JP5496898B2 - タンパク質リフォールディングのための方法および剤 - Google Patents

タンパク質リフォールディングのための方法および剤 Download PDF

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Description

本発明は、空間的に互いに異なる少なくとも1つの電子供与体領域および少なくとも1つの正電荷の静電気的領域を有するカチオンを含むイオン性液体の、タンパク質リフォールディングのための使用、該イオン性液体を用いたタンパク質のリフォールディング方法に関する。
本発明の背景
バイオテクノロジーにおける1つの重要なプロセスは、組換タンパク質の発現である。分子生物学において達成された発達に起因して、タンパク質を、そのコード配列から始めてクローニングすること、および組換のやり方で、それを宿主生物中で産生することが可能である。バクテリアにおける組換タンパク質の高収率産生により、組換タンパク質はしばしば、生物学的に不活性な凝集体または封入体の形態で沈殿する。これらの封入体中に含まれるタンパク質は、続いて、in vitroリフォールディングにより、生物学的に活性な形態に変換されなければならない。
第1のステップにおいて、封入体は、典型的には尿素または塩酸グアニジニウムなどの変性剤またはカオトロピック剤で、可溶化される。これは、組換タンパク質が変性され(完全にアンフォールドされ)、可溶化される(凝集体が溶解される)ことを意味する。ほとんどの状況で、変性および可溶化のステップにおいて還元剤を含ませることが必要である。還元剤は、天然にはない鎖間および鎖内ジスルフィド結合を破壊するように作用する。
第2のステップにおいて、変性および可溶化後、タンパク質は、天然および活性な三次元コンフォメーションへとリフォールドされなければならない。復元またはリフォールディング方法は、標的タンパク質を変性環境から、正常にフォールディングした、活性タンパク質に有利な環境へと移すことを企図している。大多数の標的タンパク質にとって、リフォールディング環境が重要である。これが正しくない場合、標的タンパク質はリフォールドに失敗し、再凝集して再び沈殿する。
例えば塩、バッファ、グリコール類、アミノ酸類または糖類など、タンパク質のリフォールディングを促進する多くの異なる分子が同定されてきた。例えば、非変性濃度で尿素またはグアニジニウムなどの分子を添加することは、リフォールディングの効率にポジティブな影響を有することができることが知られている。グアニジニウムまたは尿素の代替として、例えばアルキルウレア、またはカルボン酸アミドまたはアルキル化アミンなどの有機共溶媒などのカオトロピック基質が、in vitroフォールディングプロセスに用いられている。
L−アルギニンの添加によってin vitroフォールディングの収率を増強することができることもまた観察される。in vitroフォールディングの効率を増大する他の添加物は、トリスバッファ、ポリエチレングリコールまたはデタージェントである。
WO03/051908には、特別なイオン性液体、すなわち置換イミダゾリウム塩のリフォールディング剤としての使用が開示されている。
これらの膨大なリフォールディング添加物にもかかわらず、依然としてリフォールディングしづらいまたは悪い収率でリフォールドする組換タンパク質が多くある。
それゆえ、新規な、高度に有効なタンパク質リフォールディング添加物についてのはっきりとしたニーズが存在した。
発明の簡単な説明
特定の電子密度分布を有するイオン性液体が、タンパク質リフォールディングおよび安定化剤に特に有効であることが見出された。前記イオン性液体は、空間的に互いに異なる少なくとも1つの電子供与体領域および少なくとも1つの正電荷の静電気的領域を有するカチオンを含む必要がある。
本発明はしたがって、空間的に互いに異なる少なくとも1つの電子供与体領域および少なくとも1つの正電荷の静電気的領域を有するカチオンを含むイオン性液体の、タンパク質のリフォールディングのための、熱安定性の増大のための、および/または凝集の低減のための使用に関する。
好ましい態様において、空間的に互いに異なる少なくとも1つの電子供与体領域および少なくとも1つの正電荷の静電気的領域を有するカチオンを含むイオン性液体は、以下の一般構造AまたはB、
[HetN]−ED A
または
[HetNED]
ここで、HetNは、少なくとも1つの窒素原子を環系の一部とする芳香族性、一部芳香族性または非芳香族性のヘテロシクリル環系である、
の1種であるカチオンを有する。典型的には、HetNは5または6員環構造である。
EDは、電子供与体である。構造Aによれば、EDはヘテロシクリル環系の1つの原子に共有結合している置換基であるが、EDは環系の一部ではない。
構造Bによれば、EDはヘテロシクリル環系の一部であり、これはEDが環構造に直接組込まれた電子供与基であることを意味する。
好ましい態様において、HetNは、
Figure 0005496898
の群から選択され、ここで、環中の酸素原子が電子供与体としての役割を果たし得るために、モルホリニウムおよびオキサゾリジニウムは[HetNED]の例であり、他の構造は、電子供与体機能が少なくとも1つの置換基R1’からR4’によって提供される[HetN]−EDの例を与え、
ここで、置換基R1’からR4’はそれぞれ互いに独立して
−H、−CN、−OR’、−NR’、−P(O)R’、−P(O)(OR’)、−P(O)(NR’、−C(O)R’、−C(O)OR’、−C(O)NR’、−SONR’、−NO、1〜20のC原子を有する直鎖または分枝鎖アルキル、2〜20のC原子および1または2以上の二重結合を有する直鎖もしくは分枝鎖アルケニル、2〜20のC原子および1または2以上の三重結合を有する直鎖もしくは分枝鎖アルキニル、1〜6のC原子を有するアルキル基によって置換されていてもよい、3〜7のC原子を有する飽和、部分的に不飽和もしくは完全に不飽和のシクロアルキル、飽和、部分的に不飽和もしくは完全に不飽和のヘテロアリール、ヘテロアリール−C〜CアルキルもしくはアリールC〜Cアルキルを表し、
ここで、置換基R1’、R2’、R3’および/またはR4’が一緒になって環系を形成してもよく、
ここで、1または2以上の置換基R1’〜R4’が部分的にまたは完全にハロゲン、特に−Fおよび/または−Cl、または−OH、−OR’、−CN、−C(O)OH、−C(O)NR’、−SONR’、−C(O)X、−SOOH、−SOX、または−NOによって置換されていてもよいが、R1’およびR4’が同時に完全にハロゲンによって置換されることはできず、
ここで、置換基R1’からR4’の1または2の隣接していない炭素原子であってヘテロ原子と結合していないものが、−O−、−S−、−S(O)−、−SO−、−SOO−、−C(O)−、−C(O)O−、−NR’−、−P(O)R’O−、−C(O)NR’−、−SONR’−、−OP(O)R’O−、−P(O)(NR’)NR’−、−PR’=N−および−P(O)R’−から選択される原子および/または原子群と置き換えられていてもよく、
ここで、R’=H、非フルオロ化、一部フルオロ化、あるいはパーフルオロ化されたC〜Cアルキル、C〜Cシクロアルキル、または非置換もしくは置換フェニルおよびX=ハロゲンであり、
ただし、モルホリニウムおよびオキサゾリジニウム以外の全ての他のHetNは、−CN、−OR’、−NR’、−P(O)R’、−P(O)(OR’)、−P(O)(NR’、−C(O)R’、−C(O)OR’、−C(O)NR’、−SONR’または−NOである置換基R1’からR4’を1分子当たり少なくとも1つ、および/または−OR’、−CN、−C(O)OH、−C(O)NR’、−SONR’、−C(O)X、−SOOH、−SOX、または−NOで置換されている置換基R1’からR4’を1分子当たり少なくとも1つ、および/または1または2の隣接していない炭素原子であってヘテロ原子と結合していないものが、−O−、−S−、−S(O)−、−SO−、−SOO−、−C(O)−、−C(O)O−、−NR’−、−P(O)R’O−、−C(O)NR’−、−SONR’−、−OP(O)R’O−、−P(O)(NR’)NR’−、−PR’=N−および−P(O)R’−から選択される原子および/または原子群と置き換えられている置換基R1’からR4’を1分子当たり少なくとも1つ有している。
