JP5494048B2 - 音/光変換器 - Google Patents

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Description

本発明は、音場を可視化する技術に関する。
従来より音場を可視化する技術が種々提案されている(例えば、非特許文献1および2参照)。非特許文献1には、1つのマイクロホンを音響空間内で上下、左右に移動させて複数の場所の各々における音圧をシーケンシャルに計測し、LED(Light Emitting Diode)等の発光体をその音圧に応じた輝度で発光させることで音場を可視化することが記載されている。一方、非特許文献2には、可視化対象の音が放射される音響空間内に複数のマイクロホンを配置して音圧を計測させ、その計測結果をコンピュータ装置で集計し、その音響空間における音圧分布をグラフ化して表示装置に表示させることが記載されている。
西田公至、丸山 朗、"発光ダイオードを用いた音場の可視化測定法"、日本機械学会論文集(C編)51巻461号(1985年) 水野恵一郎、"騒音の可視化"、騒音制御:Vol.22,No.1(1999)pp20-23
音場を可視化する技術は、例えば鉄道車両の社内や航空機の機内の騒音分布を把握し騒音対策を行う際に重要な役割を果たす。しかしながら、音場を可視化する技術の有効性が期待される用途は、鉄道車両の車内や航空機の機内へ伝わる騒音の解析や低減への利用に限られるものではない。近年では、より心地よい受聴音の制御への音場可視化技術の有効性が期待されている。例えば、ホームシアターなどに代表される高性能な家庭用オーディオ機器の普及に伴い、それらオーディオ機器の配置やゲイン等の調整に音場の可視化技術を利用したいといったニーズが高まっている。何故ならば、リビングなどの音響空間内に放射される音の音圧分布の移り変わり(すなわち、音波の伝搬状態)を可視することができれば、その伝搬状態を視覚を通じて確認しつつ、所望の伝搬状態が得られるようにオーディオ機器の配置位置やゲイン等を適宜調整することが可能になり、オーディオに関する専門知識を持たないエンドユーザであっても、オーディオ機器の配置位置等の最適化を手軽に行えるようになると期待されるからである。また、会議室や楽器練習室などの音響空間においてフラッターエコーやブーミングと呼ばれるような音響障害を低減するような用途への適用も期待されている。さらに、楽器やスピーカ等の発音体の製品テスト(例えば、楽器がその設計通りに音を奏でているか否かのテスト)や設計補助、または商品の音響性能をエンドユーザに伝える為の手段としての音場の可視化技術の有効性も期待されている。
しかし、非特許文献1に開示された技術では、1つのマイクロホンを音響空間内を移動させてシーケンシャルに音圧の計測を行うため、同一時刻における複数の場所の音圧を同時に可視化することはできない(つまり、音響空間内の音圧分布を可視化することはできない)。一方、非特許文献2に開示された技術では、音響空間における音の瞬時的な伝搬状態を可視化することができるものの、各マイクロホンにより計測される音圧の集計およびグラフ化を行うコンピュータ装置が必要になり、大掛かりなシステムとなってしまう。このため、家庭で手軽に利用することができない、といった問題がある。また、非特許文献2に開示された技術のように、複数のマイクロホン(或いは、複数のマイクロホンにより構成されるマイクロホンアレイ)を用いて音場の可視化する技術には、システム全体が複雑になるといった問題に加えて、マイクロホンの設置による音場への影響(マイクロホンアレイの本体が与える影響やマイクロホンアレイと信号処理装置との間の配線が与える影響)が大きいといった問題、各マイクロホンの配置位置を表す位置情報を別の方法で取得する必要があるといった問題、一度決めたチャネル数の拡張が難しいといった問題、さらには、マイクロホンで収録した結果を別の表示装置に表示させる必要があるため、位置情報の同時性とリアルタイム性を失い直感的に音場を可視化できないといった問題もある。
本発明は上記課題に鑑みて為されたものであり、音響空間に放射される音の伝搬状態を手軽に可視化することを可能にする技術を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は、発光部と、マイクロホンと、ストローブ信号に同期させて前記マイクロホンの出力信号の瞬時値をサンプルホールドし、サンプルホールドされた瞬時値に応じた輝度で前記発光部を発光させる発光制御部と、を有することを特徴とする音/光変換器、を提供する。このような音/光変換器を音響空間内に多数配置し、例えば1秒周期のパルス信号であるストローブ信号を各音/光変換器に供給し1秒毎に各音/光変換器の配置位置における音圧を可視化することで、その音響空間内における音波の伝搬状態が可視化される。なお、本出願人が特願2008−224288において提案したように、マイクロホンとそのマイクロホンにより収音された音の音圧に応じた輝度で発光する発光部とを有する音/光変換器を音響空間内に複数配置し、それら音/光変換器の発光の様子を高速度カメラを用いて撮像することで、その音響空間における音の伝搬状態を可視化することも考えられる。しかし、撮像された映像を実際に見るには現像作業が必要となり、現像の際のレイテンシや位置の相違により位置情報の同時性やリアルタイム性が失われ、直感性にかけるといった不具合がある。また、高速度カメラが必要であるため、家庭で手軽に利用することができない、といった問題もある。これに対して、本発明によれば、ストローブ信号の周期を好適な値に調整しておけば、各音/光変換器の発光部の発光輝度の時間変化を肉眼で把握することが可能になる。つまり、本発明によれば、現像作業は不要で、位置情報の同時性とリアルタイム性を損なうことなく、音響空間に放射される音の伝搬状態を視覚を通じて手軽かつ直感的に把握することが可能になる。なお、ストローブ信号の周期としてどのような値が好適であるのかについては、発明の詳細な説明において明らかにする。
