このうち特に硫酸カルシウムが好適である。二価以上の金属塩でも、マグネシウム塩及び水銀塩は、アルギン酸水溶性塩とゲル化反応を起こさないので、本発明における金属塩類から除かれる。
粉末充填剤としては、例えばケイソウ土、シリカ、カオリン、炭酸マグネシウム、タルク、二酸化チタン、亜鉛華、結晶セルロースなどが挙げられ、このうち特に結晶セルロースが好ましい。粉末充填剤は少なくとも第二剤(粉末パーツ)に配合されるが、第一剤(ゲル状パーツ)に配合してもよい。ただし、前記したように、第二剤と混ぜ合わせた時の混合終点の判定のしやすさから、第一剤には粉末充填剤を配合しない方がよい。
粉末充填剤は遅延剤に対して質量比で、遅延剤:粉末充填剤=1:5〜1:130で用いるのが好ましい。
液状油分は、常温(25℃)で液状の油分であり、流動パラフィン、スクワランなどの炭化水素油、ヤシ油、ヒマシ油、オリーブ油等の、グリセライド油、イソプロピルミリステート、グリセロールトリ−2−ヘプチルウンデカノエート、グリセロールトリ−2−エチルヘキサノエート、2−ヘプチルウンデシルパルミテート、ジ−2−ヘプチルウンデシルアジペート、セチルイソオクタノエート、トリメチロールプロパン−2−トリメチロールヘプチルウンデカノエート、プロパン−2−エチルヘキサノエート、ペンタエリスリトール−2−ヘプチルウンデカノエート、ペンタエリスリトール−2−エチルヘキサネート等の合成エステル油、およびメチルポリシロキサン、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロサン、メチルハイドロエンポリシロキサン、デカメチルポリシロキサン(シリコンエマルジョン)、メチルポリシロキサン(シリコンエマルジョン)、デカメチルサイクロペンタシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサンなどのシリコーン油等が挙げられる。
表1の処方にしたがって第一剤(ゲル状パーツ)と第二剤(粉末パーツ)よりなるパック化粧料を製造した。
得られた各パック化粧料について、使用テストによる評価及びパック化粧料の経時安定性を確認した。その結果を併せて表1に示す。
第一剤(ゲル状パーツ)と第二剤(粉末パーツ)を混ぜた後、顔にパックを塗布し、5〜15分保持後、パックを剥がす。評価項目は「混ぜやすさ」「混合終点の判定のしやすさ」「たれ落ちのなさ」の3項目である。
(評価方法)
パネル20名による下記の評価の平均値より判定した。
4:粉末の飛び散りがなく、非常に容易に混ざる。
3:粉末の飛び散りが少なく、容易に混ざる。
2:粉末の飛び散りがあり、混ぜるのにやや時間がかかる。
1:粉末の飛び散りがあり、混ざりにくく、ダマになる。
◎:評価点3.5以上
○:評価点3.0以上3.5未満
△:3.0未満
(評価方法)
パネル20名による下記の評価の平均値より判定した。
4:非常に判定しやすい。
3:判定しやすい。
2:普通。
1:判定しにくい。
◎:評価点3.5以上
○:評価点3.0以上3.5未満
△:3.0未満
◎:たれ落ちしない。
○:ややたれ落ちする。
第一剤と第二剤を50℃で4週間放置後、両者を混ぜ合わせ、被膜形成を行った時の匂いの安定性および固化時間の安定性を判定した。
◎:50℃、4週間保存品で変臭なし。
○:50℃、4週間保存品でやや変臭傾向にあるが許容内。
△:50℃、4週間保存品で変臭あり。
◎:50℃、4週間保存品で固化時間に変化なし。
○:50℃、4週間保存品で固化時間延びるが許容内。
△:50℃、4週間保存品で固化時間延びて問題あり。
配合量は第1剤、第2剤の合計を100とした時の配合比(質量比)である。
(第1剤)
水 残余
グリセリン 10 質量%
エタノール 4
アルギン酸Na 3.3
フェノキシエタノール 0.4
クララエキス 0.1
大豆油 0.1
ベニバナエキス 0.1
(第2剤)
結晶セルロース 19
硫酸カルシウム 10
ペンタエリスリトール テトラ−2−エチルヘキサネート 1
リン酸3Na 0.3
香料 適量
(製造方法)
第1剤はディスパーミキサーにてイオン交換水にアルギン酸Naを均一に溶解した後、グリセリン、アルコール及び防腐剤を加えて均一に混合する。
第2剤はヘンシェルミキサーにて粉末を混合した後、油分を徐添して均一に混合する。
Claims (3)
- アルギン酸水溶性塩類を含有する第一剤と、前記アルギン酸水溶性塩類と反応しうる二価以上の金属塩類、前記反応の遅延剤及び粉末充填剤を含有する第二剤からなり、使用時には第一剤と第二剤を混合して使用するパック化粧料であって、
遅延剤の配合量が全量に対して0.05〜0.45質量%であり、
二価以上の金属塩類の配合量が全量に対して3〜17.5質量%であり、
前記遅延剤に対する二価以上の金属塩類の配合割合(質量比)が、遅延剤:二価以上の金属塩類=1:10〜1:200であることを特徴とするパック化粧料。 - 液状油分が第二剤に配合された請求項1に記載のパック化粧料。
- 第一剤には粉末充填剤が配合されていない請求項1に記載のパック化粧料。
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JP2009227416A JP5497395B2 (ja) | 2009-09-30 | 2009-09-30 | パック化粧料 |
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