これは、モルホリニウムおよびオキサゾリジニウムのように既に環構造に統合された電子供与体機能がない場合、置換基R1’からR4’の少なくとも1つが前記電子供与体特性の1つを含む必要があることを意味する。
好ましい態様において、本発明のイオン性液体のカチオンは、1つだけの電子供与体領域を有する。
本発明の目的のため、完全に不飽和の置換基はまた芳香性置換基を意味する。
置換基R’は、特に好ましくはメチル、エチル、イソプロピル、プロピル、n−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチルまたはヘキシルである。
好ましい態様において、1分子当たり置換基R1’からR4’のうちの1つ、ただし1つのみが、−CN、−OR’、−NR’、−P(O)R’、−P(O)(OR’)、−P(O)(NR’、−C(O)R’、−C(O)OR’、−C(O)NR’、−SONR’または−NOである。
好ましい態様において、1分子当たり置換基R1’からR4’のうちの1つ、ただし1つのみが、−CN、−OR’、−NR’、−P(O)R’、−P(O)(OR’)、−P(O)(NR’、−C(O)R’、−C(O)OR’、−C(O)NR’、−SONR’または−NOであり、かつ他の置換基R1’〜R4’が、互いに独立して−Hまたは1〜20のC原子を有する直鎖もしくは分枝鎖アルキル、好ましくは−H、メチル、エチル、イソプロピル、プロピル、n−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチルまたはヘキシルを表す。
好ましい態様において、空間的に互いに異なる少なくとも1つの電子供与体領域および少なくとも1つの正電荷の静電気的領域を有するカチオンが、
Figure 0005496898
の群から選択される。
最も好ましいモルホリニウムカチオンは、4−(シアノメチル)−4−メチルモルホリニウムおよび4−(3−ヒドロキシエチル)−4−メチルモルホリニウムである。
非常に好ましい態様において、空間的に互いに異なる少なくとも1つの電子供与体領域および少なくとも1つの正電荷の静電気的領域を有するカチオンは、
Figure 0005496898
の群から選択され、ここで、1つ、ただし1つのみのR2’は、ジメチルアミノまたはジエチルアミノの群から選択され、最も好ましくはジメチルアミノである。
そして、他のR2’は、互いに独立して、−H、メチル、エチル、イソプロピル、n-プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシルである。最も好ましくは−Hである。
そして、R1’は、メチル、エチル、(イソ−)プロピル、n−プロピルまたはn−ブチルの群から選択される。
非常に好ましい態様において、カチオンは、N−メチル−4−(N’,N’−ジメチルアミノ)−ピリジニウム、N−エチル−4−(N’,N’−ジメチルアミノ)−ピリジニウム、N−ブチル−4−(N’,N’−ジメチルアミノ)−ピリジニウムである。
別の好ましい態様において、イオン性液体のアニオンは、Cl、Br、IまたはBF である。
本発明は、タンパク質のリフォールディング、熱安定性の増大および/または凝集の低減方法にも向けられ、該方法において、処置されるタンパク質を、空間的に互いに異なる少なくとも1つの電子供与体領域および少なくとも1つの正電荷の静電気的領域を有するカチオンを含むイオン性液体を少なくとも1種含む液体媒体と接触させる。本発明の使用のための上記の好ましい態様は、タンパク質のリフォールディング、熱安定性の増大および/または凝集の低減についての方法に用いられる好ましい態様でもある。
本発明はさらに、
a)タンパク質を、尿素や塩酸グアニジニウムなどの変性剤またはカオトロピック剤で封入体から可溶化すること(これは、組換タンパク質が、変性(完全にアンフォールド)され、可溶化(凝集体が溶解)することを意味する)、
b)ステップa)で可溶化されたタンパク質を、空間的に互いに異なる少なくとも1つの電子供与体領域および少なくとも1つの正電荷の静電気的領域を有するカチオンを含むイオン性液体を少なくとも1種含む液体媒体と接触させることによってリフォールディングすること、
により、タンパク質を封入体から抽出する方法にも向けられる。
本発明はさらに、空間的に互いに異なる少なくとも1つの電子供与体領域および少なくとも1つの正電荷の静電気的領域を有するカチオンを含むイオン性液体を少なくとも1種含む剤にも向けられる。
好ましい態様において、剤は付加的に1種または2種以上の以下の物質を含む:
−トリス(2−カルボキシエチル)ホスフィン、還元型グルタチオン、1,4−ジチオスレイトール、または2−メルカプトエタノールなどの、還元剤、
−酸化型および還元型グルタチオンの混合物あるいはシステインおよびシスチンの混合物などの、酸化還元系、
−尿素、グアニジニウム、L−アルギニン、アルキルウレア、カルボン酸アミド、アルキル化アミン、トリスバッファ、ポリエチレングリコール、デタージェント、糖、および/または両性イオン分子などの、リフォールディングを推進することが知られている他の物質
本発明の使用のための最も好ましいイオン性液体は、N−メチル−4−(N’,N’−ジメチルアミノ)−ピリジニウム、N−エチル−4−(N’,N’−ジメチルアミノ)−ピリジニウム、N−ブチル−4−(N’,N’−ジメチルアミノ)−ピリジニウム、4−(シアノメチル)−4−メチルモルホリニウムおよび/または4−(3−ヒドロキシエチル)−4−メチルモルホリニウムの塩化物、臭化物および/またはヨウ化物であり、例えば4−(3−ヒドロキシエチル)−4−メチルモルホリニウムヨーダイド、4−(3−ヒドロキシプロピル)−4−メチルモルホリニウムクロライド、N−エチル−4−(N’,N’−ジメチルアミノ)−ピリジニウムブロマイドまたはN−メチル−4−(N’,N’−ジメチルアミノ)−ピリジニウムヨーダイドである。
本発明の使用のための上記の好ましい態様は、タンパク質のリフォールディング、熱安定性の増大および/または凝集の低減についての方法のため、および封入体からタンパク質を抽出する方法のために用いられる好ましい態様でもある。
図面の記載
図1は、リフォールディングバッファ中にイオン性液体が含まれた際の、MMP12のリフォールディングの結果を示す。さらなる詳細は例2に見出すことができる。 図2は、リフォールディングバッファ中にイオン性液体が含まれた際の、trx−GFPのリフォールディングの結果を示す。さらなる詳細は例3に見出すことができる。 図3は、リフォールディングバッファ中にイオン性液体N−エチル−4−(N,N−ジメチルアミノ)ピリジニウムブロマイドが含まれた際の、EKのリフォールディングの結果を示す。さらなる詳細は例4に見出すことができる。
図4は、リフォールディングバッファ中に様々な濃度でイオン性液体N−メチル−4−(N,N−ジメチルアミノ)ピリジニウムヨーダイドが含まれた際の、λPPaseのリフォールディングの結果を示す。さらなる詳細は例5に見出すことができる。 図5は、イオン性液体N−エチル−4−(N,N−ジメチルアミノ)ピリジニウムブロマイドの存在下において、上昇した温度におけるウシヘモグロビンの安定性を示す。さらなる詳細は例6に見出すことができる。
図6は図6Aおよび6Bを含み、非デタージェントスルホベタイン(図6A)ならびにトレハロースおよびポリエチレングリコール(6B)と比較した、イオン性液体4−(3−ヒドロキシエチル)−4−メチルモルホリニウムヨーダイドの存在下におけるscFv−trx融合タンパク質のリフォールディングの結果を示す。
図、表およびその他において用いられている略語は、以下の意味を有する:
BCAはビシンコニン酸を意味する
bis−TRISは2,2−ビス(ヒドロキシメチル)−2−2’−2’’−ニトリロトリエタノールを意味する