ここで、各音/光変換器へのストローブ信号の与え方としては種々の態様が考えられる。例えば、音響空間内に配置される複数の音/光変換器の各々をストローブ信号発生器に接続し、このストローブ信号発生器から各音/光変換器にストローブ信号を与える態様が考えられる。また、複数の音/光変換器の各々に、ストローブ信号を予め定められた1または複数の他の音/光変換器に転送するストローブ信号転送制御部を設けておき、複数の音/光変換器のうちの1台をストローブ信号発生器に接続し、他の音/光変換器をデイジーチェーン方式で接続する態様であっても良い。また、各音/光変換器をデイジーチェーン方式で接続する態様においては、各音/光変換器のストローブ信号転送制御部に、予め定められた時間だけ遅延させて1または複数の他の音/光変換器にストローブ信号を転送する処理を実行させるようにしても良い。
より好ましい態様においては、上記音/光変換器に記憶部を設け、ストローブ信号に同期させてサンプルホールドした前記マイクロホンの出力信号の瞬時値を示すデータをその記憶部に順次書き込む一方、当該記憶部に記憶されているデータをストローブ信号の周期よりも長い周期でその書き込み順に読み出し、そのデータの示す瞬時値に応じた輝度で前記発光部を発光させる処理を発光制御部に行わせるようにしても良い。このような態様によれば、各音/光変換器の配置位置における音圧の変化が実際のものよりもゆっくりと再生されることになり、音の伝搬状態が把握し易くなる。
また、別の好ましい態様においては、マイクロホンの出力信号にフィルタ処理を施して発光制御部に与えるフィルタ処理部を上記音/光変換器に設けても良い。例えば、マイクロホンの出力信号のうち予め定められた帯域成分のみを通過させるバンドパスフィルタをフィルタ処理部として用いるのである。これにより、音響空間に放射される音の特定の帯域成分の伝搬状態のみを可視化することが可能になる。なお、フィルタ処理の具体的な実現方法については任意の方法を採用すればよい。例えば、アナログ電子回路でフィルタ処理部を構成しても良く、また、デジタルフィルタを用いても良い。
さらに別の好ましい態様においては、各々異なる色で発光する複数の発光体を用いて上記音/光変換器の発光部を構成し、マイクロホンの出力信号を上記複数の発光体の各々に予め対応付けられた帯域成分に分割する帯域分割フィルタでフィルタ処理部を構成し、フィルタ処理部によって分割された各帯域成分の音圧の瞬時値に応じた輝度で当該帯域成分に対応付けられた発光体を発光させる処理を発光制御部に実行させるようにしても良い。例えば、赤色、緑色および青色の各LEDを上記発光体として用いて発光部を構成するのである。このような態様によれば、音響空間内に配置される音/光変換器の発光部の発光色でその音/光変換器の配置位置における音の周波数情報が表現される。
本発明の第1実施形態の音/光変換器10(k)を含む音場可視化システム1Aの構成例を示す図である。 同音/光変換器10(k)の構成例を示す図である。 同音/光変換器10(k)における音波形のサンプリングタイミングを説明するための図である。 同音/光変換器10(k)における音波形のサンプリングタイミングを説明するための図である。 同音場可視化システム1Aの使用例を説明するための図である。 本発明の第2実施形態の音/光変換器30(k)を含む音場可視化システム1Bの構成例を示す図である。 同音/光変換器30(k)の構成例を示す図である。 同音場可視化システム1Bの使用例を説明するための図である。 本発明の第3実施形態の音/光変換器40を含む音場可視化システム1Cの構成例を示す図である。 同音/光変換器40の構成例を示す図である。 本発明の第4実施形態の音/光変換器50の構成例を示す図である。 本発明の第5実施形態の音/光変換器60の構成例を示す図である。 同音/光変換器60の変形例を示す図である。 本発明の第6実施形態の音/光変換器70の構成例を示す図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しつつ説明する。
(A:第1実施形態)
(A−1:構成)
図1は、本発明の一実施形態の音場可視化システム1Aの構成例を示すブロック図である。この音場可視化システム1Aは、スピーカや楽器等から音響空間内に放射される音の伝搬状態を可視化するためのものである。図1に示すように、音場可視化システム1Aは、音/光変換器10(k:k=1〜N,Nは2以上の整数)と、ストローブ信号発生器20と、を含んでいる。
音/光変換器10(k)の各々は、可視化対象の音が放射される音響空間内の互いに異なる位置に配置される。この音/光変換器10(k)は、ストローブ信号発生器20からストローブ信号SS(本実施形態では、周期TSの矩形波信号)の供給を受け、ストローブ信号SSの立ち上がりに同期させてその配置位置におけるその時点の音圧を計測し、次にストローブ信号SSが立ち上がるまで、その音圧に応じた輝度の光を放射する処理を繰り返し実行するように構成されている。なお、本実施形態では、ストローブ信号SSの立ち上がりに同期させて音圧の計測等を行わせる場合について説明するが、ストローブ信号SSの立ち下がりに同期させてそれらの処理を実行させるようにしても勿論良い。なお、本実施形態では、ストローブ信号SSとして矩形波信号を用いるが、三角波信号をストローブ信号SSとして用いても勿論良い。
