JP5495000B2 - 抗原誘導体、当該抗原誘導体を用いて作成されたモノクローナル抗体、及び抗原誘導体の調製方法 - Google Patents

抗原誘導体、当該抗原誘導体を用いて作成されたモノクローナル抗体、及び抗原誘導体の調製方法 Download PDF

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Description

本発明は、抗原誘導体、当該抗原誘導体を用いて作成されたモノクローナル抗体、及び抗原誘導体の調方法に関する。
抗体は、一定の抗原決定基を有する抗原に特異的に結合することができるタンパク質分子であり、高等動物において、免疫反応の主要な一翼を担っている。近年、モノクローナル抗体の作成方法が確立され、目的とするタンパク質や低分子物質に特異的に結合する均一で高純度の抗体を、人工的に作製することが容易となったことから、抗体は、これらの化合物を定量的・定性的に解析するための道具として用いられている。
低分子物質に対する抗体を作成する際には、一般的に、当該低分子物質とキャリアータンパク質と呼ばれる抗原性の低いタンパク質分子とを共有結合的に結合させ、これをアジュバントと共に実験動物に注射して、注射した抗原−キャリアータンパク質複合体に対する抗体産生を誘起することにより行われている。
ところで、カテキン類は、緑茶に含まれるポリフェノールの一種であり、緑茶の渋味を構成する成分の一つである。このカテキン類は、抗酸化作用、動脈硬化抑制作用、血圧上昇抑制作用、及び血糖上昇抑制作用等、多様な作用を有することが知られている。カテキン類の中でも、メチル化カテキンや、エピガロカテキンガレート(EGCG)は、特に強い機能性が期待されている成分であり、これらの成分を簡便に解析するための手法が強く求められている。
しかしながら、カテキン類は、これまで、特異的な化学的特性が知られておらず、カテキン類を分析するための簡便な化学的手法が開発されてこなかった。そのため、これまで、カテキン類の解析に用いられてきたのは、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)等、高価で煩雑な操作を必要とする機器を用いた解析方法であった(例えば非特許文献1参照)。
池ヶ谷賢次郎他、チャの分析法、茶業研究報告 71、43(1989)
ここで、人工的に抗体を得るためには、一定以上の大きさの分子を抗原として用いなければならず、低分子物質のみを単独の抗原として免疫した場合は、抗体の取得が困難であった。特に、カテキン類は、分子量500程度であり、これのみを単独の抗原として、抗体の産生を誘発するのは困難な状態にある。また、カテキン類を、化学的手法を用いて、キャリアータンパク質に結合させようとしても、カテキン類自体が化学反応により構造変化を起こしてしまい、目的とする抗原決定基をそのまま有した状態で、カテキン類をキャリアータンパク質に結合させることはできなかった。このような理由により、これまで抗カテキン抗体の取得は非常に困難であると言われてきた。
本発明は、以上のような課題に鑑みてなされたものであり、低分子物質に対する抗体を得るための抗原誘導体、当該抗原誘導体を用いて作成されたモノクローナル抗体、及び抗原誘導体の調方法を提供することを目的とする。とりわけ、本発明においては、カテキン誘導体、カテキン誘導体を用いて作成された抗カテキンモノクローナル抗体、カテキン誘導体の調方法、及び抗カテキン抗体を用いた、簡便なカテキン類の濃度の測定方法を提供することを目的とする。
本発明の発明者らは、相対的位置が互いにメタ位となるように結合された二つのフェノール性水酸基を有し、且つこれら二つのフェノール性水酸基の双方に対してオルト位に水素原子を有する芳香族化合物と、カルボキシル基を有する第1級アミン又は第2級アミンとを、マンニッヒ反応を用いて縮合させたとき、抗体作製に適した抗原誘導体を生成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
(1) キャリアータンパク質と結合させて、低分子物質に対する抗体を作成するための抗原誘導体であって、前記低分子物質は、相対的位置が互いにメタ位となるように結合された二つのフェノール性水酸基を有し、且つこれら二つのフェノール性水酸基の双方に対してオルト位に水素原子を有する芳香族化合物であり、前記低分子物質と、一般式(1)で示される化合物と、をマンニッヒ反応を用いて縮合させることにより生成される抗原誘導体。
Figure 0005495000
[式中、Rは炭素数1から10のアルキレン基であり、Rは水素原子又は炭素数1から5のアルキル基を示す。]
