以下、適宜図面を参照しつつ本発明の実施の形態を詳説する。
本実施形態の電飾看板装置1は、広告等が表示される表示シート5と、この表示シート5の裏面側に配設され方形状の板材からなる導光板3と、この導光板3の両側の端辺を支持する一対のフレーム15と、この一対のフレーム15の内部にそれぞれ配設され導光板3の端面に向けて光を照射する光源11と、導光板3の裏面側に略平行に隙間をもって配設され上記一対のフレーム15に両側の端辺が保持された反射シート9とを備えている。
上記導光板3は、無色透明で且つ可撓性を有しており、ウレタン系エラストマーから板状に構成されている。ここで、導光板3は、例えば遠心成形法、鋳型を用いた注型法、押出成形、射出成形、トランスファー成形、カレンダー成形等の成形方法によって成形することができる。
また、導光板3の裏面には、導光板3の内部の光を表面側に反射する反射層3aが設けられている。この反射層3aは、酸化チタンや沈降性硫酸バリウム等を含有する白色塗料をドットパターン状にスクリーン印刷して形成することができる。なお、反射層は、その他、グラビア印刷による方法、インクジェットやディスペンサーを用いた描画法によりパターニングする方法によって形成することもできる。さらには、反射層は、V溝カッターやレーザー微細加工装置やウォータージェット装置を用いて導光板3の裏面に凹凸形状を形成する方法や、切削加工・電鋳加工により凹凸面を形成した金型を用いて導光板3の裏面に凹凸形状を形成する方法によっても形成可能である。また、光造形により導光板3の裏面に硬化樹脂からなる反射層を積層形成することによって、上記反射層を設けることも可能である。
なお、本実施形態においては、上記導光板3は、上下幅420mm、横の長さ600mm、厚さ3mmとすることができる。なお、導光板3の大きさ(上下幅及び横の長さ)はこれに限定されるものではなく、適宜設計変更可能である。
また、導光板3の厚さも限定されるものではないが、導光板3の厚さは、0.3mm以上であることが好ましく、より好ましく1mm以上である。導光板3の厚さを上記下限値以上とすることにより、導光板3自体の耐久性及び導光性が十分確保でき、さらに導光板3の端面から光源11の光を確実且つ適切に入射させることができる。しかも、導光板3が柔らか過ぎることがなく、このため、表示状態において導光板3が不用意に撓んで裏面側の反射シート9に密着して表示不良が発生することを防止できる。
また、導光板3の厚さは、30mm以下であること好ましく、より好ましくは10mm以下である。導光板3の厚さを上記上限値以下とすることにより、曲面を有する壁等に設置する際にこの曲面に十二分に対応して導光板3を撓ませることができる。さらに、搬送に際して導光板3を丸めることで、小さくして搬送することができ、その搬送作業が極めて簡便となる。しかも、導光板3自体を軽量化することができ、このため、設置作業、撤去作業及び運搬作業を簡便に行うことができる。
また、導光板3のゴム硬度は、20ショアA以上であることが好ましく、より好ましくは40ショアA以上である。導光板3のゴム硬度を上記下限値以上とすることにより、表示状態において導光板3が不用意に撓んで反射シート9に密着することによる表示不良を防止できる。さらに、導光板3のゴム硬度は、90ショアD以下であることが好ましく、より好ましくは70ショアD以下である。導光板3のゴム硬度を上記上限値以下とすることにより、曲面を有する壁等に設置する際にこの曲面に十二分に対応して導光板3を撓ませることができる。さらに、搬送に際して導光板3を丸めることで、小さくして搬送することができ、その搬送作業が極めて簡便となる。
また、導光板3の表面側のDIN摩耗試験により見積もられた摩耗体積は、1500mm3以下であることが好ましく、より好ましくは1000mm3以下である。導光板3の表面側の対摩耗性を上記上限値以下とすることにより、例えば導光板3の表面に表示シート5を貼着した場合に、この貼着した表示シート5を剥がした際に、導光板3の表面に傷がつきにくい。上記「摩耗体積」は、JIS−K6264(1993)に準拠したDIN摩耗試験により測定される物性値であり、垂直荷重1kg、ドラム回転数40±1rpm、摩耗距離40m、研磨材アルミナ#60の条件にて室温下で試験を行い測定した数値である。なお、試験機として、KARL FRANK GMBH製 DIN摩耗試験機「Type564c」(商品名)を使用した。
また、上記導光板3として、本実施形態では無色透明なものを採用したが、有色透明なものであっても導光板3として機能するものであれば採用することが可能である。なお、導光板3の透過率は、85%以上であることが好ましい。