図2は、音/光変換器10(k)の構成例を示すブロック図である。図2に示すように、音/光変換器10(k)は、マイクロホン110、発光制御部120、および発光部130を有している。図2では詳細な図示は省略したが、音/光変換器10(k)は、図2に示す各構成要素を一辺が1cmの基板に集積されて構成されている(他の実施形態の音/光変換器についても同様)。マイクロホン110は、例えばMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)マイクロホンや小型ECM(エレクトレックマイクロホン)であり、収音した音の波形を表す音信号を出力する。発光制御部120は、図2に示すように、サンプルホールド回路122と電圧電流変換回路124を含んでいる。これらサンプルホールド回路122および電圧電流変換回路124としては周知の構成のものを用いるようにすれば良い。サンプルホールド回路122は、ストローブ信号SSの立ち上がりを契機として、マイクロホン110から出力される音信号のサンプリングを行い、サンプリングされた瞬時値(電圧)を次にストローブ信号SSが次に立ち上がるまで保持するとともに、その電圧を電圧電流変換回路124に印加する。電圧電流変換回路124は、サンプルホールド回路122から印加される電圧に比例した電流値の電流を発生させ、発光部130に与える。発光部130は、例えば可視光LEDであり、電圧電流変換回路124から与えられる電流の大きさに応じた輝度の可視光を放射する。音場可視化システム1Aの利用者は、音/光変換器10(k)の発光部130がどの程度の輝度で光っているのかを目視することによって、音/光変換器10(k)の配置位置における音圧を視覚を通じて把握することができる。
ストローブ信号発生器20は、矩形波信号発生器であり、信号線などによって音/光変換器10(k)の各々に接続されている。このストローブ信号発生器20は、図示せぬ操作部に対して作動開始を指示する旨の操作が成されると、以降、周期TSの矩形波信号を発生させ、この矩形波信号をストローブ信号SSとして音/光変換器10(k)の各々に与える。ここで、ストローブ信号SSの周期TSをどのような値にするのかについては種々の態様が考えられる。以下、図3および図4を参照しつつ、ストローブ信号SSの周期TSとして好適な値の具体例を説明する。
まず、第1に、ストローブ信号SSの周期TSを可視化対象の音の振動周期T0に等しい値とすることが考えられる。図3(a)は、可視化対象の音の振動周期T0とストローブ信号SSの周期TSとが等しい場合の音波形のサンプリングの様子を示す図である。図3(a)を参照すれば明らかように、TS=T0の場合は、常に同じ位相で音波形のサンプリングが行われ、発光部130は常に同じ輝度で発光することになる。したがって、TS=T0の場合は、音響空間の互いに異なる位置に配置される複数の音/光変換器10(k)の各々の発光部130は、その配置位置に応じて異なる輝度で発光するのであるが、その発光輝度が時間変化することはない。このため、観測者の眼にはあたかも定常波のように映り、音波の波形を観測することができる。例えば、可視化対象の音が、「あ」の発声音である場合、観測者は、「あ」という音の音波形を見ることができる、といった具合である。
第2に、ストローブ信号SSの周期TSを可視化対象の音の振動周期T0よりも十分に長くする(或いは、十分に短くする)ことが考えられる。図3(b)は、TS>T0の場合の音波形のサンプリングの様子を示す図である。図3(b)に示すように、可視化対象の音の周期T0とストローブ信号SSの周期TSとが異なっている場合には、サンプリングの度に位相がずれてゆくため、各音/光変換器10(k)の発光部130の発光輝度は周期TSで時々刻々変化する。このため、ストローブ信号SSの周期TSを可視化対象の音の振動周期T0よりも十分に長くすると、観測者は、互いに隣り合う音/光変換器10(k)の発光輝度の時間変化の様子から音波の伝搬状態を把握することができるのである。また、ストローブ信号SSの立ち上がりに同期させて音圧のサンプリングを行うことは、ストローブ信号SSの周期で音波形を標本化することに他ならない。したがって、標本化定理を満たすようにストローブ信号SSの周期TSを十分短くすれば、可視化対象の音の波形をより細やかにサンプリングし可視化すること、すなわち、音響空間に放射される音の伝搬状態をより詳細に可視化することが可能になる。