(1)の芳香族化合物と、一般式(1)で表される化合物と、をマンニッヒ反応を用いて縮合した場合、当該芳香族化合物において、二つのフェノール性水酸基の双方に対してオルト位に、メチレン基を介して、一般式(1)で示される化合物の窒素原子が結合した抗原誘導体を生成する。この抗原誘導体は、抗原である芳香族化合物の構造をそのまま有し、かつ、カルボキシル基を有するので、キャリアータンパク質のN末端や、リジン残基に存在する1級アミノ基と反応し、安定な抗原誘導体−キャリアータンパク質縮合体を形成する。したがって、当該芳香族化合物に対する抗体を作成するための抗原の一部として用いることができる。
ここで、「低分子物質」とは、生理活性を有する低分子化合物を指す。本発明においてはこの「低分子物質」に、ペプチド及びタンパク質は含まれない。
(2) 前記芳香族化合物は、フラバン骨格を有する化合物である(1)に記載の抗原誘導体。
(3) 前記芳香族化合物は、一般式(2)で示されるカテキンである(1)又は(2)に記載の抗原誘導体。
Figure 0005495000
[式中、R及びRはそれぞれ独立して、水素原子又はメチル基であり、Xは水素原子又は水酸基であり、Xは水素原子又は一般式(3)で示される基を示す。]
Figure 0005495000
[式中、R及びRはそれぞれ独立して、水素原子又はメチル基であり、Xは水素原子又は水酸基を示す。]
フラバン骨格を有する低分子化合物に対する抗体の作成は、従来、困難であるといわれていた。(2)に記載の発明によれば、フラバン骨格を有する化合物を抗原とした場合であっても、抗原の特性に変化をもたらすことなく、抗体作成のために用いる抗原誘導体を容易に作製することができる。また、(3)に記載の発明によれば、フラバン骨格を有する化合物の代表例であるカテキン類に対する抗体を作成するための、抗原誘導体を、容易に作製することができる。
具体的には、(3)に記載の発明によれば、一般式(4)で示される抗原誘導体が生成する。
Figure 0005495000
[式中、Rは炭素数1から10のアルキレン基であり、Rは水素原子又は炭素数1から5のアルキル基であり、R及びRはそれぞれ独立して、水素原子又はメチル基であり、Xは水素原子又は水酸基であり、Xは水素原子又は一般式(3)で示される基を示す。]
(4) 前記一般式(1)の前記Rはプロピレン基であり、前記Rはメチル基である(1)から(3)のいずれかに記載の抗原誘導体。
(4)の発明においては、マンニッヒ反応に用いるアミンとして、N−メチル−4−アミノ酪酸を用いる。N−メチル−4−アミノ酪酸は抗原誘導体をキャリアータンパク質に結合させたとき、芳香族化合物とキャリアータンパク質との間隔を適切な間隔に保つことができる。このため、N−メチル−4−アミノ酪酸を用いることにより、芳香族化合物を抗原とする抗体を好適に産生させることができる。更に、N−メチル−4−アミノ酪酸は、入手しやすい化合物であるため、抗体作製にかかるコストを低く抑えることができる。
(5) (1)から(4)のいずれかに記載の抗原誘導体と、キャリアータンパク質と、を結合させて得られる抗原誘導体−キャリアータンパク質縮合体。
(5)の発明によれば、抗原誘導体をキャリアータンパク質に結合させて、抗原誘導体−キャリアータンパク質縮合体とすることで、これを実験動物に免疫したときに、低分子物質である芳香族化合物に対して抗体を産生させるのに、十分な免疫反応を誘起させることができる。
(6) 前記キャリアータンパク質はカブトガニヘモシアニンである(5)に記載の抗原誘導体−キャリアータンパク質縮合体。
カブトガニヘモシアニンはこれ自体では免疫源性が弱く、単独では抗体産生を誘導しない。このため、(6)の発明によれば、キャリアータンパク質がカブトガニヘモシアニンである抗原誘導体−キャリアータンパク質縮合体を実験動物に免疫しても、キャリアータンパク質に対する抗体が産生されず、芳香族化合物に対する抗体の産生のみを効率よく誘導することができる。
ここで、「抗原誘導体−キャリアータンパク質縮合体」とは、上記抗原誘導体が有するカルボキシル基と、キャリアータンパク質のリジン残基が有するε−アミノ基とを、縮合させた化合物を指す。
(7) 受領番号がFERM AP−20927、FERM AP−20928、FERM AP−20929、FERM AP−20930、及びFERM AP20931からなる群より選ばれる一種である抗カテキンモノクローナル抗体産生ハイブリドーマ。
(7)の発明によれば、抗カテキンモノクローナル抗体産生ハイブリドーマから、抗カテキンモノクローナル抗体を得ることができる。
(8) (7)に記載の抗カテキンモノクローナル抗体産生ハイブリドーマより産生される抗カテキンモノクローナル抗体。
(8)の発明によれば、抗カテキンモノクローナル抗体を利用することができるので、カテキン類に関する定量的分析方法、及び定性的分析方法を簡便に行うことができる。