BMEは2−メルカプトエタノールを意味する
bmimClは1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムクロライドを意味する
Brij−35はC1223ポリオキシエチレン(23)ラウリルエーテルを意味する
BSAはウシ血清アルブミンを意味する
CHESは2−(シクロヘキシルアミノ)エタンスルホン酸を意味する
DTEはエリスロ−1,4−ジメルカプト−2,3−ブタンジオールを意味する
DTTは1,4−ジチオスレイトールを意味する
EDTAはエチレンジアミンテトラ酢酸を意味する
EKはウシエンテロキナーゼの触媒性サブユニットを意味する
emimClは1−エチル−3−メチルイミダゾリウムクロライドを意味する
EPPSは4−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペラジンプロパンスルホン酸を意味する
Hepesは4−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン−1−エタンスルホン酸を意味する
λPPaseはλタンパク質ホスファターゼを意味する
Mesは2−(N−モルホリノ)エタンスルホン酸を意味する
MMP12はヒトマトリクスメタロプロテイナーゼ12からの触媒性サブユニットを意味する
Mopsは3−(N−モルホリノ)プロパンスルホン酸を意味する
TAPSは[(2−ヒドロキシ−1,1−ビス(ヒドロキシメチル)エチル)アミノ]−1−プロパンスルホン酸を意味する
TCEPはトリス(2−カルボキシエチル)ホスフィンを意味する
THPはトリス(ヒドロキシプロピル)ホスフィンを意味する
Trisはトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタンを意味する
trx−GFPは細菌性チオレドキシンタンパク質および緑色蛍光タンパク質からなる融合タンパク質を意味する
発明の詳細な説明
イオン性液体または液体塩は、有機カチオンおよび無機または(それ程多くないが)有機アニオンからなるイオン種である。これらは中性分子を含まない。これは本発明にしたがって使用されるイオン性液体が、室温で液体であり、あるいは室温で液体でない場合、少なくとも処理条件下で、液体型で存在する、および/または液体媒体に可溶であるべきであることを意味する。例えば、N−エチル−4−(N’,N’−ジメチルアミノ)−ピリジニウムは室温で固体であるが、4〜37℃の室温で生物学的に関連のあるバッファ(pH5.0〜9.0)に高度に可溶(>2.0M)である。
潜在用途が多種多様であるため、現在、イオン性液体の分野において徹底的な調査が行われている。イオン性液体についての総説は、例えばR. Sheldon "Catalytic reactions in ionic liquids", Chem. Commun., 2001, 2399-2407; M.J. Earle, K.R. Seddon "Ionic liquids. Green solvent for the future", Pure Appl. Chem., 72 (2000), 1391-1398; P. Wasserscheid, W. Keim "Ionic Fluessigkeiten neue Loesungen fuer die Uebergangsmetallkatalyse" [Ionic Liquids Novel Solutions for Transition-Metal Catalysis], Angew. Chem., 112 (2000), 3926-3945; T. Welton "Room temperature ionic liquids. Solvents for synthesis and catalysis", Chem. Rev., 92 (1999), 2071-2083 または R. Hagiwara, Ya. Ito "Room temperature ionic liquids of alkylimidazolium cations and fluoroanions”, J. Fluorine Chem., 105 (2000), 221-227などである。
本発明によれば、「空間的に互いに異なる少なくとも1つの電子供与体領域および少なくとも1つの正電荷の静電気的領域を有するカチオンを含むイオン性液体」は、好ましくは、カチオンの正電荷の静電気的領域とは空間的に異なる少なくとも1つの電子供与体領域を有するカチオンを含むイオン性液体を意味する。
空間的に互いに異なる1より多い正電荷の静電気的領域を有するカチオン(2価のカチオン、またはジカチオン)を有することも可能である。
例えば、1,4−メチルピペラジンは2価の1,1,4,4−テトラメチルピペラジニウムカチオンに変換することができるが、好ましい態様においては、本発明のイオン性液体は、1つの正電荷の静電気的領域を有するカチオンのみを含有する。
「空間的に異なる」とは、電子供与体領域と正電荷の静電気的領域との間に典型的には少なくとも2つの結合があることを意味する。好ましい態様において、電子供与体領域の中心と正電荷の静電気的領域の中心との間に少なくとも2つの結合がある。中心は、電子供与体領域の電子が主に集中する原子団または1つの原子、あるいは正電荷が主に集中する原子団または1つの原子を意味する。
本発明によれば、電子供与体領域は、電子放出基を含む領域である。電子放出基は、反応中心に電子を放出することができる官能基である。電子放出基の例は、アルコール基、シアノ基、エーテル基およびアミノ基である。
電子供与体領域を有するカチオンの例は、N−アルキルジメチルアミノピリジニウムおよびN,N−ジアルキルモルホリニウムである。
本発明によれば、正電荷の静電気的領域は、電子の欠損によって正の静電気的電位を有する領域である。この領域は、点電荷である、単一原子上に位置する、または電荷が2もしくは3以上の原子に分散して非局在化することができる。(モルホリニウムまたはピロリジニウムなどの)非芳香族性カチオンにおいて、正電荷の静電気的領域は環窒素原子を直接取り巻く領域に局在し、環窒素原子が中心となる。(ピリジニウムまたはイミダゾリウムなどの)芳香族カチオンにおいて、正電荷は環の原子間に非局在および分散する(しかし均一ではない)。
本発明のリフォールディングは、タンパク質の再生、すなわち、その生物学的活性を示す、タンパク質の天然の状態を取り戻すことを意味する。典型的には、リフォールドされなければならないタンパク質は、変性タンパク質である。リフォールディングは典型的には、タンパク質の3次元秩序の変更を意味する。
本発明によれば、凝集の低減は、通常液体媒体中での長期の保存の間に起こり、生物学的機能性の喪失または低減を伴うタンパク質の凝集の低減またはもっと言えば実質的防止を意味することを意図する。
本発明によれば、熱安定性の増大は、それぞれ、生物学的活性または正しいタンパク質フォールディングが、室温よりはるかに高温であり得る温度においてさえ長期間に渡って維持されることを意味する。
本発明によれば、リフォールディング剤、リフォールディング媒体またはリフォールディング液とも呼ばれる、はリフォールドされるタンパク質を接触させる液体混合物である。典型的には、少なくとも1種の液体媒体および少なくとも1つのタイプの、空間的に互いに異なる少なくとも1つの電子供与体領域および少なくとも1つの正電荷の静電気的領域を有するカチオンを含むイオン性液体を含む。リフォールディング剤は、安定化剤、TCEPまたはグルタチオンなどの還元剤、(例えば、DTT、DTE、グルタチオン、システイン、メルカプトエタノールなどの、還元されたおよび酸化されたチオール基質からなる)酸化還元系または例えば尿素、グアニジニウム、L−アルギニン、アルキルウレア、カルボン酸アミド、アルキル化アミン、トリスバッファ、ポリエチレングリコール、デタージェント、糖、および/または両性イオン分子(非デタージェントのスルホベタイン)などの、リフォールディングを推進することが知られている他の物質などの、さらなる添加物を含んでもよい。本発明のリフォールディング剤はまた、2または3種以上の異なる、空間的に互いに異なる少なくとも1つの電子供与体領域および少なくとも1つの正電荷の静電気的領域を有するカチオンを含むイオン性液体を含んでもよい。