上記反射シート9は、白色ポリプロピレン(PP)から薄板状に形成されており、可撓性を有する。本実施形態では、反射シート9は厚さが0.8mmのものを使用している。なお、反射シート9は、発砲ポリエチレンテレフタレート(PET)や発泡ポリカーボネート(PC)等の樹脂から形成することもできる他、薄板の金属板から構成することも可能である。
また、反射シート9は、導光板3の裏面側に、導光板3の裏面と一定の隙間を有するように配設されている。なお、反射シート9は、導光板3を撓ませた状態でも、上述のように導光板3の裏面と一定隙間を有するように設けられることが好ましいが、導光板3を撓ませた際に、反射シート9の表面と導光板3の表面との上記隙間がなくなり、反射シート9と導光板3とが接触してしまうようなものも本発明の技術的範囲に属するものである。
上記反射シート9の表面は、シボ加工やエンボス加工等が施された非平滑面に設けられている。これにより、仮に導光板3と反射シート9とが仮に接触したとしても、導光板3と反射シート9とが密着しにくく、これにより光の反射率の変化に基づく輝度ムラや色ムラを防止することができる。
上記反射シート9は、上記導光板3と略同様の大きさに設けられている。なお、上記反射シート9と導光板3との隙間は、後述の光漏出防止部材13の肉厚よりも大きく設けられ、反射シート9が光漏出防止部材13に挟持されないように設けられている。なお、反射シート9の上下幅を導光板3よりも若干小さく設けることにより、反射シート9の上下両端が後述の光漏出防止部材13に挟持されないように設けることも可能である。
上記表示シート5は、例えばアクリル樹脂から薄板状で可撓性を有するよう形成されており、例えば厚さ0.5mmのものを採用可能である。表示シート5は、例えば画像や文字等の表示が印刷されて構成された表示層(図示省略)を備えており、裏面側からの光によってこの表示層が明るく表示されるよう設けられている。さらに、表示シート5に、上記表示層の表面に例えば透明な塩化ビニルからなる保護層を積層することも適宜設計変更可能な事項である。
また、本実施形態の電飾看板装置1は、上記表示シート5と導光板3との間に配設された光学シート7、及び表示シートの表面側に配設された表面保護シート8をさらに備えている。ここで、光学シート7、表示シート5及び表面保護シート8は、導光板3の表面に積層状態で配設されている。また、この光学シート7、表示シート5及び表面保護シート8は、大きさが導光板3の大きさと略同様に設けられているが、横方向の長さが導光板3よりも若干短く設けられている。
また、上記光学シート7は、PET樹脂製であり、薄板状で可撓性を有する乳半板(光拡散シート)から構成されている。本実施形態では、光学シート7は厚さが0.25mmのものを使用している。なお、表示シート5と導光板3との間に配設される光学シート7としては、上記光拡散シートの他、カラーフィルター、プリズムシート、集光レンズシートも配設することも可能である。また、これらのシートを複数枚適宜組み合わせて用いることも可能である。
上記表面保護シート8は、PET樹脂製であり、薄板状で可撓性を有する無色透明なシートから構成されている。本実施形態では、表面保護シート8は厚さが0.25mmのものを使用している。
本実施形態の電飾看板装置1は、上記導光板3の端辺のうち、上記一対のフレーム15が配設された端辺(両側)以外の端辺、つまり、フレーム15の配設されない端辺(上端及び下端)に付設された光漏出防止部材13を、さらに有している。この光漏出防止部材13は、軟質塩化ビニル(PVC)等の樹脂からなる可撓性を有する部材から構成されている。また、この光漏出防止部材13は、長手方向に沿って溝が形成された断面略U字状の長尺部材から構成されており、この溝に上記導光板3の端辺が嵌入着されることによって、導光板3に付設されている。本実施形態においては、導光板3のみならず、この導光板3の表面側に積層された光学シート7、表示シート5及び表面保護シート8も、その上下両端が上記導光板3とともに光漏出防止部材13の溝に嵌入着されている。なお、上記光漏出防止部材13の素材は上記のものに限定されるものではなく、例えば樹脂テープやアルミ等の金属テープから上記光漏出防止部材を構成することも可能である。また、導光板の端面に弾性被膜を形成する塗料を塗装して、この塗料から構成される塗膜により、光漏出防止部材を構成することも適宜設計変更可能な事項である。