(9) (8)に記載の抗カテキンモノクローナル抗体を用いたカテキン類の濃度の測定方法。
(9)の発明によれば、抗カテキンモノクローナル抗体は、カテキン類を濃度依存的に特異的に結合する。このため、抗カテキンモノクローナル抗体と任意の試料とを混合したとき、抗カテキンモノクローナル抗体に対する、カテキン類の結合量を推定することにより、試料中のカテキン類の濃度を推定することができる。これによって、任意の試料におけるカテキン類の濃度を簡便に測定することができる。
ここで、「カテキン類」とは、植物界に広く存在するポリフェノールの一種であるカテキン、及びカテキンと類似の生物学的作用を有する化合物を指し、具体的には、カテキン、エピカテキン、エピガロカテキン、エピカテキンガレート、エピガロカテキンガレート、エピガロカテキン−3−O−(3−O−メチル)ガレート、エピカテキン−3−O−(3−O−メチル)ガレート、エピカテキン−3−O−(4−O−メチル)ガレート、エピガロカテキン−3−O−(4−O−メチル)ガレート、ガロカテキン−3−O−(3−O−メチル)ガレート、カテキン−3−O−(3−O−メチル)ガレート、カテキン−3−O−(4−O−メチル)ガレート、又は、ガロカテキン−3−O−(4−O−メチル)ガレート及びこれらの異性体を含む。
(10) キャリアータンパク質と結合させて、低分子物質に対する抗体作成に用いるための抗原誘導体の調方法であって、前記低分子物質は、相対的位置が互いにメタ位となるように結合された二つのフェノール性水酸基を有し、且つこれら二つのフェノール性水酸基の双方に対してオルト位に水素原子を有する芳香族化合物であり、前記低分子化合物と、一般式(1)で示される化合物と、をマンニッヒ反応を用いて縮合させることにより、抗原誘導体を調する抗原誘導体の調方法。
Figure 0005495000
[式中、Rは炭素数1から10のアルキレン基であり、Rは水素原子又は炭素数1から5のアルキル基を示す。]
(10)に記載の発明は、(1)に記載の抗原誘導体を製造するための方法の発明である。したがって、(1)に記載の発明と同様の効果が得られる。
(11) 前記芳香族化合物は、一般式(2)で示されるカテキンである、(10)に記載の抗原誘導体の調方法。
Figure 0005495000
[式中、R及びRはそれぞれ独立して、水素原子又はメチル基であり、Xは水素原子又は水酸基であり、Xは水素原子又は一般式(3)で示される基を示す。]
Figure 0005495000
[式中、R及びRはそれぞれ独立して、水素原子又はメチル基であり、Xは水素原子又は水酸基を示す。]
(11)に記載の発明は、(3)に記載の抗原誘導体を製造するための方法の発明である。したがって、(3)に記載の発明と同様の効果が得られる。
本発明によれば、比較的高い効率で、芳香族化合物、とりわけカテキン類に対するモノクローナル抗体を得ることができる。更に、得られた抗カテキンモノクローナル抗体を用いて、カテキン類に対する定量的、定性的な分析を、簡便に行うことができる。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。
<抗原の調
本実施形態における芳香族化合物に対するモノクローナル抗体の作成にあたって、抗原の調を行う。本実施形態に好適に用いることができる芳香族化合物としては、フラバノン、フラボン、フラボノール、及びカテキン類を挙げることができる。このうち、フラボノール、及びカテキン類等のフラバン骨格を有する芳香族化合物が好ましい。カテキン類を抗原とした場合、抗カテキン抗体作成のための、抗原の調にあたっては、まず、茶葉抽出液を得て、化学的分離精製方法により、カテキン類を単離、精製する。次いで、単離したカテキン類の6位に、マンニッヒ反応を用いてアミノ酸を結合させ、カテキン誘導体とする。このカテキン誘導体とキャリアータンパク質とを、化学的手法を用いて結合させ、カテキン誘導体−キャリアータンパク質縮合体として抗カテキン抗体作成用の抗原とする。
[茶葉抽出液]
茶葉抽出液を得るにあたっては、アッサム雑種の茶葉を原料とする緑茶又は包種茶の茶葉を用いることができる。具体的には、あさつゆ、ふじかおり、ふくみどり、ふうしゅん、ほうりょく、かなやみどり、くりたわせ、くらさわ、まきのはらわせ、めいりょく、なつみどり、おおいわせ、おくひかり、おくみどり、おくむさし、おくゆたか、りょうふう、さえみどり、さやまかおり、さやまみどり、しゅんめいするがわせ、つゆひかり、とよか、やぶきた、やえほ、やまかい、やまとみどり、ゆたかみどり、いずみ、たかちほ、たまみどり、やまなみ、あさぎり、あさひ、ごこう、こまかげ、さみどり、うじみどり、べにふじ、べにふうき、べにひかり、べにほまれ、はつもみじ、からべに、ただにしき等を挙げることができる。抽出に用いる茶葉は、そのままの状態でもよいが、粉末であることが好ましい。また、この粉末は均一な大きさであることが好ましいため、ふるいにかけて用いてもよい。