空間的に互いに異なる少なくとも1つの電子供与体領域および少なくとも1つの正電荷の静電気的領域を有するカチオンを含むイオン性液体のためのカチオンの好適な例は、上記および請求項中に与えられている。
好適なアニオンは、上記空間的に互いに異なる少なくとも1つの電子供与体領域および少なくとも1つの正電荷の静電気的領域を有するカチオンとともにイオン性液体を生成するのに用いることができる全てのアニオンである。好ましい態様において、イオン性液体のアニオンはCl、Br、IまたはBF である。
本発明の剤および方法は、あらゆるタンパク質またはあらゆるタンパク質のクラスをリフォールディングするのに好適である。タンパク質は、化学合成によって産生されたタンパク質または例えば原核細胞または真核細胞などのウィルス、細胞もしくは組織から抽出されたタンパク質であり得る。本発明の剤および方法は、組換タンパク質をリフォールディングするのに特に好適である。典型的には、組換タンパク質は例えばE. coli細胞などの細菌細胞のような宿主細胞中に発現される。これに関連して、封入体は、組換タンパク質の密な、不溶な、ミスフォールドした凝集体として定義され、宿主細胞の細胞質および/または周辺質空間に位置する。組換タンパク質に加えて、封入体は宿主細胞タンパク質、核酸、脂質、および/または他の宿主細胞分子を含み得る。
リフォールドされるタンパク質の他の好適な給源としては、これに限定するものではないが、天然の三次元構造に折り畳まれた、酵母細胞、昆虫細胞、真菌細胞、哺乳類細胞中で、またはin vitro翻訳システムで産生された組換タンパク質である。
封入体は、多くの確立された手法のいずれかを用いて、宿主細胞から単離されてよい。
本発明の方法によりリフォールドできるタンパク質は:
プロテアーゼ、好ましくはセリンプロテアーゼ、特にトロンビン、Xa因子、カスパーゼ、カテプシン、トリプシンおよびキモトリプシン、システインプロテアーゼ、ペプシンまたはレンニンなどの酸性プロテアーゼ、サーモリシンなどのメタロプロテイナーゼ;
プロテアーゼ阻害剤、好ましくはペプスタチン、アンチパイン、キモスタチン、エラスチナール、ロイペプチン、ベスタチン、アンチトロンビンIII;
DNA結合プロテイン、好ましくは転写因子、特にNFカッパBおよびjun、fos、krox、myc、E2Fファミリーのメンバー、ウィルス性T抗原;
ウィルスタンパク質、例えば、ウィルスエンベロープタンパク質、カプシドタンパク質、ウィルスプロテアーゼ、ポリメラーゼおよび/またはT抗原;
ホスファターゼ;
プロテインキナーゼ、好ましくはチロシンキナーゼおよび/またはセリンキナーゼ;
免疫グロブリンスーパーファミリーのタンパク質、例えば抗体およびその断片;
成長因子、例えば上皮成長因子(EGF)、エリスロポエチン、線維芽細胞成長因子(FGF)、インスリン様成長因子IおよびII(IGF IおよびII)、インターロイキン−2(IL−2)、神経成長因子(NGF)、形質転換成長因子ベータ(TGF−ベータ)および/または血小板成長因子(PDGF)、
ならびにこれらのタンパク質から誘導されるタンパク質および断片である。
本発明の剤および方法は特に:
ウシエンテロキナーゼ(エンテロキナーゼについてEK)。プロテインデータバンク(PDB)同定番号1EKB。
マトリクスメタロプロテアーゼ12(MMP12)。PDB同定番号2OXU。
チオレドキシンおよび緑色蛍光タンパク質の融合タンパク質(trx−GFP)。TrxのPDB同定番号2TRX。GFPのPDB同定番号1B9C。
ラムダプロテインホスファターゼ(λPPase)。PDB同定番号1G5B。
ヒトライノウィルスプロテアーゼ3C(HRV 3C)。PDB同定番号1CQQ。
のリフォールディングに好適である。
本発明によれば、ジスルフィドなしの、およびジスルフィド架橋されたタンパク質がリフォールディング可能である。例えばリゾチーム、エンテロキナーゼ、rPA(組換プラスミノーゲン活性化因子、商品名リプラーゼ(replase))、アルファグルコシダーゼ、それらから誘導された抗体および断片ならびに/あるいは成長因子などのマルチドメインタンパク質および複合体ジスルフィド架橋タンパク質が処理可能である。これらのタンパク質分類は、単に例示として与えられており、本発明はこの列挙に限定されるものではない。
タンパク質をリフォールディングするための本発明の方法における液体媒体としては、好ましくは水性媒体、すなわち水、水性バッファシステム、水もしくは水性バッファシステムと、エタノール、ブチルアルコール、アセトニトリルなど水溶性有機溶媒との混合物(典型的には、有機溶媒が20体積%を超えない)が用いられる。好ましいバッファは、Tris、Hepes、Mes、Mops、EPPS、TAPS、CHES、bis−TRIS、酢酸塩、グリシンおよび/またはリン酸塩である。
液体媒体中のバッファ濃度は、好ましくは10および1000mMの間、より好ましくは5および200mMの間、同様に好ましくは10および200mMの間、さらに好ましくは10および50mMの間である。液体媒体のpHは、好ましくは4〜11の間、さらに好ましくは6.5〜9.0の間である。ほとんどのタンパク質について、pH7.0および8.5の間で良い結果が達成できる。例えば、組換エンテロキナーゼの場合、再生の間のpH値は訳7.0〜8.5であり、チオレドキシン−緑色蛍光タンパク質の再生について、pH値は好ましくは6.5〜8.5である。リフォールドされる他のタンパク質について、バッファ組成パラメータは、リフォールドされたタンパク質の最大収率を得るために、独立に適応および最適化され得る。
必須ではないが、リフォールディングの前に、リフォールドされるタンパク質の調製物中の汚染物質の量を低減させるのが好ましい。汚染物質は、タンパク質調製物、典型的にはリフォールドされるタンパク質を含む封入体を、洗浄剤を含む緩衝化した水性溶液で洗浄することにより低減または除去されてよい。好適な洗浄剤は、これに限定するものではないが、軽度のデタージェント、デタージェント様分子、カオトロープ、および塩を含む。代替的に、組換えタンパク質を最初に変性および還元し(下記)、得られた調製物をクロマトグラフィー樹脂に適用することにより、汚染物質を低減または除去し得る。
典型的には、組換タンパク質は、クロマトグラフィー樹脂上に選択的に固定され、不純物質は樹脂に結合しないかまたはカオトロピック剤を含む緩衝化された水性溶液で洗い流される。標的タンパク質および樹脂の間の相互作用の力を顕著に低減するようにバッファ条件を調節することにより、組換タンパク質をクロマトグラフィー樹脂から溶出する。洗浄手順は、リフォールドされるタンパク質および汚染物質の性質に対して、当業者によって調節され得る。
リフォールディングの前に、標的タンパク質を完全に可溶化しおよび変性する必要がしばしばある。完全に可溶化されたタンパク質は、主として単量体であり、立体構造を欠損しているはずである。好ましくは、可溶化は、ミスフォールドした、凝集したおよび/または不溶性の標的タンパク質と、グアニジン塩酸塩、尿素またはN−ラウリルサルコシンなどのカオトロピック剤およびDTT、BME、THPまたはTCEPなどの還元剤を高濃度で含有する緩衝化水性溶液とを接触させることにより達成される。
本発明の方法において、可溶化および変性状態にある、リフォールドされるまたは処理されるタンパク質の接触は、好ましくは処理されるタンパク質を、リフォールディング液と希釈、透析および/または膜分離(diafiltrating)することにより行われる。主に、変性タンパク質のリフォールディング液へのバッファ交換は、リフォールディングを確実にする。