そして、第3の態様は、ストローブ信号SSの振動数を可視化対象の音の振動数の近傍の値とする態様である。例えば、可視化対象の音の振動数f0が1000[Hz]であれば、ストローブ信号SSの振動数fS(周期TSの逆数)を1001[Hz](或いは999[Hz])にする、といった具合である。図4は、音源3と音/光変換器10(k)の各々とを一直線上に並べ、振動数f0=5[Hz]の音を振動数fs=4[Hz]のストローブ信号SSを用いて開始した場合の各音光変換器10(k)の発光部130の発光の様子を説明するための図である。なお、図4では、音源3の最も近くに配置される音/光変換器10(1)をX=0の位置に配置し、可視化対象の音の波長λに応じた間隔を開けて各音/光変換器10(k)を配置する場合について例示されている。例えば、可視化対象の音の音速が340[m/s]であれば、各音/光変換器10(k)の配置間隔は68[m]となり、この配置間隔は音場可視化システム1Aを用いて音の可視化を行う際の空間分解能となる。ここで、X=0における音/光変換器10(k)の発光の様子に着目すると、可視化対象の音の振動数f0は5[Hz]であるから、1秒間に5波長分の音波がX=0の位置を通過する。一方、ストローブ信号SSの振動数fsは4[Hz]であるから、1秒間に4回(すなわち、1/4秒、2/4秒、3/4秒および4/4=1秒の各タイミングで)音波形のサンプリングが行われる。このため、X=0の位置における音/光変換器10(k)の発光部130の発光輝度は、図4にて点線で示すような波形(振動数f´=|f0−fs|=1[Hz]の波形)で時間変動することになる。このような発光輝度の時間変動を視認することにより、観測者は、X=0における音の時間波形として振動数が1[Hz]の波形を観測するのである。同様に、X=68、X=2×68=128・・・に配置される各音/光変換器10(k)の発光部130の発光輝度も、振動数f´=1[Hz]で時間変動することになる。その結果、観測者は、図4にて一点鎖線の矢印で示すように、X方向に沿って速度v´=λ×f´=68[m/s]で進行する波形を観測し、この波を通じて音波の伝播状況を把握するのである。
(A−2:音場可視化システム1Aの使用方法)
次いで、音場可視化システム1Aの使用方法について説明する。音源から放射され音響空間内を伝搬する音波の伝搬状態を音場可視化システム1Aによって可視化する場合、音場可視化システム1Aの利用者は、まず、音/光変換器10(k:k=1〜N)の各々を音響空間内の互いに異なる位置に配置する。ここで、各音/光変換器10(k)の配置の仕方には種々の態様が考えられる。以下、図5(a)〜(c)を参照しつつ音/光変換器10(k)の具体的な配置態様について説明する。
図5(a)〜(c)は、音場可視化システム1Aが配置された音響空間2をその天井方向から見た俯瞰図である。図5(a)には、音源3と音/光変換器10(k)の各々とを同一平面(例えば、音響空間2の床面)上で一直線に並べる態様(以下、一次元的な配置態様)が例示されており、図5(b)および(c)には、音源3と音/光変換器10(k)の各々とを同一平面上には並べるものの、全ての音/光変換器10(k)が一直線上には並ばないように配置する態様(以下、二次元的な配置態様)が例示されている。また、音/光変換器10(k)を三次元的に配置する(例えば、音響空間2が立方体状であれば、その音響空間2の床および天井の各々の4隅の合計8箇所に配置する等)態様であっても良い。要は、可視化を所望する音の音源の方向、音響空間2の形状や大きさに応じて一次元的、二次元的および三次元的な配置態様のうちから適切なものを選択して音/光変換器10(k)を配置すれば良い。
各音/光変換器10(k)の配置を終えると、音場可視化システム1Aの利用者は各音/光変換器10(k)を通信線等によりストローブ信号発生器20に接続し、音源3からの音の放音開始を契機として、ストローブ信号発生器20にストローブ信号SSの発生を開始させる。すると、各音/光変換器10(k)は、ストローブ信号SSの立ち上がりに同期させて各々の配置位置における音圧をサンプリングし、その音圧に応じた輝度で発光部130を発光させるのである。例えば、図5(a)に示すように、音源3からの距離が音/光変換器10(1)→音/光変換器10(2)→音/光変換器10(3)の順に遠ざかるように音/光変換器10(k)を一次元的に配置し、さらに、可視化対象の音の振動周期T0とは異なる周期TSのストローブ信号SSを用いて音の可視化を行うと、音/光変換器10(1)、10(2)および10(3)の各々の発光部130は、ストローブ信号SSの最初の立ち上がりの時点で音源3からの距離に応じて異なる輝度で発光し、その後、ストローブ信号SSの周期TSが経過する毎に各々の発光輝度が順次変化して行く。音場可視化システム1Aの利用者は、図5(a)に示すように配置された各音/光変換器10(k)の発光部130の発光輝度の時間変化を観測することによって、音源3から音響空間2へ放射される音波の伝搬状態を視覚を通じて直感的に把握することができるのである。
加えて、本実施形態の音場可視化システム1Aには、各音/光変換器10(k)によって計測される音圧を集計するコンピュータ装置は含まれておらず、ストローブ信号SSの周期TSを適宜調整すれば、高速度カメラ等も不要である。このため、家庭等における個人ユースにも適し、リビングなどに配置されるオーディオ機器等からそのリビング内に放音される音の伝搬状態を手軽に可視化することが可能になり、それらオーディオ機器の配置位置やゲイン、スピーカバランスの調整に活用することができる。
(B:第2実施形態)
図6は、本発明の第2実施形態の音/光変換器30(k)を含む音場可視化システム1Bの構成例を示す図である。図2と図1を比較すれば明らかなように、音場可視化システム1Bは、まず、音/光変換器10(k)に換えて音/光変換器30(k)を有している点が異なる。また、図6を参照すれば明らかように、音/光変換器30(1)はストローブ信号発生器20からストローブ信号SSを受け取り、音/光変換器30(k:k=2〜N)は音/光変換器30(k−1)からストローブ信号SSを受け取るように、ストローブ信号発生器20および音/光変換器30(k)が所謂デイジーチェーン方式で接続されている点が音場可視化システム1Aと異なる。以下、第1実施形態との相違点である音/光変換器30(k)を中心に説明する。