カテキン類を抽出する抽出溶媒としては特に限定されず、水、低級アルコール類、エーテル類、及びアセトン等を挙げることができる。低級アルコールとしては、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、及びイソブタノール等を用いることができ、エーテル類としては、例えばエチルエーテル、及びジオキサン等を用いることができる。これらの溶媒の中でも、カテキン類を比較的高い濃度で抽出することができるという点から、エタノールが含有されている溶媒を用いることが好ましい。
抽出にあたっては、まず、茶葉又は茶葉粉末に上記の抽出溶媒を添加する。溶媒と、茶葉又は茶葉粉末との混合物を25℃から95℃で5分から60分インキュベーションする。このとき抽出効率を高めるために、リン酸溶液を添加してもよい。リン酸溶液の濃度は0.1%から5%であることが好ましく、0.8%であることが更に好ましい。次いで、この混合液にエタノールや水等を添加して、更に20℃から40℃で15分から120分インキュベーションを行なう。その後混合液から、固形分を除去して、茶葉抽出液を得る。
[カテキン類の単離]
上記方法により得られた茶葉抽出液から、化学分離精製方法として一般的に用いられる方法にて、所望のカテキン類を分離する。化学的分離精製方法としては、例えば、液−液分配、薄層クロマトグラフィー、吸着カラムクロマトグラフィー、分配カラムクロマトグラフィー、ゲルろ過カラムクロマトグラフィー、イオン交換カラムクロマトグラフィー、電気泳動、及び高速液体クロマトグラフィー等があげられる。実際の分離操作においては、これらの化学的分離精製方法を、必要に応じて組み合わせて用いることが好ましい。
なお、化学的分離精製方法としては、例えば分離能の観点から高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を用いることが好ましい。
[抗原誘導体の作成]
芳香族化合物と、キャリアータンパク質を結合させるためには、キャリアータンパク質の有する官能基と反応し、かつ化学的に安定な結合を有する官能基を、芳香族化合物に導入する必要がある。キャリアータンパク質の有する官能基としては、具体的には、アミノ基、カルボキシル基、チオール基等を挙げることができる。芳香族化合物に導入する官能基としては、キャリアータンパク質の有する官能基と反応できる官能基であれば、特に限定されないが、例えば、カルボキシル基、アミノ基、アルコール性水酸基、及びチオール基を挙げることができる。なお、本実施形態においては、タンパク質のリジン残基に存在するε−アミノ基と抗原誘導体のカルボキシル基をカルボジイミド法を用いて結合させるため、カルボキシル基を導入することが好ましい。
芳香族化合物にカルボキシル基を導入する際の化学反応は、本実施形態にかかる芳香族化合物が活性水素を有する芳香族化合物であるという点から、マンニッヒ反応を用いることが好ましい。マンニッヒ反応によれば、ホルムアルデヒドの存在下、第1級アミン又は第2級アミンと活性水素を有する芳香族化合物とを反応させることにより、芳香族化合物中の活性水素がアミノメチル基に置換される。マンニッヒ反応を用いて芳香族化合物にカルボキシル基を導入する場合、第1級アミン又は第2級アミンとしては、それぞれ1級アミノ基又は2級アミノ基を有するアミノ酸を用いることができる。第1級アミン又は第2級アミノ基を有するアミノ酸としては、特に限定されないが、例えば、N−メチル−グリシン、N−メチル−アミノプロピオン酸、及びN−メチル−4−アミノ酪酸を挙げることができる。このうち、反応性に優れるという点から、末端にモノメチル基を有するアミンが好ましく、抗原誘導体をキャリアータンパク質に結合させたとき、芳香族化合物とキャリアータンパク質との間隔を適切な間隔に保つことができるという点、容易に入手できるという点などから、N−メチル−4−アミノ酪酸を用いることが更に好ましい。このような反応でカテキン類とN−メチル−4−アミノ酪酸をマンニッヒ反応を用いて反応させた結果、得られるカテキン誘導体を一般式(1)で示す。
Figure 0005495000
[式中、Rは炭素数1から10のアルキレン基であり、Rは水素原子又は炭素数1から5のアルキル基であり、R及びRはそれぞれ独立して、水素原子又はメチル基であり、Xは水素原子又は水酸基であり、Xは水素原子又は一般式(3)で示される基を示す。]
Figure 0005495000
[式中、R及びRはそれぞれ独立して、水素原子又はメチル基であり、Xは水素原子又は水酸基を示す。]