リフォールディング剤との接触の間および特にリフォールディングの間、好ましい処理されるタンパク質のタンパク質濃度は、5〜500μg/mlであり、好ましくは10〜200μg/ml、さらにより好ましくは100〜200μg/mlである。これらの数値は、それぞれリフォールディングされるまたは処理されるタンパク質に関して、それぞれのタンパク質の溶解度特性を考慮して、当業者によって調節され得る。
本発明の方法は、ジスルフィドのない、およびジスルフィド架橋されたタンパク質のリフォールディングに有用である。ジスルフィドのないタンパク質に関し、これらを好ましくは、DTT、DTE、グルタチオンおよび/またはシステインなどの還元剤を、好ましくは1〜10mMの濃度でさらに含むリフォールディング媒体と接触させる。
ジスルフィド架橋されたタンパク質のリフォールディングに関し、これらを好ましくは、DTT、DTE、グルタチオン、システイン、メルカプトエタノールなどの還元型および酸化型チオール物質、好ましくは1〜10mMの濃度、からなる酸化還元系の存在下で接触させる。これらの場合、好ましくは還元型物質と酸化型物質との濃度比(「酸化型:還元型」)は1:10から20:1、好ましくは1:5〜10:1、さらに好ましくは1:1から5:1である。
接触の間および特にリフォールディングの間、空間的に互いに異なる少なくとも1つの電子供与体領域および少なくとも1つの正電荷の静電気的領域を有するカチオンを含むイオン性液体の濃度は、典型的には約0.25〜5M、好ましくは0.3から1.5M、最も好ましくは0.5から1.0Mである。
一般的に、リフォールディングの期間は、好ましくは0.1〜100h、さらに好ましくは1〜50h、さらにより好ましくは2〜24hである。
高温においては凝集反応が増大するため、リフォールディングは好ましくは0〜37℃、好ましくは5〜20℃の低温で行われる。
典型的には、リフォールディング効率のパラメータとして、プロセスの過程に渡ってまたはその後に、タンパク質の生物学的活性および凝集動態を計測することができる。
本発明の方法の別の態様において、タンパク質を数回連続して、パルス状の方法でまたは持続的な方法で、リフォールディング剤に添加することができる。好ましくは、リフォールディング手順はバッチ式に成され、これは、タンパク質の全量が好適な量のリフォールディング剤に一度に添加されることを意味する。
下流の用途に依存して、リフォールディング剤、特にリフォールディング剤に含まれるイオン性液体を、リフォールドされたタンパク質から除去することが必要かもしれない。あるイオン性液体は、生物学的または酵素活性についてのアッセイを妨害し得る。これらの状況下において、イオン性液体の濃度を透析を用いて(本質的にゼロに)減じる。タンパク質は透析膜内に保持され、イオン性液体は透析バッファと平衡となる。
リフォールディング効率は、標的タンパク質および封入体調製の質(汚染物質の量およびタイプ)によって大きく変化する。
さらなる詳述をすることなく、上記記載を用いて、当業者は本発明を最大限活用できると信じられる。したがって、好ましい特定の態様および例は、単に描写的であり、本開示の残りの部分に多少なりとも限定するものでは全くないと解されるべきである。
上記および下記で引用した全ての出願、特許および出版物ならびに対応米国仮出願US60/979,542、2007年10月10日出願、の開示の全体が、参照により本明細書に組込まれる。

以下の例は、本発明の実際の適用を表したものである。
例1
封入体として発現したタンパク質の変性(または可溶化)および還元
封入体の形態のタンパク質を、50mMのTRIS、pH8.0、7.0Mのグアニジン塩酸塩、0.2MのNaCl、2.0mMのEDTA、および10mMのTCEP溶液中の封入体を室温下で約2時間攪拌することで変性、可溶化および還元する。サンプルを25,000×g、4℃で15分遠心し、その後0.45μmフィルターに通して、あらゆる不溶性物質を除去する。タンパク質サンプルの濃度を、ビシンコニン酸(BCA)法(例えば、Smith, P.K., et al., (1985). Anal. Biochem. 150, 76-85あるいはEMD Chemicalsの商品番号71285またはThermoFisherの商品番号23225参照)を用いて決定した。
例2
N−エチル−4−(N,N−ジメチルアミノ)ピリジニウムブロマイド、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムクロライドまたは1−エチル−3−メチルイミダゾリウムクロライドを用いたマトリクスメタロプロテイナーゼ12のリフォールディング
50mMのTRIS、pH8.0、7.0Mのグアニジン塩酸塩、0.2MのNaCl、2.0mMのEDTAおよび10mMのTCEP中に存在する、マトリクスメタロプロテイナーゼ12(MMP12)のリフォールディングを、1:50の比率でリフォールディングバッファ中に速やかに希釈することによって行う。タンパク質の最終濃度は100μg/mLである。リフォールディングバッファは、0.5Mのイオン性液体N−エチル−4−(N,N−ジメチルアミノ)ピリジニウムブロマイド、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムクロライドまたは1−エチル−3−メチルイミダゾリウムクロライドを含む、50mMのbis−TRIS、pH6.5、である。リフォールディングサンプルを、300RPMで振とうしながら22±2℃で20〜24時間インキュベートする。リフォールディング後、サンプルを、50mMのTRIS、pH7.5、0.15MのNaCl、2.0mMのCaCl、1.0μMのZnClおよび0.03%(v/v)のBrij−35に対して、1:40000またはそれ以上のサンプル対バッファ比率で、10±2℃で20〜24時間透析する。リフォールディングは、MMP12特異的な酵素活性アッセイを用いて計測する。MMP12酵素活性の計測に用いられる基質は、Invitrogen社から入手可能な、BODIPY−FL−標識DQエラスチン抱合体(カタログ番号E12056)である。
図1は、イオン性液体がリフォールディングバッファ中に含有されたときのMMP12のリフォールディングからの結果を示す。MMP12のリフォールディングは、ピリジニウムベースのイオン性液体N−エチル−4−(N,N−ジメチルアミノ)ピリジニウムブロマイドの0.5M溶液中で、イミダゾリウムベースのイオン性液体1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムクロライド(bmim Cl)または1−エチル−3−メチルイミダゾリウムクロライド(emim Cl)の0.5M溶液中でのMMP12のリフォールディングより、より効率的である。
例3
4−(3−ヒドロキシプロピル)−4−メチルモルホリニウムクロライドを用いたチオレドキシン−緑色蛍光タンパク質融合体のリフォールディングおよびリフォールディング剤L−アルギニン、NaClおよび非デタージェントスルホベタイン256との比較
50mMのTRIS、pH8.0、7.0Mのグアニジン塩酸塩、0.2MのNaCl、2.0mMのEDTAおよび10mMのTCEP中に存在する、チオレドキシン−緑色蛍光タンパク質融合体(trx−GFP)のリフォールディングを、1:50の比率でリフォールディングバッファ中に速やかに希釈することによって行う。タンパク質の最終濃度は100μg/mLである。リフォールディングバッファは、50mMのTAPS、pH8.5、7.6mMの還元型グルタチオン、2.4mMの酸化型グルタチオンおよび0.5Mのイオン性液体4−(3−ヒドロキシプロピル)−4−メチルモルホリニウムクロライドまたは3種のコントロールリフォールディング添加物:0.5MのL−アルギニン、0.25MのNaCl、もしくは1.0Mの非デタージェントスルホベタイン、のうちの1種である。リフォールディングサンプルを、300RPMで振とうしながら22±2℃で20〜24時間インキュベートする。リフォールディング後、サンプルを、50mMのTRIS、pH8.0に対して、1:40000またはそれ以上のサンプル対バッファ比率で、10±2℃で20〜24時間透析する。trx−GFP融合タンパク質のリフォールディングの程度は、388nmの励起波長および504nmの発光波長を用いて、リフォールドされたサンプルの相対蛍光強度を計測することによって判断する。