図7(a)は、音/光変換器30(k)の構成例を示す図である。図7(a)と図2を対比すれば明らかように、音/光変換器30(k)は、ストローブ信号転送制御部140を有する点が音/光変換器10(k)と異なる。図7(a)に示すように、ストローブ信号転送制御部140は、外部から与えられるストローブ信号SSを発光制御部120に与えるとともに、遅延手段142を介して後段装置(本実施形態では、他の音/光変換器30(k))に転送する。遅延手段142は、例えば複数段のシフトレジスタからなり、与えられたストローブ信号SSをそのシフトレジスタの段数に応じた分だけ遅延させて出力する。
図7(a)には、外部から受け取ったストローブ信号SSを一台の後段装置へ転送する構成が例示されているが、複数台の後段装置に転送することも可能である。例えば、2台の後段装置へストローブ信号SSを転送する場合には、図7(b)に示すように、ストローブ信号転送制御部140に2つの遅延手段(142aおよび142b)を設け、外部から音/光変換器30(k)に与えられるストローブ信号SSを3つに分流し、その一つを発光制御部120に与えるとともに、他の2つを各々遅延手段142aおよび142bを介して各々異なる後段装置に転送する処理をストローブ信号転送制御部140に実行させるようにすれば良い。
例えば、音/光変換器30(k)を図8(a)に示すように一次元的に、或いは図8(b)に示すようにマトリクス状に配置する必要がある場合には、図7(a)に示す構成の音/光変換器30(k)で音場可視化システム1Bを構成することが好ましく、図8(c)に示すように音/光変換器30(k)を三角形状に配置する必要がある場合には、図7(b)に示す構成の音/光変換器で音場可視化システム1Bを構成することが好ましいと考えられる。音/光変換器間の信号線の配線および遅延時間の計算が容易になると考えられるからである。
次いで、本実施形態の音場可視化システム1Bの使用例について説明する。
前述したように、本実施形態の音場可視化システム1Bに含まれる音/光変換器30(k)は、ストローブ信号発生器20の発生させたストローブ信号SSをデイジーチェーン方式で転送する点、および、その転送の際に遅延手段142によって遅延を付与する点が音/光変換器10(k)と異なる。この構成の相違によって、本実施形態によれば第1実施形態とは異なる効果が得られる。
例えば、図8(a)に示すように、音源3からの距離が次第に遠くなるように音/光変換器30(1)、30(2)および30(3)を一次元的に配置し、音/光変換器30(1)の遅延手段142による遅延時間D1を音/光変換器30(1)と音/光変換器30(2)の間隔L1に応じた値(当該間隔L1を音速Vで除算して得られる値)とし、音/光変換器30(2)の遅延手段142による遅延時間D2を音/光変換器30(2)と音/光変換器30(3)の間隔L2に応じた値にすると、音源3から放射される音波の1つの波面の伝搬状態を可視化することができる。また、音/光変換器30(k)を二次元的に配置する態様においては、所謂遅延制御方式のマイクロホンアレイにおける指向性制御と同様に、各音/光変換器30(k)の遅延手段142の遅延時間を調整することで特定の方向から到来する音の伝搬状態を可視化するといった指向性制御を行うことが可能になる。
以上本発明の第2実施形態について説明したが、遅延手段142は必ずしも必須ではなく、省略しても勿論良い。遅延手段142を省略したとしても第1実施形態の音場可視化システム1Aと同一の効果が得られることには変わりはないからである。
(C:第3実施形態)
図9は、本発明の第3実施形態の音/光変換器40を含む音場可視化システム1Cの構成例を示す図である。図9と図6を比較すれば明らかなように、音場可視化システム1Cは、音/光変換器30(1)に換えて音/光変換器40を設けた点と、ストローブ信号発生器20を有していない点が音場可視化システム1Bと異なる。以下、第2実施形態との相違点である音/光変換器40を中心に説明する。
図10は、音/光変換器40の構成例を示す図である。図10に示すように、音/光変換器40は、矩形波信号発生回路であるストローブ信号発生部150を有し、このストローブ信号発生部150が発生させる矩形波信号をストローブ信号SSとして発光制御部120に与える点が音/光変換器30(k)と異なる。このように、本実施形態では、音/光変換器40に、ストローブ信号発生器20の役割を果たすストローブ信号発生部150を内蔵させたため、ストローブ信号発生器20の省略が可能になっているのである。また、ストローブ信号発生部150を内蔵した音/光変換器40を用いることで、例えばマイクロホン110により収音される音の音圧(或いは特定の周波数成分の音圧)が所定の閾値を超えたことを契機としてストローブ信号SSの発生を開始させるようにストローブ信号発生部150を制御し、音の伝搬状態を可視化する処理を自動で開始させることができるようになる、といった効果を奏する。
(D:第4実施形態)
図11は、本発明の第4実施形態の音/光変換器50の構成例を示す図である。