ここで、Rのアルキレン基としては、直鎖状であっても分枝状であってもよく、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、ヘキシレン基、ヘプチレン基、オクチレン基、ノニレン基、及びデカニレン基を挙げることができる。このうち、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、及びペンチレン基が反応性及び分子の長さの点から好ましい。また、プロピレン基、ブチレン基、及びペンチレン基が分子の長さの点から更に好ましい。
のアルキル基としては、直鎖状であっても分枝状であってもよく、メチル基、エチル基、及びブチル基を挙げることができる。このうち、メチル基、及びエチル基が芳香族化合物の構造に変化を与えにくいという点から好ましい。
更に、本実施形態において用いる芳香族化合物は、二つのフェノール性水酸基を有し、これら二つのフェノール性水酸基の相対的位置が互いにメタ位となるように結合し、これら二つのフェノール性水酸基の双方に対してオルト位に結合する置換基が水素原子である。このような芳香族化合物においては、二つのフェノール性水酸基の双方に対してオルト位に位置する水素が活性水素であり、脱プロトン化しやすいため、マンニッヒ反応に好適に用いることができる。
[抗原誘導体の調方法]
抗原誘導体は以下のようにして調する。即ち、本実施形態に係る芳香族化合物1当量に対して第1級アミン、及び第2級アミン1当量から2当量を水とメタノールとを3対2で混合した混合溶媒に溶解し、これにホルマリン1当量から2当量を添加する。これを10℃から50℃で1時間から30時間反応させる。反応液からの抗原誘導体の分離する際には、「Diaion HP−20」(三菱化成社製)、「Amberlite XAD−2」(Rohm and Hass社製)、及びオクタデシルシリカ(ODS)を利用する。分離した抗原誘導体の純度を確認するため、薄層クロマトグラフィー、及び高速液体クロマトグラフィーなどを行う。
[抗原誘導体−キャリアータンパク質縮合体]
抗原類誘導体は、化学的手法を用いて、キャリアータンパク質に結合させることができる。ここで、用いることができるキャリアータンパク質としては、それ自身は免疫源性に乏しく、かつ高分子量のタンパク質を好ましく用いることができる。具体的には、ウシ血清アルブミン(BSA)、卵白アルブミン(OVA)及びカブトガニヘモシアニン(KLH)等を挙げることができる。中でも、KLHが、それ自身免疫源性に乏しいため、キャリアータンパク質として好ましい。
キャリアータンパク質と抗原誘導体の結合の際に用いられる化学的手法としては、カテキン類に化学的な変化をもたらさない化学反応であれば、特に限定されないが、カルボキシル基を導入したカテキン誘導体の場合は、カルボジイミド法、及びイソオキサゾリウム法を挙げることができる。
カルボジイミド法を行う際には、カルボキシル基を導入した抗原誘導体を1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(EDC)と反応させ、カルボキシル基を活性化させた上で、キャリアータンパク質を加える。これにより、活性化されたカルボキシル基と、キャリアータンパク質が有するアミノ基との間で縮合反応が起き、抗原誘導体−キャリアータンパク質縮合体が生成する。
<モノクローナル抗体の作成>
モノクローナル抗体の作成は、芳香族化合物としてカテキン類を用い、常法に従って行うことができ、マウスを免疫したあと、このマウスからリンパ球を採取し、培養したミエローマ細胞と細胞融合させる。細胞融合させた細胞について、抗カテキン抗体を産生している細胞をスクリーニングし、クローニングして抗カテキンモノクローナル抗体産生ハイブリドーマを得る。抗カテキンモノクローナル抗体産生ハイブリドーマを培養することにより、その培養液からモノクローナル抗体を得ることができる。
[免疫]
モノクローナル抗体の作成に先立って、マウスを用いて免疫を行う。免疫は常法に従って行うことができる。1回の免疫においては、0.5μgから200μgの抗原を用いる。抗原を実験動物に注射する際には、アジュバントと共に用いることが好ましい。用いることのできるアジュバントとしては、フロイントアジュバント、フロイント完全アジュバント、及びミョウバンアジュバント等を挙げることができる。アジュバントを用いる際には、抗原溶液と、等量のアジュバントとを均一に混合し、実験動物に皮下若しくはフットパットに注射する。免疫は2週間から3週間おきに、2回から3回行う。各回の免疫後、約2週間後に、採血を行い、抗体価を測定し、抗体価に応じて、適宜免疫の回数を調整する。更に、後述する細胞融合の3から7日前に、1μgから100μgの抗原溶液をフットパット、又は腹腔に注射し、細胞融合に用いる。
[細胞融合]
(ミエローマ細胞の調