図2は、イオン性液体がリフォールディングバッファ中に含有されたときのtrx−GFPのリフォールディングからの結果を示す。trx−GFPのリフォールディングは、モルホリニウムベースのイオン性液体4−(3−ヒドロキシプロピル)−4−メチルモルホリニウムクロライドの0.5M溶液中で、3種のコントロールタンパク質リフォールディング添加物:0.5MのL−アルギニン、0.25MのNaCl、または1.0Mの非デタージェントスルホベタイン中のいずれにおけるtrx−GFPのリフォールディングより、より効率的である。
例4
N−エチル−4−(N,N−ジメチルアミノ)ピリジニウムブロマイドを用いたウシエンテロキナーゼのリフォールディングおよびリフォールディング剤L−アルギニン、NaClおよび非デタージェントスルホベタイン256との比較
50mMのTRIS、pH8.0、7.0Mのグアニジン塩酸塩、0.2MのNaCl、2.0mMのEDTAおよび10mMのTCEP中に存在する、ウシエンテロキナーゼ(EK)のリフォールディングを、1:50の比率でリフォールディングバッファ中に速やかに希釈することによって行う。タンパク質の最終濃度は100μg/mLである。リフォールディングバッファは、1.0Mのイオン性液体N−エチル−4−(N,N−ジメチルアミノ)ピリジニウムブロマイドまたは3種のコントロールリフォールディング添加物:0.5MのL−アルギニン、0.25MのNaCl、もしくは1.0Mの非デタージェントスルホベタイン、のうちの1種を含む、50mMのHEPES、pH7.5である。リフォールディングサンプルを、300RPMで振とうしながら22±2℃で20〜24時間インキュベートする。リフォールディング後、サンプルを、20mMのTRIS、pH7.5、150mMのNaClおよび2.0mMのCaClに対して、1:40000またはそれ以上のサンプル対バッファ比率で、10±2℃で20〜24時間透析する。リフォールディングは、EK特異的な酵素活性アッセイを用いて計測する。酵素活性の計測に用いられる基質は、Sigma Aldrich社から入手可能な、蛍光標識されたペプチド基質(Gly−Asp−Asp−Asp−Asp−Lys−β−ナフチルアミド、カタログ番号G5261)である。
図3は、イオン性液体N−エチル−4−(N,N−ジメチルアミノ)ピリジニウムブロマイドがリフォールディングバッファ中に含有されたときのEKのリフォールディングからの結果を示す。ウシエンテロキナーゼのリフォールディングは、ピリジニウムベースのイオン性液体N−エチル−4−(N,N−ジメチルアミノ)ピリジニウムブロマイドの1.0M溶液中で、3種のコントロールリフォールディング添加物:0.5MのL−アルギニン、0.25MのNaCl、または1.0Mの非デタージェントスルホベタイン中のいずれにおけるEKのリフォールディングより、より効率的である。
例5
N−メチル−4−(N,N−ジメチルアミノ)ピリジニウムヨーダイドを用いたラムダプロテインホスファターゼのリフォールディング
50mMのTRIS、pH8.0、7.0Mのグアニジン塩酸塩、0.2MのNaCl、2.0mMのEDTAおよび10mMのTCEP中に存在する、ラムダプロテインホスファターゼ(λPPase)のリフォールディングを、1:50の比率でリフォールディングバッファ中に速やかに希釈することによって行う。タンパク質の最終濃度は200μg/mLである。リフォールディングバッファは、7.6mMの還元型グルタチオン、2.4mMの酸化型グルタチオンおよび様々な濃度のイオン性液体N−メチル−4−(N,N−ジメチルアミノ)ピリジニウムヨーダイドを含む、50mMのHEPES、pH7.5、である。リフォールディングプロセスは、22±2℃で20〜24時間、300RPMで振とうしながら行う。リフォールディング後、サンプルを、5.0mMのDTT、2mMのMgCl、0.1mMのEDTA、0.1%(w/v)のBSAおよび0.01%(v/v)のBrij−35を含む、50mMのTRIS、pH7.5中に1:50で希釈する。リフォールディングは、λPPase特異的な酵素活性アッセイを用いて計測する。酵素活性の計測に用いられる基質は、Sigma Aldrich社から入手可能な、4−ニトロフェニルホスフェート(カタログ番号N22002)である。
図4は、イオン性液体N−メチル−4−(N,N−ジメチルアミノ)ピリジニウムヨーダイドが様々な濃度でリフォールディングバッファ中に含有されたときの、λPPaseのリフォールディングからの結果を示す。リフォールディング効率はN−メチル−4−(N,N−ジメチルアミノ)ピリジニウムヨーダイドが1.0Mで存在するときに最大レベルに達する。
例6
イオン性液体N−メチル−4−(N,N−ジメチルアミノ)ピリジニウムクロライドによる、上昇した温度でのウシヘモグロビンの安定化
天然のウシヘモグロビン(Sigma/Aldrichカタログ番号H2625)を0.1Mのリン酸ナトリウム、pH7.4、0.4MのNaCl、に最終濃度10.0mg/mLで溶解する。このヘモグロビン溶液のアリコートを、1.5MのN−メチル−4−(N,N−ジメチルアミノ)ピリジニウムクロライド、100%グリセロール、蒸留および脱イオン化したHO、または1.5MのNaClで2倍に希釈し、以下の4種の試験溶液を作成する。
(1)0.2MのNaCl、5.0mg/mLのヘモグロビン、および0.75MのN−メチル−4−(N,N−ジメチルアミノ)ピリジニウムクロライドを含有する、50mMのリン酸ナトリウム、pH7.4(▲);
(2)0.2MのNaCl、5.0mg/mLのヘモグロビン、および50%(v/v)グリセロールを含有する、50mMのリン酸ナトリウム、pH7.4(■);
(3)0.2MのNaClおよび5.0mg/mLのヘモグロビンを含有する、50mMのリン酸ナトリウム、pH7.4(●、コントロール);
(4)0.95MのNaClおよび5.0mg/mLのヘモグロビンを含有する、50mMのリン酸ナトリウム、pH7.4(▼;ベースバッファから0.2MのNaClおよび試験として0.75MのNaCl)
各ヘモグロビン溶液を55℃で143時間インキュベートする。インキュベーションの間、各ヘモグロビン溶液からサンプルを採り、16,000×gで15分、室温で遠心してあらゆる沈殿したヘモグロビンを除去する。可溶性画分に残存するヘモグロビンの量を、溶液の540nmにおける吸収を計測することで定量する(540nmにおけるヘモグロビンの吸収は、タンパク質濃度によって線形的に変化する)。図5中に示されたデータは、各条件下における各時点での3回の独立した計測の平均を表す。各データポイントの標準偏差が示されている。上の図は、全タイムコースからのデータを示している。下の図は最初の8時間のみについての同様のデータを示す。
図5は、最終濃度0.75MでのN−メチル−4−(N,N−ジメチルアミノ)ピリジニウムクロライドの添加(▲)は、55℃でインキュベートされた50mMのリン酸ナトリウム、pH7.4、0.2MのNaCl中の5.0mg/mLのウシヘモグロビン溶液の沈殿を、顕著に遅延、または防止することを示す。0.75MのN−メチル−4−(N,N−ジメチルアミノ)ピリジニウムクロライド(▲)の安定化効果は、慣用されているタンパク質安定化剤であるグリセロールの50%(v/v)溶液よりもはるかに優れている。0.75MのNaClのベースバッファへの添加(▼、0.95Mの総NaCl)がコントロールサンプル(●)と比較してヘモグロビンの沈殿を加速させているため、0.75MのN−メチル−4−(N,N−ジメチルアミノ)ピリジニウムクロライド(▲)の安定化効果は、溶液中のイオン強度の増加によるものではない。
例7
4−(3−ヒドロキシエチル)−4−メチルモルホリニウムヨーダイドを用いた一本鎖抗体チオレドキシン融合タンパク質のリフォールディングおよびリフォールディング剤非デタージェントスルホベタイン256、トレハロースおよびポリエチレングリコール3350との比較