図11と図1とを対比すれば明らかように、音/光変換器50は、マイクロホン110と発光制御部120の間に介挿されたフィルタ処理部160を有する点が音/光変換器10(k)と異なる。このフィルタ処理部160は、例えばバンドパスフィルタであり、マイクロホン110から出力される音信号のうち、予め定められた周波数範囲(以下、通過域)の信号成分のみを通過させる。このため、音/光変換器50の発光部130は、マイクロホン110により収音された音のうち、上記通過域に属する信号成分の音圧に応じた輝度で発光するのである。したがって、図1の音場可視化システム1Aの音/光変換器10(k)を音/光変換器50に置き換えて音場の可視化を行えば、特定の周波数成分(すなわち、上記通過域に属する成分)の音の伝搬状態のみを可視化することができる。
このように、音響空間に放射される音のうち、特定の周波数成分の伝搬状態のみを可視化することには以下のような利点がある。例えば、楽曲を構成する複数のパートのうちでその楽曲のセールスポイントとなるパート(例えば、ギターソロやソプラノソロなど)をその周波数帯域で特定し、そのパートの音の伝搬状態のみを可視化するようにすれば、そのパートの音が音響空間の全体に亘って偏りなく伝搬しているか否かを視覚を通じて直感的に把握することが可能になる。一般に、楽曲のセールポイントとなっているパートは、音響空間のどの場所においても同様に聴き取れることが好ましいのであるから、その伝搬状態に偏りがある場合にはその偏りを是正するようにオーディオ機器の配置位置等を調整する必要がある。本実施形態によれば、楽曲のセールスポイントとなっているパートの音の伝播状態を可視化して偏りの有無を直感的に把握させ、トライアンドエラー方式で最適な配置位置等を探し出すことが容易になる、といった利点がある。また、可聴帯域(具体的には、20Hzから20kHzまでの周波数帯域)よりも低い周波数帯域の音(所謂低周波音)を可視化することで、低周波音の伝播状況(どのような方向から伝搬してくるのか等)を把握することが可能になる。低周波音に長期間に亘って曝され続けると頭痛や眩暈などの健康被害が生じる虞があるが、その音源の特定が難しいことが知られている。本実施形態の音/光変換器50を用いて低周波音の伝搬状態を可視化すれば、その伝搬方向を辿ることによってその音源を容易に特定することができると期待される。
以上本実施形態では、図1に示す音/光変換器10(k)のマイクロホン110と発光制御部120の間にフィルタ処理部160を介挿して音/光変換器50を構成したが、図7(a)に示す音/光変換器30(k)或いは図7(b)に示す音/光変換器のマイクロホン110と発光制御部120の間にフィルタ処理部160を介挿しても良く、また、図10に示す音/光変換器40のマイクロホン110と発光制御部120の間にフィルタ処理部160を介挿しても良い。
(E:第5実施形態)
図12は、本発明の第5実施形態の音/光変換器60の構成例を示す図である。
この音/光変換器60は、マイクロホン110と、フィルタ処理部170と、3つの発光制御部(120a、120bおよび120c)と、各々異なる色の光を発する3つの発光体(130a、130bおよび130c)を含む発光部130と、を有している。例えば、発光体130aは赤色の光を発するLEDであり、発光体130bは緑色の光を発するLED、発光体130cは青色の光を発するLEDである、といった具合である。
音/光変換器60においては、マイクロホン110から出力される音信号はフィルタ処理部170に与えられる。図12に示すように、フィルタ処理部170は、バンドパスフィルタ174a、174bおよび174cを有しており、マイクロホン110からフィルタ処理部170に与えられる音信号はこれら3つのバンドパスフィルタの各々に与えられる。図12に示すようにバンドパスフィルタ174aは発光制御部120aに、バンドパスフィルタ174bは発光制御部120bに、バンドパスフィルタ174cは発光制御部120cに各々接続されている。
バンドパスフィルタ174a、174bおよび174cは互いに重なり合わない通過域を有している。具体的には、バンドパスフィルタ174aは可聴帯域のうちの高域側(例えば、4kHzから20kHzの周波数帯域)を通過域としており、バンドパスフィルタ174cは同低域側(20Hzから1kHzの周波数帯域)を通過域としており、バンドパスフィルタ174bはそれらの間の周波数帯域(以下、中域)を通過域としている。このため、バンドパスフィルタ174aは、高域の信号成分のみを通過させて発光制御部120aに与える。同様に、バンドパスフィルタ174bは中域の信号成分のみを通過させて発光制御部120bに与え、バンドパスフィルタ174cは低域の信号成分のみを通過させて発光制御部120cに与える。つまり、バンドパスフィルタ174a、174bおよび174cは、マイクロホン110の出力信号を帯域分割する帯域分割フィルタの役割を果たすのである。
図12に示すように、発光制御部120aには発光体130aが、発光制御部120bには発光体130bが、発光制御部120cには発光体130cが、各々接続されている。発光制御部120a、120bおよび120cの各々は、音/光変換器10(k)の発光制御部120(図2参照)と同一の構成を有しており、各々の接続先の発光体の発光制御を行う。例えば、発光制御部120aは、バンドパスフィルタ174aから与えられる音信号をストローブ信号SSの立ち上がりに同期させてサンプリングし、サンプリングした瞬時値に応じた輝度で発光体130aを発光させる。同様に、発光制御部120bはバンドパスフィルタ174bから与えられる音信号をストローブ信号SSの立ち上がりに同期させてサンプリングし、サンプリングした瞬時値に応じた輝度で発光体130bを発光させ、発光制御部120cはバンドパスフィルタ174cから与えられる音信号をストローブ信号SSの立ち上がりに同期させてサンプリングし、サンプリングした瞬時値に応じた輝度で発光体130cを発光させる。