凍結保存されたミエローマ細胞の親細胞を37℃の湯せんで解凍し、適当な血清培地に移して37℃、5%二酸化炭素、湿度100%で、2、3日おきに数回の継代培養を行う。継代培養した細胞を、新しい血清培地に移し、対数増殖期のものを細胞融合に用いる。細胞融合に用いることのできるミエローマ細胞としては、ヒポキサンチングアニンホスホリボシルトランスフェラーゼ(HGPRT)欠損株、又はチミジンキナーゼ(TK)欠損株であれば、特に限定されないが、例えばP3U1細胞株を用いることができる。
(免疫リンパ球の調
免疫したマウスに麻酔、消毒を施し、切開して、リンパ節及び脾臓を摘出する。これらの組織は、数箇所をはさみで切断し、セルスクレーバー等を用いてリンパ球を押し出す。押し出したリンパ球は適当な血清培地に懸濁し、細胞融合に用いる。
(細胞融合)
細胞融合は常法に従って用いて行うことができる。ミエローマ細胞とリンパ球を1:5の割合で混合し、ペレットにしたものに50%ポリエチレングリコール溶液1mlを1分かけてゆっくりと加え、緩やかに攪拌させながら更に2分間細胞融合を行う。細胞を洗浄して、HAT(ヒポキサンチン、アミノプテリン、チミジン)培地に懸濁して、細胞を96ウェルマイクロプレート10枚に蒔き、8日から9日培養する。
(抗体スクリーニング)
抗体スクリーニングは常法に従い、酵素免疫測定法(ELISA法)を用いて行う。即ち、抗原の調に用いたカテキン類をELISA用マイクロプレートに結合させ、ブロッキングを行い、細胞融合後の各ウェルの培養液の上清を添加して、上清中の抗体を5℃から40℃で0.5時間から24時間反応させる。これに2次抗体を反応させ、5℃から40℃で、0.5時間から24時間反応させる。ここで、スクリーニングに用いる2次抗体としては、特に限定されないが、ウシ小腸アルカリホスファターゼ(CIAP)標識抗マウスIgG抗体、又はセイヨウワサビペルオキシダーゼ標識抗マウスIgG抗体等を用いることができる。ELISA用マイクロプレートに2次抗体を反応させた後は、2次抗体の検出反応により、陽性のウェルを検出する。陽性のウェルの細胞は、増殖させた後、凍結保存する。
(クローニング)
抗体スクリーニングで陽性を示したウェルの細胞を解凍し、限界希釈によって、単一のコロニーが得られるように培養することにより、クローニングを行う。各コロニーの培養液の上清について、ELISA法で抗体価を測定し、抗体価が高く、安定したコロニーをスクリーニングし、抗カテキンモノクローナル抗体産生ハイブリドーマとする。
[モノクローナル抗体の取得]
抗カテキンモノクローナル抗体産生ハイブリドーマを培養することにより、その培養液からモノクローナル抗体を得ることができる。ハイブリドーマの培養には、RPMI培地、DMEM培地、及びERDF培地等の非血清培地を用い、フィーダー細胞としてマウス胸腺細胞を用いる。
<抗カテキンモノクローナル抗体の利用>
本実施形態の抗カテキンモノクローナル抗体は、カテキン類の定性的、定量的分析に用いることができる。抗カテキンモノクローナル抗体を用いた定性的分析としては、免疫組織染色法、蛍光抗体法、吸着法、及び中和法を挙げることができる。抗カテキンモノクローナル抗体を用いた定量的分析としては、ELISA法、ラジオイムノアッセイ、及びウエスタンブロッティング等を挙げることができる。定量的分析としては、簡便に行うことができるという点からELISA法が好ましい。
[ELISA法]
本実施形態において行うことができるELISA法としては、競合ELISA法、サンドウィッチELISA法等を行うことができる。
(競合ELISA法)
競合ELISA法を行うにあたっては、抗カテキンモノクローナル抗体をELISA用プレートに結合させ、これに、CIAP及びセイヨウワサビペルオキシダーゼ等の酵素等で標識した一定濃度のカテキン類と共に、試料を添加する。試料中のカテキン類と、酵素等で標識したカテキン類は、抗カテキンモノクローナル抗体への結合をめぐって競合し、試料中のカテキン類の濃度に応じて、酵素等で標識した抗原が抗カテキンモノクローナル抗体に結合する。酵素等で標識したカテキン類の抗カテキンモノクローナル抗体への結合量は、標識した酵素等による酵素反応の強度を元に推定することができ、これにより、試料中のカテキン類の濃度を推定することができる。
(サンドウィッチELISA法)
サンドウィッチELISA法を行うにあたっては、カテキン分子中の異なる抗原決定部位を認識する2種類のモノクローナル抗体を用いる。即ち、ELISA用プレートに第1のモノクローナル抗体を結合させ、これに、カテキン類を含有する試料を添加する。ELISA用プレートに結合したモノクローナル抗体の抗原結合部位には、試料中のカテキン類の濃度に応じて、カテキン類が結合する。次に、ELISA用プレートから試料を取り除き、洗浄した後、CIAP及びセイヨウワサビペルオキシダーゼ等の酵素で標識した第2のモノクローナル抗体を添加する。第2のモノクローナル抗体は、第1のモノクローナル抗体に結合したカテキン類の結合量に応じた結合量で結合する。ELISA用プレートに結合した第2のモノクローナル抗体の結合量を、標識した酵素による酵素反応の強度を元に推定することにより、試料中のカテキン類の濃度を推定することができる。