50mMのTRIS、pH8.0、7.0Mのグアニジン塩酸塩、0.2MのNaCl、2.0mMのEDTAおよび10mMのTCEP中に存在する一本鎖抗体チオレドキシン融合タンパク質(scFv−trx)のリフォールディングを、タンパク質をリフォールディングバッファに、4−(3−ヒドロキシエチル)−4−メチルホルホリニウムヨーダイドを含有するリフォールディングバッファについて1:50の比率で(200μg/mLの最終タンパク質濃度)、または非デタージェントスルホベタイン256、トレハロースもしくはポリエチレングリコール3350を含有するリフォールディングバッファについて1:100の比率で(100μg/mLの最終タンパク質濃度)、速やかに希釈することにより行う。
図6Aについて、リフォールディングバッファは50mMのEPPS、pH8.0である。図6Bについて、リフォールディングバッファは1.0mMのTCEPを含有する50mMのTAPS、pH8.5である。4−(3−ヒドロキシエチル)−4−メチルモルホリニウムヨーダイドを、1.0Mの最終濃度でリフォールディングバッファに添加する。非デタージェントスルホベタイン256、トレハロースおよびポリエチレングリコール3350を、それぞれ1.0M、0.58M、および0.06%(w/v)の最終濃度でリフォールディングバッファに添加する。リフォールディングサンプルを、22±2℃で20〜24時間、300RPMで振とうしながらインキュベートする。リフォールディング後、サンプルを、0.2MのNaCl、0.5mMのDTT、10%(v/v)のグリセロールおよび0.03%(v/v)のBRIJ35を含有する25mMのHEPES、pH7.5に対して、1:40,000またはそれ以上のサンプル対バッファ比率で、20〜24時間、10±2℃で透析する。リフォールディングの程度は、正しくフォールドされたscFv−trx融合タンパク質に特異的なELISAを用いて計測した。
図6Aは、イオン性液体4−(3−ヒドロキシエチル)−4−メチルモルホリニウムヨーダイド((eOH)mmol)が50mMのEPPS、pH8.0リフォールディングバッファに含有されたときの、scFv−trx融合タンパク質のリフォールディングからの結果と、添加物の非存在下または非デタージェントスルホベタイン256(NDSB−256)がリフォールディングバッファに含有されたときのリフォールディング結果との比較を示す。scFv−trx融合タンパク質のリフォールディングは、4−(3−ヒドロキシエチル)−4−メチルモルホリニウムヨーダイドの1.0M溶液中で、リフォールディング添加物の非存在下または1.0Mの非デタージェントスルホベタイン256の存在下でのscFv−trx融合タンパク質のリフォールディングより、より効率的である。
図6Bは、イオン性液体4−(3−ヒドロキシエチル)−4−メチルモルホリニウムヨーダイド((eOH)mmol)が50mMのTAPS、pH8.0、1.0mMのTCEPリフォールディングバッファに含有されたときの、scFv−trx融合タンパク質のリフォールディングからの結果と、添加物の非存在下または0.58Mのトレハロースもしくは0.06%(w/v)のポリエチレングリコール(PEG3350)がリフォールディングバッファに含有されたときのリフォールディング結果との比較を示す。scFv−trx融合タンパク質のリフォールディングは、4−(3−ヒドロキシエチル)−4−メチルモルホリニウムヨーダイドの1.0M溶液中で、リフォールディング添加物の非存在下または0.58Mのトレハロースもしくは0.06%(w/v)のポリエチレングリコールの存在下でのscFv−trx融合タンパク質のリフォールディングより、より効率的である。

Claims (6)

  1. 空間的に互いに異なる少なくとも1つの電子供与体領域および少なくとも1つの正電荷の静電気的領域を有するカチオンを含むイオン性液体の、タンパク質のリフォールディング、熱安定性の増大および/または凝集の低減のための使用であって、該イオン性液体が、以下の一般構造AまたはB
    [HetN] −ED A
    または
    [HetNED]
    ここで、HetNは、少なくとも1つの窒素原子を環系の一部とする芳香族性、一部芳香族性または非芳香族性のヘテロシクリル環系であり、EDは、電子供与体である、
    の1つを含むカチオンを有し、ここで、該カチオンが、
    Figure 0005496898
    ここで、R1’〜R4’はそれぞれ互いに独立して、
    −H、−CN、−OR’、−NR’、−P(O)R’、−P(O)(OR’)、−P(O)(NR’、−C(O)R’、−C(O)OR’、−C(O)NR’、−SONR’、−NO、1〜20のC原子を有する直鎖または分枝鎖アルキル、2〜20のC原子および1または2以上の二重結合を有する直鎖もしくは分枝鎖アルケニル、2〜20のC原子および1または2以上の三重結合を有する直鎖もしくは分枝鎖アルキニル、1〜6のC原子を有するアルキル基によって置換されていてもよい、3〜7のC原子を有する飽和、部分的に不飽和もしくは完全に不飽和のシクロアルキル、飽和、部分的に不飽和もしくは完全に不飽和のヘテロアリール、ヘテロアリール−C〜Cアルキルもしくはアリール−C〜Cアルキルを表し、
    ここで、置換基R1’、R2’、R3’および/またはR4’が一緒になって環系を形成してもよく、
    ここで、1または2以上の置換基R1’〜R4’が部分的にまたは完全にハロゲン、特に−Fおよび/または−Cl、または−OH、−OR’、−CN、−C(O)OH、−C(O)NR’、−SONR’、−C(O)X、−SOOH、−SOX、または−NOによって置換されていてもよいが、R1’およびR4’が同時に完全にハロゲンによって置換されることはできず、
    ここで、置換基R1’〜R4’の1または2の隣接していない炭素原子であってヘテロ原子と結合していないものが、−O−、−S−、−S(O)−、−SO−、−SOO−、−C(O)−、−C(O)O−、−NR’−、−P(O)R’O−、−C(O)NR’−、−SONR’−、−OP(O)R’O−、−P(O)(NR’)NR’−、−PR’=N−および−P(O)R’−から選択される原子および/または原子群と置き換えられていてもよく、
    ここで、R’=H、非フルオロ化、一部フルオロ化、あるいはパーフルオロ化されたC〜Cアルキル、C〜Cシクロアルキル、または非置換もしくは置換フェニルおよびX=ハロゲンであり、
    ただし、ピリジニウムカチオンは、−CN、−OR’、−NR’、−P(O)R’、−P(O)(OR’)、−P(O)(NR’、−C(O)R’、−C(O)OR’、−C(O)NR’、−SONR’または−NOである置換基R1’〜R4’を1分子当たり少なくとも1つ、および/または−OR’、−CN、−C(O)OH、−C(O)NR’、−SONR’、−C(O)X、−SOOH、−SOX、または−NOで置換されているかあるいは1または2の隣接していない炭素原子であってヘテロ原子と結合していないものが、−O−、−S−、−S(O)−、−SO−、−SOO−、−C(O)−、−C(O)O−、−NR’−、−P(O)R’O−、−C(O)NR’−、−SONR’−、−OP(O)R’O−、−P(O)(NR’)NR’−、−PR’=N−および−P(O)R’−から選択される原子および/または原子群と置き換えられている置換基R1’〜R4’を1分子当たり少なくとも1つ有している、
    の群から選択されることを特徴とする、前記使用。
  2. カチオンが、
    N−メチル−4−(N’,N’−ジメチルアミノ)−ピリジニウム、
    N−エチル−4−(N’,N’−ジメチルアミノ)−ピリジニウム、
    N−ブチル−4−(N’,N’−ジメチルアミノ)−ピリジニウム、
    4−(シアノメチル)−4−メチルモルホリニウム、
    4−(3−ヒドロキシエチル)−4−メチルモルホリニウム、
    1−ブチル−3−メチルイミダゾリウム、