上記光漏出防止部材13は、導光板3からの光を導光板3側に反射する光反射手段を有しており、これにより光源11の光の利用効率の向上が図られている。具体的には、本実施形態においては、光漏出防止部材13が白色系の樹脂から構成されており、溝の白色の内面が光反射手段として機能している。なお、かかる反射手段としては、例えば上記のような形状の光漏出部材の溝の内面のみに白色塗料を塗布したり、また溝の内面に反射テープを貼着すること等によっても形成することも可能である。さらには、上記のような光反射手段を組み合わせて用いることも可能である。
上記フレーム15は、長尺状部材からなり、導光板3の端辺を保持する導光板保持手段18を有するフレーム本体17、及びこのフレーム本体17に回動可能に取り付けられた開閉部材21を備えており、上記フレーム本体17は、反射シート9の端辺を保持する反射シート保持手段19を有している。なお、本実施形態において、フレーム15は導光板3の上下方向の長さと略同一の長さを有しており、導光板3の端辺の全長にわたって保持するよう設けられている。また、本実施形態において一対のフレーム15は、左右対称の同一構成であり、以下の説明において一方のフレーム15の説明のみ行うが、一対のフレーム15が異なる構成とすることは適宜設計変更可能な事項である。
上記フレーム15を構成するフレーム本体17と開閉部材21とは、アルミ合金から形成されており、放熱性、軽量性、高剛性及び設計の容易さによるコスト面それぞれの向上が図られている。なお、フレーム15の材質は、特に限定されないが、耐久性、軽量性、美観、コスト面等の観点から金属や樹脂とすることが好ましい。さらに、フレーム15の材質は、光源11が発する熱を放熱させる観点から、金属から形成することが特に好ましい。なお、本実施形態においては、フレーム本体17と開閉部材21とは同一素材から構成されているが、この両部材を別の素材から形成することも可能である。
上記フレーム本体17は、他方のフレーム15側(導光板3の中央側)に向けて突設された板状の三つの突出片17aを有しており、この三つの突出片17aは、互いに略平行で、フレーム15の長手方向に沿って設けられている。
この三つの突出片17aのうち表面側の突出片17aと中央の突出片17aとは、導光板3の厚さよりも若干大きい隙間をもって突設されており、この両者の隙間に導光板3の端辺が挿入着されている。つまり、この表面側の突出片17aと中央の突出片17aとの隙間が上記導光板保持手段18として機能している。また、この導光板3の端辺の裏面側と上記中央の突出片17aの表面側とは、その間に配設された両面テープ23によって貼着されており、これにより導光板3とフレーム15とが固定されている。なお、導光板3とフレーム15との取り付け手段は上記のものに限定されるものではなく、適宜の取り付け手段によって両者を取り付けることが可能である。例えば、導光板3を接着剤や粘着剤等によってフレーム15に固定することもできる。また、導光板3をフレーム本体17に向けて押圧する部材を別途設け、この押圧する部材とフレーム本体17とにより導光板13が挟持されてフレーム15に取り付けられるものとすることもできる。
また、上記フレーム15には、この導光板保持手段18が設けられた箇所(表面側の突出片17aと中央の突出片17aとの間)に、上記光源11が取り付けられている。ここで、光源11は、その照射面が導光板3の端面に近接して、上記フレーム15に取り付けられており、導光板3の端面に光を照射するよう設けられている。なお、光源11の照射面を導光板3の端面と当接するよう光源11をフレーム15に取り付けることも可能である。
ここで、光源11は、フレーム15に沿って配置された線状光源から構成されており、電力消費量や環境負荷が小さく、小型で高輝度であるため、複数の発光ダイオード(LED)が並べられた線状光源が好適に用いられている。具体的には、複数のチップ型LEDを並べたLEDライトバー(例えば、定格出力24V/0.5A)を採用することが好ましい。また、演色性の高いLEDを用いることにより、表示シート5の表示の色合いを鮮やかにすることができる。なお、光源11として、蛍光管や冷陰極管も用いることや、さらには点状光源を採用することも適宜設計変更可能な事項である。
また、上記光源11は、上記フレーム本体17に両面テープ(図示省略)によって取り付けられている。なお、取り付け方法は、両面テープの他、ビス止め、接着材による接着等を採用することも可能であり、また、フレーム15に光源11を係止するホルダー等の係止手段を設けて、この係止手段によって光源11をフレーム15に取り付けることも適宜設計変更可能な事項である。
上記フレーム本体17の中央の突出片17aと裏面側の突出片17aとは、反射シート9の厚さよりも若干大きい隙間をもって突設されており、この両者の隙間から構成される溝部19には、反射シート9の端辺が挿入着されている。つまり、この溝部19が上記反射シート保持手段として機能している。