なお、本実施形態において、抗原として用いることができるカテキン類としては、特に限定されず、例えば、カテキン、エピカテキン、エピガロカテキン、エピカテキンガレート、エピガロカテキンガレート、エピガロカテキン−3−O−(3−O−メチル)ガレート、エピカテキン−3−O−(3−O−メチル)ガレート、エピカテキン−3−O−(4−O−メチル)ガレート、エピガロカテキン−3−O−(4−O−メチル)ガレート、ガロカテキン−3−O−(3−O−メチル)ガレート、カテキン−3−O−(3−O−メチル)ガレート、カテキン−3−O−(4−O−メチル)ガレート、又は、ガロカテキン−3−O−(4−O−メチル)ガレート及びこれらの異性体を挙げることができる。このうち、機能性研究が最もよくされており、茶葉中の重要なカテキンであるという点から、エピガロカテキンガレート、エピカテキンガレート、及びエピガロカテキン−3−O−(3−メチル)ガレートを用いることが好ましい。
また、本実施形態においてはキャリアータンパク質に結合させたカテキン類を、モノクローナル抗体の作成に用いているが、これに限定されない。即ち、キャリアータンパク質に結合させた抗体を、ポリクローナル抗体の作成に用いることもできる。
<実施例1>
[抗原の調
べにふじからエピガロカテキン−3−O−(3−O−メチル)ガレート(EGCG3”Me)を調し、236mgを水3mlとメタノール2mlの混合液に溶かし、N−メチル−4−アミノ酪酸108mg、ホルマリン(37%水溶液)40μg、水0.25mlの混合液を混ぜ、室温で29時間攪拌した。反応液は多孔質樹脂を充填した「Mitsubishi Diaion HP−20カラム」(2×20cm、三菱化学社製)に通し水洗後メタノール200mlで溶出した。溶出液は減圧下に濃縮し分取用液体クロマトグラフィーにて精製した。分取用液体クロマトグラフィーにおいては、「Capcellpak ODS カラム」(20×250mm、資生堂社製)を用い、溶出用溶媒は水、アセトニトリル、トリフルオロ酢酸を87.5:12.5:0.05の容量比で混合させた溶媒を用いた。この結果、無色の粉末が58mg得られた。
上述の無色の粉末40mgを0.1M 2−[N−モルフォリーノ]エタンスルホン酸(MES)2mlに溶かし、0.1M水酸化ナトリウム水溶液でpHを5.0に調整した。カブトガニヘモシアニン(KLH)40mgを0.1M MES、4mlに溶かし、0.1M水酸化ナトリウム水溶液でpHを5.0に調整した。この両溶液を混合し、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩40mg及び水を加え40mlとした後、室温で6.5時間緩やかに攪拌した。反応液は透析用のセロハンチューブに入れて2日間冷蔵庫内で透析した。内液を凍結乾燥し抗原とした。推定される抗原の構造の一例を化学式(5)に示した。
Figure 0005495000
[免疫]
6週齢の「BALB/Cマウス雌」(日本チャールズリバー社製)の皮下及びフットパットへ「フロイントコンプリートアジュバント」(ディフコ社製)又は「タイターマックスゴールド」(シグマ社製)と1mg/ml抗原液とを等量ずつ混合し、1匹あたり抗原0.1mgを2週間おきに2回から3回に分けて投与した。細胞融合の3日前に抗原溶液(抗原30μg)をフットパット又は腹腔へ投与し細胞融合に用いた。
[細胞融合]
10%ウシ胎児血清を含む「PRIMI1640培地」(コージンバイオ社製)にピルビン酸、グルタミン、抗生物質を添加しミエローマ細胞用培地とした。凍結保存されたミエローマ細胞(P3U1細胞)を37℃の湯にて解凍し、遠心洗浄後プラスチックシャーレにて培養を行った。2、3日おきに数回の継代培養を行い、対数増殖期の細胞を用意した。このミエローマ細胞と、免疫したマウスから取得した免疫リンパ球とを定法に従い、細胞融合した。
即ち、摘出後、洗浄した免疫リンパ球と、直前に用意したP3U1細胞を5対1の割合で混合し、ペレットにしたものに1mlの50%ポリエチレングリコール溶液を1分かけ加え、緩やかに攪拌しながら更に2分間細胞融合を行った。その後血清を含まない培地で順次希釈を行い、洗浄後、HAT(ヒポキサンチン、アミノプテリン、チミジン)を添加したミエローマ用培地へ懸濁し、96ウェルマイクロプレート10枚へ蒔き8日から9日間静置培養を行った。融合実験はマウス1匹単位で行った。
[ハイブリドーマの取得]