前述したように、バンドパスフィルタ174aは高域の信号成分のみを、バンドパスフィルタ174bは中域の信号成分のみを、バンドパスフィルタ174cは低域の信号成分のみを、各々通過させる。このため、音/光変換器60の発光体130aはマイクロホン110により収音された音の高域成分の音圧に応じた輝度で発光し、発光体130bは同中域成分の音圧に応じた輝度で発光し、発光体130cは同低域成分の音圧に応じた輝度で発光することになる。したがって、マイクロホン110により収音される音が所謂ホワイトノイズ(すなわち、低域から高域までの各信号成分を均等に含んだ音)である場合には、音/光変換器60の発光体130a、130bおよび130cの各々は略同じ輝度で赤色、緑色および青色の光を発光し、それらの合成光は白色光として観測される。これに対して、マイクロホン110により収音される音が高域側の信号成分が強いものである場合には上記合成光は赤味がかった色の光として観測され、逆に、低域の信号成分が強いものである場合には青味がかった色の光として観測される。このため、音/光変換器60を用いて音場可視化システムを構成し(具体的には、図1の音/光変換器10(k)を全て音/光変換器60に置き換えて音場可視化システムを構成する等)、可視化対象の音としてホワイトノイズを音響空間内に放射し、その伝播状態を上記音場可視化システムを用いて可視化すれば、各周波数成分が均等に音響空間内を伝搬しているか否かを把握することができる。
以上説明したように、本実施形態によれば、音響空間に放射される音の伝搬状態、およびその音の各周波数成分が均等に伝搬しているか否かを手軽に可視化することが可能になる。なお、本実施形態では、発光部130を互いに発光色の異なる3つの発光体で構成したが、互いに発光色の異なる2または4つ以上の発光体で発光部130を構成しても勿論良い。また、本実施形態では、発光体130a、130bおよび130cの各々が発する光の合成光が白色光であるか否かを基準に、各周波数成分が音響空間内を均等に伝搬しているか否かを判断した。しかし、高域(或いは低域)の音の均等な伝搬が他の周波数成分よりも優先される場合には、上記合成光が白色光よりも赤味(青味)の強い色であるか否かを基準に、高域(或いは低域)の音が音響空間内を均等に伝搬しているか否かを判断するようにしても勿論良い。
なお、上述した第5実施形態では、音響空間に放射される音の伝搬状態をその帯域成分毎に可視化した。しかし、上記音響空間における各帯域成分の音圧分布のみの把握で十分な場合には、図13に示すようにフィルタ処理部170と発光部130の間に電圧電流変換回路124a、124bおよび124cを介挿して(換言すれば、発光制御部120a、120bおよび120cの各々からサンプルホールド回路122を省略して)音/光変換器を構成しても勿論良い。また、図12或いは図13に示す音光変換器にストローブ信号転送制御部140を設けても良く、ストローブ信号発生部150を設けても良い。
(F:第6実施形態)
図14は、本発明の第6実施形態の音/光変換器70の構成例を示す図である。
図14と図1とを対比すれば明らかなように、音/光変換器70は、記憶部180を有している点と、発光制御部120に換えて発光制御部220を設けた点が音/光変換器10(k)と異なる。記憶部180は、例えばRAM(Random Access memory)などの揮発性メモリであっても良く、フラッシュメモリなどデータの書き換えが可能な不揮発性メモリであっても良い。発光制御部220は、サンプルホールド回路122および電圧電流変換回路124の他にデータ書き込み/読み出し制御部126を有している点が発光制御部120と異なる。このデータ書き込み/読み出し制御部126は、サンプルホールド回路122によりホールドされた瞬時値を示すデータを記憶部180に順次書き込むとともに、このようにして記憶部180に書き込んだ各データをストローブ信号SSの周期よりも長い周期でその書き込み順に順次読み出し、そのデータの示す瞬時値に応じた電圧を電圧電流変換回路124に印加する処理を実行する。
このような構成としたため、本実施形態の音/光変換器70によれば、ストローブ信号SSに同期させてサンプリングした音圧の時間変化が、より長い周期で再生される(発光部130の発光輝度の時間変化で表現される)ことになる。この実施形態においては、標本化定理を満たすようにストローブ信号SSの周期TSを十分短くすることが望ましい。前述したように、周期TSを十分に短くすれば、可視化対象の音の波形をより細やかにサンプリングして可視化すること、すなわち、音響空間に放射される音の伝搬状態をより詳細に可視化することが可能になるからである。
(G:変形)
以上本発明の第1から第6実施形態を説明したが、これら実施形態に以下の変形を加えても勿論良い。
(1)上述した実施形態では、音響空間内の各々異なる位置に配置される音/光変換器の発光部がどの程度の輝度で発光するのかを目視することでその音響空間における音波の伝搬状態を利用者に把握させた。しかし、上記各発光部の発光の様子を一般的なビデオカメラ等により撮像して記録するようにしても勿論良い。その際、現場では観測できなくても記録されたもので観測されればいいようなアプリケーション(用途、方法)では赤外線LED等の非可視光のLEDの使用も考えられる。