なお、このように導光板保持手段18及び反射シート保持手段19が構成されているので、中央の突出片17aの厚さ分だけの隙間をもって、導光板3と反射シート9とがフレーム15に保持されることになる。換言すれば、フレーム15は、導光板3の裏面と反射シート3の表面とが隙間をもって配設されるよう、導光板3と反射シート3とを取り付ける導光板保持手段18及び反射シート保持手段19を有している。なお、上記中央の突出片17aは、5mm程度の厚さとすることができる。また、表面側及び裏面側の突出片17aの厚さも同様に5mmとすることができる。
また、上記溝部19(中央の突出片17aと裏面側の突出片17aとの隙間)は、挿入される反射シート9の端縁よりも、深さ(導光板3の左右方向の長さ)が深く設けられている。具体的には、導光板3の両端に取り付けられた際に、一対のフレーム15の溝部19の底同士の距離が、反射シート9の幅方向の長さよりも大きく設けられている。これにより、反射シート9は、平面方向且つ保持される端辺(フレーム15の長手方向)と直交方向にスライド可能に反射シート保持手段19によって保持されている。また、フレーム15は、反射シート9が自重等によって溝部19から脱落することを防止する落下防止部を有している。具体的には、上記溝部19が袋状に形成、つまり、フレーム本体17が、上記中央の突出片17aの上端及び下端と裏面側の突出片17aの上端及び下端とをそれぞれ架設する蓋体(図示省略)を有しており、この蓋体によって反射シート9の脱落が防止されている。なお、反射シート9の左右の端辺から中央に向けて切欠きを形成し、この切欠きにスライド自在に挿入されるピンをフレーム本体17の溝部19内に突設して、このピンによって上記落下防止部を構成することも可能である。
また、上記フレーム15は、壁や柱等の被設置物に対して取り付けるための設置手段27を備えている。本実施形態において、この設置手段27は、フレーム本体17の裏面側に貼着された両面テープ(貼着部材)から構成されている。なお、このフレーム15の設置手段27は、上記両面テープに限られるものではなく、種々の設置手段を採用することが可能である。例えば、被設置物が磁性体である場合には磁石から設置手段を構成することも可能である。さらには、一対のフレーム15にそれぞれ設けられた穿孔から上記設置手段を構成することもでき、この場合、柱等の円柱状の被設置物に導光板3を巻回した後に、一対の穿孔を例えば紐等の連結部材によって連結することにより、電飾看板装置1を被設置物に設置することも可能である。
上記開閉部材21は、板状の長辺部分21aと板状の短辺部分21bとにより断面略L字状に形成されている。この開閉部材21は、短辺部分21bから内側に突設された部位において、フレーム15の長手方向(導光板3の上下方向)と平行な軸Oを中心として回動可能に、上記フレーム本体17に取り付けられている。また、開閉部材21を閉方向に回動させることによって、開閉部材21の長辺部分21aの端部が、導光板3の表面側に積層された表示シート5の端辺(端縁付近の部位)、表面保護シート8の端辺及び光学シート7の端辺を押圧して保持するように設けられている。つまり、この開閉部材21の端部が表示シート5等の端辺を保持する「保持部」として機能し、開閉部材21が「開閉機構」として機能している。なお、本実施形態においては、フレーム本体17の表面側の突出片17aが中央の突出片17aよりも突出長が小さく(左右方向の幅が短く)設けられており、上記開閉部材21の端部が、導光板3の表面とによって表示シート5等を挟持している。なお、表面側の突出片17aと中央の突出片17aとの突出長を等しくして、表面側の突出片17aと開閉部材21の端部とにより表示シート5等を挟持するよう設けることも可能である。この場合には、導光板3と光学シート7とが一定の隙間(表面側の突出片17aの厚さ分の隙間)をもって配されることになる。
また、開閉部材21は、フレーム15内に設けられたバネ(図示省略)によって、閉塞側に常時弾性付勢されている。
また、本実施形態の電飾看板装置1は、フレーム15に取り付けられ、開閉部材21の回動を規制する規制部材29をさらに備えている。本実施形態においては、この規制部材29は、フレーム15の上下両端にそれぞれ着脱可能に取り付けられるフレームエンドキャップから構成されている。