    1−エチル−3−メチルイミダゾリウムまたは
    4−(3−ヒドロキシプロピル)−4−メチルモルホリニウム
    であることを特徴とする、請求項1に記載の使用。
  3. カチオンが、
    N−メチル−4−(N’,N’−ジメチルアミノ)−ピリジニウム、
    N−エチル−4−(N’,N’−ジメチルアミノ)−ピリジニウムまたは
    N−ブチル−4−(N’,N’−ジメチルアミノ)−ピリジニウムであることを特徴とする、請求項1に記載の使用。
  4. イオン性液体のアニオンが、Cl、Br、IまたはBF であることを特徴とする、請求項1〜のいずれか一項に記載の使用。
  5. タンパク質のリフォールディング、熱安定性の増大および/または凝集の低減方法であって、
    ここで、処理するタンパク質を、空間的に互いに異なる少なくとも1つの電子供与体領域および少なくとも1つの正電荷の静電気的領域を有するカチオンを含むイオン性液体を少なくとも1種含む液体媒体と接触させ、
    ここで、該カチオンが、
    Figure 0005496898
    ここで、R1’〜R4’はそれぞれ互いに独立して、
    −H、−CN、−OR’、−NR’、−P(O)R’、−P(O)(OR’)、−P(O)(NR’、−C(O)R’、−C(O)OR’、−C(O)NR’、−SONR’、−NO、1〜20のC原子を有する直鎖または分枝鎖アルキル、2〜20のC原子および1または2以上の二重結合を有する直鎖もしくは分枝鎖アルケニル、2〜20のC原子および1または2以上の三重結合を有する直鎖もしくは分枝鎖アルキニル、1〜6のC原子を有するアルキル基によって置換されていてもよい、3〜7のC原子を有する飽和、部分的に不飽和もしくは完全に不飽和のシクロアルキル、飽和、部分的に不飽和もしくは完全に不飽和のヘテロアリール、ヘテロアリール−C〜Cアルキルもしくはアリール−C〜Cアルキルを表し、
    ここで、置換基R1’、R2’、R3’および/またはR4’が一緒になって環系を形成してもよく、
    ここで、1または2以上の置換基R1’〜R4’が部分的にまたは完全にハロゲン、特に−Fおよび/または−Cl、または−OH、−OR’、−CN、−C(O)OH、−C(O)NR’、−SONR’、−C(O)X、−SOOH、−SOX、または−NOによって置換されていてもよいが、R1’およびR4’が同時に完全にハロゲンによって置換されることはできず、
    ここで、置換基R1’〜R4’の1または2の隣接していない炭素原子であってヘテロ原子と結合していないものが、−O−、−S−、−S(O)−、−SO−、−SOO−、−C(O)−、−C(O)O−、−NR’−、−P(O)R’O−、−C(O)NR’−、−SONR’−、−OP(O)R’O−、−P(O)(NR’)NR’−、−PR’=N−および−P(O)R’−から選択される原子および/または原子群と置き換えられていてもよく、
    ここで、R’=H、非フルオロ化、一部フルオロ化、あるいはパーフルオロ化されたC〜Cアルキル、C〜Cシクロアルキル、または非置換もしくは置換フェニルおよびX=ハロゲンであり、
    ただし、ピリジニウムカチオンは、−CN、−OR’、−NR’、−P(O)R’、−P(O)(OR’)、−P(O)(NR’、−C(O)R’、−C(O)OR’、−C(O)NR’、−SONR’または−NOである置換基R1’〜R4’を1分子当たり少なくとも1つ、および/または−OR’、−CN、−C(O)OH、−C(O)NR’、−SONR’、−C(O)X、−SOOH、−SOX、または−NOで置換されているかあるいは1または2の隣接していない炭素原子であってヘテロ原子と結合していないものが、−O−、−S−、−S(O)−、−SO−、−SOO−、−C(O)−、−C(O)O−、−NR’−、−P(O)R’O−、−C(O)NR’−、−SONR’−、−OP(O)R’O−、−P(O)(NR’)NR’−、−PR’=N−および−P(O)R’−から選択される原子および/または原子群と置き換えられている置換基R1’〜R4’を1分子当たり少なくとも1つ有している、
    の群から選択されることを特徴とする、前記方法。
  6. a)タンパク質を、変性剤またはカオトロピック剤で封入体から可溶化すること、
    b)ステップa)で可溶化したタンパク質を、空間的に互いに異なる少なくとも1つの電子供与体領域および少なくとも1つの正電荷の静電気的領域を有するカチオンを含むイオン性液体を少なくとも1種含む液体媒体と接触させることによってリフォールディングすること、
    ここで、該カチオンが、
    Figure 0005496898
    ここで、R 1’ 〜R 4’ はそれぞれ互いに独立して、
    −H、−CN、−OR’、−NR’ 、−P(O)R’ 、−P(O)(OR’) 、−P(O)(NR’ 、−C(O)R’、−C(O)OR’、−C(O)NR’ 、−SO NR’ 、−NO 、1〜20のC原子を有する直鎖または分枝鎖アルキル、2〜20のC原子および1または2以上の二重結合を有する直鎖もしくは分枝鎖アルケニル、2〜20のC原子および1または2以上の三重結合を有する直鎖もしくは分枝鎖アルキニル、1〜6のC原子を有するアルキル基によって置換されていてもよい、3〜7のC原子を有する飽和、部分的に不飽和もしくは完全に不飽和のシクロアルキル、飽和、部分的に不飽和もしくは完全に不飽和のヘテロアリール、ヘテロアリール−C 〜C アルキルもしくはアリール−C 〜C アルキルを表し、
    ここで、置換基R 1’ 、R 2’ 、R 3’ および/またはR 4’ が一緒になって環系を形成してもよく、
    ここで、1または2以上の置換基R 1’ 〜R 4’ が部分的にまたは完全にハロゲン、特に−Fおよび/または−Cl、または−OH、−OR’、−CN、−C(O)OH、−C(O)NR’ 、−SO NR’ 、−C(O)X、−SO OH、−SO X、または−NO によって置換されていてもよいが、R 1’ およびR 4’ が同時に完全にハロゲンによって置換されることはできず、
    ここで、置換基R 1’ 〜R 4’ の1または2の隣接していない炭素原子であってヘテロ原子と結合していないものが、−O−、−S−、−S(O)−、−SO −、−SO O−、−C(O)−、−C(O)O−、−N R’ −、−P(O)R’O−、−C(O)NR’−、−SO NR’−、−OP(O)R’O−、−P(O)(NR’ )NR’−、−PR’ =N−および−P(O)R’−から選択される原子および/または原子群と置き換えられていてもよく、
    ここで、R’=H、非フルオロ化、一部フルオロ化、あるいはパーフルオロ化されたC 〜C アルキル、C 〜C シクロアルキル、または非置換もしくは置換フェニルおよびX=ハロゲンであり、
    ただし、ピリジニウムカチオンは、−CN、−OR’、−NR’ 、−P(O)R’ 、−P(O)(OR’) 、−P(O)(NR’ 、−C(O)R’、−C(O)OR’、−C(O)NR’、−SO NR’ または−NO である置換基R 1’ 〜R 4’ を1分子当たり少なくとも1つ、および/または−OR’、−CN、−C(O)OH、−C(O)NR’ 、−SO NR’ 、−C(O)X、−SO OH、−SO X、または−NO で置換されているかあるいは1または2の隣接していない炭素原子であってヘテロ原子と結合していないものが、−O−、−S−、−S(O)−、−SO −、−SO O−、−C(O)−、−C(O)O−、−N R’ −、−P(O)R’O−、−C(O)NR’−、−SO NR’−、−OP(O)R’O−、−P(O)(NR’ )NR’−、−PR’ =N−および−P(O)R’−から選択される原子および/または原子群と置き換えられている置換基R 1’ 〜R 4’ を1分子当たり少なくとも1つ有している、
    の群から選択されることを特徴とする、
    により、タンパク質を封入体から抽出する方法。
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