(2)上述した実施形態では、ストローブ信号発生器と音/光変換器との間のストローブ信号の伝送を有線通信で行ったが、無線通信で行っても良い。また、デイジーチェーン方式でストローブ信号SSを伝送する態様にあっては、発光部130の発する光をストローブ信号SSとして用いることも考えられる。また、音/光変換器50にストローブ信号転送制御部140を設ける態様においては、フィルタ処理部160の通過域を示すデータを付与してストローブ信号SSを後段装置に転送し、後段装置では、ストローブ信号SSに付与されているデータにしたがってフィルタ処理部160の通過域を設定するようにしても良い。このような態様によれば、音場可視化システムに含まれる全ての音/光変換器に対して逐一通過域の設定を行う必要がなくなり、その設定作業の手間を省くことができる。
(3)上述した実施形態では、音源3が楽器である場合(すなわち、音場可視化システムによる可視化対象の音が楽器の演奏音)である場合について説明した。しかし、人の発声音(すなわち、音源3が人である場合)や動物の鳴き声(すなわち、音源3が動物である場合)、機械や電子機器の作動音(すなわち、音源3が機械や電子機器である場合)の伝搬状態の可視化に上記各実施形態の音場可視化システムを用いても勿論良い。また、上述した実施形態では、音源3から放射される直接音の可視化を行う場合について説明したが、音響空間2の壁や天井による反射音を可視化対象としても良い。さらに、スピーカや楽器等の発音体の筐体を透明な素材(例えば、透明な樹脂など)で構成し、その筐体内に上記各実施形態の音場可視化システムを配置することで、発音体の筐体内の音の伝搬状況を可視化することも可能である。このように、発音体の筐体内の音の伝搬状況を可視化することができるので、本発明は楽器やスピーカ等の発音体の製品テスト(例えば、楽器がその設計通りに音を奏でているか否かのテスト)や設計補助、または商品の音響性能をエンドユーザに伝える為の手段として有効である。
(4)上述した各実施形態ではLEDなどの発光素子を発光体として用いて発光部130を構成したが、電球(或いは電球に色セロハンを貼り付けたもの)やネオン管を上記発光体として用いても勿論良い。ただし、反応速度や消費電力という観点からはLEDなどの発光素子を用いることが好ましいことは言うまでもない。
(5)上述した各実施形態では、サンプルホールド回路122から出力される電圧値を電圧電流変換回路124によってその電圧値に比例した電流値の電流に変換して発光部130に与えた。これにより、マイクロホン110により収音される音の音圧と発光部130の発光輝度の線形性が担保されるのであるが、このような線形性を必要としない場合には、電圧電流変換回路124を省略しても勿論良い。また、電圧電流変換回路124に換えてPWM変調回路やPDM変調回路を用いるとより好ましい。なお、PWM変調回路やPDM変調回路としては周知の構成のものを用いることが考えられる。また、電圧電流変換回路124に換えてPWM変調回路やPDM変調回路を用いる態様においては、PWM変調回路やPDM変調回路の前段にA/D変換器を設けておくことが好ましい。
1A,1B,1C…音場可視化システム、2…音響空間、3…音源、10(k),30(k),40,50、60,70…音/光変換器、20…ストローブ信号発生器、110…マイクロホン、120,220…発光制御部、122…サンプルホールド回路、124…電圧電流変換回路、126…データ書き込み/読み出し制御部、130…発光部,130a,130b,130c…発光体、140…ストローブ信号転送制御部、142…遅延手段、150…ストローブ信号発生部、160,170…フィルタ処理部、174a,174b,174c…バンドパスフィルタ、180…記憶部。

Claims (5)

  1. 発光部と、
    マイクロホンと、
    ストローブ信号に同期させて前記マイクロホンの出力信号の瞬時値をサンプルホールドし、サンプルホールドされた瞬時値に応じた輝度で前記発光部を発光させる発光制御部と、
    を有することを特徴とする音/光変換器。
  2. 記憶部を有し、
    前記発光制御部は、ストローブ信号に同期させてサンプルホールドした前記マイクロホンの出力信号の瞬時値を示すデータを前記記憶部に順次書き込む一方、前記記憶部に記憶されているデータを前記ストローブ信号の周期よりも長い周期でその書き込み順に順次読み出し、そのデータの示す瞬時値に応じた輝度で前記発光部を発光させる処理を実行することを特徴とする請求項1に記載の音/光変換器。
  3. 前記ストローブ信号を予め定められた時間だけ遅延させて1または複数の他の音/光変換器にストローブ信号を転送するストローブ信号転送制御部を有することを特徴とする請求項1または2に記載の音/光変換器。
  4. 前記マイクロホンの出力信号にフィルタ処理を施して前記発光制御部に与えるフィルタ処理部を有することを特徴とする請求項1から3の何れか1に記載の音/光変換器。
  5. 前記発光部は各々異なる色で発光する複数の発光体を有し、
    前記フィルタ処理部は、前記マイクロホンの出力信号を前記複数の発光体の各々に予め対応付けられた帯域成分に分割する帯域分割フィルタを含み、
    前記発光制御部は、前記フィルタ処理部によって分割された帯域成分毎に瞬時値のサンプルホールドを行い、前記複数の発光体の各々をその発光体に対応する帯域成分の瞬時値に応じた輝度で発光させる処理を実行することを特徴とする請求項4に記載の音/光変換器。

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