詳述すると、このフレームエンドキャップ29は、フレーム15の平面視(保持部の閉塞状態の平面視)と略同一形状からなる板状のキャップ本体29aと、このキャップ本体29aの一面からフレーム15の中央側に向けて突設された挿入着部29bと、上記キャップ本体29aの一面から挿入着部29bと同一方向且つ平行に突設されたロックバー29cとを備えている。なお、このキャップ本体29a、挿入着部29b及びロックバー29cは、例えば樹脂の一体成型により構成することが可能である。上記フレーム本体17には、上記挿入着部29bが挿入着される孔部17bが形成されている。なお、上記挿入着部29bは、導光板3の厚さ方向に二つ設けられており、これに対応して上記孔部17bは二つ設けられている。また、開閉部材21の閉塞状態のフレーム15の孔部17bに上記挿入着部29bが挿入着された際に、上記ロックバー29cは、上記開閉部材21の他端部(短辺部分21bの端部)に当接するよう設けられている。つまり、フレームエンドキャップ29をフレーム15に取り付けると、このロックバー29cと開閉部材21とが当接しているため、開閉部材21が回動不能となる。このように開閉部材21の回動がフレームエンドキャップ29によって規制されているため、不用意に開閉部材21が回動して表示シート5が離脱してしまうことを防止できる。また、このフレームエンドキャップ29は、一対のフレーム15の上下両端に合計四個取り付けられている。このため、表示シート5を離脱させるためには、四個のフレームエンドキャップ29を離脱しなければならないので、表示シート5の盗難防止が図られる。なお、フレームエンドキャップ29に鍵等を取り付けて、鍵を解錠しない限り離脱できないよう設けることも可能であり、これにより盗難防止効果がより促進される。また、フレームエンドキャップ29を、フレーム15に回動自在に取り付けて、フレームエンドキャップ29をフレーム15に対して回動させることで、開閉部材29の回動の規制・解除が行うことができるよう設けることも適宜設計変更可能な事項である。
上記構成からなる本実施形態の電飾看板装置1は以下のように用いられる。
まず、湾曲している壁や円柱状の柱等のように曲面を有する被設置物に設置するに際して、表示シート5、表面保護シート8及び光学シート7を離脱した状態としておく。そして、表示シート5等が離脱された当該電飾看板装置1を、被設置物の曲面に沿って導光板3を撓ませて、フレーム15の設置手段27によって被設置物に設置する。
ここで、導光板3は十分な可撓性を有するので、的確に被設置物の曲面に沿って変形することができる。また、導光板3の裏面側の反射シート9も可撓性を有するので、この導光板3とともに曲面に沿って変形することができる。さらに、反射シート9がフレーム15の溝部19の深さ方向(反射シート9の平面方向且つ保持される端辺と直交方向)にスライド可能に保持されているので、導光板3と反射シート9とを撓ませた際に、反射シート9は、上記曲面に沿って撓むとともに端辺が溝部19をスライドすることで、適切な形態に変形することになり、反射シート9が導光板3の撓みを邪魔することがなく、当該電飾看板装置1を的確且つ確実に被設置物に設置することができる。しかも、反射シート9は、その表面が導光板3の裏面と隙間をもって対面するようフレーム15に保持されているので、この変形に際して反射シート9の表面と導光板3の裏面とが擦れにくく、このため摩擦による導光板3の裏面の反射層3aの損傷を防止することができる。
上記のように被設置物に設置された後に、フレーム15の保持部を開放して、導光板3の表面側に表示シート5、表面保護シート8及び光学シート7を積層して、保持部を閉塞することにより、表示シート5等をフレーム15に保持させる。この表示シート5等を保持させたフレーム15にフレームエンドキャップ29を取り付ける。そして、導光板3、表示シート5、表面保護シート8及び光学シート7の上下両端に光漏出部材13を取り付ける。
このように設置された電飾看板装置1は、光源11をONにすると、光源11からの光が、無色透明な導光板3で導光して、導光板3の裏面の反射層3aで表面側に反射して、導光板3の表面側から表示シート5に向けて照射し、表示シート5を光らせて表示することができる。また、導光板3の裏面側に反射シート9が設けられているので、導光板3の裏面側に漏れた光を表面側に反射して再利用することができ、光源11の光をより効率的に導光板3の表面側から照射することができる。
また、導光板3の上下両端には、可撓性を有する光漏出防止部材13が付設されているので、導光板3の端面から光が漏出しにくく、このため視認者に対して表示シート5の表示をより際立たせて見せることができる。さらに、この光漏出防止部材13は導光板3側に光を反射する光反射手段を有しているので、光源11の光の利用効率の向上がより図られる。