8日目に増殖したウェルの培養上清を用い、ELISA法により抗体産生細胞のスクリーニングを行った。ELISA法により陽性を示したウェルの細胞は、更に培養を行って、凍結保存した。凍結した細胞の一部は、更に解凍して培養を行い、限界希釈によるクローニングを行った。即ち、1ウェルに1個の細胞が入るよう希釈した細胞液を96ウェルマイクロプレートへ蒔きおよそ9日間培養した。培養にはフィーダー細胞としてマウス胸腺細胞を用いた。2回のクローニングにより単一なコロニーとなったウェルの抗体をスクリーニングし抗体産生が強く、安定したコロニーを選択した。選択された細胞を24ウェルプレートからシャーレ培養へと拡大培養を行い、およそ5×10個にて凍結保存を行い、抗体産生ハイブリドーマとした。
[特異性試験]
選択されたモノクローナル抗体の特異性試験は抗原を用いた吸収試験により行った。即ち、メチル化カテキンを固相化した抗原プレートへ、前もってメチル化カテキン又は対照としてリン酸緩衝生理食塩水(PBS)を反応させたモノクローナル抗体培養上清を反応させ、抗原プレートに結合した抗体の量を、酵素標識2次抗体を用いて推定した。PBSに反応させたモノクローナル抗体の結合量と比較して減少した、メチル化カテキンと反応させたモノクローナル抗体が結合した結合量を以って、抗体の特異性の度合いとした。
図1及び図2に示すように、EGCG3”Meに特異性のあるモノクローナル抗体を産生するハイブリドーマが3クローン、エピガロカテキンガレート(EGCG)に特異性のあるモノクローナル抗体を産生するハイブリドーマが2クローン得られた。この結果より、カテキン類が抗体作製の過程で構造変化を起こさず、抗体の産生を誘導したことが分かった。また、これらから産生されるモノクローナル抗体について、ELISA法により抗体のサブクラスを決定したところ、得られた抗体はIgM及びIgGであった。
本発明の実施例において得られた、モノクローナル抗体の抗原に対する特異性を示したグラフである。 本発明の実施例において得られた、モノクローナル抗体の抗原に対する特異性を示したグラフである。

Claims (4)

  1. 一般式(4)で示される抗原誘導体。
    Figure 0005495000
    [式中、Rは炭素数1から10のアルキレン基であり、Rは水素原子又は炭素数1から5のアルキル基であり、R及びRはそれぞれ独立して、水素原子又はメチル基であり、Xは水素原子又は水酸基であり、Xは水素原子又は一般式(3)で示される基を示す。]
    Figure 0005495000
    [式中、R及びRはそれぞれ独立して、水素原子又はメチル基であり、Xは水素原子又は水酸基を示す。]
  2. 請求項1に記載の抗原誘導体と、キャリアータンパク質と、を結合させて得られる抗原誘導体−キャリアータンパク質縮合体。
  3. 前記キャリアータンパク質はカブトガニヘモシアニンである請求項2に記載の抗原誘導体−キャリアータンパク質縮合体。
  4. キャリアータンパク質と結合させて、低分子物質に対する抗体作成に用いるための抗原誘導体の調製方法であって、
    前記低分子物質は、相対的位置が互いにメタ位となるように結合された二つのフェノール性水酸基を有し、且つこれら二つのフェノール性水酸基の双方に対してオルト位に水素原子を有する芳香族化合物であって、一般式(2)で示されるカテキンであり、
    前記低分子物質と、一般式(1)で示される化合物と、をホルムアルデヒドによるマンニッヒ反応を用いて、一般式(2)で示されるカテキンのフェノール性水酸基の双方に対してオルト位に位置する水素と、一般式(1)で示される化合物のアミンとを縮合させることにより、一般式(4)で示される抗原誘導体を調製する抗原誘導体の調製方法。
    Figure 0005495000
    [式中、Rは炭素数1から10のアルキレン基であり、Rは水素原子又は炭素数1から5のアルキル基を示す。]
    Figure 0005495000
    [式中、R及びRはそれぞれ独立して、水素原子又はメチル基であり、Xは水素原子又は水酸基であり、Xは水素原子又は一般式(3)で示される基を示す。]
    Figure 0005495000
    [式中、R及びRはそれぞれ独立して、水素原子又はメチル基であり、Xは水素原子又は水酸基を示す。]
    Figure 0005495000
    [式中、Rは炭素数1から10のアルキレン基であり、Rは水素原子又は炭素数1から5のアルキル基であり、R及びRはそれぞれ独立して、水素原子又はメチル基であり、Xは水素原子又は水酸基であり、Xは水素原子又は一般式(3)で示される基を示す。]
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