また、上記電飾看板装置1は、フレーム15の内部に光源11が配設された構造からなり、従来のように光源を導光板等に埋設しているものではないので、光源11が比較的劣化しにくく、また導光板3とフレーム15とを離脱することで比較的簡便に光源11の取り換え作業を行うことができる。特に、光源11を取り付けたフレーム15は金属製からなるので、熱伝導性が高く、光源11の熱を外部に放出しやすいため、光源11が劣化しにくい。
なお、上記実施形態の電飾看板装置1を、直径180mm程度の円柱状の柱に巻き付けた状態で5日間放置し、その後、離脱して再度円柱状の柱に巻き付けて実験してみたが、当該電飾看板システム1は問題なく使用することができた。
さらに、設置された電飾看板装置1において表示シート5を変更したい場合には、フレームエンドキャップ29を離脱して、フレーム15の保持部を開放して、取り付けていた表示シート5を離脱して、他の表示シート5を取り付けることによって、容易に表示シート5の変更を行うことができる。
上記電飾看板装置1は、主として導光板3とフレーム15とからなり、従来の電光電飾看板装置の箱形の筐体のような部材が不要であるため、比較的軽量であり、設置及び撤去が容易で、また搬送も行いやすい。
しかも、上記導光板3はウレタン系エラストマーから構成されているので、たとえばシリコーンゴム等から構成されたものに比して、対摩耗性が格段に高く、耐久性に優れる。
尚、本発明は上記態様の他、種々の変更、改良を施した態様で実施することができる。
つまり、上記実施形態においては、フレーム15により表示シート5等を保持するものについて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば導光板の表面に表示シートを粘着剤等によって貼着し、表示シートの変更の際に導光板から剥離することも可能である。特に、導光板はウレタン系エラストマーから構成されており、対摩耗性に優れているので、上記のように貼着・剥離しても、導光板の表面に傷がつきにくい。尚、上記実施形態の導光板3の表面にアクリル系粘着剤を塗布して表示シートを貼着し、この貼着した表示シートを剥離するという貼着・剥離作業を20回繰り返す実験を行ったが、導光板にはクラックや傷は全く見られなかった。
また、上記実施形態のようにフレーム15に表示シート5を保持する保持部を設けた場合にあっても、一対のフレームのうち一方のフレームにのみ保持部を設けることも可能であり、このように一方のみに保持部を設けた場合には他方のフレームに表示シートの端辺を係止する係止溝を設けることも適宜設計変更可能な事項である。
さらに、上記実施形態においては、導光板3の上下両端に光漏出防止部材13を取り付けたものについて説明したが、本発明において光漏出防止部材13は必須の構成要件ではない。特に、導光板の上下の端面を光らせ、意匠性を持たせることが有効な場合には、上記光漏出防止部材は不要である。
さらに、この導光板3の上下の端面が鏡面加工されている構成を採用することも可能である。これにより、二つの導光板3を容易に一体化することができ、大面積の表示を行うことができる。つまり、鏡面加工された導光板の端面同士が接触するように二つの導光板を並置しておくことにより、この接触した端面同士が自己融着して、二つの導光板を一体化させることができ、大きな導光板を構成することができる。なお、この場合、一体化前の導光板にそれぞれ上記フレームを取り付けておき、このフレームが取り付けられた導光板を自己融着により一体化することも可能であり、また、フレームを取り付ける前に導光板を自己融着により一体化し、この一体化した後の大きな導光板に大きな一つのフレームを取り付けることも可能である。また、自己融着により一体化した端面同士の融着部分に別途透明な粘着テープや接着剤により補強することも適宜設計変更可能な事項である。
また、上記実施形態においては、導光板3の両側の端辺にそれぞれフレーム15を配設したものを説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、導光板の上下の端辺にそれぞれフレームを配設したもの、さらには導光板の一つの端辺にのみフレームを取り付けたものも本発明の意図する範囲内である。なお、このように一つのフレームのみを導光板の端辺に取り付けた場合にあっても、フレームが取り付けられた端辺以外の端辺に上記実施形態のような光漏出防止部材を付設することが好ましい。
さらに、上記実施形態においては、光学シート7及び表面保護シート8を配設したものについて説明したが、かかる光学シート7及び表面保護シート8は本発明の必須の構成要件ではない。特に、表示シートが光拡散性を有する場合には、上記実施形態の光学シートのような光拡散シートは不要となる。